JP7391302B2 - マンガンスケール発生抑制剤及びマンガンスケール発生抑制方法 - Google Patents
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Description
また、マンガン鉱石から製錬マンガンを製造する工程でも排ガスの処理によりマンガンを含むガス集塵水が生成され、系内でマンガンスケールが発生する。
上記水系には、マンガン析出物とマンガンイオンとが含まれていることが好ましい。
また、本発明のマンガンスケール発生抑制剤は、上記水系に設置された濾過器に発生するマンガンスケールを抑制するものであることが好ましい。
上記水系には、マンガン析出物とマンガンイオンとが含まれていることが好ましい。
また、上記水系は、冷却水系及び/又は集塵水系であることが好ましい。
また、上記水系は、濾過器を有する冷却水系であることが好ましい。
また、本発明のマンガンスケール発生抑制方法は、上記水系に設置された濾過器に発生したマンガンスケールを抑制するものであることが好ましい。
マンガンイオンは、pHや酸化度により溶解度を大幅に変える性質を持つが、マンガンスケールが問題となる上記水系では、水は大気とのエアレーションの影響を強く受け、炭酸平衡が影響するpH5~10、好ましくは6~9になる。また冷却水や集塵水系には、他の夾雑物が多く含まれる。例えば、鉄鋼製造過程の集塵水系では、マンガン以外に亜鉛や鉄のイオン及び析出粒子を多く含むことで、マンガンの溶解性をより悪化させる。
このような操業を継続することにより循環冷却水中のイオン状マンガン濃度が高まり、マンガンスケールが水槽や配管、特に集塵水を処理する濾過器5や冷却塔6に付着するようになる。
なお、すでに析出しているマンガン析出粒子を分散させておくことで、濾過器の逆洗工程により容易に堆積物が除去され、さらに逆洗水に本発明のマンガンスケール発生抑制剤を加えることで、溶解効果及び/又は分散効果が得られる。また、逆洗に用いられるエネルギーが削減される効果も期待でき、さらに低濃度添加で効果が得られることは、排水でのリンやCODなどを処理する上での削減にもつながる。
沈殿池4としても、公知の任意のものが採用できるが、好ましくは凝集沈殿槽や加圧浮上槽に凝集剤を添加することにより行う方式のものが採用できる。この凝集剤に特に制限はなく、例えば、従来公知のアニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、カチオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤、さらには無機凝集剤などを挙げることができる。無機凝集剤としては、例えばポリ塩化アルミニウム、硫酸バンド、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄などがある
ホスフィノカルボン酸系ポリマー:Belclene(登録商標)400(BWA社製)
HEDP:1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(東京化成工業(株)社製)
某製鉄所脱ガス工程で得られた集塵水を取水し、これを試験水とした。試験水を1Lビーカーに1L取水し、この試験水と、これを5C濾紙で濾過したろ液の、マンガン濃度とpHを測定した。5C濾紙で濾過したろ液を目視で観察したところ濁りはなかった。
次に、試験水1Lを2時間エアバブリングした後に、試験水中の溶存マンガン濃度(すなわち、マンガンイオン濃度)とpHを測定した。結果は下記表1の通りであった。
下記試験を実施し、実施例及び比較例に係る上記各種薬剤の濃度別のマンガン再溶解化率を測定した。なお、薬剤を添加しなかった試験例を参考例1とした。
試験水1Lに、上記各種薬剤を下記表2に記載の濃度で添加したサンプルを作製し、各サンプルに対し2時間エアバブリングを行い、pHを8.4まで上昇させた。次にジャーテスト装置にエアバブリング後のサンプルを導入し、43℃、200rpmの条件で2時間加温撹拌した。加温撹拌終了後、サンプル水を5C濾紙で濾過し、ろ液の溶存マンガン濃度(マンガンイオン濃度)を測定した。また、上記加温撹拌が終了した各試験水を一晩静置した後の濁度を測定した。測定結果を下記表2に示す。
マンガン(Mn)再溶解化率=試験後Mnイオン濃度(mg/L)/試験前Mnイオン濃度(mg/L)×100
なお、試験前Mnイオン濃度(mg/L)としては、エアバブリング前の0.13mg/Lを用いて、再溶解化率を算出した。
下記表2では、算出されたマンガン再溶解化率が100以上である場合の評価を〇とし、100未満である場合を×とした。
また、下記表2では、試験により得られた濁度が50以上である場合の評価を〇とし、50未満の場合の評価を×とした。
なお、比較例3においては、添加濃度が50mg/Lにおいてマンガン再溶解化率が115%と100%以上の値を示しており、溶解化力が見られた。しかし、濁度の維持は見られず、マンガン析出粒子の分散効果は見られなかった。一方、実施例1では、添加濃度が5mg/Lの低濃度においてマンガン再溶解化率が200%を超え高い溶解化力を示し、また、濁度が50以上の高い値で維持され、マンガン析出粒子及びその他の析出粒子の高い分散性を示した。よって、本発明のマンガンスケール発生抑制剤及びマンガンスケール発生抑制方法では、薬剤の使用量を低減してもマンガンスケールの発生を効果的に抑制できることが確認できた。
2 シールタンク
3 集塵水槽
4 沈殿池
5 濾過器
6 冷却塔
7 給水タンク
Claims (4)
- 水系のマンガンスケールの発生を抑制するマンガンスケール発生抑制剤であって、有効成分としてホスフィノカルボン酸系ポリマーを含み(ただし、セリウム含有組成物を含まない)、前記水系は、冷却水系及び/又は集塵水系であり(ただし、地下水である場合を除く)、前記水系に含まれるマンガン析出物の溶解及び/又は分散のために用いられることを特徴とするマンガンスケール発生抑制剤。
- 水系に設置された濾過器に発生するマンガンスケールを抑制する請求項1に記載のマンガンスケール発生抑制剤。
- ホスフィノカルボン酸系ポリマーが有効成分濃度として、水系への送水量に対して100mg/L以下となるように添加される請求項1又は2に記載のマンガンスケール発生抑制剤。
- 水系に、請求項1又は2に記載のマンガンスケール発生抑制剤を添加し、マンガンスケールの発生を抑制するものであり、
前記水系は、冷却水系及び/又は集塵水系であり(ただし、地下水である場合を除く)、マンガン析出物を含み、
ホスフィノカルボン酸系ポリマーが有効成分濃度として、前記水系への送水量に対して100mg/L以下となるように前記マンガンスケール発生抑制剤を添加することを特徴とするマンガンスケール発生抑制方法。
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