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JP7139097B2 - エラストマー組成物、水架橋性エラストマー組成物および架橋成形物 - Google Patents

エラストマー組成物、水架橋性エラストマー組成物および架橋成形物 Download PDF

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Description

本発明はエラストマー組成物に関し、より詳細には、従来のプラスチック加工設備を使用して熱可塑性樹脂のように成形加工することができ、かつ、圧縮永久歪みが加硫ゴムのように非常に小さいエラストマー組成物に関する。
近年、ゴム弾性を有する軟質材料であって、熱可塑性樹脂と同様の成形加工性を有するエラストマー組成物が、加硫ゴムを代替する材料として、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、履物および雑貨などの分野で多用されている。こうしたエラストマー組成物は、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TVP)等、加硫ゴムを代替可能な材料として注目されている。動的架橋型熱可塑性エラストマーは、マトリックスである熱可塑性樹脂中に、架橋ゴム粒子がドメインとして分散した海島構造を有する多相系ポリマー材料であり、熱可塑性樹脂と同様の成形加工が可能で、かつ加硫ゴムよりも耐候性や耐熱性に優れるといった利点を有しているだけでなく、着色可能であるといった特徴も有している。このような動的架橋型熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂とゴムとを任意に組み合わせて材料設計できることから、種々の組合せのエラストマーが提案されている。例えば、現在、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系などの種々のエラストマーが開発されており、そのなかでも、ポリプロピレン樹脂(PP)とオレフィン系ゴム(EPDM)を組み合わせたオレフィン系TPVが注目されている。
また近年、より厳しい環境で使用される分野への適用が盛んに試みられており、特に圧縮永久歪みが加硫ゴムのように非常に小さいエラストマーが求められている。上記したエラストマーは、比較的小さい圧縮永久歪みを有するものの、加硫ゴムに比較して十分に満足できるレベルには達していない。
上記のような課題に対して、上記したようなオレフィン系TPVにシラン架橋法を適用することで、圧縮永久歪みの小さいエラストマーを得ることも行われている(例えば、特許文献1等)。ここで、シラン架橋法とは、ゴムにシランカップリング剤を反応させたシラングラフトゴムに、シラノール縮合触媒の存在下で水を接触させることによりシラングラフトゴムがシランカップリング剤を介して架橋した構造の架橋ゴムを得る手法である。
特開2016-166349号公報
上記したように種々のエラストマー組成物が提案されているが、加硫ゴムと同等レベルの圧縮永久歪みを有するエラストマー組成物は未だ実現されていない。しがたって、本発明の目的は、加硫ゴムと同等レベルの圧縮永久歪みを有するエラストマー組成物を提供することである。また、本発明の別の目的は、当該エラストマー組成物を用いた成形体、およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意検討した結果、ある特定のオレフィンブロック共重合体にシラン架橋法を適用することにより加硫ゴムと同等レベルの圧縮永久歪みを有するエラストマー組成物を実現できることを見出した。本発明は係る知見に基づくものである。
そして、本発明によるエラストマー組成物は、
(A)オレフィンブロック共重合体と、
(B)有機過酸化物と、
(C)シランカップリング剤と、
を含むエラストマー組成物であって、
前記(A)オレフィンブロック共重合体が、エチレンを主体とする結晶性の重合体ブロック( ハードセグメント)と、炭素数3~30のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンおよびエチレンを主体とする非晶性の重合体ブロック(ソフトセグメント)とを含む、ことを特徴とするものである。
本発明の実施態様においては、前記(B)有機過酸化物が、前記(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して、0.1~0.5質量部含まれることが好ましい。
本発明の実施態様においては、前記(C)シランカップリング剤が、前記(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して、1~5質量部含まれることが好ましい。
本発明の実施態様においては、ASTM D1238に準拠した190℃、荷重2.16kgでの前記(A)オレフィンブロック共重合体のメルトインデックスが0.5~15g/10分であることが好ましい。
また、本発明の別実施態様においては、エラストマー組成物と、更に(D)シラノール縮合触媒とを含む、水架橋性エラストマー組成物も提供される。
