JP7106434B2 - ポリカーボネート系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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Description
さらに樹脂成形体に加飾性をもたせるため、光沢粒子等を添加して商品イメージを大きく向上させる試みもなされている。光沢粒子等の添加により、メタリック調外観や、夜空に星を散りばめたようなキラめく銀河調外観等の高い意匠外観を得ることができる。特許文献1はポリアセタール樹脂組成物に光沢粒子として金属顔料を添加したポリアセタール樹脂組成物を、特許文献2はポリカーボネート樹脂に光沢粒子を加えたポリカーボネート樹脂組成物を開示している。
上記ポリカーボネート系樹脂(S)100質量部に対し、0.01質量部以上0.05質量部以下の金属アルミニウム粒子(B)及び0.1質量部以上0.5質量部以下の紫外線吸収剤(C)を含み、
前記ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)は、前記ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を5質量%以上7質量%以下含み、かつ16,000以上18,000以下の粘度平均分子量を有し、
前記ポリカーボネート系樹脂(S)は、前記ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を55質量%以上70質量%以下含み、前記ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を3質量%以上4質量%以下含み、かつ15,000以上17,000以下の粘度平均分子量を有する、ポリカーボネート系樹脂組成物。
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数2~8のアルキリデン基、炭素数5~15のシクロアルキレン基、炭素数5~15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7~15のアリールアルキレン基、炭素数7~15のアリールアルキリデン基、-S-、-SO-、-SO2-、-O-又は-CO-を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。a及びbは、それぞれ独立に0~4の整数を示す。]
[式中、R30及びR31は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。X’は単結合、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数2~8のアルキリデン基、炭素数5~15のシクロアルキレン基、炭素数5~15のシクロアルキリデン基、-S-、-SO-、-SO2-、-O-又は-CO-を示す。d及びeは、それぞれ独立に0~4の整数を示す。]
[2]上記[1]に記載のポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形体。
[3]自動車内装部品である、上記[2]に記載の成形体。
まず、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物に含まれるポリカーボネート系樹脂(S)の詳細について以下説明する。
上記ポリカーボネート系樹脂(S)に含まれるポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(以下、「PC-POS共重合体」と略記することがある)(A)は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック(A-1)、及び下記一般式(II)で表され、かつ平均繰り返し数が85以上95以下である繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を含む。
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数2~8のアルキリデン基、炭素数5~15のシクロアルキレン基、炭素数5~15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7~15のアリールアルキレン基、炭素数7~15のアリールアルキリデン基、-S-、-SO-、-SO2-、-O-又は-CO-を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。a及びbは、それぞれ独立に0~4の整数を示す。]
R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示す。以下、明細書中同様である。)、各種ペンチル基、及び各種ヘキシル基が挙げられる。R1及びR2がそれぞれ独立して示すアルコキシ基としては、アルキル基部位として前記アルキル基を有するものが挙げられる。
中でも、aおよびbが0であり、Xが単結合または炭素数1~8のアルキレン基であるもの、またはaおよびbが0であり、Xが炭素数3のアルキレン基、特にイソプロピリデン基であるものが好適である。
R3及びR4としては、いずれも水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数6~12のアリール基であることが好ましく、いずれもメチル基であることがより好ましい。
