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JP7304968B2 - 縮合ピリミジン化合物を有効成分とする治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、Bruton's tyrosine kinase(BTK)阻害作用を有する縮合ピリミジン化合物又はその塩を有効成分として含有する慢性糸球体腎炎の治療剤、特にIgA腎症の治療剤に関するものである。
腎臓の糸球体に病変を起こした糸球体疾患(原発性糸球体腎炎)は、IgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、溶連菌感染後急性糸球体腎炎、微小変化型ネフローゼ症候群(リポイドネフローゼ)、巣状糸球体硬化症、及び急速進行性糸球体腎炎の7つに分類される。これらのうち、IgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、紫斑病性腎炎、巣状糸球体硬化症は、一般的に慢性糸球体腎炎と呼ばれ、その発症の原因及び時期は比較的不明瞭な場合が多く、またその多くの障害過程は進行性で最終的には腎不全に至るものも多いとされている。
慢性糸球体腎炎は、糸球体に病変が認められることが多く、当該糸球体病変形成には糸球体構成細胞の一つであるメサンギウム細胞の増殖やその細胞外基質(メサンギウム基質)の蓄積、基底膜の肥厚が関与すると考えられている。
中でも、IgA腎症は慢性糸球体腎炎のうち最も頻度の高い慢性糸球体腎炎であり、主にIgAを含む沈着物が腎糸球体メサンギウム領域に認められ、メサンギウム細胞の増殖とメサンギウム基質の増生、拡大が生じる疾患である。慢性糸球体腎炎の中でIgA腎症の占める割合は、北米で10%、ヨーロッパでは20%、アジア・太平洋地域では,30%から40%と地域的な偏在がある(非特許文献1)。男女比は2:1から6:1で男性が優位に発症するとされており、約40%は末期の腎不全に至る予後不良の疾患である(非特許文献2)。
IgA腎症では、ガラクトース欠損型糖鎖に修飾されたIgAに対して特異的なIgGが産生され、IgAとIgGが高分子免疫複合体を形成することが深く関連することが知られている。形成された高分子免疫複合体はメサンギウム領域へ沈着し、メサンギウム細胞の活性化や炎症性サイトカインの産生により糸球体の障害が誘導され、腎機能低下に至るとされている(非特許文献3、4)。また、高分子免疫複合体を形成するIgGが、FCγ受容体を介して炎症性サイトカイン産生を誘導することが病態の発症と深く関連することが知られている(非特許文献5)
現在のIgA腎症の治療としては根本的治療方法が確立されていないため、対症療法が実施されている。具体的には、レニンアンギオテンシン系阻害剤、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制剤、口蓋扁桃摘出術、抗血小板薬、n-3系脂肪酸による治療が実施され、その他症例に即して、血圧管理、減塩、脂質管理、血糖管理、体重管理、禁煙が行われているが、根本的な治療法は確立されていない(非特許文献6)。

このようにIgA腎症をはじめとして慢性糸球体腎炎の発生機序の解明や治療法の開発について研究が精力的に行われているが、未だ治療剤の開発には至っておらず、慢性糸球体腎炎に対する新規治療剤の開発が切望されている。特に、IgA腎症に対する承認薬も現時点で一つもない。IgA腎症患者の約40%が腎不全に至り、高血圧、電解質異常などの合併症を併発することから、新規治療薬の創製が求められている(非特許文献7)。

プロテインキナーゼは生体内に種々存在し、広範囲な機能調節に関わっていることが知られている。Bruton’s tyrosine kinase(BTK)はTec kinase familyに属するプロテインキナーゼであり、B細胞、単球/マクロファージ、好中球、肥満細胞及び破骨細胞などの骨髄球系細胞に発現し、これらの細胞の機能制御に関わっている(非特許文献8、9)。BTKはB細胞受容体(B cell receptor(BCR))やFc受容体(FcR)ファミリーなどの免疫受容体シグナルの下流に位置し、B細胞では増殖、生存、分化及び活性化に関わり、単球/マクロファージや肥満細胞などでは、炎症性サイトカイン(腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)やインターロイキン1ベータ(IL-1β)など)や化学伝達物質(ヒスタミンやロイコトリエンなど)の発現制御に関わっている(非特許文献10)。BTKの活性を制御できる阻害剤は、BTKシグナル経路の異常亢進と関連した疾患(例えば、癌、アレルギー疾患、自己免疫疾患)の治療薬として有用であると考えられる。
近年、抗体産生に関わるB細胞に加え、Fc受容体(FcR)ファミリーやその関連分子を発現している単球/マクロファージ、好中球、肥満細胞及び破骨細胞などの種々の細胞が関節リウマチなどの自己免疫疾患の発症や病態進行に深く関わっていると考えられている(非特許文献11)。これら細胞の活性化又はその機能異常亢進にはBTKシグナルが関わっていることから(非特許文献9、10)、BTK阻害活性を有する化合物は自己免疫疾患に対する治療効果が期待される。また、BTKは肥満細胞の活性化にも関わっていることから、BTK阻害活性を有する化合物はB細胞や肥満細胞などが関与するアレルギー疾患に対する治療効果が期待される。
一般式(I)で表される縮合ピリミジン化合物群又はその塩は、BTKに対して高い阻害活性を持ち、癌や自己免疫疾患の治療剤として有用であることが知られている(特許文献1、2、3)。しかし、当該化合物がIgA腎症のような慢性糸球体腎炎に対して有効であることは全く知られていない。
現在知られているBTK阻害剤にはIburtinib(PCI-32765)やAcalabrutinib(ACP-196)があり(非特許文献12)、Iburutinibは現在日本国でイムブルビカ(登録商標)として慢性リンパ性白血病及びマントル細胞リンパ腫を適応症として承認されている。
しかし、現在までに、BTK阻害剤によるIgA腎症のような慢性糸球体腎炎の治療効果は知られておらず、治療方法も確立されていない。
国際公開第2015/022926号 国際公開第2016/121953号 国際公開第2016/121954号
Prakash et al., Clin Nephrol. 2008 Nov;70(5):377-84. Lai et al., Nat Rev Dis Primers. 2016 Feb 11;2:16001 Yeo et al., Pediatr Nephrol. 2018 May;33(5):763-777 Suzuki et al., Clinical and Experimental Nephrology 2019 23:26-31 Lim et al., Nephrology 2003 8(1):21-7) Lai et al., Kidney Dis 2015 1(1): 19-26. Donadio et al., N Engl J Med 2002; 347:738-748 Schaeffer and Schwartzberg,Curr Op Imm,2000,p282-288 Schmidt U.,et al.,Int Arch Allergy Immunol,134,2004 Ellmeier W.,et al.,FEBS Journal.,278,2011 Rommel C.,et al.,Nature reviews immunology,7,2007 Chengyuan L.,et al.,Eur J Med 151,2018;315-326
かかる状況に鑑み、慢性糸球体腎炎に対する新規治療剤が強く望まれている。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、BTK阻害作用を有する縮合ピリミジン化合物群又はその薬学的に許容される塩が慢性糸球体腎炎の治療剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の実施形態を含む。
[1-1]下記一般式(I)
Figure 0007304968000001
(式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
Yは、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rを示し;
W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
nは、0から2の整数を示し;
は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)で表される化合物又はその塩を有効成分とする慢性糸球体腎炎の治療剤。
[1-2] IgG産生抑制作用を有する、[1-1]に記載の治療剤。
[1-3] 免疫複合体-FCγ受容体を介した炎症性サイトカイン産生の抑制作用を有する、[1-1]又は[1-2]に記載の治療剤。
[2] 一般式(I)中、
Xが1,3-ピペリジニレンであり;
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、[1-1]~[1-3]のいずれかに記載の治療剤
[3] 有効成分が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、[1-1]~[1-3][2]の治療剤。
[4-1] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、[1-1]~[1-3][2][3]のいずれかに記載の治療剤。
[4-2] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症である、[1-1]~[1-3][2][3][4-1]のいずれかに記載の治療剤。
[4-3] 経口投与用の、[1-1]~[1-3][2][3][4-1][4-2]のいずれかに記載の治療剤。
[4-4] 他の治療剤又は外科的治療と組み合わせて用いられる、[1-1]~[1-3][2][3][4-1]~[4-3]のいずれかに記載の治療剤。
[4-5] 扁摘パルス療法と組み合わせて用いられる、[1-1]~[1-3][2][3][4-1]~[4-4]のいずれかに記載の治療剤。
[5-1] 下記一般式(I)
Figure 0007304968000002
(式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
Yは、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rを示し;
W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
nは、0から2の整数を示し;
は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する、慢性糸球体腎炎を治療するための医薬組成物。
[5-2] IgG産生抑制作用を有する、[5-1]に記載の医薬組成物。
[5-3] 免疫複合体-FCγ受容体を介した炎症性サイトカイン産生の抑制作用を有する、[5-1]又は[5-2]に記載の医薬組成物。
[6] 一般式(I)中、
Xが1,3-ピペリジニレンであり;
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、[5-1]~[5-3]のいずれかに記載の医薬組成物。
[7] 有効成分が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、[5-1]~[5-3][6]のいずれかに記載の医薬組成物。
[8-1] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、[5-1]~[5-3][6][7]のいずれかに記載の医薬組成物。
[8-2] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症である、[5-1]~[5-3][6][7][8-1]のいずれかに記載の医薬組成物。
[8-3] 経口投与用の、[5-1]~[5-3][6][7][8-1][8-2]のいずれかに記載の医薬組成物。
[8-4] 他の治療剤又は外科的治療と組み合わせて用いられる、[5-1]~[5-3][6][7][8-1]~[8-3]のいずれかに記載の医薬組成物。
[8-5] 扁摘パルス療法と組み合わせて用いられる、[5-1]~[5-3][6][7][8-1]~[8-4]のいずれかに記載の医薬組成物。
[9-1] 慢性糸球体腎炎の治療方法であって、下記一般式(I)
Figure 0007304968000003
(式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
Yは、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rを示し;
W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
nは、0から2の整数を示し;
は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
で表される化合物又はその塩の有効量を、それを必要とする対象に、投与する工程を含む、方法。
[9-2] 該投与により、IgG産生が抑制される、[9-1]に記載の方法。
[9-3] 該投与により、免疫複合体-FCγ受容体を介した炎症性サイトカイン産生が抑制される、[9-1]又は[9-2]に記載の方法。
[10] 一般式(I)中、
Xが1,3-ピペリジニレンであり;
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、[9-1]~[9-3]のいずれかに記載の方法。
[11] 前記一般式(I)の化合物が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、[9-1]~[9-3][10]に記載の方法。
[12-1] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、[9-1]~[9-3][10][11]のいずれかに記載の方法。
[12-2] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症である、[9-1]~[9-3][10][11][12-1]のいずれかに記載の方法。
[12-3] 前記一般式(I)の化合物又はその塩が経口投与される、[9-1]~[9-3][10][11][12-1][12-2]のいずれかに記載の方法。
[12-4] 他の治療剤又は外科的治療と併用される、[9-1]~[9-3][10][11][12-1]~[12-3]のいずれかに記載の方法。
[12-5] 扁摘パルス療法と併用される、[9-1]~[9-3][10][11][12-1]~[12-4]のいずれかに記載の方法。
[13-1] 慢性糸球体腎炎の治療に使用するための、下記一般式(I)
