JP7294715B1 - ポリアミド樹脂組成物およびポリアミド樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアミド樹脂100質量部に対してセルロース繊維0.01~200質量部を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記ポリアミド樹脂組成物からなるペレット100個当たりの黒点異物含有ペレットの個数が10個以下であるポリアミド樹脂組成物、および、前記ポリアミド樹脂が重合温度で液体状態のモノマーをモノマー成分として含む、ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
また例えば、特許文献4には、ポリアミド低次縮合物を用いて固相重合する技術が記載されている。
また例えば、特許文献5には、ポリアミドを固相重合する技術が記載されている。
また例えば、特許文献6および7には、セルロースを配合することにより補強効果が得られることが記載されている。
特許文献1に記載の方法では、ポリアミド樹脂組成物の溶融重合時に重合温度をポリアミド樹脂の融点以上に昇温するため、熱によって変色したセルロースや熱分解物等が黒点異物として混入することがある。また、ポリアミド樹脂組成物の引張弾性率を十分に向上させることができない。さらに、特許文献1に記載の方法では、ポリアミド樹脂組成物の線膨張係数および耐熱性を十分に向上させることができないことがある。
また、特許文献2に記載の方法では、良好な色調を有するポリアミド樹脂組成物は得られるものの、黒点異物が混入することがあった。また、ポリアミド樹脂組成物の曲げ弾性率は向上するが、引張弾性率および線膨張係数を十分に向上させることができない。さらに、特許文献2に記載の方法では、ポリアミド樹脂組成物の耐熱性を十分に向上させることができないことがある。
<1>ポリアミド樹脂100質量部に対してセルロース繊維0.01~200質量部を含有するポリアミド樹脂組成物であって、
前記ポリアミド樹脂組成物を直径3mm×長さ3mmのペレットにした場合のペレット100個当たりの黒点異物含有ペレットの個数が10個以下であり、
前記ポリアミド樹脂組成物から得られる成形体の引張弾性率が3.0GPaを超えるポリアミド樹脂組成物。
<2>前記ポリアミド樹脂が重合温度で液体状態のモノマーをモノマー成分として含む、<1>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<3>前記ポリアミド樹脂組成物から得られる成形体の線膨張係数が40×10-6(1/℃)以下である、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<4>前記成形体の線膨張係数が、溶融重合法により製造されたポリアミド樹脂組成物から得られる成形体の線膨張係数を基準として、30%以上の低下率を示す、<3>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<5>前記セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して4~100質量部である、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<6>前記セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して8~100質量部であり、前記ポリアミド樹脂が重合温度で液体状態のモノマーをモノマー成分として含む、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<7>前記セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して22~100質量部であり、前記ポリアミド樹脂が重合温度で液体状態のモノマーを原料成分として含むポリアミド6である、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<8>前記セルロース繊維(B)の平均繊維径が10μm以下である、<1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物。
<9>ポリアミド樹脂の融点未満の重合温度で重合反応を行う請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
<10>ポリアミド樹脂が重合温度で液体状態のモノマーを原料成分として含む、<9>に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
<11>水を用いて重合反応を行う、<9>に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
<12>前記重合温度が、ポリアミド樹脂の融点-75(℃)以上、ポリアミド樹脂の融点未満である、<9>に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
<13><1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
