JP7135814B2

JP7135814B2 - ローラユニット

Info

Publication number: JP7135814B2
Application number: JP2018230681A
Authority: JP
Inventors: 昭紀鈴木
Original assignee: Aisin Seiki Co Ltd; Aisin Corp
Current assignee: Aisin Corp
Priority date: 2018-12-10
Filing date: 2018-12-10
Publication date: 2022-09-13
Anticipated expiration: 2038-12-10
Also published as: CN111284311A; CN111284311B; US11225820B2; JP2020094330A; US20200181968A1

Description

本発明は、ローラユニットに関する。

特許文献１には、車体の側部に形成した開口部を開閉するスライドドアと、車体の側部で前後方向に延びるガイドレールと、スライドドアを支持した状態でガイドレールに沿って移動するローラ装置と、ローラ装置をガイドレールに沿って牽引することで、スライドドアを開閉させるパワースライドドア装置と、を備える車両が記載されている。ローラ装置は、スライドドアに取り付けられるブラケットと、ブラケットから突出するピンと、を有する。ローラ装置のピンには、パワースライドドア装置から延びるケーブルの端部に設けられたケーブルエンドが装着される。

特開２０１７－１６６２４７号公報

上記のようなローラ装置において、ピンの先端には、抜け止め突起が設けられ、ケーブルエンドには、ピンとの位置関係が特定の位置関係となる場合に限り、抜け止め突起を通過させる挿通孔が設けられる。つまり、ピンにケーブルエンドを装着する作業時には、ピンの軸方向から見て、ピンの抜け止め突起とケーブルエンドの挿通孔とが重なる配置とされる。一方、パワースライドドア装置がケーブルを牽引する作動時には、ピンの軸方向から見て、ピンの抜け止め突起とケーブルエンドの挿通孔が重ならない配置とされる。

また、作業時及び作動時のピンとケーブルエンドとの位置関係は、ピンに対してケーブルエンドをピンの軸線回りに略９０度回転させることで相互に切り替わる。このため、上記のようなローラ装置では、ピンにケーブルエンドを装着する際に、ケーブルエンドを略９０度回転させる作業が発生する点で、ケーブルの長さをスライドドアの開閉作動に必要とされるケーブルの長さよりも長くする必要が生じる。言い換えれば、ケーブルエンドをローラ装置に装着する作業のために、ケーブルに比較的長めの作業用ストロークを設定する必要が生じる。

本発明の課題は、ケーブルエンドを装着する作業時に必要とされるケーブルの作業用ストロークを小さくできるローラユニットを提供することである。

以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するローラユニットは、ドアアクチュエータが牽引するケーブルのケーブルエンドが装着され、車体に設けられたガイドレールに沿ってスライドドアとともに移動するローラユニットであって、前記スライドドアに連結される連結部と、前記連結部に支持され、前記ガイドレールに沿って移動するガイドローラと、前記連結部に固定され、軸孔が形成された前記ケーブルエンドが挿入されるガイドピンと、前記ケーブルエンドを、前記ガイドピンの先端部に挿入された状態に留める留め具と、を備え、前記ガイドピンの先端部には、前記ガイドピンの軸線に向かって凹部が形成され、前記ガイドピンの先端部の外径は、前記軸孔の内径よりも小さく、前記留め具は、前記ガイドピンの先端部に挿入された前記ケーブルエンドを前記ガイドピンの先端側から支持する支持部と、前記凹部に係合する突出部と、を有する。

上記構成によれば、ガイドピンの先端部にケーブルエンドを挿入した状態で、留め具の突出部がガイドピンの凹部に係合すると、ケーブルエンドが留め具の支持部に支持される。こうして、ローラユニットは、連結部に固定されたガイドピンにケーブルエンドを装着できる。また、ローラユニットは、ケーブルのケーブルエンドをガイドピンに挿入する際、ケーブルエンドをガイドピンの軸線回りに回転させる必要がない。このため、ローラユニットは、ケーブルの作業用ストロークを小さくできる。

上記ローラユニットにおいて、前記留め具は、前記ガイドピンと前記ケーブルエンドとの間に配置され、前記ガイドピンと前記ケーブルエンドとの相対回転を許容する軸受部を有することが好ましい。