Figure 0007304968000004
(式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
Yは、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rを示し;
W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
nは、0から2の整数を示し;
は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
で表される化合物又はその塩。
[13-2] IgG産生抑制作用を有する、[13-1]に記載の化合物又はその塩。
[13-3] 免疫複合体-FCγ受容体を介した炎症性サイトカイン産生の抑制作用を有する、[13-1]又は[13-2]に記載の化合物又はその塩。
[14]一般式(I)中、
Xが1,3-ピペリジニレンであり;
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、[13-1]~[13-3]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[15] 有効成分が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、[13-1]~[13-3][14]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[16-1] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、[13-1]~[13-3][14][15]に記載の化合物又はその塩。
[16-2] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症である、[13-1]~[13-3][14][15][16-1]に記載の化合物又はその塩。
[16-3] 経口投与して慢性糸球体腎炎の治療に使用するための、[13-1]~[13-3][14][15][16-1][16-2]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[16-4] 他の治療剤又は外科的治療と組み合わせて慢性糸球体腎炎の治療に使用するための、[13-1]~[13-3][14][15][16-1]~[16-3]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[16-5] 扁摘パルス療法と組み合わせて慢性糸球体腎炎の治療に使用するための、[13-1]~[13-3][14][15][16-1]~[16-3]のいずれかに記載の化合物又はその塩。
[17-1] 慢性糸球体腎炎の治療剤を製造するための、下記一般式(I)
Figure 0007304968000005
(式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
Yは、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rを示し;
W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
nは、0から2の整数を示し;
は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
で表される化合物又はその塩の使用。
[17-2] 前記治療剤がIgG産生抑制作用を有する、[17-1]に記載の使用。
[17-3] 前記治療剤が免疫複合体-FCγ受容体を介した炎症性サイトカイン産生の抑制作用を有する、[17-1]又は[17-2]に記載の使用。
[18] 一般式(I)中、
Xが1,3-ピペリジニレンであり;
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、[17-1]~[17-3]のいずれかに記載の使用。
[19] 前記一般式(I)で表される化合物が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、[17-1]~[17-3][18]のいずれかに記載の使用。
[20-1] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、[17-1]~[17-3][18][19]のいずれかに記載の使用。
[20-2] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症である、[17-1]~[17-3][18][19][20-1]のいずれかに記載の使用。
[20-3] 経口投与用の慢性糸球体腎炎の治療剤を製造するための、[17-1]~[17-3][18][19][20-1][20-2]のいずれかに記載の使用。
[20-4] 他の治療剤又は外科的治療と組み合わせて用いられる、慢性糸球体腎炎の治療剤を製造するための、[17-1]~[17-3][18][19][20-1]~[20-3]のいずれかに記載の使用。
[20-5] 扁摘パルス療法と組み合わせて用いられる、慢性糸球体腎炎の治療剤を製造するための、[17-1]~[17-3][18][19][20-1]~[20-4]のいずれかに記載の使用。
[21-1] 慢性糸球体腎炎の治療方法であって、下記一般式(I)
Figure 0007304968000006
(式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
Yは、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rを示し;
W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
nは、0から2の整数を示し;
は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
で表される化合物又はその塩を、それを必要とする対象に投与することを含み、該投与により、高分子免疫複合体を形成するIgGが、免疫複合体-FCγ受容体を介した炎症性サイトカイン産生を抑制する、方法。
[21-2] 該投与により、IgG産生が抑制される、[21-1]に記載の方法。
[22] 一般式(I)中、
Xが1,3-ピペリジニレンであり;
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、[21-1]又は[21-2]に記載の方法。
[23] 前記一般式(I)で表される化合物が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、[21-1][21-2][22]のいずれかに記載の方法。
[24-1] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、[21-1][21-2][22][23]のいずれかに記載の方法。
[24-2] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症である、[21-1][21-2][22][23][24-1]のいずれかに記載の方法。
[24-3] 前記一般式(I)の化合物又はその塩が経口投与される、[21-1][21-2][22][23][24-1][24-2]のいずれかに記載の方法。
[24-4] 他の治療剤又は外科的治療と併用される、[21-1][21-2][22][23][24-1]~[24-3]のいずれかに記載の方法。
[24-5] 扁摘パルス療法と併用される、[21-1][21-2][22][23][24-1]~[24-4]のいずれかに記載の方法。
[25] 下記一般式(I)
Figure 0007304968000007
(式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
Yは、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rを示し;
W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
nは、0から2の整数を示し;
は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
で表される化合物又はその塩を、それを必要とする対象に、投与することを含む、腎機能低下を抑制する方法。[26] 一般式(I)中、
Xが1,3-ピペリジニレンであり;
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、[25]に記載の方法。
[27] 前記一般式(I)で表される化合物が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、[25]又は[26]に記載の方法。
[28] 腎機能低下が慢性糸球体腎炎に関連する、[25]~[27]のいずれかに記載の方法。
[29] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、[28]に記載の方法。
[30] 慢性糸球体腎炎がIgA腎症である、[28]又は[29]に記載の方法。
[31-1] 前記一般式(I)の化合物又はその塩が経口投与される、[25]~[30]のいずれかに記載の方法。
[31-2] 他の治療剤又は外科的治療と併用される、[25]~[30][31-1]のいずれかに記載の方法。
[31-3] 扁摘パルス療法と併用される、[25]~[30][31-1][31-2]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、慢性糸球体腎炎に対する新規治療剤が提供される。
本発明の好ましい形態によれば、IgA腎症に対する新規治療剤が提供される。
図1は、マウスB細胞における化合物1のIgG産生阻害を示す。 図2は、ヒト単球細胞における化合物1のTNFα産生阻害を示す。 図3は、HIGAマウスにおける化合物1の腎機能低下抑制効果を示す。
本発明の一形態は、下記一般式(I)で表される化合物又はその塩を有効成分とする、慢性糸球体腎炎(例えば、IgA腎症)の治療剤に関する。
Figure 0007304968000008
本発明の上記式(I)で表される化合物は、アミド結合を介してベンゾオキサゾール基又はオキサゾロピリジン基を置換基とする、1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン骨格又は7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン骨格を有する化合物である。上記式(I)で表される化合物は、BTKに対して阻害活性を有するBTK阻害剤である。
本願明細書において、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、ハロゲノアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキル-アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲノアルコキシ基、シクロアルコキシ基、シクロアルキル-アルコキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキル-アルキルチオ基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、シクロアルキル-アルキルアミノ基、アシル基、アシルオキシ基、オキソ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、カルバモイル基、飽和若しくは不飽和複素環基、芳香族炭化水素基、飽和複素環オキシ基等が挙げられ、前記置換基が存在する場合、その個数は典型的には1個、2個又は3個である。
本願明細書において「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
本願明細書において「アルキル基」としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基などのC1-C6アルキル基が挙げられる。
本願明細書において「ハロゲノアルキル基」としては、ハロゲン原子を1~13個有する炭素数1~6の直鎖状又は分枝鎖状アルキル基(ハロゲノC1-C6アルキル基)であり、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロエチル基、1,1,1-トリフルオロエチル基、モノフルオロ-n-プロピル基、パーフルオロ-n-プロピル基、パーフルオロイソプロピル基などのハロゲノC1-C6アルキル基、好ましくはハロゲノC1-C4アルキル基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルキル基」の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルなどのC3-C7シクロアルキル基が挙げられる。本願明細書において「シクロアルキレン」とは2価のシクロアルキルを示す。
本願明細書において「シクロアルキル-アルキル基」としては、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基及びシクロヘプチルメチル基などのC3-C7シクロアルキル置換C1-C4アルキル基が挙げられる。
本願明細書において「アラルキル基」としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルオレニルメチル基などのC7-C13アラルキル基が挙げられる。
本願明細書において「アルケニル基」としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、二重結合を少なくとも1個有する不飽和炭化水素基を意味し、例えばビニル基、アリル基、1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、イソプロペニル基、1-、2-若しくは3-ブテニル基、2-、3-若しくは4-ペンテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、5-ヘキセニル基、1-シクロペンテニル基、1-シクロヘキセニル基、3-メチル-3-ブテニル基などのC2-C6アルケニル基が挙げられる。
本願明細書において「アルキニル基」としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、三重結合を少なくとも1個有する不飽和炭化水素基を意味し、例えばエチニル基、1-若しくは2-プロピニル基、1-、2-若しくは3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基などのC2-C6アルキニル基が挙げられる。
本願明細書において「アルコキシ基」としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基などのC1-C6アルコキシ基が挙げられる。
