JP7319900B2 - アルジロダイト型結晶構造を有する固体電解質の製造方法 - Google Patents
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Description
また、アルジロダイトよりも比較的低温で合成できる硫化物系結晶化ガラスの製造方法として、特許文献6には、硫化物系ガラスと反応しない溶媒との混合物を耐圧密閉容器内で加熱することにより硫化物系ガラスを結晶化させる方法が開示されている。
本発明の目的は、粒径が小さく、かつ、高いイオン伝導度を有し、残存原料が少ないアルジロダイト型固体電解質の製造方法を提供することである。
工程1:リチウム、硫黄、リン及びハロゲンを含む原料混合物を、耐圧容器を用いて又は還流しながら、溶媒中で熱処理(仮焼)する。
工程2:上記溶媒を除去する。
工程3:上記熱処理により得られた処理物を焼成する。
図1に示すように、本実施形態では原料混合物を溶媒中で熱処理する。溶媒中で熱処理することで、原料混合物が処理物(中間体)を形成し、その後の焼成の加熱時間を短縮することができるため、粒子の成長を抑えつつ、アルジロダイト型結晶構造を有する固体電解質が製造できる。具体的には、第一の加熱(熱処理)で微小な種結晶、すなわちアルジロダイト型結晶構造において主構造であるPS4構造を含む結晶を形成し、第二の加熱(焼成)でハロゲンを結晶中に取り込んでアルジロダイト型結晶構造を得る。
原料混合物を構成する原料の化合物としては、リチウム、硫黄、リン及びハロゲンの1以上を構成元素とする化合物が使用できる。
リチウムを含む化合物としては、例えば、硫化リチウム(Li2S)、酸化リチウム(Li2O)、炭酸リチウム(Li2CO3)が挙げられる。中でも硫化リチウムが好ましい。
式中、Mは、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、リン(P)、硫黄(S)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、セレン(Se)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、テルル(Te)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、又はこれらの元素に酸素元素、硫黄元素が結合したものを示す。MはLi又はPが好ましく、特にリチウム(Li)が好ましい。
Xは、F、Cl、Br及びIから選択されるハロゲンである。
また、lは1又は2の整数であり、mは1~10の整数である。mが2~10の整数の場合、すなわち、Xが複数存在する場合は、Xは同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、後述するSiBrCl3は、mが4であって、XはBrとClという異なる元素からなるものである。
ハロゲン化合物は、上記の化合物の中から一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の一実施形態では、原料混合物がリチウム化合物、リン化合物及びハロゲン化合物を含み、該リチウム化合物、及びリン化合物の少なくとも一方が硫黄元素を含むことが好ましく、Li2Sと硫化リンとハロゲン化リチウムとの組合せであることがより好ましく、Li2SとP2S5と、LiCl及び/又はLiBrとの組合せであることが更に好ましい。また、原料混合物が2種以上のハロゲンを含むことが好ましい。
体積基準平均粒子径(D50)は、レーザ回折式粒度分布測定により測定する。なお、体積基準平均粒子径の下限は、通常100nm程度である。
上記化合物及び単体は、それぞれ個別に粉砕してもよく、また、混合後に粉砕してもよい。
溶媒としては、有機溶媒を用いることができ、好ましくは非極性溶媒、極性溶媒又はこれらの混合溶媒が使用できる。非極性溶媒、又は、非極性溶媒を主成分とする溶媒、例えば、有機溶媒全体の95重量%以上が非極性溶媒であることが好ましい。
飽和炭化水素としては、ヘキサン、ペンタン、2-エチルヘキサン、ヘプタン、デカン、トリデカン、シクロヘキサン等が挙げられる。
