JP7398095B2 - ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents
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Description
平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維(B)0.1~50質量部、
銅化合物(C)0.005~5質量部、
ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)0.01~20質量部、および
多価アルコール(E)0.05~20質量部
を含有することを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
(2) 前記セルロース繊維(B)が、未変性のセルロース繊維であるか、またはセルロース由来の水酸基が親水性もしくは疎水性の置換基で変性された変性セルロース繊維である、(1)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(3) 銅化合物(C)がハロゲン化銅である、(1)または(2)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(4) ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)が、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、および塩化ナトリウムからなる群から選択される1種以上の化合物である、(1)~(3)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(5) 多価アルコール(E)が飽和脂肪族多価アルコール化合物、不飽和脂肪族多価アルコール化合物、脂環式多価アルコール化合物、芳香族多価アルコール化合物、および糖類からなる群から選択される1種以上の化合物である、(1)~(4)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(6) 前記セルロース繊維(B)の平均繊維径が500nm以下であり、
前記セルロース繊維(B)の含有量が1~40質量部であり、
前記銅化合物(C)の含有量が0.02~5質量部であり、
前記ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)の含有量が0.01~8質量部であり、
前記多価アルコール(E)の含有量が0.5~8質量部であり、
セルロース繊維以外の強化材(F)を5質量部以下で含む、(1)~(5)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(7) 前記ポリアミド樹脂(A)がポリアミド6であり、
前記セルロース繊維(B)が未変性のセルロース繊維であり、
前記セルロース繊維(B)の平均繊維径が100nm以下であり、
前記セルロース繊維(B)の含有量が4~30質量部であり、
前記銅化合物(C)がヨウ化銅であり、
前記銅化合物(C)の含有量が0.02~0.2質量部であり、
前記ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)がヨウ化カリウムであり、
前記ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)の含有量が0.01~3質量部であり、
前記多価アルコール(E)の含有量が0.5~3質量部であり、
セルロース繊維以外の強化材(F)を5質量部以下で含む、(1)~(5)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(8) ポリアミド樹脂(A)単独と対比した引張強度比が110%以上であり、
大気雰囲気下、150℃で1000時間の熱エージング処理後の引張強度保持率および成形体表面の60°入射角におけるグロス保持率がそれぞれ80%以上であること特徴とする、(1)~(7)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(9) (1)~(8)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を含む成形体。
本発明に用いる銅化合物(C)としては、例えば、塩化銅(例えば、塩化第一銅、塩化第二銅)、臭化銅(例えば、臭化第一銅、臭化第二銅)、ヨウ化銅(例えば、ヨウ化第一銅)、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、硫酸銅、リン酸銅、ホウ酸銅、硝酸銅、ステアリン酸銅、キレート剤に配位した銅錯塩が挙げられる。中でも、機械的特性、長期耐熱エージング性および熱エージング処理後の表面光沢性のさらなる向上の観点から、塩化銅(例えば、塩化第一銅、塩化第二銅)、臭化銅(例えば、臭化第一銅、臭化第二銅)、ヨウ化銅(例えば、ヨウ化第一銅)等のハロゲン化銅が好ましく、ヨウ化銅(特にヨウ化第一銅)、臭化銅(特に臭化第一銅)がより好ましく、ヨウ化銅(特にヨウ化第一銅)がさらに好ましい。銅化合物(C)は、単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
