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JP7104864B1 - 即席油揚げ麺の製造方法 - Google Patents

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JP7104864B1 JP2022009630A JP2022009630A JP7104864B1 JP 7104864 B1 JP7104864 B1 JP 7104864B1 JP 2022009630 A JP2022009630 A JP 2022009630A JP 2022009630 A JP2022009630 A JP 2022009630A JP 7104864 B1 JP7104864 B1 JP 7104864B1
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Abstract

【課題】余分な添加物を添加することなく、湯戻し後の経時的な湯伸びを効果的に防止することができる即席油揚げ麺の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】混合工程、製麺工程、α化工程、水分付与工程、及びフライ乾燥工程をこの順に行う即席油揚げ麺の製造方法であって、前記製麺工程が、得られた麺生地を、減圧下において押し出して小塊等とした後に麺線化する工程であり、前記水分付与工程は、得られた麺線に40~70℃の水を付与する工程であり、前記水分付与工程で麺線に与える水分量が、得られた麺線100g当たり26~33mlであり、前記水分付与工程後の麺線の水分値が48~51質量%であり、前記即席油揚げ麺を湯戻し調理して1分後に、破断試験を特定の条件で行ったときの最大微分値が0.5~0.9N/%であり、かつ、微分最大値低下率が50%未満である、即席油揚げ麺の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、即席油揚げ麺の製造方法に関する。
即席油揚げ(フライ)麺は、通常、生麺線を蒸煮してα化処理した麺を150℃程度の高温の油でフライ処理して乾燥させた麺であり、熱湯を注加するだけ、又は1~数分程度炊いて調理するだけで喫食することができる。
該即席油揚げ麺は、一般に、生麺に比べて麺質が劣っているとされ、例えば、湯戻し後に麺が湯伸びしやすいという欠点がある。
このような油揚げ麺の湯戻し後の湯伸びを改善するため、麺に添加物を加えることが提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
特許文献1には、麺原料にアルギン酸カルシウムを添加することが記載されており、特許文献2には、麺原料に、澱粉と増粘多糖類の混合物を加熱処理してなる多糖類コーティング澱粉を添加することが記載されている。
しかしながら、麺に油揚げ麺で通常使用されていない添加物を用いることで、麺の味又は風味に影響する場合があり、また、原材料費が高くなることから、添加物以外の方法により湯伸びを抑制することが望ましい。
一方で、特許文献3には、2段階油揚げにより油揚げ麺を製造することで、喫食時に経時的に生じる湯伸びを抑制できることが記載されている。具体的には、α化した麺線を、1~30秒間油で揚げる第1油揚げ工程、前記工程後に油揚げから引き上げる工程、及び前記工程後に再度油で揚げる第2油揚げ工程、を含む、油揚げ麺の製造方法が記載されている。
しかしながら、特許文献3の実施例において実際に評価されたのは食感だけであって、湯伸びについては、「経時的な湯伸びが抑制されていた」いう結果のみが記載されており、実際にどの程度の湯伸び抑制効果があるのか不明であった。
特開2004-147576号公報 特開2007-267640号公報 特開2016-093153号公報
本発明の目的は、余分な添加物を添加することなく、湯戻し後の経時的な湯伸びを効果的に防止することができる即席油揚げ麺の製造方法を提供することである。
本発明者らが、湯戻し後の経時的な湯伸びを効果的に防止することができる即席油揚げ麺の製造方法を開発すべく鋭意検討した結果、製麺工程において麺生地を減圧下において押し出しして麺線化し、α化工程とフライ乾燥工程との間に特定の条件で麺線に水を付与することによって、上記目的が達成できることを見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
項1.
混合工程、製麺工程、α化工程、水分付与工程、及びフライ乾燥工程をこの順に行う即席油揚げ麺の製造方法であって、
前記製麺工程が、前記混合工程で得られた麺生地を、減圧下において押し出して小塊又は板状とした後に麺線化する工程であり、
前記水分付与工程は、前記α化工程で得られた麺線に40~70℃の水を付与する工程であり、
前記水分付与工程で麺線に与える水分量が、前記製麺工程で得られた麺線100g当たり26~33mlであり、
前記水分付与工程後の麺線の水分値が48~51質量%であり、
前記即席油揚げ麺を湯戻し調理して1分後に、即席油揚げ麺の破断試験を、くさび型プランジャーを取り付けたレオメータを用いて、20~25℃において0.5mm/秒の測定速度で行ったときの最大微分値が0.5~0.9N/%であり、かつ、当該湯戻し1分後の最大微分値に対する湯戻し3分後の最大微分値の低下率が50%未満である、
即席油揚げ麺の製造方法。
項2.
