JP7304037B2 - ブロックコポリマー - Google Patents
ブロックコポリマー Download PDFInfo
- Publication number
- JP7304037B2 JP7304037B2 JP2020521804A JP2020521804A JP7304037B2 JP 7304037 B2 JP7304037 B2 JP 7304037B2 JP 2020521804 A JP2020521804 A JP 2020521804A JP 2020521804 A JP2020521804 A JP 2020521804A JP 7304037 B2 JP7304037 B2 JP 7304037B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- formula
- monomer
- block copolymer
- integer
- methyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F293/00—Macromolecular compounds obtained by polymerisation on to a macromolecule having groups capable of inducing the formation of new polymer chains bound exclusively at one or both ends of the starting macromolecule
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
- Cosmetics (AREA)
Description
疎水性セグメント及び親水性セグメントを含むブロックコポリマーであって、
前記疎水性セグメントが、下記の式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーから構成されるモノマー単位を含み、
前記親水性セグメントが、下記の式3のモノマーから構成されるモノマー単位を含む、
ブロックコポリマー:
R1は、水素又はメチル基であり、かつ
mは、0~21の整数であり、
R1は、水素又はメチル基であり、
R2及びR3は、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
nは、5~70の整数であり、
R1は、水素又はメチル基である。
〈態様2〉
前記式1のR1が、メチル基であり、mが、10~15の整数であり、
前記式2のR1及びR2が、メチル基であり、R3が、ブチル基であり、mが、1~3の整数であり、nが、10~60の整数であり、かつ
前記式3のR1が、メチル基である、態様1に記載のブロックコポリマー。
〈態様3〉
前記疎水性セグメントの割合が、50~99モル%であり、かつ、前記親水性セグメントの割合が、1~50モル%である、態様1又は2に記載のブロックコポリマー。
〈態様4〉
式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により疎水性セグメントを形成し、次いで、式3のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により親水性セグメントを形成し、又は
式3のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により親水性セグメントを形成し、次いで、式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により疎水性セグメントを形成する、
態様1~3の何れか一項に記載のブロックコポリマーの製造方法。
〈態様5〉
リビングラジカル重合法が、ヨウ素化合物を開始化合物とし、リン化合物、窒素化合物又は酸素化合物を触媒とする重合法である、態様4に記載の方法。
R1は、水素又はメチル基であり、かつ
mは、0~21の整数であり、
R1は、水素又はメチル基であり、
R2及びR3は、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
nは、5~70の整数であり、
R1は、水素又はメチル基である。
本発明のブロックコポリマーは、疎水性セグメントに基づく性能の発現性等を考慮し、コポリマー中の式1又は式2の疎水性セグメントの割合を、50モル%以上、55モル%以上又は60モル%以上とすることができ、また、99モル%以下、95モル%以下又は90モル%以下とすることができる。対象物への吸着性等を考慮し、式3の親水性セグメントの割合を、1モル%以上、5モル%以上又は10モル%以上とすることができ、また、50モル%以下、45モル%以下又は40モル%以下とすることができる。
疎水性セグメントにおける式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーから構成されるモノマー単位は、要する表面処理性能、ブロックコポリマーで表面処理した対象物を配合する分散媒との親和性等を考慮して適宜選定することができる。
本発明のブロックコポリマーは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記式1~式3のモノマー以外のモノマーから構成されるモノマー単位をさらに有していてもよい。係るモノマー単位の割合は、構成するモノマー単位全量の30モル%以下、20モル%以下、10モル%以下、又は5モル%以下の範囲とすることができる。係るモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリルアミド、メチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、エチルアクリルアミド、エチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、ε―カプロラクタム、ビニルアルコール、無水マレイン酸、N,N’-ジメチルアミノエチルメタクリル酸、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、N,N’-ジメチルアクリルアミド、スチレン等が挙げられる。