<14><13>に記載の成形体を粉砕および/またはリペレット化した再生材。
<15><1>または<2>に記載のポリアミド樹脂組成物と、請求項14に記載の再生材の混合物。
<16><15>に記載の混合物を成形してなる成形体。
本発明のポリアミド樹脂組成物はまた、曲げ弾性率、引張弾性率および線膨張係数等の機械的特性(特に引張弾性率および線膨張係数の両方)が十分に向上している。
本発明のポリアミド樹脂組成物はまた、良好な払出し性を有する。本発明のポリアミド樹脂組成物はさらに、セルロース繊維の含有量が比較的多量(例えば、ポリアミド樹脂100質量部に対して50質量部以上)であっても、セルロース繊維を比較的均一に含有する。その結果、曲げ弾性率、引張弾性率および線膨張係数等の機械的特性(特に引張弾性率および線膨張係数の両方)が十分に向上するものと考えられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物はまた、耐熱性が十分に向上している。
本発明のポリアミド樹脂組成物はまた、良好なリサイクル性を有する。
本発明のポリアミド樹脂組成物はポリアミド樹脂および当該ポリアミド樹脂中に分散されたセルロース繊維を含有する。
セルロース繊維の酸化反応は、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性の化合物を添加してpHを10付近としてから、pHの変化が見られなくなるまでおこなう。反応温度は、常温が好ましい。反応後、系内に残存するN - オキシル化合物や共酸化剤や臭化アルカリ金属を除去することが好ましい。水洗方法としては、ろ過や遠心分離による方法が挙げられる。解繊方法としては、上記のミクロフィブリル化する際の装置として例示された各種粉砕装置による方法が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、例えば、ポリアミド樹脂の重合時にセルロース繊維を添加するとともに、重合反応を「ポリアミド樹脂の融点」未満の温度で行うことにより製造することができる。本発明のポリアミド樹脂組成物は、詳しくは、ポリアミド樹脂を構成するモノマーと、セルロース繊維の水分散液とを均一に混合した混合分散液を、「ポリアミド樹脂の融点」未満の温度に加熱して重合反応することにより、製造することができる。すなわち、本発明のポリアミド樹脂組成物は、モノマーと水を用いて製造され、詳しくはモノマーと水を用いて「ポリアミド樹脂の融点」未満の温度で重合反応することにより製造することができる。本発明において、水は通常、セルロース繊維の水分散液の媒体である。本発明においては、モノマーと水を用いて「ポリアミド樹脂の融点」未満の温度で重合反応することにより、セルロース繊維の劣化を十分に抑制しつつ、当該セルロース繊維を十分に均一に分散させることができる。それらの結果として、黒点異物の発生が十分に抑制され、曲げ弾性率、引張弾性率および線膨張係数等の機械的特性(特に引張弾性率および線膨張係数の両方)ならびに耐熱性が十分に向上する。このとき、分散液を加熱する際に徐々に水蒸気を排出することにより、セルロース繊維の水分散液中の水分を排出することができる。また、重合反応は静置しておこなってもよく、攪拌しながらおこなってもよいが、黒点異物のさらなる抑制、ならびに機械的特性(特に引張弾性率および線膨張係数)、耐熱性、払出し性およびセルロース繊維分散均一性のさらなる向上の観点から、静置しておこなうことが好ましい。ポリアミド樹脂の重合時とは、ポリアミド樹脂を構成するモノマーを用いた重合時だけでなく、ポリアミド樹脂を構成し得るモノマー塩またはプレポリマーを用いた重合時も包含する。従って、重合させるモノマーは、モノマー塩またはプレポリマーであってもよい。モノマー塩とは、ポリアミド樹脂を構成し得るジアミンとジカルボン酸との塩のことである。プレポリマーとは、モノマーがポリマー化する途中の中間生成物のことである。モノマーと水を用いた重合反応によりポリアミド樹脂を製造しない場合、すなわちセルロース繊維を水分散液の形態で使用することなくポリアミド樹脂を製造する場合、セルロース繊維を均一に分散させることができないため、黒点異物が発生したり、かつ/または機械的特性(例えば引張弾性率および/または線膨張係数)が低下したり、かつ/または耐熱性が低下したりする。
α-150≦β≦α-2 (x2)
α-140≦β≦α-4 (x3)
α-130≦β≦α-6 (x4)
α-130≦β≦α-50 (x5)
α-130≦β≦α-100 (x6)
例えば、ポリアミド6の場合、重合温度で液体状態であり得るモノマーとして、ε-カプロラクタム(融点約69℃)が挙げられる。
また例えば、ポリアミド66の場合、重合温度で液体状態であり得るモノマーとして、アジピン酸(融点約152℃)、ヘキサメチレンジアミン(融点約42℃)、ヘキサメチレンジアミン-アジピン酸の等モル塩(融点約200℃)が挙げられる。なお、ポリアミド66の原料としてのヘキサメチレンジアミン-アジピン酸の等モル塩は融点が約200℃であるため、重合温度で液体状態とならないことがある。
