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JP7432876B2 - 樹脂発泡体の製造方法及び樹脂発泡体 - Google Patents

樹脂発泡体の製造方法及び樹脂発泡体 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂発泡体の製造方法、樹脂発泡体、及び断熱材に関する。
ポリマーなどの樹脂の発泡体は、軽量、断熱性、防音性、及び絶縁性などにおいて優れた性質を有している。このため、各種のポリマーの発泡体が幅広い技術分野で使用されている。ポリマーの発泡体の代表的な用途の一つは、建材としての断熱材である。
樹脂発泡体の製造方法に関する文献として、特許文献1及び特許文献2がある。特許文献1には、発泡剤を用いて硬質ポリ塩化ビニルを多孔質にすることが記載されている。また、特許文献2に記載の技術の概要は以下の通りである。まず、塩化ビニル系樹脂組成物100重量部あたり不活性ガスを0.1~3重量部添加し、これらを160℃~200℃で溶融混練する。その後、樹脂温度を180℃以下に冷却して押出成型用金型に供給する。その後、165℃~180℃にて成形処理を行う。
特表2002-530497号公報 特開2006-315388号公報
上記した特許文献1及び2に記載の技術は、硬質の塩化ビニル系樹脂組成物の製造に関するものである。これに対し、本発明者は、可塑剤を含む樹脂発泡体を効率的に形成する方法を検討した。
本発明の目的は、可塑剤を含む樹脂発泡体を効率的に製造することにある。
本発明によれば、第1気体の溶解度が当該第1気体の分圧に応じて大きくなる可塑剤が添加され、かつ加熱によって硬化する第1樹脂を、前記第1気体の分圧が第1圧力以上である第1雰囲気下で加熱する加圧加熱工程と、
前記加圧加熱工程より後に行われ、前記第1樹脂を、前記第1気体の分圧が前記第1圧力未満である第2雰囲気に位置させ、前記可塑剤に溶解していた前記第1気体の一部を前記可塑剤から分離させる減圧工程と、
を備え、
前記加圧加熱工程において、前記第1樹脂は、前記減圧工程において前記可塑剤から分離した前記第1気体によって発泡する程度に硬化を進ませる樹脂発泡体の製造方法が提供される。
また本発明によれば、上記した樹脂発泡体の製造方法で製造された樹脂発泡体が提供される。
また本発明によれば、塩化ビニルと、
二酸化炭素と高圧条件下で相溶する可塑剤と、
を含んだ樹脂発泡体であって、
密度が0.1g/cm以上0.5g/cm以下であり、
断面における発泡径の最頻値が50μm以上500μm以下であり、
熱伝導率が0.04W/m以上0.05W/m・K以下である断熱材料が提供される。
本発明によれば、可塑剤を含む樹脂発泡体を効率的に製造できる。
実施形態に係る樹脂発泡体の製造方法を示すフローチャートである。 実施例1及び2の発泡後の写真である。 実施例3~5および比較例1,2の仕込み時、加圧時、減圧後の圧力容器内部の写真である。 実施例6に係る写真である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1は、実施形態に係る樹脂発泡体の製造方法を示すフローチャートである。樹脂発泡体に求められる特性の一つに、ある程度の柔軟性を有することがある。樹脂発泡体に柔軟性を持たせるためには、樹脂発泡体に可塑剤を混ぜるのが好ましい。本発明者らは、鋭意検討した結果、下記の手法により、可塑剤を有する樹脂発泡体を製造できることを見出した。
具体的には、この樹脂発泡体の製造方法は、加熱工程(ステップS10)及び減圧工程(ステップS30)を有している。
