JP7446384B2 - 使用済み吸収性物品からパルプ繊維を回収する方法及びシステム - Google Patents
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Description
本方法では、少なくとも、容器で収集袋を受け入れた後、容器とは別に設けられた破砕装置に収集袋を移しつつ、その破砕装置において、不活化水溶液内で、収集袋内の使用済み吸収性物品の高吸収性ポリマーを不活化しつつ、その使用済み吸収性物品を収集袋ごと破砕する。すなわち、使用済み吸収性物品が破砕されるときには、容器とは別の破砕装置内で不活化水溶液の中で破砕され、かつ破砕後には不活化水溶液及び破砕物が分離装置へ移送される。そのため、不活化水溶液に汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりするとしても、汚れや菌類の混入した不活化水溶液や破砕物は容器にはほとんど達しない。それゆえ、容器に汚れや菌類をほとんど残さずに、破砕をすることができる。加えて、臭気を不活化水溶液で封止できるので、臭気の発生も低く抑えることができる。特に、不活化水溶液中で破砕を行うと、尿等の排泄物に由来するアルカリ性揮発成分が揮発せずに不活化水溶液内に留まるため、アンモニア等のアルカリ性ガスによる臭気の発生を抑制することができる。それにより、使用済み吸収性物品の破砕のときに、汚れや菌類が飛散したり、その汚れに伴う臭気が放出されたりすることを抑制できる。すなわち、使用済みの吸収性物品を衛生的かつ安全に破砕できると共に、作業やメンテナンスにおける衛生管理のコストを抑制できる。
本方法では、少なくとも、収集袋に穴を開けることにより、不活化水溶液を穴から収集袋内に導入して、使用済みの吸収性物品に含まれる高吸水性ポリマーを不活化水溶液で不活化すると共に、収集袋を実質的に不活化水溶液の水面下に沈める。それにより、不活化水溶液の水面下に沈んだ収集袋を、不活化水溶液と共に溶液槽から移しつつ、使用済み吸収性物品を収集袋ごと不活化水溶液中で破砕することができる。したがって、破砕を開始するまでは不活化水溶液に汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりすることはほとんどない。そして、使用済み吸収性物品が破砕されるときに、不活化水溶液に汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりするとしても、破砕とほぼ同時に、汚れや菌類の混入した不活化水溶液が破砕物と共に溶液槽から送出されるので、溶液槽に汚れや菌類をほとんど残さずに、流し去ることができる。加えて、臭気を不活化水溶液で封止できるので、臭気の発生も低く抑えることができる。それにより、使用済み吸収性物品の破砕のときに、汚れや菌類が飛散したり、その汚れに伴う臭気が放出されたりすることを抑制できる。
本方法では、収集袋に穴を開ける工程と使用済み吸収性物品を収集袋ごと破砕する工程とが互いに異なる(別の)箇所(位置)で行われる。それゆえ、不活化水溶液を穴から収集袋内に導入し、収集袋を不活化水溶液の水面下に確実に沈めてから、別の箇所で破砕を行うことができる。そのため、破砕のときに、収集袋の一部が不活化水溶液の水面上に露出し、穴の開口(裂け目)が不活化水溶液の水面上に曝されてしまい、使用済み紙おむつの汚れや菌類が飛散したり、その汚れに伴う臭気が放出されたりする、という事態を抑制できる。
本方法では、破砕物と不活化水溶液との混合物を液中破砕工程から積極的に引き抜くことにより、混合物の移動に伴って、液中破砕工程に関わる機器の汚れを不活化水溶液により取り除く(流し去る)ことができる。それにより、破砕工程における衛生状態を良好に保つことができる。
本方法では、回転軸の周りを回転しながら溶液槽中を上下する突起物で、収集袋に穴を開ける。それゆえ、収集袋を不活化水溶液中に沈降させなくても、例えば突起物を容積槽の上部へ移動させ、収集袋に接触させることで、収集袋に確実に穴を開けることができる。穴を開けてから収集袋を不活化水溶液中に沈降させるので、収集袋を、短時間に確実に酸性溶液中に沈めることができ、処理時間を低減して、処理効率を高めることができる。
本方法では、収集袋を不活化水溶液中に送り込み、溶液槽の下部の突起物で、収集袋に穴を開ける。収集袋を不活化水溶液中に沈降させてから穴を開けるので、収集袋内の使用済み吸収性物品から汚れや臭気が外部に拡散することを確実に防止することができる。それにより使用済みの吸収性物品を衛生的かつ安全に破砕することができる。
本方法では、破砕装置内に予め不活化水溶液を貯留し、その不活性水溶液の中で収集袋内の使用済み吸収性物品を、収集袋ごと不活化水溶液中で破砕する。そのため、確実に不活化水溶液内で、収集袋内の使用済み吸収性物品を収集袋ごと破砕することができる。
