JP7165655B2 - 情報記録媒体基板用ガラス、情報記録媒体基板、情報記録媒体および記録再生装置用ガラススペーサ - Google Patents
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Description
一方、情報記録媒体基板の製造工程では、通常、基板に付着した異物を除去するために洗浄処理が行われる。しかし、基板を構成するガラスの化学的耐久性(例えば耐酸性および/または耐水性)が十分優れていないと、洗浄処理により表面粗れが生じてしまい、基板の表面平滑性が低下してしまう。そのため、情報記録媒体基板用のガラスには、優れた化学的耐久性を有することも望まれる。
SiO2含有量が55~68%、
B2O3含有量が0~5%、
Al2O3含有量が1~14%、
MgO含有量が8~23%、
CaO含有量が1~10%、
Li2O含有量が5~18%、
Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量が5~18%、
ZrO2、TiO2、BaO、SrOおよび希土類酸化物の合計含有量が0~5%、
Li2OとMgOとの合計含有量が20~32%、
アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸化物との合計含有量に対するLi2OとMgOとの合計含有量のモル比{(Li2O+MgO)/(アルカリ金属酸化物+アルカリ土類金属酸化物)}が0.60~0.95、
アルカリ金属酸化物の合計含有量に対するSiO2含有量のモル比(SiO2/アルカリ金属酸化物)が3~13、
であり、
ヤング率が86GPa以上かつ比重が2.75以下の非晶質ガラスである情報記録媒体基板用ガラス、
に関する。
本発明の一態様は、上記ガラス組成を有し、ヤング率が86GPa以上かつ比重が2.75以下の非晶質ガラスである情報記録媒体基板用ガラス(以下、単に「ガラス」とも記載する。)に関する。
本発明および本明細書では、ガラス組成を、酸化物基準のガラス組成で表示する。ここで「酸化物基準のガラス組成」とは、ガラス原料が熔融時にすべて分解されてガラス中で酸化物として存在するものとして換算することにより得られるガラス組成をいうものとする。また、特記しない限り、ガラス組成はモル基準(モル%、モル比)で表示するものとする。
本発明および本明細書におけるガラス組成は、例えばICP-AES(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry)等の方法により求めることができる。定量分析は、ICP-AESを用い、各元素別に行われる。その後、分析値は酸化物表記に換算される。ICP-AESによる分析値は、例えば、分析値の±5%程度の測定誤差を含んでいることがある。したがって、分析値から換算された酸化物表記の値についても、同様に±5%程度の誤差を含んでいることがある。
また、本発明および本明細書において、構成成分の含有量が0%または含まない(含有しない)もしくは導入しないとは、この構成成分を実質的に含まないことを意味し、この構成成分の含有量が不純物レベル程度以下であることを指す。不純物レベル程度以下とは、例えば、0.01%未満であることを意味する。
希土類酸化物の合計含有量は、ヤング率の向上および低比重化の観点から、0~3%未満であることが好ましく、より好ましくは0~2%未満であり、更に好ましくは0~1%未満であり、導入しないことが一層好ましい。
Sn酸化物を含有するガラスについては、Sn酸化物(例えば、SnO2)の含有量は、清澄効果を得る観点から、0.01%以上であることが好ましく、0.05%以上であることがより好ましく、0.10%以上であることが更に好ましく、0.15%以上であることが一層好ましい。また、Sn酸化物の含有量は、1%未満であることが好ましく、0.80%以下であることがより好ましい。一態様では、Sn酸化物含有量が0%であってもよい。