ステップS10では、可塑剤が添加された第1樹脂は、第1気体を含有する第1雰囲気下で加熱される。第1樹脂は加熱によってゲル化し、さらに硬化する。また、可塑剤に対する第1気体の溶解度は、第1雰囲気の圧力、具体的には第1雰囲気における第1気体の分圧によって変化する。ステップS10において、可塑剤には第1気体が溶解し、その結果可塑剤は膨潤する。なお、第1雰囲気における第1気体の分圧は第1圧力以上である。
ステップS30はステップS10より後に行われる。ステップS30では、第1樹脂を、第1気体の分圧が上記した第1圧力未満の第2雰囲気に位置させる。これにより、可塑剤に溶解していた第1気体の一部は可塑剤から分離する。なお、ステップS30では、例えば圧力バルブを開放するなどにより、急速に減圧するのが好ましい。
第1樹脂は、ステップS10において、可塑剤から分離した第1気体によって発泡する程度に硬化が進んでいる。このため、ステップS30の処理により、第1樹脂は分離した第1気体によって発泡し、第1樹脂の体積は膨張する。
なお、ステップS10において第1樹脂の硬化が進みすぎていた場合、第1樹脂は、可塑剤から第1気体が分離する際に変形できないため、第1樹脂は発泡体になりにくい。一方、ステップS10において第1樹脂の硬化が足らない場合、可塑剤から分離した第1気体が第1樹脂から抜けてしまうため、第1樹脂は発泡体になりにくい。
図1に示す例において、加熱工程(ステップS10)及び減圧工程(ステップS30)の間には冷却工程(ステップS20)が行われる。ステップS20において、第1樹脂の温度は、ステップS10に示した処理よりも下げられる。ステップS20は例えば第1雰囲気で行われる。このようにすると、可塑剤に溶解している第1気体の量は増えるため、ステップS30における第1樹脂の発泡倍率は増大する。また気体の密度は、一般的に、温度が低いほど高くなる。この点からも、ステップS20を行うことにより、ステップS30における第1樹脂の体積膨張率は大きくなる。
なお、可塑剤の多くは二酸化炭素と相溶する。このため、上記した第1気体は二酸化炭素であるが好ましい。ただし、第1気体は、窒素などの他の気体であってもよい。また、第1気体は、複数種類の気体が混合された気体であってもよい。
第1樹脂はオリゴマーであるのが好ましい。この場合、ステップS10において、第1樹脂はある程度ゲル化するが、完全には硬化しない。
また、ステップS30において、第2雰囲気には可塑剤が予め添加されているのが好ましい。このようにすると、第2雰囲気における可塑剤の分圧が高くなるため、ステップS30において第1樹脂から可塑剤が離脱しにくくなる。これにより、第1樹脂の発泡倍率を高くすることができる。特に、可塑剤の種類と温度及び圧力を適切に選択すると、可塑剤と二酸化炭素が完全に混合し、均一な相を形成することができる。この場合、第1樹脂の内と外とで可塑剤の濃度に差が無くなると共に、発泡した第1気体に含まれる可塑剤の濃度を高く保つことができるため、さらに樹脂発泡体の発泡倍率を高くして、樹脂発泡体の密度を低くできる。
なお、第2雰囲気に含まれる可塑剤は、第1樹脂に含まれる可塑剤と同一であるのが好ましいが、第1樹脂に含まれる可塑剤と異なっていてもよい。
上述した樹脂発泡体の用途の一例は、断熱材や防音材である。これらの用途の場合、樹脂発泡体をシート材にすると、この樹脂発泡体を壁紙などの内装材として利用したり、配管を覆う断熱材として利用することができる。この場合、シート材をロール状にできると、搬送や保管において有利になる。本実施形態に係る樹脂発泡体を用いてシート材を形成すると、このシート材をロール状にすることができる。
なお、樹脂発泡体を断熱材や防音材などの建材として用いる場合、樹脂発泡体には、難燃性又は不燃性、および環境調和性も求められる。この場合、樹脂発泡体の材料となる第1樹脂には、例えば塩化ビニルが用いられる。なお、塩化ビニルは、上記したようにオリゴマーであるのが好ましい。
