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JP7138958B2 - 精密鋳造部品の加工用治具 - Google Patents

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JP7138958B2 JP2020132978A JP2020132978A JP7138958B2 JP 7138958 B2 JP7138958 B2 JP 7138958B2 JP 2020132978 A JP2020132978 A JP 2020132978A JP 2020132978 A JP2020132978 A JP 2020132978A JP 7138958 B2 JP7138958 B2 JP 7138958B2
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Description

本発明は、例えばターボチャージャーのインペラー部分となる複数の羽根部を含む精密鋳造部品の加工用治具に関する。
本件出願人は先に、通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に仕上げ加工ができる精密鋳造部品の加工用治具を提案している(特許第5974131号公報)。図14に示した精密鋳造部品80は、その加工用治具の仕上げ加工対象である、ターボチャージャーのインペラー部分となる、羽根部を有する精密鋳造部品の縦断面を示すものである。
この精密鋳造部品80は、例えばロストワックス法により造型された鋳型のキャビティに、溶けた鋳鋼を減圧吸い上げ鋳造することで鋳造され、両端に同心である一対の軸部81,83と、これらの間に位置する中間部86とを一体に有している。図14中、左側に示す一方の軸部81は、図示しない回転軸に接合される鋳肌の接合用端面84を有しており、この接合用端面84の中心部には、凹部84aが鋳造において同時に形成されている。また、右側に示された他方の軸部83は、鋳造時において湯口に接続していた端面82を有している。さらに、精密鋳造部品80の中間部86の外側には螺旋形状を呈する複数の羽根部88が渦巻き状かつ放射状に一体に形成されていると共に、背盤部の側部89を有している。
この精密鋳造部品80は、一方の軸部81寄りに基準面(背盤部89の背面)87を有しており、この基準面87は、一対の軸部81,83の軸心方向と直交している。このため、精密鋳造部品80を一方の軸部81の接合用端面84を介して図示しない回転軸に溶接などによって接合する前に、予め接合用端面84が基準面87と平行な平坦面になるように、切削や研磨する仕上げ加工が施されている。
ところで、精密鋳造部品80の基準面87は、中間部86の複数の羽根部88における軸部81寄りに位置するため、通常の旋盤などのチャックでは保持できない。また、他方の軸部83も細径でかつ短いため、やはり旋盤などのチャックでは保持できない。このため、精密鋳造部品80における一方の軸部81の接合用端面84を仕上げ加工する工程では、バラ付きが生じ易くかつ時間を要するという問題点があり、本件出願人は先にこのような精密鋳造部品の軸部の接合用端面を通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に仕上げ加工できる精密鋳造部品の加工用治具100を提案した。
すなわち、本件出願人が先に提案した特許第5974131号公報の精密鋳造部品の加工用治具100では、図15に示すように、精密鋳造部品80の他方の軸部83をセンター部材101によって一方の軸部81側へ軸心に沿って押圧しながら保持し、中間部86の基準面87をリング部102の内面側当接面103にて保持し、さらに、環状弾性部材104にて中間部86の側部を精密鋳造部品80の内側に向かって強固に押圧して保持していた。
しかし、図2に示すように、中間部56の外周に凸部52が存在する精密鋳造品では、環状弾性部材104にて中間部56の側部を強固に保持することは不可能であった。
特許第5974131号公報
そこで、本発明の課題は、中間部の外周に凸部を有する精密鋳造品であっても、精密鋳造部品の軸心に対する同軸度を高度に維持した状態で保持でき、精密鋳造部品の軸部の接合用端面および凹部内を通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に加工できる精密鋳造部品の加工用治具を提供することにある。
