[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1に記載の切削インサートの周側面は、外側に突出する形状を有している。当該切削インサートを製造するためには、多軸プレスと多軸プレス用の金型が必要となり、製造工程が複雑になる。本開示の目的は、製造が容易な切削インサートを提供することである。
[本開示の効果]
本開示によれば、製造が容易な切削インサートを提供することができる。
[本開示の実施形態の説明]
まず、本開示の実施形態を、列挙して説明する。
(1)本開示に係る切削インサート10は、第1面1と、第2面2と、外周側面3とを備えている。第2面2は第1面1の反対側にある。外周側面3は、第1面1および第2面2の各々に連なっている。第1面1と外周側面3との稜線は、第1稜線100を構成している。第2面2と外周側面3との稜線は、第2稜線200を構成している。第1稜線100は、第1直線部11と、第1さらい刃15と、第1コーナ切刃16と、第2直線部12とを有している。第1さらい刃15は、第1直線部11に連なっている。第1コーナ切刃16は、第1さらい刃15に対して第1直線部11の反対側にある。第2直線部12は、第1コーナ切刃16に連なっている。第2稜線200は、第3直線部21と、第2さらい刃25と、第2コーナ切刃26と、第4直線部22とを有している。第2さらい刃25は、第3直線部21に連なっている。第2コーナ切刃26は、第2さらい刃25に対して第3直線部21の反対側にある。第4直線部22は、第2コーナ切刃26に連なっている。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100は、第1コーナ切刃16において、第2稜線200よりも外側に位置している。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2稜線200は、第2コーナ切刃26において、第1稜線100よりも外側に位置している。外周側面3は、第1さらい逃げ面35と、第1コーナ逃げ面36と、第2さらい逃げ面45と、第2コーナ逃げ面46と、第1平面301と、第2平面302とを有している。第1さらい逃げ面35は、第1さらい刃15に連なっている。第1コーナ逃げ面36は、第1コーナ切刃16に連なっている。第2さらい逃げ面45は、第2さらい刃25に連なっている。第2コーナ逃げ面46は、第2コーナ切刃26に連なっている。第1平面301は、第1コーナ逃げ面36および第2さらい逃げ面45の各々に連なっている。第2平面302は、第2コーナ逃げ面46および第1さらい逃げ面35の各々に連なっている。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100と第2稜線200とを重ねた輪郭は、第1直線部11が延在する方向に延びる第1仮想直線131と、第2直線部12が延在する方向に延びる第2仮想直線132とがなす角の二等分線に対して線対称である。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1仮想直線131と第2仮想直線132とがなす角の二等分線上に位置している回転中心145の周りに2回対称または3回対称である。第1平面301および第2平面302の各々は、第1面1から第2面2に向かう方向に対して垂直な方向に沿って延びている。
(2)上記(1)に係る切削インサート10によれば、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1面1および第2面2の各々の形状は、回転中心145の周りに2回対称であってもよい。
(3)上記(2)に係る切削インサート10によれば、第1仮想直線131と第2仮想直線132とがなす角度は、75°以上85°以下であってもよい。
(4)上記(1)に係る切削インサート10によれば、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1面1および第2面2の各々の形状は、回転中心145の周りに3回対称であってもよい。
(5)上記(4)に係る切削インサート10によれば、第1仮想直線131と第2仮想直線132とがなす角度は、75°以上85°以下であってもよい。
(6)上記(3)または(5)に係る切削インサート10によれば、第1さらい刃15は、第1さらい刃部121と、第2さらい刃部122とを有していてもよい。第1さらい刃部121は、第1直線部11に連なっていてもよい。第2さらい刃部122は、第1コーナ切刃16に連なっていてもよい。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1さらい刃部121は、第1直線部11に対して第1直線部11から第2直線部12に向かう方向に傾斜していてもよい。第1直線部11に対する第1さらい刃部121の傾斜角は、2°以上10°以下であってもよい。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2さらい刃部122は、第1さらい刃部121に対して第1さらい刃部121から第2直線部12に向かう方向に傾斜していてもよい。第1さらい刃部121に対する第2さらい刃部122の傾斜角は、20°以上40°以下であってもよい。
(7)上記(6)に係る切削インサート10によれば、第1さらい刃15は、第1接続部123をさらに有していてもよい。第1接続部123は、第1さらい刃部121および第2さらい刃部122の各々に連なっていてもよい。第1コーナ切刃16、第1さらい刃部121、第2さらい刃部122および第1接続部123の各々は、円弧状であってもよい。第1コーナ切刃16の曲率半径は、第2さらい刃部122の曲率半径よりも小さくてもよい。第2さらい刃部122の曲率半径は、第1さらい刃部121の曲率半径よりも小さくてもよい。第1接続部123の曲率半径は、第2さらい刃部122の曲率半径よりも小さくてもよい。
(8)上記(3)に係る切削インサート10によれば、第1さらい刃15は、第1さらい刃部121と、第2さらい刃部122とを有していてもよい。第1さらい刃部121は、第1直線部11に連なっていてもよい。第2さらい刃部122は、第1コーナ切刃16に連なっていてもよい。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1さらい刃部121は、第1直線部11に対して第1直線部11から第2直線部12に向かう方向に傾斜していてもよい。第1直線部11に対する第1さらい刃部121の傾斜角は、2°以上10°以下であってもよい。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2さらい刃部122は、第1さらい刃部121に対して第1さらい刃部121から第2直線部12に向かう方向に傾斜していてもよい。第1さらい刃部121に対する第2さらい刃部122の傾斜角は、20°以上40°以下であってもよい。第1さらい刃15は、第1接続部123をさらに有していてもよい。第1接続部123は、第1さらい刃部121および第2さらい刃部122の各々に連なっていてもよい。第1コーナ切刃16、第1さらい刃部121、第2さらい刃部122および第1接続部123の各々は、円弧状であってもよい。第1コーナ切刃16の曲率半径は、第2さらい刃部122の曲率半径よりも小さくてもよい。第2さらい刃部122の曲率半径は、第1さらい刃部121の曲率半径よりも小さくてもよい。第1接続部123の曲率半径は、第2さらい刃部122の曲率半径よりも小さくてもよい。
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
(第1実施形態)
まず、本開示の第1実施形態に係る切削インサート10の構成について説明する。
図1は、第1実施形態に係る切削インサートの構成を示す斜視模式図である。図1に示されるように、切削インサート10は、第1面1と、第2面2と、外周側面3と、内周面4とを主に有している。第2面2は、第1面1の反対側にある。外周側面3は、第1面1および第2面2の各々に連なっている。外周側面3は、第1面1と第2面2との間に位置している。内周面4は、第1面1および第2面2の各々に連なっている。内周面4は、第1面1と第2面2との間に位置している。外周側面3は、内周面4の外側にある。内周面4は、貫通孔6を形成している。貫通孔6は、第1面1と第2面2とを貫通している。第1面1と外周側面3との稜線は、第1稜線100を構成する。第1稜線100の少なくとも一部は、切刃として機能する。第1稜線100は環状である。第2面2と外周側面3との稜線は、第2稜線200を構成する。第2稜線200の少なくとも一部は、切刃として機能する。第2稜線200は環状である。
第1稜線100は、第1直線部11と、第2直線部12と、第5直線部13と、第6直線部14と、第1さらい刃15と、第1コーナ切刃16と、第1コーナ部17とを主に有している。第5直線部13は、第1直線部11に対向している。内周面4から見て、第5直線部13は、第1直線部11の反対側にある。内周面4は、第1直線部11と第5直線部13との間に位置している。第6直線部14は、第2直線部12に対向している。内周面4から見て、第6直線部14は、第2直線部12の反対側にある。内周面4は、第2直線部12と第6直線部14との間に位置している。
