JP7423332B2 - 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒、およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
かかる触媒としては、様々なタイプのメタロセン化合物等の遷移金属化合物が盛んに開発されており、たとえば特許文献1には、下記一般式で表される遷移金属化合物(A):
ならびに有機アルミニウムオキシ化合物および有機ホウ素化合物から選ばれる1種以上の活性化剤(B)からなる重合触媒の存在下、エチレンおよび/または炭素原子数3~20のα-オレフィンと少なくとも1種類の環状オレフィン化合物との共重合を行う環状オレフィン系共重合体の製造方法が記載され、遷移金属化合物(A)の具体例としては、CpTi(t-Bu2C=N)Cl2、比較例としてCp*Ti(2,6-iPr2PhO)Cl2が挙げられている。(Cpはシクロペンタジエニル基を、Cp*はη5-ペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。)。
Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
mは1~3の整数であり、
Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、
AおよびBは、硫黄(S)、酸素(O)またはCR3(R3は、水素、アルキル基等である。)、AがS又はOであるならばBはCR3であるか、又はBがS又はOであるならばAはCR3であり、AとBを含む環は可能な位置で二重結合を有する)であり;
R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、
Lは炭素、水素を必須とし、さらに15族、16元素から選ばれる原子を含む構造を有する。〕
[3]前記一般式[A-1]において、Mはチタン原子であることを特徴とする、項[1]に記載に記載の遷移金属化合物。
[4]前記一般式[A-1]において、Aが硫黄である項[1]に記載の遷移金属化合物。
[5]前記一般式[A-1]において、Lがケチミド構造を有する下記(L-1)であることを特徴とする[1]に記載の遷移金属化合物。
ケチミド配位子は下記一般式L-1で表され、次のように定義される。
(a)第4族金属に金属-窒素原子結合を介して結合される;
(b)上記窒素原子に単一の置換基を有する(ここで、その単一の置換基はそのN原子に二重結合で結合されている炭素原子である);および
(c)上記炭素原子に結合されている2個の置換基(以下において説明されるSub1およびSub2有する配位子を意味する
ホスフィンイミド配位子は下記一般式L-2で表され、次のように定義される。
(a)第4族金属に金属-窒素原子結合を介して結合される;
(b)上記窒素原子に単一の置換基を有する(ここで、その単一の置換基はそのN原子に二重結合で結合されているP原子である);および
(c)上記P原子に結合されている3個の置換基(以下において説明されるSub3、Sub4およびSub5を有する配位子を意味する。
アミジミド配位子は下記一般式L-3で表され、次のように定義される。
(a)第4族金属に金属-窒素原子結合を介して結合される;
(b)Sub6は第14族原子を含む置換基であり、第14族原子を介してSub6がイミン炭素原子に結合される。
(c)Sub7は第15~16族のヘテロ原子を含む置換基であり、該ヘテロ原子を介してSub7がイミン炭素原子に結合される。
〔式(L-3)において、Sub6は第14族原子を含む置換基であり、第14族原子を介してSub6がイミン炭素原子に結合される。
Sub7は第15~16族のヘテロ原子を含む置換基であり、該ヘテロ原子を介してSub7がイミン炭素原子に結合される。〕
「8」前記一般式[A-1]において、Lが式(L-4)表されるアリールオキシ構造であることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属化合物。
[9](A)項[1]~[8]のいずれか一項に記載の遷移金属化合物と、
(B)(B-1)有機金属化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含むオレフィン重合用触媒。
[10]項[9]に記載のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
[11]前記オレフィンが、炭素原子数2~30のオレフィンから選ばれるオレフィンであることを特徴とする請求項10に記載のオレフィン重合体の製造方法。
本発明の遷移金属化合物(A)は、以下の構造式の要件を満たすことで特定される。
Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
mは1~3の整数であり、
Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、AおよびBは、硫黄(S)、酸素(O)またはCR3(R3は、水素、アルキル基等である。)であり、AがS又はOであるならばBはCR3であるか、又はBがS又はOであるならばAはCR3であり、AとBを含む環は可能な位置で二重結合を有し;
R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、
Lは炭素、水素を必須とし、さらに15族、16族元素から選ばれる原子を含む構造を有する。〕
mが2以上の場合は、複数存在するXで示される基は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。
前記AおよびBは、硫黄原子、酸素原子、CR3であり、Aが硫黄原子、酸素原子である場合、BはCR3であり、Bが硫黄原子、酸素原子である場合、AはCR3であり、好ましい態様としては、AまたはBが硫黄原子であり、他方がCHである態様が挙げられる。AおよびBを含む環は二重結合を形成可能な位置に二重結合を有する。
炭素数1から20の炭化水素基としては、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~20の環状飽和炭化水素基、炭素数2~20の鎖状不飽和炭化水素基、炭素数3~20の環状不飽和炭化水素基が例示される。