また、本発明の別の実施態様においては、上記エラストマー組成物または水架橋性エラストマー組成物からなるからなる架橋成形物も提供される。
また、本発明の別の実施態様による架橋成形物の製造方法は、
(A)オレフィンブロック共重合体と、(B)有機過酸化物と、(C)シランカップリング剤とを含むエラストマー組成物を動的に熱処理する工程、
前記熱処理されたエラストマー組成物に、(D)シラノール縮合触媒を適用する工程、および
前記(D)シラノール縮合触媒が適用されたエラストマー組成物を温水で処理して架橋成形体を得る工程、
を含むものである。
本発明の実施態様においては、前記(D)シラノール縮合触媒の適用工程が、前記熱処理されたエラストマー組成物に、前記(D)シラノール縮合触媒を含む溶液またはマスターバッチを配合し、成形することにより行われてもよい。
本発明の実施態様においては、前記(D)シラノール縮合触媒の適用工程が、前記熱処理されたエラストマー組成物の成形物に前記(D)シラノール縮合触媒を含む溶液を塗布することにより行われてもよい。
本発明によれば、特定のオレフィンブロック共重合体にシラン架橋法を適用することにより加硫ゴムと同等レベルの圧縮永久歪みを有するエラストマー組成物を実現することができる。そのため、本発明のエラストマー組成物は、加硫ゴムを代替する材料として、自動車用パッキンや建材用パッキンなどに好適に用いることができる。
本発明によるエラストマー組成物は、(A)オレフィンブロック共重合体と、(B)有機過酸化物と、(C)シランカップリング剤とを必須成分として含む。以下、本発明によるエラストマー組成物を構成する各成分について説明する。
<(A)オレフィンブロック共重合体>
本発明によるエラストマー組成物に使用される(A)オレフィンブロック共重合体は、エチレンを主体とする結晶性の重合体ブロック(ハードセグメント)と、炭素数3~30のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンおよびエチレンを含み、かつ、好ましくは後者のエチレンの割合がハードセグメントより少ない非晶性の重合体ブロック(ソフトセグメント)とを含むオレフィンブロック共重合体であり、各ブロックが交互に2以上、好ましくは3以上繋がったマルチブロック構造であることが望ましい。また直鎖状構造、ラジアル構造があるが特に直鎖状構造が好ましい。なお、本発明において、ブタジエン系共重合体を80%以上水素添加して得られるブロック共重合体は除外される。
従来、メタロセン系触媒で合成されたエチレンとα-オレフィン共重合体は、エチレンとα-オレフィンがランダムに共重合したランダム共重合体であった。それに対して本発明において使用するオレフィンブロック共重合体は、上記のようにブロック共重合体という点で異なる。また、ブタジエンからなるブロック共重合体を80%以上水素添加して得られるブロック共重合体、例えばJSR株式会社製ダイナロンCEBC、即ち、C部分は1,4-ポリブタジエンブロックの水素添加物であるポリエチレンブロック(ハードセグメント)であり、EB部分は1,4-ブタジエンと1,2-ブタジエンのランダム構造からなる化合物を水素添加したエチレンとブチレンのランダム構造のブロック(ソフトセグメント)が挙げられるがこれは、圧縮永久歪に劣るため好ましくない。
また、本発明におけるオレフィンブロック共重合体は、市販されているものも利用することができ、例えばダウ・ケミカル社から商品名INFUSE D9000、D9007、D9100、D9107、D9500、D9507、D9530、D9817、D9807 等として市販されている。
本発明において使用する(A)オレフィンブロック共重合体は、特表2007-529617号公報に開示された方法にしたがって合成することもできる。例えば、第1のオレフィン重合触媒と、同等の重合条件下で、第1のオレフィン重合触媒によって調製されるポリマーとは化学的性質または物理的性質が異なるポリマーを調製可能な第2のオレフィン重合触媒と、鎖シャトリング剤と、を組み合わせて得られる混合物または反応生成物を含む組成物を準備し、上記エチレンとα-オレフィンとを、付加重合条件下で、該組成物と接触させる工程を経て製造することができる。
上記した付加重合は、好ましくは連続溶液重合法が適用される。連続溶液重合法は、触媒成分、鎖シャトリング剤、モノマー類、場合により溶媒、補助剤、捕捉剤および重合助剤が反応ゾーンに連続的に供給され、ポリマー生成物はそこから連続的に取り出される。また、ブロックの長さは、前記触媒の比率および種類、鎖シャトリング剤の比率および種類、重合温度等を制御することによって変化させることができる。なお、当該(A)オレフィンブロック共重合体の合成方法において、その他の詳細な条件は、特表2007-529617号公報に開示されているので、適宜当該開示内容を採用することができる。
