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JP7409820B2 - InP半導体材料の研磨加工方法および研磨液 - Google Patents

InP半導体材料の研磨加工方法および研磨液 Download PDF

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Description

本発明は、InP半導体材料の一面を、能率良く鏡面に研磨する研磨加工方法および研磨液に関するものである。
半導体デバイスの基板として、砒化ガリウムや燐化ガリウムよりも大きな格子定数を有するInP(リン化インジウム)単結晶ウェハが知られている。このようなInP半導体材料には、InGaAs、AlInAs、InGaAsP、AlGaInAsといった材料をエピタキシャル成長させることができるので、それらの材料を用いることで、たとえば、半導体レーザー、光変調器、光導波路、発光ダイオード、受光素子等の光通信用デバイスの材料として、InP半導体材料が注目されている。
特許文献1に記載されているように、半導体基板の一面を平坦に研磨する手法のひとつとして、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法という研磨方法が挙げられる。このCMP法とは、定盤上に貼られた不織布あるいは発泡パッドなどの研磨パッドにウェハを押しつけて強制回転させ、そこに微細な研磨砥粒(遊離砥粒)を含有したスラリー(細かい粉末がたとえばアルカリ水溶液などの液体中に分散している濃厚な懸濁液)を流して研磨をおこなうものである。かかるCMP法によれば、液体成分による化学的研磨と、研磨砥粒による機械的研磨との相乗効果によって比較的精度の高い研磨加工がおこなわれる。
特開2004-025415号公報
しかしながら、InP半導体材料は、GaN半導体基板などに比較して、脆くて割れやすいという性質があることから、たとえば15kPaを超えるような研磨荷重を用いることができないため、従来の研磨加工方法では、InP半導体材料に対して研磨能率すなわち研磨レートが得られないという不都合があった。
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、研磨荷重を高くしないで研磨能率が得られるInP半導体材料の研磨加工方法を提供することにある。
本発明者は、かかるInP半導体材料についての研磨加工方法を開発すべく鋭意研究を継続した結果、研磨加工に用いる研磨液に酸化剤を加え、且つ研磨液のpHを変化させると、研磨工具の圧力を高めなくても、InP半導体材料に対する研磨能率が大幅に高められることを見出した。本発明は、かかる着想に基づいて為されたものである。
第1発明の要旨とするところは、(a)InP半導体材料の一面を、母材樹脂内に形成された連通気孔内に研磨砥粒が備えられた研磨パッドと研磨砥粒を含まない研磨液とを用いて研磨する研磨加工方法であって、(b)前記研磨液は、酸化剤として、1~50重量%のオルト過ヨウ素酸を含むとともに、酸pH調整剤を用いる場合には塩酸を含み、(c)且つpH0.3~6.9の水素イオン濃度を有することにある。
第1発明によれば、InP半導体材料の一面を、母材樹脂内に形成された連通気孔内に研磨砥粒が備えられた研磨パッドと研磨砥粒を含まない研磨液とを用いて研磨する研磨加工方法であって、前記研磨液は、酸化剤として、1~50重量%のオルト過ヨウ素酸を含むとともに、酸pH調整剤を用いる場合には塩酸を含み、且つpH0.3~6.9の水素イオン濃度を有することから、酸化剤を含まない研磨液を用いる場合に比較して、InP半導体材料に対して高い研磨能率が得られる。
第2発明の要旨とするところは、前記研磨液は、pH0.3~2.2の水素イオン濃度を有することから、pHが6.9付近である場合に比較して、InP半導体材料に対して同等以上の表面粗さが得られる。
第3発明の要旨とするところは、前記研磨液は、pH0.3~1.3の水素イオン濃度を有することから、pHが2.2以上である場合に比較して、InP半導体材料の大きな表面粗さが得られにある。
第4発明の要旨とするところは、前記研磨液は、pH1.3~2.2の水素イオン濃度を有することから、pHが1.3以下である場合に比較して、InP半導体材料の表面粗さが小さくなり、滑らかな表面が得られる。
