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JP7328000B2 - 長尺積層体及び有機el表示装置 - Google Patents

長尺積層体及び有機el表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、長尺積層体及び有機EL表示装置に関する。
楕円偏光板は、偏光板と位相差板とが積層された光学部材であり、例えば、有機EL画像表示装置等の平面状態で画像を表示する装置において、該装置を構成する電極での光反射を防止するために用いられている。この楕円偏光板において斜め方向の光漏れを抑制するために、それぞれ水平配向液晶硬化膜からなる二枚の位相差板を組み合わせて光学補償特性を付与した光学フィルムが特許文献1に記載されている。
特開2015-163938号公報
しかしながら、位相差板として二枚の水平配向液晶硬化膜を用いて製造される光学フィルムは、一般にそれぞれの水平配向液晶硬化膜を独立に作製した後、さらに両者を貼合することにより製造されることが多い。また、二枚の水平配向液晶硬化膜を連続的に形成する場合であっても、各水平液晶硬化膜を形成するための組成物の塗布工程を繰り返す必要があり製造工程が煩雑になりやすく、生産性が低下しやすいという問題があった。
また、近年、画像表示パネル等のディスプレイに対して薄型化の継続的な要求が存在しており、その構成要素の1つである位相差板や楕円偏光板に対してもさらなる薄型化が要求されている。
本発明は、より簡単に、かつ、生産性よく製造することができ、楕円偏光板を構成する一部材として組み込んだ場合には偏光子の片側の保護層を省略することによる薄膜化が可能であり、また、光漏れに対する高い抑制効果を有し、かつ、正面色相の変化が小さい位相差板を得ることのできる長尺積層体を提供することを目的とする。
本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
[1]第一の位相差層と、光配向膜と、第二の位相差層とをこの順に有する長尺積層体であって、
下記式(1)及び(2)を満たし、第一の位相差層及び第二の位相差層のいずれか一方が延伸フィルムであり、他方が液晶硬化膜である長尺積層体。
10°≦θa≦30° 又は 60°≦θa≦80° (1)
2θa+40°≦θb≦2θa+50° (2)
[式中、θaは該長尺積層体の長尺方向と第一の位相差層の遅相軸のなす角度のうち小さい角度であり、θbは第一の位相差層の長尺方向と第二の位相差層の遅相軸とのなす角度のうち小さい角度である。]
[2]第一の位相差層が下記式(3)を満たし、かつ、第二の位相差層が下記式(4)を満たす、前記[1]に記載の長尺積層体。
200nm<Re(550)<320nm (3)
100nm<Re(550)<160nm (4)
[式中、Re(550)は波長550nmにおける面内位相差値を表す。]
[3]光配向膜の光反応性基が二量化反応性の光反応性基である、前記[1]又は[2]に記載の長尺積層体。
[4]光配向膜の数平均分子量が20000~100000である、前記[1]~[3]のいずれかに記載の長尺積層体。
[5]光配向膜の厚みが100~300nmである、前記[1]~[4]のいずれかに記載の長尺積層体。
[6]透明保護層、接着層、偏光層、接着層、第一の位相差層、光配向膜及び第二の位相差層をこの順に有し、
第一の位相差層が延伸フィルムであり、第二の位相差層が液晶硬化膜である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の長尺積層体。
[7]透明保護層の380nmにおける全光線透過率が30%以下である、前記[6]に記載の長尺積層体。
[8]偏光層の二色性色素としてヨウ素が含まれ、かつ、偏光層の吸収軸が該長尺積層体の長尺方向である、前記[6]又は[7]に記載の長尺積層体。
[9]前記[1]~[8]のいずれかに記載の長尺積層体から得られる枚葉体を含む、有機EL表示装置。
本発明によれば、より簡単に、かつ、生産性よく製造することができ、楕円偏光板を構成する一部材として組み込んだ場合には偏光子の片側の保護層を省略することによる薄膜化が可能であり、また、光漏れに対する高い抑制効果を有し、かつ、正面色相変化が小さい位相差板を得ることのできる長尺積層体を提供することができる。
本発明の長尺積層体の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の長尺積層体の層構成の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更をすることができる。
本発明の長尺積層体は、第一の位相差層と第二の位相差層とをこの順に有し、第一の位相差層と第二の位相差層との間に光配向膜を有する。以下、本発明の長尺積層体の層構成の一例を図1に基づいて説明するが、本発明の積層体はこれらの態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の長尺積層体を厚み方向に切断した場合の断面を示す図である。本発明の長尺積層体11は、第一の位相差層1、光配向膜3及び第二の位相差層2をこの順に積層してなる。図1に示される長尺積層体11の層構成において、光配向膜3は第一の位相差層1上に直接形成されており、第一の位相差層1と光配向膜3とが隣接して存在する。また、図1に示される長尺積層体11の層構成において、第二の位相差層2は光配向膜3上に直接形成されており、光配向膜3と第二の位相差層2とが隣接して存在する。第一の位相差層1、光配向膜3、及び第二の位相差層2の間には、本発明の効果に影響を及ぼさない限りにおいて、例えば粘接着剤層や保護層などの他の層が含まれていてもよいが、積層体を薄型化することにより、楕円偏光板に組み込んだ際の正面色相変化の抑制効果や屈曲性をより向上させ得ることから、第一の位相差層1、光配向膜3及び第二の位相差層2はこの順に、互いに隣接して存在することが好ましい。
本発明の長尺積層体において、第一の位相差層及び第二の位相差層の一方は延伸フィルムであり、他方は液晶硬化膜であり、下記式(1)及び式(2)を満たす。
10°≦θa≦30° 又は 60°≦θa≦80° (1)
2θa+40°≦θb≦2θa+50° (2)
式(1)および(2)中、θaは該長尺積層体の長尺方向と第一の位相差層の遅相軸のなす角度のうち小さい角度であり、θbは第一の位相差層の長尺方向と第二の位相差層の遅相軸とのなす角度のうち小さい角度である。
本発明の長尺積層体は、延伸フィルムである位相差層と液晶硬化膜である位相差層とを積層してなるものであればよい。本発明の長尺積層体が偏光層をさらに含む場合、延伸フィルムからなる位相差層が偏光層の保護層としても機能し得るため、偏光層(偏光子)の一方の面に保護層を設けることなく位相差層を積層することができる。このため、かかる場合においては、偏光層に接着層を介して積層される位相差層が延伸フィルムであり、該位相差層の偏光層とは反対側に積層される位相差層が液晶硬化膜であることが好ましい。
本発明の長尺積層体において、該長尺積層体の長軸方向に対して第一の位相差層の遅相軸のなす角度のうちの小さい方の角度(θa)は10°~30°又は60°~80°であり、第一の位相差層の長尺方向と第二の位相差層の遅相軸のなす角度のうち小さい方の角度(θb)は2θa+40°~2θa+50°の範囲にある。第一の位相差層と第二の位相差層とが上記関係、すなわち式(1)及び式(2)を満たすように積層していることにより、本発明の長尺積層体は、楕円偏光板を構成する一部材として組み込んだ場合に光漏れに対する高い抑制効果を有し、かつ、正面色相の変化が小さい位相差板になり得る。
光漏れや色相変化に対する高い抑制効果を有し、優れた光学特性を示す位相差板が得やすい観点から、上記θaの値は、好ましくは13°~27°又は63°~77°、より好ましくは15°~25°又は65°~75°の範囲である。また、上記θbの値は、好ましくは2θa+42°~2θa+48°、より好ましくは2θa+44°~2θa+46°の範囲である。
また、本発明の長尺積層体において、第一の位相差層の遅相軸は長尺積層体の長尺方向(すなわち、第一の位相差層の長尺方向でもある)に対して式(1)を満たすような特定の角度にあり、長尺積層体に対して前記関係に遅相軸を生じる第一の位相差層上に、該第一の位相差層の長尺方向(すなわち、第二の位相差層の長尺方向でもある)に対して式(2)を満たすような特定の角度に遅相軸を生じる第二の位相差層が積層されている。かかる構成を有する本発明の長尺積層体は、例えば、第一の位相差層として長尺の延伸フィルムを搬送しながら、該延伸フィルム上に第二の位相差層を形成するための重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を塗布し、該重合性液晶化合物が配向した状態で硬化させることにより連続的に製造することが可能である。さらに、例えば偏光層を含む偏光フィルムを積層して楕円偏光板を形成する場合、ロール状に巻回された長尺の偏光フィルムをいわゆるRoll to Roll方式により、本発明の第一の位相差層と第二の位相差層とから構成される長尺積層体上に積層させることができる。これにより、例えば商業的に入手可能な一般的な偏光フィルムロールを用いて楕円偏光板のような最終製品を連続的に製造することが可能であり、より簡単、かつ、生産性よく楕円偏光板を製造することができる。
本発明の長尺積層体において、第一の位相差層が下記式(3)を満たし、かつ、第二の位相差層が下記式(4)を満たすことが好ましい。
200nm<Re(550)<320nm (3)
100nm<Re(550)<160nm (4)
[式中、Re(550)は波長550nmにおける面内位相差値を表す。]
第一の位相差層が式(3)を満たす光学特性を有し、かつ、第二の位相差層が式(4)を満たす光学特性を有すると、該第一の位相差層及び該第二の位相差層を積層してなる本発明の長尺積層体は、楕円偏光板として組み込んだ場合に光漏れや正面色相変化に対してより高い抑制効果を有し、光学特性に優れる位相差板となる。
本発明において、第一の位相差板は、より好ましくは式(5)、さらに好ましくは式(6)を満たす光学特性を有する。
180nm<Re(550)<300nm (5)
200nm<Re(550)<280nm (6)
また、第二の位相差板は、より好ましくは式(7)、さらに好ましくは式(8)を満たす光学特性を有する。
110nm<Re(550)<150nm (7)
130nm<Re(550)<145nm (8)
第一の位相差層及び第二の位相差層はいずれも、式(9)で表される光学特性を有することが好ましく、式(9)及び式(10)で表される光学特性を有することがより好ましい。
Re(450)/Re(550)≧1.00 (9)
1.00≧Re(650)/Re(550) (10)
[式中、Re(λ)は波長λnmにおける面内位相差値を表す。]
上記面内位相差値は、第一の位相差層及び第二の位相差層の厚みdによってそれぞれ調整することができる。面内位相差値は、Re(λ)=(nx(λ)-ny(λ))×dによって決定されることから、所望の面内位相差値(Re(λ):波長λ(nm)における各位相差層の面内位相差値)を得るには、3次元屈折率と膜厚dとを調整すればよい。なお、前記式中、dは対象とする位相差層の厚みを表し、nxは、該位相差層が形成する屈折率楕円体において、位相差層の平面に平行な方向の波長λnmにおける主屈折率を表し、nyは、位相差層が形成する屈折率楕円体において、位相差層の平面に対して平行であり、且つ、前記nxの方向に対して直交する方向の波長λnmにおける屈折率を表す。