また例えば、ポリアミド12の場合、重合温度で液体状態であり得るモノマーとして、ω-ラウロラクタム(融点約153℃)が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、公知の成形方法により、成形体とすることができる。公知の成形方法としては、例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、シート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形が挙げられる。例えば、本発明のポリアミド樹脂組成物を用いて、押出成形してなるペレットや、射出成形してなる成形体、押出成形してなるフィルムまたはシート(以下、「フィルム等」という)およびこれらのフィルム等またはこれらを延伸したフィルム等から加工してなる成形体や、ブロー成形してなる中空体、および、この中空体から加工してなる成形体や、溶融紡糸して得られるフィラメント(繊維)およびこれを延伸してなるフィラメントを3Dプリンターに介して得られる造形体や、ペレットまたは粉砕物を3Dプリンターに介して得られる造形体等を得ることができる。
(1)ポリアミド樹脂組成物中のセルロース繊維の平均繊維径および平均繊維長
十分に乾燥した樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110-12E)を用いて射出成形し、ISO規格3167に記載のダンベル試験片(試験部80mm×10mm×4mm)を作製した。ポリアミド樹脂がポリアミド6の場合、射出成形の条件は、樹脂温度250℃、金型温度70℃、射出時間12秒、冷却時間20秒とした。ポリアミド樹脂がポリアミド66の場合、射出成形の条件は、樹脂温度290℃、金型温度80℃、射出時間12秒、冷却時間20秒とした。ポリアミド樹脂がポリアミド12の場合、射出成形の条件は、樹脂温度200℃、金型温度80℃、射出時間12秒、冷却時間20秒とした。
凍結ウルトラミクロトームを用いて射出成形片から厚さ100nmの切片を採取し、切片染色を実施後、透過型電子顕微鏡(日本電子社製JEM-1230)を用いて観察をおこなった。電子顕微鏡画像からセルロース繊維(単繊維)の長手方向に対する垂直方向の長さおよび長手方向の長さを測定した。このとき、垂直方向の長さのうち最大のものを繊維径、長手方向の長さを繊維長とした。同様にして10本のセルロース繊維(単繊維)の繊維径および繊維長を測定し、10本の平均値を算出したものを平均繊維径および平均繊維長とした。
なお、セルロース繊維の上記平均繊維径の測定で繊維径が1μmを超える大きいものについては、ミクロトームにて厚さ10μmの切片を切り出したものを、実体顕微鏡(OLYMPUS社製 SZ-40)を用いて観察をおこない、得られた画像から上記と同様にして繊維径を測定し、平均繊維径を求めた。
十分に乾燥した樹脂組成物を、二軸押出機(芝浦機械社製TEM26SS、スクリュー径26m)の主ホッパーに供給した。260℃で十分に混練し、ストランド状に払出し、切断して、直径3mm×長さ3mmのペレットを得た。ペレット100個を目視で観察し、黒点異物を含むペレットの数について以下の基準に従って評価した。
◎:0~1個(最良)
○:2~5個(良);
△:6~10個(実用上問題なし);
×:11個以上(実用上問題あり)。
(1)で得られた試験片の曲げ弾性率を、ISO178準拠の3点支持曲げ法(支点間距離:64mm、試験速度:2mm/分、試験雰囲気:23℃、50%RH、絶乾状態)にて測定した。曲げ弾性率を以下の基準に従って評価した。
◎:8.0GPa≦曲げ弾性率(最良);
○:6.0GPa≦曲げ弾性率<8.0GPa(良);
△:4.0GPa≦曲げ弾性率<6.0GPa(実用上問題なし);
×:曲げ弾性率<4.0GPa(実用上問題あり)。
(1)で得られた試験片の引張弾性率を、ISO527に基づいて測定した。測定条件=支点間距離:115mm、試験速度:5mm/分、試験雰囲気:23℃、50%RH、絶乾状態。引張弾性率を以下の基準に従って評価した。
◎:4.7GPa≦引張弾性率(最良);
○:3.8GPa≦引張弾性率<4.7GPa(良);
△:3.0GPa<引張弾性率<3.8GPa(実用上問題なし);
×:引張弾性率≦3.0GPa(実用上問題あり)。
(1)で得られた試験片を射出成形時の樹脂の流動方向(MD方向)が長手方向になるように、10mm×4mm×4mmtに切り出した。そのサンプルのMD方向の線膨張係数をJIS K7197に基づいて測定し、20~150℃の領域での平均値を算出した。線膨張係数を以下の基準に従って評価した。
◎:線膨張係数≦7.0×10-6(1/℃)(最良);
○:7.0×10-6(1/℃)<線膨張係数≦15.0×10-6(1/℃)(良);
△:15.0×10-6(1/℃)<線膨張係数≦40.0×10-6(1/℃)(実用上問題なし);
×:40.0×10-6(1/℃)<線膨張係数(実用上問題あり)。
◎:65%≦低下率(最良);
○:60%≦低下率<65%(良);
△:30%≦低下率<60%(実用上問題なし)。
(1)で得られた試験片の熱変形温度をISO 75に基づいて測定した。このとき、荷重は1.8MPaと0.45MPaで測定した。熱変形温度を以下の基準に従って評価した。