第5発明の要旨とするところは、前記研磨液は、酸pH調整剤として、塩酸を含むことから、pH2.2以下の強酸性が容易に得られる。
第6発明の要旨とするところは、前記研磨液は、酸化促進剤として、イミノ二酢酸を含むことから、InP半導体材料の表面粗さが改善される。
第7発明の要旨とするところは、前記研磨液は、1~10重量%のオルト過ヨウ素酸を含むことから、InP半導体材料に対する研磨能率が高められる。
第8発明の要旨とするところは、前記研磨液は、0.01~0.25mol/lの過マンガン酸カリウムを含むことから、InP半導体材料に対する研磨能率が高められる。
第9発明の要旨とするところは、(a)InP半導体材料の一面を、母材樹脂内に形成された連通気孔内に研磨砥粒が備えられた研磨パッドとを用いて研磨する研磨加工方法に適用する研磨液であって、(b)前記研磨液は、酸化剤として、1~50重量%のオルト過ヨウ素酸をむとともに、酸pH調整剤を用いる場合には塩酸を含み、(c)pH0.3~6.9の水素イオン濃度を有することにある。
第9発明によれば、InP半導体材料の一面を、母材樹脂内に形成された連通気孔内に研磨砥粒が備えられた研磨パッドと研磨砥粒を含まない研磨液とを用いて研磨するに際して、前記研磨液は、酸化剤として、1~50重量%のオルト過ヨウ素酸を含むとともに、酸pH調整剤を用いる場合には塩酸を含み、且つpH0.3~6.9の水素イオン濃度を有することから、酸化剤を含まない研磨液を用いる場合に比較して、InP半導体材料に対して高い研磨能率が得られる。
本発明の一適用例の研磨加工方法を実施する研磨加工装置の構成を概念的に示す斜視図である。 図1の研磨パッドの表面組織を拡大して説明する模式図である。 図1と同様の研磨加工装置による研磨試験で用いた、13種類の研磨液の組成、pH、および研磨試験結果(研磨レート(μm/min)および表面粗さRa(nm))を示す図表である。 図3の13種類の研磨液毎の試験試料に対する研磨レートを示す棒グラフである。 図3の13種類の研磨液毎の試験試料に対する研磨による表面粗さを示す棒グラフである。 研磨液のpHと研磨レートとを示す二次元座標において、図3の13種類の研磨液毎のpHおよび研磨レートを示す図である。 研磨液のpHと研磨レートとを示す二次元座標において、図3の13種類の研磨液毎のpHおよび表面粗さを示す図である。
以下、本発明の一適用例を図面と共に詳細に説明する。
図1は、本発明の一例が適用されるCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法による研磨加工を実施するための研磨加工装置10の要部をフレームを取り外して観念的に示している。この図1において、研磨加工装置10には、研磨定盤12がその垂直な回転軸線C1まわりに回転可能に支持された状態で設けられており、その研磨定盤12は、定盤駆動モータ13により、図に矢印で示す1回転方向へ回転駆動されるようになっている。この研磨定盤12の上面すなわち被研磨体(InP半導体材料)16が押しつけられる面には、研磨パッド14が貼り着けられている。
一方、上記研磨定盤12上の回転軸線C1から偏心した位置には、InPウェハ等の被研磨体16を吸着或いは保持枠等を用いて下面において保持するワーク保持部材(キャリヤ)18がその回転軸線C2まわりに回転可能、その回転軸線C2方向に移動可能に支持された状態で配置されており、そのワーク保持部材18は、図示しないワーク駆動モータにより或いは上記研磨定盤12から受ける回転モーメントにより図1に矢印で示す回転方向へ回転させられるようになっている。
ワーク保持部材18の下面すなわち上記研磨パッド14と対向する面には、被研磨体16が保持され、ワーク保持部材18により被研磨体16が所定の荷重で研磨パッド14に押圧されるようになっている。また、研磨加工装置10のワーク保持部材18の近傍には、滴下ノズル22およびスプレーノズル24が設けられており、図示しないタンクから送出された酸化性水溶液である研磨液(ルブリカント)20が上記研磨定盤12上に供給されるようになっている。
なお、上記研磨加工装置10には、研磨定盤12の回転軸線C1に平行な回転軸線まわりに回転可能、かつ、その回転軸線の方向および前記研磨定盤12の径方向に移動可能に配置された図示しない調整工具保持部材と、その調整工具保持部材の下面すなわち前記研磨パッド14と対向する面に取り付けられた図示しないダイヤモンドホイールのような研磨体調整工具(コンディショナー)とが必要に応じて設けられている。この調整工具保持部材およびそれに取り付けられた研磨体調整工具は、図示しない調整工具駆動モータにより回転駆動された状態で前記研磨パッド14に押しつけられ、且つ研磨定盤12の径方向に往復移動させられることにより、研磨パッド14の研磨面の調整がおこなわれてその研磨パッド14の表面状態が研磨加工に適した状態に常時維持されるようになっている。