式(9)及び/又は式(10)で表される光学特性をそれぞれ有する第一の位相差層と第二の位相差層とを組み合わせることにより、可視光の広い波長範囲で一様の偏光変換性能を示す長尺積層体(位相差板)を得ることができる。
本発明において、第一の位相差層及び第二の位相差層のいずれか一方は延伸フィルムで形成される位相差である。延伸フィルムは、通常、基材を延伸することにより得られる。前記基材としては、光、特に可視光を透過し得る透明性を有する透明基材が好ましく、波長380~780nmにわたる光線に対しての透過率が80%以上となる特性を有するものが好ましい。透明基材としては、例えば透光性樹脂から形成される基材が挙げられる。基材を形成する透光性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ノルボルネン系ポリマーなどの環状オレフィン系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリエチレンテレフタレート;ポリメタクリル酸エステル;ポリアクリル酸エステル;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステル;ポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリフェニレンスルフィドおよびポリフェニレンオキシド等が挙げられる。入手のしやすさや透明性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸エステル、セルロースエステル、環状オレフィン系樹脂またはポリカーボネートが好ましい。
セルロースエステルは、セルロースに含まれる水酸基の一部または全部が、エステル化されたものであり、市場から入手することができる。また、セルロースエステル基材も市場から入手することができる。市販のセルロースエステル基材としては、例えば、“フジタック(登録商標)フィルム”(富士写真フィルム(株));“KC8UX2M”、“KC8UY”及び“KC4UY”(コニカミノルタオプト(株))などが挙げられる。
ポリメタクリル酸エステル及びポリアクリル酸エステル(以下、ポリメタクリル酸エステル及びポリアクリル酸エステルをまとめて「(メタ)アクリル系樹脂」ともいう)は、市場から入手することができる。
(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、メタクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルキルエステルの単独重合体や、メタクリル酸アルキルエステルとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体などが挙げられる。メタクリル酸アルキルエステルとして具体的には、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートなどが、またアクリル酸アルキルエステルとして具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレートなどがそれぞれ挙げられる。かかる(メタ)アクリル系樹脂には、汎用の(メタ)アクリル系樹脂として市販されているものを使用できる。(メタ)アクリル系樹脂として、耐衝撃グレードの(メタ)アクリル樹脂を使用してもよい。
延伸フィルムの機械的強度を向上させるために、(メタ)アクリル系樹脂にゴム粒子を含有させてもよい。ゴム粒子としてはアクリル系ゴム粒子が好ましい。ここで、アクリル系ゴム粒子とは、ブチルアクリレートや2-エチルヘキシルアクリレートのようなアクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系モノマーを、多官能モノマーの存在下に重合させて得られるゴム弾性を有する粒子である。アクリル系ゴム粒子は、このようなゴム弾性を有する粒子が単層で形成されたものであってもよいし、ゴム弾性層を少なくとも一層有する多層構造体であってもよい。多層構造のアクリル系ゴム粒子としては、上記のようなゴム弾性を有する粒子を核とし、その周りを硬質のメタクリル酸アルキルエステル系重合体で覆ったもの、硬質のメタクリル酸アルキルエステル系重合体を核とし、その周りを上記のようなゴム弾性を有するアクリル系重合体で覆ったもの、また硬質の核の周りをゴム弾性のアクリル系重合体で覆い、さらにその周りを硬質のメタクリル酸アルキルエステル系重合体で覆ったものなどが挙げられる。弾性層で形成されるゴム粒子は、その平均直径が通常50~400nm程度の範囲にあることが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂がゴム粒子を含む場合、その含有量は、(メタ)アクリル系樹脂100質量部あたり、通常5~50質量部程度である。(メタ)アクリル系樹脂及びアクリル系ゴム粒子は、それらを混合した状態で市販されているので、その市販品を用いてもよい。アクリル系ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂の市販品の例として、住友化学(株)から販売されている“HT55X”や“テクノロイ S001”などが挙げられる。“テクノロイ S001”は、フィルムの形で販売されている。
環状オレフィン系樹脂は、市場から容易に入手できる。市販の環状オレフィン系樹脂としては、“Topas”(登録商標)[Ticona社(独)]、“アートン”(登録商標)[JSR(株)]、“ゼオノア(ZEONOR)”(登録商標)[日本ゼオン(株)]、“ゼオネックス(ZEONEX)”(登録商標)[日本ゼオン(株)]および“アペル”(登録商標)[三井化学(株)]が挙げられる。このような環状オレフィン系樹脂を、例えば、溶剤キャスト法、溶融押出法などの公知の手段により製膜して、基材とすることができる。また、市販されている環状オレフィン系樹脂基材を用いることもできる。市販の環状オレフィン系樹脂基材としては、“エスシーナ”(登録商標)[積水化学工業(株)]、“SCA40”(登録商標)[積水化学工業(株)]、“ゼオノアフィルム”(登録商標)[オプテス(株)]及び“アートンフィルム”(登録商標)[JSR(株)]等が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との共重合体である場合、環状オレフィンに由来する構造単位の含有割合は、共重合体の全構造単位に対して、通常50モル%以下、好ましくは15~50モル%の範囲である。鎖状オレフィンとしては、エチレンおよびプロピレンが挙げられ、ビニル基を有する芳香族化合物としては、スチレン、α-メチルスチレンおよびアルキル置換スチレンが挙げられる。環状オレフィン系樹脂が、環状オレフィンと、鎖状オレフィンと、ビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体である場合、鎖状オレフィンに由来する構造単位の含有割合は、共重合体の全構造単位に対して、通常5~80モル%であり、ビニル基を有する芳香族化合物に由来する構造単位の含有割合は、共重合体の全構造単位に対して、通常5~80モル%である。このような三元共重合体は、その製造において、高価な環状オレフィンの使用量を比較的少なくすることができるという利点がある。
上記のような樹脂から構成される長尺の基材を、配向軸と基材の長尺方向とのなす角度のうちの小さい方の角度が10°~30°又は60°~80°に連続的に傾斜するように斜め方向に延伸することにより、式(1)を満たす長尺の延伸フィルムからなる位相差層を製造できる。斜め方向に延伸する方法としては、例えば、長尺の基材をロール状に巻回した基材ロールを用意し、該基材ロールから基材を連続的に巻出し、巻出された基材を搬送、加熱しながら基材の長尺方向と所望の角度に傾斜する斜め方向に延伸する方法が挙げられる。このような延伸方法として、具体的に、例えば特開昭50-83482号公報や特開平2-113920号公報に記載されるような方法を採用することができる。
長尺の基材を斜め方向に延伸する際の基材の加熱温度は、基材のガラス転移温度近傍の温度(℃)~ガラス転移温度+100℃の範囲が好ましく、ガラス転移温度近傍の温度(℃)~ガラス転移温度+50℃の範囲がより好ましい。なお、本明細書において「ガラス転移温度近傍の温度(℃)」とは、基材のガラス転移温度±5℃程度を意味する。
本発明の長尺積層体において、延伸フィルムから形成される位相差層の厚みは長尺積層体の構成、適用される表示装置等に応じて適宜決定すればよいが、通常300μm以下である。好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。延伸フィルムで形成される位相差層の厚みが上記範囲にあると積層体の薄層化の観点から好ましく、楕円偏光板を構成する一部材として組み込んだ場合に色相変化の抑制効果や屈曲性が向上しやすくなる。
本発明において、第一の位相差層及び第二の位相差層のうちのいずれか一方は液晶硬化膜から形成される位相差層である。液晶硬化膜は、通常、重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を光配向膜上に塗布し、重合性液晶化合物が配向した状態で重合性液晶組成物を硬化させることにより得られる。該位相差層を形成する重合性液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物は、通常、重合性基、特に光重合性基を有する液晶化合物である。該重合性液晶化合物としては、上記式(2)を満たす液晶硬化膜を形成し得るものであれば特に限定されず、例えば位相差フィルムの分野において従来公知の棒状又は円盤状の重合性液晶化合物を用いることができる。液晶硬化膜からなる位相差層を形成する重合性液晶化合物として、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
棒状の重合性液晶化合物が基材に対して水平配向した場合、該重合性液晶化合物の光軸は該重合性液晶化合物の長軸方向と一致し、円盤状の重合性液晶化合物が配向した場合、該重合性液晶化合物の光軸は、該重合性液晶化合物の円盤面に対して直交する方向に存在する。重合性液晶化合物を重合させることにより形成される層が面内位相差を発現するためには、重合性液晶化合物を適切な方向に配向させればよい。重合性液晶化合物が棒状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を基材平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現する。この場合、光軸方向と遅相軸方向とは一致する。重合性液晶化合物が円盤状の場合は、該重合性液晶化合物の光軸を基材平面に対して水平に配向させることで面内位相差が発現する。この場合、光軸と遅相軸とは直交する。重合性液晶化合物の配向状態は、光配向膜と重合性液晶化合物との組み合わせにより調整することができ、重合性液晶化合物の配向状態を制御することにより、式(2)を満たす位相差層を得ることができる。
液晶硬化膜からなる位相差層を形成する棒状の重合性液晶化合物としては、例えば、式(A)で表される基を含む化合物(以下、「重合性液晶化合物(A)」ともいう)が挙げられる。重合性液晶化合物(A)は、一般に、該重合性液晶化合物を単独で一方向に配向させた状態で重合した重合体が正波長分散性を示す傾向にあり、このような重合性液晶化合物を用いることで上記式(9)及び(10)で表される光学特性を有する位相差層を得ることができる。
P11-B11-E11-B12-A11-B13- (A)
[式(A)中、P11は、重合性基を表わす。
