JP7373960B2

JP7373960B2 - グリースガン

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Publication number: JP7373960B2
Application number: JP2019177787A
Authority: JP
Inventors: 江児中村; 洋之三好
Original assignee: Nabtesco Corp
Current assignee: Nabtesco Corp
Priority date: 2019-09-27
Filing date: 2019-09-27
Publication date: 2023-11-06
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Description

本発明はグリースガンに関する。

減速機は内部が複数の滑り部分と転がり部分で構成されており、入力側にトルクを加えると減速して出力側に高いトルクが伝達される。このような減速機は、鉄道、航空、船舶等の輸送分野の他、ロボット等の産業分野で幅広く利用されている。
減速機の性能の一つとして、出力側トルクは長期間一定で変動がないことが求められる。特に、ロボットの関節部に取り付けられる減速機においては、精密な動作を可能とすることが求められる。

しかし、減速機の作動後の内部部品の形状変化、例えば、鋼対鋼の摺動における金属接触部の損傷の発生等により、特に高温下で顕著になり、高温になると減速機の寿命が短くなる。
また、減速機の使用環境の拡大に伴い、減速機が、寒冷地等においても使用できることが求められる。寒冷地等では、冬場のような低温下において、入力側トルク（起動トルク）が増大し、減速機の起動効率が低くなる。

減速機の高温下の耐久性に加え、低温下の減速機の入力トルクを低減するために潤滑油あるいはグリースが提案されている。
減速機にグリースを供給するために、特許文献１に記載されるように、グリースを充填して圧入するためのグリースガンを用いることがある。あるいは、特許文献２に記載されるように、蛇腹式の詰め替え容器が知られている。
また、小量グリースを取り扱う場合、樹脂製の蛇腹容器を使用し、減速機内への注入時は専用ガンで注入することがある。

特開２００６－３３６６６４号公報特開２０１７－０３２１０３号公報

しかし、充填式のグリースガンでは、作業性が悪く、グリースがガン内に残留する可能性があり、効率が悪いためこれを改善したいという要求がある。
また、特許文献２記載の詰め替え容器では、小分けされているものの、蓋部分からグリースが漏れるという問題がある。さらに、蛇腹容器では、長期保存においては、グリースの成分によって染み出しを防止可能な層を用いて蛇腹状に形成する等の対策が必要となるために高コストになってしまう。

本発明は、グリースの染み出しを防止でき、構造の簡単で安価なグリースガン潤滑剤供給器および容器によって、減速機におけるグリースの入れ替えを容易にする手段を提供するという目的を達成しようとするものである。

本発明の他の態様に係るグリースガンは、潤滑剤組成物が充填されて密封されるフィルム状材料で形成されたパウチおよび前記パウチに固定されたスパウトを有する容器を収納する筒部と、前記筒部内の前記容器を押圧して前記潤滑剤組成物を押し出す押圧部と、前記潤滑剤組成物の供給対象に接続する接続管および前記スパウトに接続される接続部材と、前記筒部の端部の外周に締結される蓋体と、を有し、前記接続部材には、前記容器から前記潤滑剤組成物が前記供給対象に向けて通過する貫通孔が形成され、前記接続部材の一端には、前記スパウトに繋がる第１ネジ部が形成され、前記接続部材の他端には、前記接続管に繋がる第２ネジ部が形成され、前記接続部材は、前記蓋体の内側で前記第１ネジ部を介して前記スパウトに接続され、かつ前記蓋体の外側で前記第２ネジ部を介して前記接続管に接続される。

本発明の他の態様に係るグリースガンによれば、高温下の減速機の寿命を改善でき、低温下の入力トルク増大を抑制でき、減速機の起動効率を増大できる潤滑剤組成物の染み出しを防止して小分けにすることで長期保存を容易にすることが安価に可能な容器（パウチ容器）を接続部材に接続し、この接続部材に接続管を接続して、容易に減速機に注入することができる。これにより、減速機内に充填されたグリースを入れ替える際に、グリースを他の容器に移し替えることなく、容易に減速機にグリースガンを接続可能にして、周囲への潤滑剤組成物（グリース）の漏れを防止して、接続作業と注入作業において作業工程を簡略化して作業時間を短縮し、安価にグリースを減速機に注入して入れ替えることができる。

本発明のグリースガンは、前記潤滑剤組成物を押し出す流量が１ｃｍ^３／ｓ～７ｃｍ^３／ｓであってもよい。

本発明のグリースガンは、前記潤滑剤組成物を押し出す圧送圧力が３ＭＰａ以下であってもよい。

本発明のグリースガンは、グリースガンに接続される接続管が内径２．５ｍｍ～２０ｍｍであり、管長が１０００ｍｍ以下であってもよい。

本発明のグリースガンは、前記潤滑剤組成物のちょう度が３００～４５０であってもよい。
本発明のグリースガンは、前記潤滑剤組成物が４０℃のときの動粘度が２０～１５０ｍｍ ^２／ｓである基油を含んでもよい。
本発明のグリースガンは、前記潤滑剤組成物の基油の割合が５０～９９重量％であってもよい。

本発明によれば、グリースの染み出しを防止でき、構造の簡単で安価なグリースガンおよびパウチ容器によって、減速機におけるグリースの入れ替えを容易にする手段を提供することができるという効果を奏することが可能となる。