Ce酸化物を含有するガラスについては、Ce酸化物(例えば、CeO2)の含有量は、清澄効果を得る観点から、0.01%以上であることが好ましく、0.05%以上であることがより好ましく、0.10%以上であることが更に好ましい。また、Ce酸化物の含有量は、1%未満であることが好ましく、0.80%以下であることがより好ましく、0.50%以下であることが更に好ましく、0.30%以下であることが一層好ましい。一態様では、Ce酸化物含有量が0%であってもよい。
Sb酸化物を含有するガラスについては、Sb酸化物(例えばSb2O3)の含有量は、1%未満であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。一態様では、Sb酸化物含有量が0%であってもよい。
また、上記ガラスは、Feと同様に、Cr、Mn、Fe、Cu、Ni等の遷移金属を0.5%以下程度含むことができる。これらの遷移金属の含有量は、酸化物に換算してそれぞれ0.2%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましく、0.05%以下であることが更に好ましく、含有しないことが一層好ましい。
上記ガラスは、以上記載した組成調整を行うことにより、以下に記載する各種ガラス特性を有することができる。
先に記載した情報記録媒体の剛性向上に対する要求に対応するために、情報記録媒体基板用ガラスは、高い剛性を有することが望ましい。この点に関して、上記ガラスは、剛性の指標であるヤング率が86G以上である。86G以上のヤング率を示す高い剛性を有する情報記録媒体基板用ガラスによれば、記録再生装置内での基板変形を抑制することができるため、基板変形に伴う情報記録媒体の反りおよびたわみを抑制することができる。上記ガラスのヤング率は、88GPa以上であることが好ましく、90GPa以上であることがより好ましく、92GPa以上であることが一層好ましく、93GPa以上であることがより一層好ましい。ヤング率の上限は、例えば120GPa程度であるが、ヤング率が高いほど剛性が高く好ましいため特に限定されるものではない。
上記ガラスの比重は2.75以下であり、2.72以下であることが好ましく、2.70以下であることがより好ましく、2.68以下であることが更に好ましく、2.66以下であることが一層好ましい。情報記録媒体基板用ガラスの低比重化により、情報記録媒体基板を軽量化することができ、更には情報記録媒体の軽量化、これによりHDD等の記録再生装置の消費電力抑制が可能になる。比重の下限は、比重が低いほど好ましいため特に限定されるものではない。
比弾性率は、ガラスのヤング率を密度で除したものである。ここで密度とは、ガラスの比重に、g/cm3という単位を付けた値と考えればよい。より変形しにくい基板を提供する観点から、上記ガラスの比弾性率は33MNm/kg以上であることが好ましく、34MNm/kg以上であることがより好ましく、35MNm/kg以上であることが更に好ましく、36MNm/kgであることが一層好ましい。比弾性率の上限は、比弾性率が高いほど好ましいため特に限定されるものではない。
上記ガラスは、優れた化学的耐久性を示すことができる。化学的耐久性の評価方法としては、詳細を後述する耐酸性Daおよび耐水性Dwを挙げることができる。一態様では、耐酸性Daは0.20未満であることが好ましく、0.10以下であることがより好ましく、0.08以下であることが更に好ましく、0.06以下であることが一層好ましい。また、一態様では、耐水性Dwは、0.05未満であることが好ましく、0.04以下であることがより好ましく、0.03以下であることが更に好ましい。DaおよびDwは、低いほど好ましいため下限は特に限定されるものではない。
情報記録媒体を組み込んだ記録再生装置、例えばHDD(ハードディスクドライブ)は、中央部分をスピンドルモータのスピンドルおよびクランプで押さえて情報記録媒体そのものを回転させる構造となっている。そのため、情報記録媒体基板とスピンドル部分を構成するスピンドル材料との熱膨張係数に大きな差があると、使用時に周囲の温度変化に対してスピンドルの熱膨張・熱収縮と情報記録媒体基板の熱膨張・熱収縮にずれが生じてしまい、結果として情報記録媒体が変形してしまう現象が生じる場合がある。このような現象の発生を抑制する観点からは、情報記録媒体基板用ガラスは適度な熱膨張係数を有することが望ましい。この点から、上記ガラスの100~300℃における平均線膨張係数(以下、「α」とも記載する。)は55×10-7/℃~100×10-7/℃の範囲であることが好ましく、60×10-7/℃~90×10-7/℃の範囲であることがより好ましい。