前記製麺工程により得られた麺線の水分値が33~37質量%である、項1に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
項3.
前記水分付与工程で付与される水の温度が40~60℃である、項1又は2に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
項4.
前記即席油揚げ麺の湯戻し1分後の最大微分値に対する湯戻し3分後の最大微分値の低下率が37.5%未満である、項1~3のいずれか一項に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
項5.
前記即席油揚げ麺の湯戻し1分後の最大微分値が0.64~0.71N/%である、項1~4のいずれか一項に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
項6.
前記即席油揚げ麺の湯戻し1分後の破断歪率が、93~96%である、項1~5のいずれか一項に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
項7.
混合工程、製麺工程、α化工程、水分付与工程、及びフライ乾燥工程をこの順に行って得られた即席油揚げ麺であって、
前記製麺工程が、前記混合工程で得られた麺生地を、減圧下において押し出して小塊又は板状とした後に麺線化する工程であり、
前記水分付与工程は、前記α化工程で得られた麺線に40~70℃の水を付与する工程であり、
前記水分付与工程で麺線に与える水分量が、前記製麺工程で得られた麺線100g当たり26~33mlであり、
前記水分付与工程後の麺線の水分値が48~51質量%であり、
前記即席油揚げ麺を湯戻し調理して1分後に、即席油揚げ麺の破断試験を、くさび型プランジャーを取り付けたレオメータを用いて、20~25℃において0.5mm/秒の測定速度で行ったときの最大微分値が0.5~0.9N/%であり、かつ、当該湯戻し1分後の最大微分値に対する湯戻し3分後の最大微分値の低下率が50%未満である、
即席油揚げ麺。
なお、本発明のうち、製造工程で規定された即席油揚げ麺は、現時点で、どのような成分までが含まれているか、又は、その構造がどのようなものであるか、その全てを特定することが不可能又はおよそ実際的ではない程度に困難であるため、プロダクトバイプロセスクレームによって記載している。
本発明の製造方法によれば、余分な添加物を添加することなく、湯戻し後の湯伸び防止効果が高い即席油揚げ麺を製造することができる。
なお、本明細書において、湯伸びとは、水分が経時的に麺の表面から中心部へ移動することによって、麺の物性が変化し、麺の食感(硬さ、弾力、コシ等)が悪くなることをいう。
図1は、破断試験を説明する、レオメータ及び麺線の模式図である。 図2は、図1をA方向から示した模式断面図である。
以下、本発明の即席油揚げ麺の製造方法について詳細に説明する。
本発明の即席油揚げ麺の製造方法は、混合工程、製麺工程、α化工程、水分付与工程、及びフライ乾燥工程を含む。
以下、製造方法の各工程について詳細に説明する。
混合工程
即席麺を製造する常法に従って、前記即席麺の原料と水とを混合する(混練する)ことによって麺生地を製造する。
原料
本発明において、即席油揚げ麺の原料は、特に限定されない。すなわち、従来、即席油揚げ麺の製造に使用されている原料を、特に限定なく使用することができる。
原料粉は、主原料として小麦粉を含む。原料粉には、小麦粉に加えて、さらに小麦粉以外の穀粉、デンプン、タンパク質等を含んでもよい。小麦粉以外の穀粉として、例えば、そば粉、米粉等が挙げられる。デンプンとして、馬鈴薯デンプン、タピオカデンプン、コーンスターチ等のデンプン等が挙げられる。前記デンプンとして、生デンプン、α化デンプン、エーテル化デンプン等の加工デンプン等を使用することもできる。タンパク質として、例えば、グルテン等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
原料粉に、必要に応じて、即席麺の製造において一般に使用されている添加剤、例えば、アルカリ剤(かんすい)、食塩、増粘剤、麺質改良剤、カロチノイド色素等の色素、保存料等を添加することができる。これらの添加剤は、水と混合して使用するが、添加方法としては、原料粉と一緒に固体の状態で添加してもよく、練り水に溶解又は懸濁させて水溶液又は懸濁液として添加してもよい。
