JP7338558B2 - 複数台電力変換装置の位相同期制御装置および位相同期制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は、マスタ側制御装置とスレーブ側制御装置を有し、マスタ側制御装置からスレーブ側制御装置に位相データを送信し、各スレーブ側制御装置の位相をマスタ側制御装置と同期させる制御に関する。
図6~図9に、本発明に関連する先行技術文献の一例である特許文献1の従来技術の課題と対策を示す。図6は、特許文献1の図1に記載され、特許文献1の電動機の制御方法が適用されるモータ駆動システム20の構成図である。
図6において、モータ駆動システム20は、制御装置1、制御装置2、第1インバータ3、第2インバータ4、3相2重巻線モータ5、第1電流センサ6、第2電流センサ7およびバッテリ10を含んで構成される。
3相2重巻線モータ5は、u相、v相、w相の3相で構成される第1巻線群8、第2巻線群9を有する多相巻線電動機である。3相2重巻線モータ5は、第1巻線群8、第2巻線群9がそれぞれに対応する制御装置1及び制御装置2によって個別に制御(PWM制御)されることにより所望の駆動電力を発生する。発生した駆動力は、図示省略の減速機およびドライブシャフトを介して左右の駆動輪に伝達されることにより車両を駆動させる。
制御装置1は、トルク指令値T1
*と、第1電流センサ6の検出値であるu,v相電流検出値i1u,i1vと、制御装置2が出力する制御情報2dと、制御装置1が有するPWMキャリア(キャリア1c)とに基づいて、3相2重巻線モータ5に所望のトルクを発生させるための強電素子駆動信号を生成し、パルス信号PWM1として第1インバータ3に出力する。
制御装置2は、トルク指令値T2
*と、第2電流センサ7の検出値であるu,v相電流検出値i2u,i2vと、制御装置1が出力する制御情報1dと、制御装置2が有するPWMキャリア(キャリア2c)とに基づいて、3相2重巻線モータ5に所望のトルクを発生させるための強電素子駆動信号を生成し、パルス信号PWM2として第2インバータ4に出力する。
第1インバータ3は、3相6アームで構成され、相ごとに2つずつ計6個のパワー素子を備えている。第1インバータ3は、制御装置1から出力されるパルス信号PWM1に応じてパワー素子のそれぞれを駆動させることで、バッテリ10の直流電圧Vから三相PWM電圧v1u,v1v,v1wを生成する。生成した三相PWM電圧v1u,v1v,v1wは、対応する巻線群(第1巻線群8)に印加される。
第2インバータ4は、3相6アームで構成され、相ごとに2つずつ計6個のパワー素子を備えている。第2インバータ4は、制御装置2から出力されるパルス信号PWM2に応じてパワー素子のそれぞれを駆動させることで、バッテリ10の直流電圧Vから三相PWM電圧v2u,v2v,v2wを生成する。生成した三相PWM電圧v2u,v2v,v2wは、対応する巻線群(第2巻線群9)に印加される。
前記制御装置1(制御装置2も同様)は、主として、電流指令値変換器(11)と、座標変換器(12)と、無駄時間決定部(14)と、出力タイミング差推定部(15)と、無駄時間制御器(16、17)と、電流制御器(18)と、非干渉制御器(19、29)等を含んで構成される。
電流指令値変換器(11)は、トルク指令値T1
*から、目標トルクとdq軸電流との変換テーブルを参照してdq軸電流指令値を算出する。
座標変換器(12)は、u,v相電流検出値を座標変換し、変換結果をdq軸電流検出値として無駄時間制御器(16,17)にそれぞれ出力する。
電流制御器(18)は、dq軸電流検出値と、dq軸電流指令値とに基づいて、3相2重巻線モータ5に所望のトルクを発生させるためのdq軸電圧指令値を算出する。
非干渉制御器(19,29)は、制御対象である前記モータ5が6相(3相2重)のモータであるため、多相化による相互干渉(磁気干渉)、すなわち第1巻線群8と第2巻線群9との間の相互干渉を解消するための非干渉制御を実行する。
図7は、図6のシステムの制御中における、制御装置1のPWMキャリア(以下、単にキャリア1cという)と、制御装置2のPWMキャリア2(以下、単にキャリア2cという)の位相差の変化を示す図である。図7の上段のとおり、キャリア1cとキャリア2cのキャリア周期の設計値は同じである。
しかしながら、制御装置1と制御装置2とがそれぞれ有する発振子のハードウェアばらつきによりキャリア1cとキャリア2cのキャリア周期が微小にずれると、キャリア1cとキャリア2cとの間に位相差が生じてしまう。この位相差は、図7の上段から下段へと時間の経過とともに変化し、大きくなる。
