[第1の実施形態] 以下、図1~図20を参照して、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。第1の実施形態は、GPS衛星からの信号を受信することで現在位置を特定するGPSユニットをロードコーンに設けたこと、および、料金支払いがプリペイドカードによって行われることを特徴とする。
<第1の実施形態の構成> 図1は、第1の実施形態に係る駐車場システムの概略構成図である。 図2は、第1の実施形態に係るロードコーンの概略構成図である。 図3は、第1の実施形態に係る駐車場の斜視図である。 図4は、第1の実施形態に係る駐車場の平面図である。 図5は、第1の実施形態に係るロードコーンの斜視図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る駐車場システム1は、駐車場10内に設置された複数のロードコーン20(20a,20b,20c…)と、これらロードコーン20(20a,20b,20c…)を制御するサーバ30(制御装置)とを有している。
図2に示すように、ロードコーン20(20a,20b,20c…)には、GPS(全地球測位システム)ユニット21と、通信部22と、制御部23と、スピーカ24と、スイッチ25とを有している。
GPSユニット21は、制御部23の制御に基づいて、複数のGPS衛星からの信号を受信することで、現在位置を測定し、この測定結果の測位データを制御部23に送信する。
制御部23は、スイッチ25の操作データ及びGPSユニット21が測位した測位データに基づいて送信データを作成し、この送信データを通信部22に供給することで、当該送信データを無線LAN40またはインターネット60に送信する。また、制御部23は、無線LAN40またはネットワーク60を介してサーバ30から送信されるデータを、通信部22を介して受信し、この受信したデータに基づいてスピーカ24に音声を出力させる。
図1に示すように、駐車場10には、Wi-Fi(登録商標)規格による無線LAN40が設置されている。駐車場10内にいるユーザ(利用者)の携帯端末(スマートフォン等:以下、ユーザ端末と記す)51は、この無線LAN40(あるいは、3G回線)を介してインターネット60に接続される。
サーバ30は、有線LANによってインターネット60に接続しており、インターネット60を経由してユーザ端末51や駐車場10の管理者の端末(パーソナルコンピュータやスマートフォン等:以下、管理者端末と記す)52との間で通信を行う。また、ユーザが駐車場10外にいる場合、ユーザ端末51は、3G回線を介してインターネット60に接続される。
サーバ30は、駐車料金コースやユーザ情報、ロードコーン20(20a,20b,20c…)の非駐車中及び駐車中の設置位置等を記憶する記憶部31、ユーザ端末51からの入力信号等に基づく判定処理や信号出力を行う処理部32、処理部32の判定結果に応じてロードコーン20(20a,20b,20c…)への駐車指令信号やユーザ端末51および管理者端末52への信号等を生成する信号生成部33、ネットワーク60を介してユーザ端末51、管理者端末52及びロードコーン20(20a,20b,20c…)との通信を行う通信部34等を有している。
記憶部31に記憶される駐車料金コースやユーザ情報、ロードコーン20(20a,20b,20c…)の非駐車中及び駐車中の設置位置等は、ユーザ端末51や管理者端末52の操作によって登録できるようになっている。
図3及び図4に示すように、有料無人の駐車場10には、車両2を有料で駐車させる複数
の駐車スペース11a,11b,11c…が設けられている。
駐車スペース11a,11b,11c…には、それぞれ駐車ライン12a,12b,12c…が塗装されている。
駐車スペース11a,11b,11c…の中央には、それぞれ非駐車中ロードコーン設置ライン13a,13b,13c…が塗装されている。非駐車中ロードコーン設置ライン13a,13b,13c…は、時間貸し用(年契、月極等の長期契約以外)の駐車スペースにおいて、車両を駐車しない時にロードコーン20を設置する設置位置を示している。非駐車中ロードコーン設置ライン13a,13b,13c…の内側には、それぞれSP1非駐車中(図示せず)、SP2非駐車中(図4参照)、SP3非駐車中(図4参照)…の文字が塗装により表示されている。