・熱変形温度(荷重1.8MPa)
◎:188℃≦熱変形温度(最良);
○:170℃≦熱変形温度<188℃(良);
△:130℃≦<熱変形温度<170℃(実用上問題なし);
×:熱変形温度<130℃(実用上問題あり)。
・熱変形温度(荷重0.45MPa)
◎:217℃≦熱変形温度(最良);
○:207℃≦熱変形温度<217℃(良);
△:200℃≦<熱変形温度<207℃(実用上問題なし);
×:熱変形温度<200℃(実用上問題あり)。
ポリアミド5mgに10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール2mLを加えて溶解させて得られた溶解液をフィルターで濾過し、試料溶液を調製した。この試料溶液を、示差屈折率検出器を備えたゲル浸透クロマトグラフィ装置(GPC、東ソー社製)で分析した。溶離液として10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノールを用いた。分析条件は流速0.4mL/min、温度40℃とした。ポリメチルメタクリレートを標準試料として作成した検量線を用いて、数平均分子量を求めた。
(1)で得られた試験片を粉砕した粉砕物を、射出成形機を用いて射出成形しダンベル試験片を得た。得られたダンベル試験片について、上記(3)および(4)の測定方法と同様にして、曲げ弾性率および引張弾性率を測定した(リサイクル1回目)。このリサイクル成形(試験片の粉砕、射出成形)をさらに2回繰り返して得られた試験片についても、上記(3)および(4)の測定方法と同様にして、曲げ弾性率および引張弾性率を測定した(リサイクル3回目)。
曲げ弾性率および引張弾性率について、初期の物性値(初期値)と3回リサイクル後の試験片の物性値(リサイクル値)を用い、次式により物性保持率を算出した。
物性保持率(%)={(リサイクル値)/(初期値)}×100
3回リサイクル後の物性保持率について以下の基準に従って評価した。
◎:95%≦物性保持率(最良);
○:90%≦物性保持率<95%(良);
△:85≦物性保持率<90%(実用上問題なし);
×:物性保持率<85%(実用上問題あり)。
(1)ポリアミド樹脂モノマー成分
・ε-カプロラクタム
・6-アミノカプロン酸
・ポリアミド66塩(ポリアミド66を構成する原料モノマーの塩であり、詳しくはヘキサメチレンジアミン-アジピン酸の等モル塩)
・ω‐ラウロラクタム
・12-アミノドデカン酸
・A-1:KY110N(ダイセルファインケム社製 セリッシュKY110N、平均繊維径が125nmのセルロース繊維が15質量%含有されたもの。(未変性)。
・A-2:KY100G(ダイセルファインケム社製 セリッシュKY100G、平均繊維径が125nmのセルロース繊維が10質量%含有されたもの。(未変性)。
・A-3:KY100S(ダイセルファインケム社製 セリッシュKY100S、平均繊維径が140nmのセルロース繊維が25質量%含有されたもの。(未変性)。
0.5質量%グルコース、0.5質量%ポリペプトン、0.5質量%酵母エキス、0.1質量%硫酸マグネシウム7水和物からなる組成の培地50mLを、200mL容三角フラスコに分注し、オートクレーブで120℃、20分間蒸気滅菌した。これに試験管斜面寒天培地で生育させたGluconacetobacter xylinus(NBRC 16670)を1白金耳接種し、30℃で7日間静置培養した。7日後、培養液の上層に白色のゲル膜状のバクテリアセルロース繊維が生成した。
得られたバクテリアセルロース繊維をミキサーで破砕後、水で浸漬、洗浄を繰り返すことにより、水置換をおこない、平均繊維径が60nmのバクテリアセルロース繊維が4.1質量%含有された水分散液を調製した。
不織布の製造工程において屑糸として出されたセルロース繊維の集合体に、精製水を加えてミキサーで撹拌し、平均繊維径が120nmの未変性のセルロース繊維が3質量%含有された水分散液を調製した。
漂白後の針葉樹由来の未叩解クラフトパルプ(白色度85%)500g(絶乾)を、TEMPO 780mgおよび臭化ナトリウム75.5gを溶解した水溶液500mLに添加し、パルプが均一に分散するまで撹拌した。そこに次亜塩素酸ナトリウム水溶液を6.0mmol/gになるように加えることで酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するため、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムを消費し、系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターにより濾過してパルプを分離し、十分に水洗することで酸化されたパルプを得た。上記の工程で得られた酸化パルプを水で1.0%(w/v)に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、150MPa)で3回処理して、平均繊維径が10nmのTEMPO触媒酸化セルロース繊維が1.0質量%含有された水分散液を調製した。
なお、TEMPO触媒酸化セルロース繊維を1H-NMR、13C-NMR、FT-IR、中和滴定で分析したところ、セルロース由来の水酸基の一部がカルボキシル基で置換されていることを確認した。