本方法では、破砕装置の直下に分離装置が配置されているので、粉砕装置で破砕された破砕物及び不活化水溶液を、素早く確実に分離装置に移送することができる。それにより、不活化水溶液に汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりするとしても、それらの影響をより低く抑えることができる。
本方法では、破砕工程において、破砕装置の調整により、破砕物の大きさの平均値が50mm以上、100mm以下となるように破砕する。ただし、破砕物の大きさとは、形状が矩形の場合には長辺の長さ、円の場合には直径、不定型の場合にはその面積に対応する正方形の辺の長さとする。その場合、各使用済み吸収性物品の裏面シート及び/又は表面シートに確実に切れ目を入れることができるので、各使用済み吸収性物品において切れ目から概ね残らずパルプ繊維を取り出すことができる。それにより、パルプ繊維の回収率(再生されるパルプ繊維の総量/供給される使用済み吸収性物品のパルプ繊維の総量)や高吸水性ポリマーの回収率を高めることができる。ただし、大きさの平均値を50mm未満にすると、パルプ繊維や高吸水性ポリマー以外の他の資材(例示:フィルム(裏面シートなど)、不織布(表面シートなど)、弾性体(防漏壁用ゴムなど))が小さく切断され過ぎて、パルプ繊維や高吸水性ポリマーと分離し難くなる。その結果、再生されるパルプ繊維や高吸水性ポリマーに混入する他の資材が増加し、パルプ繊維や高吸水性ポリマーの回収率が低下する。一方、大きさの平均値を100mmより大きくすると、使用済みの吸収性物品に切り目を入れ難くなる。その結果、パルプ繊維や高吸水性ポリマーを取り出せない使用済み吸収性物品が生じてしまい、パルプ繊維や高吸水性ポリマーの回収率が低下する。
本方法では、使用済み吸収性物品を破砕する工程を、二軸破砕機(例示:二軸回転式破砕機、二軸差動式破砕機、二軸せん断式破砕機)を用いて実行している。そのため、破砕物の大きさを概ね所定の範囲に揃えることができる。それにより、破砕物が小さくなり過ぎて、パルプ繊維に異物が混入したり、破砕物が大きくなり過ぎて、パルプ繊維を取り出せない使用済み吸収性物品が生じたりして、パルプ繊維の回収率が低下する、という事態を抑制できる。
本方法では、不活化水溶液が酸性水溶液であるため、使用済み吸収性物品中の高吸水性ポリマーを確実に脱水し、かつ、不活化することができる。特に、酸性水溶液中で破砕を行うと、尿等の排泄物に由来するアルカリ性揮発成分が揮発せずに酸性水溶液内に留まるため、アンモニア等のアルカリ性ガスによる臭気の発生を抑制することができる。それにより、破砕工程において、使用済み吸収性物品が大きく膨らむことがなく、破砕を容易に行うことができ、処理効率を高めることができる。
本方法では、酸性水溶液はクエン酸を含んでいるので(例示:濃度0.5~2.0質量%)、使用済み吸収性物品中の高吸水性ポリマーを脱水し、不活化できると共に、酸による作業者への悪影響がほとんどなく、酸による各工程の機器の腐食も抑制できる。
本システムでは、少なくとも、容器で収集袋を受け入れた後、容器とは別に設けられた破砕装置に収集袋を移しつつ、その破砕装置において、不活化水溶液内で、収集袋内の使用済み吸収性物品の高吸収性ポリマーを不活化しつつ、その使用済み吸収性物品を収集袋ごと破砕する。すなわち、使用済み吸収性物品が破砕されるときには、容器とは別の破砕装置内で不活化水溶液の中で破砕され、かつ破砕後には不活化水溶液及び破砕物が分離装置へ移送される。そのため、不活化水溶液に汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりするとしても、汚れや菌類の混入した不活化水溶液や破砕物は容器にはほとんど達しない。それゆえ、容器に汚れや菌類をほとんど残さずに、破砕をすることができる。加えて、臭気を不活化水溶液で封止できるので、臭気の発生も低く抑えることができる。特に、不活化水溶液中で破砕を行うと、尿等の排泄物に由来するアルカリ性揮発成分が揮発せずに不活化水溶液内に留まるため、アンモニア等のアルカリ性ガスによる臭気の発生を抑制することができる。それにより、使用済み吸収性物品の破砕のときに、汚れや菌類が飛散したり、その汚れに伴う臭気が放出されたりすることを抑制できる。すなわち、使用済みの吸収性物品を衛生的かつ安全に破砕できると共に、作業やメンテナンスにおける衛生管理のコストを抑制できる。
