JP7389398B1 - 積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴム層とフッ素樹脂層とを備える積層体であって、ゴム層が導電性を有しており、ゴム層とフッ素樹脂層とが強固に接着している積層体を提供すること。【解決手段】ゴム層(A)と、ゴム層(A)上に積層されたフッ素樹脂層(B)と、を備える積層体であって、ゴム層(A)が、導電性を有する層であって、ゴムおよびカーボンブラックを含有するゴム組成物から形成され、前記ゴム組成物中の前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム100質量部に対して、1.0~100質量部であり、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、140m2/g以下であり、フッ素樹脂層(B)が、溶融成形可能なフッ素樹脂から形成される積層体を提供する。【選択図】 なし
Description
本開示は、積層体に関する。
特許文献1には、フッ素ゴム層(A)、およびフッ素ゴム層(A)上のフルオロポリマー層(B)を含む積層体であって、
フッ素ゴム層(A)が、架橋用フッ素ゴム組成物から作製される層であり、架橋用フッ素ゴム組成物が、未架橋フッ素ゴム、シリカ粒子、および塩基性多官能化合物を含み、シリカ粒子の「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値が、17.5nm以上500μm以下であり、シリカ粒子が、未架橋フッ素ゴム100質量部当たり、1質量部以上70質量部以下の量で架橋用フッ素ゴム組成物に含有され、
フルオロポリマー層(B)が、フルオロポリマー組成物から作製される層であり、フルオロポリマー組成物が、フルオロポリマーを含み、前記フルオロポリマーが、クロロトリフルオロエチレンコポリマーまたはテトラフルオロエチレンコポリマーであり、テトラフルオロエチレンコポリマーが、テトラフルオロエチレン単位、ならびにパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニリデン、および一般式CX8X9=CX10Y(式中、X8、X9、およびX10は、独立してFまたはHであり、Yは、-Clまたは-Rf5-Brであり、Rf5は、単結合またはC1~C5パーフルオロアルキレンである)で表されるモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーに由来する単位を含む、積層体が記載されている。
フッ素ゴム層(A)が、架橋用フッ素ゴム組成物から作製される層であり、架橋用フッ素ゴム組成物が、未架橋フッ素ゴム、シリカ粒子、および塩基性多官能化合物を含み、シリカ粒子の「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値が、17.5nm以上500μm以下であり、シリカ粒子が、未架橋フッ素ゴム100質量部当たり、1質量部以上70質量部以下の量で架橋用フッ素ゴム組成物に含有され、
フルオロポリマー層(B)が、フルオロポリマー組成物から作製される層であり、フルオロポリマー組成物が、フルオロポリマーを含み、前記フルオロポリマーが、クロロトリフルオロエチレンコポリマーまたはテトラフルオロエチレンコポリマーであり、テトラフルオロエチレンコポリマーが、テトラフルオロエチレン単位、ならびにパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、フッ化ビニリデン、および一般式CX8X9=CX10Y(式中、X8、X9、およびX10は、独立してFまたはHであり、Yは、-Clまたは-Rf5-Brであり、Rf5は、単結合またはC1~C5パーフルオロアルキレンである)で表されるモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーに由来する単位を含む、積層体が記載されている。
本開示では、ゴム層とフッ素樹脂層とを備える積層体であって、ゴム層が導電性を有しており、ゴム層とフッ素樹脂層とが強固に接着している積層体を提供することを目的とする。
本開示によれば、ゴム層(A)と、ゴム層(A)上に積層されたフッ素樹脂層(B)と、を備える積層体であって、ゴム層(A)が、導電性を有する層であって、ゴムおよびカーボンブラックを含有するゴム組成物から形成され、前記ゴム組成物中の前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム100質量部に対して、1.0~100質量部であり、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、140m2/g以下であり、フッ素樹脂層(B)が、溶融成形可能なフッ素樹脂から形成される積層体が提供される。
本開示によれば、ゴム層とフッ素樹脂層とを備える積層体であって、ゴム層が導電性を有しており、ゴム層とフッ素樹脂層とが強固に接着している積層体を提供することができる。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本開示の積層体は、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とを備えている。特許文献1には、フッ素ゴム層(A)およびフルオロポリマー層(B)を含む積層体が記載されている。しかし、積層体のゴム層に導電性を付与できるとともに、導電性を有するゴム層とフッ素樹脂層とを強固に接着させることができる技術が求められている。
上記の課題を解決する手段を鋭意検討した結果、カーボンブラックのなかから、極めて限定された範囲の窒素吸着比表面積を有するカーボンブラックを選択し、それを適切な量でゴムに配合することによって、ゴム層に導電性を付与できるとともに、導電性を有するゴム層とフッ素樹脂層とが強固に接着した積層体が得られることが見出された。
このような従来にはない積層体を構成するための各構成要素について、次に詳細に説明する。
(A)ゴム層
本開示の積層体が備えるゴム層は、導電性を有している。ゴム層の導電性の有無は、たとえば、ゴム層の表面抵抗値を測定することにより、確認することができる。ゴム層の表面抵抗値は、積層体の帯電を十分に防止する観点から、好ましくは10MΩ以下であり、より好ましくは5MΩ以下であり、さらに好ましくは1MΩ以下である。
本開示の積層体が備えるゴム層は、導電性を有している。ゴム層の導電性の有無は、たとえば、ゴム層の表面抵抗値を測定することにより、確認することができる。ゴム層の表面抵抗値は、積層体の帯電を十分に防止する観点から、好ましくは10MΩ以下であり、より好ましくは5MΩ以下であり、さらに好ましくは1MΩ以下である。
ゴム層の表面抵抗値は、たとえば、絶縁抵抗計を用いて測定することができる。
ゴム層は、ゴム組成物から形成される層である。ゴム層は、通常、ゴム組成物を成形して未架橋ゴム層を得た後、架橋処理して得られるものである。
ゴム組成物は、ゴムおよびカーボンブラックを含有する。
(カーボンブラック)
ゴム組成物は、窒素吸着比表面積が140m2/g以下のカーボンブラックを含有する。窒素吸着比表面積が大きいカーボンブラックを用いることによって、導電性を有するゴム層とフッ素樹脂層とが強固に接着した積層体が得られる。
ゴム組成物は、窒素吸着比表面積が140m2/g以下のカーボンブラックを含有する。窒素吸着比表面積が大きいカーボンブラックを用いることによって、導電性を有するゴム層とフッ素樹脂層とが強固に接着した積層体が得られる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、140m2/g以下であり、好ましくは120m2/g以下であり、より好ましくは100m2/g以下であり、さらに好ましくは80m2/g以下であり、特に好ましくは75m2/g以下であり、最も好ましくは70m2/g以下であり、より好ましくは25m2/g以上である。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K 6217-2に準拠して求めることができる。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、好ましくは28nm以上であり、より好ましくは32nm以上であり、さらに好ましくは35nm以上であり、好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下である。上記数値範囲内の平均一次粒子径を有するカーボンブラックを用いることによって、ゴム層とフッ素樹脂層とが一層強固に接着した積層体が得られる。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、カーボンブラックの一次粒子の算術平均粒子径である。カーボンブラックの平均一次粒子径は、カーボンブラックの一次粒子を電子顕微鏡により観察することにより求めることができる。
ゴム組成物中の前記カーボンブラックの含有量は、ゴム100質量部に対して、1.0~100質量部であり、好ましくは3.0質量部以上であり、より好ましくは6.0質量部以上であり、さらに好ましくは8.0質量部超であり、特に好ましくは9.0質量部以上であり、好ましくは50質量部以下であり、より好ましくは30質量部以下であり、さらに好ましくは20質量部以下である。窒素吸着比表面積が大きいカーボンブラックの含有量を上記の範囲内とすることによって、ゴム層の導電性およびゴム層とフッ素樹脂層と接着性を向上させることができるとともに、ゴム層の柔軟性やゴム層の物性を適切に調整することができる。
ゴム組成物に含まれるカーボンブラックとして、導電性を有するカーボンブラックが用いられる。導電性を有するカーボンブラックを選択し、さらには、極めて限定された範囲の窒素吸着比表面積を有するカーボンブラックを選択し、それを適切な量でゴムに配合することによって、ゴム層に導電性を付与できるとともに、導電性を有するゴム層とフッ素樹脂層とが強固に接着した積層体が得られる。カーボンブラック自体の導電性を定量的に評価することは容易ではないが、本開示の積層体においては、上記範囲内の含有量になるようにゴム組成物にカーボンブラックを配合した場合に、ゴム層に導電性を付与できる程度の導電性を有するカーボンブラックが選択される。一実施形態においては、ゴム層の表面抵抗値が上記した範囲内になるようなカーボンブラックの種類およびカーボンブラックの含有量が選択される。
(ゴム)
ゴム組成物に含まれるゴムとしては、たとえば、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)またはその水素化物(HNBR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等などのジエン系ゴム、エチレン-プロピレン-ターモノマー共重合体ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、塩素化ポリエチレン(CPE)、アクリロニトリル-ブタジエンゴムと塩化ビニルのポリブレンド(PVC-NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴムなどが挙げられる。
ゴム組成物に含まれるゴムとしては、たとえば、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)またはその水素化物(HNBR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等などのジエン系ゴム、エチレン-プロピレン-ターモノマー共重合体ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、塩素化ポリエチレン(CPE)、アクリロニトリル-ブタジエンゴムと塩化ビニルのポリブレンド(PVC-NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴムなどが挙げられる。
ゴムとしては、なかでも、フッ素ゴムが好ましい。フッ素ゴムは、通常、主鎖を構成する炭素原子に結合しているフッ素原子を有し、且つゴム弾性を有する非晶質の重合体からなる。上記フッ素ゴムは、1種の重合体からなるものであってもよいし、2種以上の重合体からなるものであってもよい。フッ素ゴムは、通常、明確な融点を有さないものである。
フッ素ゴムは、ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VdF/HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体、TFE/プロピレン共重合体、TFE/プロピレン/VdF共重合体、エチレン/HFP共重合体、エチレン/HFP/VdF共重合体、エチレン/HFP/TFE共重合体、VdF/TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体、VdF/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体、および、VdF/CHX1=CX2Rf1(式中、X1およびX2は、一方がHであり、他方がFであり、Rf1は、炭素数1~12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基)共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。フッ素ゴムは、非パーフルオロフッ素ゴムであることが好ましく、ビニリデンフルオライドに由来する重合単位(VdF単位)を含む共重合体であることがより好ましい。
VdF単位を含む共重合体としては、VdF単位および含フッ素エチレン性単量体由来の共重合単位(但し、VdF単位は除く。以下、「含フッ素エチレン性単量体単位(a)」ともいう。)を含む共重合体であることが好ましい。VdF単位を含む共重合体は、VdF単位および含フッ素エチレン性単量体単位(a)のみからなる共重合体であってもよいし、更に、VdFおよび含フッ素エチレン性単量体(但し、VdFは除く。以下、「含フッ素エチレン性単量体(a)」ともいう。)と共重合可能な単量体由来の共重合単位を含む共重合体であってもよい。
VdF単位を含む共重合体としては、VdF単位および含フッ素エチレン性単量体単位(a)の合計100モル%に対して、30~90モル%のVdF単位および70~10モル%の含フッ素エチレン性単量体単位(a)を含むことが好ましく、30~85モル%のVdF単位および70~15モル%の含フッ素エチレン性単量体単位(a)を含むことがより好ましく、30~80モル%のVdF単位および70~20モル%の含フッ素エチレン性単量体単位(a)を含むことが更に好ましい。
