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JP7436793B2 - フェライト系耐熱鋼の溶接継手の製造方法 - Google Patents

フェライト系耐熱鋼の溶接継手の製造方法 Download PDF

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JP7436793B2 JP2019221215A JP2019221215A JP7436793B2 JP 7436793 B2 JP7436793 B2 JP 7436793B2 JP 2019221215 A JP2019221215 A JP 2019221215A JP 2019221215 A JP2019221215 A JP 2019221215A JP 7436793 B2 JP7436793 B2 JP 7436793B2
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Description

本発明は、フェライト系耐熱鋼の溶接継手の製造方法に関する。
近年、火力発電では熱効率を高めるために、蒸気条件の高温高圧化が進められている。将来的には650℃、350気圧という超々臨界圧条件での操業が計画されている。フェライト系耐熱鋼は、オーステナイト系耐熱鋼やNi基耐熱鋼に比べて安価である。フェライト系耐熱鋼はさらに、熱膨張係数が小さいという耐熱鋼としての利点を有する。そのため、フェライト系耐熱鋼は、高温高圧環境において広く利用されている。
例えば、特許文献1には、フェライト系耐熱鋼として、「高クロム耐熱鋼であって、質量%で表して、C:0.08%から0.13%、Si:0.15%から0.45%、Mn:0.1%から1.0%、Ni:0.01%から0.5%、Cr:10.0%から11.5%、Mo:0.3%から0.6%、V:0.10%から0.25%、Nb:0.01%から0.06%、N:0.015%から0.07%、B:<0.005%およびAl:<0.04%で構成されていて残りがFeおよび避けられない不純物元素である高クロム耐熱鋼」が開示されている。
特表2016-529388号公報
特許文献1のフェライト系耐熱鋼は、Cr量が10.0~11.5%で、高いクリープ破断強度を有する鋼である。
しかし、特許文献1のフェライト系耐熱鋼を溶接すると、溶接金属の初層の裏波未形成及び凝固割れが生じる。
そこで、本発明の課題は、溶接金属の初層の裏波未形成及び凝固割れを抑制しつつ、クリープ破断強度に優れた溶接金属を有するフェライト系耐熱鋼溶接継手の製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段は、次の態様を含む。
<1>
質量%で、
C :0.04~0.13%、
Si:0.15~0.45%、
Mn:0.10~1.00%、
P :0.030%以下、
S :0.010%以下、
Ni:0.01~0.50%
Cr:10.00~11.50%、
Mo:0.3~0.6%、
V :0.10~0.25%、
Nb:0.01~0.06%、
N :0.010~0.070%、
O :0.020%以下、
Al:0~0.040%、
Cu:0~0.050%、
B :0~0.005%、
Ca:0~0.050%、
Mg:0~0.050%、
残部:Feおよび不純物からなる化学組成を有するフェライト系耐熱鋼母材に対して、溶接材料を用い、前記溶接材料のCr当量をCr+Mo+1.5×Si+0.5×Nbとし、前記溶接材料のNi当量をNi+30×C+0.5×Mnとし、初層の溶接入熱をQ(kJ/cm)としたとき、下記(1)式及び(2)式を満足する溶接を実施して溶接金属を形成する工程と、
前記溶接金属に温度700~800℃で溶接後熱処理を施す工程と、
を有するフェライト系耐熱鋼溶接継手の製造方法。
Q≧5 ・・・(1)
Q-Cr当量/Ni当量≦12 ・・・(2)
本発明によれば、溶接金属の初層の裏波未形成及び凝固割れを抑制しつつ、クリープ破断強度に優れた溶接金属を有するフェライト系耐熱鋼溶接継手の製造方法が提供できる。
以下、本発明のフェライト系耐熱鋼の溶接継手の製造方法の一例について説明する。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
「好ましい態様の組み合わせ」は、より好ましい態様である。
<溶接継手の製造方法>