られた基、または-CH3構造単位が炭素数1から20の炭化水素基が結合した酸素原子で置き換えられた基であるメトキシ基、エトキシ基、t-ブトキシ基、フェノキシ基、トリメチルシロキシ基、メトキシエトキシ基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、t-ブトキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、1-メトキシエチル基、1-エトキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-メトキシエチル基、2-エトキシエチル基、n-2-オキサブチレン基、n-2-オキサペンチレン基、n-3-オキサペンチレン基、アルデヒド基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トリメチルシリルカルボニル基、カルバモイル基、メチルアミノカルボニル基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、カルボキシメチル基、エトカルボキシメチル基、カルバモイルメチル基、フラニル基、ピラニル基などが例示される。酸素含有基としては、メトキシ基が好ましい。
ハロゲン含有基としては、上述した炭素数1から20の炭化水素基、ケイ素含有基、窒素含有基または酸素含有基において、水素原子がハロゲン原子によって置換された基であるトリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示される。
上記式[A-1]の中の
上記のLの具体的な構造としては、ケチミド構造(L-1)、ホスフィンイミド構造(L-2)、アミジミド構造(L-3)、アリールオキシ構造(L-4)が挙げられる。より具体的には下記の構造式で表すことが出来る。
(a)第4族金属に金属-窒素原子結合を介して結合される;
(b)上記窒素原子に単一の置換基を有する(ここで、その単一の置換基はそのN原子に
二重結合で結合されている炭素原子である);および
(c)上記炭素原子に結合されている2個の置換基(以下において説明されるSub1およびSub2を有する配位子を意味する
このような置換基、配位子として、具体的には、上記Sub1、Sub2が結合したL-1は、下記の様な構造を例示することが出来る。
(a)第4族金属に金属-窒素原子結合を介して結合される;
(b)上記窒素原子に単一の置換基を有する(ここで、その単一の置換基はそのN原子に二重結合で結合されているP原子である);および
(C)上記P原子に結合されている3個の置換基(以下において説明されるSub3、Sub4およびSub5を有する配位子を意味する
このような置換基、配位子として、具体的には、上記Sub3、Sub4およびSub5が結合したL-2は、下記の様な構造を例示することが出来る。
(a)第4族金属に金属-窒素原子結合を介して結合される;
(b)Sub6は第14族原子を含む置換基であり、第14族原子を介してSub6がイミン炭素原子に結合される。
(c)Sub7は第15~16族のヘテロ原子を含む置換基であり、該ヘテロ原子を介してSub7がイミン炭素原子に結合される。
このような置換基、配位子として、具体的には、上記Sub6、Sub7が結合したL-3は、下記の様な構造を例示することが出来る。
このような置換基、配位子として、具体的には、下記の様な構造を例示することが出来る。
上記のような構造の他、アリールアミノ基の様なアミノ基もLの好ましい態様として例示することが出来る。
次に前記のオレフィンの重合を行う際に遷移金属化合物(A)と組み合わせて用いることが出来る各成分について説明する。
本発明で用いられる有機金属化合物(B-1)として、具体的には下記の一般式(B-1a)~(B-1c)で表される周期律表第1、2、12、13族の少なくとも1種の原子を含む化合物が挙げられる:
Ra pAl(ОRb)qHrYs ・・・(B-1a)
(一般式(B-1a)中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、rは0≦r<3、sは0≦s<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物;
M3AlRc 4 ・・・(B-1b)
(一般式(B-1b)中、M3はLi、NaまたはKを示し、Rcは炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示す。)で表される周期律表第1族のアルカリ金属とアルミニウムとの錯アルキル化物;
RdReM4 ・・・(B-1c)
(一般式(B-1c)中、RdおよびReは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示し、M4はMg、ZnまたはCd
である。)で表される周期律表第2族のアルカリ土類金属または第12族の金属とのジアルキル化合物。
Ra pAl(ОRb)3-p ・・・(B-1a-1)
(式(B-1a-1)中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示し、pは好ましくは1.5≦p≦3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
Ra pAlY3-p ・・・(B-1a-2)
(式(B-1a-2)中、Raは炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは好ましくは0<p<3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
Ra pAlH3-p ・・・(B-1a-3)
(式(B-1a-3)中、Raは炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示し、pは好ましくは2≦p<3の数である。)で表される有機アルミニウム化合物、
Ra pAl(ОRb)qYs ・・・(B-1a-4)
(式(B-1a-4)中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示し、Yはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3、qは0≦q<3、sは0≦s<3の数であり、かつp+q+s=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルアルミニウム、トリ2-メチルブチルアルミニウム、トリ3-メチルブチルアルミニウム、トリ2-メチルペンチルアルミニウム、トリ3-メチルペンチルアルミニウム、トリ4-メチルペンチルアルミニウム、トリ2-メチルヘキシルアルミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;
ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;