本発明における(A)オレフィンブロック共重合体のソフトセグメントを構成するα-オレフィンとしては、炭素数3~30、好ましくは炭素数4~20、さらに好ましくは炭素数4~8の直鎖または分岐のα-オレフィンであり、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1- デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等が挙げられる。これらのなかでも、1-オクテンを主体とする場合が相容性および圧縮永久歪の点で好ましい。
本発明の効果の観点から、ハードセグメントがエチレンを主体とし1-オクテンを含む結晶性ブロックであり、ソフトセグメントがハードセグメントより1-オクテン含有比率が高い、1-オクテンとエチレンを主体とした非晶性ブロックであって、各ブロックが交互に2以上、好ましくは3以上繋がったマルチブロック構造である。
エチレン含有量は、本発明の効果の観点から、好ましくは25~97% 、より好ましくは40~96% 、さらにより好ましくは55~95%である。
(A)オレフィンブロック共重合体のメルトインデックス(ASTM D1238、190℃、2.16kg)は、好ましくは0.5~15g/10分であり、より好ましくは0.5~10g/10分である。
また、(A)オレフィンブロック共重合体は、密度(JIS K6760)が、好ましくは0.860~0.930g/cmであり、より好ましくは0.865~0.890g/cmである。
また、(A)オレフィンブロック共重合体は、硬度(ASTM D2240 、ショアA)は、好ましくは50~98であり、より好ましくは50~90である。
また、(A)オレフィンブロック共重合体は、測定温度100℃での圧縮永久歪み(JIS K6262)が75以下であることが好ましい。
また、(A)オレフィンブロック共重合体は、DSCにより測定される融点は110~125℃であることが好ましく、より好ましくは115~123℃ であることが圧縮永久歪の点で好ましい。
ここで、DSCにより測定される融点は、示差走査熱量計(DSC) によって得られるピークトップ融点であり、具体的には、DSCを用い、サンプル量10mgを計り採り、190℃で5分間保持した後、-10℃まで10℃/分の降温速度で結晶化させ、-10℃ で5分間保持した後、10℃/分の昇温速度で200℃ まで測定して求めた値である。
<(B)有機過酸化物>
本発明のエラストマー組成物に含まれる(B)有機過酸化物は、エラストマー組成物を溶融混練した際にラジカルを発生させて、そのラジカルが連鎖的に反応することにより、上記した(A)オレフィンブロック共重合体が架橋し、良好な(非常に小さい)圧縮永久歪みを実現させる働きをする。
(B)有機過酸化物としては、ラジカルを発生させるものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、およびt-ブチルクミルパーオキサイドなどが挙げられ、これらの1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において好適に使用される(B)有機過酸化物としては、上記のなかでも、組成物の臭気性、着色性、スコーチ安全性の観点から、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
(B)有機過酸化物の市販品としては、例えば、日本油脂株式会社の「パーヘキサ 25B(商品名)」、および「パークミル D(商品名)」などを挙げることができる。
(B)有機過酸化物の配合量は、上記成分(A)100質量部に対して、通常0.03~1質量部、好ましくは0.05~0.0.8質量部、より好ましくは0.1~0.6質量部である。(B)有機過酸化物の配合量が上記範囲にあれば、エラストマー組成物を十分に架橋させて圧縮永久歪を小さくすることができるとともに、ブツ(架橋ゲル)の発生を抑制することができる。
<(C)シランカップリング剤>
(C)シランカップリング剤は、加水分解性基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセトキシ基等のアシルオキシ基;クロロ基等のハロゲン基など)、および有機官能基(例えば、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、イソシアネート基など)の少なくとも2種類の異なる反応性基を有するシラン化合物である。シランカップリング剤は、(A)オレフィンブロック共重合体を架橋させて、良好な圧縮永久歪みを実現させる働きをする。また(C)シランカップリング剤は、(A)オレフィンブロック共重合体にグラフトし、温水による後処理、所謂水架橋処理の際の架橋点を形成する働きをする。
(C)シランカップリング剤としては、例えば、ビニル系シランカップリング剤(ビニル基と加水分解性基を有するシラン化合物)、メタクリル系シランカップリング剤(メタクリロキシ基と加水分解性基を有するシラン化合物)、アクリル系シランカップリング剤(アクリロキシ基と加水分解性基を有するシラン化合物)、エポキシ系シランカップリング剤(エポキシ基と加水分解性基を有するシラン化合物)、アミノ系シランカップリング剤(アミノ基と加水分解性基を有するシラン化合物)、およびメルカプト系シランカップリング剤(メルカプト基と加水分解性基を有するシラン化合物)などを挙げられ、これらの1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、耐加熱変形性の観点から、ビニル系シランカップリング剤が好ましい。