[式中、R3~R6は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数6~12のアリール基を示し、複数のR3~R6は、互いに同一であっても異なっていてもよい。Yは-R7O-、-R7COO-、-R7NH-、-R7NR8-、-COO-、-S-、-R7COO-R9-O-、または-R7O-R10-O-を示し、複数のYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。前記R7は、単結合、直鎖、分岐鎖若しくは環状アルキレン基、アリール置換アルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、またはジアリーレン基を示す。R8は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、またはアラルキル基を示す。R9は、ジアリーレン基を示す。R10は、直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基、またはジアリーレン基を示す。βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基、またはジカルボン酸若しくはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示す。nはポリオルガノシロキサンの平均鎖長を示す。n-1、及びpとqはそれぞれポリオルガノシロキサン単位の平均繰り返し数を示し、1以上の整数であり、pとqの和はn-2である。]
R3~R6としては、いずれも、好ましくは、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基または炭素数6~12のアリール基である。
一般式(II-I)、(II-II)及び/または(II-III)中のR3~R6がいずれもメチル基であることが好ましい。
(式中cは正の整数を示し、通常1~6の整数である)
R7、Ar1及びAr2が表すアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基などの環形成炭素数6~14のアリーレン基が挙げられる。これらアリーレン基は、アルコキシ基、アルキル基等の任意の置換基を有していてもよい。
R10が示す直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキレン基は、R7と同様である。
式(II-II)中のp及びqについては、p=qであることが好ましい。
また、βは、ジイソシアネート化合物由来の2価の基またはジカルボン酸またはジカルボン酸のハロゲン化物由来の2価の基を示し、例えば、以下の一般式(iii)~(vii)で表される2価の基が挙げられる。
PC-POS共重合体(A)中のポリオルガノシロキサンブロック(A-2)の含有率は、より高い耐衝撃性を得る観点から、好ましくは5.5質量%以上であり、より高い透明性を得る観点から、好ましくは7質量%未満、より好ましくは6.5質量%以下である。該含有率は核磁気共鳴(NMR)測定により算出される。
粘度平均分子量(Mv)は、20℃における塩化メチレン溶液の極限粘度〔η〕を測定し、下記Schnellの式から算出した値である。
Zは、水素原子またはハロゲン原子を示し、複数のZは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
これらの中でも、重合の容易さの観点においては、上記一般式(1-1)で表されるフェノール変性ポリオルガノシロキサンが好ましい。入手の容易さの観点においては、上記一般式(1-2)で表される化合物中の一種であるα,ω-ビス[3-(o-ヒドロキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサン、上記一般式(1-3)で表される化合物中の一種であるα,ω-ビス[3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)プロピル]ポリジメチルシロキサンが好ましい。
上記(4)をポリオルガノシロキサン原料として用いた場合には、ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)は下記一般式(II-IV)で表わされる単位を有することが好ましい。
[式中、R18~R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~13のアルキル基である。R22は炭素数1~6のアルキル基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルコキシ基、又は炭素数6~14のアリール基である。Q2は炭素数1~10の2価の脂肪族基である。n-1はポリオルガノシロキサンブロックの繰り返し数を示し、その範囲は上記した通りである。]
上記の中でも、R22は水素原子、又は炭素数1~6のアルコキシ基が好ましく、水素原子又は炭素数1~3のアルコキシ基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
[式中、R18~R22、Q2、及びn-1は上記した通りである。]
これらの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系の二価フェノールが好ましく、ビスフェノールAがより好ましい。二価フェノールとしてビスフェノールAを用いた場合、上記一般式(i)において、Xがイソプロピリデン基であり、且つa=b=0のPC-POS共重合体(A)となる。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物に含まれるポリカーボネート系樹脂(S)は、上記PC-POS共重合体(A)と、下記一般式(III)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂(A’)とからなる。
[式中、R30及びR31は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。X’は単結合、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数2~8のアルキリデン基、炭素数5~15のシクロアルキレン基、炭素数5~15のシクロアルキリデン基、-S-、-SO-、-SO2-、-O-又は-CO-を示す。d及びeは、それぞれ独立に0~4の整数を示す。]
