JP7443883B2 - 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 - Google Patents
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Description
水銀圧入法で測定した細孔分布が2つ以上のピークを持ち、細孔径が最小のピークと次のピークの谷間の極小値以下の積算細孔容積をy[mL/g]とし、黒鉛表面の非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方のコート率をx(%)とした場合に下記式(1)および(2)を充足し、前記細孔径が最小のピークのピークトップの細孔径が360nm以下である非水二次電池用負極材。
式(1):y>0.005
式(2):y<-0.006x+0.12
[2] 表面の少なくとも一部に非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方を有する黒鉛を含み、
水銀圧入法で測定した細孔分布が2つ以上のピークを持ち、細孔径が最小のピークと次のピークの谷間の極小値以下の積算細孔容積をy[mL/g]とし、黒鉛表面の非晶質炭素質物および黒鉛質物のコート率をx(%)とした場合に下記式(1)および(3)を充足する非水二次電池用負極材。
式(1):y>0.005
式(3):y<-0.006x+0.079
[3] 前記黒鉛が天然黒鉛である[1]または[2]に記載の非水系二次電池用負極材。
[4] 真密度が2.20g/cm3以上、2.262g/cm3未満である[1]乃至[3]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材。
[5] タップ密度が0.85g/cm3以上である[1]乃至[4]の何れかに記載の
非水系二次電池用負極材。
[6] 表面の少なくとも一部が非晶質炭素質物によって被覆されている[1]乃至[5]の何れかに記載の非水系二次電池用負極材。
[7] 鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛、及び塊状黒鉛を造粒処理した球状黒鉛粒子を含有する[1]乃至[6]の何れかに記載の非水系二次電池用負極材。
[8] 前記造粒処理が、少なくとも衝撃、圧縮、摩擦、及びせん断力のいずれかの力学的エネルギーを付与する処理である[7]に記載の非水系二次電池用負極材。
[9] 前記造粒処理が、ケーシング内で高速回転する回転部材を備え、ケーシング内に複数のブレードを設置したローターを有する装置において、該ローターが高速回転することによって、内部に導入された黒鉛に対して衝撃、圧縮、摩擦、及びせん断力のいずれかを与えることで造粒する処理である[7]又は[8]に記載の非水系二次電池用負極材。[10] 集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備え、該活物質層が[1]乃至[9]のいずれかに記載の負極材を含有する、非水系二次電池用負極。
[11] 正極及び負極、並びに電解質を備え、該負極が[10]に記載の非水系二次電池用負極である、非水系二次電池。
本発明の一実施形態に係る非水系二次電池用負極材(以下、単に「負極材」と称することがある。)は、表面の少なくとも一部に非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方を有する黒鉛を含み、水銀圧入法で測定した細孔分布が2つ以上のピークを持ち、そのピークの谷間の極小値以下の積算細孔容積をy、コート率をxとした場合に下記式(1)および(2)を充足し、その極小値以下のピークにおけるピークトップの細孔径が360nm以下である非水二次電池用負極材である。
式(1):y>0.005
式(2):y<-0.006x+0.12
また、本発明の別の実施形態に係る非水系二次電池用負極材は、表面の少なくとも一部に非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方を有する黒鉛を含み、水銀圧入法で測定した細孔分布が2つ以上のピークを持ち、そのピークの谷間の極小値以下の細孔容積をy(mL/g)、コート率をx(%)とした場合に下記式(1)および(3)を充足することが好ましい。
式(1):y>0.005
式(3):y<-0.006x+0.079
これをコート率に対し特定の範囲まで小さくすることにより、電極を一定密度となるまでプレスした際に、従来の粒子内部に存在する細孔容積が大きい負極材と比較して、より粒子の変形が小さいままプレスすることが可能となり、まったく粒子内細孔がない負極材と比較してプレスした際に適度に変形することが可能となる。この結果、より高密度までプレスすることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る負極材は以下に説明する積算細孔容積とコート率の関係を満足する。また、本発明に係る負極材は、以下の各物性を満足していることが好ましい。
本発明に係る負極材において、水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)で測定した細孔分布が2つ以上のピークを持ち、細孔径が最小のピークと次のピークの谷間の極小値以下の積算細孔容積をy(mL/g)、コート率をx(%)とした場合に下記式(1)および(2)を充足する。
式(1):y>0.005
式(2):y<-0.006x+0.12
ピークの数としては2つ以上であり、より好ましくは2つである。
細孔分布のピークは粒子間の空隙と粒子内の空隙を示しており、ピークが一つの場合には粒子間空隙しか存在しないことを意味し、プレスした際の変形が不十分になる。 式(1)としては、粒子内空隙が存在する必要があるためy>0.005であり、y>0.01がより好ましく、y>0.015がさらに好ましい。