上記課題を解決するものは、両端に同心の一対の軸部を備え前記一対の軸部の間に中間部を一体に有する精密鋳造部品を保持して、回転軸などを接合する一方の軸部の接合用端面または凹部内を加工するための精密鋳造部品の加工用治具であって、前記精密鋳造部品の他方の軸部を保持すると共に、前記精密鋳造部品を前記一方の軸部側に向かって軸心に沿って押圧可能なセンター部材と、前記一方の軸部を貫通させる中空部と、前記精密鋳造部品の中間部の背面に軸心と直交するように設けられた基準面に当接する基準面当接面と、前記精密鋳造部品の中間部の外周に外方に向かって突出して設けられた凸部を配置可能であると共に内面にて係止可能な凸部配置用凹部とを有するリング部と、前記センター部材を収容し、かつ前記リング部を固定すると共に、前記精密鋳造部品を収容可能な精密鋳造部品収容用凹部を備えたホルダーとを有しホルダーとを有し、前記精密鋳造部品の中間部の外周に設けられた前記凸部は、等角度離隔して複数設けられ、前記リング部の前記凸部配置用凹部は、前記リン部の内面側において、前記精密鋳造部品の前記凸部に対応して前記中空部の周囲に等角度離隔して複数設けられ、前記精密鋳造部品の中間部に設けられた前記凸部は、前記リング部の前記凸部配置用凹部に配置された後、軸心を中心として回転されて前記リング部の前記凸部配置用凹部の内側面に当接され係止されることを特徴とする精密鋳造部品の加工用治具である(請求項1)。
前記精密鋳造部品の前記基準面は、軸心を中心として設けられた環状凸部の環状端面にて構成され、前記リング部の前記基準面当接面は、前記リング部の内面に設けられた環状凹部の底面にて構成されていることが好ましい(請求項2)。前記センター部材は、前記ホルダーの前記精密鋳造部品収容用凹部の底面に連通する貫通孔内に収容されると共に、先端部に前記精密鋳造部品の他方の軸部の端部形状と噛合する保持用凹部を有していることが好ましい(請求項3)。前記ホルダーは、側壁部に前記精密鋳造部品を前記精密鋳造部品収容用凹部内に挿入するための精密鋳造部品挿入用開口部を有していることが好ましい(請求項4)。前記リング部は、前記ホルダーの開口部に締結部材により着脱可能に固定されていることが好ましい(請求項5)。前記リング部は、外面側に外方に向かって拡径する円錐状のテーパー面を有していることが好ましい(請求項6)。
請求項1または2に記載した精密鋳造品の加工用治具によれば、中間部の外周に径方向の凸部を有する精密鋳造品であっても、精密鋳造部品の軸心に対する同軸度を高度に維持した状態で保持でき、精密鋳造部品の軸部の接合用端面および凹部内を通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に加工することができる。
請求項3に記載した精密鋳造部品の加工用治具によれば、精密鋳造部品の他方の軸部とセンター部材とが保持用凹部で噛合することにより、同軸度がより高度に維持されて、接合用端面および凹部をより品質良くかつ能率的に加工することができる。
請求項4に記載した精密鋳造部品の加工用治具によれば、精密鋳造部品をホルダーの側壁部に設けられた精密鋳造部品挿入用開口部から挿入できることで、各部材を取り外すことなく、容易に精密鋳造部品をホルダーの精密鋳造部品収容用凹部内に装着できる。また、背盤部の径より羽根部の径が大きい精密鋳造部品でも精密鋳造部品収容用凹部内に装着できる。
請求項5に記載した精密鋳造部品の加工用治具によれば、リング部がホルダーの精密鋳造部品収容用凹部の開口部にボルトなどの締結部材により着脱可能に固定されるため、精密鋳造部品をその軸心が中間部の基準面と直角に交差した姿勢でかつセンター部材とリング部により軸心方向に沿って挟まれた状態でホルダー内に収容することができ、一方の軸部の接合用端面を中間部の基準面と平行な平坦面に一層容易に加工することができる。
請求項6に記載した精密鋳造部品の加工用治具によれば、リング部が外方に向かって拡径する円錐状のテーパー面を有しているため、テーパー面によって切削用のバイトなどをリング部により接触させることなく、一方の軸部の接合用端面に当てて切削したり、研磨する加工を一層容易に行うことができる。
