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JP7120322B2 - プレコート鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、プレコート鋼板に関する。
鋼板を加工した製品に塗装を施す場合、従来は、鋼板を加工した後に塗装が施されていた。加工後に塗装が施される鋼板をポストコート鋼板と呼称する。最近では、着色した皮膜が予め被覆されている鋼板(以下、プレコート鋼板と呼称する)がポストコート鋼板に代わって用いられている。プレコート鋼板は、家電、建材及び自動車等の用途に用いられている。
プレコート鋼板は、その用途に応じて、耐食性、加工性、意匠性等といった様々な特性が希求されており、かかる特性を実現するために、従来様々な技術が提案されている。
特許文献1には、金属板上に、プライマー塗料、中塗り塗料及びメタリック調クリア塗料を塗装したメタリック艶消しプレコート鋼板の塗装方法が記載されている。特許文献1には、この方法により、皮膜硬度、耐候性(耐光性、耐膜厚減耗性)、耐薬品性、耐食性、加工性、意匠性(メタリック調の艶消し皮膜)に優れたメタリック調艶消し意匠塗装金属板を実現できると記載されている。
特許文献2には、下地処理を施された金属材料表面に下塗り皮膜及び上塗り皮膜を有し、下塗り皮膜が、平均粒子径が0.01~2μmの防錆顔料を含有し、かかる防錆顔料の濃度が11~70重量%である塗装金属材料が開示されている。特許文献2には、このような塗装金属材料を用いることで、優れた耐食性及び加工性を実現できると記載されている。
日本国特開2009-297631号公報 日本国特開平8-218001号公報
様々な機能を付与するために、プレコート鋼板には複数の皮膜が形成されていることが多い。これにより、プレコート鋼板に形成される皮膜の合計膜厚が厚くなる。
また、プレコート鋼板の着色皮膜の形成には、溶剤系の塗料が使用される場合が多い。プレコート鋼板の製造に溶剤系の塗料を使用する場合には、インシネレーターや臭気対策を施した設備が必要となるため、プレコート鋼板は塗装専用ラインで製造されることが一般的である。従って、塗装原板の製造工程だけでなく塗装工程が必要となるため、プレコート鋼板の製造コストが増大する。
これに対し、安価でありながら、意匠性や耐食性、加工性、耐候性等のプレコート鋼板に求められる性能を実現できる技術が希求されている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、着色皮膜の薄膜化を図りつつ、意匠性、耐食性、加工性及び耐候性に優れたプレコート鋼板を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決して、係る目的を達成するために以下の手段を採用する。
(1)本発明の一態様に係るプレコート鋼板は、鋼板と、前記鋼板上に設けられ、1~25質量%のAlと、0.1~13質量%のMgと、0~2.0質量%のSiと、を含有し、残部がZn及び不純物からなる亜鉛合金めっき層と、前記亜鉛合金めっき層上に設けられ、リン酸化合物とバナジウム化合物との少なくとも一方、着色顔料及びバインダー樹脂を含む着色皮膜層と、を備える。
前記着色皮膜層が前記リン酸化合物を含む場合には、前記リン酸化合物の濃度は、前記着色皮膜層の全固形分質量に対して、P量に換算して0.3~5.0質量%であり、前記リン酸化合物の平均粒子径が、0.10~10μmであり、
前記着色皮膜層の厚さ方向の断面をFE-EPMAでマッピング観察したときに、前記厚さ方向に2μmかつ前記着色皮膜層と前記亜鉛合金めっき層との界面と平行方向に200μmの範囲内に、リン元素の濃度が3%以上である第1の領域が1~15個存在する。
前記着色皮膜層が前記バナジウム化合物を含む場合には、前記バナジウム化合物は、バナジン酸化合物又は酸化バナジウムであり、前記バナジウム化合物の濃度は、前記着色皮膜層の全固形分質量に対して、V量に換算して0.5~8.0質量%であり、前記着色皮膜層の前記厚さ方向の断面をFE-EPMAでマッピング観察したときに、前記界面から表面側に向かって前記厚さ方向に1μmかつ前記界面と平行方向に200μmの範囲内に、バナジウム元素の濃度が3%以上である第2の領域が1~10個存在する。
(2)上記(1)に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層が前記リン酸化合物を含んでもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層の厚さ方向の断面をFE-EPMAでマッピング観察したときに、前記厚さ方向に2μmかつ前記界面と平行方向に40μmの範囲内に、リン元素の濃度が3%以上である第1の領域が1~15個存在してもよい。
(4)上記(1)~(3)の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層の厚さ方向の断面をFE-EPMAでマッピング観察したときに、前記厚さ方向に2μmかつ前記界面と平行方向に20μmの範囲内に、リン元素の濃度が3%以上である第1の領域が1~15個存在してもよい。
)上記(1)~()の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層の層厚が8μm超、15μm以下であり、前記着色皮膜層の表面から前記厚さ方向に2μmの範囲である表面部、前記着色皮膜層の層厚中心を中心として前記厚さ方向に2μmの範囲である中心部、前記界面から前記表面側に向かって前記厚さ方向に2μmの範囲である深部それぞれに対して、FE-EPMAを用いて2μm×200μmの範囲で検出されるリン元素の濃度を測定し、前記表面部のリン酸化合物濃度をPA、前記中心部のリン酸化合物濃度をPB、前記深部のリン酸化合物濃度をPCとしたときに、PA/PBが0.5~2.0であり、かつ、PA/PCが0.5~2.0であってもよい。
)上記(1)~()の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層の層厚が8μm以下であり、前記着色皮膜層の表面から前記厚さ方向に2μmの範囲である表面部及び前記界面から前記表面側に向かって前記厚さ方向に2μmの範囲である深部それぞれに対して、FE-EPMAを用いて前記厚さ方向の断面をマッピング観察し、前記表面部のリン酸化合物濃度をPA、前記深部のリン酸化合物濃度をPCとしたときに、PA/PCが0.5~2.0であってもよい。
)上記(1)~()の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層が前記バナジウム化合物を含んでもよい。
)上記()に記載のプレコート鋼板では、前記バナジウム化合物の平均粒子径が、0.10~10μmであってもよい。
)上記()又は()に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層の層厚をTとし、前記着色皮膜層の表面から前記厚さ方向にTかつ前記界面と平行方向に200μmの範囲でFE-EPMAを用いて検出されるバナジウム元素の濃度をPD、前記着色皮膜層の層厚中心から前記界面に向かって前記厚さ方向にT/2かつ前記界面方向に200μmの範囲でFE-EPMAを用いて検出されるバナジウム元素の濃度をPEとしたときに、PE/PDが1.0~5.0であってもよい。
10)上記()~()の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記亜鉛合金めっき層が、4~22質量%のAlと、1~5質量%のMgと、を含有してもよい。
11)上記()~(10)の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記亜鉛合金めっき層が、0.01~2.0質量%のSiを含有してもよい。
12)上記()~(11)の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記着色顔料が、アルミ顔料であってもよい。
13)上記(12)に記載のプレコート鋼板では、前記着色顔料の平均粒子径が7~30μmであり、かつ、平均アスペクト比が20以上であってもよい。
14)上記(12)又は(13)に記載のプレコート鋼板では、前記着色顔料が、前記着色皮膜層の表面から前記厚さ方向に0.5μmの範囲、又は、前記界面から前記表面に向かって前記厚さ方向に0.5μmの範囲には存在しなくてもよい。
