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JP7111784B2 - 雌端子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、雌端子の製造方法に関する。
筒状の圧着部を一端に有すると共に、板状の接続部を他端に有する圧着端子の製造方法として、特許文献１に開示されたものがある。この特許文献１に開示された圧着端子の製造方法では、中実の円柱部材の一端から切削加工により有底で円筒状の電線挿入穴を形成し、他端側の部分を板状にプレス圧延加工してバッテリ端子の接続部を形成することで、圧着端子を製造していた。
特許第６３２６３２０号公報
しかしながら、前記従来の圧着端子の製造方法では、電線挿入穴を形成する切削加工が必要となるため、製造コストが増大してしまうという問題があった。また、有底で円筒状の部分を電線挿入穴としているため、この部分をめっき処理する場合に、めっき液が淀み、均一にめっき層を形成することができないという問題もあった。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、製造コストを削減して低コスト化を図ることができ、かつ、全周に亘ってめっき層を均一に形成することができる雌端子の製造方法を提供することにある。
本発明の態様に係る雌端子の製造方法は、電線接続部を一端側に有すると共に、端子接触部を他端側に有する雌端子の製造方法であって、管状部材の一端側を軸方向に交差する方向から見てＬ字状に切断して前記電線接続部を形成すると共に、管状に残った部分を雄端子が挿入される前記端子接触部として形成し、前記電線接続部に電線の端部から露出した芯線を電気的に接続する雌端子の製造方法である。
前記Ｌ字状に切断して残った四半管状の部分及び前記管状に残った部分の全周にめっき処理を施してめっき層を形成することが好ましい。
前記Ｌ字状に切断して残った四半管状の部分である円弧状の前記電線接続部に前記電線の芯線を超音波接合により電気的に接続することが好ましい。
前記Ｌ字状に切断して残った四半管状の部分を圧潰してなる前記電線接続部及び前記管状に残った部分の全周にめっき処理を施してめっき層を形成することが好ましい。
前記Ｌ字状に切断して残った四半管状の部分を圧潰して前記電線接続部を形成し、前記圧潰してなる前記電線接続部に前記電線の芯線を超音波接合により電気的に接続することが好ましい。
本発明によれば、製造コストを削減して低コスト化を図ることができ、かつ、全周に亘ってめっき層を均一に形成することができる雌端子の製造方法を提供することができる。
本発明の第１実施形態に係る雌端子の製造方法に用いられる円管部材の一例を示す斜視図である。 上記円管部材の一端側をＬ字状に切断して四半円管状の部分を形成した状態の側面図である。 上記四半円管状の部分を有する円管部材の斜視図である。 上記円管部材の四半円管状の部分が電線接続部となる雌端子に電線の芯線を接合する前の状態を示す側面図である。 上記雌端子の電線接続部に電線の芯線を接合した状態を示す側面図である。 本発明の第２実施形態に係る雌端子の製造方法に用いられる円管部材の一端側をＬ字状に切断して四半円管状の部分を形成した状態の側面図である。 上記第２実施形態の円管部材の四半円管状の部分を圧潰した状態を示す斜視図である。 上記第２実施形態の四半円管状の部分を圧潰した部分が電線接続部となる雌端子に電線の芯線を接合する前の状態を示す側面図である。 上記第２実施形態の雌端子の電線接続部に電線の芯線を接合した状態を示す側面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る雌端子の製造方法について詳細に説明する。
図１は本発明の第１実施形態に係る雌端子の製造方法に用いられる円管部材の一例を示す斜視図である。図２は円管部材の一端側をＬ字状に切断して四半円管状の部分を形成した状態の側面図である。図３は四半円管状の部分を有する円管部材の斜視図である。図４は円管部材の四半円管状の部分が電線接続部となる雌端子に電線の芯線を接合する前の状態を示す側面図である。図５は雌端子の電線接続部に電線の芯線を接合した状態を示す側面図である。