そして、当該位相差は、制御装置1、2から出力されるパルス信号PWM1,PWM2の同期ずれ、乃至、第1、第2インバータ3、4から出力される三相PWM電圧v1u,v1v,v1w,v2u,v2v,v2wが第1、第2巻線群8、9に各々印加されるタイミングのずれを生じさせる。
特許文献1では、上記のような状態を想定し、前記位相差に起因して発生する上記ずれ(同期ずれ、印加タイミングずれ)を抑制するために、図8、図9に示す無駄時間制御を、制御装置1、2に実行させている。
図8は、特許文献1の図6に記載された、無駄時間決定部(14)の無駄時間決定処理のフローチャートである。図8において、ステップS1では、制御装置1のキャリア1cと制御装置2のキャリア2cとの位相差推定値が、制御装置1、2間の通信時間に相当する位相よりも大きいか否かを判定する。位相差推定値が通信時間に相当する位相以下であれば、無駄時間を決定するために続くステップS4の処理が実行される。
位相差推定値が通信時間に相当する位相より大きければ、続くステップS2の処理が実行される。ステップS2では、位相差推定値が180°より小さいか否かを判定する。位相差推定値が180°より小さければステップS3の処理が実行される。位相差推定値が180°以上であれば、ステップS5の処理が実行される。
ステップS3では、位相差推定値が制御装置1、2間の通信時間に相当する位相より大きく、且つ、位相差推定値が180°より小さいので、3相PWM電圧v1u,v1v,v1wが対応する巻線群(第1巻線群8)に印加されるタイミングのずれを実質的に無視できると判断して、当該タイミングを遅らせずに、無駄時間を0(0制御周期)に決定する。
ステップS4では、位相差推定値が180°より小さいか否かを判定する。位相差推定値が180°より小さければ、ステップS5の処理が実行される。位相差推定値が180°以上であれば、ステップS6の処理が実行される。
ステップS5では、位相差推定値が制御装置1、2間の通信時間に相当する位相より大きく、且つ位相差推定値が180°以上の場合、又は位相差推定値が制御装置1、2間の通信時間に相当する位相以下であり、且つ位相差推定値が180°より小さい場合に実行され、無駄時間を1制御周期に決定する。
ステップS6では、位相差推定値が制御装置1、2間の通信時間に相当する位相以下であり、且つ、位相差推定値が180°以上であるため、無駄時間を2制御周期に決定する。
このように決定された無駄時間は無駄時間制御器(16,17)に出力され、無駄時間制御器は電流指令値を前記決定された制御周期分遅らせて出力する。
図9は、前記のように実行された無駄時間制御の結果を示し、特許文献1の図7に記載された説明図である。
図9において、上述の無駄時間制御を実行しない従来制御では、ある時点のdq軸電流指令値(図中「i*」)に基づいて、制御演算(イ)のタイミングでdq軸電圧指令値を算出するとともに、当該dq軸電流指令値を制御情報1dとして制御装置2に送信する。そして、制御装置1は、制御演算(イ)のタイミングで算出したdq軸電圧指令値に応じたパルス信号PWM1を、制御演算(イ)の次の制御周期にて送信する(図示(ロ))。
一方で、制御装置2は、制御装置1から送信される制御情報1d(dq軸電流指令値)を用いて、非干渉制御器(29)が制御演算(ハ)のタイミングでdq軸電圧指令値を算出し、dq軸電圧指令値に応じたパルス信号PWM2を制御演算(ハ)の次の制御周期にて送信する(図示(ニ))。
その結果、従来技術による制御では、制御装置1のキャリア1cと制御装置2のキャリア2cとに位相差が生じることに起因して、制御装置1のパルス信号PWM1と制御装置2のパルス信号PWM2との間に、おおよそ2制御周期弱の同期ずれが生じてしまう(図中の点線両矢印)。また、このようにして発生した同期ずれは、時間の経過とともに変化するので、時間の経過とともに当該ずれが大きくなった場合には、それに応じて電流応答の振動も大きくなってしまう。
これに対して、特許文献1の制御方法によれば、制御装置1のキャリア1cと制御装置2のキャリア2cとの位相差を推定して、位相差推定値に応じて第1インバータ3が出力する三相PWM電圧v1u,v1v,v1wを第1巻線群8に印加するタイミングを遅らせる無駄時間制御を実行する。
制御装置1が備える無駄時間制御器(16、17)は、位相差推定値の大きさ(本例では通信時間に相当する位相以下であり、且つ180°以上とする)に応じて、dq軸電流指令値(図中の「i*」)に対応するパルス信号PWM1の出力を2制御周期遅らせる。
