JP7276212B2 - 熱伝導性シリコーン組成物及びその製造方法 - Google Patents
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1.(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi-H基とのモル比(Si-H/Si-Vi)2~10の割合で反応させた反応生成物、
(C)金属酸化物から選ばれる平均粒径3μm以下の熱伝導性無機充填材、
(D)金属酸化物から選ばれる平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材、
(E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサン、及び
(F)グアニジル基を含有するシラン又はシロキサンであるアルコキシ縮合触媒:(E)成分に対して0.01~1質量%
を含有し、(C)成分と(D)成分の合計配合量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して2,000~8,000質量部であり、25℃における絶対粘度が50~500Pa・sで、単位体積当たりのSi-H残基量が1×10-6~1×10-3mol/cm3である熱伝導性シリコーン組成物。
2.(E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサンの配合量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、25~400質量部である1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
3.ソルダーレジスト基板用である1又は2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
4.(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi-H基とのモル比(Si-H/Si-Vi)2~10の割合で反応させた反応生成物、
(C)金属酸化物から選ばれる平均粒径3μm以下の熱伝導性無機充填材、
(D)金属酸化物から選ばれる平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材、
(E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサン、及び
(F)アルコキシ縮合触媒:(E)成分に対して0.01~1質量%
を含有し、(C)成分と(D)成分の合計配合量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して2,000~8,000質量部であり、25℃における絶対粘度が50~500Pa・sで、単位体積当たりのSi-H残基量が1×10 -6 ~1×10 -3 mol/cm 3 である熱伝導性シリコーン組成物の製造方法であって、
(I)(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)金属酸化物から選ばれる平均粒径3μm以下の熱伝導性無機充填材、(D)金属酸化物から選ばれる平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材、(E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサン、及び必要に応じて白金族金属系触媒を、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi-H基とのモル比(Si-H/Si-Vi)が2~10となるように混合して混合物を得る工程と、
(II)得られた混合物を100~180℃で30分~4時間加熱して、(A)成分と(B)成分とを反応させる工程と、
(III)上記で得られた反応混合物に、(F)アルコキシ縮合触媒を室温で10~60分間混合する工程と
を含む熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。
5.(E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサンの配合量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、25~400質量部である4に記載の熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。
6.ソルダーレジスト基板用である4又は5に記載の熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。
以下、「熱伝導性シリコーン組成物」を「シリコーン組成物」と記載する場合がある。
(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを特定割合で反応させた反応生成物、
(C)金属酸化物から選ばれる平均粒径3μm以下の熱伝導性無機充填材、
(D)金属酸化物から選ばれる平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材、
(E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサン、及び
(F)アルコキシ縮合触媒
を含有し、特定粘度、及び単位体積当たりのSi-H残基量が特定量のものである。
以下に、各成分について説明する。
本発明に用いられる反応生成物は、(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi-H基とのモル比(Si-H/Si-Vi)2~10で反応させた反応生成物である。
(A)成分は、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に平均して少なくとも1個(通常1~20個、好ましくは1~10個)程度有するアルケニル基含有オルガノポリシロキサンである。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
R1 mR2 nSiO(4-m-n)/2 (1)
(式中、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R2は独立にアルケニル基であり、mは0.5~2.5、好ましくは1.0~2.1の正数であり、nは0.001~1.1、好ましくは0.001~1.0の正数である。但し、m+nは通常0.501~3.0、好ましくは2.0~3.0の正数である。)
で表され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンが挙げられる。
これらの中でも、メチル基、フェニル基又はこれら両者の組み合わせが好ましい。R1がメチル基、フェニル基又はこれら両者の組み合わせである(A)成分は、合成が容易であり、化学的安定性が良好である。