図５に示すように、雌端子１０は、電線２０の端部２０ａから露出した芯線２２が電気的に接続される電線接続部１５を一端１１ａ側に有すると共に、他方の電線３０の端部３０ａに圧着された雄端子３３が挿入される端子接触部１６を他端１１ｂ側に有している。この雌端子１０は、電線付き雌端子であり、図３及び図４に示すように、円管部材（管状部材）１１の一端１１ａ側に四半円管状（四半管状）の部分１３を形成し、この四半円管状の部分１３を圧潰することなくそのままの形状で電線接続部１５が形成されている。また、円管部材１１の他端１１ｂ側のそのまま円管状（管状）に残った部分１４が雄端子３３の円柱状のタブ部３３ｂが挿入されて接触する端子接触部１６になっている。
図４、図５に示すように、電線２０は、絶縁被覆２１と、この絶縁被覆２１で覆われた複数の素線２２ａを撚り合わせてなる芯線（導体部）２２と、を有している。この電線２０の端部２０ａ側の絶縁被覆２１を剥離して露出した芯線２２が雌端子１０の電線接続部１５に超音波接合により電気的に接続されるようになっている。なお、芯線２２を構成する具体的な材料としては、銅又は銅を主成分とする銅合金、或いは、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金等が挙げられる。
図５に示すように、電線３０は、絶縁被覆３１と、この絶縁被覆３１で覆われた複数の素線を撚り合わせてなる芯線（導体部）３２と、を有している。この電線３０の端部３０ａ側の絶縁被覆３１を剥離して露出した芯線３２には、雄端子３３の圧着部３３ａが圧着接続されている。そして、雄端子３３の円柱状のタブ部３３ｂが雌端子１０の円管状の端子接触部１６内に挿入されて電気的に接続されるようになっている。なお、芯線３２及び雄端子３３を構成する具体的な材料としては、銅又は銅を主成分とする銅合金、或いは、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金等が挙げられる。
次に、雌端子１０の製造方法について、図１～図４に沿って順に説明する。
図１に示すように、まず、管状部材としての円管部材１１を準備する。この円管部材１１は、真円の円筒形状を有しており、金属等の導電性に優れた材料から構成されている。この円管部材１１を構成する具体的な材料としては、銅又は銅を主成分とする銅合金、或いは、アルミニウム又はアルミニウムを主成分とするアルミニウム合金等の導電性金属管が用いられる。さらに、円筒形状の円管部材１１は、金属板をプレス成形により円筒状に形成したものを使用しても良い。
なお、管状部材として、円筒形状の円管部材１１を用いたが、この円筒形状に特に限定されず、楕円筒形状であっても良いし、四角筒形状等であっても良い。
次に、図２に示すように、円管部材１１の一端１１ａ側を軸方向に交差する方向から見てＬ字状に切断して、電線接続部１５となる四半円管状の部分１３を形成する。この切断により他端１１ｂ側において円管状に残った部分１４が雄端子３３の円柱状のタブ部３３ｂが挿入される端子接触部１６となる。なお、図２中Ｌ字状に切り取られた切り欠き部を符号１２で示す。
次に、図２に示すように、Ｌ字状に切断して残った四半円管状の部分１３（電線接続部１５）と円管状に残った部分１４（端子接触部１６）の全周にめっき処理を施して錫めっき層等のめっき層１７を形成する。
図３に示すように、Ｌ字状に切断して残った四半円管状の部分１３は、そのままの形状で電線接続部１５となる。そして、図４に示すように、四半円管状の電線接続部１５、すなわち、円弧状の電線接続部１５に電線２０の端部２０ａから露出した芯線２２を超音波接合により電気的に接続することにより、図５に示す電線付き雌端子１０が完成する。
以上第１実施形態の雌端子１０の製造方法によれば、円管部材１１の一端１１ａ側を切断して残った四半円管状の部分１３をそのまま電線接続部１５とし、他端１１ｂ側のそのまま円管状に残った部分１４を端子接触部１６としたことで、切削加工が不要となる。
また、無底の円管状に残った部分１４を端子接触部１６としているため、この部分をめっき処理する場合にめっき液を滞りなく流すことができる。つまり、円管部材１１をそのまま潰さずにＬ字状に切り取ることで、めっき液が円管部材１１の外・内側及び手前・奥に循環し易くなり、めっき液内の添加物を均一に付けることができる。
さらに、図３に示すように、円管部材１１のＬ字状に切断して残った四半円管状の部分１３は、円弧状になっている。すなわち、Ｌ字状に切断したままの円弧状の部分が電線接続部１５となっている。よって、図４に示すように、この四半円管状の部分１３からなる円弧状の電線接続部１５上に電線２０の芯線２２を超音波接合することで、円管部材１１と電線２０の位置ずれを簡単かつ確実に防止して電気的に接続することができる。
