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JP7227682B2 - 吸音材 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波領域でも良好な吸音性を有する吸音材に関する。
従来、中周波領域(2000~3150Hz)の吸音性を高めるため、ポリウレタンフォームに不織布が積層された吸音材がある。
ポリウレタンフォームは、ポリオール、イソシアネート、発泡剤、触媒を含むポリウレタンフォーム原料を発泡させることにより得られる。
特許第3388681号公報
しかし、従来のポリウレタンフォームと不織布の積層体からなる吸音材は、吸音性が中周波領域でピークになった後、高周波領域にかけて低下する問題がある。
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、ポリウレタンフォームに不織布が積層された吸音材において、中周波領域以降でも吸音性の低下が少なく、良好な吸音性が得られる吸音材の提供を目的とする。
請求項1の発明は、ポリオール、イソシアネート、発泡剤、触媒を含むポリウレタンフォーム原料から得られたポリウレタンフォームに不織布が積層された吸音材において、前記ポリウレタンフォーム原料に炭酸水素ナトリウムと有機固体酸を含むことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記不織布は、目付が2~200g/m、平均繊維径が0.5~20μmであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記不織布は、接着層を介して前記ポリウレタンフォームに接着されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3において、前記接着層は、通気性が確保できる程度に前記ポリウレタンフォームまたは前記不織布の一方または両方に塗布された接着剤の層からなることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記不織布は、メルトブロー法により紡糸された不織布であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1または2において、前記不織布は、前記ポリウレタンフォームの表面にメルトブロー工法による紡糸で形成されたものであることを特徴とする。
本発明によれば、ポリウレタンフォームに不織布が積層された吸音材において、ポリウレタンフォーム原料に炭酸水素ナトリウムと有機固体酸が含まれることにより、中周波領域以降でも吸音性の低下が少なく、良好な吸音性を有する吸音材が得られる。
本発明の一実施形態に係る吸音材の断面図である。 炭酸水素ナトリウムとクエン酸による吸熱反応を示す図である。 炭酸水素ナトリウムとリンゴ酸による吸熱反応を示す図である。 比較例と実施例におけるポリウレタンフォームの配合と物性測定結果を示す表である。 実施例及び比較例の垂直入射吸音率の測定結果を示す表である。 実施例及び参考例の残響室吸音率の測定結果を示す表である。 実施例及び比較例の残響室吸音率の測定結果を示す表である。
図1に示す本発明の一実施形態に係る吸音材10は、ポリウレタンフォーム11に不織布21が積層されている。
ポリウレタンフォーム11は、ポリオール、イソシアネート、発泡剤、触媒、炭酸水素ナトリウム、有機固体酸を含むポリウレタンフォーム原料を混合、反応させることにより製造される。
ポリオールとしては、ポリウレタンフォーム用のポリオールを使用することができ、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等の何れでもよく、それらの一種類あるいは複数種類を使用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
また、ポリエーテルエステルポリオールとしては、前記ポリエーテルポリオールと多塩基酸を反応させてポリエステル化したもの、あるいは1分子内にポリエーテルとポリエステルの両セグメントを有するものを挙げることができる。
ポリオールについては、水酸基価(OHV)が20~300mgKOH/g、官能基数が2~6、重量平均分子量が500~15,000であるポリオールを単独または複数用いることが好ましい。
イソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系または芳香族系ポリイソシアネート、それらの混合物、およびそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートを使用することができる。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネート等を挙げることができ、芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックMDI(クルードMDI)等を挙げることができる。なお、その他プレポリマーも使用することができる。
