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JP7129710B2 - セルロースナノファイバー及びそれからなるシート状材料、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

セルロースナノファイバー及びそれからなるシート状材料、並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースナノファイバー、より詳しく言えば竹を原料として得られたセルロースナノファイバーと、それからなるシート状材料、及びそれらの製造方法に関する。本発明はさらに、該製造方法により得られる、若干量のリグニンを含み「リグノセルロースナノファイバー」としても知られるナノファイバーにも関する。
近年、植物を原料とするセルロースナノファイバーが、プラスチックの補強材、太陽電池、医療などの広範な分野で注目を浴びており、特にそれを原料として製造されるシート状材料に対しても注目が増加している。
従来、セルロースナノファイバーの原料としては、針葉樹パルプが主に用いられてきた。近年は、針葉樹以外に、竹を原料としてセルロースナノファイバーの製造も行われている。
例えば、特許文献1には、竹由来のセルロースナノファイバーから得られる、引張強度及び引張弾性率が高く、導電性に優れた複合材料とその製造方法が開示されている。
特許文献2には、直径が50nm程度のセルロースナノファイバーとその製造方法が記載されており、セルロース原料として、各種植物原料とともに、竹が挙げられている。
特許文献3には、微細繊維状セルロースの製造方法が記載されており、セルロース原料として、各種植物原料とともに、やはり竹が挙げられている。
セルロースナノファイバーの製造方法には、機械的解纖方法と化学的解纖方法がある。針葉樹や竹を原料として、機械的解纖方法でセルロースナノファイバーを製造すると、結晶化度が低くなりがちである。竹を原料とする工業製品は、例えば中越パルプ工業株式会社から提供されており、その製造は機械的解纖方法により行われている。
これまでに知られているセルロースナノファイバーは、純度が最大で87%程度、セルロース結晶化度が最大で66%程度、アスペクト比が最大で100程度である。より高性能のシート状材料を得るために、セルロースナノファイバーの特性の向上が求められている。
特開2017-115069号公報 特許第5910504号公報 特開2012-012713号公報
本発明は、上述の現状に鑑み、より高性能のシート状材料の提供を可能にするセルロースナノファイバーとその製造方法、そのセルロースナノファイバーから得られるシート状材料の提供を目的とするものである。また、前記製造方法により得られる、若干量のリグニンを含み「リグノセルロースナノファイバー」としても知られるナノファイバーの提供も目的とするものである。
発明者らは、針葉樹パルプに代えて竹材を原料とするセルロースナノファイバーを研究する過程で、比較的温和な機械的解纖方法(ミキサーを使用する)と多段階の化学的解纖方法の両方を行うことにより、セルロース純度が90%以上で、繊維径が10~20nm程度、そして結晶化度が70%以上のセルロースナノファイバーが得られることを突き止め、本発明を完成するに至った。
具体的に言えば、本発明による竹由来のセルロースナノファイバーは、セルロース純度が90%以上で、繊維径が10~20nm、かつ結晶化度が70%以上であることを特徴とする。
本発明による竹由来のセルロースナノファイバーは、下記の工程(1)~(5)を含むことを特徴とする製造方法により得ることができる。
(1)竹材にアルカリ処理と機械的処理を施して竹繊維を作製する工程
(2)得られた竹繊維を脱リグニン処理する工程
(3)脱リグニン処理した竹繊維を機械的に解纖する工程
(4)解纖した竹繊維からヘミセルロースを除去する工程
(5)ヘミセルロース除去後の竹繊維から金属成分を除去する工程
本発明による竹由来のセルロースナノファイバーからなるシート状材料は、坪量10~210g/cm2に対して7~200Nの引張強度を示すことを特徴とする。それはまた、密度0.3~1.1g/cm3に対して7~200Nの引張強度を示すことも特徴とする。
本発明による竹由来のセルロースナノファイバーからなるシート状材料は、本発明による竹由来のセルロースナノファイバーをシート化する製造方法により得ることができる。
シート化は、セルロースナノファイバーの懸濁液から分散媒を除去する方法により行うことができる。分散媒の除去方法の例として、自然乾燥、ホットプレス処理、あるいは凍結乾燥を挙げることができる。分散媒としては、水、有機溶剤が使用可能であり、有機溶剤の例としてアルコールを挙げることができる。
ホットプレス処理の場合、好ましくは、
(a)竹由来のセルロースナノファイバーを水に分散させた懸濁液を作製すること、
(b)懸濁液から水を除去して残留物を回収すること、
(c)回収した残留物にホットプレス処理を施してシート状材料を得ること、
によりセルロースナノファイバーをシート化することができる。
前記(a)の懸濁液からセルロースナノファイバーを回収し、回収したセルロースナノファイバーをアルコールに分散させた別の懸濁液にホットプレス処理を施してシート状材料を得てもよい。
凍結乾燥の場合、好ましくは、
(a)セルロースナノファイバーをアルコールに分散させた懸濁液を作製すること、
(b)懸濁液を基材上に広げてフィルム状にすること、
(c)フィルム状の懸濁液に凍結乾燥処理を施してシート状材料を得ること、
によりセルロースナノファイバーをシート化することができる。
また、本発明による竹由来のリグノセルロースナノファイバーは、リグニン含有量が1~2wt%程度であって、上述の竹由来のセルロースナノファイバー製造方法の工程(2)の脱リグニン処理を、所定のリグニン含有量が得られた時点で停止することにより得られたものである。