本発明のフェライト系耐熱鋼溶接継手の製造方法(以下、「溶接継手の製造方法」とも称する)は、後述する所定の化学組成を有するフェライト系耐熱鋼母材(以下、「鋼母材」とも称する)に対して、溶接材料を用い、溶接材料のCr当量をCr+Mo+1.5×Si+0.5×Nbとし、溶接材料のNi当量をNi+30×C+0.5×Mnとし、初層の溶接入熱をQ(kJ/cm)としたとき、下記(1)式及び(2)式を満足する溶接を実施して溶接金属を形成する工程(以下、「溶接工程」)と、
溶接金属に温度700~800℃で溶接後熱処理を施す工程(以下、「熱処理工程」)と、
を有する。
Q≧5 ・・・(1)
Q-Cr当量/Ni当量≦12 ・・・(2)
本発明の溶接継手の製造方法では、上記工程を経ることで、溶接金属の初層の裏波未形成及び凝固割れを抑制しつつ、クリープ破断強度に優れた溶接金属を有するフェライト系耐熱鋼溶接継手が得られる。
具体的には、後述する所定の化学組成を有する鋼母材に対して、(1)式及び(2)式を満足する溶接を実施することで、溶接金属の初層の裏波未形成及び凝固割れを抑制できる。
そして、得られた溶接金属に対して、温度700~800℃で溶接後熱処理を施すことで、クリープ破断強度に優れた溶接金属が得られる。
以下、本発明の溶接継手の製造方法の詳細について説明する。
(溶接工程)
溶接工程では、鋼母材に対して、溶接材料を用いて溶接を実施して溶接金属を形成する。
溶接は、溶接金属の初層の裏波未形成及び凝固割れの抑制、並びに、クリープ破断強度向上の観点から、例えば、アーク溶接が採用される。アーク溶接としては、同じ観点から、ガスタングステンアーク(GTAW)溶接が好適である。
ただし、溶接は、これらに限られず、被覆アーク溶接であってもよい。
そして、溶接工程では、溶接材料のCr当量、溶接材料のNi当量、および、初層の溶接入熱をQ(kJ/cm)が、下記(1)式及び(2)式を満足する溶接を実施する。
Q≧5 ・・・(1)
Q-Cr当量/Ni当量≦12 ・・・(2)
なお、溶接材料のCr当量=Cr+Mo+1.5×Si+0.5×Nbである。
また、溶接材料のNi当量=Ni+30×C+0.5×Mnである。
ここで、溶接材料のCr当量および溶接材料のNi当量を表す式において、各元素記号は、該当する元素の含有量(質量%)を示す。
初層の溶接入熱Qが5kJ/cm未満であると、鋼母材および溶接材料が十分溶け込まないことがある。そのため、溶接金属の初層に、裏波未形成が発生する。
よって、初層の溶接入熱Qは、5kJ/cm以上とする。裏波未形成抑制の観点から、初層の溶接入熱Qは、6kJ/cm以上が好ましく、7kJ/cm以上がより好ましい。
ただし、初層の溶接入熱Qが高すぎると、溶接後の冷却速度が低くなり、凝固割れが発生しやすくなる場合がある。そのため、初層の溶接入熱Qは、12kJ/cm以下が好ましく、11kJ/cm以下がより好ましい。
「Q-Cr当量/Ni当量」が12超えであると、溶接金属初層に希釈した母材微量元素の粒界偏析に対する入熱量が高く、溶接後の冷却速度が低くなり、溶接金属の初層に、凝固割れが発生する。
よって、「Q-Cr当量/Ni当量」は、12以下とする。凝固割れ抑制の観点から、「Q-Cr当量/Ni当量」は、11以下が好ましく、10以下がより好ましい。
ただし、「Q-Cr当量/Ni当量」が低すぎると、上述同様に鋼母材および溶接材料が十分溶け込まない場合がある。そのため、「Q-Cr当量/Ni当量」は、5以上が好ましく、6以上がより好ましい。
(熱処理工程)
熱処理工程では、溶接金属に温度700~800℃で溶接後熱処理を施す。
熱処理により、溶接金属の硬さを低下して靭性を高めることができる。例えば、熱処理は、溶接金属を含む溶接部に、バンドヒーター及びインダクションヒーター等の熱処理装置を配置して実施する。又は、溶接構造物全体を加熱炉内で加熱することで実施する。
熱処理の温度が低すぎると、マルテンサイトの焼戻しが不十分となり、十分な溶接金属の靭性が得られない。熱処理が高すぎると、溶接金属の一部がオーステナイト変態温度を超え、溶接金属の靭性が低下する。
よって、熱処理の温度は、700~800℃とする。好ましい熱処理の温度は、740~780℃である。
熱処理の時間は、鋼母材の厚さ25.4mm当たり、0.5~4.0時間であることが好ましく、1.0~3.0時間がより好ましい。
鋼母材の単位厚さ当たりの熱処理時間が短すぎれば、マルテンサイト組織の焼戻しが不十分となり、十分な靭性が得られない場合がある。一方、鋼母材の単位厚さあたりの熱処理時間が長すぎれば、焼戻しが過剰となりクリープ破断強度が低下することがある。
ここで、鋼母材の厚さは、母材が鋼板の場合は板厚であり、鋼管の場合は肉厚である。
