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JP7272312B2 - 還元鉄の製造方法 - Google Patents

還元鉄の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、還元鉄の製造方法に関する。
近年、地球環境問題や化石燃料枯渇問題を背景として、様々な分野において省エネルギー化並びに二酸化炭素(CO2)の排出量低減が強く求められている。このことは、製鉄所においても例外ではなく、製鉄所の各工程にて省エネルギー化への努力がなされている。
さて、鉄の原料は主に酸化鉄であり、この酸化鉄を還元する、還元プロセスが必須となる。世界的に最も普及している、一般的な還元プロセスは高炉である。この高炉では、羽口においてコークスや微粉炭と熱風(1200℃程度に加熱した空気)中の酸素とを反応させてCOおよびH2ガス(還元ガス)を生成させ、これらの還元ガスにより炉中の鉄鉱石等の還元を行っている。近年の高炉操業技術の向上により、還元材比(溶銑1tの製造あたりのコークスおよび微粉炭の使用量)は500kg/t程度まで低減したが、還元材比の低減はすでに限界に達しており、これ以上の大幅な還元材比の低減は期待できない。
一方、天然ガスが産出される地域では、竪型の還元炉に酸化鉄原料として焼結鉱、ペレット等の塊成化した鉄鉱石(以下、酸化鉄と総称する)を充填し、水素及び一酸化炭素を含む還元ガスを吹き込んで酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法もよく用いられている。この方法では、還元ガスの原料ガスとして天然ガスなどが用いられる。原料ガスは、還元炉の炉頂から排出される炉頂ガスとともに改質器内で加熱・改質されて還元ガスが生成される。生成された還元ガスは還元炉に吹き込まれ、還元炉の上部から供給される酸化鉄原料と反応し、酸化鉄が還元され、還元鉄となる。製造された還元鉄は還元炉の下部から排出される。なお、酸化鉄の還元に供した後のガスは還元炉の炉頂から炉頂ガスとして排出され、集塵・冷却ののち、一部は改質ガスの原料として改質器に送りこまれる。また、残りの炉頂ガスは、加熱・改質器の燃料ガスとして用いられる。
上記の還元鉄製造プロセスとして、例えば特許文献1には、還元炉の排ガスと天然ガスとを改質器にて改質し、主にCOとH2ガスからなる還元ガスを生成し、この還元ガスを還元炉に吹込み還元炉内の酸化鉄を還元し、還元鉄を製造することが記載されている。
また、特許文献2には、コークス炉ガスとCO2除去した還元炉の炉頂ガスを改質して還元ガスを製造し、それを還元炉に吹き込むことで還元鉄を製造する方法が記載されている。
特開2017-88912号公報 特許第6190522号公報
特許文献1に記載の還元鉄製造方法では、還元ガス製造のために天然ガスを用いるため、高炉よりは低位ではあるものの、ある程度のCO2排出が避けられないという、問題がある。
また、特許文献2に記載の方法は、製鉄所内で生成されるコークス炉ガスもしくは転炉ガスを用いて還元ガスを製造するものであるが、一貫製鉄所においてコークス炉ガスや転炉ガスは加熱炉や焼鈍炉などの下工程燃料ガスとして不可欠であるため、還元鉄製造プロセスに転用してしまうと、下工程において燃料ガス不足を引き起こすことになる。その結果、結局は下工程の不足ガス補償のために天然ガスを外部供給することになり、CO2排出量の削減は実現されずに課題として残るものであった。
さらに、特許文献2に記載の方法では、コークス炉ガスを原料として改質して還元ガスとしているが、コークス炉ガスには硫黄分が多く含まれるため、CO2分離装置内の吸着材を痛める懸念がある。また、還元鉄製造プロセスは、COに対するH2の比を1.5前後とすると適正な操業ができる、といわれている。特許文献2に記載の方法において転炉ガスを用いる場合、転炉ガスはH2含有量が少ないため、還元ガスの組成を還元製造鉄プロセスの上記操業適正組成に調整することが困難である。