このように、切削加工が不要なるため、雌端子１０の製造コストを削減して低コスト化を図ることができる。また、円管部材１１の一端１１ａ側を軸方向に交差する方向から見てＬ字状に切断した後で、めっき処理するようにしたことで、円管部材１１の全周に亘ってめっき層１７を均一に形成することができる。
図６は本発明の第２実施形態に係る雌端子の製造方法に用いられる円管部材の一端側をＬ字状に切断して四半円管状の部分を形成した状態の側面図である。図７は円管部材の四半円管状の部分を圧潰した状態を示す斜視図である。図８は四半円管状の部分を圧潰した部分が電線接続部となる雌端子に電線の芯線を接合する前の状態を示す側面図である。図９は雌端子の電線接続部に電線の芯線を接合した状態を示す側面図である。
この第２実施形態の雌端子１０は、円管部材１１の一端１１ａ側に四半円管状の部分１３を形成し、この四半円管状の部分１３を圧潰することで、電線接続部１５を形成した点が、前記第１実施形態のものとは異なる。尚、他の構成は、前記第１実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
この第２実施形態の雌端子１０では、円管部材１１の一端１１ａ側をＬ字状に切断する際に、切り欠き部１２の両側に底部側まで延びるスリット１２ａを一対形成する。そして、円管部材１１の四半円管状の部分１３を上方から下方へ向けて圧潰して平坦状の電線接続部１５を形成する。例えば、この圧潰方向は、円管部材１１の軸方向視において、部分１３として視認される四半円を二等分する法線方向となる。
次に、図８に示すように、圧潰後、平坦状の電線接続部１５及び円管状に残った部分１４である端子接触部１６の全周にめっき処理を施して錫めっき層等のめっき層１７を形成する。そして、平坦状の電線接続部１５上に電線２０の芯線２２を超音波接合により電気的に接続する。これにより、前記第１実施形態と同様の作用・効果を奏し、図９に示す電線付き雌端子１０が完成する。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、前記各実施形態によれば、円管部材の一端側をＬ字状に切断して残す部分を四半円管状（四半管状）にしたが、円管部材を一端側をＬ字状に切断して残す部分は四半円管状に限らず、半円管状（半管状）でも良い。
また、前記各実施形態によれば、管状部材として、円筒形状の円管部材を使用して円筒状の雌端子を形成したが、四角筒形状の角管部材を使用して四角筒状の雌端子を形成しても良い。この場合、コネクタのレイアウト（仕様）に合わせて、円筒状の雌端子と四角筒状の雌端子を使い分けて使用することができる。
さらに、前記各実施形態によれば、円管部材の全周にめっき処理を施したが、電線の芯線を接続する電線接続部を除く円管部材の全周にめっき処理を施すようにしても良い。
１０ 雌端子
１１ 円管部材（管状部材）
１１ａ 一端
１１ｂ 他端
１２ 切り欠き部（Ｌ字状の切断部分）
１３ 四半円管状の部分（四半管状の部分）
１４ 円管状に残った部分（管状に残った部分）
１５ 電線接続部
１６ 端子接触部
１７ めっき層
２０ 電線
２０ａ 端部
２２ 芯線
３３ 雄端子

Claims (5)

  1. 電線接続部を一端側に有すると共に、端子接触部を他端側に有する雌端子の製造方法であって、
    管状部材の一端側を軸方向に交差する方向から見てＬ字状に切断して前記電線接続部を形成すると共に、管状に残った部分を雄端子が挿入される前記端子接触部として形成し、
    前記電線接続部に電線の端部から露出した芯線を電気的に接続する雌端子の製造方法。
  2. 前記Ｌ字状に切断して残った四半管状の部分及び前記管状に残った部分の全周にめっき処理を施してめっき層を形成する、請求項１に記載の雌端子の製造方法。
  3. 前記Ｌ字状に切断して残った四半管状の部分である円弧状の前記電線接続部に前記電線の芯線を超音波接合により電気的に接続する、請求項１又は２に記載の雌端子の製造方法。
  4. 前記Ｌ字状に切断して残った四半管状の部分を圧潰してなる前記電線接続部及び前記管状に残った部分の全周にめっき処理を施してめっき層を形成する、請求項１に記載の雌端子の製造方法。
  5. 前記Ｌ字状に切断して残った四半管状の部分を圧潰して前記電線接続部を形成し、前記圧潰してなる前記電線接続部に前記電線の芯線を超音波接合により電気的に接続する、請求項１又は４に記載の雌端子の製造方法。
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