本発明の精密鋳造部品の加工用治具の一実施例の使用状態を説明するための縦断面拡大図である。 本発明の精密鋳造部品の加工用治具により保持される精密鋳造部品の一実施例の背面拡大図である。 図2の右側図である。 図2のA-A線断面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具の作用を説明するための縦断面拡大図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具のホルダーを説明するための説明図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具のセンター部材を説明するための説明図であり、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は背面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具におけるリング部の正面拡大図である。 図8の右側面図である。 図8の背面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具におけるリング部に精密鋳造部品を配した状態の背面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具におけるリング部の作用を説明するための背面図である。 図1に示した精密鋳造部品の加工用治具を旋盤に固定した状態を示す概略図である。 従来の精密鋳造部品の加工用治具により保持される精密鋳造部品の縦断面図である。 従来の精密鋳造部品の加工用治具の使用状態を説明するための縦断面図である。
本発明は、精密鋳造部品50の他方の軸部53を保持すると共に、精密鋳造部品50を一方の軸部51側に向かって軸心に沿って押圧可能なセンター部材10と、一方の軸部51を貫通させる中空部22と、精密鋳造部品50の中間部56の背面59に軸心と直交するように設けられた基準面57に当接する基準面当接面21と、精密鋳造部品50の中間部56の外周に外方に向かって突出して設けられた凸部52を配置可能であると共に内面23aにて係止可能な凸部配置用凹部23とを有するリング部20と、センター部材10を収容し、かつリング部20を固定すると共に、精密鋳造部品50を収容可能な精密鋳造部品収容用凹部41を備えたホルダー40とを有することで、中間部56の外周に凸部52が存在する精密鋳造品であっても、精密鋳造部品50の軸心に対する同軸度を高度に維持した状態で保持でき、精密鋳造部品50の軸部51の接合用端面54および凹部54a内を通常の旋盤などで品質良くかつ能率的に加工することができる精密鋳造部品の加工用治具を実現した。
本発明の精密鋳造部品の加工用治具を図1ないし図13に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の精密鋳造部品の加工用治具1は、図1に示すように、両端に同心の一対の軸部51,53を備え一対の軸部51,53の間に中間部56を一体に有する精密鋳造部品50を保持して、回転軸などを接合する一方の軸部51の接合用端面54または凹部54a内を加工するための精密鋳造部品の加工用治具であって、精密鋳造部品50の他方の軸部53を保持すると共に、精密鋳造部品50を一方の軸部51側に向かって軸心に沿って押圧可能なセンター部材10と、一方の軸部51を貫通させる中空部22と、精密鋳造部品50の中間部56の背面59に軸心と直交するように設けられた基準面57に当接する基準面当接面21と、精密鋳造部品50の中間部56の外周に外方に向かって突出して設けられた凸部52を配置可能であると共に内面23aにて係止可能な凸部配置用凹部23とを有するリング部20と、センター部材10を収容し、かつリング部20を固定すると共に、精密鋳造部品50を収容可能な精密鋳造部品収容用凹部41を備えたホルダー40とを有している。以下、各構成について詳述する。
この実施例の精密鋳造部品の加工用治具1は、図2に示したように、中間部56の外周に凸部52を有する精密鋳造品50であって、精密鋳造部品50の背面59に設けられた基準面57と平行になるような姿勢で常に接合用端面54を切削および研磨できることに加え、軸心に対する同軸度を高度に維持した姿勢で精密鋳造部品50を保持すべく着想されたものである。
精密鋳造部品50は、図2ないし図4に示すように、両端に同心である一対の軸部51,53と、これらの間に位置する中間部56とを一体に有している。図3中、左側に示す一方の軸部51は、図示しない回転軸に接合される鋳肌の接合用端面54を有しており、この接合用端面54の中心部には、凹部54aが鋳造において同時に形成されている。また、図3中、右側に示された他方の軸部53は、鋳造時において湯口に接続していた端面61を有すると共に、右側に向かって若干縮径するように設けられたテーパー部63を有している。さらに、精密鋳造部品50の中間部56の外周には10枚の羽根部60が等角度離隔して一体成形されており、中間部56の外周に外方に向かって突出する10個の凸部52を形成している。
