JP7112677B2 - コバルトの選択浸出方法 - Google Patents
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Description
特に、銅とコバルトを含んだ鉱石やスクラップを製錬処理して得た中間物からのコバルトの浸出に適用できる。
上記方法で回収したコバルト製錬中間物は、さらに水酸化物や合金形態などの形態に応じて様々な方法で処理される。
これらの処理に際しては、いずれの処理であっても原料に由来する銅や鉄を含んでいる。
しかしこのような方法では、硫酸を用いてコバルト製錬中間物を浸出する際に、銅や鉄などの不純物元素も同時に浸出してしまうため、後工程において不純物を除去するために薬剤を消費し、工程が長くなるなどの課題がある。
また、ニッケルと銅を含有する中間原料を処理する場合も、コバルトと化学的性質の似たニッケルを銅と効率よく分離することは容易でなく、同様な課題があった。
(記)
(1)前記製錬中間物に、スラリー化溶液を加えてスラリーを得るレパルプ工程。
(2)前記(1)のレパルプ工程で得られたスラリーに、硫黄と硫酸溶液を添加して作成した原料スラリーを圧力容器内に装入し、次いで酸素を含んだ気体によって加圧しながら加圧容器内を加熱して前記製錬中間物を浸出して浸出後スラリーを得る浸出工程。
(3)前記(2)の浸出工程で得られた浸出後スラリーを、固液分離して液相となるコバルトを含む浸出液と、固相となる銅を含む浸出残渣とに分離する固液分離工程。
本発明における製錬中間物からのコバルトの選択浸出方法の特徴は、下記(1)から(3)に示す工程を順に経ることで銅を分離し、コバルトの浸出が成されるものである。
(2)前記(1)のレパルプ工程で得られたスラリーに、硫黄と硫酸溶液を添加して作成した原料スラリーを圧力容器内に装入し、次いで酸素を含んだ気体によって加圧しながら加圧容器内を加熱して前記製錬中間物を浸出して浸出後スラリーを得る浸出工程。
(3)前記(2)の浸出工程で得られた浸出後スラリーを、固液分離して液相となるコバルトを含む浸出液と、固相となる銅を含む浸出残渣とに分離する固液分離工程。
この粉砕工程では、原料となるコバルトと銅や鉄、特に銅を含む製錬中間物や、コバルトとニッケルと、銅や鉄、特に銅を含む製錬中間物を粉砕し微細化する。その粉砕は、一般的なボールミルや振動ミルなどを用いて粉砕することができる。
このとき、粉砕後の平均粒径が、1~300μmの大きさにすることが望ましい。1μm未満にまで粉砕するには、莫大なエネルギーと多くの設備が必要となり、工業的には不向きで、望ましくないが、粉砕による欠片として形成される微細物は篩などによる分離が難しいこともあって粉砕後の原料に含まれていても良い。また、300μmを超える粗大な径では浸出反応が悪化し、目的の浸出速度が得られないなど好ましくない。
次に、粉砕後の原料に、水もしくは水と製錬中間物を形成する製錬プロセスの工程内で発生した繰返し利用可能な溶液の混合液をスラリー化溶液として加えてスラリー化する。この際に、原料中の銅モル量に対して0.5~2.0倍モル量となる硫黄を添加する。0.5倍モル量未満であると銅の溶出量が増加し、一方2.0倍モル量を超えて添加しても効果がない。
0.1倍モル量未満であるとコバルトやニッケルの溶出量が低下して浸出が不調となるが、2.0倍モル量を超えて添加しても浸出に対する更なる効果が見られず無駄である。
次に、上記原料スラリーを浸出工程に供し、浸出後スラリーを得る。
この浸出工程では、圧力容器に原料スラリーを充填し、加圧条件下で混合、撹拌しながら加温し、ニッケルやコバルトを溶出させる。このとき加圧するために圧力容器内に注入する気体としては酸素を含む気体であればよく、純酸素や空気を使用することができる。
また、温度は60~130℃の範囲とする。60℃未満では反応が進まず、130℃を超えると反応速度が上昇し、不純物を余分に溶出させてしまう。
保持時間は特に制限されないが、1~5時間が望ましい。