本システムでは、少なくとも、収集袋に穴を開けることにより、不活化水溶液を穴から収集袋内に導入して、使用済みの吸収性物品に含まれる高吸水性ポリマーを不活化水溶液で不活化すると共に、収集袋を実質的に不活化水溶液の水面下に沈める。それにより、不活化水溶液の水面下に沈んだ収集袋を、不活化水溶液と共に溶液槽から移しつつ、使用済み吸収性物品を収集袋ごと不活化水溶液中で破砕することができる。したがって、破砕を開始するまでは不活化水溶液に汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりすることはほとんどない。そして、使用済み吸収性物品が破砕されるときに、不活化水溶液に汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりするとしても、破砕とほぼ同時に、汚れや菌類の混入した不活化水溶液が破砕物と共に溶液槽から送出されるので、溶液槽に汚れや菌類をほとんど残さずに、流し去ることができる。加えて、臭気を不活化水溶液で封止できるので、臭気の発生も低く抑えることができる。
本システムでは、収集袋に穴を開ける破袋装置と使用済み吸収性物品を収集袋ごと破砕する破砕装置とが互いに異なる装置である。そのため、穴の開口と使用済み吸収性物品の破砕とを確実に別の箇所(位置)で行うようにできるので、不活化水溶液を穴から収集袋内に導入し、収集袋を不活化水溶液の水面下に確実に沈めてから、別の箇所で破砕を行うことができる。それゆえ、破砕のときに、収集袋の一部が不活化水溶液の水面上に露出し、穴の開口(裂け目)が不活化水溶液の水面上に曝されてしまい、使用済み紙おむつの汚れや菌類が飛散したり、その汚れに伴う臭気が放出されたりする、という事態を防止できる。
本システムでは、破砕物と不活化水溶液との混合物を破砕部からポンプで積極的に引き抜くことにより、混合物の移動に伴って、破砕部の汚れを不活化水溶液により取り除く(流し去る)ことができる。それにより破砕装置における衛生状態を良好に保つことができる。
本システムでは、回転軸の周りを回転しながら溶液槽中を上下移動する突起物で、収集袋に穴を開ける。それゆえ、収集袋を不活化水溶液中に沈降させなくても、例えば突起物を容積槽の上部へ移動させ、収集袋に接触させることで、収集袋に確実に穴を開けることができる。穴を開けてから収集袋を不活化水溶液中に沈降させるので、収集袋を、短時間に確実に酸性溶液中に沈めることができ、処理時間を低減して、処理効率を高めることができる。
本システムでは、収集袋を不活化水溶液中に送り込む、溶液槽の下部の突起物で、収集袋に穴を開ける。収集袋を不活化水溶液中に沈降させてから穴を開けるので、収集袋内の使用済み吸収性物品から汚れや臭気が外部に拡散することを確実に防止することができる。それにより、使用済みの吸収性物品を衛生的かつ安全に破砕できる。
本システムでは、破砕装置内に予め不活化水溶液を貯留し、その不活性水溶液の中で収集袋内の使用済み吸収性物品を、収集袋ごと不活化水溶液中で破砕する。そのため、確実に不活化水溶液内で、収集袋内の使用済み吸収性物品を収集袋ごと破砕できる。
本システムでは、破砕装置の直下に分離装置が配置されているので、粉砕装置で破砕された破砕物及び不活化水溶液を、素早く確実に分離装置に移送することができる。それにより、不活化水溶液に汚れや菌類が混ざったり、臭気が生じたりするとしても、それらの影響をより低く抑えることができる。
本システムでは、破砕装置の調整により、破砕物の大きさの平均値が50mm以上、100mm以下となるように破砕する。ただし、破砕物の大きさとは、形状が矩形の場合には長辺の長さ、など上述のとおりとする。その場合、各使用済み吸収性物品の裏面シート及び/又は表面シートに確実に切れ目を入れることができるので、各使用済み吸収性物品において切れ目から概ね残らずパルプ繊維を取り出すことができる。それにより、パルプ繊維の回収率や高吸水性ポリマーの回収率を高めることができる。ただし、大きさの平均値を50mm未満にすると、パルプ繊維や高吸水性ポリマー以外の他の資材が小さく切断され過ぎて、パルプ繊維や高吸水性ポリマーと分離し難くなる。その結果、再生されるパルプ繊維や高吸水性ポリマーに混入する他の資材が増加し、パルプ繊維や高吸水性ポリマーの回収率が低下する。一方、大きさの平均値を100mmより大きくすると、使用済みの吸収性物品に切り目を入れ難くなる。その結果、パルプ繊維や高吸水性ポリマーを取り出せない使用済み吸収性物品が生じてしまい、パルプ繊維や高吸水性ポリマーの回収率が低下する。
本システムでは、使用済み吸収性物品の破砕装置として、二軸破砕機(例示:二軸回転式破砕機、二軸差動式破砕機、二軸せん断式破砕機)を用いている。そのため、破砕物の大きさを概ね所定の範囲に揃えることができる。それにより、破砕物が小さくなり過ぎて、パルプ繊維に異物が混入したり、破砕物が大きくなり過ぎて、パルプ繊維を取り出せない使用済み吸収性物品が生じたりして、パルプ繊維の回収率が低下する、という事態を抑制できる。