式(2)としては、y<αx+βとした場合、コート率xを横軸に、前記積算細孔容積yをy軸として、図1中の式(2)の傾きを表し、βは式(2)のy切片を表す。αは、非晶質炭素質物および黒鉛質物のコート率と粒子内空隙を埋める効率である点から-0.0055以下が好ましく、好ましくは-0.007以上であり、より好ましくは-0.0065以上であり、最も好ましくは-0.006、である。βは非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方でコートする前の粒子内空隙の値である点から0.11以下が好ましく、0.10以下がさらに好ましく、0.09以下がより好ましく、0.079以下が特に好ましく、0.07が最も好ましい。上記式の範囲外になるということは非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方で細孔がうまく被覆されていないことを示しており、良好なプレス性を得ることができないことを示し、結果として急速充電や出力保存特性に悪影響を及ぼす。
本発明に係る負極材において、細孔分布の細孔径が小さい側の2つのピークの谷間の極小値以下の範囲における積算細孔容積は水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した値で、通常0.12mL/g以下であり、好ましくは0.080mL/g以下であり、より好ましくは0.070mL/g以下であり、さらに好ましくは0.060mL/g以下であり、特に好ましくは0.050mL/g以下であり、最も好ましくは0.040mL/g以下であり、一方、好ましくは0.001mL/g以上であり、より好ましくは0.002mL/g以上であり、さらに好ましくは0.005mL/g以上であり、特に好ましくは0.010mL/g以上であり、最も好ましくは0.020mL/g以上である。上記範囲内であれば、充放電時にLiイオンが電極内をスムーズに移動することができ急速充放電特性や低温入出力特性が良好であるため、好ましい。
そして、得られた結果より作成した、横軸を細孔径、縦軸を細孔容積とするグラフする。そのグラフにおいて、細孔径が一番小さいピークと次のピークの谷間の極小値を求め、それ以下を積算細孔容積yと定義する。
本明細書において、コート率xは、以下のように求めることができる。つまり、黒鉛と非晶質前駆体の混合比率と焼成後の焼成収率から算出することができる。
式(4):
コート率x(%)=([焼成後のサンプル重量-黒鉛の重量]/[焼成後のサンプル重量]×100)
また、混合比率、焼成収率が不明なサンプルの場合は非晶質と黒鉛の真密度の差を利用して推測することができる。
まず、母材の黒鉛の結晶性をXRDのd002値により確認する。黒鉛の理論的なd002値は3.354Åであり、結晶性の高い天然黒鉛は理論値に近い値を示す。一方人造黒鉛は原料コークスの種類、黒鉛化温度によりd002の数値が大きく変動する。d002値は好ましくは3.357Å以下、さらに好ましくは3.356Å以下、より好ましくは3.354Åである。d002値が上記範囲外の時は黒鉛の結晶性が低く、十分な充放電容量を持たないため好ましくない。XRDのd002値が3.357Å以下の高結晶が確認できれば下記推定式(5)を用いてコート率を推測することが可能となる。
式(5):
コート率(%)=596.72-264.02x真密度
本発明の一実施形態に係る負極材の真密度は好ましくは2.200g/cm3以上、より好ましくは2.210g/cm3以上、さらに好ましくは2.200g/cm3以上であり、黒鉛の理論的な真密度は2.262g/cm3である。
前記コート率は通常20%以下であり、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは9%以下であり、特に好ましくは8%以下であり、最も好ましくは7%以下であり、一方、好ましくは0.1%以上であり、より好ましくは
1%以上であり、さらに好ましくは2%以上であり、特に好ましくは3%以上である。上記上限以下であれば負極材中の黒鉛の割合が適量であり、高容量化しやすく、一方下限以上では非晶質が適量でありリチウムイオンを黒鉛表面からスムーズに移動することができるため急速充放電特性や低温入出力特性が良好である。
本発明の炭素材のd002値は、学振法によるX線回折で求めることができる。ここでのX線回折測定条件は次の通りである。
X線: Cu Kα線
測定範囲、及び、ステップ角度: 20度≦2θ≦30度、0.013度
試料調整 : 0.2mm深さの試料板凹部に粉末試料を充填し平坦な試料面を作製。上記X線回折により測定した面間隔d002及び結晶子の大きさLc002としては学振法の従って測定される値を用いることができる。なお、学振法においては、100nm(1000Å)以上の値は区別されず、すべて「>1000(Å)」と記載される。
本発明の一実施形態に係る負極材は、BET法による比表面積(SA)が、好ましくは0.5m2/g以上であり、より好ましくは0.8m2/g以上であり、更に好ましくは1.0m2/g以上である。一方、好ましくは10.0m2/g以下、より好ましくは6.5m2/g以下、更に好ましくは5.0m2/g以下、特に好ましくは4.0m2/g以下である。SAが上記下限値以上であると、Liイオンが出入りする部位が確保され、リチウムイオン二次電池の急速充放電特性や低温入出力特性が良好となる傾向にある。一方、SAが上記上限値以下であると活物質の電解液に対する活性が過剰となり過ぎず、電解液との副反応が抑えられて電池の初期充放電効率の低下やガス発生量の増大を防ぎ、電池容量が向上する傾向がある。
本発明の一実施形態に係る負極材は、タップ密度(g/cm3)が、好ましくは1.15g/cm3以上であり、より好ましくは1.16g/cm3以上であり、更に好ましくは1.17g/cm3以上であり、特に好ましくは1.18g/cm3以上であり、最も好ましくは1.20g以上であり、一方、好ましくは1.40g/cm3以下であり、より好ましくは1.35g/cm3以下であり、更に好ましくは1.30g/cm3以下、である。タップ密度は、上記下限値以上であると極板化作製時のスジ引き等の工程性が良好になり、負極材層の充填性が上がるため圧延性が良好で高密度の負極シートが形成し易くなり高密度化が可能になり、電極体にしたときにLiイオン移動経路の屈曲度が小さくなり、かつ粒子間空隙の形状が整うため電解液の移動がスムーズになり急速充放電特性が向上するといった観点から好ましく、また、上記上限値以下であると粒子の表面や内部に適度な空間を有するため粒子が固くなりすぎず電極プレス性に優れ、また低温入出力特性や急速充放電特性に優れる観点から好ましい。