本発明は、上記の現状に鑑みなされたものであって、酸化鉄から還元鉄を製造する際に、省エネルギー化の実現並びに、CO2排出量の削減を可能とする方途について与えることを目的とする。
発明者らは、従来技術が抱えている前述の課題を解決するために鋭意研究した結果、以下に述べる新規な還元鉄の製造方法を開発するに至った。
即ち、本発明の要旨は、次のとおりである。
1.還元炉を用いて酸化鉄から還元鉄を製造する方法であって、
前記酸化鉄を前記還元炉へ充填する酸化鉄充填工程と、
前記還元炉へ還元ガスを吹き込む還元ガス吹込み工程と、
前記還元炉の炉頂から排出される炉頂ガスと高炉の炉頂から排出される高炉ガスとを混合して混合ガスを生成する混合工程と、
前記混合ガスからCO2およびH2Oを分離除去して前記還元ガスを生成する分離工程と、
前記還元ガスを加熱する加熱工程と、
前記還元炉内において前記還元ガスにより前記酸化鉄を還元する還元工程と、
を有する還元鉄の製造方法。
2.前記高炉が、送風に酸素ガスを用いる高炉である前記1に記載の還元鉄の製造方法。
本発明によれば、従来天然ガスを用いて酸化鉄原料の還元ガスを製造していたのに対し、還元炉の排ガスと高炉から排出される高炉ガスとを混合し、この混合ガスからCO2およびH2Oを適切に除去して組成調整して還元ガスを製造し、この還元ガスを酸化鉄の還元処理に供するという、高炉ガスを利用する還元鉄製造プロセスが実現される結果、還元鉄製造プロセスにおけるCO2排出量を大幅に削減することができる。また、送風ガスとして酸素ガスを用いる、高炉の高炉ガスを用いて還元ガスを製造する場合は、得られる還元ガスの濃度を高く維持できるために、還元鉄製造プロセスにおける還元効率をより高めることができる。
本発明の一実施形態に用いる還元鉄製造設備を示す模式図である。 比較例に用いる還元鉄製造設備を示す模式図である。 比較例に用いる還元鉄製造設備を示す模式図である。
本発明は、還元炉を用いて酸化鉄から還元鉄を製造する方法であって、
前記酸化鉄を前記還元炉へ充填する酸化鉄充填工程と、前記還元炉へ還元ガスを吹き込む還元ガス吹込み工程と、前記還元炉の炉頂から排出される炉頂ガスと高炉の炉頂から排出される高炉ガスとを混合して混合ガスを生成する混合工程と、前記混合ガスからCO2およびH2Oを分離除去して前記還元ガスを生成する分離工程と、前記還元ガスを加熱する加熱工程と、前記還元炉内において前記還元ガスにより前記酸化鉄を還元する還元工程と、を有するものである。
以下に、本発明の還元鉄の製造方法について実施形態に従って詳しく説明する。
本発明の一実施形態について、図1に模式的に示す還元鉄製造設備を参照して説明する。図中、符号1は還元炉、2は酸化鉄、3は還元鉄、4は除塵装置、5は混合装置、6は脱水装置、7は加熱装置、8は分離装置、11は高炉、12は羽口、13は脱水装置および14はバーナーである。
[還元炉の操業方法]
この実施形態では、次の手順に従って還元鉄を製造する。まず、還元鉄製造プロセスの中心となる還元炉1に、上部から酸化鉄2を装入し、該酸化鉄2を徐々に降下させる。その酸化鉄2の降下過程において、還元炉1の中間部から高温のCOおよびH2を含む還元ガスを吹き込むことによって酸化鉄2を還元し、還元炉1の下部から還元鉄3を排出する。この還元炉1内での還元処理において、還元炉1の上部からは主にCO、CO2、H2およびH2Oを含む炉頂ガスが排出される。この炉頂ガスは除塵装置4にて除塵されてから、一部は還元ガスの原料ガスとして混合装置5に送り込まれる。残りの炉頂ガスは、脱水装置6にて脱水ののち、加熱装置7において加熱用燃料として用いる。なお、加熱装置7にて炉頂ガスを燃焼させる際は、助燃ガスとして空気を用いればよい。