本発明によれば、竹由来のセルロースナノファイバーの性能向上が可能となるとともに、それを原料とした高強度のシート状材料の利用が可能となる。それにより、それらの新たな用途への応用が期待できる。また、本発明による竹由来のリグノセルロースナノファイバーは、樹脂と混合することによって、リグニン含有量をさらに減少させた高純度のセルロースナノファイバーを利用した複合材料よりも有用な複合材料(例えば、自動車用や家電用の複合材料)として活用することが期待できる。
過酢酸での処理時間に対する竹繊維のリグニンの含有量と抽出率を示すグラフである。 過酢酸処理後の竹繊維のヘミセルロースの含有量と抽出率を処理時間に対して示すグラフである。 KOH水溶液濃度と竹繊維のヘミセルロースの含有量及び抽出率との関係を示すグラフである。 KOH水溶液量と竹繊維のヘミセルロースの含有量及び抽出率との関係を示すグラフである。 ヘミセルロース除去の処理温度とヘミセルロース含有量及び抽出率との関係を示すグラフである。 脱リグニン処理前の竹繊維のFE-SEM観察結果を示す図であって、(a)はFE-SEM像であり、(b)は繊維分布を示すグラフである。 脱リグニン処理1時間後の竹繊維のFE-SEM観察結果を示す図であって、(a)はFE-SEM像であり、(b)は繊維分布を示すグラフである。 脱リグニン処理3時間後の竹繊維のFE-SEM観察結果を示す図であって、(a)はFE-SEM像であり、(b)は繊維分布を示すグラフである。 脱リグニン処理6時間後の竹繊維のFE-SEM観察結果を示す図であって、(a)はFE-SEM像であり、(b)は繊維分布を示すグラフである。 脱リグニン処理8時間後の竹繊維のFE-SEM観察結果を示す図であって、(a)はFE-SEM像であり、(b)は繊維分布を示すグラフである。 ヘミセルロース除去後の竹繊維のFE-SEM観察結果を示す図であって、(a)はFE-SEM像であり、(b)は繊維分布を示すグラフである。 本発明によるセルロースナノファイバーシートのFT-IRスペクトルである。 分散媒を水としホットプレスで作製したセルロースナノファイバーシートの電子顕微鏡観察結果を示す図であって、(a)はTEM画像であり、(b)はFE-SEM画像をシートの外観写真とともに示している。 分散媒をエタノールとしホットプレスで作製したセルロースナノファイバーシートの電子顕微鏡観察結果を示す図であって、(a)はTEM画像であり、(b)はFE-SEM画像をシートの外観写真とともに示している。 凍結乾燥で作製したセルロースナノファイバーシートの電子顕微鏡観察結果を示す図であって、(a)はTEM画像であり、(b)はFE-SEM画像をシートの外観写真とともに示している。 本発明によるセルロースナノファイバーシートの一サンプルのXRDパターンである。 本発明によるセルロースナノファイバーシートのもう一つサンプルのXRDパターンである。 本発明によるセルロースナノファイバーシートの更にもう一つサンプルのXRDパターンである。 本発明によるセルロースナノファイバーシートのガス吸脱着等温線である。 分散媒を水としホットプレスで作製した本発明によるセルロースナノファイバーシートの細孔径分布を示すグラフである。 分散媒をエタノールとしホットプレスで作製した本発明によるセルロースナノファイバーシートの細孔径分布を示すグラフである。 凍結乾燥で作製した本発明によるセルロースナノファイバーシートの細孔径分布を示すグラフである。 分散媒を水としホットプレスで作製した本発明によるセルロースナノファイバーシートの質量に対する引張強度を比較のシートのそれらとともに示すグラフである。 分散媒を水としホットプレスで作製した本発明によるセルロースナノファイバーシートの厚さに対する引張強度を比較のシートのそれらとともに示すグラフである。 分散媒を水としホットプレスで作製した本発明によるセルロースナノファイバーシートの密度に対する引張強度を比較のシートのそれらとともに示すグラフである。 分散媒を水としホットプレスで作製した本発明によるセルロースナノファイバーシートの坪量に対する引張強度を比較のシートのそれらとともに示すグラフである。 本発明によるセルロースナノファイバーシートにおける繊維を説明する図であって、(a)はFE-SEM画像であり、(b)は繊維分布を示すグラフである。 セリッシュ(商標)で作製したシートにおける繊維を説明する図であって、(a)はFE-SEM画像であり、(b)は繊維分布を示すグラフである。
竹由来のセルロースナノファイバーからなるシート状材料を得るためには、その原料となる竹由来のセルロースナノファイバーを製造する必要がある。本発明によれば、比較的温和な機械的解纖方法(ミキサーを使用する)と多段階の化学的解纖方法との組み合わせを利用することで、従来より向上した特性を示すセルロースナノファイバー製造することができる。
具体的に言えば、本発明による竹由来のセルロースナノファイバーの製造方法は、下記の工程(1)~(5)を含む。
(1)竹材にアルカリ処理と機械的処理を施して竹繊維を作製する工程
(2)得られた竹繊維を脱リグニン処理する工程
(3)脱リグニン処理した竹繊維を機械的に解纖する工程
(4)解纖した竹繊維からヘミセルロースを除去する工程
(5)ヘミセルロース除去後の竹繊維から金属成分を除去する工程
竹繊維作製工程(1)では、アルカリ処理と機械的処理を利用して、竹材から竹繊維を作製する。
本発明で使用する竹材としては、特に制限されないが、例えば孟宗竹、真竹、黒竹、篠竹などの、いわゆる竹繊維を含む植物を用いることができる。
竹材は、アルカリ処理の効果と得られる繊維の純度を向上させるために、その内外皮を予め除去しておくことが好ましい。より好ましくは、製造される繊維の直径を均一にする目的から、内外皮除去を、用いる竹材の繊維束が均一である部分のみを残すようにして行う。
