JP7261694B2 - スパッタリングターゲット及び、スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、GeSbTe系の相変化膜では、書込みに大きなエネルギーが必要になるという短所がある。
一の実施形態のスパッタリングターゲットは、Cr(クロム)、Ge(ゲルマニウム)及びTe(テルル)を含有するものであって、X線回折法で測定されるCrGeTe3の(113)面の回折ピークの積分強度I(113)と、Cr3Te4の(204)面の回折ピークの積分強度I(204)との強度比I(113)/I(204)が、15以上である。
スパッタリングターゲットは、Cr、Ge及びTeを含有するものである。Crの含有量は、たとえば10at%~30at%、好ましくは15at%~25at%である。Geの含有量は、たとえば10at%~30at%、好ましくは15at%~25at%である。Teの含有量は、たとえば40at%~80at%、好ましくは50at%~70at%である。Cr、Ge及びTeをそれぞれ、このような範囲で含むことにより、相変化膜に供するCrGeTe合金とすることができる。なお、スパッタリングターゲットの組成は、誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)により測定することができる。
スパッタリングターゲットには、CrGeTe3が含まれる。スパッタリングターゲットがCrGeTe3を含むことは、X線回折法(XRD)により確認することができる。より詳細には、スパッタリングターゲットについてX線回折法で測定を行った場合に、CrGeTe3の(113)面の回折ピークの積分強度I(113)と、Cr3Te4の(204)面の回折ピークの積分強度I(204)との強度比I(113)/I(204)が、15以上である。これは、CrGeTe3相の合金となっている割合が多く、Cr3Te4やGeTeへの相分離が少ないことを意味する。これにより、所要のスパッタリング特性を有効に発揮することができる。言い換えれば、Cr3Te4やGeTeへの相分離が多く発生している場合、相分離によるスパッタリングレートの違いが顕著になり、スパッタリングにより形成した薄膜の組成が狙い通りに得られないこと、相の違いからノジュールが形成され、異常放電が発生することのおそれがある。
スパッタリングターゲットの相対密度は、90%以上であることが好ましく、さらに95%以上であることがより一層好ましい。相対密度が低すぎると、アーキングが発生する懸念がある。
上述したスパッタリングターゲットは、たとえば、次の述べるような方法にて製造することができる。
はじめに、Cr原料、Ge原料及びTe原料を溶解するとともに、Cr、Ge及びTeを含有するインゴットを鋳造する溶解鋳造工程を行う。
なおここで、溶湯を鋳型内に流し込む際や、鋳型内で冷却する際にも、上記の溶解時と同様の真空雰囲気もしくは不活性ガス雰囲気、好ましくはアルゴンガス雰囲気とすることが好ましい。これにより、鋳造時もTeの揮発を抑制することができて、狙いの組成がさらに得られやすくなる。
これにより、ある程度微細な粉末を得る。当該粉末の50%粒子径D50は、好ましくは1.00μm~8.00μm、より好ましくは1.00μm~3.00μm、さらに好ましくは1.15μm~2.5μmとする。また、当該粉末の90%粒子径D90は、好ましくは2.00μm~10.00μm、より好ましくは3.0μm~6.0μmとする。粉末の50%粒子径が大きすぎる場合、CrTeもしくはGeTeの相が現れてしまうおそれがあり、小さすぎる場合、表面酸化が著しい状態となる可能性がある。また、粉末の90%粒子径が大きすぎる場合、やはりCrTeもしくはGeTeの相が現れてしまうおそれがある。粉末の50%粒子径D50、90%粒子径D90は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置で測定して得られる粒子径分布グラフで、体積基準の頻度の累積が50%、90%になる粒子径を求めることにより算出する。粉砕工程での粉砕条件は、このような粒径の粉末が得られるように適宜調整することができる。
そしてまた、加圧する時間は、短すぎると低密度の焼結体となるおそれがあり、長すぎると粒成長が進行する可能性がある。したがって、加圧時間の好ましい範囲は、4時間~8時間である。
このようなスパッタリングターゲットは、コスパッタによらず、CrGeTe系の相変化膜を形成することができるので、相変化メモリの製造能率等の観点から有利である。
Te:60at%、Ge:20at%、Cr:20at%となるように秤量した原料を、アルゴンガス雰囲気の下、真空誘導溶解炉(富士電波工業社製のFVM-3)で溶解した後、その溶湯を鋳型に流し込んで、Cr、Ge及びTeを含有するインゴットを鋳造した。このインゴットを、ピンミルと称される粉砕機(アイシンナノテクノロジーズ社製のM-4B)にて粉砕して、粉末Aを得た。レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置としてCILAS社製の1064L型を用いて測定したところ、粉末Aの50%粒子径D50は13.84μm、90%粒子径D90は36.49μmであった。この粉末Aをホットプレスにより焼結し、焼結体Aを作製した。ホットプレスでの焼結時の条件としては、温度を450℃、加圧力を30MPa、加圧時間を5時間とした。ホットプレスには、第一機電社製の30tホットプレスを用いた。