VdFおよび含フッ素エチレン性単量体単位(a)と共重合可能な単量体由来の共重合単位(但し、VdF単位は除く。)は、VdF単位と含フッ素エチレン性単量体(a)由来の共重合単位の合計量に対して、0~10モル%であることが好ましい。
VdFおよび含フッ素エチレン性単量体単位(a)と共重合可能な単量体由来の共重合単位(但し、VdF単位は除く。)は、VdF単位と含フッ素エチレン性単量体(a)由来の共重合単位の合計量に対して、0~10モル%であることが好ましい。
含フッ素エチレン性単量体(a)としては、たとえばTFE、CTFE、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、PAVE、フッ化ビニル、一般式(1):
CHX1=CX2Rf1 (1)
(式中、X1およびX2は、一方がHであり、他方がFであり、Rf1は、炭素数1~12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基)で表される化合物、一般式(2):
CFX=CXOCF2OR1 (2)
(式中、Xは、同一または異なり、H、FまたはCF3を表し、R1は、直鎖または分岐した、H、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1~2個含んでいてもよい炭素数が1~6のフルオロアルキル基、若しくは、H、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1~2個含んでいてもよい炭素数が5または6の環状フルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロビニルエーテルなどの含フッ素単量体が挙げられる。これらのなかでも、CH2=CFCF3、式(2)で表されるフルオロビニルエーテル、TFE、HFPおよびPAVEからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、TFE、HFPおよびPAVEからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
CHX1=CX2Rf1 (1)
(式中、X1およびX2は、一方がHであり、他方がFであり、Rf1は、炭素数1~12の直鎖または分岐したフルオロアルキル基)で表される化合物、一般式(2):
CFX=CXOCF2OR1 (2)
(式中、Xは、同一または異なり、H、FまたはCF3を表し、R1は、直鎖または分岐した、H、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1~2個含んでいてもよい炭素数が1~6のフルオロアルキル基、若しくは、H、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1~2個含んでいてもよい炭素数が5または6の環状フルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロビニルエーテルなどの含フッ素単量体が挙げられる。これらのなかでも、CH2=CFCF3、式(2)で表されるフルオロビニルエーテル、TFE、HFPおよびPAVEからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、TFE、HFPおよびPAVEからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
PAVEとしては、一般式(3):
CF2=CFO(CF2CFY1O)p-(CF2CF2CF2O)q-Rf (3)
(式中、Y1はFまたはCF3を表し、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。pは0~5の整数を表し、qは0~5の整数を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)またはパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であることがより好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)であることが更に好ましい。これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
CF2=CFO(CF2CFY1O)p-(CF2CF2CF2O)q-Rf (3)
(式中、Y1はFまたはCF3を表し、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。pは0~5の整数を表し、qは0~5の整数を表す。)で表される化合物であることが好ましい。
PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)またはパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であることがより好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)であることが更に好ましい。これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用いることができる。
VdFおよび含フッ素エチレン性単量体(a)と共重合可能な単量体としては、たとえばエチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどが挙げられる。
このようなVdF単位を含む共重合体として、具体的には、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/CTFE/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体、VdF/CH2=CFCF3共重合体、および、VdF/TFE/CH2=CFCF3共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体が好ましい。これらのVdF単位を含む共重合体のなかでも、耐熱性の点から、VdF/HFP共重合体、および、VdF/HFP/TFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体が特に好ましい。これらのVdF単位を含む共重合体は、上述したVdF単位と含フッ素エチレン性単量体単位(a)との組成割合を満足することが好ましい。
VdF/HFP共重合体としては、VdF/HFPのモル比が45~85/55~15であるものが好ましく、より好ましくは50~80/50~20であり、更に好ましくは60~80/40~20である。
VdF/HFP/TFE共重合体としては、VdF/HFP/TFEのモル比が30~85/5~50/5~40であることが好ましく、VdF/HFP/TFEのモル比が35~80/8~45/8~35であることがより好ましく、VdF/HFP/TFEのモル比が40~80/10~40/10~30であることが更に好ましく、VdF/HFP/TFEのモル比が40~80/10~35/10~30であるものが最も好ましい。
VdF/PAVE共重合体としては、VdF/PAVEのモル比が65~90/10~35であるものが好ましい。
VdF/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/TFE/PAVEのモル比が40~80/3~40/15~35であるものが好ましい。
VdF/HFP/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/PAVEのモル比が65~90/3~25/3~25であるものが好ましい。
VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/TFE/PAVEのモル比が40~90/0~25/0~40/3~35であるものが好ましく、より好ましくは40~80/3~25/3~40/3~25である。
上記フッ素ゴムは、架橋部位を与えるモノマー由来の共重合単位を含む共重合体からなることも好ましい。架橋部位を与えるモノマーとしては、たとえば特公平5-63482号公報、特開平7-316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6-ジヒドロ-6-ヨード-3-オキサ-1-ヘキセン)やパーフルオロ(5-ヨード-3-オキサ-1-ペンテン)などのヨウ素含有モノマー、特表平4-505341号公報に記載されている臭素含有モノマー、特表平4-505345号公報、特表平5-500070号公報に記載されているようなシアノ基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アルコキシカルボニル基含有モノマーなどが挙げられる。
フッ素ゴムは、主鎖末端にヨウ素原子または臭素原子を有するフッ素ゴムであることも好ましい。主鎖末端にヨウ素原子または臭素原子を有するフッ素ゴムは、実質的に無酸素下で、水媒体中でハロゲン化合物の存在下に、ラジカル開始剤を添加してモノマーの乳化重合を行うことにより製造できる。使用するハロゲン化合物の代表例としては、たとえば、一般式:
R2IxBry
(式中、xおよびyはそれぞれ0~2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R2は、炭素数1~16の飽和若しくは不飽和のフルオロ炭化水素基、炭素数1~16の飽和若しくは不飽和のクロロフルオロ炭化水素基、炭素数1~3の炭化水素基、または、ヨウ素原子若しくは臭素原子で置換されていてもよい炭素数3~10の環状炭化水素基であり、これらは酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物が挙げられる。
R2IxBry
(式中、xおよびyはそれぞれ0~2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R2は、炭素数1~16の飽和若しくは不飽和のフルオロ炭化水素基、炭素数1~16の飽和若しくは不飽和のクロロフルオロ炭化水素基、炭素数1~3の炭化水素基、または、ヨウ素原子若しくは臭素原子で置換されていてもよい炭素数3~10の環状炭化水素基であり、これらは酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、たとえば、1,3-ジヨードパーフルオロプロパン、1,3-ジヨード-2-クロロパーフルオロプロパン、1,4-ジヨードパーフルオロブタン、1,5-ジヨード-2,4-ジクロロパーフルオロペンタン、1,6-ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8-ジヨードパーフルオロオクタン、1,12-ジヨードパーフルオロドデカン、1,16-ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジヨード-n-プロパン、CF2Br2、BrCF2CF2Br、CF3CFBrCF2Br、CFClBr2、BrCF2CFClBr、CFBrClCFClBr、BrCF2CF2CF2Br、BrCF2CFBrOCF3、1-ブロモ-2-ヨードパーフルオロエタン、1-ブロモ-3-ヨードパーフルオロプロパン、1-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブタン、2-ブロモ-3-ヨードパーフルオロブタン、3-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、2-ブロモ-4-ヨードパーフルオロブテン-1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ベンゼンのジヨードモノブロモ置換体、ならびに、ベンゼンの(2-ヨードエチル)および(2-ブロモエチル)置換体などがあげられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性などの点から、1,4-ジヨードパーフルオロブタンまたはジヨードメタンを用いるのが好ましい。
上記フッ素ゴムは、ゴム組成物を製造する際の加工性が良好である点から、ムーニー粘度(ML1+10(100℃))が5~200であることが好ましく、10~150であることがより好ましく、20~100であることが更に好ましい。
ムーニー粘度は、ASTM-D1646に準拠して測定することができる。
測定機器:ALPHA TECHNOLOGIES社製のMV2000E型
ローター回転数:2rpm
測定温度:100℃
ムーニー粘度は、ASTM-D1646に準拠して測定することができる。
測定機器:ALPHA TECHNOLOGIES社製のMV2000E型
ローター回転数:2rpm
測定温度:100℃
ゴム組成物は、ゴム成分が上記フッ素ゴムのみからなるものであることが好ましい。
(塩基性の多官能化合物)
ゴム組成物は、塩基性の多官能化合物をさらに含有することが好ましい。ゴム組成物が塩基性の多官能化合物を含有することによって、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着させることができる。塩基性の多官能化合物は、1つの分子中に同一または異なる構造の2つ以上の官能基を有し、塩基性を示す化合物である。
ゴム組成物は、塩基性の多官能化合物をさらに含有することが好ましい。ゴム組成物が塩基性の多官能化合物を含有することによって、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着させることができる。塩基性の多官能化合物は、1つの分子中に同一または異なる構造の2つ以上の官能基を有し、塩基性を示す化合物である。
塩基性の多官能化合物が有する官能基としては、塩基性を示すものであることが好ましく、たとえば、-NH2、-NH3
+、-NHCOOH、-NHCOO-、-N=CR1R2(式中、R1およびR2は、独立して、炭素数0~12の有機基である)、-NR3R4(式中、R3およびR4は、独立して、炭素数0~12の有機基である)、-NR3R4R5(式中、R3、R4およびR5は、独立して、炭素数0~12の有機基である)、および、加熱によって上記官能基に変化する官能基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、-NH2、-NH3
+、-N=CR1R2(式中、R1およびR2は、上記と同じ)、および、-NR3R4R5(式中、R3、R4およびR5は、上記と同じ)からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、-NH2、-NH3