(B)成分は、1分子中に1個以上のケイ素原子に結合した水素原子(Si-H基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、シリコーン組成物の硬化剤であり、1分子中に平均1個以上、好ましくは2個以上(通常2~300個程度、より好ましくは2~200個程度)のケイ素原子に結合した水素原子(Si-H基)を有するものである。
R3 pHqSiO(4-p-q)/2 (2)
(式中、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の1価炭化水素基である。pは0.4~2.5、好ましくは0.8~2.2の正数であり、qは0.03~1.0、好ましくは0.05~0.95の正数であり、かつp+qは0.43~3.0、好ましくは0.85~3.0の正数である。)
本発明のシリコーン組成物には、(A)成分と(B)成分の反応を促進するための付加反応触媒である白金族金属系触媒を含有することが好ましく、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。これらの中でも、塩化白金酸又は塩化白金酸塩等の白金錯体を、アルケニル基等のビニル基を有するオルガノポリシロキサンで希釈したヒドロシリル化触媒が好ましい。これは、白金錯体と、ビニル基を有するオルガノポリシロキサンとを混合することで得ることができる。白金錯体中にトルエン等の溶媒が含まれる場合は、混合後に溶媒を取り除くとよい。
(C)成分は、金属酸化物から選ばれる平均粒径3μm以下の熱伝導性無機充填材であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この無機充填材は、比表面積が大きく、アルコキシ基が存在する(E)成分と反応することにより、150℃における貯蔵弾性率を向上させる成分である。また、(D)成分の熱伝導性無機充填材の粒度分布を整えて、最密充填にして配合量を増大させ、シリコーン組成物の熱伝導率を向上させるための成分である。
(D)成分は、金属酸化物から選ばれる平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この無機充填材は、主要な熱伝導の経路となる成分である。
(E)成分は、アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサンであり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(E)成分の添加により、シリコーン組成物の粘度を低下させることができる。また、(E)成分は、(C)及び(D)成分をシリコーン組成物に高充填しても、シリコーン組成物の流動性を保ち、このシリコーン組成物に良好な取り扱い性を付与する役割も兼ね備えている。さらに(E)成分は、ソルダーレジスト基板に塗布する際に、後述する(F)成分の存在下に、ソルダーレジスト基板に吸収された水分と反応して、アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサンの遮蔽層を形成し、熱伝導性シリコーン組成物の割れやボイドの発生を抑える役割も兼ね備えている。
で表されるオルガノポリシロキサン、特に25℃における絶対粘度が0.005~100mPa・sのオルガノポリシロキサンが好ましい。
a、bは上記の通りであるが、好ましくはa+bが5~150であり、cは5~100の整数であり、好ましくは10~50である。gは1~3の整数であり、好ましくは3である。なお、分子中にOR7基は1~6個、特に3又は6個有することが好ましい。
また(C)成分と(D)成分との合計100質量部に対しての(E)成分の配合量は、4.8~9.2質量部が好ましく、5.0~9.1質量部がより好ましい。4.8質量部未満だと、シリコーン組成物が増粘して吐出不可となるおそれがあり、一方、9.2質量部を超えると低粘度になりすぎて(E)成分がブリードするおそれがある。
(F)成分は、アルコキシ縮合触媒であり、本発明の組成物において、(E)成分のアルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサンを脱水縮合させて、ソルダーレジスト基板表面に遮蔽層を形成するための成分である。
アルコキシ縮合触媒として、具体的には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート等のアルキル錫エステル化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、テトラキス(2-エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビス(アセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(メチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジブトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン、ジメトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン等のチタンキレート化合物、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛-2-エチルオクトエート、鉄-2-エチルヘキソエート、コバルト-2-エチルヘキソエート、マンガン-2-エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルト、アルコキシアルミニウム化合物等の有機金属化合物、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル基置換アルコキシシラン、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン等のアミン化合物及びその塩、ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、蓚酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン(グアニジン化合物)等が例示されるが、これらはその1種に限定されず、2種もしくはそれ以上の混合物として使用してもよい。中でもアルキル錫エステル化合物、チタンキレート化合物、グアニジン化合物が好ましく、特にはグアニジン化合物が好適に用いられる。
本発明のシリコーン組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の任意の成分を配合することができる。