上記ビニル系シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニル-トリス(n-ブトキシ)シラン、ビニル-トリス(n-ペントキシ)シラン、ビニル-トリス(n-ヘキソキシ)シラン、ビニル-トリス(n-ヘプトキシ)シラン、ビニル-トリス(n-オクトキシ)シラン、ビニル-トリス(n-ドデシルオキソ)シラン、ビニル-ビス(n-ブトキシ)メチルシラン、ビニル-ビス(n-ペントキシ)メチルシラン、ビニル-ビス(n-ヘキソキシ)メチルシラン、ビニル-(n-ブトキシ)ジメチルシラン、およびビニル-(n-ペントキシ)ジメチルシランなどが挙げられる。
(C)シランカップリング剤の配合量は、上記成分(A)~(C)の合計100質量部に対して、通常0.5~7質量部、好ましくは0.8~6質量部、より好ましくは1~5質量部である。(C)シランカップリング剤の配合量が上記範囲にあれば、(A)オレフィンブロック共重合体を十分に架橋させて圧縮永久歪を小さくすることができる。
<その他の成分>
本発明によるエラストマー組成物は、上記した成分以外にも発明の効果を損なわない範囲で任意の成分を含んでいてもよい。例えば、上記した(B)有機過酸化物および(C)シランカップリング剤による架橋反応を均一かつ効率的に行うために、架橋助剤を含んでいてもよい。架橋助剤は、重合性官能基を1分子中に2以上有するモノマーであり、典型的には、例えば、ジビニルベンゼン、およびトリアリルシアヌレートなどの多官能性ビニルモノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、およびアリル(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートモノマー;などが挙げられ、これらの1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートはメタクリレートまたはアクリレートの意味である。
任意成分である架橋助剤の配合量は、特に制限されるものではないが、架橋反応を均一に行う観点からは、(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して、通常0~2質量部、好ましくは0.05~1.5質量部、より好ましくは0.1~1.0質量部であってよい。
上記した(A)オレフィンブロック共重合体は、市販のものを使用する場合、通常はペレット状として得ることができる。一方、(B)有機過酸化物および(C)シランカップリング剤や、任意成分である架橋助剤は、しばしば常温において液状である。そのため本発明によるエラストマー組成物を製造する際には、ペレット状の固体成分と液状成分との分離・不均一化を抑制・防止するため、液状成分は液体添加装置を使用して溶融混練装置に投入するのが通常である。液体添加装置を使用しない場合は、固体成分と液状成分との分離・不均一化を抑制・防止するため、フィラーや滑剤を添加してもよい。エラストマー組成物にフィラーや滑剤が含まれることにより、液状成分の一部または全部を、ペレット状の固体成分と共に溶融混練装置に投入することが可能になる。
このようなフィラーや滑剤としては、特に制限されるものではなく、公知のものを使用することができ、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、タルク、マイカ、クレーなどが挙げられ、これらの1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのフィラーや滑剤の配合量は、任意成分であり特に制限されるものではないが、(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して通常0~100質量部、好ましくは1~90質量部、より好ましくは5~80質量部である。
また、本発明によるエラストマー組成物は、本発明の効果に影響を与えない範囲内において、所望により、(A)オレフィンブロック共重合体以外の熱可塑性樹脂や、軟化剤、可塑剤、顔料、酸化防止剤、熱安定剤、耐候性安定剤、離型剤、帯電防止剤、金属不活性剤、および界面活性剤などの添加剤を更に含ませることができる。
<水架橋性エラストマー組成物>
本発明による水架橋性エラストマー組成物は、本発明のエラストマー組成物に(D)シラノール縮合触媒を適用したものである。(D)シラノール縮合触媒は、水架橋性エラストマー組成物の温水による後処理、所謂、水架橋処理の際に、(C)シランカップリング剤が(A)オレフィンブロック共重合体にグラフトすることにより形成された架橋点の架橋(シラノール間の脱水縮合反応)を促進・触媒し、圧縮永久歪を向上(小さく)せしめる働きをする。