第1樹脂として塩化ビニルを用いる場合、可塑剤としては、例えばフタル酸ジオクチル(DOP)及びフタル酸ジイソニル(DINP)の少なくとも一方が用いられる。これらの可塑剤も、高圧の二酸化炭素と相溶性がある。これらに対する二酸化炭素の溶解度は、例えば非特許文献1、2に記載されているように、温度や圧力に依存する。
R. V. Shende, S. J. Lombaro, J. Supercritical Fluids, 23. 153-162 (2002) M. L. Marin, A. Jimenez, V. Berenguer, J. Lopez, Journal of Supercritical Fluids 12 (1998) 271-277
そして、図1に示した方法で、第1樹脂として塩化ビニルを用いた場合、各ステップにおける圧力及び温度を適切に制御することにより、樹脂発泡体の密度を0.1g/cm以上0.5g/cm以下にして、断面における発泡径の最頻値を50μm以上500μm以下にして、熱伝導率が0.04W/m以上0.05W/m・K以下にすることができる。このような樹脂発泡体は、断熱材料に好適である。なお、可塑剤として液体状態(室温で概ね5MPa以上)または超臨界状態(31℃以上かつ7.3MP以上)の高圧条件で二酸化炭素と相溶する材料を用いるのが好ましい。
なお、本実施形態における第1樹脂は、加熱によって硬化(例えばゲル化)し、第1気体に相溶性がある可塑剤に分散するものであればよく、分子量や状態は特に限定されない。また、第1工程またはその前において、第1樹脂には、可塑剤の他に、安定剤、耐衝撃性向上剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、顔料、染料、充填剤、酸化防止剤、加工助剤、紫外線吸収剤、防曇剤、防菌剤、及び防黴剤のうち少なくとも一つを含んでいてもよい。
さらに、第1工程またはその前において、第1気体及び可塑剤の双方に親和性を持つ助溶媒を第1樹脂に添加してもよい。助溶媒は可塑剤又は第1気体に予め添加されていてもよい。助溶剤を添加することにより、第1気体と可塑剤が相溶に至るまでの時間を短くすることができる。その結果、後述する押出成形の場合、第1樹脂は特に良好に発泡する。助溶媒の種類は特に限定されないが、例えばヘキサン及びシクロヘキサンの少なくとも一方である。
図1に示した処理は、例えば、バッチ処理、押出処理、射出成形処理の少なくとも一部の工程として行われてもよい。バッチ処理においては、たとえば圧力容器内に第1樹脂と可塑剤を導入し、その後、圧力容器を用いて図1に示した処理を行えばよい。また、押出処理においては、一般的な発泡装置に可塑剤を導入するためのポンプを取り付けた装置を使用する。そして、第1樹脂を混練しながら加圧し、さらに可塑剤及び第1気体を混合し、出口から押し出すこと発泡体を作製する。
以下、本実施形態の一例を具体的に説明する。まず第1樹脂を容器に入れる。そしてこの容器を温度調節可能なバルブ付きの耐圧容器内に設置する。次いで、この耐圧容器内に第1気体を含む気体(第1気体そのものであってもよい)を導入し、耐圧容器内を加熱する。
そして、上記した状態を、ある程度の時間(例えば15分以上30分以下)維持する。第1樹脂の硬化(例えばゲル化)がある程度進んだ時点(図1のステップS10に相当)、耐圧容器のバルブを開放し、耐圧容器内を急減圧する。これにより、可塑剤に吸収されていた第1気体が溶解できなくなり、発泡がおこる(図1のステップS20に相当)。このようにして、樹脂発泡体が得られる。
なお、第1雰囲気に可塑剤を予め含める場合、この際、例えば耐圧容器内に予め可塑剤を導入していてもよいし、耐圧容器に導入する前に第1気体を可塑剤の中に通してもよいし、第1気体とは別配管で耐圧容器内に可塑剤を導入してもよい。また、第1気体用のポンプと可塑剤用のポンプを別々に準備し、両者を混合しつつ耐圧容器内に導入してもよい。