A11は、2価の脂環式炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基を表わす。該2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1~6のアルキル基及び該炭素数1~6のアルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
B11は、-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-、-O-CO-O-、-CO-NR-、-NR-CO-、-CO-、-CS-または単結合を表わす。Rは、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表わす。
B12およびB13は、それぞれ独立に、-C≡C-、-CH=CH-、-CH-CH-、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-CH=N-、-N=CH-、-N=N-、-C(=O)-NR-、-NR-C(=O)-、-OCH-、-OCF-、-CHO-、-CFO-、-CH=CH-C(=O)-O-、-O-C(=O)-CH=CH-または単結合を表わす。Rは、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表わす。
E11は、炭素数1~12のアルカンジイル基を表わし、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1~5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、該アルカンジイル基を構成する-CH-は、-O-または-CO-に置き換わっていてもよい。]
A11の芳香族炭化水素基および脂環式炭化水素基の炭素数は、3~18の範囲であることが好ましく、5~12の範囲であることがより好ましく、5または6であることが特に好ましい。A11としては、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、1,4-フェニレン基が好ましい。
E11としては、直鎖状の炭素数1~12のアルカンジイル基が好ましい。該アルカンジイル基を構成する-CH-は、-O-に置き換っていてもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、へキサン-1,6-ジイル基、へプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基およびドデカン-1,12-ジイル基等の炭素数1~12の直鎖状アルカンジイル基;-CH-CH-O-CH-CH-、-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-および-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-O-CH-CH-等が挙げられる。
B11としては、-O-、-S-、-CO-O-、-O-CO-が好ましく、中でも、-CO-O-がより好ましい。
B12およびB13としては、それぞれ独立に、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)-O-が好ましく、中でも、-O-または-O-C(=O)-O-がより好ましい。
P11で示される重合性基としては、重合反応性、特に光重合反応性が高いという点で、ラジカル重合性基またはカチオン重合性基が好ましく、取り扱いが容易な上、液晶化合物の製造自体も容易であることから、重合性基は、下記の式(P-11)~式(P-15)で表わされる基であることが好ましい。
Figure 0007328000000001
[式(P-11)~(P-15)中、
~Rはそれぞれ独立に、炭素数1~6のアルキル基または水素原子を表わす。]
式(P-11)~式(P-15)で表わされる基の具体例としては、下記式(P-16)~式(P-20)で表わされる基が挙げられる。
Figure 0007328000000002
P11は、式(P-14)~式(P-20)で表わされる基であることが好ましく、ビニル基、p-スチルベン基、エポキシ基またはオキセタニル基がより好ましい。
P11-B11-で表わされる基が、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることがさらに好ましい。
重合性液晶化合物(A)としては、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)、式(V)または式(VI)で表わされる化合物が挙げられる。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 (I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
[式中、
A11、B11~B13およびP11は上記式(A)におけるものと同義であり、
A12~A14はそれぞれ独立にA11と同義であり、B14~B16はそれぞれ独立にB12と同義であり、B17はB11と同義であり、E12はE11と同義であり、P12はP11と同義である。
F11は、水素原子、炭素数1~13のアルキル基、炭素数1~13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシ基、メチロール基、ホルミル基、スルホ基(-SOH)、カルボキシ基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わし、該アルキル基およびアルコキシ基を構成する-CH-は、-O-に置き換っていてもよい。]
重合性液晶化合物(A)の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「3.8.6 ネットワーク(完全架橋型)」、「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料」に記載された化合物の中で重合性基を有する化合物、特開2010-31223号公報、特開2010-270108号公報、特開2011-6360号公報および特開2011-207765号公報記載の重合性液晶等が挙げられる。
重合性液晶化合物(A)の具体例としては、下記式(I-1)~式(I-4)、式(II-1)~式(II-4)、式(III-1)~式(III-26)、式(IV-1)~式(IV-26)、式(V-1)~式(V-2)および式(VI-1)~式(VI-6)で表わされる化合物が挙げられる。なお、下記式中、k1およびk2は、それぞれ独立して、2~12の整数を表わす。かかる重合性液晶化合物は、その合成の容易さ、または、入手の容易さの点で好ましい。
Figure 0007328000000003
Figure 0007328000000004
Figure 0007328000000005
Figure 0007328000000006
Figure 0007328000000007
Figure 0007328000000008
Figure 0007328000000009
Figure 0007328000000010
Figure 0007328000000011
液晶硬化膜からなる位相差層を形成する円盤状の重合性液晶化合物としては、例えば、式(B)で表される基を含む化合物(以下、「重合性液晶化合物(B)」ともいう)が挙げられる。
Figure 0007328000000012
[式(B)中、R11は、それぞれ独立に、下記式(B-1)~(B-5)のいずれかを表す。]
Figure 0007328000000013
式(B-1)及び式(B-5)中のX11およびZ11は、炭素数1~12のアルカンジイル基を表わし、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1~5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、該アルカンジイル基を構成する-CH-は、-O-または-CO-に置き換わっていてもよい。式(B-1)~(B-4)中、m1は1~12である。
重合性液晶化合物(B)の具体例としては、液晶便覧(液晶便覧編集委員会編、丸善(株)平成12年10月30日発行)の「6.5.1 液晶材料 b.重合性ネマチック液晶材料 図6.21」に記載された化合物、特開平7-258170号公報、特開平7-30637号公報、特開平7-309807号公報、特開平8-231470号公報記載の重合性液晶化合物等が挙げられる。
上述したような棒状又は円盤状の重合性液晶化合物はいずれも、重合性液晶化合物の配向を制御することにより式(2)を満たす位相差層を作製し得る材料となるため、本発明における液晶硬化膜からなる位相差層を形成する重合性液晶化合物としていずれを用いることもできるが、複屈折性発現の観点から、棒状の重合性液晶化合物が好ましく、重合性液晶化合物(A)がより好ましい。
液晶硬化膜からなる位相差層を形成する重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物の含有量は、例えば70~99.5質量部であり、好ましくは80~99質量部であり、より好ましくは85~98質量部であり、さらに好ましくは90~95質量部である。重合性液晶化合物の含有量が上記範囲内であれば、得られる液晶硬化膜の配向性の観点から有利である。
液晶硬化膜からなる位相差層を形成する重合性液晶組成物は、重合性液晶化合物に加えて、溶媒、重合開始剤、レベリング剤、酸化防止剤、光増感剤、反応性添加剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。
前記位相差層形成用の重合性液晶組成物は、通常、溶媒に溶解した状態で光配向膜上に塗布されるため、溶媒を含むことが好ましい。溶媒としては、重合性液晶化合物を溶解し得る溶媒が好ましく、また、重合性液晶化合物の重合反応に不活性な溶媒であることが好ましい。溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、2-ブトキシエタノールおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートおよび乳酸エチル等のエステル溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;ペンタン、ヘキサンおよびヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素溶媒;トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;テトラヒドロフランおよびジメトキシエタン等のエーテル溶媒;クロロホルムおよびクロロベンゼン等の塩素含有溶媒;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルミアミド、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン等のアミド系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独または二種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも、アルコール溶媒、エステル溶媒、ケトン溶媒、塩素含有溶媒、アミド系溶媒および芳香族炭化水素溶媒が好ましい。
重合性液晶組成物中の溶媒の含有量は、重合性液晶組成物100質量部に対して、好ましくは50~98質量部、より好ましくは70~95質量部である。従って、重合性液晶組成物100質量部に占める固形分は、2~50質量部が好ましい。固形分が50質量部以下であると、重合性液晶組成物の粘度が低くなることから、膜の厚みが略均一になり、ムラが生じ難くなる傾向がある。上記固形分は、製造しようとする液晶硬化膜の厚みを考慮して適宜定めることができる。