上記研磨加工装置10によるCMP法の研磨加工に際しては、上記研磨定盤12およびそれに貼り着けられた研磨砥粒内包型の研磨パッド(LHAパッド)14と、ワーク保持部材18およびその下面に保持された被研磨体16とが、上記定盤駆動モータ13およびワーク駆動モータによりそれぞれの回転軸線まわりに回転駆動された状態で、上記滴下ノズル22およびスプレーノズル24から研磨液20が上記研磨パッド14の表面上に供給されつつ、ワーク保持部材18に保持された被研磨体16がその研磨パッド14に押しつけられる。そうすることにより、上記被研磨体16の被研磨面すなわち上記研磨パッド14に対向する面が、上記研磨液20による化学的研磨作用と、上記研磨パッド14内に内包されてその研磨パッド14から自己供給された研磨砥粒26による機械的研磨作用とによって平坦に研磨される。この研磨砥粒26には、たとえば平均粒径80nm程度のシリカが用いられる。
上記研磨定盤12上に貼り着け付けられた研磨パッド14は、研磨砥粒26を収容した独立気孔或いは連通気孔を有するエポキシ樹脂或いはPES樹脂から成る研磨砥粒内包型研磨パッドであり、たとえば外径300(mm)×厚み5(mm)程度の寸法を備えている。
図2は、その研磨砥粒内包型研磨パッドの一例を示し、連通気孔30を備えた母材樹脂32と、その母材樹脂32の連通気孔30に充填され、一部は母材樹脂32に固着して状態或いは一部が母材樹脂32から分離した状態の多数の研磨砥粒26とを備えて円板状に形成されている。この研磨砥粒内包型研磨パッドは、たとえば、32容積%程度の研磨砥粒26と33容積%程度の母材樹脂32と、残りの容積を占める連通気孔30とから構成されている。図2は、その研磨パッド14の組織を走査型電子顕微鏡によって拡大して示す模式図であり、スポンジ状或いは編み目状に形成された母材樹脂32の連通気孔30は研磨砥粒26よりも同等以上の大きさに形成されており、その連通気孔30内には多数の研磨砥粒26が保持されている。その母材樹脂32と前記研磨砥粒26とが必要十分な結合力により相互に固着されている。本実施例の研磨パッド14は、たとえばコロイダルシリカなどを含有したスラリーによることなく、遊離砥粒を含まない研磨液20の供給によってCMP法による研磨加工を可能とするものである。
研磨液20は、酸化剤として、1~50重量%のオルト過ヨウ素酸および0.01~0.1mol/lの過マンガン酸カリウムの少なくとも一方と、酸pH調整剤としての塩酸とを含み、pHが0.3~6.9の水素イオン濃度を有するものである。
研磨砥粒26は、好適には、シリカが用いられるが、その他の研磨砥粒たとえばセリア、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マンガン化合物、炭酸バリウム、酸化クロム、および酸化鉄の内の少なくとも1つを含むものが用いられてもよい。上記シリカとしては、たとえばヒュームドシリカ(四塩化ケイ素、クロロシランなどを水素および酸素の存在のもとで高温燃焼させて得られるシリカ微粒子)などが好適に用いられる。研磨砥粒26の平均粒径は、0.005~3.0(μm)が好ましく、より好ましくは0.005~1.0(μm)、より好ましくは0.02~0.6(μm)、より好ましくは0.08~0.5(μm)、さらに好ましくは0.08~0.3(μm)である。たとえば、研磨砥粒26の平均粒径が3.0(μm)を上回ると、後述する研磨加工において、母材樹脂32から遊離する研磨砥粒26によって被研磨体16に研磨傷が発生し易くなる。さらに、研磨砥粒26の平均粒径が0.005(μm)を下回ると研磨砥粒26が凝集し易くなり、後述する研磨加工において、被研磨体に研磨傷が発生し易くなる。
なお、研磨砥粒26の粒径はレーザー回折・散乱法で測定されたもの例えば日機装株式会社製の粒径・粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300で測定されたものであり、平均粒径とは粒径の算術平均である。上記レーザー回折・散乱法の測定限度を下回る粒径は、例えば日機装株式会社製の粒径・粒度分布測定装置ナノトラックUPA-EX250等を使用して動的光散乱法で測定される。
