JP7414888B2 - 熱伝達抑制シート及び組電池 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、シリカナノ粒子で構成される第1粒子と、金属酸化物からなる第2粒子と、を含み、第1粒子の含有量を限定した組電池用の断熱シートが開示されている。また、特許文献1には、断熱シートは、繊維、バインダ及び耐熱樹脂から選択された少なくとも1種からなる結合材を含んでいてもよいことが記載されている。
表面に、複数の前記有機繊維からなる筋状の繊維束を有する第1領域と、
前記繊維束が存在しない第2領域と、が形成されていることを特徴とする、熱伝達抑制シート。
その結果、熱伝達抑制シートの表面に、筋状の繊維束を有する第1領域と、繊維束が存在しない第2領域とが形成されることにより、熱伝達抑制シートの強度を向上させることができ、これにより、高い断熱性能を維持することができることを見出した。
図1は、本発明の実施形態に係る熱伝達抑制シートの表面の様子を示す図面代用写真であり、図2は、その一部を拡大して示す図面代用写真である。また、図3は、本発明の実施形態に係る熱伝達抑制シートの断面を示す図面代用写真である。
なお、本実施形態において、第1領域2と第2領域3とは海島構造となっており、海部に相当する第1領域2に取り囲まれるように、島部に相当する第2領域3が形成されている。
図4に示すように、熱伝達抑制シート10の表面において、筋状に延びる繊維束7に沿って、矩形状の仮想枠21を配置する。本実施形態において、仮想枠21のサイズは、5mm四方とし、この仮想枠21同士が連続するように配置するものとする。このとき、連続する少なくとも3つの仮想枠21を貫通する繊維束7が存在していれば、熱伝達抑制シート10の強度を向上させる効果を十分に有するものと判断することができる。
有機繊維1は、熱伝達抑制シート10に柔軟性を与えるとともに、シートの強度及び形状を向上させる効果を有する。熱伝達抑制シート10における有機繊維1の材料として、単成分の有機繊維を使用することもできるが、芯鞘構造のバインダ繊維を使用することが好ましい。芯鞘構造のバインダ繊維は、繊維の長手方向に延びる芯部と、芯部の外周面を被覆するように形成された鞘部とを有するものである。また、芯部は第1の有機材料からなり、鞘部は第2の有機材料からなり、第1の有機材料の融点は、第2の有機材料の融点よりも高いものとする。
有機繊維1の材料として、芯鞘構造のバインダ繊維を使用する場合に、芯部、すなわち有機繊維1を構成する第1の有機材料は、有機繊維1の外周面に存在する鞘部、すなわち第2の有機材料の融点よりも高いものであれば、特に限定されない。第1の有機材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及びナイロンから選択された少なくとも1種が挙げられる。
有機繊維1の材料として、芯鞘構造のバインダ繊維を使用する場合に、鞘部を構成する第2の有機材料は、上記有機繊維1を構成する第1の有機材料の融点よりも低いものであれば、特に限定されない。第2の有機材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びナイロンから選択された少なくとも1種が挙げられる。
なお、第2の有機材料の融点は、90℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。また、第2の有機材料の融点は、150℃以下であることが好ましく、130℃以下であることがより好ましい。
本実施形態において、熱伝達抑制シート10における有機繊維1の含有量が適切に制御されていると、熱伝達抑制シート10の強度を向上させる効果を十分に得ることができる。
有機繊維1の含有量は、熱伝達抑制シート10の全質量に対して2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましい。また、有機繊維1の含有量が多くなりすぎると、無機粒子4の含有量が相対的に減少するため、所望の断熱性能を得るためには、有機繊維の含有量は、熱伝達抑制シート10の全質量に対して10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましい。
有機繊維1の繊維長については特に限定されないが、成形性や加工性を確保する観点から、有機繊維の平均繊維長は10mm以下とすることが好ましい。
一方、熱伝達抑制シートの強度を向上させる観点から、有機繊維1の平均繊維長は0.5mm以上とすることが好ましい。