+および-N=CR1R2(式中、R1およびR2は、上記と同じ)からなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。多官能化合物が有する官能基の数は、2以上であれば特に限定されないが、好ましくは2~8であり、より好ましくは2~4であり、さらに好ましくは2または3であり、特に好ましくは2である。
上記R1、R2、R3、R4およびR5は、独立して、-H、または、炭素数1~12の有機基であることが好ましく、-H、または、炭素数1~12の炭化水素基であることが好ましい。上記炭化水素基は、1または2以上の炭素-炭素二重結合を有するものであってもよい。上記炭化水素基の炭素数は、1~8であることが好ましい。
上記R1は-H、または、-CH3であり、R2は、-CH=CHR6(R6は、フェニル基(-C6H5)、ベンジル基(-CH2-C6H5)、または、-Hである)であることが好ましく、上記R1は-Hであり、R2は、-CH=CH-C6H5であることがより好ましい。
上記塩基性の多官能化合物としては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、プトレシン、カダベリン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタンジアミン、オクタンジアミン、ノナンジアミン、デカンジアミン、ウンデカンジアミン、ドデカンジアミン、フェニレンジアミン、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,6-ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ジメチル-1,6-ヘキサメチレンジアミン、6-アミノヘキシルカルバミド酸などが挙げられる。
上記塩基性の多官能化合物は、分子中に少なくとも2個の窒素原子を含有し、窒素-窒素間の原子間距離が5.70Å以上であることが好ましい。上記窒素-窒素間の原子間距離は、6.30Å以上であることがより好ましく、7.60Å以上であることが更に好ましく、8.60Å以上であることが特に好ましい。窒素-窒素間の原子間距離が広いことによって塩基性の多官能化合物の柔軟性が増し、架橋が容易となる。
ここで、窒素-窒素間の原子間距離は下記の方法に従って計算する。すなわち、各塩基の構造最適化は密度汎関数法(プログラムはGaussian03、密度汎関数はB3LYP、基底関数は6-31G*)を用いて算出する。
塩基性の多官能化合物としては、ゴム層とフッ素樹脂層との接着性の点で、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサメチレンジアミンおよびNH2-(CH2)n-NH2(式中、nは5~12)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ヘキサメチレンジアミン、および、N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサメチレンジアミンからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
ゴム組成物において、塩基性の多官能化合物の含有量は、ゴム層とフッ素樹脂層とがより強固に接着することから、ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1~10質量部であり、より好ましくは1.0質量部以上であり、さらに好ましくは2.0質量部以上であり、より好ましくは7.0質量部以下であり、さらに好ましくは5.0質量部以下である。
(ポリテトラフルオロエチレン)
ゴム組成物は、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着させることができることから、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をさらに含有することも好ましい。
ゴム組成物は、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着させることができることから、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をさらに含有することも好ましい。
PTFEの比表面積は、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着させることができることから、好ましくは8m2/g未満であり、より好ましくは6.0m2/g以下であり、さらに好ましくは4.0m2/g以下であり、特に好ましくは3.0m2/g以下であり、好ましくは0.5m2/g以上であり、より好ましくは1.0m2/g以上である。
PTFEの比表面積は、表面分析計(商品名:BELSORP-miniII、マイクロトラック・ベル社製)を用い、キャリアガスとして窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却に液体窒素を用いて、BET法により測定する。
PTFEは溶融加工性を有することが好ましい。また、PTFEの380℃における溶融粘度としては、好ましくは1×101~7×105Pa・sである。
上記の範囲内の溶融粘度を有するPTFEは、分子量が低く、たとえば、数平均分子量が60万以下のPTFEである。数平均分子量が60万を超える「高分子量PTFE」は、PTFE特有のフィブリル化特性が発現する(たとえば、特開平10-147617号公報参照。)。高分子量PTFEは、溶融粘度が高く、非溶融加工性である。ゴム層に含まれるPTFEは、ペースト押出成形が可能な程度のフィブリル化特性を示さないことが好ましい。PTFEの溶融粘度および数平均分子量は、PTFEを製造する際のTFEの重合条件を調製したり、PTFEに電子線を照射したりすることにより、調整することができる。
溶融粘度は、ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)および2φ-8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定する値である。上記数平均分子量は、上記測定方法により測定した溶融粘度から、それぞれ算出した値である。
PTFEの見掛密度は、好ましくは0.15~0.80g/cm3であり、より好ましくは0.25g/cm3以上であり、より好ましくは0.55g/cm3以下である。
見掛密度は、JIS K 6891に準拠して測定することができる。
PTFEの平均粒径は、好ましくは0.01~1000μmであり、より好ましくは0.1μm以上であり、さらに好ましくは0.3μm以上であり、特に好ましくは0.5μm以上であり、より好ましくは100μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下であり、特に好ましくは20μm以下である。
平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、日本レーザー社製)を用い、カスケードは使用せず、圧力0.1MPa、測定時間3秒で粒度分布を測定し、得られた粒度分布積算の50%に対応する値を、平均粒径とする。
PTFEの融点としては、好ましくは324~333℃である。
PTFEの融点は、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の示差走査熱量測定機RDC220(DSC)を用い、事前に標準サンプルとして、インジウム、鉛を用いて温度校正した上で、PTFE粉末約3mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、200ml/分のエアー気流下で、250~380℃の温度領域を10℃/分で昇温させて示差走査熱量測定を行い、上記領域における融解熱量の極小点を融点とする。
PTFEの372℃(荷重1.2kg)におけるメルトフローレート(MFR)としては、好ましくは0.01~10g/10分である。
MFRは、メルトインデクサー(たとえば、東洋精機製作所社製)を用い、372℃、1.2kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定することにより特定できる。
PTFEの300℃での灼熱減量(強熱減量)としては、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.09質量%以上であり、さらに好ましくは0.15質量%以上であり、特に好ましくは0.30質量%以上である。
灼熱減量は、PTFE(試料)を300℃で2時間加熱して、加熱後の試料の質量を測定し、加熱前の試料の質量に対する加熱後の試料の減量の割合を算出することにより、特定できる。
PTFEは、TFEの単独重合体であってもよいし、TFE単位とTFEと共重合可能な変性モノマー単位とを含む変性PTFEであってもよい。
変性PTFEは、TFEと共重合可能な変性モノマー単位の含有量が全単量体単位の0.01~1質量%であることが好ましく、0.01~0.5質量%であることが更に好ましく、0.03~0.3質量%であることが最も好ましい。
本開示において、変性モノマー単位とは、変性PTFEの分子構造の一部分であって変性モノマーに由来する部分を意味し、全単量体単位とは、変性PTFEの分子構造における全ての単量体に由来する部分を意味する。上記変性モノマー単位の含有量は、赤外分光分析またはNMR(核磁気共鳴)を行うことにより測定する値である。
変性PTFEにおける変性モノマーとしては、TFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、たとえば、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕などのパーフルオロオレフィン;クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕などのクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン〔VDF〕などの水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロアルキルエチレン:エチレンなどが挙げられる。また、用いる変性モノマーは1種であってもよいし、複数種であってもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、たとえば、一般式(I):
CF2=CF-ORf (I)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物などが挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
CF2=CF-ORf (I)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物などが挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、たとえば、一般式(I)において、Rfが炭素数1~10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が挙げられる。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、好ましくは1~5である。
上記PAVEにおけるパーフルオロアルキル基としては、たとえば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられるが、パーフルオロアルキル基がパーフルオロプロピル基であるパープルオロプロピルビニルエーテル〔PPVE〕が好ましい。
上記パーフルオロビニルエーテルとしては、更に、一般式(I)において、Rfが炭素数4~9のパーフルオロ(アルコキシアルキル)基であるもの、Rfが下記式:
CF3CF2CF2-(O-CF(CF3)-CF2)n-
(式中、nは、1~4の整数を表す。)で表される基であるものなどが挙げられる。
(式中、nは、1~4の整数を表す。)で表される基であるものなどが挙げられる。
パーフルオロアルキルエチレンとしては特に限定されず、たとえば、パーフルオロブチルエチレン(PFBE)、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオクチルエチレンなどが挙げられる。
変性PTFEにおける変性モノマーとしては、HFP、CTFE、VDF、PPVE、PFBEおよびエチレンからなる群より選択される少なくとも1種の単量体が好ましく、HFPがより好ましい。
PTFEは、変性PTFEであることが好ましく、TFE単位とHFPに由来する重合単位(HFP単位)とを含む変性PTFEであることがより好ましい。
ゴム組成物におけるPTFEの含有量は、ゴム層の導電性が適切に調整され、ゴム層とフッ素樹脂層とがより強固に接着することから、ゴム100質量部に対して、好ましくは0.5~100質量部であり、より好ましくは10質量部以上であり、さらに好ましくは20質量部以上であり、より好ましくは80質量部以下であり、さらに好ましくは60質量部以下であり、特に好ましくは45質量部以下である。
(シリカ)
ゴム組成物は、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着させることができることから、シリカをさらに含有することも好ましい。
ゴム組成物は、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着させることができることから、シリカをさらに含有することも好ましい。
シリカとしては、塩基性シリカ、酸性シリカを用いることができ、接着性の観点から、塩基性シリカを用いる方が好ましい。塩基性シリカとしては、カープレックス1120(DSLジャパン社製)、Sidistar R300(エルケム社製)、Silene732D(PPG Industries社製)、Inhibisil75(PPG Industries社製)などが挙げられる。また、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着することから、平均粒子径が大きなシリカを用いることが好ましい。平均粒子径が大きなシリカとしては、Sidistar R300(エルケム社製)、Sidistar T120U(エルケム社製)、アドマファインシリーズ(アドマテックス社製)、エクセリカシリーズ(トクヤマ社製)などが挙げられる。
シリカの粒子の「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値は、好ましくは17.5nm以上、より好ましくは20.0nm以上、さらに好ましくは30.0nm以上、特に好ましくは50.0nm以上、最も好ましくは70.0nm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下、最も好ましくは30μm以下である。