(i-C4H9)xAly(C5H10)z(式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xである。)などで表されるトリイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム;
イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;
ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;
エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;
Ra 2.5Al(ОRb)0.5で表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1~15、好ましくは1~4の炭化水素基を示す);
ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)などのジアルキルアルミニウムアリーロキシド;
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;
エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;
エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;
エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;
エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
前記一般式(B-1c)に属する化合物としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛、ジ-n-プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ-n-ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛、ジメチルカドミウム、ジエチルカドミウムなどを挙げることができる。
ともできる。
上記のような有機金属化合物(B-1)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2-78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
前記一般式(B-2c)および(B-2d)中、s、tはそれぞれ1以上の整数を示す。
R15-B(ОH)2 ・・・(B-2f)
(一般式(B-2f)中、R15は前記一般式(B-2e)におけるR15と同じ基を示す。)
上記のような有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
本発明で用いられる、遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B-3)(以下、「イオン化イオン性化合物」という。)としては、特開平1-501950号公報、特開平1-502036号公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179006号公報、特開平3-207703号公報、特開平3-207704号公報、US-5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
イオン化イオン性化合物(化合物(B-3))の例であるボラン化合物として具体的には、例えば、デカボラン;
ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩;
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-1,3-ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
また、本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記遷移金属化合物(A)(以下、「成分(A)」と略記する場合がある。)と、有機金属化合物(B-1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B-2)、およびイオン化イオン性化合物(B-3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物[B](以下、「成分[B]と略記する場合がある。)とともに、必要に応じて下記の担体(C)を含んでもよい。
本発明で用いられる担体(C)は、無機または有機の化合物であって、顆粒状ないしは微粒子状の固体である。担体(C)に上記遷移金属化合物(A)および化合物(B)を担持させることで、良好なモルフォロジーのポリマーが得られる。
前記多孔質酸化物として、具体的にはSiО2、Al2О3、MgО、ZrО、TiО2、B2О3、CaО、ZnО、BaО、ThО2など、またはこれらを含む複合物または混合物を使用することができ、さらに、例えば天然または合成ゼオライト、SiО2-MgО、SiО2-Al2О3、SiО2-TiО2、SiО2-V2О5、SiО2-Cr2О3、SiО2-TiО2-MgОなどを使用することができる。これらのうち多孔質酸化物としては、SiО2および/またはAl2О3を主成分とするものが好ましい。
本発明で用いられる前記固体状アルミノキサンは、従来公知のオレフィン重合触媒用担体と異なり、シリカやアルミナなどの無機固体成分やポリエチレン、ポリスチレンなどの有機系ポリマー成分を含まず、アルキルアルミニウム化合物を主たる成分として固体化したものを示す。本発明中で用いる「固体状」の意味は、アルミノキサン成分(B-2)が用いられる反応環境下において、実質的に固体状態を維持することである。より具体的には、例えば後述のように成分(A)と成分[B]とを接触させてオレフィン重合用固体触媒成分を調製する際、反応に用いられるヘキサンやトルエンなどの不活性炭化水素溶媒中、特定の温度・圧力環境下において成分[B]が固体状態であることを表す。また、例えば後述のように成分[B]を用いて調製されるオレフィン重合用固体触媒成分を用いて懸濁重合を行う場合にヘキサンやヘプタン、トルエンなどの炭化水素溶媒中、特定の温度・圧力環境下において触媒成分中に含まれる成分[B]が固体状態であることも必要な要件である。溶媒の代わりに液化モノマー中で重合を行うバルク重合や、モノマーガス中で重合を行う気相重合でも同様である。
固体状アルミノキサンの平均粒子径は、走査型電子顕微鏡により粒子を観察し、100個以上の粒子の粒径を測定し、重量平均化することにより求められる。固体状アルミノキサンの粒径は、ピタゴラス法最大長を粒子像より測定した。即ち、水平方向、垂直方向それぞれに、粒子像を2本の平行線ではさんだ長さを測り、下式をもって計算で求められる。