無機粒子として、単一の無機粒子を使用してもよいし、2種以上の無機粒子を組み合わせて使用してもよい。無機粒子の種類としては、熱伝達抑制効果の観点から、酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子及び無機水和物粒子から選択される少なくとも1種の無機材料からなる粒子を使用することが好ましく、酸化物粒子を使用することがより好ましい。また、形状についても特に限定されないが、ナノ粒子、中空粒子及び多孔質粒子から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、具体的には、シリカナノ粒子、金属酸化物粒子、マイクロポーラス粒子や中空シリカ粒子等の無機バルーン、熱膨張性無機材料からなる粒子、含水多孔質体からなる粒子等を使用することもできる。
(酸化物粒子)
酸化物粒子は屈折率が高く、光を乱反射させる効果が強いため、第1の無機粒子として酸化物粒子を使用すると、特に異常発熱などの高温度領域において輻射伝熱を抑制することができる。酸化物粒子としては、シリカ、チタニア、ジルコニア、ジルコン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛及びアルミナから選択された少なくとも1種の粒子を使用することができる。すなわち、無機粒子として使用することができる上記酸化物粒子のうち、1種のみを使用してもよいし、2種以上の酸化物粒子を使用してもよい。特に、シリカは断熱性が高い成分であり、チタニアは他の金属酸化物と比較して屈折率が高い成分であって、500℃以上の高温度領域において光を乱反射させ輻射熱を遮る効果が高いため、酸化物粒子としてシリカ及びチタニアを用いることが最も好ましい。
酸化物粒子の粒子径は、輻射熱を反射する効果に影響を与えることがあるため、平均一次粒子径を所定の範囲に限定すると、より一層高い断熱性を得ることができる。
すなわち、酸化物粒子の平均一次粒子径が0.001μm以上であると、加熱に寄与する光の波長よりも十分に大きく、光を効率よく乱反射させるため、500℃以上の高温度領域において熱伝達抑制シート内における熱の輻射伝熱が抑制され、より一層断熱性を向上させることができる。
一方、酸化物粒子の平均一次粒子径が50μm以下であると、圧縮されても粒子間の接点や数が増えず、伝導伝熱のパスを形成しにくいため、特に伝導伝熱が支配的な通常温度域の断熱性への影響を小さくすることができる。
本発明において、ナノ粒子とは、球形又は球形に近い平均一次粒子径が1μm未満のナノメートルオーダーの粒子を表す。ナノ粒子は低密度であるため伝導伝熱を抑制し、第1の無機粒子としてナノ粒子を使用すると、更に空隙が細かく分散するため、対流伝熱を抑制する優れた断熱性を得ることができる。このため、通常の常温域の電池使用時において、隣接するナノ粒子間の熱の伝導を抑制することができる点で、ナノ粒子を使用することが好ましい。
さらに、酸化物粒子として、平均一次粒子径が小さいナノ粒子を使用すると、電池セルの熱暴走に伴う膨張によって熱伝達抑制シートが圧縮され、内部の密度が上がった場合であっても、熱伝達抑制シートの伝導伝熱の上昇を抑制することができる。これは、ナノ粒子が静電気による反発力で粒子間に細かな空隙ができやすく、かさ密度が低いため、クッション性があるように粒子が充填されるからであると考えられる。
なお、本実施形態に係る熱伝達抑制シートは、材料を含む混合物を、乾式法によりシート状に加工する製造方法を用いることが好ましい。したがって、無機粒子としては、熱伝導率が低い乾式シリカ、シリカエアロゲル等を使用することが好ましい。
ナノ粒子の平均一次粒子径を所定の範囲に限定すると、より一層高い断熱性を得ることができる。
すなわち、ナノ粒子の平均一次粒子径を1nm以上100nm以下とすると、特に500℃未満の温度領域において、熱伝達抑制シート内における熱の対流伝熱及び伝導伝熱を抑制することができ、断熱性をより一層向上させることができる。また、圧縮応力が印加された場合であっても、ナノ粒子間に残った空隙と、多くの粒子間の接点が伝導伝熱を抑制し、熱伝達抑制シートの断熱性を維持することができる。
なお、ナノ粒子の平均一次粒子径は、2nm以上であることがより好ましく、3nm以上であることが更に好ましい。一方、ナノ粒子の平均一次粒子径は、50nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。
無機水和物粒子は、発熱体からの熱を受けて熱分解開始温度以上になると熱分解し、自身が持つ結晶水を放出して発熱体及びその周囲の温度を下げる、所謂「吸熱作用」を発現する。また、結晶水を放出した後は多孔質体となり、無数の空気孔により断熱作用を発現する。
無機水和物の具体例として、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化亜鉛(Zn(OH)2)、水酸化鉄(Fe(OH)2)、水酸化マンガン(Mn(OH)2)、水酸化ジルコニウム(Zr(OH)2)、水酸化ガリウム(Ga(OH)3)等が挙げられる。
2Al(OH)3→Al2O3+3H2O