上記構成のローラユニットは、ガイドピンとケーブルエンドとが直接的に摺動することを抑制できる。
上記ローラユニットにおいて、前記留め具は、前記支持部とともに、前記ケーブルエンドを前記軸孔の軸方向に挟む押さえ部を有することが好ましい。

上記構成によれば、留め具は、支持部と押さえ部とでケーブルエンドを挟むことができるため、留め具をケーブルエンドに事前に取り付けることができる。このため、ローラユニットは、留め具を取り付けたケーブルエンドをガイドピンの先端部に挿入することで、ケーブルエンドをガイドピンに装着できる。

上記ローラユニットにおいて、前記凹部を第１凹部としたとき、前記ガイドピンには、前記第１凹部よりも基端寄りに、前記ガイドピンの軸線に向かって前記突出部が係合可能な第２凹部が形成されることが好ましい。

上記構成のローラユニットは、留め具を取り付けたケーブルエンドをガイドピンの先端部に挿入するときに、ケーブルエンドのガイドピンに対する挿入方向を逆向きとしても、ガイドピンの第２凹部に留め具の突出部を係合させることができる。このため、ローラユニットは、ケーブルエンドのガイドピンに対する挿入方向を逆向きとしたときに、ケーブルエンドが装着できない事態を回避できる。

上記ローラユニットにおいて、前記凹部は、前記ガイドピンの周方向に亘って形成される周溝であることが好ましい。
上記構成のローラユニットは、ガイドピンの凹部（周溝）に留め具の突出部を係合させる際に、ガイドピンの軸線回りにおいて、ガイドピンの凹部と留め具の突出部とを位置合わせしなくてもよくなる。このため、ローラユニットは、ガイドピンの凹部に留め具の突出部を係合させるのに要する作業者の手間を軽減できる。

上記ローラユニットにおいて、前記ガイドピンは、軸方向において、前記凹部よりも基端寄りの位置に、前記ケーブルエンドに接触することで前記ケーブルエンドの動きを規制する規制壁を有することが好ましい。

上記構成によれば、ケーブルエンドがガイドピンの基端部に向かって動く場合、ケーブルエンドは、規制壁に接触することで移動が制限される。言い換えれば、ケーブルエンドがガイドピンの基端部に向かって動く場合、ケーブルが規制壁に接触しない。このため、ローラユニットは、ケーブルがローラユニットの構成部品に接触することを抑制できる。

上記ローラユニットにおいて、前記ガイドピンは、先端部よりも基端寄りの位置で前記ガイドローラを支持することが好ましい。
上記構成によれば、ガイドピンは、ケーブルエンドが装着される部位であり、ガイドローラを支持する部位となる。このため、ローラユニットは、ガイドピンに加え、ガイドローラを支持する部位を別途に設ける場合に比較して、構成部材の部品点数を削減できる。

上記構成のローラユニットは、ケーブルエンドを装着する作業時に必要とされるケーブルの作業用ストロークを小さくできる。

一実施形態に係る車両の側面図。センターローラユニットとドアアクチュエータとの概略構成を示す平面図。センターレールとセンターローラユニットとの正面図。センターローラユニットの斜視図。センターローラユニットの分解斜視図。センターローラユニットの分解斜視図。（ａ）～（ｃ）は、センターローラユニットにケーブルエンドを装着させるときの作用を説明する端面図。ケーブルエンドが装着されたセンターローラユニットの下面図。変更例に係るセンターローラユニットの端面図。

以下、ローラユニットを備える車両の一実施形態について説明する。
図１に示すように、車両１０は、ドア開口部１１が側部に設けられた車体１２と、ドア開口部１１を開閉するスライドドア１３と、車体１２の側部で車両前後方向に延びるアッパレール２１、センターレール２２及びロアレール２３と、を備える。また、車両１０は、スライドドア１３とともに車体１２に対して車両前後方向に移動するアッパローラユニット３１、センターローラユニット３２及びロアローラユニット３３と、スライドドア１３を駆動するドアアクチュエータ４０と、を備える。

スライドドア１３は、ドア開口部１１を閉じる全閉位置と、ドア開口部１１を開放する全開位置と、の間で開閉動作する。利用者が車両１０に乗降する場合には、スライドドア１３は全開位置に移動される。