(鋼母材)
本発明の溶接継手の製造方法において、適用される鋼母材は、質量%で、
C :0.04~0.13%、
Si:0.15~0.45%、
Mn:0.10~1.00%、
P :0.030%以下、
S :0.010%以下、
Ni:0.01~0.50%
Cr:10.00~11.50%、
Mo:0.3~0.6%、
V :0.10~0.25%、
Nb:0.01~0.06%、
N :0.010~0.070%、
O :0.020%以下、
Al:0~0.040%、
Cu:0~0.050%、
B :0~0.005%、
Ca:0~0.050%、
Mg:0~0.050%、
残部:Feおよび不純物からなる化学組成を有する。
この化学組成を有する鋼母材を適用すると、クリープ破断強度に優れた溶接継手が得られる。
以下、鋼母材の化学組成について説明する。
C:0.04~0.13%;
Cは、フェライトの生成を抑制し、オーステナイトを形成する元素である。Cは、焼戻マルテンサイトを生成するため、フェライト形成元素量(例えばCr量)によって調整する。また、Cは、MC型およびM23型の炭化物(M=合金用元素、以下同様)を生成し、クリープ破断強度を高める。
C量が少なすぎると、炭化物の析出による析出強化、フェライト生成抑制が不十分となる。その結果、クリープ破断強度が低下する。一方、C量が多すぎると、溶接性、および靭性が低下する。また、炭化物の凝集物が粗大化し、クリープ破断強度が低下する。
よって、C量は、0.04~0.13%とする。好ましいC量は、0.08~0.11%である。
Si:0.15~0.45%;
Siは、鋼を脱酸する元素である。Siは、さらに、鋼母材の耐水蒸気酸化特性を高める元素である。一方で、Siは、フェライト形成元素であり、フェライト相により靭性を悪化させる元素である。
よって、Si量は、0.15~0.45%とする。好ましいSi量は、0.15~0.35%である。
Mn:0.10~1.00%;
Mnは、脱酸剤および脱硫剤として機能する元素である。また、Mnは、フェライト相を抑制し、オーステナイトを形成する元素である。一方、Mn量が過剰であると、クリープ破断強度が悪化する。
よって、Mn量は、0.10~1.00%とする。好ましいMn量は、0.40~0.60%である。
P:0.030%以下
Pは、不純物である。P量が高すぎれば、靭性が低下する。
よって、P量は0.030%以下とする。好ましいP量は0.018%以下である。
P量は低い程好ましい。しかし、材料コストを考慮すれば、好ましいP量の下限は0.0005%である。
S:0.010%以下
Sは、不純物である。S量が高すぎれば、靭性が低下する。
よって、S量は0.010%以下とする。好ましいS量は、0.005%以下である。S量は低い程好ましい。しかし、材料コストを考慮すれば、好ましいS量の下限は0.0002%である。
Ni:0.01~0.50%;
Niは、フェライトの生成を抑制し、オーステナイトを形成する元素である。一方、Ni量が過剰であると、クリープ破断強度が悪化する。
よって、Ni量は、0.01~0.50%とする。好ましいNi量は、0.01~0.20%である。
Cr:10.00~11.50%;
Crは、高温での耐水蒸気酸化特性を付与する元素である。一方、Cr量が過剰であると、フェライトが生成し、クリープ破断強度が低下する。
よって、Cr量は、10.00~11.50%とする。好ましいCr量は、10.45~11.00%である。
Mo:0.3~0.6%;
Moは、フェライトを形成する元素であるが、固溶体硬化によりクリープ破断強度を高くする元素である。一方、Mo量が過剰であると、フェライトが生じ、クリープ破断強度向上に寄与しない粗大な金属間化合物が析出する。
よって、Mo量は、0.3~0.6%とする。好ましいMo量は、0.45~0.55%である。
V:0.10~0.25%;
Vは、微細な炭窒化物として析出し、クリープ破断強度を向上させる元素である。一方、V量が過剰であると、クリープ破断強度向上に寄与しない粗大な炭窒化物が生じる。
よって、V量は、0.10~0.25%とする。好ましいV量は、0.15~0.25%である。
Nb:0.01~0.06%;
Nbは、微細な炭窒化物として析出し、クリープ破断強度を向上させる元素である。一方で、Nb量が過剰であると、クリープ破断強度向上に寄与しない粗大な炭窒化物が生じる。
よって、Nb量は、0.01~0.06%とする。好ましいNb量は、0.035~0.06%である。
N:0.010~0.070%;