第1さらい刃15は、第1直線部11に連なっている。第1コーナ切刃16は、第1さらい刃15に対して、第1直線部11の反対側にある。別の観点から言えば、第1さらい刃15は、第1直線部11と第1コーナ切刃16との間に位置している。第1コーナ切刃16は、例えば第1さらい刃15に連なっている。第2直線部12は、第1コーナ切刃16に対して、第1さらい刃15の反対側にある。別の観点から言えば、第1コーナ切刃16は、第1さらい刃15と第2直線部12との間に位置している。第2直線部12は、第1コーナ切刃16に連なっている。第1コーナ部17は、第1直線部11に連なっている。第1コーナ部17は、第1直線部11に対して、第1さらい刃15の反対側にある。別の観点から言えば、第1直線部11は、第1さらい刃15と第1コーナ部17との間に位置している。第6直線部14は、第1コーナ部17に対して、第1直線部11の反対側にある。別の観点から言えば、第1コーナ部17は、第1直線部11と第6直線部14との間に位置している。第6直線部14は、第1コーナ部17に連なっている。
第2稜線200は、第3直線部21と、第2さらい刃25と、第2コーナ切刃26と、第4直線部22と、第2コーナ部27とを主に有している。第2さらい刃25は、第3直線部21に連なっている。第2コーナ切刃26は、第2さらい刃25に対して、第3直線部21の反対側にある。別の観点から言えば、第2さらい刃25は、第3直線部21と第2コーナ切刃26との間に位置している。第2コーナ切刃26は、例えば第2さらい刃25に連なっている。第4直線部22は、第2コーナ切刃26に対して、第2さらい刃25の反対側にある。別の観点から言えば、第2コーナ切刃26は、第2さらい刃25と第4直線部22との間に位置している。第4直線部22は、第2コーナ切刃26に連なっている。第2コーナ部27は、第4直線部22に連なっている。第2コーナ部27は、第4直線部22に対して、第2コーナ切刃26の反対側にある。別の観点から言えば、第4直線部22は、第2コーナ切刃26と第2コーナ部27との間に位置している。
外周側面3は、第1側面31と、第2側面32と、コーナ側面37とを主に有している。第1側面31は、例えば平面状である。第1側面31は、第1直線部11および第4直線部22の各々に連なっている。第2側面32は、例えば平面状である。第2側面32は、第2直線部12および第3直線部21の各々に連なっている。コーナ側面37は、第1コーナ部17および第2コーナ部27の各々に連なっている。周方向において、コーナ側面37は、第1側面31に連なっている。コーナ側面37は、曲面状である。
図2は、図1の領域IIにおける拡大斜視模式図である。図2に示されるように、第1さらい刃15は、例えば、第1さらい刃部121と、第2さらい刃部122と、第1接続部123とを有している。第1さらい刃部121は、第1直線部11に連なっている。第2さらい刃部122は、第1コーナ切刃16に連なっている。第1接続部123は、第1さらい刃部121および第2さらい刃部122の各々に連なっている。第1接続部123は、第1さらい刃部121と第2さらい刃部122との間に位置している。
第2さらい刃25は、例えば、第3さらい刃部221と、第4さらい刃部222と、第2接続部223とを有している。第3さらい刃部221は、第3直線部21に連なっている。第4さらい刃部222は、第2コーナ切刃26に連なっている。第2接続部223は、第3さらい刃部221および第4さらい刃部222の各々に連なっている。第2接続部223は、第3さらい刃部221と第4さらい刃部222との間に位置している。
外周側面3は、第1さらい逃げ面35と、第1コーナ逃げ面36と、第2さらい逃げ面45と、第2コーナ逃げ面46と、第1平面301と、第2平面302とを有している。第1さらい逃げ面35は、第1さらい刃15に連なっている。第1コーナ逃げ面36は、第1コーナ切刃16に連なっている。第2さらい逃げ面45は、第2さらい刃25に連なっている。第2コーナ逃げ面46は、第2コーナ切刃26に連なっている。第1さらい逃げ面35、第1コーナ逃げ面36、第2さらい逃げ面45および第2コーナ逃げ面46の各々は、第1面1から第2面2に向かう方向に沿って延びている。
周方向において、第1さらい逃げ面35は、第1側面31および第1コーナ逃げ面36の各々に連なっている。第1コーナ逃げ面36は、第1さらい逃げ面35に対して、第1側面31の反対側にある。別の観点から言えば、第1さらい逃げ面35は、第1側面31と第1コーナ逃げ面36との間に位置している。第1コーナ逃げ面36は、第2側面32に連なっている。第2側面32は、第1コーナ逃げ面36に対して、第1さらい逃げ面35の反対側にある。別の観点から言えば、第1コーナ逃げ面36は、第1さらい逃げ面35と第2側面32との間に位置している。
周方向において、第2さらい逃げ面45は、第2側面32および第2コーナ逃げ面46の各々に連なっている。第2コーナ逃げ面46は、第2さらい逃げ面45に対して、第2側面32の反対側にある。別の観点から言えば、第2さらい逃げ面45は、第2側面32と第2コーナ逃げ面46との間に位置している。第2コーナ逃げ面46は、第1側面31に連なっている。第1側面31は、第2コーナ逃げ面46に対して、第2さらい逃げ面45の反対側にある。別の観点から言えば、第2コーナ逃げ面46は、第2さらい逃げ面45と第1側面31の間に位置している。
第1さらい逃げ面35、第1コーナ逃げ面36、第2さらい逃げ面45および第2コーナ逃げ面46の各々は、例えば曲面状である。第1さらい逃げ面35、第1コーナ逃げ面36、第2さらい逃げ面45および第2コーナ逃げ面46の各々は、例えば外側に凸の曲面であってもよい。なお、本明細書において外側とは、内周面4から外周側面3に向かう方向である。
第1平面301は、第1コーナ逃げ面36および第2さらい逃げ面45の各々に連なっている。第1平面301は、第1さらい逃げ面35に連なっていてもよい。第1平面301は、第2側面32に連なっていてもよい。第2平面302は、第2コーナ逃げ面46および第1さらい逃げ面35の各々に連なっている。第2平面302は、第2さらい逃げ面45に連なっていてもよい。第2平面302は、第1側面31に連なっていてもよい。第2平面302は、第1平面301に連なっていてもよい。
第1さらい逃げ面35は、第1さらい逃げ部321と、第2さらい逃げ部322と、第1接続面323とを有している。第1さらい逃げ部321は、第1さらい刃部121に連なっている。第1さらい逃げ部321は、例えば、第2平面302に連なっている。第2さらい逃げ部322は、第2さらい刃部122に連なっている。第2さらい逃げ部322は、例えば、第1平面301および第2平面302の各々に連なっている。第1接続面323は、第1接続部123に連なっている。第1接続面323は、例えば、第2平面302に連なっている。
周方向において、第1さらい逃げ部321は、第1側面31に連なっている。第2さらい逃げ部322は、第1コーナ逃げ面36に連なっている。第1接続面323は、第1さらい逃げ部321および第2さらい逃げ部322の各々に連なっている。第1接続面323は、第1さらい逃げ部321と第2さらい逃げ部322との間に位置している。第1さらい逃げ部321、第2さらい逃げ部322および第1接続面323の各々は、例えば曲面状である。第1さらい逃げ部321、第2さらい逃げ部322および第1接続面323の各々は、外側に凸の曲面であってもよい。
第2さらい逃げ面45は、第3さらい逃げ部421と、第4さらい逃げ部422と、第2接続面423とを有している。第3さらい逃げ部421は、第3さらい刃部221に連なっている。第3さらい逃げ部421は、例えば、第1平面301に連なっている。第4さらい逃げ部422は、第4さらい刃部222に連なっている。第4さらい逃げ部422は、例えば、第1平面301および第2平面302の各々に連なっている。第2接続面423は、第2接続部223に連なっている。第2接続面423は、例えば、第1平面301に連なっている。
周方向において、第3さらい逃げ部421は、第2側面32に連なっている。第4さらい逃げ部422は、第2コーナ逃げ面46に連なっている。第2接続面423は、第3さらい逃げ部421および第4さらい逃げ部422の各々に連なっている。第2接続面423は、第3さらい逃げ部421と第4さらい逃げ部422との間に位置している。第3さらい逃げ部421、第4さらい逃げ部422および第2接続面423の各々は、例えば曲面状である。第3さらい逃げ部421、第4さらい逃げ部422および第2接続面423の各々は、外側に凸の曲面であってもよい。
図3は、第1実施形態に係る切削インサート10の構成を示す正面模式図である。図3に示される正面模式図は、切削インサート10の第1面1から第2面2に向かう方向に見た正面模式図である。