粒径=((水平方向長さ)2+(垂直方向長さ)2)0.5
固体状アルミノキサンの重量平均粒子径は、上記で求めた粒径を用いて下式により求められる。
平均粒径=Σnd4/Σnd3(ここでn;粒子個数、d;粒径)
イオン交換性層状化合物としては、α-Zr(HAsО4)2・H2О、α-Zr(HP
О4)2、α-Zr(KPО4)2・3H2О、α-Ti(HPО4)2、α-Ti(HAsО4)2・H2О、α-Sn(HPО4)2・H2О、γ-Zr(HPО4)2、γ-Ti(HPО4)2、γ-Ti(NH4PО4)2・H2Оなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
本発明で用いられる粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
前述のように担体(C)は無機または有機の化合物であるが、有機化合物としては、粒径が10~300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数が2~14のα-オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
本発明において有機化合物成分(D)は、必要に応じて、本発明のオレフィン重合用触媒の重合性能および生成ポリマーの物性(たとえば生成ポリマーの分子量)を向上(分子量であれば、高分子量化)させる目的で使用される。このような有機化合物としては、アルコール類、フェノール性化合物、カルボン酸、リン化合物およびスルホン酸塩等が挙げられるが、この限りではない。
上記スルホン酸塩としては、下記一般式(D-a)で表されるものが挙げられる。
本発明に係るポリオレフィンの製造方法では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合する工程を含むことによりポリオレフィンを得る。なお、前述のように、本明細書においてオレフィンとは、重合性二重結合を有するあらゆる化合物を指す。
(1)遷移金属化合物(A)を単独で重合器に添加する方法。
(2)遷移金属化合物(A)および化合物[B]を任意の順序で重合器に添加する方法。
(3)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した触媒成分、化合物[B]を任意の順序で重合器に添加する方法。
(4)化合物[B]を担体(C)に担持した触媒成分、遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(5)遷移金属化合物(A)と化合物[B]とを担体(C)に担持した触媒成分を重合器に添加する方法。
(6)遷移金属化合物(A)と化合物[B]とを担体(C)に担持した触媒成分、および化合物[B]を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、担体(C)に担持された化合物[B]と単独で添加される化合物[B]とは、同一でも異なっていてもよい。
(7)化合物[B]を担体(C)に担持した触媒成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(8)化合物[B]を担体(C)に担持した触媒成分、遷移金属化合物(A)、および化合物[B]を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、担体(C)に担持された化合物[B]と単独で添加される化合物[B]とは、同一でも異なっていてもよい。
(9)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、および化合物[B]を担体(C)に担持した成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(10)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、化合物[B]を担体(C)に担持した成分、および化合物[B]を任意の順序重合器に添加する方法。この場合、担体(C)に担持された化合物[B]と単独で添加される化合物[B]とは、同一でも異なっていてもよい。
(11)遷移金属化合物(A)、化合物[B]、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(12)化合物[B]と有機化合物成分(D)をあらかじめ接触させた成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(13)化合物[B]と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した成分、および遷移金属化合物(A)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(14)遷移金属化合物(A)と化合物[B]を予め接触させた触媒成分、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(15)遷移金属化合物(A)と化合物[B]を予め接触させた触媒成分、および化合物[B]、有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(16)遷移金属化合物(A)と化合物[B]を予め接触させた触媒成分、および化合物[B]と有機化合物成分(D)をあらかじめ接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、遷移金属化合物(A)と接触させられる化合物[B]と、有機化合物成分(D)と接触させられる化合物[B]とは、同一でも異なっていてもよい。
(17)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、化合物[B]、および有機化合物成分(D)を任意の順序で重合器に添加する方法。
(18)遷移金属化合物(A)を担体(C)に担持した成分、および化合物[B]と有機化合物成分(D)をあらかじめ接触させた成分を任意の順序で重合器に添加する方法。
(19)遷移金属化合物(A)と化合物[B]と有機化合物成分(D)を予め任意の順序で接触させた触媒成分を重合器に添加する方法。
(20)遷移金属化合物(A)と化合物[B]と有機化合物成分(D)を予め接触させた触媒成分、および化合物[B]を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、遷移金属化合物(A)および有機化合物成分(D)と接触させられる化合物[B]と、単独で添加される化合物[B]とは、同一でも異なっていてもよい。