Nは、窒化物または炭窒化物として析出し、クリープ破断強度を向上させる元素である。Nは、フェライト相を抑制するオーステナイト形成元素である。一方、N量が過剰であると、靭性が悪化する。
よって、N量は、0.010~0.070%とする。好ましいN量は、0.015~0.070%であり、より好ましいN量は、0.040~0.070%である。
O:0.020%以下
O(酸素)は、不純物である。O量が高すぎれば、鋼母材の加工性が低下する。
よって、O量は0.020%以下とする。好ましいO量は、0.010%以下である。 O量は少ない程好ましい。材料コストを考慮すれば、好ましいO量下限は0.001%以上である。
鋼母材には、上記必須成分以外に、任意成分として、Al、Cu、B、Ca、およびMgの1種又は2種以上が含んでもよい。
Al:0~0.040%;
Alは、脱酸剤として機能する元素である。一方で、Al量が過剰であると、クリープ破断強度が悪化する。
よって、Al量は、0~0.040%とする。好ましいAl量は0~0.025%である。
Al量は低い程好ましい。製造コストを考慮すれば、好ましいAl量の下限は、0.001%以上である。本明細書において、Al含有量はsol.Al(酸可溶Al)を意味する。
Cu:0~0.050%;
Cuは、マルテンサイト組織の生成に有効な元素である。一方で、Cu量が過剰であると、クリープ延性が低下する。
よって、Cu量は、0~0.050%とする。好ましいCu量は0.005~0.04%であり、より好ましいCu量は、0.01~0.03%である。
B:0~0.005%;
Bは、粒界を強化する元素であり、M23(C,B)として析出し、析出硬化によるクリープ破断強度の向上に有効な元素である。一方で、B量が過剰であると、溶接中に溶接金属に流入し、凝固割れ感受性を高めるとともに、靱性低下を招く。
よって、B量は、0~0.005%とする。好ましいB量は、0.001~0.005%であり、より好ましいB量は、0.002~0.004%である。
Ca:0~0.050%
Caは、製造時の熱間加工性を改善する効果を有する元素である。一方で、Ca量が過剰であると、酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間加工性を劣化させる。
よって、Ca量は、0~0.050%とする。好ましいCa量は、0.0005~0.030%以下であり、より好ましいCa量は、さらに好ましくは0.001~0.020%である。
Mg:0~0.050%
Mgは、Caと同様、製造時の熱間加工性を改善する効果を有する元素である。一方、Mg量が過剰であると、酸素と結合し、清浄性を著しく低下させて、却って熱間加工性を劣化させる。
よって、Mg量は、0~0.050%とする。好ましいMg量は、0.0005~0.030%以下であり、より好ましいMg量は、さらに好ましくは0.001~0.020%である。
残部:Fe及び不純物
不純物とは、鋼母材を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は製造環境などから混入されるものであって、鋼母材に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。不純物として、P、S、O以外の成分としては、例えば、次の成分が許容できる。
Sn:0~0.0200%
Pb:0~0.0030%
As:0~0.0120%
Sb:0~0.0040%
Co:0~0.020%
(溶接材料)
本発明の溶接継手の製造方法において、溶接材料は、例えば、Fe系溶接材料、Ni系溶接材料等の周知の材料が適用できる。
例えば、Fe系溶接材料としては、
質量%で、
C :0.04~0.13%、
Si:0.05~0.45%、
Mn:0.10~1.50%、
P :0.020以下、
S :0.010以下、
Cr:8.5~9.5%、
Ni:0.1~0.7%、
Mo:0.5~1.5%、
NbおよびTaの少なくとも一種を合計:0.01~0.10%、
V :0.05~0.30%、
O :0.02%以下、
残部:Feおよび不純物からなる化学組成を有する溶接材料が例示できる。
一方、Ni系溶接材料としては、
質量%で、
C :0.005~0.15%、
Si:0.02~1.00%、
Mn:0.02~4.00%、
P :0.020以下、
S :0.010以下、
Cr:18.0~22.0%、
NbおよびTaの少なくとも一種を合計:0.02~3.00%、
O :0.020%以下、
Cu:0~0.50%、
N :0~0.020%、
Al:0~0.030%、
