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JP7319242B2 - フルオロポリエーテル基シラン含有化合物 - Google Patents

フルオロポリエーテル基シラン含有化合物 Download PDF

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JP7319242B2
JP7319242B2 JP2020192570A JP2020192570A JP7319242B2 JP 7319242 B2 JP7319242 B2 JP 7319242B2 JP 2020192570 A JP2020192570 A JP 2020192570A JP 2020192570 A JP2020192570 A JP 2020192570A JP 7319242 B2 JP7319242 B2 JP 7319242B2
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Description

本開示は、フルオロポリエーテル基含有シラン化合物に関する。
ある種の含フッ素シラン化合物は、基材の表面処理に用いると、優れた撥水性、撥油性、防汚性などを提供し得ることが知られている。含フッ素シラン化合物を含む表面処理剤から得られる層(以下、「表面処理層」とも言う)は、いわゆる機能性薄膜として、例えばガラス、プラスチック、繊維、建築資材など種々多様な基材に施されている。
そのような含フッ素化合物として、パーフルオロポリエーテル基を分子主鎖に有し、Si原子に結合した加水分解性基を分子末端または末端部に有するパーフルオロポリエーテル基含有シラン化合物が知られている(特許文献1~2)。
特開2014-218639号公報 特開2017-082194号公報
上記のような表面処理剤として使用し得るフルオロポリエーテル基含有シラン化合物としては、さらに新たな構造が求められ得る。
本開示は、以下の[1]~[20]を提供するものである。
[1] 式(1a)または式(1b):
Figure 0007319242000001
[式中:
F1は、各出現においてそれぞれ独立して、Rf-R-O-であり;
F2は、-Rf -R-O-であり;
Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-16アルキル基であり;
Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-6アルキレン基であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、2価のフルオロポリエーテル基であり;
pは、0または1であり;
qは、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
αは、1~9の整数であり;
βは、1~9の整数であり;
γは、それぞれ独立して、1~9の整数であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、2以上のアミド結合を有する2~10価の有機基であり;
Siは、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基、加水分解性基、水素原子または1価の有機基が結合したSi原子を含む1価の基である。]
で表されるフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
[2] Rは、各出現においてそれぞれ独立して、式:
-(OC12-(OC10-(OC-(OC-(OC-(OCF
[式中:
a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して、0~200の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は1以上であり、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
で表される基である、[1]に記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
[3] Rは、各出現においてそれぞれ独立して、下記式(f1)、(f2)、(f3)、(f4)または(f5)で表される、[1]または[2]に記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
-(OC-(OC- (f1)
[式中、dは、1~200の整数であり、eは1である。]
-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f2)
[式中、cおよびdは、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下の整数であり、
c、d、eおよびfの和は2以上であり、
添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
-(R-R- (f3)
[式中、Rは、OCFまたはOCであり、
は、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせであり、
gは、2~100の整数である。]
-(OC12-(OC10-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f4)
[式中、eは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、dおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
-(OC12-(OC10-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f5)
[式中、fは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、dおよびeは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
[4] Xは、各出現においてそれぞれ独立して、
-(X21s21-[(X)-(X22)]s11-(X)-(X21s22
で表される基である、[1]~[3]のいずれか1つに記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
[式中:
は、アミド結合を表し;
s11は、1~3の整数であり;
21は、それぞれ独立して、2~10価の有機基であり;
22は、各出現においてそれぞれ独立して、2価の有機基であり;
s21は、それぞれ独立して、0または1であり;
s22は、それぞれ独立して、0または1である。]
[5] Xは、2価の有機基であり、各出現においてそれぞれ独立して、
-(X21s21-[(X)-(X22)]s11-(X)-(X21s22
で表される基である、[1]~[4]のいずれか1つに記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
[式中:
は、アミド結合を表し;
s11は、1~3の整数であり;
21は、それぞれ独立して、2価の有機基であり;
22は、各出現においてそれぞれ独立して、2価の有機基であり;
s21は、それぞれ独立して、0または1であり;
s22は、それぞれ独立して、0または1である。]
[6] X22は、各出現においてそれぞれ独立して、
-R221-、または、
-(R221s31-X31-(R222s32
である、[4]または[5]に記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
[式中:
221およびR222は、それぞれ独立して、C1-10アルキレン基であり;
前記C1-10アルキレン基の水素原子は、置換されていてもよく;
31は、-O-、または-NR54-であり;
54は、水素原子、フェニル基またはC1-6アルキル基であり;
s31は、0または1であり;
s32は、0または1である。]
[7] α、βおよびγが、それぞれ1である、[1]~[6]のいずれか1つに記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
[8] RSiは、各出現においてそれぞれ独立して、式(S1)、(S2)、(S3)または(S4)で表される、[1]~[7]のいずれか1つに記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
Figure 0007319242000002
[式中:
11は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基であり;
n1は、(SiR11 n112 3-n1)単位毎にそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
11は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合または2価の有機基であり;
13は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基であり;
tは、各出現においてそれぞれ独立して、2以上の整数であり;
14は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または-X11-SiR11 n112 3-n1であり;
15は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基または炭素数1~6のアルキレンオキシ基であり;
a1は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR21 p122 q123 r1であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基であり;
21は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z1’-SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’であり;
22は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
23は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基であり;
p1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
q1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
r1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
1’は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基であり;
21’は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z1”-SiR22” q1”23” r1”であり;
22’は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
23’は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基であり;
p1’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
q1’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
r1’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
1”は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基であり;
22”は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
23”は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基であり;
q1”は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
r1”は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
b1は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
c1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基であり;
k1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
l1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
m1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
d1は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-CR31 p232 q233 r2であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子または2価の有機基であり;
31は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z2’-CR32’ q2’33’ r2’であり;
32は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり;
33は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基であり;
p2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
q2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
r2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
2’は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子または2価の有機基であり;
32’は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり;
33’は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基であり;
q2’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
r2’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子または2価の有機基であり;
34は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
35は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基であり;
n2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
e1は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり;
f1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基であり;
k2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
l2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
m2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数である。]
[9] n1は、3である、[8]に記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
[10] k1は、3であり、q1は1~3の整数である、[8]または[9]に記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
[11] l2は、3であり、n2は1~3の整数である、[8]~[10]のいずれか1つに記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
[12] [1]~[11]のいずれか1つに記載の式(1a)または式(1b)で表される少なくとも1種のフルオロポリエーテル化合物を含有する、表面処理剤。
[13] 含フッ素オイル、シリコーンオイル、および触媒から選択される1種またはそれ以上の他の成分をさらに含有する、[12]に記載の表面処理剤。
[14] さらに溶媒を含む、[12]または[13]に記載の表面処理剤。
[15] 防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤として使用される、[12]~[14]のいずれか1つに記載の表面処理剤。
[16] 真空蒸着用である、[12]~[15]のいずれか1つに記載の表面処理剤。
[17] 湿潤被覆処理用である、[12]~[15]のいずれか1つに記載の表面処理剤。
[18] [12]~[16]のいずれか1つに記載の表面処理剤を含有するペレット。
[19] 基材と、該基材の表面に、[1]~[11]のいずれか1つに記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物、または、[12]~[17]のいずれか1つに記載の表面処理剤より形成された層とを含む物品。
[20] 光学部材である、[19]に記載の物品。
本開示によると、表面処理剤として使用し得る新たなフルオロポリエーテル基含有シラン化合物が提供される。
本明細書において用いられる場合、「1価の有機基」とは、炭素を含有する1価の基を意味する。1価の有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基またはその誘導体であり得る。炭化水素基の誘導体とは、炭化水素基の末端または分子鎖中に、1つまたはそれ以上のN、O、S、Si、アミド、スルホニル、シロキサン、カルボニル、カルボニルオキシ等を有している基を意味する。尚、単に「有機基」と示す場合、1価の有機基を意味する。
また、「2価の有機基」とは、炭素を含有する2価の基を意味する。かかる2価の有機基としては、特に限定されないが、有機基からさらに1個の水素原子を脱離させた2価の基が挙げられる。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素および水素を含む基であって、炭化水素から1個の水素原子を脱離させた基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、1つまたはそれ以上の置換基により置換されていてもよい、C1-20炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状または環状のいずれであってもよく、飽和または不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つまたはそれ以上の環構造を含んでいてもよい。
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」の置換基としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン原子、1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10不飽和シクロアルキル基、5~10員のヘテロシクリル基、5~10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6-10アリール基および5~10員のヘテロアリール基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられる。
(フルオロポリエーテル基含有シラン化合物)
本実施形態のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物は、以下の式(1a)または式(1b)で表される。
Figure 0007319242000003
式(1a)において、RF1は、各出現においてそれぞれ独立して、Rf-R-O-である。
式(1b)において、RF2は、-Rf -R-O-である。