各駐車スペース11a,11b,11c…の外側の各駐車ライン12a,12b,12c…に近接した位置(駐車した車両の運転手から見た場合の後側)には、それぞれ駐車中ロードコーン設置ライン14a,14b,14c…が塗装されている。駐車中ロードコーン設置ライン14a,14b,14c…は、時間貸し用の駐車スペースにおいて車両を駐車する時にロードコーン20を設置する設置位置を示している。駐車中ロードコーン設置ライン14a,14b,14c…の内側には、それぞれSP1駐車中(図4参照)、SP2駐車中(図示せず)、SP3駐車中(図4参照)…の文字が塗装により表示されている。
また、図3に示すように、駐車場1には、駐車スペース11a,11b,11c…からある程度離れた位置で、無線LAN40の送受信機15が設置されている。
図5に示すように、各ロードコーン20(20a,20b,20c…)は、台盤27の上に頭部を丸めた円錐筒28を植設した本体部26を有し、円錐筒28の先端部28aの内側にGPSユニット21を内蔵し、GPSユニット21の下側に通信部22及び制御部23を設け、円錐筒28の先端部28aより若干下側にスイッチ25の操作部であるボタン25aを設け、円錐筒28の中間部側面に放出用のスリット29を設け、スリット29の内側にスピーカ24を設けている。
<第1の実施形態の作用> 図6は、第1の実施形態で、駐車指令出力制御の手順を示すフローチャートである。 図7は、第1の実施形態で、地図信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。 図8は、第1の実施形態で、駐車開始時間信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。 図9は、第1の実施形態で、駐車スペース信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。 図10は、第1の実施形態で、駐車料金コース信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。 図11は、第1の実施形態で、料金信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。 図12は、第1の実施形態で、駐車開始時の課金処理の手順を示すフローチャートである。 図13は、第1の実施形態で、駐車開始時の残高不足信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。 図14は、第1の実施形態で、終了予告処理の手順を示すフローチャートである。 図15は、第1の実施形態で、第1終了予告信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。 図16は、第1の実施形態で、第2終了予告信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。 図17は、第1の実施形態で、駐車終了指令出力制御処理の手順を示すフローチャートである。 図18は、第1の実施形態で、駐車終了時の追加課金処理の手順を示すフローチャートである。 図19は、第1の実施形態で、駐車終了時の残高不足信号を受信したユーザ端末を示す正面図である。 図20は、第1の実施形態で、ロードコーン移動制御の手順を示すフローチャートである。
ユーザは、駐車場10の駐車スペースを初めて使用する場合、自宅あるいは駐車場10内で当該駐車場10のホームページにアクセスし、駐車場システム1に対応する専用アプリケーションソフトウェア(以下、専用アプリと記す)をユーザ端末51にダウンロードする。
次に、ユーザは、そのユーザ端末51を用いてユーザ登録を行う。ユーザ登録は、氏名や住所、携帯電話番号、支払情報(プリペイドカードコード)をサーバ30に登録するものである。支払いに用いるプリペイドカードは、駐車場10固有のものでもよいし、コンビニエンスストア等で販売している一般のものでもよい。ユーザがプリペイドカードコードを入力すると、プリペイドカードの額面がチャージ残高Bchgとしてサーバ30に記憶される。
車両2の時間貸し駐車を希望するユーザは、ユーザ端末51でインターネット60に接続した上で専用アプリを起動する。
