以下、図面を参照して、各実施形態に係る撮像装置及び撮像装置の制御プログラムを説明する。なお、実施形態は、以下の内容に限られるものではない。また、一つの実施形態や変形例に記載した内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る撮像装置10を備える撮像システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る撮像システム1は、撮像装置10と、光源装置30と、光ファイバ31とを備える。
撮像装置10は、例えば、医療用の硬性内視鏡として用いられ、被検体100の体内を撮像する装置である。撮像装置10は、スコープ11と、カメラヘッド12と、カメラケーブル13と、CCU(Camera Control Unit)14とを備える。
スコープ11は、撮像が行われる際に、被検体100の体内に挿入される。スコープ11の先端には、対物レンズ11aが設けられている。スコープ11は、屈曲しない硬性を有する。
カメラヘッド12は、励起光カットフィルタ12aと、分光プリズム12bと、3つのイメージセンサ12c~12e(12c,12d,12e)と、イメージセンサ制御回路12fとを備える。
励起光カットフィルタ12aは、複数の画素の撮像領域に対向するように配置され、光源装置30から出射された励起光以外の光を複数の画素に受光させる光学素子である。励起光カットフィルタ12aは、スコープ11と分光プリズム12bの入射面12b_1との間に配置され、対物レンズ11aから入射される光のうち、励起光をカットし、励起光以外の光を通過させるフィルタである。したがって、分光プリズム12bの入射面12b_1には、光源装置30により被検体100の体内組織に照射された光の反射光(戻り光)のうち、励起光以外の光が入射される。以下の説明では、分光プリズム12bに入射されてイメージセンサ12cに入射される白色光の反射光を、単に、白色光と表記する場合がある。
分光プリズム12bは、入射された光を赤色(R)の光、緑色(G)の光及び青色(B)の光に分光する。そして、分光プリズム12bは、青色の光をイメージセンサ12cの撮像面に結像する。また、分光プリズム12bは、緑色の光をイメージセンサ12dの撮像面に結像する。また、分光プリズム12bは、赤色の光をイメージセンサ12eの撮像面に結像する。
イメージセンサ12c~12eのそれぞれは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。イメージセンサ12c~12eのそれぞれの撮像面と、分光プリズム12bの結像面とが略一致するように、イメージセンサ12c~12eが配置される。3つ(複数)のイメージセンサ12c~12eのそれぞれの複数の画素は、対応する種類の光を受光することにより映像信号を出力する。
イメージセンサ12c~12eのそれぞれは、複数の画素(撮像要素)を備える。複数の画素は、撮像面において行列状に配置される。各画素は、イメージセンサ制御回路12fによる駆動制御により、光を受光することにより映像信号(電気信号)を発生し、発生した映像信号を出力する。例えば、イメージセンサ12cの各画素は、青色の光を受光することにより、B信号(Bの映像信号)を出力する。また、イメージセンサ12dの各画素は、緑色の光を受光することにより、G信号(Gの映像信号)を出力する。また、イメージセンサ12eの各画素は、赤色の光を受光することにより、R信号(Rの映像信号)を出力する。例えば、イメージセンサ12c~12eを備えるカメラヘッド12は、カメラケーブル13を介して、CCU14にRGB信号を出力する。なお、イメージセンサ12c~12eからは、アナログ形式の映像信号が出力される。
ここで、第1の実施形態に係る撮像装置10は、例えば、被検体100に対して、ICG(インドシアニングリーン)蛍光造影法による外科手術を行う際に用いられる。第1の実施形態では、被検体100に、ICGが投与される。ICGは、IRレーザ30dから出射される励起光により励起され、800~850nm程度の近赤外蛍光(以下、蛍光と称する)を発する。この蛍光は、励起光カットフィルタ12aを通過して、分光プリズム12bによりイメージセンサ12eの撮像面に結像される。すなわち、イメージセンサ12eは、励起光に基づく蛍光を受光することにより、R信号を出力する。以下、イメージセンサ12eが蛍光を受光して、撮像装置10が各種の処理を行う場合について説明するが、撮像装置10は、励起光カットフィルタ12aを設けずに、励起光の反射光をイメージセンサ12eに受光させて同様の処理を行っても良い。
イメージセンサ12c~12eのそれぞれは、複数の画素の最初の行から最後の行に向かって、少なくとも1行毎に順次露光を開始し、露光が終了した行から順に映像信号を出力する処理を、1フレーム(画像)毎に繰り返すローリングシャッタ方式のイメージセンサである。ここで、露光とは、例えば、画素が電荷を蓄積することを意味する。
ここで、上述したようにカメラヘッド12が複数のイメージセンサ12c~12eを備える場合には、半画素ずらしという手法を用いて、画像の高解像度化を図ってもよい。
なお、カメラヘッド12は、分光プリズム12b及び3つのイメージセンサ12c~12eに代えて、ベイヤフィルタ及び1つのイメージセンサを備えても良い。この場合には、イメージセンサの撮像面側に、各画素に赤色フィルタ、緑色フィルタ及び青色フィルタのいずれかが対向するようにベイヤフィルタが配置される。このように、1つの画素に対して1つの色のフィルタが対応する。イメージセンサは、画素毎に、当該画素に対応するフィルタの色の映像信号を出力する。なお、後述の画像処理回路14cにより、画素毎に、当該画素の周辺の画素から出力される映像信号に基づいて、直接得られない残りの2色の各映像信号を推定する推定処理が実行される。この結果、撮像装置10は、画素毎に、映像信号としてRGB信号を得ることができる。
イメージセンサ制御回路12fは、後述する制御回路14aから出力された制御信号、並びに、後述するタイミング信号発生回路14fから出力された各種の同期信号に基づいてイメージセンサ12c~12eを駆動制御する。例えば、イメージセンサ制御回路12fは、制御信号及び各種の同期信号に基づいて、イメージセンサ12c~12eから出力されるアナログ形式の映像信号に適宜ゲイン(アナログゲイン)をかけて(映像信号を増幅して)、ゲインがかけられた映像信号をCCU14に出力するように、イメージセンサ12c~12eを制御する。或いは、イメージセンサ12c~12eが図示しないADコンバータを内蔵する場合、イメージセンサ制御回路12fは、イメージセンサ12c~12eから出力されるデジタル形式の映像信号に適宜ゲイン(デジタルゲイン)をかけて、ゲインがかけられた映像信号をCCU14に出力するように、イメージセンサ12c~12eを制御する。
カメラケーブル13は、カメラヘッド12とCCU14との間で映像信号、制御信号及び同期信号を送受信するための信号線を収容するケーブルである。
CCU14は、カメラヘッド12から出力された映像信号に各種の画像処理を施すことにより、ディスプレイ101に表示させる画像を示す画像データを生成し、CCU14に接続されたディスプレイ101に画像データを出力する。なお、各種の画像処理が施された映像信号は、ディスプレイ101に表示させる画像を示す画像データである。
CCU14は、制御回路14aと、記憶制御回路14bと、画像処理回路14cと、画像合成回路14dと、出力回路14eと、タイミング信号発生回路14fと、記憶回路14gとを備える。なお、イメージセンサ12c~12eがADコンバータを内蔵しない場合、CCU14は、図示しないAD(Analog to Digital)コンバータ等も備える。かかるADコンバータは、例えば、カメラヘッド12から出力されたアナログ形式の映像信号をデジタル形式の映像信号に変換する。
制御回路14aは、撮像装置10の各種の構成要素を制御する。例えば、制御回路14aは、イメージセンサ制御回路12f、記憶制御回路14b、画像処理回路14c、画像合成回路14d、出力回路14e及びタイミング信号発生回路14fの各回路に対して制御信号を出力して、各回路を制御する。制御回路14aは、記憶回路14gに記憶された撮像装置10の制御プログラムを読み込み、読み込んだ制御プログラムを実行することで、撮像装置10の各種の構成要素を制御する制御処理を実行する。或いは、制御回路14aは、内部に図示しない記憶回路を有しており、当該記憶回路に記憶された制御プログラムを実行する。制御回路14aは、例えば、MPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。