本システムでは、不活化水溶液が酸性水溶液であるため、使用済み吸収性物品中の高吸水性ポリマーを確実に脱水し、かつ、不活化することができる。特に、酸性水溶液中で破砕を行うと、尿等の排泄物に由来するアルカリ性揮発成分が揮発せずに酸性水溶液内に留まるため、アンモニア等のアルカリ性ガスによる臭気の発生を抑制することができる。それにより、破砕工程において、使用済み吸収性物品が大きく膨らむことがなく、破砕を容易に行うことができ、処理効率を高めることができる。
本システムでは、酸性水溶液はクエン酸を含んでいるので(例示:濃度0.5~2.0質量%)、使用済み吸収性物品中の高吸水性ポリマーを脱水し、不活化できると共に、酸による作業者への悪影響がほとんどなく、酸による各工程の機器の腐食も抑制できる。
第1の実施の形態について説明する。
まず、吸収性物品の構成例について説明する。吸収性物品は、表面シートと、裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配置された吸収体とを備える。吸収性物品の大きさの一例としては長さ約15~100cm、幅5~100cmが挙げられる。なお、吸収性物品は、一般的な吸収性物品が備える更に他の部材、例えば拡散シートや防漏壁などを含んでいてもよい。
破袋装置11は、例えばバルブを備える配管を介して供給された酸性水溶液Bを溜めていて、その酸性水溶液B中に入れられた収集袋Aに穴を開ける。破袋装置11は、溶液槽(容器)Vと、穴開け部50と、を含む。溶液槽Vは、酸性水溶液Bを溜める。穴開け部50は、溶液槽V内に設けられており、収集袋Aが溶液槽Vに入れられたときに、収集袋Aにおける酸性水溶液Bに接する表面に穴を開ける。
穴開け部50は、送り込み部30と、破袋部40と、を含む。送り込み部30は、収集袋Aを(物理的に強制的に)溶液槽V内の酸性水溶液B中に送り込む(引き込む)。送り込み部30は、例えば攪拌機が挙げられ、撹拌羽根33と、撹拌羽根33を支持する支持軸(回転軸)32と、支持軸32を軸に沿って回転する駆動装置31とを備える。撹拌羽根33が、駆動装置31により回転軸(支持軸32)の周りを回転することで、酸性水溶液Bに旋回流を起こす。送り込み部30は、旋回流により、収集袋Aを酸性水溶液B(溶液槽V)の底部方向へ引き込む。
破袋部40は、溶液槽Vの下部(好ましくは底部)に配置されており、破袋刃41と、破袋刃41を支持する支持軸(回転軸)42と、支持軸42を軸に沿って回転する駆動装置43と、を備える。破袋刃41は、駆動装置43により回転軸(支持軸42)の周りを回転することで、酸性水溶液B(溶液槽V)の下部に移動した収集袋Aに穴を開ける。ただし、溶液槽Vの下部とは、溶液槽Vの高さ方向の半分の位置より下側の部分を示す。
なお、破袋装置11の穴開け部50の破袋刃41は、回転軸(支持軸42)の周りを回転しながら溶液槽V中を上下方向に移動可能であってもよい。その場合、破袋刃41が上方へ移動することで、収集袋Aが酸性水溶液B(溶液槽V)の下部に移動しなくても、収集袋Aに穴を開けることができる。
破袋部40aは、溶液槽Vaの底部から内部へ延びるように配置されており、回転ローター41aと、回転ローター41aを支持する支持軸(回転軸)42と、支持軸42を軸に沿って回転する駆動装置43と、を備える。回転ローター41aは、円錐状の本体部45と、本体部45の側面に配置された複数の突起部44と、を有する。回転ローター41aが、酸性水溶液B(溶液槽Va)中で回転軸(支持軸42)の周りを回転することで、酸性水溶液B(溶液槽Va)内に移動してきた収集袋Aに複数の突起部44で穴を開ける。破袋部40aと溶液槽Vaとを一体化したものとしては、例えばミキサーパルパー(相川鉄工株式会社製)が挙げられる。
第1分離装置13としては、例えば洗濯槽兼脱水槽及びそれを囲む水槽を備える洗濯機が挙げられる。ただし、洗濯槽兼脱水槽(回転ドラム)が洗浄槽兼ふるい槽(分離槽)として用いられる。洗濯槽の周面に設けられた複数の貫通孔の大きさは、破砕物のうちのパルプ繊維及び高吸水性ポリマーが通過し易く、他の資材が通過し難い大きさとする。洗濯機としては、例えば横型洗濯機ECO-22B(株式会社稲本製作所製)が挙げられる。
第1除塵装置14は、例えばスクリーン分離機が挙げられる(粗スクリーン分離機)。ただし、スクリーン(ふるい)の開口には特に制限はなく、例えばスリット、丸孔、四角孔、メッシュが挙げられるが、ここでは丸孔を用いる。開口の大きさ、すなわち丸孔の大きさ(直径)は、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーが通過可能な大きさで、第1分離装置13で除去できなかった他の資材(異物)が通過困難な大きさで、かつ第2除塵装置15のスクリーンの開口の大きさより大きい大きさとする。丸孔の大きさは、例えば、直径2~5mmφであり、それにより少なくとも10mm角程度以上の他の資材(異物)を除去できる。スリットの場合、スリットの大きさ(幅)は例えば2~5mmである。