上記ガラスは、一態様では、高いガラス安定性を示すことができる。ガラス安定性の評価方法としては、詳細を後述する1250℃保持テストおよび1200℃保持テストを挙げることができる。1250℃保持テストにおいて評価結果Aであることが好ましく、1250℃保持テストにおいて評価結果Aであって、かつ1200℃保持テストにおいて評価結果AまたはBであることがより好ましく、両保持テストにおいて評価結果Aであることが更に好ましい。ガラス安定性に関して、上記保持テストにおいて、より低い温度で評価結果が良好なほど、熔融状態で結晶が析出しにくいガラスであり、成形温度を下げて成形することができる。成形温度を下げるほど、発熱体、炉体、パイプ等の成形装置の構成部材の寿命を延ばすことができる。特に、プレス成形により基板ブランクを作製する場合には、成形温度は低いほど好ましい。また、成形温度を下げることができれば、ガラス粘度を上げて成形することができるため、揮発、脈理および成形泡の発生を抑制することができる。
上記ガラスは、一態様では、ガラス転移温度(以下、「Tg」とも記載する。)が620℃以下であることができる。ガラスのTgが低いことは、ガラス製造設備の劣化を抑制するうえで望ましい。Tgは、例えば615℃以下または610℃以下であることもできる。また、Tgは、例えば500℃以上であることができるが特に限定されるものではない。また一態様では、上記ガラスのTgは、620℃超(例えば625℃以上)であることもできる。Tgが高いガラスは、例えば基板上への磁気記録層の成膜時に高温に晒されたとしても、高い平坦性を維持することができる。一態様では、Tgは、例えば630℃以上、640℃以上または650℃以上であることもできる。また、一態様では、Tgは、例えば770℃以下程度であることもできるが特に限定されるものではない。上記ガラスは、高温での成膜を要する磁性材料を含む磁気記録層を有する情報記録媒体の基板用ガラスに限定されるものではないため、Tgが低いガラスであってもよい。
本発明の一態様にかかる情報記録媒体基板は、上記情報記録媒体基板用ガラスからなる。
本発明の一態様は、上記情報記録媒体基板上に情報記録層を有する情報記録媒体に関する。
本発明の一態様は、モル%表示にて、SiO2含有量が55~68%、B2O3含有量が0~5%、Al2O3含有量が1~14%、MgO含有量が8~23%、CaO含有量が1~10%、Li2O含有量が5~18%、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量が5~18%、ZrO2、TiO2、BaO、SrOおよび希土類酸化物の合計含有量が0~5%、Li2OとMgOとの合計含有量が20~32%、アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸化物との合計含有量に対するLi2OとMgOとの合計含有量のモル比{(Li2O+MgO)/(アルカリ金属酸化物+アルカリ土類金属酸化物)}が0.60~0.95、アルカリ金属酸化物の合計含有量に対するSiO2含有量のモル比(SiO2/アルカリ金属酸化物)が3~13であり、ヤング率が86GPa以上かつ比重が2.75以下の非晶質ガラスを含む記録再生装置用ガラススペーサに関する。
なお、記録再生装置用ガラススペーサは、上記ガラスからなることもでき、または上記ガラスの表面に導電性膜等の膜を一層以上設けた構成であることもできる。例えば、情報記録媒体の回転時に生じる静電気を除去するために、ガラススペーサの表面に、メッキ法、浸漬法、蒸着法、スパッタリング法等によりNiP合金等の導電性膜を形成することができる。また、ガラススペーサは、研磨加工により表面平滑性を高くすることができ(例えば、平均表面粗さが1μm以下)、これにより情報記録媒体とスペーサとの密着度を強めて位置ずれの発生を抑制することができる。
