JP7426974B2 - 階段室の施工方法及び階段室構造 - Google Patents
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予め前記階段1の側面に、前記耐火被覆材3よりも若干厚みがあり、かつ前記柱2の幅よりも幅の狭い小片部材であるピース部材Pを取り付けておく工程と、
前記ピース部材Pが取り付けられた前記階段1を、前記スペースに対し、前記階段室SRを構成する前記躯体の側面に前記ピース部材Pを接触させた状態で配置する工程と、
前記階段1を、前記躯体に対し、前記階段1側から前記ピース部材Pを介して前記柱2に向かって固定材を打ち込むことで固定する工程と、
前記階段1と前記躯体との間に形成された前記ピース部材P分の間隔の隙間に、前記耐火被覆材3を差し込んで前記躯体に固定する工程と、を有することを特徴とする。
そして、階段1を、柱2に対し、階段1側からピース部材Pを介して柱2に向かって固定材を打ち込むことで固定するので、階段1と躯体との間に、ピース部材P分の間隔の隙間を形成した状態で、階段1を安定的かつ確実に設置することができる。
さらに、階段1と躯体との間に形成されたピース部材P分の間隔の隙間に、耐火被覆材3を差し込んで躯体に固定するので、耐火被覆材3の張り付け作業を、階段1の設置後に行うことができる。
これにより、耐火被覆材3を後から施工する場合であっても、階段1を躯体に固定して安全確保を図ることができるとともに、階段1によって防火被覆が途切れないようにすることができる。
前記階段1は、互いに組み合わせ自在な複数の階段ユニット10,20,30を備えており、
前記複数の階段ユニット10,20,30のうち、前記階段1の直階段部分を構成する直階段ユニット10,30(第一直階段ユニット10、第二直階段ユニット30)は、左右の階段用桁材11,31を有し、
前記直階段ユニット10,30は、少なくとも、前記左右の階段用桁材11,31の下
端部における最も下階側に位置する部位の外側面のそれぞれに、前記耐火被覆材3よりも若干厚みのあるピース部材Pが取り付けられており、
予め前記直階段ユニット10,30に、前記ピース部材Pを取り付けておく工程と、
前記ピース部材Pが取り付けられた前記階段1を、前記スペースに対し、前記階段室SRを構成する前記躯体の側面に前記ピース部材Pを接触させた状態で配置する工程と、
前記階段1を、前記躯体に対し、前記階段1側から前記ピース部材Pを介して前記躯体
に向かって固定材を打ち込むことで固定する工程と、
前記階段1と前記躯体との間に形成された前記ピース部材P分の間隔の隙間に、前記耐火被覆材3を差し込んで前記躯体に固定する工程と、を有しており、
前記直階段ユニット10,30を前記躯体に対して固定する時に、前記固定材を、前記階段用桁材11,31の内側面から前記ピース部材Pを介して前記躯体に向かって打ち込むことを特徴とする。
そして、階段1を、躯体に対し、階段1側からピース部材Pを介して躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定するので、階段1と躯体との間に、ピース部材P分の間隔の隙間を形成した状態で、階段1を安定的かつ確実に設置することができる。
さらに、階段1と躯体との間に形成されたピース部材P分の間隔の隙間に、耐火被覆材3を差し込んで躯体に固定するので、耐火被覆材3の張り付け作業を、階段1の設置後に行うことができる。
これにより、耐火被覆材3を後から施工する場合であっても、階段1を躯体に固定して安全確保を図ることができるとともに、階段1によって防火被覆が途切れないようにすることができる。
また、直階段ユニット10,30は、少なくとも、左右の階段用桁材11,31の下端部における最も下階側に位置する部位の外側面のそれぞれにピース部材Pが取り付けられており、直階段ユニット10,30を躯体に対して固定する時に、固定材を、階段用桁材11,31の内側面からピース部材Pを介して躯体に向かって打ち込むので、直階段ユニット10,30の下端部を躯体に対して確実に固定することができる。
前記複数の階段ユニット10,20,30のうち、平面視略L字型に形成されて前記階段1の廻り部分を構成する廻り階段ユニット20は、一角を中心に扇状に広がるように形成されて段階的に設けられる複数の段板22と、複数の蹴込板23と、前記複数の段板22及び前記複数の蹴込板23を支持する支持台21と、を有し、
前記廻り階段ユニット20は、少なくとも、前記支持台21の下端部における最も下階側に位置する部位の外周側面に前記ピース部材Pが取り付けられており、
予め前記廻り階段ユニット20の内周側面に、前記ピース部材Pと同一の厚みに設定された固定板材21aを取り付けておく工程と、
前記ピース部材P及び前記固定板材21aが取り付けられた前記廻り階段ユニット20を、前記スペースに対して配置する工程と、
前記廻り階段ユニット20を、前記躯体に対し、前記廻り階段ユニット20側から前記固定板材21aを介して前記躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定する工程と、を更に有しており、
前記廻り階段ユニット20を、前記スペースに対して配置する時に、前記ピース部材P及び前記固定板材21aのうち少なくとも一方を、前記躯体の側面に接触させた状態で配置することを特徴とする。
さらに、廻り階段ユニット20を、躯体に対し、廻り階段ユニット20側から固定板材21aを介して躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定するので、廻り階段ユニット20と躯体との間に、ピース部材P分及び固定板材21a分の間隔の隙間を形成した状態で、廻り階段ユニット20を安定的かつ確実に設置することができる。
