一形態では、本発明は、約5%w/w~約30%w/wの量で存在する式Iの化合物と、
約5%w/w~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、約30%w/w~約60%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、約10%w/w~約60%w/wの総量で存在するマンニトールもしくはラクトース一水和物、またはそれらの組み合わせと、約0.5%w/w~約5%w/wの総量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムもしくはクロスカルメロースナトリウム、またはそれらの組み合わせと、約0.05%w/w~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、任意選択で、存在する場合、約0.3%w/w~約0.6%w/wの量の二酸化ケイ素とを含み、合計が100%以下である、医薬組成物を提供する。
一形態では、本発明は、約5%w/w~約30%w/wの量で存在する式Iの化合物と、約5%w/w~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、約30%w/w~約60%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、約10%w/w~約60%w/wの総量で存在するマンニトールもしくはラクトース一水和物、またはそれらの組み合わせと、約0.5%w/w~約5%w/wの総量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムもしくはクロスカルメロースナトリウム、またはそれらの組み合わせと、約0.05%w/w~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、任意選択で、存在する場合、約0.3%w/w~約0.6%w/wの量の二酸化ケイ素とを含み、合計が100%以下である、医薬組成物を提供する。
一形態では、本発明は、約5%w/w~約30%w/wの量で存在する式Iの化合物と、約5%w/w~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、約30%w/w~約60%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、約10%w/w~約60%w/wの量で存在するラクトース一水和物と、約0.5%w/w~約5%w/wの総量で存在するクロスカルメロースナトリウムと、約0.05%w/w~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、存在する場合、約0.3%w/w~約0.6%w/wの量の二酸化ケイ素とを含み、合計が100%以下である、医薬組成物を提供する。
一実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。別の実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は約1:1である。
別の形態では、本発明は、約21%w/w~約23%w/wの量で存在する式Iの化合物と、約21%w/w~約23%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、約38%w/w~約39%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、約12%w/w~約13%w/wの量で存在するマンニトールと、約4%w/w~約6%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、約0.4%w/w~約0.6%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムとを含み、合計が100%以下である、医薬組成物を提供する。
別の形態では、本発明は、約21%w/w~約23%w/wの量で存在する式Iの化合物と、約21%w/w~約23%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、約33%w/w~約34%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、約16%w/w~約17%w/wの量で存在するラクトース一水和物と、約2%w/w~約6%w/wの量で存在するクロスカルメロースナトリウムと、約0.4%w/w~約0.6%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、約0.4%w/w~約0.6%w/wの量で存在する二酸化ケイ素とを含み、合計が100%以下である、医薬組成物を提供する。
別の形態では、本発明は、約21%w/w~約23%w/wの量で存在する式Iの化合物と、約21%w/w~約23%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、約25%w/w~約26%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、約25%w/w~約26%w/wの量で存在するマンニトールと、約4%w/w~約6%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、約0.4%w/w~約0.6%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムとを含み、合計が100%以下である、医薬組成物を提供する。
さらに別の形態では、本発明は、約8%w/wの量で存在する式Iの化合物と、約8%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、約40%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、約40%w/wの量で存在するマンニトールと、約3.5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、約0.3%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含む医薬組成物を提供する。
一実施形態では、上述の医薬組成物は錠剤として製剤化される。別の実施形態では、医薬組成物は、約25mg~約220mgの式Iの化合物を含む。なおさらに別の実施形態では、医薬組成物は、約25mg、約50mg、および約100mgのうちの1つから選択される量の式Iの化合物を含む。
別の形態では、本発明は、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療するための方法であって、上述の医薬組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。一実施形態では、BTK関連がんは、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫から選択される。
別の形態では、本発明は、がんの治療を必要とする対象においてがんを治療する方法を提供する。この方法は、約20mg~約120mgの用量で式Iの化合物を対象に投与することを含む。がんは、以下のがん:マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫から選択される。特定の実施形態では、用量は、約25mg、約50mg、および約100mgのうちの1つから選択される。
別の形態では、本発明は、式Iの化合物が約20mg~120mgの用量で投与される、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫から選択されるBTK関連がんの治療のための上述の医薬組成物の使用を提供する。特定の実施形態では、式Iの化合物が投与される用量は、約25mg、約50mgおよび約100mgから選択される。
なおさらに別の形態では、本発明は、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫から選択されるBTK関連がんの治療に使用するための上述の医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、式Iの化合物は、約25mg、約50mg、および約100mgのうちの1つから選択される用量で投与される。
他の形態では、本発明は、BTK関連疾患および障害を含むBTK阻害剤で治療することができる疾患の治療および予防に有用である、噴霧乾燥分散体、または医薬組成物での式Iの化合物を提供する。
したがって、本明細書では、式Iの化合物とヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)ポリマーとを含む噴霧乾燥分散体が提供される。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態と、HPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は約1:1である。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
本明細書では、式Iの化合物が噴霧乾燥される前に1つまたは複数の有機溶媒に溶解される、噴霧乾燥分散体を調製するプロセスも提供される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、噴霧乾燥される前に、好ましくは約80:20重量/重量のジクロロメタン:メタノール比でのジクロロメタン:メタノール中に溶解される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物はメタノール中に溶解される。さらに他の実施形態では、式Iの化合物の形態Aは、1つまたは複数の有機溶媒中に溶解される。
本明細書では、噴霧乾燥分散体および1つまたは複数の医薬賦形剤を含む第1の組成物を含む医薬組成物も提供され、噴霧乾燥分散体は、HPMCASポリマーおよび式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態を含む。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体中の、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態と、HPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体中の、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態と、HPMCASポリマーとの比は、約1:1である。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約20%~約75%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約30%~約60%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約40%~約50%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約45%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、医薬賦形剤は、充填剤、潤滑剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、充填剤は、第1の組成物の約25%~約80%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、充填剤は、第1の組成物の約45%~約65%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、充填剤は、第1の組成物の約55%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、充填剤は、サッカリド、ゼラチン、合成ポリマー、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、充填剤は、スクロース、ラクトース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポロキサマー、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、充填剤は、結合剤、崩壊剤、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、結合剤は、第1の組成物の約30%~約80%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、結合剤は、第1の組成物の約40%~約60%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、結合剤は、第1の組成物の約52%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、ソルビトール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、マンニトール、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約5%~約55%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約10%~約40%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約20%~約30%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約30%~約60%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約26%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の約5%~約55%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の約10%~約40%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の約20%~約30%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の約26%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、第1の組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、第1の組成物の約1.5%~約3.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、第1の組成物の約2.5%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムアニオン交換樹脂、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムである。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の約0.05%~約2.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の約0.25%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約20%~約75%w/wの量で存在し、充填剤は、第1の組成物の約25%~約80%w/wの量で存在し、潤滑剤は、第1の組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約45%w/wの量で存在し、充填剤は、第1の組成物の約55%w/wの量で存在し、潤滑剤は、第1の組成物の約0.25%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約40%~約50%w/wの量で存在し、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約20%~約30%w/wの量で存在し、マンニトールは、第1の組成物の約20%~約30%w/wの量で存在し、デンプングリコール酸ナトリウムは、第1の組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは、第1の組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体および医薬賦形剤がブレンドされる。いくつかの実施形態では、第1の組成物は造粒される。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、ローラー圧縮によって造粒される。
本明細書では、第1の組成物と1つまたは複数の医薬賦形剤とを含む医薬組成物も提供される。
いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約15%~約99%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の医薬賦形剤は、充填剤、潤滑剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.1%~約1.0%w/wの量で存在する。他の実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.1%~約0.8%w/wの量で存在する。他の実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.4%~約0.6%w/wの量で存在する。さらに他の実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.3%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
いくつかの実施形態では、充填剤は、全組成物の約1%~約85%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、充填剤は、スクロース、ラクトース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポロキサマー、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、充填剤は、結合剤、崩壊剤、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、全組成物の約4%~約6%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、全組成物の約2.5%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムアニオン交換樹脂、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムである。
いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約90%~約99%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約97%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約15%~約60%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約30%~約40%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約35%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、結合剤は、全組成物の約40%~約85%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、結合剤は、全組成物の約55%~約75%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースデンプン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、ソルビトール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、マンニトール、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、全組成物の約25%~約35%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、全組成物の約31%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、マンニトールは、全組成物の約25%~約35%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、マンニトールは、全組成物の約31%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、第1の組成物は、医薬賦形剤とブレンドされる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は共粉砕される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、約10mg~約50mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、約25mg~約220mgの量、より好ましくは約50mg~約150mgの量、さらにより好ましくは、約80mg~約120mgの量であり、なおさらにより好ましい実施形態では、約100mgの量で存在する。
本明細書では、医薬組成物も提供され、医薬組成物は、
(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、
HPMCASポリマーと、
1つまたは複数の医薬賦形剤とを含む。
いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の医薬賦形剤は、充填剤、潤滑剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、充填剤は、スクロース、ラクトース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、組成物は、
(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、
HPMCASポリマーと、
微結晶性セルロースと、
マンニトールと、
デンプングリコール酸ナトリウムと、
ステアリン酸マグネシウムとを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、
組成物の約5%~約30%w/wの量で存在する(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、
組成物の約5%~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、
組成物の約30%~約60%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
組成物の約30%~約60%w/wの量で存在するマンニトールと、
組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、
組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムとを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、
組成物の約8%w/wの量で存在する(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、
組成物の約8%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、
組成物の約40%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
組成物の約40%w/wの量で存在するマンニトールと、
組成物の約3.5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、
組成物の約0.3%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムとを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、
組成物の約10%~約30%w/wの量で存在する(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、
組成物の約10%~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、
組成物の約20%~約30%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
組成物の約20%~約30%w/wの量で存在するマンニトールと、
組成物の約2%~約8%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、
組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムとを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、
組成物の約22%w/wの量で存在する(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、
組成物の約22%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、
組成物の約25%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
組成物の約25%w/wの量で存在するマンニトールと、
組成物の約5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、
組成物の約0.5%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムとを含む。
いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、錠剤はコーティングされている。
本明細書では、医薬組成物を調製するための方法も提供され、方法は、
(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、HPMCASポリマー、および有機溶媒を混合して混合物を形成することと、
混合物を噴霧乾燥して噴霧乾燥分散体を形成することと、
噴霧乾燥分散体を造粒して第1の組成物を形成することと、を含む。
いくつかの実施形態では、有機溶媒は、ジクロロメタンとメタノールの混合物である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、80:20のジクロロメタン:メタノールである。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、造粒される前に、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、造粒される前にオーブン内で乾燥される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、造粒される前に、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、ローラー圧縮によって造粒される。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。いくつかの実施形態では、第1の組成物は共粉砕される。いくつかの実施形態では、第1の組成物は錠剤へと圧縮される。いくつかの実施形態では、錠剤はコーティングされている。いくつかの実施形態では、コーティングは、ポリマー、可塑剤、顔料、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体中の、(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドとHPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体中の、(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドとHPMCASポリマーとの比は約1:1である。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
本明細書では、以下の式を有する式Iの化合物の結晶形態も提供される。
本明細書では、15.8±0.2、16.2±0.2、および11.9±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする、式Iの化合物の形態Aも提供される。
本明細書では、15.8±0.2、16.2±0.2、11.9±0.2、19.0±0.2、および18.3±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする式Iの化合物の形態Aも提供される。
本明細書では、15.8±0.2、16.2±0.2、11.9±0.2、19.0±0.2、18.3±0.2、23.8±0.2、および20.5±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする式Iの化合物の形態Aも提供される。
本明細書では、15.8±0.2、16.2±0.2、11.9±0.2、19.0±0.2、18.3±0.2、23.8±0.2、20.5±0.2、25.7±0.2、20.1±0.2、および9.5±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする式Iの化合物の形態Aも提供される。
本明細書では、15.8±0.2、16.2±0.2、11.9±0.2、19.0±0.2、18.3±0.2、23.8±0.2、20.5±0.2、25.7±0.2、20.1±0.2、9.5±0.2、25.0±0.2、および11.1±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする式Iの化合物の形態Aも提供される。
本明細書では、実質的に図4Aに示されるようなXRPDパターンを有する式Iの化合物の形態Aも提供される。
本明細書では、約185℃の開始を伴う吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を有する式Iの化合物の形態Aも提供される。
本明細書では、実質的に図4Cに示されるようなDSCサーモグラムを有する式Iの化合物の形態Aも提供される。
本明細書では、医薬賦形剤および式Iの化合物の結晶形態を含む固体経口医薬組成物も提供される。
本明細書では、式Iの化合物の結晶形態と医薬賦形剤とを混合することによって作製される固体経口医薬組成物も提供される。
本明細書では、式Iの化合物の結晶形態と医薬賦形剤とを混合することを含む、固体経口医薬組成物を作製するためのプロセスも提供される。
本明細書では、がんの治療を必要とする対象においてがんを治療するための方法も提供され、この方法は、噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、がんは、BTK関連がんである。
本明細書では、がんの治療を必要とする対象においてがんを治療する方法も提供され、この方法は、
(a)BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、
(b)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。
本明細書では、対象においてBTK関連がんを治療する方法も提供され、この方法は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、BTK関連がんを有すると同定または診断された対象に投与することを含む。
本明細書では、対象においてBTK関連がんを治療する方法も提供され、この方法は、
BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、
式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、BTK関連がんを有すると判定された対象に投与することと、を含む。
本明細書では、対象を治療する方法も提供され、この方法は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有することを示す臨床記録を有する対象に投与することを含む。
本明細書では、がんの転移の阻害を必要とする対象においてがんの転移を阻害するための方法も提供され、この方法は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、がんはBTK関連がんである。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、別の化学療法薬と組み合わせて使用される。
本明細書では、対象に対して治療を選択する方法も提供され、この方法は、BTK関連がんを有すると同定または診断された対象に対して、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療を選択することを含む。
本明細書では、がんを有する対象に対して治療を選択する方法も提供され、この方法は、
対象において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、
対象に対して、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療を選択することと、を含む。
本明細書では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療のための対象を選択する方法も提供され、この方法は、
BTK関連がんを有する対象を同定することと、
式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療のための対象を選択することと、を含む。
本明細書では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療のためのがんを有する対象を選択する方法も提供され、この方法は、
対象において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、
式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療のための対象を選択することと、を含む。
いくつかの実施形態では、対象におけるがんがBTK関連がんであるかどうかを判定するステップは、対象由来の試料において、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出するためのアッセイを実施することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、対象由来の試料を得ることをさらに含む。いくつかの実施形態では、試料は生検試料である。いくつかの実施形態では、アッセイは、配列決定、免疫組織化学、免疫ブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ、および蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、FISHは、ブレークアパートFISH分析である。いくつかの実施形態では、配列決定は、パイロシーケンシングまたは次世代シーケンシングである。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCR(ブレークポイントクラスタータンパク質)シグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全の結果である。
いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子またはBCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、1つまたは複数の遺伝的変化の結果である。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遺伝子変化は、染色体転座t(11;14)(q13;q32)、染色体領域17p13の欠失、染色体領域11q23の欠失、染色体領域13q14の欠失、および12番染色体のトリソミーからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遺伝的変化は、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異である。
いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらし、ここで、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、MYD88L265のアミノ酸位置の1つまたは複数において1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらす。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、MYD88L265Pである。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異である。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、以下のアミノ酸位置のうちの1つまたは複数において1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす:117、316、474、481、528、560、562、および601。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、以下のアミノ酸置換:T117P、T316A、T474I、T474M、T474S、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、L528W、P560L、R562W、R562G、およびF601Lのうちの1つまたは複数を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす。
本明細書では、がんの治療を必要とする対象においてがんを治療する方法も提供され、この方法は、
(a)BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、
(b)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。
本明細書では、対象を治療する方法も提供され、この方法は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、対象がBCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有することを示す臨床記録を有する対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、または神経膠腫からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、血液がんである。いくつかの実施形態では、血液がんは、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病、および骨髄腫からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、血液がんは、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化型白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞ALL、三系統骨髄異形成症を伴うAML(AML/TMDS)、混合系統白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL)))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、未分化大細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、および多発性骨髄腫(MM)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、B細胞悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、または有毛細胞白血病からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、形質転換を受けていない。BTK関連がんにおける形質転換の非限定的な例には、リヒター形質転換、前リンパ球性形質転換(例えば、CLLの前リンパ球性形質転換)、形質転換された非ホジキンリンパ腫、および芽球様リンパ腫(例えば、芽球様変異型マントル細胞リンパ腫)が含まれる。
いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、リンパ腫による中枢神経系の関与が知られているがんではない。
いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、固形腫瘍である。
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、および神経膠腫からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、経口投与される。
いくつかの実施形態では、この方法は、追加の療法(therapy)または治療薬(therapeutic agent)を対象に投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、追加の療法または治療薬(therapeutic agent)は、放射線療法、細胞毒性化学療法剤、キナーゼ標的療法剤(therapeutics)、アポトーシス調節薬、シグナル伝達阻害剤、免疫標的療法、転写調節阻害剤、および血管新生標的療法からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、1つまたは複数のキナーゼ標的療法剤から選択される。いくつかの実施形態では、キナーゼ標的療法剤は、JAK、Src、IRAK、およびそれらの組み合わせから選択されるキナーゼファミリーからのキナーゼを標的とする。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、1つまたは複数のタンパク質阻害剤から選択される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタンパク質阻害剤は、抗アポトーシスタンパク質、熱ショックタンパク質、核外移行タンパク質、キナーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、E3ユビキチンリガーゼ、ヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタンパク質阻害剤は、PI3K、JAK-2、IRAK1、IRAK4、BMX、TAK1、Srcファミリー、HDAC6、MDM2、BCL-2、EZH2、EHMT2、PIM、JAK3、mTOR、ROR-1、Syk、PKC、Hsp90、XPO1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、2つの追加の治療薬が投与される(例えば、mTORの阻害剤およびBCL-2の阻害剤)。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、抗アポトーシスタンパク質、熱ショックタンパク質、核外移行タンパク質、キナーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、E3ユビキチンリガーゼ、ヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、PI3K、JAK-2、IRAK1、IRAK4、BMX、TAK1、Srcファミリー、HDAC6、MDM2、BCL-2、EZH2、EHMT2、PIM、JAK3、mTOR、ROR-1、Syk、PKC、Hsp90、XPO1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、追加の治療薬とは、別々の投与量で同時に投与される。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、追加の治療薬とは、別々の投与量で、任意の順序で逐次的に投与される。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法も提供され、この方法は以下を含む:
(a)1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を、対象に一定期間投与すること、
(b)(a)の後、対象から得られた試料中のがん細胞が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加を、がん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定すること、および
(c)対象が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与すること、または、
(d)対象が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を、対象に投与すること。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)における抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)における抗がん剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤である。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)における抗がん剤は、1つまたは複数のキナーゼ標的療法剤から選択される。いくつかの実施形態では、キナーゼ標的療法剤は、JAK、Src、IRAK、およびそれらの組み合わせから選択されるキナーゼファミリーからのキナーゼを標的とする。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)における抗がん剤は、抗アポトーシスタンパク質、熱ショックタンパク質、核外移行タンパク質、キナーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、E3ユビキチンリガーゼ、ヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害するタンパク質阻害剤である。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)における抗がん剤は、抗アポトーシスタンパク質、熱ショックタンパク質、核外移行タンパク質、キナーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、E3ユビキチンリガーゼ、ヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する1つまたは複数のタンパク質阻害剤から選択される。
いくつかの実施形態では、タンパク質阻害剤は、PI3K、JAK-2、IRAK1、IRAK4、BMX、TAK1、Srcファミリー、HDAC6、MDM2、BCL-2、EZH2、EHMT2、PIM、JAK3、mTOR、ROR-1、Syk、PKC、Hsp90、XPO1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。
いくつかの実施形態では、対象に追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を投与し、方法は、(e)別の抗がん剤を対象に投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、ステップ(e)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、ステップ(e)の抗がん剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物である。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法も提供され、この方法は以下を含む:
(a)1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を、対象に一定期間投与すること、
(b)(a)の後、対象から得られた試料中のがん細胞が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加を、がん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定すること、
(c)対象が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与すること、または、
(d)対象が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を、対象に投与すること、ここで変異は、アミノ酸位置481における置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、およびC481Rである。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)の抗がん剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤である。
いくつかの実施形態では、対象に追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を投与し、方法は、(e)別の抗がん剤を投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、ステップ(e)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、ステップ(e)の抗がん剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の医薬組成物である。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法も提供され、この方法は以下を含む:
(a)1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を、対象に一定期間投与すること、
(b)(a)の後、対象から得られた試料中のがん細胞が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加を、がん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定すること、
(c)対象が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩による噴霧乾燥分散体または医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与すること、または、
(d)対象が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を、対象に投与すること、ここで変異は、PLCγ2のアミノ酸位置、244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141の1つまたは複数における置換である。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法も提供され、この方法は以下を含む:
(a)がんを有しており、かつ1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加を、がん細胞または腫瘍に付与する1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定すること、および
(b)対象が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与すること、または、
(c)対象が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加を、がん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量の第1のBTK阻害剤を、対象に投与すること。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法も提供され、この方法は以下を含む:
(a)がんを有しており、かつ1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加を、がん細胞または腫瘍に付与する1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定すること、および
(b)対象が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、対象に対する単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与すること、または、
(c)対象が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加を、がん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤を、対象に投与すること。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法も提供され、この方法は以下を含む:
(a)1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を一定期間投与すること、
(b)(a)の後、対象から得られた試料中のがん細胞が、ステップ(a)の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定すること、および
(c)対象が、ステップ(a)の請求項1~3のいずれか1つによる噴霧乾燥分散体または請求項7~93のいずれか1つによる医薬組成物による治療に対する耐性の増加を、がん細胞または腫瘍に付与する1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与すること、または、
(d)ステップ(a)の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する対象に、追加用量のステップ(a)の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を投与すること。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法も提供され、この方法は以下を含む:
(a)がんを有しており、かつ1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、対象に以前投与された式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定すること、
(b)対象が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加を、がん細胞または腫瘍に付与する1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与すること、または、
(c)対象に以前投与された式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する対象に、追加用量の以前投与された式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を投与すること。
本明細書では、対象においてBTK関連がんを治療する方法も提供され、この方法は以下を含む:
(a)単独療法として、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を、BTK関連がんを有すると同定または診断された対象に投与すること、
(b)ステップ(a)の後、対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルを判定すること、
(c)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物、および追加の治療薬または療法を、循環腫瘍DNAの参照レベルと比較してほぼ同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有すると同定された対象に投与すること。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、第2のBTKキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬または治療が、放射線療法、化学療法薬、チェックポイント阻害剤、手術、および1つまたは複数の第2のキナーゼ阻害剤のうちの1つまたは複数を含む。
いくつかの実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、ステップ(a)の前に対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルである。
本明細書では、対象においてBTK関連がんを治療する方法も提供され、この方法は、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物と、追加の治療薬または治療とを、(i)BTK関連がんを有していると同定または診断された対象に、(ii)1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を単独療法として以前投与された対象に、および(ii)1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物の単独療法としての投与後に、循環腫瘍DNAの参照レベルと比較してほぼ同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有していると同定された対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体またはそれらの医薬組成物の単独療法としての投与前の対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルである。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、第2のBTKキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬または治療が、放射線療法、化学療法薬、チェックポイント阻害剤、手術、および1つまたは複数の第2のタンパク質阻害剤のうちの1つまたは複数を含む。
本明細書では、対象に対する治療を選択する方法も提供され、この方法は、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を、(i)BTK関連がんを有していると同定または診断された対象に対して、(ii)1回または複数回の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤を以前投与された対象に対して、および(ii)1回または複数回の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤の投与後に、循環腫瘍DNAの参照レベルと比較してほぼ同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有していると同定された対象に対して選択することを含む。
本明細書では、対象に対する治療を選択する方法も提供され、この方法は、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物と、追加の治療的処理(therapeutic treatment)を、(i)BTK関連がんを有していると同定または診断された対象に対して、(ii)1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を単独療法として以前投与された対象に対して、および(ii)1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物の投与後に、循環腫瘍DNAの参照レベルと比較してほぼ同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有していると同定された対象に対して選択することを含む。
いくつかの実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体またはそれらの医薬組成物の単独療法としての投与前の対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルである。いくつかの実施形態では、追加の治療的処理は、第2のBTKキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療的処理が、放射線療法、化学療法薬、チェックポイント阻害剤、および1つまたは複数の第2のタンパク質阻害剤のうちの1つまたは複数を含む。
本明細書では、対象において治療の有効性を判定する方法も提供され、この方法は、
(a)第1の時点でBTK関連がんを有すると同定または診断された対象から得られた生体試料中の第1のレベルの循環腫瘍DNAを判定すること、
(b)第1の時点の後および第2の時点の前に、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を含む治療を対象に投与すること、
(c)第2の時点で対象から得られた生体試料中の第2のレベルの循環腫瘍DNAを判定すること、および
(d)第1のレベルの循環腫瘍DNAと比較して、低下した第2のレベルの循環腫瘍DNAを有すると判定された対象において治療が有効であることを同定すること、または
第1のレベルの循環腫瘍DNAと比較して、ほぼ同一または上昇した第2のレベルの循環腫瘍DNAを有すると判定された対象において治療が有効ではないことを同定することを含む。
本明細書では、対象が治療に対する耐性を発症しているかを判定する方法も提供され、この方法は、
(a)第1の時点でBTK関連がんを有すると同定または診断された対象から得られた生体試料中の第1のレベルの循環腫瘍DNAを判定すること、
(b)第1の時点の後および第2の時点の前に、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を含む治療を対象に投与すること、
(c)第2の時点で対象から得られた生体試料中の第2のレベルの循環腫瘍DNAを判定すること、および
(d)第1のレベルの循環腫瘍DNAと比較して、低下した第2のレベルの循環腫瘍DNAを有する対象が、治療に対する耐性を発症していないことを判定すること、または
第1のレベルの循環腫瘍DNAと比較して、ほぼ同一または上昇した第2のレベルの循環腫瘍DNAを有する対象が、治療に対する耐性を発症していることを判定することを含む。
上述の実施形態のいずれかにおいて、対象は、活動性の制御されていない自己免疫性血球減少症を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、自己免疫性血球減少症と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療を開始してから6ヶ月以内に、臨床的に重要な、制御されていない心臓疾患、心血管疾患、または心筋梗塞の病歴を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、心臓疾患または心血管疾患と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、心筋梗塞を有していない。いくつかの実施形態では、対象は、臨床的に重要な活動性吸収不良症候群を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、吸収不良症候群と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療のいずれかの期間に、強力なチトクロームP450 3A4(CYP3A4)阻害剤(例えば、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、クロラムフェニコール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、ネファゾドン、およびコビシスタット)、または誘導剤(例えば、カルバマゼピン、デキサメタゾン、エトスクシミド、グルココルチコイド、グリセオフルビン、フェニトイン、プリミドン、プロゲステロン、リファンピン、ナフシリン、ネルフィナビル、ネビラピン、オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニルブタゾン、ロフェコキシブ(軽度)、セントジョンズワート、スルファジミジン、スルフィンピラゾン、およびトログリタゾン)によって治療されていない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療のいずれかを開始してから7日以内に、プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾール、ランソプラゾール、デクスランソプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、イラプラゾール)によって治療されていない。いくつかの実施形態では、対象は、活動性の第2の悪性腫瘍を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、寛解している活動性の第2の悪性腫瘍を有し、対象の平均余命は2年を超える。
本明細書では、哺乳動物細胞におけるBTKキナーゼ活性を阻害するための方法も提供され、この方法は、哺乳動物細胞を、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または多形形態と接触させることを含む。
本明細書では、対象の自己免疫疾患または炎症性疾患を治療する方法も提供され、この方法は、自己免疫疾患または炎症性疾患を有すると同定または診断された対象に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を対象に投与することを含む。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明で使用するための方法および材料が本明細書に記載される。当該技術分野で知られている他の好適な方法および材料も使用することができる。材料、方法、および例は、単に説明を目的としており、限定を意図するものではない。本明細書で言及される全ての出版物、特許出願、特許、配列、データベースエントリ、および他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本明細書が優先するものとする。
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は、説明、および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
定義
本明細書で使用されるとき、「多形体」という用語は、結晶格子内の分子の秩序の結果として異なる物理的特性を有する同じ化合物の結晶を指す。単一の化合物の異なる多形体は、互いに1つまたは複数の異なる化学的、物理的、機械的、電気的、熱力学的、および/または生物学的特性を有している。多形体によって示される物理的特性の違いは、貯蔵安定性、圧縮性、密度(組成物および生成品の製造において重要)、溶解速度(バイオアベイラビリティを判定する重要な因子)、溶解性、融点、化学的安定性、物理的安定性、粉末流動性、水分吸着、圧縮、および粒子形態などの医薬品のパラメータに影響し得る。安定性の違いは、化学反応性(例えば、ある多形体で構成される場合よりも別の多形体で構成されるとき、剤形がより急速に変色するような異なった酸化)または機械的変化(例えば、速度論的に好ましい多形体が熱力学的により安定な多形体に変換するときの保管時の結晶の変化)、あるいはその両方(例えば、1つの多形体は他よりも吸湿性が高い)の変化に起因する可能性がある。溶解度/分解度の違いの結果として、いくつかの転移が効力や毒性に影響する。さらに、結晶の物理的特性は、処理において重要であり得、例えば、1つの多形体が溶媒和物を形成する可能性が高いか、または不純物を濾過および洗浄して含まないようにするのが難しい場合がある(すなわち、粒子の形状とサイズ分布は、他方の多形体と比較して、一方の多形体の間で異なるかもしれない)。本明細書で使用されるとき、「多形体」は、化合物の非晶質形態を含まない。本明細書で使用されるとき、「非晶質」とは、化合物の固体状態形態または化合物の可溶化形態であり得る化合物の非結晶形態を指す。例えば、「非晶質」とは、分子または外部平面の規則的な繰り返し配列がない化合物(例えば、化合物の固体形態)を指す。
本明細書で使用されるとき、「無水」という用語は、1重量%以下の水を有する式Iの化合物の結晶形態を指す。例えば、0.5重量%以下、0.25重量%以下、または0.1重量%以下の水である。
本明細書で使用されるとき、「溶媒和物」という用語は、結晶格子が1つまたは複数の結晶化溶媒を含む、化合物の多形形態などの式Iの化合物の結晶形態を指す。
「純度」は、式Iの化合物の多形体を含む組成物に関して使用されるとき、言及される組成物中の、式Iの化合物の別の多形形態または非晶質形態に対する1つの特定の多形形態のパーセンテージを指す。例えば、90%の純度を有する多形形態1を含む組成物は、形態1の90重量部と、式Iの化合物の他の多形形態および/または非晶質形態の10重量部と、を含む。
本明細書で使用されるとき、化合物または組成物が顕著な量の他の成分を含まない場合、化合物または組成物は1つまたは複数のそのような他の成分を「実質的に含まない」。例えば、組成物は、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、または1重量%未満の他の成分を含むことができる。そのような成分には、出発物質、残留溶媒、または本明細書で提供される化合物および組成物の調製および/または単離から生じる可能性がある他の不純物が含まれ得る。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される多形形態は、他の多形形態を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の特定の多形体は、特定の多形体が存在する式Iの化合物の少なくとも約95重量%を構成する場合、他の多形体を「実質的に含まない」。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の特定の多形体は、特定の多形体が存在する式Iの化合物の少なくとも約97重量%、約98重量%、約99重量%、または約99.5重量%を構成する場合、他の多形体を「実質的に含まない」。特定の実施形態では、式Iの化合物の特定の多形体は、水の量が多形体の約2重量%、約1重量%、または約0.5重量%以下を構成する場合、水を「実質的に含まない」。
本明細書で使用されるとき、「実質的に純粋」とは、式Iの化合物の多形形態に関して使用されるとき、化合物の重量に基づいて、化合物の91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、および99%ならびに約100%に等しいものをも含む、90%超を含む、90%を超える純度を有する化合物の多形形態の試料を意味する。残りの材料は、化合物の他の形態(複数可)、および/または反応不純物および/またはその調製から生じる処理不純物を含む。例えば、式Iの化合物の多形形態は、当該技術分野で現時点で既知であり、かつ一般に受け入れられている手段によって測定されるとき、式Iの化合物の多形形態の純度が90%を超え、残りの10%未満の材料が式Iの化合物の他の形態(複数可)および/または反応不純物および/または処理不純物を含む、という点で、実質的に純粋であるとみなされ得る。反応不純物および/または処理不純物の存在は、例えば、クロマトグラフィー、核磁気共鳴分光法、質量分析、または赤外分光法などの当該技術分野で既知の分析技術によって判定され得る。
DSC、TGA、TG、(ガラス転移温度)またはDTA(示差熱分析)についての値に先行する「約」という用語は、摂氏温度として報告され、±5℃の許容変動がある。
より簡潔な記載を提供するために、本明細書の定量的表現のいくつかは、約量X~約量Yの範囲として列挙されている。範囲が列挙されるとき、範囲は、その列挙された上限および加減に限定されず、むしろ、約量X~約量Yまでの全範囲、またはその中の任意の範囲を含む。
「室温」または「RT」とは、一般的な実験室の周囲温度を指し、通常は約25℃である。
「噴霧乾燥」とは、溶液またはスラリーから乾燥粉末を製造する方法を指す。溶液またはスラリーは、噴霧されるか、または例えば空気もしくは窒素などの高温ガスで急速に乾燥され、これにより、溶媒が迅速かつ均一に蒸発する。「噴霧乾燥分散体」とは、噴霧乾燥プロセスから得られる粉末を指す。
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語には、生物学的でもその他の望ましくないものでもないありとあらゆる溶媒、共溶媒、錯化剤、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体および薬剤の使用は、当該技術分野で周知である。任意の従来の媒体または薬剤が活性成分と適合しない場合を除いて、本明細書で提供される治療組成物におけるその使用が意図される。補助的な活性成分も組成物に組み込むことができる。加えて、当該技術分野で通例使用されているような、様々な賦形剤が含まれ得る。これらおよび他のそのような化合物は、文献、例えば、Merck Index,Merck&Company,Rahway,NJに記載されている。医薬組成物中に様々な成分を含めることについての考察が、例えばGilman et al.(Eds.)(2010);Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics,12th Ed.,The McGraw-Hill Companiesに記載されている。
本明細書で使用される場合、「対象」、「個体」、または「患者」という用語は互換的に使用され、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類、およびヒトなどの哺乳動物を含む、任意の動物を指す。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
いくつかの実施形態では、対象は、治療および/または予防される疾患または障害の少なくとも1つの症状を経験および/または示している。いくつかの実施形態では、対象は、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を伴うがん(BTK関連がん)を有するとして同定または診断されている(例えば、規制当局承認の、例えばFDA承認の、アッセイまたはキットを用いて判定される)。いくつかの実施形態では、対象は、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全が陽性である腫瘍を有する(例えば、規制当局承認のアッセイまたはキットを用いて判定される)。対象は、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全が陽性である腫瘍(複数可)を有する対象であり得る(例えば、規制当局承認の、例えばFDA承認の、アッセイまたはキットを用いて陽性であると同定される)。対象は、その腫瘍がBTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそのれらいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有する対象であり得る(例えば、腫瘍が、規制当局承認の、例えばFDA承認の、キットまたはアッセイを用いてそうであると同定される)。いくつかの実施形態では、対象は、BTK関連がんを有する疑いがある。いくつかの実施形態では、対象は、血液がんを有すると同定または診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、B細胞悪性腫瘍を有すると同定または診断されている。いくつかの実施形態では、対象は、対象がBTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有する腫瘍を有することを示す臨床記録を有する(かつ任意選択で、その臨床記録は、対象が、本明細書で提供される組成物のいずれかで治療されるべきであることを示す)。いくつかの実施形態では、対象は小児患者である。