15)上記(1)~(14)の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層に含まれる前記バインダー樹脂が、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂であってもよい。
16)上記(1)~(15)の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層がメラミンを更に含有してもよい。
17)上記(16)に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層の表面に、メラミン濃化層を備えてもよい。
18)上記(1)~(17)の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層と前記亜鉛合金めっき層との間に、化成処理皮膜層を更に備えてもよい。
19)上記(1)~(18)の何れか一態様に記載のプレコート鋼板では、前記着色皮膜層の層厚が、2μm以上であってもよい。
上記各態様によれば、着色皮膜の薄膜化を図りつつ、意匠性、耐食性、加工性及び耐候性に優れたプレコート鋼板を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るプレコート鋼板の層構成を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係るプレコート鋼板の層構成を示す模式図である。 本発明の第3実施形態に係るプレコート鋼板の層構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係るプレコート鋼板において、着色皮膜断面におけるリン酸化合物の存在状態を示す模式図である。 従来技術に係る着色皮膜層での第1の領域の分布状態を示す模式図である。 従来技術に係る着色皮膜層での第1の領域の分布状態を示す模式図である。 従来技術に係る着色皮膜層での第1の領域の分布状態を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係るプレコート鋼板において、着色皮膜層中のバナジウム化合物の存在状態を示す模式図である。 従来技術に係るプレコート鋼板において、着色皮膜中のバナジウム化合物の存在状態を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係るプレコート鋼板において、着色皮膜層の表面部、中心部及び深部を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態に係るプレコート鋼板において、層厚中心と層厚とを説明するための模式図である。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、プレコート鋼板に用いる鋼板を特定のめっき鋼板とするとともに、めっき鋼板上に設けられる着色皮膜層に対して防錆成分として特定の顔料を含有し、更にかかる顔料の着色皮膜層中における分布を特定の条件とすることで、着色皮膜の薄膜化を図りつつ、優れた意匠性、耐食性、加工性及び耐候性を共に実現することが可能であることに想到し、本発明を完成するに至った。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[第1実施形態]
(プレコート鋼板100)
図1は、本発明の第1実施形態に係るプレコート鋼板100の層構成を示す模式図である。プレコート鋼板100は、鋼板1と、鋼板1上に設けられ、1~25質量%のAlと、0.1~13質量%のMgと、0~2.0質量%のSiと、を含有し、残部がZn及び不純物からなる亜鉛合金めっき層10と、亜鉛合金めっき層10上に設けられ、リン酸化合物、着色顔料及びバインダー樹脂を含む着色皮膜層20と、を備える。
(鋼板1)
本実施形態に係るプレコート鋼板100に用いられる鋼板(母材鋼板)1は特に限定されず、公知の特性や化学組成を有する鋼板1を使用することが可能である。鋼板1の化学組成は特に限定されず、プレコート鋼板100に求められる機械的強度を実現可能な化学組成であることが好ましい。
(亜鉛合金めっき層10)
本実施形態に係る鋼板1上には、1~25質量%のAlと、0.1~13質量%のMgと、0~2.0質量%のSiと、を含有し、残部がZn及び不純物からなる亜鉛合金めっき層10が設けられている。すなわち、本実施形態に係る亜鉛合金めっき層10は、Zn、Al及びMgを有する三元系の亜鉛合金を含有する合金めっき層である。本実施形態に係るプレコート鋼板100は、亜鉛合金めっき層10を有することで、溶融亜鉛めっき鋼板よりも優れた耐食性を実現できる。
亜鉛合金めっき層10におけるAlの濃度が1質量%未満である場合には、耐食性が不足するため、好ましくない。一方、Alの濃度が25質量%を超える場合には、耐食性向上効果が飽和する。
亜鉛合金めっき層におけるMgの濃度が0.1質量%未満である場合には、耐食性が不足するため、好ましくない。一方、Mgの濃度が13質量%を超える場合には、亜鉛合金めっき層10を形成する際に用いられるめっき浴中でドロスが発生するため、好ましくない。
本実施形態に係る亜鉛合金めっき層10は、4~22質量%のAlと、1~5質量%のMgと、を含有することが好ましい。
耐食性をより向上させるため、本実施形態に係る亜鉛合金めっき層10は、更にSiを含有することが好ましい。亜鉛合金めっき層10における好ましいSi濃度は、0.01~2.0質量%である。Siの濃度が0.01質量%未満である場合には、Si含有による耐食性の向上効果が十分ではないため好ましくない。Siの濃度が2.0質量%を超える場合には、亜鉛合金めっき層10を形成する際に用いられるめっき浴で、ドロスが発生しやすくなるため好ましくない。
本実施形態において、亜鉛合金めっき層10を形成するための製造方法としては、例えば、溶融した状態にあるZn-Al-Mg合金が保持されているめっき浴に対して、鋼板1を浸漬させ、かかるめっき浴から鋼板1を引き上げる方法が挙げられる。
鋼板1へのめっき付着量の制御は、鋼板1の引き上げ速度や、めっき浴の上方に設けられたワイピングノズルより噴出するワイピングガスの流量や、流速調整などにより行うことが可能である。
亜鉛合金めっき層10の製造に当たっては、切板めっき法やコイルを用いた連続法等を用いてもよい。
亜鉛合金めっき層10の付着量は、鋼板1の片面当たり20~100g/mの範囲であることが好ましい。亜鉛合金めっき層10の付着量が片面当たり20g/m未満である場合には、プレコート鋼板100の耐食性が不十分となるため、好ましくない。また、亜鉛合金めっき層10の付着量が片面当たり100g/m超である場合には、プレコート鋼板100の加工性が低下するため、好ましくない。
亜鉛合金めっき層10の付着量は、より好ましくは、鋼板1の片面当たり25~95g/mの範囲である。
(着色皮膜層20)
亜鉛合金めっき層10上には、着色皮膜層20(より詳細には、単層の着色皮膜層20)が設けられる。着色皮膜層20は、リン酸化合物、着色顔料及びバインダー樹脂を少なくとも含有する。
鋼板1の両面に亜鉛合金めっき層10が設けられている場合、着色皮膜層20は一方の亜鉛合金めっき層10上に設けられてもよく、両方の亜鉛合金めっき層10上に設けられてもよい。
<リン酸化合物>
本実施形態に係る着色皮膜層20に含有されるリン酸化合物は、着色皮膜層20中に一定量が偏りなく分布していることが重要であり、リン酸化合物がそのように分布する限り、リン酸化合物が含有される形態については、特に限定されない。以下、かかるリン酸化合物について、詳細に説明する。
リン酸化合物は、腐食環境においてリン酸イオンを放出する。放出されたリン酸イオンは、亜鉛合金めっき層10のめっき成分と反応することで、亜鉛合金めっき層10の表面に保護皮膜(不図示)を形成し、形成された保護皮膜が耐食性を向上させる。特に、加工後の耐食性を向上させるためには、加工によって着色皮膜層20のどの部分に亀裂が生じたとしても、亀裂部(不図示)からリン酸化合物が溶出できることが重要となる。
着色皮膜層20では、厚さ方向に2μmかつ着色皮膜層20と亜鉛合金めっき層10との界面40と平行方向(以下、界面方向と呼称する場合がある)に200μmの範囲(2μm×200μmの範囲)内に、リン元素の濃度が3%以上である第1の領域30が1~15個存在する。例えば、図4に示す場合には、着色皮膜層20は第1の領域30を2個含んでいる。