本発明において使用される(D)シラノール縮合触媒としては、シラノール間の脱水縮合反応を促進・触媒できるものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオレエート、酢酸第一錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、カプリル酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸鉄、チタン酸エステル、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジイソプロピルチタン・エチルアミン錯体、ヘキシルアミン錯体、ジブチルアミン錯体、およびピリジン錯体などが挙げられ、これらの1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(D)シラノール縮合触媒の適用量は、特に制限されるものではないが、圧縮永久歪の向上の観点から、エラストマー組成物100質量部に対して、通常0.005~0.3質量部、好ましくは0.008~0.2質量部であってよい。
(D)シラノール縮合触媒のエラストマー組成物への適用手段としては、(D)シラノール縮合触媒を適当な液状物質、例えばパラフィンオイルなどのプロセスオイル、酢酸エチルやトルエンなどの有機溶剤、流動パラフィンなどとともにエラストマー組成物に配合してもよく、また、(D)シラノール縮合触媒を含むマスターバッチを準備しておき、エラストマー組成物に当該マスターバッチを配合してもよい。上記した適用手段のうち、(D)シラノール縮合触媒を液状物質とともにエラストマー組成物に配合した方が、ゲル化が抑制され押出成形された成形物の外観が良好となる。また、他の適用手段としては、後記するようにエラストマー組成物を動的に熱処理することにより成形物を得て、当該成形物の表面に、(D)シラノール縮合触媒を適当な液状物質、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、トルエンなどの有機溶剤、パラフィンオイルなどのプロセスオイル等に含有させた溶液を塗布してもよい。
上記マスターバッチに用いる任意の樹脂としては、特に制限されないが、本発明のエラストマー組成物との混和性の観点から、(A)オレフィンブロック共重合体が好ましい。上記マスターバッチには、所望により、軟化剤、可塑剤、顔料、フィラー、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候性安定剤、離型剤、帯電防止剤、金属不活性剤、および界面活性剤などの添加剤を更に含ませることができる。マスターバッチのメルトフローレート(160℃、10kg)は、3g/10分以上であることが好ましく、25g/10分以上であることがより好ましい。また、マスターバッチのメルトフローレートをエラストマー組成物のメルトフローレートよりも高くすることが好ましい。
<架橋成形物の製造方法>
本発明の成形物は、上記成分(A)~(C)および所望により用いる任意成分を含むエラストマー組成物を、任意の溶融混練機を使用して動的に熱処理して、任意の形状にすることにより得ることができる。ここで「動的に熱処理」とは、上記成分(B)有機過酸化物の分解が有意に起こる温度条件において、溶融混練することを意味する。上記溶融混練機としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ミキサー、各種のニーダー、およびこれらを組み合わせた装置をあげることができる。上記溶融混練の温度条件は、通常上記成分(B)の1分半減期温度以上の温度、好ましくは上記成分(B)の1分半減期温度よりも5℃高い温度以上の温度であってよい。上記溶融混練の時間条件は、通常30秒間以上、好ましくは2分間以上であってよい。
上記した(D)シラノール縮合触媒を成形物に適用して架橋成形物とするには、上記したエラストマー組成物または水架橋性エラストマー組成物を用い、任意の成形機を使用して、上記のようにして任意の形状に成形した後、温水による後処理、所謂水架橋処理を行うことにより架橋成形物を得ることができる。上記水架橋処理の温度条件は、通常常温(20℃)~150℃、好ましくは50~90℃であってよい。上記水架橋処理の時間条件は、通常10秒~1週間、好ましくは1分~3日間であってよい。また加圧下に水と接触させることもできる。更に成形物の濡れをよくするため、水は湿潤剤ないし界面活性剤、水溶性有機溶剤その他の添加剤を含むものであってよい。水は、液体の水に限定されず、気体(水蒸気や空気中の水分)などの状態であってもよい。上記成形機としては、例えば、押出成形機、射出成形機、およびブロー成形機などをあげることができる。
本発明のエラストマー組成物または水架橋性エラストマー組成物は、圧縮永久歪が加硫ゴムと同程度に小さく、かつ柔軟性および成形加工性を有するものであるので、ブロー成形法、押出成形法、射出成形法、熱成形法、弾性溶接(elasto-welding)法、圧縮成形法等により所望の形状に成形することができる。また、成形条件についてもとくに制限されない。
