JP7116889B2 - 耐熱高分子フィルム、表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法、及び、耐熱高分子フィルムロール - Google Patents
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Description
このような事情に鑑み、機能素子を形成するための高分子フィルムと無機基板との積層体として、耐熱性に優れ強靭で薄膜化が可能なポリイミドフィルムを、シランカップリング剤を介して無機基板に貼り合わせた積層体が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
表面処理された第1面を有する耐熱高分子フィルムであって、
前記第1面の窒素含有率が、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多いことを特徴とする。
また、前記耐熱高分子フィルムは、多価アミン化合物で表面処理すれば得られるため、生産性により優れる。
耐熱高分子フィルムに、多価アミン化合物を塗布する工程Aと、
前記工程Aの後、前記耐熱高分子フィルムを、0℃以上60℃未満の範囲内で保持する工程Bと、
前記工程Bの後、前記耐熱高分子フィルムを、60℃以上250℃以下の範囲内で保持する工程Cと
を有することを特徴とする。
本発明者らは、前記工程Bにおいて、多価アミン化合物による耐熱高分子フィルムの部分分解が行われ、前記工程Cにおいて、部分分解によって生じた耐熱高分子フィルム表面の官能基と多価アミン化合物とが反応し、これにより、本発明の表面処理された耐熱高分子フィルムが得られていると推察している。つまり、工程Bを行わず、工程Cを行うと、急激に高い温度に晒されることになるため、耐熱高分子フィルムの部分分解が行われる前に多価アミン化合物が揮発してしまい、適切な表面処理が行われないことになると推察している。
なお、本明細書において、沸点とは、常圧(1atm)での沸点をいう。
前記耐熱高分子フィルムがロール状に巻かれていることを特徴とする。
前記耐熱高分子フィルムと、
無機基板と
を有し、
前記耐熱高分子フィルムの前記第1面が、前記無機基板と対向するように積層されていることを特徴とする。
前記耐熱高分子フィルムの前記第1面と前記無機基板とを対向させて重ねる工程Xと、
前記工程Xの後、前記耐熱高分子フィルムと前記無機基板とを加圧して密着体を得る工程Yと、
前記工程Yの後、前記密着体を熱処理する工程Zと
を有することを特徴とする。
前記積層体の耐熱高分子フィルム面上に電子デバイスを形成する工程と、
前記電子デバイスを前記耐熱高分子フィルムごと前記無機基板から剥離する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
本実施形態に係る耐熱高分子フィルムは、
表面処理された第1面を有し、
前記第1面の窒素含有率が、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多い。
また、前記耐熱高分子フィルムは、多価アミン化合物で表面処理すれば得られるため、生産性により優れる。
ただし、前記高分子フィルムは、450℃以上の熱処理を伴うプロセスに用いられることが前提であるため、例示された高分子フィルムの中から実際に適用できる物は限られる。前記高分子フィルムのなかでも好ましくは、所謂スーパーエンジニアリングプラスチックを用いたフィルムであり、より具体的には、芳香族ポリイミドフィルム、芳香族アミドフィルム、芳香族アミドイミドフィルム、芳香族ベンゾオキサゾールフィルム、芳香族ベンゾチアゾールフィルム、芳香族ベンゾイミダゾールフィルム等が挙げられる。
前記脂環式ジアミン類としては、例えば、1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
芳香族ジアミン類以外のジアミン(脂肪族ジアミン類および脂環式ジアミン類)の合計量は、全ジアミン類の20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。換言すれば、芳香族ジアミン類は全ジアミン類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
脂環式テトラカルボン酸類は、透明性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
芳香族テトラカルボン酸類は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
フィルムの厚さ斑(%)
=100×(最大フィルム厚-最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
本実施形態に係る表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法は、
耐熱高分子フィルムに、多価アミン化合物を塗布する工程Aと、
前記工程Aの後、前記耐熱高分子フィルムを、0℃以上60℃未満の範囲内で保持する工程Bと、
前記工程Bの後、前記耐熱高分子フィルムを、60℃以上250℃以下の範囲内で保持する工程Cと
を少なくとも有する。
工程Aにおいては、多価アミン化合物による表面処理が施される前の耐熱高分子フィルムに、多価アミン化合物を塗布する。
前記多価アミン化合物は、2以上のアミンを有する化合物であれば特に限定されない。なお、本明細書において、前記アミンは、第一級アミンをいう。つまり、本明細書において、多価アミン化合物が有するアミンの数を数える場合、第一級アミンの数を数える。例えば、トリエチレンテトラミンは、2つの第一級アミンと、2つの第二級アミンとを有するが、第一級アミンが2つであるので、テトラミンではなく、ジアミンに分類される。