竹材はまた、その後のアルカリ水溶液による処理に先立ち、例えば予め周速差を持たせたピンチロールにより加圧ローリング(圧搾処理)してほぐしておくことが好ましい。これにより、アルカリ水溶液の浸透速度を大きくし、且つ浸透を均一にして、その後のアルカリ処理でのリグニン及びヘミセルロースの分離除去効率を高めることができる。この目的のためには、そのほかに例えば油圧プレス機を用いる処理や、ローラーによる処理を利用することが可能である。
加えて、アルカリ水溶液を用いる処理の際に竹材が乾燥していると処理効果が低下するため、処理の開始まで竹材は乾燥させることなく、液体中で保存すること、あるいは冷凍又は冷蔵保存することが好ましい。より好ましくは、雑菌の繁殖を抑えるために、それに有効な液体、例えば過酸化水素、過塩素酸、硫酸などの水溶液に浸漬させ、冷蔵保存する。安全性と廃棄物の点から、過酸化水素を用いるのが最も好ましい。
アルカリ処理を施す竹材は、処理容器の容量に応じて適宜切断して使用される。処理効率を大きくするため、本発明では、例えば長さ1~10cm程度に切断してチップ化した竹材を使用するのが好ましい。
アルカリ処理は、例えば水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液に、竹片を浸して行うことができる。水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合、効率の観点から、水溶液の濃度は0.01~1.00Mが好ましく、より好ましくは0.10~1.00M、更に好ましくは0.10~0.50Mである。処理温度は30~200℃が好ましく、より好ましくは50~150℃、更に好ましくは100~150℃である。処理圧力は101~500kPaが好ましく、好ましくは101~200kPaである。処理時間は1~3時間が好ましく、より好ましくは3時間である。アルカリ処理した竹片を、アルカリ水溶液から取り出して水洗する。水洗は、洗浄後の水が中性になるまで継続する。
次いで、竹繊維を得ることを目的に、竹片を機械的に処理する。この処理は、一般的なミキサーを使用し、竹片を室温の水とともに撹拌して行うことができる。竹片を分解して繊維状にすることができる限り、使用するミキサーの種類は特に限定されない。また、処理条件は、所定の処理効果が得られるように適宜設定すればよい。処理後に乾燥させて、竹繊維が得られる。
脱リグニン処理工程(2)は、工程(1)で得られた竹繊維を脱リグニン処理液と接触させて行うことができる。脱リグニン処理液としては、過酢酸、亜塩素酸、亜硫酸ナトリウム、硫酸、オゾン、酵素、微生物(細菌)などの溶液を用いることができる。竹繊維を脱リグニン処理液中に分散させて静置後、処理液から分離し、続いて洗浄し乾燥させることで、脱リグニン処理した竹繊維を得ることができる。脱リグニン処理液は、例えば室温~220℃程度、好ましくは60~100℃程度の温度で行うことができる。静置時間は1~8時間が好ましく、より好ましくは1~6時間、更に好ましくは3~6時間である。
処理時間を長くするにつれ、リグニン抽出率が増大する。例えば、過酢酸(酢酸:過酸化水素体積比=1:1)を用い、静置温度を80℃とした場合、6時間の処理で抽出率は100%に達し、白色の繊維が得られた。この場合、ヘミセルロースはほとんど抽出されなかった。竹繊維の径は、処理時間を長くするほど細くなり、6時間の処理で平均直径約16nmの繊維が得られた。
リグニン含有量が1~2wt%程度である本発明の竹由来のリグノセルロースナノファイバーは、この脱リグニン処理工程(2)における脱リグニン処理液中での竹繊維の静置を、所定のリグニン含有量が得られた時点で停止することにより得られる。ここでの静置は、上述のように過酢酸を用い80℃で静置した場合において、例えば0.5~2時間程度、あるいは0.5~1.5時間程度でよい。工程(2)における静置時間の点を除いて、本発明の竹由来のリグノセルロースナノファイバーは、本発明の竹由来のセルロースナノファイバーの製造と同じ方法で製造することができる。
例えば処理液として過酢酸を用いた場合、次に示すようにリグニンの芳香環の開裂が起こり、竹繊維からリグニンが除去されるものと考えられる(畠山兵衛,紙パ技協誌,第20巻,第11号,p.15(1966)参照)。
Figure 0007129710000001
脱リグニン処理した竹繊維の機械的解纖工程(3)は、竹繊維を水とともにミキサーで撹拌することで行うことができる。撹拌による解纖が支障なくなされる限り、ミキサーの種類は特に限定されない。処理効率の観点から、水の量は、竹繊維の質量の10~1000倍程度が好ましく、より好ましくは100~500倍程度、更に好ましくは100~150倍程度である。また、撹拌処理は5~60℃程度の温度で行うのが好ましく、より好ましい温度は5~40℃程度である。ミキサーの運転条件は、所定の解纖効果が得られるように、適宜設定すればよい。
解纖した竹繊維からヘミセルロースを除去する工程(4)は、解纖した竹繊維をアルカリ処理することで行うことができる。アルカリ処理は、解纖した竹繊維をアルカリ水溶液に浸漬させることにより行うことができる。アルカリ水溶液としては、水酸化カリウムの水溶液を用いることができ、そのほかに水酸化ナトリウム水溶液などを用いることもできる。水酸化カリウム水溶液を用いる場合、処理効率の観点から、0.5~5.0M程度、好ましくは1.0~2.0M程度のKOH水溶液を、繊維5gに対し50~500ml程度、好ましくは200~500ml程度、使用することができる。浸漬は、20~100℃程度で行うことができる。浸漬時間は1~24時間が好ましく、より好ましくは1~12時間、更に好ましくは1~8時間である。