針葉樹漂白クラフトパルプ(王子製紙社製、固形分25%)600gに水19.94kg添加し、固形分濃度が0.75質量%の水懸濁液を調製した。得られたスラリーの機械的解繊処理を、ビーズミル(アイメックス社製 NVM-2)を用いておこない、セルロース繊維を得た(ジルコニアビーズ直径1mm、ビーズ充填量70%、回転数2000rpm、処理回数2回)。遠心分離管一本あたりに、得られたセルロース繊維水分散液100gを入れ、遠心分離(7000rpm、20分)をおこない、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。遠心分離管一本あたりに、アセトン100gを加えて、よく撹拌し、アセトン中に分散させ、遠心分離をおこない、上澄み液を除去し、沈殿物を取り出した。上記の操作をさらに二回繰り返し、固形分5質量%のセルロース繊維アセトンスラリーを得た。
撹拌羽根を備えた四つ口1Lフラスコに、得られたセルロース繊維アセトンスラリーをセルロース繊維の固形分が5gになるように投入した。N-メチル-2-ピロリドン(NMP)を500mL、トルエンを250mL加え、撹拌しながらセルロース繊維をNMP/トルエン中に分散させた。冷却器を取り付け、窒素雰囲気下、分散液を150℃に加熱し、分散液中に含まれるアセトン、水分をトルエンとともに留去した。その後分散液を40℃まで冷却し、ピリジン15mL、ヘキサメチルジシラザン(シリルエーテル化剤)25gを添加して窒素雰囲気下90分反応させ、エーテル変性セルロース繊維のNMP分散液を調製した。
得られたエーテル変性セルロース繊維のNMP分散液を遠心分離機によりセルロース繊維を沈殿させ水置換した。これを3回繰り返し、水で調製し、平均繊維径が100nmのエーテル変性セルロース繊維が1.0質量%含有された水分散液を調製した。
なお、エーテル変性セルロース繊維を1H-NMR、13C-NMR、FT-IRで分析したところ、セルロース由来の水酸基の一部が疎水性のシリルエーテル基で置換されていることを確認した。
セルロース繊維の水分散液として、セリッシュKY110N(ダイセルファインケム社製:平均繊維径が125nmのセルロース繊維が15質量%含有されたもの)を用いた。このセルロース繊維の水分散液13.3質量部とε-カプロラクタム83質量部と6-アミノカプロン酸17質量部を、均一な分散液となるまでミキサーで攪拌、混合し、ペースト状の混合分散液を得た。この混合分散液を、窒素気流下において、徐々に加熱し、加熱の途中において水蒸気を排出しながら、190℃まで温度を上げ、190℃にて12時間静置することにより重合反応をおこなった(低温重合)。このとき撹拌は行わなかった。重合温度(すなわち190℃)において、ε-カプロラクタムは液体状態(すなわち溶融状態)であり、6-アミノカプロン酸は固体状態であった。得られた重合反応物を粉砕し、フレーク状の樹脂組成物を得た。得られたフレーク状の樹脂組成物を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。
セルロース繊維の種類、セルロース繊維の含有量を表1に記載のとおりに変更する以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得た。
セルロース繊維の水分散液として、セリッシュKY110N(ダイセルファインケム社製:平均繊維径が125nmのセルロース繊維が15質量%含有されたもの)を用いた。このセルロース繊維の水分散液167質量部とε-カプロラクタム100質量部を、均一な分散液となるまでミキサーで攪拌、混合し、ペースト状の混合分散液を得た。この混合分散液を攪拌しながら、190℃まで加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ、0.7MPaの圧力まで昇圧した。そののち大気圧まで放圧し、190℃で8時間重合をおこなった。重合温度(すなわち190℃)でε-カプロラクタムは液体状態(すなわち溶融状態)であった。得られた重合反応物を粉砕し、フレーク状の樹脂組成物を得た。得られたフレーク状の樹脂組成物を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。
実施例1と同様にして、セルロース繊維の水分散液33質量部とポリアミド66塩100質量部とを均一な分散液となるまでミキサーで攪拌、混合し、ペースト状の混合分散液を得た。この混合分散液を、窒素気流下において、徐々に加熱し、加熱の途中において水蒸気を排出しながら、240℃まで温度を上げ、240℃にて12時間静置することにより重合反応をおこなった(低温重合)。このとき撹拌は行わなかった。重合温度(すなわち240℃)でポリアミド66塩は液体状態(すなわち溶融状態)であった。得られた重合反応物を粉砕し、フレーク状の樹脂組成物を得た。得られたフレーク状の樹脂組成物を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。
セルロース繊維の含有量および重合温度を表1に記載のとおりに変更する以外は、実施例15と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得た。