重合開始剤は、熱または光の寄与によって反応活性種を生成し、重合性液晶化合物等の重合反応を開始し得る化合物である。反応活性種としては、ラジカルまたはカチオンまたはアニオン等の活性種が挙げられる。中でも反応制御が容易であるという観点から、光照射によってラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンジルケタール化合物、α-ヒドロキシケトン化合物、α-アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が挙げられる。具体的には、イルガキュア(Irgacure、登録商標)907、イルガキュア184、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア250、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア127、イルガキュア2959、イルガキュア754、イルガキュア379EG(以上、BASFジャパン株式会社製)、セイクオールBZ、セイクオールZ、セイクオールBEE(以上、精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)BP100(日本化薬株式会社製)、カヤキュアーUVI-6992(ダウ社製)、アデカオプトマーSP-152、アデカオプトマーSP-170、アデカオプトマーN-1717、アデカオプトマーN-1919、アデカアークルズNCI-831、アデカアークルズNCI-930(以上、株式会社ADEKA製)、TAZ-A、TAZ-PP(以上、日本シイベルヘグナー社製)およびTAZ-104(三和ケミカル社製)が挙げられる。
光重合開始剤は、光源から発せられるエネルギーを十分に活用でき、生産性に優れるため、極大吸収波長が300nm~400nmであると好ましく、300nm~380nmであるとより好ましく、中でも、α-アセトフェノン系重合開始剤、オキシム系光重合開始剤が好ましい。
α-アセトフェノン化合物としては、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オンおよび2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-(4-メチルフェニルメチル)ブタン-1-オン等が挙げられ、より好ましくは2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オンおよび2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オンが挙げられる。α-アセトフェノン化合物の市販品としては、イルガキュア369、379EG、907(以上、BASFジャパン(株)製)およびセイクオールBEE(精工化学社製)等が挙げられる。
オキシム系光重合開始剤は、光が照射されることによってフェニルラジカルやメチルラジカル等のラジカルを生成させる。このラジカルにより重合性液晶化合物の重合が好適に進行するが、中でもメチルラジカルを発生させるオキシム系光重合開始剤は重合反応の開始効率が高い点で好ましい。また、重合反応をより効率的に進行させるという観点から、波長350nm以上の紫外線を効率的に利用可能な光重合開始剤を使用することが好ましい。波長350nm以上の紫外線を効率的に利用可能な光重合開始剤としては、オキシム構造を含むトリアジン化合物やカルバゾール化合物が好ましく、感度の観点からはオキシムエステル構造を含むカルバゾール化合物がより好ましい。オキシム系光重合開始剤としては、1,2-オクタンジオン、1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)等が挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤の市販品としては、イルガキュアOXE-01、イルガキュアOXE-02、イルガキュアOXE-03(以上、BASFジャパン株式会社製)、アデカオプトマーN-1919、アデカアークルズNCI-831(以上、株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常、0.1~30質量部であり、好ましくは1~20質量部であり、より好ましくは1~15質量部である。上記範囲内であれば、重合性基の反応が十分に進行し、かつ、重合性液晶化合物の配向を乱し難い。
酸化防止剤を配合することにより、重合性液晶化合物の重合反応をコントロールすることができる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、キノン系酸化防止剤、ニトロソ系酸化防止剤から選ばれる一次酸化防止剤であってもよいし、リン系酸化防止剤および硫黄系酸化防止剤から選ばれる二次酸化防止剤であってもよい。重合性液晶化合物の配向を乱すことなく、重合性液晶化合物を重合するためには、酸化防止剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.01~10質量部であり、好ましくは0.1~5質量部であり、さらに好ましくは0.1~3質量部である。酸化防止剤は単独または2種以上を組み合わせて使用できる。
また、光増感剤を用いることにより、光重合開始剤を高感度化することができる。光増感剤としては、例えば、キサントン、チオキサントン等のキサントン類;アントラセンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するアントラセン類;フェノチアジン;ルブレンが挙げられる。光増感剤は単独または2種以上を組み合わせて使用できる。光増感剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.01~10質量部であり、好ましくは0.05~5質量部であり、さらに好ましくは0.1~3質量部である。
液晶硬化膜からなる位相差層形成用重合性液晶組成物は、反応性添加剤を含んでもよい。反応性添加剤としては、その分子内に炭素-炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有するものが好ましい。なお、ここでいう「活性水素反応性基」とは、カルボキシル基(-COOH)、水酸基(-OH)、アミノ基(-NH)等の活性水素を有する基に対して反応性を有する基を意味し、グリシジル基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、無水マレイン酸基等がその代表例である。反応性添加剤が有する、炭素-炭素不飽和結合及び活性水素反応性基の個数は、通常、それぞれ1~20個であり、好ましくはそれぞれ1~10個である。
反応性添加剤において、活性水素反応性基は少なくとも2つ存在すると好ましく、この場合、複数存在する活性水素反応性基は同一でも、異なるものであってもよい。
反応性添加剤が有する炭素-炭素不飽和結合とは、炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合、あるいはそれらの組み合わせであってよいが、炭素-炭素二重結合であると好ましい。中でも、反応性添加剤としては、ビニル基及び/又は(メタ)アクリル基として炭素-炭素不飽和結合を含むと好ましい。さらに、活性水素反応性基が、エポキシ基、グリシジル基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種であるものが好ましく、アクリル基と、イソシアネート基とを有する反応性添加剤が特に好ましい。
反応性添加剤の具体例としては、メタクリロキシグリシジルエーテルやアクリロキシグリシジルエーテルなどの、(メタ)アクリル基とエポキシ基とを有する化合物;オキセタンアクリレートやオキセタンメタクリレートなどの、(メタ)アクリル基とオキセタン基とを有する化合物;ラクトンアクリレートやラクトンメタクリレートなどの、(メタ)アクリル基とラクトン基とを有する化合物;ビニルオキサゾリンやイソプロペニルオキサゾリンなどの、ビニル基とオキサゾリン基とを有する化合物;イソシアナトメチルアクリレート、イソシアナトメチルメタクリレート、2-イソシアナトエチルアクリレート及び20イソシアナトエチルメタクリレートなどの、(メタ)アクリル基とイソシアネート基とを有する化合物のオリゴマー等が挙げられる。また、メタクリル酸無水物、アクリル酸無水物、無水マレイン酸及びビニル無水マレイン酸などの、ビニル基やビニレン基と酸無水物とを有する化合物などが挙げられる。中でも、メタクリロキシグリシジルエーテル、アクリロキシグリシジルエーテル、イソシアナトメチルアクリレート、イソシアナトメチルメタクリレート、ビニルオキサゾリン、2-イソシアナトエチルアクリレート、2-イソシアナトエチルメタクリレート及び前記のオリゴマーが好ましく、イソシアナトメチルアクリレート、2-イソシアナトエチルアクリレート及び前記のオリゴマーが特に好ましい。
具体的には、下記式(Y)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007328000000014
[式(Y)中、
nは1~10までの整数を表わし、R1’は、炭素数2~20の2価の脂肪族又は脂環式炭化水素基、或いは炭素数5~20の2価の芳香族炭化水素基を表わす。各繰り返し単位にある2つのR2’は、一方が-NH-であり、他方が>N-C(=O)-R3’で示される基である。R3’は、水酸基又は炭素-炭素不飽和結合を有する基を表す。
式(Y)中のR3’のうち、少なくとも1つのR3’は炭素-炭素不飽和結合を有する基である。]
前記式(Y)で表される反応性添加剤の中でも、下記式(YY)で表される化合物(以下、化合物(YY)という場合がある。)が特に好ましいものである(なお、nは前記と同じ意味である)。
Figure 0007328000000015
化合物(YY)には、市販品をそのまま又は必要に応じて精製して用いることができる。市販品としては、例えば、Laromer(登録商標)LR-9000(BASF社製)が挙げられる。
重合性液晶組成物が反応性添加剤を含有する場合、その含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1~30質量部であり、好ましくは0.1~5質量部である。
本発明の長尺積層体において、液晶硬化膜から形成される位相差層の厚みは長尺積層体の構成、適用される表示装置等に応じて適宜決定すればよいが、通常10μm以下である。好ましくは0.5μm以上であり、また、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。液晶硬化膜から形成される位相差層の厚みが上記範囲にあると積層体の薄層化の観点から好ましく、楕円偏光板を構成する一部材として組み込んだ場合に色相変化の抑制効果や屈曲性が向上しやすくなる。
液晶硬化膜からなる位相差層形成用の重合性液晶組成物は、重合性液晶化合物と、必要に応じて溶媒や光重合開始剤などの他の成分とを所定温度で撹拌等することにより得ることができる。
液晶硬化膜から形成される位相差層は、例えば、
位相差層形成用の重合性液晶組成物を光配向膜上に塗布して塗膜を得る工程、
前記塗膜を乾燥させて乾燥塗膜を形成する工程、および、
乾燥塗膜に活性エネルギー線を照射し、液晶硬化膜を形成する工程
を含む方法により製造することができる。