多価アミン化合物溶液を塗布する方法としては、多価アミン化合物をアルコールなどの溶媒で希釈した溶液を用いて、スピンコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、グラビアコート法、バーコート法、コンマコート法、アプリケーター法、スクリーン印刷法、スプレーコート法等の従来公知の溶液の塗布手段を適宜用いることができる。
多価アミン化合物を加温する環境は、加圧下、常圧下、減圧下のいずれでも構わないが、多価アミン化合物の気化を促進する場合には常圧下ないし減圧下が好ましい。
前記高分子フィルムを多価アミン化合物に暴露する時間は特に制限されないが、20時間以内が好ましく、より好ましくは60分以内、さらに好ましくは15分以内、最も好ましくは1分以内である。
前記高分子フィルムを多価アミン化合物に暴露する間の前記高分子フィルムの温度は、多価アミン化合物の種類と、求める表面処理の度合いにより-50℃から200℃の間の適正な温度に制御することが好ましい。
工程Bにおいては、多価アミン化合物塗布後の耐熱高分子フィルムを、0℃以上60℃未満の範囲内で保持する。工程Bにおける保持温度は、10℃以上55℃未満であることがより好ましく、20℃以上50℃未満であることがさらに好ましい。
また、工程Bにおける保持時間は、30分~180分が好ましく、45分~150分がより好ましく、60分~120分がさらに好ましい。
工程Cにおいては、前記工程Bの後の前記高分子フィルムを、60℃以上250℃以下の範囲内で保持する。工程Cにおける保持温度は、70℃以上220℃未満であることがより好ましく、90℃以上200℃未満であることがさらに好ましい。
また、工程Cにおける保持時間は、10秒~5分が好ましく、10秒~2分がより好ましく、30秒~1分がさらに好ましい。
次に、前記高分子フィルムを用いた、無機基板と高分子フィルムとが貼り合わされた積層体の製造方法について説明する。
前記無機基板としては無機物からなる基板として用いることのできる板状のものであればよく、例えば、ガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属等を主体としているもの、および、これらガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属の複合体として、これらを積層したもの、これらが分散されているもの、これらの繊維が含有されているものなどが挙げられる。
前記無機基板の厚さは特に制限されないが、取り扱い性の観点より10mm以下の厚さが好ましく、3mm以下がより好ましく、1.3mm以下がさらに好ましい。厚さの下限については特に制限されないが、好ましくは0.07mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.3mm以上である。
また加圧加熱処理は、上述のように大気圧雰囲気中で行うこともできるが、全面の安定した剥離強度を得る為には、真空下で行うことが好ましい。このとき真空度は、通常の油回転ポンプによる真空度で充分であり、10Torr以下程度あれば充分である。
加圧加熱処理に使用することができる装置としては、真空中でのプレスを行うには、例えば井元製作所製の「11FD」等を使用でき、真空中でのロール式のフィルムラミネーターあるいは真空にした後に薄いゴム膜によりガラス全面に一度に圧力を加えるフィルムラミネーター等の真空ラミネートを行うには、例えば名機製作所製の「MVLP」等を使用できる。
無機基板に対してポリイミドフィルムを90°の角度で引き剥がす。
5回測定を行い、平均値を測定値とする。
測定温度 ; 室温(25℃)
剥離速度 ; 100mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
より詳細には、実施例に記載の方法による。
また、前記90°剥離強度Bは、0.05N/cm以上であることが好ましく、0.1N/cm以上であることがより好ましい。前記90°剥離強度Bが0.5N/cm以下であると、デバイス形成後に、無機基板と高分子フィルムとを剥離しやすい。また、前記90°剥離強度Bが0.05N/cm以上であると、デバイス形成中の途中等、意図していない段階での無機基板と高分子フィルムとの剥離を防止することができる。
前記積層体を用いると、既存の電子デバイス製造用の設備、プロセスを用いて積層体の高分子フィルム上に電子デバイスを形成し、積層体から高分子フィルムごと剥離することで、フレキシブルな電子デバイスを作製することができる。
本明細書において電子デバイスとは、電気配線を担う片面、両面、あるいは多層構造を有する配線基板、トランジスタ、ダイオードなどの能動素子や、抵抗、キャパシタ、インダクタなどの受動デバイスを含む電子回路、他、圧力、温度、光、湿度などをセンシングするセンサー素子、バイオセンサー素子、発光素子、液晶表示、電気泳動表示、自発光表示などの画像表示素子、無線、有線による通信素子、演算素子、記憶素子、MEMS素子、太陽電池、薄膜トランジスタなどをいう。
前記高分子フィルムに切り込みを入れる方法としては、刃物などの切削具によって高分子フィルムを切断する方法や、レーザーと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、ウォータージェットと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、半導体チップのダイシング装置により若干ガラス層まで切り込みつつ高分子フィルムを切断する方法などがあるが、特に方法は限定されるものではない。例えば、上述した方法を採用するにあたり、切削具に超音波を重畳させたり、往復動作や上下動作などを付け加えて切削性能を向上させる等の手法を適宜採用することもできる。