実施例16において、重合温度(すなわち240℃)でポリアミド66塩は液体状態(すなわち溶融状態)であった。
実施例17において、重合温度(すなわち195℃)でポリアミド66塩は固体状態であった。
実施例1と同様にして、セルロース繊維の水分散液33質量部とω‐ラウロラクタム83質量部と12-アミノドデカン酸17質量部を均一な分散液となるまでミキサーで攪拌、混合し、ペースト状の混合分散液を得た。この混合分散液を、窒素気流下において、徐々に加熱し、加熱の途中において水蒸気を排出しながら、160℃まで温度を上げ、160℃にて12時間静置することにより重合反応をおこなった(低温重合)。このとき撹拌は行わなかった。重合温度(すなわち160℃)でω-ラウロラクタムは液体状態(すなわち溶融状態)であり、12‐アミノドデカン酸は固体状態であった。得られた重合反応物を粉砕し、フレーク状の樹脂組成物を得た。得られたフレーク状の樹脂組成物を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。
セルロース繊維の含有量を表1に記載のとおりに変更する以外は、実施例18と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得た。
比較例1において重合時間を調整することで、ポリアミド6樹脂(数平均分子量20100、分子量分布2.8)を得た。このポリアミド6樹脂50質量部および実施例6で得られた樹脂組成物50質量部をドライブレンドし、二軸押出機(芝浦機械社製TEM26SS、スクリュー径26mm)の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
比較例1において重合時間を調整することで、ポリアミド6樹脂(数平均分子量21000、分子量分布3.6)を得た。このポリアミド6樹脂50質量部および実施例6で得られた樹脂組成物50質量部をドライブレンドし、二軸押出機(実施例20と同様の二軸押出機)の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
比較例1において重合時間を調整することで、ポリアミド6樹脂(数平均分子量24200、分子量分布3.7)を得た。このポリアミド6樹脂50質量部および実施例6で得られた樹脂組成物50質量部をドライブレンドし、二軸押出機(実施例20と同様の二軸押出機)の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
実施例4で得られた樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110-12E)を用いて射出成形し、ISO規格3167に記載のダンベル試験片(試験部80mm×10mm×4mm)を作製した。射出成形の条件は、樹脂温度250℃、金型温度70℃、射出時間12秒、冷却時間20秒とした。当該試験片を粉砕し、得られた粉砕物を再生材とした。
得られた再生材10質量部および実施例4で得られた樹脂組成物90質量部をドライブレンドし、二軸押出機(芝浦機械社製TEM26SS、スクリュー径26mm)の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
実施例4で得られた樹脂組成物、射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110-12E)を用いて射出成形し、ISO規格3167に記載のダンベル試験片(試験部80mm×10mm×4mm)を作製した。射出成形の条件は、樹脂温度250℃、金型温度70℃、射出時間12秒、冷却時間20秒とした。当該試験片を粉砕し、二軸押出機(芝浦機械社製TEM26SS、スクリュー径26mm)によりリペレット化し、得られたペレットを再生材とした。
得られた再生材10質量部および実施例4で得られた樹脂組成物90質量部をドライブレンドし、二軸押出機(芝浦機械社製TEM26SS、スクリュー径26mm)の主ホッパーに供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
実施例24と同様の操作を行って得られた再生材の混合割合を表5に記載の通りに変更する以外は、実施例24と同様の操作を行って、樹脂組成物のペレットを得た。
セルロース繊維の水分散液を加えなかった以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。
セルロース繊維の水分散液を加えなかった以外は実施例15と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。
セルロース繊維の水分散液を加えなかった以外は実施例18と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。