アッパレール２１、センターレール２２及びロアレール２３は、車体１２の外側に配置される。アッパレール２１は、ドア開口部１１の上部に配置され、センターレール２２は、ドア開口部１１の後部に配置され、ロアレール２３は、ドア開口部１１の下部に配置される。センターレール２２は、車両上下方向において、アッパレール２１及びロアレール２３の間に配置される。図示は省略するが、アッパレール２１、センターレール２２及びロアレール２３は、車両前方に延びた後に、車両前方に進むに連れて車両幅方向における内方に向かうように湾曲する。

アッパローラユニット３１は、スライドドア１３の上端部を支持した状態でアッパレール２１に沿って移動する。センターローラユニット３２は、スライドドア１３の後端部を支持した状態でセンターレール２２に沿って移動する。ロアローラユニット３３は、スライドドア１３の下端部を支持した状態でロアレール２３に沿って移動する。アッパローラユニット３１、センターローラユニット３２及びロアローラユニット３３の各々が、車両前方に移動すると、スライドドア１３がドア開口部１１を閉じる方向に閉動作する。一方、アッパローラユニット３１、センターローラユニット３２及びロアローラユニット３３の各々が、車両後方に移動すると、スライドドア１３がドア開口部１１を開く方向に開動作する。

図２に示すように、ドアアクチュエータ４０は、センターレール２２と対応する位置であって、車体１２の内側に配置される。ドアアクチュエータ４０は、アクチュエータ本体４１と、アクチュエータ本体４１から車両前方及び車両後方に延びるケーブル４２と、ケーブル４２を保護する第１ガイドチューブ４３及び第２ガイドチューブ４４と、ケーブル４２が巻き掛けられる第１プーリ４５及び第２プーリ４６と、を有する。なお、図２では、全開位置に位置するスライドドア１３を実線で示し、全閉位置に位置するスライドドア１３を二点鎖線で示している。

アクチュエータ本体４１は、例えば、ケーブル４２が巻き掛けられたドラムと、ドラムを軸線回りに駆動するモータと、を含んで構成される。ケーブル４２は、アクチュエータ本体４１の動力をセンターローラユニット３２に伝達する動力伝達部材である。図３に示すように、ケーブル４２の両端部には、センターローラユニット３２に装着される部位となるケーブルエンド４７が設けられる。ケーブルエンド４７は、略円柱状をなし、ケーブルエンド４７には、断面形状が円形の軸孔４７１（図５参照）が形成される。図２に示すように、第１ガイドチューブ４３は、アクチュエータ本体４１から車両前方に延び、第２ガイドチューブ４４は、アクチュエータ本体４１から車両後方に延びる。第１プーリ４５は、センターレール２２の前端付近に配置され、第２プーリ４６は、センターレール２２の後端付近に配置される。

アクチュエータ本体４１から車両前方に延びるケーブル４２は、第１ガイドチューブ４３の内部を通った後、第１プーリ４５に巻き掛けられる。第１プーリ４５に巻き掛けられたケーブル４２は、センターレール２２に沿って車両後方に延びた後、ケーブルエンド４７を介してセンターローラユニット３２に接続される。一方、アクチュエータ本体４１から車両後方に延びるケーブル４２は、第２ガイドチューブ４４の内部を通った後、第２プーリ４６に巻き掛けられる。第２プーリ４６に巻き掛けられたケーブル４２は、センターレール２２に沿って車両前方に延びた後、ケーブルエンド４７を介してセンターローラユニット３２に接続される。

そして、ドアアクチュエータ４０は、アクチュエータ本体４１から車両前方に延びるケーブル４２を牽引する一方、アクチュエータ本体４１から車両後方に延びるケーブル４２を繰り出すことで、センターローラユニット３２をセンターレール２２に沿って車両前方に移動させる。つまり、ドアアクチュエータ４０は、スライドドア１３を閉動作させる。一方、ドアアクチュエータ４０は、アクチュエータ本体４１から車両前方に延びるケーブル４２を繰り出す一方、アクチュエータ本体４１から車両後方に延びるケーブル４２を牽引することで、センターローラユニット３２をセンターレール２２に沿って車両後方に移動させる。つまり、ドアアクチュエータ４０は、スライドドア１３を開動作させる。こうして、本実施形態では、電動で開閉動作する、いわゆるパワースライドドアが構成される。

