(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
一態様に係る吸収性物品は、平面視において、着色部が配置された着色領域と、オリーブ油が配置されたオリーブ領域と、を有する吸収性物品であって、前記着色領域の少なくとも一部は、前記オリーブ領域に重なっており、前記着色部は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、1番、2番、3番、4番、5番、6番、7番、18番、19番、21番、22番、23番及び24番のいずれかの色を含む。着色領域の少なくとも一部は、オリーブ領域に重なる領域に設けられており、オリーブ油を隠蔽する視覚効果を発揮できる。18番、19番、21番、22番、23番及び24番、1番、2番、3番、4番は、オリーブの実の色である22番、23番及び24番に対する色相番号のずれが4以内である。また、22番、23番及び24番、1番、2番、3番、4番、5番、6番、7番は、変色後のオリーブ油の色である2番及び3番に対する色相番号のずれが4以内である。そのため、オリーブ油の色が視覚的に類似色の着色領域で目立たなくなる。よって、使用者が使用後の吸収性物品であると誤認したり、使用者が汚らしく感じたりする、使用者の誤認を抑制できる。
好ましい一態様によれば、前記着色部は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、1番、2番、3番及び4番のいずれかの色を含んでよい。着色部の色が変色後のオリーブ油の色である2番及び3番により近似する色であるため、オリーブ油の酸化による変色を類似色の着色部によって視覚的により目立たせなくできる。
好ましい一態様によれば、前記着色部は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、1番、21番、22番、23番及び24番のいずれかの色を含んでよい。着色部がオリーブの実の色に近似していることにより、使用者は、着色部を視認した際に、新鮮なオリーブを想起できる。使用者は、清潔感を得たり、未使用品であることによる衛生的な心証を持ったりし易い。
好ましい一態様によれば、吸収コアよりも肌面側に配置された肌側シートを有しており、前記肌側シートは、着用者の肌に当接するトップシートを有し、前記オリーブ油は、前記トップシートに配置されており、前記着色部は、前記吸収コアと重なるコア配置領域において、前記肌側シートに配置されてよい。吸収コアは、尿を吸収する箇所であり、吸収コアと重なる領域に対して、使用者は、酸化したオリーブ油が尿であると誤認しやすい。吸収コアと重なる領域において、吸収コアよりも肌側に位置する肌側シートに着色部を設けることで、着色部によって吸収コアを覆うことができる。酸化したオリーブ油を目立たなくして、酸化したオリーブ油が尿であると誤認することを抑制できる。
吸収コアよりも肌面側に配置された肌側シートを有しており、前記肌側シートは、着用者の肌に当接するトップシートを有し、前記トップシートは、凸部と、凸部よりも厚さ方向に凹む凹部と、を有してよい。トップシートには、凸部及び凹部による陰影が形成される。トップシートの陰影が目立つことにより、オリーブ油の色が目立たなくなる。よって、オリーブ油の色に起因する使用者の誤認を抑制できる。
前記着色領域の面積は、前記オリーブ領域の面積よりも大きくてよい。着色領域の面積がオリーブ領域の面積よりも大きく、着色領域がオリーブ領域より目立ちやすくなる。よって、着色領域によるオリーブ油の隠蔽効果をより高めることができる。
前記オリーブ領域には、弾性部材が配置されてよい。一般的に吸収性物品の構成部材(弾性部材を含む)の色は白である。オリーブ領域に弾性部材が重なるため、弾性部材が目立ちやすくなる。使用者は、着用者にフィットさせるべき領域を把握し易く、装着時の操作性を向上できる。
好ましい一態様によれば、平面視において、オリーブ油が配置されていない非配置領域を有し、前記非配置領域には、弾性部材が配置されてよい。非配置領域に弾性部材が重なるため、弾性部材が目立ち難くなる。使用者によっては、弾性部材は局所的にフィットし肌に対して優しくないイメージを持つことがある。しかし、弾性部材が目立ち難くなることにより、当該マイナスイメージを払拭できる。
(2)実施形態に係る吸収性物品
以下、図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
本発明に係る吸収性物品は、着用者の体液を吸収できる吸収性物品である。着用対象は、乳幼児及び高齢者を例示できる。吸収性物品は、尿を吸収する使い捨ておむつ及び失禁パッドであってもよいし、経血を吸収する生理用ナプキンであってもよいし、おりものを吸収するおりものシートであってもよい。使い捨ておむつは、パンツ型おむつであってもよいし、テープ型おむつであってもよい。実施形態に係る吸収性物品は、テープ型の使い捨ておむつである。図1は、実施形態に係る吸収性物品1の展開状態の肌面側から見た模式平面図である。図2は、実施形態に係る吸収性物品1の展開状態の非肌面側から見た模式平面図である。図1及び図2に示す模式平面図は、吸収性物品1を皺が形成されない状態まで伸長させた伸長状態を示している。図3は、図1に示すA-A線に沿った模式断面図である。模式断面図において、説明の便宜上、各部材が厚さ方向Tにおいて離間していることがあるが、実際の製品においては厚さ方向Tに接している。