記憶制御回路14bは、制御回路14aから出力された制御信号、並びに、タイミング信号発生回路14fから出力された各種の同期信号に基づいて、カメラヘッド12から出力された映像信号を記憶回路14gに記憶させる制御を行う。また、記憶制御回路14bは、制御信号及び同期信号に基づいて、記憶回路14gに記憶された映像信号を1行毎に読み取る。そして、記憶制御回路14bは、読み取った1行分の映像信号を画像処理回路14cに出力する。
画像処理回路14cは、制御回路14aから出力された制御信号、及び、タイミング信号発生回路14fから出力された各種の同期信号に基づいて、記憶制御回路14bから出力された映像信号に対して各種の画像処理を施す。これにより、画像処理回路14cは、ディスプレイ101に表示させる画像を示す画像データを生成する。すなわち、画像処理回路14cは、映像信号に基づいて、画像を生成する。例えば、画像処理回路14cは、記憶制御回路14bから出力された映像信号に対してゲイン(デジタルゲイン)をかけて、画像の明るさを調整する。また、画像処理回路14cは、記憶制御回路14bから出力された映像信号に対して、ノイズを低減させるノイズリダクション処理や輪郭を強調する輪郭強調処理等を行ってもよい。そして、画像処理回路14cは、各種の画像処理が施された映像信号(ディスプレイ101に表示させる画像を示す画像データ)を画像合成回路14dに出力する。
画像合成回路14dは、制御回路14aから出力された制御信号、並びに、タイミング信号発生回路14fから出力された各種の同期信号に基づいて、画像処理回路14cから出力された映像信号を合成して合成画像データを生成する。そして、画像合成回路14dは、合成画像データをディスプレイ101に出力する。
例えば、記憶制御回路14b、画像処理回路14c及び画像合成回路14dは、DSP(Digital Signal Processor)等の1つのプロセッサにより実現される。また、例えば記憶制御回路14b、画像処理回路14c及び画像合成回路14d、タイミング信号発生回路14fは、1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)により実現される。なお、制御回路14a、記憶制御回路14b、画像処理回路14c、画像合成回路14dは、1つの処理回路により実現されてもよい。この処理回路は、例えば、プロセッサにより実現される。
出力回路14eは、画像合成回路14dから出力された合成画像データをディスプレイ101に出力する。これにより、ディスプレイ101は、合成画像データが示す合成画像を表示する。合成画像は、画像の一例である。出力回路14eは、例えば、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ドライバIC(Integrated Circuit)やSDI(Serial Digital Interface)ドライバICなどにより実現される。
タイミング信号発生回路14fは、光源装置30からの光の出射タイミング、イメージセンサ12c~12eの露光タイミング及び映像信号の出力タイミング、記憶制御回路14bによる記憶回路14gの制御タイミング等の各種のタイミングを一元管理する。制御回路14a及びタイミング信号発生回路14fは、制御部の一例である。
タイミング信号発生回路14fは、図示しない発振回路により生成されたクロック信号を基に水平同期信号及び垂直同期信号や、撮像装置10全体の同期をとるためのその他の同期信号等の各種の同期信号を生成する。そして、タイミング信号発生回路14fは、生成した各種の同期信号をイメージセンサ制御回路12f、制御回路14a、記憶制御回路14b、画像処理回路14c、画像合成回路14d及び出力回路14eの各回路に出力する。
また、タイミング信号発生回路14fは、クロック信号、及び、制御回路14aから出力された制御信号を基に、光源制御信号を生成する。光源制御信号は、光源装置30から出射される光を制御するとともに撮像システム1全体の同期をとるための制御信号である。そして、タイミング信号発生回路14fは、生成した光源制御信号を光源装置30に出力する。
例えば、光源制御信号の波形は、矩形波であり、光源制御信号は、ハイ(high)レベル及びロー(low)レベルの2つのレベル(状態)を有する。例えば、光源制御信号は、ハイレベルの間、白色LED30bから白色光を出射させたり、IRレーザ30dから励起光を出射させたりし、ローレベルの間、白色LED30bを消灯させたり、IRレーザ30dからの励起光の出射を停止させたりする制御信号である。
記憶回路14gは、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。記憶回路14gは、各種のプログラムを記憶する。例えば、記憶回路14gは、制御回路14aにより実行される制御プログラムを記憶する。また、記憶回路14gには、記憶制御回路14bにより映像信号が一時的に格納される。
光源装置30は、光源制御信号に基づいて、白色光又は励起光を出射する。光源装置30は、駆動回路30aと、白色LED(Light Emitting Diode)30bと、駆動回路30cと、IRレーザ30dとを備える。
駆動回路30aは、タイミング信号発生回路14fから出力される光源制御信号に基づいて、白色LED30bを駆動させて点灯させる駆動制御を行う。白色LED30bは、駆動回路30aによる駆動制御により、白色光を出射する。白色光は、例えば、可視光である。また、白色光は、光の一例である。また、白色光は、第2の光の一例でもある。
駆動回路30cは、タイミング信号発生回路14fから出力される光源制御信号に基づいて、IRレーザ30dを駆動させて、IRレーザ30dから励起光を出射させる駆動制御を行う。IRレーザ30dは、駆動回路30cによる駆動制御により、励起光を出射する。なお、上述したように、励起光は、励起光カットフィルタ12aによりカットされる。また、励起光によりICGが励起されてICGから出射された蛍光(励起光に基づく蛍光)は、励起光カットフィルタ12aを通過して、イメージセンサ12eにより受光される。励起光は、光の一例である。また、励起光は、第1の光の一例である。
光ファイバ31は、光源装置30からの白色光及び励起光をスコープ11の先端部に導いて、スコープ11の先端部から出射させる。
以上、第1の実施形態に係る撮像システム1の撮像装置10の構成例について説明した。ここで、比較例に係る撮像装置について説明する。比較例に係る撮像装置は、ローリングシャッタ方式のイメージセンサを備える。
図2は、比較例に係る撮像装置の動作の一例を説明するための図である。図2には、比較例に係る撮像装置のイメージセンサが備える複数の画素の各行の露光タイミングと、イメージセンサから出力される映像信号の出力タイミングとの関係の一例が示されている。図2に示すように、比較例に係る撮像装置では、1フレーム目の撮像において、複数の画素の最初の行から最後の行に向かって1行毎に順次露光が開始される。比較例に係る撮像装置では、露光期間は、1/60[s]である。ここで、露光期間とは、例えば、画素が電荷の蓄積を開始してから終了するまでの期間を意味する。
そして、図2に示すように、比較例に係る撮像装置では、露光が終了した行から順に映像信号が出力される。すなわち、最初の行から最後の行に向かって各行から映像信号が順々に出力される。ここで、比較例に係る撮像装置では、イメージセンサから1フレームの映像信号が出力される期間(読み出し期間)は、露光期間と同じ1/60[s]である。そして、図2に示すように、2フレーム目以降も同様の処理が行われる。
比較例に係る撮像装置では、イメージセンサは、複数の画素の全ての行において、光を受光する期間(受光期間)が露光期間と同じ期間である。そのため、最初の行から最後の行に向かって、各行の受光期間が順々に時間軸方向にずれている。このように、比較例に係る撮像装置では、行毎に受光期間が異なるため、画像に歪みが発生してしまう場合がある。この場合、画像を観察する医師等のユーザにとって、観察するのに画質が十分でないという問題がある。
そこで、第1の実施形態に係る撮像装置10は、上述した構成のもと、ユーザが観察するのに十分な画質及びフレームレートを確保することができるように、以下の動作を行う。