本発明に係るパウチ容器の実施形態を示す斜視図である。本発明に係るパウチ容器の実施形態における押出口基体の近傍を示す模式的拡大断面図である。本発明に係るグリースガンの実施形態を示す分解斜視図である。本発明に係るグリースガンの実施形態における先端近傍を示す模式的拡大断面図である。本発明に係る接続部材の実施形態を示す断面図である。図５におけるＶＩ－ＶＩ矢視断面図である。本発明に係るグリースガンの実施形態における使用状態を示す模式図である。

以下、本発明に係るパウチ容器、グリースガン、接続部材の実施形態を、図面に基づいて説明する。

本実施形態に係るパウチ容器（容器）は、例えば、偏心揺動式遊星歯車タイプの減速機に封入する減速機用潤滑剤組成物（グリース）が充填される。
本実施形態に係る潤滑剤組成物（グリース）は、次のように規定される。

１．下記の成分（ａ）～（ｃ）を含有することを特徴とする偏心揺動式遊星歯車タイプの減速機用潤滑剤組成物：
（ａ）合成油を含む基油、
（ｂ）炭化水素系ワックス、並びに
（ｃ）石油スルホン酸のカルシウム塩、アルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩、酸化ワックスのカルシウム塩、石油スルホン酸の過塩基性カルシウム塩、アルキル芳香族スルホン酸の過塩基性カルシウム塩、及び酸化ワックスの過塩基性カルシウム塩からなる群から選択される少なくとも１種のカルシウム塩。

２．（ｂ）炭化水素系ワックスが、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスからなる群から選ばれる少なくとも一種である、１．記載の減速機用潤滑剤組成物。
３．全組成物中、（ｂ）炭化水素系ワックスの含有量が０．１～２０質量％である、１．又は２．記載の減速機用潤滑剤組成物。

４．（ａ）基油中の合成油が、合成炭化水素油である、１．～３．のいずれかに記載の減速機用潤滑剤組成物。
５．（ａ）基油の４０℃における動粘度が、２０～３００ｍｍ2／ｓである、１．～４．のいずれかに記載の減速機用潤滑剤組成物。
６．（ｃ）カルシウム塩が、アルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩及びアルキル芳香族スルホン酸の過塩基性カルシウム塩である、１．～５．のいずれか１項に記載の減速機用潤滑剤組成物。

本実施形態に使用する（ａ）基油は、合成油を必須成分とするが、鉱油等の他の基油を更に含んでもよい。合成油としては、合成炭化水素油、エステル油、フェニルエーテル、ポリグリコールなど、通常潤滑剤組成物で使用されている合成油がいずれも使用できる。合成油は、一種類を単独で用いてよく、二種類以上を併用してもよい。好ましい合成油は、合成炭化水素油である。合成炭化水素油としては、具体的には、α－オレフィンを１種または２種以上混合して重合したものが挙げられる。

α－オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、これらの誘導体などを原料として製造されたα－オレフィンが挙げられ、好ましくは、炭素数６～１８のα－オレフィン（例えば、１－デセン、１－ドデセンなど）が挙げられる。最も好ましい合成炭化水素油は、１－デセンや１－ドデセンのオリゴマーである、ポリ－α－オレフィン（ＰＡＯ）である。

基油としては、合成炭化水素油（例えば、ＰＡＯ）を含む基油であるのが好ましく、合成炭化水素油（例えば、ＰＡＯ）と鉱油の組み合わせがより好ましい。
基油中の合成油（例えば、ＰＡＯなどの合成炭化水素油）の割合は、１０～１００質量％であることが好ましく、１０～５０質量％（例えば、１０～２０質量％）であることがより好ましい。１０質量％を下回ると、低温下の入力トルク上昇が懸念される。

潤滑剤組成物中の基油の割合は、５０～９９質量％であることが好ましく、７０～９５質量％であることがより好ましい。

本実施形態に使用する基油の４０℃における動粘度は、例えば、２０～３００ｍｍ^２／ｓ、好ましくは３０～２２０ｍｍ^２／ｓ（例えば、４０～２００ｍｍ^２／ｓ）、より好ましくは５０～１５０ｍｍ^２／ｓ（特に、６０～１００ｍｍ^２／ｓ）である。２０ｍｍ^２／ｓを下回ると、高温下の寿命が不十分となる傾向があり、また３００ｍｍ^２／ｓを超えると低温時の起動に不具合が生じる傾向がある。なお、４０℃の動粘度は、ＪＩＳＫ２２８３に準拠した方法により測定される。

＜炭化水素系ワックス＞
本実施形態に使用する（ｂ）炭化水素系ワックスとしては、特に限定はされないが、例えば、ポリオレフィンワックス（ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレン－プロピレン共重合ワックスなど）、モンタンワックス、及びアマイドワックスからなる群から選ばれる少なくとも１種の化合物を含む。

炭化水素系ワックスの中でも、ポリオレフィンワックスが好ましい。ポリオレフィンワックスの重量平均分子量は、特に限定はなく、例えば、１０００～２００００程度である。また、ポリオレフィンワックスの溶融粘度は、特に限定はなく、例えば、１４０℃において、２５０００～３００００ｍＰａ・ｓであってもよく、１７０℃において、９０００～１００００ｍＰａ・ｓであってもよい。