以上のように構成された研磨加工装置10における研磨加工に際しては、研磨定盤12およびそれに貼り付けられた研磨パッド14と、ワーク保持部材18およびその下面に保持された被研磨体16とが、定盤駆動モータ13および図示しないワーク駆動モータによりそれぞれの回転軸線まわりに回転駆動された状態で、上記滴下ノズル22から、たとえば過マンガン酸カリウム水溶液などの酸化性の研磨液20が上記研磨パッド14の表面上に供給されつつ、ワーク保持部材18に保持された被研磨体16がその研磨パッド14の表面に押しつけられる。そうすることにより、上記被研磨体16の被研磨面すなわち上記研磨パッド14に接触する対向面が、上記研磨液20による化学的研磨作用と、上記研磨パッド14により自己供給された研磨砥粒26による機械的研磨作用とによって平坦に研磨される。
[実験例]
以下、本発明者等が行った実験例を説明する。先ず、図1に示す研磨加工装置10と同様に構成された装置を用い、以下に示す遊離砥粒研磨条件にて、硬質ポリウレタンから成る研磨砥粒遊離型研磨パッドと研磨砥粒とを用いるとともに、pHについてはオルト過ヨウ素酸および/または過マンガン酸カリウムを用いて、図3に示すように、pHが相互に異なるように調整された12種類の研磨液を用いて、径が2インチ×厚みが350μmのInP単結晶板である共通の被研磨体の試料の研磨加工試験をそれぞれ行った。
[研磨加工試験条件]
研磨加工装置 :エンギスハイプレス EJW-380
研磨パッド :硬質ポリウレタン製パッド、又は、
研磨砥粒内包研磨パッド(LHAパッド)
外径300mm×厚み2mm
研磨パッド回転数 :90rpm
被研磨体(試料) :InP単結晶板
被研磨体の形状 :外径2インチ、厚み350μm
被研磨体回転数 :90rpm
研磨荷重(圧力) :14kPa(142gf/cm
研磨液供給量 :10ml/min
研磨時間 :10min
コンディショナー :SD#400(#400ダイヤモンド砥粒を含むメタルボンドホイール)
図3には、12種類の研磨加工方法である比較例方法1~3および実施例方法1~9についての、研磨パッドと、研磨液の組成、水素イオン濃度pHと、研磨試験結果(研磨レートPR(μm/min)および表面粗度Ra(nm))とが、それぞれ示されている。
図4は、図3の12種類の研磨加工方法毎の被研磨体に対する研磨レートを示す棒グラフ、図5は、図3の12種類の研磨加工方法毎の試験試料に対する研磨による表面粗さを示す棒グラフである。また、図6は、12種類の研磨加工方法毎の研磨液のpHと研磨レートとを示す二次元座標において、図3の12種類の研磨液毎のpHおよび研磨レートを示す図である。図7は、12種類の研磨加工方法毎の研磨液のpHと研磨レートとを示す二次元座標において、図3の12種類の研磨液毎のpHおよび表面粗さを示す図である。なお、図6において、○印は比較例方法毎の値を示し、○印に付記された数値は比較例方法の番号を示している。同様に、図7において、◆印は実施例方法毎の値を示し、◆印に付記された数値は実施例方法の番号を示している。
図3および図6から明らかなように、緻密なポリウレタン樹脂からなる研磨パッドを用いた研磨加工試験に用いられた比較例方法1は、遊離砥粒としてコロイダルシリカ10重量%を含むが、酸化剤(オルト過ヨウ素酸、過マンガン酸カリウム)、酸pH調整剤(塩酸)、酸化促進剤(イミノ二酢酸)、アルカリpH調整剤(水酸化カリウム)、潤滑剤(ラウリン酸)を含まず、pHは10.2である。この比較例方法1を用いた研磨加工試験では、研磨レートPRが0.05(μm/min)であり、InP単結晶板に対して充分な研磨能率が得られなかった。また、緻密なポリウレタン樹脂からなる研磨パッドに替えてLHA研磨パッドを用い、遊離砥粒としてのコロイダルシリカ10重量%を含まない研磨液を用いた比較例方法2では、研磨レートPRが0.01であり、比較例方法1の場合よりも更に低い加工能率であった。また、比較例方法3は、実施例方法4と比較して、アルカリPh調整剤(水酸化カリウム)および潤滑剤(ラウリン酸)を含む点のみで相違する。実施例方法4と比較して、実施例方法3は、pHが高いが、研磨レートPRが0.04であり、比較例方法1の場合よりも加工レートが更に低い値であった。