また、剥離する部分に予め別の補強基材を貼りつけて、補強基材ごと剥離する方法も有用である。剥離するフレキシブル電子デバイスが、表示デバイスのバックプレーンである場合、あらかじめ表示デバイスのフロントプレーンを貼りつけて、無機基板上で一体化した後に両者を同時に剥がし、フレキシブルな表示デバイスを得ることも可能である。
窒素導入管、温度計、攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、前記反応容器内に5-アミノ-2-(p-アミノフェニル)ベンゾオキサゾール(DAMBO)223質量部と、N,N-ジメチルアセトアミド4416質量部とを加えて完全に溶解させた。次に、ピロメリット酸二無水物(PMDA)217質量部とともに、コロイダルシリカ分散体(日産化学社製、製品名:DMAc-ST-ZL)を、シリカ(滑材)がポリアミド酸溶液中のポリマー固形分総量に対して0.12質量%になるように加え、25℃の反応温度で24時間攪拌して、粘調なポリアミド酸溶液V1を得た。
製造例1において、前記コロイダルシリカ分散体を添加しなかった以外は同様に操作し、ポリアミド酸溶液V2を得た。
前記で得られたポリアミド酸溶液V2をコンマコーターを用いて幅1050mmの長尺ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製「A-4100」)の平滑面(無滑材面)上に、最終膜厚(イミド化後の膜厚)が約5μmとなるように塗布し、次いでポリアミド酸溶液V1をスリットダイを用いて、最終膜厚が38μm(ポリアミド酸溶液V2による厚さ部分を含む)となるように塗布し、105℃にて25分間乾燥した後、ポリエステルフィルムから剥離して、幅920mmの自己支持性のポリアミド酸フィルムを得た。
次に、得られた自己支持性ポリアミド酸フィルムをピンテンターによって、180℃~495℃の温度領域で段階的に昇温させることにより熱処理を施してイミド化させた。具体的には、1段目180℃で5分間、2段目220℃で5分間、3段目495℃で10分間として熱処理を施した。次に、両端のピン把持部分をスリットにて落とし、幅850mmの長尺ポリイミドフィルム(1000m巻き)を得た。実際に得られたポリイミドフィルムの厚みは36μmであった。
アミン化合物としての2-メチル1,5-ジアミノペンタン(東京化成工業社製、分子量:116.21、沸点:78℃/11mmHg(常圧での沸点:193.0℃(推定値)))を1質量%含むようにイソプロパノールで希釈したアミン希釈液を調製した。製造例3で製造したポリイミドフィルムをスピンコーター(ジャパンクリエイト社製、MSC-500S)に設置して、回転数を2000rpmまで上げて10秒間回転させ、前記アミン希釈液を塗布した。その後、40℃の雰囲気に60分間放置した。なお、この40℃の雰囲気に60分間放置する工程は、本発明の工程Bに相当する。次に、100℃に加熱したホットプレートに、前記ポリイミドフィルムを、アミン化合物塗布面が上になるように載せ、1分間加熱して、実施例1に係るフィルムを得た。なお、この100℃で1分間加熱する工程は、本発明の工程Cに相当する。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2に係るフィルムを得た。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、エチレンジアミンに変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3に係るフィルムを得た。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、プトレスシンに変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例4に係るフィルムを得た。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、トリエチレンテトラミンに変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例5に係るフィルムを得た。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、1,3,5-ペンタントリアミンに変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例6に係るフィルムを得た。
アミン化合物としての2-メチル1,5-ジアミノペンタン100質量部を、チャンバーに接続した吸引瓶に満たし、40℃の水浴上に静置した。吸引瓶の上方から計装エアーを導入できる状態にして密閉することで、25℃のチャンバー内にアミン化合物の蒸気を導入できる状態にした。次いで、製造例3で製造したポリイミドフィルムをチャンバー内に水平に保持し、チャンバーを閉じた。次いで計装エアーを25L/minで導入し、チャンバー内(25℃)をアミン化合物蒸気で満たした状態で120分間保持してポリイミドフィルムをアミン化合物蒸気へ暴露した。なお、この2アミン化合物蒸気下、25℃で120分間保持する工程は、本発明の工程Bに相当する。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)に変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例7に係るフィルムを得た。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、エチレンジアミンに変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例8に係るフィルムを得た。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、プトレスシンに変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例9に係るフィルムを得た。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、トリエチレンテトラミンに変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例10に係るフィルムを得た。