本願明細書において「ハロゲノアルコキシ基」としては、ハロゲン原子を1~13個有する炭素数1乃至6の直鎖状又は分枝鎖状アルコキシ基であり(ハロゲノC1-C6アルコキシ基)、例えば、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、フルオロエトキシ基、1,1,1-トリフルオロエトキシ基、モノフルオロ-n-プロポキシ基、パーフルオロ-n-プロポキシ基、パーフルオロ-イソプロポキシ基などのハロゲノC1-C6アルコキシ基、好ましくはハロゲノC1-C4アルコキシ基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルコキシ基」の具体例としては、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基及びシクロヘプチルオキシ基などのC3-C7シクロアルコキシ基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルキル-アルコキシ基」としては、シクロプロピルメトキシ基、シクロブチルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基及びシクロヘプチルメトキシ基などのC3-C7シクロアルキル置換C1-C4アルコキシ基が挙げられる。
本願明細書において「アラルキルオキシ基」としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメチルオキシ基、フルオレニルメチルオキシ基などのC7-C13アラルキルオキシ基が挙げられる。
本願明細書において「アルキルチオ基」としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n-ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ヘキシルチオ基などのC1-C6アルキルチオ基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルキル-アルキルチオ基」としては、シクロプロピルメチルチオ基、シクロブチルメチルチオ基、シクロペンチルメチルチオ基、シクロヘキシルメチルチオ基及びシクロヘプチルメチルチオ基などのC3-C7シクロアルキル置換C1-C4アルキルチオ基が挙げられる。
本願明細書において「モノアルキルアミノ基」としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n-プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n-ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、n-ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-C6アルキル基でモノ置換されたアミノ基が挙げられる。
本願明細書において「ジアルキルアミノ基」としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n-プロピル)アミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ(n-ブチル)アミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ(tert-ブチル)アミノ基、ジ(n-ペンチル)アミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基などの直鎖状又は分枝鎖状のC1-C6アルキル基でジ置換されたアミノ基が挙げられる。
本願明細書において「シクロアルキル-アルキルアミノ基」としては、シクロプロピルメチルアミノ基、シクロブチルメチルアミノ基、シクロペンチルメチルアミノ基、シクロヘキシルメチルアミノ基及びシクロヘプチルメチルアミノ基などのC3-C7シクロアルキル置換C1-C4アルキルアミノ基が挙げられる。
本願明細書において「アシル基」は、アルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基を意味する。
本願明細書において「アルキルカルボニル基」としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、ヘキシルカルボニルなどの直鎖状又は分枝鎖状の(C1-C6アルキル)カルボニル基が挙げられる。
本願明細書において「アリールカルボニル基」としては、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、フルオレニルカルボニル、アントリルカルボニル、ビフェニリルカルボニル、テトラヒドロナフチルカルボニル、クロマニルカルボニル、2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキサナフタレニルカルボニル、インダニルカルボニル及びフェナントリルカルボニルなどの(C6-C18アリール)カルボニル基が挙げられる。
本願明細書において「アシルオキシ基」は、アルキルカルボニルオキシ基又はアリールカルボニルオキシ基を意味する。
本願明細書において「アルキルカルボニルオキシ基」としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n-プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、n-ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、tert-ブチルカルボニルオキシ、n-ペンチルカルボニルオキシ、イソペンチルカルボニルオキシ、ヘキシルカルボニルオキシなどの直鎖状又は分枝鎖状の(C1-C6アルキル)カルボニルオキシ基が挙げられる。
本願明細書において「アリールカルボニルオキシ基」としては、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ、フルオレニルカルボニルオキシ、アントリルカルボニルオキシ、ビフェニリルカルボニルオキシ、テトラヒドロナフチルカルボニルオキシ、クロマニルカルボニルオキシ、2,3-ジヒドロ-1,4-ジオキサナフタレニルカルボニルオキシ、インダニルカルボニルオキシ及びフェナントリルカルボニルオキシなどの(C6-C18アリール)カルボニルオキシ基が挙げられる。
本願明細書において「アルコキシカルボニル基」としては、直鎖状又は分枝鎖状のいずれでもよく、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基及びヘキシルオキシカルボニル基などの(C1-C6アルコキシ)カルボニル基が挙げられる。
本願明細書において「アラルキルオキシカルボニル基」としては、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、ナフチルメチルオキシカルボニル基、フルオレニルメチルオキシカルボニル基などの(C7-C13アラルキル)オキシカルボニル基が挙げられる。
本願明細書において「飽和複素環基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を有する飽和の複素環基であり、具体的には、モルホリノ基、1-ピロリジニル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、4-メチル-1-ピペラジニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオフェニル基、チアゾリジニル基、オキサゾリジニル基が挙げられる。
本願明細書において「不飽和複素環基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を有する、単環式若しくは多環式の、完全不飽和又は部分不飽和の複素環基であり、具体的にイミダゾリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、イソインドリル基、インダゾリル基、トリアゾロピリジル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、メチレンジオキシフェニル基、エチレンジオキシフェニル基、ジヒドロベンゾフラニル基等が挙げられる。
本願明細書において「芳香族炭化水素基」としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、テトラヒドロナフチル基等のC6-C14の芳香族炭化水素基が挙げられる。
本願明細書において「飽和複素環オキシ基」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択されるヘテロ原子を有する飽和複素環が結合したオキシ基であり、具体的には、モルホリニルオキシ基、1-ピロリジニルオキシ基、ピペリジノオキシ基、ピペラジニルオキシ基、4-メチル-1-ピペラジニルオキシ基、テトラヒドロフラニルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、テトラヒドロチオフェニルオキシ基、チアゾリジニルオキシ基、オキサゾリジニルオキシ基が挙げられる。
なお、本明細書における置換基の記載において「CA-CB」とは、炭素数がA~Bの置換基であることを示す。例えば、「C1-C6アルキル基」は炭素数1~6のアルキル基を示し、「C6-C14芳香族炭化水素オキシ基」は、炭素数6~14の芳香族炭化水素基が結合したオキシ基を示す。また「A~B員」とは、環を構成する原子数(環員数)がA~Bであることを示す。例えば「4~10員飽和複素環基」とは、環員数が4~10である飽和複素環基を意味する。
一般式(I)中、Xは、置換基を有してもよい含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示す。具体的には、Xは、置換基を有しても良い、窒素原子を少なくとも1個環内に含み、更に酸素原子又は硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を0~2個環内に含む、炭素数3~10の2価のヘテロシクロアルキレン(含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレン)を示し、具体的にはアゼチジニレン、ピロリジニレン、ピペリジニレン、ピペラジニレン、モルホリニレン、オクタヒドロキノリニレン、オクタヒドロインドリレン等が挙げられる。
Xは、好ましくは、置換基を有しても良い、窒素原子を1個環内に含む炭素数3~5のヘテロシクロアルキレン(含窒素C3-C5ヘテロシクロアルキレン)であり、さらに好ましくはアゼチジニレン、ピロリジニレン、又はピペリジニレンであり、さらに好ましくは1,3-アゼチジニレン、1,3-ピロリジニレン、又は1,3-ピペリジニレンである。
これらのヘテロシクロアルキレン上の置換基としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくは無置換である。
Xで示される含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレン基の窒素原子は、一般式(I)中の-COYのカルボニル基と結合しているのが好ましい。
さらに、Xで示される含窒素C3-C5ヘテロシクロアルキレン基の窒素原子は、一般式(I)中の-COYのカルボニル基と結合しているのが好ましい。
一般式(I)中、W及びZは、各々独立してN又はCHであり、好ましくはZがNでWがNであるか、ZがCHでWがN又はCHである。
一般式(I)中、nは、0から2の整数を示し、好ましくは0である。
一般式(I)中、Rで示される「置換基を有しても良いアミノ基」における「置換基」としては前記のような置換基が例示されるが、好ましく無置換である。
で示される「置換基を有しても良いアミノ基」は、好ましくはアミノ基である。
一般式(I)中、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示す。
一般式(I)中、R又はRで示される「ハロゲン原子」は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子である。
一般式(I)中、R又はRで示される「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」における「C1-C6アルキル基」は、好ましくはC1-C4アルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、又はtert-ブチル基であり、さらに好ましくはメチル基、又はエチル基である。
又はRで示される「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」における「置換基」としては、好ましくは無置換、ハロゲン原子、又はC1-C4アルコキシ基であり、さらに好ましくは、無置換、フッ素原子、又はメトキシ基である。置換基を有する場合、置換基の数は特に制限されないが、置換基がハロゲン原子の場合は好ましくは1~3個、置換基がC1-C4アルコキシ基の場合は好ましくは1個である。
2又はR3で示される「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」は、好ましくはC1-C6アルキル基、ハロゲノC1-C6アルキル基、又はC1-C4アルコキシ置換C1-C6アルキル基であり、より好ましくはC1-C4アルキル基、ハロゲノC1-C4アルキル基、又はC1-C4アルコキシ置換C1-C4アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、メトキシエチル基、又はエトキシエチル基であり、さらに好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、又はメトキシエチル基である。
一般式(I)中、R又はRで示される「置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基」における「C1-C6アルコキシ基」としては、好ましくは「C1-C4アルコキシ基」であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、又はn-ブトキシ基であり、さらに好ましくはメトキシ基である。
又はRで示される「置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくは無置換である。
又はRで示される「置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基」としては、好ましくはC1-C6アルコキシ基であり、より好ましくはC1-C4アルコキシ基であり、さらに好ましくはメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、又はn-ブトキシ基であり、さらに好ましくはメトキシ基である。