これに対して、図3および図6から明らかなように、図2に示すLHAパッドを用いて研磨加工することで、研磨レートPRに関して、各研削液のうち、pHが0.5から6.9である研磨液20を用いる実施例方法1~9については、比較例方法1の研磨レートPRが0.05μm/hを上まわる好適な研磨能率が得られた。また、pHが0.5から6.9である実施例方法1~9の研磨液20のうち、pHが0.3~2.2である研磨液20を用いる実施例方法1~7、9では、研磨液20が強い酸性を有することから、pHが6.9付近である研磨液20を用いる実施例方法8と同様に、InP単結晶板に対して安定的に高い研磨能率が得られている。実施例方法1~7、9のうち、特にpHが0.3~1.3である研磨液を用いる実施例方法2、3、5は、pHが1.3~2.2である研磨液を用いる実施例方法4、6、7、9に比較して、表面粗さが大きいので、表面粗さが大きくてもよい用途に適している。反対に、pHが1.3~2.2である研磨液を用いる実施例方法4、6、7、9は、pHが0.3~1.3である研磨液を用いる実施例方法2、3、5に比較して、表面粗さRaが小さいので、表面粗さRaが小さく鏡面が要求される用途に適している。
実施例方法5~7、9の研磨液20は、酸pH調整剤として、0.01~0.1N(規定)の塩酸を含むことから、pH2.2以下の強酸性を有する研磨液が容易に得られ、高い研磨レートPRが得られている。また、実施例方法7は、実施例方法6と比較して、酸化促進剤として、キーレート剤であるイミノ二酢酸を含むことから、InP単結晶板の表面粗さが改善される。
実施例方法1~7および9の研磨液20では、研磨液が1~10重量%のオルト過ヨウ素酸を含むことから、低いpH(強酸性)の研磨液が得られるので、InP単結晶に対する研磨能率が高められる。また、実施例方法8、9の研磨液20では、研磨液が、酸化剤として、0.01~0.25mol/lの過マンガン酸カリウムを含むことから、InP単結晶板に対する研磨能率が高められる。
上述のように、本実施例の研磨加工方法およびそれに用いる研磨液20によれば、LHAパッドである研磨パッド14が用いられ、研磨液20は、酸化剤として、オルト過ヨウ素酸および過マンガン酸カリウムの少なくとも一方を含むとともに、酸pH調整剤を用いる場合には塩酸を含み、研磨液20は、さらに、pH0.3~6.9の水素イオン濃度を有することから、酸化剤を含まない研磨液を用いる場合に比較して、研磨荷重を高くしないでも、14kPa程度の低い研磨荷重において被研磨体16(InP半導体材料)に対して高い研磨能率が得られる。
また、本実施例の研磨加工方法およびそれに用いる研磨液20によれば、研磨液20が、pH0.3~2.2の水素イオン濃度を有することから、pHが6.9付近である場合に比較して、被研磨体16(InP半導体材料)に対して、同等以上の表面粗さが得られる。
また、本実施例の研磨加工方法およびそれに用いる研磨液20によれば、研磨液20が、pH0.3~1.3の水素イオン濃度を有することから、pHが2.2以上である場合に比較して、被研磨体16(InP半導体材料)の表面粗さを大きくすることができる。
また、本実施例の研磨加工方法およびそれに用いる研磨液20によれば、研磨液20が、pH1.3~2.2の水素イオン濃度を有することから、pHが1.3以下である場合に比較して、被研磨体16(InP半導体材料)の表面粗さが小さくなり、滑らかな表面が得られる。
また、本実施例の研磨加工方法およびそれに用いる研磨液20によれば、研磨液20が、酸pH調整剤として、塩酸を含むことから、pH2.2以下の強酸性が容易に得られる。
また、本実施例の研磨加工方法およびそれに用いる研磨液20によれば、研磨液20が、酸化促進剤として、イミノ二酢酸を含むことから、被研磨体16(InP半導体材料)の表面粗さが改善される。
また、本実施例の研磨加工方法およびそれに用いる研磨液20によれば、研磨液20が、1~10重量%のオルト過ヨウ素酸を含むことから、被研磨体16(InP半導体材料)に対する研磨能率が高められる。
また、本実施例の研磨加工方法およびそれに用いる研磨液20によれば、研磨液20が、0.01~0.25mol/lの過マンガン酸カリウムを含むことから、被研磨体16(InP半導体材料)に対する研磨能率が高められる。
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
