JP7222193B2 - タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents
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Description
本発明者が特許文献1の実施例を参考にゴム組成物を調製し、その性能を評価したところ、氷上性能およびウェット性能については、今後さらに高まるであろう要求を考慮すると、より一層の改善が望ましいことが明らかになった。
以下、「タイヤにしたときに氷上性能に優れる」ことを単に「氷上性能に優れる」とも言い、「タイヤにしたときにウェット性能に優れる」ことを単に「ウェット性能に優れる」とも言う。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[3]を提供する。
(上記式(3)中、
A:上記シランカップリング剤の含有量
B:上記シランカップリング剤中の硫黄原子の原子量合計
C:上記シランカップリング剤の分子量
D:上記シリカの含有量
E:上記シランカップリング剤中のケイ素原子と結合したアルコキシ基の個数
を示す。)
[3]上記[1]または[2]に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤ。
本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に含有される各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
本発明のタイヤ用ゴム組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、ジエン系ゴム100質量部と、シリカ30~150質量部と、発泡剤0.5~20質量部と、上記シリカの含有量に対して、1~25質量%のシランカップリング剤と、を含有し、上記ジエン系ゴムが、ブタジエンゴムを30質量%以上含有し、かつ、天然ゴムまたはイソプレンゴムを含有し、上記シランカップリング剤が、下記式(1)で表されるシランカップリング剤1および下記式(2)で表されるシランカップリング剤2からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、上記シリカと上記シランカップリング剤とが、下記式(3)を満たす、タイヤ用ゴム組成物である。
(上記式(3)中、
A:上記シランカップリング剤の含有量
B:上記シランカップリング剤中の硫黄原子の原子量合計
C:上記シランカップリング剤の分子量
D:上記シリカの含有量
E:上記シランカップリング剤中のケイ素原子と結合したアルコキシ基の個数
を示す。)
すなわち、シリカ含有量が比較的多いゴム組成物において、例えばシリカやシランカップリング剤の含有量が過剰になると、両者の反応が進みすぎて、ゴム組成物中の隙間が少なくなり、発泡剤による発泡が阻害され、氷上性能が十分に発揮されない場合がある。
そこで、例えばシランカップリング剤の含有量を減らす等して上記反応を適度に抑えようとすると、ウェット性能が不十分となる場合がある。
しかし、シリカおよびシランカップリング剤の含有量等に基づくパラメータであるIの値(I値)が所定値以上である場合には、シリカとシランカップリング剤とがゴム組成物中の隙間を確保しつつ適度に反応するため、氷上性能およびウェット性能がともに優れると考えられる。
上記ジエン系ゴムは、ブタジエンゴム(BR)を含有し、かつ、天然ゴム(NR)またはイソプレンゴム(IR)を含有する。
上記ジエン系ゴム中のブタジエンゴム(BR)の含有量が、30質量%以上である。
以下、「氷上性能およびウェット性能により優れ、加工性に優れ、タイヤにしたときに摩耗性能、低燃費性能、耐熱性、耐寒性、耐劣化性、耐汚染性、耐光性および操縦安定性に優れる」ことを「本発明の効果等がより優れる」とも言う。
上記ジエン系ゴム中の天然ゴム(NR)またはイソプレンゴム(IR)の含有量は、本発明の効果等がより優れるという理由から、30~70質量%が好ましく、50~70質量%がより好ましい。
上記ジエン系ゴムの数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、本発明の効果等がより優れるという理由から、50,000~5,000,000が好ましく、100,000~750,000がより好ましく、150,000~1,500,000がさらに好ましい。
上記ジエン系ゴムに含まれる少なくとも1種のジエン系ゴムのMwおよび/またはMnが上記範囲に含まれることが好ましく、上記ジエン系ゴムに含まれるすべてのジエン系ゴムのMwおよび/またはMnが上記範囲に含まれることがより好ましい。
本明細書において、MwおよびMnは、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により得られる標準ポリスチレン換算値とする。
・溶媒:テトラヒドロフラン
・検出器:RI検出器
上記シリカは、特に限定されず、タイヤ等の用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを使用できる。
シリカの具体例としては、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ、珪藻土などが挙げられる。なかでも、本発明の効果等がより優れるという理由から、湿式シリカが好ましい。上記シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
シリカのCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)吸着比表面積は、特に限定されないが、本発明の効果等がより優れるという理由から、80~300m2/gが好ましく、90~250m2/gがより好ましい。
本明細書において、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面へのCTAB吸着量をJIS K6217-3:2001「第3部:比表面積の求め方-CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
上記シリカの含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、30~150質量部であり、本発明の効果等がより優れるという理由から、40~150質量部が好ましく、45質量部超150質量部以下がより好ましい。
上記発泡剤としては、特に限定されず、例えば、熱膨張性マイクロカプセル、化学発泡剤、物理発泡剤、超臨界流体などが挙げられる。なかでも、本発明の効果等がより優れるという理由から、熱膨張性マイクロカプセルおよび/または化学発泡剤が好ましい。