前記耐火被覆材3には、前記固定板材21aが嵌合する切欠部3aが形成されていることを特徴とする。
隙間に、耐火被覆材3を差し込んだときに、切欠部3aに固定板材21aがぴったりと嵌まり合い、耐火被覆材3を正確に配置できる。
予め前記階段1の側面に、前記耐火被覆材3よりも若干厚みのあるピース部材Pを取り付けておく工程と、
前記ピース部材Pが取り付けられた前記階段1を、前記スペースに対し、前記階段室SRを構成する前記躯体の側面に前記ピース部材Pを接触させた状態で配置する工程と、
前記階段1を前記スペースに配置する際に、前記階段1を支持する複数の支持ユニット40,50(第一格子パネル40、第二格子パネル50)を前記スペースに配置する工程と、
前記複数の支持ユニット40,50には、前記ピース部材Pが取り付けられた支持ユニット40が含まれていて、前記複数の支持ユニット40,50を前記スペースに配置する際に、前記ピース部材Pが取り付けられた支持ユニット40を、前記躯体の側面に接触させた状態で前記スペースに配置する工程と、
前記階段1を、前記躯体に対し、前記階段1側から前記ピース部材Pを介して前記躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定する工程と、
前記階段1を前記躯体に対して固定した後に、前記複数の支持ユニット40,50のうち前記躯体に固定されない支持ユニット40,50を撤去する工程と、
前記階段1と前記躯体との間に形成された前記ピース部材P分の間隔の隙間に、前記耐火被覆材3を差し込んで前記躯体に固定する工程と、を有することを特徴とする。
そして、階段1を、躯体に対し、階段1側からピース部材Pを介して躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定するので、階段1と躯体との間に、ピース部材P分の間隔の隙間を形成した状態で、階段1を安定的かつ確実に設置することができる。
さらに、階段1と躯体との間に形成されたピース部材P分の間隔の隙間に、耐火被覆材3を差し込んで躯体に固定するので、耐火被覆材3の張り付け作業を、階段1の設置後に行うことができる。
これにより、耐火被覆材3を後から施工する場合であっても、階段1を躯体に固定して安全確保を図ることができるとともに、階段1によって防火被覆が途切れないようにすることができる。
また、階段1を階段室SRとして区画されるスペースに配置する際に、階段1を支持する複数の支持ユニット40,50を、階段室SRとして区画されるスペースに配置するので、複数の支持ユニット40,50によって階段1を支持しながら安定的に、階段1の設置作業を行うことができる。
さらに、階段1を躯体に対して固定した後に、複数の支持ユニット40,50のうち躯体に固定されない支持ユニット40,50を撤去するので、最小限の構成で、階段1を躯体に固定して維持することができ、撤去した支持ユニット40,50は、他の現場で使い回すことも可能となる。一方、複数の支持ユニット40,50のうち躯体に固定される支持ユニット40,50は撤去されないので、撤去されない支持ユニット40,50によって、階段1を格段に安定的な状態で設置することができる。
また、複数の支持ユニット40,50をスペースに配置する際に、ピース部材Pが取り付けられた支持ユニット40を、躯体の側面に接触させた状態で、階段室SRとして区画されるスペースに配置するので、階段室SRとして区画されるスペースに対する支持ユニット40の位置決めを行うことができ、支持ユニット40を正確に配置できる。
前記ピース部材Pは、前記支持ユニット40の両側面に取り付けられており、
両側面に前記ピース部材Pが取り付けられた前記支持ユニット40を、前記スペースに対して配置する時に、前記支持ユニット40の両側面に取り付けられたピース部材Pのうち少なくとも一方を、前記躯体の側面に接触させた状態で配置することを特徴とする。
前記ピース部材Pは、前記階段1の両側面に取り付けられており、
前記階段1を、前記スペースに対して配置する時に、前記階段1の両側面に取り付けられたピース部材Pのうち少なくとも一方を、前記躯体の側面に接触させた状態で配置することを特徴とする。
前記耐火被覆材3には、前記ピース部材Pが嵌合する切欠部3aが形成されていることを特徴とする。
前記階段1の側面に、前記耐火被覆材3よりも若干厚みがあり、かつ前記柱の幅よりも幅の狭い小片部材であるピース部材Pが取り付けられ、
前記ピース部材Pは、前記階段室SRを構成する前記躯体の側面に接し、
前記階段1は、前記躯体に対し、前記階段1側から前記ピース部材Pを介して前記柱2に向かって打ち込まれた固定材によって固定されており、
前記階段1と前記躯体との間に前記ピース部材P分の間隔の隙間が形成され、
前記隙間には前記耐火被覆材3が差し込まれ、当該耐火被覆材3は前記躯体に固定されていることを特徴とする。
そして、階段1は、柱2に対し、階段1側からピース部材Pを介して柱2に向かって打ち込まれた固定材によって固定されているので、階段1と躯体との間に、ピース部材P分の間隔の隙間を形成した状態で、階段1を安定的かつ確実に設置することができる。
さらに、階段1と躯体との間に形成されたピース部材P分の間隔の隙間には耐火被覆材3が差し込まれ、当該耐火被覆材3は躯体に固定されているので、耐火被覆材3の張り付け作業を、階段1の設置後に行うことができる。