イソシアネートインデックス(INDEX)は、100以上が好ましく、より好ましくは100~125である。イソシアネートインデックスは、イソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオールの水酸基などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[イソシアネートのNCO当量÷活性水素当量×100]で計算される。
発泡剤としては、水が好ましい。水はポリオールとイソシアネートの反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによって発泡を行う。発泡剤としての水の量は、ポリオール100重量部に対して10重量部以上であり、好ましい水の量は10~15重量部である。
触媒としては、金属触媒が含まれ、アミン触媒と併用されるのが好ましい。金属触媒としては、例えば、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等のスズ触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等が挙げられる。金属触媒の量は、ポリオール100重量部に対して0.2~0.8重量部であり、好ましくは0.3~0.7重量部、より好ましくは0.4~0.6重量部である。金属触媒を前記範囲の量含むことにより、ポリウレタンフォームの通気性を低下させ、吸音性を高めることができる。アミン触媒としては、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N-エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン等を挙げることができる。アミン触媒の量は、ポリオール100重量部に対して0又は0.05~0.5重量部が好ましい。
炭酸水素ナトリウムの量は、ポリオール100重量部に対して5~50重量部が好ましい。炭酸水素ナトリウムの量を、前記範囲とすることにより、吸熱反応を良好に行うことができ、ポリウレタンフォームの製造時の発熱温度上昇を抑えることができる。
有機固体酸は、炭酸水素ナトリウムと併用することにより、ポリウレタンフォームの製造時に吸熱作用が大になり、ポリウレタンフォームの発熱温度上昇を、より効果的に抑えることができる。有機固体酸の量は、炭酸水素ナトリウムの量の1/30~1/60が好ましく、より好ましくは1/30~1/50である。
有機固体酸としては、クエン酸、フマル酸、マロン酸、ステアリン酸、ピルビン酸、フタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、ヒドロキシ基を有する多塩基カルボン酸等が挙げられる。有機固体酸は、一種類に限られず、二種類以上を併用してもよい。特にクエン酸とリンゴ酸(ヒドロキシ酸)は、本発明において、より好ましい有機固体酸であり、何れか一方又は両方が使用される。特にリンゴ酸は、本発明において好ましい有機固体酸である。なお、クエン酸は、水和物、無水物いずれも使用できる。
有機固体酸がクエン酸の場合、第1段階の吸熱反応は図2に示す通りであり、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の反応によって、クエン酸三ナトリウムと水及び二酸化炭素が発生し、その際の吸熱により、ポリウレタンフォーム原料の反応による温度上昇を抑える。
また、第1段階の吸熱反応で消費されなかった炭酸水素ナトリウムは、ポリウレタンフォーム原料のその後の反応進行による発熱で、図2に示す第2段階の吸熱反応を行い、ポリウレタンフォーム原料の反応による温度上昇をさらに抑えることができる。第2段階の吸熱反応では、第1段階の吸熱反応で消費されなかった炭酸水素ナトリウムが、炭酸ナトリウムと水及び二酸化炭素に熱分解する。
有機固体酸がリンゴ酸の場合における第1段階の吸熱反応及び第2段階の吸熱反応は、図3に示すとおりである。
また、炭酸水素ナトリウムと有機固体酸(例えばクエン酸またはリンゴ酸)の反応分解物として水と二酸化炭素が発生し、発生した水は蒸発し、二酸化炭素もポリウレタンフォームから自然放出されるため、ポリウレタンフォームを軽くすることができる。