熱膨張性マイクロカプセルは、熱により気化または膨張して気体を発生させる物質を内包した熱可塑性樹脂粒子からなる。熱膨張性マイクロカプセルは、上記物質の気化または膨張開始温度以上の温度(例えば、130~190℃)で加熱することにより、熱可塑性樹脂からなる外殻中に気体が封入されたマイクロカプセルとなる。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張前の粒子径は、5~300μmが好ましく、10~200μmがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば(メタ)アクリロニトリルの重合体、および/または、(メタ)アクリロニトリル含有量の高い共重合体が好適に用いられる。共重合体である場合の他のモノマー(コモノマー)としては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、スチレン系モノマー、(メタ)アクリレート系モノマー、酢酸ビニル、ブタジエン、ビニルピリジン、クロロプレン等のモノマーが用いられる。
上記熱可塑性樹脂は、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアヌレート等の架橋剤で架橋可能にされていてもよい。架橋形態については、未架橋が好ましいが、熱可塑性樹脂としての性質を損なわない程度に部分的に架橋していてもよい。
上記熱膨張性マイクロカプセル中に含まれる熱により気化または膨張して気体を発生させる物質としては、具体的には、例えば、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素類;塩化メチル、塩化メチレン、ジクロロエチレン、トリクロロエタン、トリクロルエチレンなどの塩素化炭化水素;等などの液体、または、アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、トルエンスルホニルヒドラジド誘導体、芳香族スクシニルヒドラジド誘導体等などの固体が挙げられる。
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、市販品を用いてもよく、例えば、スウェーデンのEXPANCEL社製の商品名「エクスパンセル091DU-80」、「エクスパンセル092DU-120」、松本油脂製薬社製の商品名「マツモトマイクロスフェアーF-85」、「マツモトマイクロスフェアーF-100」、「マツモトマイクロスフェアーF-100D」等として入手可能である。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物が化学発泡剤を含有する場合、本発明の組成物を加硫させて加硫ゴムを製造する際に、上記化学発泡剤に由来する気泡が加硫ゴム中に形成される。
上記化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)、ジニトロソペンタスチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、p,p′-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、ニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N′-ジメチル-N,N′-ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p′-オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等が挙げられ、なかでも、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)が好ましい。
上記化学発泡剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記化学発泡剤には、発泡助剤として、例えば、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛、亜鉛華等を併用することが好ましい。上記発泡助剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記発泡助剤の含有量は、本発明の効果等がより優れるという理由から、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1~30質量部が好ましい。
上記発泡剤の含有量は、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、0.5~20質量部であり、本発明の効果等がより優れるという理由から、1~10質量部が好ましい。
上記シランカップリング剤は、後述するシランカップリング剤1および後述するシランカップリング剤2からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上記シランカップリング剤1は、下記式(1)で表される。
炭素数1~18の一価の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ヘキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。
R4としては、炭素数1~6のアルキレン基が好ましく、特に直鎖状アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基を好ましく挙げることができる。
これらのうち、本発明の効果等がより優れるという理由から、3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランが好ましい。
上記シランカップリング剤2は、下記式(2)で表される。
炭素数2~8の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1-エトキシプロピル基、2-エトキシプロピル基、1-エトキシ-1-メチルエチル基、1-メチル-2-エトキシエチル基、1-(1-メチルエトキシ)プロピル基、2-(1-メチルエトキシ)プロピル基、1-(1-メチルエトキシ)-1-メチルエチル基、2-(1-メチルエトキシ)-1-メチルエチル基、3-エトキシプロピル基等などが挙げられる。
炭素数1~8の直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2-ジメチル-1,3-プロピレン基などが挙げられる。
kは、平均値として2~3が好ましい。