本実施形態では、イメージセンサ12c~12eの露光期間は、撮像装置10からディスプレイ101に1フレームの映像信号が出力される期間の半分である。そして、制御回路14aは、ブランキング期間又はブランキング期間を中心とした期間にのみ、イメージセンサ12c~12eそれぞれの複数の画素を受光させる制御を行う。例えば、制御回路14aは、このような制御をイメージセンサ制御回路12fに行わせるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する。
ここで、制御回路14aは、読み出し期間以下の期間で、複数の画素を受光させる制御を行う。読み出し期間とは、例えば、イメージセンサ12c~12eから1フレームの映像信号が出力される期間を指す。また、読み出し期間とは、例えば、1フレームにおける最初の行からの映像信号の出力を開始してから最後の行からの映像信号の出力を終了するまでの期間を指す。
なお、ブランキング期間とは、例えば、本実施形態では、n(nは、正の整数)フレーム目の撮像において、イメージセンサ12c~12eの最後の行からの映像信号の出力を終了してから、(n+1)フレーム目の撮像において、イメージセンサ12c~12eの最初の行からの映像信号の出力を開始するまでの期間に対応する期間を指す。
本実施形態では、撮像装置10からディスプレイ101に出力される映像信号(画像)のフレームレートを、A[fps(frame per second)]とする。この場合、読み出し期間を、1/(M・A)[s]とすることが可能なイメージセンサを、撮像装置10のイメージセンサ12c~12eとして用いる。すなわち、1/(M・k・A)[s]毎に、各行から映像信号を出力することが可能なイメージセンサをイメージセンサ12c~12eとして用いる。ただし、「M」は、1よりも大きい数であり、「k」は、イメージセンサ12c~12eそれぞれの画素の行数である。以下、M=2の場合を例に挙げて説明するが、Mは、2とは異なる数であって1よりも大きい数であってもよい。
そして、制御回路14aは、露光期間1/A[s]よりも短い読み出し期間1/(2A)[s]で1フレームの映像信号をイメージセンサ12c~12eに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する。
以下、A=60の場合を例に挙げて説明する。つまり、露光期間と、撮像装置10からディスプレイ101に1フレームの映像信号が出力される期間とが同一の1/60[s]であり、読み出し期間が1/120[s]である場合について、以下、説明する。
図3は、第1の実施形態に係る撮像装置10の撮像動作の一例を説明するための図である。図3には、第1の実施形態に係る光源装置30から出射される白色光及び励起光の出射タイミングと、撮像装置10のイメージセンサ12c~12eが備える複数の画素の各行の露光タイミングと、イメージセンサ12c~12eから出力される映像信号の出力タイミングと、出力回路14eから出力される映像信号の出力タイミングとの関係の一例が示されている。図3において、横軸は、時間を示す。
なお、図3において、図示を簡略化したため、nフレーム目の撮像においてイメージセンサ12c~12eの最後の行からの映像信号の出力を終了した時間(タイミング)、及び、(n+1)フレーム目の撮像においてイメージセンサ12c~12eの最初の行からの映像信号の出力を開始する時間の2つの異なる時間が、同一の「Tp(p=n+1)」で示されている。実際には、上述したように、nフレーム目の撮像において、イメージセンサ12c~12eの最後の行からの映像信号の出力を終了してから、(n+1)フレーム目の撮像において、イメージセンサ12c~12eの最初の行からの映像信号の出力を開始するまでの間の期間として、ブランキング期間が存在する。
図3において、(n)は、nフレーム目の撮像における露光タイミングを示す。ただし、nは、上述したように正の整数である。第1の実施形態では、白色LED30bから出射される白色光の反射の光量よりも、励起光の照射によって発生した蛍光の光量の方が小さい。例えば、白色光の反射の光量に比べて、蛍光の光量が無視できるくらい小さい。よって、白色光から得られるカラー画像に及ぼす励起光に基づく蛍光から得られる蛍光画像の影響は著しく小さいと考えられる。このため、第1の実施形態では、IRレーザ30dからは常時(連続的に)励起光が出射されている。したがって、イメージセンサ12eにより受光される蛍光の光量は、常時励起光がIRレーザ30dから出射されていない場合と比べて、大きくなる。このため、蛍光の受光感度を高くすることができ、光量不足による画像の明るさの低下を抑制することができる。
図3において、nが奇数の場合には、IRnは、nフレーム目の撮像において、イメージセンサ12eから出力されるR信号を示す。すなわち、nが奇数の場合には、IRnは、励起光に基づく蛍光を受光したイメージセンサ12eから出力されるR信号を示す。
図3において、nが偶数の場合には、Gnは、nフレーム目の撮像において、イメージセンサ12dから出力されるG信号を示す。また、nが偶数の場合には、Bnは、nフレーム目の撮像において、イメージセンサ12cから出力されるB信号を示す。また、nが偶数の場合には、「Rn+IRn」は、nフレーム目の撮像において、イメージセンサ12eから出力されるR信号を示す。すなわち、「Rn+IRn」は、nフレーム目の撮像において、白色光、及び、励起光に基づく蛍光を同時に受光したイメージセンサ12eから出力されるR信号を示す。また、「Wn+IRn」は、nフレーム目の撮像において、イメージセンサ12c~12eから出力されるRGB信号を示す。すなわち、「Wn+IRn」は、GnとBnとRnとの合成信号である。
図3の例において、1フレーム目の撮像を開始する前または1フレーム目の撮像の開始とともに、制御回路14aは、第1の光源制御信号を出力させるための制御信号をタイミング信号発生回路14fに出力する。第1の光源制御信号は、IRレーザ30dから励起光を連続的に出射させるための制御信号である。
タイミング信号発生回路14fは、制御回路14aから出力された上述の制御信号に基づき、励起光を連続的に出射させるための第1の光源制御信号を駆動回路30cに出力する。駆動回路30cは、タイミング信号発生回路14fから出力された第1の光源制御信号に基づき、IRレーザ30dから励起光を連続的に出射させる。
図3に示すように、1フレーム目の撮像において、複数の画素の最初の行から最後の行に向かって1行毎に順次露光が開始される。1フレーム目の撮像では、励起光に基づく蛍光がイメージセンサ12eにより受光され、イメージセンサ12eは、時間T1から時間T2までの読み出し期間1/120[s]で、R信号(IR1)を出力する。すなわち、イメージセンサ12eは、1/(120k)[s]毎に、各行から映像信号を出力する。なお、時間T1は、1フレーム目において、最初の行からの映像信号の出力が開始する時間である。時間T2は、1フレーム目において、最後の行からの映像信号の出力が終了する時間である。
具体的な制御方法について説明すると、制御回路14aは、時間T1から読み出し期間1/120[s]で1フレーム目の映像信号をイメージセンサ12eに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する。すなわち、制御回路14aは、時間T1から、1/(120k)[s]毎に各行から順々に映像信号を出力することをイメージセンサ12eに開始させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する。
イメージセンサ制御回路12fは、かかる制御信号に基づいて、イメージセンサ12eを駆動制御する。この結果、イメージセンサ12eは、時間T1から時間T2までの読み出し期間1/120[s]で、全ての行(k行)から映像信号を出力する。
そして、記憶制御回路14bは、1フレーム目の撮像において、イメージセンサ12eの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号を一時的に記憶回路14gに格納する。ここで、記憶制御回路14bは、時間T1から時間T2にかけて、最初の行から順々に最後の行まで、各行から出力された映像信号を記憶回路14gに記憶させる。このようにして1フレーム目の撮像において記憶された映像信号は、少なくとも、時間T5までは記憶回路14gに記憶される。