前記混合工程において、前記原料粉に練り水を加え、次いでミキサーを用いて各種材料が均一に混ざるように混練して麺生地を製造する。なお、混合工程において使用される水(練り水)の量は、麺生地の形成に必要な水分量であればよい。例えば、原料粉の総重量に対する水の比率(加水率)が、25質量%~50質量%程度であればよい。加水率は、33~41質量%程度が好ましく、34~38質量%程度がより好ましく、35~37質量%がさらに好ましい。
なお、α化工程前の麺(生麺)に含まれる水分量として、前記混合工程で原料粉に添加される水の比率(加水率)で表すことができるが、加水率以外にも、製麺工程後(α化工程前)の麺線の水分値で表すことができる。
製麺工程
得られた麺生地を、減圧下において押し出して小塊又は板状とした後に麺線化する。麺生地を減圧下で押し出すことで、麺生地に含まれる空気を抜くことができる。
具体的には、エクストルーダー又は押出成型機を用いて、麺生地を減圧下においてダイスより押し出すことにより、小塊又は板状とする。使用する装置として、例えば、特開昭61-132132号公報に記載されている麺生地製造装置等が挙げられる。
具体的な使用条件として、エクストルーダー(押出スクリュー)又は押出成型機の装置内を脱気して真空度(ゲージ圧)を-0.090MPa~-0.098MPaにする。得られた麺生地を前記真空度に調整した減圧下の装置内を通し、直径5mm~50mm程度、好ましくは直径6~24mm程度のダイスから円筒状の生地(ドウ)として押し出す。その生地を圧出時に間欠的に切断することで、長さ10mm~100mm程度の小塊とする。その後、得られた小塊を常法に従って麺線化する。具体的には、得られた小塊を整形及び複合して麺帯を調製し、この麺帯を複数の圧延ロールを用いて圧延し、切刃を用いて切り出すことによって麺線を製造する。
前記製麺工程により得られた麺線の水分値は、33~37質量%が好ましく、34~36質量%がより好ましく、34.5~35.5質量%がさらに好ましい。製麺工程後の麺線の水分値は、OHAUS社製ハロゲン水分計MB45により求めることができる。
α化工程
α化工程において、麺線に含まれるデンプンがα化(糊化)する。麺線をα化させる方法として、蒸気を使った蒸し処理を行う。蒸し処理は、蒸気を使用した蒸機を使用して行うことが好ましい。蒸し処理で使用する蒸気の質として、乾いた蒸気、湿り気のある蒸気等を使用することができ、得られる麺線の食感をよりよくするためには、湿り気のある蒸気を使用することが好ましい。あるいは、ボイラーで発生させた蒸気を減圧して蒸機内に噴射し、その蒸機の中を、麺線を通過させることによってα化させてもよい。
水分付与工程
水分付与工程において、前記α化工程によって得られたα化させた麺線に水分を付与する。該水分付与工程は、前記α化工程の後、かつ、後述するフライ乾燥工程の前に行われる。
水分の付与(補給)方法は、特に制限はなく、水、食塩又は乳化剤を含む水溶液を、前記製麺工程で得られた麺線に、雨だれ式、スプレー式に散布(噴霧)する方法、前記製麺工程で得られた麺線を前記水等に浸漬する方法等が挙げられ、浸漬する方法が好ましい。
水又は水溶液の温度は、40℃以上70℃以下であり、40℃以上60℃以下が好ましく、45℃以上55℃以下がより好ましい。前記水分付与工程で麺線に付与される水分量(麺線への水分付与量、水の添加量)は、フライ乾燥工程前の麺線の水分量が48質量%~51質量%になるように調節すればよい。具体的には、前記水分付与工程後の麺線の水分値(麺線への水分付与量、水の添加量)は、前記製麺工程で得られた麺線100g当たり26ml~33ml程度であり、26ml~30ml程度がより好ましく、27ml~29mlがさらに好ましい。例えば、前記製麺工程で得られた麺線約71gを1食分とした場合、18ml~24ml程度であり、18ml~21ml程度がより好ましく、19ml~21ml程度がさらに好ましい。水分付与工程後の麺線の水分値は、OHAUS社製ハロゲン水分計MB45により求めることができる。なお、α化工程を蒸し処理で行う場合、製麺工程で得られた麺線の質量とα化工程で得られた麺線の質量とは略同じである。