セルロース繊維の水分散液として、セリッシュKY110N(ダイセルファインケム社製:平均繊維径が125nmのセルロース繊維が15質量%含有されたもの)を用いた。この水分散液に精製水を加えてミキサーで攪拌することで、セルロース繊維の含有量が3質量%の水分散液を調製した。このセルロース繊維の水分散液70質量部とε-カプロラクタム100質量部とを、均一な分散液となるまでさらにミキサーで攪拌、混合した。この混合分散液を攪拌しながら、240℃まで加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ、0.7MPaの圧力まで昇圧した。そののち大気圧まで放圧し、240℃で1時間溶融重合をおこなった。払出し時に得られた樹脂組成物(ペレット)を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。乾燥したペレットを、窒素気流下において、170℃で15時間、固相重合に供した。
比較例4と同様に調製したセルロース繊維水分散液70質量部とε-カプロラクタム100質量部との混合分散液を、攪拌しながら、240℃まで加熱し、徐々に水蒸気を放出しつつ、0.7MPaの圧力まで昇圧した。そののち大気圧まで放圧し、240℃で1時間溶融重合をおこなった。得られた樹脂組成物(ペレット)を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。
セルロース繊維の種類、セルロース繊維の含有量、重合方法を表2または表3に記載のとおりに変更する以外は、比較例4と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得た。
セルロース繊維の種類、セルロース繊維の含有量、重合方法を表2または表3に記載のとおりに変更する以外は、比較例5と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得た。
比較例4と同様にして調製したセルロース繊維水分散液167質量部とポリアミド66塩100質量部とを、均一な分散液となるまでさらにミキサーで攪拌、混合した。この混合分散液を230℃で攪拌しながら、内圧が1.5MPaになるまで加熱した。その圧力に到達後、徐々に水蒸気を放出しつつ、加熱を続けてその圧力を保持した。280℃に達した時点で、常圧まで放圧し、1時間溶融重合をおこなった。払出し時に得られた樹脂組成物(ペレット)を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。乾燥したペレットを、窒素気流下において、220℃で15時間、固相重合に供した。
比較例4と同様にして調製したセルロース繊維水分散液167質量部とポリアミド66塩100質量部とを、均一な分散液となるまでさらにミキサーで攪拌、混合した。この混合分散液を230℃で攪拌しながら、内圧が1.5MPaになるまで加熱した。その圧力に到達後、徐々に水蒸気を放出しつつ、加熱を続けてその圧力を保持した。280℃に達した時点で、常圧まで放圧し、1時間溶融重合をおこなった。払出し時に得られた樹脂組成物(ペレット)を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。
比較例4と同様に調製したセルロース繊維水分散液167質量部とω-ラウロラクタム83質量部と12‐アミノドデカン酸17質量部とを、均一な分散液となるまでさらにミキサーで攪拌、混合した。この混合分散液を、窒素気流下において、徐々に加熱し、加熱の途中において水蒸気を排出しながら、200℃まで温度を上げ、230℃にて1時間攪拌し、重合反応をおこなった。払出し時に得られた樹脂組成物(ペレット)を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。乾燥したペレットを、窒素気流下において、150℃で15時間、固相重合に供した。
比較例4と同様に調製したセルロース繊維水分散液167質量部とω-ラウロラクタム83質量部と12‐アミノドデカン酸17質量部とを、均一な分散液となるまでさらにミキサーで攪拌、混合した。この混合分散液を、窒素気流下において、徐々に加熱し、加熱の途中において水蒸気を排出しながら、200℃まで温度を上げ、230℃にて1時間攪拌し、重合反応をおこなった。払出し時に得られた樹脂組成物(ペレット)を95℃の熱水で精練した後、乾燥させた。
セルロース繊維の水分散液を加えなかった以外は比較例5と同様にしてポリアミド樹脂(PA6)を得た。この操作を10回行い、10種類のポリアミド樹脂(PA6)を得た。10種類のポリアミド樹脂(PA6)の融点を示差走査型熱量計により測定し、これらの測定値の平均値をポリアミド樹脂(PA6)の融点として用いた。ポリアミド樹脂(PA6)の融点は220℃であった。
セルロース繊維の水分散液を加えなかった以外は比較例31と同様にしてポリアミド樹脂(PA66)を得た。この操作を10回行い、10種類のポリアミド樹脂(PA66)を得た。10種類のポリアミド樹脂(PA66)の融点を示差走査型熱量計により測定し、これらの測定値の平均値をポリアミド樹脂(PA66)の融点として用いた。ポリアミド樹脂(PA66)の融点は270℃であった。
セルロース繊維の水分散液を加えなかった以外は比較例33と同様にしてポリアミド樹脂(PA12)を得た。この操作を10回行い、10種類のポリアミド樹脂(PA12)を得た。10種類のポリアミド樹脂(PA12)の融点を示差走査型熱量計により測定し、これらの測定値の平均値をポリアミド樹脂(PA12)の融点として用いた。ポリアミド樹脂(PA12)の融点は175℃であった。
