JP7351715B2 - 複合ろ過膜モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
図1は本実施形態に係る複合ろ過膜モジュールの縦断面図であり、図2は図1のII-II線での部分断面図、図3は図2の部分拡大図である。また、図4は図1のIV-IV線での部分断面図であり、図5は図4の部分拡大図である。複合ろ過膜モジュール1は、被処理水をろ過して処理水を得るためのものであり、第1のポート6および第2のポート7の少なくとも一方からケース2内に被処理水を導入し、第3のポート8および第4のポート9の少なくとも一方から処理水を取り出すことができる。被処理水は、第1のポート6および第2のポート7の両方から導入してもよいし、第1のポート6および第2のポート7のいずれか一方を閉じ、開いた状態の他方から導入してもよい。さらに、被処理水を、第3のポート8および第4のポート9の少なくとも一方から導入し、処理水を第1のポート6および第2のポート7の少なくとも一方から取り出してもよい。
ケース2は、一方向に延びる円筒状の側壁2aと、側壁2aの両端に設けられた一対の第1の端板2bおよび第2の端板2cと、を有している。ケース2の形状、素材は特に限定されず、例えば塩化ビニルやポリスルホン、ABS樹脂等の樹脂製のものを使用することができる。
複合ろ過膜11は、2つの保持部材4の間に架け渡されるように配置されている。すなわち、本実施形態に係る複合ろ過膜モジュール1は、いわゆる両端支持タイプである。複合ろ過膜11の一端部は一方の保持部材4を貫通し、他端部は他方の保持部材4を貫通している。複合ろ過膜11は中空であるため、第1の端部空間S2と第2の端部空間S3とは複合ろ過膜11の内部空間によって連通している。
支持層12は、多孔質を形成することができる素材からなるものであれば、特に限定されない。支持層12を構成する成分としては、例えば、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリクロロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリケトン、結晶性セルロース、ポリサルホン、ポリフェニルサルホン、ポリエーテルサルホン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、およびアクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、三酢酸セルロース(セルローストリアセテート)等が挙げられる。これらの中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリサルホン、およびポリエーテルサルホン、セルローストリアセテートが、耐圧性能に優れる観点から好ましい。また、支持層12を構成する成分としては、上記例示の樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
半透膜層13は、多官能アミン化合物と多官能酸ハライド化合物とからなる架橋ポリアミド、すなわち、多官能アミン化合物と多官能酸ハライド化合物とを重合させてなる架橋ポリアミドを含んで、半透膜の機能を奏する層であれば、特に限定されない。
次に、本実施形態に係る複合ろ過膜モジュールの製造方法について図1、図6および図7を参照して説明する。本実施形態に係る複合ろ過膜モジュールの製造方法は、多孔質の中空糸状の支持層12と、支持層12の外周面に付着された半透膜層13と、を有する複合ろ過膜11を準備する準備工程と、複合ろ過膜11から半透膜層13の端部を除去する除去工程と、複合ろ過膜11の半透膜層13が除去された部分において支持層12に樹脂を付着させて、樹脂の一部を支持層12に浸透させる浸透工程と、硬化前の樹脂をケース2の内周面に接触させる接触工程と、ケース2内で支持層12の外側に位置する樹脂を硬化させる保持工程と、を有する。以下、各工程について説明する。
複合ろ過膜モジュール1を用いたろ過方法について図1を参照して説明する。被処理水をケース2の第1のポート6から導入し、第2のポート7から排出する。これにより、ケース2内の中央空間S1では被処理水が流動する。また、被処理水よりも高い浸透圧を有するドローソリューションを、第3のポート8から第1の端部空間S2に導入し、複合ろ過膜11の内部を通じて第2の端部空間S3に移動させ、第4のポート9から排出させる。これにより、被処理水に含まれる水が浸透圧差によって、被処理水からドローソリューションに移動する。言い換えると、被処理水からドローソリューションに水が引き抜かれる。
次に、本実施形態に係る複合ろ過膜モジュール1の特徴および作用効果について説明する。
上述の本実施形態に係る複合ろ過膜モジュール1の製造方法では、浸透工程と接触工程とを同時に行ったが、浸透工程と接触工程とを別個に行ってもよい。例えば、ケース2の外部で複合ろ過膜11の第二部位11bに硬化前の樹脂を付着させ(浸透工程)、その後、この樹脂が付着された複合ろ過膜11をケース2内に配置し(配置工程)、ケース2内に配置された複合ろ過膜11に付着した硬化前の樹脂をケース2の内周面に接触させるようにしてもよい(接触工程)。支持層12の外周面から内部に浸透した樹脂は、硬化することによって浸透部12aを形成し、支持層12とケース2との間に残存した樹脂の残部は、硬化することによって保持部材4となる(保持工程)。