上記式において、Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-16アルキル基である。
上記1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-16アルキル基における「C1-16アルキル基」は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖のC1-6アルキル基、特にC1-3アルキル基であり、より好ましくは直鎖のC1-6アルキル基、特にC1-3アルキル基である。
上記Rfは、好ましくは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されているC1-16アルキル基であり、より好ましくはCFH-C1-15パーフルオロアルキレン基であり、さらに好ましくはC1-16パーフルオロアルキル基である。
上記C1-16パーフルオロアルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖のC1-6パーフルオロアルキル基、特にC1-3パーフルオロアルキル基であり、より好ましくは直鎖のC1-6パーフルオロアルキル基、特にC1-3パーフルオロアルキル基、具体的には-CF、-CFCF、または-CFCFCFである。
上記式において、Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-6アルキレン基である。
上記1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-6アルキレン基における「C1-6アルキレン基」は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖のC1-3アルキレン基であり、より好ましくは直鎖のC1-3アルキレン基である。
上記Rfは、好ましくは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されているC1-6アルキレン基であり、より好ましくはC1-6パーフルオロアルキレン基であり、さらに好ましくはC1-3パーフルオロアルキレン基である。
上記C1-6パーフルオロアルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよく、好ましくは、直鎖または分枝鎖のC1-3パーフルオロアルキレン基であり、より好ましくは直鎖のC1-3パーフルオロアルキル基、具体的には-CF-、-CFCF-、または-CFCFCF-である。
上記式において、pは、0または1である。一の態様において、pは0である。別の態様においてpは1である。
上記式において、qは、各出現においてそれぞれ独立して、0または1である。一の態様において、qは0である。別の態様においてqは1である。
上記式(1a)および(1b)において、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、2価のフルオロポリエーテル基である。
は、好ましくは、式:
-(OC12-(OC10-(OC-(OC-(OC-(OCF
で表されるフルオロポリエーテル基である。
上記式中:
a、b、c、d、eおよびfは、それぞれ独立して、0~200の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は1以上であり、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
a、b、c、d、eおよびfは、好ましくは、それぞれ独立して、0~100の整数であってもよい。
a、b、c、d、eおよびfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上であり、例えば15以上または20以上であってもよい。a、b、c、d、eおよびfの和は、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、さらに好ましくは60以下であり、例えば50以下または30以下であってもよい。
これら繰り返し単位は、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよいが、好ましくは直鎖状である。例えば、-(OC12)-は、-(OCFCFCFCFCFCF)-、-(OCF(CF)CFCFCFCF)-、-(OCFCF(CF)CFCFCF)-、-(OCFCFCF(CF)CFCF)-、-(OCFCFCFCF(CF)CF)-、-(OCFCFCFCFCF(CF))-等であってもよいが、好ましくは-(OCFCFCFCFCFCF)-である。-(OC10)-は、-(OCFCFCFCFCF)-、-(OCF(CF)CFCFCF)-、-(OCFCF(CF)CFCF)-、-(OCFCFCF(CF)CF)-、-(OCFCFCFCF(CF))-等であってもよいが、好ましくは-(OCFCFCFCFCF)-である。-(OC)-は、-(OCFCFCFCF)-、-(OCF(CF)CFCF)-、-(OCFCF(CF)CF)-、-(OCFCFCF(CF))-、-(OC(CFCF)-、-(OCFC(CF)-、-(OCF(CF)CF(CF))-、-(OCF(C)CF)-および-(OCFCF(C))-のいずれであってもよいが、好ましくは-(OCFCFCFCF)-である。-(OC)-は、-(OCFCFCF)-、-(OCF(CF)CF)-および-(OCFCF(CF))-のいずれであってもよいが、好ましくは-(OCFCFCF)-である。また、-(OC)-は、-(OCFCF)-および-(OCF(CF))-のいずれであってもよいが、好ましくは-(OCFCF)-である。
一の態様において、Rは、各出現においてそれぞれ独立して、下記式(f1)、(f2)、(f3)、(f4)または(f5)で表される。
-(OC-(OC- (f1)
[式中、dは、1~200の整数であり、eは1である。]
-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f2)
[式中、cおよびdは、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下の整数であり、
c、d、eおよびfの和は2以上であり、
添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
-(R-R- (f3)
[式中、Rは、OCFまたはOCであり、
は、OC、OC、OC、OC10およびOC12から選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせであり、
gは、2~100の整数である。]
-(OC12-(OC10-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f4)
[式中、eは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、dおよびfは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
-(OC12-(OC10-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f5)
[式中、fは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、dおよびeは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
上記式(f1)において、dは、好ましくは5~200、より好ましくは10~100、さらに好ましくは15~50、例えば25~35の整数である。上記式(f1)において-(OC-は、好ましくは、-(OCFCFCF-または-(OCF(CF)CF-で表される基であり、より好ましくは、-(OCFCFCF-で表される基である。
上記式(f2)において、eおよびfは、それぞれ独立して、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10~200の整数である。また、c、d、eおよびfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上であり、例えば15以上または20以上であってもよい。一の態様において、上記式(f2)は、好ましくは、-(OCFCFCFCF-(OCFCFCF-(OCFCF-(OCF-で表される基である。別の態様において、式(f2)は、-(OC-(OCF-で表される基であってもよい。
上記式(f3)において、Rは、好ましくは、OCである。上記(f3)において、Rは、好ましくは、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせであり、より好ましくは、OCおよびOCから選択される基である。OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、-OCOCOC-、および-OCOCOC-等が挙げられる。上記式(f3)において、gは、好ましくは3以上、より好ましくは5以上の整数である。上記gは、好ましくは50以下の整数である。上記式(f3)において、OC、OC、OC、OC10およびOC12は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。この態様において、上記式(f3)は、好ましくは、-(OC-OC-または-(OC-OC-である。
上記式(f4)において、eは、好ましくは、1以上100以下、より好ましくは5以上100以下の整数である。a、b、c、d、eおよびfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上、例えば10以上100以下である。
上記式(f5)において、fは、好ましくは、1以上100以下、より好ましくは5以上100以下の整数である。a、b、c、d、eおよびfの和は、好ましくは5以上であり、より好ましくは10以上、例えば10以上100以下である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f1)で表される基である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f2)で表される基である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f3)で表される基である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f4)で表される基である。
一の態様において、上記Rは、上記式(f5)で表される基である。
一の態様において、上記Rは、
-(OC
である[式中、dは、1~200の整数である]。
上記Rにおいて、fに対するeの比(以下、「e/f比」という)は、0.1~10であり、好ましくは0.2~5であり、より好ましくは0.2~2であり、さらに好ましくは0.2~1.5である。e/f比を10以下にすることにより、この化合物から得られる表面処理層の滑り性、摩擦耐久性および耐ケミカル性(例えば、(人の)汗に対する耐久性)がより向上する。e/f比がより小さいほど、表面処理層の滑り性および摩擦耐久性はより向上する。一方、e/f比を0.1以上にすることにより、化合物の安定性をより高めることができる。e/f比がより大きいほど、化合物の安定性はより向上する。ここで、fは1以上の整数である。
一の態様において、e/f比は、好ましくは0.2~0.9であり、より好ましくは0.2~0.85であり、さらに好ましくは0.2~0.8である。
一の態様において、耐熱性の観点から、上記e/f比は、好ましくは0.9以上であり、より好ましくは0.9~1.5である。
上記RF1およびRF2部分の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、例えば500~30,000、好ましくは1,500~30,000、より好ましくは2,000~10,000である。本明細書において、RF1およびRF2の数平均分子量は、19F-NMRにより測定される値とする。
別の態様において、RF1およびRF2部分の数平均分子量は、500~30,000、好ましくは1,000~20,000、より好ましくは2,000~15,000、さらにより好ましくは2,000~10,000、例えば3,000~9,000であり得、例えば3,000~8,000であり得る。
上記式(1a)において、αは1~9の整数であり、βは1~9の整数である。これらαおよびβは、Xの価数に応じて変化し得る。αおよびβの和は、Xの価数と同じである。例えば、Xが10価の有機基である場合、αおよびβの和は10であり、例えばαが9かつβが1、αが5かつβが5、またはαが1かつβが9となり得る。また、Xが2価の有機基である場合、αおよびβは1である。
上記式(1b)において、γは1~9の整数である。γは、Xの価数に応じて変化し得る。即ち、γは、Xの価数から1を引いた値である。
上記式(1a)および(1b)において、Xは、主に撥水性および表面滑り性等を提供するフルオロポリエーテル部(RF1およびRF2)と基材との結合能を提供する部(RSi)とを連結するリンカーと解される。なお、Xとして記載している構造は、左側がRF1またはRF2と、右側がRSiとそれぞれ結合する。当該Xは、式(1a)および(1b)で表される化合物が安定に存在し得るものである。
は、各出現においてそれぞれ独立して、2以上のアミド結合を有する2~10価の有機基である。該アミド結合において、窒素原子に結合する水素原子は、置換されていてもよい。言い換えると、アミド結合は、-NRC(=O)-、または-C(=O)NR-で表され、Rは、例えば、水素原子、フェニル基またはC1-6アルキル基(好ましくはメチル基)であり、好ましくは水素原子である。
本開示のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物は、このような構造を有することにより、摩擦耐久性(例えば皮膚摩擦耐久性、織布摩擦耐久性、消しゴム摩擦耐久性、スチールウール摩擦耐久性)、耐ケミカル性(例えば、溶剤に対する耐久性、人工汗に対する耐久性、酸やアルカリ性に対する耐久性)、撥水性、撥油性、防汚性(例えば指紋等の汚れの付着を防止する)、防水性(電子部品等への水の浸入を防止する)、防水性(例えば電子部品などへの水の浸水を防止する)、または表面滑り性(または潤滑性、例えば指紋等の汚れの拭き取り性や、指に対する優れた触感)等の良好な硬化層(例えば、表面処理層)の形成に寄与し得る。これは、2以上のアミド結合を有することにより、フルオロポリエーテル基含有シラン化合物と基材との親和性が高まり、より密で強固な結合が形成され得るためと考えられる。
上記Xにおける2~10価の有機基は、好ましくは2~8価の有機基である。一の態様において、かかる2~10価の有機基は、好ましくは2~4価の有機基であり、より好ましくは2価の有機基である。別の態様において、かかる2~10価の有機基は、好ましくは3~8価の有機基、より好ましくは3~6価の有機基である。
一の態様において、Xは、2~10価の有機基であり、各出現においてそれぞれ独立して、式(L1):
-(Xs10-(Xs12- (L1)
で表される。
式(L1)において、Xは、アミド結合を表す。ここで、アミド結合は、-NRC(=O)-、または-C(=O)NR-で表される。Rは、例えば、水素原子、フェニル基またはC1-6アルキル基(好ましくはメチル基)であり、好ましくは水素原子である。
式(L1)において、Xは、各出現においてそれぞれ独立して、2価以上の有機基である。Xの価数は、上記式(L1)で表される基の価数に応じて変化し得る。例えば、式(L1)で表される基が2価の場合、すべてのXは2価の有機基であり、式(L1)で表される基が3価の場合、いずれか1つのXが3価の有機基であり、それ以外のXは2価の有機基である。
式(L1)において、s10は、2~4の整数であり、好ましくは2または3である。一の態様において、s10は2である。
式(L1)において、s12は、1~7の整数であり、1~5の整数であってもよく、1~3の整数であってもよい。
ただし、式(L1)において、添字s10、またはr12を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。
一の態様において、Xは、各出現においてそれぞれ独立して、式(L2):
-(X21s21-[(X)-(X22)]s11-(X)-(X21s22
(L2)
で表される基である。
式中:
は、アミド結合を表し;
s11は、1~3の整数であり;
21は、それぞれ独立して、2~10価の有機基であり;
22は、各出現においてそれぞれ独立して、2価の有機基であり;
s21は、それぞれ独立して、0または1であり;
s22は、それぞれ独立して、0または1である。
上記式(L2)の-(X21s21-、-(X22)-、および(X21s22-で表される部分が、式(L1)の-(Xs12-で表される部分に相当する。すなわち、s21、s11およびs22の和が、s12に相当し、X21およびX22の構造は、Xの構造に相当する。式(L2)のs11に1を足した値が、式(L1)のs10となる。
式(L2)において、X21は、それぞれ独立して、2~10価の有機基である。
一の態様において、X21は、2価の有機基である。本態様においては、X21は、後述するX22において2価の有機基として記載する構造と同意義であってもよい。
一の態様において、X21は、各出現においてそれぞれ独立して、
-R211-、または、
-(R211s31-X31-(R212s32
である。一の態様において、X21は-R211-である。一の態様において、X21は-(R211s31-X31-(R212s32-である。
上記R211およびR212は、各出現においてそれぞれ独立して、C1-10アルキレン基、好ましくは、C1-5アルキレン基、より好ましくはC1-3アルキレン基であり、例えばC1-2アルキレン基である。これらのアルキレン基の水素原子は、置換されていてもよい。
該アルキレン基の水素原子が置換されている場合、置換基としては、ハロゲン原子、1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10不飽和シクロアルキル基、5~10員のヘテロシクリル基、5~10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6-10アリール基および5~10員のヘテロアリール基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子である。
例えば、R211およびR212は、それぞれ独立して、-CH-、-CHCH-、CHCF-、-CFCH-、または-CFCF-であってもよい。
本態様において、X31は、各出現においてそれぞれ独立して、-O-、または-NR54-である。ここで、R54は、水素原子、フェニル基またはC1-6アルキル基(好ましくはメチル基)を表し、好ましくは水素原子である。
本態様において、s31は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1である。一の態様において、s31は0である。一の態様において、s31は1である。
本態様において、s32は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1である。一の態様において、s32は0である。一の態様において、s32は1である。
本態様において、好ましくは、s31およびs32の和は1以上である。
本態様において、例えば、s31は1、かつ、s32は1であり、一の態様において、s31は1、かつ、s32は0である。一の態様において、s31は0、かつ、s32は1である。
一の態様において、X21として、下記の基が挙げられる:
Figure 0007319242000004
[式中、R25、R26およびR27は、それぞれ独立して2~6価の有機基である。]
一の態様において、上記R25は、単結合、C1-20アルキレン基、C3-20シクロアルキレン基、C5-20アリーレン基、-R57-X58-R59-、-X58-R59-、または-R57-X58-である。上記、R57およびR59は、それぞれ独立して、単結合、C1-20アルキレン基、C3-20シクロアルキレン基、またはC5-20アリーレン基である。上記X58は、-O-、-S-、-CO-、-O-CO-または-COO-である。
一の態様において、上記R26およびR27は、それぞれ独立して、炭化水素、または炭化水素の端または主鎖中にN、OおよびSから選択される少なくとも1つの原子を有する基であり、好ましくは、C1-6アルキレン基、-R36-R37-R36-、-R36-CHR38 -などが挙げられる。ここに、R36は、それぞれ独立して、単結合または炭素数1~6のアルキレン基、好ましくは炭素数1~6のアルキレン基である。R37は、N、OまたはSであり、好ましくはNまたはOである。R38は、-R45-R46-R45-、-R46-R45-または-R45-R46-である。ここに、R45は、それぞれ独立して、炭素数1~6のアルキル基である。R46は、N、OまたはSであり、好ましくはOである。