本発明の一態様は、
本発明の一態様にかかる情報記録媒体;および
本発明の一態様にかかるガラススペーサ、
の少なくとも一方を含む記録再生装置、
に関する。
上記の本発明の一態様にかかる記録再生装置は、少なくとも1つの情報記録媒体として本発明の一態様にかかる情報記録媒体を含むことができ、本発明の一態様にかかる情報記録媒体を複数含むこともできる。上記の本発明の一態様にかかる記録再生装置は、少なくとも1つのスペーサとして本発明の一態様にかかるガラススペーサを含むことができ、本発明の一態様にかかるガラススペーサを複数含むこともできる。情報記録媒体とスペーサの物性が類似していることは、情報記録媒体とスペーサとの物性の相違に起因して生じる現象の発生を抑制する観点から好ましい。例えば、情報記録媒体の熱膨張係数とスペーサの熱膨張係数との差が小さいことは、両者の熱膨張係数の差に起因して生じ得る現象、例えば、情報記録媒体の歪み、情報記録媒体の位置ずれによる回転時の安定性の低下等、の発生を抑制する観点から好ましい。この観点から、本発明の一態様にかかる記録再生装置は、少なくとも1つの情報記録媒体として、また複数の情報記録媒体が含まれる場合にはより多くの情報記録媒体として、本発明の一態様にかかる情報記録媒体を含み、かつ、少なくとも1つのスペーサとして、また複数のスペーサが含まれる場合にはより多くのスペーサとして、本発明の一態様にかかるガラススペーサを含むことが好ましい。また、例えば、本発明の一態様にかかる記録再生装置は、情報記録媒体に含まれる情報記録媒体基板を構成するガラスと、ガラススペーサを構成するガラスとが、同一のガラス組成を有するものであることができる。
表1(表1-1~表1-3)に示す組成のガラスが得られるように、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等の原料を秤量し、混合して調合原料とした。この調合原料を熔融槽に投入して1400~1600℃の範囲で加熱、熔解して得られた熔融ガラスを、清澄槽において1400~1550℃で6時間保持した後、温度を低下(降温)させて1200~1400℃の範囲に1時間保持してから熔融ガラスを成形して、下記評価のためのガラス(非晶質の酸化物ガラス)を得た。
(1)ガラス転移温度(Tg)、平均線膨張係数(α)
各ガラスのガラス転移温度Tgおよび100~300℃における平均線膨張係数αを、熱機械分析装置(TMA;Thermomechanical Analysis)を用いて測定した。
各ガラスのヤング率を超音波法にて測定した。
各ガラスの比重をアルキメデス法にて測定した。
上記(2)で得られたヤング率および(3)で得られた比重から、比弾性率を算出した。
各ガラスの粉末法耐水性(Dw)の測定は、日本光学硝子工業会規格に定める粉末法による化学的耐久性(耐水性)の測定方法に基づき、以下の方法によって評価した。
比重に相当する質量の粉末ガラス(粒度425~600μm)を白金かごに入れ、それを純水(pH=6.5~7.5)80mlが入った石英ガラス製丸底フラスコ内に浸漬し、沸騰水浴中で60分間処理し、その減量率(%)を求めた。
各ガラスの粉末法耐酸性(Da)は、粉末法耐水性Dwの測定方法に準じて、以下の方法によって評価した。
比重に相当する質量の粉末ガラス(粒度425~600μm)を白金かごに入れ、それを0.01mol/L硝酸水溶液80mlが入った石英ガラス製丸底フラスコ内に浸漬し、沸騰水浴中で60分間処理し、その減量率(%)を求めた。
各ガラス100gを白金製の坩堝に入れて、炉内温度を1250℃または1200℃に設定した加熱炉内に各坩堝を投入し、炉内温度を維持したまま16時間放置(保持テスト)した。16時間経過後、加熱炉内から坩堝を取り出し、坩堝内のガラスを耐火物上に移して室温まで冷却し、各ガラスの結晶の有無を光学顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。
A:光学顕微鏡で拡大観察(倍率40~100倍)して結晶が確認されない。