次に、図3に示すように、2フレーム目の撮像において、イメージセンサ12c~12eそれぞれの複数の画素の最初の行から最後の行に向かって1行毎に順次露光が開始される。
ここで、1フレーム目の撮像において、最後の行からの映像信号の出力が終了する時間T2から、2フレーム目の撮像において、最初の行からの映像信号の出力が開始する時間までの期間は、図3に示すように、ブランキング期間40に対応する。なお、ブランキング期間40は、露光期間等と比較して相対的に短い期間であるため、図3において一本の点線で示されているが、実際は、時間軸方向に一定の幅を有する期間である。
本実施形態では、図3に示すように、2フレーム目の撮像において、ブランキング期間40又はブランキング期間40を中心とした期間41にのみ、白色LED30bから白色光が出射される。例えば、ブランキング期間40を中心とした期間41にのみ白色光が出射される場合、2フレーム目の撮像において、イメージセンサ12c~12eの複数の画素の全ての行のうち、最初の行側の少なくとも1つの行42、及び、最後の行側の少なくとも1つの行43には、期間41よりも短い時間しか白色光が照射されない。
なお、ブランキング期間40内で白色LED30bから白色光が出射されてもよい。この場合には、ブランキング期間40内なら、ブランキング期間40の中心を中心とした期間に限られず、どのようなタイミングでも白色光が出射されてもよい。また、期間41は、例えば、ブランキング期間40よりも長い期間であり、ブランキング期間40を含み、ブランキング期間40よりも前の期間と後ろの期間とを含む。ブランキング期間、ブランキング期間内の期間、及び、ブランキング期間を中心とした期間は、ブランキング期間を基準とした期間の一例である。
一方、図3に示すように、全ての行のうち、行42及び行43を除いた1つ以上の行44では、白色光を受光する受光期間が、略一致する。すなわち、行44と、行42及び行43とでは、受光期間が異なる。このため、撮像装置10は、行42及び行43から出力される映像信号に基づいて得られる画像をマスクし、行44から出力される映像信号に基づいて得られる画像の範囲を有効画像範囲として設定する。これにより、ディスプレイ101には、明るさのムラが発生する可能性がある部分がマスクされた画像が表示される。したがって、画像の歪みの発生を抑制することができる。よって、第1の実施形態に係る撮像装置10によれば、画像を観察する医師等のユーザにとって、観察するのに十分な画質を確保することができる。
また、図3に示すように、3フレーム目の撮像において、複数の画素の全ての行のうち、最初の行側の少なくとも1つの行は、露光期間中に、励起光に基づく蛍光のみを受光するのではなく、白色光も受光している。また、1フレーム目の撮像において、複数の画素の全ての行のうち、最後の行側の少なくとも1つの行は、露光期間中に、励起光に基づく蛍光のみを受光するのではなく、白色光も受光している。よって、蛍光に加えて白色光も受光しているこれらの行から出力される映像信号からは、白色光の成分も含まれているため、蛍光成分のみからなる画質が良好な蛍光画像を生成することが困難である。
したがって、第1の実施形態に係る撮像装置10は、1フレーム目の撮像及び3フレーム目の撮像においても同様に、行42及び行43から出力される映像信号に基づいて得られる画像をマスクし、行44から出力される映像信号に基づいて得られる画像の範囲を有効画像範囲として設定する。これにより、ディスプレイ101には、画質が良好でない可能性がある部分がマスクされた画像が表示される。したがって、第1の実施形態に係る撮像装置10によれば、この点からも、画像を観察する医師等のユーザにとって、観察するのに十分な画質を確保することができる。
ここで、期間41がブランキング期間を中心とした期間である理由の一例について説明する。仮に、期間41がブランキング期間を中心としていない期間である場合には、両端がマスクされる画像において、一端側のマスクされている領域の大きさと、他端側のマスクされている領域との大きさとが異なり、画像を観察するユーザに違和感を覚えさせてしまう虞がある。
しかしながら、期間41がブランキング期間を中心とした期間であることで、一端側のマスクされている領域と、他端側のマスクされている領域との大きさが略一致し、ユーザに違和感を与えることを抑制することができる。
そして、イメージセンサ12c~12eは、時間T2から時間T3までの読み出し期間1/120[s]で、全ての行(k行)からの映像信号(RGB信号)を出力する。
具体的な制御方法について説明する。制御回路14aは、時間T2から読み出し期間1/120[s]で映像信号をイメージセンサ12c~12eに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する。すなわち、制御回路14aは、時間T2から1/(120k)[s]毎に各行からの映像信号を出力することをイメージセンサ12c~12eに開始させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する。
イメージセンサ制御回路12fは、かかる制御信号に基づいて、イメージセンサ12c~12eを駆動制御する。この結果、イメージセンサ12cは、時間T2から時間T3までの読み出し期間1/120[s]で、全ての行(k行)から映像信号(B信号)を出力する。また、イメージセンサ12dは、時間T2から時間T3までの読み出し期間1/120[s]で、全ての行(k行)から映像信号(G信号)を出力する。また、イメージセンサ12eは、時間T2から時間T3までの読み出し期間1/120[s]で、2フレーム目の撮像において、全ての行(k行)から映像信号(R信号(R2+IR2))を出力する。
そして、記憶制御回路14bは、時間T2から時間T3まで、イメージセンサ12cの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号を一時的に記憶回路14gに格納する。また、記憶制御回路14bは、時間T2から時間T3まで、イメージセンサ12dの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号を一時的に記憶回路14gに格納する。また、記憶制御回路14bは、時間T2から時間T3まで、イメージセンサ12eの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号を一時的に記憶回路14gに格納する。ここで、2フレーム目の撮像において、時間T2から時間T3にかけて、最初の行から順々に、最後の行まで、各行から出力された映像信号が記憶回路14gに記憶される。このようにして2フレーム目の撮像において記憶された映像信号は、少なくとも、時間T5までは記憶回路14gに記憶される。
そして、図3に示すように、3フレーム目の撮像において、複数の画素の最初の行から最後の行に向かって1行毎に順次露光が開始される。3フレーム目の撮像では、励起光に基づく蛍光がイメージセンサ12eにより受光され、イメージセンサ12eは、時間T3から時間T4までの読み出し期間1/120[s]で、R信号(IR3)を出力する。すなわち、イメージセンサ12eの各行は、1/(120k)[s]毎に映像信号を出力する。なお、時間T3は、3フレーム目の撮像において、最初の行からの映像信号の出力が開始する時間である。時間T4は、3フレーム目の撮像において、最後の行からの映像信号の出力が終了する時間である。
具体的な制御方法について説明すると、制御回路14aは、時間T3から読み出し期間1/120[s]で映像信号をイメージセンサ12eに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する。すなわち、制御回路14aは、時間T3から1/(120k)[s]毎に各行から映像信号を出力することをイメージセンサ12eに開始させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する。
イメージセンサ制御回路12fは、かかる制御信号に基づいて、イメージセンサ12eを駆動制御する。この結果、イメージセンサ12eは、時間T3から時間T4までの読み出し期間1/120[s]で、全ての行(k行)から映像信号を出力する。