シリカの平均粒子径は、好ましくは25.0nm以上、より好ましくは30.0nm以上、さらに好ましくは40.0nm以上、特に好ましくは60.0nm以上、最も好ましくは80.0nm以上であり、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。
シリカの平均真円度は、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.85以上である。理論的な真円度の上限は1である。
シリカの「平均粒子径」は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にシリカ粒子を吸着させ、白金スパッタリングを用いてフィルムをコーティングし、コーティングされたフィルム中のシリカ粒子の走査電子顕微鏡(SEM)写真を画像分析することによって、測定することができる。画像分析において、ノイズ除去および二値化のためにSEM写真を加工した後、加工画像から100個の粒子を無作為に選択し、被写界深度1~2μmの2次元画像中に見られるシリカ粒子の平均径を測定する。ここで、円形の2次元形状に関し、「径」は、直径(半径ではない)に対応する。面積Sを有する非円形の2次元形状に関し、「径」は、円の直径に相当すると考えられる、(4×S/π)の平方根をとることで得られる。
シリカの「平均真円度」は、PETフィルム上にシリカ粒子を吸着させ、白金スパッタリングを用いてフィルムをコーティングし、コーティングされたフィルム中のシリカ粒子のSEM写真を画像分析することによって、測定することができる。画像分析において、ノイズ除去および二値化のためにSEM写真を加工した後、加工画像から100個の粒子を無作為に選択し、被写界深度1~2μmの2次元画像中に見られるシリカ粒子の平均真円度を測定する。2次元形状の「真円度」の値は、以下のように定義される。
(真円度)=4π×(シリカ粒子の二値化2次元断面画像の面積)/(シリカ粒子の二値化2次元断面画像の外周)2
真円度の価が1に近づくほど、対応する2次元形状は真円に近づく。
(真円度)=4π×(シリカ粒子の二値化2次元断面画像の面積)/(シリカ粒子の二値化2次元断面画像の外周)2
真円度の価が1に近づくほど、対応する2次元形状は真円に近づく。
シリカの「「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値」は、PETフィルム上にシリカ粒子を吸着させ、白金スパッタリングを用いてフィルムをコーティングし、コーティングされたフィルム中のシリカ粒子のSEM写真を画像分析することによって、測定することができる。画像分析において、ノイズ除去および二値化のためにSEM写真を加工した後、加工画像から100個の粒子を無作為に選択し、被写界深度1~2μmの2次元画像中に見られるシリカ粒子の「(粒子径)×(真円度)」の積の平均を測定する。
上記の平均粒子径、平均真円度、および「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値の測定において、凝集粒子を1つの大きな粒子として誤って数えてしまう、また粒子画像内の灰色の影が粒子の一部であると認識されないことがあるため、輪郭が明確なシリカ粒子のみが代表的な試料として選択され、重なっているシリカ粒子は度外視する。
ゴム組成物におけるシリカの含有量は、ゴム層の導電性が適切に調整され、ゴム層とフッ素樹脂層とがより強固に接着することから、ゴム100質量部に対して、好ましくは5~100質量部であり、より好ましくは10質量部以上であり、さらに好ましくは15質量部以上であり、より好ましくは50質量部以下であり、さらに好ましくは30質量部以下である。
(架橋剤)
ゴム組成物は、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着させることができることから、架橋剤をさらに含有することも好ましい。架橋剤としては、過酸化物架橋剤などを目的に応じて選択することができる。ゴム組成物は、過酸化物架橋剤をさらに含有することが好ましい。
ゴム組成物は、ゴム層とフッ素樹脂層とをより一層強固に接着させることができることから、架橋剤をさらに含有することも好ましい。架橋剤としては、過酸化物架橋剤などを目的に応じて選択することができる。ゴム組成物は、過酸化物架橋剤をさらに含有することが好ましい。
過酸化物架橋剤としては特に限定されず、たとえば、有機過酸化物を挙げることができる。有機過酸化物としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生するものが好ましく、たとえば1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)-p-ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ベンゾイルパーオキシド、t-ブチルパーオキシベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどを例示することができる。なかでも、ジアルキル化合物がより好ましい。
一般に、過酸化物架橋剤の使用量は、活性-O-O-の量、分解温度などから適宜選択される。ゴム組成物における過酸化物架橋剤の含有量は、ゴム100質量部に対して、通常、0.1~15質量部であり、好ましくは0.3質量部以上であり、より好ましくは1.0質量部以上であり、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは3質量部以下である。
(架橋助剤)
架橋剤が過酸化物架橋剤である場合、ゴム組成物は架橋助剤を含むことが好ましい。架橋助剤としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5-トリス(2,3,3-トリフルオロ-2-プロペニル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン)、トリス(ジアリルアミン)-S-トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N-ジアリルアクリルアミド、1,6-ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N’,N’-テトラアリルフタルアミド、N,N,N’,N’-テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6-トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5-ノルボルネン-2-メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどが挙げられる。これらの中でも、架橋性および架橋物の物性が優れる点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
架橋剤が過酸化物架橋剤である場合、ゴム組成物は架橋助剤を含むことが好ましい。架橋助剤としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5-トリス(2,3,3-トリフルオロ-2-プロペニル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン)、トリス(ジアリルアミン)-S-トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N-ジアリルアクリルアミド、1,6-ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N’,N’-テトラアリルフタルアミド、N,N,N’,N’-テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6-トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5-ノルボルネン-2-メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどが挙げられる。これらの中でも、架橋性および架橋物の物性が優れる点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
ゴム組成物における架橋助剤の含有量は、ゴム100質量部に対して、好ましくは0.1~10質量部であり、より好ましくは1.0質量部以上であり、より好ましくは7質量部以下であり、さらに好ましくは5質量部以下である。
(ゴム組成物のその他の成分)
ゴム組成物は、受酸剤として、またはゴム層とフッ素樹脂層との接着性を向上させるための配合剤として、金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩、および、アルカリ土類金属の弱酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有してもよい。
ゴム組成物は、受酸剤として、またはゴム層とフッ素樹脂層との接着性を向上させるための配合剤として、金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩、および、アルカリ土類金属の弱酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有してもよい。
上記金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩およびアルカリ土類金属の弱酸塩としては、周期表第(II)族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表第(IV)族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩などが挙げられる。
金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩およびアルカリ土類金属の弱酸塩の具体的な例としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化カルシウム(生石灰)、水酸化カルシウム(消石灰)、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、酸化錫、塩基性亜リン酸錫などをあげることができる。
過酸化物架橋剤を架橋剤として使用する場合には、金属酸化物、金属水酸化物、アルカリ金属の弱酸塩、アルカリ土類金属の弱酸塩の含有量は、ゴム100質量部に対して、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは3質量部以下であり、耐酸性の観点からは、含まないことが更に好ましい。
ゴム組成物には、必要に応じてゴム組成物中に配合される通常の添加物、たとえば、充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、受酸剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤などの各種添加剤を配合することができ、上述のものとは異なる常用の架橋剤や架橋促進剤を1種またはそれ以上含有してもよい。一実施形態において、ゴム組成物またはゴム層は、炭素フィブリルを含有しない。
(B)フッ素樹脂層
フッ素樹脂層は、フッ素樹脂から形成される層である。本開示において、フッ素樹脂とは、部分結晶性フルオロポリマーであり、フルオロプラスチックスである。フッ素樹脂は、融点を有し、熱可塑性を有する。
フッ素樹脂層は、フッ素樹脂から形成される層である。本開示において、フッ素樹脂とは、部分結晶性フルオロポリマーであり、フルオロプラスチックスである。フッ素樹脂は、融点を有し、熱可塑性を有する。
本開示の積層体のフッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂は、溶融成形可能なフッ素樹脂である。「溶融成形可能」とは、押出機及び射出成形機等の従来の加工機器を用いて、ポリマーを溶融して加工することが可能であることを意味する。従って、溶融成形可能なフッ素樹脂は、後述する測定方法により測定されるメルトフローレートが0.01~500g/10分であることが通常である。
フッ素樹脂としては、低い燃料透過係数を有するものが好ましい。フッ素樹脂の燃料透過係数としては、好ましくは2.0g・mm/m2/day以下であり、より好ましくは1.5g・mm/m2/day以下であり、さらに好ましくは0.8g・mm/m2/day以下であり、特に好ましくは0.55g・mm/m2/day以下であり、最も好ましくは0.5g・mm/m2/day以下である。フッ素樹脂層が上記の範囲内の燃料透過係数を有するフッ素樹脂を含有することによって、フッ素樹脂層が優れた燃料低透過性を示し、積層体を燃料用ホースなどとして好適に使用することができる。
燃料透過係数は、イソオクタン、トルエンおよびエタノールを45:45:10の容積比で混合したイソオクタン/トルエン/エタノール混合溶媒18mLを投入した内径40mmφ、高さ20mmのSUS316製の燃料透過係数測定用カップに測定対象樹脂から下記方法により作製したフッ素樹脂シート(直径45mm、厚み120μm)を組み入れ、60℃において測定した質量変化から算出される値である。
(フッ素樹脂シートの作製方法)
樹脂ペレットを、直径120mmの金型に入れ、300℃に加熱したプレス機にセットし、約2.9MPaの圧力で溶融プレスして、厚さ0.12mmのフッ素樹脂シートを得、そのシートを直径45mm、厚み120μmに加工する。
(フッ素樹脂シートの作製方法)
樹脂ペレットを、直径120mmの金型に入れ、300℃に加熱したプレス機にセットし、約2.9MPaの圧力で溶融プレスして、厚さ0.12mmのフッ素樹脂シートを得、そのシートを直径45mm、厚み120μmに加工する。
フッ素樹脂としては、優れた燃料低透過性を有する積層体が得られることから、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、CTFE系共重合体、および、TFE/HFP/VdF共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ゴム層とフッ素樹脂層との接着性に一層優れ、優れた燃料低透過性を有する積層体が得られることから、CTFE系共重合体、および、TFE/HFP/VdF共重合体からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ゴム層とフッ素樹脂層との接着性に一層優れ、優れた燃料低透過性および柔軟性を有する積層体が得られることから、CTFE系共重合体がさらに好ましい。