図11(a)は評価用モジュールの外観斜視図であり、図11(b)はその縦断面図である。評価用モジュール20は、両端支持タイプではなく、片端フリータイプとした。評価用モジュール20は、両端に開口を有する円筒状のケース2と、ケース2内に配置された複合ろ過膜11と、複合ろ過膜11をケース2に対して固定するとともにケース2の一端を封止する1個の保持部材4と、を備える。
評価項目は、複合ろ過膜と保持部材との接着部分の耐圧強度と、複合ろ過膜への樹脂の浸透深さとした。表1には、各評価項目の評価結果も記載した。
耐圧強度は、複合ろ過膜と保持部材との間から色素を含む溶液の漏れが目視で確認された時点の圧力とする。ただし、本試験で使用した複合ろ過膜の支持層の耐圧限界(圧潰する圧力)が2MPaであるため、加える圧力の上限を2MPaとした。2MPaの圧力で1時間保持しても漏れが確認できなかった場合、耐圧強度を2MPa以上と評価し、表1には「2<」と記載した。耐圧強度は、0.9MPa以上を「可」、1.5MPa以上を「良」、0.9MPa未満を「不可」と評価した。
樹脂の浸透深さは、接合強度試験後の評価用モジュールの保持部材を設けた部分の長手方向の任意の位置について測定した。当該任意の位置において、評価用モジュールを長手方向に垂直に切断し、その断面をデジタルHFマイクロスコープ(キーエンス株式会社、VH-8000)を用いて100倍の倍率で写真を撮影した。撮影した写真を用いて、当該断面における5本の複合ろ過膜の任意の3か所、計15か所について樹脂の浸透深さを測定した。浸透深さは、複合ろ過膜の外周面から中心に向かう方向に測定した。1つの評価用モジュールの断面における上記15か所の測定値の相加平均を、当該評価用モジュールの樹脂浸透深さとした。
(実施例1)
実施例1では、半透膜層の除去条件として、複合ろ過膜の一方の端部を12質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液に3時間浸漬し、半透膜層を酸化させた。その結果、半透膜層を十分に除去できており、樹脂が複合ろ過膜の支持層内部まで浸透し、樹脂浸透深さは150μmであった。また、支持層と保持部材との間のアンカー効果により2MPa以上と非常に高い耐圧強度であった。
実施例2は、半透膜層の処理媒体(酸化剤)を過酸化水素水とした以外は、実施例1と同じ条件とした。その結果、半透膜層を十分に除去できていたため、樹脂浸透深さは70μmであり、耐圧強度は1.5MPaと高い値であった。
実施例3は、樹脂をエポキシ樹脂とした以外は、実施例1と同じ条件とした。その結果、半透膜層を十分に除去できており、樹脂もウレタン樹脂と同様に複合ろ過膜の支持層内部まで浸透していた。樹脂浸透深さは147μmであり、耐圧強度は2MPa以上と非常に高い値であった。
実施例4は、半透膜層の除去を紙やすりを用いた研磨によって物理的に行った以外は、実施例1と同じ条件とした。紙やすりによる半透膜層の除去では、除去作業を行った部分において半透膜層が除去された部分だけでなく、研磨された半透膜層が支持層に押し込められた部分も存在した。そのため、樹脂の浸透深さが15μmと実施例1~3と比べて浅かった。また、耐圧強度も0.9MPaと十分に高い値であったものの、実施例1~3と比べて低かった。
比較例1は、半透膜の除去を行わなかった。半透膜は孔径が小さいため、樹脂が支持層まで浸透せず、樹脂の浸透深さは0であった。また、耐圧強度は0.02MPaと低い値であった。
比較例2は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液への浸漬時間を2分間とした以外は、実施例1と同じ条件とした。その結果、半透膜層を十分に除去することができず、樹脂の浸透深さは9μmと実施例1~4に比べて浅かった。また、耐圧強度も0.1MPaと低い値であった。
2 ケース
4 保持部材
11 複合ろ過膜
12 支持層
12a 浸透部
13 半透膜層
Claims (3)
- 多孔質の中空糸状の支持層と、前記支持層の外周面に付着された半透膜層と、を有する複合ろ過膜を準備する準備工程と、
前記複合ろ過膜から前記半透膜層の端部を除去する除去工程と、
前記複合ろ過膜における前記半透膜層が除去された部分において前記支持層に樹脂を付着させて、前記樹脂の一部を前記支持層に浸透させる浸透工程と、
前記支持層の外側に位置する前記樹脂を硬化させて、前記複合ろ過膜を保持する保持部材とする保持工程と、を有する複合ろ過膜モジュールの製造方法。 - 硬化前の前記樹脂を、ケースの内周面または前記ケースの内部に配置されるシースの内周面に接触させる接触工程を、さらに有し、
前記接触工程を、前記浸透工程と前記保持工程との間、または、前記浸透工程と同時に行う、請求項1に記載の複合ろ過膜モジュールの製造方法。 - 前記除去工程では、前記半透膜層を酸化させることによって前記半透膜層を除去する、請求項1または請求項2に記載の複合ろ過膜モジュールの製造方法。
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