ポリウレタンフォーム原料には、その他の助剤を加えてもよい。助剤として、例えば、整泡剤や着色剤等を上げることができる。整泡剤としては、ポリウレタンフォーム用として公知のものを使用することができる。例えば、シリコーン系整泡剤、フッ素系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。着色剤としては、カーボン顔料等、ポリウレタンフォームの用途等に応じたものを使用できる。
本発明のポリウレタンフォーム11は、密度(JIS K7220)が8~15kg/mであるのが好ましい。前記範囲からなる低密度とすることにより。ポリウレタンフォームを軽量にすることができる。
また、本発明のポリウレタンフォーム11は、通気性(JIS K6400-7:2012)が0.2~10cc/cm/sであるのが好ましく、より好ましくは0.2~5cc/cm sである。前記範囲からなる低通気とすることにより、ポリウレタンフォームの吸音性を高めることができる。
なお、本発明のポリウレタンフォーム11は、厚みが大であるほど吸音材10の吸音性が向上するが、吸音材11が嵩張るようになると共に重くなるため、吸音材11の使用場所等に応じた厚みとされる。例として5~50mmの厚みを挙げる。
ポリウレタンフォームの製造における発泡方法は、金型内に注型するモールド成形発泡法や、スラブストック発泡法が採用でき、中でもスラブストック発泡法が大量生産するのに好ましい。スラブストック発泡法は、2液のポリウレタンフォーム原料を攪拌機で混合させて、ベルトコンベアー上に吐出し、大気圧下、常温で発泡させる方法である。ポリウレタン原料組成物は、ワンショット法やプレポリマー法などを採用できる。
不織布21は、目付が2~200g/m、平均繊維径が0.5~20μmであるのが好ましい。前記目付量及び平均繊維径とすることにより、吸音材10の吸音性を良好にすることができる。
不織布としては、オレフィン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維等からなる不織布である。繊維は、溶融紡糸、乾式紡糸、乾式紡糸等により製造され、製造方法は限定されない。また、繊維の断面は、単層断面、多層断面、芯鞘、中空断面、分割構造等があげられる。紡糸後、繊維を分割する工程により得られる極細繊維も有用である。不織布は、乾式法、湿式法、スパンポンド法、メルトブロー法(メルトブローン法とも称される)、エアレイド法のいずれの紡糸方法で得られたものでもよい。繊維同士の結合方法は、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法のいずれの紡糸方法でも良い。特にメルトブロー法により紡糸された不織布が好ましい。メルトブロー法による紡糸は、溶融させた熱可塑性樹脂を押出機に設けた口金(ダイ)の微細な孔から、高速・高温の空気流で糸状に吹き出し、ベルトコンベアー上で集積して繊維同士の絡み合いと融着によりウェブを形成する。口金の微細な孔は、幅1m当たり数百以上形成されている。
前記不織布21は、接着層を介して前記ポリウレタンフォーム11に接着されたもの、あるいは前記ポリウレタンフォーム11の表面にメルトブロー法によって直接形成されたものでもよい。
接着層は、通気性が確保できる程度に前記ポリウレタンフォーム11または前記不織布21の一方または両方に塗布された接着剤の層で構成するのが好ましい。前記接着層に通気性を確保する方法としては、例えば、液状の接着剤を、前記ポリウレタンフォーム11または前記不織布21の一方または両方にスプレーなどによって散点状に塗布する方法を挙げる。接着剤としては、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト、泰平ケマック株式会社製、品番708.1等を挙げることができる。
不織布21を、ポリウレタンフォーム11の表面にメルトブロー法によって直接形成する場合、ベルトコンベアー上にポリウレタンフォームを供給し、ベルトコンベアー上のポリウレタンフォームの表面に、溶融させた熱可塑性樹脂を、押出機の口金(ダイ)から糸状に吹き出し、ポリウレタンフォームの表面で集積して繊維同士の絡み合いと融着によりウェブを形成する。その際、ウェブはポリウレタンフォームの表面で融着し、形成される不織布がポリウレタンフォームの表面に接着する。
以下の成分を図4に示す配合で混合し、反応・発泡させて比較例及び実施例のポリウレタンフォームを作製した。各成分の添加量の単位は重量部である。
・ポリオール;ポリエーテルポリオール、分子量:3000、官能基数3、水酸基価56.1mgKOH/mg、品番:GP-3050、三洋化成工業社製
・発泡剤;水
・アミン触媒;N-エチルモルホリン、品番:NEM、ハンツマン社製
・金属触媒;オクチル酸第一錫、品番:MRH110、城北化学工業社製
・整泡剤;シリコーン系整泡剤、品番:B8110、エボニック社製
・炭酸水素ナトリウム
・リンゴ酸