シン企業製)を用いて測定される。具体的には、20ccのタップセルに試料を落下させ、セルに満杯に充填した後、ストローク長10mmのタップを1000回行い、そのときの密度をタップ密度とする。
内径φ10の金型に押し冶具としてφ10、長さ35mmのシャフト及び受け冶具としてφ10、長さ6mmのシャフトの2種類の冶具を挿入後、挟み込んだ時の荷重と高さ(厚み)を測定可能な装置(例えば、三菱ケミカルアナリテック製粉体抵抗測定システム)にセットし、油圧ポンプで15kgfの荷重を加え、冶具高さを測定する。次に、押し冶具のみを取り出して複合粒子0.6gを加え、再度押し冶具を挿入する。金型を油圧ジャッキ(例えばアズワン製ハイプレッシャージャッキJ-1)にセットし、圧力弁を締めて0.9t/cm2までゆっくり加圧し、2.4t/cm2まで速やかに加圧した後、3秒間保持し、油圧ジャッキから手を離して60秒待ち、圧力弁を緩めて減圧する。その後、挟み込んだ時の荷重と高さを測定可能な装置に再度セットし、油圧ポンプで15kgfの荷重を加え、加圧後の冶具高さを測定する。併せて加圧後の複合粒子の重量を測定し、前述の冶具高さの差分と重量から算出される密度をペレット密度として定義する。単位面積当たりの荷重は油圧ジャッキの目盛りとシリンダー径、金型の内径から算出できる。例えば後述の実施例ではφ22mmのシリンダー径を用い、ジャッキの目盛りが500kgfになるまでプレスすることで2.4t/cm2の荷重をかけた。
ペレット密度からタップ密度(g/cm3)を減じた数値は荷重をかけた際の詰まりやすさを表しており、粒子の硬さの指標として用いることができる。
ペレット密度-タップ密度は好ましくは0.1g/cm3以上であり、より好ましくは0.15g/cm3以上であり、更に好ましくは0.2g/cm3以上であり、特に好ましくは0.26g/cm3以上であり、一方、好ましくは0.8g/cm3以下であり、より好ましくは0.6g/cm3以下であり、更に好ましくは0.4g/cm3以下である。ペレット密度-タップ密度が上記上限値以下であると粒子が適度な硬さを持ち、高密度にプレスした際に電極表面の粒子が潰れすぎることなく電解液の移動がスムーズとなるため、好ましい。また、上記下限以上になると粒子が硬すぎることなく、高密度までプレスすることが可能になるため好ましい。
本発明の一実施形態に係る負極材は、体積基準平均粒子径(「平均粒子径d50」とも記載する。)は好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上、特に好ましくは5μm以上である。また、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、更に好ましくは30μm以下、特に好ましくは25μm以下、最も好ましくは20μm以下である。d50の値が上記下限値以上であると、不可逆容量の増加、初期電池容量の損失を防ぎやすくなる傾向があり、一方、d50の値が上記上限値以下であるとスラリー塗布における筋引き等の工程不都合の発生を防ぎ、急速充放電特性や低温入出力特性が向上する傾向がある。
本発明の一実施形態に係る非水系二次電池用負極材の製造方法は、表面の少なくとも一部に非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方を有する黒鉛を含みコート率に対する特定の粒子内空隙の関係を満たし、水銀圧入法で測定した細孔容積のうち極小値以下のピークにおけるピークトップが特定の大きさを満たすように製造できる方法であれば特に制限はないが、例えば、鱗片を細かく粉砕したのち、造粒材の存在下で球形化処理を施した球状黒鉛を加圧処理して、非晶質炭素前駆体(非晶質炭素質物の原料)を混合し、焼成することで製造することができる。加圧処理は、異方的、等方的な加圧処理が挙げられるが、上記積算細孔容積yと上記コート率xとの関係を特定の範囲内に制御する観点から、当方的加圧処理が好ましい。また、加圧処理の条件としては、特に限定されないが、50MPa以上300MPa以下で処理することで、上記積算細孔容積yと上記コート率xとの関係を特定の範囲内に制御することができる。加圧処理の条件は、上記積算細孔容積yと上記コート率xとの関係を特定の範囲内に制御する観点から、好ましくは100MPa以上、より好ましくは120MPa以上、さらに好ましくは140MPa以上、特に好ましくは160MPa以上、最も好ましくは180MPa以上、また、好ましくは280MPa以下、より好ましくは260MPa以下、さらに好ましくは240MPa以下、特に好ましくは230MPa以下、最も好ましくは220MPa以下である。上述の製造法は、具体的には、鱗片の粉砕条件、球形化条件、成型圧力、コート率を制御することでコート率あたりの細孔容積を制御することが可能となり、且つ、小さいピークのピークトップの大きさを制御することが可能になるため好ましい
本発明の一実施形態に係る負極材は黒鉛を含む。本発明の一実施形態に係る負極材を製造するために使用する黒鉛は、以下の種類、物性を示すものが好ましい。なお、黒鉛の物性について、その測定条件及び定義は特に説明しない限りは前述の負極材について説明したものと同様である。
1)前記原料炭素材を造粒する工程時に造粒材が液体である。
2)造粒材が非晶質炭素となる有機化合物を含む。
3)造粒剤として有機溶剤を含まないか、有機溶剤を含む場合、有機溶剤の内、少なくとも1種は引火点を有さない、又は引火点を有するときには該引火点が5℃以上であるものを用いる。
(第1工程)原料炭素材の粒度を調整する工程
(第2工程)原料炭素材と造粒剤とを混合する工程
(第3工程)原料炭素材を造粒する工程
(第4工程)造粒剤を除去する工程
(第5工程)造粒炭素材に原料炭素材より結晶性が低い非晶質炭素質物を添着する工程
本発明の非水系二次電池用負極材の製造に用いる原料炭素材は、前述した黒鉛が使用される。