不飽和炭化水素としては、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、デカリン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。
これらのうち、トルエン又はキシレンが好ましい。
エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、R(CN)nで表されるニトリル化合物が好ましい。式中、Rは、炭素数が1以上10以下のアルキル基、又は環形成炭素数が6以上18以下の芳香環を有する基である。nは、1又は2である。
例えば、ニトリル化合物はトルエンと共沸するため、乾燥時にトルエンとともに処理物から除去しやすいため好ましい。
有機溶媒に含まれるニトリル化合物及びエーテル化合物の量は、0.01~5重量%であることが好ましく、さらに、0.1~3重量%であることが好ましく、特に0.3~1重量%であることが好ましい。
加熱時間は10分~6時間が好ましく、さらに、10分~3時間が好ましく、特に30分~2時間が好ましい。
熱処理で使用する耐圧容器は特に限定はないが、加熱温度が使用する溶媒の沸点を超える場合は、オートクレーブを使用することが好ましい。また、溶媒の還流は特に限定はなく、蒸気を冷却して溶媒に戻す冷却器(例えば、ジムロート)を用いることができる。
Li7PS6の代表的なピークとして、2θ=15.5±1.0deg、17.9±1.0deg、25.3±1.0deg、29.8±1.0deg、31.2±1.0deg、36.2±1.0deg、39.5±1.0degが挙げられる。
β-Li3PS4型結晶構造及びLi7PS6型結晶構造の含有率は、X線回折測定の結果をRietveld解析することにより求めた値である。処理物に含まれる全結晶構造とは、X線回折測定で特定される結晶構造の全部を意味する。
処理物の比表面積は、例えば、加熱温度や時間を調整することによって制御することができる。
焼成における加熱温度及び時間は、処理物の組成等を考慮して、適宜調整することができる。例えば、加熱温度は300℃~470℃が好ましく、300℃を超えて460℃以下がより好ましく、より320℃~450℃が好ましく、さらに350℃~440℃が好ましく、特に380℃~430℃が好ましい。
加熱時間は1分~6時間が好ましく、さらに、1分~2時間が好ましく、特に5分~1時間が好ましい。本実施形態では粒子が成長し難いことから、安定した生産が可能となる。
製造した固体電解質が、アルジロダイト型結晶構造を有していることは、例えば、CuKα線を使用した粉末X線回折により確認できる。アルジロダイト型結晶構造は、2θ=25.2±1.0deg及び29.7±1.0degに強い回折ピークを有する。なお、アルジロダイト型結晶構造の回折ピークは、例えば、2θ=15.3±1.0deg、17.7±1.0deg、31.1±1.0deg、44.9±1.0deg又は47.7±1.0degにも現れることがある。アルジロダイト型固体電解質は、これらのピークを有していてもよい。
なお、評価方法は以下のとおりである。
(1)体積基準平均粒子径(以下、レーザ回折D50という。)
レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA製、LA-950V2モデルLA-950W2)で測定した。
脱水処理されたトルエン(和光純薬製、特級)とターシャリーブチルアルコール(和光純薬製、特級)を93.8:6.2の重量比で混合したものを分散媒として用いた。装置のフローセル内に分散媒を50mL注入し、循環させた後、測定対象を添加して超音波処理した後、粒子径分布を測定した。なお、測定対象の添加量は、装置で規定されている測定画面で、粒子濃度に対応する赤色光透過率(R)が80~90%、青色光透過率(B)が70~90%に収まるように調整した。また、演算条件には、測定対象の屈折率の値として2.16を、分散媒の屈折率の値として1.49をそれぞれ用いた。分布形態の設定において、反復回数を15回に固定して粒径演算を行った。