また、焼結体Aの密度は6.05g/cm3であり、CrGeTe3の真密度6.09g/cm3を100%とした相対密度は99.34%となり、十分に緻密な組織が得られたことが解かった。
組成に関しては、狙い組成であるCr:20at%、Ge:20at%、Te:60at%に対して、±1at%の範囲に収まっていた。粉末・焼結体の両方で±1at%の範囲であることからターゲットとしては均一な組成が得られていることが推認される。ガス不純物に関し、酸素は1000ppm未満、炭素は100ppm未満の含有量であった。さらに、GDMSによる不純物分析では、総和が17.724質量ppmであり、99.99質量%の純度が得られたことが解かった。
上記のインゴットを、ピンミルで粉砕した後にさらに、ジェットミルで粉砕して粉末A’を得たことを除いて実施例1と同様にして、この粉末A’にホットプレスを行い、焼結体A’を作製した。粉末A’の50%粒子径D50は1.89μm、90%粒子径D90は3.89μmであった。なお、ジェットミルとしては、株式会社アイシンナノテクノロジーズ製のナノジェットマイザーを用いた。
また、焼結体A’の密度は5.97g/cm3であり、CrGeTe3の真密度6.09g/cm3を100%とした相対密度は98.04%となり、十分に緻密な組織が得られたことが解かった。
組成に関しては、狙い組成であるCr:20at%、Ge:20at%、Te:60at%に対して、±1at%の範囲に収まっていた。焼結体A’で±1at%の範囲であることからターゲットとしては均一な組成が得られていることが推認される。ガス不純物に関し、酸素は1000ppm未満、炭素は100ppm未満の含有量であった。さらに、GDMSによる不純物分析では、総和が23.834質量ppmであり、実施例1と同様に99.99質量%の純度を得ていることが分かった。
粉末Aを、上記の実施例1よりも低い355℃で加熱して焼結したことを除いて、実施例1と同様にして、焼結体Bを作製した。
Claims (9)
- スパッタリングターゲットであって、
Crを10at%~30at%、Geを10at%~30at%、Teを40at%~80at%で含有し、
X線回折法で測定されるCrGeTe3の(113)面の回折ピークの積分強度I(113)と、Cr3Te4の(204)面の回折ピークの積分強度I(204)との強度比I(113)/I(204)が、15以上であるスパッタリングターゲット。 - ガス成分を除く不純物の含有量が、100質量ppm未満である請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
- 酸素含有量が5000質量ppm未満であり、炭素含有量が500質量ppm未満である請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲット。
- 相対密度が90%以上である請求項1~3のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲット。
- スパッタリングターゲットを製造する方法であって、
前記スパッタリングターゲットが、Crを10at%~30at%、Geを10at%~30at%、Teを40at%~80at%で含有し、
Cr原料、Ge原料及びTe原料を溶解するとともに、Cr、Ge及びTeを含有するインゴットを鋳造する溶解鋳造工程と、前記インゴットを粉砕して粉末を得る粉砕工程と、前記粉末を400℃~500℃の温度で加熱して焼結させ、焼結体を得る焼結工程とを含む、スパッタリングターゲットの製造方法。 - 焼結工程で、前記粉末を15MPa~35MPaで4時間~8時間にわたって加圧する、請求項5に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
- 溶解鋳造工程で、Cr原料、Ge原料及びTe原料を溶解する際の雰囲気を、不活性ガス雰囲気とし、不活性ガスをアルゴンガスとする、請求項5又は6に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
- 溶解鋳造工程で秤量したCr原料、Ge原料及びTe原料の各原料の割合に対する、焼結工程で得られる焼結体のCr含有量、Ge含有量及びTe含有量の各含有量のずれがいずれも、±1at%以内である、請求項5~7のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
- 粉砕工程で、50%粒子径D50が1.00μm~3.00μm、90%粒子径D90が2.00μm~10.00μmである前記粉末を得る、請求項5~8のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
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