(21)遷移金属化合物(A)と化合物[B]と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した触媒を重合器に添加方法。
(22)遷移金属化合物(A)と化合物[B]と有機化合物成分(D)を担体(C)に担持した触媒成分、および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。この場合、担体(C)に担持された化合物[B]と単独で添加される化合物[B]とはは、同一でも異なっていてもよい。
炭素原子数が3~30、好ましくは3~20、より好ましくは3~10の環状オレフィン、たとえば、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。
また本発明のオレフィン重合用触媒は、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどを(共)重合させてもよい。
7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン;
さらに芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;
メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;
および3-フェニルプロピレン、4-フェニルプロピレン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。
本発明によれば、上述した特定の構造を有する有用かつ新規なメタロセン化合物(A)を含むオレフィン重合用触媒の存在下で、1種または2種以上の炭素数2~30のα-オレフィンから選ばれるオレフィンを重合することで;好ましくは、エチレンの単独重合、またはエチレンと、炭素数3~20のオレフィンから選択される少なくとも1種のオレフィンAとを共重合することにより、オレフィン重合体を効率よく製造することができる。
本発明のオレフィン重合体において、135℃デカリン中における極限粘度[η]は、特に限定されないが、好ましくは0.1~40dl/g、より好ましくは0.5~15d
l/g、特に好ましくは1~10dl/gである。
以上の物性値の測定条件の詳細は、実施例に記載したとおりである。
[測定方法]
〔遷移金属化合物の構造〕
遷移金属化合物の構造は、1H-NMRスペクトル(270MHz、日本電子GSH-270)およびFD-MS(日本電子製JMS-T100GC)を用いて決定した。
オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。Waters社製「Alliance GPC 2000」ゲル浸透クロマトグラフ(高温サイズ排除クロマトグラフ)により得られる分子量分布曲線から計算したものであり、操作条件は、下記の通りである:
測定装置;ゲル浸透クロマトグラフ allianceGPC2000型(Waters社)
解析ソフト;クロマトグラフィデータシステム Empower(商標、Waters社)
カラム;TSKgel GMH6-HT×2 + TSKgel GMH6-HT×2
(内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相;o-ジクロロベンゼン〔=ОDCB〕(和光純薬 特級試薬)
検出器;示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度;140℃
流速;1.0mL/min
注入量;400μL
サンプリング時間間隔;1秒
試料濃度;0.15%(w/v)
分子量較正 単分散ポリスチレン(東ソー社)/分子量495から分子量2060万
特開2011-122146号公報の[0216]~[0219]の記載に従い、13C-NMRスペクトルにより重合体のコモノマー(環状オレフィン)含量を求めた。
以下の条件でDSC測定を行い、重合体のTgを求めた。
装置:エスアイアイナノテクノロジー社 DSC6220
測定条件:300℃で5分間ホールドした試料を0℃まで急冷し、その後昇温速度20℃/分で250℃まで昇温する過程においてTgを求めた。
エチレン・1-ヘキセン共重合体におけるヘキセン含量は、FT-IR(日本分光製FT-IR410型赤外分光光度計)によって測定した。FT-IRは、実施例で得られた重合体を135℃に加熱し、ホットプレスにて溶解延伸後、室温下加圧冷却することで得られたフィルムを測定サンプルとして用い、光源波長5000cm-1~400cm-1間で測定した。ヘキセン含量は、ヘキセンに基づくC-CH2CH2CH2CH3骨格振動(1378cm-1)をキーバンドとし、キーバンドの吸光度(D1378)と内部標準バンド(4321cm-1:C-H伸縮振動とメチレン、メチル変角振動の結合音)の吸光度(D4321)との比[D1378/D4321]により求めた。
[合成例A]
下式で表される遷移金属化合物(A)の合成
窒素雰囲気下、シュレンクフラスコに先の反応で得られた配位子Aを1393mg(5.00mmol)、ジクロロメタン65mLを添加した。ドライアイス-メタノール浴で冷却しながら塩化チタン(5.00mmol)のジクロロメタン溶液(1.0M)5.00mLを徐々に添加し、室温に戻しながら18時間攪拌した。反応液の溶媒の半分を減圧留去し、ガラスフィルターを用いてろ過した。得られた固体をジクロロメタンで洗浄し、減圧乾燥して黒色固体を得た。ろ液の溶媒の半分を減圧留去、ろ過した後、ジクロロメタンで洗浄して減圧乾燥することにより黒色固体を得た。得られた黒色固体は合わせて1575mg(収率88%)で、1H-NMR(CDCl3)とFD-MSの測定結果により、目的物(以下「遷移金属化合物(A0)」と記載する。)を同定した。
FD-MS:m/z=357.9(M+)
窒素雰囲気下、シュレンクフラスコに2,2,4,4-テトラメチルペンタン-3-イミン148mg(1.05mmol)、トルエン5mLを添加した。この溶液をドライアイス-メタノール浴で冷却し、n-ブチルリチウム溶液0.68mL(ヘキサン溶液、1.55M、1.05mmol)を加えた後、室温で1時間撹拌した。
FD-MS:m/z=463.1(M+)
下式で表される遷移金属化合物(B)の合成
FD-MS:m/z=539.1(M+)
下式で表される遷移金属化合物(C)の合成
FD-MS:m/z=562.1(M+)
下式で表される遷移金属化合物(F)の合成
FD-MS:m/z=500.1(M+)
下式で表される遷移金属化合物(a)の合成
下式で表される遷移金属化合物(b)の合成
下式で表される遷移金属化合物(c)の合成