そして、記憶制御回路14bは、3フレーム目の撮像において、イメージセンサ12eの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号を一時的に記憶回路14gに格納する。ここで、3フレーム目の撮像において、時間T3から時間T4にかけて、最初の行から順々に最後の行まで、各行から出力された映像信号が記憶回路14gに記憶される。このようにして3フレーム目の撮像において記憶された映像信号は、少なくとも、時間T7までは記憶回路14gに記憶される。
ここで、図3の「(W2+IR2)+(IR1+IR3)/2」が示す処理について説明する。時間T3の段階では、記憶回路14gには、1フレーム目の映像信号(IR1)と、2フレーム目の映像信号(W2+IR2)とが記憶されている。そして、時間T3からは、上述したように、3フレーム目の映像信号(IR3)が記憶回路14gに記憶されることが開始される。
そして、本実施形態では、撮像装置10は、1フレーム目の映像信号(IR1)と、2フレーム目の映像信号(W2+IR2)と、3フレーム目の映像信号(IR3)とを合成してディスプレイ101に出力する。
ここで、単純に、撮像装置10が、3フレーム目の撮像において、イメージセンサ12eの各行から映像信号(IR3)が出力される度に、各行から出力された映像信号(IR3)と、各行から出力された映像信号(IR1)と、イメージセンサ12c~12eの各行から出力された映像信号(W2+IR2)とを合成して、合成画像をディスプレイ101に出力する場合について説明する。この場合、ディスプレイ101には、1/120[s]で、全ての行から出力された映像信号の合成画像が出力される。
すると、あるフレームの撮像において最後の行の映像信号がディスプレイ101に出力されてから、その次のフレームの撮像において最初の行の映像信号がディスプレイ101に出力されるまでの1/120[s]の間、ディスプレイ101に対して映像信号が出力されない期間が存在することとなる。映像信号が出力されない期間は、ディスプレイ101に表示される画像が更新されない期間でもある。このため、画像が更新される1/120[s]の期間と、画像が更新されない1/120[s]の期間とが交互に並ぶ。このような場合、画像の更新頻度が一定でないため、ディスプレイ101は、このような入力に対応できないことがある。
そこで、本実施形態では、画像の更新頻度が一定となるように、出力回路14eからディスプレイ101に出力される1フレームの映像信号のフレームレートを、60[fps]に設定している。すなわち、あるフレームの撮像において最後の行の映像信号が出力されてから、その次のフレームの撮像において最初の行の映像信号が出力されるまでの期間を短縮している。
このため、記憶制御回路14bは、時間T3から、1/(60k)[s]毎に、1フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号(IR1)、2フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号(W2+IR2)、及び、3フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号(IR3)を順々に記憶回路14gから読み出す。例えば、記憶制御回路14bは、イメージセンサ12eのm番目の行から出力された映像信号(IR1)と映像信号(IR3)と、イメージセンサ12c~12eのm番目の行から出力された映像信号(W2+IR2)とを読み出す。なお、mは、正の整数である。そして、記憶制御回路14bは、イメージセンサ12eのm番目の行から出力された映像信号(IR1)と映像信号(IR3)と、イメージセンサ12c~12eのm番目の行から出力された映像信号(W2+IR2)とを画像処理回路14cに出力する。
そして、画像処理回路14cは、イメージセンサ12eのm番目の行から出力された映像信号(IR1)及び映像信号(IR3)、並びに、イメージセンサ12c~12eのm番目の行から出力された映像信号(W2+IR2)に対して各種の画像処理を施して、画像合成回路14dに出力する。
以下、画像処理回路14cにより施される各種の画像処理の一例について説明する。例えば、画像処理回路14cは、1フレーム目の撮像において、イメージセンサ12eのm番目の行から出力された映像信号(IR1)に対して、デジタルゲインをかける。画像処理回路14cは、デジタルゲイン及び上述したアナログゲインによって、イメージセンサ12eのm番目の行から出力された映像信号(IR1)を例えば30倍まで増幅させる。
同様に、画像処理回路14cは、3フレーム目の撮像において、イメージセンサ12eのm番目の行から出力された映像信号(IR3)に対して、デジタルゲインをかける。画像処理回路14cは、デジタルゲイン及び上述したアナログゲインと合わせて、イメージセンサ12eのm番目の行から出力された映像信号(IR3)を例えば30倍まで増幅させる。
なお、画像処理回路14cは、2フレーム目の撮像において、イメージセンサ12c~12eから出力されたm番目の映像信号(W2+IR2)については、デジタルゲイン及びアナログゲインをかけない。
また、本実施形態に係る画像処理回路14cは、上述した行42及び行43から出力される映像信号に基づいて得られる画像をマスクする。また、画像処理回路14cは、上述した行44から出力される映像信号に基づいて得られる画像の範囲を有効画像範囲として設定する。
図4Aは、画像処理回路14cが実行する画像処理の一例を説明するための図である。図4Aの例に示すように、例えば、画像処理回路14cは、上述した行42及び行43から出力される映像信号(W2+IR2)に基づいて得られる画像を、黒色の画像51に置換し、上述した行44から出力される映像信号(W2+IR2)に基づいて得られる画像の範囲を有効画像範囲52として設定したカラー画像50を生成する。
図4Aの例に示すカラー画像50は、ブランキング期間を中心とし、ブランキング期間に1/1200[s]を加えた期間にのみイメージセンサ12c~12eの複数の画素を受光させた場合のカラー画像の一例を示す。カラー画像50では、カラー画像50の全体の10%の領域がマスクされている。
同様に、画像処理回路14cは、上述した行42及び行43から出力される映像信号(IR1)に基づいて得られる画像を、黒色の画像に置換し、上述した行44から出力される映像信号(IR1)に基づいて得られる画像の範囲を有効画像範囲として設定した蛍光画像を生成する。また、画像処理回路14cは、上述した行42及び行43から出力される映像信号(IR3)に基づいて得られる画像を、黒色の画像に置換し、上述した行44から出力される映像信号(IR3)に基づいて得られる画像の範囲を有効画像範囲として設定した蛍光画像を生成する。
画像合成回路14dは、1フレーム目の撮像においてイメージセンサ12eの各行から出力された映像信号(IR1)と、3フレーム目の撮像においてイメージセンサ12eの各行から出力された映像信号(IR3)とを合成して合成画像を生成する。例えば、画像合成回路14dは、映像信号(IR1)と映像信号(IR3)とを合成して合成画像((IR1+IR3)/2)を生成する。
そして、画像合成回路14dは、例えば、合成画像((IR1+IR3)/2)のうち輝度が閾値以上の部分を抽出する。そして、画像合成回路14dは、抽出した部分と同一の位置及び範囲を有するマーカであって、所定の色(例えば、高彩度の緑色)が付与されたマーカを生成する。そして、画像合成回路14dは、2フレーム目の撮像において、各行から出力された映像信号(W2+IR2)に、生成したマーカを重畳して、合成画像(W2+IR2+(IR1+IR3)/2)を生成する。そして、画像合成回路14dは、生成した合成画像(W2+IR2+(IR1+IR3)/2)を出力回路14eに出力する。画像合成回路14dは、カラー画像、及び、カラー画像の前後に生成された複数(2つ)の蛍光画像を用いて、合成画像を生成する。
例えば、被検体100の体内を画像化したカラー画像の色合いは、全体的に赤みがかった色合いである。そのため、例えば、マーカに赤い色を付与しても、マーカが目立たない。そのため、赤色に対して補色である緑色をマーカに付与して、マーカを目立つようにする。
なお、画像合成回路14dは、マーカではなく、蛍光により得られる蛍光画像から輪郭成分を抽出し、抽出した輪郭成分をカラー画像に重畳して合成画像を生成してもよい。