一般式(I)中、R又はRで示される「置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基」における「C3-C7シクロアルキル基」としては、好ましくはC3-C6シクロアルキル基であり、より好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基である。
又はRで示される「置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくは無置換である。
又はRで示される「置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基」としては、好ましくはC3-C6シクロアルキル基であり、より好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基である。
一般式(I)中、R又はRで示される「置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基」における「C6-C14芳香族炭化水素基」は、好ましくはフェニル基、ナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。
又はRで示される「置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基」における「置換基」としては、好ましくは無置換、又はハロゲン原子であり、さらに好ましくは、無置換、又は塩素原子、フッ素原子である。置換基を有する場合、置換基の数は特に制限されないが、好ましくは1~3個である。
又はRで示される「置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基」は、好ましくは無置換、又はハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基又はナフチル基であり、より好ましくはフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、又はトリクロロフェニル基であり、さらに好ましくはフェニル基、又はクロロフェニル基であり、特に好ましくはフェニル基、又は4-クロロフェニル基である。
一般式(I)中、R又はRで示される「置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式又は多環式の不飽和複素環基」における「窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式又は多環式の不飽和複素環基」は、好ましくは窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1個含む4~6員の単環式の不飽和複素環基であり、より好ましくは硫黄原子を1個含む4~6員の単環式の不飽和複素環基であり、さらに好ましくはチエニル基であり、さらに好ましくは2-チエニル基である。
又はRで示される「置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式又は多環式の不飽和複素環基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくは無置換である。
又はRで示される「置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種又は異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式又は多環式の不飽和複素環基」は、好ましくは窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を1個含む4~6員の単環式の不飽和複素環基であり、より好ましくは硫黄原子を1個含む4~6員の単環式の不飽和複素環基であり、さらに好ましくはチエニル基であり、さらに好ましくは2-チエニル基である。
一般式(I)中、Yは、-C(R)=C(R)(R)又は-C≡C-Rである。
一般式(I)中、R、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。
一般式(I)中、R、R、又はRで示される「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」における「C1-C6アルキル基」としては、好ましくはC1-C4アルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、又はtert-ブチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
、R、又はRで示される「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」における「置換基」としては、好ましくは無置換、又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基(C1-C4アルキル基はこれらが結合する窒素原子と共に4~8員環のヘテロシクロアルキル基を形成しても良い。)であり、さらに好ましくは無置換、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルイソプロピルアミノ基、1-ピペリジニル基、又は1-ピロリジニル基である。「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」が置換基を有する場合、置換基の数は特に制限されないが、好ましくは1個である。
、R、又はRで示される「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」としては、好ましくはC1-C4アルキル基、又は2個のC1-C4アルキル基で置換されたアミノ基で置換されているC1-C4アルキル基(C1-C4アルキル基はこれらが結合する窒素原子と共に4~8員環のヘテロシクロアルキル基を形成しても良い。)であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、1-ピペリジニルメチル基、又は1-ピロリジニルメチル基である。
一般式(I)中、Rで示される「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」における「C1-C6アルキル基」は、好ましくはC1-C4アルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又はn-ブチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
で示される「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」における「置換基」としては、前記のような置換基が例示されるが、好ましくは無置換である。
で示される「置換基を有しても良いC1-C6アルキル基」としては、好ましくはC1-C4アルキル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、又はn-ブチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
一般式(I)中、Yで示される-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rは、特に好ましくは
Figure 0007304968000009
より選択されるいずれかである。
一実施形態において、一般式(I)で表される化合物は、
Xが、含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンであり;
Yが、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rであり;
W及びZが、各々独立してN又はCHであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRが、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基であり;
4、R5、R6及びR7が、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基である化合物又はその塩が好ましい。
この場合、一般式(I)で表される化合物は、
Xが、含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンであり(ここで窒素原子は一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する);
Yが、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rであり;
W及びZが、各々独立してN又はCHであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRが、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基であり;
、R、R及びRが、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基である化合物又はその塩がより好ましい。
一実施形態において、一般式(I)で表される化合物は、
Xが、アゼチジニレン、ピロリジニレン、又はピペリジニレンであり;
Yが、-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-R7であり;
W及びZが、各々独立してN又はCHであり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3が、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基であり;
4、R5、R6及びR7が、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基である、化合物又はその塩が好ましい。
この場合、一般式(I)で表される化合物において、
Xが、アゼチジニレン、ピロリジニレン、又はピペリジニレンであり(ここで窒素原子は一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する);
Yが、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rであり;
W及びZが、各々独立してN又はCHであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びR3が、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基であり;
、R、R及びRが、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基である、化合物又はその塩がより好ましい。
一実施形態において、一般式(I)で表される化合物は
Xが、アゼチジニレン、ピロリジニレン、又はピペリジニレンであり;
Yが、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rであり;
W及びZが、独立してN又はCHであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子又はC1-C6アルキル基であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロゲノC1-C6アルキル基、C1-C4アルコキシ置換C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基、硫黄原子を1個含む4~6員の単環式の不飽和複素環基、又はシアノ基であり;
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)である場合、
4、R5、及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、C1-C6アルキル基、2個のC1-C6アルキル基で置換されたアミノ基で置換されているC1-C6アルキル基(C1-C6アルキル基はこれらが結合する窒素原子と共に4ー8員環のヘテロシクロアルキル基を形成しても良い。)であり;
Yが-C≡C-R7である場合、
7が、水素原子又はC1-C6アルキル基である、化合物又はその塩が好ましい。
この場合、一般式(I)で表される化合物において、
Xが、アゼチジニレン、ピロリジニレン、又はピペリジニレンであり(ここで窒素原子は
一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する);
Yが、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rであり;
W及びZが、独立してN又はCHであり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子又はC1-C6アルキル基であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、C1-C6アルキル基、ハロゲノC1-C6アルキル基、C1-C4アルコキシ置換C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基、硫黄原子を1個含む4~6員の単環式の不飽和複素環基、又はシアノ基であり;
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)である場合、
4、R5、及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、C1-C6アルキル基、2個のC1-C6アルキル基で置換されたアミノ基で置換されているC1-C6アルキル基(C1-C6アルキル基はこれらが結合する窒素原子と共に4ー8員環のヘテロシクロアルキル基を形成しても良い。)であり;
Yが-C≡C-R7である場合、
7が、水素原子又はC1-C6アルキル基である、化合物又はその塩がより好ましい。
一実施形態において、一般式(I)で表される化合物は、
Xが、1,3-アゼチジニレン、1,3-ピロリジニレン、又は1,3-ピペリジニレンであり;
Yが、-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-R7であり;
ZがNのとき、WがNであり、ZがCHのとき、WがN又はCHであり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子又はC1-C4アルキル基であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、C1-C4アルキル基、ハロゲノC1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ置換C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基、硫黄原子を1個含む4~6員の単環式の不飽和複素環基、又はシアノ基であり;