上記に挙げた無機水和物の熱分解開始温度は、水酸化アルミニウムは約200℃、水酸化マグネシウムは約330℃、水酸化カルシウムは約580℃、水酸化亜鉛は約200℃、水酸化鉄は約350℃、水酸化マンガンは約300℃、水酸化ジルコニウムは約300℃、水酸化ガリウムは約300℃であり、いずれも熱暴走を起こした電池セルの急激な昇温の温度範囲とほぼ重なり、温度上昇を効率よく抑えることができることから、好ましい無機水和物であるといえる。
また、第1の無機粒子として、無機水和物粒子を使用した場合に、その平均粒子径が大きすぎると、熱伝達抑制シート10の中心付近にある第1の無機粒子(無機水和物)が、その熱分解温度に達するまでにある程度の時間を要するため、シート中心付近の第1の無機粒子が熱分解しきれない場合がある。このため、無機水和物粒子の平均二次粒子径は、0.01μm以上200μm以下であることが好ましく、0.05μm以上100μm以下であることがより好ましい。
熱膨張性無機材料としては、バーミキュライト、ベントナイト、雲母、パーライト等を挙げることができる。
含水多孔質体の具体例としては、ゼオライト、カオリナイト、モンモリロナイト、酸性白土、珪藻土、湿式シリカ、乾式シリカ、エアロゲル、マイカ、バーミキュライト等が挙げられる。
本実施形態に係る熱伝達抑制シート10は、第1の無機粒子として無機バルーンを含んでいてもよい。
無機バルーンが含まれると、500℃未満の温度領域において、熱伝達抑制シート内における熱の対流伝熱または伝導伝熱を抑制することができ、熱伝達抑制シートの断熱性をより一層向上させることができる。
無機バルーンとしては、シラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、バーライトバルーン、およびガラスバルーンから選択された少なくとも1種を用いることができる。
無機バルーンの含有量としては、断熱材全質量に対し、60質量%以下が好ましい。
無機バルーンの平均粒子径としては、1μm以上100μm以下が好ましい。
熱伝達抑制シートに2種の無機粒子が含有されている場合に、第2の無機粒子は、第1の無機粒子と材質や粒子径等が異なっていれば特に限定されない。第2の無機粒子としては、酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子、無機水和物粒子、シリカナノ粒子、金属酸化物粒子、マイクロポーラス粒子や中空シリカ粒子等の無機バルーン、熱膨張性無機材料からなる粒子、含水多孔質体からなる粒子等を使用することができ、これらの詳細については、上述のとおりである。
金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、ジルコン、酸化ジルコニウム等を挙げることがでる。特に、酸化チタン(チタニア)は他の金属酸化物と比較して屈折率が高い成分であり、500℃以上の高温度領域において光を乱反射させ輻射熱を遮る効果が高いため、チタニアを用いることが最も好ましい。
金属酸化物からなる第2の無機粒子を熱伝達抑制シートに含有させる場合に、第2の無機粒子の平均一次粒子径は、1μm以上50μm以下であると、500℃以上の高温度領域で効率よく輻射伝熱を抑制することができる。第2の無機粒子の平均一次粒子径は、5μm以上30μm以下であることが更に好ましく、10μm以下であることが最も好ましい。
本実施形態において、熱伝達抑制シート10中の無機粒子4の合計の含有量が適切に制御されていると、熱伝達抑制シート10の断熱性を十分に確保することができる。
無機粒子4の合計の含有量は、熱伝達抑制シート10の全質量に対して60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。また、無機粒子4の合計の含有量が多くなりすぎると、有機繊維1の含有量が相対的に減少するため、有機繊維1によるシート強度の向上効果を十分に得るためには、無機粒子4の合計の含有量は、熱伝達抑制シート10の全質量に対して95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
無機繊維として、単一の無機繊維を使用してもよいし、2種以上の無機繊維を組み合わせて使用してもよい。無機繊維としては、例えば、シリカ繊維、アルミナ繊維、アルミナシリケート繊維、ジルコニア繊維、カーボンファイバ、ソルブルファイバ、リフラクトリーセラミック繊維、エアロゲル複合材、マグネシウムシリケート繊維、アルカリアースシリケート繊維、チタン酸カリウム繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウムウィスカ繊維等のセラミックス系繊維、ガラス繊維、グラスウール、スラグウール等のガラス系繊維、ロックウール、バサルトファイバ、ウォラストナイト、ムライト繊維等の鉱物系繊維等が挙げられる。
これらの無機繊維は、耐熱性、強度、入手容易性などの点で好ましい。無機繊維のうち、取り扱い性の観点から、特にシリカ-アルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、アルカリアースシリケート繊維、ガラス繊維が好ましい。