さらに、ポリオレフィンワックスの密度についても、特に限定はなく、高密度（例えば、０．９６ｇ／ｃｍ^３以上）、中密度（例えば、０．９４～０．９５ｇ／ｃｍ^３）、及び低密度（例えば、０．９３ｇ／ｃｍ^３以下）のいずれであってもよい。高密度であれば、融点や軟化点、結晶化度が高く、硬度が大きいという特徴があり、低密度であれば、融点や軟化点が低く、軟質であるという特徴がある。ポリオレフィンワックスは、耐熱性の観点から、滴点は１００℃以上であるのが好ましく、１１０℃以上であるのがより好ましく、基油への溶解性の観点からは、滴点は１５０℃以下であるのが好ましく、１３５℃以下であるのがより好ましい。

また、ポリオレフィンワックスの酸価は、０～１０ｍｇＫＯＨ／ｇであるのが好ましく、０～５ｍｇＫＯＨ／ｇであるのがより好ましい。酸価がこのような範囲にあると、酸成分による潤滑剤組成物への酸化劣化の影響が少ないので好ましい。
ポリオレフィンワックスの中でも、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、及びエチレン－プロピレン共重合ワックスからなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスからなる群から選ばれる少なくとも一種がより好ましい。

ポリエチレンワックスの市販品としては、クラリアントジャパン株式会社製のＬｉｃｏｗａｘＰＥ５２０、ＰＥ１９０、ＰＥ１３０等が挙げられ、ポリプロピレンワックスの市販品としては、クラリアントジャパン株式会社製のＬｉｃｏｓｅｎＰＰ７５０２、ＰＰ３６０２、Ｃｅｒｉｄｕｓｔ６０５０Ｍ、三井化学株式会社製のハイワックスＮＰ１０５、ＮＰ５００等が挙げられる。

最も好ましい炭化水素系ワックスは、ポリプロピレンワックスである。
潤滑剤組成物中の炭化水素系ワックスの割合は、例えば、０．１～２０質量％、好ましくは０．１～１０質量％、より好ましくは０．５～７質量％、さらに好ましくは１～５質量％である。

＜カルシウム塩＞
本実施形態に使用する（ｃ）カルシウム塩は、石油スルホン酸のカルシウム塩、アルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩、酸化ワックスのカルシウム塩、石油スルホン酸の過塩基性カルシウム塩、アルキル芳香族スルホン酸の過塩基性カルシウム塩、及び酸化ワックスの過塩基性カルシウム塩からなる群から選択される少なくとも１種である。

なお、本実施形態において、「Ｘの過塩基性カルシウム塩」とは、ＪＩＳＫ２５０１に準拠して測定される塩基価が２００ｍｇＫＯＨ／ｇ以上である、Ｘのカルシウム塩を意味する。また、単に「Ｘのカルシウム塩」と記載した場合、該「Ｘのカルシウム塩」は、過塩基性カルシウム塩以外のカルシウム塩（中性又は塩基性カルシウム塩）、即ち、ＪＩＳＫ２５０１に準拠して測定される塩基価が２００ｍｇＫＯＨ／ｇ未満である、Ｘのカルシウム塩を意味する。

カルシウム塩としては、アルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩及びアルキル芳香族スルホン酸の過塩基性カルシウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましく、アルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩及びアルキル芳香族スルホン酸の過塩基性カルシウム塩の組み合わせがより好ましい。前記組み合わせ中、アルキル芳香族スルホン酸の過塩基性カルシウム塩の割合は、例えば、５０～９９質量％、好ましくは６０～９０質量％、より好ましくは６５～８０質量％である。前記組み合わせにより、高温下の耐久性は更に向上する。

潤滑剤組成物中のカルシウム塩の割合は、好ましくは０．１～２０質量％、より好ましくは０．５～１０質量％（例えば、１～５質量％）である。０．１質量％未満では高温下の寿命が不十分となる傾向にあり、また２０質量％を超えると添加量に見合う効果が不十分となる傾向にある。

＜増ちょう剤＞
本実施形態の潤滑剤組成物は、（ｄ）増ちょう剤を含んでいてもよい。増ちょう剤としては、全ての増ちょう剤が挙げられる。例えば、リチウム石けんや複合リチウム石けんに代表される石けん系増ちょう剤、ジウレアに代表されるウレア系増ちょう剤、有機化クレイやシリカに代表される無機系増ちょう剤、ＰＴＦＥに代表される有機系増ちょう剤などが挙げられるが、好ましいものはリチウム石けん系増ちょう剤やウレア系増ちょう剤であり、より好ましいものはリチウム石けん系増ちょう剤である。

潤滑剤組成物中の増ちょう剤の割合は、好ましくは０～２０質量％（例えば、１～１５質量％）、さらに好ましくは０．５～１０質量％（例えば、０．５～３質量％）である。０．５質量％未満では増ちょう効果がなくなり、２０質量％を超えると潤滑剤組成物が硬くなりすぎ、潤滑部への流入が無くなり充分な効果を得るのが困難になる傾向がある。
潤滑剤組成物が増ちょう剤を含む場合、潤滑剤組成物のちょう度は、３００～４５０（例えば、３５０～４１０）が好ましく、３９５～４２５がより好ましい。なお、ちょう度は、ＪＩＳＫ２２２０に定義されるとおり、試料を規定の混和器で６０往復混和した直後に測定される値である。