これにより、サーバ30の処理部32は、図6のフローチャートにその手順を示す駐車指令出力制御のステップS1の判別がYESとなり、ステップS2で駐車場の所在地を示す地図信号をユーザ端末51に送信する。地図信号を受信したユーザ端末51では、図7に示すように、利用可能な駐車場の画像72を含む地図71が画面51aに表示される。地図71は、ユーザのスクロール操作により複数の駐車場を表示可能である。
ユーザが駐車場10の画像72をタップすると、駐車場を選択したことになる。この場合、処理部32は、ステップS3の判定がYesになり、ステップS4で駐車開始時間信号をユーザ端末51に送信する。
駐車開始時間信号を受信したユーザ端末51では、図8に示すように、駐車開始時間に対応する「駐車開始時間」ボタン73(73a~73d)と、「ENTER」ボタン74とが画面51aに表示される。ユーザは、駐車場の所在地までの距離や駐車前の用事等に応じて所望の「駐車開始時間」ボタン73を選択した後、「ENTER」ボタン74をタッチする。
次に、処理部32は、ステップS5でユーザが「ENTER」ボタン74にタッチしたか否かを判定することで、駐車開始時間を選択したか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS6で駐車スペース信号をユーザ端末51に送信する。
駐車スペース信号を受信したユーザ端末51では、図9に示すように、駐車スペースSP1(図4に示す駐車スペース11a)、SP2(図4に示す駐車スペース11b)、SP3(図4に示す駐車スペース11c)、SP4(図示せず)にそれぞれ対応する「駐車スペース」ボタン75(75a~75d)と、「ENTER」ボタン76とが画面51aに表示される。
ここで、「駐車スペース」ボタン75aには、駐車スペースSP1が空きであることが表示され、「駐車スペース」ボタン75bには、駐車スペースSP2が駐車中であることが表示され、「駐車スペース」ボタン75cには、駐車スペースSP3が長期契約中であることが表示され、「駐車スペース」ボタン75dには、駐車スペースSP4が予約済であることが表示される。図9の場合、駐車スペースSP1が新規に時間決め駐車可能な駐車スペースになっている。ユーザは、ボタン75aをタッチして選択した後、「ENTER」ボタン76をタッチする。
処理部32は、ステップS7でユーザが「ENTER」ボタン76にタッチしたか否かを判定することで、駐車スペースを選択したか否かを判定し、この判定がYesになると、ステップS8で、ユーザ端末51とロードコーン20(駐車スペースSP1を選択した場合、ロードコーン20a)との紐付けを行い、駐車料金コース信号をユーザ端末51に送信する。 駐車料金コース信号を受信したユーザ端末51では、図10に示すように、選択された駐車機器20に対応する「駐車料金コース」ボタン77(77a~77d)と、「ENTER」ボタン78とが画面51aに表示される。ユーザは、駐車後の用事等に応じて所望の「駐車料金コース」ボタン77を選択した後、「ENTER」ボタン78をタッチする。
処理部32は、ステップS9でユーザが「ENTER」ボタン78にタッチしたか否かを判定することで、駐車料金コースを選択したか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS10でロードコーン移動及び料金信号をユーザ端末51に送信する。
でロードコーン移動及び料金信号を受信したユーザ端末51では、図11に示すように、「使用料金は○○○○円です SP1のロードコーンのボタンを押して「SP1使用中」に移動させて、車を駐車スペースSP1に入れてください」とのメッセージ79と、「完了」ボタン80が画面51aに表示される。ユーザは、「SP1非使用中」の文字が記された非駐車中ロードコーン設置ライン13a内に設置されたSP1のロードコーン20aに対して、SP1のロードコーン20aのボタン25aを押して「SP1使用中」の文字が記された駐車中ロードコーン設置ライン14a内の位置に移動させる。次に、ユーザは、駐車スペース11aの車両2を入庫して、定位置に車を止めたことを確認したら、「完了」ボタン80を選択(タッチ)する。