TFE/HFP/VdF共重合体は、VdF含有率が少ないと燃料低透過性が優れることから、TFE、HFPおよびVdFの共重合割合(モル%比)がTFE/HFP/VdF=75~95/0.1~10/0.1~19であることが好ましく、77~95/1~8/1~17(モル比)であることがより好ましく、77~95/2~8/2~15.5(モル比)であることがさらに好ましく、79~90/5~8/5~15(モル比)であることが最も好ましい。また、TFE/HFP/VdF共重合体はその他のモノマーを0~20モル%含んでいてもよい。他のモノマーとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン、2-クロロペンタフルオロプロペン、過フッ素化されたビニルエーテル(たとえばCF3OCF2CF2CF2OCF=CF2などのペルフルオロアルコキシビニルエーテル)などのフッ素含有モノマー、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロ-1,3-ブタジエン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、および、アルキルビニルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のモノマーなどが挙げられ、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であることが好ましい。
PCTFEは、クロロトリフルオロエチレンの単独重合体である。
CTFE系共重合体としては、CTFEに由来する共重合単位(CTFE単位)と、TFE、HFP、PAVE、VdF、フッ化ビニル、ヘキサフルオロイソブテン、式:CH2=CX3(CF2)nX4(式中、X3はHまたはF、X4はH、FまたはCl、nは1~10の整数である)で示される単量体、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、塩化ビニル、および、塩化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種の単量体に由来する共重合単位と、を含むことが好ましい。また、CTFE系共重合体は、パーハロポリマーであることがより好ましい。
CTFE系共重合体としては、CTFE単位と、TFE、HFPおよびPAVEからなる群より選択される少なくとも1種の単量体に由来する共重合単位と、を含むことがより好ましく、実質的にこれらの共重合単位のみからなることが更に好ましい。また、燃料低透過性の観点から、エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニルなどのCH結合を有するモノマーを含まないことが好ましい。
CH結合を有するモノマーを含まないパーハロポリマーはゴム(特にフッ素ゴム)との接着が通常困難であるが、本開示の構成によれば、フッ素樹脂がパーハロポリマーを含有する場合であっても、ゴム層とフッ素樹脂層との層間の接着は強固である。
CTFE系共重合体は、全単量体単位の10~90モル%のCTFE単位を有することが好ましい。
CTFE系共重合体としては、CTFE単位、TFE単位およびこれらと共重合可能な単量体(α)に由来する単量体(α)単位を含むものが特に好ましい。
「CTFE単位」および「TFE単位」は、CTFE系共重合体の分子構造上、それぞれ、CTFEに由来する部分(-CFCl-CF2-)、TFEに由来する部分(-CF2-CF2-)であり、前記「単量体(α)単位」は、同様に、CTFE系共重合体の分子構造上、単量体(α)が付加してなる部分である。
単量体(α)としては、CTFEおよびTFEと共重合可能な単量体であれば特に限定されず、エチレン(Et)、ビニリデンフルオライド(VdF)、CF2=CF-ORf2(式中、Rf2は、炭素数1~8のパーフルオロアルキル基)で表されるPAVE、CX5X6=CX7(CF2)nX8(式中、X5、X6およびX7は同一もしくは異なって、水素原子またはフッ素原子;X8は、水素原子、フッ素原子または塩素原子;nは、1~10の整数)で表されるビニル単量体、CF2=CF-O-Rf3(式中、Rf3は、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体などがあげられる。
上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rf3が炭素数1~3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF2=CF-OCF2-CF2CF3(PPVE)がより好ましい。
単量体(α)としては、なかでも、PAVE、上記ビニル単量体、および、アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、PAVEおよびHFPからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、PAVEが特に好ましい。
CTFE系共重合体における、CTFE単位とTFE単位との比率は、CTFE単位が15~90モル%に対し、TFE単位が85~10モル%であり、より好ましくは、CTFE単位が20~90モル%であり、TFE単位が80~10モル%である。また、CTFE単位15~25モル%と、TFE単位85~75モル%とから構成されるものも好ましい。
CTFE系共重合体は、CTFE単位とTFE単位との合計が90~99.9モル%であり、単量体(α)単位が0.1~10モル%であるものが好ましい。単量体(α)単位が0.1モル%未満であると、成形性、耐環境応力割れ性および耐燃料クラック性に劣りやすく、10モル%を超えると、燃料低透過性、耐熱性、機械特性に劣る傾向にある。
フッ素樹脂としては、燃料低透過性、接着性の観点から、PCTFE、CTFE/TFE/PAVE共重合体およびTFE/HFP/VdF共重合体からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、CTFE/TFE/PAVE共重合体およびTFE/HFP/VdF共重合体からなる群より選択される少なくとも1種がさらに好ましく、CTFE/TFE/PAVE共重合体が特に好ましい。
CTFE/TFE/PAVE共重合体において、上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)などがあげられ、なかでもPMVE、PEVEおよびPPVEからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
CTFE/TFE/PAVE共重合体において、PAVE単位は、全単量体単位の0.5モル%以上であることが好ましく、5モル%以下であることが好ましい。
CTFE/TFE/PAVE共重合体において、PAVE単位は、全単量体単位の0.5モル%以上であることが好ましく、5モル%以下であることが好ましい。
CTFE単位などの構成単位は、19F-NMR分析を行うことにより得られる値である。
フッ素樹脂は、ポリマーの主鎖末端および/または側鎖に、カルボニル基、ヒドロキシル基、ヘテロ環基、およびアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を導入したものであってもよい。
本開示において、「カルボニル基」は、炭素-酸素二重結合から構成される炭素2価の基であり、-C(=O)-で表されるものに代表される。カルボニル基を含む反応性官能基としては特に限定されず、たとえば、カーボネート基、カルボン酸ハライド基(ハロゲノホルミル基)、ホルミル基、カルボキシル基、エステル結合(-C(=O)O-)、酸無水物結合(-C(=O)O-C(=O)-)、イソシアネート基、アミド基、イミド基(-C(=O)-NH-C(=O)-)、ウレタン結合(-NH-C(=O)O-)、カルバモイル基(NH2-C(=O)-)、カルバモイルオキシ基(NH2-C(=O)O-)、ウレイド基(NH2-C(=O)-NH-)、オキサモイル基(NH2-C(=O)-C(=O)-)など、化学構造上の一部としてカルボニル基を含むものがあげられる。
アミド基、イミド基、ウレタン結合、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、ウレイド基、オキサモイル基などにおいては、その窒素原子に結合する水素原子は、たとえばアルキル基などの炭化水素基で置換されていてもよい。
反応性官能基は、導入が容易である点、フッ素樹脂が適度な耐熱性と比較的低温での良好な接着性とを有する点から、アミド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、酸無水物結合が好ましく、さらにはアミド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、酸無水物結合が好ましい。
フッ素樹脂は、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合など、従来公知の重合方法により得ることができる。前記重合において、温度、圧力などの各条件、重合開始剤やその他の添加剤は、フッ素樹脂の組成や量に応じて適宜設定することができる。
フッ素樹脂の融点は特に限定されないが、好ましくは160~270℃である。フッ素樹脂の融点は、DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求める。
また、フッ素樹脂の分子量は、得られる積層体が良好な機械特性や燃料低透過性などを発現できるような範囲であることが好ましい。たとえば、メルトフローレート(MFR)を分子量の指標とする場合、フッ素樹脂一般の成形温度範囲である約230~350℃の範囲の任意の温度におけるMFRは、好ましくは0.5~100g/10分であり、より好ましくは1~50g/10分であり、更に好ましくは、2~35g/10分である。たとえば、フッ素樹脂が、PCTFE、CTFE系共重合体またはTFE/HFP/VdF共重合体である場合には、297℃でMFRを測定する。
MFRは、メルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、たとえば、297℃、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定することにより特定できる。
フッ素樹脂層は、これらのフッ素樹脂を1種含有するものであってもよいし、2種以上含有するものであってもよい。
なお、フッ素樹脂がパーハロポリマーである場合、耐薬品性および燃料低透過性がより優れたものとなる。パーハロポリマーとは、重合体の主鎖を構成する炭素原子の全部にハロゲン原子が結合している重合体である。
フッ素樹脂層は、さらに、目的や用途に応じてその性能を損なわない範囲で、無機質粉末、ガラス繊維、炭素粉末、炭素繊維、金属酸化物などの種々の充填剤を配合したものであってもよい。
たとえば、燃料透過性をさらに低減させるために、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどのスメクタイト系の層状粘度鉱物や、雲母などの高アスペクト比を有する微小層状鉱物を添加してもよい。
(積層体)
ゴム層の厚みは限定されないが、たとえば、100μm以上であることが好ましい。ゴム層の厚みの上限としては、たとえば、5000μmである。
ゴム層の厚みは限定されないが、たとえば、100μm以上であることが好ましい。ゴム層の厚みの上限としては、たとえば、5000μmである。
フッ素樹脂層の厚みは限定されないが、たとえば、10μm以上であることが好ましい。フッ素樹脂層の厚みの上限としては、たとえば、1000μmである。
積層体におけるゴム層とフッ素樹脂層との接着強度としては、好ましくは3N/cm以上であり、より好ましくは4N/cm以上であり、さらに好ましくは5N/cm以上であり、特に好ましくは6N/cm以上である。
接着強度は、積層体を幅10mm×長さ40mm×3セットの短冊状に切断し、試料片を作成し、この試験片について、ゴム層とフッ素樹脂層との境界面の接着強度の影響を排除して、接着面のみの接着強度を測定するために、ゴム層とフッ素樹脂層との界面を一度ゆっくりと手で引っ張ることにより2~3mm掴みしろを増やしてから、オートグラフ(島津製作所社製 AGS-J 5kN)を使用して、JIS-K-6256(加硫ゴムの接着試験方法)に記載の方法に準拠し、25℃において50mm/分の引張速度で剥離試験を行い、剥離モードを観測して測定する値である。
本開示の積層体においては、ゴム層とフッ素樹脂層とが直接接着していることが好ましく、直接架橋接着していることがより好ましい。このような積層体は、未架橋のゴム層とフッ素樹脂層とを積層した後、架橋処理することにより得られる。本開示の積層体は、架橋積層体であってよい。
架橋処理は、従来公知のゴム組成物の架橋方法と条件が採用できる。たとえば、未架橋の積層体を長時間架橋する方法、未架橋の積層体を比較的短時間で前処理としての熱処理を行い(架橋も生じている)、ついで長時間かけて架橋を行う方法がある。これらのうち、未架橋の積層体を比較的短時間で前処理としての熱処理を行い、ついで長時間かけて架橋を行う方法が、前処理でゴム層とフッ素樹脂層との接着性が容易に得られ、また、前処理で既にゴム層が架橋しており形状が安定化しているので、その後の架橋における積層体の保持方法をさまざまに選択することができるので好適である。
架橋処理の条件は特に制限されるものではなく、通常の条件で行うことができるが、140~180℃で、2分~80分、スチーム、プレス、オーブン、エアーバス、赤外線、マイクロウェーブ、被鉛架橋などを用いて処理を行うことが好ましい。より好ましくは、150~170℃で、5~60分かけて行う。架橋処理を1次架橋と2次架橋に分けて行ってもよい。
本開示の積層体は、たとえば、ゴムおよびカーボンブラックを混合してゴム組成物を得る工程、ゴム組成物を成形して得られる未架橋ゴム層と、フッ素樹脂層とを積層する工程、積層された未架橋ゴム層とフッ素樹脂層とを架橋処理する工程、を含む積層体の製造方法により、好適に製造することができる。上記の製造方法において、架橋処理の条件は上述したものと同じである。
ゴムとカーボンブラックとの混合は、たとえば、ゴムとカーボンブラックとを、一般に使用されているゴム混練り装置を用いて混練りすることにより、行うことできる。
ゴム混練り装置としては、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、二軸押し出し機などを用いることができる。
混合は、ゴムおよびカーボンブラックに加え、必要に応じて、塩基性の多官能化合物、ポリテトラフルオロエチレン、シリカ、架橋剤、架橋助剤などのその他添加剤とともに混合するものであってよい。