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)である場合、
4、R5、及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、C1-C6アルキル基、2個のC1-C6アルキル基で置換されたアミノ基で置換されているC1-C6アルキル基(C1-C6アルキル基はこれらが結合する窒素原子と共に4~8員環のヘテロシクロアルキル基を形成しても良い。)であり;
Yが-C≡C-R7である場合、
7が、水素原子又はC1-C4アルキル基である、化合物又はその塩が好ましい。
この場合、一般式(I)で表される化合物は、
Xが、1,3-アゼチジニレン、1,3-ピロリジニレン、又は1,3-ピペリジニレンであり(ここで窒素原子は一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する);
Yが、-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-R7であり;
ZがNのとき、WがNであり、ZがCHのとき、WがN又はCHであり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子又はC1-C4アルキル基であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、C1-C4アルキル基、ハロゲノC1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ置換C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていても良いフェニル基、硫黄原子を1個含む4~6員の単環式の不飽和複素環基、又はシアノ基であり;
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)である場合、
4、R5、及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、C1-C6アルキル基、2個のC1-C6アルキル基で置換されたアミノ基で置換されているC1-C6アルキル基(C1-C6アルキル基はこれらが結合する窒素原子と共に4~8員環のヘテロシクロアルキル基を形成しても良い。)であり;
Yが-C≡C-R7である場合、
7が、水素原子又はC1-C4アルキル基である、化合物又はその塩がより好ましい。
一実施形態において、一般式(I)で表される化合物は、
Xが、1,3-アゼチジニレン、1,3-ピロリジニレン、又は1,3-ピペリジニレンであり;
Yが、-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-R7であり;
ZがNのとき、WがNであり、ZがCHのとき、WがN又はCHであり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子又はメチル基であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシエチル基、メトキシ基、フェニル基、4-クロロフェニル基、2-チエニル基、又はシアノ基であり;
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)である場合、
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、メチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、1-ピペリジニルメチル基、又は1-ピロリジニルメチル基であり;
Yが-C≡C-R7である場合、
7がメチル基である、化合物又はその塩が好ましい。
この場合、一般式(I)で表される化合物は、
Xが、1,3-アゼチジニレン、1,3-ピロリジニレン、又は1,3-ピペリジニレンであり(ここで窒素原子は一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する);
Yが、-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-R7であり;
ZがNのとき、WがNであり、ZがCHのとき、WがN又はCHであり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子又はメチル基であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシエチル基、メトキシ基、フェニル基、4-クロロフェニル基、2-チエニル基、又はシアノ基であり;
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)である場合、
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、メチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、1-ピペリジニルメチル基、又は1-ピロリジニルメチル基であり;
Yが-C≡C-R7である場合、
7がメチル基である、化合物又はその塩がより好ましい。
一実施形態において、一般式(I)で表される化合物において、
(1)ZがNで、WがNの場合、
Xが1,3-ピペリジニレンで、
Yがビニル基であり、
(2)ZがCHで、WがNの場合、
Xが1,3-ピロリジニレン、又は1,3-ピペリジニレンで、
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-(R7)であり、
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)の場合、
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、メチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、1-ピペリジニルメチル基、又は1-ピロリジニルメチル基であり、
Yが-C≡C-(R7)の場合、
7がメチル基であり、
(3)ZがCHで、WがCHの場合、
Xが1,3-アゼチジニレン、又は1,3-ピロリジニレンで、
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)であり、
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、1-ピペリジニルメチル基又は1-ピロリジニルメチル基であり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子又はメチル基であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メトキシエチル基、フェニル基、2-チエニル基、又はシアノ基である、化合物又はその塩が好ましい。
この場合、一般式(I)で表される化合物において、
(1)ZがNで、WがNの場合、
Xが1,3-ピペリジニレンで(ここで窒素原子は一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する)、
Yがビニル基であり、
(2)ZがCHで、WがNの場合、
Xが1,3-ピロリジニレン、又は1,3-ピペリジニレンで(ここで窒素原子は一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する)、
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-(R7)であり、
Yが-C(R4)=C(R5)(R6)の場合、
4、R5及びR6が、同一又は相異なって、水素原子、メチル基、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、1-ピペリジニルメチル基、又は1-ピロリジニルメチル基であり、
Yが-C≡C-(R7)の場合、
7がメチル基であり、
(3)ZがCHで、WがCHの場合、
Xが1,3-アゼチジニレン、又は1,3-ピロリジニレンで(ここで窒素原子は一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する)、
Yが-C(R)=C(R)(R)であり、
、R及びRが、同一又は相異なって、水素原子、ジメチルアミノメチル基、メチルエチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、メチルイソプロピルアミノメチル基、1-ピペリジニルメチル基又は1-ピロリジニルメチル基であり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子又はメチル基であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メトキシエチル基、フェニル基、2-チエニル基、又はシアノ基である、化合物又はその塩がより好ましい。
一実施形態において、一般式(I)で表される化合物は、
Xが1,3-ピペリジニレンであり;
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、化合物又はその塩が好ましい。
この場合、一般式(I)で表される化合物は、
Xが1,3-ピペリジニレンであり(ここで窒素原子は一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する);
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
1がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、化合物又はその塩がより好ましい。
一実施形態において、一般式(I)で表される化合物は、
Xが1,3-ピペリジニレンであり;
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
2及びR3の一方が水素原子であり、他方が水素原子、又はハロゲン原子である、化合物又はその塩が特に好ましい。
この場合、一般式(I)で表される化合物は、
Xが1,3-ピペリジニレンであり(ここで窒素原子は一般式(I)の-COYのカルボニル基と結合する);
Yがビニル基であり;
ZがCHであり;
WがNであり;
nが0であり;
がアミノ基であり;
及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、又はハロゲン原子である、化合物又はその塩が特に好ましい。
具体的な化合物としては、以下のものが例示できるが、これらには限定されるわけではない。

(1)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(2)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-ブロモベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(3)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-(チオフェン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(4)(R)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-メタクリロイルピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(5)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(ブタ-2-エノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(6)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-シアノベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(7)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-メトキシベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(8)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-(2-メトキシエチル)ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(9)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、)
(10)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(4-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(11)(R)-4-アミノ-N-(5-フルオロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-メタクリロイルピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(12)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-フルオロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(13)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(14)(R,E)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(ブタ-2-エノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]
ピリミジン-3-カルボキサミド、