ユーザによる駐車料金の確認、および「完了」ボタン80の選択を終えると、ユーザ端末51からは、駐車要求信号Sdが発信される。この駐車要求信号Sdは、インターネット60を経由してサーバ30の処理部32に入力される。
サーバ30の処理部32は、ステップS11でユーザが駐車要求信号Sdを入力したか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS12で図12のフローチャートにその手順を示す課金処理を行う。
(課金処理) 課金処理を開始すると、サーバ30の処理部32は、図12のステップS21でユーザのチャージ残高Bchgが使用料金Fusg1以上あるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS22で課金(チャージ残高Bchgに対する使用料金Fusg1の減算)を行って、課金処理を終了する。
ステップS21の判定がNoであった場合、処理部32は、ステップS23で残高不足信号をユーザ端末51に送信する。残高不足信号を受信したユーザ端末51では、図13に示すように、「残高が不足しています チャージして下さい」とのメッセージ81と、「YES」ボタン82と、「キャンセル」ボタン83とが画面51aに表示される。
ユーザは、プリペイドカードを所持していれば、「YES」ボタン82をタッチし、コード入力画面でプリペイドカードコードを入力し、プリペイドカードを所持していなければ駐車場10の自動販売機、コンビニエンスストア等でプリペイドカードを購入する。一方、プリペイドカードも現金も所持していなければ、「キャンセル」ボタン83をタッチする。
サーバ30の処理部32は、ステップS24でユーザによるプリペイドカードのチャージが完了したか否かを判定し、この判定がYesであればステップS22に移行して課金を行う。一方、ステップS24の判定がNoであった場合、サーバ30の処理部32は、ステップS25で「キャンセル」ボタン82がタッチされたか否かを判定し、この判定がNoである間はステップS24、S25の判定を繰り返す。
サーバ30の処理部32は、ユーザによって「キャンセル」ボタン82がタッチされてステップS25の判定がYesになると、ステップS26で駐車指令出力制御自体を中止し、課金処理を終了する。
ステップS22での課金が完了すると、サーバ30の処理部32は、図6のステップS13において、選択された駐車スペース(例えば駐車スペース11a)のロードコーン20(例えばロードコーン20a)が、ボタン25aが押され、駐車中ロードコーン設置ライン(例えば14a)で示される駐車中位置に移動したか否かを判別する。ロードコーンのボタン25aが押され、ロードコーンが駐車中位置に移動した場合、この判定がYesとなってS14の処理に移行し、ロードコーンのボタン25aが押されないか、選択された駐車スペースのロードコーンが駐車中位置に移動しなかった場合、判定がNoとなってステ
ップS13の処理を繰り返す。
サーバ30の処理部32は、図6のステップS14で車両開始指令を駐車スペース(例えば駐車スペース11a)のロードコーン20(例えばロードコーン20a)に出力し、駐車開始指令制御を終了する。駐車開始指令が入力した駐車スペース11のロードコーン20は、スピーカ24から「これから駐車中となります」の音声を出力し、ユーザが選択した駐車料金コースでの駐車制御を開始する。
サーバ30の処理部32は、駐車指令出力制御の各指令や課金処理の結果を逐次、管理者端末52に送信する。これにより、管理者は、駐車場10内の駐車スペース11の稼働状態や売り上げをリアルタイムに認識できる。
(終了予告処理) 駐車スペース11に車両が駐車を状態において、サーバ30の処理部32は、図14のフローチャートにその手順を示す終了予告処理を実行する。終了予告処理を開始すると、サーバ30の処理部32は、図14のステップS31で駐車終了時刻の10分前となったか否かを所定の時間間隔で繰り返し判定する。そして、この判定がYesになると、サーバ30の処理部32は、ステップS32でインターネット60を経由して第1終了予告信号をユーザ端末51に送信する。
第1終了予告信号を受信したユーザ端末51では、図15に示すように、「10分前です」とのメッセージ91が画面51aに表示され、「駐車終了」ボタン92とが画面51aに表示されるとともに、小さな音量で着信音が鳴る。なお、終了予告信号は、ユーザが駐車場10の外にいても、3G回線や店外の無線LANを介したインターネット60を経由してユーザ端末51に受信される。