この態様において、X21は、それぞれ独立して、3~10価の有機基であり得る。
式(L2)において、Xは、アミド結合を表す。ここで、アミド結合は、-NRC(=O)-、または-C(=O)NR-で表される。Rは、例えば、水素原子、フェニル基またはC1-6アルキル基(好ましくはメチル基)であり、好ましくは水素原子である。
式(L2)において、X22は、各出現においてそれぞれ独立して、2価の有機基である。
一の態様において、X22としては、例えば、下記式:
-(R51p5-(X51q5
[式中:
51は、単結合、-(CHs5-またはo-、m-もしくはp-フェニレン基を表し、好ましくは-(CHs5-であり、
s5は、1~20の整数、好ましくは1~6の整数、より好ましくは1~3の整数、さらにより好ましくは1または2であり、
51は、-(X52l5-を表し、
52は、各出現においてそれぞれ独立して、-O-、-S-、o-、m-もしくはp-フェニレン基、-C(O)O-、-Si(R53-、-(Si(R53O)m5-Si(R53-、-NR54-および-(CHn5-からなる群から選択される基を表し、ただし、X52には、アミド結合は含まれず、
53は、各出現においてそれぞれ独立して、フェニル基、C1-6アルキル基またはC1-6アルコキシ基を表し、好ましくはフェニル基またはC1-6アルキル基であり、より好ましくはメチル基であり、
54は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、フェニル基またはC1-6アルキル基(好ましくはメチル基)を表し、
m5は、各出現において、それぞれ独立して、1~100の整数、好ましくは1~20の整数であり、
n5は、各出現において、それぞれ独立して、1~20の整数、好ましくは1~6の整数、より好ましくは1~3の整数であり、
l5は、1~10の整数、好ましくは1~5の整数、より好ましくは1~3の整数であり、
p5は、0または1であり、
q5は、0または1であり、
ここに、p5およびq5の少なくとも一方は1であり、p5またはq5を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は任意である]
で表される2価の有機基が挙げられる。ここに、X22(典型的にはX22の水素原子)は、フッ素原子、C1-3アルキル基およびC1-3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。一の態様において、X22は、これらの基により置換されていない。
好ましい態様において、上記X22は、それぞれ独立して、
-(R51p5-(X51q5-R52
である。
52は、単結合、-(CHt5-またはo-、m-もしくはp-フェニレン基を表し、好ましくは-(CHt5-である。t5は、1~20の整数、好ましくは2~6の整数、より好ましくは2~3の整数である。ここに、R52(典型的にはR52の水素原子)は、フッ素原子、C1-3アルキル基およびC1-3フルオロアルキル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよい。好ましい態様において、R52は、これらの基により置換されていない。
22は、好ましくは、
-R221-、または、
-(R221s31-X31-(R222s32
である。
221およびR222は、各出現においてそれぞれ独立して、C1-10アルキレン基、好ましくは、C1-7アルキレン基である。これらのアルキレン基の水素原子は、置換されていてもよい。
該アルキレン基の水素原子が置換されている場合、置換基としては、ハロゲン原子、1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10不飽和シクロアルキル基、5~10員のヘテロシクリル基、5~10員の不飽和ヘテロシクリル基、C6-10アリール基および5~10員のヘテロアリール基から選択される1個またはそれ以上の基が挙げられ、例えば、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子である。例えば、該アルキレン基の水素原子がすべて置換されていてもよく、好ましくは該アルキレン基の水素原子がすべてフッ素原子により置換されていてもよい。
一の態様において、R221およびR222におけるアルキレン基の水素原子は、少なくとも一部が置換されている。
一の態様において、R221およびR222におけるアルキレン基の水素原子は、非置換である。
31は、各出現においてそれぞれ独立して、-O-、または-NR54-である。ここで、R54は、水素原子、フェニル基またはC1-6アルキル基(好ましくはメチル基)を表し、好ましくは水素原子である。
s31は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1である。一の態様において、s31は0である。一の態様において、s31は1である。
s32は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1である。一の態様において、s32は0である。一の態様において、s32は1である。
好ましくは、s31およびs32の和は1以上である。
一の態様において、s31は1、かつ、s32は1である。一の態様において、s31は1、かつ、s32は0である。一の態様において、s31は0、かつ、s32は1である。
一の態様において、X22は、-R221-で表される。
一の態様において、X22は、-(R221s31-X31-(R222s32-で表される。
式(L2)において、s21は、それぞれ独立して、0または1である。一の態様において、s21は1である。一の態様において、s21は0である。
式(L2)において、s22は、それぞれ独立して、0または1である。一の態様において、s22は1である。一の態様において、s22は0である。
一の態様において、s21は1、s22は1である。
一の態様において、s21は1、s22は0である。
一の態様において、s21は0、s22は1である。
一の態様において、s21は0、s22は0である。
一の態様において、s11は、1~3の整数であり、好ましくは1または2である。一の態様において、s11は1である。一の態様において、s11は2である。
一の態様において、X22は、-R221-で表され、s11は2または3、好ましくは2である。即ち、本態様においては、複数の-R221-が存在する。言い換えると、本態様においては、-X-X22-で表される基が複数存在する。本態様において、-R221-は、水素原子の一部が置換されたアルキレン基であってもよく;水素原子の一部が置換されたアルキレン基、および非置換のアルキレン基であってもよく;非置換のアルキレン基のみであってもよい。例えば、s11が2であり、-R221-が2つ存在する場合には、2つの-R221-は、双方とも水素原子の一部が置換されたアルキレン基であってもよく;一方が水素原子の一部が置換されたアルキレン基、他方が非置換のアルキレン基であってもよく;双方とも非置換のアルキレン基であってもよい。
一の態様において、Xは、2価の有機基であり、各出現においてそれぞれ独立して、
-(X21s21-[(X)-(X22)]s11-(X)-(X21s22
で表される基である。
式中:
は、アミド結合を表し;
s11は、1~3の整数であり;
s21は、それぞれ独立して、0または1であり;
s22は、それぞれ独立して、0または1であり;
21およびX22は、各出現においてそれぞれ独立して、2価の有機基であり、具体的には、X21またはX22として上述した2価の有機基であり得る。
本態様において、好ましくは、X21、またはX22は、各出現においてそれぞれ独立して、
-(R51p5-(X51q5-R52
で表され、より好ましくは
-R221-、または、
-(R221s31-X31-(R222s32
で表される。R51、X51、R52、p5、q5、R221、R222、X31、s31およびs32はそれぞれ上記と同意義である。
一の態様において、例えば、
-(X21s21-は単結合であり、かつ、-(X21s22-は-R221-、または
-(X21s21-は-(R221s31-X31-であり、かつ、-(X21s22-は-R221
であってもよい。
式(L2)で表される場合、Xは、例えば、
-X-X22-X-X21-、
-X21-X-X22-X-X21-、
-X-X22-X-X22-X-X21-、
-X21-X-X22-X-X22-X-X21-、
-X-X22-X-X22-X-X22-X-X21-、または
-X21-X-X22-X-X22-X-X22-X-X21
で表される基であり得る。
の具体的な構造としては、特に限定されないが、例えば、以下の基を挙げることができる。以下において、n31は、各出現において独立して、1~3の整数であり、n32は1~10の整数(好ましくは1~7の整数)である。
-CONH-NHCO-(CHn31-、
-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-CONH-(CHn32-O-CONH-(CHn31-、
-CONH-(CHn32-NHCO-O-(CHn31-、
-CONH-(CHn32-NH-CONH-(CHn31-、
-(CHn31-CONH-NHCO-(CHn31-、
-(CHn31-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-(CHn31-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-(CHn31-O-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-(CHn31-O-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-(CHn31-O-CONH-(CHn32-NHCONH-(CHn31-、
-(CHn31-NH-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-(CHn31-NH-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-(CHn31-CONH-(CHn32-O-CONH-(CHn31-、
-(CHn31-CONH-(CHn32-NHCO-O-(CHn31-、
-(CHn31-CONH-(CHn32-NH-CONH-(CHn31-、
-CONH-(CHn32-NHCO-(CFn32-CONH-(CHn31-、
-(CHn31-CONH-(CHn32-NHCO-(CFn32-CONH-(CHn31
-CFCF-CONH-NHCO-(CHn31-、
-CFCF-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-CFCF-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-CFCF-CONH-(CHn32-O-CONH-(CHn31-、
-CFCF-CONH-(CHn32-NHCO-O-(CHn31-、
-CFCF-CONH-(CHn32-NH-CONH-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-CONH-NHCO-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-O-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-O-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-NH-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-NH-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-O-CONH-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-NHCO-O-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-NH-CONH-(CHn31-、
-CFCF-CONH-(CHn31-NHCO-(CFn32-CONH-(CHn31-、
-CFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-NHCO-(CFn32-CONH-(CHn31
-OCFCF-CONH-NHCO-(CHn31-、
-OCFCF-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-OCFCF-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-OCFCF-CONH-(CHn32-O-CONH-(CHn31-、
-OCFCF-CONH-(CHn32-NHCO-O-(CHn31-、
-OCFCF-CONH-(CHn32-NH-CONH-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-CONH-NHCO-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-O-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-O-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-NH-CONH-(CHn32-CONH-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-NH-CONH-(CHn32-NHCO-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-O-CONH-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-NHCO-O-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-NH-CONH-(CHn31-、
-OCFCF-CONH-(CHn31-NHCO-(CFn32-CONH-(CHn31-、
-OCFCF-(CHn31-CONH-(CHn32-NHCO-(CFn32-CONH-(CHn31
一の態様において、αは1であり、βは2~5であり、Xは3~6価の有機基である。
一の態様において、γは2~5であり、Xは3~6価の有機基である。
一の態様において、αは1であり、βは2であり、Xは、3価の有機基である。
一の態様において、γは2であり、Xは、3価の有機基である。
一の態様において、αは1であり、βは1であり、Xは2価の有機基である。
Siは、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基、加水分解性基、水素原子または1価の有機基が結合したSi原子を含む1価の基である。
ここで、「加水分解性基」とは、加水分解反応を受け得る基を意味し、すなわち、加水分解反応により、化合物の主骨格から脱離し得る基を意味する。加水分解性基の例としては、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、ハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換のC1-4アルキル基を示す)などが挙げられる。
Siは、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、式(S1)、(S2)、(S3)または(S4)で表される基である。
Figure 0007319242000005
11は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基である。
11は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、加水分解性基である。
11は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、またはハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
12において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
n1は、(SiR11 n112 3-n1)単位毎にそれぞれ独立して、0~3の整数である。
ただし、RSiが式(S1)または(S2)で表される基である場合、式(1a)および式(1b)の末端のRSi部分(以下、単に式(1a)および式(1b)の「末端部分」ともいう)において、n1が1~3である(SiR11 n112 3-n1)単位が少なくとも1つ存在する。即ち、かかる末端部分において、すべてのn1が同時に0になることはない。換言すれば、式(1a)および式(1b)の末端部分において、水酸基または加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも1つ存在する。
n1は、(SiR11 n112 3-n1)単位毎にそれぞれ独立して、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
11は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合または2価の有機基である。かかる2価の有機基は、好ましくは-R28-(O)-R29-である。式中、R28およびR29は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合またはC1-20アルキレン基であり、xは0または1である。かかるC1-20アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。かかるC1-20アルキレン基は、好ましくはC1-10アルキレン基、より好ましくはC1-6アルキレン基、さらに好ましくはC1-3アルキレン基である。
一の態様において、X11は、各出現においてそれぞれ独立して、-C1-6アルキレン-O-C1-6アルキレン-または-O-C1-6アルキレン-である。
好ましい態様において、X11は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合または直鎖のC1-6アルキレン基であり、好ましくは単結合または直鎖のC1-3アルキレン基、より好ましくは単結合または直鎖のC1-2アルキレン基であり、さらに好ましくは直鎖のC1-2アルキレン基である。
13は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基である。かかるC1-20アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。
好ましい態様において、R13は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または直鎖のC1-6アルキル基であり、好ましくは水素原子または直鎖のC1-3アルキル基、好ましくは水素原子またはメチル基である。
tは、各出現においてそれぞれ独立して、2以上の整数である。
好ましい態様において、tは、各出現においてそれぞれ独立して、2~10の整数、好ましくは2~6の整数である。
14は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子または-X11-SiR11 n112 3-n1である。かかるハロゲン原子は、好ましくはヨウ素原子、塩素原子またはフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。好ましい態様において、R14は、水素原子である。
15は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基または炭素数1~6のアルキレンオキシ基である。
一の態様において、R15は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基または炭素数1~6のアルキレンオキシ基である。
好ましい態様において、R15は、単結合である。
一の態様において、式(S1)は、下記式(S1-a)である。
Figure 0007319242000006