図3に示されるように、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100は、略平行四辺形である。第5直線部13は、第1直線部11に実質的に平行である。第6直線部14は、第2直線部12に実質的に平行である。第1直線部11は、第2直線部12に対して傾斜している。第2直線部12は、第5直線部13に対して傾斜している。第5直線部13は、第6直線部14に対して傾斜している。第6直線部14は、第1直線部11に対して傾斜している。
第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1さらい刃15は、曲線状である。第1さらい刃15は、外側に凸の形状である。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1コーナ切刃16は、曲線状である。第1コーナ切刃16は、外側に凸の形状である。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1コーナ部17は、曲線状である。第1コーナ部17は、外側に凸の形状である。
図3に示されるように、第1直線部11が延在する方向に延びる仮想直線を第1仮想直線131とする。第2直線部12が延在する方向に延びる仮想直線を第2仮想直線132とする。第1仮想直線131と第2仮想直線132とは、第1交点141において交差している。第5直線部13が延在する方向に延びる仮想直線を第3仮想直線133とする。第6直線部14が延在する方向に延びる仮想直線を第4仮想直線134とする。第3仮想直線133と第4仮想直線134とは、第2交点142において交差している。
第1仮想直線131と第2仮想直線132とがなす角の二等分線を第5仮想直線135とする。第5仮想直線135は、第1交点141と第2交点142とを通っている。第5仮想直線135は、第3仮想直線133と第4仮想直線134とがなす角の二等分線である。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100と第2稜線200とを重ねた輪郭は、第5仮想直線135に対して線対称である。第1稜線100と第2稜線200とを重ねた輪郭とは、第1稜線100と第2稜線200とを重ね合わせた線のうち、外側に位置する線を抽出した線である。
第1交点141と第2交点142とを結ぶ線分の中点を、回転中心145とする。回転中心145は、第5仮想直線135上に位置している。言い換えれば、第5仮想直線135は、回転中心145を通っている。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、回転中心145は、内周面4の中心に位置していてもよい。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1面1の形状は、回転中心145の周りに2回対称である。別の観点から言えば、第1面1の外形を、回転中心145を中心として180°回転させた形状は、第1面1の外形と一致する。
図3に示されるように、第1稜線100において、第1さらい刃15は、回転中心145を中心として180°回転した位置に2つ設けられていてもよい。同様に、第1稜線100において、第1コーナ切刃16は、回転中心145を中心として180°回転した位置に2つ設けられていてもよい。同様に、第1稜線100において、第1コーナ部17は、回転中心145を中心として180°回転した位置に2つ設けられていてもよい。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100は、第5仮想直線135に対して非対称である。具体的には、第1稜線100の第1コーナ切刃16および第1さらい刃15の各々は、第5仮想直線135に対して非対称である。
図3に示されるように、第2仮想直線132と第3仮想直線133とは、第3交点143において交差している。第1仮想直線131と第4仮想直線134とは、第4交点144において交差している。第2仮想直線132と第3仮想直線133とがなす角の二等分線を第6仮想直線136とする。第6仮想直線136は、第3交点143、回転中心145および第4交点144の各々を通っている。別の観点から言えば、第5仮想直線135と第6仮想直線136とは、回転中心145において交差している。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100は、第6仮想直線136に対して非対称である。具体的には、第1稜線100の第1コーナ切刃16および第1さらい刃15の各々は、第6仮想直線136に対して非対称である。
第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1仮想直線131と第2仮想直線132とがなす角度を第1角度θ11とする。第3仮想直線133と第4仮想直線134とがなす角度を第2角度θ12とする。第1角度θ11と第2角度θ12とは、同一である。第1角度θ11は例えば80°である。第1角度θ11は、例えば75°以上85°以下であってもよい。第1角度θ11の下限は、特に限定されないが、例えば77°以上であってもよいし、79°以上であってもよい。第1角度θ11の上限は、特に限定されないが、例えば83°以下であってもよいし、81°以下であってもよい。同様に、第2角度θ12は例えば80°である。第2角度θ12は、例えば75°以上85°以下であってもよい。第2角度θ12の下限は、特に限定されないが、例えば77°以上であってもよいし、79°以上であってもよい。第2角度θ12の上限は、特に限定されないが、例えば83°以下であってもよいし、81°以下であってもよい。
第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2仮想直線132と第3仮想直線133とがなす角度を第3角度θ13とする。第1仮想直線131と第4仮想直線134とがなす角度を第4角度θ14とする。第3角度θ13と第4角度θ14とは、同一である。第3角度θ13は、例えば95°以上105°以下である。第3角度θ13の下限は、特に限定されないが、例えば97°以上であってもよいし、99°以上であってもよい。第3角度θ13の上限は、特に限定されないが、例えば103°以下であってもよいし、101°以下であってもよい。同様に、第4角度θ14は、例えば95°以上105°以下である。第4角度θ14の下限は、特に限定されないが、例えば97°以上であってもよいし、99°以上であってもよい。第4角度θ14の上限は、特に限定されないが、例えば103°以下であってもよいし、101°以下であってもよい。第3角度θ13は、第1角度θ11よりも大きくてもよい。
図4は、第1実施形態に係る切削インサート10の構成を示す背面模式図である。図4に示される背面模式図は、切削インサート10の第2面2から第1面1に向かう方向に見た背面模式図である。
図4に示されるように、第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2稜線200は、略平行四辺形である。第2稜線200は、さらに第7直線部23と、第8直線部24とを有している。第7直線部23は、第3直線部21に対向している。第8直線部24は、第4直線部22に対向している。第7直線部23は、第3直線部21に実質的に平行である。第8直線部24は、第4直線部22に実質的に平行である。第3直線部21は、第4直線部22に対して傾斜している。第4直線部22は、第7直線部23に対して傾斜している。第7直線部23は、第8直線部24に対して傾斜している。第8直線部24は、第3直線部21に対して傾斜している。第7直線部23は、第2コーナ部27に連なっている。第7直線部23は、第2コーナ部27に対して、第4直線部22の反対側にある。別の観点から言えば、第2コーナ部27は、第4直線部22と第7直線部23との間に位置している。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2さらい刃25は、曲線状である。第2さらい刃25は、外側に凸の形状である。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2コーナ切刃26は、曲線状である。第2コーナ切刃26は、外側に凸の形状である。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2コーナ部27は、曲線状である。第2コーナ部27は、外側に凸の形状である。
図4に示されるように、第3直線部21が延在する方向に延びる仮想直線を第7仮想直線231とする。第4直線部22が延在する方向に延びる仮想直線を第8仮想直線232とする。第7仮想直線231と第8仮想直線232とは、第5交点241において交差している。第7直線部23が延在する方向に延びる仮想直線を第9仮想直線233とする。第8直線部24が延在する方向に延びる仮想直線を第10仮想直線234とする。第9仮想直線233と第10仮想直線234とは、第6交点242において交差している。