シリコーン組成物の着色、流動性の制御又は補強の目的のために、上記(C)、(D)成分以外の充填材を配合してもよい。充填材は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。充填材としては、例えば、ウォラストナイト、タルク、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン等のクレー;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、グラファイト、バライト、マラカイト等の炭酸銅;ザラカイト等の炭酸ニッケル;ウィザライト等の炭酸バリウム;ストロンチアナイト等の炭酸ストロンチウム;フォーステライト、シリマナイト、ムライト、パイロフィライト、カオリナイト、バーミキュライト等のケイ酸塩;ケイ藻土等の非補強性の充填材;これらの充填材の表面を有機ケイ素化合物で処理したもの等が挙げられる。
上記充填材を配合する場合の配合量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して100質量部以下が好ましい。
接着付与剤を配合する場合の配合量は特に限定されないが、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して0.01~10質量部が好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物の製造方法としては、下記工程を有するものが挙げられる。
(I)上記(A)、(B)、(C)、(D)、(E)成分及び必要に応じて白金族金属系触媒を、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi-H基とのモル比(Si-H/Si-Vi)が2~10となるように混合して混合物を得る工程、
(II)得られた混合物を100~180℃で30分~4時間加熱して、上記(A)成分と(B)成分とを反応させる工程、
(III)上記で得られた反応混合物に、(F)アルコキシ縮合触媒を室温(25℃、以下同じ)で10~60分間混合する工程。
上述した(A)~(E)成分及び必要に応じて白金族金属系触媒を上述した配合割合で混合する。必要に応じてその他成分を加えてもよい。混合装置は特に限定されず、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリーミキサー(いずれも(株)井上製作所製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機を用いて混合する。液状物と無機充填材を混合する温度は特に限定されず、室温で10~60分混合するとよい。また、減圧下(例えば70mmHg)で混合してもよい。
得られた混合物を、(A)成分と(B)成分とを反応させるために100~180℃、好ましくは110~170℃で、30分~4時間、好ましくは1~3時間加熱する。さらに減圧下(例えば70mmHg)で加熱してもよい。
上記で得られた反応混合物に、(F)アルコキシ縮合触媒を室温で10~60分間、好ましくは10~30分間混合することにより、本発明の熱伝導性シリコーン組成物を得ることができる。
本発明において、(F)アルコキシ縮合触媒は、得られる熱伝導性シリコーン組成物において、(E)成分のアルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサンを脱水縮合するための成分であることから、加熱混合しないことが必要である。(F)アルコキシ縮合触媒を(A)~(E)成分と同時に混合し、加熱してしまうと(E)成分のアルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサンが脱水縮合してしまうため、反応中にゲル物が多量に発生し不均一な状態になる。
上記の方法により得られた本発明の熱伝導性シリコーン組成物の25℃における絶対粘度は50~500Pa・sであり、150~400Pa・sであることが好ましい。絶対粘度が50Pa・s未満だと、塗付中のシリコーン組成物の液だれが生じ、塗布性が低下する。さらに、長期保管中の(C)成分及び(D)成分の沈降が生じるおそれがある。一方、500Pa・sを超えると、塗布性が低下して、生産効率が低下する。シリコーン組成物の絶対粘度は、例えば、(A)成分と(B)成分の架橋度合いや、(C)、(D)成分及び(E)成分の量を調整すること、上記製造方法にて調製することで上記範囲とすることができる。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
A-1:絶対粘度100mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(ビニル基含量:0.040mol/100g)
A-2:絶対粘度5,000mPa・sの平均構造が分子鎖の片末端がジメチルビニルシロキシ基で他方の片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基含量:0.006mol/100g)
C-1:酸化亜鉛2種(JIS規格、平均粒径1μm、不定形)
C-2:酸化アルミニウム粉末(平均粒径1μm、球状)
D-1:酸化アルミニウム粉末(平均粒径10μm、球状)
塩化白金酸H2PtCl6・6H2O(37.6質量%白金)8.0gを還流コンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付けた100mLの反応フラスコに入れ、次いでエタノールを40.0g及びジビニルテトラメチルジシロキサンを16.0g加えた。70℃で50時間加熱反応させた後、反応混合物を室温(25℃)にて撹拌しながら炭酸水素ナトリウム16gを徐々に加えて2時間中和した。反応混合物を吸引濾過し、濾液を減圧留去し、エタノール及び過剰のジビニルテトラメチルジシロキサンを実質的に取り除いた後、トルエンで希釈し、全量を600gとした(白金0.5質量%含有)。
上述した白金-ビニルシロキサン錯体トルエン溶液に290gの絶対粘度600mPa・sの分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンを加えて撹拌し、トルエンを60℃/20torrで減圧留去し、実質的にトルエンを取り除いたものをヒドロシリル化触媒とした(白金1.0質量%含有)。
F-1:テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン
F-2:ジブチル錫ジアセテート
F-3:ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン
FR-4基板(ガラスエポキシ材 R1705、銅箔70/70μm、パナソニック電工(株)製)に、ソルダーレジスト PSR-800 AUS410(太陽誘電(株)製)を30μmの厚さになるようにスピンコートし、150℃/1時間硬化させた。その後に裏面を同方法でソルダーレジストを30μmの厚さになるようにスピンコートして、裏面を150℃/1時間硬化して両面コート基板とした。保管は25℃/50%RH環境において、飽和吸湿をさせた。