これらのうち、本発明の効果等がより優れるという理由から、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドが好ましい。
上記シランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物において、上記シランカップリング剤の含有量は、上記シリカの含有量に対して、1~25質量%であり、本発明の効果等がより優れるという理由から、2~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。
本発明の組成物においては、上記シリカと上記シランカップリング剤とが、下記式(3)を満たす。
I=(A×B/C)/(D×E)≧9.5×10-4・・・(3)
A:上記シランカップリング剤の含有量
B:上記シランカップリング剤中の硫黄原子の原子量合計
C:上記シランカップリング剤の分子量
D:上記シリカの含有量
E:上記シランカップリング剤中のケイ素原子と結合したアルコキシ基の個数
を示す。
したがって、Eにおける「アルコキシ基」は、一般的なアルコキシ基よりも広い(フェノキシ基なども含み得る)概念である。
A:シランカップリング剤の含有量=4.8(質量部)
B:シランカップリング剤中の硫黄原子の原子量合計=32.1×1=32.1
C:シランカップリング剤の分子量=364.62
D:シリカの含有量=60(質量部)
E:シランカップリング剤中のケイ素原子と結合したアルコキシ基の個数=3
であり、したがって、
I=(4.8×32.1/364.62)/(60×3)=2.35×10-3
が算出される。
すなわち、例えば、上記シランカップリング剤1と上記シランカップリング剤2とを併用する場合は、具体的には、下記式(4)を満たすことを要する。
I=(A1×B1/C1)/(D1×E1)+(A2×B2/C2)/(D2×E2)≧9.5×10-4・・・(4)
上記式(4)中、
A1:上記シランカップリング剤1の含有量
B1:上記シランカップリング剤1中の硫黄原子の原子量合計
C1:上記シランカップリング剤1の分子量
D1:上記シリカの含有量
E1:上記シランカップリング剤1中のケイ素原子と結合したアルコキシ基の個数
A2:上記シランカップリング剤2の含有量
B2:上記シランカップリング剤2中の硫黄原子の原子量合計
C2:上記シランカップリング剤2の分子量
D2:上記シリカの含有量
E2:上記シランカップリング剤2中のケイ素原子と結合したアルコキシ基の個数
を示す。
上記式(4)において、D1およびD2は、同じ値となる。
一方、本発明の効果等がより優れるという理由から、I値は、7.5×10-3以下が好ましく、6.5×10-3以下がより好ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、上述した成分以外の成分(任意成分)を含有することができる。
そのような成分としては、例えば、上記シリカ以外の無機充填剤、カーボンブラック、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加工助剤、オイル、液状ポリマー、可塑剤、熱硬化性樹脂、加硫剤(例えば、硫黄)、加硫促進剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。
上記無機充填剤は、上記シリカ以外の無機充填剤であれば特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、層状粘土鉱物、板状粘土鉱物、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウムなどの無機充填剤が挙げられ、こちらのうち1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。本明細書において、カーボンブラックは無機充填剤に該当しないものとする。
上記カーボンブラックは特に限定されず、例えば、SAF-HS、SAF、ISAF-HS、ISAF、ISAF-LS、IISAF-HS、HAF-HS、HAF、HAF-LS、FEF、GPF、SRF等の各種グレードのカーボンブラックを使用できる。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、特に限定されないが、本発明の効果等がより優れるという理由から、50~200m2/gが好ましく、70~150m2/gがより好ましい。
窒素吸着比表面積(N2SA)は、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
本発明の組成物は、本発明の効果等がより優れるという理由から、カーボンブラックを含有するのが好ましい。
本発明の組成物がカーボンブラックを含有する場合、その含有量は、本発明の効果等がより優れるという理由から、上記ジエン系ゴム100質量部に対して、1~50質量部が好ましく、5~30質量部がより好ましい。
本発明の組成物の製造方法は特に限定されず、その具体例としては、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。本発明の組成物が硫黄または加硫促進剤を含有する場合は、硫黄および加硫促進剤以外の成分を先に高温(好ましくは100~155℃)で混合し、冷却してから、硫黄または加硫促進剤を混合するのが好ましい。
本発明の組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋できる。
上述のとおり、本発明の組成物は、氷上性能およびウェット性能に優れるため、タイヤ、特に、スタッドレスタイヤに好適である。
本発明のタイヤは、上述した本発明の組成物を用いて製造されたタイヤであり、上述した本発明の組成物を用いて製造されたスタッドレスタイヤであることが好ましい。
なかでも、本発明の組成物を用いて製造されたタイヤトレッド部を備えるタイヤであることがより好ましく、本発明の組成物を用いて製造されたタイヤトレッド部を備えるスタッドレスタイヤであることがさらに好ましい。
図1に、本発明のタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示す。ただし、本発明のタイヤは、図1に示す態様に限定されない。
左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されている。カーカス層4の端部は、ビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。
ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
タイヤトレッド部3は上述した本発明の組成物により形成されている。