本実施形態の潤滑剤組成物には、必要に応じて、他の任意の添加剤を配合することができる。任意の添加剤としては、例えば、（ｃ）カルシウム塩以外の防錆剤又は清浄分散剤、極圧剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、油性剤、耐摩耗剤、固体潤滑剤などが挙げられる。これらの中でも、（ｅ）極圧剤が好ましい。

＜極圧剤＞
本実施形態に任意に使用される（ｅ）極圧剤としては、特に制限はなく、例えば、チオリン酸塩及びチオカルバミン酸から選ばれる少なくとも一種が使用できる。チオリン酸塩としては、ジチオリン酸塩が挙げられ、好ましくは、ジチオリン酸（例えば、ジアルキルジチオリン酸）の亜鉛塩又はモリブデン塩である。また、チオカルバミン酸としては、ジチオカルバミン酸塩が挙げられ、好ましくは、ジチオカルバミン酸（例えば、ジアルキルジチオカルバミン酸）の亜鉛塩又はモリブデン塩である。

好ましい極圧剤は、ジチオカルバミン酸モリブデン及びジチオリン酸亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましい極圧剤は、ジチオカルバミン酸モリブデン（特に、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン）とジチオリン酸亜鉛（特に、ジアルキルジチオリン酸亜鉛）の組み合わせである。前記組み合わせにおけるジチオカルバミン酸モリブデンの割合は、５０～９９質量％であるのが好ましく、５５～９０質量％であるのがより好ましい。

潤滑剤組成物中の極圧剤の割合は、０～１．５質量％であることが好ましく、０．５～１質量％であることがより好ましい。１．５質量％を超えると、添加剤の析出による減速機の振動等の発生確率が上昇する。

本実施形態の潤滑剤組成物の好ましい態様の一つとして、以下の態様が挙げられる。
下記の成分（ａ）～（ｅ）を含む、偏心揺動式遊星歯車タイプの減速機用潤滑剤組成物：
（ａ）合成炭化水素油を含む基油、
（ｂ）ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスからなる群から選ばれる少なくとも一種、
（ｃ）アルキル芳香族スルホン酸のカルシウム塩及びアルキル芳香族スルホン酸の過塩基性カルシウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種、
（ｄ）リチウム石けん系増ちょう剤、並びに
（ｅ）ジチオカルバミン酸モリブデン及びジチオリン酸亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種。

本実施形態の潤滑剤組成物は、偏心揺動式遊星歯車タイプの減速機に利用できる。特に、高温下の耐久性を有し、出力側トルクの変動を防止できる点から、ロボットの関節部に取り付けられる偏心揺動式遊星歯車タイプの減速機に利用するのが好ましい。

前記減速機の代表例としては、第１段減速機構および第２段減速機構を含む減速機であって、該第１段減速機構がモータからの回転を減速して前記第２段減速機構へ伝達する減速機であり、該第２段減速機構が内歯歯車体、該内歯歯車体に噛み合う外歯歯車体、該外歯歯車体に係合し該外歯歯車体を前記内歯歯車体に対して偏心揺動運動させるクランク軸、及び該クランク軸を回転自在に支持する支持体を有し前記内歯歯車体または前記支持体から出力が取り出される偏心揺動式減速機が挙げられる。

次に、本実施形態に係るパウチ容器について、図面に基づいて説明する。

図１は、本実施形態におけるパウチ容器を示す斜視図であり、図２は、本実施形態におけるパウチ容器の押出口基体の近傍を示す模式的拡大断面図であり、図において、符号１は、パウチ容器である。
本実施形態に係るパウチ容器（容器）１は、例えば、偏心揺動式遊星歯車タイプの減速機に封入する減速機用潤滑剤組成物（グリース）が充填・密封される。本実施形態に係るパウチ容器（容器）１は、潤滑剤供給器として使用できる。

本実施形態に係るパウチ容器１は、図１，図２に示すように、船底形であり、２枚の略矩形フィルム（フィルム状材料）１ａ，１ｂの一端部に変形六角形のフィルム１ｃを配し、そのフィルム１ｃの全周をフィルム１ａないしは１ｂに対して融着するとともに、フィルム１ａ，１ｂの両側縁部を互いに融着したものであり、内容物の充填後にフィルム１ａ，１ｂの他端側を融着することにより密閉している。

この例において、パウチ容器１のパウチ（収納部材）を構成するフィルム１ａ，１ｂおよび１ｃは、ガスバリア性を有し、アルミ箔１ｄをガスバリア層および水蒸気バリア層として、その片側にベースフィルムとして延伸ポリアミド樹脂層１ｅを、他方の側には低密度ポリエチレンフィルム層１ｆもしくは未延伸ポリプロピレンフィルム層を積層した構造を有しており、ベースフィルムである延伸ポリアミド樹脂層１ｅが外側に位置するように融着されている。

パウチ容器１は、内容物を充填した状態では、図１に示すように、フィルム１ｃが略平坦となる。フィルム１ｃの平坦部分に押出口（スパウト）１ｇが貼着固定されている。押出口１ｇは押出口基体１ｈによって構成され、押出口基体１ｈは円筒部１ｊの一端側にフランジ部１ｋが形成された形状を有し、フランジ部１ｋがパウチ容器１のフィルム１ｃに対してホットメルト層１ｍによって貼着固定されている。この押出口基体１ｈの円筒部１ｊの外周には雄ネジ１ｎが刻設されている。押出口１ｇにはキャップ２が設けられてもよい。