得られた架橋成形物の用途は特に限定されるものではないが、加硫ゴム代替用途として好適に使用することができる。例えば、自動車部品として、ライティングガスケット、3Dエクスチェンジブロークリーンエアダクト、フーロシールヒンジカバー、ベリーパン(ロボテックエクストゥルージョンガスケット) 、カップホルダー、サイドブレーキグリップ、シフトノブカバー、シート調整ツマミ、IPスキン、フラッパードアシール、ワイヤーハーネスグロメット、ラックアンドピニオンブーツ、サスペンションカバーブーツ(ストラットカバーブーツ)、ガラスガイド、インナーベルトラインシール、ルーフガイド、トランクリッドシール、モールデッドクォーターウィンドガスケット、コーナーモールディング、グラスエンキャプシュレーション(ロボテックエクストゥルージョン)、フードシール、グラスエンキャプシュレーション(射出成形)、グラスランチャンネル、セカンダリーシール等が挙げられる。また、工業部品として、高層ビルのカーテンウォールガスケット、窓枠シール、金属類/ 補強繊維類への接着、パーキングデッキシール、エキスパンションジョイント、地震対策用エキスパンションジョイント、住宅窓ドアシール(例えば共押出等)、住宅ドアシール、手すり表皮、歩行用マット(シート 、足ゴム、洗濯機排水ホース(PPとの二色成形等)、洗濯機フタのシール、エアコンモーターマウント、排水管シール(PPとの二色成形等)、ライザーチューブ(PVC等)、キャスターホイール、プリンタロール、ダクトホース、ワイヤー& ケーブル、注射器シュリンジガスケット等が挙げられる。さらに、日用品・部品として、スピーカーサラウンド、ヘアブラシグリップ、かみそりグリップ、化粧品グリップ・フット、歯ブラシグリップ、日用品ブラシグリップ、ほうきの毛先、台所用品グリップ、計量スプーングリップ、枝切りバサミグリップ、ガラス耐熱容器フタ、園芸用品グリップ、ハサミグリップ、ステイプラーグリップ、コンピュータマウス、ゴルフバッグ部品、壁塗りコテグリップ、チェーンソーグリップ、スクリュードライバーグリップ、ハンマーグリップ、電気ドリルグリップ、研磨機グリップ、目覚まし時計等に好ましく使用できる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の材料を準備した。
(1-1)成分(A):オレフィンブロック共重合体
INFUSE D9007(ダウ・ケミカル社製、メルトインデックス(ASTM D1238、190℃、2.16kg)=0.5g/10分)
INFUSE D9107(ダウ・ケミカル社製、メルトインデックス(ASTM D1238、190℃、2.16kg)=1g/10分)
INFUSE D9507(ダウ・ケミカル社製、メルトインデックス(ASTM D1238、190℃、2.16kg)=5g/10分)
INFUSE D9817(ダウ・ケミカル社製、メルトインデックス(ASTM D1238、190℃、2.16kg)=15g/10分)
(1-2)エチレン・αオレフィン共重合体
ノーデルIP4760P(ダウ・ケミカル社製、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム:EPDM)
(1-3)プロピレン系樹脂
PB270A(サンアロマー株式会社製、結晶性プロピレン-エチレンブロック共重合体)
(2)成分B:有機過酸化物
パーヘキサ25B(日油株式会社製、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン)
(3)成分C:シランカップリング剤
KBM-1003(信越化学工業株式会社製、ビニルトリトキシシラン)
(4)成分D:シラノール縮合触媒
ネオスタンU-810(日東化成工業株式会社製、ジオクチルスズジラウレート)
(5)その他の成分:
DVB-570(新日鉄住金化学株式会社製、ジビニルベンゼン架橋助剤)
IRGANOX1010(BASF社製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
IRGAFOS168(BASF社製、燐系酸化防止剤)
NS400(日東粉化工業株式会社製、炭酸カルシウム)
PW-100(出光興産株式会社製、非芳香族系ゴム用軟化剤、パラフィン系鉱物油)
PEM-8080(住化カラー株式会社製、カーボンブラックマスターバッチ)
<シラノール縮合触媒マスターバッチの作製>
下記の表1に示した組成に従いブレンダーを使用してドライブレンドした後、押出機に供給し、ダイス出口樹脂温度160℃の条件で溶融混練してシラノール縮合触媒マスターバッチMB1~4を得た。なお、表中の数値は質量部を表す。
Figure 0007139097000001
<エラストマー組成物の作製>
上記した各成分を下記の表2および表3に示した組成に従いブレンダーを使用してドライブレンドした後、押出機のスクリュウー根元に供給し、ダイス出口樹脂温度160℃の条件で溶融混練してエラストマー組成物1~18を得た。なお、表中の数値は質量部を表す。
Figure 0007139097000002
Figure 0007139097000003
<架橋成形物の作製>
上記のようにして得られた各エラストマー組成物を100質量部と各マスターバッチを5質量部とカーボンマスターバッチ(PEM-8080)を2質量部とを下記表4に示した組合せにて射出成形機に供給し、厚さ2mm、縦130mm、横130mmの平板状成形物を、射出樹脂温度200℃の条件で作製した。次いで、平板状成形物を4枚重ね、温度200℃でプレス成形することにより、厚さ6.3mm、縦160mm、横130mmの平板を作製し、更にこれを温度80℃の温水中に48時間浸漬し、圧縮永久歪および折り曲げ永久歪試験片用の架橋成形物1~18を得た。