[式中、
11、R12、R13、X11、およびn1は、上記式(S1)の記載と同意義であり;
t1およびt2は、各出現においてそれぞれ独立して、1以上の整数である。]
好ましい態様において、式(S1)は、下記式(S1-b)である。
Figure 0007319242000007
[式中、R11、R12、R13、X11、n1およびtは、上記式(S1)の記載と同意義である]
a1は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR21 p122 q123 r1である。
は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基である。以下、Zとして記載する構造は、右側が(SiR21 p122 q123 r1)に結合する。
好ましい態様において、Zは、2価の有機基である。
好ましい態様において、Zは、Zが結合しているSi原子とシロキサン結合を形成するものを含まない。即ち、式(S3)において、(Si-Z-Si)は、シロキサン結合を含まない。
上記Zは、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz1-O-(CHz2-(式中、z1は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z2は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)または、-(CHz3-フェニレン-(CHz4-(式中、z3は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z4は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、およびC2-6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Zは、C1-6アルキレン基または-(CHz3-フェニレン-(CHz4-、好ましくは-フェニレン-(CHz4-である。Zがかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Zは、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Zは、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Zは、-CHCH-であり得る。
21は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z1’-SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’である。
上記Z1’は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基である。尚、以下Z1’として記載する構造は、右側が(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)に結合する。
好ましい態様において、Z1’は、2価の有機基である。
好ましい態様において、Z1’は、Z1’が結合しているSi原子とシロキサン結合を形成するものを含まない。即ち、式(S3)において、(Si-Z1’-Si)は、シロキサン結合を含まない。
上記Z1’は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz1’-O-(CHz2’-(式中、z1’は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z2’は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)または、-(CHz3’-フェニレン-(CHz4’-(式中、z3’は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z4’は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、およびC2-6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Z1’は、C1-6アルキレン基または-(CHz3’-フェニレン-(CHz4’-、好ましくは-フェニレン-(CHz4’-である。Z1’がかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Z1’は、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Z1’は、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Z1’は、-CHCH-であり得る。
上記R21’は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z1”-SiR22” q1”23” r1”である。
上記Z1”は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子または2価の有機基である。尚、以下Z1”として記載する構造は、右側が(SiR22” q1”23” r1”)に結合する。
好ましい態様において、Z1”は、2価の有機基である。
好ましい態様において、Z1”は、Z1”が結合しているSi原子とシロキサン結合を形成するものを含まない。即ち、式(S3)において、(Si-Z1”-Si)は、シロキサン結合を含まない。
上記Z1”は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz1”-O-(CHz2”-(式中、z1”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z2”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)または、-(CHz3”-フェニレン-(CHz4”-(式中、z3”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z4”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、およびC2-6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Z1”は、C1-6アルキレン基または-(CHz3”-フェニレン-(CHz4”-、好ましくは-フェニレン-(CHz4”-である。Z1”がかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Z1”は、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Z1”は、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Z1”は、-CHCH-であり得る。
上記R22”は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基である。
上記R22”は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、加水分解性基である。
上記R22”は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、またはハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
上記R23”は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
上記R23”において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
上記q1”は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、上記r1”は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数である。尚、q1”とr1”の合計は、(SiR22” q1”23” r1”)単位において、3である。
上記q1”は、(SiR22” q1”23” r1”)単位毎にそれぞれ独立して、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
上記R22’は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基である。
22’は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、加水分解性基である。
22’は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、またはハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
上記R23’は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
23’において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
上記p1’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、q1’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、r1’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数である。尚、p1’、q1’とr1’の合計は、(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)単位において、3である。
一の態様において、p1’は、0である。
一の態様において、p1’は、(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数、2~3の整数、または3であってもよい。好ましい態様において、p1’は、3である。
一の態様において、q1’は、(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、より好ましくは3である。
一の態様において、p1’は0であり、q1’は、(SiR21’ p1’22’ q1’23’ r1’)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、さらに好ましくは3である。
上記R22は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基である。
22は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、加水分解性基である。
22は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、またはハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
上記R23は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
23において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
上記p1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、q1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、r1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数である。尚、p1、q1とr1の合計は、(SiR21 p122 q123 r1)単位において、3である。
一の態様において、p1は、0である。
一の態様において、p1は、(SiR21 p122 q123 r1)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数、2~3の整数、または3であってもよい。好ましい態様において、p1は、3である。
一の態様において、q1は、(SiR21 p122 q123 r1)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、より好ましくは3である。
一の態様において、p1は0であり、q1は、(SiR21 p122 q123 r1)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、さらに好ましくは3である。
上記式中、Rb1は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基である。
上記Rb1は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、加水分解性基である。
上記Rb1は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、またはハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
上記式中、Rc1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
上記Rc1において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
上記k1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、l1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、m1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数である。尚、k1、l1とm1の合計は、(SiRa1 k1b1 l1c1 m1)単位において、3である。
一の態様において、k1は、(SiRa1 k1b1 l1c1 m1)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3である。好ましい態様において、k1は、3である。
上記式(1a)および(1b)において、RSiが式(S3)で表される基である場合、好ましくは、式(1a)および式(1b)の末端部分において、水酸基または加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも2つ存在する。
好ましい態様において、式(S3)で表される基は、-Z-SiR22 q123 r1(式中、q1は、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3であり、r1は、0~2の整数である。)、-Z1’-SiR22’ q1’23’ r1’(式中、q1’は、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3であり、r1’は、0~2の整数である。)、または-Z1”-SiR22” q1”23” r1”(式中、q1”は、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3であり、r1”は、0~2の整数である。)のいずれか1つを有する。なお、ここでq1とr1との合計は-Z-SiR22 q123 r1単位毎に3であり;q1’とr1’との合計は-Z1’-SiR22’ q1’23’ r1’単位毎に3であり;q1”とr1”との合計は-Z1”-SiR22” q1”23” r1”単位毎に3である。
好ましい態様において、式(S3)において、R21’が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのR21’において、q1”は、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S3)において、R21が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのR21において、p1’は、0であり、q1’は、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S3)において、Ra1が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのRa1において、p1は、0であり、q1は、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S3)において、k1は2または3、好ましくは3であり、p1は0であり、q1は2または3、好ましくは3である。
d1は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-CR31 p232 q233 r2である。
は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子または2価の有機基である。尚、以下Zとして記載する構造は、右側が(CR31 p232 q233 r2)に結合する。
好ましい態様において、Zは、2価の有機基である。
上記Zは、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz5-O-(CHz6-(式中、z5は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z6は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)または、-(CHz7-フェニレン-(CHz8-(式中、z7は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z8は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、およびC2-6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Zは、C1-6アルキレン基または-(CHz7-フェニレン-(CHz8-、好ましくは-フェニレン-(CHz8-である。Zがかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Zは、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Zは、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Zは、-CHCH-であり得る。
31は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z2’-CR32’ q2’33’ r2’である。
2’は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子または2価の有機基である。尚、以下Z2’として記載する構造は、右側が(CR32’ q2’33’ r2’)に結合する。
上記Z2’は、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz5’-O-(CHz6’-(式中、z5’は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z6’は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)または、-(CHz7’-フェニレン-(CHz8’-(式中、z7’は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z8’は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、およびC2-6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Z2’は、C1-6アルキレン基または-(CHz7’-フェニレン-(CHz8’-、好ましくは-フェニレン-(CHz8’-である。Z2’がかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Z2’は、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Z2’は、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Z2’は、-CHCH-であり得る。
上記R32’は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2である。
上記Zは、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子または2価の有機基である。尚、以下Zとして記載する構造は、右側が(SiR34 n235 3-n2)に結合する。
一の態様において、Zは酸素原子である。
一の態様において、Zは2価の有機基である。
上記Zは、好ましくは、C1-6アルキレン基、-(CHz5”-O-(CHz6”-(式中、z5”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z6”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)または、-(CHz7”-フェニレン-(CHz8”-(式中、z7”は、0~6の整数、例えば1~6の整数であり、z8”は、0~6の整数、例えば1~6の整数である)である。かかるC1-6アルキレン基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよいが、好ましくは直鎖である。これらの基は、例えば、フッ素原子、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、およびC2-6アルキニル基から選択される1個またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。
好ましい態様において、Zは、C1-6アルキレン基または-(CHz7”-フェニレン-(CHz8”-、好ましくは-フェニレン-(CHz8”-である。Zがかかる基である場合、光耐性、特に紫外線耐性がより高くなり得る。
別の好ましい態様において、上記Zは、C1-3アルキレン基である。一の態様において、Zは、-CHCHCH-であり得る。別の態様において、Zは、-CHCH-であり得る。
上記R34は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基である。
34は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、加水分解性基である。
34は、好ましくは、各出現においてそれぞれ独立して、-OR、-OCOR、-O-N=CR 、-NR 、-NHR、またはハロゲン(これら式中、Rは、置換または非置換のC1-4アルキル基を示す)であり、より好ましくは-OR(即ち、アルコキシ基)である。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基などの非置換アルキル基;クロロメチル基などの置換アルキル基が挙げられる。それらの中でも、アルキル基、特に非置換アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。一の態様において、Rは、メチル基であり、別の態様において、Rは、エチル基である。
上記R35は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
上記R35において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
上記式中、n2は、(SiR34 n235 3-n2)単位毎にそれぞれ独立して、0~3の整数である。ただし、RSiが式(S4)で表される基である場合、式(1a)および式(1b)の末端部分において、n2が1~3である(SiR34 n235 3-n2)単位が少なくとも1つ存在する。即ち、かかる末端部分において、すべてのn2が同時に0になることはない。換言すれば、式(1a)および式(1b)の末端部分において、水酸基または加水分解性基が結合したSi原子が少なくとも1つ存在する。
n2は、(SiR34 n235 3-n2)単位毎にそれぞれ独立して、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
上記R33’は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
上記R33’において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
一の態様において、R33’は、水酸基である。
別の態様において、R33’は、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基である。
上記q2’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、上記r2’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数である。尚、q2’とr2’の合計は、(CR32’ q2’33’ r2’)単位において、3である。
q2’は、(CR32’ q2’33’ r2’)単位毎にそれぞれ独立して、好ましくは1~3の整数であり、より好ましくは2~3、さらに好ましくは3である。
32は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2である。かかる-Z-SiR34 n235 3-n2は、上記R32’における記載と同意義である。
上記R33は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
上記R33において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
一の態様において、R33は、水酸基である。
別の態様において、R33は、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基である。