なお、異物除去の効率向上の観点から、第1分離装置13から送出された混合液93を加圧しつつ(例示:0.5~1kgf/cm2)、第1除塵装置14に供給してもよい。第1除塵装置14は、例えばパックパルパー(株式会社サトミ製作所製)が挙げられる。
第2除塵装置15は、例えばスクリーン分離機が挙げられる。ただし、スクリーン(ふるい)の開口には特に制限はなく、例えばスリット、丸孔、四角孔、メッシュが挙げられるが、ここではスリットを用いる。スリットの大きさ(幅)は、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーが通過可能な大きさで、かつ第1除塵装置14で除去できなかった他の資材(異物)が通過困難な大きさとする。スリットの大きさは、例えば、幅0.2~0.5mmであり、それにより少なくとも3mm角程度以上の他の資材(異物)を除去できる。丸孔の場合、丸孔の大きさ(直径)は例えば直径0.2~0.5mmφである。
なお、異物除去の効率向上の観点から、第1除塵装置14から送出された混合液94を加圧しつつ(例示:0.5~2kgf/cm2)、第2除塵装置15に供給してもよい。その圧力は、相対的に小さい異物を除去する観点から、第1除塵装置14の圧力よりも高いことが好ましい。第2除塵装置15としては例えばラモスクリーン(相川鉄工株式会社製)が挙げられる。
第3除塵装置16は、例えばサイクロン分離機が挙げられる。相対的に比重の軽い酸性水溶液中のパルプ繊維及び高吸水性ポリマーが上昇し、それらよりも比重の重い異物(金属など)が下降するように、所定の流速で、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーを含む酸性水溶液(混合液95)を、第3除塵装置16の逆さ向きの円錐筐体(図示されず)内に供給する。第3除塵装置16としては、ACT低濃度クリーナー(相川鉄工株式会社製)に例示される。
第2分離装置17は、例えばドラムスクリーン分離機が挙げられる。ただし、ドラムスクリーン(ふるい)の開口には特に制限はなく、例えばスリット、丸孔、四角、メッシュ孔が挙げられるが、ここではスリットを用いる。スリットの大きさ(幅)は、高吸水性ポリマーが通過可能な大きさで、かつパルプ繊維を通過困難な大きさとする。スリットの場合、スリットの大きさは、例えば幅0.2~0.8mmであり、それにより少なくとも多くの高吸水性ポリマーを除去できる。丸孔の場合、丸孔の大きさは、例えば直径0.2~0.8mmφである。第2分離装置17としては、ドラムスクリーン脱水機(東洋スクリーン株式会社製)が挙げられる。
第3分離装置18は、例えばスクリュープレス脱水機が挙げられる。円筒状のドラムスクリーンと、ドラムスクリーンの円筒の軸に沿って延びるスクリュー軸と、スクリュー軸の外側に設けられドラムスクリーンの内周面に沿って回転するスクリュー羽根と、を備える。ただし、ドラムスクリーン(ふるい)の開口には特に制限はなく、例えばスリット、丸孔、四角、メッシュ孔が挙げられるが、ここではスリットを用いる。スリットの大きさ(幅)は、高吸水性ポリマーが通過可能な大きさで、かつパルプ繊維を通過困難な大きさとする。スリットの場合、スリットの大きさは、例えば幅0.1~0.5mmであり、少なくとも残りの高吸水性ポリマーを除去できる。第3分離装置18は、ドラムスクリーン側面のスリットから高吸水性ポリマーと酸性水溶液を含む液体を送出しつつ、ドラムスクリーン先端の押圧が調整された蓋体の隙間からパルプ繊維と高吸水性ポリマーを含む固体を、高吸水性ポリマーを押し潰しつつ送出する。蓋体に印加される押圧の圧力は、例えば、0.01MPa以上、1MPa以下が挙げられる。第3分離装置18としてはスクリュープレス脱水機(川口精機株式会社製)が挙げられる。
酸化剤処理装置は、酸化剤としてオゾンを用いる場合、例えば、処理槽と、オゾン供給装置と、を備える。処理槽は、酸性水溶液を処理液として貯蔵する。オゾン供給装置は、処理槽にガス状物質であるオゾン含有ガスを供給する。オゾン供給装置のオゾン発生装置としては、例えばエコデザイン株式会社製オゾン水曝露試験機ED-OWX-2、三菱電機株式会社製オゾン発生装置OS-25Vが挙げられる。オゾン供給装置のノズルは、処理槽の下部に配置され、例えば管状又は平板状の形状を有する。ノズルは、オゾン含有ガスZを複数の細かい気泡として処理液中に供給する。処理液としては、オゾンの失活の抑制や、高吸水性ポリマーの不活化の観点から、酸性水溶液が好ましく、酸による作業者や装置への影響の低減の観点から有機酸が好ましく、中でも金属の除去の観点からクエン酸が好ましい。