キャップ２は、基端部側が開口した全体として有底円筒状の筒体であり、その筒体の先端部は未使用状態においては密閉されており、内容物の所要の押出時に開放される。また、このキャップ２の基端部の内周面には、雄ネジ１ｎに螺合する雌ネジが刻設されている。

パウチのフィルム１ｃには、押出口基体１ｈの内側の領域に、開封容易部１ｐが形成されていてもよい。この開封容易部１ｐは、パウチ容器１の最外層のベースフィルムである延伸ポリアミド樹脂層１ｅのみを欠落させた構造を有している。

パウチ容器１の穿孔に際しては、適当な突き棒なとの先端を押出口基体１ｈの内側に挿入して開封容易部１ｐを突き刺す。このとき、開封容易部１ｐにおいては、強度の高いベースフィルムである延伸ポリアミド樹脂層１ｅが欠落しているので、先端が丸い突き棒などを用いても簡単に突き刺して孔を開けることができる。

さらに、以下に示す構造を採用することもできる。

例えば、ベースフィルムである延伸ポリアミド樹脂層１ｅに切刃により円形の切り込みを入れた構造、同じくベースフィルムである最外層の延伸ポリアミド樹脂層１ｅに多数の微細孔を形成した構造、フィルム１ｃの全体に×形の切り込みを入れるとともに、その切り込みの形成部位をアルミ箔もしくは紙で覆った構造を示すことができる。

また、パウチ容器１を延伸ポリアミド樹脂等からなる単層フィルムで構成することができ、この場合、単層フィルムに薄肉部を形成して開封容易部とできる。なお、切刃による切り込みは、上述したような円形のほか、×形状等であってもよい。また、単層フィルムを用いる場合、×形の切り込みを入れるとともに、その切り込みの形成部位をアルミ箔もしくは紙で覆った構造とすることもできる。

また、パウチ容器を積層フィルムで構成する場合、積層されるフィルムの種類や積層構造等については上記した組み合わせに限られることなく、例えばアルミ箔を有さない積層構造や、あるいは上記した積層構造に加えて、アルミ箔の内側にもポリアミド樹脂層を配置した積層構造、等も採用することができる。アルミ箔を有さない積層構造においては、上記した積層構造と同様にベースフィルムにのみ欠落部や切り込み、あるいは多数の微小孔を形成することによって突き刺し容易部を形成することができる。

また、アルミ箔の内側にもポリアミド樹脂層を有する構造における開封容易部の構造としては、ベースフィルムである最外層の延伸ポリアミド樹脂層１ｅとアルミ箔１ｄ、および更にその内側のポリアミド樹脂層を欠落させた構造や、最外層の延伸ポリアミド樹脂層１ｅにのみ切り込みを入れる構造等を採用することができ、また、多数の微小孔を形成する開封容易部を採用する場合には、最外層の延伸ポリアミド樹脂層１ｅにのみ多数の微小孔を形成する構造を採用することができる。

また、ベースフィルムの材質としては、延伸ポリアミド樹脂のほか、延伸ポリプロピレン、ポリエチレンなど、この種のパウチにおいて用いられている公知の材質を採用することができる。

そして、パウチ容器１は、構成するフィルム１ａ，１ｂおよび１ｃを同じフィルム構造とし、スパウト１ｇが貼着されるフィルム１ｃのスパウト１ｇの内側に開封容易部１ｐを形成したが、フィルム１ｃを他のフィルム１ａ，１ｂに比して突き刺しやすいフィルム構造としてもよい。

すなわち、上記したパウチ構成、すなわち、第１のフィルム１ａと第２のフィルム１ｂとを重ね合わせて、その片側の端部に第３のフィルム１ｃを配してその全周を第１または第２のフィルム１ａ，１ｂに接合するとともに、第１と第２のフィルム１ａ，１ｂの両側縁部を互いに接合し、内容物の充填後にフィルム１ａ，１ｂの残る端部を接合する船底形等のパウチ容器１において、パウチ容器１の一端部分を形成する第３のフィルム１ｃにスパウト１ｇを貼着する場合、この第３のフィルム１ｃの構造を、第１および第２のフィルム１ａ，１ｂに比して突き刺し易い構造とすることができる。

例えば、第１および第２のフィルム１ａ，１ｂを、表面側からポリアミド樹脂層（１５μｍ；厚さ、以下同））／アルミ箔（９μｍ）／ポリアミド樹脂層（２５μｍ）／低密度ポリエチレン樹脂層（７０μｍ）とするとともに、第３のフィルム１ｃを、同じく表面側からポリアミド樹脂層（１５μｍ）／アルミ箔（９μｍ）／低密度ポリエチレン層（３０μｍ）とすることができる。

これにより、パウチの胴部を形成する第１と第２のフィルム１ａ，１ｂを高い強度としてパウチ容器１の強度が確保され、そのパウチ容器１の端部を形成してスパウト１ｇが貼着される第３のフィルム１ｃを棒等によって比較的容易に突き刺すことができる。

ここで、第３のフィルム１ｃは第１、第２のフィルム１ａ，１ｂに比して低強度であるが、例えば前記したように押出器内に挿入してスパウト１ｇを介してシーラント等を押し出す場合には、第３のフィルム１ｃは押出器の内端面に当接するので、押出力は押出器の内端面で受けるため、押し出し時に破損することはなく、また、第１と第２のフィルム１ａ，１ｂとの接合部は、これらの第１および第２のフィルム１ａ，１ｂのシーラント層を厚くすることよってその接合強度を確保することができる。