吸収性物品1は、互いに直交する前後方向L及び幅方向Wを有する。前後方向Lは、身体前側と身体後側とに延びる方向によって規定される。言い換えると、前後方向Lは、展開された吸収性物品1において前後に延びる方向である。また、吸収性物品1は、前後方向Lと幅方向Wの両方の直交する厚さ方向Tを有する。厚さ方向Tは、着用者側に向かう肌面側T1と、肌面側T1と反対側の非肌面側T2と、に延びる。吸収性物品1は、前胴回り域S1と、後胴回り域S2と、股下域S3と、を有する。前胴回り域S1は、着用対象の前胴回り(腹部)に対向する領域である。後胴回り域S2は、着用対象の後胴回り(背部)に対向する領域である。股下域S3は、着用対象の股下に位置し、前胴回り域S1と後胴回り域S2との間に配置された領域であり、脚回り開口部65が設けられて領域であってよい。脚回り開口部65は、使い捨ておむつの外側縁から幅方向の内側に凹む部分である。ここで、本発明における外側縁とは、幅方向Wにおける外側の縁であり、外側部とは、幅方向Wにおける外側の縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分である。また、内側縁とは、幅方向Wにおける内側の縁であり、内側部とは、幅方向Wにおける内側の縁を含む幅方向Wに一定の範囲を占める部分である。
吸収性物品1は、吸収材料を含む吸収コア31を含む。吸収コア31は、粉砕パルプもしくは高吸収性ポリマー(SAP)、又はこれらの混合物等の吸収材料を含む。吸収コア31は、図示しないコアラップによって覆われてよい。吸収コア31とコアラップによって吸収体が構成されてよい。コアラップは、ティッシュ又はSMS不織布によって構成され、吸収コア31の肌面側T1と吸収コア31の非肌面側T2に配置されてよい。図3に示すように、吸収性物品1は、吸収コア31よりも肌面側T1に位置する肌側シート20を有する。肌側シート20は、吸収コア31を覆い、かつ吸収性物品1の全体に亘って配置されている。本実施形態の肌側シート20は、トップシート21、セカンドシート23、及びコアラップを含む。トップシート21は、吸収コア31の幅方向Wの中心を跨いで配置されたセンターシート21Cと、トップシート21の外側部を覆うサイドシート21Sと、を有する。トップシート21は、例えば不織布や開孔プラスチックフィルムのような透液性シートによって構成されていてよい。
一対のサイドシート21Sのそれぞれは、防漏ギャザー60を構成してよい。サイドシート21Sの内側部は、折り返されて重なっており、重なったサイドシート21S間には、前後方向Lに伸縮する防漏弾性部材61が設けられてよい。防漏弾性部材61は、前後方向Lに伸縮する糸ゴムによって構成されてよい。防漏ギャザーは、防漏弾性部材61の収縮によって肌面側T1に起立し、吸収性物品1の幅方向の中心の側方において横漏れを防ぐ壁を形成する。
図4は、図1に示すB部分の拡大平面図である。図5は、図3に示すC部分の拡大断面図である。図4に示すように、吸収性物品1は、少なくともトップシート21を厚さ方向に圧縮したシート圧搾部28を有してよい。シート圧搾部28は、平面視にて間隔を空けて複数設けられてよい。本実施の形態のシート圧搾部28は、点状であり、前後方向Lに間隔を空けて配置されているとともに、幅方向Wに間隔を空けて配置されている。シート圧搾部28は、吸収性物品1の肌面側T1から視認可能に構成されてよい。また、図5に示すように、トップシート21は、凸部211と、凸部211よりも厚さ方向Tに凹む凹部212と、を有してよい。凸部211及び凹部212は、前後方向Lに延びており、幅方向Wに交互に配置されてよい。凸部211は、吸収材料の坪量が凹部212よりも高い部分であってもよいし、吸収材料の坪量が凹部212と同じであるが、密度が凹部212よりも低い部分であってもよい。本実施の形態では、トップシート21を構成するセンターシート21Cに、シート圧搾部28、凸部211及び凹部212が設けられており、サイドシート21Sに、シート圧搾部28、凸部211及び凹部212が設けられていない。
吸収性物品1は、吸収コア31よりも非肌面側T2に位置する非肌側シート25を有する。非肌側シート25は、吸収コア31を覆い、かつ使い捨ておむつの全体に亘って配置されている。本実施形態の非肌側シート25は、バックシート26と外装シート27を含む。バックシート26は、液不透過性のシートであり、ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。外装シート27は、バックシート26の非肌面側T2に設けられてよい。外装シート27は、液透過性の不織布によって構成されてよい。バックシート26の幅方向Wの長さは、外装シート27の幅方向Wの長さよりも短く、バックシート26の前後方向Lの長さは、外装シート27の前後方向Lの長さよりも短くてよい。吸収性物品1は、水分との接触によって変色するインジケータ70を有する。インジケータ70は、吸収コア31が体液を吸収することによって変色し、吸収性物品1の非肌面側T2から体液の吸収状態を把握できるように構成されている。インジケータ70は、吸収コア31よりも非肌面側に配置されてよく、バックシート26又は外装シート27に設けられていてよい。好ましくは、インジケータ70は、バックシート26の肌側面に設けられていてよい。