なお、酸化剤としてオゾンガスを用いているが、本実施の形態はこの例に限定されるものではなく、他の酸化剤を用いてもよく、ガス状の酸化剤でなくても液体の酸化剤や固体の酸化剤を液中に溶融させたものであってもよい。酸化剤としては、例えば二酸化塩素、過酢酸、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素が挙げられる。
第4分離装置20としては、例えばスクリーン分離機が挙げられる。ただし、スクリーン(ふるい)の開口には特に制限はなく、例えばスリット、丸孔、四角孔、メッシュが挙げられるが、ここではスリットを用いる。スリットの大きさ(幅)は、パルプ繊維が通過困難な大きさである。スリットの大きさは、例えば、幅0.2~0.8mmである。丸孔の場合、丸孔の大きさは、例えば直径0.2~0.8mmφである。
また、例えば図3の破袋装置11では、まず、送り込み部30aの上方から、板状部材37の螺旋に沿って収集袋Aが次々に押し込まれ、板状部材37上を螺旋に沿って移動させられて、送り込み部30aの下方から酸性水溶液Bが満たされた溶液槽Va内に物理的に強制的に送り込まれる。そして、溶液槽Vaに移動してきた収集袋Aが、回転ローター41aの回転軸(支持軸42)の周りの回転により、突起部44に接触して穴を開けられる。
例えば、図2の破砕装置12では、まず、破砕部60により、配管61のバルブ(図示されず)の開により主に重力で溶液槽Vから酸性水溶液Bと共に送出された収集袋A内の使用済み吸収性物品が、収集袋Aごと酸性水溶液B中で破砕される(液中破砕工程)。このとき、図4の破砕部60では、一方の回転軸72の周りを破砕部60の内側に向かって回転する回転刃74及びスペーサ73と、他方の回転軸72の周りを破砕部60の内側に向かって回転する回転刃74及びスペーサ73との間に、混合液91が供給され、収集袋Aが袋ごと破砕される。そして図2の破砕装置12において、ポンプ63により、破砕部60(液中破砕工程)で得られた破砕物を含む酸性水溶液B(混合液92)が破砕部60から引き出され(引出工程)、次工程へ送出される。
例えば酸化剤処理装置19では、混合物98が処理槽の上部から投入され、処理液、すなわち酸化剤を含む水溶液の上部から下部へ向かって沈降してゆく。一方、オゾン含有ガスが、処理槽内のノズルから処理液内に細かい気泡の状態(例示:マイクロバブル又はナノバブル)で連続的に放出される。すなわちオゾン含有ガスは、処理液の下部から上部へ向かって上昇してゆく。処理液内で、沈降するパルプ繊維と、上昇するオゾン含有ガスとが、対向して進みつつ衝突し合う。そして、オゾン含有ガスは、パルプ繊維の表面に、パルプ繊維を包み込むように付着する。そのとき、オゾン含有ガス中のオゾンが、パルプ繊維中の高吸水性ポリマーと反応して、高吸水性ポリマーを酸化分解して、処理液に溶解させる。それにより、混合物98のパルプ繊維に含まれる高吸水性ポリマーを酸化分解してパルプ繊維から除去する。
本方法では、収集袋に穴を開ける工程(破袋装置11)と使用済み吸収性物品を収集袋ごと破砕する工程(破砕装置12)とが互いに異なる別の箇所又は位置(装置)で行われる。それゆえ、不活化水溶液を穴から収集袋内に導入し、収集袋を不活化水溶液の水面下に確実に沈めてから、別の箇所又は位置で破砕を行うことができる。そのため、破砕のときに、収集袋の一部が不活化水溶液の水面上に露出し、穴の開口(裂け目)が不活化水溶液の水面上に曝されてしまい、使用済み紙おむつの汚れや菌類が飛散したり、その汚れに伴う臭気が放出されたりする、という事態を抑制できる。
本方法では、破砕物と不活化水溶液との混合液92を液中破砕工程(破砕部60)から積極的に引き抜くことにより、混合液92の移動に伴って、液中破砕工程(破砕部60)に関わる機器の汚れを不活化水溶液により取り除く(流し去る)ことができる。それにより、破砕工程(破砕装置12)における衛生状態を良好に保つことができる。
ここで、鉛直方向において、溶液槽と比較して破砕部は下方に存在することが好ましい。それにより、重力をも利用して、混合液92を液中破砕工程(破砕部60)から積極的に引き抜くことができる。それにより、より確実に混合液92の移動に伴って、液中破砕工程(破砕部60)に関わる機器の汚れを不活化水溶液により取り除く(流し去る)ことができる。