各例で製造した固体電解質を、走査型電子顕微鏡(SEM)により形態観察した。得られたSEM画像から、粒子が200個以上含まれる四角形の領域を選び(四角形の外枠に接する粒子は数に含めない。)、無作為に200個以上の粒子を抽出した。画像処理ソフトImageJにて粒度分布を求め、d50を平均粒径とした。なお、本願においては、画像解析d50の平均粒径に対し、上記のレーザ回折D50が大きいことから、画像解析d50が一次粒径に相当し、レーザ解析D50が二次粒径(一次粒子が凝集した凝集粒の粒径)に相当するものと考えられる。
各例で製造したアルジロダイト型固体電解質を、錠剤成形機に充填し、22MPaの圧力を加え成形体とした。電極としてカーボンを成形体の両面に乗せ、再度錠剤成形機にて圧力を加えることで、測定用の成形体(直径約10mm、厚み0.1~0.2cm)を作製した。この成形体について交流インピーダンス測定によりイオン伝導度を測定した。伝導度の値は25℃における数値を採用した。
各例で製造したアルジロダイト型固体電解質の粉末を、直径20mm、深さ0.2mmの溝に充填し、ガラスで均して試料とした。この試料を、XRD用カプトンフィルムで空気に触れさせずに測定した。回折ピークの2θ位置は、XRD解析プログラムZ-Rietveldを用いてRietveld解析にて決定した。
株式会社BRUKERの粉末X線回折測定装置D2 PHASERを用いて以下の条件にて実施した。
管電圧:30kV
管電流:10mA
X線波長:Cu-Kα線(1.5418Å)
光学系:集中法
スリット構成:ソーラースリット4°、発散スリット1mm、Kβフィルター(Ni板)使用
検出器:半導体検出器
測定範囲:2θ=10-60deg
ステップ幅、スキャンスピード:0.05deg、0.05deg/秒
測定結果より結晶構造の存在を確認するためのピーク位置の解析では、XRD解析プログラムZ-Rietveldを用い、Sonneveld法により800点の自動推定値と4次のルジャンドル直行多項式を組み合わせてベースラインを補正し、ピークシフト値はZ1+Z2×cosθ+Z3×sin2θを用いて各係数Z1~Z3によって補正し、Spilit-Psedo-Voigt関数を用いてRietveld解析した。解析結果の重み付き信頼度因子Rwpと指標χ2が、それぞれ下記式(1)及び(2)を満たす際に、各結晶構造の割合を下記式(3)で定量評価した。
ガス吸着量測定装置(AUTOSORB6(シスメックス(株)製))を用いて窒素法で測定した。
硫化リチウム(Li2S)の製造
Li2Sの製造及び精製は、下記のように行った。
非水溶性媒体としてトルエン(住友商事株式会社製)を脱水処理し、カールフィッシャー水分計にて測定し水分量が100ppmとなったもの303.8kgを窒素気流下で500Lステンレス製反応釜に加え、続いて無水水酸化リチウム33.8kg(本荘ケミカル株式会社製)を投入し、ツインスター撹拌翼131rpmで撹拌しながら、95℃に保持した。
スラリー中に硫化水素(住友精化株式会社製)を100L/minの供給速度で吹き込みながら104℃まで昇温した。反応釜からは、水とトルエンの共沸ガスが連続的に排出された。この共沸ガスを、系外のコンデンサで凝縮させることにより脱水した。この間、留出するトルエンと同量のトルエンを連続的に供給し、反応液レベルを一定に保持した。
凝縮液中の水分量は徐々に減少し、硫化水素導入後24時間で水の留出は認められなくなった。なお、反応の間は、トルエン中に固体が分散して撹拌された状態であり、トルエンから分層した水分は無かった。
この後、硫化水素を窒素に切り替え100L/minで1時間流通した。
得られた固形分をろ過及び乾燥して、白色粉末であるLi2Sを得た。Li2Sのレーザ回折D50は412μmであった。
(A)粉砕工程
製造例1で得たLi2Sを、窒素雰囲気下にて、定量供給機を有するピンミル(ホソカワミクロン株式会社製 100UPZ)にて粉砕した。投入速度は80g/min、円板の回転速度は18000rpmとした。
同様に、P2S5(サーモフォス製、レーザ回折D50=125μm)、LiBr(本荘ケミカル社製、レーザ回折D50=38μm)及びLiCl(シグマアルドリッチ社製、レーザ回折D50=308μm)を、それぞれ、ピンミルにて粉砕した。P2S5の投入速度は140g/min、LiBrの投入速度は230g/min、LiClの投入速度は250g/minとした。円板の回転速度はいずれも18000rpmとした。