上記の反応に際し、必要に応じて、分子量調節剤(末端停止剤)、分岐化剤等が使用される。二価フェノール系化合物としては、下記一般式(III’)で表されるものが挙げられる。
[式中、R30、R31、X’、d及びeは前記定義の通りであり、好ましいものも同じである。]
上記ポリカーボネート系樹脂(A’)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ポリカーボネート系樹脂(A’)は、PC-POS共重合体(A)と異なり、式(II)で表されるようなポリオルガノシロキサンブロックを有さず、例えばポリカーボネート系樹脂(A’)はホモポリカーボネート樹脂であってもよい。
ポリカーボネート系樹脂(S)中のポリオルガノシロキサンブロック(A-2)の含有率は、より高い耐衝撃性を得る観点から、好ましくは3.3質量%以上、より好ましくは3.5質量%以上であり、より優れた透明性を得る観点から、好ましくは3.9質量%以下である。該含有率は核磁気共鳴(NMR)測定により算出される。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、上記ポリカーボネート系樹脂(S)100質量部に対し、金属アルミニウム粒子(B)を0.01質量部以上0.05質量部以下含む。
金属アルミニウム粒子(B)の含有量が上記ポリカーボネート系樹脂(S)100質量部に対して0.01質量部未満であると、表面へのメタリック調外観等の意匠性を付与しにくいため好ましくない。金属アルミニウム粒子(B)の含有量が0.05質量部を超えると、耐衝撃性が低下するため好ましくない。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、上記ポリカーボネート系樹脂(S)100質量部に対し、紫外線吸収剤(C)を0.1質量部以上0.5質量部以下含む。組成物中の紫外線吸収剤(C)の含有量が0.1質量部未満では耐候性が不十分となるため好ましくない。紫外線吸収剤(C)の含有量が0.5質量部を超えると金型の汚れに繋がるので好ましくない。紫外線吸収剤(C)の量は、ポリカーボネート系樹脂(S)100質量部に対し、好ましくは0.2質量部以上であり好ましくは0.4質量部以下である。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物は、PC-POS共重合体(A)と、ポリカーボネート樹脂(A’)とからなるポリカーボネート系樹脂(S)、金属アルミニウム粒子(B)、及び紫外線吸収剤(C)の他に、以下に記載するその他の成分を本発明の効果を損なわない限り含むことを許容する。その他の添加剤としては、酸化防止剤、離型剤、補強材、充填剤、耐衝撃性改良用のエラストマー、着色剤、帯電防止剤、ポリカーボネート系樹脂以外の樹脂等を挙げることができる。いくつかの添加剤について以下より具体的に記載する。
着色剤としては隠蔽性を持たないものが好ましく、染料及び顔料を用いることができる。染料としては、例えばメチン系染料、ピラゾロン系染料、ペリノン系染料、アゾ系染料、キノフタロン系染料、アンスラキノン系染料などが挙げられる。顔料としては、無機顔料、有機顔料、互いに補色関係を有する有機顔料の混合物、三原色の有機顔料の混合物、互いに補色関係を有する有機顔料の混合物等を挙げることができる。無機顔料としては、黒色顔料として例えばカーボンブラック(グレードMT,FT,SRF,GPF,FET,HAF,ISAF,SAF,MPC等)、クロム(Cr),ニッケル(Ni),銅(Cu),プラセオジウム(Pr),白金,ルテイニウム,チタン等の金属又はその酸化物等を挙げることができる。白色顔料として、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、リトポン、硫化亜鉛、鉛白等を挙げることができる。
フィラーとしては無機フィラーを挙げることができ、例えば、タルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、ベントナイト、ガラス繊維、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、及び炭酸カルシウム等を好ましくは用いることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を好ましく用いることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えばトリエチレングリコール-ビス[3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマイド)、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート-ジエチルエステル、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。酸化防止剤の添加量は、ポリカーボネート系樹脂(S)100質量部に対して、好ましくは0.05~1.0質量部程度である。酸化防止剤が上記範囲内であれば、より高い難燃性を得ることが出来る。この観点から、酸化防止剤の添加量は、より好ましくは0.08質量部以上であり、より好ましくは0.5質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以下、特に好ましくは0.15質量部以下である。
本発明の一態様において、ポリカーボネート系樹脂(S)、金属アルミニウム粒子(B)及び紫外線吸収剤(C)の合計含有量は、ポリカーボネート系樹脂組成物の全量(100質量%)基準で、好ましくは80~100質量%、より好ましくは95~100質量%、よりさらに好ましくは97~100質量%、特に好ましくは98~100質量%、最も好ましくは99~100質量%である。
上記の溶融混練した本発明のポリカーボネート系樹脂組成物、または溶融混練後に得られるペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等により各種成形体を製造することができる。特に、溶融混練により得られたペレットを用いて、射出成形及び射出圧縮成形による射出成形体の製造に好適に用いることができる。