残部:Niおよび不純物からなる化学組成を有する溶接材料が例示できる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
表1に示す化学組成を有する鋼種の材料を実験室にて溶解して鋳込んだインゴットから、熱間鍛造、熱間圧延により成形、焼き入れ、焼き戻しの熱処理を行った後、板厚12mm、幅50mm、長さ200mmの板材に加工し、溶接用の鋼母材として作製した。
上記の鋼母材の長手方向に、U開先を加工した後、突き合わせ、表2に示す化学組成を有する外径1.2mmの溶接材料を用いて、ガスタングステンアーク溶接(GTAW溶接)により、表3に示す入熱量で、初層溶接を行った。
溶接後、外観観察を行い、裏波未形成および高温割れが発生した場合は「不合格」とし、健全な場合は「合格」とした。
その後、積層溶接を行い、溶接後は、表3に示す温度(PWHT温度)で溶接後熱処理(PWHT)を行った。
作製した溶接継手からクリープ破断試験片を採取し、650℃×60MPaでクリープ破断試験を行い、1000時間以上経過しても破断しなければ「合格」、1000時間未満で破断した場合は「不合格」とした。
それらの結果を表3に示す。
上記結果から、溶接継手番号A-11-1、A-21-1は、初層入熱量が低く、溶接金属の初層に裏波が形成されなかった。
溶接継手番号A-11-5、A-21-4、A-21-5は、「Q-Cr当量/Ni当量」値が高く、溶接金属の初層に凝固割れが発生した。
また、溶接継手番号A-11-5、A-21-5は、PWHT温度が高く、クリープ破断強度が低下した。
これら以外の溶接継手番号の例は、溶接金属の初層の裏波未形成及び凝固割れを抑制しつつ、クリープ破断強度が高かった。

Claims (1)

  1. 質量%で、
    C :0.04~0.13%、
    Si:0.15~0.45%、
    Mn:0.10~1.00%、
    P :0.030%以下、
    S :0.010%以下、
    Ni:0.01~0.50%
    Cr:10.00~11.50%、
    Mo:0.3~0.6%、
    V :0.10~0.25%、
    Nb:0.01~0.06%、
    N :0.010~0.070%、
    O :0.020%以下、
    Al:0~0.040%、
    Cu:0~0.050%、
    B :0~0.005%、
    Ca:0~0.050%、
    Mg:0~0.050%、
    残部:Feおよび不純物からなる化学組成を有するフェライト系耐熱鋼母材に対して、溶接材料を用い、前記溶接材料のCr当量をCr+Mo+1.5×Si+0.5×Nbとし、前記溶接材料のNi当量をNi+30×C+0.5×Mnとし、初層の溶接入熱をQ(kJ/cm)としたとき、下記(1)式及び(2)式を満足する溶接を実施して溶接金属を形成する工程と、
    前記溶接金属に温度700~800℃で溶接後熱処理を施す工程と、
    を有し、
    前記溶接材料は、Fe系溶接材料、又はNi系溶接材料であり、
    前記Fe系溶接材料は、
    質量%で、
    C :0.04~0.13%、
    Si:0.05~0.45%、
    Mn:0.10~1.50%、
    P :0.020以下、
    S :0.010以下、
    Cr:8.5~9.5%、
    Ni:0.1~0.7%、
    Mo:0.5~1.5%、
    NbおよびTaの少なくとも一種を合計:0.01~0.10%、
    V :0.05~0.30%、
    O :0.02%以下、
    残部:Feおよび不純物からなる化学組成を有する溶接材料であり、
    前記Ni系溶接材料は、
    質量%で、
    C :0.005~0.15%、
    Si:0.02~1.00%、
    Mn:0.02~4.00%、
    P :0.020以下、
    S :0.010以下、
    Cr:18.0~22.0%、
    NbおよびTaの少なくとも一種を合計:0.02~3.00%、
    O :0.020%以下、
    Cu:0~0.50%、
    N :0~0.020%、
    Al:0~0.030%、
    残部:Niおよび不純物からなる化学組成を有する溶接材料であるフェライト系耐熱鋼溶接継手の製造方法。
    Q≧5 ・・・(1)
    Q-Cr当量/Ni当量≦12 ・・・(2)
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