次に、センターレール２２について詳しく説明する。本実施形態において、センターレール２２は、「ガイドレール」の一例に相当する。
図３に示すように、センターレール２２は、車両上下方向と交差する上壁２２１及び底壁２２２と、車両幅方向と交差する第１側壁２２３及び第２側壁２２４と、を有する。上壁２２１は、第１側壁２２３及び第２側壁２２４の上端同士を連結し、下壁は、第２側壁２２４の下端から車両幅方向における内方に延びる。このため、センターレール２２の長手方向と直交する断面形状は、車両幅方向における内方に開口する略Ｃ字状の断面形状となる。

次に、センターローラユニット３２について詳しく説明する。本実施形態において、センターローラユニット３２は、「ローラユニット」の一例に相当する。以降の説明では、センターローラユニット３２を単に「ローラユニット３２」とも言う。

図３及び図４に示すように、ローラユニット３２は、スライドドア１３に連結されるブラケット５１と、ブラケット５１と回動可能に連結される回動アーム５２と、を有する。また、ローラユニット３２は、ブラケット５１と回動アーム５２とを連結する連結ピン５３と、ブラケット５１に対して回動アーム５２を相対的に付勢するスプリング５４と、センターレール２２に接した状態で転がるロードローラ機構５５及びガイドローラ機構６０と、を有する。本実施形態では、ブラケット５１と回動アーム５２とを含んで「連結部」の一例が構成される。

図３及び図４に示すように、回動アーム５２は、基端部に連結ピン５３が通る第１壁部５２１と、第１壁部５２１の先端から第１壁部５２１と屈曲する方向に延びる第２壁部５２２と、第２壁部５２２の上端から第２壁部５２２と屈曲する方向に延びる第３壁部５２３と、を有する。

図５及び図６に示すように、第１壁部５２１及び第３壁部５２３は車両上下方向と交差する方向に延び、第２壁部５２２は車両上下方向に延びる。第３壁部５２３は、ローラユニット３２の移動方向に間隔をあけて２つ形成される。第２壁部５２２の上端中央部には、ロードローラ機構５５を支持するための支持孔５２４が板厚方向に貫通形成される。第３壁部５２３には、ガイドローラ機構６０を支持するための支持孔５２５が板厚方向に貫通形成される。

図３及び図４に示すように、連結ピン５３は、車両上下方向が軸方向となるように、ブラケット５１と回動アーム５２とを連結する。こうして、ブラケット５１と回動アーム５２と連結ピン５３とで、いわゆるヒンジ構造が構成される。スプリング５４は、いわゆるねじりコイルばねである。スプリング５４は、ブラケット５１と回動アーム５２との間をなす角度が大きくなる方向に、ブラケット５１と回動アーム５２とを付勢する。

図５及び図６に示すように、ロードローラ機構５５は、スライドドア１３の自重を支えるロードローラ５５１と、ロードローラ５５１を回転可能に支持する支持ピン５５２と、を有する。ロードローラ５５１は、ローラユニット３２をセンターレール２２に組み込んだ状態において、センターレール２２の底壁２２２に接した状態となる。つまり、ロードローラ５５１は、スライドドア１３が開閉動作する際に、センターレール２２の底壁２２２に接した状態で回転する。

図５及び図６に示すように、ガイドローラ機構６０は、回動アーム５２の第３壁部５２３に対応して、２つ設けられる。ガイドローラ機構６０は、センターレール２２に沿って移動するガイドローラ６１と、ガイドローラ６１を回転可能に支持するガイドピン６２と、ガイドローラ６１を位置決めするスペーサ６３と、ケーブルエンド４７をガイドピン６２に留める留め具６４と、を有する。