ステップS32の処理の後、駐車を終了する場合、ユーザは、「駐車終了」ボタン92をタッチする。これにより、ユーザ端末51からは、駐車終了要求信号が発信される。駐車終了要求信号は、インターネット60を経由してサーバ30の処理部32に入力される。
サーバ30の処理部32は、駐車終了要求信号が入力されると、図17に示す駐車終了指令出力制御処理のステップS41で駐車終了操作が行われたと判定し、図17に示すステップS42の処理に移行する。 なお、終了予告信号は、ユーザが駐車場10の外にいても、3G回線や店外の無線LANを介したインターネット60を経由してユーザ端末51に受信される。
ステップS32の処理の後、「駐車終了」ボタン92がタッチされなかった場合、図14に示すように、サーバ30の処理部32は、ステップS33で駐車終了時刻の5分前となったか否かを所定の時間間隔で繰り返し判定する。そして、この判定がYesになると、サーバ30の処理部32は、ステップS34で第2終了予告信号をユーザ端末51に送信する。第2終了予告信号を受信したユーザ端末51では、図16に示すように、「5分前です」とのメッセージ93が画面51aに点滅表示に表示され、「駐車終了」ボタン92とが画面51aに表示されるとともに、着信音およびバイブレータ機能が作動する。
これにより、外部の商店や飲食店に出向いていたユーザも、買い物や食事を切り上げて駐車スペース11の駐車終了時刻までに駐車場10に戻ることができ、駐車スペース11の稼働率向上等が実現される。
ステップS34の処理の後、駐車を終了する場合、ユーザは、「駐車終了」ボタン92をタッチする。これにより、ユーザ端末51からは、駐車終了要求信号が発信され、サーバ30の処理部32は、図17に示す駐車終了指令出力制御処理のステップS41で駐車終了操作が行われたと判定し、図17に示すステップS42の処理に移行する。
図17に示すステップS42は、現在の時刻が使用料金Fusg1により設定された駐車終了時刻以前の場合はステップS43の処理に移行し、現在の時刻が使用料金Fusg1により設定された駐車終了時刻を過ぎていた場合、ステップS44の追加課金処理に移行する。
(追加課金処理) 追加課金処理を開始すると、サーバ30の処理部32は、現在の時刻から使用料金Fusg1により設定された駐車終了時刻を減算することで超過時間を算出し、この超過時間から追加料金Fusg2を設定し、図18のステップS51でユーザのチャージ残高Bchgが追加料金Fusg2以上あるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS52で課金(チャージ残高Bchgに対する追加料金Fusg2の減算)を行って、追加課金処理を終了する。
ステップS51の判定がNoであった場合、処理部32は、ステップS53で残高不足信号をユーザ端末51に送信する。残高不足信号を受信したユーザ端末51では、図19に示すように、「駐車時間超過で残高が不足しています チャージして下さい」とのメッセージ93と、「YES」ボタン94とが画面51aに表示される。
ユーザは、プリペイドカードを所持していれば、「YES」ボタン94をタッチし、コード入力画面でプリペイドカードコードを入力し、プリペイドカードを所持していなければ駐車場10の自動販売機、コンビニエンスストア等でプリペイドカードを購入する。
処理部32は、図18のステップS54でユーザによるプリペイドカードのチャージが完了したか否かを判定し、この判定がYesであればステップS52に移行して課金を行う。一方、ステップS54の判定がNoである間はステップS54の判定を繰り返す。
ステップS52での課金が完了すると、処理部32は、図17のステップS43に移行する。
処理部32は、図17のステップS43で、「SP1使用中」の文字が記された駐車中ロードコーン設置ライン14a内に設置されたロードコーン20及びユーザ端末51に駐車終了指令を出力し、駐車終了指令制御を終了する。駐車終了指令が入力されたロードコーン20(例えばロードコーン20a)は、非駐車中ロードコーン設置ライン(例えば非駐車中ロードコーン設置ライン13a)の中の位置に移動されるまで、「ロードコーンをSP1非駐車中に移動させてください」の音声を出力する。