後胴回り域S2には、ファスニングテープ90が設けられている。ファスニングテープ90は、ベース部92と係止部93を有する。ベース部92の少なくとも一部は、肌側シート20と非肌側シート25の間に接合され、かつ肌側シート20と非肌側シート25から幅方向Wの外側に延出する。係止部93は、ベース部92上に設けられ、前胴回り域S1のターゲット部95(図2参照)に着脱可能に止着される。ファスニングテープ90は、後胴回り域S2において幅方向Wに沿って延び、ターゲット部95に止着されることにより、吸収性物品1を着用者の身体に保持する。ターゲット部95は、前胴回り域S1に配置されており、ファスニングテープ90がそれぞれ止着するように構成されている。なお、変形例において、吸収性物品1は、ターゲット部を備えずに、非肌側シート25の非肌側面にファスニングテープ90が止着するように構成されてよい。
吸収性物品1は、着用者のウエストを囲むウエスト開口66を有する。ウエスト開口66は、使い捨ておむつの後端縁10Rと前端縁10Fによって構成され、ファスニングテープ90がターゲット部95に止着した状態で腰回りを囲む部分である。肌側シート20と非肌側シート25の間には、前後方向Lに延びる脚回り弾性部材67が設けられてよい。脚回り弾性部材67は、吸収コア31よりも幅方向Wの外側において、少なくとも股下域S3において脚回り開口部65に沿って配置されてよい。なお、変形例において、肌側シート20と非肌側シート25の間には、幅方向Wに延びる腰回り弾性部材が設けられてよい。腰回り弾性部材の収縮によって、着用者の腰回りに対するフィットを向上できる。
吸収性物品1は、着色部85が配置された着色領域R32と、オリーブ油が配置されたオリーブ領域R31と、を有する。オリーブ領域R31は、平面視においてオリーブ油が配置された領域である。オリーブ油は、肌側シート20に設けられてもよいし、非肌側シート25に設けられてよい。好適は、オリーブ油は、トップシート21と外装シート27の少なくともいずれかに配置されてよい。トップシート21にオリーブ油を配置することにより、着用者にオリーブ油を接触させ、着用者にオリーブ油の効能を付与できる。また、外装シート27にオリーブ油を配置することにより、装着補助者が吸収性物品を装着する操作過程において装着補助者にオリーブ油を接触させ、装着補助者にオリーブ油の効能を付与できる。本実施の形態のオリーブ油は、トップシート21としてのセンターシート21Cにオリーブ油を配置している。オリーブ油は、エクストラ・ヴァージンオリーブ油、ヴァージンオリーブ油、オーディナリー・ヴァージンオリーブ油、ランパンテ・ヴァージンオリーブ油、精製オリーブ油、ピュアオリーブ油、精製オリーブポマース油、オリーブポマース油を例示できる。オリーブ油が配置されているため、着用者及び装着補助者にオリーブ油の効能を付与できる。オリーブ油の効能は、例えば、肌に対する潤いを付与したり、肌を保湿したり、肌を滑らかに維持したり、香りを付与したりできる。
図6は、トップシートを構成する繊維55を示す拡大模式図である。図6Aは、不織布を構成する繊維55を示す拡大模式図である。図6Bは、図6AのD-D断面図を示す模式断面図である。本実施の形態のトップシート21を構成する繊維55は、繊維本体551と油層552を有する。繊維本体551の表面は、親水性を有する繊維処理剤からなる油層552により覆われている。油層552には、オリーブ油が存在する。このように繊維本体551を覆う油層552によって、構成部材にオリーブ油を付与している。そのため、繊維本体の表面の略全体にオリーブ油を配置でき、トップシートの肌対向面及び非肌対向面のみならず、厚さ方向の内側の部分にもオリーブ油を配置できる。本実施の形態のオリーブ領域R31は、トップシート21の繊維55が配置された領域であり、トップシート21の略全面の領域である。なお、図6に示すように、繊維55間の隙間Gは、繊維本体551及び油層552が配置されてなく、オリーブが配置されていない非配置領域を構成する。図3においては、非配置領域がオリーブ領域R31に対して僅かであるため、便宜上、トップシート21が配置された領域をオリーブ領域R31として示す。また、変形例において、トップシート21等の構成部材を成形した後にオリーブ油又はオリーブ油を含む繊維処理剤を塗布することによって、オリーブ油を構成部材に付与してもよい。
着色領域R32は、平面視において着色部85が配置された領域であり、吸収性物品の外面側(肌面側及び非肌面側)から視認可能な着色部85が設けられた領域であることが好ましい。着色部85は、トップシート21に設けられていてもよいし、セカンドシート23又は吸収コア31に設けられ、トップシート21を介して視認可能に構成されてよい。着色部85は構成部材に印刷された部分であってもよいし、構成部材自体の色であってもよい。本実施の形態の着色部85は、セカンドシート自体の色によって構成されており、セカンドシート23の全体に設けられている。着色部85は、後述する想起情報80を兼ねていてもよい。
本実施の形態の吸収性物品1は、オリーブ油の色に起因する使用者の誤認を抑制するように構成されている。ここで使用者の誤認とは、オリーブ油の濃淡等の色むらや、オリーブ油を部分的に配置した場合における吸収性物品に色むらに起因するもの、オリーブの変色による吸収性物品に色むら、変色したオリーブ油が尿のような視覚効果を発揮するもの等に起因するものである。着色部85は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、1番、2番、3番、4番、5番、6番、7番、18番、19番、21番、22番、23番及び24番のいずれかの色を含んでいる。図3に示すように、着色領域R32の少なくとも一部は、オリーブ領域R31に重なってよい。