同様に、上記のようにして得られた各エラストマー組成物を100質量部と各マスターバッチを5質量部とカーボンマスターバッチ(PEM-8080)を2質量部とを下記表4に示した組合せにて押出成形機に供給し、厚さ2mm、幅2.5mmの平板状成形物を、押出樹脂温度160℃の条件で作製し、更にこれを温度80℃の温水中に48時間浸漬し、成形物外観評用の架橋成形物1~18を得た。
Figure 0007139097000004
また、パラフィン系鉱物油(PW-100)100質量部と、シラノール縮合触媒(ネオスタンU-810)0.4質量部とを混合したシラノール縮合触媒混合溶液を調製し、エラストマー組成物4が100質量部に対してシラノール縮合触媒混合溶液が0.5質量部となる割合で、エラストマー組成物4にシラノール縮合触媒混合溶液を混合し、これを射出成形機および押出成形機にそれぞれ供給し、上記と同様の条件にて成形物を得た後、成形物を温度80℃の温水中に48時間浸漬し、各試験片用の架橋成形物19を得た。
また、エラストマー組成物4のみを射出成形機および押出成形機にそれぞれ供給し、上記と同様の条件にて成形物を得た後、イソプロピルアルコール100質量部とシラノール縮合触媒(ネオスタンU-810)4質量部とを混合したシラノール縮合触媒混合溶液を調製し、得られた成形物100質量部に対してシラノール縮合触媒混合溶液が0.5質量部となる割合で、成形物の表面に当該シラノール縮合触媒混合溶液を塗布し、乾燥させた成形物を温度80℃の温水中に48時間浸漬し、各試験片用の架橋成形物20を得た。
<圧縮永久歪みの測定>
上記のようにして得られた架橋成形物1~20を、JIS K6262:2013に準拠して、圧縮率25%、小形試験片、温度70℃、22時間、A法(即開放)およびB法(23℃で2時間保持した後に開放)の条件で圧縮永久歪みを測定した。測定結果は、下記の表5および表6に示すとおりであった。
<折り曲げ永久歪みの測定>
また、試験片を金属製の折り曲げ治具を使用して90度に折り曲げた状態で固定、保持する条件で架橋成形物1~20を折り曲げた際のA法およびB法の条件での圧縮永久歪みを上記と同様にして測定した。測定結果は、下記の表5および表6に示すとおりであった。
<成形物の外観評価>
上記のようにして押出成形機を用いて得られた架橋成形物1~20の外観を目視にて評価した。評価基準は以下のとおりとした。
◎:異物は見られず滑らかな表面であった。
○:小さい異物がわずかに点在した。
△:小さい異物が全面的に存在した。
×:表面に凹凸があり、異物が多く存在し粗い表面状態であった。
評価結果は、下記の表5および表6に示すとおりであった。
Figure 0007139097000005
Figure 0007139097000006
表5および表6の評価結果からも明らかなように、エチレンを主体とする結晶性の重合体ブロックと、炭素数3~30のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンおよびエチレンを主体とする非晶性の重合体ブロックとを含むオレフィンブロック共重合体を用いてシラン架橋法を適用した架橋成形物(実施例1~16)では、加硫ゴムの圧縮永久歪み(上記したA法で約17%)と同程度か、またはそれよりも小さい値の圧縮永久歪みを有していることがわかる。
また、実施例4、15、16を比較すると、エラストマー組成物にシラノール縮合触媒を適用する際に、マスターバッチとして適用するよりも、シラノール縮合触媒を含む溶液をエラストマー組成物に配合して成形したり、あるいはエラストマー組成物を成形した後に成形物表面にシラノール縮合触媒含有溶液を塗布する方が、成形物の表面外観が良好であることがわかる。
一方、従来のオレフィン系TPV(比較例1)やオレフィンブロック共重合体(比較例4)を成形しただけの成形物、およびオレフィンブロック共重合体に有機過酸化物を配合して架橋しただけの成形物(比較例3)では、加硫ゴムの圧縮永久歪みには及ばないことがわかる。また、従来のオレフィン系TPVにシラン架橋法を適用した架橋成形物(比較例2)では、A法による圧縮永久歪みはある程度小さくなるものの、B法による圧縮永久歪みが不十分であることがわかる。

Claims (12)

  1. (A)オレフィンブロック共重合体と、
    (B)有機過酸化物と、
    (C)シランカップリング剤と、
    を含むエラストマー組成物であって、
    前記(A)オレフィンブロック共重合体が、エチレンを主体とする結晶性の重合体ブロック( ハードセグメント)と、炭素数3~30のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンおよびエチレンを主体とする非晶性の重合体ブロック(ソフトセグメント)とを含み、
    前記(B)有機過酸化物が、前記(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して、0.285~0.475質量部含まれ、