粉砕処理後のLi2Sのレーザ回折D50は7.7μm、P2S5のレーザ回折D50は8.7μm、LiBrのレーザ回折D50は5.0μm、LiClのレーザ回折D50は10μmであった。
窒素雰囲気のグローブボックス内にて、上記粉砕工程(A)で粉砕した各化合物を、モル比がLi2S:P2S5:LiBr:LiCl=47.5:12.5:15.0:25.0であり、合計110gとなるように計量したものを、ガラス容器に投入し、容器を振盪することにより粗混合した。
粗混合した原料110gを、窒素雰囲気下で、脱水トルエン(和光純薬製)1140mLと脱水イソブチロニトリル(キシダ化学製)7mLとの混合溶媒中に分散させ、約10重量%のスラリーとした。スラリーを窒素雰囲気に保ったまま、ビーズミル(LMZ015、アシザワ・ファインテック社製)を用いて粉砕処理することにより原料混合物を得た。具体的に、粉砕媒体には直径0.5mmのジルコニアビーズ456gを使用し、周速12m/s、流量500mL/minの条件でビーズミルを稼働させ、スラリーをミル内に投入し、1時間循環運転した。処理後のスラリーを窒素置換したシュレンク瓶に入れた後、減圧乾燥することで原料混合物を得た。
上記(B)で得た原料混合物30gを、エチルベンゼン(和光純薬社製)300mLに分散させてスラリーとした。このスラリーを、撹拌機及び加熱用オイルバスを具備したオートクレーブ(容量1000mL、SUS316製)に投入し、回転数200rpmで撹拌しながら、200℃で2時間熱処理した。処理後、減圧乾燥して溶媒を留去して、処理物を得た。
処理物について、比表面積、平均粒径(レーザ回折D50)、β-Li3PS4型結晶構造及びLi7PS6型結晶構造の含有率を評価した。結果を表1に示す。なお、原料混合物のXRD測定の結果、原料以外のピークは観察されなかった。
処理物のXRDパターンを図2に示す。
上記(C)で得た処理物を、窒素雰囲気下のグローブボックス内の電気炉(F-1404-A、東京硝子器械株式会社製)で加熱した。具体的には、電気炉内にAl2O3製の匣鉢(999-60S、東京硝子器械株式会社製)を入れ、室温から380℃まで1時間で昇温し380℃で1時間以上保持した。その後、電気炉の扉を開け、素早く処理物1gを匣鉢に注ぎ入れたのち、扉を直ちに閉じ、10分間加熱した。その後、匣鉢を電気炉より取り出し、徐冷することにより固体電解質を得た。
固体電解質について、平均粒径(レーザ回折D50)及びイオン伝導度を評価した。結果を表2に示す。なお、実施例1~5では、平均粒径(画像解析d50)は1μm以下の微粒であり、かつ残存原料であるLiX(X=Cl,Br)の含有率が1重量%未満の固体電解質が得られた。
実施例1(B)において、ビーズミルによる処理後のスラリーを、乾燥させずに熱処理工程に使用した。該スラリーをオートクレーブに投入し、180℃で2時間熱処理した。その他は、実施例1と同様にして固体電解質を作製し評価した。結果を表1及び2に示す。
処理物のXRDパターンを図3に示す。また、固体電解質のXRDパターンを図4に示す。
実施例1(D)において、加熱時間を10分間から1時間に変更した他は、実施例2と同様にして固体電解質を作製し評価した。結果を表1及び2に示す。
固体電解質のXRDパターンを図4に示す。
熱処理後のスラリーを、孔径0.5μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製メンブレンフィルターで濾別し、処理物を回収した以外は、実施例3と同様にして固体電解質を作製し評価した。結果を表1及び2に示す。
処理物のXRDパターンを図3に示す。また、固体電解質のXRDパターンを図4に示す。
実施例1(B)において、脱水トルエンの代りにトリデカン(和光純薬社製)を使用した。ビーズミルによる処理後のスラリーを、乾燥させずに熱処理工程に使用した。該スラリーを撹拌子及びジムロートを具備した三つ口フラスコを使用して、常圧下、200℃で2時間オイルバスにて加熱し、熱処理した。熱処理後のスラリーを、孔径0.5μmのPTFE製メンブレンフィルターで濾別し、得られた固体成分を、ノルマルヘキサン10mLで洗浄した後、減圧乾燥して処理物を得た。その他は、実施例1と同様にして固体電解質を作製し評価した。結果を表1及び2に示す。