第7仮想直線231と第8仮想直線232とがなす角の二等分線を第11仮想直線235とする。第11仮想直線235は、第5交点241と第6交点242とを通っている。第11仮想直線235は、第9仮想直線233と第10仮想直線234とがなす角の二等分線である。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第1稜線100と第2稜線200とを重ねた輪郭は、第11仮想直線235に対して線対称である。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、回転中心145は、第5交点241と第6交点242とを結ぶ線分の中点に位置している。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、回転中心145は、第11仮想直線235上に位置している。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2面2の形状は、回転中心145の周りに2回対称である。同様に、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2面2の形状は、回転中心145の周りに2回対称である。別の観点から言えば、第2面2の外形を、回転中心145を中心として180°回転させた形状は、第2面2の外形と一致する。
図4に示されるように、第2稜線200において、第2さらい刃25は、回転中心145を中心として180°回転した位置に2つ設けられていてもよい。同様に、第2稜線200において、第2コーナ切刃26は、回転中心145を中心として180°回転した位置に2つ設けられていてもよい。同様に、第2稜線200において、第2コーナ部27は、回転中心145を中心として180°回転した位置に2つ設けられていてもよい。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2稜線200は、第11仮想直線235に対して非対称である。具体的には、第2稜線200の第2コーナ切刃26および第2さらい刃25の各々は、第11仮想直線235に対して非対称である。
図4に示されるように、第8仮想直線232と第9仮想直線233とは、第7交点243において交差している。第7仮想直線231と第10仮想直線234とは、第8交点244において交差している。第8仮想直線232と第9仮想直線233とがなす角の二等分線を第12仮想直線236とする。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第12仮想直線236は、第7交点243、回転中心145および第8交点244を通っている。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第11仮想直線235と第12仮想直線236とは、回転中心145において交差している。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2稜線200は、第12仮想直線236に対して非対称である。具体的には、第2稜線200の第2コーナ切刃26および第2さらい刃25の各々は、第12仮想直線236に対して非対称である。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第7仮想直線231と第8仮想直線232とがなす角度を第5角度θ21とする。第9仮想直線233と第10仮想直線234とがなす角度を第6角度θ22とする。第5角度θ21と第6角度θ22とは、同一である。第5角度θ21は、例えば80°である。第5角度θ21は、例えば75°以上85°以下であってもよい。第5角度θ21の下限は、特に限定されないが、例えば77°以上であってもよいし、79°以上であってもよい。第5角度θ21の上限は、特に限定されないが、例えば83°以下であってもよいし、81°以下であってもよい。同様に、第6角度θ22は、例えば80°である。第6角度θ22は、例えば75°以上85°以下であってもよい。第6角度θ22の下限は、特に限定されないが、例えば77°以上であってもよいし、79°以上であってもよい。第6角度θ22の上限は、特に限定されないが、例えば83°以下であってもよいし、81°以下であってもよい。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第8仮想直線232と第9仮想直線233とがなす角度を第7角度θ23とする。第7仮想直線231と第10仮想直線234とがなす角度を第8角度θ24とする。第7角度θ23と第8角度θ24とは、同一である。第7角度θ23は、例えば95°以上105°以下である。第7角度θ23の下限は、特に限定されないが、例えば97°以上であってもよいし、99°以上であってもよい。第7角度θ23の上限は、特に限定されないが、例えば103°以下であってもよいし、101°以下であってもよい。同様に、第8角度θ24は、例えば95°以上105°以下である。第8角度θ24の下限は、特に限定されないが、例えば97°以上であってもよいし、99°以上であってもよい。第8角度θ24の上限は、特に限定されないが、例えば103°以下であってもよいし、101°以下であってもよい。第7角度θ23は、第5角度θ21よりも大きくてもよい。
図5は、図3のV-V線に沿う縦断面模式図である。図5に示される断面は、第1面1に垂直であり且つ第1コーナ逃げ面36、第2さらい逃げ面45および第1平面301の各々と交差している。図5に示されるように、第1面1は、例えば、第2面2と平行に配置されている。断面視において、第1コーナ逃げ面36は、第2さらい逃げ面45よりも外側に位置している。第1面1から第2面2に向かう方向に平行な仮想直線を第13仮想直線51とする。断面視において、第13仮想直線51に対して垂直な方向に延びている仮想直線を第14仮想直線52とする。言い換えれば、断面視において、第13仮想直線51と第14仮想直線52とがなす角度(第9角度θ19)は90°である。
断面視において、第1平面301は、第14仮想直線52に沿う方向に延びている。つまり、第1平面301は、第1面1から第2面2に向かう方向に対して垂直な方向に沿って延びている。第1面1から第2面2に向かう方向に対して垂直な方向に沿う方向とは、第1面1から第2面2に向かう方向に対して実質的に垂直な方向であればよく、第1面1から第2面2に向かう方向に対して完全に垂直な方向に限定されない。第1平面301が第1面1から第2面2に向かう方向に対して垂直な方向に沿って延びている場合とは、第1平面301が第1面1から第2面2に向かう方向に対して垂直な方向に対して±3°以内の角度だけ傾斜している場合を含む。言い換えれば、断面視において、第1平面301の第14仮想直線52に対する傾斜角は、±3°以内であってもよい。例えば、研削加工の際に生じる加工誤差等によって、第1平面301は、第14仮想直線52に対して若干傾斜する場合がある。なお、断面視において、第1平面301が第2さらい逃げ面45から離れるに従って第1面1に近づくように傾斜している場合、第1平面301の第14仮想直線52に対する傾斜角は正であるとする。反対に、断面視において、第1平面301が第2さらい逃げ面45から離れるに従って第1面1から離れるように傾斜している場合、第1平面301の第14仮想直線52に対する傾斜角は負であるとする。
図6は、図3のVI-VI線に沿う縦断面模式図である。図6に示される断面は、第1面1に垂直であり且つ第2コーナ逃げ面46、第1さらい逃げ面35および第2平面302の各々と交差している。図6に示されるように、断面視において、第2コーナ逃げ面46は、第1さらい逃げ面35よりも外側に位置している。断面視において、第2平面302は、第14仮想直線52に沿う方向に延びている。つまり、第2平面302は、第1面1から第2面2に向かう方向に対して垂直な方向に沿って延びている。第2平面302が第1面1から第2面2に向かう方向に対して垂直な方向に沿って延びている場合とは、第2平面302が第1面1から第2面2に向かう方向に対して垂直な方向に対して±3°以内の角度だけ傾斜している場合を含む。言い換えれば、断面視において、第2平面302の第14仮想直線52に対する傾斜角は、±3°以内であってもよい。例えば、研削加工等の際に生じる加工誤差等によって、第2平面302は、第14仮想直線52に対して若干傾斜する場合がある。なお、断面視において、第2平面302が第1さらい逃げ面35から離れるに従って第1面1に近づくように傾斜している場合、第2平面302の第14仮想直線52に対する傾斜角は正であるとする。反対に、断面視において、第2平面302が第1さらい逃げ面35から離れるに従って第1面1から離れるように傾斜している場合、第2平面302の第14仮想直線52に対する傾斜角は負であるとする。