アミン希釈液に含まれるアミン化合物を、1,3,5-ペンタントリアミンに変更したこと以外は実施例7と同様にして実施例12に係るフィルムを得た。
製造例3で製造したポリイミドフィルムを比較例1に係るフィルムとした。つまり、比較例1に係るフィルムは、アミン希釈液の塗布を行っていないフィルムである。
アミン希釈液の代わりに、シランカップリング剤(信越化学工業社製、製品名:KBM-903)を塗布したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2に係るフィルムを得た。
X線光電子分光装置(ESCA、Thermo Fisher Scientific社製、製品名:K-Alpha+)を用いた。まず、実施例、比較例で作成したフィルムの表面の窒素含有率Aを計測した。次に、フィルムの厚み方向中央部分までアルゴンエッチングを行った後、その部分の窒素含有率Bを計測した。また、窒素含有率Bと窒素含有率Aとの差(窒素含有率差)を、「(窒素含有率A)-(窒素含有率B)」により算出した。結果を表1に示す。
なお、ESCAによる元素分析方法の詳細は、下記の通りとした。
<測定条件>
励起X線:モノクロ化Al Kα線
X線出力:12kV、6mA
光電子脱出角度:90°
スポットサイズ:400μmφ
パスエネルギー:50eV(ナロースキャン)、200eV(全元素スキャン)
ステップ:0.1eV(ナロースキャン)、1eV(全元素スキャン)
実施例、比較例のフィルムと、ガラス基板とを貼り合わせ積層体を得た。貼り合わせには、MCK社製ラミネーターを用い、貼合条件は、圧力:0.8MPa、温度:25℃とした。なお、実施例1~10のフィルムについては、フィルムのアミン処理面がガラス基板に対向するようにして貼り合わせた。比較例2のフィルムについては、フィルムのシランカップリング剤処理面がガラス基板に対向するようにして貼り合わせた。
上記積層体の作製で得られた積層体を、大気雰囲気下、200℃1時間熱処理した。その後、ガラス基板とフィルムとの間の90°剥離強度Aを測定した。結果を表1に示す。
90°剥離強度Aの測定条件は、下記の通りである。
ガラス基板に対してフィルムを90°の角度で引き剥がす。
5回測定を行い、平均値を測定値とする。
測定装置 ; 剥離試験機(日本計測システム社、JSV-H1000)
測定温度 ; 室温(25℃)
剥離速度 ; 100mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
上記積層体の作製で得られた積層体を、大気雰囲気下、200℃1時間熱処理した。さらに、窒素雰囲気下で500℃1時間加熱した。その後、ガラス基板とフィルムとの間の90°剥離強度B測定した。結果を表1に示す。
90°剥離強度Bの測定条件は、90°剥離強度Aと同様とした。
Claims (7)
- 表面処理された第1面を有する耐熱高分子フィルムであって、
多価アミン化合物と耐熱高分子フィルムの反応物を含有する層を有し、
前記耐熱高分子フィルムは、ポリイミドフィルムであり、
前記第1面の窒素含有率が、前記耐熱高分子フィルムの厚み方向中央部分の窒素含有率よりも0.45原子%以上多いことを特徴とする耐熱高分子フィルム。 - 請求項1に記載の耐熱高分子フィルムの製造方法であって、
耐熱高分子フィルムであるポリイミドフィルムに、多価アミン化合物を塗布する工程Aと、
前記工程Aの後、前記耐熱高分子フィルムを、0℃以上60℃未満の範囲内で保持する工程Bと、
前記工程Bの後、前記耐熱高分子フィルムを、60℃以上250℃以下の範囲内で保持する工程Cと
を有 し、
前記工程Bにおける保持時間は、30分~180分であり、前記工程Cにおける保持時間は、10秒~5分であ ることを特徴とする、表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。 - 前記多価アミン化合物の分子量が300以下であることを特徴とする請求項2に記載の表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。
- 前記多価アミン化合物の沸点が50℃以上250℃以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。
- 前記多価アミン化合物がジアミン化合物であることを特徴とする請求項2~4のいずれか1に記載の表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。
- 前記多価アミン化合物が分岐脂肪族多価アミン化合物であることを特徴とする請求項2~5のいずれか1に記載の表面処理された耐熱高分子フィルムの製造方法。
- 請求項1に記載の耐熱高分子フィルムがロール状に巻かれていることを特徴とする耐熱高分子フィルムロール。
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