水分付与工程の後、麺線に、スプレー、浸漬等により調味液(着味液)を付着させ、味付けを行ってもよい。また、麺線同士の結着防止のため、乳化剤、増粘多糖類等を麺線に付着させることもできる。これらの作業は必ずしも行う必要はなく、省略してもかまわない。
フライ乾燥(油揚げ)工程
次いで、麺線を1食分(20~50cm)にカットする。カットした麺線を、フライ乾燥用器具に投入し、フライ乾燥を行う。
麺を投入したフライ乾燥用器具をフライヤーと呼ばれる150℃前後に加温した食用油を入れた金属製の槽内を移動させ、麺を油中に浸漬させることにより、麺中の水分を蒸発させ、麺を乾燥する。
なお、フライヤーによる麺の乾燥は、食用油の温度を、最初は130~140℃程度の比較的低めの温度に設定し、途中で155~165℃程度の温度に上げて行ってもよい。
使用する食用油としては、パーム油、ラード、ごま油等が挙げられる。フライ乾燥後の麺塊の水分としては、1~5質量%となるように乾燥する。
フライ乾燥の後、蓋を外し、容器から麺塊を取り出す。取り出した麺塊は、所定時間冷却することで、即席油揚げ麺が得られる。
次に、乾燥した即席油揚げ麺について、レオメータを用いて破断試験を行う。
本明細書においては、湯伸びを評価するための物性として、麺線を破断する際の微分最大値を採用し、レオメータを用いて湯戻しした後1分後(湯戻し1分後)及び湯戻しした後3分後(湯戻し3分後)の麺線の微分最大値を測定し、湯戻し1分後の微分最大値に対する湯戻し3分後の微分最大値の低下率を算出する。
ここで、微分最大値は、レオメータを用いて破断試験を行ったときの、基準の測定点とその次の測定点との間の荷重の変化の度合い(微分値)の最大値であり、麺の食感(コシ)に関係している。
以下、即席油揚げ麺の破断試験について詳細に説明する。
まず、湯戻し調理後の麺線サンプルを、以下の手順で作製する。
即席油揚げ麺を所定のカップに入れ、98℃~100℃の熱湯を注入し、素早く蓋をして所定の時間静置(湯戻し)する。湯戻し時間としては、例えば、3分間、4分間、5分間等の時間を適宜設定することができる。その後、素早く蓋を取り、それと同時に湯戻し後の時間の計測を開始する。湯戻し後0秒から20秒まで割り箸を用いて麺をほぐし、湯戻し後20秒でザルを用いて麺を素早く湯から取り出し、取り出した麺から長さ50mm程度の麺線を1本切り取る。
作製した麺線サンプルを、レオメータを用いて分析する。レオメータは、一定速度で上から下方向に押圧できるものであれば、特に限定はない。
具体的には、本発明において、麺線の破断試験を行うレオメータには、プランジャーとして、くさび型プランジャーを使用する。該くさび型プランジャーは、形状がくさび型であって、先端1mm幅平面仕上げのものである。また、麺線の破断試験は、室温(例えば、20~25℃)で行われ、測定を行う際のレオメータの測定速度は0.5mm/秒であり、測定間隔0.03秒で歪率99%まで麺線を押圧する。
破断試験には、上記の手順で作製した1本の麺線を、レオメータの試料台の上に、切刃による切断面が側面方向になるように、かつ麺線の長手方向がプランジャーの長手方向に対して直角に交わるように配置し、湯戻しした後1分後(湯戻し1分後)及び湯戻しした後3分後(湯戻し3分後)の微分最大値を測定する。
得られた湯戻し1分後の微分最大値、及び湯戻し3分後の微分最大値から、下記計算式1により微分最大値低下率(湯戻し1分後から湯戻し3分後の間にどれだけ低下したか)を算出する。
計算式1:微分最大値低下率(%)=[(x-y)/x]×100
ここで、
x:湯戻し1分後の微分最大値(N/%)
y:湯戻し3分後の微分最大値(N/%)
上述した製造方法で得られた即席油揚げ麺は、湯戻し1分後の微分最大値が0.5~0.9N/%であり、かつ、微分最大値低下率、すなわち、当該湯戻し1分後の微分最大値に対する湯戻し3分後の微分最大値の低下率が50%未満である。
湯戻し1分後の微分最大値が0.5~0.9N/%であることから、即席油揚げ麺は適度な(柔らかすぎず硬すぎない)食感を有しており、かつ、湯戻し1分後の微分最大値に対する湯戻し3分後の微分最大値の低下率が50%未満に抑えられることから、この即席油揚げ麺は湯戻しした後、湯伸びしにくいといえる。したがって、本発明の製造方法によれば、余分な添加物を添加することなく、湯戻し後の経時的な湯伸びを効果的に防止することができる即席油揚げ麺を得ることができる。