出願人が鋭意研究した結果、オリーブ油の原料となるオリーブの実の色は、22番、23番及び24番に近似することがわかった。一般的に、2つの色の色相番号のずれが4以内の場合には、2つの色が類似するため、一方に対して他方が目立ちにくくなる。18番、19番、21番、22番、23番及び24番、1番、2番、3番、4番は、オリーブの実の色である22番、23番及び24番に対する色相番号のずれが4以内である。そのため、オリーブ油自体の色及びオリーブ油の濃淡が視覚的に類似色の着色領域R32で目立たなくなる。よって、使用者が使用後の吸収性物品であると誤認したり、使用者が汚らしく感じたりする、使用者の誤認を抑制できる。加えて、着色部85がオリーブの実の色に類似するため、使用者は、着色部85を視認した際に、新鮮なオリーブを想起できる。使用者は、清潔感を得たり、未使用品であることによる衛生的な心証を持ったりし易い。また、使用者がオリーブ油を有する吸収性物品1であることを認識できない場合であっても、着色部85によってオリーブ油を想起させることができ、オリーブ油の存在を使用者に知らせることができる。なお、着色部の色番号の評価は、昼白色(色温度目安 4600~5400 K(ケルビン))で明るく照明された室内(目安:500~750 lx(ルクス))で約30~50cmの距離で、良好な視力(1.0以上)を両眼に有する被験者が吸収性物品の外側から視認して評価する。
また、オリーブ油の変色後の色、及び尿の色は、オストワルト色相環の色表のうち2番及び3番に近似することがわかった。22番、23番及び24番、1番、2番、3番、4番、5番、6番、7番は、変色後のオリーブ油の色である2番及び3番に対する色相番号のずれが4以内である。そのため、変色後オリーブ油が視覚的に類似色の着色領域で目立たなくなる。よって、変色したオリーブ油を尿と誤認することを抑制し、使用者が使用後の吸収性物品であると誤認したり、使用者が汚らしく感じたりする、使用者の誤認を抑制できる。
好適には、着色部85は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、1番、2番、3番及び4番のいずれかの色を含んでよい。着色部85の色が変色後のオリーブ油の色である2番及び3番により近似する色であるため、オリーブ油の酸化による変色を視覚的に類似色の着色部85によってより目立たせなくできる。また、好適には、着色部85は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、1番、21番、22番、23番及び24番のいずれかの色を含んでよい。着色部85の色がオリーブの実の色である22番、23番及び24番により近似する色であるため、オリーブ油の自体の色を類似色の着色部85によって視覚的に目立たせなくできる。
オリーブ油は、トップシート21に配置されてよい。トップシート21にオリーブ油を配置することで、着用者の肌にオリーブ油が接触し、肌の水分を保護したり、肌を滑らかに維持したりできる。また、着色部85は、吸収コア31と重なるコア配置領域R33において、肌側シート20に配置されてよい。また、吸収コア31は、尿を吸収する箇所であり、吸収コア31と重なる領域に対して、使用者は、酸化したオリーブ油が尿であると誤認しやすい。吸収コア31と重なる領域において、吸収コアよりも肌側に位置する肌側シートに着色部85を設けることで、着色部85によって吸収コアを覆うことができる。酸化したオリーブ油を目立たなくして、酸化したオリーブ油が尿であると誤認することを抑制できる。
トップシート21の外面213のオリーブ油の坪量は、トップシート21の内面214のオリーブ油の坪量よりも高い。トップシート21が吸収性物品1の外面に配置されている場合には、着用者等がトップシート21に触れた際に、着用者等にオリーブ油を転写でき、着用者等に対してオリーブ油の効能を付与できる。また、トップシート21が吸収性物品1の外面よりも内側に配置されている(例えば、セカンドシート23の)場合には、吸収性物品1の外面が押圧された際に、吸収性物品1の外面にオリーブ油が滲み出やすく、着用者等に対してオリーブ油の効能を付与できる。トップシート21の内面は、トップシート21よりも内側に位置する他の構成部材に接着剤を介して接合したり、他の構成部材に溶着されたりする。このとき、トップシート21の内面214のオリーブ油の坪量が比較的低いため、オリーブ油が配置されていることに起因して接着剤が接合し難い等の不具合を抑制できる。
トップシートの外面のオリーブ油の坪量及びトップシートの内面のオリーブ油の坪量は、以下の方法によって比較できる。2枚の濾紙を用意し、それぞれにヘキサンを含侵させる。一方の濾紙をトップシートの外面に当て、他方の濾紙をトップシートの内面に当てて、2枚の濾紙のそれぞれにトップシートのオリーブ油を移行する。濾紙に移行したオリーブ油の坪量によって、トップシートの外面のオリーブ油の坪量及びトップシートの内面のオリーブ油の坪量を比較する。濾紙に移行したオリーブ油の坪量は、周知の方法によって測定でき、例えば、高速液体クロマトグラフ(HPLC)法を用いることができる。なお、繊維処理剤にオリーブ油が略均一に含まれている場合には、繊維処理剤の坪量を比較することによって、当該比較結果をオリーブ油の比較結果に置きかえることができる。