混合の温度は、たとえば、20~200℃である。また、上記混合の時間は、たとえば、2~80分である。
ゴム混練り装置としては、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、二軸押し出し機などを用いることができる。
混合は、ゴムおよびカーボンブラックに加え、必要に応じて、塩基性の多官能化合物、ポリテトラフルオロエチレン、シリカ、架橋剤、架橋助剤などのその他添加剤とともに混合するものであってよい。
混合の温度は、たとえば、20~200℃である。また、上記混合の時間は、たとえば、2~80分である。
未架橋ゴム層とフッ素樹脂層との積層は、未架橋ゴム層とフッ素樹脂層を別々に成形した後に圧着などの手段で積層する方法、未架橋ゴム層とフッ素樹脂層とを同時に成形して積層する方法、未架橋ゴム層にフッ素樹脂を塗布してフッ素樹脂層を形成する方法のいずれでもよい。
未架橋ゴム層とフッ素樹脂層とを別々に成形した後に圧着などの手段で積層する方法では、ゴム組成物およびフッ素樹脂の成形方法のそれぞれ単独での成形方法が採用できる。
未架橋ゴム層は、加熱圧縮成形法、トランスファー成形法、押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法、塗装法などの方法を用いて、ゴム組成物を、シート状、チューブ状などの各種形状に成形することにより、作製することができる。成形には通常用いられるポリマーの成形機、たとえば射出成形機、ブロー成形機、押出成形機、各種塗装装置などが使用でき、シート状、チューブ状など、各種形状の積層体を製造することが可能である。これらのうち、生産性が優れている点から、押出成形法が好ましい。
フッ素樹脂層は、圧縮成形法、押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法、塗装法(粉体塗装法を含む)などの方法を用いて、フッ素樹脂を、シート状、チューブ状などの各種形状に成形することにより、作製することができる。成形には通常用いられるポリマーの成形機、たとえば射出成形機、ブロー成形機、押出成形機、各種塗装装置などが使用でき、シート状、チューブ状など、各種形状の積層体を製造することが可能である。これらのうち、生産性が優れている点から、押出成形法が好ましい。
未架橋ゴム層とフッ素樹脂層を同時に成形して積層する方法としては、ゴム層を形成するゴム組成物、および、フッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂を用いて、多層圧縮成形法、多層トランスファー成形法、多層押出成形法、多層射出成形法、ダブリング法などの方法により、成形と同時に積層する方法があげられる。この方法では、未架橋成形体である未架橋ゴム層とフッ素樹脂層とを同時に積層できるため、未架橋ゴム層とフッ素樹脂層とを密着させる工程が特に必要ではなく、また、後の架橋工程において強固な接着を得るのに好適である。密着が不足している場合はラッピングなどの密着工程を行ってもよい。これらのうち、生産性が優れている点から、多層押出成形法が好ましい。
(積層体の積層構造)
本開示の積層体は、上述したゴム層(A)および上述したフッ素樹脂層(B)を備える。
本開示の積層体は、上述したゴム層(A)および上述したフッ素樹脂層(B)を備える。
本開示の積層体は、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)の2層構造でもよいし、フッ素樹脂層(B)の両側にゴム層(A)が積層されたものであってもよいし、ゴム層(A)の両側にフッ素樹脂層(B)が積層されたものであってもよい。
たとえば、ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(A)またはフッ素樹脂層(B)-ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)といった3層構造でもよい。
さらに、ゴム層(A)およびフッ素樹脂層(B)以外のポリマー層(C)が接着された3層以上の多層構造であってもよいし、ゴム層(A)およびフッ素樹脂層(B)以外のポリマー層(C)が接着された3層の多層構造の片側もしくは両側にポリマー層(D)を有していてもよい。ポリマー層(C)とポリマー層(D)は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本開示の積層体は、ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(A)の3層構造の片側もしくは両側にポリマー層(C)を有してもよい。
ポリマー層(C)、(D)としては、ゴム層(A)以外のゴム層(C1)または(D1)でもよい。ゴム層(C1)または(D1)としては、非フッ素ゴムから形成される非フッ素ゴム層(C1a)または(D1a)があげられる。非フッ素ゴムは、耐寒性が良好な点や、コスト面で優れていることから好ましい。非フッ素ゴム層(C1a)と非フッ素ゴム層(D1a)は同じ非フッ素ゴムから形成されたものでもよいし、異なる非フッ素ゴムから形成されたものでもよい。
本開示の積層体は、ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-非フッ素ゴム層(C1a)の順に積層されているものであってもよい。
本開示の積層体は、非フッ素ゴム層(D1a)を含み、非フッ素ゴム層(D1a)-ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-非フッ素ゴム層(C1a)の順、ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-非フッ素ゴム層(D1a)-非フッ素ゴム層(C1a)の順、または、ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-非フッ素ゴム層(C1a)-非フッ素ゴム層(D1a)の順、に積層されているものであってもよい。
非フッ素ゴムの具体例としては、たとえばアクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)またはその水素化物(HNBR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのジエン系ゴム、エチレン-プロピレン-ターモノマー共重合体ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴム、塩素化ポリエチレン(CPE)、アクリロニトリル-ブタジエンゴムと塩化ビニルのポリブレンド(PVC-NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)などがあげられる。また、これらの非フッ素ゴムおよびフッ素ゴムを任意の割合で混合したゴムもあげられる。
非フッ素ゴムとしては、耐熱性、耐油性、耐候性、押出成形性が良好な点から、ジエン系のゴム、またはエピクロルヒドリンゴムであることが好ましい。より好ましくは、NBR、HNBRまたはエピクロルヒドリンゴムである。ゴム層(C1)は、NBR、HNBRまたはエピクロルヒドリンゴムからなることが好ましい。
また、ゴム層(D1)は耐候性、コストの点から、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン(CPE)、アクリロニトリル-ブタジエンゴムと塩化ビニルのポリブレンド(PVC-NBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、アクリル系ゴム、またはこれらの混合物からなることが好ましい。なお、ゴム層(C1)、(D1)を形成する未架橋ゴム組成物中にも、架橋剤や、その他の配合剤を配合してもよい。
上記した層構成のなかでも、本開示の積層体は、ゴム層(A)が積層体の少なくとも一方の表面を形成するように構成されていることが好ましい。本開示の積層体は、ゴム層(A)が導電性を有しており、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とが強固に接着していることから、積層体の少なくとも一方の表面をゴム層(A)により形成することによって、積層体に柔軟性を付与しながら、積層体の帯電を効果的に防止することができるとともに、ゴム層(A)に強固に接着したフッ素樹脂層(B)によって、積層体に燃料低透過性等の他の特性を十分に付与することができる。
つぎに本開示の積層体の積層構造についてさらに詳細に説明する。
(1)ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)の2層構造
基本構造であり、従来、フッ素樹脂層(B)とゴム層(A)を積層させるには、層間(フッ素ゴム層-フッ素樹脂層)の接着が不充分なため、樹脂側において表面処理を施したり、別途接着剤を層間に塗布したり、テープ状のフィルムを巻き付けて固定したりなどと工程が複雑になりがちであったが、そのような複雑な工程を組まずに、架橋することにより架橋接着が起こり化学的に強固な接着が得られる。
基本構造であり、従来、フッ素樹脂層(B)とゴム層(A)を積層させるには、層間(フッ素ゴム層-フッ素樹脂層)の接着が不充分なため、樹脂側において表面処理を施したり、別途接着剤を層間に塗布したり、テープ状のフィルムを巻き付けて固定したりなどと工程が複雑になりがちであったが、そのような複雑な工程を組まずに、架橋することにより架橋接着が起こり化学的に強固な接着が得られる。
(2)ゴム層-フッ素樹脂層(B)-ゴム層の3層構造
ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(A)の3層構造、および、ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(C1)の3層構造がある。
シール性が要求される場合、たとえば燃料配管などの接合部は、シール性保持のためにゴム層を両側に配置することが望ましい。内外層のゴム層は同じ種類であっても、違う種類であってもよい。
ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(C1)の3層構造の場合、ゴム層(C1)は、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、または、アクリロニトリルブタジエンゴムとアクリル系ゴムの混合物からなる層であることが好ましい。
また、燃料配管をゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(C1)の3層構造とし、ゴム層(C1)としてフッ素ゴム層を設け、ゴム層(C1)を配管の内層にすることにより、耐薬品性、燃料低透過性が向上する。
ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(A)の3層構造、および、ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(C1)の3層構造がある。
シール性が要求される場合、たとえば燃料配管などの接合部は、シール性保持のためにゴム層を両側に配置することが望ましい。内外層のゴム層は同じ種類であっても、違う種類であってもよい。
ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(C1)の3層構造の場合、ゴム層(C1)は、アクリロニトリルブタジエンゴム、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、または、アクリロニトリルブタジエンゴムとアクリル系ゴムの混合物からなる層であることが好ましい。
また、燃料配管をゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)-ゴム層(C1)の3層構造とし、ゴム層(C1)としてフッ素ゴム層を設け、ゴム層(C1)を配管の内層にすることにより、耐薬品性、燃料低透過性が向上する。
(3)樹脂層-ゴム層(A)-樹脂層の3層構造
フッ素樹脂層(B)-ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)の3層構造が挙げられる。内外層の樹脂層は同じ種類であっても、違う種類であってもよい。
フッ素樹脂層(B)-ゴム層(A)-フッ素樹脂層(B)の3層構造が挙げられる。内外層の樹脂層は同じ種類であっても、違う種類であってもよい。
(4)フッ素樹脂層(B)-ゴム層(A)-ゴム層(C1)の3層構造
(5)4層構造以上
(2)~(4)の3層構造に加えて、さらに任意のゴム層(A)またはゴム層(C1)、フッ素樹脂層(B)を目的に応じて積層してもよい。また、金属箔などの層を設けてもよいし、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との層間以外には接着剤層を介在させてもよい。
(2)~(4)の3層構造に加えて、さらに任意のゴム層(A)またはゴム層(C1)、フッ素樹脂層(B)を目的に応じて積層してもよい。また、金属箔などの層を設けてもよいし、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との層間以外には接着剤層を介在させてもよい。
またさらに、ポリマー層(C)と積層してライニング体とすることもできる。
なお、各層の厚さ、形状などは、使用目的、使用形態などによって適宜選定すればよい。
また、耐圧向上の目的で、補強糸などの補強層を適宜設けてもよい。
また、耐圧向上の目的で、補強糸などの補強層を適宜設けてもよい。
本開示の積層体は、燃料低透過性に優れるほか、耐熱性・耐油性・耐燃料油性・耐LLC性・耐スチーム性、耐侯性、耐オゾン性に優れており、また、苛酷な条件下での使用に充分耐えうるものであり、各種の用途に使用可能である。
たとえば、自動車用エンジンのエンジン本体、主運動系、動弁系、潤滑・冷却系、燃料系、吸気・排気系など、駆動系のトランスミッション系など、シャーシのステアリング系、ブレーキ系など、電装品の基本電装部品、制御系電装部品、装備電装部品などの、耐熱性・耐油性・耐燃料油性・耐LLC性・耐スチーム性が要求されるガスケットや非接触型および接触型のパッキン類(セルフシールパッキン、ピストンリング、割リング形パッキン、メカニカルシール、オイルシールなど)などのシール、ベローズ、ダイヤフラム、ホース、チューブ、電線などとして好適な特性を備えている。
具体的には、以下に列記する用途に使用可能である。
エンジン本体の、シリンダーヘッドガスケット、シリンダーヘッドカバーガスケット、オイルパンパッキン、一般ガスケットなどのガスケット、O-リング、パッキン、タイミングベルトカバーガスケットなどのシール、コントロールホースなどのホース、エンジンマウントの防振ゴム、水素貯蔵システム内の高圧弁用シール材など。