本発明に用いるハロゲン化アルカリ金属化合物(D)としては、例えば、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウムが挙げられる。中でも、機械的特性、長期耐熱エージング性および熱エージング処理後の表面光沢性のさらなる向上の観点から、ヨウ化カリウム、臭化カリウムが好ましく、ヨウ化カリウムがより好ましい。ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)は、単独で用いてもよいし、複数種併用してもよい。
本発明に用いる多価アルコール(E)とは、1分子中、2個以上の水酸基を含有する化合物である。多価アルコール(E)としては、飽和脂肪族多価アルコール化合物、不飽和脂肪族多価アルコール化合物、脂環式多価アルコール化合物、芳香族多価アルコール化合物、および糖類が挙げられる。多価アルコールは、1つまたは複数のヘテロ原子、例えば酸素、窒素および/または硫黄を含有してもよい。多価アルコール(E)は、水酸基以外の置換基、例えば、エーテル基、カルボキシル基、アミド基またはエステル基をさらに含有してもよい。また、多価アルコールは低分子量化合物であっても、一定のモノマー単位が繰り返されるポリマー型の高分子量化合物であってもよい。多価アルコール(E)は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
引張強度比を測定するための成形体Xは、以下の方法により製造されたダンベル試験片である:
本発明のポリアミド樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110-12E)を用いてシリンダー温度250℃、金型温度70℃、射出時間12秒、冷却時間20秒の条件で射出成形し、ISO規格3167に記載のダンベル試験片(試験部80mm×10mm×4mm)を作製する。
引張強度比を算出するための引張強度はISO規格527に準拠して測定される。
引張強度保持率を測定するための成形体は、引張強度比を測定するための成形体Xと同様の方法により製造されたダンベル試験片である。
引張強度保持率を算出するための引張強度はISO規格527に準拠して測定される。
グロス保持率を測定するための成形体は、以下の方法により製造されたカラープレートである:
本発明のポリアミド樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110-12E)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度70℃、射出時間12秒、冷却時間20秒の条件で射出成形し、カラープレート(90mm×60mm×2mm)を作製する。
グロス保持率を算出するためのグロスは、JIS-K7105に準拠し、入射角を60度として、測定される。
(1)ポリアミド樹脂組成物中のセルロース繊維の平均繊維径
十分に乾燥した樹脂組成物ペレットを、射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110-12E)を用いてシリンダー温度250℃、金型温度70℃、射出時間12秒、冷却時間20秒の条件で射出成形し、ISO規格3167に記載のダンベル試験片(試験部80mm×10mm×4mm)を作製した。
凍結ウルトラミクロトームを用いて射出成形片から厚さ100nmの切片を採取し、切片染色を実施後、透過型電子顕微鏡(日本電子社製JEM-1230)を用いて観察をおこなった。電子顕微鏡画像からセルロース繊維(単繊維)の長手方向に対する垂直方向の長さを測定した。このとき、垂直方向の長さのうち最大のものを繊維径とした。同様にして10本のセルロース繊維(単繊維)の繊維径を測定し、10本の平均値を算出したものを平均繊維径とした。
なお、セルロース繊維の繊維径が10μmを超えるものについては、ミクロトームにて厚さ10μmの切片を切り出したものを実体顕微鏡(OLYMPUS社製 SZ-40)により観察し、得られた画像から上記と同様にして繊維径を測定し、平均繊維径を求めた。
樹脂組成物を、96%硫酸に、セルロースを除去後のポリアミドの濃度が1g/dLになるように溶解し、ウベローデ型粘度計を用いて、25℃で測定した。
十分に乾燥した樹脂組成物ペレットを、射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110-12E)を用いてシリンダー温度250℃、金型温度70℃、射出時間12秒、冷却時間20秒の条件で射出成形し、ISO規格3167に記載のダンベル試験片(試験部80mm×10mm×4mm)を作製した。