図7は、図3の領域VIIを拡大した拡大正面模式図である。図7に示されるように、第1さらい刃部121は、第1接続点151において、第1直線部11に連なっている。第1接続部123は、第2接続点152において、第1さらい刃部121に連なっている。第2さらい刃部122は、第3接続点153において、第1接続部123に連なっている。第1コーナ切刃16は、第4接続点154において、第2さらい刃部122に連なっている。第2直線部12は、第5接続点155において、第1コーナ切刃16に連なっている。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2稜線200は、第2稜線200の第2コーナ切刃26において、第1稜線100よりも外側に位置している。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2稜線200は、第2稜線200の第4直線部22において、第1稜線100よりも外側に位置していてもよい。
第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1さらい刃部121、第2さらい刃部122、第1コーナ切刃16および第1接続部123の各々は、例えば、円弧状である。第1さらい刃部121、第2さらい刃部122、第1コーナ切刃16および第1接続部123の各々は、例えば、外側に凸の形状である。第1さらい刃部121の曲率半径を第1曲率半径R11とする。第2さらい刃部122の曲率半径を第2曲率半径R12とする。第1コーナ切刃16の曲率半径を第3曲率半径R13とする。第1接続部123の曲率半径を第4曲率半径R14とする。
第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2曲率半径R12は、第1曲率半径R11よりも小さい。第1曲率半径R11を第2曲率半径R12で除した値をR11/R12とする。R11/R12は、例えば1.1以上4以下である。R11/R12の下限は、特に限定されないが、例えば1.3以上であってもよいし、1.5以上であってもよい。R11/R12の上限は、特に限定されないが、例えば3.5以下であってもよいし、3以下であってもよい。
第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第3曲率半径R13は、第2曲率半径R12よりも小さい。第2曲率半径R12を第3曲率半径R13で除した値をR12/R13とする。R12/R13は、例えば10以上90以下である。R12/R13の下限は、特に限定されないが、例えば15以上であってもよいし、20以上であってもよい。R12/R13の上限は、特に限定されないが、例えば65以下であってもよいし、40以下であってもよい。
第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第4曲率半径R14は、第2曲率半径R12よりも小さい。第2曲率半径R12を第4曲率半径R14で除した値をR12/R14とする。R12/R14は、例えば10以上90以下である。R12/R14の下限は、特に限定されないが、例えば15以上であってもよいし、20以上であってもよい。R12/R14の上限は、特に限定されないが、例えば65以下であってもよいし、40以下であってもよい。
図7に示されるように、第1接続点151と第2接続点152とを通る直線を第15仮想直線161とする。別の観点から言えば、第15仮想直線161は、第1さらい刃部121の両端を通る直線である。第15仮想直線161の第1仮想直線131に対する傾斜角を第1傾斜角θ15とする。言い換えれば、第1傾斜角θ15は、第15仮想直線161の第1直線部11に対する傾斜角である。第1傾斜角θ15を、第1さらい刃部121の第1直線部11に対する傾斜角とする。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1さらい刃部121は、第1直線部11に対して第1直線部11から第2直線部12に向かう方向に傾斜している。言い換えれば、第1さらい刃部121は、第1直線部11に対して内側に傾斜している。なお、本明細書において内側とは、外周側面3から内周面4に向かう方向である。第1傾斜角θ15は、例えば2°以上10°以下である。第1傾斜角θ15の下限は、特に限定されないが、例えば3°以上であってもよいし、4°以上であってもよい。第1傾斜角θ15の上限は、特に限定されないが、8°以下であってもよいし。6°以下であってもよい。
図7に示されるように、第3接続点153と第4接続点154とを通る直線を第16仮想直線162とする。別の観点から言えば、第16仮想直線162は、第2さらい刃部122の両端を通る直線である。第16仮想直線162の第15仮想直線161に対する傾斜角を第2傾斜角θ16とする。第2傾斜角θ16を、第2さらい刃部122の第1さらい刃部121に対する傾斜角とする。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2さらい刃部122は、第1さらい刃部121に対して第1さらい刃部121から第2直線部12に向かう方向に傾斜している。言い換えれば、第2さらい刃部122は、第1さらい刃部121に対して内側に傾斜している。第2傾斜角θ16は、例えば20°以上40°以下である。第2傾斜角θ16の下限は、特に限定されないが、例えば22.5°以上であってもよいし、25°以上であってもよい。第2傾斜角θ16の上限は、特に限定されないが、37.5°以下であってもよいし。35°以下であってもよい。
図8は、図4の領域VIIIを拡大した拡大背面模式図である。図8に示されるように、第3さらい刃部221は、第6接続点251において、第3直線部21に連なっている。第2接続部223は、第7接続点252において、第3さらい刃部221に連なっている。第4さらい刃部222は、第8接続点253において、第2接続部223に連なっている。第2コーナ切刃26は、第9接続点254において、第4さらい刃部222に連なっている。第4直線部22は、第10接続点255において、第2コーナ切刃26に連なっている。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第1稜線100は、第1稜線100の第1コーナ切刃16において、第2稜線200よりも外側に位置している。同様に、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100は、第1コーナ切刃16において、第2稜線200よりも外側に位置している。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100は、第2直線部12において、第2稜線200よりも外側に位置していてもよい。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第3さらい刃部221、第4さらい刃部222、第2コーナ切刃26および第2接続部223の各々は、例えば、円弧状である。第3さらい刃部221、第4さらい刃部222、第2コーナ切刃26および第2接続部223の各々は、例えば、外側に凸の形状である。第3さらい刃部221の曲率半径を第5曲率半径R21とする。第4さらい刃部222の曲率半径を第6曲率半径R22とする。第2コーナ切刃26の曲率半径を第7曲率半径R23とする。第2接続部223の曲率半径を第8曲率半径R24とする。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第6曲率半径R22は、第5曲率半径R21よりも小さい。第5曲率半径R21を第6曲率半径R22で除した値をR21/R22とする。R21/R22は、例えば1.1以上4以下である。R21/R22の下限は、特に限定されないが、例えば1.3以上であってもよいし、1.5以上であってもよい。R21/R22の上限は、特に限定されないが、例えば3.5以下であってもよいし、3以下であってもよい。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第7曲率半径R23は、第6曲率半径R22よりも小さい。第6曲率半径R22を第7曲率半径R23で除した値をR22/R23とする。R22/R23は、例えば10以上90以下である。R22/R23の下限は、特に限定されないが、例えば15以上であってもよいし、20以上であってもよい。R22/R23の上限は、特に限定されないが、例えば65以下であってもよいし、40以下であってもよい。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第8曲率半径R24は、第6曲率半径R22よりも小さい。第6曲率半径R22を第8曲率半径R24で除した値をR22/R24とする。R22/R24は、例えば10以上90以下である。R22/R24の下限は、特に限定されないが、例えば15以上であってもよいし、20以上であってもよい。R22/R24の上限は、特に限定されないが、例えば65以下であってもよいし、40以下であってもよい。