ここで、第1雰囲気における可塑剤の濃度を、第1樹脂中の可塑剤の濃度以上にするのが好ましい。そして、第1樹脂の硬化(ゲル化)が進む前に、第1雰囲気を、可塑剤と二酸化炭素の均一相形成条件にすると、第1樹脂の内部により多くの可塑剤と二酸化炭素の混合物を取り込むことができる。この場合、第1樹脂の発泡倍率は高くなる。
以下、第1樹脂が塩化ビニルのオリゴマーであり、第1気体が二酸化炭素であり、可塑剤がフタル酸ジイソノニル及びフタル酸ジオクチルの少なくとも一方である場合の例について詳細に説明する。
圧力容器内に、可塑剤が添加されたペースト状の塩化ビニルが入っている容器を配置するとともに、この容器とは直接しないように、可塑剤を配置する。可塑剤の添加量は、上記したように、第1雰囲気の可塑剤の濃度が塩化ビニルの可塑剤濃度以上になるように設定する。ただし、あまり可塑剤が多くなると粘性が高くなり、二酸化炭素との混合速度が遅くなったり、発泡が均質に進行しなくなったりする。具体的には塩化ビニルに対して重量比で0.5以上10以下、望ましくは1以上3以下である。
次いで、圧力容器内に第1気体を導入する。ここで、第1気体の分圧(導入される気体が二酸化炭素そのものである場合は第1雰囲気の圧力)は5MPa以上6MPa以下であるのが好ましい。この範囲より圧力が低い場合、可塑剤への二酸化炭素の溶解量が少ないため、第1樹脂の発泡がおきにくい。一方、この範囲より圧力が高いと圧力の制御が難しくなるとともに、可塑剤が第1気体側に抽出されて発泡が起こりにくくなる。その後、圧力容器内を加熱する。加熱温度は、100℃以上150℃以下、望ましくは130℃以上150℃以下である。また、加熱後の第1雰囲気の圧力は、15MPa以上20MPa以下が望ましい。この条件下ではDINPと二酸化炭素は組成によらず完全に均一相を形成する。
この温度及び圧力を、塩化ビニルのゲル化が進行するまで維持する。維持時間は、塩化ビニルのサイズによるが、30分から1時間が望ましい(図1のステップS10に相当)。そして、ゲル化がある程度進捗したのちに、可塑剤と二酸化炭素の混合状態が変化しない範囲で、温度を下げることにより、二酸化炭素の密度を増加させる(図1のステップS20に相当)。これにより、塩化ビニルの発泡倍率を上げることができる。この工程では、必要により二酸化炭素を圧力容器内に追加する。
次いで、耐圧容器のバルブを開放し、耐圧容器から二酸化炭素と可塑剤の混合物を放出する。これにより、耐圧容器の内部は急速に減圧し、その結果、塩化ビニルの発泡体が得られる(図1のステップS30に相当)。減圧の速度は発泡構造を制御する上で最適な値を選べばよく、特に限定されないが、微細な発泡構造を得る上ではできるだけ大きいことが望ましい。
以上、本実施形態によれば、可塑剤を含む樹脂発泡体を効率的に形成することができる。
また、塩化ビニル樹脂は不燃性、化学的、機械的な安定性、高い加工性、及び難燃性等で優れた特性を有しており、パイプ、建材、包装用フィルム、農業用シート、及び電線の被覆材等の用途に広く用いられている。また、可塑剤の種類や量を制御することでその性質を幅広く制御できる。一方、樹脂そのものがイオン結合性であり、物理発泡に用いられるガスとの親和性に乏しく、汎用樹脂のように良好な発泡構造が得られにくい。このため、製品レベルの軟質の塩化ビニル樹脂の発泡はもっぱら化学的な手法によって行われ、構造が不均一である、発泡倍率が低い(一般的には2倍以下が多い)。このため、断熱材には向いていなかった
これに対し本実施形態によれば、軟質の塩化ビニル樹脂を用いても、従来と比較して、発泡倍率及び構造の均一性の双方が高い樹脂発泡体を形成できる。
以下、例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[実施例1及び2]