3.36Å以下でLcが950Å以上であることが好ましい。d002及びLcは、炭素材バルクの結晶性を示す値であり、d002の値が小さいほど、またLcが大きいほど、結晶性が高い炭素材であることを示し、黒鉛層間に入るリチウムの量が理論値に近づくので容量が増加する。結晶性が低過ぎると高結晶性黒鉛を電極に用いた場合の、高容量で、かつ不可逆容量が低いという優れた電池特性が発現しにくくなる傾向にある。d002とLcは、上記範囲が組み合わされていることが特に好ましい。
本発明の実施形態で用いる造粒剤は、1)前記原料炭素材を造粒する工程時に液体、2)造粒材が非晶質炭素となる有機化合物を含む、及び3)造粒剤が有機溶剤を含まないか
、有機溶剤を含む場合、有機溶剤の内、少なくとも1種は引火点を有さない、又は引火点を有するときには該引火点が5℃以上、の条件を満足するものである。
HOPG表面に1.2μLの造粒剤を滴下し、濡れ広がりが収束して一秒間の接触角θの変化率が3%以下となったとき(定常状態ともいう)の接触角を接触角測定装置(協和界面社製自動接触角計DM-501)にて測定する。ここで、25℃における粘度が500cP以下の造粒剤を用いる場合には25℃における値を、25℃における粘度が500cPより大きい造粒剤を用いる場合には、粘度が500cP以下となる温度まで加温した温度における接触角θの測定値とする。
1Pa以上の場合にはせん断速度100s-1で測定した値を、せん断速度100s-1におけるせん断応力が0.1Pa未満の場合には1000s-1で測定した値を、せん断速度1000s-1におけるせん断応力が0.1Pa未満の場合にはせん断応力が0.1Pa以上となるせん断速度で測定した値を、本明細における粘度と定義する。なお、用いるスピンドルを低粘度流体に適した形状とすることでもせん断応力を0.1Pa以上とすることができる。
ルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコール類誘導体類;1,4-ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ピリジン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等の含窒素有機化合物;ジメチルスルホキシド等の含硫黄有機化合物;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等の含ハロゲン有機化合物、及びそれらこれらの混合物等が挙げられ、例えばトルエンのような引火点が低い化合物は含まれない。これらの有機溶剤は単体で造粒剤としても用いることができる。なお、本明細書において、引火点は、公知の方法により測定できる。
炭素材は、原料炭素材に衝撃圧縮、摩擦、せん断力等の機械的作用を与えることにより球形化処理(以下、造粒とも称する)を施したものであることが好ましい。また、該球形化黒鉛は、複数の鱗片状又は鱗状黒鉛、及び磨砕された黒鉛微粉からなるものであることが好ましく、特に複数の鱗片状黒鉛からなるものであることが特に好ましい。
好ましい。
本発明においては、前記造粒剤の一部及び有機溶剤を除去する工程を有していることが好ましい。造粒剤の一部及び有機溶剤を除去する方法としては、例えば、溶剤により洗浄する方法や、常圧や減圧下で熱をかけることにより造粒剤の一部及び有機溶剤を揮発・分解除去する方法が挙げられる。
本発明では、造粒炭素材に、さらに原料炭素材より結晶性が低い炭素質物を添着する工程を有してもよい。この工程によれば、表面の少なくとも一部に非晶質炭素質物を有する黒鉛が得られるため、これを用いた非水系二次電池用負極と電解液との副反応が少なく高容量で、低温入出力特性や高温保存特性に優れた非水系二次電池用負極材を得ることができる。
等の流通下に加熱して、有機化合物を非晶質炭素化させる処理である。非晶質炭素質物となる具体的な有機化合物としては、石油系や石炭系の重質油やタールやピッチ、具体的には軟質ないし硬質の種々のコールタールピッチや石炭液化油等の炭素系重質油、原油の常圧又は減圧蒸留残渣油等の石油系重質油、ナフサ分解によるエチレン製造の副生物である分解系重質油等種々のものを用いることができる。
は1600℃である。
本発明の一実施形態に係る負極材の製造は、黒鉛を加圧処理する工程を含むことが好ましい。黒鉛の加圧処理の方法としては、加圧できる方法であれば特に制限はなく、例えば原料の黒鉛をゴム型等の容器に入れ、水を加圧媒体とする静水圧等方的加圧処理や、空気等のガスを加圧媒体とする空圧による等方的加圧処理が挙げられる。また、原料の黒鉛を金型に充填し、一軸プレスで一定方向に加圧処理を加えてもよい。加圧するタイミングは上記球形化黒鉛を製造する工程1~工程5のいずれで実施しても構わないが工程4と5の間で実施することが余分な造粒材を除去した状態で加圧するため効率よく圧力が加わるため好ましい
成型処理後のサンプルは一度粉砕し、処理前の粒径と同等かそれ以下になるまで解砕・粉砕処理することが好ましい。ただし、粉砕の方法としては公知の装置を用いることができ、成型体が大きい場合には粗砕工程、中間粉砕工程、粉砕工程と工程を経て実施することが好ましい。粗砕工程の装置としては例えばジョークラッシャー、衝撃式クラッシャー、コーンクラッシャー、ロートプレックスなどが挙げられ、中間粉砕機としてはロールクラッシャー、オリエントミル、ハンマーミルなどが挙げられ、微粉砕設備としてはターボミル、クリプトロン、ピンミル、ボールミル、振動ミル、パルベライザーなどが挙げられる。上記粉砕ののち分級処理を実施し、原料と同等以下になるまで粉砕を実施する。処理前の粒径よりも大きい場合、粒子同士が成型処理により付着し凝集していることを示して
おり、非晶質被覆時にその部分にうまくコートできなくなるため好ましくない。一方処理前の粒径よりも著しく小さい場合、球形化黒鉛を粉砕しており、SAが上がってしまうため好ましくない。