本方法では、破砕工程S12(破砕装置12)において、破砕装置12の調整により、破砕物の大きさの平均値が50mm以上、100mm以下となるように破砕する。その場合、各使用済み吸収性物品の裏面シート及び/又は表面シートに確実に切れ目を入れることができるので、各使用済み吸収性物品において切れ目から概ね残らずパルプ繊維を取り出すことができる。それにより、パルプ繊維や高吸水性ポリマーの回収率を高めることができる。ただし、大きさの平均値を50mm未満にすると、パルプ繊維や高吸水性ポリマー以外の他の資材(例示:フィルム、不織布、弾性体など)が小さく切断され過ぎて、パルプ繊維や高吸水性ポリマーと分離し難くなる。その結果、再生されるパルプ繊維や高吸水性ポリマーに混入する他の資材が増加し、パルプ繊維の回収率が低下する。一方、大きさの平均値を100mmより大きくすると、使用済みの吸収性物品に切り目を入れ難くなる。その結果、パルプ繊維や高吸水性ポリマーを取り出せない使用済み吸収性物品が生じてしまい、パルプ繊維や高吸水性ポリマーの回収率が低下する。
本方法では、使用済み吸収性物品を破砕する工程が二軸破砕機を用いて実行される(破砕部60は二軸破砕機を含む)。二軸破砕機は、二軸回転式破砕機、二軸差動式破砕機、二軸せん断式破砕機に例示される。そのため、破砕物の大きさを概ね所定の範囲に揃えることができる。それにより、破砕物が小さくなり過ぎて、パルプ繊維に異物が混入したり、破砕物が大きくなり過ぎて、パルプ繊維を取り出せない使用済み吸収性物品が生じたりして、パルプ繊維の回収率が低下する、という事態を抑制できる。
本方法では、回転軸の周りを回転しながら溶液槽中を上下する突起物(破袋刃41)で、収集袋に穴を開ける。それゆえ、収集袋を不活化水溶液中に沈降させなくても、例えば突起物を溶液槽の上方へ移動させ、収集袋に接触させることで、収集袋に確実に穴を開けることができる。穴を開けてから収集袋を不活化水溶液中に沈降させるので、収集袋を、短時間に確実に酸性溶液中に沈めることができ、処理時間を低減して、処理効率を高めることができる。
本方法では、収集袋を不活化水溶液中に送り込み、溶液槽Vaの下部の突起物(破袋部40の破袋刃41、破袋部40aの回転ローター41aの突起部44)で、収集袋に穴を開ける。収集袋を不活化水溶液中に沈降させてから穴を開けるので、収集袋内の使用済み吸収性物品から汚れや臭気が外部に拡散することを確実に防止することができる。それにより、使用済みの吸収性物品をより衛生的かつ安全に破砕することができる。
本方法では、不活化水溶液が酸性水溶液であるため、使用済み吸収性物品中の高吸水性ポリマーを確実に脱水し、かつ、不活化することができる。特に、酸性水溶液中で破砕を行うと、尿等の排泄物に由来するアルカリ性揮発成分が揮発せずに酸性水溶液内に留まるため、アンモニア等のアルカリ性ガスによる臭気の発生を抑制することができる。それにより、破砕工程S12(破砕装置12)において、使用済み吸収性物品が大きく膨らむことがなく、破砕を容易に行うことができ、処理効率を高めることができる。
本方法では、酸性水溶液はクエン酸を含んでいるので(例示:濃度0.5~2.0質量%)、使用済み吸収性物品中の高吸水性ポリマーを脱水し、不活化できると共に、酸による作業者への悪影響がほとんどなく、酸による各工程の機器の腐食も抑制できる。
第2の実施の形態について説明する。以下では、第1の実施の形態との相違点について主に説明する。ただし、本実施の形態においても、不活化水溶液として酸性水溶液を用いる場合を例に説明する。
容器65に収集袋Aが入れられ、容器65の底部に達して、破砕装置12内の酸性水溶液Bの中に収集袋Aの少なくとも一部が供給される。そして、破砕部60の一対の回転軸72、72の各々の回転刃74及びスペーサ73の回転により、収集袋Aは破砕部60内の酸性水溶液Bに引き込まれる。その結果、破砕部60により、収集袋A内の使用済み吸収性物品は、収集袋Aごと酸性水溶液B中で破砕される。なお、本実施の形態においても、破砕物の大きさの平均値が50mm以上、100mm以下となることが好ましい。
破砕部60から送出される破砕物と酸性水溶液Bとを含む混合液92は、配管62を介して破砕装置12(の破砕部60)の直下に配置された第1分離装置13へ送出される。
破砕物と酸性水溶液Bとを含む混合液92は、容器80内でインペラ81により撹拌され、破砕物から汚れが除去される洗浄が行われつつ、スクリーンプレート82の方向へ導かれる。そして、混合液92は、スクリーンプレート82により、パルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液と他の資材とに分離される。すなわち、混合液92中の破砕物のうち、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーがスクリーンプレート82を通過して側方室83に達して分離され、他の資材がスクリーンプレート82を通過しないで容器80内に残存する。側方室83に達したパルプ繊維、高吸水性ポリマー及び酸性水溶液B(混合液93)は、配管を介して第1除塵装置14へ送出される。ただし、他の資材の一部は分離しきれずに混合液93と共に送出される。第1分離装置13のスクリーンの開口の大きさとしては、円形の開口の場合には5mm~20mmφが挙げられ、それ以外の形状の開口の場合には円形と略同一面積の大きさが挙げられる。