図8に示されるように、第6接続点251と第7接続点252とを通る直線を第17仮想直線261とする。別の観点から言えば、第17仮想直線261は、第3さらい刃部221の両端を通る直線である。第17仮想直線261の第7仮想直線231に対する傾斜角を第3傾斜角θ25とする。言い換えれば、第3傾斜角θ25は、第17仮想直線261の第3直線部21に対する傾斜角である。第3傾斜角θ25を、第3さらい刃部221の第3直線部21に対する傾斜角とする。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第3さらい刃部221は、第3直線部21に対して第3直線部21から第4直線部22に向かう方向に傾斜している。言い換えれば、第3さらい刃部221は、第3直線部21に対して内側に傾斜している。第3傾斜角θ25は、例えば2°以上10°以下である。第3傾斜角θ25の下限は、特に限定されないが、例えば3°以上であってもよいし、4°以上であってもよい。第3傾斜角θ25の上限は、特に限定されないが、8°以下であってもよいし。6°以下であってもよい。
図8に示されるように、第8接続点253と第9接続点254とを通る直線を第18仮想直線262とする。別の観点から言えば、第18仮想直線262は、第4さらい刃部222の両端を通る直線である。第18仮想直線262の第17仮想直線261に対する傾斜角を第4傾斜角θ26とする。第4傾斜角θ26を、第4さらい刃部222と第3さらい刃部221に対する傾斜角とする。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第4さらい刃部222は、第3さらい刃部221に対して第3さらい刃部221から第4直線部22に向かう方向に傾斜している。言い換えれば、第4さらい刃部222は、第3さらい刃部221に対して内側に傾斜している。第4傾斜角θ26は、例えば20°以上40°以下である。第4傾斜角θ26の下限は、特に限定されないが、例えば22.5°以上であってもよいし、25°以上であってもよい。第4傾斜角θ26の上限は、特に限定されないが、37.5°以下であってもよいし。35°以下であってもよい。
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態に係る切削インサートの構成について説明する。第2実施形態に係る切削インサートの構成は、主に、第1ブレーカ77および第2ブレーカ87が設けられている点において、第1実施形態に係る切削インサートの構成と異なっており、その他の点については、第1実施形態に係る切削インサートの構成と同様である。以下、第1実施形態に係る切削インサートの構成と異なる点を中心に説明する。
図9は、第2実施形態に係る切削インサートの構成を示す斜視模式図である。図9に示されるように、第1面1は、第1すくい面75と、第1ブレーカ77と、第1着座面76と、第1ランド面78とを有している。第1すくい面75は、第1稜線100と内周面4との間に位置している。第1ブレーカ77は、例えば第1すくい面75に連なっている。第1着座面76は、例えば、平面状である。第1着座面76は、例えば、内周面4に連なっている。第1着座面76は、第1ブレーカ77と内周面4との間に位置している。第1ランド面78は、例えば環状である。第1ランド面78は、例えば、第1稜線100および第1すくい面75の各々に連なっている。
第1ブレーカ77は、第1傾斜面74と、第1突起部71と、第2突起部72と、第3突起部73とを有している。第1傾斜面74は、例えば第1着座面76に連なっている。第1傾斜面74は、第1すくい面75と第1着座面76との間に位置している。第1突起部71は、例えば、第1すくい面75と第1傾斜面74との間に位置している。第2突起部72および第3突起部73の各々は、例えば第1傾斜面74に連なっていてもよい。第1傾斜面74は、第2突起部72と第3突起部73との間に位置している。
図10は、第2実施形態に係る切削インサート10の構成を示す正面模式図である。図10に示される模式図は、切削インサート10の第1面1から第2面2に向かう方向に見た正面模式図である。図10に示されるように、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1傾斜面74および第1突起部71の各々は、例えば、切削インサート10の第5仮想直線135を通るように位置している。例えば、第5仮想直線135は、第2突起部72と第3突起部73との間に位置している。第1面1は、回転中心145の周りに、実質的に2回対称である。
図11は、第2実施形態に係る切削インサート10の構成を示す背面模式図である。図11に示される模式図は、切削インサート10の第2面2から第1面1に向かう方向に見た背面模式図である。図11に示されるように、第2面2は、第2すくい面85と、第2ブレーカ87と、第2着座面86と、第2ランド面88とを有している。第2すくい面85は、第2稜線200と内周面4との間に位置している。第2ブレーカ87は、例えば第2すくい面85に連なっている。第2着座面86は、例えば、平面状である。第2着座面86は、例えば、内周面4に連なっている。第2着座面86は、第2ブレーカ87と内周面4との間に位置している。第2ランド面88は、例えば環状である。第2ランド面88は、例えば、第2稜線200および第2すくい面85の各々に連なっている。
第2ブレーカ87は、第2傾斜面84と、第4突起部81と、第5突起部82と、第6突起部83とを有している。第2傾斜面84は、例えば第2着座面86に連なっている。第2傾斜面84は、第2すくい面85と第2着座面86との間に位置している。第4突起部81は、例えば、第2すくい面85と第2傾斜面84との間に位置している。第5突起部82および第6突起部83の各々は、例えば第2傾斜面84に連なっていてもよい。第2傾斜面84は、第5突起部82と第6突起部83との間に位置している。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2傾斜面84および第4突起部81の各々は、例えば、切削インサート10の第11仮想直線235を通るように位置している。例えば、第11仮想直線235は、第5突起部82と第6突起部83との間に位置している。第2面2は、回転中心145の周りに実質的に2回対称である。
図12は、図10のXII-XII線に沿う縦断面模式図である。図12に示される断面は、第1面1に垂直であり且つ第5仮想直線135を含んでいる。図12に示されるように、第2着座面86は、第1着座面76と実質的に平行である。第1突起部71は、上側に凸の形状である。なお、本明細書において、上側とは、第2面2から第1面1に向かう方向である。第4突起部81は、下側に凸の形状である。なお、本明細書において、下側とは、第1面1から第2面2に向かう方向である。第1面1から第2面2に向かう方向において、第1稜線100は、第1着座面76よりも下側に位置している。言い換えれば、第1面1から第2面2に向かう方向において、第1稜線100は、第1着座面76と第2稜線200との間に位置している。同様に、第1面1から第2面2に向かう方向において、第2稜線200は、第2着座面86よりも上側に位置している。言い換えれば、第1面1から第2面2に向かう方向において、第2稜線200は、第2着座面86と第1稜線100との間に位置している。
図13は、図12の領域XIIIを拡大した拡大縦断面模式図である。図13に示されるように、断面視において、第1ランド面78は外周側面3に対して傾斜している。外周側面3に対する第1ランド面78の傾斜角は、例えば90°である。断面視において、第1すくい面75は、例えば、第1ランド面78に対して、下側に傾斜している。第1突起部71は、例えば、第1すくい面75および第1傾斜面74の各々に連なっている。
図13に示されるように、断面視において、第1突起部71は第1ランド面78に対して下側に位置している。別の観点から言えば、第1面1から第2面2に向かう方向において、第1突起部71は、第1ランド面78と第2ランド面88との間に位置している。第1傾斜面74は、第1突起部71から離れるほど、第2面2から第1面1に向かう方向の高さが高くなるように傾斜している。第1傾斜面74は、第1傾斜部74aと、第1傾斜部74aに連なる第2傾斜部74bとを有している。断面視において、第1傾斜部74aは、第1ランド面78よりも下側に位置している。言い換えれば、第1面1から第2面2に向かう方向において、第1傾斜部74aは、第1ランド面78と第2ランド面88との間に位置している。断面視において、第2傾斜部74bは、第1ランド面78よりも上側に位置している。言い換えれば、第1面1から第2面2に向かう方向において、第2傾斜部74bは、第1ランド面78と第1着座面76との間に位置している。
図14は、図10のXIV-XIV線に沿う縦断面模式図である。図14に示される断面は、第1面1に対して垂直であり且つ第2突起部72および第3突起部73の各々と交差している。図14に示されるように、第2突起部72および第3突起部73の各々は、第1着座面76に向かう方向に凸の形状である。第5突起部82および第6突起部83の各々は、第2着座面86に向かう方向に凸の形状である。
第1面1から第2面2に向かう方向において、第2突起部72の最も突出している部分は、例えば、第1着座面76と第1ランド面78との間に位置している。第1面1から第2面2に向かう方向において、第3突起部73の最も突出している部分は、例えば、第1着座面76と第1ランド面78との間に位置している。