精密鋳造部品50の中間部56の背面59には、一方の軸部51寄りに基準面(環状凸部62の環状端面)57を有しており、この基準面57は、一対の軸部51,53の軸心方向と直交している。このため、精密鋳造部品50を一方の軸部51の接合用端面54を介して図示しない回転軸に溶接などによって接合する前に、予め接合用端面54が基準面57と平行な平坦面になるように、切削や研磨する仕上げ加工が施される。
図13は、精密鋳造部品の加工用治具1を旋盤90にセットした状態を示す。すなわち、精密鋳造部品の加工用治具1は、旋盤90においてバイトを固定する往復台91を左右にスライドして支持するベッド92の一端に位置する主軸台93のスピンドルシャフト94に固定され、かつ回転可能に保持されて、精密鋳造部品50を加工することができるものである。
ホルダー40は、図5または図6に示すように、外形が円筒形であり内側に円柱形空間で、かつ外形とほぼ相似形の精密鋳造部品収容用凹部41を有する本体42と、精密鋳造部品収容用凹部41の底面43を形成する底壁44に連なる縮径部45と、縮径部45の端部から円盤状に突出したフランジ46とを有している。
図5または図6(A)に示すように、ホルダー40の本体42の開口部47側には、複数の雌ネジ孔48が形成されている。また、本体42の底壁44には比較的小径の通し孔49が開口し、縮径部45の中心部には通し孔49と同心で、かつこれを介して精密鋳造部品収容用凹部41と一端が連通する比較的大径の貫通孔70が形成されている。さらに、ホルダー40の本体42は、図4(B)に示すように、側壁部に精密鋳造部品50を精密鋳造部品収容用凹部41内に挿入するための一対の精密鋳造部品挿入用開口部72を対称的位置に有している。
貫通孔70は、図5または図6(C)に示すように、本体42や精密鋳造部品収容用凹部41と同心で、かつその他端に浅い凹み46aを有するフランジ46の中心部に開口しており、フランジ46には複数の通し孔71が形成されている。以上のようなホルダー40は、例えば鋳鋼の精密鋳造または鋼塊の切削加工により一体に形成される。
リング部20は、図8ないし図10に示すように、円盤状で、中心部に貫通して設けられた中空部22と、外方に向かって拡径する円錐状のテーパー面27と、精密鋳造部品50の一方の軸部51の基準面57に当接する基準面当接面21と、精密鋳造部品50の中間部56の外周に外方に向かって突出して設けられた凸部52を配置可能であると共にそれらの内面23aにて係止可能な凸部配置用凹部23と、フランジ部24とを有している。
ホルダー40内に精密鋳造部品50が装着されると、中空部22内からは、図1に示すように、精密鋳造部品50の一方の軸部51の接合用端面54および凹部54aが露呈するように構成されている。また、外方に向かって拡径する円錐状のテーパー面27が設けられることにより、切削用のバイトなどをリング部20に接触させることなく、一方の軸部51の接合用端面54に当てて切削したり研磨する加工を一層容易に行うことができるよう構成されている。さらに、基準面当接面21は、図5または図10に示すように、環状凹部26の底面にて形成されており、この基準面当接面21が精密鋳造部品50の一方の軸部51の基準面57に当接することで精密鋳造部品50をホルダー40の開口部47側から保持するように構成されている。
凸部配置用凹部23は、図11に示すように、リング部20の内面側に設けられ、精密鋳造部品50の中間部56の外周において外方に向かって突出して設けられた凸部52を配置可能であると共に内面23aにて係止可能とするものである。
そして、この実施例の精密鋳造部品の加工用治具1では、中間部56に凸部52を有した精密鋳造部品50を、図11に示すように、リング部20の内面側から凸部配置用凹部23内に配置した後、図12に示すように、軸心を中心として回転させて凸部配置用凹部23の内面23a(この実施例では内側面)に凸部52を当接させて係止させることにより、精密鋳造部品50の中間部56が保持されるように構成されている。これにより、中間部56の外周に凹凸が存在する精密鋳造品であっても保持することができ、精密鋳造部品の中間部を保持する弾性部材も不要となって部品点数をより減らして保持することができる。
なお、この実施例のリング部20における凸部配置用凹部23は、精密鋳造部品50の凸部52に対応して、中空部2の周囲に等角度離隔して10個設けられているがこれに限定されるものではなく、精密鋳造部品0の凸部を配置可能なものであれば個数は何個でもよく、また形状もどのような形状でもよい。