未破砕の場合(比較例)、使い捨ておむつがそのまま第1分離工程S13で処理される。そのため、図示されるように、使い捨ておむつが大きくてかさばることや、表面シートと裏面シートとの結合が取れ難いこと等から第1分離装置13で処理できる、すなわちパルプ繊維と高吸水性ポリマーを取り出せる使い捨ておむつの量(処理量)が少なかった。ただし、破砕されないので、個々の資材の大きさが大きく、第1分離工程S13後の混合液93中に含まれる異物量が少なかった。
一方、破砕した場合(実施例)、使い捨ておむつががかさばらなくなるので、第1分離装置13で処理できる使い捨ておむつの量(処理量)が多くなった。ただし、破砕により、個々の資材が小さくなって、第1分離工程S13後の混合液93中に含まれる異物量が多くなった。
したがって、処理量の観点から未破砕よりも破砕した方が良いことが分った。更に、異物量の観点も考慮する場合には、破砕物の大きさの平均値を50mm以上、100mm以下とすることが好ましいことが分った。
V 溶液槽
S11 穴開け工程
S12 破砕工程
S13 第1分離工程
Claims (14)
- 収集袋に入れられた使用済み吸収性物品を破砕する方法であって、
使用済み吸収性物品を封入した収集袋を、不活化水溶液が常時貯留されていない容器に入れる受入工程と、
前記容器に前記不活化水溶液を供給する供給工程と、
前記容器の下方に連通された破砕装置に前記容器内の前記収集袋を移しつつ、前記不活化水溶液を上方から前記破砕装置に向けて供給し、前記破砕装置により、前記収集袋内の前記使用済み吸収性物品を、前記不活化水溶液中で破砕する破砕工程と、
破砕により得られた破砕物を前記不活化水溶液と共に前記破砕装置から分離装置へ送出する送出工程と、
を備える、
方法。 - 前記破砕工程は、前記容器が備える、前記容器内に前記不活化水溶液を供給する配管から、前記破砕装置に向けて前記不活化水溶液を供給する工程を含む、
請求項1に記載の方法。 - 前記破砕工程における、前記使用済み吸収性物品を、前記不活化水溶液と共に破砕する工程は、二軸破砕機で実行される、
請求項1又は2に記載の方法。 - 前記破砕装置から送出された前記破砕物及び前記不活化水溶液から、パルプ繊維、高吸水性ポリマー及び前記不活化水溶液を前記分離装置により分離する分離工程を更に備える、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。 - 前記分離工程は、前記破砕物及び前記不活化水溶液を、前記破砕装置の直下に配置された前記分離装置で直接受領する工程を含む、
請求項4に記載の方法。 - 前記不活化水溶液は、酸性水溶液である、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。 - 前記酸性水溶液は、クエン酸を含む、
請求項6に記載の方法。 - 収集袋に入れられた使用済みの吸収性物品を破砕する方法に使用されるシステムであって、
使用済み吸収性物品を封入した収集袋が入れられ、不活化水溶液が常時貯留されない容器であって、前記不活化水溶液が供給される容器と、
前記容器の下方に連通され、前記容器内の前記収集袋が移されつつ、前記不活化水溶液が上方から供給され、前記収集袋内の前記使用済み吸収性物品を、前記不活化水溶液中で破砕する破砕装置と、
を備え、
前記破砕装置は、破砕により得られた破砕物を、前記不活化水溶液と共に分離装置へ送出する、
システム。 - 前記容器は、前記容器内に前記不活化水溶液を供給する配管を備える、
請求項8に記載のシステム。 - 前記破砕装置は、二軸破砕機を含む、
請求項8又は9に記載のシステム。 - 前記破砕装置から送出された前記破砕物及び前記不活化水溶液から、パルプ繊維、高吸水性ポリマー及び前記不活化水溶液を分離する前記分離装置を更に備える、
請求項8乃至10のいずれか一項に記載のシステム。 - 前記分離装置は、前記破砕装置の直下に配置されており、前記破砕装置から前記破砕物及び前記不活化水溶液を直接受領する、
請求項8乃至11のいずれか一項に記載のシステム。 - 前記不活化水溶液は、酸性水溶液である、
請求項8乃至12のいずれか一項に記載のシステム。 - 前記酸性水溶液は、クエン酸を含む、
請求項13に記載のシステム。
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