これにより、耐火被覆材3を後から施工する場合であっても、階段1を躯体に固定して安全確保を図ることができるとともに、階段1によって防火被覆が途切れないようにすることができる。
前記耐火被覆材3には、前記ピース部材Pが嵌合する切欠部3aが形成されていることを特徴とする。
建物の躯体は、本実施形態においては在来工法(木造軸組構法)によって構築されており、階段1は、階段室SRを構成する軸組に対して固定される。軸組としては、柱2及び梁(図示省略)を備えており、本実施形態における階段1は、階段室SRを構成する柱2に固定されるが、梁にも固定されてよい。
また、躯体を構成する軸組(柱2及び梁)は、耐火被覆材3によって被覆されて階段室SRの壁を構成する。耐火被覆材3としては、例えば石膏ボードが用いられているが、その他の種類の耐火被覆材3であってもよい。
本実施形態においては、1M=910mmに設定されている。そして、建物の躯体においては、当該躯体を構成する柱2の中心線(柱芯)間の距離が1M(モジュール)となっている。
四隅の柱2同士は、2モジュールずつ間隔(中心線間の距離)を空けて配置されている。したがって、四隅の柱2と中間地点の柱2との間隔は1Mとなっている。
中心の柱2と、四隅の柱2同士の中間地点に位置する柱2のうち、いずれか1本の柱2と、によって階段室SRの内周側の手摺壁が形成されるようになっている。
また、階段室SRにおける外周側の周囲の壁を構成する各柱2同士の間と、上記の手摺壁を構成する中心の柱2及び上記1本の柱2同士の間には、それぞれ間柱2aが配置されている。つまり、柱2と間柱2aの中心線間の距離は、0.5M(本実施形態においては455mm)となっている。
また、階段1を構成する各ユニット10,20,30は、造作工事の前段階では、複数の格子パネル40,50によって支持されている。格子パネルには、高さ寸法の異なる複数の格子パネル40,50が含まれる。具体的には、高さの低い第一格子パネル40と、高さの高い第二格子パネル50と、を指す。
すなわち、本実施形態の階段1は、造作工事の前段階においては、第一直階段ユニット10と、廻り階段ユニット20と、第二直階段ユニット30と、第一格子パネル40と、第二格子パネル50と、を備える。
なお、階段1を構成する各ユニット10,20,30及び各格子パネル40,50は、全体が、又は一部(一部を除く略全体)が予め工場で製造されている。
さらに、階段1は、規格化された以上の各ユニットを自由に組み合わせて形成することが可能となっており、階段1構成するのに必要なユニットを階段セットとしてセット化してもよい。
また、階段室SRを構成する軸組の配置や数量は、階段1の種類に応じて適宜変更されるものとする。
ピース部材Pは、少なくとも耐火被覆材3の厚みよりも若干(2~3mm程度)厚みのある小片部材であり、直方体状に形成されている。全体的には、建物の耐火性能に影響を与えない程度のサイズに設定されている。材質は、木片でもよいし、耐火性能を有するものでもよい。また、階段1に接する面と、躯体に接する面と、を有している。さらに、ピース部材Pは、本実施形態においては、階段1を構成する各ユニット10~50のうち、いずれか複数のユニットにおける側面に対し、予め工場や現場等で固定されている。したがって、ピース部材Pは、躯体に対する階段1の位置(間隔)を決定できる位置決め手段として機能する。
固定板材21aは、ピース部材Pと同一の厚みに設定された板材であり、上下方向に長尺となる矩形状に形成されている。全体的には、建物の耐火性能に影響を与えない程度のサイズに設定されている。材質は、例えば合板とされるが、耐火性能を有するものでもよい。また、階段1に接する面と、躯体に接する面と、を有している。さらに、固定板材21aは、予め工場や現場等で固定されている。したがって、固定板材21aは、躯体に対する階段1の位置(間隔)を決定できる位置決め手段として機能する。
ピース部材P及び固定板材21aの躯体への固定方法は、ビス等の固定材による固定や、接着剤による接合固定が適宜採用される。
したがって、ピース部材P及び固定板材21aは、躯体に対する階段1の位置決め手段だけでなく、固定材や接着剤と共に、躯体に対する階段1の固定手段としても機能する。
なお、ビス等の固定材による固定は、固定対象の側面に対して垂直に打ち込まれることによって行われるが、周囲に構造に応じて斜め打ちされるものとしてもよい。
第一直階段ユニット10における複数の段板12は、その奥行方向(正背方向)の寸法が全て同じに設定されている。また、最上段の段板12は、ささら桁11における昇降方向の上端部から上階側に、はみ出た状態となっている。
複数の蹴込板13は、左右両側のささら桁11における垂直面に固定される。最下段の蹴込板13は更に、左右のささら桁11の下端部における最も手前(上り口側)に位置する部位の内側面間に架け渡されて一体的に設けられた下地桟材13aにも固定される。より詳細に説明すると、複数の蹴込板13は、最下段の蹴込板13を除き、下端部が下側の段板12にも固定されて、人の足が当たったときの撓みが抑制されている。一方、最下段の蹴込板13の場合は、下側に段板12がないため下地桟材13aに固定されて、人の足が当たったときの撓みが抑制されている。
また、左右のささら桁11の下端部における最も下階側(上り口側)に位置する部位の外側面に、ピース部材Pがそれぞれ取り付けられている。
なお、左右のささら桁11に一体的に設けられた下地桟材13aは、躯体である床に対して本固定される。