図5に示すように、トップシート21は、トップシート21の外面213から内側に延びる外側領域R11と、トップシート21の内面214から外側に延びる内側領域R12と、を有してよい。外側領域R11と内側領域R12は、隣接していてよい。本実施の形態の外側領域R11は、センターシート21Cの肌対向面から非肌面側T2に延び、内側領域R12は、外側領域R11よりも非肌面側T2に位置し、センターシート21Cの非肌対向面から肌面側T1に延びる。外側領域R11の平均繊維径は、内側領域R12の平均繊維径よりも小さい。すなわち、外側領域R11は、内側領域R12よりも平均繊維径が小さい領域である。外側領域R11は、内側領域R12と比較して、平均繊維径が比較的小さく、繊維の表面積が大きくなり易い。オリーブ油が付着可能な表面積を確保し、外側領域R11のオリーブ油の含有量を高めることができる。一方、内側領域R12は、外側領域R11と比較して、平均繊維径が比較的大きく、繊維間の空隙が大きくなり易い。内側領域R12に接する接着剤が繊維間の空隙に入り込み易くなり、接着剤による接着力を確保し易い。内側領域R12の厚さは、外側領域R11の厚さよりも厚くてよい。繊維間の空隙を確保し易い内側領域の厚さを大きくすることにより、接着剤を保持しやすく、接着剤による接着力をより確保し易い。
なお、平均繊維径は、以下の方法によって測定できる。トップシートをはさみで10mm×10mmの寸法で切断する。切断したサンプルの外側領域が観察プレートに当接するように、観察プレート上にサンプルを載置する。デジタルマイクロスコープ VHX-7000/KEYENCEを用いて断面を観察し、サンプルを構成する繊維の繊維径を測定する。なお、繊維径は、切り出した10本の繊維の繊維径の平均値を採用する。外側領域R11と内側領域R12の境界は、切り出した10本の繊維径のうち8本以上の繊維径が異なる箇所としてよい。
外側領域R11の平均繊維径は、1.7dtex以下であり、内側領域R12の平均繊維径は、3.3dtex以上であってよい。内側領域R12の平均繊維径が3.3dtex以上であって、比較的繊維径が大きいため、繊維間の空隙を確保し易い。また、外側領域R11の平均繊維径が1.7dtex以下であって、繊維径が比較的小さいため、繊維間の空隙が小さくなり易い。よって、内側領域R12の繊維間の空隙Gに浸入した体液及び接着剤が外側領域R11に移行し難い。よって、内側領域R12内で接着剤を保持し接着力を確保するとともに、内側領域R12内で体液を保持し、吸収性物品の外面へのリウェットを抑制できる。加えて、トップシート21が吸収性物品1の外面を構成する場合には、着用者等がトップシート21に触れた際に、柔らかく変形したり、滑らかな肌触りとなったり、着用者等が肌に優しい心証を持ちやすい。そのため、オリーブ油の効能に加えて、肌に優しい吸収性物品1であることを着用者等が認識し易い。
内側領域R12の厚さは、外側領域R11の厚さよりも厚くてよい。繊維間の空隙を確保し易い内側領域の厚さを大きくすることにより、厚さ方向の内側に引き込んだ体液を保持しやすく、体液の引き込み性も向上できる。好適には、トップシート21全体に対する内側領域R12の厚さの比率は、80%以上であってよい。繊維間の空隙をより確保し易く、接着剤よる接着力及び体液の引き込み性の向上効果をより奏することができる。内側領域R12の厚さ及び外側領域R11の厚さは、平均繊維径の測定方法と同様にデジタルマイクロスコープ VHX-7000/KEYENCEを用いて断面を観察し、厚さを測定する。
外側領域R11のオリーブ油の密度は、内側領域R12のオリーブ油の密度よりも高くてよい。トップシート21の外側領域R11は、内側領域R12よりも厚さ方向Tの外側に位置しており、吸収性物品1の外面に近く、オリーブ油の密度が高い。そのため、トップシート21が吸収性物品1の外面に配置されている場合には、着用者等がトップシート21に触れた際に、着用者等にオリーブ油を転写でき、着用者等に対してオリーブ油の効能を付与できる。また、トップシート21が吸収性物品1の外面よりも内側に配置されている(例えば、セカンドシート23の)場合には、吸収性物品1の外面が押圧された際に、吸収性物品1の外面にオリーブ油が滲み出やすく、着用者等に対してオリーブ油の効能を付与できる。オリーブ油の密度が低い内側領域R12は、トップシート21の内面を構成し、トップシート21よりも内側に位置する他の構成部材(防漏フィルム、コアラップ、セカンドシート、弾性部材)に接触し、他の構成部材に接着剤を介して接合したり、他の構成部材に溶着されたりする。このとき、オリーブ油の密度が比較的低いため、オリーブ油が配置されていることに起因して接着剤が接合し難い等の不具合を抑制できる。
内側領域R12の繊維の密度は、外側領域R11の繊維の密度よりも低くてよい。内側領域R12の繊維の密度が、外側領域R11の繊維の密度よりも低いため、繊維間の空隙Gを確保し易い。内側領域R12に接する接着剤が繊維間の空隙に入り込み易くなり、接着剤による接着力を確保し易い。加えて、トップシート21内に引き込んだ体液を保持しやすく、体液の引き込み性も向上できる。