本明細書で使用される「小児患者」という用語は、診断または治療の時点で21歳未満の患者を指す。「小児」という用語は、新生児(出生から生後1か月まで)、乳幼児(1か月から2歳まで)、児童(2歳から12歳まで)、および青少年(12歳から21歳まで(22歳の誕生日まで、ただし22歳の誕生日を除く))を含む、様々な下位集団にさらに分割することができる。Berhman RE、Kliegman R、Arvin AM、Nelson WEのTextbook of Pediatrics,15th Ed.Philadelphia:W.B.Saunders Company,1996、Rudolph AMらのRudolph’s Pediatrics,21st Ed.New York:McGraw-Hill,2002、およびAvery MD、First LRのPediatric Medicine,2nd Ed.Baltimore:Williams&Wilkins;1994を参照されたい。いくつかの実施形態では、小児患者は、出生から生後28日まで、生後29日から2歳未満、2歳から12歳未満、または12歳から21歳まで(22歳の誕生日まで、ただし22歳の誕生日を除く)である。いくつかの実施形態では、小児患者は、出生~生後28日まで、生後29日~1歳未満、生後1ヶ月~生後4ヶ月未満、生後3ヶ月~生後7ヶ月未満、生後6ヶ月~1歳未満、1歳~2歳未満、2歳~3歳未満、2歳~7歳未満、3歳~5歳未満、5歳~10歳未満、6歳~13歳未満、10歳~15歳未満、または15歳~22歳未満である。
本明細書で使用される場合、「治療する」または「治療」という用語は、治療的または緩和的措置を指す。有益なまたは望ましい臨床結果には、検出可能または検出不能にかかわらず、疾患または障害または状態に関連する症状の全体的または部分的な緩和、疾患の程度の減少、疾患の安定した(すなわち、悪化していない)状態、疾患進行の遅延または緩徐化、疾患状態(例えば、疾患の1つまたは複数の症状)の改善または緩和、および寛解(部分的であろうと全体的であろうと)が含まれるが、これらに限定されない。「治療」はまた、治療を受けない場合に予想される生存期間と比較して延長された生存期間を意味することもできる。
「療法」という用語は、治療レジメンの一部としての対象への1回または複数回の用量の活性化合物または医薬品の投与を指す。
一実施形態では、本明細書で使用されるとき、「予防すること」という用語は、本明細書に記載の疾患もしくは状態、またはその症状の全体または一部の発症、再発または拡大の予防を意味する。
「進行」という用語は、国立がん研究所(NCIがん用語辞典)によって定義されているように、悪化するか、体内に広がるがんを指す。例えば、進行は、対象におけるがん細胞の数の増加、対象における1つまたは複数の腫瘍のサイズの増加、腫瘍量の増加、転移の速度または程度の増加、全体的または部分的にがんに関連する症状の悪化、疾患の程度の増加、および/または疾患の進行の加速を含み得る。「進行」はまた、治療を受けない場合に予想される生存期間と比較して短くなった生存期間を意味することもできる。いくつかの実施形態では、進行は、芽球のパーセンテージの増加、骨髄対赤芽球比の増加、異形成(例えば、白血球異形成)の増加、骨髄形質細胞のパーセンテージの増加、および骨髄リンパ球のパーセンテージの増加のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Sever,et al.,Arch Pathol Lab Med.2016 Sep;140(9):932-49を参照されたい)。いくつかの実施形態では、進行は、白血球(例えば、多形核白血球)のパーセンテージの増加、血小板数の減少、および末梢血中のヘモグロビンの減少のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、腫瘍量は、RECIST(例えば、RECISTバージョン1またはバージョン1.1)を使用して評価することができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Eisenhauer et al.,Eur.J.Cancer.2009,45(2):228-47を参照されたい。いくつかの実施形態では、腫瘍量は、PERCISTを使用して評価することができる。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Wahl,et al.J.nucl.med.2009,50:122S-150Sを参照されたい。
「再発」という用語は、国立がん研究所(NCIがん用語辞典)によって定義されているように、改善期間後の疾患または疾患の徴候および症状の再来(return)を指す。例えば、再発は、改善期間後の、対象におけるがん細胞の数の増加、対象における1つまたは複数の腫瘍のサイズの増加、腫瘍量の増加、転移の速度または程度の増加、全体的または部分的にがんに関連する症状の悪化、疾患の程度の増加、および/または疾患の進行の加速を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、再発は、改善期間後のがんの進行を含み得る。いくつかの実施形態では、改善期間は、対象におけるがん細胞の数の減少、対象における1つまたは複数の腫瘍のサイズの減少、腫瘍量の減少、転移の速度または程度の減少、全体的または部分的にがんに関連する症状の改善、疾患の程度の減少、および/または疾患の進行の遅延化を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、再発は、改善期間後の、芽球のパーセンテージの増加、骨髄対赤芽球比の増加、異形成(例えば、白血球異形成)の増加、骨髄形質細胞のパーセンテージの増加、および骨髄リンパ球のパーセンテージの増加のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、改善期間は、芽球のパーセンテージの減少、骨髄対赤血球比の減少、異形成(例えば、白血球異形成)の減少、骨髄形質細胞のパーセンテージの減少、および骨髄のパーセンテージの減少のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、再発は、改善期間後の、白血球(例えば、多形核白血球)のパーセンテージの増加、血小板数の減少、および末梢血中のヘモグロビンの減少のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、改善期間は、白血球(例えば、多形核白血球)のパーセンテージの減少、血小板数の増加、および末梢血中のヘモグロビンの増加のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。
「再発(relapse)」はまた、国立がん研究所が、通常、がんが検出できなかった期間の後に再発したがんとして定義する「再発(recurrence)」を含み得る。がんは、元の(原発性)腫瘍と同じ体内の場所または体内の別の場所に再発する可能性がある(NCIがん用語辞典)。いくつかの実施形態では、がんを検出しないことは、対象においてがん細胞を検出しないこと、対象において腫瘍を検出しないこと、および/または全体的または部分的にがんに関連する症状がないことを含み得る。
本明細書で使用されるとき、「不寛容」および「不寛容である」という用語は、療法中の計画外の入院、療法の中止、および/または療法用量の減少、療法に起因する機能低下、および/またはパフォーマンスステータスの低下をもたらす、重度の、障害を与える、または生命を脅かす有害事象の発生を指し得る。いくつかの実施形態では、パフォーマンスステータスの低下は、パフォーマンスステータスの東部共同腫瘍学群(ECOG)スケールを使用して評価することができる(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Oken et al.Am.J.Clin.Oncol.5:649-655(1982),which is incorporated by reference in its entirety hereinを参照されたい)。いくつかの実施形態では、パフォーマンスステータスの低下は、カルノフスキーパフォーマンスステータスを使用して評価することができる(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Peus et al.,BMC Med.Inform.Decis.Mak.13:72(2013)を参照されたい)。いくつかの実施形態では、対象は小児患者であり、パフォーマンスステータスは、ランスキーパフォーマンススコアによって評価される(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Lansky et al.,Cancer.60(7):1651-6(1987)を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「予防する」という用語は、本明細書に記載の疾患もしくは状態、またはその症状の全体もしくは一部の発症、再発または拡大の予防を意味する。
「投与」または「投与する」という用語は、哺乳動物、鳥、魚、または両生類を含む脊椎動物または無脊椎動物に、化合物または医薬組成物の投与量を与える方法を指す。好ましい投与方法は、様々な要因、例えば、医薬組成物の成分、疾患の部位、および疾患の重症度に応じて異なり得る。
本明細書で提供される場合、化合物の「治療有効量」または「薬学的有効量」とは、所望の効果を達成するのに十分な量であり、疾患状態の性質および重症度、ならびに化合物の効力に従って異なり得る。治療効果とは、疾患の1つまたは複数の症状のある程度の緩和であり、疾患の治癒を含み得る。「治癒」とは、活性疾患の症状が除去されることを意味する。しかしながら、治癒が得られた後でさえも、疾患の特定の長期的または永続的な影響(例えば、広範囲の組織損傷など)が存在し得る。
「遺伝子、タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全」という語句は、遺伝子変異(例えば、キナーゼドメインおよび融合パートナーを含む融合タンパク質の発現をもたらす染色体転座、野生型タンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含むタンパク質の発現をもたらす遺伝子における変異、野生型タンパク質と比較して1つまたは複数の点変異を含むタンパク質の発現をもたらす遺伝子における変異、野生型タンパク質と比較して少なくとも1つの挿入されたアミノ酸を含むタンパク質の発現をもたらす遺伝子における変異、または細胞内のタンパク質レベルの増加をもたらす調節配列(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)における変異)、野生型タンパク質と比較してタンパク質において少なくとも1つのアミノ酸の欠失を有するタンパク質をもたらすmRNAの選択的スプライスバージョン)、または、(例えば、対照の非がん細胞と比較するとき、)異常な細胞のシグナル伝達および/もしくは調節不全のオートクリン/パラクリンシグナル伝達に起因する哺乳動物細胞における野生型タンパク質の増加した発現(例えば、増加したレベル)を指す。別の例として、遺伝子、タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、構成的活性型であるか、または変異を含まない遺伝子によってコードされるタンパク質と比較して増大した活性を有するタンパク質をコードする遺伝子における変異であり得る。例えば、遺伝子、タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、機能的キナーゼドメインを含むタンパク質の第1の部分と、パートナータンパク質(すなわち、一次タンパク質ではない)の第2の部分とを含む融合タンパク質の発現をもたらす、遺伝子または染色体転座の結果であり得る。いくつかの例では、遺伝子、タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、ある遺伝子の別の遺伝子との遺伝子転座の結果であり得る。
「BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全」という語句は、BTKキナーゼの発現の増加、BTK遺伝子の転写の増加、またはBTKキナーゼの活性化またはリン酸化の増加を指す。例として、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、遺伝子変異(例えば、融合タンパク質の発現をもたらすBTK遺伝子転座、野生型BTKタンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含むBTKタンパク質の発現をもたらすBTK遺伝子における欠失、または1つもしくは複数の点変異を伴うBTKタンパク質の発現をもたらすBTK遺伝子における変異)、あるいは細胞中のBTKタンパク質のキナーゼドメインの活性において病的な増大(例えば、BTKタンパク質の構成的活性型キナーゼドメイン)を生じさせる、細胞中のBTK遺伝子の過剰発現に起因する、BTKタンパク質の過剰発現もしくはオートクリン活性をもたらす、BTK遺伝子増幅、であり得る。別の例として、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTKのmRNAの選択的スプライシングバージョン、または野生型BTKのmRNAと比較して、代替プロモーターで開始して転写されるBTKのmRNAであり得る。いくつかの実施形態では、BTKのmRNAの選択的スプライシングされたバージョンは、野生型BTKタンパク質と比較して、BTKタンパク質中の少なくとも1つのアミノ酸の欠失を伴うBTKをもたらす。いくつかの実施形態では、野生型BTKキナーゼと比較して代替プロモーターから転写されたBTKのmRNAは、野生型BTKキナーゼと比較して、BTKキナーゼのN末端に少なくとも1つのアミノ酸が付加されたBTKキナーゼをもたらす。別の例として、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、構成的活性型であるか、または変異を含まないBTK遺伝子によってコードされるタンパク質と比較して増大した活性を有するBTKタンパク質をコードするBTK遺伝子における変異であり得る。BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全のさらなる例は、BTK阻害剤耐性変異である。BTK阻害剤耐性変異の非限定的な例は、表2に記載されている。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BCR複合体または下流シグナル伝達成分内の1つまたは複数の活性化変異、組織の微小環境に存在する微生物抗原または自己抗原による連続的なBCR刺激、あるいはBTKタンパク質の発現または活性化の病原性の増加をもたらすリガンド非依存性の持続性BCRシグナル伝達である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質の過剰発現または過剰活性化である。例えば、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BCRシグナル伝達経路タンパク質における遺伝子変異(例えば、融合タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子転座、野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含むBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子の欠失、または、1つまたは複数の点変異を伴うBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子における変異、野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較したBCRシグナル伝達経路タンパク質の少なくとも1つのアミノ酸の欠失をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質mRNAの選択的スプライシングバージョン)の結果であり得る。BCRシグナル伝達経路変異の非限定的な例は、表4に記載されている。BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全のさらなる例は、BTK阻害剤耐性変異である。BCRシグナル伝達経路タンパク質におけるBTK阻害剤耐性変異の非限定的な例は、表3に記載されている。
本明細書で使用されるとき、「BTK関連疾患または障害」という用語は、BTK遺伝子、BTKキナーゼ(本明細書では、BTKキナーゼタンパク質もしくはBTKキナーゼとも呼ばれる)、またはそのいずれかの(例えば、1つまたは複数)の発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全(例えば、本明細書に記載の任意の型のBTK遺伝子、BTKキナーゼ、BTKキナーゼドメイン、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全)に関連するか、またはそれを有する疾患または障害を指す。BTK関連疾患または障害の非限定的な例には、例えば、がんおよび関節炎や狼瘡などの自己免疫疾患が含まれる。
本明細書で使用されるとき、「BTK関連がん」という用語は、BTK遺伝子、BTKキナーゼ(本明細書では、BTKキナーゼタンパク質もしくはBTKキナーゼとも呼ばれる)、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全に関連するか、またはそれを有するがんを指す。BTK関連がんの非限定的な例は、本明細書に記載されている。
「活性化変異」という用語は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば野生型タンパク質と比較して活性が増加したタンパク質の発現をもたらす遺伝子における変異を表す。例えば、活性化変異は、キナーゼドメインおよび融合パートナーを含む融合タンパク質の発現をもたらし得る。別の例では、活性化変異は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば野生型タンパク質と比較してタンパク質活性が増加した、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または、10個)のアミノ酸置換(例えば、本明細書に記載のアミノ酸置換のうちのいずれかの任意の組み合わせ)を有するタンパク質の発現をもたらす遺伝子における変異であり得る。別の例では、活性化変異は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば野生型タンパク質と比較して、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または、10個)のアミノ酸欠失を有するタンパク質の発現をもたらす遺伝子における変異であり得る。別の例では、活性化変異は、例えば同一条件下でアッセイするときに、野生型タンパク質と比較するとき、少なくとも1つ(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、または少なくとも20個)の挿入されたアミノ酸を有するタンパク質の発現をもたらす遺伝子における変異であり得る。
いくつかの実施形態では、「活性化変異」は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば野生型BTKキナーゼと比較してキナーゼ活性が増加したBTKキナーゼの発現をもたらすBTKキナーゼ遺伝子における変異を表す。例えば、活性化変異は、BTKキナーゼドメインおよび融合パートナーを含む融合タンパク質の発現をもたらし得る。別の例では、活性化変異は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば野生型BTKキナーゼと比較してキナーゼ活性が増加した、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または、10個)のアミノ酸置換(例えば、本明細書に記載のアミノ酸置換のうちのいずれかの任意の組み合わせ)を有するBTKキナーゼの発現をもたらすBTKキナーゼ遺伝子における変異であり得る。別の例では、活性化変異は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば野生型BTKキナーゼと比較して、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または、10個)のアミノ酸欠失を有するBTKキナーゼの発現をもたらすBTKキナーゼ遺伝子における変異であり得る。別の例では、活性化変異は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば本明細書に記載の例示的な野生型BTKキナーゼのような野生型BTKキナーゼと比較するとき、少なくとも1つ(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、または少なくとも20個)の挿入されたアミノ酸を有するBTKキナーゼの発現をもたらすBTKキナーゼ遺伝子における変異であり得る。活性化変異のさらなる例は、当該技術分野で既知である。
いくつかの実施形態では、「活性化変異」は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して活性が増加したBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質遺伝子における変異を表す。例えば、活性化変異は、BCRシグナル伝達経路タンパク質ドメインおよび融合パートナーを含む融合タンパク質の発現をもたらし得る。別の例では、活性化変異は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して活性が増加した、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または、10個)のアミノ酸置換(例えば、本明細書に記載のアミノ酸置換のうちのいずれかの任意の組み合わせ)を有するBTKキナーゼの発現をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質遺伝子における変異であり得る。別の例では、活性化変異は、例えば同一条件下でアッセイするときに、例えば野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して、1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または、10個)のアミノ酸欠失を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質遺伝子における変異であり得る。別の例では、活性化変異は、例えば同一条件下でアッセイするときに、野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較するとき、少なくとも1つ(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、または少なくとも20個)の挿入されたアミノ酸を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質遺伝子における変異であり得る。活性化変異のさらなる例は、当該技術分野で既知である。
「野生型(wildtype)」または「野生型(wild-type)」という用語は、BTK関連疾患、例えば、BTK関連がんを有しない(かつ任意選択で、BTK関連疾患を発症するリスクの増加がない、および/またはBTK関連疾患を有する疑いがない)対象に見られるか、あるいはBTK関連疾患、例えば、BTK関連がんを有しない(かつ任意選択で、BTK関連疾患を発症するリスクの増加がない、および/またはBTK関連疾患を有する疑いがない)対象由来の細胞もしくは組織に見られる、核酸(例えば、BTK遺伝子もしくはBTKのmRNA)またはタンパク質(例えば、BTKタンパク質)を表す。
「規制当局」という用語は、各国における医薬品の医学的使用を承認する国の機関を指す。例えば、規制当局の非限定的な一例は、米国食品医薬品局(FDA)である。
本明細書で定義されるとき、「BTKキナーゼ阻害剤」には、BTK阻害活性を示す任意の化合物が含まれる。いくつかの実施形態では、BTKキナーゼ阻害剤は、BTKキナーゼに対して選択的である。例示的なBTKキナーゼ阻害剤は、本明細書に記載のアッセイで測定するとき、約1000nM未満、約500nM未満、約200nM未満、約100nM未満、約50nM未満、約25nM未満、約10nM未満、または約1nM未満の、BTKキナーゼに対する阻害活性(IC50)を示し得る。いくつかの実施形態では、BTKキナーゼ阻害剤は、本明細書で提供されるアッセイで測定するとき、約25nM未満、約10nM未満、約5nM未満、または約1nM未満の、BTKキナーゼに対する阻害活性(IC50)を示し得る。
本明細書で使用されるとき、「第1のBTKキナーゼ阻害剤」または「第1のBTK阻害剤」は、本明細書で定義されるBTKキナーゼ阻害剤であるが、本明細書で定義される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含まない。本明細書で使用されるとき、「第2のBTKキナーゼ阻害剤」または「第2のBTK阻害剤」は、本明細書で定義されるBTKキナーゼ阻害剤であるが、本明細書で定義される式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、多形形態を含まない。本明細書で提供される方法に第1および第2のBTK阻害剤の両方が存在するとき、第1および第2のBTKキナーゼ阻害剤は異なる。
「免疫療法」という用語は、免疫系を調節する薬剤を指す。いくつかの実施形態では、免疫療法は、免疫系の調節因子の発現および/または活性を増加させることができる。いくつかの実施形態では、免疫療法は、免疫系の調節因子の発現および/または活性を低下させることができる。いくつかの実施形態では、免疫療法は、免疫細胞の活性を動員および/または増強することができる。
本明細書で使用される「薬学的組み合わせ」という用語は、2つ以上の活性成分の混合または組み合わせから生じる薬学的療法を指し、活性成分の固定のおよび非固定の組み合わせの両方を含む。
「固定の組み合わせ」という用語は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、少なくとも1つの追加の治療薬(例えば、化学療法薬)とが両方とも単一の組成物または投与量の形態で同時に対象に投与されることを意味する。
「非固定の組み合わせ」という用語は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、少なくとも1つの追加の治療剤(例えば、化学療法薬)とが、それらが、それらを必要とする対象に、同時に、同時的に、または様々な時間間隔限度を伴って逐次的に、投与可能であり、そのような投与が、対象の体内で2つ以上の化合物の有効なレベルをもたらすような、別々の組成物または投与量として製剤化されることを意味する。これらは、カクテル療法、例えば、3つ以上の活性成分の投与にも適用される。
「転移」という用語は、当該技術分野で既知の用語であり、対象または対象における原発腫瘍から離れた部位でのさらなる腫瘍(例えば、固形腫瘍)の形成を意味し、さらなる腫瘍は、原発腫瘍と同じまたは類似のがん細胞を含む。
「転移を発症する危険性」という語句は、原発腫瘍を有する対象または対象が、対象または対象において原発腫瘍から離れた部位でさらなる腫瘍(例えば、固形腫瘍)を形成し得る危険性を意味し、さらなる腫瘍は、原発腫瘍と同じまたは類似のがん細胞を含む。がんを有する対象または対象において転移を発症する危険性を低減するための方法が、本明細書に記載されている。
「さらなる転移を発症する危険性」という語句は、原発腫瘍と、原発腫瘍から離れた部位に1つまたは複数のさらなる腫瘍(ここで、1つまたは複数のさらなる腫瘍は、原発腫瘍と同じまたは類似のがん細胞を含む)とを有する対象または対象が、原発腫瘍から離れた1つまたは複数のさらなる腫瘍を発症し得る危険性を意味し、さらなる腫瘍には、原発腫瘍と同じまたは類似のがん細胞が含まれる。さらなる転移を発症する危険性を低減する方法は、本明細書に記載される。
本明細書で使用する場合、「接触させる」という用語は、インビトロ系またはインビボ系にて、示された部分を一緒にすることを指す。例えば、BTKキナーゼを本明細書で提供される化合物と「接触させること」は、BTKキナーゼを有するヒトなどの個体または対象に本明細書で提供される化合物を投与することと、例えば、本明細書で提供される化合物を、BTKキナーゼを含む細胞または精製調製物を含む試料中に導入することと、を含む。
「有効量」という語句は、そのような治療を必要とする対象に投与されるとき、(i)BTKキナーゼ関連疾患もしくは障害を治療する、(ii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1つまたは複数の症状を減弱、改善、もしくは除去する、または(iii)本明細書に記載の特定の疾患、状態、もしくは障害の1つまたは複数の症状の発症を遅延させる、のに十分である化合物の量を意味する。そのような量に対応する式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の量は、特定の化合物、疾患状態、およびその重症度、治療を必要とする対象の個性(例えば、体重)などの因子に応じて変化し得るが、それにもかかわらず当業者によって日常的に決定することができる。
1.式Iの化合物の医薬組成物
本開示は、ポリマーおよび式Iの化合物、
またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態を含む医薬組成物に関する。より具体的には、それは、BTK関連の疾患および障害を含むBTKキナーゼ阻害剤で治療することができる疾患の治療および予防に有用な、式Iの化合物、およびその薬学的に許容される塩、非晶質、または多形形態の噴霧乾燥分散体または経口医薬組成物に関する。
噴霧乾燥分散体
本明細書では、式Iの化合物とヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)ポリマーとを含む噴霧乾燥分散体が提供される。HPMCASポリマーの非限定的な例には、HPMCAS-MG、HPMCAS-LF、HPMCAS-LG、HPMCAS-MF、HMPCAS-HF、およびHPMCAS-HGが含まれる。HPMCASタイプLは、アセチル置換に対するスクシノイル置換の比率(S/A比)が高いポリマーであるが、タイプH HPMCASは、S/A比が低いポリマーであり、タイプM HPMCASポリマーは中程度のS/A比である。HPMCASタイプFおよびGは、それぞれ微粒子粒径および粒状粒径を指す。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は、約4:1、約3:1、約7:3、約13:7、約3:2、約11:9、約1:1、約9:11、約2:3、約7:13、約3:7、約1:3、または約1:4である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は約1:1である。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーは、HPMCAS-LF、HPMCAS-LG、HPMCAS-MF、HMPCAS-HF、HPMCAS-HG、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
本明細書では、式Iの化合物の噴霧乾燥分散体を調製する方法も提供される。この方法は、HPMCASポリマーを式Iの化合物に添加することと、混合物を噴霧乾燥して噴霧乾燥分散体を形成することと、を含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は、約4:1、約3:1、約7:3、約13:7、約3:2、約11:9、約1:1、約9:11、約2:3、約7:13、約3:7、約1:3、または約1:4である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は約1:1である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は約1:1である。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、噴霧乾燥される前に、溶液を形成する1つまたは複数の溶媒に溶解される。いくつかの実施形態では、溶媒は、1つまたは複数の有機溶媒である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、メタノール、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は有機溶媒と水との混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒はテトラヒドロフランと水との混合物である。例えば、有機溶媒は、95:5のテトラヒドロフラン:水であり得る。いくつかの実施形態では、有機溶媒はジクロロメタンとメタノールの混合物である。例えば、有機溶媒は、80:20w/w%体積)のジクロロメタン:メタノールであり得る。他の例では、溶媒は100%メタノールである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の形態Aは、1つまたは複数の有機溶媒に溶解される。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の溶液は、HPMCASポリマーを添加する前に、研磨濾過される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの溶液は、噴霧乾燥される前に研磨濾過される。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーは、有機溶媒に溶解される。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーは、1つまたは複数の溶媒に溶解される。いくつかの実施形態では、溶媒は、1つまたは複数の有機溶媒である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、メタノール、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は有機溶媒と水との混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒はテトラヒドロフランと水との混合物である。例えば、有機溶媒は、95:5のテトラヒドロフラン:水であり得る。いくつかの実施形態では、有機溶媒はジクロロメタンとメタノールの混合物である。例えば、有機溶媒は、80:20w/w%のジクロロメタン:メタノールであり得る。他の例では、溶媒は100%メタノールである。次いで、式Iの化合物を加えて溶解する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
この方法は、式Iの化合物およびHPMCASポリマーの溶液を噴霧乾燥することをさらに含む。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、方法は、噴霧乾燥分散体を乾燥させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は乾燥される。例えば、残留溶媒を除去する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体はオーブン内で乾燥される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、約30℃~約50℃の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、約35℃~約45℃、例えば、約40℃の温度で乾燥される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、N2パージ下で真空中で乾燥される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、約10~約40時間、約30~約60時間、約50~約80、約70~約100時間、約40時間、約50時間、約60時間、約70時間、約80時間、約90時間、または約100時間の間乾燥される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、約40,000ppm未満の溶媒が残るまで、約20,000ppm未満の溶媒が残るまで、約10,000ppm未満の溶媒が残るまで、約5000ppm未満の溶媒が残るまで、約2,500ppm未満の溶媒が残るまで、約1,000ppm未満の溶媒が残るまで、または約600ppm未満の溶媒が残るまで乾燥される。いくつかの実施形態では、溶媒は、ジクロロメタンとメタノールの混合物であり、噴霧乾燥分散体は、約2000ppm未満のジクロロメタンおよび約15,000ppm未満のメタノールが残るまで、約1,500ppm未満のジクロロメタンおよび約10,000ppm未満のメタノールが残るまで、または約600ppm未満のジクロロメタンおよび約3,000ppm未満のメタノールが残るまで、乾燥される。溶媒として100%メタノールを使用するいくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、約3,000ppm未満のメタノールが残るまで乾燥される。
医薬組成物
本明細書では、式Iの化合物とHPMCASポリマーの噴霧乾燥分散体を含む医薬組成物も提供される。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、噴霧乾燥分散体および1つまたは複数の医薬賦形剤を有する第1の組成物を含み、噴霧乾燥分散体は、HPMCASポリマーおよび本明細書に記載の式Iの化合物を含む。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約20%~約75%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約20%~約50%w/w、約50%~約75%w/w、または約30%~約60%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の約20%~約40%w/w、約30%~約50%w/w、約40%~約60%w/w、または約50~約75%w/wである。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、組成物の約30%~約40%w/w、約40%~約50%w/w、約50%~約60%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約55%w/w、または約60%w/wである。
いくつかの実施形態では、第1の組成物の医薬賦形剤は、充填剤、潤滑剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の第1の組成物は、充填剤を含み得る。充填剤は、医薬組成物に添加される結合剤、希釈剤、崩壊剤、流動促進剤、および界面活性剤を含み得る。いくつかの実施形態では、充填剤は、サッカリド(例えば、糖、デンプン、およびセルロース)、ゼラチン、および合成ポリマー[例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、およびポロキサマー(例えば、ポロキサマー188、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのコポリマー)]を含む。例示的な充填剤には、グルコース、スクロース、ラクトース、(例えば、Foremost Fast Flo 316ラクトース一水和物)、デンプン[デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、EXPLOTAB(登録商標))などの修飾デンプンを含む]、キシリトール、デキストリン、サッカロース、ソルビトール、マンニトール[例えば、PARTECK(登録商標)M200(平均粒径が約50μm~約500μmのマンニトール)またはPARTECK(登録商標)M100(平均粒径が212μm未満のマンニトール)]またはMannogemEZ噴霧乾燥マンニトール、セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、二塩基性リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、アリギン酸、アルギネート(例えば、Syloid 244FP)アルギン酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム、およびイオン交換樹脂が含まれるが、これらに限定されない。例示的なセルロース充填剤には、微結晶性セルロース[例えば、AVICEL(登録商標)PH-101(平均粒径が約50μmの微結晶性セルロース)またはAVICEL(登録商標)PH200(平均粒径が約180μmの微結晶性セルロース)]、またはAVICEL(登録商標)PH102メチルセルロース、エチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム(例えば、AC-Di Sol(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。例示的なポリビニルピロリドン充填剤には、KOLLIDON(登録商標)CL(平均粒径が90μm~130μmのクロスポビドン)またはKOLLIDON(登録商標)CL-SF(平均粒径が10μm~30μmのクロスポビドン)などの架橋ポリビニルピロリドンが含まれる。当業者に知られている他の充填剤もまた、本明細書に記載の組成物に配合された場合に有用であると考えられる。
いくつかの実施形態では、充填剤は、グルコース、スクロース、ラクトース、デンプン[デンプングリコール酸ナトリウム(EXPLOTAB(登録商標))などの修飾デンプンを含む]、キシリトール、デキストリン、サッカロース、ソルビトール、マンニトール[例えば、PARTECK(登録商標)M200(平均粒径が約50μm~約500μmのマンニトール)またはPARTECK(登録商標)M100(平均粒径が212μm未満のマンニトール)]、セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、二塩基性リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、アリギン酸、アルギネート(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ケイ酸カルシウム、イオン交換樹脂が含まれるが、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、セルロースは、微結晶性セルロース[例えば、AVICEL(登録商標)PH-101(平均粒径が約50μmの微結晶性セルロース)またはAVICEL(登録商標)PH200(平均粒径が約180μmの微結晶性セルロース)]、メチルセルロース、エチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリビニルピロリドンは、KOLLIDON(登録商標)CL(平均粒径が90μm~130μmのクロスポビドン)、KOLLIDON(登録商標)CL-SF(平均粒径が10μm~30μmのクロスポビドン)、またはそれらの組み合わせなどの架橋ポリビニルピロリドンである。
いくつかの実施形態では、充填剤は、第1の組成物の約25%~約80%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の約25%~約50%w/w、約50%~約80%w/w、約40%~約70%w/wである。いくつかの実施形態では、充填剤は、第1の組成物の約30%~約50%w/w、約45%~約65%w/w、約55%~約75%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約65%w/w、または約70%w/wである。
いくつかの実施形態では、充填剤は、結合剤、崩壊剤、またはそれらの組み合わせから選択される。
結合剤には、活性医薬成分と不活性成分をまとまりのある混合物にまとめる薬剤が含まれる。例示的な結合剤には、グルコース、スクロース、ラクトース、デンプン[デンプングリコール酸ナトリウム(EXPLOTAB(登録商標))などの修飾デンプンを含む]、キシリトール、デキストリン、サッカロース、ソルビトール、マンニトール[例えば、PARTECK(登録商標)M200(平均粒径が約50μm~約500μmのマンニトール)、PARTECK(登録商標)M100(平均粒径が212μm未満のマンニトール)]、セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、およびデンプングリコール酸ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。例示的なセルロース充填剤には、微結晶性セルロース[例えば、AVICEL(登録商標)PH-101(平均粒径が約50μmの微結晶性セルロース)またはAVICEL(登録商標)PH200(平均粒径が約180μmの微結晶性セルロース)]、またはメチルセルロース、エチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。例示的なポリビニルピロリドン充填剤には、KOLLIDON(登録商標)CL(平均粒径が90μm~130μmのクロスポビドン)またはKOLLIDON(登録商標)CL-SF(平均粒径が10μm~30μmのクロスポビドン)などの架橋ポリビニルピロリドンが含まれる。当業者に知られている他の結合剤もまた、本明細書に記載の組成物に配合された場合に有用であると考えられる。
いくつかの実施形態では、結合剤は、第1の組成物の約30%~約80%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の約30%~約50%w/w、約50%~約80%w/w、約40%~約70%w/wである。いくつかの実施形態では、充填剤は、第1の組成物の、約30%~約50%w/w、約35%~約55%w/w、約40%~約60%w/w、約45%~約65%w/w、約55%~約75%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約52%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約65%w/w、または約70%w/wである。
いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、ソルビトール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、マンニトール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約5%~約80%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の、約5%~約40%w/w、約40%~約80%w/w、約20%~約60%w/w、約5%~約30%w/w、約30%~約55%w/w、約10%~約40%w/w、または約15%~約35%w/wである。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の、約10%~約20%w/w、約20%~約30%w/w、約30%~約40%w/w、約40%~約50%w/w、約50%~約60%w/w、または約60%~約70%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、または約60%w/wである。
いくつかの実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の約5%~約80%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の、約5%~約40%w/w、約40%~約80%w/w、約20%~約60%w/w、約5%~約30%w/w、約30%~約55%w/w、約10%~約40%w/w、または約15%~約35%w/wである。いくつかの実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の、約10%~約20%w/w、約20%~約30%w/w、約30%~約40%w/w、約40%~約50%w/w、約50%~約60%w/w、または約60%~約70%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、または約60%w/wである。
いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロースとマンニトールの組み合わせである。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の、約5%~約40%w/w、約40%~約75%w/w、約20%~約60%w/w、約5%~約30%w/w、約30%~約55%w/w、約10%~約40%w/w、または約15%~約35%w/wの量で存在し、マンニトールは、第1の組成物の、約5%~約40%w/w、約40%~約75%w/w、約20%~約60%w/w、約5%~約30%w/w、約30%~約55%w/w、約10%~約40%w/w、または約15%~約35%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の、約10%~約20%w/w、約20%~約30%w/w、約30%~約40%w/w、約40%~約50%w/w、約50%~約60%w/w、または約60%~約70%w/wの量で存在し、マンニトールは、第1の組成物の、約10%~約20%w/w、約20%~約30%w/w、約30%~約40%w/w、約40%~約50%w/w、約50%~約60%w/w、または約60%~約70%w/wの量で存在する。例えば、微結晶性セルロースは、第1の組成物の、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、または約60%w/wの量で存在し、マンニトールは、第1の組成物の、約15%w/w約20%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、最初の組成物の約50%w/w、または約60%w/wの量で存在する。
崩壊剤には、水性環境で製剤の分解を促進する任意の薬剤が含まれる。例えば、活性医薬成分のより迅速な放出を促進するためである。例示的な崩壊剤には、デンプン、およびデンプングリコール酸ナトリウムなどの加工デンプン、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸塩、ポリビニルピロリドン、ケイ酸カルシウム、ならびにアニオン交換樹脂が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、およびクロスカルメロースナトリウムから選択される。当業者に知られている他の崩壊剤もまた、本明細書に記載の組成物に配合された場合に有用であると考えられる。
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、第1の組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の約0.5%~約2.5%w/w、約2.5%w/wから約5%w/w、または約1.5%~約3.5%w/wである。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、第1の組成物の、約0.5%~約2%w/w、約1%~約3%w/w、約2%~約4%w/w、または約3%~約5%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w、約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、または約4%w/wである。
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムアニオン交換樹脂、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、およびクロスカルメロースナトリウムから選択される。
いくつかの実施形態では、デンプングリコール酸ナトリウムは、第1の組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の約0.5%~約2.5%w/w、約2.5%w/wから約5%w/w、または約1.5%~約3.5%w/wである。いくつかの実施形態では、デンプングリコール酸ナトリウムは、第1の組成物の、約0.5%~約2%w/w、約1%~約3%w/w、約2%~約4%w/w、または約3%~約5%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の、約1%w/w、約1.5%w/w、約2%w/w、約2.5%w/w、約3%w/w、約3.5%w/w、または約4%w/wである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の第1の組成物は、潤滑剤を含み得る。潤滑剤は、処理中の摩擦を減らすために医薬製剤に添加される薬剤である。例示的な潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、および酢酸ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。当業者に知られている他の潤滑剤もまた、本明細書に記載の組成物に配合された場合に有用であると考えられる。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の約0.05%~約2.5%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の約0.05%w/w~約1.25%w/w、約1.25%~約2.5%w/w、または約0.1%~約1%w/wである。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の、約0.05%~約0.15%w/w、約0.15%~約0.25%w/w、約0.25%~約0.35%w/w、約0.35%~約0.45%w/w、約0.45%~約0.55%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の約0.2%~約0.3%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の、約0.1%、約0.15%、約0.2%w/w、約0.25%w/w、約0.3%w/w、約0.35%w/w、約0.4%w/w、約0.45%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、または約2%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムおよび/または二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態では、ステアリン酸マグネシウム、第1の組成物の約0.05%~約2.5%w/wの量で存在する。例えば、第1の組成物の約0.05%w/w~約1.25%w/w、約1.25%~約2.5%w/w、または約0.1%~約1%w/wである。いくつかの実施形態では、ステアリン酸マグネシウムは、第1の組成物の、約0.05%~約0.15%w/w、約0.15%~約0.25%w/w、約0.25%~約0.35%w/w、約0.35%~約0.45%w/w、約0.45%~約0.55%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、ステアリン酸マグネシウムは、第1の組成物の約0.2%~約0.3%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、ステアリン酸マグネシウムは、第1の組成物の、約0.1%、約0.15%、約0.2%w/w、約0.25%w/w、約0.3%w/w、約0.35%w/w、約0.4%w/w、約0.45%w/w、約1%w/w、約1.5%w/w、または約2%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体および医薬賦形剤は、第1の組成物を形成するためにブレンドされる。いくつかの実施形態では、第1の組成物は造粒される。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、ローラー圧縮によって造粒される。
第1の組成物を含む医薬組成物
本明細書では、本明細書に記載の第1の組成物および1つまたは複数の追加の医薬賦形剤を含む医薬組成物も提供される。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約15%~約99%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、追加の医薬賦形剤は、充填剤、潤滑剤、グリデント、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の約0.05%~約1%w/w、約1%~約2%w/w、または約0.5%~約1.5%w/wである。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.05%~約0.5%w/w、約0.1%~約0.8%w/w、または約0.5%~約1%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、または約0.5%w/wである。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムおよび/または二酸化ケイ素である。いくつかの実施形態では、ステアリン酸マグネシウムは、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の約0.05%~約1%w/w、約1%~約2%w/w、または約0.5%~約1.5%w/wである。いくつかの実施形態では、ステアリン酸マグネシウムは、全組成物の約0.05%~約0.5%w/w、約0.1%~約0.8%w/w、または約0.5%~約1%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、または約0.5%w/wである。
いくつかの実施形態では、充填剤は、全組成物の約1%~約85%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、充填剤は、グルコース、スクロース、ラクトース、デンプン[デンプングリコール酸ナトリウム(EXPLOTAB(登録商標))などの修飾デンプンを含む]、キシリトール、デキストリン、サッカロース、ソルビトール、マンニトール[例えば、PARTECK(登録商標)M200(平均粒径が約50μm~約500μmのマンニトール)、PARTECK(登録商標)M100(平均粒径が212μm未満のマンニトール)]、セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、二塩基性リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、アリギン酸、アルギネート(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ケイ酸カルシウム、イオン交換樹脂が含まれるが、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、セルロースは、微結晶性セルロース[例えば、AVICEL(登録商標)PH-101(平均粒径が約50μmの微結晶性セルロース)またはAVICEL(登録商標)PH200(平均粒径が約180μmの微結晶性セルロース)]、メチルセルロース、エチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリビニルピロリドンは、KOLLIDON(登録商標)CL(平均粒径が90μm~130μmのクロスポビドン)、またはKOLLIDON(登録商標)CL-SF(平均粒径が10μm~30μmのクロスポビドン)などの架橋ポリビニルピロリドンである。いくつかの実施形態では、充填剤は、結合剤、崩壊剤、またはそれらの組み合わせである。
いくつかの実施形態では、充填剤は崩壊剤を含む。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の約0.5%~約2.5%w/w、約2.5%~約5%w/w、または約1%~約4%w/wである。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、全組成物の、約1%~約2%w/w、約1.5%~約2.5%w/w、約2%~約3%w/w、約2.5%~約3.5%w/w、または約3%~約4%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の、約1.5%w/w、約2%w/w、約2.5%w/w、約3%w/w、または約3.5%w/wである。
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アニオン交換樹脂、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウムである。いくつかの実施形態では、デンプングリコール酸ナトリウムは、全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の約0.5%~約2.5%w/w、約2.5%~約5%w/w、または約1%~約4%w/wである。いくつかの実施形態では、デンプングリコール酸ナトリウムは、全組成物の、約1%~約2%w/w、約1.5%~約2.5%w/w、約2%~約3%w/w、約2.5%~約3.5%w/w、または約3%~約4%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の、約1.5%w/w、約2%w/w、約2.5%w/w、約3%w/w、または約3.5%w/wである。
いくつかの実施形態では、組成物は、ステアリン酸マグネシウムである流動促進剤を含む。流動促進剤は、全組成物の重量の約0.1%~約1%wt/wtで存在する。別の実施形態では、流動促進剤は、全組成物の約0.25%~0.75%wt/wtの量で、より好ましくは約0.5%wt/wtの量で存在する。
いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約90%~約99%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、第1の組成物、崩壊剤、および潤滑剤を含む。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約90%~約99%w/wの量で存在し、崩壊剤は、全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在し、潤滑剤は、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約97%w/wの量で存在し、崩壊剤は、全組成物の約2.5%w/wの量で存在し、潤滑剤は、全組成物の約0.25%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、デンプングリコール酸ナトリウムは、全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。例えば、デンプングリコール酸ナトリウムは、全組成物の約0.5%~約2.5%w/w、約2.5%~約5%w/w、または約1%~約4%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは、全組成物の約0.05%~約1%w/w、約1%~約2%w/w、または約0.5%~約1.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、デンプングリコール酸ナトリウムは、全組成物の、約1%~約2%w/w、約1.5%~約2.5%w/w、約2%~約3%w/w、約2.5%~約3.5%w/w、または約3%~約4%w/wの量で存在しステアリン酸マグネシウムは、全組成物の、約0.05%~約0.5%w/w、約0.1%~約0.8%w/w、または約0.5%~約1%w/wの量で存在する。例えば、デンプングリコール酸ナトリウムは、全組成物の、約1.5%w/w、約2%w/w、約2.5%w/w、約3%w/w、または約3.5%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは、全組成物の、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、または約0.5%w/wの量で存在する。
他の実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約15%~約60%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の約15%~約35%w/w、約35%~約60%w/w、または約25%~約45%w/wである。いくつかの実施形態では、第1の組成物は、全組成物の、約20%~約30%w/w、約25%~約35%w/w、約30%~約40%w/w、約35%~約45%w/w、または約40%~約50%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、または約50%w/wである。
いくつかの実施形態では、結合剤は、全組成物の約40%~約85%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の、約40%~約60%w/w、約60%~約85%w/w、または約55%~約75%w/wである。いくつかの実施形態では、結合剤は、全組成物の、約40%~約50%w/w、約45%~約55%w/w、約50%~約60%w/w、約55%~約65%w/w、約60%~約70%w/w、約65%~約75%w/w、または約70%~約80%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、結合剤は、全組成物の、約45%w/w、約50%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約62%w/w、約65%w/w、約70%w/w、約75%w/w、または約80%w/wで存在する。
いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、ソルビトール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、マンニトール、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、全組成物の約10%~約85%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の約10%~約45%w/w、約45%~約85%、または約20%~約60%w/wである。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、全組成物の、約10%~約20%、約15%~約25%、約20%~約30%、約25%~約35%w/w、約30%~約40%w/w、約35%~約45%w/w、または約40%~約50%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約31%w/w、約35%w/w、約40%w/w、または約45%w/wである。
いくつかの実施形態では、マンニトールは、全組成物の約10%~約85%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の約10%~約45%w/w、約45%~約85%、または約20%~約60%w/wである。いくつかの実施形態では、マンニトールは、全組成物の、約10%~約20%、約15%~約25%、約20%~約30%、約25%~約35%w/w、約30%~約40%w/w、約35%~約45%w/w、または約40%~約50%w/wの量で存在する。例えば、全組成物の、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約31%w/w、約35%w/w、約40%w/w、または約45%w/wである。
いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースおよびマンニトールは、全組成物の約10%~約85%w/wの量で存在する。例えば、微結晶性セルロースは、全組成物の約10%~約45%w/w、約45%~約85%、または約20%~約60%w/wの量で存在し、マンニトールは、全組成物の約10%~約45%w/w、約45%~約85%、または約20%~約60%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、微結晶性セルロースは、全組成物の、約10%~約20%、約15%~約25%、約20%~約30%、約25%~約35%w/w、約30%~約40%w/w、約35%~約45%w/w、または約40%~約50%w/wの量で存在し、マンニトールは、全組成物の、約10%~約20%、約15%~約25%、約20%~約30%、約25%~約35%w/w、約30%~約40%w/w、約35%~約45%w/w、約40%~約50%w/wの量で存在する。例えば、微結晶性セルロースは、全組成物の、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約31%w/w、約35%w/w、約40%w/w、または約45%w/wの量で存在し、マンニトールは、全組成物の、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約31%w/w、約35%w/w、約40%w/w、または約45%w/wの量で存在する。
いくつかの実施形態では、第1の組成物は、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は共粉砕される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、錠剤として製剤化された医薬組成物中に約10mg~約50mgの量で存在する。例えば、約10mg~約30mg、約30mg~約50mg、または約15mg~約35mgである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、錠剤として製剤化された医薬組成物中に、約10mg~約20mg、約15mg~約25mg、約30mg~約40mg、約35mg~約45mg、または約40mg~約50mgの量で存在する。例えば、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、または約50mgである。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、錠剤として製剤化された医薬組成物中に約25mg~約220mgの量で存在する。例えば、約25mg~約120mg、約120mg~約220mg、または約70mg~約170mgである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、錠剤として製剤化された医薬組成物中に、約25mg~約75mg、約50mg~約100mg、約75mg~約125mg、約100mg~約150mg、約125mg~約175mg、約150mg~約200mg、または約175mg~約220mgの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、約50mg~約60mg、約60mg~約70mg、約70mg~約80mg、約80mg~約90mg、約85mg~約95mg、約90mg~約100mg、80mg~約120mg、約95mg~約105mg、約100mg~約110mg、約105mg~約115mg、約120mg~約130mg、約130mg~約140mg、約140mg~約150mg、約150mg~約160mg、約160mg~約170mg、または約170mg~約180mgの量で存在する。例えば、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約155mg、約160mg、約170mg、約175mg、または約180mgである。
いくつかの実施形態では、錠剤はコーティングされている。
本明細書では、式Iの化合物、HPMCASポリマー、および1つまたは複数の医薬賦形剤を含む医薬組成物も提供される。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の医薬賦形剤は、充填剤、潤滑剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、充填剤は、グルコース、スクロース、ラクトース、デンプン[デンプングリコール酸ナトリウム(EXPLOTAB(登録商標))などの修飾デンプンを含む]、キシリトール、デキストリン、サッカロース、ソルビトール、マンニトール[例えば、PARTECK(登録商標)M200(平均粒径が約50μm~約500μmのマンニトール)、PARTECK(登録商標)M100(平均粒径が212μm未満のマンニトール)]、セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、二塩基性リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素(例えば、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、アリギン酸、アルギネート(例えば、アルギン酸ナトリウム)、ケイ酸カルシウム、イオン交換樹脂が含まれるが、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、セルロースは、微結晶性セルロース[例えば、AVICEL(登録商標)PH-101(平均粒径が約50μmの微結晶性セルロース)またはAVICEL(登録商標)PH200(平均粒径が約180μmの微結晶性セルロース)]、メチルセルロース、エチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ポリビニルピロリドンは、KOLLIDON(登録商標)CL(平均粒径が90μm~130μmのクロスポビドン)、またはKOLLIDON(登録商標)CL-SF(平均粒径が10μm~30μmのクロスポビドン)などの架橋ポリビニルピロリドンである。