本実施形態において、熱伝達抑制シート10が無機繊維を含む場合に、無機繊維の含有量は、熱伝達抑制シート10の全質量に対して3質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
なお、本実施形態に係る熱伝達抑制シートは、さらに、必要に応じて、結合材、着色剤等を含有させることができる。これらはいずれも熱伝達抑制シートの補強や成形性の向上等を目的とする上で有用であり、熱伝達抑制シートの全質量に対して合計量で、10質量%以下とすることが好ましい。
本実施形態に係る熱伝達抑制シート10の製造方法の例について、以下に説明する。
例えば、芯鞘構造を有するバインダ繊維(図示せず)と無機粒子4とを所定の割合でV型混合機などの混合機に投入し、混合物を作製する。
なお、上述のとおり、バインダ繊維としては、第1の有機材料からなる芯部と、第2の有機材料からなる鞘部とを有する芯鞘構造の繊維を使用することが好ましい。この場合に、第1の有機材料の融点は、第2の有機材料の融点よりも高いものとする。
その結果、本実施形態に係る製造方法により製造された熱伝達抑制シート10は、より一層高い強度を有するものとなり、熱伝達抑制シートに対して押圧力又は衝撃が与えられた場合でも、その形状を維持することができ、粉落ちを抑制することができるとともに、優れた断熱性能を維持することができる。
本実施形態において、芯鞘構造のバインダ繊維を使用する場合に、芯部を構成する第1の有機材料の融点が、鞘部を構成する第2の有機材料の融点よりも高いものであれば、特に限定されない。芯部となる第1の有機材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン及びナイロンから選択された少なくとも1種を選択することができる。また、鞘部となる第2の有機材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びナイロンから選択された少なくとも1種を選択することができる。
測定対象とするバインダ繊維を、より融点が高いガラス繊維と接するように配置し、室温から5℃/分の昇温速度で、例えば200℃まで加熱して、その後室温まで冷却する。このとき、バインダ繊維の表面が融解変形して、ガラス繊維と接している部分で融着しているか、又は、バインダ繊維の断面形状が変化していれば、鞘部を構成する第2の有機材料の融点が200℃以下であると判断することができる。本実施形態においては、加熱温度を種々に変化させて、上記の方法で冷却後のバインダ繊維とガラス繊維との融着状態、又はバインダ繊維の断面形状を観察することにより、鞘部を構成する第2の有機材料の融点を特定することができる。
本実施形態において、材料として芯鞘構造のバインダ繊維を使用する場合に、混合物中のバインダ繊維の含有量が適切に制御されていると、得られる熱伝達抑制シート10の表面に適切な長さの繊維束7を形成することができ、優れたシート強度を得ることができる。
バインダ繊維の含有量は、混合物の全質量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、バインダ繊維の含有量が多くなりすぎると、無機粒子4の含有量が相対的に減少するため、所望の断熱性能を得るためには、バインダ繊維の含有量は、混合物の全質量に対して25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態においては、上記バインダ繊維、無機粒子4の他に、混合物中にホットメルトパウダーを含有させてもよい。ホットメルトパウダーは、例えば上記第1の有機材料及び第2の有機材料とは異なる第3の有機材料を含有し、加熱により溶融する性質を有する粉体である。混合物中にホットメルトパウダーを含有させ、加熱することにより、ホットメルトパウダーは溶融し、その後冷却すると、周囲の無機粒子4を含んだ状態で硬化する。したがって、熱伝達抑制シート10からの無機粒子4の脱落をより一層抑制することができる。
無機粒子の脱落を抑制するために、混合物中にホットメルトパウダーを含有させる場合に、その含有量は微量でも粉落ち抑制の効果を得ることができる。したがって、ホットメルトパウダーの含有量は、混合物全質量に対して0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。
一方、ホットメルトパウダーの含有量を増加させると、無機粒子4等の含有量が相対的に減少するため、所望の断熱性能を得るためには、ホットメルトパウダーの含有量は、混合物の全質量に対して5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。