下式で表される遷移金属化合物(f)の合成
〔実施例p1〕
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、シクロヘキサン/ヘキサン(9/1)混合溶液250mLとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(以下、単に「テトラシクロドデセン」とも記載する。)10gを装入し、エチレン50リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、修飾アルミノキサンをアルミニウム原子換算で0.15mmol、引き続き、遷移金属化合物(A)を0.0003mmol加え重合を開始した。エチレンを50リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が1.114g得られた。得られたポリマーの物性値は表1にまとめた。
装入するテトラシクロドデセンを5gとしたこと以外は実施例p1と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.961g得られた。得られたポリマーの物性値は表1にまとめた。
遷移金属化合物(A)の代わりに遷移金属化合物(a)を0.0015mmol使用したこと以外は実施例p1と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.895g得られた。得られたポリマーの物性値は表1にまとめた。
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、シクロヘキサン/ヘキサン(9/1)混合溶液250mLとテトラシクロドデセン10gを装入し、エチレン50リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウムをアルミニウム原子換算で0.06mmol、遷移金属化合物(A)を0.00015mmol、引き続きトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.0006mmol加え重合を開始した。エチレンを50リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.340g得られた。得られたポリマーの物性値は表1にまとめた。
装入するテトラシクロドデセンを5gとしたこと以外は実施例p3と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.327g得られた。得られたポリマーの物性値は表1にまとめた。
遷移金属化合物(A)の代わりに遷移金属化合物(a)を0.0005mmol使用し、トリイソブチルアルミニウムをアルミニウム原子換算で0.20mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.002mmol使用したこと以外は実施例p3と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が0.546g得られた。得られたポリマーの物性値は表1にまとめた。
[実施例p5]
窒素雰囲気下、内容積270Lの攪拌機付き反応器を用い、シリカゲル(富士シリシア化学株式会社製、レーザー光回折散乱法の体積分布の累積50%粒径:70μm、比表面積:340m2/g、細孔容積:1.3cm3/g、250℃で10時間乾燥)10kgを77Lのトルエンに懸濁させた後、0~5℃に冷却した。この懸濁液にメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.5mol/L)19.4Lを30分間かけて滴下した。この際、系内温度を0~5℃に保った。次いで、これらを0~5℃で30分間接触させた後、1.5時間かけて系内温度を95℃まで昇温して、引き続き95℃で4時間接触させた。その後、常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにトルエンで2回洗浄することで、全量115Lの担体スラリーを調製した。得られた担体スラリーの一部を採取し分析したところ、固体分濃度は122.6g/L、Al濃度は0.612mol/Lであった。
充分に窒素置換した内容積1LのSUS製オートクレーブに、ヘプタン500mLを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1-ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウム0.375mmolおよび、アデカプルロニックL-71(ADEKA株式会社製)2.5mgをデカン溶液として加え、実施例p5の触媒スラリーを固体分として16.0mgとなる量加えた後、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間減圧乾燥してエチレン重合体8.50gを得た。
遷移金属化合物(B)の代わりに遷移金属化合物(b)を用いたこと以外は実施例p5と同様の操作にて触媒スラリーを調製した。
充分に窒素置換した内容積1LのSUS製オートクレーブを用いて、実施例p5の触媒スラリーを前記触媒スラリー(固体分として20.0mg)に変更したこと以外は、実施例p5と同様の操作を行い、エチレン重合体30.6gを得た。
充分に窒素置換した内容積1LのSUS製オートクレーブを用いて、実施例p5の触媒スラリーを比較例p3の触媒スラリー(固体分として20.0mg)に変更したこと以外は、実施例p6と同様の操作を行い、エチレン重合体96.5gを得た。
国際公開2010/055652パンフレットに記載の方法(予備実験1および実施例5)に準じて固体状アルミノキサンを合成し、これを担体として用いた。ただし、トリメチルアルミニウムの発火等の安全性に配慮して、当該文献に開示されている条件の約1/6倍の濃度で実施した。
充分に窒素置換した内容積1LのSUS製オートクレーブに、ヘプタン500mLを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1-ヘキセンを3mL、トリイソブチルアルミニウム0.25mmolおよび、アデカプルロニックL-71(ADEKA株式会社製)2.5mgをデカン溶液として加え、実施例p7の触媒スラリーを固体分として60.0mgとなる量加えた後、水素濃度0.10vol%のエチレン・水素混合ガスを用いて、75℃、0.65MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間減圧乾燥してエチレン重合体40.9gを得た。
遷移金属化合物(B)の代わりに遷移金属化合物(b)を用いたこと以外は実施例p7と同様の操作にて触媒スラリーを調製した。