B:光学顕微鏡で拡大観察(倍率40~100倍)して結晶が確認されるが、目視観察で結晶が確認されない。
C:目視観察で結晶が確認される。
各ガラスについて、白金製の坩堝にガラス試料(100g)を入れて、炉内温度を所定温度に設定した加熱炉内に各坩堝を投入し、炉内温度を維持したまま16時間放置した。16時間経過後、加熱炉内から坩堝を取り出し、坩堝内のガラスを耐火物上に移して室温まで冷却し、各ガラスの結晶の有無を光学顕微鏡により観察した。光学顕微鏡で拡大観察(倍率40~100倍)して結晶が認められない最低温度を液相温度とした。
液相温度は、耐失透性の指標であり、1250℃以下であることが好ましく、1220℃以下であることがより好ましく、1200℃以下であることが更に好ましい。
(1)基板ブランクの作製
次に、下記方法AまたはBにより、円盤状の基板ブランクを作製した。
(方法A)
表1に示す各ガラスについて、清澄、均質化した上述の実施例の熔融ガラスを流出パイプから一定流量で流出するとともにプレス成形用の下型で受け、下型上に所定量の熔融ガラス塊が得られるよう流出した熔融ガラスを切断刃で切断した。そして熔融ガラス塊を載せた下型をパイプ下方から直ちに搬出し、下型と対向する上型および胴型を用いて、直径66mm、厚さ1.2mmの薄肉円盤状にプレス成形した。プレス成形品を変形しない温度にまで冷却した後、型から取り出してアニールし、基板ブランクを得た。なお、上述の成形では複数の下型を用いて流出する熔融ガラスを次々に円盤状の基板ブランクに成形した。
(方法B)
表1に示す各ガラスについて、清澄、均質化した上述の実施例の熔融ガラスを円筒状の貫通孔が設けられた耐熱性鋳型の貫通孔に上部から連続的に鋳込み、円柱状に成形して貫通孔の下側から取り出した。取り出したガラスをアニールした後、マルチワイヤーソーを用いて円柱軸に垂直な方向に一定間隔でガラスをスライス加工し、円盤状の基板ブランクを作製した。
なお、ここでは上述の方法A、Bを採用したが、円盤状の基板ブランクの製造方法としては、下記方法C、Dも好適である。
(方法C)
熔融ガラスをフロートバス上に流し出し、シート状のガラスに成形(フロート法による成形)し、次いでアニールした後にシートガラスから円盤状のガラスをくり貫いて基板ブランクを得ることもできる。
(方法D)
熔融ガラスをオーバーフローダウンドロー法(フュージョン法)によりシート状のガラスに成形、アニールし、次いでシートガラスから円盤状のガラスをくり貫いて基板ブランクを得ることもできる。
上述の各方法で得られた基板ブランクの中心に貫通孔をあけて、外周、内周の研削加工を行い、円盤の主表面をラッピング、ポリッシング(鏡面研磨加工)して直径65mm、厚さ0.8mmの磁気ディスク用ガラス基板に仕上げた。得られたガラス基板は、1.7質量%の珪弗酸(H2SiF)水溶液、次いで、1質量%の水酸化カリウム水溶液を用いて洗浄し、次いで純水ですすいだ後に乾燥させた。表1に示す各ガラスから作製した基板の表面を拡大観察したところ、表面粗れは認められず、平滑な表面であった。
以下の方法により、表1に示す各ガラスから得られたガラス基板の主表面上に、付着層、下地層、磁気記録層、保護層、潤滑層をこの順に形成し、磁気ディスクを得た。
以上の製造工程により、磁気ディスクを得た。得られた磁気ディスクを、DFH機構を備えたハードディスクドライブ(フライングハイト:8nm)に搭載し、磁気ディスクの主表面上の記録用領域に、1平方インチあたり20ギガビットの記録密度で磁気信号を記録したところ、磁気ヘッドと磁気ディスク表面が衝突する現象(ヘッドクラッシュ)は確認されなかった。
例えば、上記に例示されたガラス組成に対し、明細書に記載の組成調整を行うことにより、本発明の一態様にかかる情報記録媒体基板用ガラスを作製することができる。
また、明細書に例示または好ましい範囲として記載した事項の2つ以上を任意に組み合わせることは、もちろん可能である。
Claims (13)
- モル%表示にて、
SiO2含有量が55~68%、
B2O3含有量が0~5%、
Al2O3含有量が1~14%、
MgO含有量が8~23%、
CaO含有量が1~10%、
Li2O含有量が5~18%、