比較例1で得られたポリアミド樹脂100質量部を二軸押出機の主ホッパーに供給し、途中、サイドフィーダーよりガラス繊維43質量部を供給した。260℃で十分に溶融混練し、ストランド状に払い出し、切断して、樹脂組成物のペレットを得た。
重合法A:低温重合;
重合法B:溶融重合+その後の固相重合;
重合法C:溶融重合。
重合法Bの重合温度は溶融重合時の温度とする。
(1)実施例1~4、6~15および18の線膨張係数の低下率はそれぞれ、比較例5,7,9,11,15,17,19,21,23,25,27,29,11,31および33の線膨張係数からの低下率を示す。
参考例1で得られたポリアミドの融点=220℃。
参考例2で得られたポリアミドの融点=270℃。
参考例3で得られたポリアミドの融点=175℃。
なお、溶融重合法と固相重合法とを組み合わせて採用した比較例(詳しくは比較例4、6、8、10、14、16、18、20、22、24、26、28、30および32)の線膨張係数は、溶融重合法のみを採用したこと以外、各比較例と同様の比較例(それぞれ比較例5、7、9、11、15、17、19、21、23、25、27、29、31および33)の線膨張係数と同程度の値であった。
比較例4~33では、ポリアミド樹脂組成物の製造時に、ポリアミド樹脂組成物を溶融状態で保持しなければならず、重合の進行に伴い、溶融粘度が高くなって払出しが困難となり、収率は70質量%以下であった。比較例4~33における収率は、溶融重合後、重合反応物を精練のために、反応容器から取り出したとき、反応容器に付着して回収困難な重合反応物の割合を100質量%から減じた値である。
Claims (16)
- ポリアミド樹脂100質量部に対してセルロース繊維0.01~200質量部を含有するポリアミド樹脂組成物であって、
前記ポリアミド樹脂組成物を直径3mm×長さ3mmのペレットにした場合のペレット100個当たりの黒点異物含有ペレットの個数が10個以下であり、
前記ポリアミド樹脂組成物から得られる成形体の引張弾性率が3.0GPaを超えるポリアミド樹脂組成物。 - 前記ポリアミド樹脂が重合温度で液体状態のモノマーをモノマー成分として含む、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記ポリアミド樹脂組成物から得られる成形体の線膨張係数が40×10-6(1/℃)以下である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記成形体の線膨張係数が、溶融重合法により製造されたポリアミド樹脂組成物から得られる成形体の線膨張係数を基準として、30%以上の低下率を示す、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して4~100質量部である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- 前記セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して8~100質量部であり、
前記ポリアミド樹脂が重合温度で液体状態のモノマーをモノマー成分として含む、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。 - 前記セルロース繊維の含有量がポリアミド樹脂100質量部に対して22~100質量部であり、
前記ポリアミド樹脂が重合温度で液体状態のモノマーを原料成分として含むポリアミド6である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。 - 前記セルロース繊維(B)の平均繊維径が10μm以下である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂の融点未満の重合温度で重合反応を行う請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- ポリアミド樹脂が重合温度で液体状態のモノマーを原料成分として含む、請求項9に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 水を用いて重合反応を行う、請求項9に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 前記重合温度が、ポリアミド樹脂の融点-75(℃)以上、ポリアミド樹脂の融点未満である、請求項9に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項13に記載の成形体を粉砕および/またはリペレット化した再生材。
- 請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物と、請求項14に記載の再生材の混合物。
- 請求項15に記載の混合物を成形してなる成形体。
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