(15)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(16)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(エチル(メチル)アミノ)ブタ-2-エノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(17)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ジエチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(18)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(イソプロピル(メチル)アミノ)ブタ-2-エノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(19)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ピロリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(20)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ピペリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(21)(R,E)-4-アミノ-N-(5-(チオフェン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(22)(R)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(ブタ-2-イノイル)ピペリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(23)(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5,6-ジメチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(24)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(25)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(26)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(3-メチルブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(27)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(28)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-(チオフェン-2-イル)ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(29)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(30)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-フルオロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(31)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-(4-クロロフェニル)ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(32)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(33)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(エチル(メチル)アミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(34)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ジエチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(35)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(イソプロピル(メチル)アミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(36)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ピロリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(37)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ピペリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(38)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-メトキシベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(39)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-シアノベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(40)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-(2-メトキシエチル)ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(41)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(42)(R,E)-4-アミノ-N-(5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(43)(R)-1-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(44)(R,E)-4-アミノ-N-(5-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(45)1-(1-アクリロイルアゼチジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド、
(46)7-(1-アクリロイルアゼチジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(47)(E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エノイル)アゼチジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(48)(R)-7-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(49)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(50)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(エチル(メチル)アミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(51)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(ジエチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(52)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(イソプロピル(メチル)アミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(53)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(ピロリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(54)(R,E)-4-アミノ-N-(5-クロロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(ピぺリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(55)(R)-7-(1-アクリロイルピロリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(56)(R,E)-4-アミノ-N-(5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(57)(R,E)-4-アミノ-N-(5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(エチル(メチル)アミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(58)(R,E)-4-アミノ-N-(5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(ジエチルアミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(59)(R,E)-4-アミノ-N-(5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(イソプロピル(メチル)アミノ)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(60)(R,E)-4-アミノ-N-(5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(ピロリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド、
(61)(R,E)-4-アミノ-N-(5-フェニルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-7-(1-(4-(ピぺリジン-1-イル)ブタ-2-エノイル)ピロリジン-3-イル)7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-5-カルボキサミド。
本発明の一実施形態は、(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド(化合物1)又はその塩を有効成分とする、慢性糸球体腎炎(例えば、IgA腎症)の治療剤に関する。
化合物1は、BTKに対して阻害活性を有するBTK阻害剤であり、下記一般式(II)で表される縮合ピリミジン化合物である。
Figure 0007304968000010
本発明の式(I)で表される化合物又はその塩は、BTK阻害活性を有する公知の化合物である。本明細書において「BTK」とは、ヒト又は非ヒト哺乳動物のBTKを含み、好ましくはヒトBTKである。また、「BTK」の語にはアイソフォームが含まれる。
「BTK阻害活性」は、例えば、国際公開WO2015/022926号公報に記載される試験例1の方法で測定することができる。
本発明者らは、BTKに対して高い阻害活性を持つ本発明の化合物又はその塩が、慢性糸球体腎炎(特に、IgA腎症)の治療に有用であることを発見した。特に、IgA腎症では、分泌されたガラクトース欠損型糖鎖修飾IgAに対するIgGが産生され、これらが高分子免疫複合体を形成し、高分子免疫複合体を形成するIgGが、FCγ受容体を介して炎症性サイトカイン産生を誘導することが病態の発症と深く関連することが知られている。BTK阻害活性を有する本発明の化合物又はその塩は、驚くべきことに、IgG産生抑制作用(試験例1)、及び、免疫複合体-FCγ受容体を介した炎症性サイトカイン産生の抑制作用(試験例2)を有し、これにより腎機能低下を抑制し得るものである。
本発明が対象とする疾患は、慢性糸球体腎炎である。一実施形態において、慢性糸球体腎炎は、IgA腎症、膜性腎症、膜性増殖性糸球体腎炎、紫斑病性腎炎及び巣状糸球体硬化症から選択される。一実施形態において対象とする疾患は、IgA腎症又は紫斑病性腎炎である。一実施形態において対象とする疾患は、IgA腎症である。
IgA腎症とは、原発性糸球体疾患の中で最も頻度の高い疾患であり、糸球体性の血尿,尿蛋白陽性尿所見を呈し、メサンギウム領域へのIgAの有意な沈着を特徴とし、またその原因となりうる基礎疾患が認められない病態である。IgA腎症の確定診断は、例えば、腎生検サンプルに対するPAS染色(メサンギウム細胞の増殖)や蛍光抗体法(メサンギウム領域へのIgAの沈着)による病理組織学的解析により実施される。
本発明において、IgA腎症は、原発性のIgA腎症だけでなく、腎移植後に再発したIgA腎症を包含する。
紫斑病性腎炎とは、慢性糸球体腎炎の中で血管性紫斑病の一症状としてみられる腎炎で、紫斑病に伴い、糸球体にIgAが沈着することを特徴とする糸球体腎炎である。紫斑病性腎炎の病因は未だ明らかではないが、IgA腎症と同様に腎糸球体メサンギウム領域にIgA優位の沈着が認められ、IgAを含む免疫複合体が関与することが知られている。
本発明において「腎機能」とは、生物が生きていくために体内の老廃物を濾過して排泄することを行っている腎臓の機能のことである。「腎機能低下」とは腎臓の機能不全により、老廃物を正常に排泄できないことを示す。腎機能の測定方法としては、例えば、血液検査としては尿素窒素(BUN)、クレアチニン、GFR(Glomerular Filtration Rate(糸球体濾過量)の測定、尿検査としては尿蛋白や尿潜血の検査により実施できる。
本発明の化合物及びその塩は、公知の有機合成法により製造することができる。例えば、国際公開WO2015/022926号公報及び国際公開WO2016/121954号等に記載の方法に準じて製造することができる。
本発明の化合物が、光学異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体等の異性体を有する場合には、特に明記しない限り、いずれの異性体も混合物も本発明の化合物に包含される。例えば、本発明の化合物に光学異性体が存在する場合には、特に明記しない限り、ラセミ体及びラセミ体から分割された光学異性体も本発明の化合物に包含される。
本発明の化合物の塩とは、薬学的に許容される塩を意味し、塩基付加塩又は酸付加塩を挙げることができる。
「薬学的に許容される塩」とは、化合物の望ましい薬理活性を有する塩であって、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を意味する。
そのような塩としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸との酸付加塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、グルタミン酸などの有機酸との酸付加塩;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムなどの無機塩基との塩;メチルアミン、エチルアミン、メグルミン、エタノールアミンなどの有機塩基との塩;又はリジン、アルギニン、オルニチンなどの塩基性アミノ酸との塩;及びアンモニウム塩が挙げられる。薬学的に許容される塩の作製としては例えば、国際公開WO2016/121954号等に記載の方法にて合成することができる。