得られたダンベル試験片を用いて、ISO規格527に準拠して引張強度を測定した。
熱エージング処理前の引張強度は、強化材や添加剤を含有しないニートのポリアミド樹脂と対比して、通常は110%以上であり(実用上問題なし)(△)、120%以上であることが好ましく(○)、130%以上であることがより好ましい(◎)。110%未満は×(実用上問題あり)とした。
(3)で得られたダンベル試験片を、大気雰囲気下で150℃に設定された熱風乾燥機に入れ熱エージング処理をおこなった。1000時間経過後に取り出し、十分に冷却してから(3)に記載の方法により引張強度を測定し、下記式により引張強度保持率を算出した。
引張強度保持率(%)=(熱エージング処理後の引張強度/熱エージング処理前の引張強度)×100
1000時間熱エージング処理後の引張強度保持率は通常、80%以上であり(実用上問題なし)(△)、85%以上であることが好ましく(○)、88%以上であることがより好ましい(◎)。80%未満は×(実用上問題あり)とした。
十分に乾燥した樹脂組成物ペレットを、射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110-12E)を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度70℃、射出時間12秒、冷却時間20秒の条件で射出成形し、カラープレート(90mm×60mm×2mm)を作製した。
得られたカラープレートを用いて、JIS-K7105に準拠し、入射角を60度として、グロスを測定した。グロスが高いほど、表面光沢性は高い。熱エージング処理前のグロスは、通常は70%以上であり(実用上問題なし)(△)、80%以上であることが好ましく(○)、90%以上であることがより好ましい(◎)。70%未満は×(実用上問題あり)とした。
(5)で得られたカラープレートを、大気雰囲気下で150℃に設定された熱風乾燥機に入れ熱エージング処理をおこなった。1000時間経過後に取り出し、十分に冷却してから(5)に記載の方法によりグロスを測定し、下記式によりグロス保持率を算出した。
グロス保持率(%)=(熱エージング処理後のグロス/熱エージング処理前のグロス)×100
1000時間熱エージング処理後のグロス保持率は通常、80%以上であり(実用上問題なし)(△)、90%以上であることが好ましく(○)、94%以上であることがより好ましい(◎)。80%未満は×(実用上問題あり)とした。
熱エージング処理前の引張強度およびグロス、ならびに熱エージング処理後の引張強度保持率およびグロス保持率の評価結果に基づいて、総合的に評価した。
◎:全ての評価結果が◎であった。
○:全ての評価結果うち、最も低い評価結果が○であった。
△:全ての評価結果うち、最も低い評価結果が△であった。
×:全ての評価結果うち、最も低い評価結果が×であった。
(1)ポリアミド樹脂モノマー成分
・ε-カプロラクタム(宇部興産社製)
・ポリアミド66塩(ヘキサメチレンジアミン-アジピン酸の等モル塩、ポリアミドプレポリマー)
・B-1:KY100G(ダイセルファインケム社製 セリッシュKY100G、平均繊維径が125nmの未変性のセルロース繊維が10質量%含有されたもの。)
・B-2:KY100S(ダイセルファインケム社製 セリッシュKY100S、平均繊維径が140nmの未変性のセルロース繊維が25質量%含有されたもの。)
0.5質量%グルコース、0.5質量%ポリペプトン、0.5質量%酵母エキス、0.1質量%硫酸マグネシウム7水和物からなる組成の培地50mLを、200mL容三角フラスコに分注し、オートクレーブで120℃、20分間蒸気滅菌した。これに試験管斜面寒天培地で生育させたGluconacetobacter xylinus(NBRC 16670)を1白金耳接種し、30℃で7日間静置培養した。7日後、培養液の上層に白色のゲル膜状のバクテリアセルロース繊維が生成した。
得られたバクテリアセルロース繊維をミキサーで破砕後、水で浸漬、洗浄を繰り返すことにより、水置換をおこない、平均繊維径が60nmのバクテリアセルロース繊維が4.1質量%含有された水分散液を調製した。
不織布の製造工程において屑糸として出されたセルロース繊維の集合体に、精製水を加えてミキサーで撹拌し、平均繊維径が3240nmの未変性のセルロース繊維が6質量%含有された水分散液を調製した。
漂白後の針葉樹由来の未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)を、TEMPO 780mgおよび臭化ナトリウム75.5gを溶解した水溶液500mLに添加し、パルプが均一に分散するまで撹拌した。そこに次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように加えることで酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するため、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターにより濾過してパルプを分離し、十分に水洗することで酸化されたパルプを得た。上記の工程で得られた酸化パルプを水で1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150MPa)で3回処理して、平均繊維径が10nmのTEMPO触媒酸化セルロース繊維が1.0質量%含有された水分散液を調製した。