本発明において、位相差層形成用重合性液晶組成物の塗膜の形成は、通常、後述する光配向膜上に位相差層形成用の重合性液晶組成物を塗布することにより行うことができる。重合性液晶組成物の塗布方法としては、通常、スピンコーティング法、エクストルージョン法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、スリットコーティング法、バーコーティング法、アプリケータ法などの塗布法や、フレキソ法などの印刷法などの公知の方法を採用し得る。
次いで、溶媒を乾燥等により除去することにより、乾燥塗膜が形成される。乾燥方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられる。重合性液晶組成物から得られた塗膜を、前記重合性液晶組成物に含まれる重合性液晶化合物の液晶相転移温度以上まで加熱することにより、塗膜から溶媒を乾燥除去させるとともに、重合性液晶化合物を水平方向に配向させることができるため、生産性等の面から加熱乾燥が好ましい。なお、一般に前記重合性液晶組成物中における重合性液晶化合物の液晶相転移温度は、重合性液晶化合物単体としての液晶相転移温度よりも下がる場合がある。
塗膜の加熱温度は、用いる重合性液晶化合物、光配向膜や延伸フィルムからなる位相差層を形成する基材等の材質などを考慮して適宜決定し得るが、通常、重合性液晶化合物を液晶相状態へ相転移させるために液晶相転移温度以上の温度であることが必要である。重合性液晶組成物に含まれる溶媒を除去しながら、重合性液晶化合物を水平配向状態とするため、加熱温度は、好ましくは重合性液晶化合物の液晶相(例えば、ネマチック相又はスメクチック相)転移温度よりも3℃以上高い、より好ましくは5℃以上高い温度である。加熱温度の上限値は特に限定されないが、加熱による塗膜や延伸フィルムで形成される位相差層等への損傷を避けるため、好ましくは180℃以下、より好ましくは150℃以下である。
なお、上記液晶相転移温度は、例えば、温度調節ステージを備えた偏光顕微鏡や、示差走査熱量計(DSC)、熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)等を用いて測定することができる。また、重合性液晶化合物として2種以上を組み合わせて用いる場合、上記相転移温度は、重合性液晶組成物を構成する全重合性液晶化合物を重合性液晶組成物における組成と同じ比率で混合した重合性液晶化合物の混合物を用いて、1種の重合性液晶化合物を用いる場合と同様にして測定される温度を意味する。
加熱時間は、加熱温度、用いる重合性液晶化合物の種類、溶媒の種類やその沸点およびその量等に応じて適宜決定し得るが、通常、15秒~10分であり、好ましくは0.5~5分である。
塗膜からの溶媒の除去は、重合性液晶化合物の液晶相転移温度以上への加熱と同時に行ってもよいし、別途で行ってもよいが、生産性向上の観点から同時に行うことが好ましい。重合性液晶化合物の液晶相転移温度以上への加熱を行う前に、重合性液晶組成物から得られた塗膜中に含まれる重合性液晶化合物が重合しない条件で塗膜中の溶媒を適度に除去させるための予備乾燥工程を設けてもよい。かかる予備乾燥工程における乾燥方法としては、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられ、該乾燥工程における乾燥温度(加熱温度)は、用いる重合性液晶化合物の種類、溶媒の種類やその沸点およびその量等に応じて適宜決定し得る。
次いで、得られた乾燥塗膜において、重合性液晶化合物の水平配向状態を保持したまま、重合性液晶化合物を重合させることにより、重合性液晶化合物が水平方向に配向した液晶硬化膜が形成される。重合方法としては、熱重合法や光重合法が挙げられるが、重合反応を制御しやすい観点から光重合法が好ましい。光重合において、乾燥塗膜に照射する光としては、当該乾燥塗膜に含まれる重合開始剤の種類、重合性液晶化合物の種類(特に、該重合性液晶化合物が有する重合性基の種類)およびその量に応じて適宜選択される。その具体例としては、可視光、紫外光、赤外光、X線、α線、β線およびγ線からなる群より選択される1種以上の光や活性電子線が挙げられる。中でも、重合反応の進行を制御し易い点や、光重合装置として当分野で広範に用いられているものが使用できるという点で、紫外光が好ましく、紫外光によって、光重合可能なように、重合性液晶組成物に含有される重合性液晶化合物や重合開始剤の種類を選択しておくことが好ましい。また、重合時に、適切な冷却手段により乾燥塗膜を冷却しながら光照射することで、重合温度を制御することもできる。このような冷却手段の採用により、より低温で重合性液晶化合物の重合を実施すれば、第一の位相差層を形成する基材など本発明の長尺積層体を構成する他の層の材料に比較的耐熱性が低いものを用いたとしても、適切に第二の位相差層の液晶硬化膜を形成できる。また、光照射時の熱による不具合(熱による変形等)が発生しない範囲で重合温度を高くすることにより重合反応を促進することも可能である。光重合の際、マスキングや現像を行うなどによって、パターニングされた硬化膜を得ることもできる。
前記活性エネルギー線の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマレーザー、波長範囲380~440nmを発光するLED光源、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
紫外線照射強度は、通常、10~3,000mW/cmである。紫外線照射強度は、好ましくは重合開始剤の活性化に有効な波長領域における強度である。光を照射する時間は、通常0.1秒~10分であり、好ましくは0.1秒~5分、より好ましくは0.1秒~3分、さらに好ましくは0.1秒~1分である。このような紫外線照射強度で1回または複数回照射すると、その積算光量は、10~3,000mJ/cm、好ましくは50~2,000mJ/cm、より好ましくは100~1,000mJ/cmである。
本発明において、液晶硬化膜からなる位相差層形成用組成物の塗膜は、通常、光配向膜上に形成される。光配向膜は、重合性液晶化合物を所望の方向に液晶配向させる配向規制力を有する。配向膜として光配向膜を用いることにより、重合性液晶化合物の配向角度を高い精度で制御しやすく、長尺状でありながら、光学特性により優れる液晶硬化膜が得られやすい。本発明においては、重合性液晶化合物を所望の方向に配向させ、式(2)を満たす位相差層を得るための光配向膜として、通常、重合性液晶化合物を塗布平面に対して水平方向に配向させる配向規制力を有する水平配向光配向膜が用いられる。
光配向膜は、通常、光反応性基を有するポリマーまたはモノマーと溶媒とを含む組成物(以下、「光配向膜形成用組成物」ともいう)を基材に塗布し、溶媒を除去後に偏光(好ましくは、偏光UV)を照射することで得られる。光配向膜は、照射する偏光の偏光方向を選択することにより、配向規制力の方向を任意に制御することができる点でも有利である。
光反応性基とは、光照射することにより液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、光照射により生じる分子の配向誘起または異性化反応、二量化反応、光架橋反応もしくは光分解反応等の液晶配向能の起源となる光反応に関与する基が挙げられる。中でも、配向性に優れる点で、二量化反応性の基または光架橋反応に関与する基が好ましく、二量化反応性の光反応性基がより好ましい。光反応性基として、不飽和結合、特に二重結合を有する基が好ましく、炭素-炭素二重結合(C=C結合)、炭素-窒素二重結合(C=N結合)、窒素-窒素二重結合(N=N結合)および炭素-酸素二重結合(C=O結合)からなる群より選ばれる少なくとも1つを有する基が特に好ましい。
C=C結合を有する光反応性基としては、ビニル基、ポリエン基、スチルベン基、スチルバゾール基、スチルバゾリウム基、カルコン基およびシンナモイル基等が挙げられる。C=N結合を有する光反応性基としては、芳香族シッフ塩基、芳香族ヒドラゾンなどの構造を有する基が挙げられる。N=N結合を有する光反応性基としては、アゾベンゼン基、アゾナフタレン基、芳香族複素環アゾ基、ビスアゾ基、ホルマザン基、および、アゾキシベンゼン構造を有する基等が挙げられる。C=O結合を有する光反応性基としては、ベンゾフェノン基、クマリン基、アントラキノン基およびマレイミド基等が挙げられる。これらの基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリルオキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、ハロゲン化アルキル基などの置換基を有していてもよい。
中でも、光二量化反応に関与する二量化反応性の光反応性基が好ましく、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向膜が得られやすいという点で、シンナモイル基およびカルコン基が好ましい。光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。
光配向膜形成用組成物中の光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの含有量は、ポリマーまたはモノマーの種類や目的とする光配向膜の厚みによって適宜調節できるが、光配向膜形成用組成物の質量に対して、少なくとも0.2質量%とすることが好ましく、0.3~10質量%の範囲がより好ましい。光配向膜の特性が著しく損なわれない範囲で、光配向膜形成用組成物は、ポリビニルアルコ-ルやポリイミドなどの高分子材料や光増感剤を含んでいてもよい。
光配向膜形成用組成物の塗膜の形成は基材上に行ってもよいが、延伸フィルムで形成される位相差層上に直接形成することにより、長尺積層体の製造工程を少なくすることができ、長尺積層体をより生産性よく製造できる。光配向膜形成用組成物に含まれる溶媒としては、液晶硬化膜からなる位相差層形成用重合性液晶組成物に用い得る溶媒として先に例示した溶媒と同様のものが挙げられ、光反応性基を有するポリマーあるいはモノマーの溶解性に応じて適宜選択することができる。
光配向膜形成用組成物中の光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの含有量は、ポリマーまたはモノマーの種類や目的とする光配向膜の厚みによって適宜調節できるが、光配向膜形成用組成物の質量に対して、少なくとも0.2質量%とすることが好ましく、0.3~10質量%の範囲がより好ましい。光配向膜の特性が著しく損なわれない範囲で、光配向膜形成用組成物は、ポリビニルアルコールやポリイミドなどの高分子材料や光増感剤を含んでいてもよい。
光配向膜形成用組成物を延伸フィルムで形成される位相差層上に塗布する方法としては、位相差層形成用重合性液晶組成物を光配向膜上に塗布する方法と同様の方法が挙げられる。本発明の長尺積層体を、Roll to Roll形式の連続的製造方法により製造する場合、当該塗布方法には通常、グラビアコーティング法、ダイコーティング法又はフレキソ法などの印刷法が採用される。
塗布された光配向膜形成用組成物から、溶媒を除去する方法としては例えば、自然乾燥法、通風乾燥法、加熱乾燥および減圧乾燥法等が挙げられる。