ガイドピン６２は、軸線に沿って分離する第１ガイドピン６２１及び第２ガイドピン６２２を含んで構成される。第１ガイドピン６２１は、円柱状をなす第１軸部６２３と、第１軸部６２３の軸方向における基端部で軸線と交差する方向に延びる第１フランジ６２４と、を有する。第１ガイドピン６２１の第１軸部６２３には、雌ねじ部が形成される。一方、第２ガイドピン６２２には、円柱状をなす第２軸部６２５と、第２軸部６２５の軸方向における中央部で軸線と交差する方向に延びる第２フランジ６２６と、を有する。第２ガイドピン６２２の第２軸部６２５の基端部には、雄ねじ部が形成される。そして、ガイドピン６２は、第１ガイドピン６２１の雌ねじ部に第２ガイドピン６２２の雄ねじ部をねじ込むことで一体化する。

第１ガイドピン６２１の第１フランジ６２４は、第１ガイドピン６２１の第１軸部６２３に挿入されたガイドローラ６１に軸方向から接触することで、ガイドローラ６１の動きを規制する。一方、第２ガイドピン６２２の第２フランジ６２６は、第２ガイドピン６２２の第２軸部６２５に挿入されたケーブルエンド４７に接触することで、ケーブルエンド４７の動きを規制する「規制壁」の一例である。

第２ガイドピン６２２において、第２フランジ６２６よりも基端部の外径は、回動アーム５２の第３壁部５２３の支持孔５２５の内径と略等しく、第２フランジ６２６よりも先端部の外径は、ケーブルエンド４７の軸孔４７１の内径よりも小さい。また、第２ガイドピン６２２の先端部には、軸線に向かって周溝６２７が凹み形成される。周溝６２７は、第２ガイドピン６２２の先端部の周方向に亘って形成される。本実施形態において、周溝６２７は、「凹部」の一例に相当する。

図３に示すように、ガイドローラ６１は、ローラユニット３２をセンターレール２２に組み込んだ状態で、センターレール２２の第１側壁２２３及び第２側壁２２４の一方の側壁に接した状態となる。つまり、ガイドローラ６１は、スライドドア１３が開閉動作する際に、センターレール２２の第１側壁２２３及び第２側壁２２４の一方の側壁に接した状態で回転する。

留め具６４は、適度な弾性率を有する樹脂材料又は金属材料により形成することが好ましい。図５及び図６に示すように、留め具６４は、環状をなす支持部６４１と、支持部６４１の内端から軸線に沿って延びる軸受部６４２と、軸受部６４２の先端から軸線と交差する方向に延びる押さえ部６４３と、支持部６４１の内端から軸線に向かって突出する突出部６４４と、を有する。

支持部６４１は、平板状をなし、支持部６４１の外径は、ケーブルエンド４７の軸孔４７１の内径よりも大きい。軸受部６４２は、ガイドピン６２とケーブルエンド４７との間に配置され、ガイドピン６２とケーブルエンド４７とを円滑に相対回転させる。軸受部６４２は、支持部６４１の周方向に間隔をおいて複数（本実施形態では３つ）の周壁からなる。その結果、軸受部６４２は、基端部に対して先端部が軸線に近付くように弾性変形可能となる。また、軸受部６４２の外径は、ケーブルエンド４７の軸孔４７１の内径よりも僅かに小さく、軸受部６４２の内径は、ローラユニット３２のガイドピン６２の先端部の外径よりも僅かに大きい。押さえ部６４３は、爪状をなし、軸受部６４２の先端から軸受部６４２と交差する方向に延びる。軸方向において、支持部６４１と押さえ部６４３との間隔は、ケーブルエンド４７の厚さと略等しい。突出部６４４は、軸受部６４２を構成する周壁に対応するように、周方向に間隔をおいて複数形成される。突出部６４４の内端同士を周方向に接続することで形成できる仮想円を考えると、当該仮想円の内径は、ガイドピン６２の第２軸部６２５の外径よりも小さく、ガイドピン６２の周溝６２７が形成される部分の外径よりも大きい。

そして、ガイドローラ６１とスペーサ６３とに挿入した第１ガイドピン６２１に、回動アーム５２の第３壁部５２３の支持孔５２５に鉛直下方から挿入した第２ガイドピン６２２をねじ込むことで、ガイドピン６２が回動アーム５２に固定される。また、同状態では、ガイドピン６２が先端部よりも基端寄りの位置でガイドローラ６１を回転可能に支持した状態となる。