これにより、ユーザは、駐車スペース11aから車両2を出庫して定位置に車を止めたことを確認したら、「SP1使用中」の文字が記された駐車中ロードコーン設置ライン14a内に設置されたSP1のロードコーン20aを、「SP1非使用中」の文字が記された非駐車中ロードコーン設置ライン13a内の位置に移動させる。この後、ユーザは車両2を駐車場から車両2を出車させる。
以下、各種ロードコーン移動時の制御部23の制御について説明する。 (ロードコーン移動制御) ロードコーン20(20a,20b,20c…)の制御部23は、図20のステップS61において、GPSユニット21が測位した位置を示す位置データに基づいて、当該ロードコーンが移動したかを判定し、この判定がYesであればステップS62に移行する。
制御部23は、ステップS62において、スイッチ25の操作データ、GPSユニット21が測位した位置を示す位置データ、サーバ30から送信される駐車契約に関わるデータ等より、今回の移動が不正移動であるか否かを判別し、不正移動の場合は判定結果がYesとなってステップS63の警告処理に移行し、不正移動でなかった場合は判定結果がNoとなってステップS64に処理に移行する。ステップS62の処理により、無断駐車を検出できる。
制御部23は、ステップS63において、不正移動の警告処理として、スピーカ24に「ロードコーンを元の位置に戻してください」の音声を出力するとともに、サーバ30を介してユーザ端末51に「ロードコーンを元の位置に戻してください」の音声及び画像を表示させる制御を行う。ステップS63の処理により、無断駐車を防止できる。
制御部23は、ステップS64において、今回の移動が駐車開始時か否かを判別し、駐車開始時の場合は判定結果がYesとなってステップS65の警告処理に移行し、駐車開始時でなかった場合(駐車終了時の場合)は判定結果がNoとなってステップS66に処理に移行する。
制御部23は、ステップS65において、スピーカ24に「駐車時間が開始しました」の音声を出力させるとともに、サーバ30を介してユーザ端末51に「駐車時間が開始しました」の音声及び画像を表示させる制御を行う。
制御部23は、ステップS66において、スピーカ24に「駐車時間が終了しました」の音声を出力させるとともに、サーバ30を介してユーザ端末51に「駐車時間が終了しました」の音声及び画像を表示させる制御を行う。
<第1の実施形態の構成及び効果> 第1の実施形態のロードコーン20(車両移動規制器具)は、屋外で車両の移動を規制する本体部26(車両移動規制手段)と、前記車両移動規制手段の位置を特定するGPSユニット21(位置特定手段)とを有する。位置特定手段
尚、第1の実施形態では、屋外で車両の移動を規制する車両移動規制手段として、ロードコーン20の本体部26を用いたが、屋外で車両の移動を規制する車両移動規制手段としては、車両2の自動操縦を行う自動操縦装置や自動ブレーキ装置等、各種適用可能である。
また、前記車両移動規制手段の位置を特定する位置特定手段としてロードコーン20のGPSユニット21を用いたが、位置特定手段としては、車両2に搭載されたビデオカメラやGPS、車両2に乗車するユーザの携帯端末のGPS等、各種適用可能である。
さらに、ロードコーンの位置を特定(測定)する方法としては、Wi-Fiやブルーツゥース等の通信機能をロードコーンに搭載する方法、ビーコンをロードコーンに搭載する方法、付近のカメラ(防犯カメラ)によりロードコーンを撮影する方法も適用可能である。
このような構成を有することから、第1の実施形態では、車両移動規制手段の位置を自動的に確認することができる。
第1の実施形態のロードコーン20(車両移動規制器具)は、屋外に設置された状態で車両の移動を規制する本体部26(器具本体)と、前記本体部26に設けられ、衛星からの信号を受信することで前記器具本体の位置を特定するGPSユニット21(衛星測位システム受信機)とを有する。
尚、第1の実施形態では、車両移動規制器具としてロードコーンを用いたが、車両移動規制器具としては、ロードコーンに限らず、移動式の柵、移動式のフェンス等、他のものを用いてもよい。