一方、第一直階段ユニット10の幅方向(左右方向)の長さは、図9に示すように、階段1の幅方向(左右方向)に隣り合う柱2における内側の幅寸法(モジュールMから、1本分の柱2の幅寸法だけ差し引いた長さ)から、第一直階段ユニット10の両側に設けられる2つのピース部材Pの厚み分だけ小さくした値に設定されている。これにより、階段室SR内に第一直階段ユニット10を設置した後には、第一直階段ユニット10と両側方の柱2との間に、耐火被覆材3の厚み寸法よりも若干長い間隔寸法とされた隙間が形成される。
支持台21は、複数の桟材が組み立てられて複数の段を有するフレーム状に形成された台であり、上向き面に段板22が固定され、垂直面に蹴込板23が固定される。また、支持台21の上端部には、直上に配置されるユニット(廻り階段ユニット20、第二直階段ユニット30、踊り場ユニット)を支持するための載置部24が形成されている。
また、廻り階段ユニット20は、躯体における中心の柱2を避けるようにして配置されるため、支持台21が平面視において略L字型に形成されている。複数の段板22における中心の柱2側の端部と、複数の蹴込板13における中心の柱2側の端部は、躯体における中心の柱2の側面に合わせて適宜切り欠かれたような状態に形成されている。
また、平面視略L字型に形成された支持台21の内周側面には、ピース部材Pよりも面積が広く、かつ、ピース部材Pと同一の厚みに設定された複数の固定板材21aが、平面視略直角の位置関係となるように配置されて取り付けられている。これら複数の固定板材21aは、階段室SRにおける中心の柱2の側面のうち、廻り階段ユニット20に向けられた側面に固定される。また、固定板材21aは、例えば合板からなるが、その他の材質でもよいし、また、耐火性能を有するものでもよい。
なお、本実施形態においては、このように、支持台21の内周側面に固定板材21aが取り付けられるものとしたが、ピース部材Pが取り付けられるものとしてもよい。
ここで、第二直階段ユニット30の最上段の段板32以外の段板32は第一直階段ユニット10の各段板12の奥行寸法と同じ奥行寸法となっている。一方、最上段の段板32は第一直階段ユニット10の各段板12の奥行寸法よりも短い奥行寸法となっている。第二直階段ユニット30は、最上段の段板32が上階の床に連続するように連結されるものであるため、この最上段の段板32の奥行きが小さくとも、床と連続することにより、他の段板32の奥行寸法よりも広い踏み面を確保することができる。
また、左右のささら桁31の上端部における最も上階側に位置する部位の外側面と、左右のささら桁31の下端部における最も下階側に位置する部位の外側面に、ピース部材Pがそれぞれ取り付けられている。
一方、第二直階段ユニット40の幅方向(左右方向)の長さは、第一直階段ユニット10と同様に、階段室SRの左右方向に隣り合う柱2における内側の幅寸法(モジュールMから、1本分の柱2の幅寸法だけ差し引いた長さ)から、第二直階段ユニット30の両側に設けられる計4つのピース部材Pの厚み分だけ小さくした値に設定されている。これにより、階段室SR内に第二直階段ユニット30を設置した後には、第二直階段ユニット30と両側方の柱2との間に、耐火被覆材3の厚み寸法よりも若干長い間隔寸法とされた隙間が形成される。
踊り場ユニットには、廻り階段ユニット20と同様に、ピース部材Pや固定板材21aが取り付けられてよい。
踊り場ユニットが、平面視において正方形の場合、一辺の長さは、階段室SRの左右方向に隣り合う柱2における内側の幅寸法(モジュールMから、1本分の柱2の幅寸法だけ差し引いた長さ)から、ピース部材P及び固定板材21aの厚み分だけ小さくした値に設定されている。これにより、階段室SR内に踊り場ユニットを設置した後には、踊り場ユニットと両側方の柱2との間に、耐火被覆材3の厚み寸法よりも若干長い間隔寸法とされた隙間が形成される。
さらに、第一直階段ユニット10は、上記のように、左右のささら桁11の下端部における最も手前に位置する部位の内側面間に、最下段の蹴込板13を固定するための下地桟材13aが架け渡されて設けられた形態となっている。
廻り階段ユニット20の場合は、支持台21を構成するフレームのうち、第一直階段ユニット10に接するフレームが下地桟材13aに相当する。
第二直階段ユニット30の場合、最下段の蹴込板33は、その下側に位置する廻り階段ユニット20に固定されるので、第一直階段ユニット10とは異なり、最下段の蹴込板33を固定するための下地桟材を備えない構成となっている。
このような第一格子パネル40は、図5に示すように、左右の縦框材41と、これら左右の縦框材41の上端部間と下端部間を連結する上下の横桟材42と、左右の縦框材41間の中間に位置するとともに上下の横框材42間に架け渡されて設けられた補助桟材43と、からなる。
第一格子パネル40の高さ寸法は、第一直階段ユニット10におけるささら桁11の上下寸法と等しく設定されている。
これら2つの第一格子パネル40のうち、第一直階段ユニット10側に位置する第一格子パネル40は、第一直階段ユニット10の上端部も載せられた状態となっている。すなわち、上記のように、第一直階段ユニット10における最上段の段板12は、ささら桁11における昇降方向の上端部から、階段室SRの背面側に向かって、はみ出た状態となっているので、第一直階段ユニット10側に位置する第一格子パネル40の上端面には、この最上段の段板12が載せられている。より詳細に説明すると、第一直階段ユニット10側に位置する第一格子パネル40の上端面には、第一直階段ユニット10における最上段の段板12と、下階側の廻り階段ユニット20と、が載せられた状態となっている。