シボ加工の凹凸高さは特に限定されないが、例えば5μm以上700μm以下とすることができる。上記凹凸模様の凹凸高さが上記範囲にあることにより、凹凸模様の視認性に優れ、意匠性に富んだ細かい模様を形成しやすいため好ましい。凹凸高さはより具体的には、10μm以上350μm以下であることがより好ましい。
本発明の成形体は、ブラックライン等の外観不良が抑制され、かつ耐衝撃性にも優れるため、電気・電子機器用部品の筐体等、自動車及び建材の部品等として、特に自動車内装部品として好適に用いることができる。
NMR測定によって、ポリジメチルシロキサンのメチル基の積分値比により算出した。本明細書においては、ポリジメチルシロキサンをPDMSと略記することがある。
<ポリジメチルシロキサンの鎖長の定量方法>
1H-NMR測定条件
NMR装置:(株)JEOL RESONANCE製 ECA-500
プローブ:50TH5AT/FG2
観測範囲:-5~15ppm
観測中心:5ppm
パルス繰り返し時間:9秒
パルス幅:45°
NMR試料管:5φ
サンプル量:30~40mg
溶媒:重クロロホルム
測定温度:室温
積算回数:256回
アリルフェノール末端ポリジメチルシロキサンの場合
A:δ-0.02~0.5付近に観測されるジメチルシロキサン部のメチル基の積分値
B:δ2.50~2.75付近に観測されるアリルフェノールのメチレン基の積分値
ポリジメチルシロキサンの鎖長=(A/6)/(B/4)
オイゲノール末端ポリジメチルシロキサンの場合
A:δ-0.02~0.5付近に観測されるジメチルシロキサン部のメチル基の積分値
B:δ2.40~2.70付近に観測されるオイゲノールのメチレン基の積分値
ポリジメチルシロキサンの鎖長=(A/6)/(B/4)
アリルフェノール末端ポリジメチルシロキサンを共重合したPTBP末端ポリカーボネート中のポリジメチルシロキサン共重合量の定量方法
NMR装置:(株)JEOL RESONANCE製 ECA-500
プローブ:50TH5AT/FG2
観測範囲:-5~15ppm
観測中心:5ppm
パルス繰り返し時間:9秒
パルス幅:45°
積算回数:256回
NMR試料管:5φ
サンプル量:30~40mg
溶媒:重クロロホルム
測定温度:室温
A:δ1.5~1.9付近に観測されるBPA部のメチル基の積分値
B:δ-0.02~0.3付近に観測されるジメチルシロキサン部のメチル基の積分値
C:δ1.2~1.4付近に観測されるp-tert-ブチルフェニル部のブチル基の積分値
a=A/6
b=B/6
c=C/9
T=a+b+c
f=a/T×100
g=b/T×100
h=c/T×100
TW=f×254+g×74.1+h×149
PDMS(wt%)=g×74.1/TW×100
5.6質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、ビスフェノールA(BPA)(後から溶解する)に対して2000ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加えた。これにBPA濃度が13.5質量%となるようにBPAを溶解し、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
このBPAの水酸化ナトリウム水溶液を40L/hr、塩化メチレンを15L/hr、及びホスゲンを4.0kg/hrの流量で内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。管型反応器を出た反応液を、後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入し、ここにさらにBPAの水酸化ナトリウム水溶液を2.8L/hr、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液を0.07L/hr、水を17L/hr、1質量%のトリエチルアミン水溶液を0.64L/hrの流量で添加して反応を行なった。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマーは濃度341g/L、クロロホーメート基濃度0.71mol/Lであった。
邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた50L槽型反応器に、上記製造例で製造したポリカーボネートオリゴマー溶液15L、塩化メチレン10.1L、ポリジメチルシロキサンの平均鎖長nが88であるo-アリルフェノール末端変性ポリジメチルシロキサン(PDMS)407g及びトリエチルアミン8.4mLを仕込み、攪拌下でここに水酸化ナトリウム85gを純水980mLに溶かした水酸化ナトリウム水溶液1065gを加え、20分間ポリカーボネートオリゴマーとアリルフェノール末端変性PDMSとの反応を行った。
この重合液に、p-tert-ブチルフェノール(PTBP)の塩化メチレン溶液(PTBP70.4gを塩化メチレン1.0Lに溶解したもの)、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム618gと亜二チオン酸ナトリウム2.1gとを純水9.0Lに溶解した水溶液に、ビスフェノールA1093gを溶解させたもの)を添加し、40分間重合反応を行った。
希釈のため塩化メチレン13Lを加え20分間攪拌した後、ポリカーボネート-ポリジメチルシロキサン共重合体(PC-PDMS共重合体)を含む有機相と過剰のビスフェノールA及び水酸化ナトリウムを含む水相に分離し、有機相を単離した。
こうして得られたPC-PDMS共重合体の塩化メチレン溶液を、その溶液に対して順次、15容積%の0.03mol/L水酸化ナトリウム水溶液、0.2mol/L塩酸で洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が5μS/cm以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。