本発明のブロックコポリマーは、公知のリビングラジカル重合法によって得ることができる。例えば、上記の式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により疎水性セグメントを形成し、次いで、上記の式3のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により親水性セグメントを形成してブロックコポリマーを得ることができる。或いは、上記の式3のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により親水性セグメントを形成し、次いで、上記の式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により疎水性セグメントを形成してブロックコポリマーを得ることができる。
触媒としては、開始化合物のヨウ素、又はポリマー末端のヨウ素を引き抜くことが可能なラジカルになる非金属系化合物、例えば、係る性質を有するリン化合物、窒素化合物又は酸素化合物などを使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、従来公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、有機過酸化物又はアゾ化合物などを使用することができる。具体的には、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーキシド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシル-3,3-イソプロピルヒドロパーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシド、ジクミルヒドロパーオキシド、アセチルパーオキシド、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキシド、3,3,5-トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス(イソブチレート)などが挙げられる。
重合溶媒としては、モノマーの官能基に対して反応性を示さないような溶媒が適宜選択される。次のものに限定されないが、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、イソデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールなどのアルコール系溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ブチルカルビトール、ブチルトリエチレングリコール、メチルジプロピレングリコールなどの水酸基含有グリコールエーテル;ジグライム、トリグライム、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコール系溶剤;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルシクロプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶剤;ジメチルケトン、ジエチルケトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノンなどのケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、カプロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、o-ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶剤;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタムなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、ニトロメタン、アセトニトリル、ニトロベンゼン、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。
重合温度は、ラジカル重合開始剤の半減期によって適宜調整され、特に限定されないが、例えば、0℃以上又は30℃以上にすることができ、また、150℃以下又は120℃以下にすることができる。
重合時間は、モノマーがなくなるまで重合を続けることが好ましく、特に限定されないが、例えば、0.5時間以上、1時間以上又は2時間以上とすることができ、また、48時間以下、24時間以下又は12時間以下とすることができる。
重合雰囲気は、特に限定されず、大気雰囲気下でそのまま重合してもよく、すなわち、重合系内に通常の範囲内で酸素が存在してもよいし、必要に応じて酸素を除去するため窒素雰囲気下で行ってもよい。使用する各種材料は、蒸留、活性炭又はアルミナ等で不純物を除去してもよいが、市販品をそのまま使用してもよい。また、重合を遮光下で行ってもよく、ガラスのような透明容器中で行ってもよい。
本発明のブロックコポリマーは、例えば、表面処理剤などとして使用することができる。本発明のブロックコポリマーによる対象物の表面処理は、通常の処理方法を用いればよく、その方法は特に限定されるものではない。例えば、本発明のブロックコポリマーを適当な分散媒中に溶解し、この溶液中に対象物を混合、攪拌して、表面処理された対象物を含む分散液を得ることができる。表面処理された対象物は、分散液の状態で使用してもよく、或いは、乾燥させた粉末形態のものを使用してもよい。
本発明のブロックコポリマーを適用し得る対象物としては、特に制限されず、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができ、例えば、親水性の表面を有する対象物、中でも、水酸基を表面に有する無機粒子、例えば、金属酸化物が好ましい。対象物表面のこのような水酸基は、親水性セグメントの水酸基との間で水素結合等を形成し得る。係る無機粒子としては、特に限定されないが、例えば、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、マイカ(雲母)、ベントナイト、チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック及びこれらの複合体等の粒子が挙げられる。また、粒子の形状についても、例えば、板状、塊状、鱗片状、球状、多孔性球状等、どのような形状のものでも用いることができ、粒径についても特に制限されない。