このような処理を、画像合成回路14dは、全ての行から出力された映像信号に対して行う。すなわち、画像合成回路14dは、時間T3から時間T5までの期間1/60[s]で、全ての行から出力された映像信号の合成画像を出力回路14eに出力する。これにより、図3の「W2+IR2+(IR1+IR3)/2」によって示されるように、出力回路14eは、時間T3から時間T5までの期間1/60[s]で、全ての行の映像信号の合成画像をディスプレイ101に出力する。このため、ディスプレイ101に表示された合成画像は、1/60[s]毎に更新される。
4フレーム目以降についても、1フレーム目の撮像、2フレーム目の撮像及び3フレーム目の撮像において説明した撮像動作と同様の撮像動作が繰り返し行われる。したがって、制御回路14aは、励起光を光源装置30から連続的に出射させるとともに、励起光と種類が異なる白色光を、ブランキング期間40又は期間41と同期するように、光源装置30から2フレームに1回の割合で出射させる。画像処理回路14cは、励起光に基づく蛍光の受光によりイメージセンサ12eの複数の画素で発生した映像信号に基づいて蛍光画像を生成する。なお、蛍光の受光によりイメージセンサ12eの複数の画素で発生した映像信号は、第1の電気信号の一例である。また、蛍光画像は、第1の画像の一例である。
また、画像処理回路14cは、蛍光および白色光の同時受光によりイメージセンサ12c~12eの複数の画素で発生した映像信号に基づいてカラー画像を生成する。なお、蛍光および白色光の同時受光によりイメージセンサ12c~12eの複数の画素で発生した映像信号は、第2の電気信号の一例である。また、カラー画像は、第2の画像の一例である。
画像合成回路14dは、蛍光画像とカラー画像を用いて、合成画像を生成する。例えば、画像処理回路14c及び画像合成回路14dは、画像生成部の一例である。
図4Bは、合成画像の一例を示す図である。図4Bの例には、明るさのムラが生じる可能性がある部分がマスクされたカラー画像50に、マーカ53が重畳された合成画像の一例が示されている。したがって、ユーザは、例えば、注目すべき箇所であるマーカ53を容易に観察することができる。また、ユーザは、人間が実際に認識できるような内容のカラー画像であるカラー画像50を観察しつつ、マーカ53の情報を得ることができる。
また、カラー画像50において、露光タイミングは一致している。このため、第1の実施形態に係る撮像装置10によれば、画像の歪みの発生を抑制することができる。したがって、第1の実施形態に係る撮像装置10によれば、画像を観察する医師等のユーザにとって、観察するのに十分な画質を確保することができる。
図4Bに示すように、画像処理回路14cは、最初の行と最後の行に対応する合成画像の端部を少なくとも除く有効画像範囲52を合成画像に設定する。また、画像処理回路14c及び画像合成回路14dは、有効画像範囲52以外の範囲が黒色の画像(他の画像)51に置き換えられた合成画像を生成する。
ここで、合成画像において、撮像対象が所定の方向に移動している場合について説明する。更に、カラー画像(W2+IR2)に対して、蛍光画像(IR1)から得られるマーカを重畳させて、合成画像(W2+IR2+IR1)を生成した場合について説明する。この場合、撮像対象が移動しているため、カラー画像(W2+IR2)に描出された撮像対象の重心位置に対して、マーカの重心位置が時間的に遅れた位置となる。
次に、カラー画像(W2+IR2)に対して、蛍光画像(IR3)から得られるマーカを重畳させて、合成画像(W2+IR2+IR3)を生成した場合について説明する。この場合、撮像対象が移動しているため、カラー画像(W2+IR2)に描出された撮像対象の重心位置に対して、マーカの重心位置が時間的に進んだ位置となる。
ここで、本実施形態では、カラー画像(W2+IR2)に対して、蛍光画像(IR1)と蛍光画像(IR3)の合成画像((IR1+IR3)/2)から得られるマーカを重畳させて、合成画像(W2+IR2+(IR1+IR3)/2)を生成している。本実施形態によれば、撮像対象が移動していても、カラー画像(W2+IR2)の撮像タイミングから、略同一な時間だけ前後する撮像タイミングで撮像された蛍光画像(IR1)と蛍光画像(IR3)の合成画像((IR1+IR3)/2)から得られるマーカをカラー画像(W2+IR2)に重畳している。このため、カラー画像(W2+IR2)の重心位置と合成画像((IR1+IR3)/2)の重心位置との差は、比較的小さい。したがって、合成画像(W2+IR2+(IR1+IR3)/2)に描出される撮像対象の重心位置に対するマーカの重心位置のずれを抑制することができる。よって、第1の実施形態によれば、動きに対して合成画像(W2+IR2+(IR1+IR3)/2)からユーザに与える違和感を抑制することができる。
次に、第1の実施形態に係る制御回路14aにより実行される制御処理について説明する。図5は、第1の実施形態に係る制御処理の流れを示すフローチャートである。かかる制御処理は、図示しないマウスやキーボード等のユーザからの指示を受け付ける入力装置により、被検体100の体内の撮像を開始する指示がCCU14に入力された場合に、制御回路14aにより実行される。
図5に示すように、制御回路14aは、変数Nに「1」を設定する(ステップS101)。そして、制御回路14aは、IRレーザ30dから励起光を連続的に出射させるための光源制御信号を出力させるための制御信号をタイミング信号発生回路14fに出力する(ステップS102)。そして、制御回路14aは、Nフレーム目の撮像を開始させるために、ローリングシャッタ方式によるNフレーム目の露光を開始させるための制御信号を、イメージセンサ制御回路12fに出力する(ステップS103)。
そして、制御回路14aは、Nフレーム目の撮像においてイメージセンサ12eの複数の画素の最初の行の映像信号の出力が開始する時間から、読み出し期間1/120[s]で映像信号をイメージセンサ12eに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する(ステップS104)。なお、ステップS104において、記憶制御回路14bは、イメージセンサ12eの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号を一時的に記憶回路14gに格納する。
そして、制御回路14aは、変数Nの値を1つインクリメントする(ステップS105)。そして、制御回路14aは、Nフレーム目の撮像を開始させるために、ローリングシャッタ方式によるNフレーム目の露光を開始させるための制御信号を、イメージセンサ制御回路12fに出力する(ステップS106)。
制御回路14aは、現在の時間が、ブランキング期間又はブランキング期間を中心とした期間であるか否かを判定する(ステップS107)。現在の時間が、ブランキング期間又はブランキング期間を中心とした期間でない場合(ステップS107;No)には、制御回路14aは、再び、ステップS107の判定を行う。
一方、現在の時間が、ブランキング期間又はブランキング期間を中心とした期間である場合(ステップS107;Yes)には、制御回路14aは、次の処理を行う。すなわち、制御回路14aは、ブランキング期間又はブランキング期間を中心とした期間にのみ、白色LED30bから白色光を出射させる光源制御信号を出力させるための制御信号をタイミング信号発生回路14fに出力する(ステップS108)。
そして、制御回路14aは、最初の行からの映像信号の出力が開始する時間から、読み出し期間1/120[s]で映像信号をイメージセンサ12c~12eに出力させるための制御信号をイメージセンサ制御回路12fに出力する(ステップS109)。なお、ステップS109において、記憶制御回路14bは、イメージセンサ12c~12eの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号を一時的に記憶回路14gに格納する。
そして、制御回路14aは、変数Nの値を1つインクリメントする(ステップS110)。そして、制御回路14aは、Nフレーム目の撮像を開始させるために、ローリングシャッタ方式によるNフレーム目の露光を開始させるための制御信号を、イメージセンサ制御回路12fに出力する(ステップS111)。なお、ステップS111において、記憶制御回路14bは、イメージセンサ12eの各行から出力された映像信号が入力される度に、各行から出力された映像信号を一時的に記憶回路14gに格納する。