上記p2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、q2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、r2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数である。尚、p2、q2およびr2の合計は、(CR31 p232 q233 r2)単位において、3である。
一の態様において、p2は、0である。
一の態様において、p2は、(CR31 p232 q233 r2)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数、2~3の整数、または3であってもよい。好ましい態様において、p2’は、3である。
一の態様において、q2は、(CR31 p232 q233 r2)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、より好ましくは3である。
一の態様において、p2は0であり、q2は、(CR31 p232 q233 r2)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり、好ましくは2~3の整数、さらに好ましくは3である。
上記Re1は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2である。かかる-Z-SiR34 n235 3-n2は、上記R32’における記載と同意義である。
上記Rf1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基または1価の有機基である。かかる1価の有機基は、上記加水分解性基を除く1価の有機基である。
上記Rf1において、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはメチル基である。
一の態様において、Rf1は、水酸基である。
別の態様において、Rf1は、1価の有機基は、好ましくはC1-20アルキル基であり、より好ましくはC1-6アルキル基である。
上記k2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、l2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり、m2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数である。尚、k2、l2およびm2の合計は、(CRd1 k2e1 l2f1 m2)単位において、3である。
一の態様において、RSiが式(S4)で表される基である場合、n2が1~3、好ましくは2または3、より好ましくは3である(SiR34 n235 3-n2)単位は、式(1a)および式(1b)の各末端部分において、2個以上、例えば2~27個、好ましくは2~9個、より好ましくは2~6個、さらに好ましくは2~3個、特に好ましくは3個存在する。
好ましい態様において、式(S4)において、R32’が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのR32’において、n2は、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S4)において、R32が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのR32において、n2は、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S4)において、Re1が存在する場合、少なくとも1つの、好ましくは全てのRa1において、n2は、1~3の整数であり、好ましくは2または3、より好ましくは3である。
好ましい態様において、式(S4)において、k2は0であり、l2は2または3、好ましくは3であり、n2は、2または3、好ましくは3である。
一の態様において、RSiは、式(S2)、(S3)または(S4)で表される基である。これらの化合物は、高い表面滑り性を有する表面処理層を形成することができる。
一の態様において、RSiは、式(S1)、(S3)または(S4)で表される基である。これらの化合物は、一の末端に複数の加水分解性基を有することから、基材に強く密着し、高い摩擦耐久性を有する表面処理層を形成することができる。
一の態様において、RSiは、式(S3)または(S4)で表される基である。これらの化合物は、一の末端に、一のSi原子またはC原子から分岐した複数の加水分解性基を有し得ることから、さらに高い摩擦耐久性を有する表面処理層を形成することができる。
一の態様において、RSiは、式(S1)で表される基である。
一の態様において、RSiは、式(S2)で表される基である。
一の態様において、RSiは、式(S3)で表される基である。
一の態様において、RSiは、式(S4)で表される基である。
(組成物)
以下、本開示の組成物(例えば、表面処理剤)について説明する。
本開示の組成物(例えば、表面処理剤)は、式(1a)または式(1b)で表される少なくとも1つのフルオロポリエーテル基含有シラン化合物を含有する。
一の態様において、本開示の組成物(例えば、表面処理剤)は、式(1a)および式(1b)で表されるフルオロポリエーテル基含有シラン化合物を含み得る。
一の態様において、本開示の組成物(例えば、表面処理剤)に含まれる、式(1a)および式(1b)で表されるフルオロポリエーテル基含有シラン化合物に対する、式(1a)で表されるフルオロポリエーテル基含有シラン化合物の比(モル比)の下限値は、好ましくは0.001、より好ましくは0.002、さらに好ましくは0.005、さらにより好ましくは0.01、特に好ましくは0.02、特別には0.05であり得る。式(1a)および式(1b)で表されるフルオロポリエーテル基含有シラン化合物に対する、式(1b)で表されるフルオロポリエーテル基含有シラン化合物の比(モル比)の上限値は、好ましくは0.35、より好ましくは0.30、さらに好ましくは0.20、さらにより好ましくは0.15または0.10であり得る。式(1a)および式(1b)で表されるフルオロポリエーテル基含有シラン化合物に対する、式(1b)で表されるフルオロポリエーテル基含有シラン化合物の比(モル比)は、好ましくは0.001以上0.30以下、より好ましくは0.001以上0.20以下、さらに好ましくは0.002以上0.20以下、さらにより好ましくは0.005以上0.20以下、特に好ましくは0.01以上0.20以下、例えば0.02以上0.20以下(具体的には0.15以下)または0.05以上0.20以下(具体的には0.15以下)である。上記範囲で含むことにより、本開示の組成物は、摩擦耐久性の良好な硬化層の形成に寄与し得る。
本開示の組成物(例えば、表面処理剤)は、撥水性、撥油性、防汚性、表面滑り性、摩擦耐久性を基材に対して付与することができ、特に限定されるものではないが、防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤として好適に使用され得る。
本開示の組成物(例えば、表面処理剤)は、溶媒、含フッ素オイルとして理解され得る(非反応性の)フルオロポリエーテル化合物、好ましくはパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物(以下、まとめて「含フッ素オイル」と言う)、シリコーンオイルとして理解され得る(非反応性の)シリコーン化合物(以下、「シリコーンオイル」と言う)、触媒、界面活性剤、重合禁止剤、増感剤等をさらに含み得る。
上記溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸カルビトール、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル-2-ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、酢酸アミル、乳酸メチル、乳酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-ヘキサノン、シクロヘキサノン、メチルアミノケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチルセルソルブ、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、sec-ブタノール、3-ペンタノール、オクチルアルコール、3-メチル-3-メトキシブタノール、tert-アミルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート;1,1,2-トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタン、1,2-ジクロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン、ジメチルスルホキシド、1,1-ジクロロ-1,2,2,3,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC225)、ゼオローラH、HFE7100、HFE7200、HFE7300等のフッ素含有溶媒等が挙げられる。あるいはこれらの2種以上の混合溶媒等が挙げられる。
含フッ素オイルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の一般式(3)で表される化合物(パーフルオロ(ポリ)エーテル化合物)が挙げられる。
Rf-(OCa’-(OCb’-(OCc’-(OCFd’-Rf ・・・(3)
式中、Rfは、1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16アルキル基(好ましくは、C1―16のパーフルオロアルキル基)を表し、Rfは、1個又はそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~16アルキル基(好ましくは、C1-16パーフルオロアルキル基)、フッ素原子又は水素原子を表し、Rf及びRfは、より好ましくは、それぞれ独立して、C1-3パーフルオロアルキル基である。
a’、b’、c’及びd’は、ポリマーの主骨格を構成するパーフルオロ(ポリ)エーテルの4種の繰り返し単位数をそれぞれ表し、互いに独立して0以上300以下の整数であって、a’、b’、c’及びd’の和は少なくとも1、好ましくは1~300、より好ましくは20~300である。添字a’、b’、c’又はd’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。これら繰り返し単位のうち、-(OC)-は、-(OCFCFCFCF)-、-(OCF(CF)CFCF)-、-(OCFCF(CF)CF)-、-(OCFCFCF(CF))-、-(OC(CFCF)-、-(OCFC(CF)-、-(OCF(CF)CF(CF))-、-(OCF(C)CF)-及び(OCFCF(C))-のいずれであってもよいが、好ましくは-(OCFCFCFCF)-である。-(OC)-は、-(OCFCFCF)-、-(OCF(CF)CF)-及び(OCFCF(CF))-のいずれであってもよく、好ましくは-(OCFCFCF)-である。-(OC)-は、-(OCFCF)-及び(OCF(CF))-のいずれであってもよいが、好ましくは-(OCFCF)-である。
上記一般式(3)で表されるパーフルオロ(ポリ)エーテル化合物の例として、以下の一般式(3a)及び(3b)のいずれかで示される化合物(1種又は2種以上の混合物であってよい)が挙げられる。
Rf-(OCFCFCFb”-Rf ・・・(3a)
Rf-(OCFCFCFCFa”-(OCFCFCFb”-(OCFCFc”-(OCFd”-Rf ・・・(3b)
これら式中、Rf及びRfは上記の通りであり;式(3a)において、b”は1以上100以下の整数であり;式(3b)において、a”及びb”は、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、c”及びd”はそれぞれ独立して1以上300以下の整数である。添字a”、b”、c”、d”を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。
また、別の観点から、含フッ素オイルは、一般式Rf-F(式中、RfはC5-16パーフルオロアルキル基である。)で表される化合物であってよい。また、クロロトリフルオロエチレンオリゴマーであってもよい。
上記含フッ素オイルは、500~10,000の平均分子量を有していてよい。含フッ素オイルの分子量は、GPCを用いて測定し得る。
含フッ素オイルは、本開示の組成物(例えば、表面処理剤)に対して、例えば0~50質量%、好ましくは0~30質量%、より好ましくは0~5質量%含まれ得る。一の態様において、本開示の組成物は、含フッ素オイルを実質的に含まない。含フッ素オイルを実質的に含まないとは、含フッ素オイルを全く含まない、または極微量の含フッ素オイルを含んでいてもよいことを意味する。
含フッ素オイルは、本開示の組成物(例えば、表面処理剤)によって形成された層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
上記シリコーンオイルとしては、例えばシロキサン結合が2,000以下の直鎖状または環状のシリコーンオイルを用い得る。直鎖状のシリコーンオイルは、いわゆるストレートシリコーンオイルおよび変性シリコーンオイルであってよい。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルを、アルキル、アラルキル、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル、フルオロアルキル、アミノ、エポキシ、カルボキシル、アルコールなどにより変性したものが挙げられる。環状のシリコーンオイルは、例えば環状ジメチルシロキサンオイルなどが挙げられる。
本開示の組成物(例えば、表面処理剤)中、かかるシリコーンオイルは、上記本開示のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物の合計100質量部(2種以上の場合にはこれらの合計、以下も同様)に対して、例えば0~300質量部、好ましくは50~200質量部で含まれ得る。
シリコーンオイルは、本開示の組成物(例えば、表面処理剤)によって形成された層の表面滑り性を向上させるのに寄与する。
上記触媒としては、酸(例えば酢酸、トリフルオロ酢酸等)、塩基(例えばアンモニア、トリエチルアミン、ジエチルアミン等)、遷移金属(例えばTi、Ni、Sn等)等が挙げられる。
触媒は、本開示のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物の加水分解および脱水縮合を促進し、本開示の組成物(例えば、表面処理剤)により形成される層の形成を促進する。
他の成分としては、上記以外に、例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン等も挙げられる。
本開示の組成物は、基材の表面処理を行う表面処理剤として用いることができる。
本開示の表面処理剤は、多孔質物質、例えば多孔質のセラミック材料、金属繊維、例えばスチールウールを綿状に固めたものに含浸させて、ペレットとすることができる。当該ペレットは、例えば、真空蒸着に用いることができる。
(物品)
以下、本開示の物品について説明する。
本開示の物品は、基材と、該基材表面に本開示のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物またはフルオロポリエーテル基含有シラン化合物を含む表面処理剤(以下、これらを代表して単に「本開示の表面処理剤」という)より形成された層(表面処理層)とを含む。
本開示において使用可能な基材は、例えば、ガラス、樹脂(天然または合成樹脂、例えば一般的なプラスチック材料であってよく、板状、フィルム、その他の形態であってよい)、金属、セラミックス、半導体(シリコン、ゲルマニウム等)、繊維(織物、不織布等)、毛皮、皮革、木材、陶磁器、石材等、建築部材等、任意の適切な材料で構成され得る。
例えば、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面を構成する材料は、光学部材用材料、例えばガラスまたは透明プラスチックなどであってよい。また、製造すべき物品が光学部材である場合、基材の表面(最外層)に何らかの層(または膜)、例えばハードコート層や反射防止層などが形成されていてもよい。反射防止層には、単層反射防止層および多層反射防止層のいずれを使用してもよい。反射防止層に使用可能な無機物の例としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられる。これらの無機物は、単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて(例えば混合物として)使用してもよい。多層反射防止層とする場合、その最外層にはSiOおよび/またはSiOを用いることが好ましい。製造すべき物品が、タッチパネル用の光学ガラス部品である場合、透明電極、例えば酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛などを用いた薄膜を、基材(ガラス)の表面の一部に有していてもよい。また、基材は、その具体的仕様等に応じて、絶縁層、粘着層、保護層、装飾枠層(I-CON)、霧化膜層、ハードコーティング膜層、偏光フィルム、相位差フィルム、および液晶表示モジュールなどを有していてもよい。
基材の形状は特に限定されない。また、本開示の表面処理剤によって形成された層を形成すべき基材の表面領域は、基材表面の少なくとも一部であればよく、製造すべき物品の用途および具体的仕様等に応じて適宜決定され得る。
かかる基材としては、少なくともその表面部分が、水酸基を元々有する材料から成るものであってよい。かかる材料としては、ガラスが挙げられ、また、表面に自然酸化膜または熱酸化膜が形成される金属(特に卑金属)、セラミックス、半導体等が挙げられる。あるいは、樹脂等のように、水酸基を有していても十分でない場合や、水酸基を元々有していない場合には、基材に何らかの前処理を施すことにより、基材の表面に水酸基を導入したり、増加させたりすることができる。かかる前処理の例としては、プラズマ処理(例えばコロナ放電)や、イオンビーム照射が挙げられる。プラズマ処理は、基材表面に水酸基を導入または増加させ得ると共に、基材表面を清浄化する(異物等を除去する)ためにも好適に利用され得る。また、かかる前処理の別の例としては、炭素-炭素不飽和結合基を有する界面吸着剤をLB法(ラングミュア-ブロジェット法)や化学吸着法等によって、基材表面に予め単分子膜の形態で形成し、その後、酸素や窒素等を含む雰囲気下にて不飽和結合を開裂する方法が挙げられる。
またあるいは、かかる基材としては、少なくともその表面部分が、別の反応性基、例えばSi-H基を1つ以上有するシリコーン化合物や、アルコキシシランを含む材料から成るものであってもよい。
次に、かかる基材の表面に、上記の本開示の表面処理剤の層を形成し、この層を必要に応じて後処理し、これにより、本開示の表面処理剤から層を形成する。
本開示の表面処理剤の層形成は、上記の表面処理剤を基材の表面に対して、該表面を被覆するように適用することによって実施できる。被覆方法は、特に限定されない。例えば、湿潤被覆法および乾燥被覆法を使用できる。
湿潤被覆法の例としては、浸漬コーティング、スピンコーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティングおよび類似の方法が挙げられる。
乾燥被覆法の例としては、蒸着(通常、真空蒸着)、スパッタリング、CVDおよび類似の方法が挙げられる。蒸着法(通常、真空蒸着法)の具体例としては、抵抗加熱、電子ビーム、マイクロ波等を用いた高周波加熱、イオンビームおよび類似の方法が挙げられる。CVD方法の具体例としては、プラズマ-CVD、光学CVD、熱CVDおよび類似の方法が挙げられる。
更に、常圧プラズマ法による被覆も可能である。
湿潤被覆法を使用する場合、本開示の表面処理剤は、溶媒で希釈されてから基材表面に適用され得る。本開示の表面処理剤の安定性および溶媒の揮発性の観点から、次の溶媒が好ましく使用される:炭素数5~12のパーフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサンおよびパーフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン);ポリフルオロ芳香族炭化水素(例えば、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン);ポリフルオロ脂肪族炭化水素(例えば、C13CHCH(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AC-6000)、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン(例えば、日本ゼオン株式会社製のゼオローラ(登録商標)H);ヒドロフルオロエーテル(HFE)(例えば、パーフルオロプロピルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7000)、パーフルオロブチルメチルエーテル(COCH)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7100)、パーフルオロブチルエチルエーテル(COC)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7200)、パーフルオロヘキシルメチルエーテル(CCF(OCH)C)(例えば、住友スリーエム株式会社製のNovec(商標)7300)などのアルキルパーフルオロアルキルエーテル(パーフルオロアルキル基およびアルキル基は直鎖または分枝状であってよい)、あるいはCFCHOCFCHF(例えば、旭硝子株式会社製のアサヒクリン(登録商標)AE-3000))など。これらの溶媒は、単独で、または、2種以上の混合物として用いることができる。なかでも、ヒドロフルオロエーテルが好ましく、パーフルオロブチルメチルエーテル(COCH)および/またはパーフルオロブチルエチルエーテル(COC)が特に好ましい。
乾燥被覆法を使用する場合、本開示の表面処理剤は、そのまま乾燥被覆法に付してもよく、または、上記した溶媒で希釈してから乾燥被覆法に付してもよい。
表面処理剤の層形成は、層中で本開示の表面処理剤が、加水分解および脱水縮合のための触媒と共に存在するように実施することが好ましい。簡便には、湿潤被覆法による場合、本開示の表面処理剤を溶媒で希釈した後、基材表面に適用する直前に、本開示の表面処理剤の希釈液に触媒を添加してよい。乾燥被覆法による場合には、触媒添加した本開示の表面処理剤をそのまま蒸着(通常、真空蒸着)処理するか、あるいは鉄や銅などの金属多孔体に、触媒添加した本開示の表面処理剤を含浸させたペレット状物質を用いて蒸着(通常、真空蒸着)処理をしてもよい。
触媒には、任意の適切な酸または塩基を使用できる。酸触媒としては、例えば、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸などを使用できる。また、塩基触媒としては、例えばアンモニア、有機アミン類などを使用できる。
上記のようにして、基材の表面に、本開示の表面処理剤に由来する層が形成され、本開示の物品が製造される。これにより得られる上記層は、高い表面滑り性と高い摩擦耐久性の双方を有する。また、上記層は、高い摩擦耐久性に加えて、使用する表面処理剤の組成にもよるが、撥水性、撥油性、防汚性(例えば指紋等の汚れの付着を防止する)、防水性(電子部品等への水の浸入を防止する)、表面滑り性(または潤滑性、例えば指紋等の汚れの拭き取り性や、指に対する優れた触感)などを有し得、機能性薄膜として好適に利用され得る。
すなわち本開示はさらに、本開示の表面処理剤に由来する層を最外層に有する光学材料にも関する。
光学材料としては、後記に例示するようなディスプレイ等に関する光学材料のほか、多種多様な光学材料が好ましく挙げられる:例えば、陰極線管(CRT;例えば、パソコンモニター)、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機薄膜ELドットマトリクスディスプレイ、背面投写型ディスプレイ、蛍光表示管(VFD)、電界放出ディスプレイ(FED;Field Emission Display)などのディスプレイ又はそれらのディスプレイの保護板、又はそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの。
本開示によって得られる層を有する物品は、特に限定されるものではないが、光学部材であり得る。光学部材の例には、次のものが挙げられる:眼鏡などのレンズ;PDP、LCDなどのディスプレイの前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板;携帯電話、携帯情報端末などの機器のタッチパネルシート;ブルーレイ(Blu-ray(登録商標))ディスク、DVDディスク、CD-R、MOなどの光ディスクのディスク面;光ファイバー;時計の表示面など。
また、本開示によって得られる層を有する物品は、医療機器または医療材料であってもよい。
さらに、本開示によって得られる層を有する物品は、自動車の内外装、例えばヘッドライトカバー、サイドミラー、サイドウインドウ、内装加飾フィルム、センターコンソール、メーターパネル、カメラレンズカバーなどであってもよい。
上記層の厚さは、特に限定されない。光学部材の場合、上記層の厚さは、1~50nm、1~30nm、好ましくは1~15nmの範囲であることが、光学性能、表面滑り性、摩擦耐久性および防汚性の点から好ましい。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
以下、本開示について、実施例において説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、以下に示される化学式はすべて平均組成を示す。また、ポリエーテル基を構成する繰り返し単位(OCF)および(OCFCF)の存在順序は任意である。以下において、「Me」はCHを、「Boc」はtert-ブトキシカルボニル基を、「BOP」はベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩を、「mXHF」はメタキシレンヘキサフロライドをそれぞれ表す。
(合成例1)
(合成例1-1)