ヘミセルロース除去後の竹繊維から金属成分を除去する工程(5)は、ヘミセルロースを除去した竹繊維を酸処理して行うことができる。酸処理は、竹繊維を酸溶液と接触させ、所定の時間振盪することで行うことができる。酸溶液としては、塩酸、過塩素酸、硫酸、硝酸などの水溶液を用いることができる。例えば、塩酸水溶液を用いる場合、溶液の濃度は、0.001~1.0M程度が好ましく、より好ましくは0.01~1.0M、更に好ましくは0.01~0.1Mである。接触時間は1~24時間が好ましく、より好ましくは3~24時間、更に好ましくは1~12時間である。この処理は、室温(20~30℃程度)で行うことができる。
竹繊維のリグニン量は、例えば硫酸法(日本木材学会,木質科学実験マニュアル,pp96-97,文英堂出版(2010))により測定することができる(後述の実施例参照)。
竹繊維のヘミセルロース量は、ヘミセルロース除去前後の竹繊維の質量を基に測定することができる(後述の実施例参照)。
本発明の方法により製造した竹由来のセルロースナノファイバーの特徴は、90%以上のセルロース純度を示し、繊維径が10~20nmで、かつ結晶化度が70%以上であることである。本発明のセルロースナノファイバーにおけるセルロース純度及び結晶化度は、従来のセルロースナノファイバーにおけるセルロース純度(最大で87%程度)及び結晶化度(最大で66%程度)と比べて格段に高い。
本発明による竹由来のセルロースナノファイバーをシート化することにより、本発明によるシート状材料を得ることができる。シート化は、例えばホットプレスを利用して、あるいは凍結乾燥を利用して行うことができる。自然乾燥を利用することも可能である。
ホットプレスによるシート化は、好ましくは、水に金属成分の除去後のセルロースナノファイバーを加えた被処理液を撹拌して得られた懸濁液を用いて行うことができる。懸濁液から分散媒の水を除去して回収した残留物を乾燥させずにホットプレス機で処理してシート化し、本発明によるセルロースナノファイバーからなるシート状材料を得ることができる。
懸濁液から水を除去した残留物を、エタノールなどのアルコールの分散媒に再度分散させた懸濁液を用いてもよい。分散媒が水の場合には、得られたシート状材料において繊維の凝集が認められる一方で、分散媒がアルコールの場合には、セルロース分子間をアルコールが溶媒和することにより、繊維の離解が認められる。
凍結乾燥によるシート化は、好ましくは、有機溶剤(例えばアルコール)を分散媒とする懸濁液を用いて行うことができる。懸濁液を所定の基材上に広げてフィルム状にしてから、冷凍し、凍結乾燥処理を施して、本発明によるセルロースナノファイバーからなるシート状材料を得ることができる。分散媒がアルコールの場合には、エタノールやブタノールなどを用いることができる。アルコール以外の有機溶剤としては、ケトン類(例えばアセトン)、芳香族化合物(例えばトルエン)、カルボン酸(例えば酢酸)、アミン類(例えばN,N-ジメチルホルムアミド)、アセトニトリルなどを用いることができる。凍結乾燥により分散媒(アルコールなど)が昇華することで、繊維の凝集が抑制される。分散媒は、1種類(例えばエタノール)だけを用いてもよく、複数種の混合物を用いてもよく、あるいは複数種を順次用いてもよい(例えばエタノールの懸濁液から竹繊維を一旦回収後に、それをブタノールに再度分散させた懸濁液からシート状材料を作製する)。後者の場合、セルロースナノファイバーの凝集を抑制する点で有利である。
シート化の手段にかかわらず、懸濁液を得るための撹拌は、例えば一般的なミキサーを用いて、あるいは超音波を利用して、行うことができる。懸濁液におけるセルロースナノファイバーの含有量は、一般に0.1~10wt%でよく、より好ましくは0.1~2.0wt%、更に好ましくは0.1~1.0wt%である。撹拌条件は、セルロースナノファイバーが十分に分散した懸濁液が得られる限り、特に限定されない。分散媒の水あるいはアルコールの除去には、濾過などの任意の処理を利用することができる。
自然乾燥を利用する場合は、竹由来のセルロースナノファイバーを分散させ基材上に広げてフィルム状にした懸濁液を静置して、分散媒を除去することにより行うことができる。分散媒は、水、あるいは有機溶剤、例えばアルコールなどでよい。場合により、通風などにより分散媒の除去を促進することも可能である。
本発明による竹由来のセルロースナノファイバーから作製したシート状材料は、従来のセルロースナノファイバーから作製したシート状材料と比べて、同じ条件で測定して向上した強度を示す。例えば、200g/m2の坪量(シート材料1m2当たりの質量)に対する引張強度を比較した場合、本発明によるシート材料の引張強度は約200Nであるのに対し、ダイセルファインケム社より入手したセルロース繊維FD100Gから作製したシート材料及びモンディ社より入手した市販紙(ISO9707取得紙)の引張強度は、それぞれ約100N及び145Nである。
このように高い引張強度を示す本発明による竹由来のセルロースナノファイバーからなるシート状材料は、補強、音響、医療、食品、包材、運輸など分野での利用が期待できる。
次に、実施例により本発明を更に説明する。言うまでもなく、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.ナノメートルサイズ竹繊維の作製
内皮と外皮を除去し圧搾処理して、長さ約10cmにチップ化した竹片120gを電気圧力鍋(パナソニック社、SR-P37-N)に入れ、2Lの0.10Mの水酸化ナトリウム水溶液に浸し、120℃、200kPaの条件で、3時間処理した。処理した竹片を放冷後、金属製のざるに移して、超純水で洗浄後の水が中性になるまで洗浄し、竹繊維を得た。得られた繊維60gを、ミキサー(Vitamix(商標) ABS-BU)に入れ、超純水1Lを加えて、37,000rpmで1分間撹拌した。その後、超純水を捨てて乾燥させ、竹繊維を得た。