当該第一格子パネル40の上側の横框材42に取り付けられたピース部材Pは、下階側の廻り階段ユニット20の支持台21の下端部に取り付けられた上記のピース部材Pと、上下に重なり合う位置関係となっている。そして、第一格子パネル40の上側の横框材42に取り付けられたピース部材Pは、下階側の廻り階段ユニット20の支持台21の下端部に取り付けられたピース部材Pに固定されてもよい。
また、第一格子パネル40の上側の横框材42に取り付けられたピース部材Pは、下階側の廻り階段ユニット20の支持台21の内周側面に取り付けられた上記の固定板材21aと、上下に重なり合う位置関係となっている。そして、第一格子パネル40の上側の横框材42に取り付けられたピース部材Pは、下階側の廻り階段ユニット20の支持台21の内周側面に取り付けられた固定板材21aに固定されてもよい。
2つの第一格子パネル40のうち、第一直階段ユニット10側とは反対側に位置する第一格子パネル40には、ピース部材Pが取り付けられていない。
これにより、階段室SR内に、第一直階段ユニット10側に位置する第一格子パネル40を設置した後には、第一格子パネル40と両側方の柱2との間に、耐火被覆材3の厚み寸法よりも若干長い間隔寸法とされた隙間が形成される。
これにより、階段室SR内に、第一直階段ユニット10側とは反対側に位置する第一格子パネル40を設置した後には、第一格子パネル40と両側方の柱2との間に、耐火被覆材3の厚み寸法よりも若干長い間隔寸法とされた隙間が形成される。
このような第二格子パネル50は、図6に示すように、左右の縦框材51と、これら左右の縦框材51の上端部間と下端部間を連結する上下の横框材52と、左右の縦框材51間の中間に位置するとともに上下の横框材52間に架け渡されて設けられた補助桟材53と、からなる。
第二格子パネル50の高さ寸法は、床から、下階側の廻り階段ユニット20における載置部24上面までの寸法と等しく設定されている。
これにより、階段室SR内に、第二格子パネル50を設置した後には、第二格子パネル50とその左側方の柱2との間に、耐火被覆材3の厚み寸法よりも若干長い間隔寸法とされた隙間が形成される。
本実施形態においては、2つの第一格子パネル40及び第二格子パネル50は、残置される場合に、建物の躯体である床に対して固定されるものとしたが、造作工事後に、柱2(階段室SRの壁)に対して本固定されるものとしてもよい。すなわち、2つの第一格子パネル40及び第二格子パネル50は、残置される場合に、床か柱2のうち少なくとも一方に本固定されるものとする。換言すれば、階段1を躯体に対して固定した後に、2つの第一格子パネル40及び第二格子パネル50のうち躯体に固定されないものは撤去され、躯体に固定されるものは残置される。
造作工事よりも前の段階において、階段1は、2つの第一格子パネル40と、第二格子パネル50と、を更に備える。これにより、上記の各ユニット10,20,30は安定的に支持され、階段1の設置状態が良好なものとなる。組立工事が完了して造作工事が行われる際には、耐火被覆材3が躯体に張り付けられて固定される。そのとき、耐火被覆材3の切欠部3aには、各ユニット10,20,30及び第一格子パネル40に取り付けられたピース部材P、固定板材21aに嵌め合わせられた状態となっている。
そして、階段1の各ユニット10,20,30は、ピース部材P及び固定板材21aの位置とは異なる箇所が、耐火被覆材3を介して躯体に固定されてもよい。
また、階段1の各ユニット10,20,30が躯体に固定されると、2つの第一格子パネル40と第二格子パネル50は撤去される。
すなわち、階段室SRは、組立工事から竣工までの工程において、その構造が異なるものとなっている。
つまり、竣工後の階段1は、第一直階段ユニット10、上階側と下階側の廻り階段ユニット20、第二直階段ユニット30の他に、2つの第一格子パネル40及び第二格子パネル50を備える場合と、これらの格子パネル40,50のうちいずれかを備えない場合がある。したがって、階段室SRは、組立工事から竣工までの工程において、その構造が異なるものとなる場合がある。
また、このようにピース部材P(固定板材21a)が、各ユニット10,20,30及び第一格子パネル40の一側面にのみ取り付けられる場合は、階段1の設置状態を安定的なものにするため、第一格子パネル40や第二格子パネル50の他にも支持ユニットを採用してもよい。
なお、階段1を構成する第一直階段ユニット10、廻り階段ユニット20、第二直階段ユニット30と、階段1を支持する支持ユニットである第一格子パネル40、第二格子パネル50は、予め工場等で組み立てられた上で施工現場に輸送されるものとする。
また、各ピース部材P及び固定板材21aも、予め工場等で取り付けられているものとする。
上棟を迎えると、上棟式が行われる場合がある。階段室SRへの階段1の設置は、上棟式の前までに行われる。また、上棟式が行われるか否かにかかわらず、階段室SRへの階段1の設置は行われ、作業員の上下階間の昇降移動に用いられる。つまり、階段室SRへの階段1の設置作業は、組立工事中に行われることになる。
第一直階段ユニット10及び第一格子パネル40の両側面には、ピース部材Pが取り付けられているため、これら第一直階段ユニット10及び第一格子パネル40を、左右方向に隣り合う柱2間に配置するだけで、幅方向(階段室SRの左右方向)の位置決めを行うことができる。より詳細に説明すると、第一直階段ユニット10及び第一格子パネル40の両側面に取り付けられたピース部材Pのうち少なくとも一方の側面のピース部材Pを、左右方向に隣り合う柱2のうち少なくとも一方の柱2の側面に接触させた状態にすれば、幅方向(左右方向)において、階段室SRとして区画されるスペースに対する第一直階段ユニット10及び第一格子パネル40の位置決めを行うことができ、階段1を正確に配置できる。このとき、他方の側面のピース部材Pと、他方の柱2の側面との間に隙間が形成されてしまっても、その隙間は、階段巾木によって閉塞できるので問題は生じない。