充分に窒素置換した内容積1LのSUS製オートクレーブを用いて、実施例p7の触媒スラリーを前記触媒スラリー(固体分として10.0mg)に変更したこと以外は、実施例p7と同様の操作を行い、エチレン重合体34.8を得た。
充分に窒素置換した内容積1LのSUS製オートクレーブを用いて、実施例p7の触媒スラリーを比較例p5の触媒スラリー(固体分として6.0mg)に変更したこと以外は、実施例p8と同様の操作を行い、エチレン重合体20.0gを得た。
実施例p5~p8および比較例p3~p6で得られたエチレン重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体の物性等を表2に示す。
[実施例p9]
窒素雰囲気下、シュレンク管に遷移金属化合物(B)4.10mg(7.59μmol)を入れ、修飾メチルアルミノキサン(東ソー株式会社製、Al原子換算で2.29mmol)の懸濁液0.78mL(n-ヘキサン溶媒、2.93M)を加えた後、脱水ヘプタン6.81mLを加え、室温で60分間以上攪拌を行って0.0010Mの触媒液を調製した。
充分に窒素置換した内容積15mLのSUS製オートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(50μmol)のヘプタン溶液1.00mL(0.05M)と、重合溶媒としてヘプタン2.05mLとを入れ、600回転/分にて攪拌を行った。この溶液を60℃に昇温し、次いでプロピレンで全圧が7barになるまで加圧した。
窒素雰囲気下、シュレンク管に遷移金属化合物(b)6.50mg(16.2μmol)を入れ、修飾メチルアルミノキサン(東ソー株式会社製、Al原子換算で4.86mmol)の懸濁液1.66mL(n-ヘキサン溶媒、2.93M)を加えた後、脱水ヘプタン14.58mLを加え、室温で60分間以上攪拌を行って0.0010Mの触媒液を調製した。
充分に窒素置換した内容積15mLのSUS製オートクレーブを用いて、実施例p9の触媒液を比較例p7の触媒液に、重合時間を10分から30分に変更したこと以外は、実施例p10と同様の操作を行い、プロピレン重合体249mgを得た。
実施例p9、p10および比較例p7、p8で得られたプロピレン重合体の物性等を表3に示す。
[実施例p11]
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入しエチレン100リットル/hrで液相及び気相を10分間飽和させた。その後、1-オクテン10mL、メチルアルモキサン(日本アルキルアルミ社製)の1.44mol/Lトルエン溶液0.69mL(1.0mmol)(別の記載方法メチルアルモキサンをアルミニウム原子換算で1.0 mmol)、およびBHTの1.0 mol/Lトルエン溶液2.00mL(2.0mmol)を装入した。遷移金属化合物(C)2.6mgをトルエン9.2mLに溶解させた溶液0.40mL(0.0002 mmol)を加え重合を開始した。エチレンを100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、25℃で10分間重合を行った後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(2/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、120℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・1-オクテン共重合体が2.151g得られた。活性、得られたポリマーの物性を表4に示す。
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入しエチレン100リットル/hrで液相及び気相を10分間飽和させた。その後、1-オクテン10mL、メチルアルモキサン(日本アルキルアルミ社製)の1.44mol/Lトルエン溶液0.69mL(1.0mmol)(別の記載方法メチルアルモキサンをアルミニウム原子換算で1.0 mmol)、およびBHTの1.0 mol/Lトルエン溶液2.00mL(2.0mmol)を装入した。遷移金属化合物(c)2.8mgをトルエン14.2mLに溶解させた溶液0.50mL(0.0002 mmol)を加え重合を開始した。エチレンを100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、25℃で10分間重合を行った後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(2/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、120℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・オクテン共重合体が0.861g得られた。活性、得られたポリマーの物性を表4に示す。
〔実施例p12〕
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(以下、単に「テトラシクロドデセン」とも記載する。)10gを装入し、エチレン50リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、修飾アルミノキサンをアルミニウム原子換算で0.75mmol、引き続き、遷移金属化合物(F)を0.0015mmol加え重合を開始した。エチレンを50リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が93mg得られた。得られたポリマーの物性値を表5にまとめた。
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLとテトラシクロドデセン10gを装入し、エチレン50リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウムをアルミニウム原子換算で0.75mmol、遷移金属化合物(F)を0.005mmol、引き続きトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.02mmol加え重合を開始した。エチレンを50リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、50℃で10分間重合を行った後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が417mg得られた。得られたポリマーの物性値を表5にまとめた。