本実施形態の作用について説明する。
図２に示すように、スライドドア１３を車体１２に組み付ける場合には、まず、車体１２にセンターレール２２及びドアアクチュエータ４０を組み付ける。その後、センターレール２２にローラユニット３２を組み込み、ローラユニット３２にドアアクチュエータ４０から延びるケーブル４２のケーブルエンド４７を装着する。最後に、ローラユニット３２のブラケット５１をスライドドア１３に連結する。ケーブルエンド４７が装着されることを除いて、アッパローラユニット３１及びロアローラユニット３３についても同様である。こうして、スライドドア１３がアッパローラユニット３１、ローラユニット３２（センターローラユニット３２）及びロアローラユニット３３を介して車体１２に支持される。

以下、図７（ａ），（ｂ），（ｃ）を参照して、ケーブルエンド４７をローラユニット３２に装着する手順について詳しく説明する。なお、図７（ａ），（ｂ），（ｃ）では、説明理解の容易のために、ガイドピン６２を一体物として図示している。

図７（ａ）に示すように、ローラユニット３２にケーブルエンド４７を取り付ける場合には、まず、ケーブルエンド４７の軸孔４７１に留め具６４を挿入する。すると、留め具６４の周壁が軸線に向かって弾性変形し、当該周壁がケーブルエンド４７の軸孔４７１の内部を進む。

図７（ｂ）に示すように、留め具６４の周壁の先端に形成された押さえ部６４３がケーブルエンド４７から飛び出ると、押さえ部６４３がケーブルエンド４７の軸孔４７１の端部に係止する。このとき、留め具６４の支持壁と押さえ部６４３とがケーブルエンド４７を軸方向に挟む。つまり、留め具６４がケーブルエンド４７に装着される。また、留め具６４がケーブルエンド４７に装着された状態では、留め具６４の軸受部６４２がケーブルエンド４７の軸孔４７１の内周面を周方向に部分的に覆う。

図７（ｃ）に示すように、ケーブルエンド４７に留め具６４を装着した後は、ケーブルエンド４７がローラユニット３２のガイドピン６２に挿入される。このとき、留め具６４の軸受部６４２の内径は、ガイドピン６２の先端部の外径よりも僅かに大きいため、第２プーリ４６に折り返されたケーブル４２のケーブルエンド４７をそのままの向きでガイドピン６２に挿入できる。

図７（ｃ）及び図８に示すように、留め具６４の突出部６４４がガイドピン６２の周溝６２７に係合すると、作業者がケーブルエンド４７から手を離しても、ケーブルエンド４７がローラユニット３２のガイドピン６２から脱落しなくなる。つまり、留め具６４の支持部６４１がケーブルエンド４７をガイドピン６２の先端側から支持することで、留め具６４が、ケーブルエンド４７をガイドピン６２に挿入された状態に留める。こうして、ドアアクチュエータ４０がケーブル４２を牽引することで、スライドドア１３を開閉作動できる状況となる。

本実施形態の効果について説明する。
（１）ガイドピン６２の先端部にケーブルエンド４７を挿入した状態で、留め具６４の突出部６４４がガイドピン６２の周溝６２７に係合すると、ケーブルエンド４７が留め具６４の支持部６４１に支持される。こうして、ローラユニット３２は、連結部に固定されたガイドピン６２にケーブルエンド４７を装着できる。また、ローラユニット３２は、ケーブル４２のケーブルエンド４７をガイドピン６２に挿入する際、ケーブルエンド４７をガイドピン６２の軸線回りに回転させる必要がない。このため、ローラユニット３２は、ドアアクチュエータ４０から延びるケーブル４２の作業用ストロークを小さくできる。その結果、ドアアクチュエータ４０のアクチュエータ本体４１に、作業用ストロークを無効化するための構成を設ける必要がなくなり、アクチュエータ本体４１の体格を小さくできる。

（２）留め具６４は、ガイドピン６２とケーブルエンド４７との間に配置される軸受部６４２を有する。このため、ローラユニット３２は、ガイドピン６２とケーブルエンド４７とが直接的に摺動することを抑制できる。例えば、ローラユニット３２は、ガイドピン６２とケーブルエンド４７との接触により、両者が摩耗する事態を回避できる。