フランジ部24には、図5または図8に示すように複数(この実施例では8個)の通し孔25が形成されており、これらにボルトを螺合させてリング部20をホルダー40に固定するように構成されている。以上のようなリング部20は、例えば鋳鋼の精密鋳造または鋼片を切削加工して形成されている。
センター部材10は、精密鋳造部品50の他方の軸部53を保持すると共に、精密鋳造部品50を一方の軸部51側に向かって軸心に沿って押圧するためのものであり、図5または図7に示すように、円柱形の軸部11と、先端部に設けられ精密鋳造部品50の他方の軸部53の端部形状(図1中、右側に向かって若干縮径するように設けられたテーパー部63)と噛合するテーパー部12a(図5中、右側に向かって若干縮径するように設けられたテーパー部)を内側面に備えた保持用凹部12と、軸部11の後端から外側に放射方向に延びるフランジ13とを有し、フランジ13は、その内側に位置するほぼ円形溝の収納部14と、太径部15とを有している。
図1または図5に示すように、センター部材10の軸部11および後端側のフランジ13は、ホルダー40の縮径部45内の貫通孔70内にスライド可能に収容され、軸部11の先端側は小径の通し孔49にスライド可能に収容されている。貫通孔70内において、センター部材10の軸部11の周囲には、コイルバネ(バネ)16が巻き付けられ、かつホルダー40の底壁44と収納部14との間に介在している。
センター部材10は、ドローバーSを介して、その軸方向に沿って図1で左側にスライド可能とされると共に、その軸部11に巻き付けたコイルバネ16により、図5に示すように、右側に復帰するように付勢されている。
つぎに、精密鋳造部品の加工用治具1の使用方法を説明する。
図13は、旋盤90のスピンドルシャフト94に精密鋳造部品の加工用治具1を固定すると共に、ホルダー40の精密鋳造部品収容用凹部41内に精密鋳造部品50(図示しない)を収容した状態を示す。すなわち、精密鋳造部品の加工用治具1は、図13に示すように、ホルダー40のフランジ46を、旋盤90のスピンドルシャフト94の左側面に嵌合させ、スピンドルシャフト94のネジ孔(図示しない)にフランジ46の通し孔52を貫通したボルト(図示しない)を締結することによりスピンドルシャフト94に固定され、かつスピンドルシャフト94と共に回転可能に支持されている。なお、センター部材10の太径部15側およびドローバーSは、図1または図5に示すように、左右方向にスライド可能となっている。
ホルダー40の開口部47側には、リング部20が複数のボルトを通し孔25にネジ込むことにより予め固定されている(図5の状態)。そして、精密鋳造部品50を、ホルダー40の精密鋳造部品収容用凹部41内に精密鋳造部品挿入用開口部72から挿入して、中間部56の凸部52を、図11に示すように、リング部20の内面側から凸部配置用凹部23内に配置した後、図12に示すように、軸心を中心として回転させて凸部配置用凹部23の内面23aに凸部52を当接させて係止させる。つぎに、センター部材10が、ドローバーSによって、図1に示すように左側へスライドされ、精密鋳造部品50における他方の軸部53の先端部は、センター部材10の保持用凹部12と噛合して保持される。この際、コイルバネ16は、図1に示すように圧縮されている。
上記の状態でホルダー40内への精密鋳造部品50の装着は完了するが、この状態では、精密鋳造品の加工用治具1は、図1に示すように、精密鋳造部品50の他方の軸部53をセンター部材10によって一方の軸部51側へ軸心に沿って押圧しながら保持し、中間部56の基準面57をリング部20の基準面当接面21にて保持し、さらに、中間部56の凸部52を凸部配置用凹部23の内面23aにて係止させて保持しており、前後および側部から、精密鋳造部品50を強固に保持している。
そして、精密鋳造部品50の一方の軸部51はその接合用端面54および凹部54aがリング部20の中空部22を貫通して外部に突出し、精密鋳造部品50は一対の軸部51,53の軸心方向と基準面57とが直角に交差した姿勢でセンター部材10とリング部20に挟まれ、さらに、中間部56の凸部52が凸部配置用凹部23の内面23aにて係止されて保持されている。このため、精密鋳造品の加工用治具1を例えば旋盤90のスピンドルシャフト94に固定して回転させて精密鋳造部品50の接合用端面54や凹部54aをバイト(図示しない)により切削したり、研磨工具により研磨しても、精密鋳造部品50の軸心に対する同軸度が高度に維持されているため、接合用端面54および凹部54aを品質良くかつ能率的に加工することができる。加工後の精密鋳造部品50は、ドローバーSを後退させ、コイルバネ16のバネ圧によりセンター部材10を元の位置(図5の位置)に復帰させた後、精密鋳造部品挿入用開口部43から外部に取り出すことができる。