第1の領域30が2μm×200μmの範囲内に1個未満である場合には、リン酸化合物の分布が疎となり、十分な耐食性向上効果を得ることができないため、好ましくない。一方、第1の領域30の個数が2μm×200μmの範囲内に15個を超える場合には、リン酸化合物の分布が密になりすぎ、着色皮膜層20自体のバリア性が低下するため、好ましくない。
着色皮膜層20に含まれる第1の領域30の数は、好ましくは厚さ方向に2μmかつ界面方向に40μmの範囲(2μm×40μmの範囲)内に1~15個であり、より好ましくは厚さ方向に2μmかつ界面方向に20μmの範囲(2μm×20μmの範囲)内に1~15個である。着色皮膜層20に含まれる第1の領域30の数が上述の範囲であることにより、より好ましい耐食性を得ることができる。
図10は、本発明の第1実施形態に係るプレコート鋼板において、着色皮膜層20の表面部60、中心部70及び深部80を説明するための模式図である。
着色皮膜層20の層厚が8μm超、15μm以下である場合には、着色皮膜層20の表面から厚さ方向に2μmの範囲である表面部60、着色皮膜層20の層厚中心90を中心として厚さ方向に2μmの範囲である中心部70、界面40から表面側に向かって厚さ方向に2μmの範囲である深部80それぞれに対して、FE-EPMAを用いて2μm×200μmの範囲で検出されるリン元素の濃度を測定し、表面部60のリン酸化合物濃度をPA、中心部70のリン酸化合物濃度をPB、深部80のリン酸化合物濃度をPCとしたときに、PA/PBが0.5~2.0であり、かつ、PA/PCが0.5~2.0であることが好ましい。PA/PB及びPA/PCが0.5~2.0である場合には、リン酸化合物が着色皮膜層20全体に均等に分散しており、優れた耐食性を得ることができるためである。
着色皮膜層20の層厚が8μm以下である場合には、上述のPA/PCが0.5~2.0であることが好ましい。PA/PCが0.5~2.0である場合には、リン酸化合物が着色皮膜層20全体に均等に分散しており、優れた耐食性を得ることができるためである。
第1の領域30は、リン元素の濃度が3%以上である部分であり、着色皮膜層20に含有される各成分のうち、リン酸化合物が主に存在する部分である。第1の領域30は、主成分であるリン酸化合物以外に、着色皮膜層20に含有される各種の樹脂成分等を含んでもよい。
着色皮膜層20の第1の領域30以外の部分は、バインダー樹脂に由来する各種の樹脂成分を主成分とし、その他に着色顔料等を含んでもよい。
着色皮膜層20は、メラミン樹脂を含有することが好ましい。メラミン樹脂の種類は特に限定されないが、イミノ基型メラミン樹脂を用いることが好ましい。イミノ基型メラミン樹脂は着色皮膜層20の表層に濃化しやすく、メラミン樹脂縮合化合物(メラミン濃化層、不図示)を形成しやすいためである。着色皮膜層20の表面にメラミン樹脂縮合化合物の濃化層が形成されると、着色皮膜層20にバリア性が付与され、耐汚染性及び耐食性が向上するため、好ましい。
着色皮膜層20中におけるメラミン樹脂の各種分析方法について説明する。まず、分析対象である着色皮膜層20を、酸化オスミウムで染色する。これにより、着色皮膜層20中のメラミン樹脂が、選択的に染色される。次に、ミクロトーム、集束イオンビーム加工装置等を利用して、酸化オスミウムで染色した着色皮膜層20を膜厚方向に沿って切断し、断面が観察できる試料を作製する。続いて、透過型電子顕微鏡を用いて、薄膜試料を倍率10万倍で観察する。この観察において、薄膜試料中におけるトリアジン部位は、STEM-BF(明視野)画像では黒く観察され、STEM-HAADF(暗視野)画像では白く観察される。
上記のような分析方法により、着色皮膜層20中のメラミン樹脂を確認することができる。なお、着色皮膜層20中のメラミン樹脂は、エネルギー分散型X線分光法、又は、フーリエ変換赤外分光法で着色皮膜層20を分析して、窒素とオスミウムを検出したり、トリアジン環に帰属される振動ピークを検出することでも確認できる。
粒状のメラミン樹脂が濃化している領域の厚み(すなわち、層状に偏在した粒状のメラミン樹脂の濃化部の厚み)は、次の方法により測定される。上述のように、透過型電子顕微鏡により薄膜試料を倍率10万倍で観察して、STEM-BF(明視野)画像を得る。得られたSTEM-BF(明視野)画像を、2値化する。そして、得られた2値化画像において、着色皮膜層20の表面から黒く観察される層状の領域の厚みを任意の20箇所測定し、その平均値を粒状のメラミン樹脂が濃化している領域の厚みとして算出する。なお、着色皮膜層20の表面から層状に黒く観察される領域が確認されたとき、粒状のメラミン樹脂が着色皮膜の表層に濃化しているとみなす。
図5~7は、従来技術に係る着色皮膜層520での第1の領域30の分布状態を示す模式図である。図5に示す例では、着色皮膜層520の一部において、第1の領域30の数が少ない。このように、着色皮膜層の2μm×200μmの領域に第1の領域30が存在しないと、第1の領域30の存在しない箇所(つまり、リン酸化合物の存在しない箇所)に亀裂が生じたとき、亜鉛合金めっき層10の表面に保護皮膜が形成されないため、十分な耐食性を確保できない。
従来のプレコート鋼板のように、溶剤系塗料を用いて、亜鉛合金めっき層10側からプライマー層、着色皮膜層、クリア皮膜層等の複数層を形成する場合(つまり、合計膜厚が20μm以上と厚い場合)には、プライマー層にリン酸化合物を多量に添加することで、耐食性を向上することが可能である。
図6は、着色皮膜層520に第1の領域30が多く含まれる場合を表している。図6に示すように、着色皮膜層に多量のリン酸化合物が含まれており、かつ、本実施形態のように1層の着色皮膜層のみで耐食性を向上させる場合、腐食環境においてリン酸化合物が溶出した箇所が腐食因子の侵入経路となり、着色皮膜層自体のバリア性が低下する。
従って、本実施形態に係る着色皮膜層20に含まれるリン酸化合物は、例えば図4に示したように、着色皮膜層20の平面方向に一定量が均一に存在し、かつ、過剰に含まれないことが必要である。
また、着色皮膜層20に亀裂が生じた際に、腐食環境においてめっき成分との反応を容易にするために、着色皮膜層20と亜鉛合金めっき層10との界面40付近に一定量の第1の領域30(リン酸化合物)が存在することが必要である。
しかしながら、図7に示したように、亜鉛合金めっき層10の近傍のみにしか第1の領域30(リン酸化合物)が存在しない場合には、次のような問題が生じる。つまり、亀裂の深さが場所によって異なると、着色皮膜層20の表面近傍に第1の領域30(リン酸化合物)が存在しないために、亀裂が浅い箇所からのリン酸イオンの溶出量が少なくなり、耐食性が劣る。
従って、リン酸化合物は、着色皮膜層20の平面方向のみならず、着色皮膜層20の膜厚方向にも均一に分布することが重要となる。
第1の領域30の個数を測定する際は、着色皮膜層20の断面に対して、FE-EPMA(Field Emission Electron Probe Micro Analyzer)による二次電子像観察及びマッピング観察が用いられる。
FE-EPMAマッピング観察によりリン元素濃度を測定する方法は以下の通りである。すなわち、プレコート鋼板を適当な大きさに切断して、ミクロトーム、集束イオンビーム加工、樹脂埋め込み研磨等により、断面観察可能な試験体を作製する。その上で、断面方向から着色皮膜層のFE-EPMAマッピング分析を、加速電圧15kV(ビーム径は約30nm)、倍率5000倍で実施する。検出対象元素としてPを選択し、P元素の存在位置及び元素濃度をマッピングする。なお、P元素濃度は、リン酸濃度が既知のサンプルを用いて作成される検量線(濃度と検出強度の関係式)から求める。
マッピングの際の1ピクセルは1.5×10-3μm(径:39nm)である。1ピクセルの中央に電子線を50m秒照射し、発生するX線強度を1ピクセルから検出した強度として処理する。2値化した元素マッピングの結果から、連続した9ピクセル以上の範囲を1個の第1の領域としてカウントする。つまり、8ピクセル以下の範囲は1個の第1の領域としてはカウントしない。なお、「連続した9ピクセル以上の範囲」は、特に一方向における連続に限定されず、方向や形状によらず9ピクセル以上つながっていればよい。
より具体的には、上記のようなマッピング分析において、まず、リン元素濃度の測定結果に基づき、リン元素濃度が3mass%以上となっている部分を、着目した視野における第1の領域30の位置とする。次に、膜厚方向の長さ2μm×界面方向の長さ200μmの任意の部分について、第1の領域30の個数を計測し、得られた個数を、着色皮膜層の膜厚方向に沿った長さ2μm×界面方向に沿った長さ200μmの範囲内に存在する第1の領域30の個数とする。