（３）留め具６４は、支持部６４１とともに、ケーブルエンド４７を軸方向に挟む押さえ部６４３を有する。このため、留め具６４は、支持部６４１と押さえ部６４３とでケーブルエンド４７を挟むことで、留め具６４をケーブルエンド４７に事前に取り付けることができる。

（４）ガイドピン６２には、周方向に亘って周溝６２７が形成される。このため、作業者は、ガイドピン６２の周溝６２７に留め具６４の突出部６４４を係合させる際に、ガイドピン６２の軸線回りにおいて、ガイドピン６２の周溝６２７の周溝６２７と留め具６４の突出部６４４とを位置合わせしなくてもよくなる。このため、ローラユニット３２は、ガイドピン６２の凹部に留め具６４の突出部６４４を係合させるのに要する手間を軽減できる。

（５）ガイドピン６２は、軸方向において、周溝６２７よりも基端寄りの位置に、ケーブルエンド４７に接触することで、ケーブルエンド４７の動きを規制する第２フランジ６２６を有する。このため、車両走行時などに、ケーブルエンド４７がガイドピン６２の基端部に向かって動く場合、ケーブルエンド４７は、第２フランジ６２６に接触することで移動が制限される。言い換えれば、ケーブルエンド４７がガイドピン６２の基端部に向かって動く場合、ケーブル４２が第２フランジ６２６に接触しない。このため、ローラユニット３２は、ケーブル４２がローラユニット３２の構成部品に接触することに伴うケーブル４２の摩耗を抑制できる。

（６）ガイドピン６２は、ケーブルエンド４７が装着される部位であり、ガイドローラ６１を支持する部位となる。このため、ローラユニット３２は、ガイドピン６２に加え、ガイドローラ６１を支持する部位を別途に設ける場合に比較して、構成部材の部品点数を削減できる。

（７）ドアアクチュエータ４０のケーブル４２がローラユニット３２を牽引するときに、留め具６４に、ガイドピン６２の周溝６２７との係合を解除する方向に荷重が作用しにくい。このため、ケーブル４２がローラユニット３２を牽引する場合でも、留め具６４がガイドピン６２から抜けにくくなる。

本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図９に示すように、ローラユニット３２は、ガイドピン６２Ａを有するローラユニット３２Ａとしてもよい。周溝６２７を第１周溝６２７としたとき、ガイドピン６２Ａには、第１周溝６２７よりも基端寄りに、ガイドピン６２Ａの軸線に向かって突出部６４４が係合可能な第２周溝６２８が形成される。これによれば、ローラユニット３２Ａは、留め具６４を装着したケーブルエンド４７をガイドピン６２Ａの先端部に挿入するときに、ケーブルエンド４７のガイドピン６２Ａに対する挿入方向を逆向きとしても、ガイドピン６２の第２周溝６２８に留め具６４の突出部６４４を係合させることができる。その結果、ローラユニット３２Ａは、ケーブルエンド４７のガイドピン６２に対する挿入方向を逆向きとしたときに、ケーブルエンド４７がローラユニット３２に装着できない事態を回避できる。なお、この場合には、留め具６４の支持部６４１は、ケーブルエンド４７をガイドピン６２の基端側から支持することになる。

・留め具６４は、ケーブルエンド４７に装着不能としてもよい。例えば、留め具６４は、押さえ部６４３を有しなくてもよい。この場合、作業者は、ガイドピン６２にケーブルエンド４７を挿入した後に、留め具６４をガイドピン６２に挿入すればよい。

・留め具６４は、軸受部６４２を有しなくてもよい。この場合、ガイドピン６２に装着したケーブルエンド４７がガイドピン６２の軸方向と直交する方向に変位しないように、ガイドピン６２とケーブルエンド４７との間隔を調整することが好ましい。

・図９に示す変更例において、ガイドピン６２に第１周溝６２７を形成することなく、第２周溝６２８だけを形成してもよい。
・周溝６２７は、ガイドピン６２の周方向に間隔をおいて形成される凹部であってもよい。本実施形態のように、留め具６４の突出部６４４が３つ形成される場合、凹部も３つ以上形成することが好ましい。