いくつかの実施形態では、充填剤は、結合剤、崩壊剤、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、ソルビトール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アニオン交換樹脂、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式Iの化合物、HPMCASポリマー、結合剤、崩壊剤、および潤滑剤を含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在する式Iの化合物と、全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、全組成物の約10%~約90%w/wの量で存在する結合剤と、全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在する崩壊剤と、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する潤滑剤と、を含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約5%~約15%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約5%~約15%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約70%~約85%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約2.5%~約4.5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する。例えば、式Iの化合物は、全組成物の約8%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは、全組成物の約8%w/wの量で存在し、結合剤は、全組成物の約80%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約3.5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.3%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、結合剤は、マンニトールと微結晶性セルロースの組み合わせである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在し、マンニトールおよび微結晶性セルロースは全組成物の約10%~約90%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約5%~約15%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約5%~約15%w/wの量で存在し、マンニトールおよび微結晶性セルロースは全組成物の約70%~約85%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約2.5%~約4.5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する。例えば、式Iの化合物は、全組成物の約8%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは、全組成物の約8%w/wの量で存在し、マンニトールおよび微結晶性セルロースは、全組成物の約80%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約3.5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.3%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、マンニトールと微結晶性セルロースは、約4:1、約3:2、約1:1、約2:3、または約1:4の比率で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約10%~約90%w/wの量で存在し、デンプングリコール酸ナトリウムは全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約5%~約15%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約5%~約15%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約70%~約85%w/wの量で存在し、デンプングリコール酸ナトリウムは全組成物の約2.5%~約4.5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する。例えば、式Iの化合物は、全組成物の約8%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは、全組成物の約8%w/wの量で存在し、結合剤は、全組成物の約80%w/wの量で存在し、デンプングリコール酸ナトリウムは全組成物の約3.5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.3%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約10%~約90%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約5%~約15%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約5%~約15%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約70%~約85%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約2.5%~約4.5%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは全組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する。例えば、式Iの化合物は、全組成物の約8%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは、全組成物の約8%w/wの量で存在し、結合剤は、全組成物の約80%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約3.5%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは全組成物の約0.3%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、結合剤は微結晶性セルロースとマンニトールの組み合わせであり、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムであり、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在する式Iの化合物と、全組成物の約5%~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、全組成物の約30%~約60%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、全組成物の約30%~約60%w/wの量で存在するマンニトールと、全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含む。例えば、式Iの化合物は、全組成物の約8%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは、全組成物の約8%w/wの量で存在し、微結晶性セルロースは、全組成物の約40%w/wの量で存在し、マンニトールは、全組成物の約40%w/wの量で存在し、デンプングリコール酸ナトリウムは全組成物の約3.5%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは全組成物の約0.3%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
他の実施形態では、医薬組成物は、全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在する式Iの化合物と、全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、全組成物の約35%~約70%w/wの量で存在する結合剤と、全組成物の約2%~約8%w/wの量で存在する崩壊剤と、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する潤滑剤と、を含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約15%~約25%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約15%~約25%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約40%~約60%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約4%~約6%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する。例えば、式Iの化合物は、全組成物の約22%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは、全組成物の約22%w/wの量で存在し、結合剤は、全組成物の約50%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、結合剤は、マンニトールと微結晶性セルロースの組み合わせである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在し、マンニトールおよび微結晶性セルロースは全組成物の約35%~約70%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約2%~約8%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、全組成物の約15%~約25%w/wの量で存在する式Iの化合物と、全組成物の約15%~約25%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、全組成物の約40%~約60%w/wの量で存在するマンニトールおよび微結晶性セルロースと、全組成物の約4%~約6%w/wの量で存在する崩壊剤と、全組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する潤滑剤と、を含む。例えば、式Iの化合物は、全組成物の約22%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは、全組成物の約22%w/wの量で存在し、微結晶性セルロースおよびマンニトールは、全組成物の約50%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、マンニトールと微結晶性セルロースは、約4:1、約3:2、約1:1、約2:3、または約1:4の比率で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約35%~約70%w/wの量で存在し、デンプングリコール酸ナトリウムは全組成物の約2%~約8%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約15%~約25%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約15%~約25%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約40%~約60%w/wの量で存在し、デンプングリコール酸ナトリウムは全組成物の約4%~約6%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する。例えば、式Iの化合物は、全組成物の約22%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは、全組成物の約22%w/wの量で存在し、結合剤は、全組成物の約50%w/wの量で存在し、デンプングリコール酸ナトリウムは全組成物の約5%w/wの量で存在し、潤滑剤は全組成物の約0.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約35%~約70%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約2%~約8%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は全組成物の約15%~約25%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは全組成物の約15%~約25%w/wの量で存在し、結合剤は全組成物の約40%~約60%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約4%~約6%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは全組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する。例えば、式Iの化合物は、全組成物の約22%w/wの量で存在し、HPMCASポリマーは、全組成物の約22%w/wの量で存在し、結合剤は、全組成物の約50%w/wの量で存在し、崩壊剤は全組成物の約5%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは全組成物の約0.5%w/wの量で存在する。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在する式Iの化合物と、全組成物の約10%~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、全組成物の約20%~約30%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、全組成物の約20%~約30%w/wの量で存在するマンニトールと、全組成物の約2%~約8%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含む。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、全組成物の約22%w/wの量で存在する式Iの化合物と、全組成物の約22%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、全組成物の約25%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、全組成物の約25%w/wの量で存在するマンニトールと、全組成物の約5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、全組成物の約0.5%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含む。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、錠剤はコーティングされている。
本明細書では、本明細書に記載の医薬組成物を調製するための方法も提供され、方法は、
式Iの化合物、HPMCASポリマー、および溶媒を混合して溶液を形成することと、
溶液を噴霧乾燥して噴霧乾燥分散体を形成することと、
噴霧乾燥分散体を造粒して第1の組成物を形成することと、を含む。
いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、溶媒は、有機溶媒である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、メタノール、アセトン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、溶媒は有機溶媒と水との混合物である。いくつかの実施形態では、溶媒はテトラヒドロフランと水との混合物である。いくつかの実施形態では、混合物は、95:5のテトラヒドロフラン:水である。いくつかの実施形態では、有機溶媒はジクロロメタンとメタノールの混合物である。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、80:20のジクロロメタン:メタノールである。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、造粒される前に、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、造粒される前にオーブン内で乾燥される。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、造粒される前に、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、ローラー圧縮によって造粒される。
いくつかの実施形態では、第1の組成物は、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。いくつかの実施形態では、第1の組成物は共粉砕される。いくつかの実施形態では、第1の組成物は錠剤へと圧縮される。いくつかの実施形態では、錠剤はコーティングされている。いくつかの実施形態では、コーティングは、ポリマー、可塑剤、顔料、またはそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体における式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は、約4:1、約3:1、約7:3、約13:7、約3:2、約11:9、約1:1、約9:11、約2:3、約7:13、約3:7、約1:3、または約1:4である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体における式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は、約1:1である。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体における式Iの化合物とHPMCASポリマーとの比は、約1:1である。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の1日投与量は、1日あたり成人1人あたり1.0~10,000mg、またはそれ以上、またはその中の任意の範囲の広い範囲にわたって変化し得る。経口投与の場合、組成物は、治療される対象への投与量の症状の調整のための活性成分を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、30.0、40.0、50.0、60.0、70.0、75.0、80.0、90.0、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475および500ミリグラム含む錠剤の形態で提供されることが好ましい。有効量の薬物は、通常、1日あたり約0.1mg/体重kg~約1000mg/体重kg、またはその中の任意の範囲の用量レベルで供給される。範囲は、1日あたり約0.5~約500mg/kg体重、またはその中の任意の範囲であり得る。範囲は、1日あたり約1.0~約250mg/kg体重、またはその中の任意の範囲であり得る。範囲は、1日あたり約0.1~約100mg/kg体重、またはその中の任意の範囲であり得る。例として、範囲は、1日あたり約0.1~約50.0mg/kg体重、またはその中の任意の量または範囲であり得る。別の例として、範囲は、1日あたり約0.1~約15.0mg/kg体重、またはその中の任意の範囲であり得る。さらに別の例として、範囲は、1日あたり約0.5~約7.5mg/kg体重、またはその中の任意の量または範囲であり得る。本明細書で提供される医薬組成物は、1日1~4回のレジメンで、または単回の1日用量で投与され得る。
投与される最適な投与量は、当業者によって容易に決定され得、そして投与の様式、製剤の強度、投与の様式、および疾患状態の進行によって変化するであろう。さらに、対象の年齢、体重、食事、投与時間を含む、特定の治療される対象に関連する因子により、投与量を調整する必要が生じる。
当業者は、適切な既知のおよび一般に容認されている細胞および/または動物モデルを使用するインビボおよびインビトロ試験の両方が、所与の障害を治療または予防する試験化合物の能力を予測することを認識するであろう。
当業者はさらに、健康な対象および/または所定の障害を患っている対象における、ヒトにおける初回投与を含むヒト臨床試験、用量範囲および有効性試験が、臨床および医学分野において周知の方法によって成し遂げられ得ることを認識するだろう。例えば、小児患者の適切な投与量の決定は、体重、年齢、ならびに患者の年齢、式Iの化合物、その薬学的に許容される塩、またはそれらの組み合わせ、および体表面積(BSA)のクリアランス経路の発生を考慮に入れる投与のための薬物動態学的アプローチを確立することができるSimcyp(登録商標)Pediatric Simulationモデリング(CERTARA,Princeton,N.J.)などのモデルを含む既知の方法を使用して決定できる。
2.多形体
本開示はまた、式Iを有する(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
およびその薬学的に許容される塩の結晶形態、式Iの化合物の結晶形態を含む医薬組成物、式Iの化合物の結晶形態を作製するためのプロセス、ならびにBTK関連疾患および障害を含む、BTKキナーゼ阻害剤によって治療できる疾患の治療および予防における式Iの化合物の結晶形態の使用に関する。
本明細書では、式Iの化合物の多形形態が提供される。形態には、例えば、式Iの化合物の遊離塩基、溶媒和物、水和物、塩、および非溶媒和形態が含まれ、例えば、多形形態Aを含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の多形形態は、薬学的に許容される塩である。
形態A
1つのそのような多形は、形態Aとして知られる式Iの化合物の多形である。いくつかの実施形態では、形態Aは、11.9±0.2、15.8±0.2、および16.2±0.2の°2θ値に少なくともピークを有する、CuKα1放射線で得られたXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Aは、11.9±0.2、15.8±0.2、16.2±0.2、18.3±0.2、および19.0±0.2の°2θ値に少なくともピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Aは、11.9±0.2、15.8±0.2、16.2±0.2、18.3±0.2、19.0±0.2、20.5±0.2、および23.8±0.2の°2θ値に少なくともピークを有するXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、形態Aは、9.5±0.2、11.9±0.2、15.8±0.2、16.2±0.2、18.3±0.2、19.0±0.2、20.1±0.2、20.5±0.2、23.8±0.2、および25.7±0.2の°2θ値に少なくともピークを有するXRPDパターンを有する。例えば、いくつかの実施形態では、形態Aは、9.5±0.2、11.1±0.2、11.9±0.2、15.8±0.2、16.2±0.2、18.3±0.2、19.0±0.2、20.1±0.2、20.5±0.2、23.8±0.2、25.0±0.2、および25.7±0.2の°2θ値に少なくともピークを有するXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態では、多形形態Aを含む組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、組成物は実質的に純粋であり得る。例えば、組成物は少なくとも約90%の純度を有する。いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも約95%の純度を有する。いくつかの実施形態では、組成物は少なくとも約98%の純度を有する。例えば、組成物は、少なくとも98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%の純度を有し得る。いくつかの実施形態では、組成物は、他の形態の式Iの化合物を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、組成物は、約15重量%未満の他の形態の式Iの化合物を含む。例えば、組成物は、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%未満の1つまたは複数の他の形態の式Iの化合物を含み得る。例えば、組成物は、約15%未満の非晶質形態を含み得る。
いくつかの実施形態では、収着水に関連して、DSCにより測定した場合、約185~195℃、例えば、約189.9℃で観察される吸熱を示す、多形形態Aが本明細書に提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、TGAによって測定されるとき、加熱の開始から約150℃までに約0.14%の重量減少を示す式Iの化合物の多形形態Aである。
本明細書では、多形形態Aを調製する方法も提供される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の多形形態Aは、式Iの化合物を極性プロトン性溶媒に溶解して式Iの化合物の溶液を形成することによって調製される。いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒はメタノールである。いくつかの実施形態では、この方法は、式Iの化合物の溶液を約55℃に加熱することをさらに含む。いくつかの実施形態では、水は、約5mL/分の速度で、約2時間にわたって式Iの化合物の溶液に添加される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、溶液から沈殿して、溶媒中に懸濁された式Iの化合物の固体を含む懸濁液を与える。いくつかの実施形態では、この方法は、懸濁液を約10℃/時の速度で約15℃に冷却することをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、冷却された懸濁液を室温で約10~20時間、例えば約15時間撹拌することをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、式Iの化合物の固体を、濾過によって懸濁液から単離することを含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、乾燥される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、固体は約55℃で乾燥される。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の多形形態Aは、式Iの化合物を極性プロトン性溶媒に添加して混合物を形成することによって調製される。いくつかの実施形態では、混合物は、溶液が形成されるまで加熱される。いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒は、イソプロパノール、エタノール、水、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒はイソプロパノールである。いくつかの実施形態では、溶液はゆっくりと室温まで冷却される。いくつかの実施形態では、溶液は、冷却される前に研磨濾過される。いくつかの実施形態では、溶液は、水を含む反応器に加えられる。いくつかの実施形態では、溶液は、反応器に添加される前に研磨濾過される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、溶液から沈殿して、溶媒中に懸濁された式Iの化合物の固体を含む懸濁液を与える。いくつかの実施形態では、この方法は、式Iの化合物の固体を、濾過によって懸濁液から単離することを含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、乾燥される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、固体は約55℃で乾燥される。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、極性プロトン性と非極性の溶媒、例えば、エタノールまたは酢酸エチルとヘプタンを使用して結晶化される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の多形形態Aは、式Iの化合物を極性プロトン性溶媒に添加して混合物を形成することによって調製される。いくつかの実施形態では、混合物は、溶液が形成されるまで加熱される。いくつかの実施形態では、混合物は約70℃に加熱される。いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒はエタノールである。いくつかの実施形態では、溶液を冷却し、式Iの化合物の形態Aのシードを充填して、充填された溶液を形成する。いくつかの実施形態では、溶液は約59℃まで冷却される。いくつかの実施形態では、溶液は、冷却される前に研磨濾過される。いくつかの実施形態では、充填した溶液は約55℃に冷却され、ヘプタンが充填した溶液に加えられる。いくつかの実施形態では、ヘプタンを滴下する。いくつかの実施形態では、ヘプタンは、約4時間にわたって滴下される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、充填した溶液から沈殿して、溶媒中に懸濁された式Iの化合物の固体を含む懸濁液を与える。いくつかの実施形態では、懸濁液は約15℃まで冷却される。いくつかの実施形態では、懸濁液は、約15℃まで約1時間にわたって冷却される。いくつかの実施形態では、この方法は、式Iの化合物の固体を、濾過によって懸濁液から単離することを含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、乾燥される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、固体は約55℃で乾燥される。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、極性プロトン性と非極性の溶媒、例えば、エタノールまたは酢酸エチルとヘプタンを使用して結晶化される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の多形形態Aは、式Iの化合物を極性プロトン性溶媒に添加して混合物を形成することによって調製される。いくつかの実施形態では、混合物は、溶液が形成されるまで加熱される。いくつかの実施形態では、混合物は約75℃に加熱される。いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒は酢酸エチルである。いくつかの実施形態では、溶液を冷却し、式Iの化合物の形態Aのシードを充填して、充填された溶液を形成する。いくつかの実施形態では、溶液は、充填される前に約45℃に冷却される。いくつかの実施形態では、溶液は、冷却される前に研磨濾過される。いくつかの実施形態では、ヘプタンは、充填した溶液にゆっくりと加えられる。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、溶液から沈殿して、溶媒中に懸濁された式Iの化合物の固体を含む懸濁液を与える。いくつかの実施形態では、懸濁液は、インキュベートされた懸濁液を形成するためにインキュベートされる。いくつかの実施形態では、懸濁液は約45℃でインキュベートされる。いくつかの実施形態では、懸濁液は一晩インキュベートされる。いくつかの実施形態では、インキュベートされた懸濁液は冷却される。いくつかの実施形態では、インキュベートされた懸濁液は、約24℃に冷却される。いくつかの実施形態では、この方法は、式Iの化合物の固体を、濾過によってインキュベートされた懸濁液から単離することを含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、乾燥される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、固体は約55℃で乾燥される。
形態BおよびC
形態Aに加えて、式Iの化合物の他の形態が観察された。形態Bは形態Aとの混合物として観察される。形態Aと形態Bの混合物のDSCは、約120℃の開始とおそらく形態Bの溶融である約145℃での溶融の開始を有する小さな発熱を示す。約145℃での溶融に続いて、溶融物の形態Aへの変換に起因する発熱イベントがある。開始温度180℃の吸熱イベントは、形態Aの溶融に起因する。形態BのDSC曲線を判定するには、形態Bの純粋な試料が必要である。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の形態Bは、1)式Iの化合物をメタノールに溶解して式Iの化合物の溶液を形成し、2)溶液を撹拌することにより、形態Aとの混合物として調製される。いくつかの実施形態では、溶液は、約20℃~約30℃の温度で撹拌される。いくつかの実施形態では、溶液は約25℃で撹拌される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、溶液から沈殿して、溶媒中に懸濁された式Iの化合物の固体を含む懸濁液を与える。いくつかの実施形態では、この方法は、濾過により式Iの化合物の固体を単離することを含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、乾燥される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、固体は約55℃で乾燥される。
形態Cは、1,4-ジオキサン中での式Iの化合物の結晶化から形成されたヘミ-1,4-ジオキサン溶媒和物である。フォームCのDSC曲線は、1,4-ジオキサンの損失に関連する40~110℃の吸熱を示す。吸熱イベントの後に小さな発熱イベントが続き、その後に形態Aの溶融に起因する溶融吸熱が続く。脱溶媒和は、多形形態Aに変換する前に、同形の脱溶媒和物または異なる物理的フォームを提供するために発生し得る。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物の形態Cは、1)式Iの化合物を1,4-ジオキサンに溶解して式Iの化合物の溶液を形成し、そして2)溶液を撹拌することによって調製される。いくつかの実施形態では、溶液は、約20℃~約30℃の温度で撹拌される。いくつかの実施形態では、溶液は約25℃で撹拌される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は、溶液から沈殿して、溶媒中に懸濁された式Iの化合物の固体を含む懸濁液を与える。いくつかの実施形態では、この方法は、濾過により式Iの化合物の固体を単離することを含む。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、乾燥される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物の固体は、真空下で乾燥される。いくつかの実施形態では、固体は約55℃で乾燥される。
式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩の結晶形態についてのXRPDパターンの2-シータ値は機器ごとにわずかに変動する場合があり、また、試料調製のばらつきやバッチごとのばらつきによっても変動し、そのため、引用されている値は絶対的であると解釈されるべきではないことは理解されるであろう。XRPDパターンのピーク位置は、許容される変動が±0.2°2θの角度位置(2シータ)で報告されることが理解されるであろう。±0.2°2θのばらつきは、2つの粉末XRPDパターンを比較するときに使用することを意図する。実際には、1つのパターンからの回折パターンピークに、測定ピーク位置±0.2°である角度位置の範囲(2シータ)が割り当てられ、それらのピーク位置の範囲が重複している場合、2つのピークは同じ角度位置を有するとみなされる。例えば、あるパターンのピークの位置が11.0°2θであると判断された場合、比較のために許容可能なばらつきにより、ピークに10.8°~11.2°2θの範囲の位置を割り当てることができる。また、ピークの相対強度は配向効果に応じて変動する可能性があり、したがって、本明細書に含まれるXRPDトレースに示される強度は例示であり、絶対的な比較に使用されることを意図していない。さらに、比較のために、XRPDトレースに示されているピーク強度からのピーク強度のある程度のばらつきが許容されることを理解されたい。したがって、「図1に示すのと実質的に同一のXRPDパターン」という語句は、比較の目的で、図1に示すピークの少なくとも90%が存在することを意味することを理解されたい。
本明細書で提供される化合物はまた、そのような化合物を構成する原子の1つまたは複数において、非天然の割合の原子同位体を含んでもよい。すなわち、特に式Iの化合物に関して言及されるとき、原子は、天然の存在量で天然に存在するような同位体などの、その原子の全ての同位体および同位体混合物を含む。例えば、水素が言及されるとき、それは、1H、2H、3H、またはそれらの混合物を指すことが理解され、炭素が言及されるとき、それは、12C、13C、14C、またはそれらの混合物を指すことが理解され、窒素が言及されるとき、それは、14N、15N、またはそれらの混合物を指すことが理解され、酸素が言及されるとき、それは、16O、17O、18O、またはそれらの混合物を指すことが理解される。本明細書で提供される化合物の全ての同位体バリエーションは、本発明の範囲内に含まれることが意図されている。
例示目的のために、スキーム1は、本明細書で提供される化合物および主要な中間体を調製するための一般的な方法を示す。個々の反応ステップのより詳細な説明については、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる国際特許公開第WO2017/103611号を参照されたい。当業者は、他の合成経路を使用して化合物を合成できることを理解するであろう。特定の出発物質および試薬をスキームに示し、以下で説明するが、他の出発物質および試薬を容易に置換して、様々な誘導体および/または反応条件を提供することができる。
スキーム1は、式Iの化合物の合成のための一般的なスキームを示す。
3.治療方法
多形形態およびその薬学的に許容される塩を含む式Iの化合物がBTK阻害剤として作用する能力は、国際特許出願公開WO2017/103611ならびに実施例1に記載されているアッセイによって実証することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される式Iの化合物は、強力かつ選択的なBTK阻害を示す。例えば、式Iの化合物は、野生型BTKおよび、例えば、C481Sを含む、BTKキナーゼ阻害剤耐性変異を含むBTK遺伝子によってコードされるBTKキナーゼに対してナノモル濃度の効力を示す。いくつかの実施形態では、C481Sの阻害は、野生型BTKについて観察されたものと同様である。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、BTKキナーゼを選択的に標的とする。例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、別のキナーゼまたは非キナーゼの標的と比べて、BTKキナーゼを選択的に標的とすることができる。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、BRK、CSK、ERBB4、FYN、MEK1、MEK2、TEC、TXK、YES1、BMX、BLK、EGFR、ITK、SRC、JAK1、JAK2、およびJAK3のうちの1つまたは複数よりもBTKキナーゼを選択的に標的とする。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、TECキナーゼよりもBTKキナーゼを選択的に標的とする。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、別のキナーゼよりもBTKキナーゼに対して少なくとも30倍の選択性を示す。例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、別のキナーゼよりも、BTKキナーゼに対して、少なくとも40倍の選択性、少なくとも50倍の選択性、少なくとも60倍の選択性、少なくとも70倍の選択性、少なくとも80倍の選択性、少なくとも90倍の選択性、少なくとも100倍の選択性、少なくとも200倍の選択性、少なくとも300倍の選択性、少なくとも400倍の選択性、少なくとも500倍の選択性、少なくとも600倍の選択性、少なくとも700倍の選択性、少なくとも800倍の選択性、少なくとも900倍の選択性、または、少なくとも1000倍の選択性を示す。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、別のキナーゼよりもBTKキナーゼに対して少なくとも100倍の選択性を示す。いくつかの実施形態では、別のキナーゼと比べて、BTKキナーゼに対する選択性は、細胞アッセイ(例えば、本明細書で提供される細胞アッセイ)で測定される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、別のキナーゼよりもBTKキナーゼに対するその選択性のために、より低いオフターゲット毒性を示す。
式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BTK関連の疾患および障害、例えば、血液がんおよび固形腫瘍を含むがんなどの増殖性障害、ならびに関節リウマチまたはループスなどの炎症性および自己免疫障害などのBTKキナーゼ阻害剤によって治療できる疾患および傷害を治療するのに有用である。
本明細書では、がん(例えば、BTK関連がん)の治療を必要とする患者においてがんを治療する方法が提供され、この方法は、患者に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む。例えば、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)対象からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することと、を含む。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTKキナーゼの発現の増加、BTK遺伝子の転写の増加、またはBTKキナーゼの活性化またはリン酸化の増加を含む。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、遺伝子変異(例えば、融合タンパク質の発現をもたらすBTK遺伝子転座、野生型BTKタンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含むBTKタンパク質の発現をもたらすBTK遺伝子における欠失、または1つもしくは複数の点変異を伴うBTKタンパク質の発現をもたらすBTK遺伝子における変異、または野生型BTKタンパク質と比較してBTKタンパク質の少なくとも1つのアミノ酸が欠失したBTKタンパク質をもたらすBTK mRNAの選択的スプライシングバージョン)、あるいは細胞中のBTKタンパク質のキナーゼドメインの活性において病的な増大(例えば、BTKタンパク質の構成的活性型キナーゼドメイン)を生じさせる、細胞中のBTK遺伝子の過剰発現に起因する、BTKタンパク質の過剰発現もしくはオートクリン活性をもたらす、BTK遺伝子増幅、であり得る。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、構成的活性型であるか、または変異を含まないBTK遺伝子によってコードされるタンパク質と比較して増大した活性を有するBTKタンパク質をコードするBTK遺伝子における変異であり得る。BTK変異(および融合)の非限定的な例は、表1に記載されている。BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全のさらなる例は、BTK阻害剤耐性変異である。BTK耐性変異の非限定的な例は、表2および3に記載されている。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BCR複合体または下流シグナル伝達成分内の活性化変異の結果、組織の微小環境に存在する微生物抗原または自己抗原による連続的なBCR刺激、あるいはBTKタンパク質の発現または活性化の病原性の増加をもたらすリガンド非依存性の持続性BCRシグナル伝達である。例えば、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BCRシグナル伝達経路タンパク質における遺伝子変異(例えば、融合タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子転座、野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含むBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子の欠失、または、1つまたは複数の点変異を伴うBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子における変異、野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較したBCRシグナル伝達経路タンパク質の少なくとも1つのアミノ酸の欠失をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質mRNAの選択的スプライシングバージョン)の結果であり得る。BCRシグナル伝達経路変異の非限定的な例は、表4に記載されている。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は多形形態である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物は多形形態Aである。
いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、式Iの化合物とHPMCASポリマーとを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、式Iの化合物の噴霧乾燥分散体およびHPMCASポリマーを含む。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物もまた、BTK関連がんを治療するために有用である。
本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、がん(例えば、BTK関連がん)は、血液がんである。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、がん(例えば、BTK関連がん)は、固形腫瘍である。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、がん(例えば、BTK関連がん)は、B細胞悪性腫瘍である。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、がん(例えば、BTK関連がん)は、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、または神経膠腫である。
いくつかの実施形態では、血液がん(例えば、BTKに関連するがんである血液がん)は、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病(ホジキンリンパ腫とも呼ばれる)、および骨髄腫、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化型白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞ALL、三系統骨髄異形成症を伴うAML(AML/TMDS)、混合系統白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL)))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、未分化大細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、および多発性骨髄腫(MM)からなる群から選択される。血液がんのさらなる例には、真性赤血球増加症(PV)、本態性血小板減少症(ET)、および特発性原発性骨髄線維症(IMF/IPF/PMF)などの骨髄増殖性疾患(MPD)が含まれる。一実施形態では、血液がん(例えば、BTK関連がんである血液がん)は、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、または辺縁帯リンパ腫である。
いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、形質転換を受けていない。BTK関連がんにおける形質転換の非限定的な例には、リヒター形質転換、前リンパ球性形質転換(例えば、CLLの前リンパ球性形質転換)、形質転換された非ホジキンリンパ腫、および芽球様リンパ腫(例えば、芽球様変異型マントル細胞リンパ腫)が含まれる。
いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、リンパ腫による中枢神経系の関与が知られているがんではない。
いくつかの実施形態では、がん(例えば、BTK関連がん)は、固形腫瘍である。固形腫瘍(例えば、BTK関連がんである固形腫瘍)の例には、例えば、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、および神経膠腫が含まれる。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Campbell,et al.,Journal of Clinical Medicine,2018,7(4):62 and Zucha et al.,Oncotarget.6(15):13255-68,2015を参照されたい。
いくつかの実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、B細胞非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、またはB細胞白血病である。いくつかの実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、または有毛細胞白血病である。
いくつかの実施形態では、対象は、活動性の制御されていない自己免疫性血球減少症を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、自己免疫性血球減少症と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療を開始してから6ヶ月以内に、臨床的に重要な、制御されていない心臓疾患、心血管疾患、または心筋梗塞の病歴を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、心臓疾患または心血管疾患と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は心筋梗塞を有していない。いくつかの実施形態では、対象は、臨床的に重要な活動性吸収不良症候群を有しない。いくつかの実施形態では、対象は吸収不良症候群と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療のいずれかの間、強力なチトクロームP450 3A4(CYP3A4)阻害剤または誘導剤で治療されていない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療のいずれかを開始してから7日以内に、プロトンポンプ阻害剤によって治療されていない。いくつかの実施形態では、対象は、活動性の第2の悪性腫瘍を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、寛解している活動性の第2の悪性腫瘍を有し、対象の平均余命は2年を超える。
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、BTK阻害剤ナイーブである。本明細書に記載の方法または使用のいずれかの他の実施形態では、対象は、BTK阻害剤ナイーブではない。
したがって、本明細書では、BTK関連がん、例えば、本明細書で開示される例示的なBTK関連がんのいずれかを有するとして診断または同定された対象を治療する方法も提供され、対象に、治療有効量の本明細書に定義されるような、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む。
BTKキナーゼ、BTK遺伝子、またはそのいずれかの(1つまたは複数)の発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、腫瘍形成に寄与し得る。例えば、BTKキナーゼ、BTK遺伝子、またはキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTKキナーゼ、BTK遺伝子、またはBTKキナーゼドメインの過剰発現、活性化、増幅、変異、または転座であり得る。いくつかの実施形態では、BTKキナーゼの調節不全は、(例えば、対照の非がん細胞と比較して)異常な細胞シグナル伝達および/または調節不全オートクリン/パラクリンシグナル伝達に起因する、哺乳動物細胞における野生型BTKキナーゼの増加した発現(例えば、増加したレベル)、または増加した活性化(例えば、増加したリン酸化)であり得る。いくつかの実施形態では、BTKキナーゼの発現の増加は、BTK遺伝子の転写の増加に起因し得る。いくつかの実施形態では、BTKキナーゼの調節不全は、(例えば、対照の非がん細胞と比較するとき)例えば異常な細胞シグナル伝達および/またはオートクリン/パラクリンシグナル伝達に起因する、哺乳動物細胞における野生型BTKキナーゼの増加した発現(例えば、増加したレベル)であり得る。いくつかの実施形態では、BTKキナーゼの調節不全は、(例えば、対照の非がん細胞と比較した)過剰活性化であり得る。いくつかの実施形態では、過剰活性化は、BTKのリン酸化の増加に起因し得る。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子における変異は、BTKリガンド結合部位、細胞外ドメイン、キナーゼドメイン、およびタンパク質:タンパク質相互作用および下流シグナル伝達に関与する領域の変異を含み得る。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子における変異(例えば、活性化変異)は、キナーゼドメインにおける1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)のアミノ酸置換(例えば、1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBTKキナーゼの発現をもたらし得る。いくつかの実施形態では、変異は、BTK遺伝子の遺伝子増幅であり得る。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子における変異(例えば、活性化変異)は野生型BTKタンパク質と比較して、少なくとも1つのアミノ酸(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、または少なくとも50個のアミノ酸)を欠くBTKキナーゼまたはBTK受容体の発現をもたらし得る。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子における変異(例えば、活性化変異)は野生型BTKタンパク質と比較して、少なくとも1つのアミノ酸(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、または少なくとも50個のアミノ酸)を挿入したBTKキナーゼの発現をもたらし得る。転座は、BTKキナーゼドメインと融合パートナーを含む融合タンパク質の発現をもたらす遺伝子転座を含み得る。例えば、融合タンパク質は、野生型BTKタンパク質と比較して増加したキナーゼ活性を有し得る。他の調節不全には、BTKのmRNAスプライスバリアントが含まれる。いくつかの実施形態では、野生型BTKタンパク質は、本明細書に記載の例示的な野生型BTKタンパク質である。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、野生型BTKキナーゼの過剰発現を含む。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、例えば、キナーゼドメイン部分、またはキナーゼ活性を示すことができる部分を含む、BTK遺伝子またはその一部分を含む染色体セグメントにおける過剰発現、活性化、増幅、または変異を含む。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTKキナーゼにおける1つまたは複数の欠失(例えば、アミノ酸4位の欠失)、挿入、または点変異(複数可)を含む。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTKキナーゼドメインの構成的活性をもたらす、BTKキナーゼに由来の1つまたは複数の残基の欠失を含む。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、野生型BTKキナーゼと比較して1つまたは複数のアミノ酸置換、挿入、または欠失を有するBTKキナーゼの生成をもたらす、BTK遺伝子の少なくとも1つの点変異を含む(例えば、表1に列挙されている点変異を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTK遺伝子融合をもたらす1つまたは複数の染色体転座または逆位を含む。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、発現タンパク質が非BTKパートナータンパク質に由来の残基を含む融合タンパク質であり、最小限の機能的BTKキナーゼドメインを含む、遺伝子転座の結果である。
BTK遺伝子融合タンパク質の非限定的な例は、表1aに示されている。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTKのmRNAの選択的スプライシングバリアントを含む。いくつかの実施形態では、選択的スプライシングされたBTKのmRNAは、(野生型BTKキナーゼと比較して)少なくとも1つの残基が削除されたBTKキナーゼをもたらし、BTKキナーゼドメインの構成的活性をもたらす。野生型BTKキナーゼの選択的スプライシングバリアントであるBTKキナーゼの例は、野生型BTKキナーゼとは異なる第1エクソンを含むp65BTKであり、p65BTKの翻訳は、野生型BTKキナーゼのようなエクソン2ではなくエクソン4の推定開始コドンで始まり得る(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Grassilli et al.,Oncogene.35(33):4368-78,2016)。いくつかの実施形態では、p65BTKは、結腸がんにおいて発現する。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、野生型BTKキナーゼと比較してBTKキナーゼのN末端に、少なくとも1つのアミノ酸(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12)を有するキナーゼ少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50個のアミノ酸、または少なくとも100個のアミノ酸)が付加されたBTKをもたらす、野生型BTKキナーゼと比較して代替プロモーターから転写されたBTKのmRNAを含む。代替プロモーターから翻訳されたBTKキナーゼの例には、BTK-Cが含まれ、これは、野生型BTKキナーゼと比較して選択的スプライシングにより異なる第1エクソンを持ち、野生型BTKキナーゼと比較して34アミノ酸のN末端が伸長したBTKキナーゼをもたらす異なる開始コドンを有する(それぞれが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Eifert et al.,Genes Chromosomes Cancer.52(10):961-75,2013およびKokabee et al.Cancer Biol.Ther.16(11):1604-15,2015)。いくつかの実施形態では、BTK-Cは、前立腺がんまたは乳がんにおいて発現する。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、野生型BTKキナーゼと比較して、1つまたは複数のアミノ酸が挿入または除去されたBTKキナーゼの産生をもたらす、BTK遺伝子における1つまたは複数のアミノ酸置換または挿入または欠失を有するBTKキナーゼの産生をもたらすBTK遺伝子の少なくとも1つの点変異を含む。場合によっては、得られたBTKキナーゼは、野生型BTKキナーゼまたはその変異を含まないBTKキナーゼと比較して、1つまたは複数の第1のBTKキナーゼ阻害剤(複数可)によるそのホスホトランスフェラーゼ活性の阻害に対してより耐性がある。そのような変異は、任意選択で、(例えば、特定のBTK阻害剤耐性変異を含まないがん細胞または腫瘍と比較して)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態による治療に対する、BTKキナーゼを有するがん細胞または腫瘍の感受性を低下させない。そのような実施形態では、BTK阻害剤耐性変異は、第1のBTKキナーゼ阻害剤が存在するとき、同一の第1のBTKキナーゼ阻害剤の存在下で野生型BTKキナーゼまたはその変異を有しないBTKキナーゼと比較するとき、Vmaxの増加、ATPのKmの減少、および第1のBTKキナーゼ阻害剤のKDの増加のうちの1つまたは複数を有するBTKキナーゼをもたらし得る。他の実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、野生型BTKキナーゼと比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBTKキナーゼの産生をもたらし、野生型BTKキナーゼまたはその変異を含まないBTKキナーゼと比較して式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対する耐性を増大させる、BTK遺伝子における少なくとも1つの点変異を含む。そのような実施形態では、BTK阻害剤耐性変異は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態の存在下で、その式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態の存在下での野生型BTKキナーゼまたはその変異を有しないBTKキナーゼと比較するとき、Vmaxの増加、Kmの減少、およびKDの減少のうちの1つまたは複数を有するBTKキナーゼをもたらし得る。
BTK阻害剤耐性変異の例には、例えば、ゲートキーパー残基(例えば、野生型BTKキナーゼのアミノ酸位置474)、Pループ残基 DFGモチーフもしくはその付近にある残基、およびATPクレフト溶媒フロントアミノ酸残基を含むがこれらに限定されない、BTKキナーゼの三次構造のATP結合部位およびその付近における点変異、挿入、または欠失が含まれ得る。これらのタイプの変異のさらなる例には、活性化ループの残基、活性化ループの付近にあるかまたはそれと相互作用する残基、活性または不活性の酵素立体配座に寄与する残基を含むがこれらに限定されない、酵素活性および/または薬物結合に影響を与える可能性のある残基における変化、Cヘリックスを進めるループおよびCヘリックスにおける変異、欠失、および挿入を含む変化が含まれる。いくつかの実施形態では、野生型BTKタンパク質は、本明細書に記載の例示的な野生型BTKキナーゼである。変更され得る特定の残基または残基領域(例えば、BTK阻害剤耐性変異)は、ヒト野生型BTKタンパク質配列(例えば、配列番号1)に基づいて付番して、表2に列挙されたものを含むが、これらに限定されない。当業者に理解されるように、配列番号1の特定のアミノ酸位置に対応する参照タンパク質配列内のアミノ酸位置は、参照タンパク質配列を配列番号1にアライメントすることによって決定できる(例えば、ClustalW2などのソフトウェアプログラムを使用する)。これらの残基への変更には、単一または複数のアミノ酸の変更、配列内または配列に隣接する挿入、および配列内または配列に隣接する欠失が含まれ得る。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、J.Kooistra,G.K.Kanev,O.P.J.Van Linden,R.Leurs,I.J.P.De Esch,and C.De Graaf,“KLIFS:A structural kinase-ligand interaction database,” Nucleic Acids Res.,vol.44,no.D1,pp.D365-D371,2016も参照されたい。
成熟ヒトBTKタンパク質の例示的な配列(配列番号1)
[配列表1]
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、存在する薬剤治療(例えば、他のBTKキナーゼ阻害剤、例えば、第1および/または第2のBTKキナーゼ阻害剤)に対する、組み合わせ、または後続治療もしくは付加治療(例えば、フォローアップ)のいずれかによる、BTK阻害剤耐性変異(例えば、第1のBTK阻害剤に対する耐性の増加をもたらすもの、例えば、アミノ酸位置481における置換、例えば、C481S、C481T、C481R、C481G、および/または、表2および3に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異)を含むがんを発症する対象の治療に有用である。例示的な第1および第2のBTKキナーゼ阻害剤は本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、第1または第2のBTKキナーゼ阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、ダサチニブ、GNE-504、GNE-309、BCB-311、BTK Max、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、第1または第2のBTKキナーゼ阻害剤は、共有結合阻害剤である。BTKキナーゼの例示的な共有結合阻害剤には、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、およびチラブルチニブが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、第1または第2のBTKキナーゼ阻害剤は、非共有結合阻害剤である。BTKキナーゼの例示的な非共有結合阻害剤には、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、およびダサチニブが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異(第1または第2のBTK阻害剤に対する耐性の増加をもたらすもの、例えばアミノ酸位置481での置換、例えばC481S、C481T、C481R、およびC481R、または例えばアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、およびT474S)を有すると同定されたがんを治療するのに有用である。BTK阻害剤耐性変異の非限定的な例を表2に列挙する。
他の実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異(第1または第2のBTK阻害剤に対する耐性の増加をもたらすもの、例えばPLCγ2におけるアミノ酸位置707での置換、例えばS707Y、S707P、およびS707F、または例えばCARD11におけるアミノ酸位置251での置換、例えばL251P)を有すると同定されたがんを治療するのに有用である。BTK阻害剤耐性変異の非限定的な例を表3に列挙する。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BCR複合体または下流シグナル伝達成分内の活性化変異の結果、組織の微小環境に存在する微生物抗原または自己抗原による連続的なBCR刺激、あるいはBTKタンパク質の発現または活性化の病原性の増加をもたらすリガンド非依存性の持続性BCRシグナル伝達である。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BCR複合体または下流シグナル伝達成分内の1つまたは複数の活性化変異、組織の微小環境に存在する微生物抗原または自己抗原による連続的なBCR刺激、あるいはBTKタンパク質の発現または活性化の病原性の増加をもたらすリガンド非依存性の持続性BCRシグナル伝達である。例えば、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BCRシグナル伝達経路タンパク質における遺伝子変異(例えば、融合タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子転座、野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸の欠失を含むBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子の欠失、または、1つまたは複数の点変異を伴うBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子における変異、野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較したBCRシグナル伝達経路タンパク質の少なくとも1つのアミノ酸の欠失をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質をもたらすBCRシグナル伝達経路タンパク質mRNAの選択的スプライシングバージョン)の結果であり得る。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して、1つまたは複数のアミノ酸が挿入または除去されたBCRシグナル伝達経路タンパク質の産生をもたらす、BCRシグナル伝達経路遺伝子における1つまたは複数のアミノ酸置換または挿入または欠失を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の産生をもたらすBCRシグナル伝達経路遺伝子の少なくとも1つの点変異を含む。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子における変異(例えば、活性化変異)は、キナーゼドメインにおける1つまたは複数(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)のアミノ酸置換(例えば、1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらし得る。いくつかの実施形態では、変異は、BCRシグナル伝達経路遺伝子の遺伝子増幅であり得る。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子における変異(例えば、活性化変異)は野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して、少なくとも1つのアミノ酸(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、または少なくとも50個のアミノ酸)を欠くBCRシグナル伝達経路タンパク質またはBCRシグナル伝達経路受容体の発現をもたらし得る。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子における変異(例えば、活性化変異)は野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して、少なくとも1つのアミノ酸(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、または少なくとも50個のアミノ酸)を挿入したBCRシグナル伝達経路タンパク質の発現をもたらし得る。他の調節不全には、BCRシグナル伝達経路のmRNAスプライスバリアントが含まれる。BCRシグナル伝達経路変異の非限定的な例は、表4に記載されている。
他の実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、野生型BCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の産生をもたらし、BCRシグナル伝達経路タンパク質またはその変異を含まないBCRシグナル伝達経路タンパク質と比較して式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対する耐性を増大させる、BCRシグナル伝達経路遺伝子における少なくとも1つの点変異を含む。
したがって、本明細書では、がんと診断された(または有すると同定された)対象を治療する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む方法が提供される。本明細書では、BTK関連がんを有するとして同定または診断された対象を治療する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしく多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む方法も提供される。いくつかの実施形態では、対象は、対象または対象からの生検試料において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を同定するために、規制当局承認の、例えば、FDA承認の試験またはアッセイの使用によってか、あるいは本明細書に記載のアッセイの非限定的な例のいずれかを実施することによって、BTK関連がんを有するとして同定または診断されている。いくつかの実施形態では、試験またはアッセイは、キットとして提供される。いくつかの実施形態では、がんはBTK関連がんである。例えば、BTK関連がんは、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含むがんであり得る。
同様に提供されるのは、治療を必要とする対象においてがんを治療する方法であって、(a)対象においてBTK関連がんを検出することと、(b)対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしく多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することと、を含む方法である。これらの方法のいくつかの実施形態は、別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤または免疫療法)を対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、対象は、以前に第1のBTK阻害剤で治療されているか、または別の抗がん治療、例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除または放射線療法で以前に治療されている。いくつかの実施形態では、対象は、対象または対象からの生検試料において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を同定するために、規制当局承認の、例えば、FDA承認の試験またはアッセイの使用によってか、あるいは本明細書に記載のアッセイの非限定的な例のいずれかを実施することによって、BTK関連がんを有すると判定される。いくつかの実施形態では、試験またはアッセイは、キットとして提供される。いくつかの実施形態では、がんはBTK関連がんである。例えば、BTK関連がんは、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含むがんであり得る。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質における1つまたは複数の変異の結果である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
同様に、提供されるのは、対象を治療する方法であって、対象から得られた腫瘍に対してアッセイを実施して、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有しているかどうかを判定することと、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するとして判定された対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与(特異的または選択的に投与)することと、を含む、方法である。これらの方法のいくつかの実施形態は、別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤または免疫療法)を対象に投与することをさらに含む。これらの方法のいくつかの実施形態では、対象は、以前に第1のBTK阻害剤で治療されているか、または別の抗がん治療、例えば、腫瘍の少なくとも部分的な切除または放射線療法で以前に治療されている。いくつかの実施形態では、対象は、BTK関連がんを有する疑いのある対象、BTK関連がんの1つまたは複数の症状を示す対象、またはBTK関連がんを発症する危険性が高い対象である。いくつかの実施形態では、アッセイは、次世代シーケンシング、パイロシーケンシング、免疫組織化学、免疫ブロット、またはブレークアパートFISH分析を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、規制当局承認のアッセイ、例えば、FDA承認のキットである。いくつかの実施形態では、アッセイは、液体生検である。これらの方法で使用できるさらなる非限定的なアッセイは、本明細書に記載されている。さらなるアッセイも当該技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。