Figure 0007319242000008

2,2-ジアリル-4-ペンテニルアミン 1.5gをジクロロメタン 20mLに溶解した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA) 3.3mL、化合物1a 1.75g、BOP 4.82gを添加し、室温で一晩撹拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、化合物2aを2.93g得た。

化合物2a
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.45 (s, 9H), 2.00-2.05 (m, 6H), 3.17 (d, 2H), 3.74 (d, 2H), 5.05-5.15 (m, 6H), 5.75-5.90 (m, 3H), 6.36 (br s, 1H).
(合成例1-2)

Figure 0007319242000009

合成例1-1で得た化合物2a 1gをジクロロメタン 10mLに溶解した後、氷浴に浸け、トリフルオロ酢酸(TFA) 3.5mLを添加して2時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液を加え、水相を除去した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮乾固した。シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、化合物3aを0.69g得た。

化合物3a
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.46 (br s, 2H), 2.00-2.08 (m, 6H), 3.18 (d, 2H), 3.30-3.60 (m, 2H), 5.05-5.15 (m, 6H), 5.75-5.90 (m, 3H), 7.50 (br s, 1H).
(合成例1-3)

Figure 0007319242000010
CFCFCF(OCFCFCFOCFCFCOMe(n=25) 2.4gに対して、合成例1-2で得た化合物3a 0.267gとmXHF 2mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 10mLを入れ、アセトン 10mLで洗浄し、濃縮乾固することで、化合物4aを2.435g得た。

化合物4a
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.30-2.45 (m, 6H), 3.61 (d, 2H), 4.36 (d, 2H), 5.38-5.45 (m, 6H), 6.10-6.26 (m, 3H), 6.30-6.34 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.1, -85.6, -86.5, -87.2, -125.2, -131.3, -132.4.
(合成例1-4)

Figure 0007319242000011

合成例1-3で得た化合物4a 1.33gをmXHF 1mLに溶解後、トリアセトキシメチルシラン 2.61μl、トリクロロシラン 0.252ml、カールシュテット触媒 31.6μlを添加し、60℃で3時間撹拌した。濃縮乾固した後、残渣にmXHF 1mL、オルトギ酸トリメチル 0.92mL、およびメタノール 51μlを滴下し、60℃で3時間撹拌した。この液を濾過した後、濃縮乾固することで、化合物5a(n=25)を1.09g得た。

化合物5a
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.95-1.05 (m, 6H), 1.55-1.65 (m, 6H), 1.77-1.90 (m, 6H), 3.62 (d, 2H), 3.85-4.10 (m, 27H), 4.37 (d, 2H), 6.75-6.78 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.2, -85.5, -86.6, -124.4, -131.4, -132.4.
(合成例2)
(合成例2-1)

Figure 0007319242000012

2,2-ジアリル-4-ペンテニルアミン 1.5gをジクロロメタン 20mLに溶解した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン 3.32mL、化合物1b 1.75g、BOP 4.82gを添加し、室温で一晩撹拌した。炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物2bを2.81g得た。

化合物2b
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.42 (s, 9H), 2.00-2.05 (m, 6H), 2.30-2.40 (m, 2H), 3.17-3.20 (m, 2H), 3.35-3.40 (m, 2H), 5.05-5.15 (m, 7H) , 5.65 (br s, 1H), 5.80-5.90 (m, 3H).
(合成例2-2)

Figure 0007319242000013

合成例2-1で得た化合物2b 1.09gをジクロロメタン 3mLに溶解した後、氷浴に浸け、トリフルオロ酢酸 3.0mLを添加して4時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液を加え、水相を除去した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物3bを0.597g得た。

化合物3b
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.41 (br s, 2H), 1.95-2.08 (m, 6H), 2.30 (t, 2H), 3.00 (t, 2H), 3.15-3.20 (m, 2H), 5.05-5.15 (m, 6H), 5.75-5.90 (m, 3H), 7.42 (br s, 1H).
(合成例2-3)

Figure 0007319242000014

CFCFCF(OCFCFCFOCFCFCOMe(n=25) 2.12gに対して、合成例2-2で得た化合物3b 0.25gとmXHF 2mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 10mLを入れ、アセトンで洗浄した後、濃縮乾固後することで、化合物4bを2.23g得た。

化合物4b
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.30-2.50 (m, 8H), 3.17-3.20 (m, 2H), 3.55-3.65 (m, 2H), 5.38-5.50 (m, 6H), 6.10-6.28 (m, 3H), 6.30-6.40 (br s, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.1, -85.6, -86.5, -87.2, -125.2, -131.3, -132.4.
(合成例2-4)

Figure 0007319242000015

合成例2-3で得た化合物4b 1.52gをmXHF 1mLに溶解後、室温下、トリアセトキシメチルシラン 2.98μl、トリクロロシラン 0.479ml、カールシュテット触媒 36.1μlを添加し、60℃で3時間撹拌した。濃縮乾固した後、その残渣にmXHF 1mL、オルトギ酸トリメチル 1.10mL、およびメタノール 58μl滴下し、60℃で3時間撹拌した。この液を濾過した後、濃縮乾固することで、化合物5b(n=25)を1.29g得た。

化合物5b
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.95-1.05 (m, 6H), 1.55-1.65 (m, 6H), 1.77-1.90 (m, 6H), 2.30-2.40 (m, 2H), 3.17-3.20 (m, 2H), 3.62 (d, 2H), 3.85-4.10 (m, 27H), 6.75-6.78 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.2, -85.5, -86.6, -124.4, -131.4, -132.4.
(合成例3)
(合成例3-1)

Figure 0007319242000016

2,2-ジアリル-4-ペンテニルアミン 1.79gをジクロロメタン 20mLに溶解した後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン 3.68mL、化合物1c 2.0g、BOP 5.22gを添加し、室温で一晩撹拌した。濃縮乾固後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物2cを3.45g得た。

化合物2c
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.42 (s, 9H), 1.75-1.80 (m, 2H), 2.00-2.05 (m, 6H), 2.15-2.20 (m, 2H), 3.15-3.20 (m, 4H), 4.74 (br s, 1H), 5.05-5.15 (m, 6H) , 5.80-5.90 (m, 3H), 6.33 (br s, 1H).
(合成例3-2)

Figure 0007319242000017

合成例3-1で得た化合物2c 1.07gをジクロロメタン 3mLに溶解した後、氷浴に浸け、トリフルオロ酢酸 4.0mLを添加して4時間撹拌した。水酸化ナトリウム水溶液を加え、水相を除去した後、無水硫酸ナトリウム用いて乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物3cを0.62g得た。

化合物3c
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.21 (br s, 2H), 1.70-1.78 (m, 2H), 1.95-2.05 (m, 6H), 2.20-2.30 (m, 2H), 2.65-2.80 (m, 2H), 3.15-3.25 (m, 2H), 5.05-5.30 (m, 6H), 5.75-5.90 (m, 4H).
(合成例3-3)

Figure 0007319242000018

CFCFCF(OCFCFCFOCFCFCOMe(n=25) 2.2gに対して、合成例3-2で得た化合物3c 0.28gとmXHF 3mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 10mLを入れ、アセトンで洗浄し、濃縮乾固することで、化合物4cを2.32g得た。

化合物4c
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.25-2.28 (m, 6H), 2.36-2.80 (m, 6H), 3.50-3.60 (m, 2H), 3.75-3.85 (m, 2H), 5.39-5.45 (m, 6H), 6.05-6.10 (m, 1H), 6.13-6.30 (m, 3H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.1, -85.6, -86.5, -87.2, -125.2, -131.3, -132.4.
(合成例3-4)

Figure 0007319242000019

合成例3-3で得た化合物4c 1.10gをmXHF 1mLに溶解後、室温下、トリアセトキシメチルシラン 2.16μl、トリクロロシラン 0.347ml、カールシュテット触媒 36.1μlを添加し、60℃で3時間撹拌した。濃縮乾固した後、mXHF 1mL、オルトギ酸トリメチル 0.76mL、およびメタノール 42μlを滴下し、60℃で3時間撹拌した。この液を濾過した後、ろ液を濃縮乾固することで、化合物5c(n=25)を0.922g得た。

化合物5c
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.95-1.05 (m, 6H), 1.55-1.65 (m, 6H), 1.77-1.90 (m, 6H), 2.30-2.40 (m, 2H), 2.76-2.78 (m, 2H), 3.53-3.55 (m, 2H), 3.84-3.86 (m, 2H), 3.85-4.10 (m, 27H), 6.75-6.78 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.2, -85.5, -86.6, -124.4, -131.4, -132.4.
(合成例3-5)

Figure 0007319242000020

CFCFCF(OCFCFCFOCFCFCOMe(n=50) 4.4gに対して、合成例3-2で得た化合物3c 0.28gとmXHF 3mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 20mLを入れ、アセトンで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、濃縮乾固することで、化合物4c’を4.6g得た。

化合物4c’
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.25-2.28 (m, 6H), 2.36-2.80 (m, 6H), 3.50-3.60 (m, 2H), 3.75-3.85 (m, 2H), 5.39-5.45 (m, 6H), 6.05-6.10 (m, 1H), 6.13-6.30 (m, 3H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.1, -85.6, -86.5, -87.2, -125.2, -131.3, -132.4.
(合成例3-6)

Figure 0007319242000021

合成例3-5で得た化合物4c’ 2.20gをmXHF 2mLに溶解後、室温下、トリアセトキシメチルシラン 2.16μl、トリクロロシラン 0.347ml、カールシュテット触媒 36.1μlを添加し、60℃で3時間撹拌した。濃縮乾固した後、その残渣にmXHF 1mL、オルトギ酸トリメチル 0.76mL、およびメタノール 42μlを滴下し、60℃で3時間撹拌した。この液を濾過した後、ろ液を濃縮乾固することで、化合物5c’(n=50)を1.82g得た。

化合物5c’
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.95-1.05 (m, 6H), 1.55-1.65 (m, 6H), 1.77-1.90 (m, 6H), 2.30-2.40 (m, 2H), 2.76-2.78 (m, 2H), 3.53-3.55 (m, 2H), 3.84-3.86 (m, 2H), 3.85-4.10 (m, 27H), 6.75-6.78 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.2, -85.5, -86.6, -124.4, -131.4, -132.4.
(合成例4)
(合成例4-1)

Figure 0007319242000022

BOP 5.33gをジクロロメタン 20mLに溶解し、化合物1d 2.57gおよびトリエチルアミン 1.75mLを添加し、2,2-ジアリル-4-ペンテニルアミン 2.12mlを加え、室温で一晩撹拌させた。濃縮乾固後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物2dを3.52g得た。

化合物2d
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.20-1.25 (m, 4H), 1.40-1.44 (m, 11H), 2.00-2.05 (m, 6H), 2.15-2.20 (m, 4H), 3.00-3.20 (m, 4H), 4.50 (br s, 1H), 5.05-5.15 (m, 6H) , 5.56 (br s, 1H), 5.75-5.90 (m, 3H).
(合成例4-2)

Figure 0007319242000023

合成例4-1で得た化合物2d 1.40gをジクロロメタン 8mLに溶解し、氷浴に浸け、トリフルオロ酢酸 8.0mLを添加して4時間撹拌した。濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物3dを1.04g得た。

化合物3d
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.30-1.50 (m, 6H), 1.55-1.65 (m, 2H), 2.00-2.10 (m, 6H), 2.10-2.20 (m, 2H), 2.60-2.70 (m, 2H), 3.15-3.20 (m, 2H), 5.05-5.15 (m, 6H) , 5.51 (br s, 1H), 5.80-5.90 (m, 3H).
(合成例4-3)

Figure 0007319242000024

CFCFCF(OCFCFCFOCFCFCOMe(n=25) 2.36gに対して、合成例4-2で得た化合物3d 0.345gとmXHF 3mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 10mLを入れ、アセトンで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮乾固後することで、化合物4dを2.47g得た。