また、第一直階段ユニット10は、昇降方向(正背方向)に沿う平面寸法が1Mに設定されているため、昇降方向下端部及び上端部を、柱2の中心線に合うように配置すれば、昇降方向(階段室SRの正背方向)の位置決めを行うことができる。
したがって、第一直階段ユニット10は、当該第一直階段ユニット10の両側に設けられたピース部材Pを、左右方向に隣り合う柱2に接触させた状態で、ささら桁11の内側面からピース部材Pを介してビス等の固定材を打ち込むことで、左右方向に隣り合う柱2に固定することができる。ビス等の固定材は、下地桟材13aを避けた位置から、ピース部材Pを介し、柱2に向かって斜め打ちされる。なお、固定方法は、ビス等の固定材に代えて接着剤による接合固定でもよいし、固定材と接着剤の併用でもよいものとする。
これにより、第一直階段ユニット10は、昇降方向上端部が第一格子パネル40の上端面に載せられ、昇降方向下端部が躯体に固定された状態となる。
その後、最下段の蹴込板13を、左右両側のささら桁11の下端部における垂直面と下地桟材13aに固定するが、最下段の蹴込板13が、予め取り付けられている場合は、この工程は省略される。
このとき、載置部24を、上階側の廻り階段ユニット20が設けられる方向に向けるようにする。また、支持台21における第一直階段ユニット10側の下端部を、第一格子パネル40の上端面に載せるとともに、最下段の蹴込板23の下端部を、第一直階段ユニット10における最上段の段板12に密着させる。
したがって、支持台21の下端部における外周側面に取り付けられたピース部材Pを、階段室SRの右側に位置する柱2に接触させた状態で、支持台21の内側からビス等の固定材を打ち込んで固定することができる。
また、支持台21の内周側面に取り付けられた複数の固定板材21aを、中心の柱2における2つの側面に接触させた状態で、支持台21の内側からビス等の固定材を打ち込んで固定することができる。これにより、下階側の廻り階段ユニット20は、正背方向の両端部が2つの第一格子パネル40間に架け渡されて設けられ、第一直階段ユニット10側の下端部と、中心の柱2に接する部位が躯体に固定された状態となる。
なお、2つの第一格子パネル40は、上に載せられた下階側の廻り階段ユニット20の支持台21に対して仮固定されてもよい。この場合、上側に位置する横框材42の下面から支持台21に向かってビス留めを行う。
このとき、載置部24を、第二直階段ユニット30が設けられる方向に向けるようにする。また、支持台21における下階側の廻り階段ユニット20側の下端部を、下階側の廻り階段ユニット20における載置部24に載せるとともに、最下段の蹴込板23の下端部を、下階側の廻り階段ユニット20における最上段の段板12に密着させる。
したがって、支持台21の下端部における外周側面に取り付けられたピース部材Pを、階段室SRの背面側に位置する柱2に接触又は近接させた状態で、支持台21の内側からビス等の固定材を打ち込んで固定することができる。
また、支持台21の内周側面に取り付けられた複数の固定板材21aを、中心の柱2における2つの側面に接触又は近接させた状態で、支持台21の内側からビス等の固定材を打ち込んで固定することができる。これにより、上階側の廻り階段ユニット20は、左右方向の両端部が、下階側の廻り階段ユニット20と第二格子パネル50との間に架け渡されて設けられ、下階側の廻り階段ユニット20側の下端部と、中心の柱2に接する部位が躯体に固定された状態となる。
なお、第二格子パネル50は、上に載せられた上階側の廻り階段ユニット20の支持台21に対して仮固定されてもよい。この場合、上側に位置する横框材52の下面から支持台21に向かってビス留めを行う。
なお、上階の床は、図示はしないが、第二直階段ユニット30側に突出する受梁を備えており、第二直階段ユニット30の昇降方向上端部(左右のささら桁11における上端部の下面、もしくは最上段の段板32)は、当該受梁に固定されて支持されるものとする。ただし、これに限られるものではなく、第二直階段ユニット30の昇降方向上端部を、連結金物によって上階の床に連結してもよい。
耐火被覆材3の張り付け作業を行う際は、まず、耐火被覆材3を、階段1と躯体との間に形成された隙間に差し込む。隙間の間隔寸法は、ピース部材P及び固定板材21aの厚みに基づくため、少なくとも、耐火被覆材3の厚みよりも若干長く設定されている。そのため、耐火被覆材3を差し込みやすい。
耐火被覆材3の差込方向は、上から下に向かう方向でもよいし、下から上に向かう方向でもよいし、横から差し込んでもよい。
また、図1,図8に示すように、耐火被覆材3は、上下に分割されて設けられる場合がある。このような場合は、ビス等の固定材が打ち込める高さでジョイントされる。
耐火被覆材3が躯体に張り付けられて固定されると、階段室SRを囲む外周側の周囲の壁と、階段室SRの内周側の手摺壁と、が形成される。
階段1の各ユニット10,20,30を固定した後は、第一格子パネル40及び第二格子パネル50を撤去する。また、2つの第一格子パネル40のうち、第一直階段ユニット10側の第一格子パネル40を残置する場合は、当該第一格子パネル40を、躯体や上方に位置する廻り階段ユニット20の支持台21に本固定する。さらに、当該第一格子パネル40に取り付けられたピース部材Pと、上方に位置する下階側の廻り階段ユニット20におけるピース部材Pは上下に重なるので、耐火被覆材3に形成される切欠部3aは、ピース部材Pが上下に2つ並んだ分の上下寸法に設定される。