同様に提供されるのは、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するかどうかを判定するために、対象から得られた試料について、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全の存在は、患者がBTK関連がんを有していることを同定するアッセイ(例えば、インビトロアッセイ)を実施するステップを介して、BTK関連がんを有すると同定または診断された対象において、BTK関連がんの治療に使用するための、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物である。同様に提供されるのは、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するかどうかを判定するために、対象から得られた試料について、アッセイを実施するステップを介して、BTK関連がんを有すると同定または診断された対象において、BTK関連がんの治療のための医薬の製造のための、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、またはそれらの噴霧乾燥分散体の使用である。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態は、対象が、アッセイの実施を通じて、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有すると判定されていることと、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与されるべきであることと、を対象の臨床記録(例えば、コンピュータ可読媒体)に記録することをさらに含む。いくつかの実施形態では、アッセイは、次世代シーケンシング、パイロシーケンシング、免疫組織化学、免疫ブロット、またはブレークアパートFISH分析を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、規制当局承認のアッセイ、例えば、FDA承認のキットである。いくつかの実施形態では、アッセイは、液体生検である。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質における1つまたは複数の変異の結果である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
同様に提供されるのは、がんの治療を必要とする対象において、またはBTK関連がんを有するとして同定もしくは診断された対象において、がんの治療に使用するための、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物である。同様に提供されるのは、BTK関連がんを有するとして同定もしくは診断された対象においてがんを治療するための医薬の製造のための、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の使用である。いくつかの実施形態では、がんは、BTK関連がん、例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するBTK関連がんである。いくつかの実施形態では、対象は、対象または試料からの生検試料において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を同定するために、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットの使用によって、BTK関連がんを有するとして同定または診断される。本明細書で提供されるように、BTK関連がんには、本明細書に記載されているもの、および当該技術分野で知られているものが含まれる。
本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を伴うがんを有するとして同定または診断されている。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全について陽性である腫瘍を有する。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全について陽性である腫瘍(複数可)を有する対象であり得る。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、その腫瘍がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有する腫瘍である対象であり得る。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、BTK関連がん(例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん)を有する疑いがある。本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、BTK阻害剤ナイーブである。本明細書に記載の方法または使用のいずれかの他の実施形態では、対象は、BTK阻害剤ナイーブではない。いくつかの実施形態では、本明細書において、BTK関連がんの治療を必要とする患者においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)患者からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数の融合タンパク質を含む。BTK遺伝子融合タンパク質の非限定的な例は、表1aに記載されている。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBTKキナーゼタンパク質の点変異/挿入/欠失を含む。BTKキナーゼタンパク質の点変異/挿入/欠失の非限定的な例は、表1に記載されている。いくつかの実施形態では、BTKキナーゼタンパク質の点変異/挿入/欠失は、T117P、T316A、T474I、T474M、T474S、C481S、C481S、C481T、C481G、C481R、L528W、P560L、R562W、R562G、およびF601Lからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。BTK阻害剤耐性変異の非限定的な例は、表2および3に記載されている。いくつかの実施形態では、BTK耐性変異は、BTKのアミノ酸481における変異である。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤耐性変異はC481Sである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤耐性変異はC481Fである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤耐性変異はT474Iである。いくつかの実施形態では、BTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2における変異である(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141)。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質における1つまたは複数の変異の結果である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を伴うがんは、規制当局承認の、例えばFDA承認の、アッセイまたはキットを用いて判定される。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全について陽性である腫瘍は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異について陽性である腫瘍である。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を伴う腫瘍は、規制当局承認の、例えば、FDA承認の、アッセイまたはキットを用いて判定される。
本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、対象は、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有する腫瘍(例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有する腫瘍)を対象が有することを示す臨床記録を有する。いくつかの実施形態では、臨床記録は、対象が、本明細書に提供されるような式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物で治療されるべきであることを示す。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を伴うがんは、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがんである。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を伴うがんは、規制当局承認の、例えばFDA承認の、アッセイまたはキットを用いて判定される。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全について陽性である腫瘍は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異について陽性である腫瘍である。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を伴う腫瘍は、規制当局承認の、例えば、FDA承認の、アッセイまたはキットを用いて判定される。
同様に提供されるのは、対象を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有することを示す臨床記録を有する対象に投与することを含む方法である。同様に提供されるのは、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を対象が有することを示す臨床記録を有する対象において、BTK関連がんを治療するための医薬の製造のための、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の使用である。これらの方法および使用のいくつかの実施形態は、対象から得られた試料についてアッセイ(例えば、インビトロアッセイ)を実施して、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するかどうかを判定するステップと、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するとして同定されたという情報を対象の臨床ファイル(例えば、コンピュータ可読媒体)に記録するステップと、をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、アッセイは、インビトロアッセイである。例えば、アッセイは、次世代シーケンシング、免疫組織化学、免疫ブロット、またはブレークアパートFISH分析を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットである。いくつかの実施形態では、アッセイは、液体生検である。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質における1つまたは複数の変異の結果である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書では、対象を治療する方法も提供される。いくつかの実施形態では、方法は、対象から得られた試料についてアッセイを実施して、対象がBTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するかどうかを判定することを含む。いくつかのそのような実施形態では、方法はまた、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有すると判定された対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象がBTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくはレベルの調節不全を有することを、対象から得られた試料について実施されるアッセイによって判定することを含む。そのような実施形態では、この方法は、対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することも含む。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性における調節不全は、BTK融合タンパク質(例えば、本明細書に記載のBTK融合タンパク質のいずれか)の発現をもたらす遺伝子または染色体の転座である。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、BTK遺伝子の1つまたは複数の点変異(例えば、本明細書に記載のBTK点変異の1つまたは複数のいずれか)である。BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、例えば、T117P、T316A、T474I、T474M、T474S、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、L528W、P560L、R562W、R562G、およびF601Lのアミノ酸置換のうちの1つまたは複数を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらし得る。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異(例えば、本明細書に記載の1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異のいずれかの組み合わせ)である。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質における1つまたは複数の変異の結果である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。これらの方法のいくつかの実施形態は、別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤または免疫療法)を対象に投与することをさらに含む。
同様に提供されるのは、BTK関連がんを有すると同定または診断された対象に対する治療を選択する方法(例えば、インビトロ法)である。いくつかの実施形態は、選択された治療を、BTK関連がんを有するとして同定または診断された対象に投与することをさらに含み得る。例えば、選択された治療は、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含み得る。いくつかの実施形態は、対象から得られた試料についてアッセイを実施して、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するかどうかを判定するステップと、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有すると判定された対象を、BTK関連がんを有するとして同定および診断するステップと、をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質における1つまたは複数の変異の結果である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの態様では、がんは、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するBTK関連がんである。いくつかの実施形態では、対象は、対象または対象からの生検試料において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を同定するための、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットの使用によって、BTK関連がんを有するとして同定または診断されている。いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、本明細書に記載のがんまたは当該技術分野で既知のがんである。いくつかの実施形態では、アッセイは、インビトロアッセイである。例えば、アッセイは、次世代シーケンシング、免疫組織化学、免疫ブロット、またはブレークアパートFISH分析を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットである。いくつかの実施形態では、アッセイは、液体生検である。
本明細書では、対象に対する治療を選択する方法も提供され、この方法は、対象から得られた試料についてアッセイを実施して、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全(例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異)を有するかどうかを判定するステップと、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有すると判定された対象を、BTK関連がんを有するとして同定および診断するステップと、を含む。いくつかの実施形態は、選択された治療を、BTK関連がんを有するとして同定または診断された対象に投与することをさらに含む。例えば、選択された治療は、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の、BTK関連がんを有するとして同定もしくは診断された対象への投与を含み得る。いくつかの実施形態では、アッセイは、インビトロアッセイである。例えば、アッセイは、次世代シーケンシング、免疫組織化学、免疫ブロット、またはブレークアパートFISH分析を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットである。いくつかの実施形態では、アッセイは、液体生検である。
同様に提供されるのは、治療のために対象を選択する方法であって、BTK関連がんを有する対象を選択、同定、または診断することと、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療のために対象を選択することと、を含む、方法である。いくつかの実施形態は、BTK関連がんを有するとして対象を同定または診断することは、対象から得られた試料についてアッセイを実施して、対象がBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するかどうかを判定するステップと、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有すると判定された対象を、BTK関連がんを有するとして同定または診断するステップと、を含み得る。いくつかの実施形態では、治療のための対象を選択する方法は、BTK関連がんの様々な治療の投与を含む臨床研究の一部として使用することができる。いくつかの態様では、BTK関連がんは、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがんである。いくつかの実施形態では、アッセイは、インビトロアッセイである。例えば、アッセイは、次世代シーケンシング、免疫組織化学、またはブレークアパートFISH分析を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットである。いくつかの実施形態では、アッセイは、液体生検である。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質における1つまたは複数の変異の結果である。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
同様に、本明細書では、がん(例えば、BTK関連がん)の治療を必要とする対象においてがんを治療する方法が提供され、この方法は、a)対象からの試料中において、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することと、を含む。これらの方法のいくつかの実施形態は、対象から得られた試料についてアッセイ(例えば、インビトロアッセイ)を実施して、対象がBCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するかどうかを判定するステップと、対象がBCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するとして同定されたという情報を対象の臨床ファイル(例えば、コンピュータ可読媒体)に記録するステップと、をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、アッセイは、インビトロアッセイである。例えば、アッセイは、次世代シーケンシング、免疫組織化学、免疫ブロット、またはブレークアパートFISH分析を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットである。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
同様に提供されるのは、対象を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、対象がBCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有することを示す臨床記録を有する対象に投与することを含む方法である。これらの方法のいくつかの実施形態は、対象から得られた試料についてアッセイ(例えば、インビトロアッセイ)を実施して、対象がBCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するかどうかを判定するステップと、対象がBCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するとして同定されたという情報を対象の臨床ファイル(例えば、コンピュータ可読媒体)に記録するステップと、をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、アッセイは、インビトロアッセイである。例えば、アッセイは、次世代シーケンシング、免疫組織化学、免疫ブロット、またはブレークアパートFISH分析を利用する。いくつかの実施形態では、アッセイは、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットである。いくつかの実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本明細書に記載の方法または使用のいずれかのいくつかの実施形態では、対象からの試料を用いて、対象がBTK遺伝子、またはBTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するかどうかを判定するために使用されるアッセイには、例えば、次世代シーケンシング、パイロシーケンシング、免疫組織化学、蛍光顕微鏡、ブレークアパートFISH分析、サザンブロッティング、ウエスタンブロッティング、FACS(蛍光標識細胞分取)分析、ノーザンブロッティング、およびPCRベースの増幅(例えば、RT-PCR(逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応)および定量的リアルタイムRT-PCR)が含まれ得る。当該技術分野で周知のように、アッセイは、例えば、少なくとも1つの標識された核酸プローブまたは少なくとも1つの標識された抗体もしくはその抗原結合断片を用いて、典型的に実施される。アッセイは、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出するための、当該技術分野で知られている他の検出方法を利用することができる(例えば、本明細書に引用される参考文献を参照されたい)。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。いくつかの実施形態では、試料は、対象からの生体試料または生検試料(例えば、パラフィン包埋生検試料)である。いくつかの実施形態では、対象は、BTK関連がんを有する疑いのある対象、BTK関連がんの1つまたは複数の症状を有する対象、および/またはBTK関連がんを発症する危険性が高い対象である。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、液体生検(流体生検または流体相生検など様々に呼ばれる)を使用して同定することができる。例えば、Karachialiou et al.,“Real-time liquid biopsies become a reality in cancer treatment”,Ann.Transl.Med.,3(3):36,2016を参照されたい。液体生検法を使用して、総腫瘍量および/またはBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することができる。液体生検法は、対象から比較的簡単に(例えば、単純な採血によって)得られる生体試料に対して実施することができる。いくつかの実施形態では、液体生検法は、従来法よりも初期の段階で、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全の存在を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態では、液体生検で使用される生体試料には、血液、血漿、尿、脳脊髄液、唾液、痰、気管支肺胞洗浄液、胆汁、リンパ液、嚢胞液、便、腹水、およびそれらの組み合わせが含まれ得る。いくつかの実施形態では、循環腫瘍細胞(CTC)を検出するために液体生検を使用することができる。いくつかの実施形態では、液体生検を使用して、無細胞DNAを検出することができる。いくつかの実施形態では、液体生検を使用して検出される無細胞DNAは、腫瘍細胞に由来する循環腫瘍DNA(ctDNA)である。ctDNAの分析(例えば、限定されないが、次世代シーケンシング(NGS)、従来のPCR、デジタルPCR、マイクロアレイ分析などの高感度検出技法の使用)を使用して、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を同定することができる。
いくつかの実施形態では、単一の遺伝子に由来するctDNAは、液体生検を使用して検出することができる。いくつかの実施形態では、複数の遺伝子(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100個以上、またはこれらの数の間の任意の数)は、液体生検を使用して検出することができる。いくつかの実施形態では、複数の遺伝子に由来するctDNAは、様々な市販の試験パネル(例えば、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出するように設計された市販の試験パネル)のいずれかを使用して検出することができる。液体生検を使用して、点変異または単一ヌクレオチドバリアント(SNV)、コピー数バリアント(CNV)、遺伝子融合(例えば、転座または再編成)、挿入、欠失、またはそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することができる。いくつかの実施形態では、生殖細胞系変異を検出するために、液体生検を使用することができる。いくつかの実施形態では、体細胞変異を検出するために、液体生検を使用することができる。いくつかの実施形態では、液体生検を使用して、一次遺伝的変異(例えば、がんなどの疾患の初期発生に関連する一次変異または一次融合)を検出することができる。いくつかの実施形態では、液体生検を使用して、一次遺伝的変異の発生後に発生する遺伝子変異(例えば、対象に施された治療に応答して生じる耐性変異)を検出することができる。いくつかの実施形態では、液体生検を用いて同定された、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、対象に存在するがん細胞(例えば、腫瘍)にも存在する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の任意の型のBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、液体生検を使用して検出することができる。いくつかの実施形態では、液体生検を介して同定された遺伝子変異を使用して、特定の治療のための候補として対象を同定することができる。例えば、対象における、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全の検出は、対象が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療に応答性であることを示し得る。
診断の過程、モニタリングの過程、および/または治療の過程の間、複数の時点で、液体生検を実施して、疾患の進行、治療の有効性、または対象に治療を施した後の耐性変異の発生を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数上の臨床的に関連のあるパラメータを判定することができる。例えば、診断の過程、モニタリングの過程、および/または治療の過程の間、第1の時点で第1の液体生検を実施し、第2の時点で第2の液体生検を実施することができる。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する前の時点(例えば、対象が健康なとき)であり得、第2の時点は、対象が疾患を発症した後の時点(例えば、第2の時点は、疾患を伴う対象を診断するために使用できる)であり得る。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する前の時点(例えば、対象が健康なとき)であり得、その後、対象はモニタリングされ、第2の時点は、対象がモニタリングされた後の時点であり得る。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断した後の時点であり得、その後、治療が対象に施され、第2の時点は、治療が施された後の時点であり得、そのような場合、第2の時点を使用して、治療の有効性(例えば、第1の時点で検出された遺伝子変異(複数可)が大量に減少するか、または検出不能であるかを)を評価することができ、または治療の結果として生じた耐性変異の存在を判定することができる。いくつかの実施形態では、対象に施されるべき治療は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含み得る。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の効力は、異なる時点で対象から得られたcfDNA、例えば、第1の時点で対象から得られたcfDNAと第2の時点で対象から得られたcfDNAにおけるBTK遺伝子の調節不全の対立遺伝子頻度を評価することによって判定することができ、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の少なくとも1回の用量は、第1の時点と第2の時点の間で対象に投与される。これらの方法のいくつかの実施形態は、少なくとも1回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、第1の時点と第2の時点の間で対象に投与することをさらに含み得る。例えば、第1の時点で対象から得られたcfDNAのBTK遺伝子の調節不全の対立遺伝子頻度(AF)と比較した、第2の時点で対象から得られたcfDNAのBTK遺伝子の調節不全の対立遺伝子頻度(AF)の減少(例えば、1%~約99%の減少、1%~約95%の減少、1%~約90%の減少、1%~約85%の減少、1%~約80%の減少、1%~約75%の減少、1%の減少~約70%の減少、1%の減少~約65%の減少、1%の減少~約60%の減少、1%の減少~約55%の減少、1%の減少~約50%の減少、1%の減少~約45%の減少、1%の減少~約40%の減少、1%の減少~約35%の減少、1%の減少~約30%の減少、1%の減少~約25%の減少、1%の減少~約20%の減少、1%の減少~約15%の減少、1%の減少~約10%の減少、1%~約5%の減少、約5%~約99%の減少、約10%~約99%の減少、約15%~約99%の減少、約20%~約99%の減少、約25%~約99%の減少、約30%~約99%の減少、約35%~約99%の減少、約40%~約99%の減少、約45%~約99%の減少、約50%~約99%の減少、約55%~約99%の減少、約60%~約99%の減少、約65%~約99%の減少、約70%~約99%の減少、約75%~約95%の減少、約80%~約99%の減少、約90%~約99%の減少、約95%~約99%の減少、約5%~約10%の減少、約5%~約25%の減少、約10%~約30%の減少、約20%~約40%の減少、約25%~約50%の減少、約35%~約55%の減少、約40%~約60%の減少、約50%の減少~約75%の減少、約60%の減少~約80%の減少、または約65%~約85%の減少)は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物が対象において有効であることを示す。代替的に、第1の時点で対象から得られたcfDNAのBTK遺伝子の調節不全の対立遺伝子頻度(AF)と比較した、第2の時点で対象から得られたcfDNAのBTK遺伝子の調節異常の対立遺伝子頻度(AF)の増加は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物が対象において効果的でない(例えば、対象が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対する耐性変異を発症している)ことを示す。これらの方法のいくつかの実施形態は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の追加用量を、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物が有効であると判定される対象に投与することをさらに含み得る。これらの方法のいくつかの実施形態は、異なる治療(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態の単剤投与としての投与を含まない治療)を、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物が効果的ではないと判定される対象に対して投与することをさらに含み得る。
これらの方法のいくつかの例では、第1の時点および第2の時点の間の時間差は、約1日~約1年、約1日~約11ヶ月、約1日~約10ヶ月、約1日~約9ヶ月、約1日~約8ヶ月、約1日~約7ヶ月、約1日~約6ヶ月、約1日~約5ヶ月、約1日~約4ヶ月、約1日~約3ヶ月、約1日~約10週間、約1日~約2ヶ月、約1日~約6週間、約1日~約1ヶ月、約1日~約25日、約1日~約20日、約1日~約15日、約1日~約10日、約1日~約5日、約2日~約1年、約5日~約1年、約10日~約1年、約15日~約1年、約20日~約1年、約25日~約1年、約1ヶ月~約1年、約6週間~約1年、約2ヶ月~約1年、約3ヶ月~約1年、約4ヶ月~約1年、約5ヶ月~約1年、約6ヶ月~約1年、約7ヶ月~約1年、約8ヶ月~約1年、約9ヶ月~約1年、約10ヶ月約1年~約11ヶ月~約1年、約1日~約7日、約1日~約14日、約5日~約10日、約5日~約20日、約10日~約20日間、約15日間~約1ヶ月、約15日間~約2ヶ月、約1週間~約1ヶ月、約2週間~約1ヶ月、約1ヶ月~約3ヶ月、約3ヶ月~約6ヶ月、約4ヶ月~約6ヶ月、約5ヶ月~約8ヶ月、または約7ヶ月~約9ヶ月であり得る。これらの方法のいくつかの実施形態では、対象は、調節不全のBTK遺伝子(例えば、本明細書に記載の調節不全のBTK遺伝子の例のいずれか)を有するがんを有すると以前に同定されていてもよい。これらの方法のいくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載のがんのタイプのいずれかを有すると以前に診断されていてもよい。これらの方法のいくつかの実施形態では、対象は1つまたは複数の転移(例えば、1つまたは複数の骨転移)を有していてもよい。
上述の実施形態のいくつかでは、cfDNAは、BTK関連ctDNAなどのctDNAを含む。例えば、cfDNAはBTK関連ctDNAなどのctDNAである。いくつかの実施形態では、cfDNAの少なくとも一部がBTK関連ctDNAであると判定され、例えば、全cfDNAの配列決定および/または定量化された量は、BTK融合および/またはBTK耐性変異を有すると判定される。
内科的腫瘍学の分野では、がんを有する各対象を治療するために、異なる治療形態の組み合わせを使用するのが通例である。内科的腫瘍学において、本明細書で提供される組成物に加えて、そのような併用治療または療法の他の構成要素(複数可)は、手術、放射線療法、および化学療法薬、例えば、キナーゼ阻害剤、シグナル伝達阻害剤、および/またはモノクローナル抗体であり得る。例えば、手術は、開腹手術または低侵襲手術である。したがって、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、がん治療のアジュバントとしても有用であり得、すなわち、それらは、1つまたは複数の追加の療法または治療薬、例えば、同一または異なる作用機序により作用する化学療法薬と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、追加の治療薬または追加の療法と組み合わせて使用される。例えば、治療を必要とする対象は、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を一定期間投与され得、その後、腫瘍の少なくとも部分的な切除を受け得る。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の1回または複数回の用量による治療により、腫瘍の少なくとも部分的な切除前の腫瘍の大きさ(例えば、腫瘍量)を低減する。
本明細書に記載の任意の方法のいくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、治療有効量の1つまたは複数の追加の療法または治療薬(例えば、化学療法薬)から選択される、少なくとも1つのさらなる治療薬と組み合わせて投与される。
追加の治療薬の非限定的な例には、他のBTK標的治療薬(すなわち、第1または第2のBTKキナーゼ阻害剤)、他のキナーゼ標的治療薬(例えば、JAK、Src、またはIRAKファミリーキナーゼ標的治療薬、例えばJAK1、JAK2、JAK3、TYK2、IRAK1、IRAK4、Src、Yes、Fyn、Fgr、Lck、Hck、Blk、Lyn、またはFrk阻害剤)、シグナル伝達経路阻害剤、チェックポイント阻害剤、アポトーシス経路の調節薬(例えば、obataclax);他のタンパク質阻害剤(例えば、抗アポトーシスタンパク質阻害剤、熱ショックタンパク質阻害剤、核外移行タンパク質阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、E3ユビキチンリガーゼ阻害剤、またはヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ阻害剤);細胞毒性化学療法、血管新生を標的とした治療法、免疫療法を含む免疫標的薬、および放射線療法が含まれる。
いくつかの実施形態では、他のBTK標的治療薬は、BTK阻害活性を示すマルチキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、他のBTK標的化治療用阻害剤は、BTKキナーゼに対して選択的である。例示的なBTKキナーゼ阻害剤は、本明細書に記載のアッセイで測定するとき、約1000nM未満、約500nM未満、約200nM未満、約100nM未満、約50nM未満、約25nM未満、約10nM未満、または約1nM未満の、BTKキナーゼに対する阻害活性(IC50)を示し得る。いくつかの実施形態では、BTKキナーゼ阻害剤は、本明細書で提供されるアッセイで測定するとき、約25nM未満、約10nM未満、約5nM未満、または約1nM未満の、BTKキナーゼに対する阻害活性(IC50)を示し得る。
BTK標的治療薬(例えば、第1のBTK阻害剤または第2のBTK阻害剤)の非限定的な例には、イブルチニブ(PCI-32675、Imbruvica(登録商標))(1-[(3R)-3-[4-アミノ-3-(4-フェノキシフェニル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ピペリジン-1-イル]プロパ-2-エン-1-オン);AC0058(AC0058TA);N-(3-((2-((3-フルオロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニル)アミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)オキシ)フェニル)アクリルアミド;アカラブルチニブ(ACP-196、Calquence(登録商標)、rINN)(4-[8-アミノ-3-[(2S)-1-ブタ-2-イノイルピリジン-2-イル]イミダゾ[1,5-a]ピラジン-1-イル]-N-ピリジン-2-イルベンズアミド);ザヌブルチニブ(BGB-3111)((7R)-2-(4-フェノキシフェニル)-7-(1-プロパ-2-エノイルピペリジン-4-イル)-1,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド);スペブルチニブ(AVL-292、1202757-89-8、Cc-292)(N-[3-[[5-フルオロ-2-[4-(2-メトキシエトキシ)アニリノ]ピリミジン-4-イル]アミノ]フェニル]プロプ-2-エナミド);ポセルチニブ(HM71224、LY3337641)(N-[3-[2-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)アニリノ]フロ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]オキシフェニル]プロプ-2-エナミド);エボブルチニブ(MSC2364447、M-2951)(1-[4-[[[6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル]アミノ]メチル]ピペリジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン);チラブルチニブ(ONO-4059、GS-4059、ONO/GS-4059、ONO-WG-307)(1-[4-[[[6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル]アミノ]メチル]ピペリジン-1-イル]プロプ-2-エン-1-オン);ベカブルチニブ(SNS-062)((3R,4S)-1-(6-アミノ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-3-[(3R)-3-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)アニリノ]-2-オキソピペリジン-1-イル]ピペリジン-4-カルボキサミド);ダサチニブ(Sprycel(登録商標);BMS-354825)(N-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-[[6-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルピリミジン-4-イル]アミノ]-1,3-チアゾール-5-カルボキサミド);PRN1008、PRN473、ABBV-105、CG’806、ARQ531、BIIB068、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064が含まれる。BTK阻害剤は、共有結合阻害剤(例えば、BTKのC481に結合する化合物)または非共有結合阻害剤であり得る。BTKキナーゼの例示的な共有結合阻害剤には、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、およびチラブルチニブが含まれるが、これらに限定されない。BTKキナーゼの例示的な非共有結合阻害剤には、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、およびダサチニブが含まれるが、これらに限定されない。
他のBTKキナーゼ阻害剤の追加の例には、例えば、米国特許第9,150,517号、同第9,149,464号、同第10,023,534号、同第10,005,784号、同第9,994,576号、同第9,951,056号、同第9,944,622号、同第9,926,299号、同第9,920,031号、および同第9,908,872号、米国特許公開第2018/0194762号、同第2018/0194739号、同第2018/0186780号、同第2018/0179210号、同第2018/0162861号、同第2018/0141962号、同第2018/0134719号、同第2018/0127411号、同第2018/0118766号、同第2018/0093973号、同第2018/0085372号、同第2018/0079758号、同第2018/0057500号、同第2018/0055846号、同第2018/0051024号、同第2018/0051036号、同第2018/0037583号、同第2018/0030037号、および同第2018/0030027号、ならびに国際公開第WO2014/075035号、同第2018/130213号、同第2018/113085号、同第2017/134685号、同第2018/103060号、同第2018/095398、同第2018/092047号、同第2018/088780号、同第2018/035080号、同第2018/035072号、同第2018/032104号、および、同第2018/022911号に記載されているものが含まれ、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの上流のタンパク質、例えば、Syk、Lyn、BCR、PI3K、CD19、またはBCAPの阻害剤である。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの下流のタンパク質、例えば、PLCγ2、SOS、Ras、c-Raf、MEK1、MEK2、Erk1、Erk2、PKC、MALT1、IKK、NF-κB、またはIP3Rの阻害剤である。
JAKファミリー(例、JAK1、JAK2、JAK3、およびTYK2)を標的とする治療薬の非限定的な例には、トファシチニブ、ルキソリチニブ、オクラシチニブ、バリシチニブ(OLUMIANT(登録商標);LY-3009104、INCB-28050)、フィルゴチニブ(G-146034、GLPG-0634)、ガンドチニブ(LY-2784544)、レスタウルチニブ(CEP-701)、モメロチニブ(GS-0387、CYT-387)、パクリチニブ(SB1518)、PF-04965842、ウパダシチニブ(ABT-494)、ペフィシチニブ(ASP015K、JNJ-54781532)、およびフェドラチニブ(SAR302503)が含まれる。追加のJAKファミリー標的治療薬には、米国特許第8,604,043号、同第7,834,022号、同第8,486,902号、同第8,530,485号、同第7,598,257号、同第8,541,425号、同第8,410,265号、同第9,987,276号、および同第9,949,971号、ならびに米国特許出願公開第2018/0051036A1号、同第2010/0298355A1号、同第2008/0312258A1号、同第2011/0082159A1号、同第2011/0086810A1号、同第2013/0345157A1号、同第2014/0018374A1号、同第2014/0005210A1号、同第2011/0223210A1号、同第2011/0224157A1号、同第2007/0135461A1号、同第2010/0022522A1号、同第2013/0253193A1号、同第2013/0253191A1号、同第2013/0253190A1号、同第2010/0190981A1号、同第2013/0338134A1、同第2008/0312259A1号、同第2014/0094477A1号、および同第2014/0094476A1号に記載されているものが含まれ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
Srcファミリー(Src、Yes、Fyn、Fgr、Lck、Hck、Blk、Lyn、またはFrk)を標的とした治療薬の非限定的な例には、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標))、INNO-406、LCB03-0110、KX2-391、ボスチニブ、サラカチニブ、PP1、PP2、およびケルセチンが含まれる。追加のSrcファミリー標的治療薬には、PCT公開第WO2018/049127号、同第WO2018/035072号、および同第WO2007/026720号に記載されているものが含まれる。
IRAK(IRAK1、IRAK2、IRAK3、またはIRAK4)ファミリー阻害剤の非限定的な例には、ND-2158およびND-2110が含まれる。追加のIRAKファミリー標的治療薬には、米国特許第9,982,000号、同第9,969,749号、同第9,969,710号、同第9,890,145号、同第9,862,715号、同第9,815,836号、同第9,790,234号、同第9,732,095号、および同第9,617,282号、米国特許出願公開第2017/0035881号、ならびにPCT公開第WO2016/174183号および同第WO2017/205769号に記載されているものが含まれ、これらは全て、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、キナーゼ阻害剤は、PI3K、JAK1、JAK2、JAK3、TYK2、IRAK1、IRAK2、IRAK3、IRAK4、BMX、TAK1、Src、Yes、Fyn、Fgr、Lck、Hck、Blk、Lyn、Frk、PIM、mTOR、ROR-1、Syk、PKC、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるキナーゼを阻害する。
受容体チロシンキナーゼ(例えば、Trk)標的治療剤の非限定的な例には、アファチニブ、カボザンチニブ、セツキシマブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、エントレクチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、スニチニブ、トラスツズマブ、l-((3S,4R)-4-(3-フルオロフェニル)-l-(2-メトキシエチル)ピロリジン-3-イル)-3-(4-メチル-3-(2-メチルピリミジン-5-イル)-l-フェニル-lH-ピラゾール-5-イル)尿素、AG 879、AR-772、AR-786、AR-256、AR-618、AZ-23、AZ623、DS-6051、Go 6976、GNF-5837、GTx-186、GW 441756、LOXO-101、MGCD516、PLX7486、RXDX101、VM-902A、TPX-0005、およびTSR-011が含まれる。さらなるTrk標的治療剤には、米国特許第8,450,322号;同第8,513,263号;同第8,933,084号;同第8,791,123号、同第8,946,226号、同第8,450,322号、同第8,299,057号、および同第8,912,194号、米国公開第2016/0137654号、同第2015/0166564号、同第2015/0051222号、同第2015/0283132号、および同第2015/0306086号、国際公開第WO2010/033941号、同第WO2010/048314号、同第WO2016/077841号、同第WO2011/146336号、同第WO2011/006074号、同第WO2010/033941号、同第WO2012/158413号、同第WO2014/078454号、同第WO2014/078417号、同第WO2014/078408号、同第WO2014/078378号、同第WO2014/078372号、同第WO2014/078331号、同第WO2014/078328号、同第WO2014/078325号、同第WO2014/078323号、同第WO2014/078322号、同第WO2015/175788号、同第WO2009/013126号、同第WO2013/174876号、同第WO2015/124697号、同第WO2010/058006号、同第WO2015/017533号、同第WO2015/112806号、同第WO2013/183578号、および同第WO2013/074518号に記載のものが含まれ、これらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
Trk阻害剤のさらなる例は、米国特許第8,637,516号、国際公開第WO2012/034091号、米国特許第9,102,671号、国際公開第WO2012/116217号、米国公開第2010/0297115号、国際公開第WO2009/053442号、米国特許第8,642,035号、国際公開第WO2009/092049号、米国特許第8,691,221号、国際公開第WO2006/131952号に見出されることができ、これらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。例示的なTrk阻害剤には、Cancer Chemother.Pharmacol.75(1):131-141,2015に記載されているGNF-4256、およびACS Med.Chem.Lett.3(2):140-145,2012に記載されているGNF-5837(N-[3-[[2,3-ジヒドロ-2-オキソ-3-(1H-ピロール-2-イルメチレン)-1H-インドール-6-イル]アミノ]-4-メチルフェニル]-N’-[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-尿素)が含まれ、そのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
Trk阻害剤のさらなる例には、米国公開第2010/0152219号、米国特許第8,114,989号、および国際公開第WO2006/123113号に記載されるものが含まれ、これらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。例示的なTrk阻害剤には、Cancer 117(6):1321-1391,2011に記載のAZ623、Cancer Biol.Ther.16(3):477-483,2015に記載のAZD6918、Cancer Chemother.Pharmacol.70:477-486,2012に記載のAZ64、Mol.Cancer Ther.8:1818-1827,2009に記載のAZ-23((S)-5-クロロ-N2-(1-(5-フルオロピリジン-2-イル)エチル)-N4-(5-イソプロポキシ-1H-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン);およびAZD7451が含まれ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
Trk阻害剤は、米国特許第7,615,383号、同第7,384,632号、同第6,153,189号、同第6,027,927号、同第6,025,166号、同第5,910,574号、同第5,877,016号、および同第5,844,092号に記載されるものを含むことができ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
Trk阻害剤のさらなる例には、Int.J.Cancer 72:672-679,1997に記載のCEP-751、Acta Derm.Venereol.95:542-548,2015に記載のCT327、国際公開第WO2012/034095号に記載の化合物、米国特許第8,673,347号および国際公開第WO2007/022999号に記載の化合物、米国特許第8,338,417号に記載の化合物、国際公開第WO2016/027754号に記載の化合物、米国特許第9,242,977号に記載の化合物、米国公開第2016/0000783号に記載の化合物、PLoS One 9:e95628,2014に記載のスニチニブ(N-(2-ジエチルアミノエチル)-5-[(Z)-(5-フルオロ-2-オキソ-1H-インドール-3-イリデン)メチル]-2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキサミド)、国際公開第WO2011/133637号に記載の化合物、米国特許第8,637,256号に記載の化合物、Expert.Opin.Ther.Pat.24(7):731-744,2014に記載の化合物、Expert Opin.Ther.Pat.19(3):305-319,2009に記載の化合物、ACS Med.Chem.Lett.6(5):562-567,2015に記載の(R)-2-フェニルピロリジン置換イミダゾピリダジン、例えば、GNF-8625、(R)-1-(6-(6-(2-(3-フルオロフェニル)ピロリジン-1-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-イル)-[2,4’-ビピリジン]-2’-イル)ピペリジン-4-オール、PLoS One 8(12):e83380,2013に記載のGTx-186および他、Mol.Cell Biochem.339(1-2):201-213,2010に記載のK252a((9S-(9α,10β,12α))-2,3,9,10,11,12-ヘキサヒドロ-10-ヒドロキシ-10-(メトキシカルボニル)-9-メチル-9,12-エポキシ-1H-ジインドロ[1,2,3-fg:3’,2’,1’-kl]ピロロ[3,4-i][1,6]ベンゾジアゾシン-1-オン)、J.Med.Chem.51(15):4672-4684,2008に記載の4-アミノピラゾリルピリミジン、例えば、AZ-23(((S)-5-クロロ-N2-(1-(5-フルオロピリジン-2-イル)エチル)-N4-(5-イソプロポキシ-1H-ピラゾール-3-イル)ピリミジン-2,4-ジアミン))、Mol.Cancer Ther.6:3158,2007に記載のPHA-739358(danusertib)、J.Neurochem.72:919-924,1999に記載のGo6976(5,6,7,13-テトラヒドロ-13-メチル-5-オキソ-12H-インドロ[2,3-a]ピロロ[3,4-c]カルバゾール-12-プロパンニトリル)、IJAE 115:117,2010に記載のGW441756((3Z)-3-[(1-メチルインドール-3-イル)メチリデン]-1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-オン)、J.Carcinog.12:22,2013に記載のmilciclib(PHA-848125AC)、AG-879((2E)-3-[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-2-シアノ-2-プロペンチオアミド)、アルチラチニブ(N-(4-((2-(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン-4-イル)オキシ)-2,5-ジフルオロフェニル)-N-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド)、カボザンチニブ(N-(4-((6,7-ジメトキシキノリン-4-イル)オキシ)フェニル)-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド)、レスタウルチニブ((5S,6S,8R)-6-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-5-メチル-7,8,14,15-テトラヒドロ-5H-16-オキサ-4b,8a,14-トリアザ-5,8-メタノジベンゾ[b,h]シクロオクタ[jkl]シクロペンタ[e]-as-インダセン-13(6H)-オン)、ドバチニブ(4-アミノ-5-フルオロ-3-[6-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1H-ベンズイミダゾール-2-イル]キノリン-2(1H)-オンモノ2-ヒドロキシプロパン酸水和物)、シトラバチニブ(N-(3-フルオロ-4-((2-(5-(((2-メトキシエチル)アミノ)メチル)ピリジン-2-イル)チエノ[3,2-b]ピリジン-7-イル)オキシ)フェニル)-N-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミド)、ONO-5390556、レゴラフェニブ(4-[4-({[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)-3-フルオロフェノキシ]-N-メチルピリジン-2-カルボキサミド水和物)、およびVSR-902Aが含まれ、上記の全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
Trk阻害剤の、TrkA、TrkB、および/またはTrkC阻害剤として作用する能力は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,513,263号の実施例AおよびBに記載のアッセイを使用して試験することができる。
いくつかの実施形態では、受容体チロシンキナーゼ阻害剤は、上皮増殖因子受容体チプロシンキナーゼファミリー阻害剤(EGFR)である。例えば、EGFRファミリー阻害剤には、オシメルチニブ(AZD9291、メレレクチニブ、TAGRISSOTM)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、ネシツムマブ(PORTRAZZATM、IMC-11F8)、ネラチニブ(HKI-272、NERLYNX(登録商標))、ラパチニブ(TYKERB(登録商標))、パニツムマブ(ABX-EGF、VECTIBIX(登録商標))、バンデタニブ(CAPRELSA(登録商標))、ロシレチニブ(CO-1686)、オルムチニブ(OLITATM、HM61713、BI-1482694)、ナコチニブ(ASP8273)、ナザルチニブ(EGF816、NVS-816)、PF-06747775、イコチニブ(BPI-2009H)、アファチニブ(BIBW 2992、GILOTRIF(登録商標))、ダコミチニブ(PF-00299804、PF-804、PF-299、PF-299804)、アビチニブ(AC0010)、AC0010MA EAI045、マツズマブ(EMD-7200)、ニモツズマブ(h-R3、BIOMAb EGFR(登録商標))、ザルツマブ、MDX447、デパツキシマブ(ヒト化mAb 806、ABT-806)、デパツキシマブマフォドチン(ABT-414)、ABT-806、mAb 806、カネルチニブ(CI-1033)、シコニン、シコニン誘導体(例、デオキシシコニン、イソブチリルシコニン、アセチルシコニン、β,β-ジメチルアクリルシコニン、およびアセチルアルカンニン)、ポジオチニブ(NOV120101、HM781-36B)、AV-412、イブルチニブ、WZ4002、ブリガチニブ(AP26113、ALUNBRIG(登録商標))、ペリチニブ(EKB-569)、タルロキソチニブ(TH-4000、PR610)、BPI-15086、Hemay022、ZN-e4、テセバチニブ(KD019、XL647)、YH25448、エピチニブ(HMPL-813)、CK-101、MM-151、AZD3759、ZD6474、PF-06459988、バルリチニブ(ASLAN001、ARRY-334543)、AP32788、HLX07、D-0316、AEE788、HS-10296、アビチニブ、GW572016、ピロチニブ(SHR1258)、SCT200、CPGJ602、Sym004、MAb-425、モドツキシマブ(TAB-H49)、フツキシマブ(992 DS)、ザルツムマブ、KL-140、RO5083945、IMGN289、JNJ-61186372、LY3164530、Sym013、AMG 595、AZD8931、AST1306、CP724714、CUDC101、TAK285トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ペルツズマブ(PERJETA(登録商標))、トラスツズマブ-dkst(OGIVRI(登録商標))、DXL-702、E-75、PX-104.1、ZW25、イルビニチニブ(ARRY-380、ONT-380)、TAS0728、ペルリチニブ(EKB-569)、PKI-166、D-69491、HKI-357、AC-480(BMS-599626)、RB-200h、エモジン、IDM-1、ado-トラスツズマブエムタンシン(KADCYLA(登録商標))、ゼマブ、DS-8201a、T-DM1が含まれ得る。いくつかの実施形態では、EGFRファミリー阻害剤はオシメルチニブである。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTK-Cの発現を含む。いくつかの実施形態では、BTK-Cは、前立腺がんまたは乳がんにおいて発現する。
いくつかの実施形態では、シグナル伝達経路阻害剤には、Ras-Raf-MEK-ERK経路阻害剤(例えば、ビニメチニブ、セルメチニブ、エンコラフィニブ、ソラフェニブ、トラメチニブ、およびベムラフェニブ)、PI3K-Akt-mTOR-S6K経路阻害剤(例えば、エベロリムス、ラパマイシン、ペリフォシン、テムシロリムス)、および他のキナーゼ阻害剤、例えば、バリシチニブ、ブリガチニブ、カプマチニブ、ダヌセリチブ、イブルチニブ、ミルシクリブ、クエルセチン、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、セマキサニブ、AP32788、BLU285、BLU554、INCB39110、INCB40093、INCB50465、INCB52793、INCB54828、MGCD265、NMS-088、NMS-1286937、PF 477736((R)-アミノ-N-[5,6-ジヒドロ-2-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-6-オキソ-1Hピロロ[4,3,2-ef][2,3]ベンゾジアゼピン-8-イル]-シクロヘキサンアセトアミド)、PLX3397、PLX7486、PLX8394、PLX9486、PRN1008、PRN1371、RXDX103、RXDX106、RXDX108、およびTG101209(N-tert-ブチル-3-(5-メチル-2-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イルアミノ)ベンゼンスルホンアミド)が含まれる。いくつかの実施形態では、Ras-Raf-MEK-ERK経路阻害剤は、BRAF阻害剤、MEK阻害剤、およびERK阻害剤のうちの1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、BRAF阻害剤は、ベムラフェニブ(ZELBORAF(登録商標))、ダブラフェニブ(TAFINLAR(登録商標))、およびエンコラフェニブ(BRAFTOVITM)、BMS-908662(XL281)、ソラフェニブ、LGX818、PLX3603、RAF265、RO5185426、GSK2118436、ARQ736、GDC-0879、PLX-4720、AZ304、PLX-8394、HM95573、RO5126766、およびLXH254のうちの1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブ(MEKINIST(登録商標)、GSK1120212)、コビメチニブ(COTELLIC(登録商標))、ビニメチニブ(MEKTOVI(登録商標)、MEK162)、セルメチニブ(AZD6244)、PD0325901、MSC1936369B、SHR7390、TAK-733、RO5126766、CS3006、WX-554、PD98059、CI1040(PD184352)、およびヒポテマイシンのうちの1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、ERK阻害剤は、FRI-20(ON-01060)、VTX-11e、25-OH-D3-3-BE(B3CD、ブロモアセトキシカルシジオール)、FR-180204、AEZ-131(AEZS-131)、AEZS-136、AZ-13767370、BL-EI-001、LY-3214996、LTT-462、KO-947、KO-947、MK-8353(SCH900353)、SCH772984、ウリキセルチニブ(BVD-523)、CC-90003、GDC-0994(RG-7482)、ASN007、FR148083、5-7-オキソゼアエノール、5-ヨードツベルシジン、GDC0994、およびONC201のうちの1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、PI3K-Akt-mTOR-S6K経路阻害剤は、AKT阻害剤である。AKT阻害剤の非限定的な例には、ミルテフォシン(IMPADIVO(登録商標))、ワートマニン、NL-71-101、H-89、GSK690693、CCT128930、AZD5363、イパタセルチブ(GDC-0068、RG7440)、A-674563、A-443654、AT7867、AT13148、ウプロセルチブ、アフレセルチブ、DC120、2-[4-(2-アミノプロプ-2-イル)フェニル]-3-フェニルキノキサリン、MK-2206、エデルホシン、ミルテフォシン、ペリホシン、エルシルホスホコリン、エルフォシン、SR13668、OSU-A9、PH-316、PHT-427、PIT-1、DM-PIT-1、トリシリビン(トリシリビンリン酸一水和物)、API-1、N-(4-(5-(3-アセトアミドフェニル)-2-(2-アミノピリジン-3-イル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-3-イル)ベンジル)-3-フルオロベンズアミド、ARQ092、BAY 1125976、3-オキソ-チルカル酸、ラクトキノマイシン、boc-Phe-ビニルケトン、ペリホシン(D-21266)、TCN、TCN-P、GSK2141795、およびONC201が含まれる。いくつかの実施形態では、PI3K-Akt-mTOR-S6K経路阻害剤は、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、およびmTOR阻害剤のうちの1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、PI3K-Akt-mTOR-S6K経路阻害剤は、PI3K阻害剤である。PI3K阻害剤の非限定的な例には、ブパルリシブ(BKM120)、アルペリシブ(BYL719)、WX-037、コパンリシブ(ALIQOPATM、BAY80-6946)、ダクトリシブ(NVP-BEZ235、BEZ-235)、タセリシブ(GDC-0032、RG7604)、ソノリシブ(PX-866)、CUDC-907、PQR309、ZSTK474、SF1126、AZD8835、GDC-0077、ASN003、ピクチリシブ(GDC-0941)、ピララリシブ(XL147、SAR245408)、ゲダトリシブ(PF-05212384、PKI-587)、セラベリシブ(TAK-117、MLN1117、INK1117)、BGT-226(NVP-BGT226)、PF-04691502、アピトリシブ(GDC-0980)、オミパリシブ(GSK2126458、GSK458)、ボクスタリシブ(XL756、SAR245409)、AMG 511、CH5132799、GSK1059615、GDC-0084(RG7666)、VS-5584(SB2343)、PKI-402、ワートマニン、LY294002、PI-103、リゴセルチブ、XL-765、LY2023414、SAR260301、KIN-193(AZD-6428)、GS-9820、AMG319、およびGSK2636771が含まれる。いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTK-Cの発現を含む。いくつかの実施形態では、BTK-Cは、前立腺がんまたは乳がんにおいて発現する。いくつかの実施形態では、PI3K-Akt-mTOR-S6K経路阻害剤は、AKT阻害剤である。AKT阻害剤の非限定的な例には、ミルテフォシン(IMPADIVO(登録商標))、ワートマニン、NL-71-101、H-89、GSK690693、CCT128930、AZD5363、イパタセルチブ(GDC-0068、RG7440)、A-674563、A-443654、AT7867、AT13148、ウプロセルチブ、アフレセルチブ、DC120、2-[4-(2-アミノプロプ-2-イル)フェニル]-3-フェニルキノキサリン、MK-2206、エデルホシン、ミルテフォシン、ペリホシン、エルシルホスホコリン、エルフォシン、SR13668、OSU-A9、PH-316、PHT-427、PIT-1、DM-PIT-1、トリシリビン(トリシリビンリン酸一水和物)、API-1、N-(4-(5-(3-アセトアミドフェニル)-2-(2-アミノピリジン-3-イル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-3-イル)ベンジル)-3-フルオロベンズアミド、ARQ092、BAY 1125976、3-オキソ-チルカル酸、ラクトキノマイシン、boc-Phe-ビニルケトン、ペリホシン(D-21266)、TCN、TCN-P、GSK2141795、およびONC201が含まれる。いくつかの実施形態では、PI3K-Akt-mTOR-S6K経路阻害剤は、mTOR阻害剤である。mTOR阻害剤の非限定的な例には、MLN0128、AZD-2014、CC-223、AZD2014、CC-115、エベロリムス(RAD001)、テムシロリムス(CCI-779)、リダフォロリムス(AP-23573)、およびシロリムス(ラパマイシン)が含まれる。
チェックポイント阻害剤の非限定的な例には、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、ピジリズマブ、MPDL3208A、MEDI4736、MSB0010718C、BMS-936559、BMS-956559、BMS-935559(MDX-1105)、AMP-224、およびペンブロリズマブが含まれる。
いくつかの実施形態では、タンパク質阻害剤は、抗アポトーシスタンパク質(例えば、BCL-2、BCL-XL、BCL-W、BCL-B、およびMCL1などのBclファミリー)、熱ショックタンパク質(例えば、Hsp10、Hsp27、HspB6、HspB1、Hsp40、Hsp60、Hsp71、Hsp70、Hsp72、Grp78(BiP)、Hsx70、Hsp90、Grp94、Hsp104、Hsp110)、核外移行タンパク質(例えば、XPO1)、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC1、HDAC2、HDAC3、HDAC8、HDAC4、HDAC5、HDAC7、HDAC6、HDAC10、SIRT1、SIRT2、SIRT3、SIRT4、SIRT5、SIRT6、SIRT7、およびHDAC11)、E3ユビキチンリガーゼ(例えば、E3A、MDM2、アナフェーズ促進複合体(APC)、UBR5(EDD1)、SOCS/BC-box/eloBC/CUL5/RING、LNXp80、CBX4、CBLL1、HACE1、HECTD1、HECTD2、HECTD3、HECTD4、HECW1、HECW2、HERC1、HERC2、HERC3、HERC4、HERC5、HERC6、HUWE1、ITCH、NEDD4、NEDD4L、PPIL2、PRPF19、PIAS1、PIAS2、PIAS3、PIAS4、RANBP2、RNF4、RBX1、SMURF1、SMURF2、STUB1、TOPORS、TRIP12、UBE3A、UBE3B、UBE3C、UBE3D、UBE4A、UBE4B、UBOX5、UBR5、WWP1、WWP2、およびパーキン)、ならびにヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ(例えば、ASH1L、DOT1L、EHMT1、EHMT2、EZH1、EZH2、EHMT2、MLL、MLL2、MLL3、MLL4、MLL5、NSD1、PRDM2、SET、SETBP1、SETD1A、SETD1B、SETD2、SETD3、SETD4、SETD5、SETD6、SETD7、SETD8、SETD9、SETDB1、SETDB2、SETMAR、SMYD1、SMYD2、SMYD3、SMYD4、SMYD5、SUV39H1、SUV39H2、SUV420H1、およびSUV420H2)を阻害する薬剤を含む。
いくつかの実施形態では、タンパク質阻害剤は、Bcl-2を阻害する薬剤である。Bcl-2阻害剤の非限定的な例には、ベネトクラクス(ABT-199、RG7601、GDC-0199)、ナビトクラックス(ABT-263)、ABT-737、TW-37、サブトクラクス、およびオバトクラックスが含まれる。Bcl-2阻害剤のさらなる例には、国際公開第WO2018/195450号に記載されている化合物が含まれる。
いくつかの実施形態では、タンパク質阻害剤は、EHMT2を阻害する薬剤である。EHMT2阻害剤の非限定的な例には、BIX-01294(BIX)、UNC0638、A-366、UNC0642、DCG066、UNC0321、BRD 4770、UNC 0224、UNC 0646、UNC0631、BIX-01338、およびEZM8266が含まれる。
いくつかの実施形態では、タンパク質阻害剤は、PI3K、JAK-2、IRAK1、IRAK4、BMX、TAK1、Srcファミリー、HDAC6、MDM2、BCL-2、EZH2、EHMT2、PIM、JAK3、mTOR、ROR-1、Syk、PKC、HSP90、XPO1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。