主運動系の、クランクシャフトシール、カムシャフトシールなどのシャフトシールなど。
動弁系の、エンジンバルブのバルブステムシールなど。
潤滑・冷却系の、エンジンオイルクーラーのエンジンオイルクーラーホース、オイルリターンホース、シールガスケットなどや、ラジエータ周辺のウォーターホース、バキュームポンプのバキュームポンプオイルホースなど。
燃料系の、燃料ポンプのオイルシール、ダイヤフラム、バルブなど、フィラー(ネック)ホース、燃料供給ホース、燃料リターンホース、ベーパー(エバポ)ホースなどの燃料ホース、燃料タンクのインタンクホース、フィラーシール、タンクパッキン、インタンクフューエルポンプマウントなど、燃料配管チューブのチューブ本体やコネクターO-リングなど、燃料噴射装置のインジェクタークッションリング、インジェクターシールリング、インジェクターO-リング、プレッシャーレギュレーターダイヤフラム、チェックバルブ類など、キャブレターのニードルバルブ花弁、加速ポンプピストン、フランジガスケット、コントロールホースなど、複合空気制御装置(CAC)のバルブシート、ダイヤフラムなど。中でも、燃料ホースおよび燃料タンクのインタンクホースとして好適である。
吸気・排気系の、マニホールドの吸気マニホールドパッキン、排気マニホールドパッキンなど、EGR(排気際循環)のダイヤフラム、コントロールホース、エミッションコントロールホースなど、BPTのダイヤフラムなど、ABバルブのアフターバーン防止バルブシートなど、スロットルのスロットルボディパッキン、ターボチャージャーのターボオイルホース(供給)、ターボオイルホース(リターン)、ターボエアホース、インタークーラーホース、タービンシャフトシールなど。
トランスミッション系の、トランスミッション関連のベアリングシール、オイルシール、O-リング、パッキン、トルコンホースなど、ATのミッションオイルホース、ATFホース、O-リング、パッキン類など。
ステアリング系の、パワーステアリングオイルホースなど。
ブレーキ系の、オイルシール、O-リング、パッキン、ブレーキオイルホースなど、マスターバックの大気弁、真空弁、ダイヤフラムなど、マスターシリンダーのピストンカップ(ゴムカップ)など、キャリパーシール、ブーツ類など。
基本電装部品の、電線(ハーネス)の絶縁体やシースなど、ハーネス外装部品のチューブなど。
制御系電装部品の、各種センサー線の被覆材料など。
装備電装部品の、カーエアコンのO-リング、パッキン、クーラーホース、外装品のワイパーブレードなど。
また自動車用以外では、たとえば、船舶、航空機などの輸送機関における耐油、耐薬品、耐熱、耐スチーム、あるいは耐候用のパッキン、O-リング、ホース、その他のシール材、ダイヤフラム、バルブに、また化学プラントにおける同様のパッキン、O-リング、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ホース、ロール、チューブ、耐薬品用コーティング、ライニングに、芝刈り機などの小型機器に用いられる燃料チューブやホースに、化学処理分野におけるホースまたはガスケットに、食品プラント機器および食品機器(家庭用品を含む)における同様のパッキン、O-リング、ホース、シール材、ベルト、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブに、原子力プラント機器における同様のパッキン、O-リング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、チューブに、OA機器、一般工業部品における同様のパッキン、O-リング、ホース、シール材、ダイヤフラム、バルブ、ロール、チューブ、ライニング、マンドレル、電線、フレキシブルジョイント、ベルト、ゴム板、ウエザーストリップ、PPC複写機のロールブレードなどへの用途に好適である。たとえば、PTFEダイヤフラムのバックアップゴム材は滑り性が悪いため、使用している間にすり減ったり、破れたりする問題があったが、本開示の積層体を用いることにより、この問題を改善でき、好適に使用できる。
また、食品ゴムシール材用途においては、従来ゴムシール材において着香性やゴムの欠片などが食品中に混入するトラブルがあるが、本開示の積層体を用いることにより、この問題を改善でき、好適に使用できる。医薬・ケミカル用途のゴムシール材溶剤を使用する配管のシール材としてゴム材料は溶剤に膨潤する問題があるが、本開示の積層体を用いることにより、樹脂を被覆する事で改善される。一般工業分野では、ゴム材料の強度、すべり性、耐薬品性、透過性を改善する目的において、たとえば、ゴムロール、O-リング、パッキン、シール材などに好適に用いることができる。特に、リチウムイオン電池のパッキン用途には耐薬品性とシールの両方を同時に維持できることから好適に使用できる。その他、低摩擦による摺動性が要求される用途においては、好適に使用できる。
また、医療用用途としては、薬栓、ボトルのキャップシール、缶シール、薬用テープ、薬用パッド、注射器シリンジパッキン、経皮吸収薬用基材、ほ乳びんなどの吸い口、医療用バッグ、カテーテル、輸液セット、混注管、キャップライナー、真空採血管のキャップ、シリンジ用ガスケット、輸液チューブ、医療機器のガスケット・キャップ、シリンジチップ、グロメット、採血管キャップ、キャップシール、バッキング、O-リング、シースイントロデューサー、ダイレーター、ガイディングシース、血液回路、人工心肺回路、ロ-タブレーター用チューブ、留置針、インフュージョンセット、輸液チューブ、閉鎖式輸液システム、輸液バッグ、血液バッグ、血液成分分離バッグ、血液成分分離バッグ用チューブ、人工血管、動脈カニューレ、ステント、内視鏡処置具保護チューブ、内視鏡スコープチューブ、内視鏡トップオーバーチューブ、咽頭部通過用ガイドチューブ、冠動脈バイパス術用チューブ、イレウスチューブ、経皮経肝胆道ドレナージ術用チューブ、電気メス外装チューブ、超音波メス外装チューブ、剥離鉗子外装チューブ、細胞培養用バッグなどが挙げられる。
また、本開示の積層体が適用できるオフショア用成形品としては、海底油田用チューブ若しくはホース(インジェクションチューブ、原油移送チューブ含む)が挙げられる。
これらの中でも、特に積層体は、チューブまたはホースとして好適に用いられる。すなわち、積層体は、チューブまたはホースであることが好ましい。チューブまたはホースの中でも、耐熱性、燃料低透過性の点で自動車用の燃料配管チューブまたはホースとして好適に利用できる。
本開示のチューブまたはホースは、最内層としてゴム層(A)を備えることが好ましい。ゴム層(A)が導電性を有していることから、ゴム層(A)を最内層として用いることによって、積層体の柔軟性が向上するとともに、チューブまたはホース中を流体が流れることにより静電気が発生する場合であっても、チューブまたはホースを帯電しにくいものとすることができ、しかも、ゴム層(A)に強固に接着したフッ素樹脂層(B)を備えていることにより、チューブまたはホースを燃料低透過性等の他の特性にも優れたものとすることができる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
<1> 本開示の第1の観点によれば、
ゴム層(A)と、ゴム層(A)上に積層されたフッ素樹脂層(B)と、を備える積層体であって、
ゴム層(A)が、導電性を有する層であって、ゴムおよびカーボンブラックを含有するゴム組成物から形成され、前記ゴム組成物中の前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム100質量部に対して、1.0~100質量部であり、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、140m2/g以下であり、
フッ素樹脂層(B)が、溶融成形可能なフッ素樹脂から形成される
積層体が提供される。
<2> 本開示の第2の観点によれば、
前記カーボンブラックの平均一次粒子径が28nm以上である第1の観点による積層体が提供される。
<3> 本開示の第3の観点によれば、
前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム100質量部に対して、8.0質量部超である第1または第2の観点による積層体が提供される。
<4> 本開示の第4の観点によれば、
前記ゴムがフッ素ゴムである第1~第3のいずれかの観点による積層体が提供される。
<5> 本開示の第5の観点によれば、
前記フッ素樹脂の燃料透過係数が、2.0g・mm/m2/day以下である第1~第4のいずれかの観点による積層体が提供される。
<6> 本開示の第6の観点によれば、
前記フッ素樹脂が、クロロトリフルオロエチレン系共重合体、および、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である第1~第5のいずれかの観点による積層体が提供される。
<7> 本開示の第7の観点によれば、
前記ゴム組成物が、塩基性の多官能化合物をさらに含有し、前記ゴム組成物中の前記多官能化合物の含有量が、前記ゴム100質量部に対して、0.1~10質量部である第1~第6のいずれかの観点による積層体が提供される。
<8> 本開示の第8の観点によれば、
前記ゴム組成物が、過酸化物架橋剤をさらに含有する第1~第7のいずれかの観点による積層体が提供される。
<9> 本開示の第9の観点によれば、
前記ゴム組成物が、ポリテトラフルオロエチレンをさらに含有し、前記ポリテトラフルオロエチレンの比表面積が8m2/g未満であり、前記ポリテトラフルオロエチレンの平均粒径が、0.01~1000μmであり、前記ポリテトラフルオロエチレンの380℃における溶融粘度が、1×101~7×105Pa・sである第1~第8のいずれかの観点による積層体が提供される。
<10> 本開示の第10の観点によれば、
前記ゴム組成物が、シリカをさらに含有し、前記シリカの「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値が、17.5nm以上500μm以下である第1~第9のいずれかの観点による積層体が提供される。
<11> 本開示の第11の観点によれば、
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とが架橋接着されている第1~第10のいずれかの観点による積層体が提供される。
<12> 本開示の第12の観点によれば、
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との接着強度が5N/cm以上である第1~第11のいずれかの観点による積層体が提供される。
<13> 本開示の第13の観点によれば、
チューブまたはホースである第1~第12のいずれかの観点による積層体が提供される。
ゴム層(A)と、ゴム層(A)上に積層されたフッ素樹脂層(B)と、を備える積層体であって、
ゴム層(A)が、導電性を有する層であって、ゴムおよびカーボンブラックを含有するゴム組成物から形成され、前記ゴム組成物中の前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム100質量部に対して、1.0~100質量部であり、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、140m2/g以下であり、
フッ素樹脂層(B)が、溶融成形可能なフッ素樹脂から形成される
積層体が提供される。
<2> 本開示の第2の観点によれば、
前記カーボンブラックの平均一次粒子径が28nm以上である第1の観点による積層体が提供される。
<3> 本開示の第3の観点によれば、
前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム100質量部に対して、8.0質量部超である第1または第2の観点による積層体が提供される。
<4> 本開示の第4の観点によれば、
前記ゴムがフッ素ゴムである第1~第3のいずれかの観点による積層体が提供される。
<5> 本開示の第5の観点によれば、
前記フッ素樹脂の燃料透過係数が、2.0g・mm/m2/day以下である第1~第4のいずれかの観点による積層体が提供される。
<6> 本開示の第6の観点によれば、
前記フッ素樹脂が、クロロトリフルオロエチレン系共重合体、および、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である第1~第5のいずれかの観点による積層体が提供される。
<7> 本開示の第7の観点によれば、
前記ゴム組成物が、塩基性の多官能化合物をさらに含有し、前記ゴム組成物中の前記多官能化合物の含有量が、前記ゴム100質量部に対して、0.1~10質量部である第1~第6のいずれかの観点による積層体が提供される。
<8> 本開示の第8の観点によれば、
前記ゴム組成物が、過酸化物架橋剤をさらに含有する第1~第7のいずれかの観点による積層体が提供される。
<9> 本開示の第9の観点によれば、
前記ゴム組成物が、ポリテトラフルオロエチレンをさらに含有し、前記ポリテトラフルオロエチレンの比表面積が8m2/g未満であり、前記ポリテトラフルオロエチレンの平均粒径が、0.01~1000μmであり、前記ポリテトラフルオロエチレンの380℃における溶融粘度が、1×101~7×105Pa・sである第1~第8のいずれかの観点による積層体が提供される。
<10> 本開示の第10の観点によれば、
前記ゴム組成物が、シリカをさらに含有し、前記シリカの「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値が、17.5nm以上500μm以下である第1~第9のいずれかの観点による積層体が提供される。
<11> 本開示の第11の観点によれば、
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とが架橋接着されている第1~第10のいずれかの観点による積層体が提供される。
<12> 本開示の第12の観点によれば、
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との接着強度が5N/cm以上である第1~第11のいずれかの観点による積層体が提供される。
<13> 本開示の第13の観点によれば、
チューブまたはホースである第1~第12のいずれかの観点による積層体が提供される。
つぎに本開示の実施形態について実施例をあげて説明するが、本開示はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
<CTFE/TFE/PPVE共重合体の組成>
19F-NMR分析により測定した。
19F-NMR分析により測定した。