第1面1から第2面2に向かう方向において、第5突起部82の最も突出している部分は、例えば、第2着座面86と第2ランド面88との間に位置している。第1面1から第2面2に向かう方向において、第6突起部83の最も突出している部分は、例えば、第2着座面86と第2ランド面88との間に位置している。
(第3実施形態)
次に、本開示の第3実施形態に係る切削インサートの構成について説明する。第3実施形態に係る切削インサートの構成は、主に、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1面1および第2面2の各々が略六角形である点において、第2実施形態に係る切削インサートの構成と異なっており、その他の点については、第2実施形態に係る切削インサートの構成と同様である。以下、第2実施形態に係る切削インサートの構成と異なる点を中心に説明する。
図15は、第3実施形態に係る切削インサートの構成を示す斜視模式図である。図15に示されるように、第1稜線100は、3つの第1部分110と、3つの第1コーナ部17とにより構成されている。3つの第1部分110の各々は、第1直線部11と、第1さらい刃15と、第1コーナ切刃16と、第2直線部12とを有している。第1稜線100は、3つの第1直線部11と、3つの第2直線部12と、3つの第1さらい刃15と、3つの第1コーナ切刃16とを有している。第1稜線100において、第1直線部11と第2直線部12とは、周方向に交互に位置している。隣り合う2つの第1部分110の境界は、第1コーナ部17を構成している。第1コーナ部17は、隣り合う2つの第1部分110の一方における第1直線部11と、隣り合う2つの第1部分110の他方における第2直線部12との間に位置している。
第2稜線200は、第2部分210と、第2コーナ部27とを主に有している。第2部分210は、第3直線部21と、第2さらい刃25と、第2コーナ切刃26と、第4直線部22とを有している。第4直線部22は、第2コーナ部27と連なっている。
第1面1は、第1窪み部79を有していてもよい。内周面4から外周側面3に向かう方向において、第1窪み部79は、例えば、内周面4と第1稜線100との間に位置している。第1窪み部79は、内周面4と連なっていてもよい。第1窪み部79は、例えば、第1稜線100と離間している。第1窪み部79は、第1着座面76と連なっていてもよい。
図16は、第3実施形態に係る切削インサート10の構成を示す正面模式図である。図16に示される正面模式図は、切削インサート10の第1面1から第2面2に向かう方向に見た正面模式図である。図16に示されるように、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100は、略六角形である。
3つの第1部分110の各々において、第1仮想直線131と第2仮想直線132とがなす角の二等分線を第5仮想直線135とする。隣り合う2つの第1部分110の間において第1仮想直線131と第2仮想直線132とがなす角は、当該2つの第1部分110以外の第1部分110の第5仮想直線135によって二等分されていてもよい。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1稜線100と第2稜線200とを重ねた輪郭は、第5仮想直線135に対して線対称である。
3つの第5仮想直線135が交差する点を、回転中心145とする。回転中心145は、第5仮想直線135の上に位置している。言い換えれば、第5仮想直線135は、回転中心145を通っている。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、回転中心145は、内周面4の中心に位置していてもよい。第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1面1の形状は、回転中心145の周りに3回対称である。別の観点から言えば、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1面1の外形を、回転中心145を中心として120°回転させた形状は、第1面1の外形と一致する。
第1稜線100において、第1直線部11、第1さらい刃15、第1コーナ切刃16、第2直線部12および第1コーナ部17の各々は、回転中心145の周りに3回対称であるように3つ設けられている。第1面1において、第1ブレーカ77は、回転中心145の周りに3回対称であるように3つ設けられていてもよい。同様に、第1面1において、第1窪み部79は、回転中心145の周りに3回対称であるように3つ設けられていてもよい。
第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第1部分110において、第1仮想直線131と第2仮想直線132とがなす角度を第1角度θ11とする。第1角度θ11は、例えば75°以上85°以下である。第1角度θ11の下限は、特に限定されないが、例えば77°以上であってもよいし、79°以上であってもよい。第1角度θ11の上限は、特に限定されないが、例えば83°以下であってもよいし、81°以下であってもよい。
第1面1から第2面2に向かう方向に見て、隣り合う2つの第1部分110の間において、第1仮想直線131と第2仮想直線132とがなす角度を第10角度θ31とする。第10角度θ31は、例えば155°以上165°以下である。第10角度θ31の下限は、特に限定されないが、例えば157°以上であってもよいし、159°以上であってもよい。第10角度θ31の上限は、特に限定されないが、例えば163°以下であってもよいし、161°以下であってもよい。第10角度θ31は、第1角度θ11よりも大きくてもよい。
図17は、第3実施形態に係る切削インサート10の構成を示す背面模式図である。図17に示される背面模式図は、切削インサート10の第2面2から第1面1に向かう方向に見た背面模式図である。
図17に示されるように、第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2稜線200は、略六角形である。第2稜線200は、3つの第2部分210と、3つの第2コーナ部27とにより構成されている。第2稜線200は、3つの第3直線部21と、3つの第4直線部22と、3つの第2さらい刃25と、3つの第2コーナ切刃26とを有している。第2稜線200において、第3直線部21と第4直線部22とは、周方向に交互に位置している。隣り合う2つの第2部分210の境界は、第2コーナ部27を構成している。第2コーナ部27は、隣り合う2つの第2部分210の一方における第3直線部21と、隣り合う2つの第2部分210の他方における第4直線部22との間に位置している。
第2面2は、第2窪み部89を有していてもよい。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2窪み部89は、例えば、内周面4と第2稜線200との間に位置している。第2窪み部89は、内周面4と連なっていてもよい。第2窪み部89は、例えば、第2稜線200と離間している。第2窪み部89は、第2着座面86と連なっていてもよい。
3つの第2部分210の各々において、第7仮想直線231と第8仮想直線232とがなす角の二等分線を第11仮想直線235とする。隣り合う2つの第2部分210の間において第7仮想直線231と第8仮想直線232とがなす角は、当該2つの第2部分210以外の第2部分210の第11仮想直線235によって二等分されていてもよい。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第1稜線100と第2稜線200とを重ねた輪郭は、第11仮想直線235に対して線対称である。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、回転中心145は、3つの第11仮想直線235が交差する点に位置している。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、回転中心145は、第11仮想直線235の上に位置している。第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2面2の形状は、回転中心145の周りに3回対称である。同様に、第1面1から第2面2に向かう方向に見て、第2面2の形状は、回転中心145の周りに3回対称である。別の観点から言えば、第2面2の外形を、回転中心145を中心として120°回転させた形状は、第2面2の外形と一致する。
第2稜線200において、第3直線部21、第2さらい刃25、第2コーナ切刃26、第4直線部22および第2コーナ部27の各々は、回転中心145の周りに3回対称であるように3つ設けられている。第2面2において、第2ブレーカ87は、回転中心145の周りに3回対称であるように3つ設けられていてもよい。同様に、第2面2において、第2窪み部89は、回転中心145の周りに3回対称であるように3つ設けられていてもよい。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、第2部分210において、第7仮想直線231と第8仮想直線232とがなす角度を第5角度θ21とする。第5角度θ21は、例えば80°である。第5角度θ21は、例えば75°以上85°以下であってもよい。第5角度θ21の下限は、特に限定されないが、例えば77°以上であってもよいし、79°以上であってもよい。第5角度θ21の上限は、特に限定されないが、例えば83°以下であってもよいし、81°以下であってもよい。
第2面2から第1面1に向かう方向に見て、隣り合う2つの第2部分210の間において、第7仮想直線231と第8仮想直線232とがなす角度を第11角度θ41とする。第11角度θ41は、例えば155°以上165°以下である。第11角度θ41の下限は、特に限定されないが、例えば157°以上であってもよいし、159°以上であってもよい。第11角度θ41の上限は、特に限定されないが、例えば163°以下であってもよいし、161°以下であってもよい。第11角度θ41は、第5角度θ21よりも大きくてもよい。
次に上記実施形態に係る切削インサート10の作用効果について説明する。
上記実施形態に係る切削インサート10によれば、外周側面3は、第1コーナ逃げ面36および第2さらい逃げ面45の各々に連なる第1平面301と、第2コーナ逃げ面46および第1さらい逃げ面35に連なる第2平面302とを有している。図5および図6に示されるように、第1平面301および第2平面302の各々は、切削インサート10の第1面1から第2面2に向かう方向に対して垂直な方向に沿って延びている。このため、切削インサート10の製造過程において、例えば、研削加工を用いて、第1稜線100、第2稜線200および外周側面3を形成することができる。
具体的には、例えば、第1側面31および第2側面32が形成された外周側面3に対して、1度目の研削加工により、第1さらい逃げ面35および第1コーナ逃げ面36の各々が形成される。このとき、同時に第1稜線100および第2平面302の各々が形成される。その後、2度目の研削加工により、第2さらい逃げ面45および第2コーナ逃げ面46の各々が形成される。このとき、同時に第2稜線200および第1平面301の各々が形成される。以上のように、第1稜線100、第2稜線200および外周側面3が形成される。このため、例えば多軸プレスを用いることなく、切削インサート10を製造することができる。従って、多軸プレス用の金型が不要となる。これによって、切削インサート10の製造が容易になる。
図18は、切削インサート10を用いて被削材のテーパ面を旋削加工している状態を示す模式図である。図18において、破線で示す曲線Cは、被削材7の加工後の外形を示している。被削材7は、回転軸8を中心にして回転する。被削材7のテーパ面91は、回転軸8に対して傾斜している。切削インサート10は、例えば、非図示の工具本体に取り付けられている。切削インサート10は、例えば第1稜線100において、回転する被削材7と接触することで、被削材7を切削する。同時に、切削インサート10は、例えば、矢印A1の方向に向かって送られる。矢印A1の方向は、被削材7のテーパ面91の延びる方向に沿った方向である。
図18に示されるように、被削材7のテーパ面91を切削する際、切削インサート10は、第1コーナ切刃16を用いて、被削材7を切り進める。このとき、第2さらい刃部122は、テーパ面91と接触する。これによって、被削材7を切り進めるのと同時に、テーパ面91に対して仕上げ加工を行うことができる。
図19は、切削インサート10を用いて被削材7の平行面を旋削加工している状態を示す模式図である。図19に示されるように、切削インサート10は、被削材7の平行面92を切削する。平行面92は、回転軸8に平行な方向に沿って延びている。切削インサート10は、被削材7の矢印A2の方向に送られる。矢印A2は、回転軸8と平行な方向に沿った方向である。
図19に示されるように、被削材7の平行面92を切削する際、切削インサート10は、第1接続部123を用いて、被削材7を切り進める。このとき、第1さらい刃部121は、平行面92と接触する。これによって、被削材7を切り進めるのと同時に、平行面92に対して仕上げ加工を行うことができる。
上記実施形態に係る切削インサート10によれば、第1さらい刃部121は、第1直線部11に対して傾斜している。第2さらい刃部122は、第1さらい刃部121に対して傾斜している。このため、図18および図19に示されるように、切削インサート10は、回転軸8に対して傾斜した被削材7のテーパ面91と、回転軸8に平行な被削材7の平行面92との各々において、被削材7を切り進めるのと同時に、テーパ面91および平行面92の各々に対して仕上げ加工を行うことができる。このため、テーパ面91と平行面92を一つの工具で加工することができる。従って、テーパ面と平行面を有する被削材の加工効率が向上する。
なお、テーパ面を旋削加工する場合において、上記実施形態に係る切削インサート10の送り方向は、矢印A1の方向に限られない。例えば、切削インサート10は、矢印A1と反対の方向に向かって送られてもよい。この場合においても、送り方向が矢印A1の方向である場合と同様にテーパ面の仕上げ加工を実施することができる。
図20は、図18の領域XXにおける拡大模式図である。図20に示されるように、第2さらい刃部122は、被削材7のテーパ面91に沿うように配置される。送り方向である矢印A1の方向は、テーパ面91の延びる方向に沿った方向である。言い換えれば、矢印A1の方向は、第2さらい刃部122の延びる方向に沿った方向である。従って、第2傾斜角θ16が大きくなると、矢印A1の方向は、回転軸8と垂直な方向に近くなる。切削インサート10は、送り方向である矢印A1と反対の方向に送り分力が負荷される。送り分力の方向は、矢印B1の方向である。このため、第2傾斜角θ16が大きくなると切削インサート10に負荷される送り分力の方向は、回転軸8と垂直な方向に近くなる。言い換えれば、切削インサート10に負荷される力において、回転軸8と垂直な方向の成分が大きくなる。これによって、加工する際に、切削インサート10の振動が大きくなる。つまり、第2傾斜角θ16を過度に大きくすると、切削インサート10の振動が大きくなる。
上記実施形態に係る切削インサート10によれば、第2さらい刃部122と第1さらい刃部121との第2傾斜角θ16は、40°以下であると良い。このため、第2傾斜角θ16が過度に大きくなることを抑制出来る。これによって、加工する際に、切削インサート10の振動を抑制することができる。
図20に示されるように、第2さらい刃部122の第2曲率半径R12が過度に大きい場合、切削インサート10の取り付け角度が狙いの角度からずれた際に、第2さらい刃部122はテーパ面91から離間する。従って、テーパ面91に対して仕上げ加工ができなくなる。このため、被削材7のテーパ面の面粗さが悪化する。上記実施形態に係る切削インサート10によれば、第2さらい刃部122の第2曲率半径R12は、第1さらい刃部121の第1曲率半径R11よりも小さい。したがって、第2曲率半径R12が過度に大きくなることを抑制することができる。このため、被削材7のテーパ面の面粗さの悪化を抑制することができる。
図21は、図19の領域XXIにおける拡大模式図である。図21に示されるように、回転軸8と平行な被削材7の平行面92を加工する際、第2さらい刃部122は、被削材7と接触する。このため、切削インサート10は、第2さらい刃部122が延在する方向と垂直な方向に力を受ける。力の方向は、矢印B2に沿った方向である。第2さらい刃部122と第1さらい刃部121との第2傾斜角θ16が小さいほど、第2さらい刃部122が延在する方向は、平行面92と平行な方向に近くなる。従って、矢印B2の方向は、回転軸8と垂直な方向に近くなる。言い換えれば、切削インサート10に負荷される力において、回転軸8と垂直な方向の成分が大きくなる。言い換えれば、切削インサート10に負荷される背分力が大きくなる。これによって、加工する際に、切削インサート10の振動が大きくなる。つまり、第2傾斜角θ16を過度に小さくすると、切削インサート10の振動が大きくなる。
上記実施形態に係る切削インサート10によれば、第2さらい刃部122と第1さらい刃部121との第2傾斜角θ16は、20°以上であってもよい。このため、加工する際に、切削インサート10の振動を抑制することができる。
上記実施形態に係る切削インサート10によれば、第1コーナ切刃16の第3曲率半径R13は、第2さらい刃部122の第2曲率半径R12よりも小さい。第1接続部123の第4曲率半径R14は、第2曲率半径R12よりも小さい。このため、第1コーナ切刃16および第1接続部123の各々の切れ味が良くなる。
上記実施形態に係る切削インサート10によれば、第1面1および第2面2の各々の形状は、回転中心145の周りに2回対称または3回対称である。従って、第1面1および第2面2の各々は、2個または3個の切れ刃を構成することができる。このため、1個の切れ刃が摩耗した場合に、他の切れ刃を用いて切削することができる。これによって、切削インサート10の寿命が長くなる。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。