洗浄により得られたPC-PDMS共重合体の塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下120℃で乾燥し、PC-PDMS共重合体(A)を製造した。
得られたPC-PDMS共重合体(A)のNMRにより求めたPDMSブロック部分の含有量は6.0質量%、粘度平均分子量Mvは17,700であった。
芳香族ホモポリカーボネート樹脂(A’)[出光興産(株)製,タフロンFN1500(商品名),粘度平均分子量=14,200]
<金属アルミニウム粒子(B)>
M-70(山陽化工株式会社内使用原料コード、アルミ粒子)
<紫外線吸収剤(C)>
「LA-31RG(商品名)」[2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール],株式会社ADEKA製]
酸化防止剤:「IRGAFOS 168(商品名)」[トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、BASFジャパン株式会社製]
上記PC-PDMS共重合体(A)、ポリカーボネート系樹脂(A’)及び金属アルミニウム粒子(B)、紫外線吸収剤(C)並びにその他の各成分を表1に示す配合割合で混合し、ベント式二軸押出機(東芝機械株式会社製、TEM35B)に供給し、スクリュー回転数150rpm、吐出量20kg/hr、樹脂温度295~300℃にて溶融混練し、評価用ペレットサンプルを得た。
上記得られたペレットを100℃で5時間乾燥した後、射出成形機を用いて、シリンダー温度280℃、金型80℃で射出成形し、以下の評価に必要な所望の試験片を得た。この試験片を用いてYハイライト/シェード、シャルピー衝撃強度及び成形品のブラックラインについて評価した。結果を表1にあわせて示す。
成形した厚み3mmの試験片について、3次元分光光度計「DDS3000」(日本電色工業(株)製)を用い、入射角-45度、反射角-40~70度におけるY値を測定した。反射角30度におけるY値と反射角-30度の差をYハイライト/シェードとした。なお、Y値は標準白色版の値を100%として校正を実施した。Yハイライト/シェードが2以上となる場合を「A」、2未満の場合を「B」と判定した。
得られたペレットを前述の条件で射出成形して、シャルピー試験片(4mm厚)を作成した。この試験片に後加工でノッチ(r=0.25mm±0.05mm)を付与した試験片を用いて、ISO179-1:2010に準拠して、23℃及び-30℃におけるシャルピー衝撃強度を測定した。
引張り試験片金型を用いて2点ゲートで成形し、得られた成形体のウエルド部分におけるブラックラインを肉眼で観察し、以下の通り評価した。
A:ブラックラインは視認されない。
B:ブラックラインが明確に視認できる。
Claims (3)
- 下記一般式(I)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートブロック(A-1)、及び下記一般式(II)で表され、かつ平均繰り返し数が85以上95以下である繰り返し単位を含むポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を含むポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)と、下記一般式(III)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂(A’)とからなるポリカーボネート系樹脂(S)、並びに
上記ポリカーボネート系樹脂(S)100質量部に対し、0.01質量部以上0.05質量部以下の金属アルミニウム粒子(B)及び0.1質量部以上0.5質量部以下の紫外線吸収剤(C)を含み、
前記ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)は、前記ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を5質量%以上7質量%以下含み、かつ16,000以上18,000以下の粘度平均分子量を有し、
前記ポリカーボネート系樹脂(S)は、前記ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を55質量%以上70質量%以下含み、前記ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を3質量%以上4質量%以下含み、かつ15,000以上17,000以下の粘度平均分子量を有する、ポリカーボネート系樹脂組成物。
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。Xは、単結合、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数2~8のアルキリデン基、炭素数5~15のシクロアルキレン基、炭素数5~15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7~15のアリールアルキレン基、炭素数7~15のアリールアルキリデン基、-S-、-SO-、-SO2-、-O-又は-CO-を示す。R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。a及びbは、それぞれ独立に0~4の整数を示す。]
[式中、R30及びR31は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数1~6のアルコキシ基を示す。X’は単結合、炭素数1~8のアルキレン基、炭素数2~8のアルキリデン基、炭素数5~15のシクロアルキレン基、炭素数5~15のシクロアルキリデン基、-S-、-SO-、-SO2-、-O-又は-CO-を示す。d及びeは、それぞれ独立に0~4の整数を示す。] - 請求項1に記載のポリカーボネート系樹脂組成物からなる成形体。
- 自動車内装部品である、請求項2に記載の成形体。
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