そして、ステップS112では、画像処理回路14cは、1フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号(IR1)、2フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号(W2+IR2)、及び、3フレーム目の撮像において各行から出力された映像信号(IR3)に対して各種の画像処理を施す。そして、ステップS112では、画像合成回路14dは、映像信号(IR1)、映像信号(W2+IR2)及び映像信号(IR3)の合成画像(W2+IR2+(IR1+IR3)/2)を出力回路14eに出力する。
そして、制御回路14aは、制御処理を終了する指示を、入力装置を介して受け付けたか否かを判定する(ステップS113)。制御処理を終了する指示を受け付けていない場合(ステップS113;No)には、制御回路14aは、変数Nの値を1つインクリメントして(ステップS114)、ステップS102に戻る。一方、制御処理を終了する指示を受け付けた場合(ステップS113;Yes)には、制御回路14aは、制御処理を終了する。
以上、第1の実施形態に係る撮像装置10について説明した。第1の実施形態に係る撮像装置10によれば、上述したように、ユーザが観察するのに十分な画質を確保することができる。
また、例えば、上記特許文献1に記載の技術において、波長の異なる2つの光(白色光、及び、IR励起光)を交互に出射し、撮像素子が120[fps]で映像信号を出力し、露光期間を1/60[s]とした場合について説明する。この場合には、白色光画像は、30[fps]でモニタに出力される。
一方、第1の実施形態では、例えば、イメージセンサ12cが120[fps]で映像信号を出力し、露光期間が1/60[s]である場合に、白色光に基づくカラー画像は、60[fps]でディスプレイ101に出力される。したがって、第1の実施形態に係る撮像装置によれば、フレームレートの低下を抑制することができる。したがって、ユーザが観察するのに十分なフレームレートを確保することができる。
(第1の実施形態の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。第1の実施形態において、カラー画像(W2+IR2)には、白色光及び蛍光の同時受光によりイメージセンサ12c~12eから出力された映像信号に基づく画像である。このため、カラー画像(W2+IR2)は、白色光に基づくカラー画像と、蛍光に基づく蛍光画像との合成画像である。このように、カラー画像(W2+IR2)には、蛍光画像が含まれている。
第1の実施形態では、白色光の反射の光量に比べて、蛍光の光量が無視できるくらい小さいことが前提であるが、第1の実施形態の変形例では、白色光の反射の光量に比べて、蛍光の光量が無視できないくらいの大きさである場合について説明する。この場合には、蛍光画像が赤みがかかった色合いであるため、カラー画像(W2+IR2)も赤みがかかったような色合いとなる。
そこで、第1の実施形態の変形例では、画像処理回路14cは、カラー画像(W2+IR2)から、蛍光画像(IR1)と蛍光画像(IR3)との合成画像((IR1+IR3)/2)を減算することで、略白色光のみに基づくカラー画像を生成する。すなわち、画像処理回路14cは、カラー画像(W2+IR2)の前後に生成された複数の蛍光画像(IR1)及び蛍光画像(IR3)を用いて、蛍光の成分が低減されるようにカラー画像(W2+IR2)を補正する。したがって、第1の実施形態の変形例によれば、カラー画像(W2+IR2)から蛍光成分を抑制する補正を行うことができる。なお、蛍光の成分は、第1の光による成分の一例である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る撮像装置について説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。第2の実施形態に係る撮像装置は、画像の明るさが、目標の明るさとなるように、白色LED30bが発する白色光を制御する点以外は、第1の実施形態に係る撮像装置10の動作と同様の動作を行う。また、第2の実施形態に係る撮像装置及び撮像システムの構成は、第1の実施形態と同様である。
例えば、ローリングシャッタ方式のイメージセンサ12c~12eでは、あるフレームの撮像中に、複数の画素の全ての行で、それまで蓄積していた電荷を全て排出し(リセットし)、電荷を排出後、露光を再び行って電荷を再蓄積するシャッタ機能がある。このようなシャッタ機能が動作すると、上述した行44で受光期間が同一にならない場合がある。この場合には、画像に明るさのムラが発生することがある。
そこで、第2の実施形態に係る撮像装置は、シャッタ機能が動作しないように、画像の明るさが、閾値以下の目標の明るさとなるように、白色LED30bが発する白色光を制御する。
ここで、画像の明るさの算出方法の一例について説明する。第2の実施形態では、制御回路14aは、フレームごとに、以下の処理を実行する。例えば、制御回路14aは、各種の画像処理が施された結果得られたカラー画像の画像データを画像処理回路14cから取得する。そして、制御回路14aは、画像データが示すカラー画像を構成する各画素のRの輝度、Gの輝度及びBの輝度の中から最も高い輝度を画素毎に選択する。なお、例えば、画像を構成する各画素は、イメージセンサ12c~12eの各画素に対応する。そして、制御回路14aは、画素毎に選択した輝度の合計を算出する。そして、制御回路14aは、算出した輝度の合計を、画像を構成する画素の数(画素数)で除して、1つの画素あたりの輝度の平均値を算出する。そして、制御回路14aは、算出した輝度の平均値を画像の明るさとして扱う。
そして、制御回路14aは、画像の明るさと、目標の明るさとを比較する。なお、目標の明るさは、例えば、ユーザにより指定される輝度の値である。また、目標の明るさは、所定の明るさの一例である。制御回路14aは、目標の明るさよりも、画像の明るさの方が大きければ、被検体100に照射される白色光の光量を小さくするために、画像の明るさと目標の明るさとの差分に応じて、ハイレベルの期間の長さを短くした光源制御信号をタイミング信号発生回路14fに出力させる。例えば、制御回路14aは、画像の明るさと目標の明るさとの差分が大きくなるほど、ハイレベルの期間の長さを短くした光源制御信号をタイミング信号発生回路14fに出力させる。具体例を挙げて説明すると、制御回路14aは、画像の明るさと目標の明るさとの差分に応じて、ハイレベルの期間の長さを計算して、計算の結果得られたハイレベルの期間の長さをタイミング信号発生回路14fに出力する。これにより、タイミング信号発生回路14fは、ハイレベルの期間の長さを短くした光源制御信号を駆動回路30aに出力する。
また、画像の明るさよりも目標の明るさのほうが大きければ、制御回路14aは、画像の明るさと目標の明るさとの差分に応じて、読み出し期間以下の範囲で、ハイレベルの期間の長さを長くした光源制御信号をタイミング信号発生回路14fに出力させる。
すなわち、制御回路14a及びタイミング信号発生回路14fは、画像の明るさが目標の明るさとなるように、ハイレベルの期間の長さを変更することにより、複数の画素により受光される白色光を制御する。具体的には、制御回路14a及びタイミング信号発生回路14fは、画像の明るさが目標の明るさとなるように、受光期間を制御する。制御回路14a及びタイミング信号発生回路14fは、受光期間を制御することにより、被検体100に照射される白色光の光量を制御する。制御回路14a及びタイミング信号発生回路14fは、受光期間を制御することにより、カラー画像の明るさを制御する。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る撮像装置について説明する。第3の実施形態の説明において、上述した各実施形態、及び、上述した変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
第3の実施形態に係る撮像装置は、白色光及び励起光(蛍光)の光量が十分である場合や、白色光と励起光との混在を抑制する場合に用いられる。
図6は、第3の実施形態に係る撮像装置の動作の一例を説明するための図である。図6には、第3の実施形態に係る光源装置30から出射される白色光及び励起光の出射タイミングと、撮像装置10のイメージセンサ12c~12eが備える複数の画素の各行の露光タイミングと、イメージセンサ12c~12eから出力される映像信号の出力タイミングと、出力回路14eから出力される映像信号の出力タイミングとの関係の一例が示されている。図6において、横軸は、時間を示す。