なお、マッピング分析において1視野で200μmの範囲を観察できない場合には、複数の視野でマッピング分析を行い、各視野での分析結果を合計することで200μmの範囲の分析結果とする。
上記のような第1の領域30(リン酸化合物)の分布状態は、着色皮膜層20中に、リン酸化合物を特定の濃度で含有させることで実現される。
すなわち、リン酸化合物は、着色皮膜層20のマトリックスとして機能するバインダー樹脂と比較して比重が大きいために、通常は、着色皮膜層20を形成するための処理液が塗布された後、処理液を乾燥及び固化させるまでの間に、下方(すなわち、亜鉛合金めっき層10に向かう方向)に沈降しやすい状態となっている。しかしながら、バインダー樹脂として水分散型の水性樹脂を用いることで、リン酸化合物同士が密に凝集せず分散しやすい状態となる。これにより、リン酸化合物の分散が適切に実現されて、上記のような、特定のリン酸化合物の分布状態が実現される。
本実施形態に係る着色皮膜層20に含有されるリン酸化合物としては、例えば、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リン酸亜鉛マグネシウム、リン酸ジルコニウム、バナジン酸リン等を挙げることができる。
これらのリン酸化合物のうち、あるリン酸化合物を単独で用いてもよいし、複数のリン酸化合物を組み合わせて用いてもよい。これらリン酸化合物の中では、トリポリリン酸二水素アルミニウムを用いることが、特に好ましい。
着色皮膜層20に含まれるリン酸化合物の平均粒子径は、0.10μm以上であることが好ましい。
リン酸化合物の平均粒子径が0.10μm未満である場合には、リン酸化合物が着色皮膜層20中に密な間隔で分布することになり、上記のようなリン酸化合物の分布状態を実現することができない。また、リン酸化合物の平均粒子径が0.10μm未満である場合には、腐食環境においてリン酸化合物が溶出した箇所が腐食因子の侵入経路となり、着色皮膜層20自体のバリア性が低下することもあるため、好ましくない。
リン酸化合物の平均粒子径は、10μm以下であることが好ましい。リン酸化合物の平均粒子径が10μmを超える場合には、本実施形態に係るプレコート鋼板100の色調に悪影響を及ぼすこともあるため、好ましくない。
リン酸化合物の平均粒子径は、1~5μmの範囲内であることがより好ましい。
リン酸化合物の平均粒子径は以下の方法で求める。鋼板を断面方向から観察し、FE-EPMAによりリン(P)元素をマッピングする。このとき、連続した9ピクセル以上を1つの粒子とし、その面積Spを求める。リン酸化合物の粒子径はφp=2×(Sp/π)0.5により求める。任意の幅200μmを測定し、その範囲に確認されたリン酸化合物粒子の粒子径φpの平均を求める。
着色皮膜層20におけるリン酸化合物の濃度は、着色皮膜層20の全質量に対して、P量に換算して0.3~5.0質量%である。
リン酸化合物の濃度が5.0質量%を超える場合には、リン酸化合物が着色皮膜層20中に密な間隔で分布するため、上記のようなリン酸化合物の分布状態を実現することができない。また、リン酸化合物の濃度が5.0質量%を超える場合には、腐食環境においてリン酸化合物が溶出した箇所が腐食因子の侵入経路となり、着色皮膜層20自体のバリア性が低下することもあるため、好ましくない。
リン酸化合物の濃度が0.3質量%未満である場合には、本実施形態に係るプレコート鋼板100の耐食性が不十分となることもあるため、好ましくない。
着色皮膜層20におけるリン酸化合物の濃度は、より好ましくは、P量に換算して1.0~3.0質量%である。
ここで、着色皮膜層20におけるリン酸化合物の濃度は、着色皮膜層20を形成するために用いられる着色塗料に含有されるリン酸化合物の濃度とほぼ同じ値である。
着色皮膜層20中のP量に換算したリン酸化合物の濃度は、着色皮膜層20の断面をFE-EPMAにより分析することで測定できる。
<着色顔料>
本実施形態に係る着色皮膜層20中に含有される着色顔料には、一般的な塗装において通常使用される着色顔料を用いることができる。当該顔料の例には、黒色、白色、メタリック色、及び、有彩色の、各色の公知の金属や酸化物などからなる着色顔料が含まれる。なお、本明細書において着色顔料とは、リン及びバナジウムを含まない顔料を表す。
ここで、着色皮膜層20中における着色顔料の種類と、かかる着色顔料の濃度については、特に限定されるものではなく、所望の色調を得ることができる着色顔料種を適宜選択し、所望の色調が得られるような濃度を適宜選定すればよい。
着色皮膜層20に含まれる着色顔料の濃度は、着色皮膜を溶解し、ICP発光分光分析装置で着色顔料元素を定量分析することで求めることができる。
なお、メタリック色の着色顔料としてはアルミ、銀、銅、白金、金、黄銅などの金属顔料を使用することができるが、中でも特にメタリック色の顔料としては、アルミ顔料(アルミニウム顔料)を使用することが好ましい。
また、上記のアルミ顔料は、平均粒子径が7~30μmの範囲内であり、平均アスペクト比(平均粒子径と厚みとの比)が20以上であることがより好ましい。アルミ顔料の平均粒子径が7μm未満である場合には、外観としてメタリック感が不足することもあるため、好ましくない。一方、アルミ顔料の平均粒子径が30μmを超える場合には、外観が不均一となったり、加工性にも劣ることとなったりするため、好ましくない。また、アルミ顔料の平均アスペクト比が20未満である場合には、外観が不均一となることもあるため、好ましくない。
着色顔料の平均粒子径及び平均アスペクト比は、次のように求める。まず、着色皮膜の表面から電界放出型電子プローブマイクロアナライザー(Field Emission-Electron Probe Micro Analyzer:FE-EPMA)で元素マッピングし、任意の1つの顔料の長径の長さX1と短径の長さX2を求め、その顔料の粒子径Xを(X1+X2)/2で算出する。ここで、長径とは、元素マッピングで特定された顔料の像の輪郭内において、その顔料を横断する最大の線分を意味し、短径とは、長径に垂直な線分であって、その顔料を横断する最大のものを意味する。次に、断面方向からFE-EPMAで元素マッピングを行い、任意の一つの顔料の厚さY(上述の長径と短径の測定平面に垂直な方向で顔料を横断する最大の線分の長さ)の値を測定する。同様の方法を用いて任意の10個以上の顔料について粒子径と厚さとを求め、それぞれを平均化して顔料の平均粒子径[X]及び平均厚さ[Y]を算出し、平均アスペクト比を[X]/[Y]で求める。
なお、アルミ顔料以外の着色顔料については、その形状がアルミ顔料よりも球形に近く、また、平均粒子径もアルミ顔料よりも小さいことが多いため、一般的な平均粒子径及び平均アスペクト比を有するものを適宜利用することで、上記のようなリン酸化合物の分布状態を実現することが可能である。
アルミ顔料は、着色皮膜層20と亜鉛合金めっき層10との界面40から表層側に向かって膜厚方向に0.5μmまでの範囲内、又は、着色皮膜層20の最表層から界面40側に向かって膜厚方向に0.5μmまでの範囲内には、存在しないことが好ましい。
アルミ顔料が、界面40の近傍や、着色皮膜層20の最表層近傍に存在する場合には、腐食環境において、アルミ顔料が腐食因子の侵入経路となり易く、耐食性に劣る結果となり易いため、好ましくない。
界面40とアルミ顔料との間隔及び着色皮膜層20の最表層とアルミ顔料との間隔は、プレコート鋼板100を適当な大きさに切断して樹脂埋め込みし、断面を研磨し、断面方向から電子顕微鏡観察等で観察することによって確認可能である。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂として用いられる樹脂の種類は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ふっ素樹脂、或いはこれらの変性樹脂などの公知の樹脂を用いることができる。
更に、これらの樹脂をメラミン樹脂、やイソシアネート樹脂等の公知の架橋剤成分により架橋させてもよい。また、バインダー樹脂として、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂等のエネルギー線硬化樹脂を用いてもよい。
これら樹脂の中では、特に、ポリエステル樹脂、及び、アクリル樹脂の少なくとも何れか一方をバインダー樹脂として用いることが好ましい。
<着色皮膜層20の厚さ>
着色皮膜層20の厚さは、例えば、2~15μmの範囲内であることが好ましい。