この実施形態では、前記酸素の製造や、後述するCO2およびH2Oの分離、を行うためのエネルギー源にCO2フリーの電力を用いれば、原理的にはCO2排出をゼロとすることができる。ここで、CO2フリーの電力としては、例えば太陽光発電、原子力発電によって生成された電力を用いればよい。
本実施形態において、還元ガスの原料ガスには前記炉頂ガスに加えて高炉ガスを混合した混合ガスを用いる。従来は、炉頂ガス成分(CO、CO2、H2およびH2O)を還元成分(COおよびH2)に改質するための炭化水素ガスとして、天然ガスを外部から供給していたことは上述の通りであるが、本発明に従う実施形態では、天然ガス等の外部から供給される炭化水素ガスの代わりに、高炉11から排出される高炉ガスと炉頂ガスとの混合ガスを調整して還元ガスとすることが肝要である。
この実施形態は、溶銑を製造する高炉のある製鉄所において、還元鉄製造プロセスを併設する場合に有利に成立する手法である。
[高炉の操業方法]
まず、本発明の実施形態において前記還元ガスの原料ガスとなる高炉ガスの供給元である、高炉の操業方法について説明する。図1に示すように、高炉11の炉頂部から高炉内へ原料となる焼結鉱や塊鉱石、ペレット(以下、鉱石原料ともいう)やコークスなどが装入される(図示せず)。また、高炉11下部に設置された羽口12から高炉11内へ、送風ガスと還元材とが吹込まれる。なお、羽口12から高炉11内へ吹込む還元材を、コークスと区別するため、吹込み還元材ともいう。
そして、送風ガスと還元材の反応により生じた一酸化炭素ガスや水素ガスによって、高炉11内に装入した鉱石原料が還元される。この鉱石原料の還元反応において、二酸化炭素が発生し、鉱石原料と反応しなかった一酸化炭素や水素などとともに、副生ガスとして、高炉の炉頂部から排出される。高炉11の炉頂部は2.5気圧程度の高圧条件となっているので、この高炉の炉頂部から排出される高炉ガス(副生ガス)が、常圧に戻る際の膨張冷却で水蒸気が凝縮し、脱水装置13において、その凝縮水が除去される。
前記した高炉の操業において発生した、高炉ガスの少なくとも一部を、上記した混合装置5に導入する。そして、混合装置5において、前記還元炉1の炉頂ガスと混合して混合ガスを生成する。なお、高炉内は還元性雰囲気であるため、高炉ガス中には、のちの分離工程において吸着材の劣化トラブルを引き起こす、硫黄分がほとんど含まれない。また、高炉ガス中には5~20%の水素が含まれているため、還元鉄プロセスの適正なガス組成、すなわちH2/CO比を適正に調整しやすいメリットがある。
ここで、生成される混合ガスにおける高炉ガスおよび炉頂ガスの混合比率は特に規制する必要はないが、混合後のガス組成においてH2/COの値が0.5から4の間となるように混合比に調整することが、還元鉄プロセスの安定操業の観点からは好ましい。
次いで、前記混合ガスに対して、還元ポテンシャルを高めるために、分離装置8にてCO2およびH2Oを分離除去する。この分離工程によって、還元成分(COおよびH2)の濃度を高めて混合ガスから還元ガスを生成する。ここで、CO2およびH2Oの分離除去では、CO2およびH2Oを可能な限り除去することが好ましい。
なお、分離装置8には、たとえばCO2分離に関してはPSA用い、H2O分離に関しては、気液分離槽を用いることができるが、これら装置構成に限定されない。
かくして得られた還元ガスは、上記した加熱装置7によって加熱して高温の還元ガスとして還元炉1へ供給する。
この実施形態では、高炉からのCO2を還元鉄プロセスの還元ガスの原料として再利用しているので、高炉からのCO2排出が削減できる効果がある。高炉と還元鉄製造プロセスのトータルCO2排出を想定したとき、還元鉄製造プロセスを増設した際の製鉄所のCO2排出増分はゼロであるため、実質的に本発明の還元鉄製造プロセス増設によるCO2排出はゼロとなる。なお、還元炉1にて製造された還元鉄を高炉11に原料として装入することによって、高炉の還元材比を削減でき、さらなるCO2削減を行うことも可能である。