分散媒としては、有機溶媒、特に、種々の油分を使用することができ、次のものに限定されないが、例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフィン、分岐鎖状軽パラフィン、ワセリン、セレシン等の炭化水素油、イソプロピルミリステート、セチルイソオクタノエート、グリセリルトリオクタノエート等のエステル油、デカメチルペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のブロックコポリマーで表面処理した無機粒子の分散液は、従来の表面処理による無機粒子分散系に比べ、無機粒子の配合に伴う粘度上昇を大幅に抑制することができるため、処方を制限することなく無機粒子を高度に配合することができる。したがって、係る分散液は、例えば、化粧料、樹脂組成物、塗料、インキ、コーティング用組成物等、種々の用途に使用することができ、中でも、化粧料、特に、日焼け止め用化粧料に使用することが好ましい。本発明を限定するものではないが、具体的に、本発明のブロックコポリマーで表面処理した無機粒子の分散液を用いた化粧料について以下に説明する。
本発明の無機粒子分散液を化粧料に適用する場合には、そのまま又は油性成分で希釈して油性タイプの化粧料とすることができ、さらにこれらを水相成分と公知の方法により乳化処理して、水中油型又は油中水型の乳化タイプの化粧料、特に、水中油型の乳化化粧料とすることもできる。
本発明の化粧料は、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、各種成分を適宜配合することができる。各種成分としては、化粧料に通常配合し得るような添加成分、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ、高級脂肪酸等の油分、高級アルコール、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、各種抽出液、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、キレート剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、医薬品、医薬部外品、化粧品等に適用可能な水溶性薬剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止助剤、有機系粉末、顔料、染料、色素、香料、水等を挙げることができる。
(共重合体1)
攪拌機、逆流コンデンサー、温度計及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30質量部、下記式2のモノマー110質量部、ヨウ素0.25質量部、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)0.3質量部を仕込み、窒素バブリングしながら80℃で2時間重合させて疎水性セグメント部を作製した。
上記式2のモノマーのnを10から30に変更したこと以外は、共重合体1と同様の方法で共重合体2のブロックコポリマーを作製した。
上記式2のモノマーに代えて、下記式1のモノマーを80質量部使用したこと以外は、共重合体1と同様の方法で共重合体3のブロックコポリマーを作製した。
上記式2のモノマーに代えて、メタクリル酸メチルに変更したこと以外は、共重合体1と同様の方法で共重合体4のブロックコポリマーを作製した。
(分散液1)
20gの共重合体1を200gのブチルジグリコール中に溶解し、次いで、この溶液中に、80gの酸化チタン(ST-485WD、チタン工業株式会社製)を添加し、室温で1時間攪拌して、表面処理された酸化チタンを50質量%含む酸化チタンの分散液1を作製した。
共重合体1に代えて、共重合体2~4を各々使用したこと以外は、分散液1と同様の方法で酸化チタンの分散液2~4を作製した。
下記に示す表1~2の処方及び製造方法により得た乳化物の粘度及び紫外線防御指数とも呼ばれるSPF値を評価した。ここで、粘度は、ビストメトロン粘度計として、低粘度の場合にVDA-2、高粘度の場合にVS-H1を用いて、32℃、1気圧で測定したときの測定対象物の剪断速度1/s時の粘度を採用した。また、SPF値は、得られた乳化物を透明テープ上に2mg/cm2の塗付量で塗付して評価試料とし、係る評価試料を、紫外線領域において太陽光とほぼ同一のスペクトルを有する光源であるソーラーライト社製のソーラーシミュレーターと分光光度計との間に挿入し、評価試料の有無によるスペクトルを比較してSPF値を算出した。それぞれのスペクトルからの算出方法は、特公平6-27064号公報の段落番号「0076」及び「0077」に記載されている方法と同様である。
(実施例1)
油分であるシクロペンタシロキサン、及び酸化チタンの分散液1を乾燥させて得られた酸化チタン粉末を室温で攪拌混合して混合物Aを作製した。次いで、界面活性剤であるPEG-10 ジメチコン及びイオン交換水を60℃で攪拌混合して混合物Bを作製し、60℃で攪拌しながら、係る混合物Bに混合物Aを添加して実施例1の乳化物を作製した。また、係る乳化物の組成を表1にまとめる。
油分としてシクロペンタシロキサン及びセチルイソオクタノエートを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の乳化物を作製した。また、係る乳化物の組成を表1にまとめる。
表1に記載される各種成分及び配合割合を採用したこと、並びに分散液B及びCは、乾燥させずにそのまま使用したことを除いて、実施例1と同様にして、比較例1~2、4及び5の乳化物を各々作製した。また、係る乳化物の組成を表1にまとめる。ここで、表1中の粉末Aとは、ステアリン酸アルミニウムで表面処理された酸化チタン粉末であり、分散液Bとは、シクロペンタシロキサン中にステアリン酸アルミニウムで表面処理された酸化チタンを40質量%及び界面活性剤を10質量%含む分散液であり、また、分散液Cとは、シクロペンタシロキサン中にハイドロゲンジメチコンで表面処理された酸化チタンを40質量%及び界面活性剤を10質量%含む分散液である。