・イソシアネート;2,4-TDI/2,6-TDI=80/20、品番:コロネートT-80、日本ポリウレタン工業社製
比較例及び実施例のポリウレタンフォームについて、発熱温度(最高発熱温度)、密度(JIS K7220)、硬さ(JIS K6400-2:2004)、通気性(JIS K6400-7:2012)を測定した。
比較例のポリウレタンフォームは、ポリオール100重量部、発泡剤(水)5.6重量部、アミン触媒0.2重量部、金属触媒0.3重量部、整泡剤1重量部、イソシアネート66重量部、イソシアネートインデックス105であり、炭酸水素ナトリウムとリンゴ酸(有機固体酸)の何れも添加しない例である。
比較例のポリウレタンフォームは、発熱温度159℃、密度21.0kg/m、硬さ98N、通気90cc/cm/sであり、密度及び通気性が大であった。
実施例のポリウレタンフォームは、ポリオール100重量部、発泡剤(水)12重量部、アミン触媒0.2重量部、金属触媒0.5重量部、整泡剤1重量部、炭酸水素ナトリウム30重量部、リンゴ酸0.8重量部、イソシアネート131.2重量部、イソシアネートインデックス105である。
実施例は、発熱温度145℃、密度10.5kg/m、硬さ78N、通気0.2cc/cm/sであった。
実施例のポリウレタンフォームは、比較例のポリウレタンフォームと比べ、発泡剤(水)の量を12重量部に増加させたことにより、そのままでは発熱温度が高くなるはずが、炭酸水素ナトリウムとリンゴ酸の両方を含むことにより、発熱温度が比較例よりも低くなった。また、実施例は、発泡剤(水)の量を12重量部に増加させたことにより、密度が低くなると共に、通気性が低くなった。実施例のポリウレタンフォームの通気性が低いことにより、実施例のポリウレタンフォームに不織布が積層された吸音材は、吸音性が良好になることが期待される。
実施例のポリウレタンフォームを厚み20mmに裁断し、そのポリウレタンフォームに接着層を介して不織布を積層し、実施例1の吸音材(PUt20+不織布)を作製した。また、比較例のポリウレタンフォームを厚み20mmに裁断し、そのポリウレタンフォームに接着層を介して不織布を積層し、比較例1の吸音材(PUt20+不織布)を作製した。不織布及び接着層は、実施例1の吸音材(PUt20+不織布)と比較例2の吸音材(PUt20+不織布)で同一とした。
不織布は、メルトブロー不織布(プロピレン)、目付20g/m、平均繊維径2.3μm、品番:MER04、三井化学社製である。
接着層は、湿気硬化型ウレタン系ホットメルト、泰平ケマック株式会社製 品番708.1を用いてポリウレタンフォームの表面に塗布量20g/mで散点状に塗布し、通気性を確保した。
比較例1の吸音材(PUt20+不織布)と実施例1の吸音材(PUt20+不織布)について、1/3オクターブバンドの中心周波数500~6300Hzの範囲で、垂直入射吸音率(JIS A1405-2:2007準拠)を測定した。
垂直入射吸音率の測定は、JIS A 1405-2に準拠した。なお、本発明においては、超低周波領域を1/3オクターブバンドの中心周波数(500~800Hz)、低周波領域を(1000~1600Hz)、中周波領域を(2000~3150Hz)、高周波領域を(4000~6300Hz)の領域として、評価した。
垂直入射吸音率の測定結果を図5に示す。実施例1の吸音材(PUt20+不織布)は、超低周波領域~高周波領域の全領域において、比較例1の吸音材(PUt20+不織布)よりも吸音性が高くなった。
また、実施例1の吸音材(PUt20+不織布)は、中周波領域の吸音率と高周波領域の吸音率がほぼ同一であって、吸音率の低下がほとんどなかったのに対し、比較例1の吸音材(PUt20+不織布)は、中周波領域の吸音率に対する高周波領域の吸音率低下が50%弱もあり、吸音率低下が大きなものであった。
実施例1の吸音材(PUt20+不織布)は、使用した不織布が比較例1の吸音材(PUt20+不織布)と同一であるが、炭酸水素ナトリウムとリンゴ酸(有機固体酸)の両方を含有するポリウレタンフォーム原料から形成されたポリウレタンフォームを基材としているため、比較例1の吸音材(PUt20+不織布)よりも吸音性が高くなり、かつ中周波領域から高周波領域にかけての吸音率低下が殆どなかった。
2種類の不織布を積層した比較例2の吸音材(不織布t20+不織布)を作製し、その比較例2(不織布t20+不織布)と実施例1の吸音材(PUt20+不織布)について、1/3オクターブバンドの中心周波数500~6300Hzの範囲を4つの周波数領域に分けて、残響室吸音率(JIS A 1409準拠)を測定した。
比較例2の吸音材(不織布t20+不織布)は、基材をポリエチレンテレフタレート繊維の不織布、目付40g/m、平均繊維径25μm、厚み20mm、株式会社イノアックコーポレーション社製とし、接着剤(湿気硬化型ウレタン系ホットメルト、泰平ケマック株式会社製 品番708.1)により、メルトブロー不織布(プロピレン)、目付20g/m、平均繊維径2.3μm、品番:MER04、三井化学社製を積層・接着した。