たとえば、母材樹脂32には、硬質発泡ポリウレタン樹脂が用いられていたが、その他の樹脂たとえばポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、およびポリウレタンの内の少なくとも1つを含むものであってもよい。
また、上記研磨砥粒26は、好適には、シリカが用いられるが、その他の研磨砥粒たとえばセリア、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マンガン化合物、炭酸バリウム、酸化クロム、および酸化鉄の内の少なくとも1つを含むものが用いられてもよい。上記シリカとしては、たとえばヒュームドシリカ(四塩化ケイ素、クロロシランなどを水素および酸素の存在のもとで高温燃焼させて得られるシリカ微粒子)などが好適に用いられる。
研磨砥粒26の平均粒径は、0.005~3.0(μm)が好ましく、より好ましくは0.005~1.0(μm)、より好ましくは0.02~0.6(μm)、より好ましくは0.08~0.5(μm)、さらに好ましくは0.08~0.3(μm)である。たとえば、研磨砥粒26の平均粒径が3.0(μm)を上回ると、後述する研磨加工において、母材樹脂32から遊離する研磨砥粒26によって被研磨体に研磨傷が発生し易くなる。さらに、研磨砥粒26の平均粒径が0.005(μm)を下回ると研磨砥粒26が凝集し易くなり、後述する研磨加工において、被研磨体に研磨傷が発生し易くなる。
なお、研磨砥粒26の粒径はレーザー回折・散乱法で測定されたもの例えば日機装株式会社製の粒径・粒度分布測定装置マイクロトラックMT3300で測定されたものであり、平均粒径とは粒径の算術平均である。上記レーザー回折・散乱法の測定限度を下回る粒径は、例えば日機装株式会社製の粒径・粒度分布測定装置ナノトラックUPA-EX250等を使用して動的光散乱法で測定される。
その他一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて用いられるものである。
10:研磨加工装置
12:研磨定盤
14:研磨パッド
16:被研磨体(InP半導体材料)
20:研磨液
26:研磨砥粒
30:連通気孔
32:母材樹脂

Claims (9)

  1. InP半導体材料の一面を、母材樹脂内に形成された連通気孔内に研磨砥粒が備えられた研磨パッドと研磨砥粒を含まない研磨液とを用いて研磨する研磨加工方法であって、
    前記研磨液は、酸化剤として、1~50重量%のオルト過ヨウ素酸を含むとともに、酸pH調整剤を用いる場合には塩酸を含み、且つpH0.3~6.9の水素イオン濃度を有する
    ことを特徴とするInP半導体材料の研磨加工方法。
  2. 前記研磨液は、pH0.3~2.2の水素イオン濃度を有する
    ことを特徴とする請求項1のInP半導体材料の研磨加工方法。
  3. 前記研磨液は、pH0.3~1.3の水素イオン濃度を有する
    ことを特徴とする請求項1のInP半導体材料の研磨加工方法。
  4. 前記研磨液は、pH1.3~2.2の水素イオン濃度を有する
    ことを特徴とする請求項1のInP半導体材料の研磨加工方法。
  5. 前記研磨液は、酸pH調整剤として、0.01から0.1Nの塩酸を含む
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1のInP半導体材料の研磨加工方法。
  6. 前記研磨液は、酸化促進剤として、イミノ二酢酸を含むことにある。
    ことを特徴とする請求項1、2、または4のInP半導体材料の研磨加工方法。
  7. 前記研磨液は、酸化剤として、1~10重量%のオルト過ヨウ素酸を含むことにある
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1のInP半導体材料の研磨加工方法。
  8. 前記研磨液は、酸化剤として、0.01~0.25mol/lの過マンガン酸カリウムを含むことにある。
    ことを特徴とする請求項1、2、4~7のいずれか1のInP半導体材料の研磨加工方法。
  9. InP半導体材料の一面を、母材樹脂内に形成された連通気孔内に研磨砥粒が備えられた研磨パッドとを用いて研磨する研磨加工方法に適用する研磨液であって、
    酸化剤として、1~50重量%のオルト過ヨウ素酸を含み、pH0.3~6.9の水素イオン濃度を有する
    ことを特徴とする研磨液。
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