本発明の化合物又はその塩には、そのプロドラッグも含まれる。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により本発明の化合物又はその塩に変換する化合物、即ち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして本発明の化合物又はその塩に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして本発明の化合物又はその塩に変化する化合物をいう。また、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で本発明の化合物又はその塩に変化するものであってもよい。
本発明の化合物又はその塩は、アモルファス(非晶質体)であっても、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても多形混合物であっても本発明の化合物又はその塩に包含される。結晶は、公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。本発明の化合物又はその塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも本発明の化合物又はその塩に包含される。同位元素(例えば、H、14C、35S、125Iなど)などで標識された化合物も、本発明の化合物又はその塩に包含される。空間的に規則的な原子配列及び物理化学的性質が異なる複数の結晶(結晶多形)が生成することがあるが、本発明にかかる塩は、これら結晶多形のいずれであってもよく、2以上の結晶多形の混合物、更には結晶と非晶質体の混合物であってもよい。
本発明の一実施形態において、本発明の化合物又はその塩は、上記式(I)で表される化合物のフマル酸塩(本発明の化合物のフマル酸塩)である。本発明の特定の実施形態において、本発明の化合物又はその塩は、化合物1のフマル酸塩である。「本発明の化合物のフマル酸塩」と記載した場合は、化合物とフマル酸との塩体であればいずれでもよく、1フマル酸塩、1/2フマル酸塩を包含する。更には、化合物のフマル酸塩の結晶、及び、化合物のフマル酸塩の非晶質体の、いずれをも含む意味で用いられる。
本発明の一実施形態において、本発明の化合物又はその塩は、化合物1のフマル酸塩である。化合物1のフマル酸塩として、好ましくは、化合物1の1フマル酸塩(「化合物1・1フマル酸塩」と略す場合あり)、化合物1の1/2フマル酸塩であり、より好ましくは、化合物1の1フマル酸塩(結晶)、化合物1の1/2フマル酸塩(結晶)、化合物1の1フマル酸塩(非晶質体)であり、特に好ましくは、化合物1の1フマル酸塩(結晶)、化合物1の1/2フマル酸塩(結晶)である。
なお、空間的に規則的な原子配列及び物理化学的性質が異なる複数の結晶(結晶多形)が生成することがあるが、本発明にかかる塩は、これら結晶多形のいずれであってもよく、2以上の結晶多形の混合物、更には結晶と非晶質体の混合物であってもよい。
また、本発明の化合物のフマル酸塩のラベル体、すなわち、本発明の化合物やフマル酸の、1つ以上の原子を放射性同位元素若しくは非放射性同位元素で置換した化合物も、本発明に包含される。
本発明の化合物のフマル酸塩の結晶形態の具体的形態及び製造方法は、例えば、国際公開WO2016/121954号等に記載されている。
本明細書において、本発明の化合物の「有効量」という用語は、対象の生物学的又は医学的応答、例えば、酵素やタンパク質活性の減少もしくは阻害を引き起こし、又は症状を改善し、状態を緩和し、疾患の進行を遅くもしくは遅延させ、又は疾患を予防する、などの、本発明の化合物の量(治療上有効な量)を指す。
本明細書において、「対象」という用語は、哺乳動物及び非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、限定されないが、ヒト、チンパンジー、類人猿、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、モルモット、ハリネズミ、カンガルー、モグラ、イノシシ、クマ、トラ、ライオンなどが挙げられる。非哺乳動物の例としては、限定されないが、鳥類、魚類、は虫類などが挙げられる。一実施形態において、対象はヒトであり、本明細書で開示される症状、状態、又は疾患のための処置を必要とすると診断されたヒトであってもよい。
本発明の治療剤を投与される対象の年齢は、特に限定されない。本発明の治療剤は、成人だけでなく、高齢者又は小児におけるにも用いることができる。
本発明において「治療」には、上記慢性糸球体腎炎の治療、特にIgA腎症の治療のほか、慢性糸球体腎炎(特にIgA腎症)に伴う腎機能低下の進行抑制効果、その他、慢性糸球体腎炎(特にIgA腎症)に伴う症状の軽減が包含される。
本発明の治療剤は、有効成分を単独で提供することができる。また、慢性糸球体腎炎(特にIgA腎症)の治療剤は、有効成分の本発明の化合物又はその塩以外に、必要に応じて薬学的に許容される担体等を配合することもできる。このように、本発明の治療剤は、1成分からなる又は2以上の成分を含む医薬組成物として調製されることができる。本発明の一形態は、本発明の化合物又はその塩を含む医薬組成物が提供する。本発明の一実施形態の医薬組成物は、本発明の化合物又はその塩、及び薬学的に許容される担体を含む。また、本発明の一実施形態は、治療剤又は医薬組成物を製造するための本発明の化合物又はその塩の使用を提供する。本発明の別の一実施形態は、治療剤又は医薬として使用するための本発明の化合物又はその塩を提供する。
本発明の別の一実施形態は、慢性糸球体腎炎の治療方法であって、本発明の化合物又はその塩の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法を提供する。一実施形態において、該方法は、該投与により、高分子免疫複合体を形成するIgGが、免疫複合体-FCγ受容体を介した炎症性サイトカイン産生を抑制する。
本発明の別の一実施形態は、本発明の化合物又はその塩を、それを必要とする対象に、投与することを含む、腎機能低下を抑制する方法を提供する。一実施形態において、腎機能低下は慢性糸球体腎炎に関連する。一実施形態において、腎機能低下はIgA腎症に関連する。
本発明の治療剤は、他の治療剤又は外科的治療と併用して提供することができる。慢性糸球体腎炎(特にIgA腎症)の根本的治療剤はないが、例えば、ステロイド薬の大量投与(点滴投与)と扁桃腺の摘出手術を組み合わせた「扁桃摘出術+ステロイドパルス療法」(扁摘パルス療法)と併用することができる。
本発明の治療剤は、必要に応じて薬学的に許容される担体を用いて、公知の方法により各種投与製剤として製造することができる。投与形態は、経口又は非経口の何れであってもよい。かかる製剤形態としては特に制限はなく、錠剤、被覆錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤等の経口剤、注射剤、坐剤、吸入剤等の非経口剤などが例示できる。
本発明の一実施形態は、本発明の治療剤又はその塩を有効成分とする経口投与用の慢性糸球体腎炎の治療剤を提供する。また、本発明の一実施形態は、慢性糸球体腎炎の予防及び/又は治療方法であって、それを必要とする対象に、本発明の化合物又はその塩の有効量を経口投与することを含む方法を提供する。また、本発明の一実施形態は、経口投与用の慢性糸球体腎炎の治療剤を製造するための本発明の化合物またはその塩の使用が提供される。また、本発明の一実施形態は、経口投与して慢性糸球体腎炎の予防及び/又は治療に使用するための本発明の化合物またはその塩が提供される。
錠剤の形態に成形するに際しては、薬学的に許容される担体として、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、コーンスターチ、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤;乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等の崩壊剤;白糖、ステアリン酸、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン、デンプン等の保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸粉末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤などを使用できる。さらに、錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠、二重錠、多層錠等とすることができる。
丸剤の形態に成形するに際しては、薬学的に許容される担体として、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤;アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤;ラミナラン、カンテン等の崩壊剤などを使用できる。カプセル剤は常法に従い、上記で例示した各種の薬学的に許容される担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。
経口用液体製剤とする場合は、薬学的に許容される担体として、例えば、矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤等を用い、常法により、内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合、矯味・矯臭剤としては、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
坐剤の形態に成形するに際しては、薬学的に許容される担体として、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を使用できる。
注射剤とする場合、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましい。また、これらの形態に成形するに際しては、薬学的に許容される担体として希釈剤が使用でき、かかる希釈剤として、例えば水、乳酸水溶液、エチルアルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレン化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。
なお、この場合、等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖又はグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
吸引剤とする場合、エアゾール剤、粉末状吸入剤、液状吸入剤などの各種形態が挙げられる。
さらに上記各製剤には、薬学的に許容される担体として、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や、他の医薬品を配合してもよい。
本発明において、1日投与量とは、1日に投与する有効成分の量を示す。本発明の治療剤において、本発明の化合物又はその塩の投与日における1日投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できない。例えば、本発明の化合物として、、通常成人(体重50kg)において0.01~24mg/dayが好ましく、より好ましくは1~32mg/dayであり、さらに好ましくは4~12mgである。
また、上記の各投与単位形態中に配合されるべき化合物1の量は、これを適用すべき患者の症状により、或いはその剤形等により一定ではない。一般に投与単位形態あたり、経口剤では0.05~1000mg、注射剤では0.01~500mg、坐剤では1~1000mgとするのが望ましい。
本発明の治療剤は、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、患者の症状の程度等に応じて適宜決定される。例えば錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤及び乳剤は経口投与される。注射剤は単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じて単独で動脈内、筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤は直腸内投与される。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本明細書に記載した全ての文献及び刊行物は、その目的にかかわらず参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。
また、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を実施できる。発明を実施するための最良の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図ならびに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々に修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
以下の実施例において、%は特記しない限り重量パーセントを示す。

実施例で用いた各種試薬は、特に記載のない限り市販品を使用した。
以下の実施例において、化合物1のフマル酸塩は、国際公開第2016/121954号公報により製造したものを用いた。 また、略号の意味を以下に示す。
DMSO:ジメチルスルホキシド

mpk:ミリグラム/キログラムHPMC:ヒプロメロース
実施例1 マウスB細胞を用いたIgG産生に対する阻害効果
本試験は、非特許文献(Castigli et al., J Allergy Clin Immunol 2007 120(4):885-91)を参考に実施した。BALB/cマウスより採取した脾臓から、CD43陰性のB細胞画分を分取し、抗CD40抗体、IL-4を添加した10%FBS含有RPMI1640培養液中に懸濁した。化合物1のフマル酸塩をDMSOにて段階希釈し、細胞を播種するのと同時にプレートに添加した。10%FBS含有RPMI培養液中に抗CD40抗体、IL-4を添加しないものをコントロール(Control)とした。。ビークル(vehicle)は、DMSOを、細胞を播種するのと同時にプレートに添加したものとした。8日間37℃のCOインキュベーター内で培養後、培養上清を回収し、抗IgG抗体ELISA kit (Thermo Fisher Scientific社)を用いて培養上清中のIgG濃度を測定した。
図1に測定したIgG濃度の結果を示す。