いくつかの実施形態では、細胞傷害性化学療法剤は、三酸化ヒ素、ブレオマイシン、カバジタキセル、カペシタビン、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、イリノテカン、ロムスチン、メトトレキサート、マイトマイシンC、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テモゾロミド、およびビンクリスチンから選択される。
血管新生標的治療剤の非限定的な例には、アフリベルセプトおよびベバシズマブが含まれる。
いくつかの実施形態では、免疫療法は細胞免疫療法(例えば、養子T細胞療法、樹状細胞療法、ナチュラルキラー細胞療法)である。いくつかの実施形態では、細胞免疫療法は、シプロイセルTである(APC8015;PROVENGE(商標);Plosker(2011)Drugs 71(1):101-108)。いくつかの実施形態では、細胞免疫療法は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現する細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞免疫療法は、CAR-T細胞療法である。いくつかの実施形態では、CAR-T細胞療法は、チサゲンレクロイセル(KYMRIAH(商標))である。
いくつかの実施形態では、免疫療法は、抗体療法(例えば、モノクローナル抗体、コンジュゲート抗体)である。いくつかの実施形態では、抗体療法は、ベバシズマブ(MVASTI(商標)、AVASTIN(登録商標))、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、アベルマブ(BAVENCIO(登録商標))、リツキシマブ(MABTHERA(商標)、RITUXAN(登録商標))、エドレコロマブ(Panorex)、ダラツムアブ(DARZALEX(登録商標))、オララツマブ(LARTRUVO(商標))、オファツムマブ(ARZERRA(登録商標))、アレムツブマブ(CAMPATH(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、オレゴボマブ、ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))、ジヌチキシマブ(UNITUXIN(登録商標))、オビヌツズマブ(GAZYVA(登録商標))、トレメリムマブ(CP-675,206)、ラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標))、ウブリツキシマブ(TG-1101)、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、エロツズマブ(EMPLICITI(商標))、アベルマブ(BAVENCIO(登録商標))、ネシツムマブ(PORTRAZZA(商標))、サームツズマブ(cirmtuzumab)(UC-961)、イブリツモマブ(ZEVALIN(登録商標))、イサツキシマブ(SAR650984)、ニモツズマブ、フレソリムマブ(GC1008)、リリルマブ(INN)、モガムリズマブ(POTELIGEO(登録商標))、フィクラツズマブ(AV-299)、デノスマブ(XGEVA(登録商標))、ガニツマブ、ウレルマブ、ピジリズマブ、またはアマツキシマブである。
いくつかの実施形態では、免疫療法は、抗体薬物コンジュゲートである。いくつかの実施形態では、抗体薬物コンジュゲートは、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(商標))、イノツズマブオゾガマイシン(BESPONSA(登録商標))、ブレンツキシマブベドチン(ADCETRIS(登録商標))、アド-トラスツズマブエムタンシン(TDM-1;KADCYLA(登録商標))、ミルベツキシマブソラブタンシン(IMGN853)、またはアネツマブラブタンシンである。
いくつかの実施形態では、免疫療法には、ブリナツモマブ(AMG103;BLINCYTO(登録商標))またはミドスタウリン(Rydapt)が含まれる。
いくつかの実施形態では、免疫療法には毒素が含まれる。いくつかの実施形態では、免疫療法は、デニロイキンジフチトックス(ONTAK(登録商標))である。
いくつかの実施形態では、免疫療法はサイトカイン療法である。いくつかの実施形態では、サイトカイン療法は、インターロイキン2(IL-2)療法、インターフェロンアルファ(IFNα)療法、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)療法、インターロイキン12(IL-12)療法、インターロイキン15(IL-15)療法、インターロイキン7(IL-7)療法、またはエリスロポエチン-アルファ(EPO)療法である。いくつかの実施形態では、IL-2療法は、アルデスロイキン(PROLEUKIN(登録商標))である。いくつかの実施形態では、IFNα療法は、Introna(登録商標)(ROFERON-A(登録商標))である。いくつかの実施形態では、G-CSF療法は、フィルグラスチム(NEUPOGEN(登録商標))である。
いくつかの実施形態では、免疫療法は免疫チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態では、免疫療法は、1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤、またはPD-L1阻害剤である。いくつかの実施形態では、CTLA-4阻害剤は、イピリムマブ(YERVOY(登録商標))またはトレメリムマブ(CP-675,206)である。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤は、ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))またはニボルマブ(OPDIVO(登録商標))である。いくつかの実施形態では、PD-L1阻害剤は、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標))、アベルマブ(BAVENCIO(登録商標))またはデュルバルマブ(IMFINZI(商標))である。
いくつかの実施形態では、免疫療法は、mRNAに基づく免疫療法である。いくつかの実施形態では、mRNAに基づく免疫療法は、CV9104である(例えば、Rauschら(2014)Human Vaccin Immunother 10(11):3146-52;およびKublerら(2015)J.Immunother Cancer 3:26を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、免疫療法は、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)療法である。
いくつかの実施形態では、免疫療法は、腫瘍溶解性ウイルス療法である。いくつかの実施形態では、腫瘍溶解性ウイルス療法は、タリモジーン・ラハーパレプベック(talimogene alherparepvec)(T-VEC;IMLYGIC(登録商標))である。
いくつかの実施形態では、免疫療法は、がんワクチンである。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンである。いくつかの実施形態では、HPVワクチンは、GARDASIL(登録商標)、GARDASIL9(登録商標)またはCERVARIX(登録商標)である。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、B型肝炎ウイルス(HBV)ワクチンである。いくつかの実施形態では、HBVワクチンは、ENGERIX-B(登録商標)、RECOMBIVAX HB(登録商標)またはGI-13020(TARMOGEN(登録商標))である。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、TWINRIX(登録商標)またはPEDIARIX(登録商標)である。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、BIOVAXID(登録商標)、ONCOPHAGE(登録商標)、GVAX、ADXS11-001、ALVAC-CEA、PROSTVAC(登録商標)、RINDOPEPIMUT(登録商標)、CimaVax-EGF、ラプロイセル(lapuleucel)-T(APC8024;NEUVENGE(商標))、GRNVAC1、GRNVAC2、GRN-1201、ヘプコルテスペンリジムト(hepcortespenlisimut)-L(Hepko-V5)、DCVAX(登録商標)、SCIB1、BMT CTN 1401、PrCa VBIR、PANVAC、PROSTATAK(登録商標)、DPX-Survivac、またはビアゲンプマツセル(viagenpumatucel)-L(HS-110)である。
いくつかの実施形態では、免疫療法は、ペプチドワクチンである。いくつかの実施形態では、ペプチドワクチンは、ネリペピムト-S(E75)(NEUVAX(商標))、IMA901、またはSurVaxM(SVN53-67)である。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、免疫原性個人用新生抗原ワクチンである(例えば、Ott et al.(2017)Nature 547:217-221;Sahin et al.(2017)Nature 547:222-226を参照されたい)。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、RGSH4KまたはNEO-PV-01である。いくつかの実施形態では、がんワクチンは、DNAに基づくワクチンである。いくつかの実施形態では、DNAに基づくワクチンは、マンマグロビン-A DNAワクチンである(例えば、Kimらの(2016)OncoImmunology 5(2):e1069940を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、免疫標的薬剤は、アルデスロイキン、インターフェロンアルファ-2b、イピリムマブ、ランブロリズマブ、ニボルマブ、プレドニゾン、およびシプロイセル-Tから選択される。
放射線療法の非限定的な例には、放射性ヨード療法、外部ビーム放射線照射、およびラジウム223療法が含まれる。
さらなるキナーゼ阻害剤には、例えば、米国特許第7,514,446号、同第7,863,289号、同第8,026,247号、同第8,501,756号、同第8,552,002号、同第8,815,901号、同第8,912,204号、同第9,260,437号、同第9,273,051号、米国公開第US2015/0018336号、国際公開第WO2007/002325号、同第WO2007/002433号、同第WO2008/080001号、同第WO2008/079906号、同第WO2008/079903号、同第WO2008/079909号、第WO2008/080015号、同第WO2009/007748号、同第WO2009/012283号、同第WO2009/143018号、同第WO2009/143024号、同第WO2009/014637号、同第2009/152083号、同第WO2010/111527号、同第WO2012/109075号、同第WO2014/194127号、同第WO2015/112806号、同第WO2007/110344号、同第WO2009/071480号、同第WO2009/118411号、同第WO2010/031816号、同第WO2010/145998号、同第WO2011/092120号、同第WO2012/101032号、同第WO2012/139930号、同第WO2012/143248号、同第WO2012/152763号、同第WO2013/014039号、同第WO2013/102059号、同第WO2013/050448号、同第WO2013/050446号、同第WO2014/019908号、同第WO2014/072220号、同第WO2014/184069号、および同第WO2016/075224号に記載のものが含まれ、これらは全て、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
キナーゼ阻害剤のさらなる例には、例えば、WO2016/081450、WO2016/022569、WO2016/011141、WO2016/011144、WO2016/011147、WO2015/191667、WO2012/101029、WO2012/113774、WO2015/191666、WO2015/161277、WO2015/161274、WO2015/108992、WO2015/061572、WO2015/058129、WO2015/057873、WO2015/017528、WO/2015/017533、WO2014/160521、およびWO2014/011900に記載のものが含まれ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
キナーゼ阻害剤のさらなる例には、ルミスピブ(AUY-922、NVP-AUY922)(5-(2,4-ジヒドロキシ-5-イソプロピルフェニル)-N-エチル-4-(4-(モルホリノメチル)フェニル)イソキサゾール-3-カルボキサミド)、およびドラマピモド(BIRB-796)(1-[5-tert-ブチル-2-(4-メチルフェニル)ピラゾール-3-イル]-3-[4-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)ナフタレン-1-イル]尿素)が含まれる。
したがって、本明細書では、がんを治療する方法も提供され、がんの治療を必要とする対象に、(a)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、(b)追加の治療薬と、(c)任意選択で、がんの治療のために同時に、別個に、または逐次的に使用するための少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、を含み、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の量は、一緒にがんを治療するのに有効である、がんを治療するための薬学的組み合わせを投与することを含む。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬(複数可)は、がんがBTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するがんの標準治療である上に列挙された療法または治療薬のいずれか1つを含む。
これらの追加の治療薬は、同一または別個の剤形の一部として、同一または異なる投与経路を介して、および/または当業者に既知の標準的な薬務に従って同一または異なる投与スケジュールで、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の1回または複数回の用量と共に投与されてもよい。
本明細書では、(i)がんの治療を必要とする対象においてがんを治療するための薬学的組み合わせであって、(a)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、(b)少なくとも1つの追加の治療薬(例えば、本明細書に記載されているか、もしくは当該技術分野において既知である例示的な追加の治療薬のいずれか)と、(c)任意選択で、がんの治療のために同時に、別個に、または逐次的に使用するための少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、を含み、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物および追加の治療薬の量が、一緒にがんを治療するのに有効である、薬学的組み合わせ;(ii)そのような組み合わせを含む医薬組成物;(iii)がんを治療するための医薬の調製のためのそのような組み合わせの使用;ならびに(iv)同時に、別個に、または連続的に使用するための組み合わせ調製物としてそのような組み合わせを含む市販のパッケージまたは製品;ならびにがんの治療を必要とする対象におけるがんの治療方法も提供される。一実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、がんはBTK関連がんである。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するBTK関連がんである。
したがって、本明細書では、がんを治療する方法も提供され、がんの治療を必要とする対象に、(a)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、(b)追加の治療薬と、(c)任意選択で、がんの治療のために同時に、別個に、または逐次的に使用するための少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、を含み、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組み合わせの量は、一緒にがんを治療するのに有効である、がんを治療するための薬学的組み合わせを投与することを含む。一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組み合わせと、追加の治療薬とは、別個の投与量で同時に投与される。一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態と追加の治療薬は、別個の投与量として任意の順序で逐次的に、共同的に治療有効量で、例えば、毎日もしくは断続的な投与量で、投与される。一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの薬学的組み合わせと、追加の治療薬とは、組み合わされた投与量で同時に投与される。いくつかの実施形態では、がんはBTK関連がんである。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するBTK関連がんである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬はイブルチニブである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬はアカラブルチニブである。いくつかの実施形態では、対象は、医薬組成物の投与前に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の1回または複数回の用量を投与されている。
本明細書では、治療を必要とする患者においてBTKによって媒介される疾患または障害を治療する方法も提供され、この方法は、患者に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、BTKが介在する疾患または障害は、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全である。例えば、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。BTKが介在する疾患または障害は、過剰発現および/または異常な活性レベルを含む、BTKの発現または活性に直接的または間接的に関連するあらゆる疾患、障害、または状態を含み得る。一実施形態では、疾患は、がん(例えば、BTK関連がん)である。一実施形態では、がんは、本明細書に記載のがんまたはBTK関連がんのいずれかである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬はイブルチニブである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬はアカラブルチニブである。いくつかの実施形態では、対象は、医薬組成物の投与前に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の1回または複数回の用量を投与されている。いくつかの実施形態では、がんは血液がん(例えば、BTK関連血液がん)である。
したがって、本明細書では、治療を必要とする対象においてがんの転移を阻害、予防、予防の補助、またはその症状の軽減の方法も提供され、この方法は、対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む。そのような方法は、本明細書に記載の1つまたは複数のがんの治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、がんはBTK関連がんである。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、キナーゼ阻害剤などの化学療法薬を含む、追加の療法または別の治療薬と組み合わせて使用される。例えば、第1または第2のBTKキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療薬はイブルチニブである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬はアカラブルチニブである。いくつかの実施形態では、対象は、医薬組成物の投与前に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の1回または複数回の用量を投与されている。いくつかの実施形態では、がんは肺がん(例えば、BTK関連肺がん)である。
同様に提供されるのは、BTK関連がんを有する対象において転移またはさらなる転移を発症する危険性を低減する方法であって、BTK関連がんを有する対象を選択、同定、または診断することと、BTK関連がんを有するとして選択、同定、または診断された対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することと、を含む方法である。同様に提供されるのは、BTK関連がんを有する対象において転移またはさらなる転移を発症する危険性を低減する方法であって、BTK関連がんを有する対象に、治療有効量の式(I)もしくはその薬学的に許容される塩、その非晶質もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む方法である。BTK関連がんを有する対象における転移またはさらなる転移を発症する危険性の低減は、治療前の対象における転移またはさらなる転移を発症する危険性と比較するか、あるいは治療を受けていない、または異なる治療を受けた同様または同一のBTK関連がんを有する対象または対象集団と比較することができる。いくつかの態様では、BTK関連がんは、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するBTK関連がんである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬はイブルチニブである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬はアカラブルチニブである。いくつかの実施形態では、対象は、医薬組成物の投与前に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の1回または複数回の用量を投与されている。いくつかの実施形態では、がんは肺がん(例えば、BTK関連肺がん)である。
いくつかの実施形態では、腫瘍中の1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異の存在により、腫瘍は、第1のBTK阻害剤による治療に対してより耐性になる。BTK阻害剤耐性変異により、腫瘍が第1のBTK阻害剤による治療に対してより耐性になるときに有用な方法を、以下に記載する。例えば、本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがんを有する対象を同定することと、同定された対象に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することと、を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、第1のBTK阻害剤と組み合わせて投与される。同様に提供されるのは、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有するとして同定された対象を治療する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む方法である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、第1のBTK阻害剤と組み合わされて投与される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2および3に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置481での置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、およびC481R、またはアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、およびT474Sを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2における置換を含み得る(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141)。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの上流のタンパク質を阻害する追加の治療薬と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの下流のタンパク質を阻害する追加の治療薬と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの下流のタンパク質を阻害する追加の治療薬、例えばPLCγ2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における置換(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141)を含む。
例えば、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)治療有効量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、共有結合阻害剤、例えば、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、またはチラブルチニブである。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、非共有結合阻害剤、例えば、CG’806、ARQ 531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、またはダサチニブである。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)治療有効量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含み、第1のBTK阻害剤が、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、共有結合阻害剤、例えば、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、またはチラブルチニブである。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、非共有結合阻害剤、例えば、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、またはダサチニブである。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は多形形態である。いくつかの実施形態では、化合物は、式Iの化合物の多形形態Aである。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、約1:4~約4:1の式Iの化合物とHPMCASポリマーの比で、式Iの化合物とHPMCASポリマーとを含む。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、約1:1の式Iの化合物とHPMCASポリマーの比で、式Iの化合物とHPMCASポリマーとを含む。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、表1および4のうちの1つまたは複数の点変異/挿入/欠失を検出することと、(b)治療有効量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、共有結合阻害剤、例えば、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、またはチラブルチニブである。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、非共有結合阻害剤、例えば、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、またはダサチニブである。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が表1および4のうちの少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は多形形態である。いくつかの実施形態では、化合物は、式Iの化合物の多形形態Aである。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、本明細書に記載される通りである。
いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中における表4のうちの1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質変異と、(b)治療有効量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含み、第1のBTK阻害剤が、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、共有結合阻害剤、例えば、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、またはチラブルチニブである。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、非共有結合阻害剤、例えば、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、またはダサチニブである。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞がBTK阻害剤耐性変異C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、T474I、T474M、またはT474Sを有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物からなる群から選択される、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、式Iの化合物は多形形態である。いくつかの実施形態では、化合物は、式Iの化合物の多形形態Aである。いくつかの実施形態では、噴霧乾燥分散体は、式Iの化合物を含み、HPMCASポリマーは、本明細書に記載される通りである。いくつかの実施形態では、HPMCASポリマーはHPMCAS-MGである。
別の例として、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)対象からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が、少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することであって、第2のBTK阻害剤がイブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される、投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする患者においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)患者からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することであって、第2のBTK阻害剤がイブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される、投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、表4の1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質の変異を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が表2のうちの少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することであって、第2のBTK阻害剤がイブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される、投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする患者においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)患者からの試料中において、MYD88L265Pを検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞がBTK阻害剤耐性変異C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、T474I、T474M、またはT474Sを有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することであって、第2のBTK阻害剤がイブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される、投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、表1および4の1つまたは複数の点変異/挿入/欠失を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が表2の少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することであって、第2のBTK阻害剤がイブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される、投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、をさらに含む。
別の例として、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)対象からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、イブルチニブおよびアカラブルチニブからなる群から選択される、第2の治療薬を単独療法として、または式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、表1の1つまたは複数のBTKキナーゼタンパク質点変異/挿入、表1aのBTK融合、p65BTK、BTK-C、あるいは、表4の1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路の遺伝的変異からなる群から選択される1つまたは複数のBTK変異を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つの表2のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、イブルチニブおよびアカラブルチニブからなる群から選択される、第2の治療薬を単独療法として、または式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有している場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、表4の1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質の変異を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が表2の少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、イブルチニブおよびアカラブルチニブからなる群から選択される、第2の治療薬を単独療法として、または式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有している場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、をさらに含む。上述のいくつかの実施形態では、BTK関連がんはB細胞悪性腫瘍である。
いくつかの実施形態では、腫瘍中の1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異の存在により、腫瘍は、第1のBTK阻害剤による治療に対してより耐性になる。BTK阻害剤耐性変異により、腫瘍が第1のBTK阻害剤による治療に対してより耐性になるときに有用な方法を、以下に記載する。例えば、本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがんを有する対象を同定することと、同定された対象に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することと、を含む方法が提供される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、第1のBTK阻害剤と組み合わせて投与される。同様に提供されるのは、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有するとして同定された対象を治療する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む方法である。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、第1のBTK阻害剤と組み合わされて投与される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置481での置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、およびC481R、またはアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、またはT474Sを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの上流のタンパク質を阻害する追加の治療薬と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの下流のタンパク質を阻害する追加の治療薬と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの下流のタンパク質を阻害する追加の治療薬、例えばPLCγ2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における置換(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141)を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中における表4の1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路タンパク質変異を検出することと、(b)治療有効量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含み、第1のBTK阻害剤が、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が表2の少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)治療有効量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含み、第1のBTK阻害剤が、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064、またはそれらの薬学的に許容されるもしくは溶媒和物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)治療有効量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含み、第1のBTK阻害剤が、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、表1の1つまたは複数のBTKキナーゼタンパク質点変異/挿入、表1aのBTK融合、p65BTK、BTK-C、あるいは、表4のうちの1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路の遺伝的変異からなる群から選択される1つまたは複数のBTK変異を検出することと、(b)治療有効量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含み、第1のBTK阻害剤が、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064、またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が表2の少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(e)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、循環腫瘍DNAを使用して、特定の治療(例えば、第1のBTK阻害剤、第2のBTK阻害剤、または式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)に対する対象の応答性をモニタリングすることができる。例えば、本明細書に記載の療法による治療(例えば、第1のBTK阻害剤、第2のBTK阻害剤、または式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)を開始する前に、生体試料を対象から得て、生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することができる。この試料は、ベースライン試料とみなすことができる。次いで、対象は、1回または複数回の用量の本明細書に記載の治療(例えば、第1のBTK阻害剤、第2のBTK阻害剤、または式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)を投与され得、循環腫瘍DNAのレベルをモニタリングされ得る(例えば、第1の投与後、第2の投与後、第3の投与後など、または1週間後、2週間後、3週間後、4週間後など)。循環腫瘍DNAのレベルがベースライン試料より低い場合(例えば、1%~約99%の減少、1%~約95%の減少、1%~約90%の減少、1%~約85%の減少、1%~約80%の減少、1%~約75%の減少、1%の減少~約70%の減少、1%の減少~約65%の減少、1%の減少~約60%の減少、1%の減少~約55%の減少、1%の減少~約50%の減少、1%の減少~約45%の減少、1%の減少~約40%の減少、1%の減少~約35%の減少、1%の減少~約30%の減少、1%の減少~約25%の減少、1%の減少~約20%の減少、1%の減少~約15%の減少、1%の減少~約10%の減少、1%~約5%の減少、約5%~約99%の減少、約10%~約99%の減少、約15%~約99%の減少、約20%~約99%の減少、約25%~約99%の減少、約30%~約99%の減少、約35%~約99%の減少、約40%~約99%の減少、約45%~約99%の減少、約50%~約99%の減少、約55%~約99%の減少、約60%~約99%の減少、約65%~約99%の減少、約70%~約99%の減少、約75%~約95%の減少、約80%~約99%の減少、約90%の減少~約99%の減少、約95%~約99%の減少、約5%~約10%の減少、約5%~約25%の減少、約10%~約30%の減少、約20%~約40%の減少、約25%~約50%の減少、約35%~約55%の減少、約40%~約60%の減少、約50%の減少~約75%の減少、約60%の減少~約80%の減少、または約65%~約85%の減少など)、これは治療に対する反応性を示す。いくつかの実施形態では、対象から得られた生体試料(n)中の循環腫瘍DNAのレベルは、直前に採取された試料(n-1)と比較される。n試料中の循環腫瘍DNAのレベルがn-1試料より低い場合(例えば、1%~約99%の減少、1%~約95%の減少、1%~約90%の減少、1%~約85%の減少、1%~約80%の減少、1%~約75%の減少、1%の減少~約70%の減少、1%の減少~約65%の減少、1%の減少~約60%の減少、1%の減少~約55%の減少、1%の減少~約50%の減少、1%の減少~約45%の減少、1%の減少~約40%の減少、1%の減少~約35%の減少、1%の減少~約30%の減少、1%の減少~約25%の減少、1%の減少~約20%の減少、1%の減少~約15%の減少、1%の減少~約10%の減少、1%~約5%の減少、約5%~約99%の減少、約10%~約99%の減少、約15%~約99%の減少、約20%~約99%の減少、約25%~約99%の減少、約30%~約99%の減少、約35%~約99%の減少、約40%~約99%の減少、約45%~約99%の減少、約50%~約99%の減少、約55%~約99%の減少、約60%~約99%の減少、約65%~約99%の減少、約70%~約99%の減少、約75%~約95%の減少、約80%~約99%の減少、約90%の減少~約99%の減少、約95%~約99%の減少、約5%~約10%の減少、約5%~約25%の減少、約10%~約30%の減少、約20%~約40%の減少、約25%~約50%の減少、約35%~約55%の減少、約40%~約60%の減少、約50%の減少~約75%の減少、約60%の減少~約80%の減少、または約65%~約85%の減少など)、これは治療に対する応答性を示す。治療に対する応答性の場合、対象は、1回または複数回の治療用量を投与され得、循環腫瘍DNAのモニタリングが続けられ得る。
循環腫瘍DNAのレベルがベースライン試料より高い場合(例えば、1%~約99%の増加、1%~約95%の増加、1%~約90%の増加、1%~約85%の増加、1%~約80%の増加、1%~約75%の増加、1%の増加~約70%の増加、1%の増加~約65%の増加、1%の増加~約60%の増加、1%の増加~約55%の増加、1%の増加~約50%の増加、1%の増加~約45%の増加、1%の増加~約40%の増加、1%の増加~約35%の増加、1%の増加~約30%の増加、1%の増加~約25%の増加、1%の増加~約20%の増加、1%の増加~約15%の増加、1%の増加~約10%の増加、1%~約5%の増加、約5%~約99%の増加、約10%~約99%の増加、約15%~約99%の増加、約20%~約99%の増加、約25%~約99%の増加、約30%~約99%の増加、約35%~約99%の増加、約40%~約99%の増加、約45%~約99%の増加、約50%~約99%の増加、約55%~約99%の増加、約60%~約99%の増加、約65%~約99%の増加、約70%~約99%の増加、約75%~約95%の増加、約80%~約99%の増加、約90%の増加~約99%の増加、約95%~約99%の増加、約5%~約10%の増加、約5%~約25%の増加、約10%~約30%の増加、約20%~約40%の増加、約25%~約50%の増加、約35%~約55%の増加、約40%~約60%の増加、約50%の増加~約75%の増加、約60%の増加~約80%の増加、または約65%~約85%の増加など)、これは治療に対する耐性を示し得る。n試料中の循環腫瘍DNAのレベルがn-1試料より高い場合(例えば、1%~約99%の増加、1%~約95%の増加、1%~約90%の増加、1%~約85%の増加、1%~約80%の増加、1%~約75%の増加、1%の増加~約70%の増加、1%の増加~約65%の増加、1%の増加~約60%の増加、1%の増加~約55%の増加、1%の増加~約50%の増加、1%の増加~約45%の増加、1%の増加~約40%の増加、1%の増加~約35%の増加、1%の増加~約30%の増加、1%の増加~約25%の増加、1%の増加~約20%の増加、1%の増加~約15%の増加、1%の増加~約10%の増加、1%~約5%の増加、約5%~約99%の増加、約10%~約99%の増加、約15%~約99%の増加、約20%~約99%の増加、約25%~約99%の増加、約30%~約99%の増加、約35%~約99%の増加、約40%~約99%の増加、約45%~約99%の増加、約50%~約99%の増加、約55%~約99%の増加、約60%~約99%の増加、約65%~約99%の増加、約70%~約99%の増加、約75%~約95%の増加、約80%~約99%の増加、約90%の増加~約99%の増加、約95%~約99%の増加、約5%~約10%の増加、約5%~約25%の増加、約10%~約30%の増加、約20%~約40%の増加、約25%~約50%の増加、約35%~約55%の増加、約40%~約60%の増加、約50%の増加~約75%の増加、約60%の増加~約80%の増加、または約65%~約85%の増加など)、これは治療に対する耐性を示し得る。治療に対する耐性が疑われる場合、対象は、1つまたは複数の画像検査、生検、手術、または他の診断検査を受けることができる。いくつかの実施形態では、治療に対する耐性が疑われる場合、対象は、BTK阻害剤耐性を治療することができる化合物(式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)を(単独療法として、または以前の療法と組み合わせて)投与され得る。例えば、Cancer Discov;7(12);1368-70(2017);およびCancer Discov;7(12);1394-403(2017)を参照されたい。
本明細書では、対象においてBTK関連がんを治療する方法であって、(a)BTK関連がん(例えば、本明細書に記載のBTK関連がんの任意のタイプ)を有するとして同定もしくは診断された(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の例示的な方法のいずれかを用いてBTK関連がんを有するとして同定もしくは診断された)対象に、1回または複数回(例えば、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、または10回以上)の用量の第1のBTKキナーゼ阻害剤を投与することと、(b)ステップ(a)の後に、対象から得られた生体試料(例えば、血液、血清、または血漿を含む生体試料)中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することと、(c)循環腫瘍DNAの参照レベル(例えば、本明細書に記載の循環腫瘍DNAの参照レベルのいずれか)と比較して循環腫瘍DNAのレベルがほぼ同じまたは上昇していると同定された対象に、第2のBTK阻害剤または式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、投与することと、を含む方法も提供される。これらの方法のいくつかの例では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、ステップ(a)の前に対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルである。これらの方法のいくつかの実施形態は、ステップ(a)の前に対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することをさらに含む。これらの方法のいくつかの例では、循環腫瘍DNAの参照レベルは循環腫瘍DNAの閾値レベルである(例えば、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療またはプラセボを受けている対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル、または、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療もしくはプラセボを受けているか、または治療的処理をいまだ受けていない対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル)。これらの方法のいくつかの例では、第1のBTK阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される。これらの方法の他の例では、第1のBTK阻害剤は共有結合阻害剤または非共有結合阻害剤である。いくつかの実施形態では、共有結合阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、およびチラブルチニブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、およびダサチニブからなる群から選択される。
本明細書では、対象においてBTK関連がんを治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、(i)BTK関連がん(例えば、本明細書に記載のBTK関連がんの任意のタイプ)を有するとして同定もしくは診断された(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の例示的な方法のいずれかを用いてBTK関連がんを有するとして同定もしくは診断された)対象に、(ii)1回または複数回(例えば、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、または10回以上)の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤を以前投与されている対象に、および(ii)1回または複数回の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤の以前の投与後に循環腫瘍DNAの参照レベル(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の循環腫瘍DNAの参照レベルのいずれか)と比較して同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有するとして同定された対象に投与することを含む方法も提供される。これらの方法のいくつかの実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、1回または複数回の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤の投与前の対象から得られた生体試料(例えば、血液、血漿、または血清を含む生体試料)中の循環腫瘍DNAのレベルである。これらの方法のいくつかの実施形態は、第2のBTKキナーゼ阻害剤の1回または複数回の用量の投与の前に対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することをさらに含む。これらの方法のいくつかの例では、循環腫瘍DNAの参照レベルは循環腫瘍DNAの閾値レベルである(例えば、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療またはプラセボを受けている対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル、または、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療もしくはプラセボを受けているか、または治療的処理をいまだ受けていない対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル)。これらの方法のいくつかの実施形態では、第2のBTKキナーゼ阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される。これらの方法の他の実施形態では、第2のBTK阻害剤は、共有結合阻害剤または非共有結合阻害剤である。いくつかの実施形態では、共有結合阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、およびチラブルチニブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、およびダサチニブからなる群から選択される。
本明細書では、対象においてBTK関連がんを治療する方法であって、(a)BTK関連がん(例えば、本明細書に記載のBTK関連がんの任意のタイプ)を有するとして同定もしくは診断された対象(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の方法のいずれかを用いてBTK関連がんを有するとして同定もしくは診断された対象)に、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として投与することと、(b)ステップ(a)の後に、対象から得られた生体試料(例えば、血液、血清、または血漿を含む生体試料)中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することと、(c)循環腫瘍DNAの参照レベル(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の循環腫瘍DNAの例示的な参照レベルのいずれか)と比較して循環腫瘍DNAのレベルがほぼ同じまたは上昇していると同定された対象に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、多形形態、もしくは医薬組成物(例えば、本明細書に記載の固形製剤または液体製剤のいずれか)、ならびに追加の治療薬または治療(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のBTK関連がんの追加の治療薬または治療のいずれか)を投与することと、を含む方法も提供される。これらの方法のいくつかの実施形態では、追加の治療薬は第2のBTKキナーゼ阻害剤(例えば、共有結合BTK阻害剤、または非共有結合BTK阻害剤、または、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択されるBTKキナーゼ阻害剤)である。これらの方法のいずれかのいくつかの例では、追加の治療薬または治療は、放射線療法、化学療法薬(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の例示的な化学療法薬のいずれか)、チェックポイント阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の例示的なチェックポイント阻害剤のいずれか)、手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分切除)、および1つまたは複数の他のキナーゼまたはタンパク質阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の例示的なキナーゼまたはタンパク質阻害剤のいずれか)のうちの1つまたは複数を含む。これらの方法のいくつかの例では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、ステップ(a)の前に対象から得られた生体試料(例えば、血液、血清、または血漿を含む生体試料)中の循環腫瘍DNAのレベルである。これらの方法のいくつかの例では、循環腫瘍DNAの参照レベルは循環腫瘍DNAの閾値レベルである(例えば、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療またはプラセボを受けている対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル、または、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療もしくはプラセボを受けているか、または治療的処理をいまだ受けていない対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル)。
本明細書では、対象においてBTK関連がんを治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物および追加の治療薬または治療を、(i)BTK関連がん(例えば、本明細書に記載のBTK関連がんの任意のタイプ)を有するとして同定もしくは診断された対象(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の方法のいずれかを用いてBTK関連がんを有するとして同定もしくは診断された対象)に、(ii)1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を単独療法として以前投与されている対象に、および(ii)1回または複数回(例えば、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、または10回以上)の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、多形形態、もしくは医薬組成物(例えば、本明細書に記載の固形製剤または液体製剤のいずれか)の単独療法としての投与後に、循環腫瘍DNAの参照レベル(例えば、本明細書に記載の例示的な循環腫瘍DNAの参照レベルのいずれか)と比較して同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有するとして同定された対象に投与することを含む方法も提供される。これらの方法のいくつかの実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、1回または複数回(例えば、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、または10回以上)の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の単独療法としての投与前の対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルである。これらの方法のいくつかの実施形態は、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体またはそれらの医薬組成物の単独療法としての投与前の対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することを含む。これらの方法のいくつかの例では、循環腫瘍DNAの参照レベルは循環腫瘍DNAの閾値レベルである(例えば、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療またはプラセボを受けている対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル、または、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療もしくはプラセボを受けているか、または治療的処理をいまだ受けていない対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル)。この方法のいくつかの実施形態では、追加の治療薬は第2のBTKキナーゼ阻害剤(例えば、共有結合BTK阻害剤、または非共有結合BTK阻害剤、または、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される第2のBTKキナーゼ阻害剤)である。これらの方法のいくつかの実施形態では、追加の治療薬または治療は、放射線療法、化学療法薬(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の例示的な化学療法薬のいずれか)、チェックポイント阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の例示的なチェックポイント阻害剤のいずれか)、手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分切除)、および1つまたは複数の他のキナーゼまたはタンパク質阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のキナーゼまたはタンパク質阻害剤のいずれか)のうちの1つまたは複数を含む。
本明細書では、対象に対する治療を選択する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、(i)BTK関連がん(例えば、本明細書に記載のBTK関連がんのいずれか)を有するとして同定もしくは診断された対象(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の方法のいずれかを使用してBTK関連がんを有するとして同定もしくは診断された対象)に対して、(ii)1回または複数回(例えば、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、または10回以上)の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のBTKキナーゼ阻害剤のいずれか)を以前投与されている対象に対して、および(ii)1回または複数回の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤の投与後に循環腫瘍DNAの参照レベルと比較して同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有するとして同定された対象に対して選択することを含む方法も提供される。これらの方法のいずれかのいくつかの実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、1回または複数回の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤の投与前の対象から得られた生体試料(例えば、血液、血清、または血漿を含む生体試料)中の循環腫瘍DNAのレベルである。これらの方法のいくつかの実施形態は、第2のBTKキナーゼ阻害剤の1回または複数回の用量の投与の前に対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することをさらに含む。これらの方法のいくつかの例では、循環腫瘍DNAの参照レベルは循環腫瘍DNAの閾値レベルである(例えば、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療またはプラセボを受けている対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル、または、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療もしくはプラセボを受けているか、または治療的処理をいまだ受けていない対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル)。任意のこれらの方法のいくつかの実施形態では、第2のBTKキナーゼ阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064の群から選択される。これらの方法のいくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、共有結合阻害剤または非共有結合阻害剤である。いくつかの実施形態では、共有結合阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、およびチラブルチニブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、およびダサチニブからなる群から選択される。
本明細書では、対象に対する治療を選択する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物および追加の治療薬または治療を、(i)BTK関連がん(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のBTK関連がんのいずれか)を有するとして同定もしくは診断された対象(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の方法のいずれかを用いてBTK関連がんを有するとして診断もしくは同定された対象)に対して、(ii)1回または複数回(例えば、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、または10回以上)の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を単独療法として以前投与されている対象に対して、および(ii)1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の単独療法としての投与後に、循環腫瘍DNAの参照レベルと比較して同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有するとして同定された対象に対して選択することを含む方法も提供される。これらの方法のいくつかの実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体またはそれらの医薬組成物の単独療法としての投与前の対象から得られた生体試料(例えば、血液、血清、または血漿を含む生体試料)中の循環腫瘍DNAのレベルである。いくつかの実施形態は、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体またはそれらの医薬組成物の単独療法としての投与前の対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することを含む。これらの方法のいくつかの例では、循環腫瘍DNAの参照レベルは循環腫瘍DNAの閾値レベルである(例えば、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療またはプラセボを受けている対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル、または、同様のBTK関連がんを有し、同様のBTK関連がんの病期を有するが、効果のない治療もしくはプラセボを受けているか、または治療的処理をいまだ受けていない対象集団における循環腫瘍DNAの平均レベル)。任意のこれらの方法のいくつかの実施形態では、追加の治療薬は第2のBTKキナーゼ阻害剤(例えば、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064の群から選択される第2のBTKキナーゼ阻害剤)である。これらの方法のいくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、共有結合阻害剤または非共有結合阻害剤である。いくつかの実施形態では、共有結合阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、およびチラブルチニブからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、およびダサチニブからなる群から選択される。本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、追加の治療薬または治療は、放射線療法、化学療法薬(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の化学療法薬の例のいずれか)、チェックポイント阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のチェックポイント阻害剤のいずれか)、手術(例えば、腫瘍の少なくとも部分切除)、および1つまたは複数の他のキナーゼまたはタンパク質阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の他のキナーゼまたはタンパク質阻害剤のいずれか)のうちの1つまたは複数を含む。
本明細書では、対象における治療の有効性を判定する方法であって、(a)第1の時点でBTK関連がんを有すると同定または診断された対象から得られた生体試料(例えば、血液、血清、または血漿を含む生体試料)中の循環腫瘍DNAの第1のレベルを判定することと、(b)第1の時点の後、第2の時点の前に、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、(c)第2の時点で対象から得られた生体試料(例えば、血液、血清、または血漿を含む生体試料)中の循環腫瘍DNAの第2のレベルを判定することと、(d)循環腫瘍DNAの第1のレベルと比較して、循環腫瘍DNAの第2のレベルが低下していると判定された対象において治療が有効であることを同定することと、または、循環腫瘍DNAの第1のレベルと比較して、循環腫瘍DNAのほぼ同一または高い第2のレベルを有すると決定された対象において効果的ではないことを同定することと、を含む、方法も提供される。これらの方法のいくつかの実施形態では、第1の時点および第2の時点が、約1週間~約1年離間している(例えば、約1週間~約10か月、約1週間~約8か月、約1週間~約6か月、約1週間~約4か月、約1週間~約3か月、約1週間~約2か月、約1週間~約1か月、または約1週間~約2週間)。
本明細書では、対象が治療に対する耐性を発症したかどうかを判定する方法であって、(a)第1の時点でBTK関連がんを有すると同定または診断された対象から得られた生体試料(例えば、血液、血清、または血漿を含む生体試料)中の循環腫瘍DNAの第1のレベルを判定することと、(b)第1の時点の後、第2の時点の前に、1回または複数回(例えば、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、または10回以上)の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、(c)第2の時点で対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAの第2のレベルを判定することと、(d)循環腫瘍DNAの第1のレベルと比較して、循環腫瘍DNAの第2のレベルが低下している対象において治療が耐性を発症していないと同定することと、または、循環腫瘍DNAの第1のレベルと比較して、循環腫瘍DNAのほぼ同一または高い第2のレベルを有する対象において耐性を発症したと同定することと、を含む、方法も提供される。これらの方法のいくつかの実施形態では、第1の時点および第2の時点が、約1週間~約1年離間している(例えば、約1週間~約10か月、約1週間~約8か月、約1週間~約6か月、約1週間~約4か月、約1週間~約3か月、約1週間~約2か月、約1週間~約1か月、または約1週間~約2週間)。
循環腫瘍DNAを検出するための例示的な方法は、Moati et al.,Clin.Res.Hepatol.Gastroenterol.April 4,2018;Oussalah et al.,EBioMedicine March 28,2018;Moon et al.,Adv.Drug Deliv.Rev.April 4,2018;Solassaol et al.,Clin.Chem.Lab.Med.April 7,2018;Arriola et al.,Clin.Transl.Oncol.April 5,2018;Song et al.,J.Circ.Biomark.March 25,2018;Aslibekyan et al.,JAMA Cardiol.April 4,2018;Isbell et al.,J.Thorac.Cardiovasc.Surg.March 13,2018;Boeckx et al.,Clin.Colorectal Cancer February 22,2018;Anunobi et al.,J.Surg.Res.March 28,2018;Tan et al.,Medicine 97(13):e0197,2018;Reithdorf et al.,Transl.Androl.Urol.6(6):1090-1110,2017;Volckmar et al.,Genes Chromosomes Cancer 57(3):123-139,2018;およびLu et al.,Chronic Dis.Transl.Med.2(4):223-230,2016に記載されている。循環腫瘍DNAを検出するための追加の方法は、当該技術分野で既知である。