また、第1の実施形態では、衛星測位システム受信機としてGPSユニットを用いたが、衛星測位システム受信機として、例えば中国の「BeiDou」の受信機、ロシアの「GLONASS」等の受信機等、他の衛星測位システムの受信機を用いることも可能である。
このような構成を有することから、第1の実施形態では、ロードコーン20の位置を自動的に確認することができる。
また、第1の実施形態の本体部26(器具本体)は、台盤27の上に頭部を丸めた円錐筒28を植設した形状に形成されている。
このような構成を有することから、第1の実施形態では、車両移動規制器具としてロードコーンを用いることができる。
また、第1の実施形態の駐車場システム1(車両移動規制システム)は、ロードコーン20と、前記ロードコーン20の前記GPSユニット21が特定した位置に基づいて、前記ロードコーン20が不正移動されたかを否かを判別するサーバ30(不正移動判別手段)とを有する。
尚、第1の実施形態では、車両移動規制システムを駐車場システム1に適用したか、車両移動規制システムとしては、駐車場システムに限らず、交通整理用のシステム、検問用のシステム等、他のシステムに適用してもよい。
このような構成を有することから、第1の実施形態では、ロードコーン20
が不正移動されたか否かを自動的に判別することができ、無断駐車を検出して、無断駐車を防止できる。
また、第1の実施形態の駐車場システム1は、駐車場10内の駐車スペース11a、11b、11c…に設置された状態で車両の移動を規制するロードコーン20と、ユーザ(利用者)のユーザ端末51(携帯端末)との間で通信を行うとともに、前記ロードコーン20との間で通信を行い、それらの通信結果に応じて、前記ロードコーン20が不正移動されたかを否かを判別するサーバ30(通信制御装置)とを有する。
このような構成を有することから、第1の実施形態では、駐車場10内の駐車スペース11a、11b、11c…において、ロードコーン20が不正移動されたか否かを自動的に判別することができる。
また、第1の実施形態の駐車場システム1において、前記サーバ30は、前記ユーザ端末51を所持したユーザと前記ロードコーン20の一つとを紐付ける紐付手段(処理部32における図6に示すステップS8の処理に関わるプログラム及び回路)と、前記ユーザ端末51からの駐車要求信号Sdに基づき、当該携帯端末に紐付けられたロードコーン20の移動許可を行う移動許可手段(処理部32における図6に示すステップS12の処理に関わるプログラム及び回路)とを有する。
このような構成を有することから、第1の実施形態では、前記ユーザ端末51からの駐車要求信号Sdに基づき、当該ユーザ端末51に紐付けられたロードコーン20の移動許可を行うことができる。
また、第1の実施形態の駐車場システム1は、前記ユーザ端末51と前記サーバ30との通信がインターネット60を経由してなされる。
また、第1の実施形態の駐車場システム1では、前記サーバ30は、前記判別の結果が不正移動されたことを示した場合、前記ユーザ端末51に警告を出力させる指令を行う第1警告指令手段(サーバ30の処理部32における図20に示すステップS63の処理に関わるプログラム及び回路)を有する。
このような構成を有することから、第1の実施形態では、ロードコーン20が不正移動されたことを示した場合、前記ユーザ端末51に警告を出力させることができる。
また、第1の実施形態の駐車場システム1は、前記ロードコーン20は、警告を出力するスピーカ24(警告出力手段)を備え、前記サーバ30は、前記判別の結果が不正移動されたことを示した場合、前記ロードコーン20の前記スピーカ24に警告を出力させる指令を行う第2警告指令手段(サーバ30の処理部32における図20に示すステップS63の処理に関わるプログラム及び回路)を有する。
このような構成を有することから、第1の実施形態では、ロードコーン20が不正移動されたことを示した場合、前記ロードコーン20に警告を出力させることができる。
また、第1の実施形態の駐車場システム1は、前記駐車スペースの駐車終了に係る告知を前記ユーザ端末51に送信する終了告知手段(サーバ30の処理部32における図14に示すステップS31~S34の処理に関わるプログラム及び回路)を有する。
また、第1の実施形態の駐車場システム1は、前記ユーザ端末51及びロードコーン20をインターネット60に接続させる無線LAN40が前記駐車場10に設置されている。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態のロードコーン20によれば、ユーザ(利用者)及び管理者の利便性向上等を実現できる。