着色皮膜層20の厚さが2μm未満である場合には、屋外で使用した場合に着色皮膜層20が劣化したり、亜鉛合金めっき層10の表面が灰黒色に変色したりすることで、本実施形態に係るプレコート鋼板100の色調を所望の範囲に維持することが困難となることがあるため、好ましくない。
一方、着色皮膜層20の厚さが15μmを超える場合には、プレコート鋼板100の製造に係るコストが増加し、かつ、加工性が低下する傾向にあることから、好ましくない。
着色皮膜層20の厚さは、3~10μmの範囲内であることがより好ましい。
着色皮膜層20の厚さは、各種の顕微鏡等を利用した着色皮膜層20の断面観察により測定することが可能である。
(化成処理皮膜層)
上述の説明では亜鉛合金めっき層10の表面に着色皮膜層20が形成される場合を説明したが、亜鉛合金めっき層10の表面に化成処理皮膜層(不図示)を形成し、化成処理皮膜層(不図示)の表面に着色皮膜層20を形成する態様としてもよい。
化成処理皮膜層(不図示)が設けられることによって、着色皮膜層20の密着性をより向上させることができ、かつ、耐食性をより向上させることができるため好ましい。
化成処理皮膜層(不図示)は、公知の化成処理により形成される。このような化成処理として、例えば、リン酸亜鉛系化成処理、塗布クロメート処理、電解クロム酸処理、反応クロメート処理、クロメートフリー系化成処理等が挙げられる。
化成処理皮膜層(不図示)の厚さは特に限定されず、例えば0.05~1μmが挙げられる。化成処理皮膜層(不図示)の厚さは、例えば、化成処理皮膜層(不図示)の断面を透過型顕微鏡等で観察することで測定可能である。
(プレコート鋼板100の製造方法)
次に、本実施形態に係るプレコート鋼板100の製造方法について説明する。
本実施形態に係るプレコート鋼板100の製造方法は、亜鉛合金めっき層10が形成された鋼板1に対して、リン酸化合物、着色顔料及びバインダー樹脂を含む着色塗料を塗布する工程を含む。ここで、上記の着色塗料は、着色皮膜層20を形成するために用いられる着色塗料処理液である。
着色皮膜層20を形成するために用いられる着色塗料処理液は、所定の分散媒(例えば、水や有機溶媒など)に対して、上記のような着色皮膜層20に含有させたい成分を所定の割合で含有させ、公知の方法により製造すればよい。
着色塗料処理液に含有されるバインダー樹脂は、水分散型の水性樹脂であることが好ましい。着色皮膜層20の形成過程において、水分散型の樹脂が存在することで、リン酸化合物を、密に凝集した状態とならないように分散させることができる。これにより、本実施形態に係る着色皮膜層20において、所定のリン酸化合物の分布状態を実現することができる。更に、水性樹脂により形成された着色皮膜層20は、溶剤系樹脂により形成された着色皮膜層20と比較して、リン酸化合物の溶出性が良好であるため、より少ない量のリン酸化合物で耐食性を向上させることができ、好ましい。
着色塗料処理液は、メラミン樹脂を含有することが好ましい。メラミン樹脂はバインダー樹脂の架橋反応に寄与するだけでなく、防錆顔料の分布状態の制御に寄与するためである。これらの観点から、着色塗料処理液に含まれるメラミン樹脂は、イミノ基型メラミン樹脂であることが好ましい。
着色塗料処理液の粘度は、レオメーターによりせん断速度0.01s-1の条件で測定した場合に0.8Pa・s以上であり、せん断速度1000s-1の条件で測定した場合に0.3Pa・s以下であることが好ましい。
リン酸化合物は樹脂よりも比重が大きいため、通常は、リン酸化合物が下方に沈降しやすい状態となる。これに対し、塗料粘度を粘度調整剤により上記範囲に調整することで、塗料を加熱時に発生する対流により着色皮膜中に分散されたリン酸化合物が沈降することを抑制できる。また、塗料保管時の沈降抑制や塗装後のレベリングによる外観均一化などの効果も得られる。
使用する粘度調整剤の種類や量は、バインダー樹脂の種類や溶媒の種類等に応じて、適宜選定すればよい。粘度調整剤の例としては、増粘剤の一つであるSNシックナー617(サンノプコ株式会社製、主成分はアクリル系重合物)が挙げられる。SNシックナー617を用いることにより、着色塗料処理液にチクソトロピック粘性が付与されるため好ましい。
SNシックナー617を着色塗料処理液に添加することにより、着色塗料の粘度を前記範囲に制御できる。
上記の塗料処理液の塗布方法は、特定の方法に限定されるものではなく、めっき鋼板を処理液に浸漬するか、又は、めっき鋼板の表面に処理液をスプレーしてから、所定付着量となるようにロールやガス吹き付けにより付着量を制御する方法や、ロールコータやカーテンコータやバーコータで塗布する方法が例示される。
塗布された塗料の乾燥、焼付方法も、分散媒(主として水や有機溶媒など)を揮発させることが可能な方法であればよく、特定の方法に限定されるものではない。ここで、過度に高温で加熱すると着色皮膜層の均一性が低下することが懸念され、逆に、過度に低温で加熱すると生産性の低下が懸念される。従って、優れた特性を有する着色皮膜層を安定的かつ効率的に製造するためには、塗布後の着色皮膜層を、150℃~250℃程度の温度で5秒~80秒程度加熱することが好ましい。加熱温度を上記のような範囲とすることで、処理液中の各粒子を適切に十分移動させることが可能となり、各粒子の所望の分布状態をより確実に実現することが可能となる。
なお、着色皮膜層の形成は、めっき鋼板の製造ラインにおいてインラインで行われることが経済的であり好ましいが、別ラインで形成してもよいし、あるいは、成形のためのブランキングをしてから形成してもよい。
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態に係るプレコート鋼板200の層構成を示す模式図である。プレコート鋼板200は、鋼板1と、鋼板1上に設けられ、1~25質量%のAlと、0.1~13質量%のMgと、0~2.0質量%のSiと、を含有し、残部がZn及び不純物からなる亜鉛合金めっき層10と、亜鉛合金めっき層10上に設けられ、バナジウム化合物、着色顔料及びバインダー樹脂を含む着色皮膜層120と、を備える。つまり、プレコート鋼板200では、着色皮膜層120がバナジウム化合物を含有する点が第1実施形態とは異なる。
なお、第1実施形態と共通する点については説明を割愛する。
(着色皮膜層120)
亜鉛合金めっき層10上には、着色皮膜層(より詳細には、単層の着色皮膜層)120が設けられる。本実施形態に係る着色皮膜層120は、バナジウム化合物、着色顔料及びバインダー樹脂を少なくとも含有する。
<バナジウム化合物>
本実施形態に係る着色皮膜層120に含有されるバナジウム化合物は、着色皮膜層120の亜鉛合金めっき層10側の界面140付近に分布していることが重要である。バナジウム化合物がそのように分布する限り、バナジウム化合物が含有される形態については、特に限定されない。以下、かかるバナジウム化合物について、詳細に説明する。
バナジウム化合物は、腐食環境においてバナジン酸イオンを放出する。放出されたバナジン酸イオンは、亜鉛合金めっき層10のめっき成分及び鋼板1の成分と反応することで、亜鉛合金めっき層10及び端面の鋼板1の表面に保護皮膜(不図示)を形成し、形成された保護皮膜が耐食性を向上させる作用を示す。
バナジン酸イオンがめっき成分及び素地鋼板成分と反応することを容易にするために、バナジウム化合物は、着色皮膜層120の亜鉛合金めっき層10側の界面140付近に存在することが重要である。特に、プレコート鋼板200の端面が露出する際には、バナジウム化合物の存在状態は極めて重要となる。
従来のプレコート鋼板のように、溶剤系塗料を用いて、めっき鋼板のめっき層側から順に、プライマー層、着色皮膜層、クリア皮膜層、・・・等といった複数層の皮膜を形成する場合には、プライマー層にバナジウム化合物を多量に添加することで、耐食性向上効果を得ることが可能である。一方、本発明の実施形態のように、着色皮膜層1層のみで耐食性を向上させる場合、例えば図6に模式的に示したように、バナジウム化合物が着色皮膜層520中に多量に存在すると、腐食環境においてバナジウム化合物が溶出した箇所が腐食因子の侵入経路となり、着色皮膜層520自体のバリア性が低下する。従って、本実施形態に係る着色皮膜層120に用いるバナジウム化合物は、例えば図8に模式的に示したように、着色皮膜層120の亜鉛合金めっき層10側の界面140付近に一定量存在しつつも、密になりすぎずに分布することが重要となる。
図8は、着色皮膜層120中のバナジウム化合物の存在状態を示す模式図である。図8に示すように、着色皮膜層120の厚さ方向の断面をFE-EPMAでマッピング観察したときに、界面140から表面側に向かって厚さ方向に1μmかつ界面140と平行方向(以下、界面方向と呼称する場合がある)に200μmの範囲内に、バナジウム元素の濃度が3%以上である第2の領域130が1~10個存在する。