遷移金属化合物(F)の代わりに遷移金属化合物(f)を0.005mmol使用したこと以外は実施例p13と同様に行い、エチレン・テトラシクロドデセン共重合体が253mg得られた。得られたポリマーの物性値を表5にまとめた。
〔実施例p14〕
遷移金属化合物(B)の代わりに遷移金属化合物(F)を用いたこと以外は実施例p5と同様の操作にて触媒スラリーを調製した。
充分に窒素置換した内容積1LのSUS製オートクレーブを用いて、実施例p5の触媒スラリーを前記触媒スラリー(固体分として200mg)に変更したこと以外は、実施例p5と同様の操作を行い、エチレン重合体1.6gを得た。
遷移金属化合物(B)の代わりに遷移金属化合物(f)を用いたこと以外は実施例p5と同様の操作にて触媒スラリーを調製した。
充分に窒素置換した内容積1LのSUS製オートクレーブを用いて、実施例p5の触媒スラリーを前記触媒スラリー(固体分として200mg)に変更したこと以外は、実施例p5と同様の操作を行い、エチレン重合体2.7gを得た。
実施例p14および比較例p11で得られたエチレン・1-ヘキセン共重合体の物性等を表6に示す。
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製反応器に、トルエン250mLを装入し、エチレン100リットル/hrで液相及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウムをアルミニウム原子換算で1.25mmol、遷移金属化合物(F)を0.0025mmol、引き続きトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.01mmol加え重合を開始した。エチレンを100リットル/hrで連続的に供給し、常圧下、25℃で5分間重合を行った後、少量のメタノールを添加することにより重合を停止した。重合終了後、反応物を少量の塩酸を含む1リットルのアセトン/メタノール(3/1)混合溶媒中に加えてポリマーを析出させた。同溶媒で洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥し、エチレン重合体が0.424g得られた。得られたポリマーの物性値を表7にまとめた。
遷移金属化合物(F)の代わりに遷移金属化合物(f)を0.0025mmol使用したこと以外は実施例p15と同様に行い、エチレン重合体が1.591g得られた。得られたポリマーの物性値を表7にまとめた。
Claims (11)
- 下記一般式[A-1]で表される遷移金属化合物。
Mはチタン原子、ジルコニウム原子、またはハフニウム原子であり、
mは1~3の整数であり、
Xはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、またはジエン系二価誘導体基であり、
AおよびBは、硫黄(S)、酸素(O)またはCR3(R3は、水素またはアルキル基である。)、AがS又はOであるならばBはCR3であるか、又はBがS又はOであるならばAはCR3であり、AとBを含む環は可能な位置で二重結合を有する)であり;
R1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、イオウ含有基、またはリン含有基であり、
Lは炭素、水素を必須とし、さらに15族、16元素から選ばれる原子を含む構造を有する。〕 - 前記一般式[A-1]において、
Mはチタン原子またはジルコニウム原子であることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属化合物。 - 前記一般式[A-1]において、
Mはチタン原子であることを特徴とする、請求項1に記載に記載の遷移金属化合物。 - 前記一般式[A-1]において、Aが硫黄である請求項1に記載の遷移金属化合物。
- 前記一般式[A-1]において、Lがケチミド構造を有する下記(L-1)であることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属化合物。
ケチミド配位子は下記一般式L-1で表され、次のように定義される。
(a)第4族金属に金属-窒素原子結合を介して結合される;
(b)上記窒素原子に単一の置換基を有する(ここで、その単一の置換基はそのN原子に二重結合で結合されている炭素原子である);および
(c)上記炭素原子に結合されている2個の置換基(以下において説明されるSub1およびSub2 )を有する配位子を意味する。
- 前記一般式[A-1]において、Lがホスフィンイミド構造を有する下記(L-2)であることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属化合物。
ホスフィンイミド配位子は下記一般式L-2で表され、次のように定義される。
(a)第4族金属に金属-窒素原子結合を介して結合される;
(b)上記窒素原子に単一の置換基を有する(ここで、その単一の置換基はそのN原子に二重結合で結合されているP原子である);および
(c)上記P原子に結合されている3個の置換基(以下において説明されるSub3、Sub4およびSub5 )を有する配位子を意味する。
- 前記一般式[A-1]において、Lがアミジミド構造を有する(L-3)であることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属化合物
アミジミド配位子は下記一般式L-3で表され、次のように定義される。
(a)第4族金属に金属-窒素原子結合を介して結合される;
(b)Sub6は第14族原子を含む置換基であり、第14族原子を介してSub6がイミン炭素原子に結合される。
(c)Sub7は第15~16族のヘテロ原子を含む置換基であり、該ヘテロ原子を介してSub7がイミン炭素原子に結合される。
Sub7は第15~16族のヘテロ原子を含む置換基であり、該ヘテロ原子を介してSub7がイミン炭素原子に結合される。〕 - 前記一般式[A-1]において、Lが式(L-4)表されるアリールオキシ構造であることを特徴とする請求項1に記載の遷移金属化合物。
- (A)請求項1~8のいずれか一項に記載の遷移金属化合物と、
(B)(B-1)有機金属化合物、
(B-2)有機アルミニウムオキシ化合物、および
(B-3)遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含むオレフィン重合用触媒。 - 請求項9に記載のオレフィン重合用触媒の存在下でオレフィンを重合するオレフィン重合体の製造方法。
- 前記オレフィンが、炭素原子数2~30のオレフィンから選ばれるオレフィンであることを特徴とする請求項10に記載のオレフィン重合体の製造方法。
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