偏光を照射するには、塗布された光配向膜形成用組成物から溶媒を除去したものに直接、偏光UVを照射する形式でも、延伸フィルムから形成される位相差層側から偏光を照射し、偏光を透過させて照射する形式でもよい。また、当該偏光は、実質的に平行光であると特に好ましい。照射する偏光の波長は、光反応性基を有するポリマーまたはモノマーの光反応性基が、光エネルギーを吸収し得る波長領域のものがよい。具体的には、波長250~400nmの範囲のUV(紫外線)が特に好ましい。当該偏光照射に用いる光源としては、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArFなどの紫外光レーザーなどが挙げられ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプがより好ましい。これらの中でも、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプおよびメタルハライドランプが、波長313nmの紫外線の発光強度が大きいため好ましい。前記光源からの光を、適当な偏光子を通過して照射することにより、偏光UVを照射することができる。かかる偏光子としては、偏光フィルターやグラントムソン、グランテーラーなどの偏光プリズムやワイヤーグリッドタイプの偏光子を用いることができる。
光配向膜の数平均分子量は、好ましくは20000~100000であり、より好ましくは25000以上、さらに好ましくは30000以上であり、また、より好ましくは90000以下、さらに好ましくは80000以下である。光配向膜の数平均分子量が上記範囲内であると、光配向膜に隣接する層との密着性が高まり、第一の位相差層と第二の位相差層とが光配向膜を介して密着性よく積層された長尺積層体を得ることができる。光配向膜の数平均分子量は、光配向膜形成用組成物に用いるモノマーの量、重合開始剤の種類や量等により制御できる。
なお、ここでいう「光配向膜の数平均分子量」とは、実質的に、硬化した光配向膜を構成しているポリマーの数平均分子量に相当し、ゲル浸透クロマトグラフィー等の測定機器を用いて、硬化した光配向膜自体を測定することにより算出される分子量である。詳細な測定及び算出方法は、後述する実施例に記載する。
光配向膜の厚みは、好ましくは100~300nmであり、より好ましくは120nm以上、さらに好ましくは130nm以上であり、また、より好ましくは280nm以下、さらに好ましくは270nm以下である。延伸フィルムからなる位相差層上に光配向膜を介して液晶硬化膜からなる位相差層を形成する場合、液晶硬化膜からなる位相差層を構成する重合性液晶化合物の液晶配向が延伸フィルムの配向に影響を受けることがある。光配向膜の厚みが上記範囲内であると、液晶硬化膜の位相差層を構成する重合性液晶化合物の配向に対する延伸フィルムの配向の影響が抑えられ、重合性液晶化合物が所望の方向に精度よく配向した液晶硬化膜からなる位相差層を得ることができる。
第一の位相差層、光配向層及び第二の位相差層をこの順に積層してなる本発明の長尺積層体は、位相差板としての機能を有する。かかる構成に加えてさらに偏光層を積層することにより楕円偏光板としての機能を有する長尺積層体が得られる。
楕円偏光板として機能する本発明の長尺積層体の層構成の一例を図2に基づいて説明する。図2は、本発明の長尺積層体を厚み方向に切断した場合の断面を示す図である。図2に示される本発明の長尺積層体11において、第一の位相差層1、光配向膜3及び第二の位相差層2をこの順に積層してなる位相差板12の第一の位相差層1の光配向膜3とは反対側の面に接着層5を介して偏光層4が存在し、さらに偏光層4の第一の位相差層1とは反対側の面に接着層5を介して保護層6が存在する。第一の位相差層1と偏光層4との間には接着層5を介して保護層などの他の層が存在していてもよいが、第一の位相差層1と偏光層4を含む偏光板13との密着性を高める観点から、第一の位相差層1と偏光層4は接着層5を介して隣り合って存在することが好ましい。第一の位相差層1と第二の位相差層2のいずれか一方が延伸フィルムであり、他方が液晶硬化膜であるが、反射防止機能の観点から第一の位相差層1が延伸フィルムであり、偏光板13が該第一の位相差層1の光配向膜とは反対側の面に接着層を介して積層されていることが好ましい。
偏光層は偏光機能を有する層である。このような層としては、吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルム、又は、吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムを偏光子として含むフィルム等が挙げられる。吸収異方性を有する色素としては、例えば、二色性色素が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を吸着させた延伸フィルムを偏光子として含むフィルムは、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、その二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て製造される。
ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することによって得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとそれに共重合可能な他の単量体との共重合体が用いられる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85~100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールも使用することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000~10,000程度であり、好ましくは1,500~5,000の範囲である。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光層2の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は、例えば、10~150μm程度とすることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素による染色の前、染色と同時、又は染色の後で行うことができる。一軸延伸を染色の後で行う場合、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。また、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶媒を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3~8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、例えば、二色性色素を含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法によって行われる。
二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性の有機染料が用いられる。二色性の有機染料としては、C.I. DIRECT RED 39などのジスアゾ化合物からなる二色性直接染料及び、トリスアゾ、テトラキスアゾなどの化合物からなる二色性直接染料等が挙げられる。本発明において、偏光層の二色性色素としてヨウ素が含まれることが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理前に、水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、水100質量部あたり、通常、0.01~1質量部程度である。またヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり、通常、0.5~20質量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20~40℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20~1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性の有機染料を用いる場合は通常、水溶性二色性染料を含む水溶液にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性有機染料の含有量は、水100質量部あたり、通常、1×10-4~10質量部程度であり、好ましくは1×10-3~1質量部であり、さらに好ましくは1×10-3~1×10-2質量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウム等の無機塩を染色助剤として含んでいてもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は、通常、20~80℃程度である。また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常、10~1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は通常、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液に浸漬する方法により行うことができる。このホウ酸水溶液におけるホウ酸の含有量は、水100質量部あたり、通常2~15質量部程度であり、好ましくは5~12質量部である。二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、このホウ酸水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましく、その場合のヨウ化カリウムの含有量は、水100質量部あたり、通常0.1~15質量部程度であり、好ましくは5~12質量部である。ホウ酸水溶液への浸漬時間は、通常60~1,200秒程度であり、好ましくは150~600秒、さらに好ましくは200~400秒である。ホウ酸処理の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50~85℃、さらに好ましくは60~80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬する方法により行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常5~40℃程度である。また浸漬時間は、通常1~120秒程度である。
水洗後に乾燥処理が施されて、偏光子が得られる。乾燥処理は例えば、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30~100℃程度であり、好ましくは50~80℃である。乾燥処理の時間は、通常60~600秒程度であり、好ましくは120~600秒である。乾燥処理により、偏光子の水分率は実用程度にまで低減される。その水分率は、通常5~20質量%程度であり、好ましくは8~15質量%である。水分率が上記範囲内であると、適度な可撓性を有し、かつ、熱安定性に優れる偏光子を得られる。
こうしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、ホウ酸処理、水洗及び乾燥をして得られる偏光子の厚さは好ましくは5~40μmである。
吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、液晶性を有する二色性色素を含む組成物又は、二色性色素と重合性液晶とを含む組成物を塗布して得られるフィルム等が挙げられる。
吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムは薄い方が好ましいが、薄すぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向がある。当該フィルムの厚さは、通常20μm以下であり、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは0.5~3μmである。