また、本実施形態におけるパウチ容器１の形状としては、押出器等を用いて内容物を余すところなく押し出せる形状であれば任意とすることができるが、筒状パウチ、袋状パウチ、なかでも船底形パウチやスタンディングパウチを用いることにより、容器の取り扱い性および作業性の点において好ましい。

次に、本実施形態に係るグリースガン、接続部材について、図面に基づいて説明する。

図３は、本実施形態におけるグリースガンを示す分解斜視図であり、図４は、本実施形態におけるグリースガンの先端の近傍を示す模式的拡大断面図であり、図において、符号１０は、グリースガンである。
本実施形態に係るグリースガン１０は、潤滑剤供給器としての機能を有し、例えば、偏心揺動式遊星歯車タイプの減速機に減速機用潤滑剤組成物（グリース）を充填する際に使用する。

本実施形態に係るグリースガン１０は、図３に示すように、本体である両端が開放したシリンダ（筒部）１１と、シリンダ１１の一端側に着脱自在に装着され、かつ、貫通孔１２ａが形成された蓋体１２と、蓋体１２の内側でパウチ容器１のスパウト１ｇに取り付けられる接続部材２０と、シリンダ１１内に揺動自在に配置されたピストン１４と、シリンダ１１に対してピストン１４を支持して移動させるトリガー機構（押圧部）１３と、を有する。

シリンダ１１は、略円筒状とされ、潤滑剤組成物（グリース）を入れたパウチ容器１を収納する。ピストン１４は、シリンダ１１内のパウチ容器１を押圧可能で、トリガー機構（押圧部）１３によって軸方向に移動するロッドが接続される。なお、ピストン１４のロッドに対して相対的に移動可能に嵌合されたガイドを設けてもよい。
蓋体１２には、図３，図４に示すように、シリンダ１１の端部外周と接する内側に、ネジ部１２ｂが形成されて、互いに締結される。シリンダ１１の端部外周には、蓋体１２のネジ部１２ｂに対応するネジ部１１ｂが形成されている。

トリガー機構（押圧部）１３は、ピストン１４を移動させるトリガー１３ａを有する。トリガー機構（押圧部）１３は、また、支持部材１３ｂとしてシリンダ１１の他端側を閉塞する。
なお、押圧部としては、パウチ容器１を押圧可能であればこのようなトリガーでの手動に限るものではなく、油圧式、電動式、圧空式とすることもできる。

図５は、本実施形態における接続部材を示す断面図であり、図６は、図５におけるＶＩ－ＶＩ矢視断面図である。
接続部材２０は、蓋体１２の貫通孔１２ａを貫通する先端部２１と、蓋体１２の内側に位置して貫通孔１２ａの周縁部に当接するフランジ部２２と、を有する。接続部材２０は、シリンダ１１に対して脱着可能である。
接続部材２０には、先端部２１からフランジ部２２へと向かう軸線に沿って貫通孔２３が形成される。貫通孔２３は、先端部２１およびフランジ部２２と同軸に形成される。

先端部２１は円柱状に形成され、接続部材２０がシリンダ１１内にセットされた際に、蓋体１２の貫通孔１２ａを貫通して、シリンダ１１の外側に位置する。
フランジ部２２は、シリンダ１１の内側となる先端部２１の端部外周が拡径するように形成される。フランジ部２２の外径は、シリンダ１１の内径とほぼ同じかやや小さくなる。

貫通孔２３の開口は、パウチ容器１における押出口（スパウト）１ｇの円筒部１ｊを挿入して取り付け可能な径寸法を有する。
貫通孔２３のシリンダ１１の内側となる内周面には、ネジ部２３ａが形成される。ネジ部２３ａは、パウチ容器１における押出口（スパウト）１ｇの円筒部１ｊ外周に形成された雄ネジ１ｎに対応する。つまり、ネジ部２３ａと雄ネジ１ｎとは、互いに締結してスパウト１ｇと貫通孔２３とを密閉するように、ピッチ、呼び径、谷径、有効径、ネジ山の角度、などが設定されている。
なお、図４は、には、ネジ部２３ａと雄ネジ１ｎとの対応がわかるように、スパウト１ｇも記載している。ネジ以外のその他結合手段でも良い。

貫通孔２３のシリンダ１１の外側となる開口は、後述するグリースガンホース（接続管）３０の端部３３を挿入して取り付け可能な径寸法を有する。
貫通孔２３のシリンダ１１の外側となる内周面には、ネジ部２３ｂが形成される。ネジ部２３ｂは、グリースガンホース（接続管）３０に形成された雄ネジ３３ｎに対応する。つまり、ネジ部２３ｂと雄ネジ３３ｎとは、互いに締結してグリースガンホース（接続管）３０と貫通孔２３とを密閉するように、ピッチ、呼び径、谷径、有効径、ネジ山の角度、などが設定されている。

ネジ部２３ａとネジ部２３ｂとのいずれか一方は、逆ネジとされていてもよい。本実施形態としては、ネジ部２３ａが左ネジとされていてもよい。これにより、グリースガンホース（接続管）３０の端部３３の雄ネジ３３ｎと、パウチ容器１における押出口（スパウト）１ｇの雄ネジ１ｎとをそれぞれ接続部材２０に締結して繋げる際に、先に締結したネジが外れないようにすることができる。あるいは、ネジ部２３ａとネジ部２３ｂとをいずれも逆ネジとしないこともできる。