本発明の一実施形態にかかる負極材の原料に用いる黒鉛は、水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した細孔分布において、2以上のピークを有することが好ましく、極小値以下の範囲における積算細孔容積は水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した値で、通常0.15mL/g以下であり、好ましくは0.08mL/g以下であり、より好ましくは0.070mL/g以下であり、さらに好ましくは0.060mL/g以下であり、特に好ましくは0.050mL/g以下である。積算細孔容積が上記範囲よりも大きい場合、粒子内空隙が大きいことを表し、非晶質でコートしたときに効率的に細孔容積を低減しにくいため好ましくない
本発明の一実施形態にかかる負極材の原料に用いる黒鉛は、水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した細孔分布において、2以上のピークを有することが好ましく、細孔径が小さい側のピークのピークトップは水銀圧入法(水銀ポロシメトリー)を用いて測定した値で、通常500nm以下であり、好ましくは400nm以下であり、より好ましくは300nm以下であり、さらに好ましくは200nm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。上記範囲よりも粒子内空隙が大きい場合、球形化した時点で原料となる鱗片状黒鉛同士の距離が遠く大きな空隙があるため非晶質でコートしたときに効率的に結着させることができないため好ましくない。
本発明の一実施形態に係る負極材の原料に用いる黒鉛は、フロー式粒子像分析より求められる円形度が、0.88以上であることが好ましく、0.90以上であることがより好ましく、0.91以上であることが更に好ましく、0.92以上であることが特に好ましく、0.93以上であることが最も好ましい。このように円形度が高い黒鉛であると、それを用いて製造した負極材の、Liイオン拡散の屈曲度が下がって粒子間空隙中の電解液移動がスムーズになり、急速充放電特性を高めることができるために好ましい。一方、この円形度は、理論上限が1であるため、通常、1未満であり、好ましくは0.99以下、より好ましくは0.98以下、さらに好ましくは0.97以下である。得られた負極材同士の接触性を確保してサイクル特性を高める観点からは上記上限以下であることが好ましい。
[円形度]=[粒子投影形状と同じ面積を持つ相当円の周囲長]/[粒子投影形状の実際の周囲長]
黒鉛のタップ密度は、好ましくは0.60g/cm3以上であり、より好ましくは0.
70g/cm3以上であり、更に好ましくは0.80g/cm3以上であり、特に好ましくは0.855/cm3以上であり、最も好ましくは0.90g/cm3以上であり、一方、通常1.40g/cm3以下であり、好ましくは1.30g/cm3以下であり、より好ましくは1.20g/cm3以下である。
黒鉛の体積基準平均粒子径(D50)は特に限定されないが、通常1μm以上であり、好ましくは3μm以上であり、より好ましくは5μm以上であり、通常50μm以下であり、好ましくは40μm以下であり、より好ましくは30μm以下である。
黒鉛のBET比表面積は特に限定されないが、通常1.0m2/g以上であり、好ましくは1.5m2/g以上であり、より好ましくは2.0m2/g以上であり、更に好ましくは3.0m2/g以上であり、特に好ましくは4.5m2/g以上であり、最も好ましくは5.0m2/g以上である。また、通常、30.0m2/g以下であり、好ましくは20.0m2/g以下であり、より好ましくは10.0m2/g以下である。
黒鉛の下記式αで表されるラマンR1値は特に限定されないが、0.10以上1.00以下であることが好ましい。また、ラマンR値は、より好ましくは0.15以上であり、さらに好ましくは0.20以上であり、特に好ましくは0.25以上であり、一方、より好ましくは0.80以下、さらに好ましくは0.60以下である。
式α:
ラマンR1値=(ラマンスペクトル分析における1360cm-1付近のピークPBの強度IB)/(1580cm-1付近のピークPAの強度IA)
本発明の一実施形態に係る負極材は、表面の少なくとも一部に非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方を有する黒鉛を含む。ここで、非晶質炭素質物とはX線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が通常0.340nm以上の炭素のことであり、非晶質炭素質物と炭素質物とは同義である。一方、黒鉛質物とは(d002)が0.340nm未満の黒鉛のことである。この非晶質炭素複合化の処理は黒鉛と非晶質炭素前駆体(非晶質炭素質物の原料)を混合して焼成することにより行われる。黒鉛の非晶質炭素複合化を適切な条件で行うことにより、前述の熱的特性を満足するものになると共に、細孔容積も前述の範囲に制御しやすくなる。
駆体が一度軟化し効率的に細孔を被覆するため、前記コート率と細孔量の関係を満たしやすくなるため好ましい。
本発明の一実施形態に係る負極材は、表面の少なくとも一部に非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方を有する黒鉛を含む。この黒鉛化の処理は黒鉛と有機化合物(黒
鉛質物の原料)を混合して焼成することにより行われる。
表面の少なくとも一部に黒鉛質物を有する黒鉛を含む負極材の製造方法は、特に制限はないが、好ましくは、上述した黒鉛(「原料黒鉛」ともいう。)を加圧処理した後、解砕し、黒鉛質物被覆部分を得るための有機化合物と混合し、得られた混合物を黒鉛化、粉砕処理を行う工程、もしくは、原料炭素材と黒鉛質物被覆部分を得るための有機化合物と混合し、加圧処理した後、得られた混合物を黒鉛化、粉砕処理を行う工程にて表面の少なくとも一部に黒鉛質物を有する黒鉛を含む負極材を製造することができる。より好ましくは、粉砕工程数が少ない後者となる。
有機化合物としては、具体的には、含浸ピッチ、コールタールピッチ、石炭液化油等の石炭系重質油、アスファルテン等の直留系重質油、及びエチレンヘビーエンドタール等の分解系重質油等の石油系重質油等に例示される易黒鉛化性有機化合物、芳香族炭化水素、窒素含有環状化合物、硫黄含有環状化合物、ポリフェニレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、天然フルフリルアルコール高分子、ポリフェニレンサイルファイド、ポリフェニレンオキシド、樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、イミド樹脂などが挙げられ、この中でも焼成によって黒鉛化又は炭素化が可能な易黒鉛化性有機化合物が好ましい。