同様に、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする患者においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)患者からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)または抗がん療法(例えば、手術もしくは放射線治療)と組み合わせて、対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする患者においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)患者からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)または抗がん療法(例えば、手術もしくは放射線治療)と組み合わせて、対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、表1のうちの1つまたは複数のBTKキナーゼタンパク質点変異/挿入、表1aのうちのBTK融合、p65BTK、BTK-C、あるいは、表4のうちの1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路の遺伝的変異からなる群から選択される1つまたは複数のBTK変異を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物はからなる群から選択される、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が表2のうちの少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)または抗がん療法(例えば、手術もしくは放射線治療)と組み合わせて、対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される第2のBTK阻害剤は、ステップ(d)において投与される。いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする患者においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)患者からの試料中において、MYD88L265Pを検出することと、(b)治療有効量の式I~IVの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞が、BTK阻害剤耐性変異C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、T474I、T474M、またはT474Sを有するかどうかを判定することと、(d)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)または抗がん療法(例えば、手術もしくは放射線治療)と組み合わせて、対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される第2のBTK阻害剤は、ステップ(d)において投与される。
同様に、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする患者においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)患者からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞に少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を検出することと、(d)追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)または抗がん療法(例えば、手術もしくは放射線治療)と組み合わせて、対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする患者においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、a)患者からの試料中において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞に少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を検出することと、(d)追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物、あるいは免疫療法)または抗がん療法(例えば、手術もしくは放射線治療)と組み合わせて、対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書では、BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療する方法が提供され、この方法は、(a)対象からの試料中において、表1の1つまたは複数のBTKキナーゼタンパク質点変異/挿入、表1aのうちのBTK融合、p65BTK、BTK-C、あるいは、表4のうちの1つまたは複数のBCRシグナル伝達経路の遺伝的変異からなる群から選択される1つまたは複数のBTK変異を検出することと、b)治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物はからなる群から選択される、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、を含む方法である。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞に少なくとも1つの表2のBTK阻害剤耐性変異を検出することと、(d)追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)または抗がん療法(例えば、手術もしくは放射線治療)と組み合わせて、対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、LOU064、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される第2のBTK阻害剤は、ステップ(d)において投与される。いくつかの実施形態では、方法は、((b)の後に、)(c)対象から得られた試料中のがん細胞にBTK阻害剤耐性変異C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、T474I、T474M、またはT474Sを検出することと、(d)追加用量のステップ(b)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)または抗がん療法(例えば、手術もしくは放射線治療)と組み合わせて、対象に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される第2のBTK阻害剤は、ステップ(d)において投与される。
同様に提供されるのは、がんを有する対象に対して治療を選択する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがんを有する対象を同定することと、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療を選択することと、を含む方法である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、第1のBTK阻害剤と組み合わされて投与される。同様に提供されるのは、がんを有する対象に対して治療を選択する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有すると同定された対象に対し、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療を選択することを含む方法である。同様に提供されるのは、第1のBTK阻害剤を単独療法として含まない治療のために、がんを有する対象を選択する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがんを有する対象を同定することと、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療のために、同定された対象を選択することと、を含む方法である。同様に提供されるのは、第1のBTK阻害剤を単独療法として含まない治療のために、がんを有する対象を選択する方法であって、同定することと、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の投与を含む治療のために、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがんを有するとして同定された対象を選択することを含む方法である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置481での置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、およびC481R、またはアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、およびT474Sを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの上流のタンパク質を阻害する追加の治療薬と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの下流のタンパク質を阻害する追加の治療薬と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物は、BCRシグナル伝達経路におけるBTKの下流のタンパク質を阻害する追加の治療薬、例えばPLCγ2阻害剤と組み合わせて投与され、ここで1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における置換(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141)を含む。
同様に提供されるのは、がん(例えば、BTK関連がん)を有する対象が、単独療法としての第1のBTK阻害剤による治療に対して陽性の応答を示す可能性を判定する方法であって、対象から得られた試料中のがん細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する対象が、単独療法としての第1のBTK阻害剤による治療に対する陽性の応答を有する可能性が低い(すなわち、陰性の応答を有する可能性が高い)ことを判定することと、を含む方法である。同様に提供されるのは、がん(例えば、BTK関連がん)を有する対象が、単独療法としての第1のBTK阻害剤による治療に対して陽性の応答を示す可能性を判定する方法であって、対象から得られた試料中のがん細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有しない対象が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する対象と比較して、単独療法としての第1のBTK阻害剤による治療に対する陽性の応答を有する可能性が高いことを判定することと、を含む方法である。同様に提供されるのは、単独療法としての第1のBTK阻害剤による治療の有効性を予測する方法であって、対象から得られた試料中のがん細胞が1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、単独療法としての第1のBTK阻害剤による治療が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有する、対象から得られた試料中のがん細胞を有する対象において有効である可能性が低いことを判定することと、を含む方法である。同様に提供されるのは、単独療法としての第1のBTK阻害剤による治療の有効性を予測する方法であって、単独療法としての第1のBTK阻害剤による治療が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有する、対象から得られた試料中のがん細胞を有する対象において有効である可能性が低いことを判定することを含む方法である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置804での置換、例えば、V804M、V804L、もしくはV804E、またはアミノ酸位置810での置換、例えば、G810S、G810R、G810C、G810A、G810VおよびG810Dを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。
同様に提供されるのは、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(d)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む、方法である。いくつかの実施形態では、対象に追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤の追加用量を投与する場合、対象は、別の抗がん剤(例えば、第2のBTK阻害剤、あるいは式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)も投与され得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、第2のBTK阻害剤)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。ステップ(c)のいくつかの実施形態では、別のBTK阻害剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤であり得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置804での置換、例えば、V804M、V804L、もしくはV804E、またはアミノ酸位置810での置換、例えば、G810S、G810R、G810C、G810A、G810VおよびG810Dを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの上流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの下流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、PLCγ2阻害剤であり、1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における)置換を含む。
同様に提供されるのは、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)対象が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(d)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、をさらに含む、方法である。いくつかの実施形態では、対象が追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を投与される場合、対象は、別の抗がん剤も投与され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置804での置換、例えば、V804M、V804L、もしくはV804E、またはアミノ酸位置810での置換、例えば、G810S、G810R、G810C、G810A、G810VおよびG810Dを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で知られている任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの上流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの下流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、PLCγ2阻害剤であり、1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における)置換を含む。
同様に提供されるのは、がん(例えば、BTK関連がん)を有する対象を治療する方法であって、(a)がんを有し、かつ1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(b)対象が、少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(c)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤を投与することと、を含む方法である。いくつかの実施形態では、対象が以前投与された第1のBTK阻害剤の追加用量を投与される場合、対象は、別の抗がん剤(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)も投与され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置804での置換、例えば、V804M、V804L、もしくはV804E、またはアミノ酸位置810での置換、例えば、G810S、G810R、G810C、G810A、G810VおよびG810Dを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で知られている任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は別のBTK阻害剤(例えば、第2のBTK阻害剤)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。ステップ(b)のいくつかの実施形態では、別の抗がん剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤であり得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの上流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの下流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、PLCγ2阻害剤であり、1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における)置換を含む。
同様に提供されるのは、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)がんを有し、かつ1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(b)対象が、少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(c)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤を投与することと、を含む方法である。いくつかの実施形態では、対象が追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤を投与される場合、対象は、別の抗がん剤も投与され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置804での置換、例えば、V804M、V804L、もしくはV804E、またはアミノ酸位置810での置換、例えば、G810S、G810R、G810C、G810A、G810VおよびG810Dを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。(b)のいくつかの実施形態では、別の抗がん剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤であり得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの上流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの下流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、PLCγ2阻害剤であり、1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における)置換を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のBTK関連がんは、別の遺伝子、別のタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全と共に対象に発生し得る。
例えば、BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を示すBTK関連がんは、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全(例えば、BCRシグナル伝達遺伝子における増幅)、あるいはMYC遺伝子、MYCタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全(例えば、MYC遺伝子の増幅)のうちの1つまたは複数と共に対象に発生し得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、MYC遺伝子、MYCタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全(例えば、MYC遺伝子における増幅)を検出することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、MYCの阻害剤を投与することをさらに含み得る。
例示的なMYCの阻害剤には、10058-F4、10074-G5、およびKSI-3716が含まれる。
いくつかの実施形態では、MYC遺伝子、MYCタンパク質の調節不全、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベル(例えば、MYC遺伝子における増幅)を示すBTK関連がんは、食道がんである(例えば、Chong et al.,Gut.pii:gutjnl-2017-314408,2017を参照されたい)。
同様に提供されるのは、がんを有する対象に対して治療を選択する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)対象が1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に対して、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を選択することと、または(d)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、対象に対して、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤の追加用量を選択することと、をさらに含む、方法である。いくつかの実施形態では、追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤の対象に対して選択されるとき、方法は、対象に対して別の抗がん剤の用量を選択することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置481での置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、もしくはC481R、またはアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、もしくはT474Sを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、第2のBTK阻害剤)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。ステップ(c)のいくつかの実施形態では、別のBTK阻害剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤であり得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの上流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの下流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、PLCγ2阻害剤であり、1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における)置換を含む。
同様に提供されるのは、がんを有する対象に対して治療を選択する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)対象が1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、第2のBTK阻害剤を選択することと、または(d)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、対象に対して、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤の追加用量を選択することと、をさらに含む、方法である。いくつかの実施形態では、追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤の対象に対して選択されるとき、方法は、対象に対して別の抗がん剤の用量を選択することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置481での置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、またはアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、もしくはT474Sを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。いくつかの実施形態では、別のBTK阻害剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤であり得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの上流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの下流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、PLCγ2阻害剤であり、1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における)置換を含む。
同様に提供されるのは、がんを有する対象に対する治療を選択する方法であって、(a)がんを有し、かつ1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(b)対象が、少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、対象に対して、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を選択することと、または(c)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤を選択することと、を含む方法である。いくつかの実施形態では、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤が対象に対して選択されるとき、方法は、対象に対する別の抗がん剤(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)の用量を選択することをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置481での置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、またはアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、もしくはT474Sを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、第2のBTK阻害剤)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。ステップ(c)のいくつかの実施形態では、別のBTK阻害剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤であり得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの上流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの下流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、PLCγ2阻害剤であり、1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における)置換を含む。
同様に提供されるのは、がんを有する対象に対する治療を選択する方法であって、(a)がんを有し、かつ1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(b)対象が、少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に対して、第2のBTK阻害剤を選択することと、あるいは(c)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤を選択することと、を含む方法である。いくつかの実施形態では、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤が対象に対して選択されるとき、方法は、対象に対する別の抗がん剤(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物あるいは免疫療法)の用量を選択することをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置481での置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、またはアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、もしくはT474Sを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。いくつかの実施形態では、別のBTKは、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤であり得る。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの上流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、BCRシグナル伝達経路においてBTKの下流のタンパク質を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、PLCγ2阻害剤であり、1つまたは複数の耐性変異は、PLCγ2における(例えば、アミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における)置換を含む。
同様に提供されるのは、第1のBTK阻害剤に対していくらかの耐性を有するがんを発症する対象のリスクを判定する方法であって、対象から得られた試料中の細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有する細胞を有する対象を、第1のBTK阻害剤に対していくらかの耐性を有するがんを発症する可能性が高いとして同定することと、を含む方法である。同様に提供されるのは、第1のBTK阻害剤に対していくらかの耐性を有するがんを発症する対象のリスクを判定する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有する細胞を有する対象を、第1のBTK阻害剤に対していくらかの耐性を有するがんを発症する可能性が高いとして同定することを含む方法である。同様に提供されるのは、第1のBTK阻害剤に対していくらかの耐性を有するがんの存在を判定する方法であって、対象から得られた試料中のがん細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する対象が、第1のBTK阻害剤に対していくらかの耐性を有するがんを有するとして判定することと、を含む方法である。同様に提供されるのは、対象において第1のBTK阻害剤に対していくらかの耐性を有するがんの存在を判定する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する対象が、第1のBTK阻害剤に対していくらかの耐性を有するがんを有するとして判定することを含む方法である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、がん細胞または腫瘍に、第1のBTK阻害剤での治療に対して耐性の増大を付与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙される1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を含む。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、アミノ酸位置481での置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、またはアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、もしくはT474Sを含み得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、がん細胞または腫瘍に対して第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加を付与するBTK阻害剤耐性変異は、表3または4に列挙されたBTK阻害剤耐性変異のいずれか(例えば、アミノ酸位置481での置換、例えばC481S、C481F、C481T、C481G、C481R、またはアミノ酸位置474での置換、例えば、T474I、T474M、もしくはT474S)であり得る。別の例として、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141における置換を含み得る。
いくつかの実施形態では、腫瘍における1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異の存在が、腫瘍を、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対してより耐性にする。BTK阻害剤耐性変異が、腫瘍を、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対してより耐性にする場合に有用な方法は、以下に記載される。例えば、本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがんを有する対象を同定することと、同定された対象に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含まない治療(例えば、第2のBTKキナーゼ阻害剤)を単剤療法として投与することと、を含む方法が提供される。同様に提供されるのは、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有するとして同定された対象を治療する方法であって、対象に、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含まない治療(例えば、第2のBTKキナーゼ阻害剤)を単剤療法として投与することを含む方法である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対する増加した耐性を、がん細胞または腫瘍に付与する。
同様に提供されるのは、がんを有する対象に対して治療を選択する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがんを有する対象を同定することと、同定された対象に対する単独療法として、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含まない治療(例えば、第2のBTKキナーゼ阻害剤)を選択することと、を含む方法である。同様に提供されるのは、がんを有する対象に対して治療を選択する方法であって、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有すると同定された対象に対し、単独療法として、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含まない治療(例えば、第2のBTKキナーゼ阻害剤)を選択することを含む方法である。同様に提供されるのは、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含まない治療(例えば、第2のBTKキナーゼ阻害剤)に対してがんを有する対象を選択する方法であって、1つまたは複数のBTK耐性変異を有するがん細胞を有する対象を同定することと、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含まない治療(例えば、第2のBTKキナーゼ阻害剤)に対して同定された対象を選択することと、を含む方法である。同様に提供されるのは、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含まない治療(例えば、第2のBTKキナーゼ阻害剤)に対してがんを有する対象を選択する方法であって、1つまたは複数のBTK耐性変異を有するがん細胞を有するとして同定された対象を、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含まない治療に対して選択することを含む方法である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対する増加した耐性を、がん細胞または腫瘍に付与する。
同様に提供されるのは、がんを有する対象が、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対して肯定的な応答を有する可能性を判定する方法であって、対象から得られたがん細胞が1つまたは複数のBTK耐性変異を有するかどうかを判定することと、1つまたは複数のBTK耐性変異を有するがん細胞を有する対象が、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に肯定的な応答を有する可能性が低いと判定することと、を含む、方法である。同様に提供されるのは、がんを有する対象が、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対して肯定的な応答を有する可能性を判定する方法であって、1つまたは複数のBTK耐性変異を有するがん細胞を有する対象が、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に肯定的な応答を有する可能性が低いと判定することを含む、方法である。同様に提供されるのは、がんを有する対象において、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療の有効性を予測する方法であって、対象から得られた試料中のがん細胞が1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有する対象から得られた試料中のがん細胞を有する対象において効果的である可能性が低いということを判定することと、を含む、方法である。同様に提供されるのは、がんを有する対象において、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療の有効性を予測する方法であって、単独療法としての式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有する対象から得られた試料中のがん細胞を有する対象において効果的である可能性が低いということを判定することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対する増加した耐性を、がん細胞または腫瘍に付与する。
同様に提供されるのは、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する対象に投与することと、または(d)追加用量のステップ(a)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、BTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する対象に投与することと、をさらに含む、方法である。いくつかの実施形態では、対象に、追加用量のステップ(a)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与する場合、対象は、別の抗がん剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物も投与され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対する増加した耐性を、がん細胞または腫瘍に付与する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、第2のBTK阻害剤)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。いくつかの実施形態では、別のBTKは、ステップ(a)において投与される、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物であり得る。
同様に提供されるのは、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)がんを有し、かつ1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(b)第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する対象に投与することと、または(c)追加用量の以前投与された式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、BTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する対象に投与することと、をさらに含む、方法である。いくつかの実施形態では、対象に、追加用量のステップ(a)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与する場合、対象は、別の抗がん剤も投与され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対する増加した耐性を、がん細胞または腫瘍に付与する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、第2のBTK阻害剤)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。いくつかの実施形態では、別のBTKは、ステップ(a)において投与される、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物であり得る。
同様に提供されるのは、がんを有する対象に対する治療を選択する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)対象がBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に対して、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を選択することと、または(d)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(a)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を選択することと、をさらに含む、方法である。いくつかの実施形態では、追加用量のステップ(a)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物が対象に対して選択される場合、方法は、別の抗がん剤をさらに選択することも含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対する増加した耐性を、がん細胞または腫瘍に付与する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、第2のBTK阻害剤)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。いくつかの実施形態では、別のBTKは、ステップ(a)において投与される、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物であり得る。
同様に提供されるのは、がんを有する対象に対して治療を選択する方法であって、(a)がんを有し、かつ1回または複数回の用量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(b)対象がBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、第2のBTK阻害剤、あるいは第2の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を選択することと、または(c)対象がBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量の以前投与された式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を選択することと、をさらに含む、方法である。いくつかの実施形態では、追加用量のステップ(a)の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物が対象に対して選択される場合、方法は、別の抗がん剤をさらに選択することも含み得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対する増加した耐性を、がん細胞または腫瘍に付与する。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、当該技術分野で既知の任意の抗がん剤である。例えば、追加の抗がん剤は、別のBTK阻害剤(例えば、第2のBTK阻害剤)である。いくつかの実施形態では、追加の抗がん剤は、免疫療法である。いくつかの実施形態では、別のBTKは、ステップ(a)において投与される、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物であり得る。
同様に提供されるのは、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対するいくらかの耐性を有するがんを発症する対象のリスクを判定する方法であって、対象から得られた細胞が1つまたは複数のBTK耐性変異を有するかどうかを判定することと、対象が1つまたは複数のBTK耐性変異を有する細胞を有する場合、対象が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対するいくらかの耐性を有するがんを発症する可能性が高いと同定することと、を含む、方法である。同様に提供されるのは、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対するいくらかの耐性を有するがんを発症する対象のリスクを判定する方法であって、1つまたは複数のBTK耐性変異を有する細胞を有する対象が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対するいくらかの耐性を有するがんを発症する可能性が高いと同定することを含む、方法である。同様に提供されるのは、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対するいくらかの耐性を有するがんの存在を判定する方法であって、対象から得られたがん細胞が1つまたは複数のBTK耐性変異を有するかどうかを判定することと、1つまたは複数のBTK耐性変異を有するがん細胞を有する対象が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対するいくらかの耐性を有するがんを有することを判定することと、を含む、方法である。同様に提供されるのは、対象において、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対するいくらかの耐性を有するがんの存在を判定する方法であって、1つまたは複数のBTK耐性変異を有するがん細胞を有する対象が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物に対するいくらかの耐性を有するがんを有することを判定することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異が、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対する増加した耐性を、がん細胞または腫瘍に付与する。
本明細書に記載の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物による治療に対する増加した耐性を、がん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異は、表2に列挙されたBTK阻害剤耐性変異のうちのいずれかであり得る。BTK阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のBTK阻害剤のいずれか)に対するがん細胞または腫瘍の耐性レベルを判定する方法は、当該技術分野で既知の方法を用いて判定され得る。例えば、BTK阻害剤に対するがん細胞の耐性レベルは、がん細胞の生存率に対するBTK阻害剤(例えば、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のBTK阻害剤のいずれか)のIC50を判定することにより評価され得る。他の例では、BTK阻害剤に対するがん細胞の耐性レベルは、BTK阻害剤(例えば、本明細書に記載のBTK阻害剤のいずれか)の存在下でがん細胞の増殖速度を判定することにより評価され得る。他の例では、BTK阻害剤に対する腫瘍の耐性レベルは、BTK阻害剤(例えば、本明細書に記載のBTK阻害剤のいずれか)による処理の間の経時的な対象中の1つまたは複数の腫瘍の重量またはサイズを判定することにより評価され得る。他の例では、BTK阻害剤に対するがん細胞または腫瘍の耐性レベルは、BTK阻害剤耐性変異の1つまたは複数を含むBTKキナーゼ(すなわち、対象のがん細胞または腫瘍において発現する、同一のBTKキナーゼ)の活性を測定することにより間接的に評価され得る。BTK阻害剤に対する、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞または腫瘍の耐性レベルは、BTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞または腫瘍(例えば、同じBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞もしくは腫瘍、いずれのBTK阻害剤耐性変異も有しないがん細胞もしくは腫瘍、または野生型BTKタンパク質を発現するがん細胞もしくは腫瘍)の耐性レベルに対して相対的である。例えば、1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞または腫瘍の判定された耐性レベルは、BTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞もしくは腫瘍(例えば、同一のBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞もしくは腫瘍、いずれのBTK阻害剤耐性変異も有しないがん細胞もしくは腫瘍、または野生型BTKタンパク質を発現するがん細胞もしくは腫瘍)の耐性レベルの、約1%を超える、約2%を超える、約3%を超える、約4%を超える、約5%を超える、約6%を超える、約7%を超える、約8%を超える、約9%を超える、約10%を超える、約11%を超える、約12%を超える、約13%を超える、約14%を超える、約15%を超える、約20%を超える、約25%を超える、約30%を超える、約35%を超える、約40%を超える、約45%を超える、約50%を超える、約60%を超える、約70%を超える、約80%を超える、約90%を超える、約100%を超える、約110%を超える、約120%を超える、約130%を超える、約140%を超える、約150%を超える、約160%を超える、約170%を超える、約180%を超える、約190%を超える、約200%を超える、約210%を超える、約220%を超える、約230%を超える、約240%を超える、約250%を超える、約260%を超える、約270%を超える、約280%を超える、約290%を超える、または約300%を超えるものであり得る。
本明細書では、がん(例えば、本明細書に記載のがんのいずれか)を有する対象を治療する方法であって、(i)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が阻害剤に対して不寛容であり、単剤療法としての第1のBTK阻害剤(例えば、イブルチニブまたはアカラブルチニブなどの第1のBTK阻害剤)を含まない治療(例えば、本明細書に記載の単剤療法として第1のBTK阻害剤を含まない任意の治療)を対象に投与することを含む、方法も提供される。例えば、対象は、単剤療法として、または別の抗がん剤または治療(例えば、第1のBTK阻害剤)と組み合わせて、第2のBTK阻害剤を投与され得る。
本明細書では、対象を治療する方法であって、単剤療法として第1のBTK阻害剤を含まない治療有効量の治療を、(i)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、ことを示す、臨床記録を有する対象に投与することを含む、方法も提供される。例えば、対象は、単剤療法として、または別の抗がん剤または治療(例えば、第1のBTK阻害剤)と組み合わせて、第2のBTK阻害剤を投与され得る。
本明細書では、がん(例えば、本明細書に記載または当該技術分野で知られているがんのいずれか)を有する対象を治療する方法であって、(i)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象を同定することと、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含む治療を同定された対象に投与することと、を含む方法も提供される。
本明細書では、がん(例えば、本明細書に記載または当該技術分野で知られているがんのいずれか)を有する対象を治療する方法であって、(i)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象を同定することと、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物および別の抗がん剤(例えば、本明細書に記載の1つまたは複数の抗がん剤)または抗がん療法(例えば、本明細書に提供される1つまたは複数の抗がん療法)を含む治療を同定された対象に投与することと、を含む方法も提供される。
本明細書では、がんを有すると同定された対象を治療する方法であって、(i)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であり、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含む治療を対象に投与することを含む方法も提供される。
本明細書では、がんを有すると同定された対象を治療する方法であって、(i)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であり、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物、および別の抗がん剤(例えば、本明細書に記載の別の抗がん剤のいずれか1つまたは複数)または抗がん療法(例えば、本明細書に記載の抗がん療法のいずれか1つまたは複数)を含む治療を対象に投与することを含む方法も提供される。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含む治療を、(i)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、ことを示す、臨床記録を有する対象に投与することを含む、方法も提供される。
本明細書では、対象を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物、および別の抗がん剤(例えば、本明細書に記載の抗がん剤のいずれか1つまたは複数)あるいは抗がん療法(例えば、本明細書に記載の抗がん療法のいずれか1つまたは複数)を含む治療を、(i)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、ことを示す、臨床記録を有する対象に投与することを含む、方法も提供される。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)第1のBTK阻害剤の1回または複数回の用量を対象に一定期間投与することと、(b)(a)の後、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発したかどうかを判定する、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であるかどうかを判定することと、(c)ステップ(a)のBTK阻害剤を含まない第2のBTK阻害剤または治療を、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象に単独療法として投与することと、または(d)追加用量の第1のBTK阻害剤を、(i)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発しなかった、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答している、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容ではない、対象に投与することと、を含む方法も提供される。いくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物である。いくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、本明細書に開示される配合剤および式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、がんはBTK関連がんである。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発したかどうかを判定する、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であるかどうかを判定することと、(b)ステップ(a)の第1のBTK阻害剤を含まない第2のBTK阻害剤または治療を、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象に単独療法として投与することと、または(c)追加用量の第1のBTK阻害剤を、(i)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発しなかった、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答している、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容ではない、対象に投与することと、を含む方法も提供される。いくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物である。
いくつかの実施形態では、がんはBTK関連がんである。いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、表1、1a、および4に記載の、点変異/挿入/欠失および/または融合のうちの少なくとも1つを示す。いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、BTK耐性変異、例えば、表2および3に記載の変異のいずれも示さない。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)第1のBTK阻害剤の1回または複数回の用量を対象に一定期間投与することと、(c)(a)および(b)の後、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発したかどうかを判定する、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であるかどうかを判定することと、(d)ステップ(b)のBTK阻害剤を含まない第2のBTK阻害剤または治療を、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象に単独療法として投与することと、または(e)追加用量の第1のBTK阻害剤を、(i)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発しなかった、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答している、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容ではない、対象に投与することと、を含む方法も提供される。いくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物である。
いくつかの実施形態では、ステップ(a)は、ステップ(b)の前に実施される。
いくつかの実施形態では、ステップ(b)は、ステップ(a)の前に実施される。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することには、次世代シーケンシング、免疫組織化学、蛍光顕微鏡、ブレークアパートFISH分析、およびPCRベースの増幅(例えば、RT-PCRおよび定量的リアルタイムRT-PCR)が含まれる。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)第1のBTK阻害剤の1回または複数回の用量を対象に一定期間投与することと、(c)(a)および(b)の後、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発したかどうかを判定する、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であるかどうかを判定することと、(d)1回または複数回の用量の第2のBTK阻害剤を含む治療を、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象に投与することと、または(e)追加用量の第1のBTK阻害剤を、(i)がんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発しなかった、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答している、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容ではない、対象に投与することと、を含む方法も提供される。いくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物である。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)第1のBTK阻害剤の1回または複数回の用量を対象に一定期間投与することと、(c)(a)および(b)の後、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発したかどうかを判定する、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であるかどうかを判定することと、(d)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含む治療を、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象に投与することと、または(e)追加用量の第1のBTK阻害剤を、(i)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発しなかった、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答している、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容ではない、対象に投与することと、を含む方法も提供される。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)BTK遺伝子、BTKタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)第1のBTK阻害剤の1回または複数回の用量を対象に一定期間投与することと、(c)(a)および(b)の後、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発したかどうかを判定する、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であるかどうかを判定することと、(d)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物、および別の抗がん剤または抗がん療法を含む治療を、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象に投与することと、または(e)追加用量の第1のBTK阻害剤を、(i)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発しなかった、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答している、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容ではない、対象に投与することと、を含む方法も提供される。
いくつかの実施形態では、ステップ(a)は、ステップ(b)の前に実施される。
いくつかの実施形態では、ステップ(b)は、ステップ(a)の前に実施される。
いくつかの実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することには、次世代シーケンシング、免疫組織化学、蛍光顕微鏡、ブレークアパートFISH分析、およびPCRベースの増幅(例えば、RT-PCRおよび定量的リアルタイムRT-PCR)が含まれる。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発したかどうかを判定する、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であるかどうかを判定することと、(b)1回または複数回の用量の第2のBTK阻害剤を含む治療を、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象に投与することと、または(c)追加用量の第1のBTK阻害剤を、(i)がんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発しなかった、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答している、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容ではない、対象に投与することと、を含む方法も提供される。いくつかの実施形態では、第2のBTK阻害剤は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物である。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発したかどうかを判定する、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であるかどうかを判定することと、(b)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を含む治療を、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象に投与することと、または(c)追加用量の第1のBTK阻害剤を、(i)がんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発しなかった、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答している、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容ではない、対象に投与することと、を含む方法も提供される。
本明細書では、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発したかどうかを判定する、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容であるかどうかを判定することと、(b)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物、および別の抗がん剤または抗がん療法を含む治療を、(i)第1のBTK阻害剤による治療中に対象におけるがんが再発した、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に不寛容である、対象に投与することと、または(c)追加用量の第1のBTK阻害剤を、(i)がんが第1のBTK阻害剤による治療中に再発しなかった、および/または(ii)対象におけるがんが第1のBTK阻害剤による治療に応答している、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容ではない、対象に投与することと、を含む方法も提供される。
いくつかの実施形態では、がんはBTK関連がんである。いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、表1、1a、または4に記載の、点変異/挿入/欠失のうちの少なくとも1つを示す。いくつかの実施形態では、BTK関連がんは、BTK耐性変異、例えば、表2および3に記載の変異のいずれも示さない。
いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、チラブルチニブ、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、GNE-504、GNE-309、BTK Max、ダサチニブ、CT-1530、CGI-1746、CGI-560、LFM A13、TP-0158、dtrmwxhs-12、CNX-774、およびLOU064からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、共有結合阻害剤、例えば、イブルチニブ、PRN1008、PRN473、ABBV-105、AC0058、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、スペブルチニブ、ポセルチニブ、エボブルチニブ、M7583、またはチラブルチニブである。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤は、非共有結合阻害剤、例えば、CG’806、ARQ531、BIIB068、ベカブルチニブ、AS871、CB1763、CB988、GDC-0853、RN486、またはダサチニブである。
いくつかの実施形態では、再発は、改善期間後の、対象におけるがん細胞の数の増加、対象における1つまたは複数の腫瘍のサイズの増加、腫瘍量の増加、転移の速度または程度の増加、全体的または部分的にがんに関連する症状の悪化、疾患の程度の増加、および疾患の進行の加速を検出することのうちの1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、再発は、改善期間後のがんの進行である。いくつかの実施形態では、改善の期間は、対象におけるがん細胞の数の減少、対象における1つまたは複数の腫瘍のサイズの減少、腫瘍量の減少、転移の速度または程度の減少、全体的または部分的にがんに関連する症状の改善、疾患の程度の減少、および疾患の進行の遅延化を検出することのうちの1つまたは複数である。
いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤による治療に応答しないがんは、進行しているがんである。いくつかの実施形態では、がんの進行は、対象におけるがん細胞の数の増加、対象における1つまたは複数の腫瘍のサイズの増加、腫瘍量の増加、転移の速度または程度の増加、全体的または部分的にがんに関連する症状の悪化、疾患の程度の増加、および疾患の進行の加速のうちの1つまたは複数である。
いくつかの実施形態では、骨髄生検、例えば、骨髄コア生検または骨髄吸引物試料は、がん、例えば、血液がんの進行または再発を検出するために使用され得る。いくつかの実施形態では、骨髄生検は、芽球細胞のパーセンテージ、異形成(例えば、異常細胞)、リンパ球のパーセンテージ、形質細胞のパーセンテージ、線維症、細胞性、造血要素の分布パターン、リンパ球要素の形態、およびリンパ球要素および形質細胞の列挙のうちの1つまたは複数を検出するために使用され得る(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Sever,et al.,Arch Pathol Lab Med.2016 Sep;140(9):932-49を参照されたい)。診断の過程、モニタリングの過程、および/または療法の過程の間、複数の時点で、骨髄生検を実施して、疾患の進行、および療法の有効性、疾患の再発、または対象に療法を施した後の耐性変異の発生を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の臨床的に関連のあるパラメータを判定することができる。例えば、診断の過程、モニタリングの過程、および/または療法の過程の間、第1の時点で第1の骨髄生検を実施し、第2の時点で第2の骨髄生検を実施することができる。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する前の時点(例えば、対象が健康なとき)であり得、第2の時点は、対象が疾患を発症した後の時点(例えば、第2の時点は、疾患を伴う対象を診断するために使用できる)であり得る。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する前の時点(例えば、対象が健康なとき)であり得、その後、対象はモニタリングされ、第2の時点は、対象がモニタリングされた後の時点であり得る。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する後の時点であり得、第2の時点は、療法が投与された後の時点であり得、そのような場合、第2の時点は、療法の有効性を評価するのに使用できる。
いくつかの実施形態では進行は、芽球のパーセンテージの増加、骨髄対赤芽球比の増加、異形成(例えば、白血球異形成)の増加、骨髄形質細胞のパーセンテージの増加、および骨髄リンパ球のパーセンテージの増加を検出することのうちの1つまたは複数を含み得る。例えば、進行には、第1の時点と比較した第2の時点での、芽球のパーセンテージの増加、骨髄対赤芽球比の増加、異形成(例えば、白血球異形成)の増加、骨髄形質細胞のパーセンテージの増加、および骨髄リンパ球のパーセンテージの増加のうちの1つまたは複数を検出することを含む。