なお、本発明では、反応容器内の酸素を上記の圧力範囲に維持することで酸素がスラリーに効率よく供給されることが重要であり、温度は必ずしも大気圧下での限界である100℃を超えるまで上昇させる必要はない。
前工程の浸出工程で得られた浸出後のスラリーは、フィルタープレスや遠心分離機など工業的に広く用いられる機器などを使用して固形と溶液を分離し、コバルトを含む浸出液と、銅を含む浸出残渣に分離できる。なお、製錬中間物に含まれていたニッケルはコバルトと共に浸出液に移り、鉄は銅と同様に浸出残渣に濃縮される。
また、浸出残渣は、銅製錬の原料として公知の方法を用いて処理させることにより銅製品を得ることができる。
次に、回収した粉砕後の製錬中間物100gに濃度64重量%の硫酸溶液28ml(コバルトと鉄を合計したモル量に対し0.4倍モル量)と粉砕した硫黄15g(銅モル量に対し0.5倍モル量)を加え、イオン交換水を全体が1000mlとなるように加えて撹拌して原料スラリーとした。
このときの酸素供給量は合計89Lであった。
浸出液と浸出残渣中の銅、鉄、コバルトの濃度をそれぞれ分析し、供給したコバルト製錬中間物が浸出液に溶出した割合(浸出率)を算出した。浸出率はコバルトが98%となり、一方銅は14%、鉄は<1%に抑制され、銅を分離し、コバルトを選択的に浸出できていた。
実施例1と同じ製錬中間物30gに、硫黄を添加せずに64%硫酸74ml(コバルトと鉄を合計したモル量に対し2.2倍モル量)、を加え、イオン交換水を全体が300mlとなるように加えて比較例1に係る原料スラリーを作製した。
得られた浸出後スラリーを、実施例1と同様の方法で算出した浸出率は、コバルトが99%以上であったものの銅も99%以上、鉄も94%浸出され、コバルトを選択的に浸出することはできなかった。
Claims (6)
- コバルトと銅を含む製錬中間物、或いはコバルトとニッケルと銅を含む製錬中間物から前記コバルトを浸出するコバルトの選択浸出方法において、
下記(1)から(3)に示す処理工程を順に付すことで、前記製錬中間物に含まれる前記コバルト、または前記ニッケルとコバルトから銅を分離することを特徴とするコバルトの選択浸出方法。
(記)
(1)前記製錬中間物に、スラリー化溶液を加えてスラリーを得るレパルプ工程。
(2)前記(1)のレパルプ工程で得られたスラリーに、硫黄と硫酸溶液を添加して作成した原料スラリーを圧力容器内に装入し、次いで酸素を含んだ気体によって加圧しながら加圧容器内を加熱して前記製錬中間物を浸出して浸出後スラリーを得る浸出工程。
(3)前記(2)の浸出工程で得られた浸出後スラリーを、固液分離して液相となるコバルトを含む浸出液と、固相となる銅を含む浸出残渣とに分離する固液分離工程。 - 前記製錬中間物の平均粒径が、1~300μmの範囲の大きさであることを特徴とする請求項1に記載のコバルトの選択浸出方法。
- 前記浸出工程での浸出温度が、60~130℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のコバルトの選択浸出方法。
- 前記浸出工程における前記気体による加圧の圧力が、0.01~1.0MPaの範囲であることを特徴とする請求項1に記載のコバルトの選択浸出方法。
- 前記製錬中間物が、コバルトやニッケルを含有する硫化鉱石を還元熔融処理して回収したコバルトとニッケルの混合メタル、コバルトとニッケルの混合硫化物、コバルトの金属粉末、の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のコバルトの選択浸出方法。
- 前記スラリー化溶液が、水または水と前記製錬中間物を形成する際に発生した溶液との混合溶液であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のコバルトの選択浸出方法。
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