原料黒鉛と有機化合物とを混合する工程・加圧処理する工程は黒鉛の非晶質炭素複合化と同様の様式にて行うことができる。
具体的には、混合物を非酸化性雰囲気下、好ましくは窒素、アルゴン、二酸化炭素などの流通下に加熱して、有機化合物を黒鉛化させ、表面の少なくとも一部に黒鉛質物を有する黒鉛を含む非水系二次電池用複合負極材を製造する工程である。
焼成温度は混合物の調製に用いた有機化合物により異なるが、黒鉛質物が複合化された非水系二次電池用負極材を得る場合、有機化合物が黒鉛化する温度又はそれ以上であればよく、具体的には、通常は2000℃以上、好ましくは2500℃以上、より好ましくは2700℃以上に加熱して十分に炭化させる。加熱温度の上限は有機化合物の炭化物が、混合物中の炭素材の結晶構造と同等の結晶構造に達しない温度であり、通常は3300℃以下、好ましくは3100℃以下、3000℃以下がより好ましい。
焼成に使用する炉は上記要件を満たせば特に、制約はないが、例えば、シャトル炉、トンネル炉、リードハンマー炉、ロータリーキルン、オートクレーブ等の反応槽、コーカー(コークス製造の熱処理槽)、タンマン炉、アチソン炉、加熱方式も、高周波誘導加熱炉、直接式抵抗加熱、間接式抵抗加熱、直接燃焼加熱、輻射熱加熱等を用いることができる。処理時には、必要に応じて攪拌を行なってもよい。
粉砕や解砕に用いる装置に特に制限はないが、例えば、粗粉砕機としてはせん断式ミル、ジョークラッシャー、衝撃式クラッシャー、コーンクラッシャー等が挙げられ、中間粉砕機としてはロールクラッシャー、ハンマーミル等が挙げられ、微粉砕機としてはボールミル、振動ミル、ピンミル、攪拌ミル、ジェットミル等が挙げられる。
分級機、遠心式湿式分級機等を用いることができる。
本発明の一実施形態に係る負極材を製造するために、前述の製造方法によって得られた複合粒子について、別途粉砕処理を行ってもよい。
本発明の一実施形態に係る非水系二次電池用負極(以下、「本発明の負極」と称する場合がある。)は、集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備え、該活物質層が上記の本発明の一実施形態に係る負極材を含有するものである。
軟質樹脂状高分子;テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニデンフルオライド、ポリペンタフルオロプロピレン及びポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素化高分子等を用いることができる。有機系媒体としては、例えば、N-メチルピロリドン及びジメチルホルムアミドを用いることができる。
本発明の一実施形態に係る非水系二次電池は、正極及び負極、並びに電解質を備える非水系二次電池であって、負極として、本発明の一実施形態に係る負極を用いたものである。特に、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池に用いる正極及び負極は、通常、Liイオンを吸蔵及び放出可能な正極及び負極であることが好ましく、本発明の一実施形態に係る非水系二次電池はリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る非水系二次電池の正極の活物質となる正極材としては、例えば、基本組成がLiCoO2で表されるリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2で表されるリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO2及びLiMn2O4で表されるリチウムマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物、二酸化マンガン等の遷移金属酸化物、並びにこれらの複合酸化物混合物等を用いればよい。更にはTiS2、FeS2、Nb3S4、Mo3S4、CoS2、V2O5、CrO3、V3O3、FeO2、GeO2及びLiNi0.33Mn0.33Co0.33O2、LiFePO4等を用いればよい。
電解液は、従来公知の非水溶媒に種々のリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。
0.6mol/L~1.5mol/Lである。
本発明の一実施形態に係る非水系二次電池には、正極と負極との間に介在させるセパレータを用いることが好ましい。このようなセパレータとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンの多孔性シートや不織布を用いることが好ましい。
後述の条件で調製した負極材を負極活物質として用い、活物質層密度1.65±0.03g/cm3の活物質層を有する極板を作製した。具体的には、負極材50.00±0.02gに、1重量%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩水溶液を50.00±0.02g(固形分換算で0.500g)、及び重量平均分子量27万のスチレン・ブタジエンゴム水性ディスパージョン1.00±0.05g(固形分換算で0.5g)を、キーエンス製ハイブリッドミキサーで5分間撹拌し、30秒脱泡してスラリーを得た。
正極は、次の通りに作製した。まず、正極活物質としてのニッケル-マンガン-コバルト酸リチウム(LiNiMnCoO2)85重量%と、導電材としてのアセチレンブラック10重量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とを、N-メチルピロリドン溶媒中で混合してスラリーを得た。このスラリーを、集電体である厚さ15μmのアルミニウム箔上に正極材が22.5±0.2mg/cm2付着するように、ブレードコーターを用いて塗布し、130℃で乾燥した。更にロールプレスを行い、正極密度が2.60±0.05g/cm3になるよう調整し電極シートを得た。