階段室SRを施工する工程は、順番が変更可能なものであれば、必要に応じて適宜前後させてもよい。
また、階段1を構成する各階段ユニット10,20,30及び各格子パネル40,50は、造作工事後に、柱2(階段室SRの壁)に対し、固定材によって固定されるものとしてもよい。
すなわち、ピース部材Pが取り付けられた階段1を、階段室SRとして区画されるスペースに対し、階段室SRを構成する躯体の側面にピース部材Pを接触させた状態で配置するので、昇降方向と直交する幅方向において、階段室SRとして区画されるスペースに対する階段1の位置決めを行うことができ、階段1を正確に配置できる。
そして、階段1を、躯体に対し、階段1側からピース部材Pを介して躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定するので、階段1と躯体との間に、ピース部材P分の間隔の隙間を形成した状態で、階段1を安定的かつ確実に設置することができる。
さらに、階段1と躯体との間に形成されたピース部材P分の間隔の隙間に、耐火被覆材3を差し込んで躯体に固定するので、耐火被覆材3の張り付け作業を、階段1の設置後に行うことができる。
これにより、耐火被覆材3を後から施工する場合であっても、階段1を躯体に固定して安全確保を図ることができるとともに、階段1によって防火被覆が途切れないようにすることができる。
さらに、廻り階段ユニット20を、躯体に対し、廻り階段ユニット20側から固定板材21aを介して躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定するので、廻り階段ユニット20と躯体との間に、ピース部材P分及び固定板材21a分の間隔の隙間を形成した状態で、廻り階段ユニット20を安定的かつ確実に設置することができる。
さらに、階段1を躯体に対して固定した後に、複数の支持ユニット40,50のうち躯体に固定されない支持ユニット40,50を撤去するので、最小限の構成で、階段1を躯体に固定して維持することができ、撤去した支持ユニット40,50は、他の現場で使い回すことも可能となる。一方、複数の支持ユニット40,50のうち躯体に固定される支持ユニット40,50は撤去されないので、撤去されない支持ユニット40,50によって、階段1を格段に安定的な状態で設置することができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。また、以下の各変形例において、上述の実施形態と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。
これに対し、本変形例におけるピース部材PLは、図11に示すように、第一格子パネル40における上側の横框材42における長さ方向両端面の範囲から下方に突出するように上下方向に長尺に形成されている。そして、ピース部材PLは、第一格子パネル40における上側の横框材42における長さ方向両端面から、下方に位置する左右の縦框材41の外側面にかけて取り付けられている。
また、上記の実施形態においては、ピース部材Pが、上に重なるピース部材P及び固定板材21aに固定されてもよいとしたが、本変形例におけるピース部材PLは、上に重なるピース部材P及び固定板材21aに固定されなくてもよい。
P ピース部材
M モジュール
1 階段
2 柱
3 耐火被覆材
3a 切欠部
10 第一直階段ユニット
11 ささら桁
12 段板
13 蹴込板
13a 下地桟材
20 廻り階段ユニット
21 支持台
21a 固定板材
22 段板
23 蹴込板
24 載置部
30 第二直階段ユニット
31 ささら桁
32 段板
33 蹴込板
40 第一格子パネル
41 縦框材
42 横框材
43 補助桟材
50 第二格子パネル
51 縦框材
52 横框材
53 補助桟材
Claims (10)
- 柱を含む躯体の表面に耐火被覆材を張り付けて造作工事が行われる建物のうち、階段室として区画されるスペースに、上下階を接続する階段を設置する階段室の施工方法において、
予め前記階段の側面に、前記耐火被覆材よりも若干厚みがあり、かつ前記柱の幅よりも幅の狭い小片部材であるピース部材を取り付けておく工程と、
前記ピース部材が取り付けられた前記階段を、前記スペースに対し、前記階段室を構成する前記躯体の側面に前記ピース部材を接触させた状態で配置する工程と、
前記階段を、前記躯体に対し、前記階段側から前記ピース部材を介して前記柱に向かって固定材を打ち込むことで固定する工程と、
前記階段と前記躯体との間に形成された前記ピース部材分の間隔の隙間に、前記耐火被覆材を差し込んで前記躯体に固定する工程と、を有することを特徴とする階段室の施工方法。 - 躯体の表面に耐火被覆材を張り付けて造作工事が行われる建物のうち、階段室として区画されるスペースに、上下階を接続する階段を設置する階段室の施工方法において、
前記階段は、互いに組み合わせ自在な複数の階段ユニットを備えており、
前記複数の階段ユニットのうち、前記階段の直階段部分を構成する直階段ユニットは、左右の階段用桁材を有し、
前記直階段ユニットは、少なくとも、前記左右の階段用桁材の下端部における最も下階側に位置する部位の外側面のそれぞれに、前記耐火被覆材よりも若干厚みのあるピース部材が取り付けられており、
予め前記直階段ユニットに、前記ピース部材を取り付けておく工程と、