化合物4d
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 1.60-1.80 (m, 4H), 1.90-1.95 (m, 2H), 2.00-2.10 (m, 2H), 2.35-2.39 (m, 6H), 2.50-2.57 (m, 6H), 3.50-3.61 (m, 2H), 3.72-3.75 (m, 2H), 5.30-5.45 (m, 6H), 5.90-5.95 (m, 1H), 6.15-6.35 (m, 3H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.1, -85.6, -86.5, -87.2, -125.2, -131.3, -132.4.
(合成例4-4)

Figure 0007319242000025

合成例4-3で得た化合物4d 1.63gをmXHF 1mLに溶解後、室温下、トリアセトキシメチルシラン 3.20μl、トリクロロシラン 0.514ml、カールシュテット触媒 38.7μlを添加し、60℃で3時間撹拌した。濃縮乾固した後、その残渣にmXHF 1mL、オルトギ酸トリメチル 1.1mLおよびメタノール 62μlを滴下し、60℃で3時間撹拌した。この液を濾過した後、ろ液を濃縮乾固することで、化合物5d(n=25)を1.42g得た。

化合物5d
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.95-1.05 (m, 6H), 1.55-1.88 (m, 14H), 1.91-1.95 (m, 2H), 2.00-2.10 (m, 2H), 2.50-2.57 (m, 6H), 3.50-3.61 (m, 2H), 3.72-3.75 (m, 2H), 3.85-4.10 (m, 27H), 5.90-5.95 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.2, -85.5, -86.6, -124.4, -131.4, -132.4.
(合成例5-1)
Figure 0007319242000026

CF(OCF(OCFCFOCFCOMe(m=40,n=24) 4.07gに対して、合成例1-2で得た化合物3a 0.245gとmXHF 3mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 20mLを入れ、アセトンで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮乾固することで、化合物6aを3.75g得た。

化合物6a
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.30-2.45 (m, 6H), 3.61 (d, 2H), 4.36 (d, 2H), 5.38-5.45 (m, 6H), 6.10-6.26 (m, 3H), 6.30-6.34 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -131.7, -127.9, -127.4, -117.7, -92.6, -91.0, -87.4, -87.3, -85.8, -85.6, -83.2, -81.6, -79.9, -74.5, -59.9, -58.2, -57.4, -55.6, -54.0.
(合成例5-2)

Figure 0007319242000027

合成例5-1で得た化合物6a 3.75gをmXHF 3mLに溶解後、トリアセトキシメチルシラン 7.35μl、トリクロロシラン 1.18ml、カールシュテット触媒 89.1μlを添加し、60℃で3時間撹拌した。濃縮乾固した後、その残渣にmXHF 3mL、オルトギ酸トリメチル 2.6mL、およびメタノール 140μlを滴下し、60℃で3時間撹拌した。この液を濾過した後、ろ液を濃縮乾固することで、化合物7a(m=40,n=24)を3.54g得た。

化合物7a
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.95-1.05 (m, 6H), 1.55-1.65 (m, 6H), 1.77-1.90 (m, 6H), 3.62 (d, 2H), 3.85-4.10 (m, 27H), 4.37 (d, 2H), 6.75-6.78 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -131.7, -127.9, -127.4, -117.7, -92.6, -91.0, -87.4, -87.3, -85.8, -85.6, -83.2, -81.6, -79.9, -74.5, -59.9, -58.2, -57.4, -55.6, -54.0.
(合成例6-1)

Figure 0007319242000028

CF(OCF(OCFCFOCFCOMe(m=40,n=24) 2.0gに対して、合成例3-2で得た化合物3c 0.147gをとmXHF 2mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 20mLを入れ、アセトンで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、濃縮乾固することで、化合物6cを1.68g得た。

化合物6c
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.25-2.28 (m, 6H), 2.36-2.80 (m, 6H), 3.50-3.60 (m, 2H), 3.75-3.85 (m, 2H), 5.39-5.45 (m, 6H), 6.05-6.10 (m, 1H), 6.13-6.30 (m, 3H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -131.7, -127.9, -127.4, -117.7, -92.6, -91.0, -87.4, -87.3, -85.8, -85.6, -83.2, -81.6, -79.9, -74.5, -59.9, -58.2, -57.4, -55.6, -54.0.
(合成例6-2)

Figure 0007319242000029

合成例6-1で得た化合物6c 1.68gをmXHF 1mLに溶解後、トリアセトキシメチルシラン 2.82μl、トリクロロシラン 0.454ml、カールシュテット触媒 34.2μlを添加し、60℃で3時間撹拌した。濃縮乾固した後、その残渣にmXHF 1mL、オルトギ酸トリメチル 0.99mL、およびメタノール 55μlを滴下し、60℃で3時間撹拌した。この液を濾過した後、ろ液を濃縮乾固することで、化合物7c(m=40,n=24)を1.64g得た。

化合物7c
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.95-1.05 (m, 6H), 1.55-1.65 (m, 6H), 1.77-1.90 (m, 6H), 2.30-2.40 (m, 2H), 2.76-2.78 (m, 2H), 3.53-3.55 (m, 2H), 3.84-3.86 (m, 2H), 3.85-4.10 (m, 27H), 6.75-6.78 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -131.7, -127.9, -127.4, -117.7, -92.6, -91.0, -87.4, -87.3, -85.8, -85.6, -83.2, -81.6, -79.9, -74.5, -59.9, -58.2, -57.4, -55.6, -54.0.
(合成例7-1)

Figure 0007319242000030

CF(OCF(OCFCFOCFCOMe(m=40,n=24) 3.50gに対して、合成例4-2で得た化合物3d 0.277gとmXHF 3mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 20mLを入れ、アセトンで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮乾固することで、化合物6dを3.37g得た。

化合物6d
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 1.60-1.80 (m, 4H), 1.90-1.95 (m, 2H), 2.00-2.10 (m, 2H), 2.35-2.39 (m, 6H), 2.50-2.57 (m, 6H), 3.50-3.61 (m, 2H), 3.72-3.75 (m, 2H), 5.30-5.45 (m, 6H), 5.90-5.95 (m, 1H), 6.15-6.35 (m, 3H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -131.7, -127.9, -127.4, -117.7, -92.6, -91.0, -87.4, -87.3, -85.8, -85.6, -83.2, -81.6, -79.9, -74.5, -59.9, -58.2, -57.4, -55.6, -54.0.
(合成例7-2)

Figure 0007319242000031

合成例7-1で得た化合物6d 3.37gをmXHF 3mLに溶解後、トリアセトキシメチルシラン 5.66μl、トリクロロシラン 0.911ml、カールシュテット触媒 68.7μlを添加し、60℃で3時間撹拌した。濃縮乾固した後、その残渣にmXHF 3mL、オルトギ酸トリメチル 2.00mL、およびメタノール 110μlを滴下、60℃で3時間撹拌した。この液を濾過した後、ろ液を濃縮乾固することで、化合物7d(m=40,n=24)を2.77g得た。

化合物7d
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.95-1.05 (m, 6H), 1.55-1.88 (m, 14H), 1.91-1.95 (m, 2H), 2.00-2.10 (m, 2H), 2.50-2.57 (m, 6H), 3.50-3.61 (m, 2H), 3.72-3.75 (m, 2H), 3.85-4.10 (m, 27H), 5.90-5.95 (m, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -131.7, -127.9, -127.4, -117.7, -92.6, -91.0, -87.4, -87.3, -85.8, -85.6, -83.2, -81.6, -79.9, -74.5, -59.9, -58.2, -57.4, -55.6, -54.0.
(合成例8)
(合成例8-1)

Figure 0007319242000032

化合物8a 5gをジクロロメタン 10mLに溶解した後、氷浴に浸け、2,2-ジアリル-4-ペンテニルアミン 4.55gを滴下した後、室温で一晩撹拌させた。濃縮乾固後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物9aを4.46g得た。

化合物9a
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 2.00-2.20 (m, 6H), 3.20-3.31 (m, 2H), 3.94 (s, 3H), 5.05-5.20 (m, 6H), 5.80-5.70 (m, 3H), 6.61 (br s, 0.5H), 6.84 (br s, 0.5H).
(合成例8-2)

Figure 0007319242000033

合成例8-1で得た化合物9a 1.54gをテトラヒドロフラン(THF) 6mLに溶解した後、N-Boc-エチレンジアミン 1.73mLを滴下し、室温で3日間撹拌させた。濃縮乾固した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物10aを2.1g得た。

化合物10a
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.43 (s, 9H), 2.00-2.16 (m, 6H), 3.22 (d, 2H), 3.25-3.50 (m, 4H), 5.00-5.18 (m, 6H), 5.80-5.90 (m, 3H), 6.87 (br s, 1H), 7.50 (br s, 1H);
19F NMR(CDCl,400MHz) δ: -119.56, -119.64, -120.08, -120.11.
(合成例8-3)
Figure 0007319242000034

合成例8-2で得た化合物10a 1.1gをジクロロメタン 10mLに溶解した後、氷浴に浸け、トリフルオロ酢酸 10mLを添加して5時間撹拌した。濃縮乾固した後、シリカゲルカラムにて精製することで、化合物11aを0.87g得た。

化合物11a
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 2.01-2.07 (m, 6H), 2.85-2.90 (m, 2H), 3.24-3.28 (m, 2H), 3.36-3.40 (m, 2H), 5.09-5.18 (m, 6H), 5.80-5.89 (m, 3H), 6.85 (br s, 1H), 7.12 (br s, 1H);
19F NMR(CDCl,400MHz) δ: -119.33, -119.55.
(合成例8-4)

Figure 0007319242000035

CFCFCF(OCFCFCFOCFCFCOMe(n=25) 1.7gに対して、合成例8-3で得た化合物11a 0.37gとmXHF 2mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 10mLを入れ、クロロホルムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濃縮乾固することで、化合物12aを1.61g得た。

化合物12a
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.36-2.51 (m, 6H), 3.18 (s, 2H), 3.36-3.40 (m, 4H), 5.41-5.45 (m, 6H), 6.13-6.20 (m, 3H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.14, -85.60 - -86.60, -87.00, -87.21 - -87.34, -123.22 - -123.40, -124.90 - -124.96, -125.78, -131.36 - -131.50, -132.41.
(合成例8-5)

Figure 0007319242000036

合成例8-4で得た化合物12a 1.12gをmXHF 3mLに溶解後、トリアセトキシメチルシラン 3μl、トリクロロシラン 0.252ml、カールシュテット触媒 34μlを添加し、4時間撹拌した。濃縮乾固した後、mXHF 3mL、オルトギ酸トリメチル 0.95mL、およびメタノール 60μlを滴下し、60℃で3時間撹拌した。この液を濾過した後、濃縮乾固することで、化合物13aを1.2g得た。

化合物13a
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.95-1.08 (m, 6H), 1.55-1.67 (m, 6H), 1.77-1.95 (m, 6H), 3.36-3.40 (m, 4H), 3.63 (s, 2H), 3.85-4.13 (m, 27H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.01 - -84.25, -84.50 - -86.00, -86.61, -87.12, -122.67, -124.79, -125.50, -131.20 - -131.73, -132.41.
(合成例9)
(合成例9-1)

Figure 0007319242000037

化合物8b 6gをジクロロメタン 10mLに溶解した後、氷浴に浸け、2,2-ジアリル-4-ペンテニルアミン 2.85gを滴下した後、室温で一晩撹拌させた。濃縮乾固後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物9bを2.43g得た。

化合物9b
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 2.00-2.10 (m, 6H), 3.23-3.33 (m, 2H), 3.97 (s, 3H), 5.04-5.20 (m, 6H), 5.70-5.95 (m, 3H), 6.58 (br s, 1H).
(合成例9-2)

Figure 0007319242000038

合成例9-1で得た化合物9b 2.92gをTHF 12mLに溶解した後、N-Boc-エチレンジアミン 4mLを滴下し、50℃で一晩撹拌した。濃縮乾固した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物10bを2.74g得た。

化合物10b
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 1.43 (s, 9H), 2.00-2.16 (m, 6H), 3.27 (d, 2H), 3.30-3.50 (m, 4H), 5.00 (br s, 1H), 5.10-5.20 (m, 6H) , 5.75-5.90 (m, 3H), 6.81 (br s, 1H), 7.69 (br s, 1H).
(合成例9-3)
Figure 0007319242000039

合成例9-2で得た化合物10b 1.2gをジクロロメタン 5mLに溶解した後、氷浴に付け、トリフルオロ酢酸 5mLを添加して5時間撹拌した。濃縮乾固した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製することで、化合物11bを0.853g得た。

化合物11b
H NMR(CDCl,400MHz) δ: 2.00-2.10 (m, 6H), 2.80-2.92 (m, 2H), 3.20-3.30 (m, 2H), 3.40-3.50 (m, 2H), 5.00-5.18 (m, 6H), 5.75-5.90 (m, 3H), 6.82 (br s, 1H).
(合成例9-4)

Figure 0007319242000040

CFCFCF(OCFCFCFOCFCFCOMe(n=25) 2.0gに対して、合成例8-3で得た化合物11b 0.429gとmXHF 2mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 10mLを入れ、クロロホルムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、濃縮乾固することで、化合物12bを2.2g得た。