上記方法で作製した、負極材料が10.0±0.3mg/cm2付着した、活物質層の密度が1.65±0.03g/cm3(の負極シートと正極シート、及びポリエチレン製セパレータを、負極、セパレータ、正極の順に積層した。こうして得られた電池要素を筒状のアルミニウムラミネートフィルムで包み込み、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の混合溶媒(体積比=3:3:4)に、LiPF6を1mol/Lになるように溶解させた電解液を注入した後で真空封止し、シート状の非水系二次電池をそれぞれ作製した。更に、電極間の密着性を高めるために、ガラス板でシート状電池を挟んで加圧した。
充放電サイクルを経ていない非水系二次電池に対して、25℃で電圧範囲4.1V~3
.0V、電流値0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)にて3サイクル、電圧範囲4.2V~3.0V、電流値0.2Cにて(充電時には4.2Vにて定電圧充電をさらに2.5時間実施)2サイクル、初期充放電を行った。この時点で、固定するためのガラス板を外し、株式会社ミツトヨ製の接触式厚み計にて1つのセルに対し9点厚みを測定し、その平均をサイクル前の厚みとした。その後再度ガラス板で挟んだのち45℃の恒温槽にて0.8C-CCCV充電0.8CCC放電1.5Vカットの条件で25回充放電しサイクル試験を実施した。その後SOC0%の状態の電池をサイクル前と同じ場所を9点測定しその平均を求め、サイクル前の厚みとの差をサイクル中の極板の膨れとした。その差を表1に示した。
平均粒径(d50)が100μmの鱗片状天然黒鉛を粉砕してd50が9μmの鱗片状天然黒鉛を得た。得られた鱗片状天然黒鉛に造粒剤として液状オイルを12重量部混合した後、球形化処理を行い、さらに熱処理により造粒材を除去し、球形化天然黒鉛(平均粒径(d50)13μm、SA19m2/g、タップ密度0.94g/cm3)を得た。得られた球形化天然黒鉛をゴム製容器に充填・密閉して200MPaにて等方的加圧処理を行った後、得られた成型物を解砕・分級処理した。得られた球形化天然黒鉛粉末と非晶質炭素前駆体として灰分0.02重量%、金属不純物量20重量ppm、Qi1重量%に調整したピッチを混合し、炉内圧力を10torr以下に減圧処理して窒素で大気圧まで復圧し、さらに窒素を流通させて炉内の酸素濃度<100ppmにして不活性ガス中で1300℃熱処理を施した。得られた焼成物を解砕・分級処理することにより、黒鉛粒子の表面に非晶質炭素質物を含有する複合炭素材である負極材を得た。焼成収率から、得られた負極材(複合炭素材)において、球形化黒鉛粒子と非晶質炭素質物との重量比率(球形化黒鉛質粒子:非晶質炭素質物)は1:0.06であることが確認された。また、得られた負極材について、上記の方法にて、タップ密度、ペレット密度、真密度、細孔分布を測定した。結果を表1に示す。また、水銀圧入法測定結果を図3に示す。
平均粒径(d50)が100μmの鱗片状天然黒鉛を粉砕してd50が11μmの鱗片状天然黒鉛を得た。得られた鱗片状天然黒鉛に造粒剤として液状オイルを12重量部混合した後、球形化処理を行い、さらに熱処理により造粒材を除去し、球形化天然黒鉛(平均粒径(d50)16μm、SA15m2/g、タップ密度0.96g/cm3)を得た。得られた球形化黒鉛をゴム製容器に充填・密閉して200MPaにて等方的加圧処理を行った後、得られた成型物を解砕・分級処理した。得られた球形化黒鉛粉末と非晶質炭素前駆体として灰分0.02重量%、金属不純物量20重量ppm、Qi1重量%に調整したピッチを混合し、炉内圧力を10torr以下に減圧処理して窒素で大気圧まで復圧し、さらに窒素を流通させて炉内の酸素濃度<100ppmにして不活性ガス中で1300℃熱処理を施した。得られた焼成物を解砕・分級処理することにより、黒鉛粒子の表面に非晶質炭素質物を含有する複合炭素材である負極材を得た。焼成収率から、得られた負極材(複合炭素材)において、球形化黒鉛粒子と非晶質炭素質物との重量比率(球形化黒鉛質粒子:非晶質炭素質物)は1:0.06であることが確認された。得られた負極材について、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示す。
球形化黒鉛粒子と非晶質炭素との重量比率(球形化黒鉛質粒子:非晶質炭素質物)を1:0.08とした以外は実施例2と同様の方法で負極材(複合炭素材)を得た。得られた負極材について、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示す。
平均粒径(d50)が100μmの鱗片状天然黒鉛を球形化処理して作製した球形化天
然黒鉛(平均粒径(d50)16μm、BET比表面積(SA)6.9m2/g、タップ密度1.0g/cm3)をゴム製容器に充填・密閉して100MPaにて等方的加圧処理を行った後、得られた成型物を解砕・分級処理した。得られた球形化天然黒鉛粉末と、非晶質炭素前駆体として灰分<0.01%、金属不純物量60ppm、Qi<0.1%に調整したタールを混合した後、炉内圧力を10torr以下に減圧処理して窒素で大気圧まで復圧し、さらに窒素を流通させて炉内の酸素濃度<100ppmにして1300℃熱処理を施した。得られた焼成物を解砕・分級処理することにより、黒鉛粒子の表面に非晶質炭素質物を含有する複合炭素材である負極材を得た。焼成収率から、得られた負極材(複合炭素材)において、球形化黒鉛粒子と非晶質炭素質物との重量比率(球形化黒鉛質粒子:非晶質炭素質物)は1:0.03であることが確認された。得られた負極材について、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示す。また、水銀圧入法測定結果を図3に示す。
等方的加圧処理を行わない以外は実施例1と同様の方法で複合炭素材である負極材を得た。得られた負極材(複合炭素材)について、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示す。