界面方向に沿った長さ200μmの範囲内に存在する第2の領域130の個数が1個未満である場合には、バナジウム化合物の分布が疎となり、十分な耐食性向上効果を得ることができない。一方、界面方向に沿った長さ200μmの範囲内に存在する第2の領域130の個数が10個超の場合には、バナジウム化合物の分布が密になりすぎ、着色皮膜層120自体のバリア性が低下するため、好ましくない。
第2の領域130は、界面140から表面側に向かって厚さ方向に1μmかつ界面方向に40μmの範囲内に1~10個存在することが好ましい。第2の領域130は、界面140から表面側に向かって厚さ方向に1μmかつ界面方向に20μmの範囲内に1~10個存在することがより好ましい。
図11は、本発明の第2実施形態に係るプレコート鋼板200において、層厚中心190と層厚とを説明するための模式図である。
着色皮膜層120の層厚をTとし、着色皮膜層120の表面から厚さ方向にTかつ界面方向に200μmの範囲でFE-EPMAを用いて検出されるバナジウム元素の濃度をPD、着色皮膜層120の層厚中心190から界面140に向かって厚さ方向にT/2(つまり、厚さ方向に層厚中心190から界面140までの範囲)かつ界面方向に200μmの範囲でFE-EPMAを用いて検出されるバナジウム元素の濃度をPEとしたときに、PE/PDが1.0~5.0であることが好ましい。
FE-EPMAマッピング観察によりバナジウム元素濃度を測定する方法は、以下の通りである。すなわち、プレコート鋼板を適当な大きさに切断して樹脂埋め込みし、断面を研磨する。その上で、断面方向から着色皮膜層のFE-EPMAマッピング分析を、加速電圧15kV、倍率5000倍で実施する。この際、検出対象元素としてVを選択し、各元素の存在位置及び元素濃度をマッピングする。
より具体的には、上記のようなマッピング分析において、まず、「着色皮膜層120の亜鉛合金めっき層10側の界面140から表層側に向かって膜厚方向に1μmまでの領域」に着目し、かかる領域におけるバナジウム元素濃度の測定結果に基づき、バナジウム元素濃度が3%以上となっている部分を、着目した視野における第2の領域130の位置とする。次に、平面方向の長さ200μmの任意の部分について、第2の領域130の個数を計測し、得られた個数を、着色皮膜層120の界面方向に沿った長さ200μmの範囲内に存在する第2の領域130の個数とする。
上記のような特定のバナジウム化合物の分布状態は、以下で説明するように、特定の形状を有するバナジウム化合物が、着色皮膜層120中に特定の濃度で含まれることで実現される。すなわち、バナジウム化合物は、着色皮膜層120のマトリックスとして機能するバインダー樹脂と比較して比重が大きいために、着色皮膜層を形成するための処理液が塗布された後、かかる処理液を乾燥・固化させるまでの間に、下方(すなわち、めっき鋼板に向かう方向)に沈降しやすい状態となっている。更に、バインダー樹脂として水分散型の水性樹脂を用いることで、バナジウム化合物同士が密に凝集せず分散しやすい状態となる。特定の形状を有するバナジウム化合物を、着色皮膜層中に特定の濃度で含有させることで、上記のようなバナジウム化合物の沈降が適切に実現されて、上記のような、特定のバナジウム化合物の分布状態が実現される。
本実施形態に係る着色皮膜層に含有されるバナジウム化合物は、バナジン酸化合物又は酸化バナジウムである。本実施形態に係る着色皮膜層に含有されるバナジウム化合物としては、例えば、バナジン酸カルシウム、バナジン酸マグネシウム、バナジン酸アンモニウム、酸化バナジウム、バナジン酸ナトリウム、バナジン酸カリウム、バナジン酸リン、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸カリウム等の顔料を挙げることができる。これらのバナジウム化合物のうち、あるバナジウム化合物を単独で用いてもよいし、複数のバナジウム化合物を組み合わせて用いてもよい。これらバナジウム化合物の中では、バナジン酸カルシウム、及び、バナジン酸マグネシウムの少なくとも何れか一方を用いることが、特に好ましい。
なお、本明細書ではバナジン酸リンをリン酸化合物に分類する。
バナジウム化合物が「バナジン酸化合物」又は「バナジウム酸化物」であるか否か、りん化合物が「りん酸化合物」か否かは、XPSのナロースペクトルから結合エネルギーを求めることで分析することができる。また、IRなどによる赤外線吸収ピークからでも確認できる。
バナジウム化合物の平均粒子径は、0.10μm以上であることが好ましい。
バナジウム化合物の平均粒子径が0.10μm未満である場合には、着色皮膜層形成用の処理液中でバナジウム化合物を適切に沈降させることが困難となり、上記のようなバナジウム化合物の分布状態を実現することが難しいため好ましくない。また、バナジウム化合物の平均粒子径が0.10μm未満である場合には、バナジウム化合物が着色皮膜層120の亜鉛合金めっき層10側の界面140付近に、密な間隔で分布することになる。その場合、腐食環境においてバナジウム化合物が溶出した箇所が腐食因子の侵入経路となり、着色皮膜層120自体のバリア性が低下することもあるため、好ましくない。
バナジウム化合物の平均粒子径は、10μm以下であることが好ましい。バナジウム化合物の平均粒子径が10μmを超える場合には、本実施形態に係るプレコート鋼板の色調に悪影響を及ぼすこともあるため、好ましくない。バナジウム化合物の平均粒子径は、1~5μmの範囲内であることがより好ましい。
着色皮膜層120におけるバナジウム化合物の濃度は、着色皮膜層120の全固形分質量に対して、V量に換算して8.0質量%以下とする。バナジウム化合物の濃度が8.0質量%を超える場合には、着色皮膜層120におけるバナジウム化合物の濃度が多くなりすぎて、上記のようなバナジウム化合物の分布状態を実現することが困難である。また、バナジウム化合物の濃度が8.0質量%を超える場合には、バナジウム化合物が着色皮膜層120の亜鉛合金めっき層10側の界面140付近に、密な間隔で分布することになる。その場合、腐食環境においてバナジウム化合物が溶出した箇所が腐食因子の侵入経路となり、着色皮膜自体のバリア性が低下することもあるため、好ましくない。
着色皮膜層120におけるバナジウム化合物の濃度は、着色皮膜層120の全固形分質量に対して、V量に換算して0.5質量%以上であることが好ましい。バナジウム化合物の濃度が0.5質量%未満である場合には、本実施形態に係るプレコート鋼板の耐食性が不十分となることもあるため、好ましくない。
着色皮膜層120におけるバナジウム化合物の濃度は、より好ましくは、V量に換算して1.5~6.5質量%である。
ここで、着色皮膜層120におけるバナジウム化合物の濃度は、着色皮膜層120を形成するために用いられる着色塗料に含有されるバナジウム化合物の濃度とほぼ同じ値となる。
着色皮膜層20中のV量に換算したバナジウム化合物の濃度は、着色皮膜層20の断面をFE-EPMAにより分析する。
(プレコート鋼板200の製造方法)
次に、本実施形態に係るプレコート鋼板200の製造方法について説明する。
本実施形態に係るプレコート鋼板200の製造方法は、亜鉛合金めっき層10が形成された鋼板1に対して、バナジウム化合物、着色顔料及びバインダー樹脂を含む着色塗料を塗布する工程を含む。ここで、上記の着色塗料は、着色皮膜層120を形成するために用いられる着色塗料処理液である。
着色塗料がバナジウム化合物を含有する点以外は、プレコート鋼板100の製造方法と共通するため、説明を割愛する。
[第3実施形態]
図3は、本発明の第3実施形態に係るプレコート鋼板300の層構成を示す模式図である。プレコート鋼板300は、鋼板1と、鋼板1上に設けられ、1~25質量%のAlと、0.1~13質量%のMgと、0~2.0質量%のSiと、を含有し、残部がZn及び不純物からなる亜鉛合金めっき層10と、亜鉛合金めっき層10上に設けられ、リン酸化合物、バナジウム化合物、着色顔料及びバインダー樹脂を含む着色皮膜層220と、を備える。つまり、プレコート鋼板300では、着色皮膜層220がリン酸化合物及びバナジウム化合物の両方を含有する点が第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態と共通する点については説明を割愛する。
(着色皮膜層220)
亜鉛合金めっき層10上には、着色皮膜層(より詳細には、単層の着色皮膜層)220が設けられる。本実施形態に係る着色皮膜層220は、リン酸化合物、バナジウム化合物、着色顔料及びバインダー樹脂を少なくとも含有する。