トップシート21の内面(厚さ方向の内側の面)には、弾性部材が接合され、オリーブ油は、弾性部材と重なる領域に設けられてよい。弾性部材は、脚回り弾性部材67、腰回り弾性部材を例示できる。トップシート21の内面のオリーブ油の坪量が低いため、弾性部材のトップシート21に対する接合状態を維持できる。また、弾性部材は、身体に対して密着する部分であり、着用者等は、当該弾性部材と身体の部位の位置を調整するために、弾性部材と重なる領域を触れ易い。弾性部材と重なる領域に弾性部材を配置することにより、弾性部材の位置を調整する操作の過程で着用者等がオリーブ油に触れ易く、着用者等に対してオリーブ油の効能を付与できる。
オリーブ領域は、凸部211と重なる領域及び凹部212と重なる領域に設けられてよい。図5に示すように、トップシート21には、凸部211及び凹部212による陰影が形成される。凸部211及び凹部212による陰影は、凸部211及び凹部212の坪量の違いによる陰影であってもよいし、凸部211及び凹部212の厚さの違いによる陰影であってもよい。トップシート21の陰影が目立つことにより、オリーブ油の色が目立たなくなる。よって、オリーブ油の色に起因する使用者の誤認を抑制できる。また、オリーブ領域R31は、シート圧搾部28と重なる領域に設けられてよい。図5に示すように、トップシート21には、シート圧搾部28の有無による陰影が形成される。トップシート21の陰影が目立つことにより、オリーブ油の色が目立たなくなる。よって、オリーブ油の色に起因する使用者の誤認を抑制できる。変形例において、トップシート21には、間欠的に配置され開口が形成されており、オリーブ領域R31は、開口と重なる領域に設けられてよい。変形例によれば、トップシート21に開口による陰影が形成され、オリーブ油の色を目立たせなくできる。なお、開口は、シート圧搾部28による開口であってもよいし、パンチング加工等の切断加工によって形成された開口であってもよい。よって、変形例によってもオリーブ油の色に起因する使用者の誤認を抑制できる。
着色領域R32は、オリーブ領域R31の全面に亘って重なっていてもよいし、オリーブ領域R31の一部において重なっていてもよい。好適には、オリーブ領域R31のうち、吸収性物品1の肌対向面に設けられた肌当接領域R35の全面に亘って、着色領域R32が重なっていてもよい。図3に示すように、本実施の形態の肌当接領域R35は、センターシート21Cのうちサイドシート21Sによって覆われていない領域であう。肌当接領域R35は、吸収性物品の肌対向面においてオリーブ油が配置されており、オリーブ油が視認され易い。肌当接領域R35の全面に着色領域R32が重なっていることにより、比較的目立ちやすい肌当接領域R35におけるオリーブ油の色を目立たせなくできる。本実施の形態の着色領域R32は、一対のサイドシート21Sの内側縁よりも幅方向の外側に延出しており、肌当接領域R35よりも幅方向Wの外側に延出している。また、着色領域R32は、吸収性物品1の前後方向L全域に配置されており、着色領域R32の前後方向Lの外端縁は、肌当接領域R35の前後方向Lの外端縁と一致する。変形例において、着色領域R32の面積は、オリーブ領域の面積よりも大きくてよい。着色領域の面積がオリーブ領域の面積よりも大きく、着色領域がオリーブ領域より目立ちやすくなる。よって、着色領域によるオリーブ油の隠蔽効果をより高めることができる。
オリーブ領域R31には、弾性部材が配置されてよい。すなわち、センターシート21Cに重なる領域に弾性部材が配置されてよい。弾性部材は、脚周り弾性部材42、防漏弾性部材61を例示できる。一般的に吸収性物品の構成部材(弾性部材を含む)の色は白である。オリーブ領域R31に弾性部材が重なるため、弾性部材が目立ちやすくなる。使用者は、着用者にフィットさせるべき領域を把握し易く、装着時の操作性を向上できる。
吸収性物品1は、平面視において、オリーブ油が配置されていない非配置領域を有してよい。非配置領域は、吸収性物品1の厚さ方向Tの全域に亘ってオリーブ油が付されていない領域であり、本実施の形態では、トップシート21の厚さ方向Tの全域に亘ってオリーブ油が付されていない領域である。非配置領域は、例えば、繊維間の隙間Gが厚さ方向Tに連続している領域である。非配置領域には、弾性部材が配置されてよい。一般的に吸収性物品の構成部材(弾性部材を含む)の色は白である。非配置領域に弾性部材が重なるため、弾性部材が目立ち難くなる。使用者によっては、弾性部材は局所的にフィットし肌に対して優しくないイメージを持つことがある。しかし、弾性部材が目立ち難くなることにより、当該マイナスイメージを払拭できる。
オリーブ油は、酸価が6.6mg/g以下であって、過酸化物価が30meq/mg以下であってよい。オリーブ油は、上述のように、品質等級等によって区別された複数の種類が流通している。吸収性物品1にオリーブ油を設ける際に、肌に対する刺激、オリーブ油の劣化、及び吸収性物品1を構成する構成部材の劣化等の悪影響を抑制しつつ適切なオリーブ油を選択する観点では、改善の余地があった。出願人が鋭意研究した結果、酸価が6.6mg/g以下であって、過酸化物価が30meq/mg以下のオリーブ油が適切であることがわかった。酸価が6.6mg/g以下であって、過酸化物価が30meq/mg以下のオリーブ油は、エクストラ・ヴァージンオリーブ油、ヴァージンオリーブ油、オーディナリー・ヴァージンオリーブ油を例示できる。酸価が6.6mg/g以下のオリーブ油は、酸化が進んでなく、肌に対して酸化が進んでいないオリーブ油を接触させることができる。酸化された(酸価の高い)オリーブ油は、低級脂肪酸が増加し、皮膚を刺激するおそれがある。しかし、酸価を規定することで、消費者にとって安全なオリーブ油を配合の吸収性物品を提供できる。