第1樹脂として塩化ビニルオリゴマー(商品名:カネカ PSM-162)を、可塑剤としてDINP(製造元:和光純薬)を、安定剤としてLOX13(製造元:大協化学)を、それぞれ、表1の重量比で混合してペーストを作製した。
Figure 0007432876000001
ついで、作製したペーストを内径32mm、内容積50cmの圧力容器に導入した。次いで、圧力容器に、二酸化炭素ポンプと背圧調整弁を接続し、この圧力容器を恒温槽内に設置して温度を制御できるようにした。
次いで、恒温槽を40℃とした後に、圧力容器内に二酸化炭素を10MPaになるまで導入した。次いで、恒温槽の温度を140℃まで上昇させた。圧力は温度と共に上昇するが、背圧調整弁の設定を20MPaとすることにより、圧力容器内を一定の圧力にした。そして、この状態を1時間以上維持した。
その後、背圧調整弁を制御することにより、圧力容器の内部を20MPa/30minの速度で減圧し、冷却後、圧力容器から軟質塩化ビニル発泡体を取り出した。図2は、各実施例の発泡後の写真である。
実施例1においては比較的均質で、数100μm程度の発泡直径を持つ、密度0.5g/cm程度の発泡体が得られた。実施例2においては、例1より大きい、数100μmから数mmの発泡直径を持つ、密度0.4g/cm程度の発泡体が得られた。
[実施例3]
実施例2と同一の材料を実施例2と同様の組成で混合してペーストを作製し、このペーストを内径8mm、高さ15mmのガラス容器内に導入した。次いで、このガラス容器を観察窓付きの高圧容器(内容積20cm)にセットして密閉し、さらに温度制御装置および背圧調整弁を接続した。
次いで、高圧容器の温度を40℃に制御した状態で、二酸化炭素を導入して高圧容器内部の圧力を10MPaとした。その後、高圧容器の温度を150℃に上昇させた。このときの二酸化炭素の圧力はおよそ18.5MPaであった。この際、ガラス容器内のペーストの色調が透明に変化し、ゲル化したことを確認できた。この状態を30分維持した(以下、この時間をゲル化時間として表記する)。
次いで、背圧調整弁を操作し、高圧容器内の圧力を、0.33MPa/minの減圧速度で大気圧まで減圧し、ガラス容器内のゲルを発泡させた。そして、ガラス容器を放冷した後に、軟質塩化ビニルの発泡体をガラス容器より取り出した。観察した画像より、発泡前後の体積を比較しておよその発泡倍率を求めた。発泡体は、発泡直径の最頻値が1000μm程度の粗発泡構造であった。また発泡体の発泡倍率は2倍程度であった。
[実施例4]
本実施例の条件は、ゲル化の後に温度を120℃まで低下させてから0.4MPa/minの速度で減圧を行った以外は実施例3と同様であった。本実施例において、発泡の過程で、実施例3より体積が増大することが観察された。得られた樹脂発泡体は発泡倍率が3倍程度の多孔体であった。
[実施例5]
本実施例の条件は、ゲル化の後に温度を70℃まで低下させてから、4MPa/minの速度で急減圧を行った以外は実施例3と同様であった。本実施例によって得られた樹脂発泡体は、発泡倍率が5~6倍で発泡直系の最頻値が数100μm以下の均質な発泡体であった。
[比較例1]
本比較例の条件は、ゲル化時間を15分とした以外は、実施例3と同様にした。て軟質塩化ビニル発泡体の作製を試みた。発泡過程において気泡が合体成長してゲル外に放出され、容器壁に付着する形で塩化ビニルが硬化しており、取り出しと評価は困難であった。
[比較例2]
実施例2に記載の組成で作成したペーストを、空気中140℃の恒温槽内で1時間処理することによりゲル化させた。このゲルは半透明で均質な状態であった。このゲルを切り出して直径8mm、高さ10mm程度の円筒形とし、実施例3で使用したガラス容器に導入した後は実施例6と同様にして、軟質塩化ビニル発泡体の作製を試みた。しかし、加圧後に可塑剤の滲みだしがみられ、これにより収縮し、また、減圧後も体積が増加しなかった。