油分であるシクロペンタシロキサン、イオン交換水、及び分散液B又は分散液Cを60℃で攪拌混合して比較例3及び6の乳化物を各々作製した。また、係る乳化物の組成を表1にまとめる。
表1から明らかなように、従来より一般的に使用されている材料で表面処理した酸化チタンを採用した比較例1~6の乳化物は、粘度が6700Pa・s程度以上と高粘度であったり、油分と水が分離するなどして不安定であったが、本発明のブロックコポリマーで表面処理した酸化チタンを採用した実施例1及び2は、酸化チタンの分散性に優れることに加え、比較例1~6に比べて、乳化物の粘度を大幅に低減し得ることが分かった。また、例えば、比較例2及び4から分かるように、従来の材料で表面処理した酸化チタンを使用した場合には、油分の種類によって粘度が大きく変動するが、実施例1及び2の乳化物は、油分の種類による影響をほとんど受けないことが判明した。したがって、本発明のブロックコポリマーで表面処理した酸化チタン等の対象物は、油分の種類に対して制約を受けにくいことも分かった。
(実施例3)
表2に記載される油分及びUV散乱剤である分散液2の乾燥粉末を、80℃の雰囲気下、表2に記載される配合割合で攪拌混合して混合物Cを作製した。次いで、表2に記載される、水、アルコール、増粘剤、保湿剤、界面活性剤、UV吸収剤及び他成分を、80℃の雰囲気下、表2に記載される配合割合で攪拌混合して混合物Dを作製し、80℃で攪拌しながら、係る混合物Dに混合物Cを添加して実施例3の乳化物を作製した。また、係る乳化物の組成を表2にまとめる。
UV散乱剤を分散液2の乾燥粉末から分散液3の乾燥粉末又は分散液4の乾燥粉末に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例4及び5の乳化物を各々作製した。また、係る乳化物の組成を表2にまとめる。
表2に記載される、水、アルコール、増粘剤、保湿剤、油分、界面活性剤、UV吸収剤及び他成分を、80℃の雰囲気下、表2に記載される配合割合で攪拌混合して比較例7の乳化物を作製した。また、係る乳化物の組成を表2にまとめる。
UV散乱剤を分散液2の乾燥粉末から粉末Aに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、比較例8の乳化物を作製した。また、係る乳化物の組成を表2にまとめる。
表2から明らかなように、UV散乱剤を含まない比較例7のUV吸収剤の一部を、UV散乱剤で置き換えた場合、一般的には、比較例8に示されるように、粘度の大幅な上昇を伴ってしまい、また、UV散乱剤の分散性の低下などからSPF値も減少する傾向にある。一方、本発明のブロックコポリマーで表面処理した酸化チタンを採用した実施例3~5の場合には、UV吸収剤の一部をUV散乱剤で置き換えたとしても、粘度が上昇するどころか、逆に粘度を減少させることができ、また、SPF値も増大させ得ることが分かった。
2 親水性セグメント
3 対象物
Claims (3)
- 疎水性セグメント及び親水性セグメントを含むブロックコポリマーであって、
前記疎水性セグメントが、下記の式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーから構成されるモノマー単位を含み、
前記親水性セグメントが、下記の式3のモノマーから構成されるモノマー単位を含む、
ブロックコポリマー、並びに
前記ブロックコポリマーで表面処理した無機粒子を含む、
化粧料:
R1は、水素又はメチル基であり、かつ
mは、0~21の整数であり、
R1は、水素又はメチル基であり、
R2及びR3は、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
nは、5~70の整数であり、
R1は、水素又はメチル基である。 - 前記式1のR1が、メチル基であり、mが、10~15の整数であり、
前記式2のR1及びR2が、メチル基であり、R3が、ブチル基であり、mが、1~3の整数であり、nが、10~60の整数であり、かつ
前記式3のR1が、メチル基である、請求項1に記載の化粧料。 - 前記疎水性セグメントの割合が、50~99モル%であり、かつ、前記親水性セグメントの割合が、1~50モル%である、請求項1又は2に記載の化粧料。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018102625 | 2018-05-29 | ||
JP2018102625 | 2018-05-29 | ||
PCT/JP2019/017780 WO2019230289A1 (ja) | 2018-05-29 | 2019-04-25 | ブロックコポリマー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019230289A1 JPWO2019230289A1 (ja) | 2021-06-10 |
JP7304037B2 true JP7304037B2 (ja) | 2023-07-06 |
Family
ID=68698130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020521804A Active JP7304037B2 (ja) | 2018-05-29 | 2019-04-25 | ブロックコポリマー |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7304037B2 (ja) |
TW (1) | TW202003611A (ja) |
WO (1) | WO2019230289A1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI849460B (zh) * | 2022-07-26 | 2024-07-21 | 臺灣塑膠工業股份有限公司 | 抗菌防霧顯示器塗料組成物、其製造方法及含其之透明片材及車用顯示器 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012013962A (ja) | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Fujifilm Corp | 感光性組成物、パターン形成材料、並びに、これを用いた感光性膜、パターン形成方法、パターン膜、低屈折率膜、光学デバイス、及び、固体撮像素子 |