いくつかの実施形態では、再発は、改善期間後の、芽球のパーセンテージの増加、骨髄対赤芽球比の増加、異形成(例えば、白血球異形成)の増加、骨髄形質細胞のパーセンテージの増加、および骨髄リンパ球のパーセンテージの増加のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、改善期間は、芽球のパーセンテージの減少、骨髄対赤血球比の減少、異形成(例えば、白血球異形成)の減少、骨髄形質細胞のパーセンテージの減少、および骨髄リンパ球のパーセンテージの減少のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。
いくつかの実施形態では、全血球計算を使用して、がん、例えば、血液がんの進行または再発を検出することができる。いくつかの実施形態では、全血球計算を使用して、白血球(例えば、多形核白血球)のパーセンテージ、血小板数の減少、および末梢血中のヘモグロビンの減少のうちの1つまたは複数を検出することができる。診断の過程、モニタリングの過程、および/または療法の過程の間、複数の時点で、全血球計算を実施して、疾患の進行、および療法の有効性、疾患の再発、または対象に療法を施した後の耐性変異の発生を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の臨床的に関連のあるパラメータを判定することができる。例えば、診断の過程、モニタリングの過程、および/または治療の過程の間、第1の時点で第1の全血球計算を実施し、第2の時点で第2の全血球計算を実施することができる。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する前の時点(例えば、対象が健康なとき)であり得、第2の時点は、対象が疾患を発症した後の時点(例えば、第2の時点は、疾患を伴う対象を診断するために使用できる)であり得る。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する前の時点(例えば、対象が健康なとき)であり得、その後、対象はモニタリングされ、第2の時点は、対象がモニタリングされた後の時点であり得る。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する後の時点であり得、第2の時点は、療法が投与された後の時点であり得、そのような場合、第2の時点は、療法の有効性を評価するのに使用できる。
いくつかの実施形態では、進行は、白血球(例えば、多形核白血球)のパーセンテージの増加、血小板数の減少、および末梢血中のヘモグロビンの減少のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。例えば、進行は、第1の時点と比較した第2の時点における、白血球(例えば、多形核白血球)のパーセンテージの増加、血小板数の減少、および末梢血中のヘモグロビンの減少のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。
いくつかの実施形態では、再発は、改善期間後の、白血球(例えば、多形核白血球)のパーセンテージの増加、血小板数の減少、および末梢血中のヘモグロビンの減少のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。いくつかの実施形態では、改善期間は、白血球(例えば、多形核白血球)のパーセンテージの減少、血小板数の増加、および末梢血中のヘモグロビンの増加のうちの1つまたは複数を検出することを含み得る。
いくつかの実施形態では、腫瘍量は、PERCISTを使用して評価することができる。いくつかの実施形態では、腫瘍量は、RECISTバージョン1.1を使用して評価する。
いくつかの実施形態では、がんはリンパ腫であり、リンパ腫の治療は、Cheson et al.J Clin Oncol.2007,25:579-86;Cheson et al.,Blood.2016,128:2489-2496;およびCheson et al.,Clin Oncol.2014,32(27):3059-3068のうちの1つまたは複数に記載の方法の1つまたは複数によって評価され、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、がんは白血病、例えば、CLLであり、白血病の治療は、Hallek et al.,Blood.2008,111(12):5446-56に記載の1つまたは複数の方法によって評価され、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、がんは骨髄腫であり、骨髄腫の治療は、Fujino et al.,J Clin Exp Hematop.2018,58(2):61-67に記載の1つまたは複数の方法によって評価され、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、液体生検法を使用して、がんの進行を検出することができる。いくつかの実施形態では、液体生検で使用される生体試料には、血液、血漿、尿、脳脊髄液、唾液、痰、気管支肺胞洗浄液、胆汁、リンパ液、嚢胞液、便、腹水、およびそれらの組み合わせが含まれ得る。いくつかの実施形態では、循環腫瘍細胞(CTC)を検出するために液体生検を使用することができる。いくつかの実施形態では、液体生検を使用して、無細胞DNAを検出することができる。いくつかの実施形態では、液体生検を使用して検出される無細胞DNAは、腫瘍細胞に由来する循環腫瘍DNA(ctDNA)である。ctDNAの分析(例えば、次世代シーケンシング(NGS)、従来のPCR、デジタルPCR、マイクロアレイ分析などであるが、これらに限定されない高感度検出技法の使用)を使用して、がんの進行を同定することができる。
診断の過程、モニタリングの過程、および/または療法の過程の間、複数の時点で、液体生検を実施して、疾患の進行、療法の有効性、または対象に療法を施した後の耐性変異の発生を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の臨床的に関連のあるパラメータを判定することができる。例えば、診断の過程、モニタリングの過程、および/または療法の過程の間、第1の時点で第1の液体生検を実施し、第2の時点で第2の液体生検を実施することができる。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する前の時点(例えば、対象が健康なとき)であり得、第2の時点は、対象が疾患を発症した後の時点(例えば、第2の時点は、疾患を伴う対象を診断するために使用できる)であり得る。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断する前の時点(例えば、対象が健康なとき)であり得、その後、対象はモニタリングされ、第2の時点は、対象がモニタリングされた後の時点であり得る。いくつかの実施形態では、第1の時点は、疾患を有する対象を診断した後の時点であり得、その後、療法が対象に施され、第2の時点は、療法が施された後の時点であり得、そのような場合、第2の時点を使用して、療法の有効性(例えば、第1の時点で検出された遺伝子変異(複数可)が大量に減少するか、または検出不能であるかを)を評価することができ、または療法の結果として生じた耐性変異の存在を判定することができる。
本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、循環腫瘍DNAを使用して、特定の療法(例えば、第1のBTK阻害剤、または第2のBTK阻害剤、例えば式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)に対する患者の応答性をモニタリングすることができる。例えば、本明細書に記載の療法(例えば、第1のBTK阻害剤、または第2のBTK阻害剤、例えば式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)を開始する前に、生体試料を対象から得て、生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することができる。この試料は、ベースライン試料とみなすことができる。次いで、対象は、1回または複数回の用量の本明細書に記載の療法(例えば、第1のBTK阻害剤、または第2のBTK阻害剤、例えば、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物)を投与され得、循環腫瘍DNAのレベルがモニタリングされ得る(例えば、第1の投与後、第2の投与後、第3の投与後など、または1週間後、2週間後、3週間後、4週間後など)。循環腫瘍DNAのレベルがベースライン試料より低い場合(例えば、1%~約99%の減少、1%~約95%の減少、1%~約90%の減少、1%~約85%の減少、1%~約80%の減少、1%~約75%の減少、1%の減少~約70%の減少、1%の減少~約65%の減少、1%の減少~約60%の減少、1%の減少~約55%の減少、1%の減少~約50%の減少、1%の減少~約45%の減少、1%の減少~約40%の減少、1%の減少~約35%の減少、1%の減少~約30%の減少、1%の減少~約25%の減少、1%の減少~約20%の減少、1%の減少~約15%の減少、1%の減少~約10%の減少、1%~約5%の減少、約5%~約99%の減少、約10%~約99%の減少、約15%~約99%の減少、約20%~約99%の減少、約25%~約99%の減少、約30%~約99%の減少、約35%~約99%の減少、約40%~約99%の減少、約45%~約99%の減少、約50%~約99%の減少、約55%~約99%の減少、約60%~約99%の減少、約65%~約99%の減少、約70%~約99%の減少、約75%~約95%の減少、約80%~約99%の減少、約90%の減少~約99%の減少、約95%~約99%の減少、約5%~約10%の減少、約5%~約25%の減少、約10%~約30%の減少、約20%~約40%の減少、約25%~約50%の減少、約35%~約55%の減少、約40%~約60%の減少、約50%の減少~約75%の減少、約60%の減少~約80%の減少、または約65%~約85%の減少など)、これは治療に対する反応性を示す。いくつかの実施形態では、患者から得られた生体試料(n)中の循環腫瘍DNAのレベルは、直前に採取された試料(n-1)と比較される。n試料中の循環腫瘍DNAのレベルがn-1試料より低い場合(例えば、1%~約99%の減少、1%~約95%の減少、1%~約90%の減少、1%~約85%の減少、1%~約80%の減少、1%~約75%の減少、1%の減少~約70%の減少、1%の減少~約65%の減少、1%の減少~約60%の減少、1%の減少~約55%の減少、1%の減少~約50%の減少、1%の減少~約45%の減少、1%の減少~約40%の減少、1%の減少~約35%の減少、1%の減少~約30%の減少、1%の減少~約25%の減少、1%の減少~約20%の減少、1%の減少~約15%の減少、1%の減少~約10%の減少、1%~約5%の減少、約5%~約99%の減少、約10%~約99%の減少、約15%~約99%の減少、約20%~約99%の減少、約25%~約99%の減少、約30%~約99%の減少、約35%~約99%の減少、約40%~約99%の減少、約45%~約99%の減少、約50%~約99%の減少、約55%~約99%の減少、約60%~約99%の減少、約65%~約99%の減少、約70%~約99%の減少、約75%~約95%の減少、約80%~約99%の減少、約90%の減少~約99%の減少、約95%~約99%の減少、約5%~約10%の減少、約5%~約25%の減少、約10%~約30%の減少、約20%~約40%の減少、約25%~約50%の減少、約35%~約55%の減少、約40%~約60%の減少、約50%の減少~約75%の減少、約60%の減少~約80%の減少、または約65%~約85%の減少など)、これは治療に対する応答性を示す。治療に対する応答性の場合、対象は、1回または複数回の治療用量を投与され得、循環腫瘍DNAのモニタリングが続けられ得る。
試料中の循環腫瘍DNAのレベルがベースラインより高い場合(例えば、1%~約99%の増加、1%~約95%の増加、1%~約90%の増加、1%~約85%の増加、1%~約80%の増加、1%~約75%の増加、1%の増加~約70%の増加、1%の増加~約65%の増加、1%の増加~約60%の増加、1%の増加~約55%の増加、1%の増加~約50%の増加、1%の増加~約45%の増加、1%の増加~約40%の増加、1%の増加~約35%の増加、1%の増加~約30%の増加、1%の増加~約25%の増加、1%の増加~約20%の増加、1%の増加~約15%の増加、1%の増加~約10%の増加、1%~約5%の増加、約5%~約99%の増加、約10%~約99%の増加、約15%~約99%の増加、約20%~約99%の増加、約25%~約99%の増加、約30%~約99%の増加、約35%~約99%の増加、約40%~約99%の増加、約45%~約99%の増加、約50%~約99%の増加、約55%~約99%の増加、約60%~約99%の増加、約65%~約99%の増加、約70%~約99%の増加、約75%~約95%の増加、約80%~約99%の増加、約90%の増加~約99%の増加、約95%~約99%の増加、約5%~約10%の増加、約5%~約25%の増加、約10%~約30%の増加、約20%~約40%の増加、約25%~約50%の増加、約35%~約55%の増加、約40%~約60%の増加、約50%の増加~約75%の増加、約60%の増加~約80%の増加、または約65%~約85%の増加など)、これはがんの進行を示し得る。n試料中の循環腫瘍DNAのレベルがn-1試料より高い場合(例えば、1%~約99%の増加、1%~約95%の増加、1%~約90%の増加、1%~約85%の増加、1%~約80%の増加、1%~約75%の増加、1%の増加~約70%の増加、1%の増加~約65%の増加、1%の増加~約60%の増加、1%の増加~約55%の増加、1%の増加~約50%の増加、1%の増加~約45%の増加、1%の増加~約40%の増加、1%の増加~約35%の増加、1%の増加~約30%の増加、1%の増加~約25%の増加、1%の増加~約20%の増加、1%の増加~約15%の増加、1%の増加~約10%の増加、1%~約5%の増加、約5%~約99%の増加、約10%~約99%の増加、約15%~約99%の増加、約20%~約99%の増加、約25%~約99%の増加、約30%~約99%の増加、約35%~約99%の増加、約40%~約99%の増加、約45%~約99%の増加、約50%~約99%の増加、約55%~約99%の増加、約60%~約99%の増加、約65%~約99%の増加、約70%~約99%の増加、約75%~約95%の増加、約80%~約99%の増加、約90%の増加~約99%の増加、約95%~約99%の増加、約5%~約10%の増加、約5%~約25%の増加、約10%~約30%の増加、約20%~約40%の増加、約25%~約50%の増加、約35%~約55%の増加、約40%~約60%の増加、約50%の増加~約75%の増加、約60%の増加~約80%の増加、または約65%~約85%の増加など)、これはがんの進行を示し得る。第1のBTK阻害剤による療法の期間の進行が疑われる場合、対象は、画像検査、生検、手術、または他の診断検査のうちの1つまたは複数を受けることができる。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤による療法の期間のがんの進行が疑われる場合、対象は、第2のBTK阻害剤、例えば、式Iの化合物、もしくは、その薬学的に許容される塩、その非晶質もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を(単剤療法として、または前の療法と組み合わせて)投与され得る。
改善期間、例えば、上述の療法に対する応答期間の後、試料における循環腫瘍DNAのレベルが改善期間中に得られたレベルより高い場合(例えば、1%~約99%の増加、1%~約95%の増加、1%~約90%の増加、1%~約85%の増加、1%~約80%の増加、1%~約75%の増加、1%の増加~約70%の増加、1%の増加~約65%の増加、1%の増加~約60%の増加、1%の増加~約55%の増加、1%の増加~約50%の増加、1%の増加~約45%の増加、1%の増加~約40%の増加、1%の増加~約35%の増加、1%の増加~約30%の増加、1%の増加~約25%の増加、1%の増加~約20%の増加、1%の増加~約15%の増加、1%の増加~約10%の増加、1%~約5%の増加、約5%~約99%の増加、約10%~約99%の増加、約15%~約99%の増加、約20%~約99%の増加、約25%~約99%の増加、約30%~約99%の増加、約35%~約99%の増加、約40%~約99%の増加、約45%~約99%の増加、約50%~約99%の増加、約55%~約99%の増加、約60%~約99%の増加、約65%~約99%の増加、約70%~約99%の増加、約75%~約95%の増加、約80%~約99%の増加、約90%の増加~約99%の増加、約95%~約99%の増加、約5%~約10%の増加、約5%~約25%の増加、約10%~約30%の増加、約20%~約40%の増加、約25%~約50%の増加、約35%~約55%の増加、約40%~約60%の増加、約50%の増加~約75%の増加、約60%の増加~約80%の増加、または約65%~約85%の増加など)、これはがんの再発を示し得る。n試料中の循環腫瘍DNAのレベルがn-1試料より高い場合(例えば、1%~約99%の増加、1%~約95%の増加、1%~約90%の増加、1%~約85%の増加、1%~約80%の増加、1%~約75%の増加、1%の増加~約70%の増加、1%の増加~約65%の増加、1%の増加~約60%の増加、1%の増加~約55%の増加、1%の増加~約50%の増加、1%の増加~約45%の増加、1%の増加~約40%の増加、1%の増加~約35%の増加、1%の増加~約30%の増加、1%の増加~約25%の増加、1%の増加~約20%の増加、1%の増加~約15%の増加、1%の増加~約10%の増加、1%~約5%の増加、約5%~約99%の増加、約10%~約99%の増加、約15%~約99%の増加、約20%~約99%の増加、約25%~約99%の増加、約30%~約99%の増加、約35%~約99%の増加、約40%~約99%の増加、約45%~約99%の増加、約50%~約99%の増加、約55%~約99%の増加、約60%~約99%の増加、約65%~約99%の増加、約70%~約99%の増加、約75%~約95%の増加、約80%~約99%の増加、約90%の増加~約99%の増加、約95%~約99%の増加、約5%~約10%の増加、約5%~約25%の増加、約10%~約30%の増加、約20%~約40%の増加、約25%~約50%の増加、約35%~約55%の増加、約40%~約60%の増加、約50%の増加~約75%の増加、約60%の増加~約80%の増加、または約65%~約85%の増加など)、これはがんの再発を示し得る。第1のBTK阻害剤による療法の期間再発が疑われる場合、対象は、画像検査、生検、手術、または他の診断検査のうちの1つまたは複数を受けることができる。いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤による療法の期間のがんの再発が疑われる場合、対象は、第2のBTK阻害剤、例えば、式Iの化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、その非晶質もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を(単剤療法として、または前の療法と組み合わせて)投与され得る。例えば、Cancer Discov;7(12);1368-70(2017);およびCancer Discov;7(12);1394-403(2017)を参照されたい。いくつかの実施形態では、BTK耐性変異、例えば、表2および3に記載の変異のいずれも検出されない。
いくつかの実施形態では、第1のBTK阻害剤に不寛容である対象は、第1のBTK阻害剤による治療中の、重度の、障害を与える、または生命を脅かす有害事象、第1のBTK阻害剤による治療中の計画外の入院、第1のBTK阻害剤による治療の中止、第1のBTK阻害剤による用量の減少、第1のBTK阻害剤による治療に起因する機能低下、およびパフォーマンスステータスの低下のうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、パフォーマンスステータスは、パフォーマンスステータスの東部共同腫瘍学群(ECOG)スケールを使用して評価される。
いくつかの実施形態では、パフォーマンスステータスは、カルノフスキーパフォーマンスステータスを使用して評価される。
いくつかの実施形態では、パフォーマンスステータスは、ランスキーパフォーマンススコアによって評価される。
いくつかの実施形態では、(i)対象におけるがんは、第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療に反応していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容であり、BTK耐性変異、例えば、表2および3に記載の変異のいずれも検出されない。
いくつかの実施形態では、(i)対象におけるがんは、第1のBTK阻害剤による治療中に再発した、および/または(ii)対象のがんが第1のBTK阻害剤による治療に反応していない、および/または(iii)対象が第1のBTK阻害剤に対して不寛容であり、BTK耐性変異、例えば、表2および3に記載の変異のいずれも検出されない。
これらの方法のいくつかの例は、対象の臨床記録(例えば、コンピュータ可読媒体)に、将来は単剤療法としてステップ(a)の第1のBTK阻害剤または異なるBTK阻害剤を含まない治療を対象に投与すべきであることを記録することをさらに含む。
上述の実施形態のいずれかにおいて、対象は、活動性の制御されていない自己免疫性血球減少症を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、自己免疫性血球減少症と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療を開始してから6ヶ月以内に、臨床的に重要な、制御されていない心臓疾患、心血管疾患、または心筋梗塞の病歴を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、心臓疾患または心血管疾患と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、心筋梗塞を有していない。いくつかの実施形態では、対象は、臨床的に重要な活動性吸収不良症候群を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、吸収不良症候群と診断されていない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療中のいずれかの期間に、強力なチトクロームP450 3A4(CYP3A4)阻害剤(例えば、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、クロラムフェニコール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、ネファゾドン、およびコビシスタット)、または誘導剤(例えば、カルバマゼピン、デキサメタゾン、エトスクシミド、グルココルチコイド、グリセオフルビン、フェニトイン、プリミドン、プロゲステロン、リファンピン、ナフシリン、ネルフィナビル、ネビラピン、オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニルブタゾン、ロフェコキシブ(軽度)、セントジョンズワート、スルファジミジン、スルフィンピラゾン、およびトログリタゾン)によって治療されていない。いくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の治療のいずれかを開始してから7日以内に、プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾール、ランソプラゾール、デクスランソプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、イラプラゾール)によって治療されていない。いくつかの実施形態では、対象は、活動性の第2の悪性腫瘍を有しない。いくつかの実施形態では、対象は、寛解している活動性の第2の悪性腫瘍を有し、対象の平均余命は2年を超える。
本明細書では、関節炎(例えば、関節リウマチ)、多発性硬化症、骨粗しょう症、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、クローン病、慢性じんましん、重症筋無力症、およびループス(例えば、エリテマトーデス)を含む、特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患と診断、またはそれらを有すると同定された対象を治療する方法であって、治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を対象に投与することを含む、方法も提供される。
本明細書では、BTK関連特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を有すると同定または診断された対象(例えば、対象または対象からの生検試料において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を同定するための、規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットの使用を通じて、BTK関連特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を有すると同定または診断された対象)を治療する方法であって、対象に治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することを含む方法も提供される。
同様に提供されるのは、治療を必要とする対象において特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を治療する方法であって、(a)対象における特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患がBTK関連特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患であるかどうかを判定する(例えば、対象または対象からの生検試料において、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を同定するための規制当局承認の、例えば、FDA承認のキットを使用して、あるいは、本明細書に記載のアッセイの非限定的な例のいずれかを実施することにより)ことと、(b)特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患がBTK関連IBSであると判定された場合、患者に治療有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を投与することと、を含む方法である。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、同一または異なる作用機序により作用する特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を治療するのに有効な1つまたは複数の追加の治療薬または療法と組み合わせて特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を治療するのに有用である。少なくとも1つの追加の治療薬は、同一または別個の剤形の一部として、同一または異なる投与経路を介して、および当業者に既知の標準的な薬務に従って同一または異なる投与スケジュールで、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と共に投与されてもよい。
したがって、本明細書では、特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を治療する方法も提供され、特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患の治療を必要とする対象に、(a)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、(b)追加の治療薬と、(c)任意選択で、特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患の治療のために同時に、別個に、または逐次的に使用するための少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、を含み、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物の量が、一緒に特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を治療するのに有効である、特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を治療するための薬学的組み合わせを投与することを含む。一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、追加の治療薬とは、別々の投与量で同時に投与される。一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、追加の治療薬とは、別個の投与量として任意の順序で逐次的に、共同的に治療有効量で、例えば、毎日もしくは断続的な投与量で、投与される。一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、追加の治療薬とは、組み合わされた投与量で同時に投与される。
本明細書では、(i)特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患の治療を必要とする対象において特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を治療するための薬学的組み合わせであって、(a)式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、(b)少なくとも1つの追加の治療薬(例えば、特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を治療するための、本明細書に記載されているか、もしくは当該技術分野において既知である例示的な追加の治療薬のいずれか)と、(c)任意選択で、特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患の治療のために同時に、別個に、または逐次的に使用するための少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、を含み、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物および追加の治療薬の量が、一緒に特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患を治療するのに有効である、薬学的組み合わせ;(ii)そのような組み合わせを含む医薬組成物;(iii)関節リウマチまたは過敏性腸症候群を治療するための医薬の調製のためのそのような組み合わせの使用;ならびに(iv)同時に、別個に、または連続的に使用するための組み合わせ調製物としてそのような組み合わせを含む市販のパッケージまたは製品;ならびに特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患の治療を必要とする対象における特発性肺線維症または自己免疫疾患または炎症性疾患の治療方法も提供される。一実施形態では、対象はヒトである。
一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と、追加の治療薬とは、別個の単位剤形として製剤化され、個別の剤形は、逐次的または同時のいずれかの投与に適している。これらは、カクテル療法、例えば、3つ以上の活性成分の投与にも適用される。
同様に提供されるのは、細胞においてBTKキナーゼ活性を阻害する方法であって、細胞を式Iの化合物と接触させることを含む、方法である。一実施形態では、接触はインビトロである。一実施形態では、接触、インビボである。一実施形態では、接触は、インビボであり、方法は、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、BTKキナーゼ活性を有する細胞を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、がん細胞である。一実施形態では、がん細胞は、本明細書に記載の任意のがんである。いくつかの実施形態では、がん細胞はBTK関連がん細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、B細胞である。
同様に提供されるのは、哺乳動物細胞においてBTKキナーゼ活性を阻害する方法であって、細胞を式Iの化合物と接触させることを含む、方法である。一実施形態では、接触はインビトロである。一実施形態では、接触、インビボである。一実施形態では、接触、インビボであり、方法は、有効量の式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物を、BTKキナーゼ活性を有する細胞を有する哺乳動物に投与することを含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、哺乳動物がん細胞である。一実施形態では、哺乳動物がん細胞は、本明細書に記載の任意のがんである。いくつかの実施形態では、哺乳動物がん細胞は、BTK関連がん細胞である。いくつかの実施形態では、哺乳動物細胞は、B細胞である。
本明細書では、インビトロまたはインビボにおいて、細胞増殖を阻害する方法も提供され、この方法は、細胞を、有効量の本明細書で定義されるような式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態、それらの噴霧乾燥分散体、またはそれらの医薬組成物と接触させることを含む。
4.キット
本明細書では、治療有効量の本明細書で提供される化合物を含む医薬組成物を含む1つまたは複数の容器を含む、例えば、がんまたは特発性肺線維症または自己免疫または炎症性疾患などのBTKに関連する疾患または障害の治療において有用な薬学的キットが提供される。そのようなキットは、当業者に容易に理解されるように、任意で、例えば、1つまたは複数の薬学的に許容される担体を含む容器、追加の容器(複数可)などの、1つまたは複数の様々な従来の薬学的キット成分をさらに含み得る。キットには、添付文書またはラベルとして、投与される成分の量、投与のガイドライン、および/または成分を混合するためのガイドラインを示す指示書を含めることもできる。
以下の実施例により、本発明を説明する。
実施例1:BTK活性アッセイ
A.BTKの変異体のBTK活性アッセイ
完全長の野生型(WT)および変異ヒトBTK酵素に対する式Iの化合物の活性は、[γ-33P]-ATPからのポリグルタミン酸-チロシン(ポリ-EY)ペプチド基質への[33P]-PO4の取り込みをモニタリングすることによって判定される。反応混合物はそれぞれ、ポリヒスチジンタグ付きBTK酵素、ポリEY、およびBTK阻害剤を適切な濃度で含んでいた。反応混合物は、それぞれの酵素に、10μMまたはATPのKm濃度で、[[γ-33P]-ATP(放射化学的濃度10μCi/μL)を加えた後、室温で20分間インキュベートする。室温で2時間インキュベートした後、放射性標識ペプチド基質を捕捉し、取り込まれた放射能を定量する。式Iの化合物は、BTK WT、患者において同定されたイブルチニブおよびアカラブルチニブ耐性変異であるBTK C481S、前臨床構成的活性BTK変異体であるBTK E41K、および臨床的に観察された肺がん変異であるBTK P190Kに対して試験される。10μM ATPでは、式Iの化合物のIC50値は、BTKおよびBTK C481Sでそれぞれ0.95nMおよび0.29nMである。KmのATP濃度では、式Iの化合物はBTK WT、BTK C481S、BTK E41K、およびBTK P190Kを、それぞれ3.15、1.42、7.85、および2.14nMのIC50値で阻害した。
B.キナーゼ選択性アッセイ
式Iの化合物は、放射性標識されたATP活性アッセイ(反応生物学野生型キナーゼプロファイラー)を使用して、371のキナーゼの阻害について試験される。各アッセイは、各酵素について、K
mに近いATP濃度で行われる。ヒト野生型BTK酵素に対するIC
50より約320倍大きく、BTK C481S変異体酵素に対するIC
50よりも約700倍大きい1.0μMの式Iの濃度の化合物で、BTK以外の371個のキナーゼのうち8個だけが50未満のコントロールパーセント(POC)値(50%を超える阻害に相当)を示した:BRK、CSK、ERBB4、FYN、MEK1、MEK2、TXK、およびYES1。これらのキナーゼおよびTECの酵素活性に対する式Iの化合物の阻害活性は、各酵素のATPのK
mに近いATP濃度で実施される放射性標識ATP活性アッセイを使用して判定される。式Iの化合物の連続希釈物との共インキュベーション後、ペプチド基質に取り込まれた
33Pの量を測定し、データは、標準的なカーブフィッティング方法を用いて分析される。結果を、表5に示す。
実施例2:式Iの化合物の多形スクリーニング
A.計装および分析方法
この実施例で記載する多形体スクリーニングで使用される計装および分析方法は以下の通りである。
粉末X線回折(XRPD)
XRPD分析は、Bragg-Brentano構成のBrukerD5000回折計で実行される。分析用に、各試料の約1mgをシリコンベースにマウントする。データはフーリエアルゴリズムを使用して平滑化され、バックグラウンドが各回折図から差し引かれる。以下の実験パラメータが使用される。
●線源:CuKα
●波長:1.5406Å
●スキャン範囲:2~40°(2θ)
●ステップサイズ:0.01°(2θ)
●1ステップあたりの時間:4.0秒
●電源電圧:40kV
●ソース電流:30mA
●発散スリット幅:2mm
●散乱防止スリット幅:2mm
●検出器スリット幅:0.2mm
●試料ローテーション:なし
核磁気共鳴(NMR)分光法
NMR実験は、5mm 1H広帯域法線ジオメトリプローブヘッドを備え、陽子に対して500.13MHzで作動するBrukerDRX500分光計で実施される。
示差走査熱量測定(DSC)
試料は、穴の開いた蓋付きのアルミニウムDSCに詰められる。次いで、試料パンがMettler Toledo823熱量計にロードされ、TA8000ワークステーションに接続される。
B.初期特性評価
式Iの化合物の多くの結晶化条件がスクリーニングされ、観察された固体がXRPDによって分析されて、形態および結晶化度が判定される。結果を以下の表6に示す。
C.式Iの化合物の多形形態A
試料67について、式Iの化合物約10mgをガラスバイアルに量り取り、メタノールに溶解して飽和溶媒を生成する。次いで、溶媒を撹拌しながら25℃で蒸発させる。式Iの化合物が溶液から沈殿した後、結晶は濾過によって収集される。式Iの化合物はXRPD(図1)によって分析され、形態Aとして同定される。
D.式Iの化合物の多形形態B
試料7について、式Iの化合物約10mgをガラスバイアルに量り取り、メタノールに溶解して飽和溶媒を生成する。次いで、溶媒を撹拌しながら25℃で蒸発させ、結晶を収集する。形態Bは、メタノール中の形態Aとの混合物として結晶化した。形態Aと形態Bの混合物のDSCは、約120℃の開始と約145℃での溶融の開始、おそらく形態Bの溶融を有する小さな発熱を示した(図2A)。約145℃での溶融に続いて、溶融物の形態Aへの変換に起因する発熱イベントが発生した。開始温度180℃の吸熱イベントは、形態Aの溶融物に起因する。形態Bの純粋な試料は、形態BのDSC曲線を判定するために必要とされる。図2Bは、形態Aと形態Bの混合物の1Hスペクトルを示す。
E.式Iの化合物の多形形態C
試料32について、式Iの化合物約10mgをガラスバイアルに量り取り、1,4-ジオキサンに溶解して飽和溶媒を生成する。次いで、溶媒を撹拌しながら25℃で蒸発させ、結晶を収集する。1H NMRスペクトルに基づくと、形態Cはヘミ-1,4-ジオキサン溶媒和物である(図3A)。フォームCのDSC曲線は、1,4-ジオキサンの損失に関連する40~110℃の吸熱を示した(図3B)。吸熱イベントの後に小さな発熱イベントが続き、その後に形態Aの溶融に起因する溶融吸熱が続く。脱溶媒和は、多形形態Aに変換する前に、同形の脱溶媒和物または異なる物理的フォームを提供するために発生し得る。
F.式Iの化合物の形態Aを調製する他の方法
式Iの化合物約10gをイソプロパノール(50mL、5mL/g)に懸濁し、加熱して溶解させる。温かい溶液を研磨濾過し、ゆっくりと室温まで冷却する。得られた固体を濾過により収集し、乾燥させて、XRPDにより、8.57g(86%)の式Iの化合物を形態Aとして得る。
式Iの化合物約20gをイソプロパノール(50mL、5mL/g)に懸濁し、加熱して溶解させる。温かい溶液を研磨濾過し、水(70mL、7容量)を含む反応器に加える。得られた固体を濾過により収集し、乾燥させて、XRPDにより、18.47g(92%)の式Iの化合物を形態Aとして得る。
式Iの化合物約15.1gをエタノール(76mL、5mL/g)に懸濁し、加熱して溶解させる(約70℃)。温かい溶液を研磨濾過してジャケット付き容器に入れ、約59℃まで冷却する。ここで、式Iの化合物の形態Aのシード(15mg)を充填する。反応器を55℃に冷却し、ヘプタン(91mL、6mL/g)を4時間かけて滴下する。懸濁液を1時間かけて15℃に冷却する。得られた固体を濾過により収集し、エタノール:ヘプタン(5:6比、30mL、2mL/g)で洗浄し、乾燥させて、XRPDにより式Iの化合物10.3g(68%)を形態Aとして得る。
式Iの化合物約2.5gを酢酸エチル(25mL、10mL/g)に懸濁し、加熱して溶解させる(約75℃)。次いで、約45℃に冷却し、式Iの化合物の形態Aをシードとした後、ヘプタン(22.5mL、9mL/g)をゆっくりと添加する。懸濁液を45℃で一晩保持し、次いで24℃に冷却する。得られた固体を濾過により収集し、乾燥させて、XRPDにより、1.6g(64%)の式Iの化合物を形態Aとして得る。
実施例3:式Iの化合物の形態Aの大規模調製
A.実験手順
1Lの円筒形反応器に、式Iの化合物[形態Aではない中間体グレードの(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド](80.0g、167mmol、1.0当量)を充填した。メタノール(600mL、7.5容量)を加え、全ての固体が溶解するまで懸濁液を室温で撹拌した。溶液を研磨濾過し、濾液を清潔で乾燥した5Lの円筒形ジャケット付き反応器に移す。メタノール(40mL、0.5容量)は、有機物の反応器への移動を助けるために使用される。溶液を55±5℃まで加熱する。水(640mL、8容量)は、添加漏斗を介して2時間かけて約5.33mL/分の速度で充填される。懸濁液が形成された。反応器を10℃/時の速度で15±5℃に冷却し、室温で一晩撹拌する。固形物をポリプロピレン布(ブフナー漏斗内)で濾過し、1:1の水:メタノール(2×80mL、2×1容量)で洗浄し、濾過ケーク上で約10分間乾燥させる。固体を55℃の真空オーブン内で一定の質量が達成されるまで乾燥して、100面積%のHPLC純度を示した式Iの化合物の74.0gの黄褐色の結晶性/砂質固体を得る。
B.式Iの化合物の形態A
実施例3Aで記載したように調製した式Iの化合物を、XRPD、
1H NMR、およびDSC/TGAにより分析し、形態Aとして同定した。形態AのX線粉末回折スキャンを、図4Aに示す。形態AのX線粉末回折ピークを、表7に示す。
1H NMRスペクトルを図4Bに示す。吸熱イベントは、約185℃の開始時にDCSによって観察される(図4C)。
実施例4:式Iの化合物の噴霧乾燥分散体(SDI/SDD)の調製
A.溶解度スクリーニング
式Iの化合物の溶解度は、表8に示されるように、水溶液中の種々のpH値で試験される。
式Iの化合物の溶解度は、pH1~pH10の間で14~17μg/mLである。
式Iの化合物の溶解度は、表9に示すように、腸液(絶食状態の模擬された腸液[FaSSIF]、摂食状態の模擬された腸液[FeSSIF]、および絶食状態の模擬された胃液[FaSSGF])を模擬する条件下でも試験される。
式Iの化合物の脂質ビヒクルへの溶解度も調べる。式Iの化合物の形態Aを、透明な20mLのガラスバイアルに加え、続いて対応する賦形剤、例えばMIGLYOL(登録商標)812(飽和ココナッツおよびパームカーネルオイル由来のカプリル酸およびカプリル脂肪酸およびグリセリン、例えばC8およびC10トリグリセリド)、CAPMUL(登録商標)MCM EP(グリセリルモノカプリロカプレートタイプI(EP))、PECEOL(商標)(グリセロールモノオレエート(タイプ40)EP、グリセリルモノオレエート(タイプ40)NF)、LABRAFIL(登録商標)M2125CS(リノレオイルポリオキシル-6グリセリド)、LAUROGLYCOL(商標)FCC(プロピレングリコールモノラウレート(タイプI))、Span(登録商標)80(ソルビタンモノオレエート)、PHOSAL(登録商標)53MCT(カプリル酸/カプリックトリグリセリド中のレシチン、アルコール、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸、およびパルミチン酸アスコルビル)、またはカプムルPG-8(プロピレングリコールモノカプリレート)を加える。次いで、式Iの化合物が目に見えて溶解するまで、試料を手持ちのホモジナイザーで10分間ホモジナイズする。試料は周囲条件で一晩混合される。一致する対照製剤のセットも調製される。脂質ベースの製剤の賦形剤スクリーニングは、式Iの化合物の溶解度がPEG400、LABRASOL(登録商標)ALF(例えば、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド)、KOLLIPHOR(登録商標)EL(例えば、ポリオキシルヒマシ油)、Tween80、およびビタミンE TPGSで最高であることを示した。
試験した賦形剤の中で、式Iの化合物はLABRASOL(登録商標)ALFおよびPEG-400に最も溶解する。
B.式Iの化合物を噴霧乾燥することによる固体分散体
有機溶媒への溶解度スクリーニングでは、メタノール、アセトン、ジクロロメタン、95:5のテトラヒドロフラン:水、および80:20のジクロロメタン:メタノールが噴霧乾燥に適した溶媒であることが示された。式Iの化合物、HPMCAS-MG(アセチル含有量が約7%~約11%およびスクシノイル含有量が約10%~約14%の粒状ヒプロメロースアセテート)、HPMC E3(平均含有量が29%のメトキシル基および10%のヒドロキシプロピル基を持つヒプロメロース)、KOLLIDON(登録商標)VA64(平均粒経が約50μm~約25050μmのビニルピロリドン-酢酸ビニル共重合体)、またはPVPK30(44,000~54,000g/molの平均分子量のポリビニルピロリドンポリマー)を含む4つの噴霧乾燥分散体(SDD)が調製される。開発した製剤の組成を表11および表12に示す。
調製された噴霧乾燥分散体のプロトタイプは、mDSC(図5)、XRPD(図6)、およびTGA(図7)によって評価される。主な結果を表13に要約する。
XRPDとmDSCデータは両方とも、4つのプロトタイプが非晶質であり、検出可能なレベルの結晶性物質がないことを確認した。4つのSDIは全て、純度と非晶質形態に関して40℃で2週間安定である。
C.噴霧溶液および噴霧
噴霧溶液は、ジクロロメタン(14.3kg)とメタノール(3.6kg)を36Lのステンレス鋼混合容器に加えることによって調製される。HPMCAS-MG(984g)を溶媒系に加え、ポリマーが完全に可溶化するまで中程度のボルテックスでトップダウンミキサーで混合する。次いで、式Iの化合物(995g、98.8重量%に補正)を溶液に加え、完全に可溶化するまで中程度のボルテックスで混合する(表14を参照)。噴霧溶液は、噴霧中に140μmのインラインフィルターを通過させる。噴霧溶液の粘度は23.86cPと測定される。
モバイルマイナー噴霧器乾燥機が使用され、表15に従って設定され、噴霧前に約1時間ウォームアップされる。洗浄液(80:20のジクロロメタン:メタノール)を活性溶液の前に噴霧して、ノズルを平衡化する。式Iの化合物の活性溶液は、表15にもある設定に従って噴霧される。
約20kgの溶液が噴霧され、1840.54gの「湿式」噴霧乾燥中間体(SDI)が得られる。噴霧後、SDIはシェル真空オーブンで40℃、-25水銀柱インチの真空下で10scfhの窒素パージ下で乾燥(4日間)される。SDIをオーブンに入れる前と乾燥後に試料を採取し、GC分析によって残留溶媒を分析して、SDIが乾燥していることを確認する。4日間の乾燥後のGCの結果は、ジクロロメタン(<600ppm、実際は65ppm)とメタノール(<3000ppm、実際は9ppm)の両方の目標範囲内である。SDIは合計86時間乾燥される。乾燥したSDIは、かさ/タップ密度および粒経分布について分析される。SDIは、二重の低密度ポリエチレンバッグにパッケージされ、乾燥されてから、マイラーバッグに密封される。式Iの化合物のSDIの1742.90gが収集され、88%の収率が得られる。
D.噴霧溶液および噴霧
噴霧溶液は、溶液調製容器にメタノール(62.0kg)を加えることによって調製される。式Iの化合物(5.9kg)を混合しながら加える。ポリマーおよび式Iの化合物が完全に可溶化されるまで混合しながら、HPMCAS-MG(5.9kg)を溶液調製容器に加える。少しかすんだ外観は許容される。表16を参照されたい。
BLD-200噴霧器乾燥機が使用され、表17に従って設定される。洗浄液(メタノール)を活性溶液の前に噴霧して、ノズルを平衡化し、処理中に冷却水を噴霧乾燥機の蓋に流す。式Iの化合物の活性溶液は、表17の設定に従って噴霧される。
噴霧後、SDIは40℃/15%相対湿度のオーブンで乾燥(21時間)される。19時間の乾燥後のGCの結果は、メタノールの目標限界内(≦0.3wt%、実際は定量限界未満)であり、式Iの化合物のSDIの9.96kgが収集され、84%の収率が得られる。
実施例5:式Iの化合物の噴霧乾燥分散体を含む医薬組成物
A.式Iの化合物を含む顆粒内組成物の調製
次の成分を次の順序で秤量し、適切なサイズのガラス瓶に加える:微結晶性セルロースの約半分、マンニトールまたはラクトースの約半分、全てのSDIおよび崩壊剤、マンニトールまたはラクトースの残りの半分、および微結晶性セルロースの残りの半分。成分はTurbulaで混合され、次いで850μmのスクリーンでふるいにかけられる。成分は再びTurbulaで混合される。ステアリン酸マグネシウムを加え、混合物をTurbula上で混合する。大規模な実行では、Turbulaの代わりにVブレンダーが使用される。
B.顆粒内組成物の造粒
第1の組成物とも呼ばれる顆粒内は、2200PSIの圧縮力でNatoli0.7”フラットフェースツーリングを使用してシングルステーションタブレットプレスでスラッグされる。第1の組成物が使い果たされるまで、スラッグ手順が繰り返される。乳鉢および乳棒を使用してスラッグを軽く砕き、組成物を1mmのふるいスクリーンに通し、次いで850μmのふるいスクリーンに通す。1mmまたは850μmのふるいスクリーンを通過するには大きすぎる顆粒片は、乳鉢および乳棒でさらに砕かれる。全ての断片が850μmのふるいスクリーンを通過するまで、このプロセスが繰り返される。
C.式Iの化合物を含む医薬組成物の実施例
医薬組成物は、上述のように調製された顆粒内組成物を、表18に列挙される成分、グリデント、および潤滑剤を含む顆粒外成分と組み合わせて、医薬組成物を提供することによって調製することができ、これを使用して、以下の実施例6~8にさらに記載されるような式Iの化合物の様々な用量を含む組成物および錠剤を調製することができる。
実施例6:25mgの式Iの化合物の医薬組成物の調製
成分は次の順序で計量され、適切なサイズのコンテナに追加される:AVICEL(登録商標)PH200の半分、PARTECK(登録商標)M200の半分、実施例4で調製された顆粒内組成物の全ての顆粒、EXPLOTAB(登録商標)、PARTECK(登録商標)M200、およびAVICEL(登録商標)PH200。これをTurbulaで32RPMで5分間混合し、次いで850μmのスクリーンでふるいにかける。混合物をさらにTurbula上で32RPMで5分間混合する。ステアリン酸マグネシウムを加え、混合物をTurbulaで32RPMで2分間混合する。大規模な実行では、Turbulaの代わりにVブレンダーが使用される。
実施例7:100mgの剤形の調製
成分は次の順序で秤量され、適切なサイズの容器に追加される:第1の組成物の顆粒の約半分、Explotab(登録商標)またはSyloid244FP(登録商標)の全て、実施例4で調製された第1の組成物の顆粒の残りの半分。これをTurbulaで32RPMで5分間混合し、次いで850μmのスクリーンでふるいにかける。これをさらにTurbula上で32RPMで5分間混合する。ステアリン酸マグネシウムを瓶に加え、混合物をTurbulaで32RPMで2分間混合する。大規模な実行では、Turbulaの代わりにVブレンダーが使用される。
実施例8:コーティング錠の調製
25mgの式Iの化合物の医薬組成物を錠剤プレスでプレスし、15%Opadry/85%注射用滅菌水(SWFI)混合物を噴霧して、最終的にコーティングされた錠剤を作製する。25mgの錠剤は0.3437インチラウンド(Natoli)である。
100mgの式Iの化合物の医薬組成物を錠剤プレスでプレスし、15%Opadry/85%注射用滅菌水(SWFI)混合物を噴霧して、最終的にコーティングされた錠剤を作製する。100mgの錠剤は0.3750インチラウンド(Natoli)である。
式Iの噴霧乾燥中間体の化合物、および式Iの結晶性化合物と比較した錠剤の溶解は、表21の条件を使用して測定される。結果は図8に示されている。
実施例9:式Iの化合物の噴霧乾燥分散体のインビボ薬物動態パラメータおよびバイオアベイラビリティの比較。
A.式Iの化合物の噴霧乾燥分散体に種々のポリマーを使用する比較
実施例4、表11からの試料1、試料2、および試料3の懸濁液のバイオアベイラビリティの違いを調査するために、インビボラットのバイオアベイラビリティおよび薬物動態学的研究が実施される。
各製剤は0.5%HPMCに懸濁され、400mg/kgの用量で3~5匹のオスのSprague Dawleyラットに投与される。薬物動態(PK)分析用の試料は、投与後0.5、1、2、4、8、24、48、および72時間に収集される。血液試料は血漿に処理され、式Iの化合物の濃度が分析されるまで、-70℃で凍結保存される。血漿中の式Iの化合物の濃度は、質量分析検出を備えた逆相HPLCによって判定される。式Iの化合物の曲線下面積(AUC)は、研究の時間経過にわたって台形法によって計算される。多重比較のためのダネット補正を伴う分散分析は、参照式との差異の統計的有意性を判定するために使用される。AUCと最大濃度(Cmax)の値は、表22にラットの各群の平均±標準偏差として報告されている。
B.式Iの化合物の種々の薬物負荷を使用した比較
インビボラットバイオアベイラビリティおよび薬物動態研究は、400mg/kgの用量での30%、40%、または50%の薬物負荷(それぞれ、7:3、3:2、または1:1のいずれかのHPMCAS-MG:式Iの化合物のSDD)、あるいは100mg/kgの用量での50%の薬物負荷(1:1のHPMCAS-MG:式Iの化合物のSDD)の懸濁液のバイオアベイラビリティの増加を調査するために実施された。各製剤は0.5%HPMCに懸濁され、5匹のオスのSprague Dawleyラットに投与される。薬物動態(PK)分析用の試料は、投与後0.5、1、2、4、8、24、48、および72時間に収集される。血液試料は血漿に処理され、式Iの化合物の濃度の分析まで-70℃で凍結保存される。血漿中の式Iの化合物の濃度は、質量分析検出を備えた逆相HPLCによって判定される。式Iの化合物の曲線下面積(AUC)は、研究の時間経過にわたって台形法によって計算される。AUCとCmaxの値は、表23にラットの各群の平均±標準偏差として報告されている。
C.インビボのイヌのバイオアベイラビリティおよび薬物動態研究
参照形態(式Iの微粉化化合物)および式Iの化合物のSDD製剤(1:1のHPMCAS-MG:式Iの化合物)のバイオアベイラビリティの違いを調査するために、インビボのイヌのバイオアベイラビリティおよび薬物動態研究を実施する。参照形態とSDD形態は、水中の0.5%HPMCに懸濁され、30mg/kgの用量で7匹または8匹のイヌに投与される。イヌは投与の45分前に一晩絶食(絶食)するか、缶詰食品を与える(摂食)。薬物動態(PK)分析用の試料は、投与後30分、1、2、4、8、24、および48時間に収集される。血液試料は血漿に処理され、式Iの化合物の濃度の分析まで-70℃で凍結保存される。血漿中の式Iの化合物の濃度は、質量分析検出を備えた逆相HPLCによって判定される。式Iの化合物の曲線下面積は、研究の時間経過にわたって台形法によって計算される。多重比較のためのダネット補正を伴う分散分析は、参照式との差異の統計的有意性を判定するために使用される。AUCとCmaxの値は、表24にイヌの各群の平均±標準偏差として報告されている。
実施例10:BTKおよびBTK C481Sを安定的に発現するHEK293細胞におけるY223自己リン酸化に対する式Iの化合物およびイブルチニブの用量反応作用。
BTK野生型および変異型C481Sを安定的に発現するHEK293細胞株は、標準的なトランスフェクション法を使用して生成される。細胞阻害効力の評価のために、細胞を、37℃のCO2インキュベーターにおいて、DMEM中+10%ウシ胎仔血清(FBS)+1μg/mlのピューロマイシン(完全増殖培地)中で増殖せた。TRYPLE(商標)(Gibco#12604-013)を使用して標準プロトコルに従って細胞を回収し、カウントし、完全増殖培地に再懸濁し、2mLで4×10^5細胞/ウェルで6ウェルアッセイプレートに加える。細胞プレートを37℃および5%CO2で一晩インキュベートする。翌日、細胞を式Iまたはイブルチニブの化合物で2時間処理する。これは、6点用量曲線、1:3希釈系列として作成され、最終濃度は最大濃度300nMで始まり、DMSO濃度0.5%(v/v)は一定である。対照ウェルには、0.5%(v/v)DMSOのみが含まれていた(阻害なし対照)。全ての試料を三重で試験した。化合物のインキュベーション後、増殖培地を廃棄し、細胞をDPBS(1倍)(Gibco#14190-144)で洗浄し、1×Haltホスファターゼおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Pierce#78442)を含む1mLのCELLYTIC(商標)M(Sigma#C2978)で溶解する。プレートを穏やかに撹拌しながら氷上に1時間置き、-80℃で一晩保存する。翌日、細胞溶解物を1.5mLチューブに入れ、4℃で10分間16,000×gで遠心分離して清澄化する。上清はBCA(Pierce#23225)によって定量化され、-80℃で保存される。試料は、抗リン酸化BTK(Y223)(Cell Signaling Technologies(CST)#5082)および抗BTK(CST#8547)を使用したSimple Western(Protein Simple)によって分析される(図10Aおよび10B)。β-アクチンはローディング対照として使用され、抗β-アクチン抗体(CST#4970)による通常のウエスタンブロットによって検出される。Simple Westernの結果は、Compassソフトウェア(Protein Simple)によって分析される。BTK Y223リン酸化シグナルは総BTKに正規化され、IC50値はGraphPadPrism7.04ソフトウェアの4パラメータフィットを使用して計算される。図10Cおよび10Dは、阻害剤濃度と平均BTK Y223リン酸化シグナルの比較を、3つの独立したアッセイの標準偏差と共に示す。式Iの化合物は、野生型とC481S変異タンパク質の両方において、それぞれ8.6±0.3nMおよび8.8±1.8nMのIC50値でBTK Y223の自己リン酸化を阻害した。イブルチニブは5.7±0.5nMのIC50でBTK野生型を阻害し、C481S変異体に対するその活性はIC50曲線に適合できなかった。
実施例11:Ramos RA1細胞におけるBTK Y223自己リン酸化およびPLCγ2 Y1217リン酸化に対する式Iの化合物の阻害活性。
ATCC(CRL-1596)から入手したRamos RA1細胞は、37℃のCO2インキュベーターにおいてRPMI 1640+10%ウシ胎仔血清(FBS)中で培養される。細胞を回収し、FBSを含まないRPMI 1640で洗浄し、1.2×10^7細胞/mLの濃度で再懸濁する。900μLの細胞/ウェルを24ウェルプレートに加え、100uLの10×ストックの阻害剤を加える。10倍の式Iの化合物のストックは、ウェル内の最終濃度が900nM~0.41nMの範囲で1:3希釈系列を実行することにより、1%DMSOで調製される。イブルチニブは100および300nMで試験され、対照ウェルのDMSO最終濃度は0.01%であった。全ての試料を三重で試験した。2時間後(飢餓および投与)、オルトバナジン酸ナトリウムを最終濃度が200μMになるように添加し、さらに30分間インキュベートする。次いで、細胞を4uLのヤギF(ab’)2抗ヒトIgM(Jackson ImmunoResearch#109-006-129)で室温で5分間刺激し、スピンダウンし、5×Haltホスファターゼおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル(Pierce#78442)を含む100uLのCELLYTICTM M(Sigma#C2978)に再懸濁し、-80℃で保存する。溶解物をBCA(Pierce#23225)で定量し、Simple Western(Protein Simple)で次の抗体を用いて分析する:抗リン酸化BTK(Y223)(Cell Signaling Technologies(CST)#5082)、抗BTK(CST#8547)、抗リン酸化PLCγ2(Y1217)(CST 3871)、抗PLCγ2(CST 3872)、および抗GAPDH(GAPDHはグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼを指す)(Novus#MAB5718-SP)。GAPDHはローディング対照として使用される。図11Aは代表的なウエスタンブロットを示す。結果はCompassソフトウェア(Protein Simple)で分析され、IC50値はGraphPadPrism7.04ソフトウェアで計算される。BTK Y223リン酸化シグナルは総BTKに正規化され、PLCγ2 Y1217リン酸化は総PLCγ2に正規化される。図11Bは、BTK Y223リン酸化シグナル対阻害剤濃度を示し、図11Cは、PLCγ2 Y1217リン酸化シグナル対阻害剤濃度を示している。式Iの化合物は、3.2±0.6nMでのIC50でBTK Y223の自己リン酸化および8.2nM±4.3でのIC50でPLCγ2 Y1217のリン酸化を阻害した。
実施例12:ヒトTMD8びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞株におけるBTK依存性細胞増殖に対する式Iの化合物の効果。
TMD8細胞は、10%ウシ胎仔血清(FCS)、1%GLUTAMAX(商標)、非必須アミノ酸、および1mMピルビン酸ナトリウムを含むRPMI1640(Gibcoカタログ#31870-025)で維持される。3×106細胞/mLの濃度に達する前に、遠心分離(5分、1200rpm)によって細胞を回収する。Cellometer(Nexcelom)で計数する前に、培地を除去し、細胞ペレットを新しい培地に再懸濁する。TMD8細胞をT75培養フラスコ内の培地20mLに5×104個細胞/mLで播種し、5%CO2で37℃に保持する。
式Iの化合物とTMD8細胞との抗増殖活性は、阻害剤の濃度を0.1~1,000nMに増加させることによってアクセスされる。用量依存的な阻害は、TMD8コンフルエントのリアルタイム評価によって観察される。それぞれの式Iの化合物の濃度の個々の曲線を図12Aに示す。各個々の曲線の曲線下面積(AUC)の定量は、TMD8増殖に対する式Iの化合物についての2.33nMでのIC50の判定を可能にした(図12B)。これらのデータは、式Iの化合物が用量依存的にTMD8細胞の増殖を阻害することを示している。
実施例13:OCI-Ly10異種移植片を移植されたオスのNOD SCIDマウスにおける式Iの化合物の腫瘍増殖阻害。
合計65匹のオスのNOD-SCIOマウスが研究に使用される。研究の開始時に、動物は6~8週齢で、体重は約21~27gである。動物はIVCケージ(ケージあたり最大5匹)に収容され、個々のマウスは尾のマーキングによって同定される。研究中、全ての動物は標準の認定された市販の食餌と消毒水に自由にアクセスできる。保管室は、20~24℃、湿度40~70%、12時間の明暗サイクルという標準的な条件下で維持される。マウスを無作為に処理群に割り当てる。OCI-LY10細胞をオスのNOD SCIDマウスの脇腹に皮下移植し、約150~200mm3の体積へと増殖させる。投与量は、式Iの化合物またはイブルチニブが湿るまで撹拌し、30分間超音波処理し、室温で一晩、および投与期間の間に撹拌することによって調製される。使用される製剤は、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。投与量は10mL/kgである。個々の動物の用量は、投与日に記録された体重から計算される。動物は28日間投与される。動物の体重および健康の観察は、投薬期間中毎日記録される。
腫瘍体積は、研究中に週に3回測定される。10mg/kgと50mg/kgの両方の1日2回の式Iの化合物は、投与期間中の腫瘍増殖の阻害をもたらした。図13Aは、示されたビヒクルまたは阻害剤を経口投与されたマウスの平均±SEMとして表示された腫瘍体積を有する腫瘍増殖を示す。式Iの化合物による腫瘍増殖の阻害は、投与が停止された後でも維持される(図13B)。10mg/kgおよび50mg/kgの両方の1日2回の式Iの化合物による処理は、イブルチニブで治療された動物からの腫瘍よりも有意に小さい腫瘍をもたらした(それぞれ、p=0.0008および<0.0001、Tukey事後検定による分散分析)。図13Cは、平均±SEMとして表示された治療過程中の正規化された体重値を示す。
実施例14:SCIDマウスにおけるヒト異種移植片びまん性大細胞型B細胞リンパ腫モデルにおける腫瘍増殖
細胞培養
ヒトびまん性大細胞型B細胞リンパ腫TMD8細胞は、10%ウシ胎仔血清(FCS)と1%Glutamaxを含むRPMI1640に懸濁状態で維持される。細胞を50mLのFalconチューブに移し、1200rpmで5分間遠心分離する。上清を除去し、細胞ペレットをPBSに再懸濁してから、マトリゲル(1/1、v/v)と混合する。40×106細胞/mLの最終標的細胞濃度での細胞懸濁液:マトリゲル混合物は、マトリゲル溶液を液体状態に維持するために、s.c.注射(250μL/マウス)まで氷上に保持される。
動物系統
動物は、注射の日に9週齢のメスのBalB/cマウスである。マウスは、HEPAフィルター付き空気供給を備えた個別に換気されたケージラックに収容され、免疫不全動物に接触する全ての材料は蒸気滅菌される。これには、ケージ、寝具、水、飼料が含まれる。動物室の条件は以下のように設定されている。温度は22±2℃、相対湿度は50±10%である。明暗サイクルは12時間/12時間で、空気交換率は、濾過された100%新鮮な空気の12~15サイクル/時間である。全ての動物は、滅菌水と照射された管理食品に自由にアクセスできた(参照A04CSafe,Augy-France)。
式Iの化合物の調製
式Iの化合物は、メチルセルロース/Tween80/水(0.6%/0.5%/98.5%;w/w/v)で配合されている。対照群の投与のためのビヒクルは、メチルセルロース/Tween80/水(0.6%/0.5%/98.5%;w/w/v)、10mL/kgである。式Iの化合物151.4mgを秤量し、50.4mLのビヒクルで製剤化して、3mg/mLの遊離塩基の溶液を得る。1mg/mLの懸濁液調製物について、式Iの化合物50.1mgを秤量し、そして50.1mLのビヒクルに可溶化する。
腫瘍細胞注射および腫瘍増殖モニタリング
メスのSCIDマウスは、ISOFLURANE(登録商標)(5%をO2/空気と混合、2L/分)の吸入によって麻酔される。注射領域(下腹部)が剃毛される。TMD8細胞懸濁液を注射する前に、皮膚を洗浄し、クロルヘキシジンで消毒する。250μL体積の細胞懸濁液(MATRIGEL(登録商標)と混合したPBS中の細胞、10×106細胞に対応)を、30ゲージの針を使用してs.c.で注射する。数秒後、針を外し、注射領域をクロルヘキシジンで洗浄する。次いで、マウスは完全に回復するまで28℃の術後チャンバーに保持される。
腫瘍の幅と長さはデジタルノギスで測定される。mm
3での腫瘍体積は以下の式によって算出される:体積=0.52×(幅)
2×長さ/2、幅および長さはmm単位で測定される。腫瘍体積が平均サイズ150mm
3に達したとき(この研究では細胞注射の14日後)、マウスを3つの別々の実験群に分けて、平均腫瘍体積±SEMが近い均質な群を作成する。マウスの体重は毎日チェックされ、腫瘍体積は週に2~3回チェックされる。処理のための研究群の概要を表25に示す。図14Aは、3つの群の細胞注射後の日数に対する平均±SEMとして表示された腫瘍体積を示す。最後の投与は、細胞注射後28日目に行われ、これは14日間の慢性投与に相当する。
細胞注射後28日目に各マウスから腫瘍を収集する。マウスは、isoflurane(登録商標)(5%をO2/空気と混合、2L/分)の吸入によって麻酔される。腫瘍を秤量する。図14Bは、3つの群の平均±SEMとして表示された研究終了時の腫瘍重量を示す。各群間の腫瘍重量統計分析は、一元配置分散分析と二元配置分散分析によって決定され、マウスの体重と腫瘍体積のモニタリングを繰り返し測定した後、ダネット検定が行われる。差は、P値<0.05で有意であると見なされる。図14Cは、3つの群の平均±SEMとして表示された細胞注射後の日数に対するマウスの体重を示す。
式Iの化合物の10および30mg/kgでの14日間の慢性経口の1日2回投与は、十分に許容される。高用量では、処理により、SCIDマウスのTMD8腫瘍異種移植片の増殖が有意に減少した(ビヒクル処理群と比較して、TGIはそれぞれ35%および87%)。式Iの化合物を30mg/kgで1日2回処理することによる腫瘍増殖の強力な阻害効果は、終点での腫瘍重量によって確認される。
実施例15:イヌにおける、懸濁液中の式Iの結晶性化合物および懸濁液中の式Iの化合物の噴霧乾燥分散体のバイオアベイラビリティおよび薬物動態の比較
A.懸濁液中の式Iの結晶性化合物として投与された式Iの化合物の薬物動態
式Iの結晶性化合物は、30mg/kgの投与のために、6mg/mLの0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)中の懸濁液として調製される。用量製剤化には補正係数は使用されない。3匹のオスと5匹のメスのビーグル犬に、0.5%HPMCの懸濁液として製剤化された式Iの化合物30mg/kgの単回PO強制飼養経口投与を行う。全ての動物は、投与期間/摂食条件の間の7日間のウォッシュアウト期間の後、摂食状態および絶食状態で式Iの結晶性化合物の懸濁液を投与される。両方の摂食条件について、食品へのアクセスは、用量投与の少なくとも12時間前に除去される。クロスオーバー#1では、6匹のイヌに用量投与の約45分前に缶詰と乾燥食品の混合物を与え(群1)、2匹のイヌに絶食状態で式Iの化合物を投与し、投与の4時間後に給餌する(群2)。クロスオーバー#2では、クロスオーバー#1で絶食状態において式Iの化合物を投与された2匹のイヌに、用量投与の約45分前に缶詰と乾燥食品の混合物を与え(群3)、クロスオーバー#1で摂食状態において式Iの化合物を投与された5匹のイヌに、絶食状態で式Iの化合物を投与し、投与の4時間後に給餌する(群4)(表26)。同じ3匹のオスと3匹のメスが群1と4に割り当てられ(群1に割り当てられているが群4には含まれていない1匹のメスを除く)、同じ2匹のメスが群2と3に割り当てられる。
血液試料は、0(投与前)、0.5、1、2、4、8、24、および48時間のPO投与後、頸静脈を介してEDTA採血管に収集される。試料を3500rpmで10分間、4~8℃で遠心分離し、血漿画分を生物分析分析(bioanalytical analysis)の前に-70℃で凍結保存する。イヌの血漿中の式Iの化合物の濃度は、アセトニトリルによるタンパク質沈殿後のLC-MS/MSによって判定される。式Iの化合物の非コンパートメント薬物動態パラメータは、経時的な個々の血漿濃度プロファイルおよびマイクロソフトエクセルを使用する従来の方法によって計算される。
B.懸濁液中の式Iの化合物の噴霧乾燥分散体として投与される式Iの化合物の薬物動態。
式Iの化合物の噴霧乾燥中間体(SDI)(1:1のHPMCAS-MG:式Iの化合物)は、30mg/kgの投与のために6mg/mLの0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)中の懸濁液として調製される。4匹のオスと4匹のメスのビーグル犬に、0.5%HPMCの懸濁液として製剤化された式Iの化合物50%SDI30mg/kgの単回PO強制飼養経口投与を行う。全ての動物は、投与期間/摂食条件の間の7日間のウォッシュアウト期間の後、摂食状態および絶食状態で試験品を投与される。両方の摂食条件について、食品へのアクセスは、用量投与の少なくとも12時間前に除去される。クロスオーバー#1では、4匹のイヌに用量投与の約45分前に缶詰と乾燥食品の混合物を与え(群1)、4匹のイヌに絶食状態で式Iの化合物を投与し、投与の4時間後に給餌する(群2)。クロスオーバー#2では、クロスオーバー#1で絶食した4匹の犬に、用量投与の約45分前に缶詰とドライフードの混合物を与え(群4)、クロスオーバー#1で絶食した4匹の犬に絶食状態で式Iの化合物を投与し、投与の4時間後に給餌した(群3)(表27)。同じ2匹のオスと2匹のメスが群1と3に割り当てられ、同じ2匹のオスと2匹のメスが群2と4に割り当てられる。
血液試料は、0(投与前)、0.5、1、2、4、8、24、および48時間のPO投与後、頸静脈を介してEDTA採血管に収集される。試料を3500rpmで10分間、4~8℃で遠心分離し、血漿画分を生物分析分析の前に-70℃で凍結保存する。イヌの血漿中の式Iの化合物の濃度は、アセトニトリルによるタンパク質沈殿後のLC-MS/MSによって判定される。式Iの化合物の非コンパートメント薬物動態パラメータは、経時的な個々の血漿濃度プロファイルおよびマイクロソフトエクセルを使用する従来の方法によって計算される。
C.式Iの化合物の噴霧乾燥分散体の錠剤として投与された式Iの化合物の薬物動態。
各動物には、300mg/イヌ(約30mg/kg)の投与のために3錠が投与される。錠剤は、式Iの化合物50%SDIを含んでいた。4匹のオスと4匹のメスのビーグル犬に、3つの100mgの式Iの化合物の錠剤のPO強制飼養経口投与を1回投与する。全ての動物は、投与期間/摂食条件の間の7日間のウォッシュアウト期間の後、摂食状態および絶食状態で試験品を投与される。両方の摂食条件について、食品へのアクセスは、用量投与の少なくとも12時間前に除去される。クロスオーバー#1では、4匹のイヌに用量投与の約45分前に缶詰と乾燥食品の混合物を与え(群1)、4匹のイヌに絶食状態で式Iの化合物を投与し、投与の4時間後に給餌する(群2)。クロスオーバー#2では、クロスオーバー#1で絶食条件下で投与される4匹のイヌに、用量投与の約45分前に缶詰と乾燥食品の混合物を与え(群4)、クロスオーバー#1で摂食条件下で投与される4匹のイヌに、絶食状態で式Iの化合物を投与し、投与の4時間後に給餌する(群3)(表28)。同じ2匹のオスと2匹のメスが群1と3に割り当てられ、同じ2匹のオスと2匹のメスが群2と4に割り当てられる。
血液試料は、0(投与前)、0.5、1、2、4、8、24、および48時間のPO投与後、頸静脈を介してEDTA採血管に収集される。試料を3500rpmで10分間、4~8℃で遠心分離し、血漿画分を生物分析分析の前に-70℃で凍結保存する。イヌの血漿中の式Iの化合物の濃度は、アセトニトリルによるタンパク質沈殿後のLC-MS/MSによって判定される。式Iの化合物の非コンパートメント薬物動態パラメータは、経時的な個々の血漿濃度プロファイルおよびマイクロソフトエクセルを使用する従来の方法によって計算される。
図15Aは、パートAで懸濁液中の式Iの結晶性化合物を投与されたイヌの摂食のイヌまたは絶食のイヌの血漿中の式Iの化合物の濃度を示す。式Iの化合物の平均曝露(CmaxおよびAUC0-t)は絶食した動物と比較して、摂食では5~7倍大きい。
図15Bは、パートBで式Iの化合物50%SDIを投与したイヌの摂食のイヌまたは絶食のイヌの血漿中の式Iの化合物の濃度を示す。摂食または絶食した動物への式Iの化合物50%SDIの投与後の式Iの化合物の曝露に明らかな違いはない。
本発明の他の態様を以下に記載する。
本発明は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、または多形形態、およびヒプロメロースアセテートスクシネート(HPMCAS)ポリマーを含む噴霧乾燥分散体を提供する。一実施形態は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、または多形形態と、HPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。別の実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、または多形形態と、HPMCASポリマーとの比は、約1:1である。