化合物12b
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.39-2.48 (m, 6H), 3.70 (d, 2H), 3.80-4.00 (m, 4H), 5.40-5.52 (m, 6H), 6.13-6.26 (m, 3H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.13 - -84.17, -85.60 - -86.60, -87.29, -87.33 - -87.36, -121.82, -122.50, -125.11 - -125.15, -129.46, -131.35 - -131.40, -132.41.
(合成例9-5)

Figure 0007319242000041

合成例9-4で得た化合物12b 1.25gをmXHF 1.5mLに溶解後、トリアセトキシメチルシラン 3μl、トリクロロシラン 0.252ml、カールシュテット触媒 34μlを添加し、4時間撹拌した。濃縮乾固した後、mXHF 1.5mL、オルトギ酸トリメチル 0.95mL、およびメタノール 60μlを滴下し、60℃で3時間撹拌させた。この液を濾過した後、濃縮乾固することで、化合物13bを1.1g得た。

化合物13b
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.90-1.10 (m, 6H), 1.60-1.70 (m, 6H), 1.75-1.95 (m, 6H), 3.68 (d, 2H), 3.90-4.10 (m, 31H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.13 - -84.27, -85.10 - -85.76, -86.78, -87.36, -120.78, -121.86, -124.90, -128.85, -131.35 - -131.50, -132.40.
(比較例1)
(比較例1-1)
Figure 0007319242000042

CFCFCF(OCFCFCFOCFCFCOMe(n=25) 3.0gに対して、2,2-ジアリル-4-ペンテニルアミン 0.207gとmXHF 2mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 10mLを入れ、アセトンで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、濃縮乾固することで、化合物14を2.89g得た。

化合物14
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.39 (d, 6H), 3.66 (d, 2H), 5.42-5.46 (m, 6H), 6.15-6.25 (m, 3H), 7.02 (brs, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.2, -85.5, -86.6, -125.4, -131.4, -132.4.
(比較例1-2)

Figure 0007319242000043

比較例1-1で得た化合物14 2.89gをmXHF 1.5mLに溶解後、トリアセトキシメチルシラン 5.67μl、トリクロロシラン 0.911ml、カールシュテット触媒 68.7μlを添加し、4時間撹拌した。濃縮乾固した後、mXHF 1.5mL、オルトギ酸トリメチル 2.0mL、およびメタノール 110μlを滴下し、60℃で3時間撹拌させた。この液を濾過した後、濃縮乾固することで、化合物15を2.50g得た。

化合物15
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.96-1.02 (m, 6H), 1.58-1.67 (m, 6H),1.82-1.86 (m, 6H) 3.61 (d, 2H), 3.90-4.05 (m, 27H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -84.2, -85.5, -86.6, -124.4, -131.4, -132.4.
(比較例2)
(比較例2-1)

Figure 0007319242000044

CF(OCF(OCFCFOCFCOMe(m=40,n=24) 2.0gに対して、2,2-ジアリル-4-ペンテニルアミン 0.158gとmXHF 2mLを入れ、室温で一晩撹拌した。パーフルオロヘキサン 10mLを入れ、アセトンで洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、濃縮乾固することで、化合物16を1.91g得た。

化合物16
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 2.39 (d, 6H), 3.66 (d, 2H), 5.42-5.46 (m, 6H), 6.15-6.25 (m, 3H), 7.02 (brs, 1H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -131.7, -127.9, -127.4, -117.7, -92.6, -91.0, -87.4, -87.3, -85.8, -85.6, -83.2, -81.6, -79.9, -74.5, -59.9, -58.2, -57.4, -55.6, -54.0.
(比較例2-2)

Figure 0007319242000045

比較例2-1で得た化合物16 1.91gをmXHF 1.5mLに溶解後、トリアセトキシメチルシラン 3.21μl、トリクロロシラン 0.516ml、カールシュテット触媒 38.9μlを添加し、4時間撹拌した。濃縮乾固した後、mXHF 1.5mL、オルトギ酸トリメチル 1.1mL、およびメタノール 62μlを滴下し、60℃で3時間撹拌させた。この液を濾過した後、濃縮乾固することで、化合物17を1.77g得た。

化合物17
H NMR(mXHF,400MHz) δ: 0.96-1.02 (m, 6H), 1.58-1.67 (m, 6H),1.82-1.86 (m, 6H) 3.61 (d, 2H), 3.90-4.05 (m, 27H);
19F NMR(mXHF,400MHz) δ: -131.7, -127.9, -127.4, -117.7, -92.6, -91.0, -87.4, -87.3, -85.8, -85.6, -83.2, -81.6, -79.9, -74.5, -59.9, -58.2, -57.4, -55.6, -54.0.
(表面処理剤の調製)
合成例1-4、4-4、5-2、7-2、および比較例1、2で得られたフルオロポリエーテル基含有シラン化合物(5a、5d、7a、7d、15、17)を、それぞれ、固形分濃度0.1質量%になるように、ハイドロフルオロエーテル(スリーエムジャパン株式会社製、ノベックHFE-7200)に溶解させて、表面処理剤を調製した。
(表面処理層の形成)
表面処理剤を、スピンコーターを用いて、化学強化ガラス(コーニング社製、「ゴリラ」ガラス、厚さ0.7mm)上に塗布した。
スピンコートの条件は、300回転/分で3秒間、2000回転/分で30秒であった。
塗布後のガラスを、大気下、恒温槽内で150℃30分間加熱し、表面処理層を形成した。
(表面処理層の特性評価)
得られた表面処理層の特性を以下のように評価した。
<静的接触角>
(初期評価)
まず、初期評価として、表面処理層形成後、その表面に未だ何も触れていない状態で、水の静的接触角を測定した。
<耐消しゴム摩耗性試験>
表面処理層の形成されたガラスを水平配置し、ラビングテスター(新東科学社製)を用いて、下記条件で荷重をかけた消しゴムを表面処理層の表面にて往復させた。往復回数(摩擦回数)2500回毎に水の接触角を測定し、水の接触角が100°未満となるまで試験を続けた。試験環境条件は25℃、湿度40%RHであった。
消しゴム:Raber Eraser(Minoan社製)
接地面積:6mmφ
移動距離(片道):30mm
移動速度:3,600mm/分
荷重:1kg/6mmφ
結果を下表に示す。以下の表において「-」は測定していないことを示す。
Figure 0007319242000046

本開示の表面処理剤は、種々多様な基材、特に透過性が求められる光学部材の表面に、表面処理層を形成するために好適に利用され得る。

Claims (13)

  1. 式(1a)または式(1b):
    Figure 0007319242000047
    [式中:
    F1は、各出現においてそれぞれ独立して、Rf-R-O-であり;
    F2は、-Rf -R-O-であり;
    Rfは、各出現においてそれぞれ独立して、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-16アルキル基であり;
    Rfは、1個またはそれ以上のフッ素原子により置換されていてもよいC1-6アルキレン基であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、下記式(f1)、(f2)、または(f5):
    -(OC-(OC- (f1)
    [式中、dは、1~200の整数であり、eは、1である。]
    -(OC-(OC-(OC-(OCF- (f2)
    [式中、cおよびdは、それぞれ独立して0以上30以下の整数であり、eおよびfは、それぞれ独立して1以上200以下の整数であり、
    c、d、eおよびfの和は2以上であり、
    添字c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は、式中において任意である。]
    -(OC12-(OC10-(OC-(OC-(OC-(OCF- (f5)
    [式中、fは、1以上200以下の整数であり、a、b、c、dおよびeは、それぞれ独立して0以上200以下の整数であって、a、b、c、d、eおよびfの和は少なくとも1であり、また、a、b、c、d、eまたはfを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
    で表される基であり;
    pは、0または1であり;
    qは、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
    αは、1であり;
    βは、1であり;
    γは、1であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、-(X21s21-[(X)-(X22)]s11-(X)-(X21s22-であり;
    は、アミド結合を表し;
    s11は、1~3の整数であり;
    21は、各出現においてそれぞれ独立して、-R211-、または、-(R211s31-X31-(R212s32-であり;
    211およびR212は、それぞれ独立して、C1-10アルキレン基であり;
    前記C1-10アルキレン基の水素原子は、置換されていてもよく;
    31は、各出現においてそれぞれ独立して、-O-、または-NR54-であり;
    54は、水素原子、フェニル基またはC1-6アルキル基であり;
    s31は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
    s32は、各出現においてそれぞれ独立して、0または1であり;
    22は、各出現においてそれぞれ独立して、-R221-、または、-(R221s31-X31-(R222s32-であり;
    221およびR222は、それぞれ独立して、C1-10アルキレン基であり;
    少なくとも1つの-R 221 -において、前記C1-10アルキレン基の少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子に置換されており
    21は、それぞれ独立して、0または1であり;
    s22は、それぞれ独立して、0または1であり;
    Siは、各出現においてそれぞれ独立して、式(S1)、(S3)または(S4):
    Figure 0007319242000048
    [式中:
    11は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
    12は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはC1-20アルキル基であり;
    n1は、(SiR11 n112 3-n1)単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
    11は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合または-R28-(O)-R29-であり;
    28およびR29は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合またはC1-20アルキレン基であり;
    xは0または1であり;
    13は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはC1-6アルキル基であり;
    tは、各出現においてそれぞれ独立して、2以上の整数であり;
    14は、水素原子、ハロゲン原子または-X11-SiR11 n112 3-n1であり;
    15は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、炭素数1~6のアルキレン基または炭素数1~6のアルキレンオキシ基であり;
    a1は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR22 q123 r1であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、酸素原子またはC1-6アルキレン基、-(CHz1-O-(CHz2-(式中、z1は、0~6の整数であり、z2は、0~6の整数である)または、-(CHz3-フェニレン-(CHz4-(式中、z3は、0~6の整数であり、z4は、0~6の整数である)であり;
    22は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
    23は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはC1-20アルキル基であり;
    q1は、各出現においてそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
    r1は、各出現においてそれぞれ独立して、0~2の整数であり;
    b1は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
    c1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはC1-20アルキル基であり;
    k1は、2~3の整数であり;
    l1は、0~1の整数であり;
    m1は、0~1の整数であり;
    d1 は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z -CR 31 p2 32 q2 33 r2 であり;
    は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、C 1-6 アルキレン基、-(CH z5 -O-(CH z6 -(式中、z5は、0~6の整数、z6は、0~6の整数である)または-(CH z7 -フェニレン-(CH z8 -(式中、z7は、0~6の整数、z8は、0~6の整数である)であり;
    31 は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z 2’ -CR 32’ q2’ 33’ r2’ であり;
    2’ は、各出現においてそれぞれ独立して、単結合、酸素原子、C 1-6 アルキレン基、-(CH z5’ -O-(CH z6’ -(式中、z5’は、0~6の整数、z6’は、0~6の整数である)または-(CH z7’ -フェニレン-(CH z8’ -(式中、z7’は、0~6の整数、z8’は、0~6の整数である)であり;
    32’ は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z -SiR 34 n2 35 3-n2 であり;
    は、単結合、酸素原子、C 1-6 アルキレン基、-(CH z5” -O-(CH z6” -(式中、z5”は、0~6の整数、z6”は、0~6の整数である)または-(CH z7” -フェニレン-(CH z8” -(式中、z7”は、0~6の整数、z8”は、0~6の整数である)であり;
    34 は、各出現においてそれぞれ独立して、水酸基または加水分解性基であり;
    35 は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子またはC 1-20 アルキル基であり;
    n2は、(SiR 34 n2 35 3-n2 )単位毎にそれぞれ独立して、1~3の整数であり;
    33’ は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基またはC 1-20 アルキル基であり;
    q2’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
    r2’は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
    32 は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z -SiR 34 n2 35 3-n2 であり;
    33 は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基またはC 1-20 アルキル基であり;
    p2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
    q2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
    r2は、各出現においてそれぞれ独立して、0~3の整数であり;
    e1は、各出現においてそれぞれ独立して、-Z-SiR34 n235 3-n2であり;
    f1は、各出現においてそれぞれ独立して、水素原子、水酸基またはC1-20アルキル基であり;
    k2は、0であり;
    l2は、2~3の整数であり;
    m2は、0~1の整数である。]
    で表される基である。]
    で表されるフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
  2. n1は、3である、請求項1に記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
  3. k1は、3であり、q1は1~3の整数である、請求項1または2に記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
  4. l2は、3であり、n2は1~3の整数である、請求項1~3のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の式(1a)または式(1b)で表される少なくとも1種のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物を含有する、表面処理剤。
  6. 含フッ素オイル、シリコーンオイル、および触媒から選択される1種またはそれ以上の他の成分をさらに含有する、請求項5に記載の表面処理剤。
  7. さらに溶媒を含む、請求項5または6に記載の表面処理剤。
  8. 防汚性コーティング剤または防水性コーティング剤として使用される、請求項5~7のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  9. 真空蒸着用である、請求項5~8のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  10. 湿潤被覆処理用である、請求項5~8のいずれか1項に記載の表面処理剤。
  11. 請求項5~9のいずれか1項に記載の表面処理剤を含有するペレット。
  12. 基材と、該基材の表面に、請求項1~4のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル基含有シラン化合物、または、請求項5~10のいずれか1項に記載の表面処理剤より形成された層とを含む物品。
  13. 光学部材である、請求項12に記載の物品。
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