着色皮膜層220はリン酸化合物とバナジウム化合物との両方を含有するが、着色皮膜層220におけるリン酸化合物の存在態様及びバナジウム化合物の存在態様は、それぞれが単独で存在する場合(つまり、着色皮膜層20におけるリン酸化合物の存在態様及び着色皮膜層120におけるバナジウム化合物の存在態様)と同様である。
(プレコート鋼板300の製造方法)
次に、本実施形態に係るプレコート鋼板300の製造方法について説明する。
本実施形態に係るプレコート鋼板300の製造方法は、亜鉛合金めっき層10が形成された鋼板1に対して、リン酸化合物、バナジウム化合物、着色顔料及びバインダー樹脂を含む着色塗料を塗布する工程を含む。ここで、上記の着色塗料は、着色皮膜層220を形成するために用いられる着色塗料処理液である。
着色塗料がリン酸化合物とバナジウム化合物との両方を含有する点以外は、プレコート鋼板100及びプレコート鋼板200の製造方法と共通するため、説明を割愛する。
以下では、実施例及び比較例を示しながら、本発明に係るプレコート鋼板について、具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明に係るプレコート鋼板のあくまでも一例にすぎず、本発明に係るプレコート鋼板が下記の例に限定されるものではない。
(1)めっき鋼板
以下の表1に示すA1~A5の5種類の亜鉛系めっき鋼板を準備した。更に、これら亜鉛系めっき鋼板に対して、クロメートフリー系化成処理(CT-E300/日本パーカライジング社製)を60mg/m施しためっき鋼板も準備した。化成処理に用いた処理液は、その成分としてシランカップリング剤を含有するものであり、かかる化成処理により形成される化成処理皮膜層は、下地被膜層として機能する。なお、化成処理の有無は、表5-1~5-5に記載した。
Figure 0007120322000001
(2)着色塗料の調整
着色皮膜層の形成に用いる着色塗料を調製した。
バインダー樹脂として、以下の表4に示す樹脂を用意し、各樹脂溶液に対し、硬化剤としてメラミン系硬化剤を固形分割合で15質量%添加した。更に、防錆顔料として、以下の表2に示す防錆顔料を準備した。製造された着色皮膜層に含まれる防錆顔料の平均粒子径及び濃度は、以下の方法で測定した。
<平均粒子径>
防錆顔料の平均粒子径は以下の方法で求めた。鋼板を断面方向から観察し、FE-EPMAによりリン(P)元素又はバナジウム(V)元素をマッピングした。このとき、連続した9ピクセル以上を1つの粒子とし、その面積Spを求める。リン酸化合物の粒子径はφp=2×(Sp/π)0.5により求める。任意の幅200μmを測定し、その範囲に確認されたリン酸化合物粒子又はバナジウム化合物の粒子の粒子径φpの平均を求めた。
<濃度>
防錆顔料の濃度は、着色皮膜層の断面をFE-EPMAにより分析することで測定した。
防錆顔料の平均粒子径及び濃度を表5-1~5-5に示した。なお、表5-1~5-5に示す防錆顔料の濃度は、リン酸化合物の場合はP量に換算した濃度であり、バナジウム化合物の場合はV量に換算した濃度である。
また、用いた着色顔料の種類を表3に、濃度、平均粒子径及び平均アスペクト比を表5-1~5-5に示した。
着色顔料の濃度は、着色皮膜を溶解し、ICP発光分光分析装置で着色顔料元素を定量分析することによって測定した。また、着色顔料の平均粒子径及び平均アスペクト比は、上述したFE-EPMAを用いた方法によって測定した。
Figure 0007120322000002
Figure 0007120322000003
Figure 0007120322000004
(3)サンプル作製
上記のようにして調製した着色塗料を、乾燥膜厚が表5-1~5-5に示した膜厚になるように、バーコータを用いてめっき鋼板に塗布し、60秒で最高到達板温度(PMT)が200℃になるように加熱して、着色皮膜層を形成した。
(4)サンプルの評価
上記方法により作製した各サンプルについて、以下のような基準に基づき性能を評価した。性能評価において、VeryGood、Good、Fairを合格とし、Poorを不合格とした。得られた評価結果を、表6-1~6-3に示した。
<リン酸化合物の分布>
リン酸化合物の着色皮膜層における分布を、以下の方法により分析した。
作製した各サンプルを15×20mmに切断して樹脂埋め込みし、断面を研磨し、断面方向から着色皮膜層のFE-EPMAマッピング分析を加速電圧15kV、倍率5000倍で実施した。この際に、着色皮膜層の任意の領域において、リン元素の濃度が3%以上である第1の領域が、膜厚方向の長さ2μm×平面方向の長さ200μmの範囲内に存在する個数を確認した。
同様にして、PA/PB及びPA/PCの値を測定した。なお、膜厚が8μm以下の場合、PA/PBの項目にはスラッシュを記載している。
<バナジウム化合物の分布>
バナジウム化合物の着色皮膜層における分布を、以下の方法により分析した。
作製した各サンプルを15×20mmに切断して樹脂埋め込みし、断面を研磨し、断面方向から着色皮膜層のFE-EPMAマッピング分析を加速電圧15kV、倍率5000倍で実施した。この際に、着色皮膜層の亜鉛めっき層との界面から表層側に向かって膜厚方向に1μmの領域において、バナジウム元素の濃度が3%以上である第2の領域が、平面方向の長さ200μmの範囲内に存在する個数を確認した。
同様にして、PE/PDの値を測定した。
<着色顔料の分布>
着色顔料としてアルミ顔料を用いたサンプルについて、アルミ顔料の着色皮膜層における分布を、以下の方法により分析した。
作製した各サンプルを15×20mmに切断して樹脂埋め込みし、断面を研磨し、断面方向から電子顕微鏡観察を加速電圧15kV、倍率5000倍で実施した。着色皮膜層の亜鉛合金めっき層側の界面から0.5μmまでの範囲内、及び、着色皮膜層の最表層から0.5μmの範囲内に、アルミニウム元素が存在するか否かを確認した。評価基準は、以下の通りである。
なお、アルミ顔料を用いていない実施例・比較例では、「着色顔料の分布」の評価結果の欄に「-」を記入している。
Good:上記2つの部分の何れにも存在しない
Fair:上記2つの部分のうち何れか一方のみに存在する
Poor:上記2つの部分のうち何れにも存在する
<加工部耐食性>
サンプルをエリクセン試験機により7mm押し出し加工し、JASO-M609に規定された複合サイクル腐食試験を30サイクル行った後に、加工部における錆発生面積率を評価した。評価基準は、以下の通りである。
VeryGood:5mm未満
Good:5mm以上、8mm未満
Fair:8mm以上、10mm未満
Poor:10mm以上
<端面耐食性>
JIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験(SST)を480時間実施し、端面からの錆進展距離を、以下の基準により評価した。
VeryGood:5mm未満
Good:5mm以上8mm未満
Fair:8mm以上10mm未満
Poor:10mm以上
<耐候性>
サンシャインカーボンアーク灯式の促進耐候性試験を500時間実施し、試験前後での着色皮膜表面の色差ΔEを以下の基準により評価した。なお、色差ΔEは、分光測色計(スガ試験機社製、型式:SC-T45)を用いて測定した。
VeryGood:色差ΔEが3未満
Good:色差ΔEが3以上4未満
Fair:色差ΔEが4以上6未満
Poor:色差ΔEが6以上
<外観>
作製したサンプルの外観を、以下の基準により評価した。
VeryGood:色調、表面艶が均一であり、下地が透けて見えない。
Good:色調、表面艶がやや不均一であり(目を凝らして確認できるレベル)、下地は透けて見えない。
Fair:色調、表面艶がやや不均一であり(目を凝らして確認できるレベル)、下地がやや透けて見える。
Poor:色調、表面艶が不均一である(容易に確認できるレベル)、または下地が透けて見える。
<加工性>
作製したサンプルに対して、20℃雰囲気中で180°折り曲げ加工を施した後、折り曲げ加工部の外観を、以下の基準で評価した。
VeryGood:着色皮膜層に亀裂等の不具合がない。
Good:着色皮膜層に僅かに亀裂が認められる(加工前のサンプルと並べると、目を凝らせば分かるレベル)
Fair:着色皮膜層に僅かに亀裂が認められる(加工前のサンプルと並べると、容易に分かるレベル)
Poor:着色皮膜層に亀裂が認められる(加工後サンプルのみを見て、容易に分かるレベル)。
Figure 0007120322000005