下記表1に示される成分を同表に示される割合(質量部)で配合した。具体的には、まず、下記表1に示す成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて、150℃付近に温度を上げてから、5分間混合し、その後に放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄および加硫促進剤を混合し、ゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。そして、得られた加硫ゴム試験片について、以下の評価を行なった。
得られた加硫ゴム試験片について、加硫前の比重をd1、加硫後の比重をd2として、下記式から発泡率(単位:%)を求めた。
発泡率=(d1-d2)/d1×100
結果を下記表1に示す。結果は標準例1の発泡率を100とする指数で表した。
加硫ゴム試験片を偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度:-1.5℃、荷重:5.5kg/cm3、ドラム回転速度:25km/時間の条件で、氷上摩擦係数を測定した。
結果を下記表1に示す。結果は標準例1の氷上摩擦係数を100とする指数で表した。指数が大きいほどゴムと氷との摩擦力が大きく、タイヤにしたときに氷上性能に優れる。氷上性能の観点から、指数は100超であることが好ましい。
加硫ゴム試験片について、JIS K6394:2007に準じて、粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10%±2%、振動数20Hz、温度0℃の条件で、tanδ(0℃)を測定した。
結果を下記表1に示す。結果は標準例1のtanδ(0℃)測定値を100とする指数で表した。指数が大きいほどtanδ(0℃)が大きく、タイヤにしたときにウェット性能が良好である。ウェット性能の観点から、指数は95以上であれば許容される。
上記表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。
・NR:TSR20(天然ゴム、ガラス転移温度(Tg):-62℃)
・BR:日本ゼオン社製NIPOL BR1220(ブタジエンゴム)
・シリカ1:Zeosil 1165MP(CTAB吸着比表面積:159m2/g、Solvay社製)
・シリカ2:Zeosil 1115MP(CTAB吸着比表面積:110m2/g、Solvay社製)
・シランカップリング剤X:「Si69」、Evonik社製、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、S原子数=4
・シランカップリング剤1:「NXTシラン」、Momentive社製、3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、S原子数=1
・シランカップリング剤2:「Si75」、Evonik製、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、S原子数=2
・カーボンブラック:キャボットジャパン社製ショウブラックN339
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:日本油脂社製ステアリン酸
・老化防止剤:サントフレックス6PPD(Solusia Europe社製)
・硫黄:油処理硫黄(軽井沢精錬所社製)
・加硫促進剤1:ノクセラーCZ-G(大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:ノクセラーD(大内新興化学工業社製)
・可塑剤:BM-4(大八化学工業社製)
・熱膨張性マイクロカプセル:松本油脂製薬社製マツモトマイクロスフェアーF-100
・化学発泡剤:ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)
上記表1に示す結果から明らかなように、ジエン系ゴム100質量部に対してシリカを30~150質量部含有し、シリカの含有量に対して1~25質量%のシランカップリング剤を含有し、かつ、I値が9.5×10-4以上である実施例1~9は、氷上性能およびウェット性能がともに良好であった。
これに対して、シランカップリング剤の含有量がシリカ含有量の25質量%を超える比較例1、および、シリカ含有量がジエン系ゴム100質量部に対して150質量部を超える比較例2は、氷上性能が不十分であった。
I値が9.5×10-4以上ではない比較例3は、ウェット性能が不十分であった。
2:サイドウォール部
3:タイヤトレッド部
4:カーカス層
5:ビードコア
6:ビードフィラー
7:ベルト層
8:リムクッション
Claims (3)
- ジエン系ゴム100質量部と、
シリカと、
発泡剤0.5~20質量部と、
前記シリカの含有量に対して、1~25質量%のシランカップリング剤と、を含有し、
前記ジエン系ゴムが、ブタジエンゴムを30質量%以上含有し、かつ、天然ゴムまたはイソプレンゴムを含有し、
前記シランカップリング剤が、下記式(1)で表されるシランカップリング剤1又は下記式(2)で表されるシランカップリング剤2であり、
前記シランカップリング剤が前記シランカップリング剤1である場合、前記シリカの含有量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して50~150質量部であり、前記シリカと前記シランカップリング剤1とは下記式(3)で求められるIの値が3.18×10 -3 以上であることを満たす、又は、
前記シランカップリング剤が前記シランカップリング剤2である場合、前記シリカの含有量が前記ジエン系ゴム100質量部に対して60~150質量部であり、前記シリカと前記シランカップリング剤2とは下記式(3)で求められるIの値が1.61×10 -3 ~1.80×10 -3 であることを満たす、タイヤ用ゴム組成物。
I=(A×B/C)/(D×E)・・・(3)
(前記式(3)中、
A:前記シランカップリング剤1又は2の含有量
B:前記シランカップリング剤1又は2中の硫黄原子の原子量合計
C:前記シランカップリング剤1又は2の分子量
D:前記シリカの含有量
E:前記シランカップリング剤1又は2中のケイ素原子と結合したアルコキシ基の個数を示す。) - 前記シランカップリング剤が前記シランカップリング剤1である場合、前記Iの値が、7.5×10-3以下である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて製造されたタイヤ。
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