<CTFE/TFE/PPVE共重合体のメルトフローレート(MFR)>
CTFE/TFE/PPVE共重合体のMFRは、メルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、297℃、5kg加重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定した。
CTFE/TFE/PPVE共重合体のMFRは、メルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、297℃、5kg加重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定した。
<燃料透過係数>
CTFE/TFE/PPVE共重合体のペレットを、直径120mmの金型に入れ、300℃に加熱したプレス機にセットし、約2.9MPaの圧力で溶融プレスして、厚さ0.12mmのシートを得た。得られたシートを、直径45mm、厚み120μmのシートに加工した。CE10(イソオクタンとトルエンとの容量比50:50の混合物にエタノール10容量%を混合した燃料)を18mL投入した内径40mmφ、高さ20mmのSUS316製の透過係数測定用カップに得られたシートを組み入れ、60℃における質量変化を1000時間まで測定した。時間あたりの質量変化(測定初期における質量変化が一定の部分)、接液部のシートの表面積およびシートの厚さから燃料透過係数(g・mm/m2/day)を算出した。
CTFE/TFE/PPVE共重合体のペレットを、直径120mmの金型に入れ、300℃に加熱したプレス機にセットし、約2.9MPaの圧力で溶融プレスして、厚さ0.12mmのシートを得た。得られたシートを、直径45mm、厚み120μmのシートに加工した。CE10(イソオクタンとトルエンとの容量比50:50の混合物にエタノール10容量%を混合した燃料)を18mL投入した内径40mmφ、高さ20mmのSUS316製の透過係数測定用カップに得られたシートを組み入れ、60℃における質量変化を1000時間まで測定した。時間あたりの質量変化(測定初期における質量変化が一定の部分)、接液部のシートの表面積およびシートの厚さから燃料透過係数(g・mm/m2/day)を算出した。
<PTFEの平均粒径>
レーザー回折式粒度分布測定装置(日本レーザー社製)を用い、カスケードは使用せず、圧力0.1MPa、測定時間3秒で粒度分布を測定し、得られた粒度分布積算の50%に対応する値を平均粒径とした。
レーザー回折式粒度分布測定装置(日本レーザー社製)を用い、カスケードは使用せず、圧力0.1MPa、測定時間3秒で粒度分布を測定し、得られた粒度分布積算の50%に対応する値を平均粒径とした。
<PTFEの比表面積>
BET法により、表面分析計(商品名:BELSORP-miniII、マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定した。尚、キャリアガスとして、窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却は液体窒素を用いて行った。
BET法により、表面分析計(商品名:BELSORP-miniII、マイクロトラック・ベル社製)を用いて測定した。尚、キャリアガスとして、窒素30%、ヘリウム70%の混合ガスを用い、冷却は液体窒素を用いて行った。
<PTFEの融点>
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の示差走査熱量測定機RDC220(DSC)を用い、事前に標準サンプルとして、インジウム、鉛を用いて温度校正した上で、PTFE粉末約3mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、200ml/分のエアー気流下で、250~380℃の温度領域を10℃/分で昇温させて示差走査熱量測定を行い、上記領域における融解熱量の極小点を融点とした。
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製の示差走査熱量測定機RDC220(DSC)を用い、事前に標準サンプルとして、インジウム、鉛を用いて温度校正した上で、PTFE粉末約3mgをアルミ製パン(クリンプ容器)に入れ、200ml/分のエアー気流下で、250~380℃の温度領域を10℃/分で昇温させて示差走査熱量測定を行い、上記領域における融解熱量の極小点を融点とした。
<PTFEの溶融粘度>
ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)および2φ-8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定を行った。
ASTM D 1238に準拠し、フローテスター(島津製作所社製)および2φ-8Lのダイを用い、予め380℃で5分間加熱しておいた2gの試料を0.7MPaの荷重にて上記温度に保って測定を行った。
<シリカの粒子径、真円度、「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値>
走査電子顕微鏡SU8020(日立ハイテク社製)を使用し、シリカのSEM写真を撮影した。汎用画像分析ソフトウェアWinROOF(三谷商事社製)を使用して画像の加工および分析を行った。
走査電子顕微鏡SU8020(日立ハイテク社製)を使用し、シリカのSEM写真を撮影した。汎用画像分析ソフトウェアWinROOF(三谷商事社製)を使用して画像の加工および分析を行った。
<カーボンブラックの平均一次粒子径>
カーボンブラックの平均一次粒子径は、算術平均粒子径であり、カーボンブラックを電子顕微鏡で観察することにより求めた。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、算術平均粒子径であり、カーボンブラックを電子顕微鏡で観察することにより求めた。
<カーボンブラックの窒素吸着比表面積>
JIS K 6217-2に準拠して、窒素吸着法からS-BET式で求めた。
JIS K 6217-2に準拠して、窒素吸着法からS-BET式で求めた。
<積層体の接着強度>
得られた積層体を幅10mm×長さ40mm×3セットの短冊状に切断し、フッ素樹脂シートを剥がして掴みしろとした試料片を作成した。この試験片について、ゴム層とフッ素樹脂層との境界面の接着強度を含まず、接着面のみの接着強度を測定するために、ゴム層とフッ素樹脂層の界面を一度ゆっくりと手で引っ張ることにより2~3mm掴みしろを増やしてから、オートグラフ(島津製作所社製AGS-J 5kN)を使用して、JIS K-6256(加硫ゴムの接着試験方法)に記載の方法に準拠し、25℃において50mm/minの引張速度で剥離試験を行い、接着強度を測定し、得られたN=3のデータの平均値を算出した。
得られた積層体を幅10mm×長さ40mm×3セットの短冊状に切断し、フッ素樹脂シートを剥がして掴みしろとした試料片を作成した。この試験片について、ゴム層とフッ素樹脂層との境界面の接着強度を含まず、接着面のみの接着強度を測定するために、ゴム層とフッ素樹脂層の界面を一度ゆっくりと手で引っ張ることにより2~3mm掴みしろを増やしてから、オートグラフ(島津製作所社製AGS-J 5kN)を使用して、JIS K-6256(加硫ゴムの接着試験方法)に記載の方法に準拠し、25℃において50mm/minの引張速度で剥離試験を行い、接着強度を測定し、得られたN=3のデータの平均値を算出した。
<ゴム層の抵抗値>
厚み約2mmのゴムシート(架橋前)を切り取り、170℃で30分間プレスすることにより、4cm×7cmのサンプルシートを作製した。アナログ絶縁抵抗計24060(横河計測社製)を使用し、プローブ末端をサンプルシートの両端に接触させ、500Vの電圧を印加した際のサンプルシートの表面抵抗値を測定した。
厚み約2mmのゴムシート(架橋前)を切り取り、170℃で30分間プレスすることにより、4cm×7cmのサンプルシートを作製した。アナログ絶縁抵抗計24060(横河計測社製)を使用し、プローブ末端をサンプルシートの両端に接触させ、500Vの電圧を印加した際のサンプルシートの表面抵抗値を測定した。
実施例1~12および比較例1~6
(フッ素樹脂シートの作製)
以下の物性を有するCTFE/TFE/PPVE共重合体を、280℃で10分プレスすることによって、フッ素樹脂シート(厚み0.12mm)を作製した。
CTFE/TFE/PPVE=21.3/76.3/2.4(モル%)
MFR=29.2g/10分
燃料透過係数=0.4g・mm/m2/day
(フッ素樹脂シートの作製)
以下の物性を有するCTFE/TFE/PPVE共重合体を、280℃で10分プレスすることによって、フッ素樹脂シート(厚み0.12mm)を作製した。
CTFE/TFE/PPVE=21.3/76.3/2.4(モル%)
MFR=29.2g/10分
燃料透過係数=0.4g・mm/m2/day
(ゴム組成物(ゴムシート)の作製)
ゴム組成物の作製に用いた材料の詳細を以下に示す。
ゴム組成物の作製に用いた材料の詳細を以下に示す。
フッ素ゴム:ダイエルG902、ダイキン工業社製
PTFE粉末:TF9205、スリーエム社製(PTFEマイクロパウダー、平均粒径7.7μm、比表面積1.6m2/g、融点327℃、溶融粘度139Pa・s)
シリカ:Sidistar(登録商標) R300、エルケム社製(平均粒子径83.4nm、平均真円度0.88、「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値74.4nm)
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、日本化成社製
架橋剤:パーオキサイド架橋剤、パーヘキサ25B、日油社製
塩基性多官能化合物:N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサメチレンジアミン(V-3)、ダイキン工業社製
PTFE粉末:TF9205、スリーエム社製(PTFEマイクロパウダー、平均粒径7.7μm、比表面積1.6m2/g、融点327℃、溶融粘度139Pa・s)
シリカ:Sidistar(登録商標) R300、エルケム社製(平均粒子径83.4nm、平均真円度0.88、「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値74.4nm)
架橋助剤:トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、日本化成社製
架橋剤:パーオキサイド架橋剤、パーヘキサ25B、日油社製
塩基性多官能化合物:N,N’-ジシンナミリデン-1,6-ヘキサメチレンジアミン(V-3)、ダイキン工業社製
表2に示す材料を、8インチオープンロールを用いて混練することにより、約2mmの厚みのシート状のゴム組成物(ゴムシート)を得た。
また、ゴム組成物に対して、MDR(型番:MDR2000、Alpha Technologies社製)を用いて、170℃にて最大トルク値(MH)と最少トルク値(ML)を測定し、誘導時間(T10)および最適加硫時間(T90)を求めた。測定結果を表2に示す。T10は、{(MH)-(ML)}×0.1+MLとなる時間であり、T90は、{(MH)-(ML)}×0.9+MLとなる時間であり、MHおよびMLは、JIS K 6300-2に準じて測定した値である。
(積層体の製造)
厚み約2mmのゴムシートと、厚み約0.12mmのフッ素樹脂シートを重ね合わせ、片方の端部に幅約50mmのフッ素樹脂フィルム(厚さ10μm)を両シートの間に挟んだ後、170℃で30分間プレスすることにより、シート状の積層体を得た。結果を表2に示す。
厚み約2mmのゴムシートと、厚み約0.12mmのフッ素樹脂シートを重ね合わせ、片方の端部に幅約50mmのフッ素樹脂フィルム(厚さ10μm)を両シートの間に挟んだ後、170℃で30分間プレスすることにより、シート状の積層体を得た。結果を表2に示す。
Claims (13)
- ゴム層(A)と、ゴム層(A)上に積層されたフッ素樹脂層(B)と、を備える積層体であって、
ゴム層(A)が、導電性を有する層であって、ゴムおよびカーボンブラックを含有するゴム組成物から形成され、前記ゴム組成物中の前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム100質量部に対して、1.0~100質量部であり、前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積が、140m2/g以下であり、
フッ素樹脂層(B)が、溶融成形可能なフッ素樹脂から形成される
積層体。 - 前記カーボンブラックの平均一次粒子径が28nm以上である請求項1に記載の積層体。
- 前記カーボンブラックの含有量が、前記ゴム100質量部に対して、8.0質量部超である請求項1または2に記載の積層体。
- 前記ゴムが、フッ素ゴムである請求項1または2に記載の積層体。
- 前記フッ素樹脂の燃料透過係数が、2.0g・mm/m2/day以下である請求項1または2に記載の積層体。
- 前記フッ素樹脂が、クロロトリフルオロエチレン系共重合体、および、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の積層体。
- 前記ゴム組成物が、塩基性の多官能化合物をさらに含有し、前記ゴム組成物中の前記多官能化合物の含有量が、前記ゴム100質量部に対して、0.1~10質量部である請求項1または2に記載の積層体。
- 前記ゴム組成物が、過酸化物架橋剤をさらに含有する請求項1または2に記載の積層体。
- 前記ゴム組成物が、ポリテトラフルオロエチレンをさらに含有し、前記ポリテトラフルオロエチレンの比表面積が8m2/g未満であり、前記ポリテトラフルオロエチレンの平均粒径が、0.01~1000μmであり、前記ポリテトラフルオロエチレンの380℃における溶融粘度が、1×101~7×105Pa・sである請求項1または2に記載の積層体。
- 前記ゴム組成物が、シリカをさらに含有し、前記シリカの「(粒子径)×(真円度)」の積の平均値が、17.5nm以上500μm以下である請求項1または2に記載の積層体。
- ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とが架橋接着されている請求項1または2に記載の積層体。
- ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との接着強度が5N/cm以上である請求項1または2に記載の積層体。
- チューブまたはホースである請求項1または2に記載の積層体。
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