ここで、本実施形態において、羽口12には、送風ガスとして、熱風(1200℃程度に加熱した空気)ではなく、酸素ガスを使用することが好ましい。
すなわち、送風ガスとして、熱風(1200℃程度に加熱した空気)を使用する場合、燃焼ガス中に燃焼反応に寄与しない50体積%程度の窒素が含まれ、高炉ガスに約50%の窒素ガスが含まれることになるため、この高炉ガスを原料ガスに用いて得られる還元ガスとしての濃度が低くなってしまう不利をまねく。そこで、送風として酸素ガスを用いる高炉から排出される高炉ガスを、原料ガスに用いることが有利である。このとき、高炉ガス中の窒素濃度はほぼゼロとなり、高炉ガスはほぼCO、CO2およびH2のみとなるため還元ガスの原料として好適になる。
ちなみに、羽口12では、吹込み還元材および酸素ガスが混合され、この混合ガスが、羽口12から高炉11内に吹込まれた直後に、急速着火・急速燃焼する。そして、羽口12の先の高炉内に、再生メタンガス等の吹込み還元材やコークスと酸素ガスとが反応する領域であるレースウェイが形成される。
なお、送風ガス中の酸素濃度が増加すると、炉内ガス量が少なくなり、高炉上部における装入物の昇温が不十分となる場合がある。この場合には、図1に示すように、脱水装置13の下流の高炉ガスの一部を、800℃~1000℃程度となるようにバーナー14により部分燃焼させた後、高炉シャフト部に吹込む予熱ガス吹込みを行うことが好ましい。
以下、本発明の実施例を記載する。なお、ここでは、還元鉄(DRI)1t製造あたりの原単位として操業諸元を記載する。たとえば、3000t/日の還元鉄プラントを考える場合は、下記を3000倍すれば1日当たりの諸元となる。
[発明例1]
図1に模式的に示した高炉に併設した還元鉄製造設備を用いて、次に示す還元炉操業を行った。すなわち、還元炉1の上部から酸化鉄2として1394kg/tの焼結鉱を装入し、炉1の中間部からは800℃に加熱した高温還元ガス2205Nm3/t(H2:42体積%、CO:57体積%)の吹き込みを行った。このとき、炉1の上部からは2205Nm3/t(H2:32体積%、CO:43体積%、CO2:15体積%、H2O:10体積%)の炉頂ガスが排出された。
一方、送風ガスとして酸素ガスを使用する高炉から発生した高炉ガス(H2:24体積%、CO:33体積%、CO2:43体積%)は脱水後に1430Nm3/t相当を取り出し、降雨豪装置5にて上記炉頂ガスと混合して還元ガスの原料ガスとして用いた。次いで、炉頂ガスと高炉ガスとを混合した混合ガス3280Nm3/tを分離装置8に送給し、脱水(H2O分離除去)およびCO2分離を行って、混合ガスから154kg/tの水および885Nm3/tのCO2を取り除いた。脱水及びCO2分離が行って得られた還元ガス2205Nm3/tは、加熱装置7にて加熱され、高温還元ガスとした。ここで、加熱装置7には、炉頂ガスのうち原料ガスとして使われなかった残りのガス354Nm3/tを加熱燃料ガスとして用いた。この加熱燃料ガスは、脱水ののち加熱装置の燃焼室にて燃焼し、還元ガス加熱の熱源とした。
以上の操業では、加熱装置7にて炉頂ガスの一部を燃焼させた際にCO2が発生するが、一方で高炉から排出されたCOおよびCO2が還元鉄プロセスにて再利用されることによってCO2削減が実現し、トータルで見ると、還元鉄プロセスを増設した際の製鉄所からのCO2排出の増減はゼロであった。
さらに、上記した還元鉄製造プロセスで得られた還元鉄を高炉11に原料として装入して高炉操業を行ったところ、高炉におけるコークス使用量を削減でき、さらなるCO2削減効果を得られた。
[比較例1]