等方的加圧処理を行わないことと球形化黒鉛粒子と非晶質炭素質物との重量比率(球形化黒鉛質粒子:非晶質炭素質物)は1:0.04であること以外は比較例と同様の方法で複合炭素材である負極材を得た。得られた負極材(複合炭素材)について、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示す。
球形化天然黒鉛(平均粒径(d50)11μm、BET比表面積(SA)8.2m2/g、タップ密度0.88g/cm3)を用い、等方的加圧処理を行わず、非晶質炭素前駆体としてQi=2.5%に調整したコールタールを用いて、球形化黒鉛粒子と非晶質炭素質物との重量比率(球形化黒鉛質粒子:非晶質炭素質物)は1:0.07にした以外は実施例4と同様の方法で負極材を得た。得られた負極材について、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示す。
平均粒径(d50)が100μmの鱗片状天然黒鉛を球形化処理して作製した球形化天然黒鉛(平均粒径(d50)13μm、BET比表面積(SA)7.8m2/g、タップ密度0.93g/cm3)と、黒鉛質物前駆体として灰分0.1重量%、Qi<0.2重量%に調整したピッチと混合した後、ゴム製容器に充填・密閉して等方的加圧処理を行った。その後窒素を流通させて1000℃で熱処理し脱タール後、不活性雰囲気下で3000℃で黒鉛化処理を実施した。得られた黒鉛化物を解砕・分級処理することにより、黒鉛粒子の表面または内部に黒鉛質物を含有する複合炭素材である負極材を得た。焼成収率から、得られた複合炭素材である負極材(において、球形化黒鉛粒子と黒鉛質物との重量比率(球形化黒鉛質粒子:黒鉛質物)は1:0.10であることが確認された。得られた負極材(複合炭素材)について、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示す。
ニードル生コークスを10μmに粉砕し窒素を流通させて1000℃で熱処理し脱タール後、不活性雰囲気下で3000℃で黒鉛化処理を実施しニードル状の人造黒鉛を得た(平均粒径(d50)11μm、BET比表面積(SA)1.8m2/g、タップ密度1.1g/cm3)。得られた人造黒鉛と非晶質炭素前駆体として灰分<0.01%、金属不純物量60ppm、Qi<0.1%に調整したタールを混合した後、炉内圧力を10to
rr以下に減圧処理して窒素で大気圧まで復圧し、さらに窒素を流通させて炉内の酸素濃度<100ppmにして1300℃熱処理を施した。焼成収率から、得られた複合炭素材である負極材において、球形化黒鉛粒子と非晶質炭素質物との重量比率(球形化黒鉛質粒子:非晶質炭素質物)は1:0.04であることが確認された。得られた負極材(複合炭素材)について、実施例1と同様の測定を行った結果を表1に示す。
つまり、式(1)、式(2)を充足すること、且つ小さいピークのピークトップの細孔径が特定範囲内であることの両方を満たすことで高密度にプレス加工が可能でサイクル時の極板膨張が小さいという性能を発現することが分かった。
Claims (11)
- 表面の少なくとも一部に非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方を有する黒鉛を含み、
水銀圧入法で測定した細孔分布が2つ以上のピークを持ち、細孔径が最小のピークと次のピークの谷間の極小値以下の積算細孔容積をy[mL/g]とし、黒鉛表面の非晶質炭素質物および黒鉛質物のコート率をx(%)とした場合に下記式(1)および(2)を充足し、前記細孔径が最小のピークのピークトップの細孔径が360nm以下である非水二次電池用負極材。
式(1):y>0.005
式(2):y<-0.006x+0.12 - 表面の少なくとも一部に非晶質炭素質物または黒鉛質物の少なくとも一方を有する黒鉛を含み、
水銀圧入法で測定した細孔分布が2つ以上のピークを持ち、細孔径が最小のピークと次のピークの谷間の極小値以下の積算細孔容積をy[mL/g]とし、黒鉛表面の非晶質炭素質物および黒鉛質物のコート率をx(%)とした場合に下記式(1)および(3)を充足する非水二次電池用負極材。
式(1):y>0.005
式(3):y<-0.006x+0.079 - 前記黒鉛が天然黒鉛である請求項1または2に記載の非水系二次電池用負極材。
- 真密度が2.20g/cm3以上、2.262g/cm3未満である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非水系二次電池用負極材。
- タップ密度が0.85g/cm3以上である請求項1乃至4の何れか一項に記載の非水
系二次電池用負極材。 - 表面の少なくとも一部が非晶質炭素質物によって被覆されている請求項1乃至5の何れか一項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 鱗片状黒鉛、鱗状黒鉛、及び塊状黒鉛を造粒処理した球状黒鉛粒子を含有する請求項1乃至6の何れか一項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 前記造粒処理が、少なくとも衝撃、圧縮、摩擦、及びせん断力のいずれかの力学的エネルギーを付与する処理である請求項7に記載の非水系二次電池用負極材。
- 前記造粒処理が、ケーシング内で高速回転する回転部材を備え、ケーシング内に複数のブレードを設置したローターを有する装置において、該ローターが高速回転することによって、内部に導入された黒鉛に対して衝撃、圧縮、摩擦、及びせん断力のいずれかを与えることで造粒する処理である請求項7又は8に記載の非水系二次電池用負極材。
- 集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備え、該活物質層が請求項1乃至9のいずれか一項に記載の負極材を含有する、非水系二次電池用負極。
- 正極及び負極、並びに電解質を備え、該負極が請求項10に記載の非水系二次電池用負極である、非水系二次電池。
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