2.脱リグニン処理
300mlのガラス製三角フラスコに、17.5M酢酸溶液を加え、それに11.6M過酸化水素水溶液を分液漏斗で徐々に滴下し、過酢酸溶液を100ml作製した。なお、酢酸と過酸化水素の体積比は1:1とした。
上記1から得られた竹繊維10gを、過酢酸溶液100mLを入れた容器に約1gずつ、ガラス棒を用いて撹拌しながら加えた後、ウォーターバス(EYELA社、SB-350)の温度を80Cに設定し、容器を低温恒温水槽(EYELA社、NCB-1200)にセットして、還流しながら1、3、6あるいは8時間静置した。その後、放冷し、プラスチック製の濾過器(ADVANTEC社、KP-47H及びKP-47S)を用いて、吸引濾過を行った。残留物を中性になるまで超純水で洗浄後、60Cに保持した乾燥機で12時間乾燥させ、脱リグニン処理した竹繊維を得た。
過酢酸中での1時間の処理で、繊維は茶色から黄色に変わり、3時間の処理後には黄白色になった。さらに6時間処理することで白色の竹繊維が得られた。これは、過酢酸処理時間の経過につれて、着色成分であるリグニンが除去されていくことと対応していると考えられる。6時間以上の処理では変化が見られなかった。
3.解纖
超純水に対して、脱リグニン処理した竹繊維をその濃度が0.7wt%となるように加え、ミキサー(Vitamix(商標) ABS-BU)を用いて、37,000rpmで5分間撹拌した。その後、放冷し、断続的に合計で60分間撹拌して、解纖した竹繊維の懸濁液を得た。
4.リグニンの定量
100mLのガラス製ビーカーに、13.4M硫酸15mLと上記2から得られた生成物(脱リグニン処理した竹繊維)1gを加えて、ガラス棒で繊維に硫酸が均一に含浸するまで撹拌した。4時間静置後、還流しながら4時間煮沸して放冷した。その後、ガラスフィルター(柴田科学株式会社、1GP16)を用いた吸引濾過で残渣を回収し、これを500mLの熱水で洗浄後、105Cに保持した乾燥機で12時間乾燥させた。乾燥後、収量を小数点第4位まで秤量し、下記の式(1)を用いてリグニンの含有量を求めた(日本木材学会,木質科学実験マニュアル,p97,文英堂出版(2010)参照)。
リグニン含有量(wt%)=(実験後質量/実験前質量)×100 (1)
過酢酸での処理時間に対するリグニンの含有量と抽出率を表1に示し、そのグラフを図1に示す。過酢酸処理の時間が長いほど、抽出率は大きくなり、6時間でリグニンは全量抽出された。
Figure 0007129710000002
いわゆる「リグノセルロースナノファイバー」として知られる、若干の残留リグニンを含むナノファイバーを得ようとする場合には、約1時間の処理後に得られた竹繊維(1wt%程度の残留リグニンを含む)に対して、以下で説明する手順に従って引き続き処理を進めることができる。
5.ヘミセルロースの定量
参考文献によれば、β-セルロースとγ-セルロースおよびヘミセルロースがヘミセルロースとして、それら以外がα-セルロースとして分類されている(日本木材学会,木質科学実験マニュアル,pp95,文英堂出版(2010)参照)。本発明では、まずそれに従い、α-セルロースの定量方法を使用し、ヘミセルロースを測定した(日本木材学会,木質科学実験マニュアル,pp96-97,文英堂出版(2010)参照)。したがって、ここでのヘミセルロースにはβとγセルロースも含まれている。
200mLのプラスチック製ビーカーに、5.80M水酸化ナトリウム水溶液25mLと上記2から得られた生成物(脱リグニンした竹繊維)を1g加えた。繊維に液を均一に含浸させてから4分間静置し、その後5分間プラスチック製の撹拌棒を用いて撹拌してから、30分間静置した。ビーカーにさらに超純水を加えて1分間撹拌し、5分間静置した。その後、ガラスフィルター(柴田科学株式会社、1GP250)を用いて吸引濾過を行い、濾液を回収して再濾過した後、濾液が中性になるまで残留物を超純水で洗浄した。残留物と1.75M酢酸水溶液40mLを100mLのガラス製ビーカーに入れて5分間静置後、残留物を吸引濾過で回収し、1Lの超純水で洗浄した。その後、残留物を105℃に保持した乾燥機で12時間乾燥させ、小数点第4位まで秤量し、下記の式(2)を用いてヘミセルロース含有量を求めた(日本木材学会,木質科学実験マニュアル,pp96,文英堂出版(2010)参照)。
ヘミセルロース含有量(wt%)=
((実験前質量-(α-セルロース質量))/実験前質量)×100 (2)
過酢酸処理後の竹繊維のヘミセルロースの含有量と抽出率を表2に示し、そのグラフを図2に示す。過酢酸処理では、ヘミセルロース含有量が大きく減少することはなかった。また、処理時間による大きな違いも見られなかった。
Figure 0007129710000003
6.ヘミセルロースの除去及び定量
過酢酸による6時間の脱リグニン処理と解纖処理を施した竹繊維5gを200mLのガラス製三角フラスコに入れ、0.71あるいは1.18Mの水酸化カリウム水溶液200mLを加え、繊維に液を均一に含浸させた。密栓して室温で12時間静置後、プラスチック製の濾過器(ADVANTEC社、KP-47H及びKP-47S)を用いて吸引濾過し、残留物を洗浄液が中性になるまで超純水を用いて洗浄した。その後、60℃に保持した乾燥機で残留物を12時間乾燥させ、上記5と同様の手順と式を用いてヘミセルロースの含有量を測定した。結果を表3に、また、処理液濃度とヘミセルロースの含有量及び抽出率の関係を図3に示す。1.18Mの場合、7%程度のヘミセルロースが含まれていることがわかった。なお、α-セルロース含有量は、93%程度である。
Figure 0007129710000004
そこで、水酸化カリウム処理時の体積と抽出率との関係を明らかにするために、KOH水溶液の濃度を1.18Mに固定し、溶液の量を100あるいは200mLに変えた場合の定量結果を表4に示し、また、溶液量とヘミセルロースの含有量及び抽出率との関係を図4に示す。これらの結果から、この例では、竹繊維5gに対し1.18MのKOH水溶液を200mL用いた時に最も多くのヘミセルロースが抽出されたことが分かった。