前記吸収異方性を有する色素を塗布したフィルムとしては、具体的には、特開2012-33249号公報等に記載のフィルムが挙げられる。
このようにして得られた偏光層の一方の面又は両面に、例えば接着剤層を介して透明保護層を積層していてもよい。透明保護層は、偏光子の収縮および膨張防止、温度、湿度、紫外線等による偏光層の劣化防止、偏光層の傷付き防止等に寄与し得る。
本発明において透明保護層とは、可視光を透過し得る透明性を有する保護層を意味し、透明性とは、波長380nm~780nmにわたる光線に対しての視感度補正透過率が80%以上となる特性をいう。一方、紫外線による偏光層の劣化抑制効果を向上させる観点から、透明保護層の380nmにおける全光線透過率は、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下である。透明保護層の380nmにおける全光線透過率は低いほど好ましいが、通常、0.1%以上である。
透明保護層としては、透明性に加え、機械的強度、熱安定性および/または等方性等に優れるものが好ましい。具体的には、例えば、透光性樹脂から構成されるフィルムを用いることができ、第一の位相差層を形成する基材として先に例示したものが挙げられる。
透明保護層の厚みは特に制限されるものではないが、長尺積層体の薄層化の観点から、一般には300μm以下であり、20~200μmであることが好ましく、30~150μmであることがより好ましく、40~100μmであることがさらに好ましい。
本発明の長尺積層体においては、延伸フィルムから形成される位相差層が透明保護層としても機能し得る。そのため、偏光層の一方の面にのみ透明保護層を設け、保護層の該透明保護層とは反対側の面に延伸フィルムから形成される位相差層を貼合することで、より薄層の長尺積層体(長尺の楕円偏光板)を得ることができる。したがって、本発明は、透明保護層、接着層、偏光層、接着層、延伸フィルムから形成される位相差層、光配向膜及び液晶硬化膜から形成される位相差層をこの順に積層する長尺積層体(長尺の楕円偏光板)を包含する。かかる構成の長尺積層体は、2つの位相差層がいずれも延伸フィルムからなる長尺積層体(楕円偏光板)と比較して薄型化を実現し得る。また、2つの位相差層がいずれも液晶硬化膜からなる長尺積層体では、偏光層に対する十分な保護機能を確保しようとすると、偏光層の両側に透明保護層を設ける必要がある。これに対して、延伸フィルムからなる位相差層が偏光層に対する保護層としても機能し得る本発明の長尺積層体では偏光層の一方の面の透明保護層を延伸フィルムからなる位相差層とすることができるため、偏光層に対する十分な保護機能を確保しつつ、より薄型の積層体となり得る点で有利である。
接着層を形成するための粘着剤/接着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、粘着剤、水系接着剤及び活性エネルギー線硬化型接着剤等が挙げられる。なかでも、形成される接着剤層を薄くする観点から、活性エネルギー線硬化型接着剤および水系接着剤が好ましい。
接着層の厚みは、用いる接着剤の種類、長尺積層体の層構成等に応じて適宜決定すればよい。接着層の厚みは、通常、0.001~5μmであり、十分な層間密着性を確保しながら積層体の薄層化を実現し得る観点から、好ましくは0.01~2μm、より好ましくは0.01~0.5μmである。
第一の位相差層、光配向膜及び第二の位相差層をこの順に積層してなる本発明の長尺積層体は、Roll to Roll形式によって連続的に製造することができるため、生産性よく製造することができる。第一の位相差層が延伸フィルムであって、第二の位相差層が液晶硬化膜である場合には、例えば、
(a)第一の位相差層を形成する基材が巻芯に巻回された基材ロールを準備する工程、
(b)前記基材ロールから該基材を連続的に送り出す工程、
(c)搬送される前記基材を、基材の長尺方向と斜交する所望の角度に延伸し、長尺の第一の位相差層を形成する工程、
(d)前記(c)で得られた第一の位相差層上に光配向膜を連続的に形成する工程、および、
(e)前記(d)で得られた光配向膜上に第二の位相差層である液晶硬化膜を連続的に形成する工程
を含む方法により製造することができる。
上記方法において、第一の位相差層を形成する工程(a)~(c)と、光配向膜を形成する工程(d)と第二の位相差層を形成する工程(e)とは連続して行ってもよく、工程(c)及び/又は工程(d)の後、形成された長尺の第一の位相差層や第一の位相差層上に光配向膜を積層した長尺積層体を巻芯に巻回し、その後の工程を連続せず別に行ってもよい。また、工程(a)~(c)に代えて、式(1)を満たす市販の長尺の延伸フィルムロールを用いてもよいし、第一の位相差層、光配向膜及び第二の位相差層以外の他の層を含む場合には、他の層を形成する工程を含んでいてもよい。
上記工程(a)~(c)を含む方法により延伸フィルムからなる第一の位相差層を作製する方法は、延伸フィルムから形成される位相差層の製造方法として先に記載した通りである。また、長尺の延伸フィルムからなる位相差層上に、得られる位相差層の遅相軸が長尺方向に対して特定の角度になるよう液晶硬化膜からなる第二の位相差層を形成することにより、式(1)及び式(2)を満たす本発明の長尺積層体が得られる。液晶硬化膜からなる位相差層の形成方法は、先に述べた通りである。
さらに、偏光層及び透明保護層を含む本発明の長尺積層体は、上記(a)~(e)の工程に加え、
(f)第一の位相差層又は第二の位相差層の光配向膜とは反対側の面に接着層を介して偏光層を連続的に積層する工程
(g)偏光層の位相差層とは反対側の面に接着層を介して透明保護層を連続的に積層する工程
を含む方法により製造することができる。工程(f)及び(g)は、工程(a)~(e)と連続して行ってもよいし、工程(a)~(e)とは別に、偏光層の片面又は両面に接着層を介して透明保護層を形成した長尺の積層体を先に製造し、該積層体を、第一の位相差層、光配向膜及び第二の位相差層から構成される長尺の積層体上に接着層を介して積層してもよい。
本発明の長尺積層体において、第一の位相差層及び第二の位相差層と偏光層とが積層される場合、第一の位相差層の遅相軸と偏光層の吸収軸との成す角度が12~25°又は65~78°となり、第二の位相差層の遅相軸と偏光層の吸収軸との成す角度が2θa+42°≦θb≦2θa+48°となるように積層することが好ましい。本発明の長尺積層体を構成する第一の位相差層は式(1)を満たすものであり、遅相軸が長尺方向に対して特定の角度で斜交している。このような遅相軸を有する位相差層を用いることにより、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを進行方向(長尺方向)に一軸延伸することによって製造されるような一般的な偏光フィルムを、長尺のままRoll to Roll方式により位相差層と貼合することができる。これにより、商業的に容易に入手できるような一般的な偏光フィルムロールを用いて、特別な操作や装置を必要とすることなく、楕円偏光板として機能する長尺積層体を連続的に、生産性よく製造することを可能にする。
本発明の長尺積層体は、従来の一般的な楕円偏光板、又は偏光フィルム及び位相差板が備えるような構成を有していてよい。そのような構成としては、例えば、楕円偏光板として機能する本発明の長尺積層体を有機EL等の表示素子に貼合するための粘着剤層(シート)等が挙げられる。
本発明において、長尺積層体の幅や長さ等は特に限定されず、長尺積層体の層構成や用途、製造設備等に応じて適宜決定し得る。通常、長尺積層体の長さは10~10000mであり、好ましくは50~5000mである。
本発明の長尺積層体は、楕円偏光板を構成する一部材として組み込んだ場合に光漏れに対する高い抑制効果を有し、かつ、正面色相の変化が小さいため、表示装置の構成部材として好適に利用できる。したがって、本発明は、本発明の長尺積層体から得られる枚葉体を含む表示装置も包含する。
本発明の長尺積層体は、さまざまな表示装置に用いることができる。
表示装置とは、表示素子を有する装置であり、発光源として発光素子又は発光装置を含む。表示装置としては、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、タッチパネル表示装置、電子放出表示装置(例えば電場放出表示装置(FED)、表面電界放出表示装置(SED))、電子ペーパー(電子インクや電気泳動素子を用いた表示装置、プラズマ表示装置、投射型表示装置(例えばグレーティングライトバルブ(GLV)表示装置、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を有する表示装置)及び圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。液晶表示装置は、透過型液晶表示装置、半透過型液晶表示装置、反射型液晶表示装置、直視型液晶表示装置及び投射型液晶表示装置などのいずれをも含む。これらの表示装置は、2次元画像を表示する表示装置であってもよいし、3次元画像を表示する立体表示装置であってもよい。特に本発明の長尺積層体は有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置及び無機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に好適に用いることができる。本発明の長尺積層体を種々の大きさや形状の枚葉体として、各種表示装置に組み込むことができる。これらの表示装置は、光学特性に優れる本発明の楕円偏光板を備えることにより、良好な画像表示特性を発現することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。尚、例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、それぞれ質量%及び質量部を意味する。
1.実施例1
(1)光配向膜形成用組成物の調製
下記成分を混合し、得られた混合物を80℃で1時間攪拌することにより、光配向膜形成用組成物を得た。
光配向性材料(5部):
Figure 0007328000000016
溶剤(95部):シクロペンタノン
(2)重合性液晶組成物の調製
重合性液晶組成物の組成を下記に示す。各成分を混合し、得られた溶液を80℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却し、重合性液晶組成物を得た。
<組成>
重合性液晶 :LC242(BASF社製) 19.2部
重合開始剤 :Irg907(BASFジャパン社製) 0.5部
レベリング剤:BYK-361N(ビックケミージャパン製) 0.1部
反応添加剤 :LR-9000 1.1部
(BASFジャパン社製 Laromer(登録商標))
溶剤 :PGMEA 79.1部
(プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセタート)
(3)延伸フィルムからなる第一の位相差層の製造
特開2013-235272号公報の第一の位相差遅延相を参考に、長尺状の日本ゼオン社製のシクロオレフィンポリマー(COP)フィルム(製品名:ZEONOR(ゼオノア))を進行方向に垂直な方向(幅方向)に対して傾斜延伸して第一の位相差層を形成した。傾斜延伸を行う際には、前記COPフィルムの一方の周縁部はそのまま幅方向に引っ張り、かつ、他方の周縁部は幅方向に対して傾斜方向に引っ張った。得られた位相差フィルムの位相差値を王子計測機器株式会社製のKOBRA-WRを用いて測定したところ、Re(550)=271nmであり、長尺方向と第一の位相差層の遅相軸のなす角度のうち小さい角度は15°であった。また、第一の位相差層の膜厚をエリプソメータで測定したところ、1.9μmであった。