Figure 0007120322000006
Figure 0007120322000007
Figure 0007120322000008
Figure 0007120322000009
Figure 0007120322000010
Figure 0007120322000011
Figure 0007120322000012
上記表5-1~5-5及び表6-1~6-3から明らかなように、本発明の実施例に対応するプレコート鋼板は、優れた意匠性、耐食性、加工性、及び、耐候性を兼ね備えていることが分かる。一方、本発明の比較例に対応するプレコート鋼板は、意匠性、耐食性、加工性、又は、耐候性の何れかの性能が劣ることがわかる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記各実施形態によれば、着色皮膜の薄膜化を図りつつ、意匠性、耐食性、加工性及び耐候性に優れたプレコート鋼板を提供することができる。
1 鋼板
10 亜鉛合金めっき層
20,120,220 着色皮膜層
100,200,300 プレコート鋼板
30 第1の領域
130 第2の領域
40,140 (亜鉛合金めっき層と着色皮膜層との)界面

Claims (19)

  1. 鋼板と;
    前記鋼板上に設けられ、1~25質量%のAlと、0.1~13質量%のMgと、0~2.0質量%のSiと、を含有し、残部がZn及び不純物からなる亜鉛合金めっき層と;
    前記亜鉛合金めっき層上に設けられ、リン酸化合物とバナジウム化合物との少なくとも一方、着色顔料及びバインダー樹脂を含む着色皮膜層と;
    を備え、
    前記着色皮膜層が前記リン酸化合物を含む場合には、
    前記リン酸化合物の濃度は、前記着色皮膜層の全固形分質量に対して、P量に換算して0.3~5.0質量%であり;
    前記リン酸化合物の平均粒子径が、0.10~10μmであり、
    前記着色皮膜層の厚さ方向の断面をFE-EPMAでマッピング観察したときに、前記厚さ方向に2μmかつ前記着色皮膜層と前記亜鉛合金めっき層との界面と平行方向に200μmの範囲内に、リン元素の濃度が3%以上である第1の領域が1~15個存在し、
    前記着色皮膜層が前記バナジウム化合物を含む場合には、
    前記バナジウム化合物は、バナジン酸化合物又は酸化バナジウムであり;
    前記バナジウム化合物の濃度は、前記着色皮膜層の全固形分質量に対して、V量に換算して0.5~8.0質量%であり;
    前記着色皮膜層の前記厚さ方向の断面をFE-EPMAでマッピング観察したときに、前記界面から表面側に向かって前記厚さ方向に1μmかつ前記界面と平行方向に200μmの範囲内に、バナジウム元素の濃度が3%以上である第2の領域が1~10個存在する
    ことを特徴とする、プレコート鋼板。
  2. 前記着色皮膜層が前記リン酸化合物を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載のプレコート鋼板。
  3. 前記着色皮膜層の厚さ方向の断面をFE-EPMAでマッピング観察したときに、前記厚さ方向に2μmかつ前記界面と平行方向に40μmの範囲内に、リン元素の濃度が3%以上である第1の領域が1~15個存在する
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のプレコート鋼板。
  4. 前記着色皮膜層の厚さ方向の断面をFE-EPMAでマッピング観察したときに、前記厚さ方向に2μmかつ前記界面と平行方向に20μmの範囲内に、リン元素の濃度が3%以上である第1の領域が1~15個存在する
    ことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  5. 前記着色皮膜層の層厚が8μm超、15μm以下であり、
    前記着色皮膜層の表面から前記厚さ方向に2μmの範囲である表面部、前記着色皮膜層の層厚中心を中心として前記厚さ方向に2μmの範囲である中心部、前記界面から前記表面側に向かって前記厚さ方向に2μmの範囲である深部それぞれに対して、FE-EPMAを用いて2μm×200μmの範囲で検出されるリン元素の濃度を測定し、前記表面部のリン酸化合物濃度をPA、前記中心部のリン酸化合物濃度をPB、前記深部のリン酸化合物濃度をPCとしたときに、PA/PBが0.5~2.0であり、かつ、PA/PCが0.5~2.0である
    ことを特徴とする、請求項1~の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  6. 前記着色皮膜層の層厚が8μm以下であり、
    前記着色皮膜層の表面から前記厚さ方向に2μmの範囲である表面部及び前記界面から前記表面側に向かって前記厚さ方向に2μmの範囲である深部それぞれに対して、FE-EPMAを用いて前記厚さ方向の断面をマッピング観察し、前記表面部のリン酸化合物濃度をPA、前記深部のリン酸化合物濃度をPCとしたときに、PA/PCが0.5~2.0である
    ことを特徴とする、請求項1~の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  7. 前記着色皮膜層が前記バナジウム化合物を含む
    ことを特徴とする、請求項1~の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  8. 前記バナジウム化合物の平均粒子径が、0.10~10μmである
    ことを特徴とする、請求項に記載のプレコート鋼板。
  9. 前記着色皮膜層の層厚をTとし、前記着色皮膜層の表面から前記厚さ方向にTかつ前記界面と平行方向に200μmの範囲でFE-EPMAを用いて検出されるバナジウム元素の濃度をPD、前記着色皮膜層の層厚中心から前記界面に向かって前記厚さ方向にT/2かつ前記界面方向に200μmの範囲でFE-EPMAを用いて検出されるバナジウム元素の濃度をPEとしたときに、PE/PDが1.0~5.0である
    ことを特徴とする、請求項又はに記載のプレコート鋼板。
  10. 前記亜鉛合金めっき層が、
    4~22質量%のAlと;
    1~5質量%のMgと;
    を含有する
    ことを特徴とする、請求項の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  11. 前記亜鉛合金めっき層が、0.01~2.0質量%のSiを含有する
    ことを特徴とする、請求項10の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  12. 前記着色顔料が、アルミ顔料である
    ことを特徴とする、請求項11の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  13. 前記着色顔料の平均粒子径が7~30μmであり、かつ、平均アスペクト比が20以上である
    ことを特徴とする、請求項12に記載のプレコート鋼板。
  14. 前記着色顔料が、前記着色皮膜層の表面から前記厚さ方向に0.5μmの範囲、又は、前記界面から前記表面に向かって前記厚さ方向に0.5μmの範囲には存在しない
    ことを特徴とする、請求項12又は13に記載のプレコート鋼板。
  15. 前記着色皮膜層に含まれる前記バインダー樹脂が、ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂である
    ことを特徴とする、請求項1~14の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  16. 前記着色皮膜層がメラミンを更に含有する
    ことを特徴とする、請求項1~15の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  17. 前記着色皮膜層の表面に、メラミン濃化層を備える
    ことを特徴とする、請求項16に記載のプレコート鋼板。
  18. 前記着色皮膜層と前記亜鉛合金めっき層との間に、化成処理皮膜層を更に備える
    ことを特徴とする、請求項1~17の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
  19. 前記着色皮膜層の層厚が、2μm以上である
    ことを特徴とする、請求項1~18の何れか1項に記載のプレコート鋼板。
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