より詳細には、dq軸電流指令値に基づくdq軸電圧指令値の算出は制御演算(イ´)のタイミングで実行される。そして、制御演算(イ´)で算出されたdq軸電圧指令値に応じたパルス信号PWM1は、制御演算(イ´)の次の制御周期にて送信される(ロ´)。その結果、特許文献1の制御方法によれば、図9に示すとおり、制御装置1のパルス信号PWM1と制御装置2のパルス信号PWM2との間の同期ずれが従来に比べて大きく抑制される。
図6~図9で述べた特許文献1の制御方法では、他制御装置の位相情報(キャリア1c、2c)をもとに無駄時間を設定しているので、制御装置1と制御装置2の通信線に何らかの異常が発生した場合、無駄時間の設定ができず、内部位相のずれが大きくなる懸念がある。
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、短期間の通信異常が発生しても、マスタ側制御装置およびスレーブ側制御装置の間の内部位相のずれを抑制し、装置を停止させることなく運転を継続させることができる複数台電力変換装置の位相同期制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の複数台電力変換装置の位相同期制御装置は、
マスタ側制御装置および1又は複数のスレーブ側制御装置によって各々PWM制御される複数のPWM電力変換装置を備え、前記マスタ側制御装置およびスレーブ側制御装置の各PWM制御信号を同期させる位相同期制御装置であって、
前記マスタ側制御装置は、カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLL(Phase Locded Loop)を自走させて内部位相を生成する機能と、前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力する機能と、前記内部位相の1周期中の上位ビットを抜き出して位相データとしてスレーブ側制御装置へ送信する機能とを有し、
前記スレーブ側制御装置は、前記マスタ側制御装置との通信確定信号が受信されるまでの間、カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLLを自走させて内部位相を生成する機能と、前記通信確定信号が受信されたときに、前記マスタ側制御装置から送信された位相データを上位ビットに配置し、スレーブ側装置内で作成した、通信遅延分を考慮した加算値を下位ビットに配置し、それら上位ビットと下位ビットのデータを連結させた位相データを、スレーブ側制御装置の内部位相として更新する機能と、前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力する機能と、を有した、
ことを特徴とする。
マスタ側制御装置および1又は複数のスレーブ側制御装置によって各々PWM制御される複数のPWM電力変換装置を備え、前記マスタ側制御装置およびスレーブ側制御装置の各PWM制御信号を同期させる位相同期制御装置であって、
前記マスタ側制御装置は、カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLL(Phase Locded Loop)を自走させて内部位相を生成する機能と、前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力する機能と、前記内部位相の1周期中の上位ビットを抜き出して位相データとしてスレーブ側制御装置へ送信する機能とを有し、
前記スレーブ側制御装置は、前記マスタ側制御装置との通信確定信号が受信されるまでの間、カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLLを自走させて内部位相を生成する機能と、前記通信確定信号が受信されたときに、前記マスタ側制御装置から送信された位相データを上位ビットに配置し、スレーブ側装置内で作成した、通信遅延分を考慮した加算値を下位ビットに配置し、それら上位ビットと下位ビットのデータを連結させた位相データを、スレーブ側制御装置の内部位相として更新する機能と、前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力する機能と、を有した、
ことを特徴とする。
請求項2に記載の複数台電力変換装置の位相同期制御方法は、
マスタ側制御装置および1又は複数のスレーブ側制御装置によって各々PWM制御される複数のPWM電力変換装置を備え、前記マスタ側制御装置およびスレーブ側制御装置の各PWM制御信号を同期させる位相同期制御方法であって、
前記マスタ側制御装置が、
カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLL(Phase Locded Loop)を自走させて内部位相を生成するステップと、