Figure 0007129710000005
次に、処理温度とヘミセルロース含有量及び抽出率の関係を調べ、その定量結果を表5と図5に示す。KOH水溶液濃度を1.18M、5gの竹繊維に対する溶液量を200mLとした場合、100Cより室温で処理した方が多くのヘミセルロースが抽出された。なお、処理温度100℃の場合には、テフロン(登録商標)容器に竹繊維とKOH水溶液を加え、更にこの容器を耐熱ステンレス容器に入れ密封した。乾燥機の温度を100Cに設定し、12時間静置させた。放冷後に、上述のように吸引濾過、水洗、乾燥を行った。
Figure 0007129710000006
7.β-セルロースの定量
最も適切な条件で処理を施した生成物中のα-セルロース含有量は、93%程度である。その生成物中の正確なβ-セルロース量を明らかにするために、生成物を30%酢酸水溶液10mLに、上記5で得られた洗浄液200mLを加えて、80℃に加熱、保温し、9時間放置した。得られた沈殿物を、予め秤量しておいたろ紙で回収し、乾燥後の質量増加分をβ-セルロース含有量とした(日本木材学会,木質科学実験マニュアル,pp96,文英堂出版(2010)参照)。
Figure 0007129710000007
表6の上から3段目と4段目に記載した結果から、上記5に記載の方法で測定されたヘミセルロースの97%はβ-セルロースであることがわかった。α-セルロース含有量と合計すると、セルロース含有率は99.8%となることが確認された。
8.電界放出型走査電子顕微鏡による形態観察
上記1で得られた竹繊維(脱リグニン前のもの)の懸濁液1滴にエタノール1mLを加え、超音波分散させた。超音波分散後の懸濁液をグラッシーカーボン上に10μL滴下し、60℃に保持した乾燥機で乾燥させた。その後、乾燥した竹繊維に蒸着装置(JEOL社、JFC-1600)を用いて白金を蒸着し、竹繊維の形態を電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM(JEOL社、JSM-6701F))で観察した。蒸着条件を表7に、測定条件を表8に示す。また、上記2で説明した脱リグニン処理を1、3、6、8時間施した竹繊維について、同様の観察を行った。各観察結果を、それぞれ図6(a)~10(a)(FE-SEM像)と図6(b)~10(b)(繊維分布図)に示す。
Figure 0007129710000008
Figure 0007129710000009
FE-SEMを用いて高倍率で観察すると、脱リグニン処理前の竹繊維の光学顕微鏡観察で確認された直径16μm程度の短繊維(図示せず)は、幅広い直径を有する繊維が絡み合い、束になっていることが明らかとなった(図6(a)と(b))。脱リグニン処理時間が長いほど、繊維直径がわずかに小さくなっていく傾向があった。なお、FE-SEM像の図中の見られる粒状物質は蒸着した白金である。
また、繊維径は8時間後で、平均15.9nmであった。一般的に、木材等に含まれるセルロースナノファイバーの直径は数nmとされていることから、それよりも若干直径は太くなっている。この理由として、FE-SEMでの観察には、観察資料を絶乾させることが必須であり、その乾燥時においてセルロース分子間の水素結合により会合したためである可能性が挙げられる。
次に、リグニンの除去に加えてヘミセルロースも除去した竹繊維(上記6で1.18M水酸化カリウム水溶液を用いて処理した竹繊維)について、FE-SEMによる同様の観察を行った。結果を、図11(a)(FE-SEM像)と図11(b)(繊維分布図)に示す。ヘミセルロースの除去を試みた繊維でも束の一部が残存していたが、平均繊維径は小さくなっており、ヘミセルロースの抽出と製造されるセルロースナノファイバーの直径には関係があると考えられる。
9.フーリエ変換赤外分光法による定性分析
1、3、6、8時間の過酢酸処理(脱リグニン処理)後の竹繊維、及び8時間の過酢酸処理後に更にヘミセルロース除去を行った竹繊維をミキサー(Vitamix(商標) ABS-BU)に入れ、超純水を加え、60分間撹拌した。その後、プラスチック製の濾過器(ADVANTEC社、KP-47H及びKP-47S)を用いて吸引濾過し、60Cに保持した乾燥機で乾燥させて得た竹繊維シートを、拡散反射ユニットを備えたフーリエ変換赤外分光装置(FT-IR(Thermo Fisher SCIENTIFIC社、ART iD5))にて、4000~550cm-1の範囲でFT-IRスペクトルを測定した。結果を図12に示す。
過酢酸処理(脱リグニン処理)前の原料竹繊維のFT-IRスペクトル(図示せず)で確認されたリグニンに帰属される1760cm-1のCO伸縮、1500cm-1の芳香環のC=C伸縮、1250cm-1のメトキシ基のCO逆対称伸縮、840cm-1の芳香環のCH伸縮のピークが確認されず、セルロース及びヘミセルロースに帰属される3600~3000cm-1のOH伸縮、2920cm-1のCH伸縮のピークが確認された。
10.金属成分の除去とICP発光分光分析による金属の定性及び定量分析
上記2から得られた竹繊維(リグニン除去した竹繊維)を塩酸水溶液と接触させて、金属成分の除去を行った。プラスチック製のサンプル管に、竹繊維1gと0.01Mの塩酸水溶液50mLを入れた。サンプル管から、竹繊維を残して溶液をすぐに取り出して「処理前」の溶液を得た。サンプル管に新しく塩酸水溶液50mLを加えて24時間振盪を継続後、竹繊維を残して溶液をすぐに取り出して、「処理後」の溶液を得た。各溶液をガラス製の10mLねじ口試験管に入れて遠心分離機(アズワン社、C-12B)で処理して固形成分を沈降させ、上澄み溶液を抜き取った。その上澄み溶液を誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP-OES(Agilent Technologies社、710ICP-OES))で分析し、竹繊維に含まれる金属の定性と定量を行った。結果を表9に示す。