IgA腎症では、分泌されたガラクトース欠損型糖鎖修飾IgAに対するIgGが産生され、これらが高分子免疫複合体を形成することが病態の発症と深く関連することが知られている。
図1の結果より、化合物1が用量依存的にIgG産生を抑制した。化合物1は抗CD40抗体及びIL-4刺激によるB細胞からのIgG産生を抑制することが確認されたため、IgA腎症に対する優れた薬効を示すと考えられた。
実施例2 IgG刺激によるサイトカイン産生に対する阻害効果
本試験は、非特許文献(Chang et al., Arthritis Res Ther 2011 13(4):R115)を参考に実施した。Human IgGを固相化した96ウェルプレートに、10%FBS含有RPMI1640培養液中に懸濁したヒト単球細胞THP-1を播種した。化合物1のフマル酸塩をDMSOにて段階希釈した後、細胞を播種したプレートに添加した。IgGが固相化されていないウェルに細胞を播種したものをコントロール(Control)とした。ビークル(vehicle)は、DMSOを、細胞を播種するのと同時にプレートに添加したものとした。4時間37℃のCOインキュベーター内で培養後、培養上清を回収し、抗TNFα ELISA kit (R&D system社)を用いて培養上清中のTNFα濃度を測定した。
図2に測定したTNFα濃度結果を示す。
IgA腎症では、高分子免疫複合体を形成するIgGが、FCγ受容体を介して炎症性サイトカイン産生を誘導することが病態の発症と深く関連することが知られている。
図2の結果より、化合物1が用量依存的にTNFα産生を抑制することが示された。本化合物1はIgG刺激によるヒト単球からのTNFαサイトカイン産生を抑制することが確認されたため、IgA腎症に対する優れた薬効を示すと考えられた。
実施例3 IgA腎症モデルマウス(HIGAマウス)での腎機能低下阻害効果
本試験は、IgA腎症のモデルマウスとして報告のあるHIGAマウス(Muso et al., Kidney International 1996 50:1946-1957)を用いて実施した。14週齢から16週齢のHIGAマウス(日本エスエルシー株式会社)にVehicle、化合物1のフマル酸塩又はイブルチニブ(Iburutinib)(比較例1)を1日1回6週間継続して経口投与した。ControlはIgA腎症モデルマウス(HIGAマウス)ではなく,同週齢のBalb/cマウス(日本エスエルシー株式会社)である。Vehicleは0.5%HPMCである。1日投与量は、Vehicle:10ml/kg、化合物1のフマル酸塩:10mpk、イブルチニブ(Iburutinib):30mpkとした。化合物1のフマル酸塩1mpkとイブルチニブ3mpkは、AUCが同等である濃度であり、化合物1のフマル酸塩10mpkとイブルチニブ30mpkとは、AUCが同等であると推定される。6週間後のマウスより末梢血を採取し、血液中の尿素窒素濃度の測定を実施した。UREA NITROGEN (BUN) Colorimetric Detection Kit (Arbor Assays社)を用いて血中の尿素窒素濃度を測定した。図3には測定した血中尿素窒素濃度(Blood urea nitrogen;BUN)を示す。
血中尿素窒素濃度(BUN)の上昇と腎機能低下の間には相関性があることが示されており(Liu et al., Renal failure 2016 38(9): 1347-1352)、血中尿素窒素濃度(BUN)の低下は腎機能が改善されていることを示唆している。
図3の結果より、化合物1のフマル酸塩(本発明)がvehicle群と比較して血中尿素窒素濃度の上昇を抑制することが示される。また、化合物1のフマル酸塩(本発明)は比較例1(イブルチニブ)と比較して顕著に血中尿素窒素濃度を低下させることを示した。
化合物1はvehicleと比較して有意に血中尿素窒素濃度(BUN)を低下させることが確認されたため、IgA腎症に対する優れた薬効を示すと考えられた。さらに先行品BTK阻害剤である比較例1(イブルチニブ)の血中尿素窒素濃度(BUN)と比較しても、化合物1のフマル酸塩投与群では血中尿素窒素濃度が顕著に低下することが示され、化合物1のIgA腎症治療薬としての有用性が示唆された。IgA腎症のモデルマウスとして知られているHIGAマウスを用いた実験において、同じBTK阻害作用を有する比較例1では薬効が認められないのに対して、化合物1では優れた薬効を示すことは驚くべき知見である。
なお、本明細書に記載した全ての文献及び刊行物は、その目的にかかわらず参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする。また、本明細書は、本願の優先権主張の基礎となる日本国特許出願である特願2019-229171号(2019年12月19日出願)の特許請求の範囲、明細書、および図面の開示内容を包含する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (21)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0007304968000011
    (式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
    Yは、-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-R7を示し;
    W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
    nは、0から2の整数を示し;
    1は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
    2及びR3は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
    4、R5、R6及びR7は、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
    で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する、慢性糸球体腎炎の治療剤。
  2. 一般式(I)中、
    Xが1,3-ピペリジニレンであり;
    Yがビニル基であり;
    ZがCHであり;
    WがNであり;
    nが0であり;
    1がアミノ基であり;
    2及びR3の一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、請求項1に記載の治療剤。
  3. 有効成分が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、請求項1又は2に記載の治療剤。
  4. 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、請求項1~3のいずれか1項に記載の治療剤。
  5. 下記一般式(I)
    Figure 0007304968000012
    (式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
    Yは、-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-R7を示し;
    W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
    nは、0から2の整数を示し;
    1は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
    2及びR3は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
    4、R5、R6及びR7は、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
    で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する、慢性糸球体腎炎を治療するための医薬組成物。

  6. 一般式(I)中、
    Xが1,3-ピペリジニレンであり;
    Yがビニル基であり;
    ZがCHであり;
    WがNであり;
    nが0であり;
    1がアミノ基であり;
    2及びR3の一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 有効成分が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、請求項5又は6に記載の医薬組成物。
  8. 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、請求項5~7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  9. 慢性糸球体腎炎の治療剤を製造するための、下記一般式(I)
    Figure 0007304968000013
    (式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
    Yは、-C(R4)=C(R5)(R6)、又は-C≡C-R7を示し;
    W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
    nは、0から2の整数を示し;
    1は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
    2及びR3は、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
    4、R5、R6及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
    で表される化合物又はその塩の使用。
  10. 一般式(I)中、
    Xが1,3-ピペリジニレンであり;
    Yがビニル基であり;
    ZがCHであり;
    WがNであり;
    nが0であり;
    がアミノ基であり;
    及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、請求項に記載の使用。
  11. 前記一般式(I)で表される化合物が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、請求項又は10に記載の使用。
  12. 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、請求項11のいずれか1項に記載の使用。
  13. 慢性糸球体腎炎の治療方法において使用するための医薬組成物であって、
    前記方法は、下記一般式(I)
    Figure 0007304968000014
    (式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
    Yは、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rを示し;
    W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
    nは、0から2の整数を示し;
    は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
    及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
    、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
    で表される化合物又はその塩を、それを必要とする対象に投与することを含み、該投与により、高分子免疫複合体を形成するIgGが、免疫複合体-FCγ受容体を介した炎症性サイトカイン産生を抑制する、医薬組成物
  14. 一般式(I)中、
    Xが1,3-ピペリジニレンであり;
    Yがビニル基であり;
    ZがCHであり;
    WがNであり;
    nが0であり;
    がアミノ基であり;
    及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、請求項13に記載の医薬組成物
  15. 前記一般式(I)で表される化合物が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、請求項13又は14に記載の医薬組成物
  16. 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、請求項1315のいずれか1項に記載の医薬組成物
  17. 下記一般式(I)
    Figure 0007304968000015
    (式中、Xは、置換基を有しても良い含窒素C3-C10ヘテロシクロアルキレンを示し;
    Yは、-C(R)=C(R)(R)、又は-C≡C-Rを示し;
    W及びZは、各々独立してN又はCHを示し;
    nは、0から2の整数を示し;
    は、置換基を有しても良いアミノ基を示し;
    及びRは、同一又は相異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いC1-C6アルキル基、置換基を有しても良いC1-C6アルコキシ基、置換基を有しても良いC3-C7シクロアルキル基、置換基を有しても良いC6-C14芳香族炭化水素基、置換基を有しても良く、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される同種若しくは異種のヘテロ原子を1~3個含む4~10員の単環式若しくは多環式の不飽和複素環基、又はシアノ基を示し;
    、R、R及びRは、同一又は相異なって、水素原子、又は置換基を有しても良いC1-C6アルキル基を示す。)
    で表される化合物又はその塩を含む、腎機能低下を抑制するための医薬組成物
  18. 一般式(I)中、
    Xが1,3-ピペリジニレンであり;
    Yがビニル基であり;
    ZがCHであり;
    WがNであり;
    nが0であり;
    がアミノ基であり;
    及びRの一方が水素原子であり、他方が水素原子、ハロゲン原子、又はシアノ基である、請求項17に記載の医薬組成物
  19. 前記一般式(I)で表される化合物が(R)-1-(1-アクリロイルピペリジン-3-イル)-4-アミノ-N-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-カルボキサミド又はその塩である、請求項17又は18に記載の医薬組成物
  20. 腎機能低下が慢性糸球体腎炎に関連する、請求項1719のいずれか1項に記載の医薬組成物
  21. 慢性糸球体腎炎がIgA腎症又は紫斑病性腎炎である、請求項20に記載の医薬組成物
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