また、本発明の第1の実施形態の駐車場システム1によれば、長期契約が可能な有料駐車場の空きスペースにおいて、容易に時間貸しが可能になり。
また、本発明の第1の実施形態の駐車場システム1によれば、有料駐車場を開設ける際の設備投資を抑制することが可能になり、月決め駐車場の空きスペースの有効活用、自宅駐車場の昼間だけの管理、短期の駐車場貸し、短期間の土地借用による駐車場や小規模の駐車場にとつて非常に好適なものとなる。
また、第1の実施形態の駐車場システム1によれば、ユーザ端末51の操作と、ロードコーン20の移動操作(スイッチ25の操作も含む)とを行うだけで、駐車場10の有料の駐車スペース11に車両2を駐車させ、料金の支払いを行えるので、利用者は駐車スペースと精算機の間を行ったり来たりする必要がなく、使い勝手の良いものとなる。
また、ユーザは、プリペイドカードで十分なチャージを行っておけば、精算機等に現金を投入する必要がないため、現金の使用によめトラブルを防止でき、管理者にトラブル対応の労力を低減することができるとともに、精算機に窃盗等の被害を防止できる。
また、第1の実施形態の駐車場システム1によれば、非駐車中ロードコーン設置ライン内から駐車中ロードコーン設置ライン内の位置にロードコーン20を移動させる際に、ロードコーン20のボタン25aを押さなかった場合、不正移動になりロードコーン2のスピーカ24から警告音を出力することができるので、時間貸しの駐車契約中に、ロードコーン2の操作方法を知らない第三者によって誤ってロードコーンが移動されるのを防止できる。
従って、駐車場システム1によれば、ユーザ(利用者)及び管理者の利便性向上等を実現できる。
[第2の実施形態] 第2の実施形態では、ロードコーン20において、ボタン25aを設けず、駐車の際に、ロードコーン20を駐車中ロードコーン設置ライン14a内の位置に移動させることで、正規の移動が行われたものとする。これ以外の第2の実施形態の構成は、第1の実施形態と同様になる。
<第2の実施形態の作用効果> このような第2の実施形態によれば、時間貸しの駐車契約中に第三者によって誤ってロードコーン20が移動されるのを防止する効果が低下するが、第1の実施形態に比べてロードコーン20の製造コストを低減できるという効果が得られる。
[第3の実施形態] 第3の実施形態では、ロードコーン20において、スピーカ25aを設けず、ロードコーン20の不正移動をユーザ端末51で警告したり、管理者端末52に報告したりする構成にしている。これ以外の第3の実施形態の構成は、第1の実施形態と同様になる。
<第3の実施形態の作用効果> このような第3の実施形態によれば、第三者によって誤ってロードコーン20が移動されるのを防止する効果が低下するが、第1の実施形態に比べてロードコーン20の製造コストを低減できるという効果が得られる。
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれらに限られるものではない。例えば、第1乃至第3の実施形態では課金をプリペイドカードによって行うようにしたが、クレジットカードやデビットカード、携帯電話利用料金等によって行うようにしてもよい。また、駐車スペースを利用する毎にポイントを付与し、このポイントを利用代金の一部に充当できるようにしてもよい。また、ユーザが自宅などでインターネットに接続し、専用アプリを起動し駐車スペースの空き情報を確認及び契約をできるようにしてもよい。その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、駐車場システムの具体的構成や駐車指令出力制御の具体的手順等についても適宜変更可能である。
第1乃至第3の実施形態では、ユーザ端末51の操作による駐車場の時間貸しに適用したが、オーナの管理者端末52により所定の時間だけ貸すこと、毎日、所定の時間だけ貸すことも可能であり、オーナの車両の場合、不正移動の警告を解除することも可能である。
また、第1乃至第3の実施形態では、ロードコーン20を駐車場に用いたが、ロードコーン20は、工事現場、公園、宗教施設、駅等、各種適用可能である。