前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力するステップと、
前記内部位相の1周期中の上位ビットを抜き出して位相データとしてスレーブ側制御装置へ送信するステップと、
前記スレーブ側制御装置が、
前記マスタ側制御装置との通信確定信号が受信されるまでの間、カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLLを自走させて内部位相を生成するステップと、
前記通信確定信号が受信されたときに、前記マスタ側制御装置から送信された位相データを上位ビットに配置し、スレーブ側装置内で作成した、通信遅延分を考慮した加算値を下位ビットに配置し、それら上位ビットと下位ビットのデータを連結させた位相データを、スレーブ側制御装置の内部位相として更新するステップと、
前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力するステップと、
を有したことを特徴とする。
マスタ側制御装置および1又は複数のスレーブ側制御装置によって各々PWM制御される複数のPWM電力変換装置を備え、前記マスタ側制御装置およびスレーブ側制御装置の各PWM制御信号を同期させる位相同期制御方法であって、
前記マスタ側制御装置が、
カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLL(Phase Locded Loop)を自走させて内部位相を生成するステップと、
前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力するステップと、
前記内部位相の1周期中の上位ビットを抜き出して位相データとしてスレーブ側制御装置へ送信するステップと、
前記スレーブ側制御装置が、
前記マスタ側制御装置との通信確定信号が受信されるまでの間、カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLLを自走させて内部位相を生成するステップと、
前記通信確定信号が受信されたときに、前記マスタ側制御装置から送信された位相データを上位ビットに配置し、スレーブ側装置内で作成した、通信遅延分を考慮した加算値を下位ビットに配置し、それら上位ビットと下位ビットのデータを連結させた位相データを、スレーブ側制御装置の内部位相として更新するステップと、
前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力するステップと、
を有したことを特徴とする。
本発明によれば、短期間の通信異常が発生しても、スレーブ側制御装置のPLLを自走させているので、マスタ側制御装置およびスレーブ側制御装置の間の内部位相のずれを抑制し、装置を停止させることなく運転を継続させることができる。
また、マスタ側制御装置は位相データの上位ビットを抜き出してスレーブ側制御装置へ送信するので、通信量を抑制することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。本実施形態例では、無駄時間を設定することなく、内部位相のずれを抑制し、電力変換装置等のインバータの並列運転にも適用でき、制御装置間の通信が途絶した場合でも内部位相のずれを抑制する位相同期制御装置および方法を構成した。
図1は、本発明を複数のPWM電力変換装置に適用した構成を示している。図1において、100は、入力される制御指令に基づいてパルス信号PWM1(PWM制御信号)を生成して出力するマスタ側制御装置であり、110はパルス信号PWM1によってPWM制御がなされるインバータ(PWM電力変換装置;INV1)である。
200は、入力される制御指令に基づいてパルス信号PWM2(PWM制御信号)を生成して出力するスレーブ側制御装置であり、210はパルス信号PWM2によってPWM制御がなされるインバータ(PWM電力変換装置;INV2)である。
制御情報はマスタ側制御装置100とスレーブ側制御装置200間で送受信され、位相データ(PWMキャリア)はマスタ側制御装置100からスレーブ側制御装置200は1方向のみ送信される。
インバータ110、210の各出力側に接続される、図示省略の負荷は、例えば図6の3相2重巻線モータ5の第1巻線群8、第2巻線群9である。
マスタ側制御装置100の位相同期制御回路(PLL)は図2(a)のように構成され、スレーブ側制御装置200の位相同期制御回路(PLL)は図2(b)のように構成されている。
図2(a)において、加算器101および遅延回路102によって、発振子の出力信号を加算したカウンタ加算値(制御指令により決定される)を制御周期ごとに加算し、内部位相を生成する。