なお、TEMPO触媒酸化セルロース繊維を1H-NMR、13C-NMR、FT-IR、中和滴定で分析したところ、セルロース由来の水酸基の一部がカルボキシル基で置換されていることを確認した。
針葉樹漂白クラフトパルプ(王子製紙社製、固形分25%)600gに水19.94kg添加し、固形分濃度が0.75質量%の水懸濁液を調製した。得られたスラリーの機械的解繊処理をビーズミル(アイメックス社製 NVM-2)を用いておこない、セルロース繊維を得た(ジルコニアビーズ直径1mm、ビーズ充填量70%、回転数2000rpm、処理回数2回)。遠心分離管一本あたりに、得られたセルロース繊維水分散液100gを入れ、遠心分離(7000rpm、20分)をおこない、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。遠心分離管一本あたりに、アセトン100gを加えて、よく撹拌し、アセトン中に分散させ、遠心分離をおこない、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。上記の操作をさらに二回繰り返し、固形分5質量%のセルロース繊維アセトンスラリーを得た。
撹拌羽根を備えた四つ口1Lフラスコに、得られたセルロース繊維アセトンスラリーをセルロース繊維の固形分が5gになるように投入した。N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を500mL、トルエンを250mL加え、撹拌しながらセルロース繊維をNMP/トルエン中に分散させた。冷却器を取り付け、窒素雰囲気下、分散液を150℃に加熱し、分散液中に含まれるアセトン、水分をトルエンとともに留去した。その後分散液を40℃まで冷却し、ピリジン15mL、ヘキサメチルジシラザン(シリルエーテル化剤)25gを添加して窒素雰囲気下90分反応させ、エーテル変性セルロース繊維のNMP分散液を調製した。
得られたエーテル変性セルロース繊維のNMP分散液を遠心分離機によりセルロース繊維を沈殿させ水置換した。これを3回繰り返し、水で調製し、平均繊維径が100nmのエーテル変性セルロース繊維が1.0質量%含有された水分散液を調製した。
なお、エーテル変性セルロース繊維を1H-NMR、13C-NMR、FT-IRで分析したところ、セルロース由来の水酸基の一部が疎水性のシリルエーテル基で置換されていることを確認した。
・C-1:ヨウ化第一銅(試薬特級)
・C-2:臭化第一銅(試薬特級)
・D-1:ヨウ化カリウム(試薬特級)
・D-2:臭化カリウム(試薬特級)
・E-1:ジペンタエリスリトール(パースト―プ社製、DiPenta90)
・E-2:ジペンタエリスリトールとアジピン酸からなるエステル(味の素ファインテクノ社製、プレンライザーST-210)
・F-1:ガラス繊維(日本電気硝子社製、T-262H、平均繊維径10.5μm、平均繊維長3mm、酸共重合物を含んだ被膜形成剤を使用)
・F-2:炭素繊維(東邦テナックス社製、HTA-C6-NR、平均繊維径7μm、平均繊維長6mm)
・F-3:タルク(日本タルク社製、SG-2000、平均粒径1μm)
セルロース繊維の水分散液として、セリッシュKY100G(B-1)を用いて、これに精製水を加えてミキサーで撹拌し、セルロース繊維の含有量が3質量%の水分散液を調製した。
このセルロース繊維の水分散液100質量部と、ε-カプロラクタム100質量部とを、均一な分散液となるまでさらにミキサーで撹拌、混合した。続いて、この混合分散液を重合装置に投入後、撹拌しながら240℃に加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ、0MPaから0.5MPaの圧力まで昇圧した。そののち大気圧まで放圧し、240℃で1時間重合反応をおこなった。重合が終了した時点で樹脂をストランド状に払い出し、切断して、ペレットを得た。
得られたペレットを95℃の熱水で精練した後、乾燥して、乾燥されたセルロース繊維含有ポリアミド6樹脂のペレットを得た。
上記で得られたセルロース繊維含有ポリアミド6樹脂103質量部、ヨウ化銅(C-1)、ヨウ化カリウム(D-1)、ジペンタエリスリトール(E-1)をドライブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製TEM26SS、スクリュー径26mm)の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
セルロース繊維(B-1)の含有量が表1に示す値になるように、セリッシュKY100Gの配合量を変更する以外は、実施例1と同様の操作をおこない、乾燥した樹脂組成物のペレットを得た。