Li2O、Na2OおよびK2Oの合計含有量が5~18%、
ZrO2、TiO2、BaO、SrOおよび希土類酸化物の合計含有量が0~5%、
Li2OとMgOとの合計含有量が20~32%、
アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸化物との合計含有量に対するLi2OとMgOとの合計含有量のモル比{(Li2O+MgO)/(アルカリ金属酸化物+アルカリ土類金属酸化物)}が0.60~0.95、
アルカリ金属酸化物の合計含有量に対するSiO2含有量のモル比(SiO2/アルカリ金属酸化物)が3~13、
CaO含有量に対するMgO含有量のモル比(MgO/CaO)が1.0~6.0、
Li 2 OおよびNa 2 Oとの合計含有量に対するAl 2 O 3 含有量のモル比{Al 2 O 3 /(Li 2 O+Na 2 O)}が0.25~1.25、
であり、
ヤング率が86GPa以上かつ比重が2.75以下の非晶質ガラスである情報記録媒体基板用または記録再生装置用ガラススペーサ用のガラス。 - モル%表示にて、
SiO 2 含有量が58~65%、
B 2 O 3 含有量が0~5%、
Al 2 O 3 含有量が1~14%、
MgO含有量が8~23%、
CaO含有量が1~10%、
Li 2 O含有量が5~18%、
Li 2 O、Na 2 OおよびK 2 Oの合計含有量が5~18%、
ZrO 2 、TiO 2 、BaO、SrOおよび希土類酸化物の合計含有量が0~5%、
Li 2 OとMgOとの合計含有量が20~32%、
アルカリ金属酸化物とアルカリ土類金属酸化物との合計含有量に対するLi 2 OとMgOとの合計含有量のモル比{(Li 2 O+MgO)/(アルカリ金属酸化物+アルカリ土類金属酸化物)}が0.60~0.95、
アルカリ金属酸化物の合計含有量に対するSiO 2 含有量のモル比(SiO 2 /アルカリ金属酸化物)が3~13、
Li 2 OおよびNa 2 Oとの合計含有量に対するAl 2 O 3 含有量のモル比{Al 2 O 3 /(Li 2 O+Na 2 O)}が0.25~1.25、
であり、
ヤング率が86GPa以上かつ比重が2.75以下の非晶質ガラスである情報記録媒体基板用または記録再生装置用ガラススペーサ用のガラス。 - CaO含有量に対するMgO含有量のモル比(MgO/CaO)が1.0~6.0の範囲である、請求項2に記載のガラス。
- Al2O3とZrO2との合計含有量に対するSiO2とCaOとの合計含有量のモル比{(SiO2+CaO)/(Al2O3+ZrO2)}が5.0~25.0の範囲である、請求項1~3のいずれか1項に記載のガラス。
- MgOとCaOとの合計含有量が15~35%の範囲である、請求項1~4のいずれか1項に記載のガラス。
- アルカリ土類金属酸化物の合計含有量に対するMgO含有量のモル比(MgO/アルカリ土類金属酸化物)が0.5以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載のガラス。
- TiO2含有量が0~5%の範囲である、請求項1~6のいずれか1項に記載のガラス。
- ZrO2含有量が0~3モル%の範囲である、請求項1~7のいずれか1項記載のガラス。
- 比弾性率が33MNm/kg以上である、請求項1~8のいずれか1項に記載のガラス。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載のガラスからなる情報記録媒体基板。
- 請求項10に記載の情報記録媒体基板上に情報記録層を有する情報記録媒体。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載のガラスを含む記録再生装置用ガラススペーサ。
- 請求項11に記載の情報記録媒体、および
請求項12に記載のガラススペーサ、
の少なくとも一方を含む記録再生装置。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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