なお、本発明の精密鋳造部品の加工用治具は、上述した形態に限定されるものではなく、例えば、ホルダーはリング部とが一体的に構成され、センター部材を収容可能で、かつ内部に精密鋳造部品収容用凹部を有するものであれば上記形態に限定されない。また、センター部材の軸部は、四角柱や六角柱などの多角柱でもよく、ホルダーの貫通孔内に介在されるバネも、コイルバネに限定されず、板バネや密封された圧力流体などを用いてもよい、さらに、本発明の加工治具の対象となる精密鋳造部品は、上記ターボチャージャーのインペラー部分となる羽根部を有する形態に限らず、両端に一対の軸部を有し、これらの間に適宜形状を付され、かつ前記基準面および凸部を含む中間部を有する形態であれば特に限定されない。
1 精密鋳造部品の加工用治具
10 センター部材
11 軸部
12 保持用凹部
13 フランジ
14 収納用凹部
15 太径部
20 リング部
21 基準面当接面
22 中空部
23 凸部配置用凹部
23a 内面
24 フランジ部
25 通し孔
26 環状凹部
27 テーパー面
40 ホルダー
41 精密鋳造部品収容用凹部
42 本体
43 底面
44 底壁
45 縮径部
46 フランジ
47 開口部
48 雌ネジ孔
49 通し孔
50 精密鋳造部品
51 一方の軸部
52 凸部
53 他方の軸部
54 接合用端面
54a 凹部
56 中間部
57 基準面
59 背面
60 羽根部
61 端面
62 環状凸部
63 テーパー部
70 貫通孔
71 通し孔
72 精密鋳造部品挿入用開口部
90 旋盤
91 往復台
92 ベッド
93 主軸台
94 スピンドルシャフト

Claims (6)

  1. 両端に同心の一対の軸部を備え前記一対の軸部の間に中間部を一体に有する精密鋳造部品を保持して、回転軸などを接合する一方の軸部の接合用端面または凹部内を加工するための精密鋳造部品の加工用治具であって、
    前記精密鋳造部品の他方の軸部を保持すると共に、前記精密鋳造部品を前記一方の軸部側に向かって軸心に沿って押圧可能なセンター部材と、
    前記一方の軸部を貫通させる中空部と、前記精密鋳造部品の中間部の背面に軸心と直交するように設けられた基準面に当接する基準面当接面と、前記精密鋳造部品の中間部の外周に外方に向かって突出して設けられた凸部を配置可能であると共に内面にて係止可能な凸部配置用凹部とを有するリング部と、
    前記センター部材を収容し、かつ前記リング部を固定すると共に、前記精密鋳造部品を収容可能な精密鋳造部品収容用凹部を備えたホルダーとを有し、
    前記精密鋳造部品の中間部の外周に設けられた前記凸部は、等角度離隔して複数設けられ、前記リング部の前記凸部配置用凹部は、前記リン部の内面側において、前記精密鋳造部品の前記凸部に対応して前記中空部の周囲に等角度離隔して複数設けられ、
    前記精密鋳造部品の中間部に設けられた前記凸部は、前記リング部の前記凸部配置用凹部に配置された後、軸心を中心として回転されて前記リング部の前記凸部配置用凹部の内側面に当接され係止されることを特徴とする精密鋳造部品の加工用治具。
  2. 前記精密鋳造部品の前記基準面は、軸心を中心として設けられた環状凸部の環状端面にて構成され、前記リング部の前記基準面当接面は、前記リング部の内面に設けられた環状凹部の底面にて構成されている請求項1に記載の精密鋳造部品の加工用治具。
  3. 前記センター部材は、前記ホルダーの前記精密鋳造部品収容用凹部の底面に連通する貫通孔内に弾性部材を介して収容されると共に、先端部に前記精密鋳造部品の他方の軸部の端部形状と噛合する保持用凹部を有している請求項1または2に記載の精密鋳造部品の加工用治具。
  4. 前記ホルダーは、側壁部に前記精密鋳造部品を前記精密鋳造部品収容用凹部内に挿入するための精密鋳造部品挿入用開口部を有している請求項1ないし3のいずれかに記載の精密鋳造部品の加工用治具。
  5. 前記リング部は、前記ホルダーの開口部に締結部材により着脱可能に固定されている請求項1ないし4のいずれかに記載の精密鋳造部品の加工用治具。
  6. 前記リング部は、外方に向かって拡径する円錐状のテーパー面を有している請求項1ないし5のいずれかに記載の精密鋳造部品の加工用治具。
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