Figure 0007129710000010
竹には無機物として主に、シリカ(酸化ケイ素)、カルシウム、カリウム、マグネシウムそしてナトリウムが多く含まれていることが知られている。ここで分析した本発明による竹繊維は、カリウムと亜鉛を含有していることが確認されたが、それら以外は0%に近い、非常に微少量であった。なお、本発明により金属類を24時間塩酸に浸漬させることで除去可能であり、その含有率は得られるセルロースナノファイバーの質量に対して0.06%程度へと減少できることが明らかとなった。
11.ホットプレスを用いたセルロースナノファイバーシートの作製
上記2で説明した手順で過酢酸溶液と6時間反応させた竹繊維3.5gを、繊維含有量が0.7wt%となるように超純水500mLに加え、ミキサー(Vitamix(商標) ABS-BU)を用いて、37,000rpmで5分間撹拌し、放冷後、断続的に合計60分間撹拌して、懸濁液を得た。得られた懸濁液をガラス製の濾過器(ADVANTEC社、KG-47)を用いて吸引濾過した後、乾燥させずに、小型熱プレス機(アズワン社、AH-2003)を用い、120Cでプレスしてシートを作製した。また、上述のようにして得られた懸濁液を濾過後、残留物をエタノール100mLに加え、超音波分散させた後、吸引濾過した。これを2回繰り返した後、小型熱プレス機を用い、同様の方法でシートを作製した。
12.凍結乾燥を用いたセルロースナノファイバーシートの作製
上記11で得られた懸濁液を濾過後、エタノール50mLに加え、超音波分散させた後、吸引濾過した。これを2回繰り返した後、残留物をt-ブチルアルコール50mLに加え、超音波分散させた。これも2回繰り返し、濾過後に残留物をシャーレに移し、冷凍庫(パナソニック社、NR-B175W)で冷凍させ、凍結真空乾燥装置(日立社、ES-2030)を用いて乾燥させ、シートを作製した。乾燥条件を表10に示す。また、形態を比較するため、水の懸濁液のまま冷凍庫で冷凍させ、凍結乾燥させたシートも作製した。
Figure 0007129710000011
13.電界放出型走査電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡によるシートの形態観察
得られたセルロースナノファイバーシートの形態を電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)で観察した。測定条件を表11に示す。なお、観察前に蒸着装置(日本電子社、JFC-1600)を用いてシートに白金を蒸着した。蒸着条件を表12に示す。
Figure 0007129710000012
Figure 0007129710000013
また、作製したシートを1-ブタノールに超音波分散させ、TEM用グリッド(応研商事社、STEM 150 Cuグリッド)に滴下して100℃の乾燥器内で乾燥させた後、シートの形態を透過型電子顕微鏡(TEM(日本電子社、JEM-2100)で観察した。
分散媒を水としホットプレスで作製したセルロースナノファイバーシートのTEM画像を図13(a)、外観写真及びFE-SEM画像を図13(b)に示し、分散媒をエタノールとしホットプレスで作製したシートのそれらを図14(a)と14(b)に示す。
分散媒を水とした場合、繊維が凝集している様子が確認され、これはセルロース分子間の強い水素結合のためと考えられる。分散媒をエタノールに変えると、繊維がわずかに分散している様子が確認され、これはエタノールがセルロース分子間に入り、溶媒和することで離解したためと考えられる。
凍結乾燥により作製したセルロースナノファイバーシートのTEM画像を図15(a)、外観写真及びFE-SEM画像を図15(b)に示す。凍結乾燥を行うことで、ホットプレスにより作製したシート(図13(a)、(b)及び図14(a)、(b))と比べ、繊維は凝集せず、離解している様子が確認された。これは、凍結乾燥により、分散媒であるt-ブチルアルコールを固体の状態から液体を経由せず直接気体へと昇華させることで繊維の凝集が抑えられたためと考えられる。
14.XRDによるシートの結晶性の評価
得られたセルロースナノファイバーシートの結晶性を、X線回折装置(XRD(理学電機社、RINT-Ultima III))を用いて評価した。測定条件を表13に示す。
Figure 0007129710000014
また、セルロースの結晶化度を、2θ=15のセルロースの10-1回折線の2θ=10°から80°で引いたベースラインからの強度(I)と2θ=10°から20°で引いたベースラインからの強度(I)から式(3)を用いて算出した。
結晶化度 = (IA/IB)×100 (3)
3つのサンプルから得られたセルロースナノファイバーシート3つのサンプルのXRDパターンを図16~18に示す。いずれのサンプルにおいても、2θ=15°と22.5°にセルロースの10-1と002回折線が確認された。また、これらのピーク強度から算出したセルロースの結晶化度を表14に示す。分散媒に関わらず結晶化度は71~77%であった。
Figure 0007129710000015
15.ガス吸脱着測定による表面積の測定
得られたセルロースナノファイバーシートのBET表面積を窒素ガス吸脱着装置(ユアサアイオニクス社、AUTOSORB-3)を用いて測定した。セル内のシートに77Kで窒素(純度99.9%)を吸着させ、その吸着量及びセル内の圧力を測定することで、吸脱着等温線を得た。得られた吸脱着等温線をBET法で解析することにより、BET表面積を算出した。なお、測定前に試料を200Cで24時間、真空引きすることで、脱気した。測定されたガス吸脱着等温線を図19に示し、そのBET表面積を表15に示す。