上記混合物をシート状に加工する工程としては、混合物を加圧する工程と、混合物を加熱する工程とが挙げられる。熱伝達抑制シート10の材料として、芯鞘構造のバインダ繊維を使用する場合に、加熱する工程における加熱温度は、鞘部を構成する第2の有機材料の融点よりも高く、芯部を構成する第1の有機材料の融点よりも低い温度とすることが好ましい。このような加熱温度に設定することにより、上述のとおり、シートの表面側及び中心側のいずれにおいても、芯部によりシートの強度を確保することができるとともに、溶着した鞘部により無機粒子4を保持することができる。
本実施形態に係る熱伝達抑制シートの厚さは特に限定されないが、0.05mm以上10mm以下であることが好ましい。厚さが0.05mm以上であると、充分な圧縮強度を得ることができる。一方、厚さが10mm以下であると、熱伝達抑制シートの良好な断熱性を得ることができる。
図6は、本発明の実施形態に係る熱伝達抑制シートを有する組電池を示す模式図である。図6に示すように、組電池100は、複数の電池セル20a、20b、20cと、本実施形態に係る熱伝達抑制シート10と、を有し、これら複数の電池セル20a、20b、20cが直列又は並列に接続されたものである。
具体的に、熱伝達抑制シート10は、電池セル20aと電池セル20bとの間、及び電池セル20bと電池セル20cとの間に介在されている。そして、複数の電池セル20a,20b,20cが直列又は並列に接続された状態(接続された状態は図示を省略)で、電池ケース30に格納されて組電池100が構成される。なお、電池セル20a,20b,20cは、例えば、リチウムイオン二次電池が好適に用いられるが、特にこれに限定されず、その他の二次電池にも適用され得る。
なお、熱伝達抑制シート10については、上述したとおりである。
また、本実施形態に係る熱伝達抑制シート10は、高い強度を有するとともに、衝撃を吸収し、押圧力に対抗する効果を有するため、電池セル20a、20b、20cの充放電時においても、これら電池セルの熱膨張を抑制することができる。したがって、電池セル間の距離を確保することができ、優れた断熱性能を維持することができるため、電池セルの熱暴走を防止することができる。また、粉落ちを抑制する効果を有するため、容易に取り扱うことができる。
例えば、本実施形態に係る組電池100は、電気自動車(EV:Electric Vehicle)等に使用され、搭乗者の床下に配置されることがある。この場合に、仮に電池セルが発火しても、搭乗者の安全を確保することができる。
また、熱伝達抑制シート10を、各電池セル間に介在させるだけでなく、電池セル20a、20b、20cと電池ケース30との間に配置することができるため、新たに防炎材等を作製する必要がなく、容易に低コストで安全な組電池100を構成することができる。
2 第1領域
3 第2領域
4 無機粒子
7 繊維束
10 熱伝達抑制シート
20a,20b,20c 電池セル
21 仮想枠
30 電池ケース
100 組電池
Claims (8)
- 無機粒子と、有機繊維と、を有する熱伝達抑制シートであって、
表面に、複数の前記有機繊維からなる筋状の繊維束を有する第1領域と、
前記繊維束が存在しない第2領域と、が形成されており、
前記第1領域に囲まれた前記第2領域を有することを特徴とする、熱伝達抑制シート。 - 無機粒子と、有機繊維と、を有する熱伝達抑制シートであって、
表面に、複数の前記有機繊維からなる筋状の繊維束を有する第1領域と、
前記繊維束が存在しない第2領域と、が形成されており、
前記筋状の繊維束は、前記表面において網目状に連なっていることを特徴とする、熱伝達抑制シート。 - 前記第1領域は、連続する少なくとも3つの5mm四方の仮想枠を貫通する前記筋状の繊維束を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱伝達抑制シート。
- 前記第1領域は、長さが20mm以上の前記筋状の繊維束を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱伝達抑制シート。
- 前記無機粒子は、酸化物粒子、炭化物粒子、窒化物粒子及び無機水和物粒子から選択される少なくとも1種の無機材料からなる粒子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱伝達抑制シート。
- 前記無機粒子は、乾式シリカ粒子及びシリカエアロゲルから選択された少なくとも1種の粒子を含むことを特徴とする、請求項5に記載の熱伝達抑制シート。
- 前記無機粒子は、さらに、チタニア、ジルコン、ジルコニア、炭化ケイ素、酸化亜鉛及びアルミナから選択された少なくとも1種の粒子を含むことを特徴とする、請求項6に記載の熱伝達抑制シート。
- 複数の電池セルと、請求項1又は2に記載の熱伝達抑制シートを有し、前記複数の電池セルが直列又は並列に接続された、組電池。
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