また、過酸化物価が30meq/mg以下であることで、酸化していないオリーブ油を配合の吸収性物品を消費者に提供できる。オリーブ油の過酸化物価が30meq/mg以下であるため、オリーブ油が自動化酸化し難く、ヒドロペルオキシドが生成され難い。ヒドロペルオキシドが生成されると、金属イオンによって分解され、ペルオキシラジカルを経て、再びヒドロペルオキシドが生成され、過酸化物価が更に高くなる。過酸化物価が高くなると、肌に対する刺激が生じる恐れがある。しかし、オリーブ油の過酸化物価が低い状態を維持し易く、肌に対する刺激を抑制した吸収性物品を提供できる。また、オリーブ油は元々酸化しにくい不飽和脂肪酸なので、配合時から低い過酸化物価のオリーブ油を使用することで、より肌に対する刺激を抑制した吸収性物品を提供できる。劣化していないオリーブを付与できるため、色や香りの劣化を抑制し、着用者が香り等の違和感を得難く、安心して使用し続けることができる。
ここで、オリーブ油の酸価及び過酸化物価は、以下の方法によって測定できる。酸価は、加熱油脂劣化度判定用試験紙 AV-CHECK/ADVANTECを用いて測定できる。詳細には、測定対象であるオリーブ油を5ml測定し、試験紙にオリーブ油を付着させる。2秒経過した後に試験紙上の測定対象を濾紙で拭き取る。30秒経過後に試験紙の色を確認し、目視にて色見本と試験紙の色を比較して、酸価を測定する。また、過酸化物価は、POV試験紙(過酸化物価試験紙)/SIBATA(柴田化学)を用いて測定できる。詳細には、測定対象であるオリーブ油を5ml測定し、試験部の前面に付着させる。3分間経過した後、均一に発色するまで水道水で洗い流す。次いで、水を払い、平坦な場所に20秒置いた後に試験紙の色を確認し、目視にて色見本と試験紙の色を比較して、過酸化物価を測定する。なお、オリーブ油を5ml抽出できない場合には、オリーブ油が配置された面に試験紙に付着させることによって、試験紙にて酸価及び過酸化物価を測定してもよい。
本実施の形態の吸収性物品1は、オリーブ油を想起可能である文字、色、及びデザインの少なくともいずれかを含む想起情報80を有してよい。想起情報80は、使用者が視覚又は触覚によって認識でき、使用者が視認した際にオリーブ油を想起できる情報である。想起情報80は、吸収性物品1の外面に向けて配置されている。想起情報80が吸収性物品1の外面に向けられて配置されているため、使用者は、吸収性物品1の外面側から想起情報80を視認したり、吸収性物品1の外面に触れたりすることで、オリーブ油を想起できる。オリーブ油の存在を想起情報によって使用者に知らせることができる。使用者にオリーブ油を配合している実感を与えることができる。なお、吸収性物品の外面は、肌対向面1Tと非肌対向面1Bを含む。想起情報80は、肌対向面1Tと非肌対向面1Bのうち少なくとも一方に向いて配置されてよい。吸収性物品1の肌対向面1Tは、一対のサイドシート21Sの肌対向面と、サイドシート21S間に位置するセンターシート21Cの肌対向面と、を含むトップシート21の肌対向面によって構成されている。なお、使い捨ておむつとしての吸収性物品にあっては、吸収性物品の肌対向面1Tは、吸収体の前後方向の端部(前後方向)の露出を抑えるためのシートであって、吸収体の肌面側を覆って配置されたシートの肌対向面によって構成されてよい。吸収性物品1の非肌対向面1Bは、外装シート27の非肌対向面によって構成されている。吸収性物品1の外面に向けられた状態は、吸収性物品の外面(トップシート21の肌対向面及び外装シート27の非肌対向面)に配置された状態のみならず、吸収性物品1の外面を構成する部材(トップシート等)に対向して配置された状態、及び吸収性物品1を構成する部材とは別の部材を介して、吸収性物品の外面を構成する部材に対向して配置された状態を含む。なお、好適には、想起情報80は、吸収コア31よりも吸収性物品1の外面側に配置されてよい。なお、本発明における「視認可能」とは、昼白色(色温度目安 4600~5400 K(ケルビン))で明るく照明された室内(目安:500~750 lx(ルクス))で約30~50cmの距離で、良好な視力(1.0以上)を両眼に有する被験者が対象物を見たときに視認できる事を意味している。
想起情報80は、オリーブの実の形状、オリーブの葉の形状及びオリーブの文字の少なくともいずれかを示すデザイン想起情報81を有してよい。デザイン想起情報は、オリーブの実の形状、オリーブの葉の形状及びオリーブの文字のみならず、オリーブ油の原料を示すデザインも含んでよい。オリーブ油の原料を示すデザインは、オリーブの木、オリーブの茎、オリーブの花、オリーブ油を収容した容器(例えば、瓶)を例示できる。デザイン想起情報81によってオリーブ油を想起させることができ、オリーブ油の存在を使用者に知らせることができる。想起情報80は、オリーブ領域R31に設けられてよい。
デザイン想起情報81は、吸収性物品1を構成する構成部材に付された印刷、構成部材に形成された圧搾部、吸収コア31の低坪量部の少なくともいずれかによって構成されてよい。また、デザイン想起情報81は、圧搾部自体の陰影等、視覚によって認識できるデザインであってもよいし、圧搾部の凹凸や吸収コアの低坪量部等、触覚によって認識できるデザインであってもよい。また、圧搾部よりも厚さ方向の内側に位置する構成部材の色が圧搾部を介して視認できることによってデザインを示してもよい。