Figure 0007129710000016
分散媒をエタノールとしホットプレスで作製したシートの場合、繊維の離解が進んだため、分散媒を水とした場合よりも表面積が大きくなった。凍結乾燥で作製したシートでは、ホットプレスで作製したシートに比べ、繊維の凝集が防がれたため、更に大きな表面積が得られた。
また、シートの細孔径分布を、図20(分散媒を水としホットプレスで作製したシート)、図21(分散媒をエタノールとしホットプレスで作製したシート)、及び図21(凍結乾燥で作製したシート)に示す。
16.引張試験による強度測定
分散媒を水とし、ホットプレスを用いて作製したセルロースナノファイバーシートの引張強度を測定した。作製したシートを幅1.5cm、長さ2.5cmの短冊状に切り、上下を約5mm程度つかみ、1mm/minの引張速度で卓上型精密万能試験機(SHIMADZU社、AGS-J)を用いて測定を行った。なお、比較として、ダイセルファインケム社製食品用セルロースナノファイバー(セリッシュ(商標))からホットプレスを用いて成型したシートとモンディ社製の市販紙(ISO9707取得紙、低リグニン残留量)について、同様の測定を行った。
各サンプルの質量に対する最大強度を図23に、厚さに対する最大強度を図24に、密度に対する最大強度を図25に、坪量(1m2当たりの質量)に対する最大強度を図26に示す。いずれのサンプルにおいても質量、厚さ、密度及び坪量を大きくするにつれ、強度も向上することが確認された。
また、試験した3種のシートでは、本発明による竹由来セルロースナノファイバーシートが最も大きな強度を示した。これは、本発明による竹由来セルロースナノファイバーの方が他のファイバーよりも繊維が細いため、質量あたりの繊維量が多く、繊維間の水素結合する点が増えることで、強度が増加したためと考えられる。例えば、本発明による竹由来セルロースナノファイバーのシートと、同じようにセルロースナノファイバーであるセリッシュ(商標)で作製したシートとから得られた、FE-SEM画像と繊維径分布(それぞれ図27(a)と(b)及び図28(a)と(b))で比べると、前者の方が繊維が細いことが確認できる。

Claims (13)

  1. セルロース純度が90%以上で、繊維径が10~20nm、かつ結晶化度が70%以上であることを特徴とする、竹由来のセルロースナノファイバーの製造方法であって、
    下記の工程(1-1)~(5)を含むことを特徴とする、竹由来のセルロースナノファイバーの製造方法:
    (1-1)竹材をアルカリ処理する工程
    (1-2)アルカリ処理した竹材を分解して竹繊維にするように機械的処理を施す工程
    (2)前記工程(1-2)で得られた竹繊維を脱リグニン処理する工程
    (3)脱リグニン処理した竹繊維を機械的に解纖する工程
    (4)解纖した竹繊維からヘミセルロースを除去する工程
    (5)ヘミセルロース除去後の竹繊維から金属成分を除去する工程。
  2. リグニン含有量が1~2wt%であることを特徴とする、請求項1に記載の方法
  3. 前記工程(1-1)において、前記アルカリ処理を、0.01~0.50Mの水酸化ナトリウム水溶液を用いて行う、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記竹材として、内外皮を除去してチップ化した竹材を使用する、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 前記チップ化した竹材の長さが1~10cmである、請求項記載の方法。
  6. 前記竹材の機械的処理をミキサーを用いて行う、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記竹繊維の脱リグニン処理を、過酢酸、亜塩素酸、亜硫酸ナトリウム、硫酸、オゾン、酵素、微生物(細菌)のうちの少なくとも1つの溶液を用いて行う、請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 前記ヘミセルロースの除去を、水酸化カリウムの水溶液を用いて行う、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 前記金属成分の除去を酸溶液を用いて行う、請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 請求項1~9のいずれか1つに記載の方法により得られた竹由来のセルロースナノファイバーをシート化することを特徴とする、竹由来のセルロースナノファイバーからなるシート状材料の製造方法。
  11. 前記シート化を、
    (a)竹由来のセルロースナノファイバーを水に分散させた懸濁液を作製すること、
    (b)懸濁液から水を除去して残留物を回収すること、
    (c)回収した残留物にホットプレス処理を施してシート状材料を得ること、
    により行う、請求項10記載の方法。
  12. 前記シート化を、前記(a)の懸濁液からセルロースナノファイバーを回収し、回収したセルロースナノファイバーをアルコールに分散させた別の懸濁液にホットプレス処理を施すことにより行う、請求項11記載の方法。
  13. 前記シート化を、
    (a)セルロースナノファイバーをアルコールに分散させた懸濁液を作製すること、
    (b)懸濁液を基材上に広げてフィルム状にすること、
    (c)フィルム状の懸濁液に凍結乾燥処理を施してシート状材料を得ること、
    により行う、請求項10記載の方法。
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