前記ピース部材が取り付けられた前記階段を、前記スペースに対し、前記階段室を構成する前記躯体の側面に前記ピース部材を接触させた状態で配置する工程と、
前記階段を、前記躯体に対し、前記階段側から前記ピース部材を介して前記躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定する工程と、
前記階段と前記躯体との間に形成された前記ピース部材分の間隔の隙間に、前記耐火被覆材を差し込んで前記躯体に固定する工程と、を有しており、
前記直階段ユニットを前記躯体に対して固定する時に、前記固定材を、前記階段用桁材の内側面から前記ピース部材を介して前記躯体に向かって打ち込むことを特徴とする階段室の施工方法。 - 請求項2に記載の階段室の施工方法において、
前記複数の階段ユニットのうち、平面視略L字型に形成されて前記階段の廻り部分を構成する廻り階段ユニットは、一角を中心に扇状に広がるように形成されて段階的に設けられる複数の段板と、複数の蹴込板と、前記複数の段板及び前記複数の蹴込板を支持する支持台と、を有し、
前記廻り階段ユニットは、少なくとも、前記支持台の下端部における最も下階側に位置する部位の外周側面に前記ピース部材が取り付けられており、
予め前記廻り階段ユニットの内周側面に、前記ピース部材と同一の厚みに設定された固定板材を取り付けておく工程と、
前記ピース部材及び前記固定板材が取り付けられた前記廻り階段ユニットを、前記スペースに対して配置する工程と、
前記廻り階段ユニットを、前記躯体に対し、前記廻り階段ユニット側から前記固定板材を介して前記躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定する工程と、を更に有しており、
前記廻り階段ユニットを、前記スペースに対して配置する時に、前記ピース部材及び前記固定板材のうち少なくとも一方を、前記躯体の側面に接触させた状態で配置することを特徴とする階段室の施工方法。 - 請求項3に記載の階段室の施工方法において、
前記耐火被覆材には、前記固定板材が嵌合する切欠部が形成されていることを特徴とする階段室の施工方法。 - 躯体の表面に耐火被覆材を張り付けて造作工事が行われる建物のうち、階段室として区画されるスペースに、上下階を接続する階段を設置する階段室の施工方法において、
予め前記階段の側面に、前記耐火被覆材よりも若干厚みのあるピース部材を取り付けておく工程と、
前記ピース部材が取り付けられた前記階段を、前記スペースに対し、前記階段室を構成する前記躯体の側面に前記ピース部材を接触させた状態で配置する工程と、
前記階段を前記スペースに配置する際に、前記階段を支持する複数の支持ユニットを前記スペースに配置する工程と、
前記複数の支持ユニットには、前記ピース部材が取り付けられた支持ユニットが含まれていて、前記複数の支持ユニットを前記スペースに配置する際に、前記ピース部材が取り付けられた支持ユニットを、前記躯体の側面に接触させた状態で前記スペースに配置する工程と、
前記階段を、前記躯体に対し、前記階段側から前記ピース部材を介して前記躯体に向かって固定材を打ち込むことで固定する工程と、
前記階段を前記躯体に対して固定した後に、前記複数の支持ユニットのうち前記躯体に固定されない支持ユニットを撤去する工程と、
前記階段と前記躯体との間に形成された前記ピース部材分の間隔の隙間に、前記耐火被覆材を差し込んで前記躯体に固定する工程と、を有することを特徴とする階段室の施工方法。 - 請求項5に記載の階段室の施工方法において、
前記ピース部材は、前記支持ユニットの両側面に取り付けられており、
両側面に前記ピース部材が取り付けられた前記支持ユニットを、前記スペースに対して配置する時に、前記支持ユニットの両側面に取り付けられたピース部材のうち少なくとも一方を、前記躯体の側面に接触させた状態で配置することを特徴とする階段室の施工方法。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の階段室の施工方法において、
前記ピース部材は、前記階段の両側面に取り付けられており、
前記階段を、前記スペースに対して配置する時に、前記階段の両側面に取り付けられたピース部材のうち少なくとも一方を、前記躯体の側面に接触させた状態で配置することを特徴とする階段室の施工方法。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の階段室の施工方法において、
前記耐火被覆材には、前記ピース部材が嵌合する切欠部が形成されていることを特徴とする階段室の施工方法。 - 柱を含む躯体の表面に耐火被覆材を張り付けて造作工事が行われる建物のうち、階段室として区画されるスペースに、上下階を接続する階段が設置された階段室構造であって、
前記階段の側面に、前記耐火被覆材よりも若干厚みがあり、かつ前記柱の幅よりも幅の狭い小片部材であるピース部材が取り付けられ、
前記ピース部材は、前記階段室を構成する前記躯体の側面に接し、
前記階段は、前記躯体に対し、前記階段側から前記ピース部材を介して前記柱に向かって打ち込まれた固定材によって固定されており、
前記階段と前記躯体との間に前記ピース部材分の間隔の隙間が形成され、
前記隙間には前記耐火被覆材が差し込まれ、当該耐火被覆材は前記躯体に固定されていることを特徴とする階段室構造。 - 請求項9に記載の階段室構造において、
前記耐火被覆材には、前記ピース部材が嵌合する切欠部が形成されていることを特徴とする階段室構造。
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