・ローラユニット３２において、ガイドローラ６１を支持するガイドピン６２と、ケーブルエンド４７が装着されるガイドピン６２と、を別部材としてもよい。この場合、ケーブルエンド４７が装着されるガイドピン６２の軸方向は、車両上下方向でもよいし、車両幅方向でもよい。

・ガイドピン６２は、嵌め合いなどにより第１ガイドピン６２１及び第２ガイドピン６２２が一体化するように構成してもよいし、元から一体物として構成してもよい。
・留め具６４は、いわゆるスナップフィットでガイドピン６２に係合する構成であれば、他の形状であってもよい。

１０…車両、１１…ドア開口部、１２…車体、１３…スライドドア、２１…アッパレール、２２…ガイドレールの一例としてのセンターレール、２２１…上壁、２２２…底壁、２２３…第１側壁、２２４…第２側壁、２３…ロアレール、３１…アッパローラユニット、３２，３２Ａ…センターローラユニット（ローラユニット）、３３…ロアローラユニット、４０…ドアアクチュエータ、４１…アクチュエータ本体、４２…ケーブル、４３…第１ガイドチューブ、４４…第２ガイドチューブ、４５…第１プーリ、４６…第２プーリ、４７…ケーブルエンド、４７１…軸孔、５１…ブラケット、５２…回動アーム、５２１…第１壁部、５２２…第２壁部、５２３…第３壁部、５２４…支持孔、５２５…支持孔、５３…連結ピン、５４…スプリング、５５…ロードローラ機構、５５１…ロードローラ、５５２…支持ピン、６０…ガイドローラ機構、６１…ガイドローラ、６２，６２Ａ…ガイドピン、６２１…第１ガイドピン、６２２…第２ガイドピン、６２３…第１軸部、６２４…第１フランジ、６２５…第２軸部、６２６…第２フランジ、６２７…凹部及び第１凹部の一例としての周溝（第１周溝）、６２８…凹部及び第２凹部の一例としての第２周溝、６３…スペーサ、６４…留め具、６４１…支持部、６４２…軸受部、６４３…押さえ部、６４４…突出部。

Claims

ドアアクチュエータが牽引するケーブルのケーブルエンドが装着され、車体に設けられたガイドレールに沿ってスライドドアとともに移動するローラユニットであって、
前記スライドドアに連結される連結部と、
前記連結部に支持され、前記ガイドレールに沿って移動するガイドローラと、
前記連結部に固定され、軸孔が形成された前記ケーブルエンドが挿入されるガイドピンと、
前記ケーブルエンドを、前記ガイドピンの先端部に挿入された状態に留める留め具と、を備え、
前記ガイドピンの先端部には、前記ガイドピンの軸線に向かって凹部が形成され、
前記ガイドピンの先端部の外径は、前記軸孔の内径よりも小さく、
前記留め具は、前記ガイドピンの先端部に挿入された前記ケーブルエンドを前記ガイドピンの先端側から支持する支持部と、前記凹部に係合する突出部と、を有する
ローラユニット。
前記留め具は、前記ガイドピンと前記ケーブルエンドとの間に配置され、前記ガイドピンと前記ケーブルエンドとの相対回転を許容する軸受部を有する
請求項１に記載のローラユニット。
前記留め具は、前記支持部とともに、前記ケーブルエンドを前記軸孔の軸方向に挟む押さえ部を有する
請求項２に記載のローラユニット。
前記凹部を第１凹部としたとき、
前記ガイドピンには、前記第１凹部よりも基端寄りに、前記ガイドピンの軸線に向かって前記突出部が係合可能な第２凹部が形成される
請求項３に記載のローラユニット。
前記凹部は、前記ガイドピンの周方向に亘って形成される周溝である
請求項１～請求項４の何れか一項に記載のローラユニット。
前記ガイドピンは、軸方向において、前記凹部よりも基端寄りの位置に、前記ケーブルエンドに接触することで前記ケーブルエンドの動きを規制する規制壁を有する
請求項１～請求項５の何れか一項に記載のローラユニット。
前記ガイドピンは、先端部よりも基端寄りの位置で前記ガイドローラを支持する
請求項１～請求項６の何れか一項に記載のローラユニット。