図2に示す還元鉄製造設備を用いる一般的な還元炉操業を行った。この一般的な還元炉操業は、上記した発明例において、原料ガスとする炉頂ガスに加える原料を天然ガスとする比較例1である。すなわち、還元炉1の中間部から800℃に加熱した高温還元ガス2200Nm3/t(H2:62体積%、CO:38体積%)を吹き込み、還元炉操業を行った。このとき、炉上部からは2200Nm3/t(H2:46体積%、CO:29体積%、CO2:10体積%、H2O:15体積%)の炉頂ガスが排出された。この炉頂ガスを除塵したのち、1501Nm3/tを原料ガスに、残りの699Nm3/tの炉頂ガスを改質器10の加熱燃料ガスとして用いた。原料ガスとする炉頂ガスは、水分調整のために86kg/tの水を脱水装置9にて取り除いてから、改質器10に送り込んだ。加熱燃料ガスは、脱水ののち、改質器10の燃焼室にて空気で燃焼され、燃焼排ガスは大気放散した。改質器10では、前記原料ガスとともに天然ガス269Nm3/tを流し込み、還元ガスを製造した。
以上の操業において、改質器10の燃焼排ガスとして放出されるCO2を換算すると、528kg-CO2/tとなり、CO2の排出を抑制できなかった。
[比較例2]
図3に示す還元鉄製造設備を用いる一般的な還元炉操業を行った。この一般的な還元炉操業は、上記した発明例において、原料ガスとする炉頂ガスに加える原料をコークス炉ガスとする比較例2である。すなわち、比較例2は、比較例1において、天然ガスの代わりに524Nm3/tのコークス炉ガスをガス加熱装置10に流し込むことで還元鉄を製造するものである。従って、比較例1と同様に、ガス加熱装置10の燃焼排ガスとして放出されるCO2を換算すると、456kg-CO2/tとなるが、これは製鉄所内で発生したコークス炉ガスの一部を還元鉄プロセスに流用したものなので、コークス炉側のCO2排出も456kg-CO2/t減少しており、製鉄所としては差し引きゼロとなる。しかし、コークス炉ガスは高炉ガスとは異なり下工程でプロセスガスとして用いられているものなので、CO2フリー電力やCO2フリー電力を用いた水電解によって得られる水素によって代替することはできない。したがって、比較例2の方法では下工程で284Nm3/tの外部メタン(天然ガス等)を導入する必要がある。これにより製鉄所全体としてみると、557kg/tのCO2排出増となり、CO2の排出を抑制できなかった。また、コークス炉ガスは硫黄を多量に含んでおり、ガス加熱装置の中に設けた反応促進用触媒は硫黄に弱いため、追加で大規模な脱硫設備も設ける必要があった。
なお、この比較例2にて使用したコークス炉ガスは、一貫製鉄所において下工程プロセスの燃料、例えば加熱炉のバーナー燃料などに用いられる重要なプロセスガスなので、還元鉄プロセスで多量に使ってしまうと下工程の燃料が不足してしまう問題が起こる。10000t/日の高炉を持つ製鉄所において使用されるコークスを製造する際に発生するコークス炉ガスは169万Nm3/日となる。還元鉄の製造量を3000t/日とすると、本発明の還元鉄製造プロセスにて消費されるコークス炉ガスは157万Nm3/tであり、発生するコークス炉ガスのほぼ全量を使い切ってしまうことになる。よって、比較例2の方法は実際の製鉄所に適用することは不可能である。
1 還元炉
2 酸化鉄
3 還元鉄
4 除塵装置
5 混合装置
6 脱水装置
7 加熱装置
8 分離装置
9 脱水装置
10 改質器
11 高炉
12 羽口
13 脱水装置
14 バーナー

Claims (1)

  1. 還元炉を用いて酸化鉄から還元鉄を製造する方法であって、
    前記酸化鉄を前記還元炉へ充填する酸化鉄充填工程と、
    前記還元炉へ還元ガスを吹き込む還元ガス吹込み工程と、
    前記還元炉の炉頂から排出される炉頂ガス送風に酸素ガスを用いる、高炉の炉頂から排出される高炉ガスをそのまま混合して混合ガスを生成する混合工程と、
    前記混合ガスからCOおよびHOを分離除去して前記還元ガスを生成する分離工程と、
    前記還元ガスを加熱する加熱工程と、
    前記還元炉内において前記還元ガスにより前記酸化鉄を還元する還元工程と、
    を有する還元鉄の製造方法。
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