貫通孔２３は、シリンダ１１の内側となる開口と、シリンダ１１の外側となる開口と、がそれぞれ異なる部材である、パウチ容器１における押出口（スパウト）１ｇの円筒部１ｊと、グリースガンホース（接続管）３０の端部３３とを接続するために、異なる径寸法を有する。このため、貫通孔２３は、接続部材２０の軸方向において径寸法が変化する。具体的には、シリンダ１１の内側開口から、シリンダ１１の外側開口に向けて、縮径する段差部２３ｃが形成されている。なお、段差部２３ｃを形成せずに、軸線方向に沿って内面が傾斜する縮径部を形成することもできる。

フランジ部２２における、軸方向で先端部２１側の外部に対向する面２２ｃは、蓋体１２における貫通孔１２ａ周縁のシリンダ１１の内側となる面１２ｃに接触する。このように、フランジ部２２が蓋体１２に面２２ｃと面１２ｃとで互いに接触する。また、先端部２１が貫通孔１２ａを貫通する位置にあることにより、蓋体１２に対する接続部材２０の位置決めがおこなわれる。

先端部２１には、外周に段差面２１ｄが設けられて、先端部２１の外側が縮径されている。段差面２１ｄよりも外側で蓋体１２の貫通孔１２ａに当接する部分には、接続部材２０の軸線に対して互いに対称となる位置に平面部２１ｅが形成されている。平面部２１ｅは、接続部材２０の軸線と平行に設けられる。平面部２１ｅは、互いに平行として形成される。平面部２１ｅは、先端部２１において平面部２１ｅよりも先端側となる先端部２１に対して平面部２１ｅの対応する部分が縮径した状態となるように形成される。
平面部２１ｅの接続部材２０の軸線に沿った方向における長さは、治具がかかる幅となるように設定される。

蓋体１２の貫通孔１２ａの内周面には、平面部２１ｅに対応して平面部１２ｅが設けられる。平面部１２ｅは、貫通孔１２ａの軸線に対して互いに対称となる位置に形成されている。平面部１２ｅは、貫通孔１２ａの軸線と平行に設けられる。平面部１２ｅは、互いに平行として形成される。平面部１２ｅは、貫通孔１２ａの内周に対して平面部１２ｅの対応する部分が縮径した状態となるように形成される。

図７は、本実施形態におけるグリースガンの使用状態を示す模式図である。
本実施形態に係るグリースガン１０の使用時には、図７に示すように、グリースガンホース（接続管）３０を用いる。
グリースガンホース（接続管）３０は、潤滑剤組成物（グリース）を充填するために、偏心揺動式遊星歯車タイプの減速機ＲＶの注入口に接続される端部３１と、接続部材２０を介してパウチ容器１のスパウト１ｇに接続される端部３３と、を有する。

端部３１には、グリースニップル等、供給対象となる減速機ＲＶの注入口に接続して、潤滑剤組成物（グリース）を充填可能な形状とされる。端部３１の形状は減速機ＲＶの注入口に対応していれば、特に限定されない。
端部３３には、雄ネジ３３ｎが形成される。雄ネジ３３ｎは、貫通孔２３のシリンダ１１の外側となる内周面に形成されたネジ部２３ｂに対応する。

グリースガンホース（接続管）３０は、その内径及び長さが所定の寸法となるように形成されている。具体的には、グリースガン１０からの圧送圧力等の条件に応じて、減速機ＲＶに充填するグリースの条件が所定の条件になるように設定される。
特に、圧送性の関係式は以下である。
η＝ＫＰπＤ^４／（Ｌν／ｔ）
ここで、η見かけ粘度（グリースの混和ちょう度、基油動粘度および基油の割合による。）
Ｐ：圧送圧力
Ｄ：配管内径
Ｌ：配管長
ν／ｔ：流量
Ｋ：定数

グリースガン１０は、使用する際に、蓋体１２をシリンダ１１から取り外す。そして、カートリッジとなるパウチ容器１のスパウト１ｇを、接続部材２０の貫通孔２３の内側開口に接続する。この際、雄ネジ１ｎとネジ部２３ａとを締結して密閉する。このとき、接続部材２０は、先端部２１が蓋体１２の貫通孔１２ａに貫通した状態であってよいし、接続部材２０が蓋体１２と分離されていてもよい。

次に、パウチ容器１の接続された接続部材２０を、先端部２１が蓋体１２の貫通孔１２ａに貫通した状態とする。あらかじめ、先端部２１が蓋体１２の貫通孔１２ａに貫通した状態であってよい。

次に、カートリッジとなるパウチ容器１をそのスパウト１ｇが蓋体１２側を向くようにシリンダ１１内に挿入する。その後、シリンダ１１のネジ部１１ｂと、蓋体１２のネジ部１２ｂとを締結して、蓋体１２をシリンダ１１の先端に装着し、シリンダ１１の内部を密閉する。このとき、フランジ部２２の面２２ｃと蓋体１２に面１２ｃとが互いに接触する。また、先端部２１が貫通孔１２ａを貫通する位置にある。これにより、蓋体１２に対して接続部材２０が位置決めされる。