表1~表4に示すように、ヨウ化銅(C-1)、ヨウ化カリウム(D-1)、ジペンタエリスリトール(E-1)の量を変更する以外は、実施例2と同様の操作をおこない、乾燥した樹脂組成物のペレットを得た。
セルロース繊維の含有量が5質量%の水分散液100質量部と、ポリアミド66塩100質量部とを、均一な溶液となるまでミキサーで撹拌、混合した。続いて、この混合溶液を230℃で撹拌しながら、内圧が1.5MPaになるまで加熱した。その圧力に到達後、徐々に水蒸気を放出しつつ、加熱を続けてその圧力を保持した。280℃に達した時点で、常圧まで放圧し、さらに1時間重合をおこなった。重合が終了した時点で樹脂をストランド状に払い出し、切断して、ペレットを得た。
得られたペレットを95℃の熱水で精練した後、乾燥して、乾燥されたセルロース繊維含有ポリアミド66樹脂のペレットを得た。
上記で得られたセルロース繊維含有ポリアミド66樹脂105質量部、ヨウ化銅(C-1)、ヨウ化カリウム(D-1)、ジペンタエリスリトール(E-1)をドライブレンドし、二軸押出機の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
セルロース繊維(B)の種類を表2に示すように変更する以外は実施例2と同様の操作を行い、乾燥した樹脂組成物のペレットを得た。
銅化合物(C)、ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)または多価アルコール(E)の種類を表2に示すように変更する以外は実施例2と同様の操作を行い、乾燥した樹脂組成物のペレットを得た。
実施例2で得られたセルロース繊維含有ポリアミド6樹脂105質量部、ヨウ化銅(C-1)、ヨウ化カリウム(D-1)、ジペンタエリスリトール(E-1)をドライブレンドし)、二軸押出機(東芝機械社製TEM26SS、スクリュー径26mm)の主ホッパーに供給した。途中、サイドフィーダーよりセルロース繊維以外の強化材(F)10質量部を供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
ε-カプロラクタムを重合装置に投入後、撹拌しながら240℃に加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ、0MPaから0.5MPaの圧力まで昇圧した。そののち大気圧まで放圧し、240℃で1時間重合反応をおこなった。重合が終了した時点で樹脂をストランド状に払い出し、切断して、ポリアミド6樹脂(PA6樹脂)のペレットを得た。
得られたペレットを95℃の熱水で精練した後、乾燥して、乾燥したPA6樹脂のペレットを得た。
表3に示すように、セルロース繊維(B-1)、ヨウ化銅(C-1)、ヨウ化カリウム(D-1)、ジペンタエリスリトール(E-1)の量を変更する以外は、実施例2と同様の操作をおこない、乾燥した樹脂組成物のペレットを得た。
ポリアミド66塩を230℃で撹拌しながら、内圧が1.5MPaになるまで加熱した。その圧力に到達後、徐々に水蒸気を放出しつつ、加熱を続けてその圧力を保持した。280℃に達した時点で、常圧まで放圧し、さらに1時間重合をおこなった。重合が終了した時点で樹脂をストランド状に払い出し、切断して、ポリアミド66樹脂のペレットを得た。
得られたペレットを95℃の熱水で精練した後、乾燥して、乾燥したポリアミド66樹脂のペレットを得た。
表3に示すように、ヨウ化銅(C-1)、ヨウ化カリウム(D-1)、ジペンタエリスリトール(E-1)の量を変更する以外は、実施例20と同様の操作をおこない、乾燥した樹脂組成物のペレットを得た。
比較例1で得られた乾燥したPA6樹脂100質量部およびヨウ化銅(C-1)、ヨウ化カリウム(D-1)、ジペンタエリスリトール(E-1)をドライブレンドし、二軸押出機の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
比較例5で得られた乾燥したPA66樹脂100質量部およびヨウ化銅(C-1)、ヨウ化カリウム(D-1)、ジペンタエリスリトール(E-1)をドライブレンドし、二軸押出機の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
比較例1で得られた乾燥したPA6樹脂100質量部、ヨウ化銅(C-1)、ヨウ化カリウム(D-1)、ジペンタエリスリトール(E-1)をドライブレンドし、二軸押出機の主ホッパーに供給した。途中、サイドフィーダーよりセルロース繊維以外の強化材(F)10質量部を供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
セルロース繊維の分散液を、棚式凍結乾燥機として東京理化器械FD550を使用して-45℃にて凍結乾燥し、粉砕機を用いて粉末状にした。
得られたセルロース繊維の粉末5質量部と比較例1で得られた乾燥したPA6樹脂100質量部をドライブレンドし、二軸押出機の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