残響室吸音率の具体的な測定方法は、500mm角×厚み20mmのサンプルを残響室(約30m)内の床面に載置し、その際、比較例2の吸音材(不織布t20+不織布)については基材側を上向きにし、一方、実施例1の吸音材(PUt20+不織布)についてはポリウレタンフォーム側を上向きにして、それぞれ吸音率を測定した。
残響室吸音率の測定結果を図6に示す。4つの周波数領域は、垂直入射吸音率の測定と同様にした。実施例1の吸音材(PUt20+不織布)は、超低周波領域において比較例2の吸音材(不織布t20+不織布)よりも吸音性が低くなったが、低周波領域~高周波領域の何れの領域においても、比較例2の吸音材(不織布t20+不織布)よりも吸音性が高くなった。
また、実施例1の吸音材(PUt20+不織布)は、中周波領域の吸音率に対する高周波領域の吸音率低下が10%弱程度であって、吸音率の低下が少なかったのに対し、比較例2の吸音材(不織布t20+不織布)は、中周波領域の吸音率に対する高周波領域の吸音率低下が50%弱になり、吸音率の低下が大きかった。
基材に積層した不織布は、実施例1の吸音材(PUt20+不織布)と比較例2の吸音材(不織布t20+不織布)で同一であったが、実施例1の吸音材(PUt20+不織布)は、炭酸水素ナトリウムとリンゴ酸(固体酸)の両方を含有するポリウレタンフォーム原料から形成されたポリウレタンフォームを基材としているため、基材を不織布とする比較例2の吸音材(PUt20+不織布)よりも吸音性が高くなり、かつ中周波領域から高周波領域にかけての吸音率低下が僅かなものになった。
実施例のポリウレタンフォームを厚み10mmに裁断し、そのポリウレタンフォームに接着層を介して不織布を積層し、実施例2の吸音材(PUt10+不織布)を作製した。不織布は実施例1の吸音材(PUt20+不織布)に使用した不織布と同一である。また、実施例のポリウレタンフォームを厚み10mmに裁断し、そのポリウレタンフォーム単体で参考例の吸音材(PUt10単体)を作製した。実施例2の吸音材(PUt10+不織布)と参考例の吸音材(PUt10単体)について、残響室吸音率(JIS A 1409準拠)を測定した。
残響室吸音率の測定結果を図7に示す。実施例2の吸音材(PUt10+不織布)は、超低周波領域~高周波領域の何れの領域においても、参考例の吸音材(不織布t10単体)よりも吸音性が高くなった。
また、実施例2の吸音材(PUt10+不織布)は、中周波領域の吸音率に対して高周波領域の吸音率が僅かに高くなったのに対し、参考例の吸音材(不織布t10単体)は、中周波領域の吸音率と高周波領域の吸音率が殆ど同一であり、吸音率の向上が見られなかった。
実施例2の吸音材(PUt10+不織布)は、ポリウレタンフォームと不織布の積層体からなるため、ポリウレタンフォーム単体からなる参考例の吸音材(PUt10単体)よりも吸音性が高くなり、かつ中周波領域から高周波領域にかけての吸音率低下がなく、逆に僅かに高くなった。
このように、本発明の吸音材は、中周波領域以降でも吸音性の低下が少なく、あるいは低下がなく、良好な吸音性を有するものである。
10 吸音材
11 ポリウレタンフォーム
21 不織布

Claims (6)

  1. ポリオール、イソシアネート、発泡剤、触媒を含むポリウレタンフォーム原料から得られたポリウレタンフォームに不織布が積層された吸音材において、
    前記ポリウレタンフォーム原料に炭酸水素ナトリウムと有機固体酸を含むことを特徴とする吸音材。
  2. 前記不織布は、目付が2~200g/m、平均繊維径が0.5~20μmであることを特徴とする請求項1に記載の吸音材。
  3. 前記不織布は、接着層を介して前記ポリウレタンフォームに接着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の吸音材。
  4. 前記接着層は、通気性が確保できる程度に前記ポリウレタンフォームまたは前記不織布の一方または両方に塗布された接着剤の層からなることを特徴とする請求項3に記載の吸音材。
  5. 前記不織布は、メルトブロー法により紡糸された不織布であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の吸音材。
  6. 前記不織布は、前記ポリウレタンフォームの表面にメルトブロー工法による紡糸で形成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の吸音材。
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