    前記(C)シランカップリング剤が、前記(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して、2.851~4.751質量部含まれる、
    ことを特徴とするエラストマー組成物。
  2. (A)オレフィンブロック共重合体と、
    (B)有機過酸化物と、
    (C)シランカップリング剤と、
    を含むエラストマー組成物であって、
    前記(A)オレフィンブロック共重合体が、エチレンを主体とする結晶性の重合体ブロック( ハードセグメント)と、炭素数3~30のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンおよびエチレンを主体とする非晶性の重合体ブロック(ソフトセグメント)とを含み、
    前記(B)有機過酸化物が、前記(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して、0.285~0.475質量部含まれ、
    JIS K6262:2013に準拠してA法により測定した前記エラストマー組成物の架橋成形物の圧縮永久歪みが、17%以下である、
    ことを特徴とするエラストマー組成物。
  3. (A)オレフィンブロック共重合体と、
    (B)有機過酸化物と、
    (C)シランカップリング剤と、
    を含むエラストマー組成物であって、
    前記(A)オレフィンブロック共重合体が、エチレンを主体とする結晶性の重合体ブロック( ハードセグメント)と、炭素数3~30のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンおよびエチレンを主体とする非晶性の重合体ブロック(ソフトセグメント)とを含む、自動車又は建材のパッキン用エラストマー組成物。
  4. 前記(B)有機過酸化物が、前記(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して、0.1~0.5質量部含まれる、請求項3に記載のエラストマー組成物。
  5. 前記(C)シランカップリング剤が、前記(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して、1~5質量部含まれる、請求項3又は4に記載のエラストマー組成物。
  6. ASTM D1238に準拠した190℃、荷重2.16kgでの前記(A)オレフィンブロック共重合体のメルトインデックスが0.5~15g/10分である、請求項1~5のいずれか一項に記載のエラストマー組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載のエラストマー組成物と、更に(D)シラノール縮合触媒とを含む、水架橋性エラストマー組成物。
  8. (A)オレフィンブロック共重合体と、
    (B)有機過酸化物と、
    (C)シランカップリング剤と、
    (D)シラノール縮合触媒と、
    を含むエラストマー組成物であって、
    前記(A)オレフィンブロック共重合体が、エチレンを主体とする結晶性の重合体ブロック( ハードセグメント)と、炭素数3~30のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンおよびエチレンを主体とする非晶性の重合体ブロック(ソフトセグメント)とを含むエラストマー組成物と、
    (D)シラノール縮合触媒を含む組成物と、
    の組合せであって、
    前記(D)シラノール縮合触媒が、前記組合せ組成物全体の(A)オレフィンブロック共重合体100質量部に対して、0.0021~0.020質量部含まれる、
    水架橋性エラストマー組成物。
  9. 請求項1~6のいずれか一項に記載のエラストマー組成物または請求項7又は8に記載の水架橋性エラストマー組成物の架橋成形物。
  10. 請求項に記載の架橋成形物を製造する方法であって、
    (A)オレフィンブロック共重合体と、(B)有機過酸化物と、(C)シランカップリング剤とを含むエラストマー組成物を動的に熱処理する工程、
    前記熱処理されたエラストマー組成物に、(D)シラノール縮合触媒を適用する工程、および
    前記(D)シラノール縮合触媒を適用した熱処理されたエラストマー組成物を温水で処理して架橋成形体を得る工程、
    を含む、架橋成形物の製造方法。
  11. 前記(D)シラノール縮合触媒の適用工程が、前記熱処理されたエラストマー組成物に、前記(D)シラノール縮合触媒を含む溶液またはマスターバッチを配合し、成形することにより行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記(D)シラノール縮合触媒の適用工程が、前記熱処理されたエラストマー組成物の成形物に前記(D)シラノール縮合触媒を含む溶液を塗布することにより行われる、請求項10に記載の方法。
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