実施例3~5および比較例1,2について、仕込み時、加圧時、減圧後の圧力容器内部の写真を図3に示す。
[実施例6]
実施例2に記載の組成でペーストを作成し、このペーストをシャーレ内に流し込んだ。そして、このシャーレを内径85mm、容積470cmの大型圧力容器内に設置し、他は実験例6と同様にして軟質塩化ビニル発泡体を作製した。
図4に、処理前後のシャーレを示す。図4に示すように、作成した発泡体は発泡による歪みが生じていたが、半透明で均質な状態であり、自在に変形可能であった。発泡倍率は2倍程度であった。熱伝導率測定装置(英弘精機製HC-074)の平行平板で押さえ込む形で熱伝導率を測定した結果、25℃における熱伝導率は0.04W/mKであった。
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。

Claims (5)

  1. 第1気体の溶解度が当該第1気体の分圧に応じて大きくなる可塑剤が添加され、かつ加熱によって硬化する第1樹脂を、前記第1気体の分圧が第1圧力以上である第1雰囲気下で加熱する加圧加熱工程と、
    前記加圧加熱工程より後に行われ、前記第1樹脂を、前記第1気体の分圧が前記第1圧力未満である第2雰囲気に位置させ、前記可塑剤に溶解していた前記第1気体の一部を前記可塑剤から分離させる減圧工程と、
    を備え、
    前記加圧加熱工程において、前記第1樹脂は、前記減圧工程において前記可塑剤から分離した前記第1気体によって発泡する程度に硬化を進ませ、
    前記加圧加熱工程と前記減圧工程の間に、前記第1雰囲気に前記第1樹脂を位置させた状態で、前記第1樹脂の温度を前記加圧加熱工程よりも下げる冷却工程を備える樹脂発泡体の製造方法。
  2. 第1気体の溶解度が当該第1気体の分圧に応じて大きくなる可塑剤が添加され、かつ加熱によって硬化する第1樹脂を、前記第1気体の分圧が第1圧力以上である第1雰囲気下で加熱する加圧加熱工程と、
    前記加圧加熱工程より後に行われ、前記第1樹脂を、前記第1気体の分圧が前記第1圧力未満である第2雰囲気に位置させ、前記可塑剤に溶解していた前記第1気体の一部を前記可塑剤から分離させる減圧工程と、
    を備え、
    前記加圧加熱工程において、前記第1樹脂は、前記減圧工程において前記可塑剤から分離した前記第1気体によって発泡する程度に硬化を進ませ、
    前記第1樹脂は塩化ビニルであり、
    前記第1気体は二酸化炭素である樹脂発泡体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の樹脂発泡体の製造方法において、
    少なくとも前記第2雰囲気は前記可塑剤を含有する樹脂発泡体の製造方法。
  4. 請求項2に記載の樹脂発泡体の製造方法において、
    前記可塑剤はフタル酸ジイソノニル及びフタル酸ジオクチルの少なくとも一方を含む樹脂発泡体の製造方法。
  5. 塩化ビニルと、
    可塑剤と、
    を含んだ樹脂発泡体であって、
    密度が0.1g/cm3以上0.5g/cm3以下であり、
    断面における発泡径の最頻値が50μm以上500μm以下であり、
    熱伝導率が0.04W/m以上0.05W/m・K以下である樹脂発泡体
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019146555A1 (ja) 2018-01-26 2019-08-01 株式会社カネカ ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系発泡粒子およびポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系発泡成形体

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