前記内部位相の1周期中の上位ビット、例えば内部位相の31~29bit目を抽出部103によって取り出し、スレーブ側制御装置200に送信する位相データとする。
このように抽出部103により内部位相の一部を抽出することで、位相データの通信量を1/2nに(本例では1/8に)削減することができる。
マスタ側制御装置100とスレーブ側制御装置200の通信周期を内部位相1周期の1/2nとし、位相データの値が変化したタイミングでスレーブ側制御装置200に送信を行う。
図2(b)において、加算器201および遅延回路202によって、発振子の出力信号を加算したカウンタ加算値(制御指令により決定される)を制御周期ごとに加算し、内部位相を生成する。
通信確定信号(マスタ側制御装置100とスレーブ側制御装置200間で授受される信号)が受信されるまで、切換スイッチ203を加算器201側に切り換えてPLLを自走させる。
乗算器204において、前記カウンタ加算値とデータ長に相当するカウンタ進み分とを乗算して通信遅延分を考慮した、通信遅延分のカウンタ加算値を作成し、それを連結部205の下位ビット(28~0bit)に配置する。
連結部205の上位ビット(31~29bit)にはマスタ側制御装置100から送信された位相データが配置され、上位ビットと下位ビットのデータは連結される。
連結部205での連結処理は、
(31~29bit…マスタ側制御装置100から送信された位相データ)+(28~0bit…通信遅延分のカウンタ加算値)
である。
(31~29bit…マスタ側制御装置100から送信された位相データ)+(28~0bit…通信遅延分のカウンタ加算値)
である。
スレーブ側制御装置200において通信確定信号が受信されると、切換スイッチ203を連結部205側に切り換えて、内部位相をマスタ側制御装置100から送信された位相データに更新する。
図3に動作例を、表1に各データの遷移表を示す。図3(a)がマスタ側制御装置100の内部位相と送信タイミング(0~7)となり、図3(b)がスレーブ側制御装置200の内部位相と受信タイミング(0´~7´)である。
マスタ側制御装置100は内部位相の上位31~29bit目の値が変化したタイミングで抽出部103からスレーブ側制御装置200に位相データを送信する。スレーブ側制御装置200は、受信タイミング(通信確定信号)が来るまで、制御装置内の発振子を使用してカウンタを加算しPLLを自走させる。受信タイミングが来た場合は、スレーブ側制御装置200で以下の処理を実施する。
(1)受信した位相データを上位31~29bit目に配置し、スレーブ側制御装置200内の乗算器204により作成した、通信遅延分を考慮した加算値(固定値:例0xff)を28~0bit目に配置して、連結部においてデータを連結させる。
(2)通信確定信号が受信されたタイミングでスレーブ側制御装置200の内部位相を上書きする。
(1)受信した位相データを上位31~29bit目に配置し、スレーブ側制御装置200内の乗算器204により作成した、通信遅延分を考慮した加算値(固定値:例0xff)を28~0bit目に配置して、連結部においてデータを連結させる。
(2)通信確定信号が受信されたタイミングでスレーブ側制御装置200の内部位相を上書きする。
上記処理を実施することで、マスタ側制御装置100とスレーブ側制御装置200の位相を1/2n間隔で同期させることができる。
図4に想定される事象を示す。図4は、位相データと通信確定信号の様子を示し、位相データの実線はマスタ側制御装置100の内部位相、破線はスレーブ側制御装置200の内部位相である。
図4(a),(b)はマスタ側制御装置100とスレーブ側制御装置200で発振子にずれがある場合である。スレーブ側制御装置200はデータ受信のタイミング(通信確定信号が受信されたタイミング)で、マスタ側制御装置100から送信されてきた位相データに上書きすることで、マスタ側制御装置100と同期することができる。
図4(c)はノイズ等の影響で通信確定信号をスレーブ側制御装置200が受信できなかった場合である。通信確定信号が来なくてもスレーブ側制御装置200はPLLを自走している(図2の切換スイッチ203を加算器201側に切り換えている)ので、短期間の通信異常が発生しても装置を停止させることなく、運転を継続することができる。
また、本発明は図1の装置に適用するに限らず、図5のように、1つのマスタ側制御装置100に対して2つのスレーブ側制御装置200、300を備え、各スレーブ側制御装置200,300から出力されるPWM制御用に生成されたゲート信号により各々駆動されるインバータ110,210が設けられた回路構成に適用しても良い。