本発明は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、または多形形態が、噴霧乾燥される前に1つまたは複数の有機溶媒に溶解される、本明細書に記載の噴霧乾燥分散体を調製するプロセスを提供する。一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、または多形形態は、噴霧乾燥される前に、80:20のジクロロメタン:メタノールに溶解される。実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、または多形形態は、式Iの化合物の形態Aである。
本明細書は、噴霧乾燥分散体および1つまたは複数の医薬賦形剤を含む第1の組成物を含む医薬組成物であり、噴霧乾燥分散体は、HPMCASポリマーおよび式Iの化合物、または薬学的に許容される塩、非晶質、もしくはその多形形態を含む、医薬組成物を提供する。式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態と、噴霧乾燥分散体中のHPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。代替的に、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態と、噴霧乾燥分散体中のHPMCASポリマーとの比は、約1:1である。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約20%~約75%w/wの量で存在する。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約30%~約60%w/wの量で存在する。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約40%~約50%w/wの量で存在する。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約45%w/wの量で存在する。
一実施形態では、医薬賦形剤は、充填剤、潤滑剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。充填剤は、第1の組成物の約25%~約80%w/wの量で存在する。一実施形態では、充填剤は、第1の組成物の約45%~約65%w/wの量で存在する。一実施形態では、充填剤は、第1の組成物の約55%w/wの量で存在する。一実施形態では、充填剤は、サッカリド、ゼラチン、合成ポリマー、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、充填剤は、スクロース、ラクトース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポロキサマー、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
一実施形態では、充填剤は、結合剤、崩壊剤、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、結合剤は、第1の組成物の約30%~約80%w/wの量で存在する。一実施形態では、結合剤は、第1の組成物の約40%~約60%w/wの量で存在する。一実施形態では、結合剤は、第1の組成物の約52%w/wの量で存在する。一実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースデンプン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、ソルビトール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、マンニトール、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約5%~約55%w/wの量で存在する。一実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約10%~約40%w/wの量で存在する。一実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約20%~約30%w/wの量で存在する。一実施形態では、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約26%w/wの量で存在する。
一実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の約5%~約55%w/wの量で存在する。一実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の約10%~約40%w/wの量で存在する。一実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の約20%~約30%w/wの量で存在する。一実施形態では、マンニトールは、第1の組成物の約26%w/wの量で存在する。
一実施形態では、崩壊剤は、第1の組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在する。一実施形態では、崩壊剤は、第1の組成物の約1.5%~約3.5%w/wの量で存在する。一実施形態では、崩壊剤は、第1の組成物の約2.5%w/wの量で存在する。一実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アニオン交換樹脂、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。
一実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の約0.05%~約2.5%w/wの量で存在する。一実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の約0.1%~約1%w/wの量で存在する。一実施形態では、潤滑剤は、第1の組成物の約0.25%w/wの量で存在する。一実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。
一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約20%~約75%w/wの量で存在し、充填剤は、第1の組成物の約25%~約80%w/wの量で存在し、潤滑剤は、第1の組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約45%w/wの量で存在し、充填剤は、第1の組成物の約55%w/wの量で存在し、潤滑剤は、第1の組成物の約0.25%w/wの量で存在する。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、第1の組成物の約40%~約50%w/wの量で存在し、微結晶性セルロースは、第1の組成物の約20%~約30%w/wの量で存在し、マンニトールは第1の組成物の約20%~約30%w/wの量で存在し、デンプングリコール酸ナトリウムは第1の組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在し、ステアリン酸マグネシウムは、第1の組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。一実施形態では、噴霧乾燥分散体および医薬賦形剤がブレンドされる。一実施形態では、第1の組成物は造粒される。一実施形態では、第1の組成物は、ローラー圧縮によって造粒される。
一実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約15%~約99%w/wの量で存在する。一実施形態では、1つまたは複数の医薬賦形剤は、充填剤、潤滑剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在する。一実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.1%~約0.8%w/wの量で存在する。一実施形態では、潤滑剤は、全組成物の約0.3%w/wの量で存在する。一実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。一実施形態では、充填剤は、全組成物の約1%~約85%w/wの量で存在する。一実施形態では、充填剤は、スクロース、ラクトース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ポロキサマー、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、充填剤は、結合剤、崩壊剤、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、崩壊剤は、全組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在する。一実施形態では、崩壊剤は、全組成物の約2.5%w/wの量で存在する。一実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アニオン交換樹脂、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、崩壊剤はデンプングリコール酸ナトリウムである。一実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約90%~約99%w/wの量で存在する。一実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約97%w/wの量で存在する。一実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約15%~約60%w/wの量で存在する。一実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約30%~約40%w/wの量で存在する。一実施形態では、第1の組成物は、全組成物の約35%w/wの量で存在する。一実施形態では、結合剤は、全組成物の約40%~約85%w/wの量で存在する。一実施形態では、結合剤は、全組成物の約55%~約75%w/wの量で存在する。一実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースデンプン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、ラクトース、スクロース、ソルビトール、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、結合剤は、微結晶性セルロース、マンニトール、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、微結晶性セルロースは、全組成物の約25%~約35%w/wの量で存在する。一実施形態では、微結晶性セルロースは、全組成物の約31%w/wの量で存在する。一実施形態では、マンニトールは、全組成物の約25%~約35%w/wの量で存在する。一実施形態では、マンニトールは、全組成物の約31%w/wの量で存在する。一実施形態では、第1の組成物は、医薬賦形剤とブレンドされる。一実施形態では、医薬組成物は共粉砕される。一実施形態では、医薬組成物は錠剤として製剤化される。一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、約10mg~約50mgの量で存在する。一実施形態では、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩、非晶質、もしくは多形形態は、約25mg~約220mgの量で存在する。
本発明は、医薬組成物が以下を含む医薬組成物を提供する:(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、HPMCASポリマー、および1つまたは複数の医薬賦形剤。一実施形態では、一実施形態では、1つまたは複数の医薬賦形剤が、充填剤、潤滑剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項83に記載の医薬組成物。一実施形態では、充填剤は、スクロース、ラクトース、微結晶性セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリメタクリレート、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、パルミトステアリン酸グリセリル、安息香酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、安息香酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、組成物は、(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、HPMCASポリマーと、微結晶性セルロースと、マンニトールと、デンプングリコール酸ナトリウムと、ステアリン酸マグネシウムと、を含む。一実施形態では、組成物は、組成物の約5%~約30%w/wの量で存在する(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、組成物の約5%~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、組成物の約30%~約60%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、組成物の約30%~約60%w/wの量で存在するマンニトールと、組成物の約0.5%~約5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含む。一実施形態では、組成物は、組成物の約8%w/wの量で存在する(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、組成物の約8%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、組成物の約40%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、組成物の約40%w/wの量で存在するマンニトールと、組成物の約3.5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、組成物の約0.3%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含む。一実施形態では、組成物は、組成物の約10%~約30%w/wの量で存在する(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、組成物の約10%~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、組成物の約20%~約30%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、組成物の約20%~約30%w/wの量で存在するマンニトールと、組成物の約2%~約8%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、組成物の約0.05%~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含む。一実施形態では、組成物は、組成物の約22%w/wの量で存在する(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドと、組成物の約22%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、組成物の約25%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、組成物の約25%w/wの量で存在するマンニトールと、組成物の約5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、組成物の約0.5%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含む。一実施形態では、医薬組成物は錠剤として製剤化される。一実施形態では、錠剤はコーティングされている。
本発明は、本明細書に記載の医薬組成物を調製する方法であって、(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、HPMCASポリマー、および混合物を形成するための有機溶媒を混合することと、混合物を噴霧乾燥して噴霧乾燥分散体を形成することと、噴霧乾燥分散体を造粒して第1の組成物を形成することと、を含む方法を提供する。一実施形態では、有機溶媒はジクロロメタンとメタノールの混合物である。一実施形態では、有機溶媒は、80:20のジクロロメタン:メタノールである。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、造粒される前に、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、造粒される前にオーブン内で乾燥される。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、造粒される前に、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。一実施形態では、噴霧乾燥分散体は、ローラー圧縮によって造粒される。一実施形態では、第1の組成物は、1つまたは複数の医薬賦形剤とブレンドされる。一実施形態では、第1の組成物は共粉砕される。一実施形態では、第1の組成物は錠剤へと圧縮される。一実施形態では、錠剤はコーティングされている。一実施形態では、コーティングは、ポリマー、可塑剤、顔料、またはそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、噴霧乾燥分散体中の、(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドとHPMCASポリマーとの比は、約1:4~約4:1である。一実施形態では、噴霧乾燥分散体中の、(S)-5-アミノ-3-(4-((5-フルオロ-2-メトキシベンズアミド)メチル)フェニル)-1-(1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドとHPMCASポリマーとの比は約1:1である。
本明細書は、以下の式を有する式Iの化合物の結晶形態を提供する。
一実施形態では、結晶形態は形態Aであり、15.8±0.2、16.2±0.2、および11.9±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする。
一実施形態では、結晶形態は形態Aであり、15.8±0.2、16.2±0.2、11.9±0.2、19.0±0.2、および18.3±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態は形態Aであり、15.8±0.2、16.2±0.2、11.9±0.2、19.0±0.2、18.3±0.2、23.8±0.2、および20.5±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態は形態Aであり、15.8±0.2、16.2±0.2、11.9±0.2、19.0±0.2、18.3±0.2、23.8±0.2、20.5±0.2、25.7±0.2、20.1±0.2、および9.5±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態は形態Aであり、15.8±0.2、16.2±0.2、11.9±0.2、19.0±0.2、18.3±0.2、23.8±0.2、20.5±0.2、25.7±0.2、20.1±0.2、9.5±0.2、25.0±0.2、および11.1±0.2の°2θ値のピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする。一実施形態では、結晶形態は形態Aであり、実質的に図4Aに示されるようなXRPDパターンを有する。一実施形態では、結晶形態は形態Aであり、約185℃の開始を伴う吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を有する。一実施形態では、結晶形態は形態Aであり、実質的に図4Cに示されるようなDSCサーモグラムを有する。
本発明は、医薬賦形剤と、結晶形態と、を含む固体経口医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、結晶形態と医薬賦形剤とを混合することによって作製される。
本発明は、本明細書に記載の結晶形態と医薬賦形剤とを混合することを含む、固体経口医薬組成物を作製するためのプロセスを提供する。一実施形態では、液体医薬組成物は、本明細書に記載の結晶形態と医薬賦形剤とを混合することによって作製される。一実施形態では、プロセスは、結晶形態と医薬賦形剤とを混合することを含む。
本発明は、がんの治療を必要とする対象のがんを治療するための方法であって、噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、がんは、BTK関連がんである。一実施形態では、この方法は、(a)BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)本明細書に記載の噴霧乾燥分散体、本明細書に記載の医薬組成物、または治療有効量の本明細書に記載の化合物を対象に投与することと、を含む。一実施形態では、この方法は、BTK関連がんを有すると同定または診断された対象に、噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む。一実施形態では、この方法は、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、BTK関連がんを有すると判定された対象に、噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの化合物を投与することと、を含む。一実施形態では、この方法は、噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの化合物を、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有することを示す臨床記録を有する対象に投与することを含む。
一実施形態では、この方法は、がんの転移の阻害を必要とする対象におけるがんの転移を阻害することを含み、方法は、対象に噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの化合物を投与することを含む。一実施形態では、がんは、BTK関連がんである。
本発明は、対象に対する治療を選択する方法であって、BTK関連がんを有すると同定または診断された対象への噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式の化合物の投与を含む治療を選択することを含む、方法を提供する。一実施形態では、この方法は、対象におけるBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの投与を含む対象に対する治療を選択することと、を含む。
一実施形態では、この方法は、治療のための対象を選択することを含み、この方法は、BTK関連がんを有する対象を同定することと、対象を、噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの化合物の投与を含む治療に対して選択することと、を含む。一実施形態では、この方法は、治療のためにがんを有する対象を選択することを含み、この方法は、対象におけるBTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、対象を、噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの化合物の投与を含む治療に対して選択することと、を含む。一実施形態では、この方法は、対象のがんがBTK関連がんであるかどうかを判定するステップを含み、対象からの試料におけるBTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出するためのアッセイを実施することを含む。一実施形態では、この方法は、対象由来の試料を得ることを含む。試料は生検試料であり得る。一実施形態では、アッセイは、配列決定、免疫組織化学、免疫ブロット、酵素結合免疫吸着アッセイ、および蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)からなる群から選択される。一実施形態では、FISHは、ブレークアパートFISH分析である。一実施形態では、配列決定は、パイロシーケンシングまたは次世代シーケンシングである。
一実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全の結果である。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子またはBCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、1つまたは複数の遺伝的変化の結果である。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子変化は、染色体転座t(11;14)(q13;q32)、染色体領域17p13の欠失、染色体領域11q23の欠失、染色体領域13q14の欠失、および12番染色体のトリソミーからなる群から選択される。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子変化は、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異である。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらし、ここで、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、MYD88L265のアミノ酸位置の1つまたは複数での1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらす。一実施形態では、アミノ酸置換は、MYD88L265Pである。一実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異である。一実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、以下のアミノ酸位置のうちの1つまたは複数に1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす:117、316、474、481、528、560、562、および601。一実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、T117P、T316A、T474I、T474M、T474S、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、L528W、P560L、R562W、R562G、およびF601Lのアミノ酸置換のうちの1つまたは複数を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす。
本発明は、治療を必要とする対象におけるがんを治療するための方法であって、(a)BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を検出することと、(b)噴霧乾燥分散体、医薬組成物、または治療有効量の式Iの化合物を対象に投与することと、を含む方法を提供する。一実施形態では、対象は、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有する。一実施形態では、対象におけるがんがBTK関連がんであるかどうかを判定するステップは、対象からの試料において、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現まもしく活性もしくはレベルの調節不全を検出するためのアッセイを実施することを含み、対象から試料を得ることをさらに含む。一実施形態では、試料は生検試料である。一実施形態では、アッセイは、配列決定、免疫組織化学、酵素結合免疫吸着アッセイ、および蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)からなる群から選択される。一実施形態では、FISHは、ブレークアパートFISH分析である。一実施形態では、配列決定は、パイロシーケンシングまたは次世代シーケンシングである。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子またはBCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、1つまたは複数の遺伝的変化の結果である。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子変化は、染色体転座t(11;14)(q13;q32)、染色体領域17p13の欠失、染色体領域11q23の欠失、染色体領域13q14の欠失、および染色体12のトリソミーからなる群から選択される。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝的変化は、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異である。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらし、ここで、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、MYD88L265のアミノ酸位置の1つまたは複数での1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらす。一実施形態では、アミノ酸置換は、MYD88L265Pである。
一実施形態では、BTK関連がんは、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、または神経膠腫からなる群から選択される。
一実施形態では、BTK関連がんは、血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病、および骨髄腫からなる群から選択される。一実施形態では、血液がんは、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化型白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞ALL、三系統骨髄異形成症を伴うAML(AML/TMDS)、混合系統白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL)))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、未分化大細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、および多発性骨髄腫(MM)からなる群から選択される。
一実施形態では、BTK関連がんは、B細胞悪性腫瘍である。一実施形態では、B細胞悪性腫瘍は、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、または有毛細胞白血病からなる群から選択される。
一実施形態では、BTK関連がんは、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫からなる群から選択される。一実施形態では、BTK関連がんは、固形腫瘍である。一実施形態では、固形腫瘍は、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、および神経膠腫からなる群から選択される。
本発明は、追加の療法または治療薬を対象に投与することをさらに含む。一実施形態では、追加の療法または治療薬は、放射線療法、細胞毒性化学療法剤、キナーゼ標的療法剤、アポトーシス調節薬、シグナル伝達阻害剤、免疫標的療法、転写調節阻害剤、および血管新生標的療法から選択される。一実施形態では、追加の治療薬は、1つまたは複数のキナーゼ標的療法剤から選択される。一実施形態では、キナーゼ標的療法は、JAK、Src、IRAK、およびそれらの組み合わせから選択されるキナーゼファミリーからのキナーゼを標的とする。一実施形態では、追加の治療薬は、抗アポトーシスタンパク質、熱ショックタンパク質、核外移行タンパク質、キナーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、E3ユビキチンリガーゼ、ヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。一実施形態では、追加の治療薬は、PI3K、JAK-2、IRAK1、IRAK4、BMX、TAK1、Srcファミリー、HDAC6、MDM2、BCL-2、EZH2、EHMT2、PIM、JAK3、mTOR、ROR-1、Syk、PKC、Hsp90、XPO1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。一実施形態では、追加の治療薬(複数可)は、別々の投与量として同時に投与される。一実施形態では、追加の治療薬(複数可)は、任意の順序で別々の投与量として逐次的に投与される。
本発明は、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)対象がステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(d)対象がステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含む、方法を提供する。一実施形態では、ステップ(c)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、ステップ(c)の抗がん剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤である。一実施形態では、ステップ(c)における抗がん剤は、1つまたは複数のキナーゼ標的療法剤から選択される。T一実施形態では、キナーゼ標的療法は、JAK、Src、IRAK、およびそれらの組み合わせから選択されるキナーゼファミリーからのキナーゼを標的とする。一実施形態では、ステップ(c)における抗がん剤は、抗アポトーシスタンパク質、熱ショックタンパク質、核外移行タンパク質、キナーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、E3ユビキチンリガーゼ、ヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害するタンパク質阻害剤である。一実施形態では、タンパク質阻害剤は、PI3K、JAK-2、IRAK1、IRAK4、BMX、TAK1、Srcファミリー、HDAC6、MDM2、BCL-2、EZH2、EHMT2、PIM、JAK3、mTOR、ROR-1、Syk、PKC、Hsp90、XPO1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。一実施形態では、対象に追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を投与し、方法は、(e)別の抗がん剤を対象に投与することをさらに含む。一実施形態では、ステップ(e)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、ステップ(e)の抗がん剤は、噴霧乾燥分散体または医薬組成物である。
本発明は、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)対象がステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(d)対象がステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、対象に、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤の追加の用量を投与することと、を含み、変異がアミノ酸位置481における置換、例えば、C481S、C481F、C481T、C481G、およびC481Rである、方法である。一実施形態では、ステップ(c)の抗がん剤は、ステップ(a)で投与される第1のBTK阻害剤である。一実施形態では、対象に追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を投与し、方法は、(e)別の抗がん剤を投与することをさらに含む。一実施形態では、ステップ(e)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、ステップ(e)の抗がん剤は、本明細書に記載の医薬組成物またはその薬学的に許容される塩である。
本発明は、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が、ステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)対象がステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する少なくとも1つのBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する場合、本明細書に記載の噴霧乾燥分散体、または本明細書に記載の医薬組成物を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、対象に投与することと、または(d)対象がステップ(a)の第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量のステップ(a)の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含み、変異が、PLCγ2のアミノ酸位置244、257、334、495、664、665、707、708、742、845、848、993、1140、または1141の1つまたは複数における置換である、方法を提供する。一実施形態では、ステップ(c)の抗がん剤は、1つまたは複数のキナーゼ標的療法剤から選択される。一実施形態では、キナーゼ標的療法は、JAK、Src、IRAK、およびそれらの組み合わせから選択されるキナーゼファミリーからのキナーゼを標的とする。一実施形態では、ステップ(c)における抗がん剤は、抗アポトーシスタンパク質、熱ショックタンパク質、核外移行タンパク質、キナーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、E3ユビキチンリガーゼ、ヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害するタンパク質阻害剤である。一実施形態では、タンパク質阻害剤は、PI3K、JAK-2、IRAK1、IRAK4、BMX、TAK1、Srcファミリー、HDAC6、MDM2、BCL-2、EZH2、EHMT2、PIM、JAK3、mTOR、ROR-1、Syk、PKC、Hsp90、XPO1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。
本発明は、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)がんを有し、かつ1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、以前に対象に投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異の1つまたは複数を有するかどうかを判定することと、(b)対象が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異の1つまたは複数を有するがん細胞を有する場合、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて本明細書に記載の噴霧乾燥分散体または本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することと、または、(c)対象が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量の第1のBTK阻害剤を対象に投与することと、を含む方法を提供する。一実施形態では、ステップ(b)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、ステップ(b)の抗がん剤は、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤である。一実施形態では、ステップ(b)における抗がん剤は、1つまたは複数のキナーゼ標的療法剤から選択される。一実施形態では、キナーゼ標的療法剤は、JAK、Src、IRAK、およびそれらの組み合わせから選択されるキナーゼファミリーからのキナーゼを標的とする。一実施形態では、ステップ(b)における抗がん剤は、抗アポトーシスタンパク質、熱ショックタンパク質、核外移行タンパク質、キナーゼ、ヒストンデアセチラーゼ、E3ユビキチンリガーゼ、ヒストン-リジンN-メチルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害するタンパク質阻害剤である。一実施形態では、タンパク質阻害剤は、PI3K、JAK-2、IRAK1、IRAK4、BMX、TAK1、Srcファミリー、HDAC6、MDM2、BCL-2、EZH2、EHMT2、PIM、JAK3、mTOR、ROR-1、Syk、PKC、Hsp90、XPO1、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質を阻害する。一実施形態では、対象に、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤を投与し、方法は、(d)別の抗がん剤を対象に投与することをさらに含む。一実施形態では、ステップ(d)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、タンパク質阻害剤、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、ステップ(d)の抗がん剤は、噴霧乾燥分散体または医薬組成物である。
本発明は、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)がんを有し、かつ1回または複数回の用量の第1のBTK阻害剤を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異の1つまたは複数を有するかどうかを判定することと、(b)対象が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異の1つまたは複数を有するがん細胞を有する場合、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて第2のBTK阻害剤を対象に投与することと、または、(c)対象が、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する場合、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤を投与することと、を含む方法を提供する。一実施形態では、ステップ(b)の抗がん剤は、対象に以前投与された第1のBTK阻害剤である。一実施形態では、対象に、追加用量の対象に以前投与された第1のBTK阻害剤を投与し、方法は、(d)別の抗がん剤を対象に投与することをさらに含む。
本発明は、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)一定の期間にわたって、1回または複数回の用量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を対象に投与することと、(b)(a)の後に、対象から得られた試料中のがん細胞が、ステップ(a)の噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するかどうかを判定することと、(c)第2のBTK阻害剤を、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて、ステップ(a)の噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与する1つまたは複数のBTK阻害剤耐性変異を有するがん細胞を有する対象に投与することと、または(d)追加用量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を、ステップ(a)の噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する対象に投与することと、を含む、方法を提供する。一実施形態では、ステップ(c)の抗がん剤は、第1のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、ステップ(c)の抗がん剤は、ステップ(a)で投与される噴霧乾燥分散体または医薬組成物である。一実施形態では、対象にステップ(a)の噴霧乾燥分散体または医薬組成物の追加用量を投与し、方法は、(e)別の抗がん剤を対象に投与することをさらに含む。一実施形態では、ステップ(e)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。
本発明は、がんを有する対象を治療する方法であって、(a)がんを有し、かつ1回または複数回の用量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を以前投与された対象から得られた試料中のがん細胞が、対象に以前投与された噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異の1つまたは複数を有するかどうかを判定することと、(b)対象に以前投与された噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異の1つまたは複数を有するがん細胞を有する対象に、単独療法として、または別の抗がん剤と組み合わせて第2のBTK阻害剤を投与することと、または、(c)対象に以前投与された噴霧乾燥分散体または医薬組成物による治療に対する耐性の増加をがん細胞または腫瘍に付与するBTK阻害剤耐性変異を有しないがん細胞を有する対象に、追加用量の対象に以前投与された噴霧乾燥分散体または医薬組成物を投与することと、を含む方法を提供する。一実施形態では、ステップ(b)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。一実施形態では、ステップ(b)の抗がん剤は、対象に以前投与された噴霧乾燥分散体または医薬組成物である。一実施形態では、対象に、追加用量の対象に以前投与された噴霧乾燥分散体または医薬組成物を投与し、この方法は、(d)別の抗がん剤を対象に投与することをさらに含む。一実施形態では、ステップ(d)の抗がん剤は、第2のBTK阻害剤、免疫療法、またはそれらの組み合わせである。
本発明は、対象においてBTK関連がんを治療する方法であって、(a)単独療法として、1回または複数回の用量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を、BTK関連がんを有するとして同定または診断された対象に投与することと、(b)ステップ(a)の後、対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルを判定することと、(c)噴霧乾燥分散体または医薬組成物、および追加の治療薬または治療を、循環腫瘍DNAの参照レベルと比較してほぼ同じまたは高いレベルの循環腫瘍DNAを有すると同定された対象に投与することと、を含み、追加の治療薬が第2のBTKキナーゼ阻害剤である、方法を提供する。一実施形態では、追加の治療薬または治療が、放射線療法、化学療法薬、チェックポイント阻害剤、手術、および1つまたは複数の第2のキナーゼ阻害剤のうちの1つまたは複数を含む。一実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、ステップ(a)の前に対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルである。
本発明は、対象においてBTK関連がんを治療する方法であって、治療有効量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物と、追加の治療薬または治療とを、(i)BTK関連がんを有していると同定または診断された対象に、(ii)1回または複数回の用量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を単剤療法として以前投与された対象に、および(ii)1回または複数回の用量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物の単剤療法としての投与後に、循環腫瘍DNAの参照レベルと比較してほぼ同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有していると同定された対象に投与することを含む方法である。一実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、1回または複数回の用量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物の単独療法としての投与前の対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルである。一実施形態では、追加の治療薬は、第2のBTKキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、追加の治療薬または治療が、放射線療法、化学療法薬、チェックポイント阻害剤、手術、および1つまたは複数の第2のタンパク質阻害剤のうちの1つまたは複数を含む。
本発明は、対象に対する治療を選択する方法であって、治療有効量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物を、(i)BTK関連がんを有していると同定または診断された対象に対して、(ii)1回または複数回の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤を以前投与された対象に対して、および(ii)1回または複数回の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤の投与後に、循環腫瘍DNAの参照レベルと比較してほぼ同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有していると同定された対象に対して選択することを含む方法を提供する。一実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、1回または複数回の用量の第2のBTKキナーゼ阻害剤の投与前の対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルである。
本発明は、対象に対する治療を選択する方法であって、治療有効量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物と、追加の治療的処理とを、(i)BTK関連がんを有すると同定または診断された対象に対して、(ii)単独療法として、1回または複数回の用量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物3を以前投与された対象に対して、および(ii)1回または複数回の用量の噴霧乾燥分散体または医薬組成物の投与の後、循環腫瘍DNAの参照レベルと比較してほぼ同一または上昇したレベルの循環腫瘍DNAを有していると同定された対象に対して、選択することを含む方法を提供する。一実施形態では、循環腫瘍DNAの参照レベルは、1回または複数回の用量の本明細書に記載の噴霧乾燥分散体または本明細書に記載の医薬組成物の単独療法としての投与前の対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAのレベルである。一実施形態では、追加の治療的処理は、第2のBTKキナーゼ阻害剤である。一実施形態では、追加の治療的処理が、放射線療法、化学療法薬、チェックポイント阻害剤、および1つまたは複数の第2のタンパク質阻害剤のうちの1つまたは複数を含む。
本発明は、対象における治療の有効性を判定する方法であって、(a)第1の時点でBTK関連がんを有すると同定または診断された対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAの第1のレベルを判定することと、(b)第1の時点の後、第2の時点の前に、1回または複数回の用量の本明細書に記載の噴霧乾燥分散体、または本明細書に記載の医薬組成物を対象に投与することと、(c)第2の時点で対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAの第2のレベルを判定することと、(d)循環腫瘍DNAの第1のレベルと比較して、循環腫瘍DNAの第2のレベルが低下していると判定された対象において治療が有効であることを同定することと、あるいは、循環腫瘍DNAの第1のレベルと比較して、循環腫瘍DNAのほぼ同一または高い第2のレベルを有すると判定された対象において治療が有効ではないことを同定することと、を含む、方法である。一実施形態では、第1の時点および第2の時点は、約1週間~約1年離間している。
本発明は、対象が治療に対する耐性を発症したかどうかを判定する方法であって、(a)第1の時点でBTK関連がんを有すると同定または診断された対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAの第1のレベルを判定することと、(b)第1の時点の後、第2の時点の前に、1回または複数回の用量の噴霧乾燥分散体、または医薬組成物を対象に投与することと、(c)第2の時点で対象から得られた生体試料中の循環腫瘍DNAの第2のレベルを判定することと、(d)循環腫瘍DNAの第1のレベルと比較して、循環腫瘍DNAの第2のレベルが低下している対象において治療が耐性を発症していないと同定することと、または、循環腫瘍DNAの第1のレベルと比較して、循環腫瘍DNAのほぼ同一または高い第2のレベルを有する対象において耐性を発症したと同定することと、を含む、方法である。一実施形態では、第1の時点および第2の時点は、約1週間~約1年離間している。
本発明は、対象においてBTK関連がんを治療するための医薬を製造するための噴霧乾燥分散体または医薬組成物の使用を提供する。一実施形態では、BTK関連がんは、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するがんである。T一実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全の結果である。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子またはBCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、1つまたは複数の遺伝的変化の結果である。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子変化は、染色体転座t(11;14)(q13;q32)、染色体領域17p13の欠失、染色体領域11q23の欠失、染色体領域13q14の欠失、および染色体12のトリソミーからなる群から選択される。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝的変化は、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異である。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらし、ここで、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、MYD88L265のアミノ酸位置の1つまたは複数での1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらす。一実施形態では、アミノ酸置換は、MYD88L265Pである。一実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異である。一実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、以下のアミノ酸位置のうちの1つまたは複数に1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす:117、316、474、481、528、560、562、および601。一実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、T117P、T316A、T474I、T474M、T474S、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、L528W、P560L、R562W、R562G、およびF601Lのアミノ酸置換のうちの1つまたは複数を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす。
一実施形態では、BTK関連がんは、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、または神経膠腫からなる群から選択される。
一実施形態では、BTK関連がんは血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病、および骨髄腫からなる群から選択される。一実施形態では、血液がんは、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化型白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞ALL、三系統骨髄異形成症を伴うAML(AML/TMDS)、混合系統白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL)))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、未分化大細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、および多発性骨髄腫(MM)からなる群から選択される。
一実施形態では、BTK関連がんは、B細胞悪性腫瘍である。一実施形態では、がんは、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、または有毛細胞白血病からなる群から選択されるB細胞悪性腫瘍である。
一実施形態では、BTK関連がんは、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫からなる群から選択される。
一実施形態では、BTK関連がんは、固形腫瘍である。一実施形態では、固形腫瘍は、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、および神経膠腫からなる群から選択される。
一実施形態では、医薬は経口投与用に製剤化される。
本発明は、BTK関連がんを有すると同定または診断された対象を治療する際に使用するための、本明細書に記載の噴霧乾燥分散体または本明細書に記載の医薬組成物を提供する。一実施形態では、BTK関連がんは、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有するがんである。一実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異である。一実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、以下のアミノ酸位置のうちの1つまたは複数に1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす:117、316、474、481、528、560、562、および601。一実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、T117P、T316A、T474I、T474M、T474S、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、L528W、P560L、R562W、R562G、およびF601Lのアミノ酸置換のうちの1つまたは複数を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす。
一実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全である。
一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子またはBCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、1つまたは複数の遺伝的変化の結果である。
一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子変化は、染色体転座t(11;14)(q13;q32)、染色体領域17p13の欠失、染色体領域11q23の欠失、染色体領域13q14の欠失、および染色体12のトリソミーからなる群から選択される。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝的変化は、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異である。
一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらし、ここで、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、MYD88L265のアミノ酸位置の1つまたは複数での1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらす。
一実施形態では、アミノ酸置換は、MYD88L265Pである。
一実施形態では、BTK関連がんは、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、または神経膠腫からなる群から選択される。
一実施形態では、BTK関連がんは血液がんである。一実施形態では、血液がんは、白血病、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、ホジキン病、および骨髄腫からなる群から選択される。一実施形態では、血液がんは、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄性白血病(APL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄性単球性白血病(CMML)、慢性好中球性白血病(CNL)、急性未分化型白血病(AUL)、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、前リンパ球性白血病(PML)、若年性骨髄単球性白血病(JMML)、成人T細胞ALL、三系統骨髄異形成症を伴うAML(AML/TMDS)、混合系統白血病(MLL)、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性障害(MPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL)))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性白血病、有毛細胞白血病、慢性骨髄性白血病、未分化大細胞リンパ腫、MALTリンパ腫、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、および多発性骨髄腫(MM)からなる群から選択される。
一実施形態では、BTK関連がんは、B細胞悪性腫瘍である。一実施形態では、がんは、ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、活性化B細胞様DLBCL(ABC-DLBCL))、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(例えば、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫)、バーキットリンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL))、原発性中枢神経系リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B細胞前リンパ球性白血病、前駆Bリンパ芽球性白血病、または有毛細胞白血病からなる群から選択されるB細胞悪性腫瘍である。
一実施形態では、BTK関連がんは、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫からなる群から選択される。
一実施形態では、BTK関連がんは、固形腫瘍である。一実施形態では、固形腫瘍は、骨がん、骨転移、乳がん、胃食道がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、肺がん、結腸がん、子宮がん、肝細胞がん、頭頸部がん、または神経膠腫からなる群から選択される。
本発明は、哺乳動物細胞においてBTKキナーゼ活性を阻害するための方法を提供し、この方法は、哺乳動物細胞を、本明細書に記載の噴霧乾燥分散体または本明細書に記載の医薬組成物と接触させることを含む。一実施形態では、接触、インビボで起きる。一実施形態では、接触、インビトロで起きる。
一実施形態では、哺乳動物細胞は、哺乳動物がん細胞である。一実施形態では、哺乳動物がん細胞は、哺乳動物のBTK関連がん細胞である。一実施形態では、細胞は、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全を有する。一実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼ、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全は、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異である。一実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、以下のアミノ酸位置のうちの1つまたは複数に1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす:117、316、474、481、495、528、560、562、および601。一実施形態では、BTK遺伝子における1つまたは複数の点変異は、T117P、T316A、T474I、T474M、T474S、C481S、C481F、C481T、C481G、C481R、L528W、P560L、R562W、R562G、およびF601Lのアミノ酸置換のうちの1つまたは複数を有するBTKタンパク質の翻訳をもたらす。
一実施形態では、BTK遺伝子、BTKキナーゼタンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれかの発現もしくは活性もしくはレベルの調節不全の結果である。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子またはBCRシグナル伝達経路タンパク質は、サイクリン-D1、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路遺伝子、BCRシグナル伝達経路タンパク質、またはそれらのいずれか1つの発現もしくは活性もしくはレベルにおける調節不全は、1つまたは複数の遺伝的変化の結果である。
一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子変化は、染色体転座t(11;14)(q13;q32)、染色体領域17p13の欠失、染色体領域11q23の欠失、染色体領域13q14の欠失、および染色体12のトリソミーからなる群から選択される。
一実施形態では、1つまたは複数の遺伝的変化は、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異である。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらし、ここで、BCRシグナル伝達経路タンパク質は、CARD11、CD79B、CD79A、MYD88、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、BCRシグナル伝達経路タンパク質をコードする遺伝子における1つまたは複数の点変異は、MYD88L265のアミノ酸位置の1つまたは複数での1つまたは複数のアミノ酸置換を有するBCRシグナル伝達経路タンパク質の翻訳をもたらす。一実施形態では、アミノ酸置換は、MYD88L265Pである。
本発明は、対象における自己免疫疾患または炎症性疾患を治療する方法を提供し、この方法は、対象に対し、本明細書に記載の噴霧乾燥分散体または本明細書に記載の医薬組成物または治療有効量の式Iによる化合物を、自己免疫疾患または炎症性疾患を有すると同定または診断された対象に投与することを含む。一実施形態では、自己免疫疾患または炎症性疾患は、関節リウマチ、多発性硬化症、骨粗鬆症、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、クローン病、慢性じんましん、重症筋無力症、および全身性エリテマトーデスからなる群から選択される。
本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.約5%w/w~約30%w/wの量で存在する式Iの化合物と、
約5%w/w~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、
約30%w/w~約60%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
約10%w/w~約60%w/wの総量で存在するマンニトールもしくはラクトース一水和物、またはそれらの組み合わせと、
約0.5%w/w~約5%w/wの総量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムもしくはクロスカルメロースナトリウム、またはそれらの組み合わせと、
約0.05%w/w~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、任意選択で、
存在する場合、約0.3%w/w~約0.6%w/wの量の二酸化ケイ素と、を含み、合計が100%以下である、医薬組成物。
2.約5%w/w~約30%w/wの量で存在する前記式Iの化合物と、
約5%w/w~約30%w/wの量で存在するHPMCASポリマーと、
約30%w/w~約60%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
約10%w/w~約60%w/wの量で存在するラクトース一水和物と、
約0.5%w/w~約5%w/wの総量で存在するクロスカルメロースナトリウムと、
約0.05%w/w~約2%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、
存在する場合、約0.3%w/w~約0.6%w/wの量の二酸化ケイ素と、を含み、合計が100%以下である、上記1に記載の医薬組成物。
3.前記式Iの化合物と前記HPMCASポリマーとの比が約1:4~約4:1である、上記1または2に記載の医薬組成物。
4.前記式Iの化合物と前記HPMCASポリマーとの比が約1:1である、上記1~3のいずれかに記載の医薬組成物。
5.約21%w/w~約23%w/wの量で存在する前記式Iの化合物と、
約21%w/w~約23%w/wの量で存在する前記HPMCASポリマーと、
約38%w/w~約39%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
約12%w/w~約13%w/wの量で存在するマンニトールと、
約4%w/w~約6%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、
約0.4%w/w~約0.6%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含み、合計が100%以下である、上記1に記載の医薬組成物。
6.約21%w/w~約23%w/wの量で存在する前記式Iの化合物と、
約21%w/w~約23%w/wの量で存在する前記HPMCASポリマーと、
約33%w/w~約34%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
約16%w/w~約17%w/wの量で存在するラクトース一水和物と、
約2%w/w~約6%w/wの量で存在するクロスカルメロースナトリウムと、
約0.4%w/w~約0.6%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、
約0.4%w/w~約0.6%w/wの量で存在する二酸化ケイ素と、を含み、合計が100%以下である、上記1に記載の医薬組成物。
7.約21%w/w~約23%w/wの量で存在する前記式Iの化合物と、
約21%w/w~約23%w/wの量で存在する前記HPMCASポリマーと、
約25%w/w~約26%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
約25%w/w~約26%w/wの量で存在するマンニトールと、
約4%w/w~約6%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、
約0.4%w/w~約0.6%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含み、合計が100%以下である、上記1に記載の医薬組成物。
8.約8%w/wの量で存在する前記式Iの化合物と、
約8%w/wの量で存在する前記HPMCASポリマーと、
約40%w/wの量で存在する微結晶性セルロースと、
約40%w/wの量で存在するマンニトールと、
約3.5%w/wの量で存在するデンプングリコール酸ナトリウムと、
約0.3%w/wの量で存在するステアリン酸マグネシウムと、を含む、上記1に記載の医薬組成物。
9.錠剤として製剤化された、上記1~8のいずれかに記載の医薬組成物。
10.約25mg~約220mgの前記式Iの化合物を含む、上記1~9のいずれかに記載の医薬組成物。
11.約25mg、約50mg、および約100mgからなる群から選択される量の前記式Iの化合物を含む、上記10に記載の医薬組成物。
12.BTK関連がんの治療を必要とする対象においてBTK関連がんを治療するための方法であって、上記1~11のいずれかに記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
13.前記BTK関連がんが、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫からなる群から選択される、上記12に記載の方法。
14.がんの治療を必要とする対象においてがんを治療するための方法であって、約20mg~約120mgの用量で式Iの化合物を前記対象に投与することを含み、
前記がんが、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫からなる群から選択される、方法。
15.前記用量が、約25mg、約50mg、および約100mgからなる群から選択される、上記14に記載の方法。
16.対象におけるBTK関連がんの治療のための、式Iの化合物の使用であって、
前記BTK関連がんがマントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫からなる群から選択され、前記化合物が約20mg~約120mgの用量で投与される、使用。
17.マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫からなる群から選択されるBTK関連がんの治療のための、約20mg~120mgの用量での、上記1~9のいずれかに記載の医薬組成物の使用。
18.マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、および辺縁帯リンパ腫からなる群から選択されるBTK関連がんの治療に使用するための、上記1~10のいずれかに記載の医薬組成物。
19.前記用量が、約25mg、約50mg、および約100mgからなる群から選択される、上記16、17、または18のいずれかに記載の使用。