図6に示す第3の実施形態に係る撮像装置の動作が、図3に示す第1の実施形態に係る撮像装置10の動作と異なる点について説明する。第1の実施形態では、制御回路14aが、連続的に励起光を出射させていた場合について説明した。しかしながら、第3の実施形態では、制御回路14aは、複数の画素が受光する光の種類を、1フレーム毎に切り替える。具体的には、制御回路14aは、1フレームごとに、交互に、光源装置30から出射させる光を、白色光又は励起光に切り替える。これにより、制御回路14aは、複数の画素に受光させる光を、1フレームごとに、交互に、白色光又は蛍光に切り替える。
第3の実施形態では、制御回路14aは、種類が異なる励起光と白色光を、ブランキング期間又はブランキング期間を中心とした期間と同期するように、光源装置30から交互に出射させる。画像処理回路14cは、励起光に基づく蛍光の受光により複数の画素で発生した映像信号に基づいて蛍光画像を生成し、白色光の受光により複数の画素で発生した映像信号に基づいてカラー画像を生成する。画像合成回路14dは、蛍光画像とカラー画像を用いて、合成画像を生成する。なお、励起光に基づく蛍光の受光によりイメージセンサ12eの複数の画素で発生した映像信号は、第1の電気信号の一例である。白色光の受光によりイメージセンサ12c~12eの複数の画素で発生した映像信号は、第2の電気信号の一例である。
第3の実施形態に係る撮像装置は、第1の実施形態と同様に、観察するのに十分な画質を確保することができる。
また、例えば、上記特許文献1に記載の技術において、波長の異なる2つの光(白色光、及び、IR励起光)を交互に出射し、撮像素子が120[fps]で映像信号を出力し、露光期間を1/60[s]とした場合について説明する。この場合には、白色光画像及び蛍光観察画像それぞれは、30[fps]でモニタに出力される。
一方、第3の実施形態では、例えば、波長の異なる2つの光(白色光、及び、励起光)を交互に出射し、イメージセンサ12c~12eが120[fps]で映像信号を出力し、露光期間が1/60[s]である場合に、白色光に基づくカラー画像、及び、蛍光に基づく蛍光画像の合成画像は、60[fps]でディスプレイ101に出力される。したがって、第3の実施形態に係る撮像装置によれば、フレームレートの低下を抑制することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る撮像装置について説明する。第4の実施形態の説明において、上述した各実施形態、及び、上述した変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
第1の実施形態では、例えば、ブランキング期間を中心とし、ブランキング期間に1/1200[s]を加えた期間にのみ、イメージセンサ12c~12eの複数の画素に受光させる場合について説明した。この場合、マスクされる領域は、全画面の領域のおよそ10%となる。
図7は、第4の実施形態に係る画像の一例を説明するための図である。しかしながら、光量を確保するために、イメージセンサ12c~12eの複数の画素の受光期間を伸ばして、例えば、図7の例に示すように、全画面の領域のおよそ50%をマスクされる領域としてもよい。この場合には、画像処理回路14cは、有効画像範囲52が拡大された画像(拡大画像)50aを生成してもよい。図7の例に示すように、拡大されたことで、ユーザは、マーカ53aを、より容易に観察することができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係る撮像装置について説明する。第5の実施形態の説明において、上述した各実施形態、及び、上述した変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
第5の実施形態に係る撮像装置の制御回路14aは、第1の実施形態~第4の実施形態のうちの1つの実施形態に係る制御処理を実行するモード(第1のモード)と、白色LED30b又はIRレーザ30dのみを駆動させて白色光に基づくカラー画像又は励起光に基づく蛍光画像の撮像を実行するモード(第2のモード)とを、ユーザの指示に応じて切り替える。
例えば、第2のモードでは、露光期間が、第1~第4の実施形態に係る露光期間1/120[s]の2倍の期間である1/60となる。そして、第2のモードでは、制御回路14aは、イメージセンサ12c~12eの複数の画素に、蛍光又は白色光を受光させ、蛍光画像又はカラー画像を所定のフレームレート1/60[s]でディスプレイ101に出力させる。
図8は、第5の実施形態に係る撮像装置が行うモード切替の一例を説明するための図である。図8の例に示すように、例えば、医師等のユーザが、第2のモードでカラー画像60を観察している最中に、精査したい箇所がある場合には、入力装置(図示せず)を介して第1のモードに切り替える指示を入力する。制御回路14aは、入力されたユーザの指示に応じて、第1のモードに切り替えて、カラー画像50にマーカ53が重畳された合成画像をディスプレイ101に表示させる。
第5の実施形態では、モードが切り替わった場合であっても、撮像装置からディスプレイ101に出力されるフレームレートは変わらない。したがって、第5の実施形態に係る撮像装置によれば、モードの切り替え時にユーザに与える違和感を抑制することができる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係る撮像装置について説明する。上述した第1の実施形態~第4の実施形態及び第1の実施形態の変形例では、制御回路14aが、ブランキング期間を基準とした期間として、ブランキング期間、ブランキング期間内の期間、又は、ブランキング期間を中心とした期間にのみ、複数の画素を受光させる場合について説明した。しかしながら、制御回路14aは、ブランキング期間を基準とした期間として、ブランキング期間を中心とした期間の一部の期間のみ、複数の画素を受光させてもよい。そこで、このような実施形態を第6の実施形態として説明する。
図9は、第6の実施形態に係る撮像装置の動作の一例を説明するための図である。図9において横軸は、時間を示す。例えば、まず、第1の実施形態と同様に、制御回路14aが、励起光を光源装置30から連続的に出射させるとともに、白色光を、ブランキング期間40を基準とした期間と同期するように、光源装置30から2フレームに1回の割合で出射させる場合について説明する。
この場合、図9に示すように、制御回路14aは、白色光を、2フレームに1回の割合でブランキング期間40を中心とした期間41の一部の期間41aのみ、光源装置30から出射させる。これにより、複数の画素は、期間41の一部の期間41aのみ受光される。ここで、期間41aは、ブランキング期間40よりも時系列において前の期間である。
次に、第3の実施形態と同様に、制御回路14aが、種類が異なる励起光と白色光を、ブランキング期間40を基準とした期間と同期するように、光源装置30から交互に出射させる場合について説明する。
この場合においても、図9に示すように、制御回路14aは、励起光と白色光を、期間41aのみ、光源装置30から交互に出射させる。これによっても、複数の画素は、期間41の一部の期間41aのみ受光される。
第6の実施形態によれば、ディスプレイ101に表示される合成画像の一端側のマスクされている領域の大きさと、他端側のマスクされている領域との大きさとが異なるものの、他の実施形態と同様に、画像を観察する医師等のユーザにとって、観察するのに十分なフレームレート及び画質を確保することができる。
以上、各実施形態について説明した。なお、各実施形態において、撮像装置10が、白色光の反射光をイメージセンサ12c~12eを受光させて、各種の処理を行う場合について説明した。しかしながら、撮像装置10は、白色光によりICGが励起されてICGから出射された蛍光(白色光に基づく蛍光)をイメージセンサ12eに受光させて、同様の処理を行ってもよい。
以上述べた少なくとも1つの実施形態又は変形例に係る撮像装置によれば、ユーザが観察するのに十分なフレームレートを確保することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。