処理物及び固体電解質のXRDパターンを図5に示す。
熱処理を、下記のように実施した。
実施例1(B)で得た原料混合物(減圧乾燥物)2gを、窒素雰囲気下のグローブボックス内で、タンマン管(PT2、東京硝子器械株式会社製)内に詰め、窒素雰囲気下のグローブボックス内の電気炉(F-1404-A、東京硝子器械株式会社製)にタンマン管を入れ熱処理した。具体的には、室温から200℃まで1時間で昇温し、200℃で2時間保持した。その後、徐冷して処理物を得た。
その他は、実施例1と同様にして固体電解質を作製し評価した。結果を表1及び2に示す。処理物のXRDパターンを図3に示す。また、固体電解質のXRDパターンを図4に示す。
アルジロダイト型固体電解質は得られるものの、実施例と比較すると、平均粒径(レーザ回折D50)が大きくなることが確認できる。なお、平均粒径(画像解析d50)は1μm以下であった。
実施例1(B)で得た原料混合物(減圧乾燥物)を、熱処理を経ずに焼成した他は、実施例1と同様にして固体電解質を作製し評価した。結果を表1及び2に示す。固体電解質のXRDパターンを図7に示す。
アルジロダイト型固体電解質は得られるものの、実施例と比較すると、平均粒径が大きくなることが確認できる。
焼成において、加熱時間を10分間から1時間に変更した他は、比較例2と同様にして固体電解質を作製し評価した。結果を表1及び2に示す。固体電解質のXRDパターンを図7に示す。
アルジロダイト型固体電解質は得られるものの、実施例と比較すると、平均粒径が大きくなることが確認できる。
実施例1(B)において、ビーズミル処理後のスラリーを、孔径0.5μmのPTFE製メンブレンフィルターで濾別し、固体成分を回収した。固体成分を100℃で2時間加熱して原料混合物を得た。該原料混合物を使用した他は、比較例3と同様にして固体電解質を作製し評価した。結果を表1及び2に示す。固体電解質のXRDパターンを図7に示す。
アルジロダイト型固体電解質は得られるものの、実施例と比較すると、平均粒径が大きくなり、また、残存原料であるハロゲン化リチウムのピークが観測された。
Claims (12)
- リチウム、硫黄、リン及びハロゲンを含む原料混合物を、耐圧容器を用いて又は還流しながら、溶媒中で熱処理すること、
前記溶媒を除去すること、及び
前記熱処理により得られた処理物を焼成すること、を含む、アルジロダイト型結晶構造を有する固体電解質の製造方法。 - 前記熱処理の加熱温度が150℃以上300℃以下である、請求項1に記載の固体電解質の製造方法。
- 前記焼成の加熱温度が300℃以上470℃以下である、請求項1又は2に記載の固体電解質の製造方法。
- リチウム、硫黄、リン及びハロゲンから選ばれる一以上を含む二以上の原料を溶媒中で混合及び粉砕して前記原料混合物を得る、請求項1~3のいずれかに記載の固体電解質の製造方法。
- 前記溶媒が、炭化水素系溶媒と、ニトリル化合物及びエーテル化合物の少なくとも一方と、を含む、請求項4に記載の固体電解質の製造方法。
- 前記処理物が、PS4構造を有する結晶を含む、請求項1~5のいずれかに記載の固体電解質の製造方法。
- 前記PS4構造を有する結晶が、β-Li3PS4型結晶構造及びLi7PS6型結晶構造から選ばれる一以上である、請求項6に記載の固体電解質の製造方法。
- 前記処理物が、β-Li3PS4型結晶構造を15重量%以上含む、請求項7に記載の固体電解質の製造方法。
- 前記処理物が、Li7PS6型結晶構造を10重量%以上含む、請求項7に記載の固体電解質の製造方法。
- 前記処理物に含まれる全結晶構造に対する、β-Li3PS4型結晶構造及びLi7PS6型結晶構造の合計の含有率が、50重量%以上100重量%以下である、請求項7~9のいずれかに記載の固体電解質の製造方法。
- 前記耐圧容器がオートクレーブである、請求項1~10のいずれかに記載の固体電解質の製造方法。
- 前記処理物の比表面積が15m2/g以上である、請求項1~11のいずれかに記載の固体電解質の製造方法。
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