(I)表1、2に示す配合量で(A)、(B)、(C)、(D)、(E)成分及び白金族金属系触媒を配合して、プラネタリーミキサーを用いて室温(25℃)減圧(70mmHg)下で60分混合した。
(II)(I)で得られた混合物を165℃に加熱し、減圧(70mmHg)下で120分混合し、反応混合物を得た。
(III)(II)で得られた(A)、(B)成分の架橋反応が完了した反応混合物に、表1、2に示す配合量の(F)アルコキシ縮合触媒を室温にて常圧で15分間混合してシリコーン組成物を作製した。
上記(I)工程において、(F)成分を同時に混合して(II)工程で加熱した以外は、実施例5と同様の方法でシリコーン組成物を得た。
[熱伝導率測定]
京都電子工業(株)製のTPA-501を用いて、25℃において測定した。
絶対粘度は25℃における値を示し、その測定はマルコム粘度計(タイプPC-10AA)を用いた。シリコーン組成物の塗布プロセスにおいて、実用上絶対粘度500Pa・sより大きいものは使用不可と考えられる。
シリコーン組成物をガラス板上に0.325mL塗布して、1mmのスペーサーを挿入し、ガラス板で挟んで直径約20mm/厚さ1mmの円盤状のサンプルを作製した。
ガラスに挟まれたサンプルを円盤が垂直状態になるように配置して、冷熱試験条件:-40℃/30分⇔150℃/30分の条件でサイクル試験を行い、サイクル250回後の状態を観察した。円盤状のシリコーン組成物がもとのガラス板の位置からズレている場合は「ズレ有」とした。垂直にシリコーン組成物を配置して、元の位置からズレが発生しない場合を「ズレ無」とした。このような状況が好ましい。
シリコーン組成物をソルダーレジスト基板上に0.067mL塗布して、0.4mmのスペーサーを挿入し、ガラス板と前述の作製したソルダーレジスト基板で挟んで直径約10mm/厚さ0.4mmの円盤状のサンプルを作製した。
ガラスとソルダーレジスト基板に挟まれたサンプルを円盤が水平状態になるように配置して、150℃に予め加熱した乾燥機に投入し、150℃で90分間保管した。円盤状のシリコーン組成物に全体面積の5%以上の割れやボイドがある場合は、「割れ(ワレ)/ボイド有」とした。150℃で90分間保管しても割れやボイドが発生しない場合を「割れ(ワレ)/ボイド無」とした。単位面積当たりの熱伝導パスの減少がないので、このような状況が好ましい。
Claims (6)
- (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi-H基とのモル比(Si-H/Si-Vi)2~10の割合で反応させた反応生成物、
(C)金属酸化物から選ばれる平均粒径3μm以下の熱伝導性無機充填材、
(D)金属酸化物から選ばれる平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材、
(E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサン、及び
(F)グアニジル基を含有するシラン又はシロキサンであるアルコキシ縮合触媒:(E)成分に対して0.01~1質量%
を含有し、(C)成分と(D)成分の合計配合量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して2,000~8,000質量部であり、25℃における絶対粘度が50~500Pa・sで、単位体積当たりのSi-H残基量が1×10-6~1×10-3mol/cm3である熱伝導性シリコーン組成物。 - (E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサンの配合量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、25~400質量部である請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
- ソルダーレジスト基板用である請求項1又は2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
- (A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi-H基とのモル比(Si-H/Si-Vi)2~10の割合で反応させた反応生成物、
(C)金属酸化物から選ばれる平均粒径3μm以下の熱伝導性無機充填材、
(D)金属酸化物から選ばれる平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材、
(E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサン、及び
(F)アルコキシ縮合触媒:(E)成分に対して0.01~1質量%
を含有し、(C)成分と(D)成分の合計配合量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して2,000~8,000質量部であり、25℃における絶対粘度が50~500Pa・sで、単位体積当たりのSi-H残基量が1×10 -6 ~1×10 -3 mol/cm 3 である熱伝導性シリコーン組成物の製造方法であって、
(I)(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)金属酸化物から選ばれる平均粒径3μm以下の熱伝導性無機充填材、(D)金属酸化物から選ばれる平均粒径5μm以上の熱伝導性無機充填材、(E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサン、及び必要に応じて白金族金属系触媒を、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基と(B)成分中のSi-H基とのモル比(Si-H/Si-Vi)が2~10となるように混合して混合物を得る工程と、
(II)得られた混合物を100~180℃で30分~4時間加熱して、(A)成分と(B)成分とを反応させる工程と、
(III)上記で得られた反応混合物に、(F)アルコキシ縮合触媒を室温で10~60分間混合する工程と
を含む熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。 - (E)アルコキシ基を有する加水分解性オルガノシロキサンの配合量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、25~400質量部である請求項4に記載の熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。
- ソルダーレジスト基板用である請求項4又は5に記載の熱伝導性シリコーン組成物の製造方法。
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