(4)長尺積層体(位相差板)の製造
(i)光配向膜の作製
前記第一の位相差層を、コロナ処理装置(AGF-B10、春日電機株式会社製)を用いて出力0.3kW、処理速度3m/分の条件で1回処理した。コロナ処理を施した表面に、光配向膜形成用組成物をバーコーターで塗布し、80℃で1分間乾燥し、偏光UV照射装置(SPOT CURE SP-7;ウシオ電機株式会社製)を用いて、100mJ/cmの積算光量で前記COPの長手方向に対して75°の角度で偏光UV露光を実施した。得られた光配向膜の膜厚をエリプソメータで測定したところ150nmであった。
(ii)光配向膜の数平均分子量
得られた光配向膜の数平均分子量を下記方法に従い測定した。
装置;HLC-8220GPC(東ソー株式会社製)
カラム;TOSOH TSKgel MultiporeHXL-M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/分
検出器;RI
校正用標準物質;TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-288、A-5000、A-500
(iii)液晶硬化膜からなる第二の位相差層の形成
得られた光配向膜の上に上記(2)で調製した重合性液晶組成物をバーコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥した後、高圧水銀ランプを用いて、紫外線を照射(窒素雰囲気下、波長365nmにおける積算光量:1200mJ/cm)することにより第二の位相差層を形成し、長尺積層体(1)を得た。得られた第二の位相差層の膜厚をレーザー顕微鏡で測定したところ、膜厚は970nmであった。
得られた第二の位相差層の位相差値を王子計測機器株式会社製のKOBRA-WRを用いて測定したところ、Re(550)=135nmであり、第一の位相差層の長尺方向と第二の位相差層の遅相軸とのなす角度のうち小さい角度は75°であった。
(5)長尺積層体(楕円偏光板)の作製
(i)水系接着剤の調製
水100部に、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(クラレポバール KL318;株式会社クラレ製)3部と、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(スミレーズレジン650;住化ケムテックス株式会社製、固形分濃度30%の水溶液)1.5部とを添加して、水系接着剤を調製した。
(ii)偏光層の製造
厚さ30μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を、乾式延伸により約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、40℃の純水に40秒間浸漬した。その後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.044/5.7/100の染色水溶液に28℃で30秒間浸漬して染色処理を行った。次に、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が11.0/6.2/100のホウ酸水溶液に70℃で120秒間浸漬した。引き続き、8℃の純水で15秒間洗浄した後、300Nの張力で保持した状態で、60℃で50秒間、次いで75℃で20秒間乾燥して、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚さ12μmの偏光層(偏光子)を得た。
得られた偏光層に対し、前面透明保護層として一方の面にトリアセチルセルロースフィルム(TAC;KC2UA;コニカミノルタ株式会社製、380nmにおける全光線透過率:18%、厚さ:25μm)をケン化処理したフィルムを、もう一方の面に長尺積層体(1)を偏光層のTACフィルムと反対側の面が第一の位相差層側になるよう積層し、間に得られる接着層の厚みが50nmとなるよう調製した水系接着剤を注入し、ニップロールで貼り合わせた。得られた貼合物の張力を430N/mに保ちながら、60℃で2分間乾燥して、片面に透明保護フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルムを、片面に長尺積層体(1)を有する楕円偏光板を得た。該楕円偏光板の層構成は、前面透明保護層/接着層/偏光層/接着層/延伸フィルムからなる第一の位相差層/光配向膜/液晶硬化膜からなる第二の位相差層であった。
(6)密着性の確認
作製した長尺の楕円偏光板から密着性試験用のサンプル(縦10cm×横10cm)を切り出し、該サンプルの片方の端部に5cmのセロテープ(登録商標)を、サンプルとの接着部が2cmになるよう接着した後、セロテープを接着面に対して90°方向に剥離し、下記評価基準に従い、密着性を評価した。結果を表1に示す。
<評価基準>
(i)光配向膜と第一の位相差層間の密着性
○:光配向膜と第一の位相差層及び/又は第二の位相差層との間に剥離が生じなかった
△:光配向膜と第一の位相差層及び/又は第二の位相差層との間に一部剥離が生じた
×:光配向膜と第一の位相差層及び/又は第二の位相差層とがほぼ又は完全に剥離した
なお、配向膜層における剥離については表1中の「光配向膜層」の欄に示す。
(ii)偏光層と位相差層間の密着性
○:偏光層と位相差層との間に剥離が生じなかった
△:偏光層と位相差層との間に一部剥離が生じた
×:偏光層と位相差層とがほぼ又は完全に剥離した
なお、偏光板と位相差層の間における剥離については表1中の「偏光板」の欄に示す。
(7)SCI反射率の測定
楕円偏光板の第二の位相差層側の面を、粘着剤を用いて鏡に貼合した。鏡に貼合した楕円偏光板について、コニカミノルタ社製のCM2600dを用いて、SCI反射率及び反射色相a*、b*の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007328000000017
2.実施例2
第一の位相差層、第二の位相差層を表1の通り変更した以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
3.実施例3
第一の位相差層、第二の位相差層を表1の通り変更した以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
4.実施例4
第一の位相差層、第二の位相差層を表1の通り変更した以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
5.実施例5
前面保護層としてトリアセチルセルロースの代わりに、紫外線吸収剤を含むノルボルネン樹脂フィルム(製品名ゼオノア、日本ゼオン社製、380nmにおける全光線透過率:8%)を用い、第一の位相差層、第二の位相差層を表1の通り変更したこと以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
6.実施例6
表1に記載の数平均分子量を有する光配向膜を用いた以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
7.実施例7
表1に記載の数平均分子量を有する光配向膜を用いた以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
8.実施例8
偏光層の一方の面にトリアセチルセルロースフィルム(TAC;KC2UA;コニカミノルタ株式会社製)をケン化処理したフィルムを、もう一方の面にトリアセチルセルロースフィルム(TAC;KC2UA;コニカミノルタ株式会社製)を水系接着剤で貼合して偏光板を得た。得られた偏光板のケン化していないトリアセチルセルロース面と、長尺積層体(1)の第一の位相差層とを水系接着剤で貼合した以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
9.実施例9
長尺積層体(1)を偏光層のTACフィルムと反対側の面が液晶硬化膜からなる(第二の)位相差層側になるように積層した以外は実施例1と同様にして、前面透明保護層/接着層/偏光層/接着層/液晶硬化膜からなる位相差層/光配向膜/延伸フィルムからなる位相差層から構成される長尺積層体(楕円偏光板)を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
10.比較例1
長尺方向と第一位相差層の遅相軸のなす角度のうちの小さい角度、第一の位相差層の長尺方向と第二の位相差層の遅相軸とがなす角度を表1に記載の角度にした以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
11.比較例2
長尺方向と第一位相差層の遅相軸のなす角度のうちの小さい角度、第一の位相差層の長尺方向と第二の位相差層の遅相軸とがなす角度を表1に記載の角度にした以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
12.比較例3
長尺方向と第一位相差層の遅相軸のなす角度のうちの小さい角度、第一の位相差層の長尺方向と第二の位相差層の遅相軸とがなす角度を表1に記載の角度にした以外は実施例1と同様にして、長尺積層体を作製し、各種物性を評価した。結果を表1に示す。
1:第一の位相差層
2:第二の位相差層
3:光配向膜
4:偏光層
5:接着層
6:保護層
11:長尺積層体
12:位相差板
13:偏光板

Claims (8)

  1. 第一の位相差層と、光配向膜と、第二の位相差層とをこの順に有する長尺積層体であって、
    光配向膜の数平均分子量が20000~100000であり、
    下記式(1)及び(2)を満たし、第一の位相差層及び第二の位相差層のいずれか一方が延伸フィルムであり、他方が液晶硬化膜である長尺積層体。
    10°≦θa≦30° 又は 60°≦θa≦80° (1)
    2θa+40°≦θb≦2θa+50° (2)
    [式中、θaは該長尺積層体の長尺方向と第一の位相差層の遅相軸のなす角度のうち小さい角度であり、θbは第一の位相差層の長尺方向と第二の位相差層の遅相軸とのなす角度である。]
  2. 第一の位相差層が下記式(3)を満たし、かつ、第二の位相差層が下記式(4)を満たす、請求項1に記載の長尺積層体。
    200nm<Re(550)<320nm (3)
    100nm<Re(550)<160nm (4)
    [式中、Re(550)は波長550nmにおける面内位相差値を表す。]
  3. 光配向膜の光反応性基が二量化反応性の光反応性基である、請求項1又は2に記載の長尺積層体。
  4. 光配向膜の厚みが100~300nmである、請求項1~のいずれかに記載の長尺積層体。
  5. 透明保護層、接着層、偏光層、接着層、第一の位相差層、光配向膜及び第二の位相差層をこの順に有し、
    第一の位相差層が延伸フィルムであり、第二の位相差層が液晶硬化膜である、請求項1~のいずれかに記載の長尺積層体。
  6. 透明保護層の380nmにおける全光線透過率が30%以下である、請求項に記載の長尺積層体。
  7. 偏光層の二色性色素としてヨウ素が含まれ、かつ、偏光層の吸収軸が該長尺積層体の長尺方向である、請求項又はに記載の長尺積層体。
  8. 請求項1~のいずれかに記載の長尺積層体から得られる枚葉体を含む、有機EL表示装置。
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