JP2014162880A (ja) | 2013-02-26 | 2014-09-08 | Kyoto Univ | セルロース及び分散剤を含む組成物 |
JP2017132931A (ja) | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 大日精化工業株式会社 | 水酸化鉱物分散体、有機無機複合材料、及びそれらの製造方法 |
-
2019
- 2019-04-25 JP JP2020521804A patent/JP7304037B2/ja active Active
- 2019-04-25 WO PCT/JP2019/017780 patent/WO2019230289A1/ja active Application Filing
- 2019-05-23 TW TW108117799A patent/TW202003611A/zh unknown
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012013962A (ja) | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Fujifilm Corp | 感光性組成物、パターン形成材料、並びに、これを用いた感光性膜、パターン形成方法、パターン膜、低屈折率膜、光学デバイス、及び、固体撮像素子 |
JP2014162880A (ja) | 2013-02-26 | 2014-09-08 | Kyoto Univ | セルロース及び分散剤を含む組成物 |
JP2017132931A (ja) | 2016-01-29 | 2017-08-03 | 大日精化工業株式会社 | 水酸化鉱物分散体、有機無機複合材料、及びそれらの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2019230289A1 (ja) | 2019-12-05 |
JPWO2019230289A1 (ja) | 2021-06-10 |
TW202003611A (zh) | 2020-01-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4782025B2 (ja) | シリコーン共重合体およびそれを含有する化粧料 | |
US20100003202A1 (en) | Ultraviolet screening agent for cosmetics and cosmetics using the same | |
TW200904476A (en) | Water based concentrated product forms of oil-soluble organic UV absorbers | |
US11292906B2 (en) | Aqueous silicone polymer emulsion | |
JP2013095705A (ja) | 水中油型化粧料 | |
JP7304037B2 (ja) | ブロックコポリマー | |
TW201545771A (zh) | 皮膚化妝料 | |
US20210017199A1 (en) | Polymer crosslinking agent, and high molecular weight polymer and composition using same | |
JP2015224240A (ja) | 紫外線吸収剤と紫外線散乱剤を含有する組成物 | |
JP7311501B2 (ja) | ブロックコポリマーを含む化粧料用無機粒子分散液 | |
KR20200063212A (ko) | 역유화 증점제 | |
US20230338271A1 (en) | Cosmetic oil thickener and oil-soluble copolymer | |
JP5203075B2 (ja) | シクロアルキル基含有アクリル系共重合体及びそれを含有する化粧料 | |
WO2022009738A1 (ja) | 油中水型乳化化粧料用基剤及び該基剤を含む油中水型乳化化粧料 | |
TW202112338A (zh) | 油中水型乳化組合物 | |
JP4219856B2 (ja) | 油中水型皮膚外用組成物 | |
US20210251875A1 (en) | Cosmetics | |
JPH08268857A (ja) | 日焼け止め化粧料 | |
JP7315930B2 (ja) | ブロックコポリマー | |
JP7649159B2 (ja) | 液状油性化粧料 | |
JP2005350366A (ja) | 油中水型皮膚外用組成物 | |
WO2019230326A1 (ja) | ブロックコポリマーを含む毛髪化粧料 | |
JP7060916B2 (ja) | 水中油乳化型メイクアップ化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201211 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210727 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220310 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221213 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230523 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230616 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7304037 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |