JP7183712B2 - スクアリリウム色素、及びその用途 - Google Patents
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R1~R5は、それぞれ独立に、水素原子、スルホ基又はハロゲン原子を表す。
X1~X4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アミノ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホ基、ニトロ基、またはハロゲン原子を表す。]
本明細書の一般式(1)で示すスクアリリウム色素(以下、単に「スクアリリウム色素」ともいう)は、化学構造に由来する強い発色性及び高い堅牢性を有していることに加え、特定のX線回折ピークを有する強固な結晶性を有している。そのため、近赤外線吸収色素としての光学特性(不可視性・近赤外線吸収能)に加え、耐光性および分散性を両立する。一般式(1)で示すスクアリリウム色素は、例えば、画像形成材料、近赤外線吸収材料、塗料、接着剤、粘着剤、マスターバッチ、成形物、フィルム、近赤外線カットフィルタ、固体撮像素子、熱線カット材料、光熱変換材料、レーザー溶着用材料等、様々な用途に好適に使用できる。
R1~R5は、それぞれ独立に、水素原子、スルホ基又はハロゲン原子を表す。
X1~X4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アミノ基、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホ基、ニトロ基、またはハロゲン原子を表す。]
本明細書のスクアリリウム色素は、一般式(1)で示す化合物が好ましい。一般式(1)で示す化合物の製造方法としては、下記の方法が考えられる
1,8-ジアミノナフタレンと、アダマンタノンとを、触媒とともに溶媒中で加熱還流して縮合物を合成する。次いで、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオンを加えて、さらに加熱還流させて縮合物を合成し、一般式(1)で示すスクアリリウム色素を得る。なお前記合成例は、一例であり、これ以外の合成法を使用できることはいうまでもない
上記のように合成された一般式(1)で示すスクアリリウム色素は、このままでも十分に耐光性と分散性を両立するところ、以下の通り結晶形を調整すると特定のX線回折パターンを有するスクアリリウム色素が作製できる。これにより耐光性と分散性をより高度に両立できる。
特定の有機溶剤は、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等が挙げられる。
本明細書の組成物は、スクアリリウム色素、および樹脂[A]を含むことが好ましく、さらに有機溶剤を含むことがより好ましい。スクアリリウム色素は、耐光性付与の観点から、例えば、樹脂や溶剤中に分散した状態で使用する事が好ましい。
本明細書の組成物は、実施態様の一例として電子写真用トナーが好ましい。電子写真用トナーは、1成分現像剤として単独で用いても、あるいはキャリアと組み合わせた2成分現像剤として用いてもよい。キャリアとしては、公知のキャリアを用いることができる。キャリアは、例えば、芯材上に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。この樹脂被覆層には導電粉等が分散されていてもよい。
本明細書の組成物は、実施態様の一例としてインクジェットプリンター用インクが好ましい。インクジェットプリンター用インクは、水性IJインク、および非水性IJインクが挙げられる。
水性IJインクは、スクアリリウム色素、水溶性有機溶剤、および水性樹脂を含有することが好ましい。水は、例えば、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。
非水性IJインクは、スクアリリウム、有機溶剤、および非水性樹脂を含有することが好ましい。また、非水性IJインクは、紫外線硬化型でもよい。
本明細書の組成物は、その他実施態様として、サーマルプリンター用インク、活版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷又はシルク印刷用のインクが好ましい。これらのインクは、樹脂および非水溶性溶剤は、含有する油性インクが好ましい。樹脂は、例えば、蛋白質、ゴム、セルロース類、シエラック、コパル、でん粉、ロジン等の天然樹脂;ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂;レゾール型フェノール樹脂等の尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。非水溶性溶剤は、既に説明した非水溶性溶剤を使用できる。
以下、本明細書の組成物の製造方法の一例について説明する。
例えば、スクアリリウム色素を分散状態で使用する場合、スクアリリウム色素と分散剤とを混合し、その混合液について分散処理を行う方法が挙げられる。分散剤は、後述するように、スクアリリウム色素を分散可能な化合物であり、界面活性剤のような低分子分散剤、樹脂型分散剤のような高分子分散剤が挙げられる。また、分散剤は、吸着基と分散部位を有する。吸着基は、スクアリリウム色素に吸着し、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などの酸性基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩などの塩基性基、ヒドロキシル基などの中性基が挙げられる。分散部位は、例えば、炭化水素鎖や芳香環を含有するユニットが挙げられる。
本明細書のスクアリリウム色素は、400nm以上750nm以下の可視光波長領域における吸光度が十分に低く、かつ、750nm以上1000nm以下の近赤外光波長領域における吸光度が十分に高く、また、耐光性に優れる。したがって、本明細書のスクアリリウム色素を含有する本明細書の組成物は、情報の不可視性と不可視情報の読み取りやすさを両立することができ、更には不可視情報が記録された記録媒体における長期安定性を達成することが可能である。
0≦ΔE≦15 (I)
(100-R)≧75 (II)
[数式(II)中、ΔEは下記式(III):
本明細書の近赤外線吸収組成物は、スクアリリウム色素と、樹脂[A]、分散剤[B]、光重合性化合物、光重合開始剤、有機溶剤、及び水からなる群より選択される1種以上とを含む。また、この他に、硬化剤、硬化促進剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、レベリング剤、光吸収性色素、光安定剤、紫外線吸収剤、無機微粒子、活性剤、消泡剤等を含有できる。
本明細書の樹脂[A]としては、以下の通り、用途や要求性能に応じて、公知の水系・溶剤系樹脂が制限なく使用することができ、用途に応じて適宜選択して単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本明細書の近赤外線吸収組成物が、塗料等の、塗工して使用する用途の場合、樹脂[A]はバインダー能を有していることが好ましく、例えば、脂肪族エステル樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変性樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、スチレン-マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アルキッド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂、及びそれらの共重合樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、ゼラチン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、アルギン酸等の天然高分子材料も挙げられる。
本明細書の近赤外線吸収組成物は、実施態様の一例としてアルカリ現像型レジストが好ましい。アルカリ現像型レジストは、フォトリソフラフ方法でディスプイレイや撮像素子等の一部を構成する層の形成に使用することが好ましい。
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させる。次いで、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
方法(b)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他の脂肪族カルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
分散剤[B]は、スクアリリウム色素を分散できる化合物である。界面活性剤のような低分子型の分散剤、および樹脂型分散剤のような高分子型の分散剤を使用できる。これらの中でも樹脂型分散剤が好ましい。また、分散剤は、色素に親和する吸着基と、組成物全体に分散する分散部位を有している。吸着基は、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基などの酸性基;1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基などの塩基性基;ヒドロキシル基などの中性基;が挙げられる。分散部位は、例えば、炭化水素鎖や芳香環を含有するユニットが挙げられる。
分散剤[B]は、近赤外線吸収組成物の粘度抑制および保存安定性向上の面で3級アミノ基及び/または4級アンモニウム塩基を有する分散剤が好ましく、3級アミノ基及び4級アンモニウム塩基を有する樹脂型分散剤がより好ましい。また、分散剤[B]は、ランダム構造、およびブロック構造を制限なく使用できるところブロック構造が好ましい。
光重合性化合物は、紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれる。光重合性化合物は、エチレン性不飽和結合基を一分子中に3個~12個有する光重合性化合物が好ましい。
また、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
本明細書の近赤外線吸収組成物が光重合性化合物を含有する場合、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤は、例えば、オキシムエステル系開始剤、アミノケトン系光重合開始剤等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)-ベンゾフェノン、4-(メチルフェニルチオ)-フェニルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール、2-メチル-1-メチルチオフェニル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、p-ジエチルアミノ安息香酸エチル、チオキサントン、2,5-ジエチルチオキサントン、2-クロロキサントン、イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシ-チオキサントン、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(o-メトキシフェニル)イミダゾール二量体、9-フェニルアクリジン、9-(p-トルイル)アクリジン、1,7-ビス(9,9'-アクリジニル)ヘプタン、N-フェニルグリシン、ビス(η5-シクロペンタジエニル)ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1H-ピロール-1-イル)フェニル]チタニウム、2-エチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ナフチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-メチル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等が挙げられる。
アミノケトン系光重合開始剤としては、例えば、以下の化合物が例示できる。例えば、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ジエチルアミノ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-メチル-2-モルホリノ-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-(4-メチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-エチルフェニル)-2-メチルプロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ブチルフェニル)-2-ジメチルアミノ-2-メチルプロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-メトキシフェニル)-2-メチルプロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)プロパン-1-オン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(IRGACURE 907)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン(IRGACURE 369)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-ジメチルアミノフェニル)-ブタン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン(IRGACURE 379)等が挙げられる。
その他光重合開始剤は、例えば、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
本明細書の近赤外線吸収組成物は、有機溶剤を含有できる。これによりスクアリリウム色素の分散を補助し、組成物の粘度調整が容易になる。
有機溶剤は、例えば、炭化水素系、アルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル系、アミド系、ハロゲン系などが挙げられる。
(硬化剤、硬化促進剤)
本明細書の近赤外線吸収組成物は、熱硬化性樹脂を含む場合、硬化剤、硬化促進剤を含有できる。硬化剤は、例えば、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物等が挙げられる。また、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤も挙げられる。硬化促進剤は、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。
本明細書の近赤外線吸収組成物には、その色調をより肉眼で認識しにくくする目的で、スクアリリウム色素以外のその他着色剤を含有できる。着色剤は、顔料、染料が挙げられる。
本明細書の近赤外線吸収組成物は、必要に応じてその他成分を含有できる。その他成分は、連鎖移動剤、酸化防止剤、レベリング剤、光吸収性色素、光安定剤、紫外線吸収剤、無機微粒子、活性剤、消泡剤などが挙げられる。
本明細書のスクアリリウム色素を含む組成物は、固体撮像素子用途に用いることもできる。特に、近赤外線吸収組成物として使用することが好ましい。
本明細書の固体撮像素子用組成物は、スクアリリウム色素、樹脂[A]、分散剤[B]を含むことが好ましい。固体撮像素子用組成物は、必要に応じて、さらに、光重合性化合物、光重合開始剤、有機溶剤を含有できる。
固体撮像素子用の近赤外線吸収組成物としては、前述の通り、スクアリリウム色素と樹脂[A]の他に、スクアリリウム色素を分散させることができる分散剤[B]を用いて分散することで得ることができる。分散手段としては、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライターなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。
固体撮像素子用の近赤外線吸収組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように本明細書の固体撮像素子用の近赤外線吸収組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
本明細書の赤外線カットフィルタは、基材および、固体撮像素子用組成物から形成されてなる層を備えることが好ましい。前記層は、印刷法又はフォトリソグラフィー法及びエッチング法で作製できる。
近赤外線カットフィルタの実施態様の一例として、特定の波長以降の近赤外光を透過するフィルタを説明する。
特定の波長以降の近赤外光を透過するフィルタは、スクアリリウム色素が有する、700~900nm付近の短波長の近赤外光のみを吸収してカットし、920nm程度以降の領域はほぼ透過するという特徴を活用し、さらに可視光吸収色素を含有する。これにより前記フィルタは、400~900nmの全領域を吸収し、920nm以降の近赤外光を透過するフィルタが得られる。なお、透過する近赤外領域の波長は、可視光吸収色素の種類を変えることで880nm~960nm程度に調整できる。
C.I.PigmentOrange2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73等(以上、オレンジ色顔料)、
C.I.PigmentRed1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279,291等(以上、赤色顔料)、
C.I.PigmentGreen7,10,36,37,58,59,62,63等(以上、緑色顔料)、
C.I.PigmentViolet1,19,23,27,32,37,42等(以上、紫色顔料)、
C.I.PigmentBlue1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80等(以上、青色顔料)、
以下好ましい態様(1)~(3)を説明する。
(1)赤色着色剤、黄色着色剤、青色着色剤、および、紫色着色剤を含有する態様。
(2)赤色着色剤、黄色着色剤および青色着色剤を含有する態様
(3)黄色着色剤、青色着色剤、および、紫色着色剤を含有する態様。
上記(2)の態様は、赤色顔料としてC.I.PigmentRed254、黄色顔料としてC.I.PigmentYellow139、青色顔料としてC.I.PigmentBlue15:6が好ましい。
上記(3)の態様は、黄色顔料としてC.I.PigmentYellow139、青色顔料としてC.I.PigmentBlue15:6、紫色顔料としてC.I.PigmentViolet23が挙げられる。顔料の比率は特開2017-142372号公報等に開示された比率が好ましい。
本明細書の固体撮像素子は、近赤外線カットフィルタを備えることが好ましい。固体撮像素子は、撮影対象物からの光学像を受け、入射した光を電気信号に変換する複数の光電変換素子を備えている。光電変換素子の種類は、CCD(電荷結合素子)タイプとCMOS(相補型金属酸化物半導体)タイプとに大別される。また、光電変換素子の配列形態は、光電変換素子を1列に配置したリニアセンサー(ラインセンサー)と、光電変換素子を縦横に2次元的に配列させたエリアセンサー(面センサー)との2種類に大別される。いずれのセンサにおいても、光電変換素子の数(画素数)が多いほど撮影された画像は精密になりやすい。
スクアリリウム色素の同定には、元素分析及びMALDI TOF-MSスペクトルを用いた。元素分析は、パーキン・エルマー社製 2400 CHN Elemant Analyzerを用いた。MALDI TOF-MSスペクトルは、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIIIを用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた色素の同定を行った。
粉末X線回折測定は、日本工業規格JIS K0131(X線回折分析通則)に準じて、回折角(2θ)が、3°から35°の範囲で測定した。
X線回折装置:リガク社製RINT2100
サンプリング幅:0.02°
スキャンスピード:2.0°/min
発散スリット:1°
発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:2°
受光スリット:0.3mm
管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:40mA
樹脂[A]、及び分散剤[B]の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
分散剤[B]の4級アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。4級アンモニウム塩価は、不揮発分の4級アンモニウム塩価を示す。
酸価は、0.1Nの水酸化カリウム・エタノール溶液を用い、電位差滴定法によって求めた。樹脂[A]、及び分散剤[B]の酸価は、不揮発分の酸価を示す。
分散剤[B]のアミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。分散剤[B]のアミン価は、不揮発分のアミン価を示す。
[実施例1]
(スクアリリウム色素[1]の製造)
トルエン400部に、1,8-ジアミノナフタレン40.0部、2-アダマンタノン38.4部、p-トルエンスルホン酸一水和物0.087部を混合し、窒素ガスの雰囲気中で加熱攪拌し、3時間還流させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、トルエンを蒸留して得られた暗茶色固体をアセトンで抽出し、アセトンとエタノールの混合溶媒から再結晶することにより精製した。得られた茶色固体を、トルエン240部とn-ブタノール160部の混合溶媒に溶解させ、3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン13.8部を加えて、窒素ガスの雰囲気中で加熱撹拌し、8時間還流反応させた。反応中に生成した水は共沸蒸留により系中から除去した。反応終了後、溶媒を蒸留し、得られた反応混合物を攪拌しながら、ヘキサン200部を加えた。得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、順次ヘキサン、エタノール及びアセトンで洗浄を行い、減圧下で乾燥させた。
得られた黒色固体を、N-メチルピロリドン550部に加え、25℃で3時間撹拌した。さらに、メタノール295部を加えて10分撹拌し、得られた黒茶色沈殿物を濾別した後、メタノールで洗浄を行い、減圧下で乾燥させ、スクアリリウム色素[1]69.8部(収率:87%)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、スクアリリウム色素[1]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、図1に示すようにブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[2]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、1-メチル-2-アダマンタノン41.9部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[2]69.3部(収率:
83%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素
[2]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定した
ところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[3]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、1-トリフルオロメチル-2-アダマンタノン55.7部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[3]77.2部(
収率:80%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウ
ム色素[3]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測
定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[4]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、5-メチル-2-アダマンタノン41.9部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[4]68.8部(収率:83%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[4]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[5]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、5-クロロ-2-アダマンタノン47.2部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[5]70.4部(収率:80%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[5]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[6]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、5-ブロモ-2-アダマンタノン58.5部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[6]77.8部(収率:79%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[6]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[7]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、5-アミノ-2-アダマンタノン42.2部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[7]71.0部(収率:85%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[7]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[8]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、5-ヒドロキシ-2-アダマンタノン42.4部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[8]67.8部(収率:81%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[8]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[9]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、5-シアノ-2-アダマンタノン44.7部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[9]68.2部(収率:79%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[9]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[10]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、5-スルホ-2-アダマンタノン58.8部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[10]80.0部(収率:80%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[10]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[11]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、5-ニトロ-2-アダマンタノン49.9部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[11]74.9部(収率:82%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[11]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[12]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、1,3-ジクロロ-2-アダマンタノン56.0部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[12]81.0部(収率:84%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[12]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[13]の製造)
スクアリリウム色素[1]の製造で使用した2-アダマンタノン38.4部の代わり
に、5-ブロモ-7-メチル-トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン-2-オン62.1部を使用した以外は、スクアリリウム色素[1]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[13]84.9部(収率:83%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[13]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[14]の製造)
スクアリリウム色素[5]の製造で使用した1,8-ジアミノナフタレンを4,5-ジアミノナフタレン-1-スルホン酸に変更し、5-クロロ-2-アダマンタノンの使用量を31.3部に変更した以外は、スクアリリウム色素[5]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[14]58.2部(収率:81%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[14]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[15]の製造)
スクアリリウム色素[5]の製造で使用した1,8-ジアミノナフタレンを4,5-ジアミノナフタレン-1,8-ジスルホン酸に変更し、5-クロロ-2-アダマンタノンの使用量を23.4部に変更した以外は、スクアリリウム色素[5]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[15]50.1部(収率:79%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[15]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[16]の製造)
スクアリリウム色素[5]の製造で使用した1,8-ジアミノナフタレンを1,8-ジアミノ-2,4-ジフルオロナフタレンに変更し、5-クロロ-2-アダマンタノンの使用量を38.4部に変更した以外は、スクアリリウム色素[5]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[16]62.0部(収率:78%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[16]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[17]の製造)
スクアリリウム色素[5]の製造で使用した1,8-ジアミノナフタレンを1,8-ジアミノ-3,6-ジクロロナフタレンに変更し、5-クロロ-2-アダマンタノンの使用量を32.9部に変更した以外は、スクアリリウム色素[5]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[17]63.0部(収率:86%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[17]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
(スクアリリウム色素[18]の製造)
スクアリリウム色素[5]の製造で使用した1,8-ジアミノナフタレンを1,8-ジアミノ-4-ブロモナフタレンに変更し、5-クロロ-2-アダマンタノンの使用量を31.5部に変更した以外は、スクアリリウム色素[5]の製造と同様の操作を行い、スクアリリウム色素[18]58.9部(収率:82%)を得た。TOF-MSによる質量分析及び元素分析の結果、スクアリリウム色素[18]であることを同定した。また、CuKα線によるX線回折パターンを測定したところ、ブラック角2θ=8.5°、12.7°、15.3°、16.0°、17.5°、19.6°、22.4°及び26.6°にピークを有していた。
を行った結果を表1及び表2に示す。
(スクアリリウム色素[C-1]の製造)
特開2009-91517号公報に準拠して下記のスクアリリウム色素[C-1]を合成した。
(スクアリリウム色素[C-2]の製造)
特開2010-106153号公報に準拠して下記のスクアリリウム色素[C-2]を合成した。
(スクアリリウム色素[C-3]の製造)
特開2009-209297号公報に準拠して下記のスクアリリウム[C-3]を合成した。
以下に、画像形成材料として、トナー及びインクジェット用インキを作製する。
[実施例19](トナーT1の製造)
実施例1で作製した、スクアリリウム色素[1]を用い、下記の方法によりトナーT1を得た。
(1)分散液の調製
スクアリリウム色素[1]20部に、イオン交換水70部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG-15、花王社製)3部を添加し、アイガーミルで4時間分散処理して、色素の分散液を得た。
(2)ポリマー乳化液の調製
反応器に、エステルワックスエマルジョンを不揮発分として320部(SELOSOL R-586、中京油脂社製)、イオン交換水14000部を入れ、90℃に昇温し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部、スチレン2500部、n-ブチルアクリレート650部、メタクリル酸170部、8%過酸化水素水溶液330部、8%アスコルビン酸水溶液330部を添加した。90℃で7時間反応を継続してポリマー乳化液を得た。
(3)トナーの製造
上記ポリマー乳化液150部に、上記分散液9.5部を注入し混合撹拌した。この中に、0.5%の硫酸アルミニウム溶液40部を撹拌しながら注入した。60℃に昇温し、2時間撹拌を継続し、ろ過、洗浄、乾燥し、本明細書のトナーT1を得た。
スクアリリウム色素[1]を表3に記載のスクアリリウム色素に変更した以外は、トナーT1と同様にして、凝集法トナーT2~T21を得た。
[トナーの評価]
得られたトナーT1~T21を用いて以下の評価を行った。結果を表3に示す。
(分散性)
得られたトナーをミクロトームにて厚さ0.9μmにスライスし、サンプルを作製した。前記サンプルを透過型電子顕微鏡を使用した拡大画像を観察し、スクアリリウム色素の分散状態を観察した。評価基準は下記の通りである。なお、◎~○が、トナー用途の実用レベルである。
◎:顔料凝集物が存在せず、スクアリリウム色素が極めて均一に分散されているもの
〇:顔料凝集物がほぼ存在せず、スクアリリウム色素が均一に分散されているもの
△:顔料凝集物が存在し、スクアリリウム色素が均一に分散されていないもの
×:顔料凝集物が多数あり、スクアリリウム色素が均一に分散されていないもの
得られたトナー 50部に対して、疎水性シリカ(HDK H18 旭化成ワッカーシリコーン社製))0.3部を添加し、電子写真プリンターで上質紙に縦10cm×横10cmの大きさに全面印刷し、印刷サンプルを作製した。前記印刷サンプルのベタ画像について、反射分光濃度計(エックスライト社製、x-rite939)を用いて測定を行った。測定結果について前記数式(I)中のΔE及び前記数式(II)中のRを求めた。評価基準は下記の通りである。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、×は実用には適さないレベルである。
〈不可視性〉
◎ :ΔE 10未満
○ :ΔE 10以上、15以下
× :ΔE 15超
〈近赤外線吸収能〉
◎ :(100-R) 80以上
○ :(100-R) 75以上、80未満
× :(100-R) 75未満
前記印刷サンプルと同様に作製したサンプルを耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、放射照度47mW/cm2、300~800nmの広帯の光を照射する条件で24時間放置した。終了後、耐光性試験前後の画像について、反射分光濃度計(エックスライト社製、x-rite939)を用いて測定を行い、数式(II)中のRを求めた。光照射前の(100-R)に対する残存率を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の数式を用いて算出した。◎~○が、トナー用途の実用レベルである。
残存率=〈照射後の(100-R)〉÷〈照射前の(100-R)〉×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が92.5%以上、95%未満
△ :残存率 が90%以上、92.5%未満
× :残存率 が90%未満
上記(耐光性(1))の耐光性試験機での放置時間48時間に延長した以外は、(耐光性(1))と同様に行い、同様に評価を行った。
一方、比較例4および5は、特に耐光性が悪化していた。また比較例6は、不可視性、近赤外線吸収能、及び耐光性は良好であるが、分散性が著しく悪化しているため、実用には適さない。
IJインキの製造にあたり、分散剤とバインダーを作製した。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、トリエチレングリコールモノメチルエーテル93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、ラウリルメタクリレート35.0部、スチレン35.0部、アクリル酸30.0部、およびラジカル重合開始剤としてV-601(Dimethyl 2,2'-azobis(2-methylpropionate) 和光純薬製)6.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V-601(和光純薬製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、分散剤[B-1]の溶液を得た。分散剤[B-1]の重量平均分子量(Mw)は約16,000であった。さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール37.1部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。さらに、イオン交換水を200部添加し、水性化した。これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に水性化した樹脂溶液の不揮発分が20%になるようにイオン交換水を加えた。これより、分散剤[B-1]の不揮発分20%の水溶液を得た。
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部とアニオン性界面活性剤としてアクアロンKH-10(第一工業製薬社製)0.2部とを仕込み、別途、2-エチルヘキシルアクリレート40部、メチルメタクリレート50部、スチレン7部、ジメチルアクリルアミド2部、メタクリル酸1部、イオン交換水53部および界面活性剤としてアクアロンKH-10(第一工業製薬社製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルジョンのうちの1%をさらに加えた。内温を60℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液20部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を60℃で5分間保持した後、内温を60℃に保ちながらプレエマルジョンの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液の残りを1.5時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。不揮発分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却した。ジエチルアミノエタノールを添加して、pHを8.5とし、さらにイオン交換水で不揮発分を40%に調整して樹脂微粒子水分散体を得た。なお、不揮発分は、150℃20分焼き付け残分により求めた。得られた樹脂微粒子水分散体を樹脂[A-1]溶液とした。
[実施例37](インクジェット用インキJ1)
実施例1で作製した、スクアリリウム化合物[1]を用い、下記の方法によりインクジェット用インキJ1を得た。
(1)分散液の調製
モノマー、オリゴマーとしては、例1]20部に、イオン交換水200部、分散剤として特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(デモールSN-B、花王社製)2部を添加し、アイガーミルで3時間分散処理して、色素の分散液を得た。
(2)インキの製造
上記各分散液40.3部に、グリセリン10部、トリエチレングリコール10部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル10部、トリエタノールアミン0.2部、アセチレングリコール系界面活性剤(オルフィンE1010、日信化学社製)1部を混合し、35℃で1時間撹拌した。なお、残りは超純水(比抵抗値18MΩ・cm以上)を添加し、全量が100部となるように調製した。その後、1.0μmのフィルタで濾過して、本明細書のインクジェット用インキJ1を得た。
スクアリリウム色素[1]を表4に記載のスクアリリウム色素に変更した以外は、インクジェット用インキJ1と同様にして、インクジェット用インキJ2~J21を得た。
(インクジェット用インキJ22の製造)
実施例1で作製した、スクアリリウム色素[1]を20部、分散剤[B-1]溶液を42.9部、イオン交換水37.1部をディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800部を充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、分散体を得た。
さらに、上記で得られた分散体を20部、トリエチレングリコールモノメチルエーテルを40部、イオン交換水を27.5部、樹脂[A-1]溶液を12.5部混合し、インクジェット用インキJ22を得た。
(インクジェット用インキJ23~J42の製造)
スクアリリウム色素[1]を表5に記載のスクアリリウム色素に変更した以外は、インクジェット用インキJ22と同様にして、インクジェット用インキJ23~J42を得た。
得られたインクジェット用インキJ1~J42を用いて以下の評価を行った。結果を表
4及び表5に示す。
得られたインクジェット用インキを70℃の恒温機に1週間保存、経時促進させた後、経時前後でのインキの粘度変化について測定した。インキの粘度はE型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃において回転数50rpmという条件で測定した。評価基準は以下の通りである。なお、◎~○が実用レベルである。
◎ :変化率が±3%未満 ○ :変化率が±3%以上±5%未満
△ :変化率が±5%以上±15%未満
× :変化率が±15%以上
得られたインクジェット用インキについて、インクジェットプリンターPM-A700(商品名、EPSON社製)用のブラックインク用のインクカートリッジに詰めてフォト光沢紙(EPSON社製PM写真紙<光沢>(KA420PSK、EPSON)(商品名)にカラー設定「黒」にてベタ画像を印刷し、付着量4g/m2の印刷サンプルを作製した。前記印刷サンプルのベタ画像について、反射分光濃度計(エックスライト社製、x-rite939)を用いて測定を行い、数式(I)中のΔE及び数式(II)中のRを求めた。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、×は実用には適さないレベルである。評価基準は下記の通りである。
〈不可視性〉
◎ :ΔE 10未満
○ :ΔE 10以上、15以下
× :ΔE 15超
〈近赤外線吸収能〉
◎ :(100-R) 80以上
○ :(100-R) 75以上、80未満
× :(100-R) 75未満
前記印刷サンプルと同様に作製したサンプルを耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、放射照度47mW/cm2、300~800nmの広帯の光の条件で24時間放置した。終了後、耐光性試験前後の画像について、反射分光濃度計(エックスライト社製、x-rite939)を用いて測定を行い、数式(II)中のRを求めた。光照射前のそれに対する残存率を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の数式を用いて算出した。
残存率=〈照射後の(100-R)〉÷〈照射前の(100-R)〉×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が92.5%以上、95%未満
△ :残存率 が90%以上、92.5%未満
× :残存率 が90%未満
上記(耐光性(1))の耐光性試験機での放置時間48時間に延長した以外は、(耐光性(1))と同様に行い、同様に評価を行った。
一方、比較例7、8、10、および11は、特に耐光性が悪化していた。また、比較例9および12は、不可視性、近赤外線吸収能、及び耐光性は良好であるが、保存安定性が著しく悪化しているため、実用には適さない。
<樹脂[A](バインダー樹脂)溶液の調製>
(バインダー樹脂[A-2]溶液の調製):ランダム共重合体
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn-ブチルメタクリレート12.4部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製「アロニックスM110」)7.3部(n-ブチルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸/パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートの重量比率10.5/15.5/17.1/25.0)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.7部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、酸価110mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)10,000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加してバインダー樹脂[A-2]溶液を調製した。
(分散剤[B-2]溶液):3級アミノ基含有グラフト共重合体
ガス導入管、温度計、コンデンサー、及び攪拌機を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAcともいう)150部、及びn-ブチルタクリレート100 部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、2-メルカプトエタノール4部に、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.5部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。不揮発分測定により95% が反応したことを確認し、数平均分子量は3,900、重量平均分子量7,900の反応生成物(分散剤1a)を得た。
上記反応生成物に、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート7.9部とメチルジブチル錫ジラウレート0.05部とメチルヒドロキノン0.05部を追加で仕込み、反応容器を100℃に加熱して4時間反応した。その後40℃まで冷却し、反応生成物(樹脂型分散剤1b溶液)を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、PGMAc122部を仕込み、窒素置換しながら100℃に昇温した。滴下槽に上記反応生成物、ペンタメチルピペリジルメタクリレート(株式会社ADEKA製、アデカスタブLA-82)150部、ヒドロキシエチルメタクリレート10部、及び2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルブチロニトリル)を4部仕込み、均一になるまで攪拌した後、反応槽へ2時間かけて滴下し、その後同温度で3時間反応を継続した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が42mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)23,500の不揮発分が40質量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、3級アミノ基を有する分散剤[B-2]溶液を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート60部、nーブチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート20部(以下、DMともいう)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジメチルアミノエチルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が71.4mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,900、不揮発分が40質量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、3級アミノ基を有する分散剤[B-3]溶液を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート60部、nーブチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液25.6部(三菱レイヨン社製「アクリエステルDMC78」)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加した。このようにして、不揮発分当たりの4級アンモニウム塩価が29.4mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、4級アンモニウム塩基を有する分散剤[B-4]溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート50部、n-ブチルメタクリレート50部、PGMAc45.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を70℃に加熱して、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール6部を添加して、さらにAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.12部を加え、12時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物9.7部、PGMAc70.3部、触媒としてDBU(1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン)0.20部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。PGMAcを加えて不揮発分50%に調整した。このようにして、不揮発分当たりの酸価43mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,000、ポリ(メタ)アクリレート骨格であり、芳香族カルボキシル基を有する分散剤[B-5]溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール6部、ピロメリット酸無水物9.7部、モノブチルスズオキシド0.01部、PGMAc88.9部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、系内の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート50部とn-ブチルメタクリレート30部と、ヒドロキシメチルメタクリレート20部を仕込み、AIBN0.12部とPGMAc26.8部を添加して、10時間反応した。不揮発分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了した。PGMAcを加えて不揮発分50%に調整し、不揮発分当たりの酸価43mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,000、ポリ(メタ)アクリレート骨格であり、芳香族カルボキシル基を有する分散剤[B-6]溶液を得た。
Disperbyk-168 (ビックケミー・ジャパン製:不揮発分30%)
BYK-P104 (ビックケミー・ジャパン製:不揮発分50%)
Disperbyk-171 (ビックケミー・ジャパン製:不揮発分39.5%)
(分散剤[B-10]溶液の調製):ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート44.7部、n-ブチルメタクリレート14.9部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート33.6部(以下、DM)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジメチルアミノエチルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認した。さらに、この反応装置に、ベンジルクロライド6.8部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま3時間撹拌し、その後冷却した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%の分散剤[B-10]溶液を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート47.8部、n-ブチルメタクリレート15.9部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてDM25.2部、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液13.8部(三菱レイヨン社製「アクリエステルDMC80」、不揮発分80%)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%の分散剤[B-11]溶液を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート39.4部、n-ブチルメタクリレート13.1部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてDM36.4部、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液13.8部(三菱レイヨン社製「アクリエステルDMC80」、不揮発分80%)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が130mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%の分散剤[B-12]溶液を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート40.2部、n-ブチルメタクリレート13.4部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジエチルアミノエチルメタクリレート39.6部(以下、DE)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジエチルアミノエチルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認した。さらに、この反応装置に、ベンジルクロライド6.8部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま3時間撹拌し、その後冷却した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%の分散剤[B-13]溶液を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート42.6部、n-ブチルメタクリレート14.2部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAc)133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジメチルアミノプロピルメタクリルアミド36.4部(以下、DMAPMA)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認した。さらに、この反応装置に、ベンジルクロライド6.8部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま3時間撹拌し、その後冷却した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%の分散剤[B-14]溶液を得た。
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート39.6部、n-ブチルメタクリレート13.2部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてペンタメチルピペリジルメタクリレート(株式会社ADEKA製、アデカスタブLA-82)36.1部、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液13.8部(三菱レイヨン社製「アクリエステルDMC80」、不揮発分80%)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が90mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が30mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%の分散剤[B-15]溶液を得た。
[実施例73]
(近赤外線吸収組成物(IR-1))
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、近赤外線吸収組成物(IR-1)を作製した。
スクアリリウム色素[1] :10.0部
分散剤[B-2]溶液 : 7.5部
バインダー樹脂[A-2]溶液 :35.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :47.5部
(近赤外線吸収組成物(IR-2~16))
以下、スクアリリウム色素、樹脂[A-2]、分散剤[C]及び有機溶剤を表6に示す組成、量に変更した以外は近赤外線吸収組成物(IR-1)と同様にして、近赤外線吸収組成物(IR-2~16) を作製した。
得られた近赤外線吸収組成物(IR-1~16)について、粘度、保存安定性、近赤外線吸収能、不可視性、耐熱性、耐光性に関する試験を下記の方法で行った。結果を表7に示す。なお、以下評価結果の◎~○は、実用レベル、△~×は実用不可レベルである。
得られた近赤外線吸収組成物について、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃・回転数50rpmにおける粘度を測定した。以下の基準で評価した。
◎:5mPa・s未満
○:5mPa・s以上、10mPa・s未満
△:10mPa・s以上、30mPa・s未満
×:30mPa・s以上
得られた近赤外線吸収組成物を60℃の恒温機に1週間保存、経時促進させた後、粘度評価と同様にして粘度を測定し、経時前後でのインキの粘度変化率を求めた。以下の基準で評価した。
◎:変化率が±3%未満
○:変化率が±3%以上、±5%未満
△:変化率が±5%以上、±15%未満
×:変化率が±15%以上
得られた近赤外線吸収組成物を1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、膜厚1.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、230℃で5分加熱し、基板を作製した。得られた基板の分光を分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて300~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。本明細書のスクアリリウム色素[A]の極大吸収は、750~950nmの領域にあり、極大吸収波長における、吸光度により、近赤外線吸収能を下記基準で評価した。
◎:極大吸収波長における吸光度が1.5以上
○:極大吸収波長における吸光度が1.0以上、1.5未満
△:極大吸収波長における吸光度が0.5以上、1.0未満
×:極大吸収波長における吸光度が0.5未満
前記方法にて得られた300~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを使用して、極大吸収波長の吸光度を1に規格化した際の、「400~700nmの平均吸光度」により、不可視性を下記基準で評価した。
◎ :0.03未満
○ :0.03以上、0.05未満
△ :0.05以上、0.1未満
× :0.1以上
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐熱性試験として250℃で2
0分追加加熱した。基板の極大吸収波長における吸光度を測定し、耐熱性試験前のそれに
対する残存比を求め、耐熱性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式
を用いて算出した。
残存率=(耐熱性試験後の吸光度)÷(耐熱性試験前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
近赤外線吸収能評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐光性試験機(TOYOSEI
KI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、24時間放置した。この際、放射照度
47mW/cm2、300~800nmの広帯の光にて試験を実施した。基板の極大吸収
波長における吸光度を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を、下記基
準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
[実施例87]
(固体撮像素子用組成物(CM-1)の製造)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1 .0μmのフィルタで濾過して、固体撮像素子用組成物(CM-1)を得た。
近赤外線吸収組成物(IR-11) :30.0部
バインダー樹脂[A-2]溶液 :13.9部
光重合性化合物(東亞合成社製「アロニックスM-350」) : 3.2部
光重合開始剤(BASF社製「OXE-01」) : 0.2部
PGMAc :52.7部
(固体撮像素子用組成物(CM-2)の製造)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1 .0μmのフィルタで濾過して、固体撮像素子用組成物(CM-2)を得た。
近赤外線吸収組成物(IR-11) :30.0部
バインダー樹脂[A-2]溶液 :13.3部
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF社製「IRGANOX 1010」)
: 0.2部
光重合性化合物(東亞合成社製「アロニックスM-350」) : 3.2部
光重合開始剤(BASF社製「OXE-01」) : 0.2部
PGMAc :53.1部
(固体撮像素子用組成物(CM-3)の製造)
光重合性化合物(東亞合成社製「アロニックスM-350」)、及び光重合開始剤(BASF社製「OXE-01」)の全量をエポキシ樹脂(長瀬ケムテックス社製「EX-611」)に変更した以外は固体撮像素子用組成物(CM-2)と同様にして固体撮像素子用組成物(CM-3)を得た。
(固体撮像素子用組成物(CM-4~9)の製造)
以下、表8に示す組成と配合量に変更した以外は、固体撮像素子用組成物(CM-1)~(CM-3)と同様にして固体撮像素子用組成物(CM-4~9)を得た。
得られた固体撮像素子用組成物(CM-1~9)について、近赤外線吸収能、不可視性、耐熱性、耐光性、パターン剥がれ性(1又は2)、パターン形成性に関する試験を下記の方法で行った。結果を表9に示す。
得られた固体撮像素子用組成物を1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、乾燥後の膜厚が1.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、230℃で5分加熱し、基板を作製した。得られた基板の分光を分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて300~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。本明細書のスクアリリウム色素の極大吸収は、750~950nmの領域にあり、極大吸収波長における、吸光度により、近赤外線吸収能を下記基準で評価した。
◎:極大吸収波長における吸光度が1.0以上
○:極大吸収波長における吸光度が0.7以上、1.0未満
△:極大吸収波長における吸光度が0.5以上、0.7未満
×:極大吸収波長における吸光度が0.5未満
前記近赤外線吸収能試験で得た300~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを使用して、極大吸収波長の吸光度を1に規格化した際の、「400~700nmの平均吸光度」により、不可視性を下記基準で評価した。
◎ :0.05未満
○ :0.05以上、0.07未満
△ :0.07以上、0.1未満
× :0.1以上
前記近赤外線吸収能評価と同様に基板を作製した。前記基板を耐熱性試験として250℃で20分間加熱した。次いで、前記基板の極大吸収波長における吸光度を測定し、耐熱性試験前の吸光度に対する残存比を求め、耐熱性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の数式を用いて算出した。
残存率=(耐熱性試験後の吸光度)÷(耐熱性試験前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
前記近赤外線吸収能評価と同様に基板を作製した。前記基板を耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、放射照度47mW/cm2、300~800nmの広帯の光の条件で24時間放置した。基板の極大吸収波長における吸光度を測定し、光照射前の吸光度に対する残存比を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
△ :残存率 が85%以上、90%未満
× :残存率 が85%未満
[赤外吸収パターンの形成]
前記方法で得られた固体撮像素子用組成物(CM-1、2、4、5、7、8)を、8インチシリコンウエハー上にスピンコートにより乾燥後の膜厚が1.0μmになるように塗布した。次いで、被膜の表面温度100℃で120秒間、ホットプレートで加熱処理して乾燥した。
・ :剥がれ欠陥数 が5個以下
〇 :剥がれ欠陥数 が6個以上、10個以下
△ :剥がれ欠陥数 が11個以上、20個以下
× :剥がれ欠陥数 が21個以上。
[赤外吸収パターンの形成]
前記方法で得られた固体撮像素子用組成物(CM-3、6、9)を、8インチシリコンウエハー上にスピンコートにより塗布した後、100℃180秒間ホットプレートで乾燥し、乾燥した後、さらに、200℃のホットプレートを用いて480秒間加熱処理(ポストベーク)を行い層を形成した。
上記パターン剥がれ性評価で作製した赤外吸収パターンをガラス切りにて切り出し、走査式電子顕微鏡(S-4800、日立製作所社製)を用いて、倍率15,000倍にて観察し、下記評価基準に従って評価した。
〇 :線幅1.2μmのパターンが直線性よく形成されている
△ :線幅1.2μmのパターンに僅かにがたつきが確認されるが実用上問題なし
× :線幅1.2μmのパターンの直線性が著しく悪い。
Claims (5)
- 請求項1に記載のスクアリリウム色素、および樹脂[A]を含む、組成物。
- 請求項1に記載のスクアリリウム色素、樹脂[A]、および分散剤[B]を含む、固体撮像素子用組成物。
- 基材、および請求項3記載の固体撮像素子用組成物から形成されてなる層を備える、近赤外線カットフィルタ。
- 請求項4記載の近赤外線カットフィルタを備える、固体撮像素子。
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