図5の場合も、制御情報はマスタ側制御装置100とスレーブ側制御装置200、300間で送受信され、位相データ(PWMキャリア)はマスタ側制御装置100からスレーブ側制御装置200、300へ1方向のみ送信される。
マスタ側制御装置100は図2(a)のPLL回路を有し、スレーブ側制御装置200、300は図2(b)のPLL回路を各々有している。
図5の構成においても、前記図1と同様の各機能を有し、図1と同様の作用、効果を奏する。
以上のように本実施形態例によれば、通信異常が発生した場合において、スレーブ側制御装置のPLLは自走するので、従来のようにマスタ側制御装置から送られてきた位相から無駄時間を判定するのに対してキャリアのずれを抑制することができる。
またマスタ側制御装置は位相データの上位bitのみを送信することで、通信量を抑制することができる。
5…3相2重巻線モータ
20…モータ駆動システム
100…マスタ側制御装置
101,201…加算器
102,202…遅延回路
103…抽出部
110、210…インバータ
200,300…スレーブ側制御装置
203…切換スイッチ
204…乗算器
205…連結部
20…モータ駆動システム
100…マスタ側制御装置
101,201…加算器
102,202…遅延回路
103…抽出部
110、210…インバータ
200,300…スレーブ側制御装置
203…切換スイッチ
204…乗算器
205…連結部
Claims (2)
- マスタ側制御装置および1又は複数のスレーブ側制御装置によって各々PWM制御される複数のPWM電力変換装置を備え、前記マスタ側制御装置およびスレーブ側制御装置の各PWM制御信号を同期させる位相同期制御装置であって、
前記マスタ側制御装置は、カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLL(Phase Locded Loop)を自走させて内部位相を生成する機能と、前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力する機能と、前記内部位相の1周期中の上位ビットを抜き出して位相データとしてスレーブ側制御装置へ送信する機能とを有し、
前記スレーブ側制御装置は、前記マスタ側制御装置との通信確定信号が受信されるまでの間、カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLLを自走させて内部位相を生成する機能と、前記通信確定信号が受信されたときに、前記マスタ側制御装置から送信された位相データを上位ビットに配置し、スレーブ側装置内で作成した、通信遅延分を考慮した加算値を下位ビットに配置し、それら上位ビットと下位ビットのデータを連結させた位相データを、スレーブ側制御装置の内部位相として更新する機能と、前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力する機能と、を有した、
ことを特徴とする複数台電力変換装置の位相同期制御装置。 - マスタ側制御装置および1又は複数のスレーブ側制御装置によって各々PWM制御される複数のPWM電力変換装置を備え、前記マスタ側制御装置およびスレーブ側制御装置の各PWM制御信号を同期させる位相同期制御方法であって、
前記マスタ側制御装置が、
カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLL(Phase Locded Loop)を自走させて内部位相を生成するステップと、
前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力するステップと、
前記内部位相の1周期中の上位ビットを抜き出して位相データとしてスレーブ側制御装置へ送信するステップと、
前記スレーブ側制御装置が、
前記マスタ側制御装置との通信確定信号が受信されるまでの間、カウンタ加算値を制御周期毎に加算し、PLLを自走させて内部位相を生成するステップと、
前記通信確定信号が受信されたときに、前記マスタ側制御装置から送信された位相データを上位ビットに配置し、スレーブ側装置内で作成した、通信遅延分を考慮した加算値を下位ビットに配置し、それら上位ビットと下位ビットのデータを連結させた位相データを、スレーブ側制御装置の内部位相として更新するステップと、
前記内部位相に基づくPWM制御信号を出力するステップと、
を有したことを特徴とする複数台電力変換装置の位相同期制御方法。
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