比較例2~4、6、9、10、15および16の樹脂組成物は、成分(C)~(E)の全てを含有するわけではないため、1000時間熱エージング処理後の引張強度保持率は低かった。
比較例7、8の樹脂組成物は、成分(B)を含有しないため、引張強度比がそれぞれ99%、98%と低かった。
比較例11~13の樹脂組成物は、成分(B)の代わりに成分(F)を含有するため、1000時間熱エージング処理後のグロス保持率が低かった。
比較例14の樹脂組成物は、ポリアミド樹脂に成分(B)を混練時に添加したため、引張強度比が107%と低かった。
比較例17の樹脂組成物は、(B)の配合量が本発明で規定する配合量よりも多かったため、1000時間熱エージング処理後のグロス保持率が低かった。
比較例18~20の樹脂組成物は、(C)~(E)のいずれかの配合量が本発明で規定する配合量よりも多かったため、引張強度比および1000時間熱エージング処理後のグロス保持率が低かった。
Claims (8)
- ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、
平均繊維径が500nm以下のセルロース繊維(B)0.1~50質量部、
銅化合物(C)0.02~5質量部、
ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)0.01~8質量部、
多価アルコール(E)0.5~8質量部、および
セルロース繊維以外の強化材(F)5質量部以下を含有する、樹脂組成物であって、
前記多価アルコール(E)は、飽和脂肪族多価アルコール化合物、およびエステル基含有多価アルコールからなる群から選択される1種以上の化合物であり、
前記飽和脂肪族多価アルコール化合物は、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールを含む4価以上の低分子量アルコールから選択され、
前記エステル基含有多価アルコールは、前記飽和脂肪族多価アルコール化合物のうち、4価以上の多価アルコール化合物が、2個以上の水酸基を残して二塩基酸とエステル結合している化合物から選択され、
前記二塩基酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸から選択される、樹脂組成物。 - 前記セルロース繊維(B)が、未変性のセルロース繊維であるか、またはセルロース由来の水酸基が親水性もしくは疎水性の置換基で変性された変性セルロース繊維である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 銅化合物(C)がハロゲン化銅である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)が、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化ナトリウム、および塩化ナトリウムからなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項1~3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記セルロース繊維(B)の含有量が1~40質量部である、請求項1~4のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記ポリアミド樹脂(A)がポリアミド6であり、
前記セルロース繊維(B)が、未変性のセルロース繊維であり、
前記セルロース繊維(B)の平均繊維径が100nm以下であり、
前記セルロース繊維(B)の含有量が4~30質量部であり、
前記銅化合物(C)がヨウ化銅であり、
前記銅化合物(C)の含有量が0.02~0.2質量部であり、
前記ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)がヨウ化カリウムであり、
前記ハロゲン化アルカリ金属化合物(D)の含有量が0.01~3質量部であり、
前記多価アルコール(E)の含有量が0.5~3質量部であり、
前記セルロース繊維以外の強化材(F)を5質量部以下で含む、請求項1~5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。 - ポリアミド樹脂(A)単独と対比した引張強度比が110%以上であり、
大気雰囲気下、150℃で1000時間の熱エージング処理後の引張強度保持率および成形体表面の60°入射角におけるグロス保持率がそれぞれ80%以上であること特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。 - 請求項1~7のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を含む成形体。
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