その状態でパウチ容器１をそのスパウト１ｇの開封容易部１ｐを開封する。同時に、グリースガンホース（接続管）３０の端部３３を、接続部材２０の貫通孔２３の外側開口に接続する。このとき、ネジ部２３ｂと雄ネジ３３ｎとを互いに締結する。これにより、グリースガンホース（接続管）３０と貫通孔２３とを密閉する。
また、グリースガンホース（接続管）３０の端部３１を、偏心揺動式遊星歯車タイプの減速機ＲＶの注入口に接続する。

その状態でトリガー機構（押圧部）１３の操作によりピストン１４を蓋体１２側に移動させる。これによりピストン１４がパウチ容器１底部を押圧して、カートリッジとなるパウチ容器１内の潤滑剤組成物（グリース）を所定の条件で押し出すようになっている。
グリースガンホース（接続管）３０を流れた潤滑剤組成物（グリース）は、所定の流量・圧力で注入口から減速機ＲＶに注入される。
なお、上記の各工程は、上述した順番とは異なる工程順となっていてもよい。

本実施形態によれば、接続部材２０によって、潤滑剤組成物（グリース）が漏れることなく、グリースガン１０から所定流量・圧力でグリースを押し出して、減速機ＲＶに充填されたグリースを入れ替える。
これによれば、高温下の減速機ＲＶの寿命を改善でき、低温下の入力トルク増大を抑制でき、減速機ＲＶの起動効率を増大できる潤滑剤組成物の染み出しを防止して小分けにすることで長期保存を容易にすることが安価に可能なるパウチ容器１を用いて、容易に減速機ＲＶに注入することができる。これにより、減速機ＲＶ内に充填されたグリースを入れ替える際に、グリースを他の容器に移し替えることなく、容易に減速機ＲＶにグリースガン１０を接続可能にして、周囲への潤滑剤組成物（グリース）の漏れを防止して、接続作業と注入作業において作業工程を簡略化して作業時間を短縮し、安価にグリースを減速機に注入して入れ替えることができる。

本実施形態における潤滑剤組成物（グリース）の圧送条件は以下のようになる。
グリースガン１０におけるトリガー１３ａ握力５０ｇｆｋが、レバー比１：１２、内直径５３ｍｍ。
グリースガンホース（接続管）３０での圧送圧力：３Ｍｐａ以下
グリースガンホース（接続管）３０内径２．５～２０ｍｍ
グリースガンホース（接続管）３０管長：１０００ｍｍ以下

送出流量：１ｃｍ^３／ｓ～７ｃｍ^３／ｓ
グリース混和ちょう度３００～４５０
グリース基油動粘度：２０～１５０ｍｍ^２／ｓ（４０℃）
グリース中の基油の割合：５０～９９重量％

１…パウチ容器（容器）
１ｇ…押出口（スパウト）
１ｊ…円筒部
２…キャップ
１０…グリースガン
１１…シリンダ（筒部）
１１ｂ…ネジ部
１２…蓋体
１２ａ…貫通孔
１２ｂ…ネジ部
１２ｃ…面
１２ｅ…平面部
１３…トリガー機構（押圧部）
１３ａ…トリガー
１４…ピストン
２０…接続部材
２１…先端部
２２…フランジ部
２３…貫通孔
２３ａ…ネジ部
２３ｂ…ネジ部
３０…グリースガンホース（接続管）
３１…端部
３３…端部
３３ｎ…雄ネジ

Claims

潤滑剤組成物が充填されて密封されるフィルム状材料で形成されたパウチおよび前記パウチに固定されたスパウトを有する容器を収納する筒部と、
前記筒部内の前記容器を押圧して前記潤滑剤組成物を押し出す押圧部と、
前記潤滑剤組成物の供給対象に接続する接続管および前記スパウトに接続される接続部材と、
前記筒部の端部の外周に締結される蓋体と、
を有し、
前記接続部材には、前記容器から前記潤滑剤組成物が前記供給対象に向けて通過する貫通孔が形成され、
前記接続部材の一端には、前記スパウトに繋がる第１ネジ部が形成され、
前記接続部材の他端には、前記接続管に繋がる第２ネジ部が形成され、
前記接続部材は、前記蓋体の内側で前記第１ネジ部を介して前記スパウトに接続され、かつ前記蓋体の外側で前記第２ネジ部を介して前記接続管に接続される、グリースガン。
請求項１に記載のグリースガンは、前記潤滑剤組成物を押し出す流量が１～７ｃｍ^３／ｓであるグリースガン。
請求項１または請求項２に記載のグリースガンは、前記潤滑剤組成物を押し出す圧送圧力が３ＭＰａ以下であるグリースガン。
請求項１から請求項３のいずれか１項に記載のグリースガンに接続される前記接続管は、内径２．５ｍｍ～２０ｍｍであり、管長が１０００ｍｍ以下であるグリースガン。
請求項１から請求項４のいずれか１項に記載のグリースガンにおいて、
前記潤滑剤組成物のちょう度が３００～４５０である、グリースガン。
請求項１から請求項５のいずれか１項に記載のグリースガンにおいて、
前記潤滑剤組成物は、４０℃のときの動粘度が２０～１５０ｍｍ ^２／ｓである基油を含む、グリースガン。
請求項１から請求項６のいずれか１項に記載のグリースガンにおいて、
前記潤滑剤組成物の基油の割合が５０～９９重量％である、グリースガン。