想起情報80は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、22番、23番及び24番のいずれかの色を含む色想起情報82を有してよい。出願人が鋭意研究した結果、オリーブ油の原料となるオリーブの実の色は、22番、23番及び24番に近似することがわかった。色想起情報82がオリーブの実の色に近似していることにより、色想起情報82によってオリーブ油を想起させることができ、オリーブ油の存在を使用者に知らせることができる。加えて、使用者は、色想起情報82を視認した際に、新鮮なオリーブを想起できる。使用者は、清潔感を得たり、未使用品であることによる衛生的な心証を持ったりし易い。なお、色想起情報の色番号の評価は、昼白色(色温度目安 4600~5400 K(ケルビン))で明るく照明された室内(目安:500~750 lx(ルクス))で約30~50cmの距離で、良好な視力(1.0以上)を両眼に有する被験者が吸収性物品の外側から視認して評価する。
色想起情報82は、吸収性物品1を構成する構成部材に付された印刷、構成部材自体に着色された色、構成部材の原料の色の少なくともいずれかによって構成されてよい。また、色想起情報82は、デザイン想起情報81と組み合わされていてもよいし、色のみからなる情報であってもよい。色想起情報82は着色部85によって構成されてよい。本実施の形態の色想起情報82は、吸収性物品1の肌対向面1Tに向けられて配置された第1色想起情報821と、吸収性物品1の非肌対向面1Bに向けられて配置された第2色想起情報822と、を有する。第1色想起情報821は、着色部85と同様に、セカンドシート23に着色された色のみによって構成されており、セカンドシート23の全体に設けられている。第2色想起情報822は、バックシート26に付された印刷であり、デザイン想起情報81と組み合わされている。
インジケータ70の変色前の色は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で、22番、23番及び24番のいずれかの色を含んでよい。インジケータ70がオリーブの実の色に近似しているため、使用者は、インジケータ70を視認した際に、新鮮なオリーブを想起できる。また、色想起情報82は、吸収性物品1の非肌対向面1Bに向けて配置されてよい。色想起情報82も、オリーブ油を想起可能である色を有する。そのため、インジケータ70と色想起情報82の両方によってオリーブ油を想起させることができる。加えて、色想起情報82及びインジケータ70のいずれも吸収性物品1の非肌面側T2から視認可能であって、かつオリーブ油を想起させるため、インジケータ70と色想起情報82が一体化して、吸収性物品1全体の統一感を図ることができる。本実施の形態の第2色想起情報822は、インジケータ70の幅方向Wの両側に位置している。また、吸収性物品1の非肌対向面1Bに向けて配置されていた色想起情報82の色と、インジケータ70の色と、は、オストワルト色相環によって分類された24色の色票で同じ色相番号を有してもよい。少なくとも一部の色が同じ色相番号であることにより、インジケータ70と色想起情報82がより一体化して、吸収性物品1全体の統一感を図ったり、オリーブを想起させたりすることができる。
オリーブ油は、トップシート21に配置されてよい。トップシート21にオリーブ油を配置することで、着用者の肌にオリーブ油が接触し、肌の水分を保護したり、肌を滑らかに維持したりできる。また、想起情報80は、吸収性物品1の肌対向面1Tに向けて配置されてよい。使用者が想起情報80によってオリーブ油の存在を認識した上でトップシート21を触ったり、使用者がトップシート21を触った際に想起情報80によってオリーブ油の存在を認識したりすることで、使用者がオリーブ油の効能をより感じ易くなる。
また、変形例において、吸収性物品は、オリーブ油を想起可能である香り成分を有してよい。変形例に係る吸収性物品によれば、オリーブ油の存在を香り成分によって使用者に知らせることができる。使用者に安心感とオリーブオイルを配合している実感を与える。なお、変形例に係る吸収性物品は、上述の想起情報80を有していてもよい。想起情報80と香り成分を有することにより、使用者に対して嗅覚と視覚、又は嗅覚と触覚によってオリーブ油の存在を使用者に知らせることができる。香り成分は、少なくとも1-Hexanolとcis-3-Hexen-1-olのいずれかを含んでよい。1-Hexanolとしては、(CAS RN:111-27-3 製品コード:H0130)/東京化成を例示でき、cis-3-Hexen-1-ol(CAS RN:928-96-1 製品コード:H0124)/東京化成を例示できる。
次いで、収性物品の包装体について説明する。包装体は、吸収性物品と、吸収性物品を包装する包装シートと、を有する。包装シートには、包装想起情報が配置されている。包装想起情報は、想起情報と同様に、色想起情報及びデザイン想起情報を含んでよい。好ましくは、包装想起情報は、吸収性物品に配置された想起情報と関連のある情報であってよい。包装想起情報を付すことにより、吸収性物品の使用前にオリーブ油の存在を使用者に知らせることができる。使用者にオリーブ油を配合している実感を与えることができる。包装想起情報は、包装シートの外面に配置されてよい。当該構成によれば、使用者が吸収性物品1を購入する際等、包装シートを開封する前の状態において、使用者がオリーブ油の存在を気づき易い。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。