また、湯戻し1分後の麺線の破断歪率は、90%以上であり、好ましくは93~97%程度であり、より好ましくは94~96%程度である。
ここで、破断歪率は、麺の断面の何パーセントまで変形させたときに麺の表面が破断し始めたかを示す値である。破断歪率の値が低いほどサクサクした食感又はプツッとした食感であることを示し、高いほど(100%に近いほど)もっちりとした食感であるといえる。
上述した製造方法で得られた即席油揚げ麺は、湯戻し1分後の破断歪率が、90%以上の高い値であるので、もっちりとした食感を有しているといえる。
冷却した即席油揚げ麺は、包装工程に移り、スープ、具材等とともにカップに包装され、即席麺製品(カップ入り即席麺)として販売される。
本発明の製造方法で得られた即席油揚げ麺は、湯戻し調理により適度な食感が得られ、湯伸びしにくい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「約」とは、±(プラスマイナス)1gを意味している。
実施例1
小麦粉700g及び加工デンプン(酢酸デンプン)(松谷化学工業株式会社製、松谷さくら(商品名))300gに、食塩(ダイヤソルト株式会社製、並塩)10g、かんすい(オリエンタル酵母工業株式会社製、粉末かんすい 赤(商品名))4.5g、クチナシ色素(理研ビタミン株式会社製、リケカラーYGL-81)1.5g、及び増粘剤(三菱商事ライフサイエンス株式会社製、オルノー・G2(商品名))2gを水360gに溶解した練り水を加え(加水率36質量%)、横型のピンミキサーで10分間混合又は混練した。
真空押出機(株式会社武蔵商会製、MV-8型)を用い、得られた麺生地を、減圧した装置内(真空圧(ゲージ圧)-0.090MPa~-0.098MPa)を通して直径9mmのダイスから押し出し、小塊状に成形した。得られた小塊状の生地を、ロールに通して麺帯にし、それを2枚合わせた状態で再度ロールを通して一体化させ、さらに4対のロールに通して圧延した後、#22番角の切刃を通して、厚み1.20mmの麺線を得た。なお、この時点における麺線の水分量をOHAUS社製ハロゲン水分計MB45により測定したところ、34.6質量%であった。
得られた麺線を、ボイラーで発生させた蒸気を減圧させた後に噴射している蒸機の中を2分間通過させてα化させた。得られたα化工程後の麺線を、50℃の水に2秒間浸漬させた。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき19.0ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり26.8ml)であり、水分付与後の麺線の水分量をOHAUS社製ハロゲン水分計MB45により測定したところ、48.4質量%であった。
その後、麺線を20cm程度の長さにカットし、1食当たり20mlのほぐし液を付与し、1食ずつ円錐台形状のフライ枠(天面内径87mm×底面内径72mm×高さ62mm、底面に直径3.2mmの丸孔を複数形成)に充填した。直径3.2mmの丸孔が複数形成された上蓋で蓋をして、約135℃のパーム油に30秒間、その後約160℃のパーム油に90秒間浸漬して、麺塊を乾燥させた。フライ乾燥の後、上蓋を外し、フライ枠から麺塊を取り出し、冷却することにより、即席油揚げ麺(1食分は約58g)が得られた。なお、約58gは、58±1g(57~59g)である(以下、同様)。
作製した即席油揚げ麺について、以下の試験を行った。
<破断試験>
得られた即席油揚げ麺(約58g)をカップA(材質:紙、天面内径95mm、底面内径68mm、深さ102mm、喫水線までの容量が390ml)に入れ、98℃~100℃の熱湯を注入し、素早く蓋をして湯戻し(3分間静置)した。
その後、レオメータを用いて湯戻し調理後に破断試験を行った。
(1)湯戻し1分後の破断試験は、以下の手順で行った。
蓋をして湯戻し(3分間静置)した後、素早く蓋を取ると同時に湯戻し後の時間の計測を開始し、湯戻し後0秒から20秒まで割り箸を用いて麺をほぐし、湯戻し後20秒でザルを用いて麺を素早く湯から取り出し、取り出した麺から長さ50mm程度の麺線を1本切り取った。
ここで、破断試験を説明する、レオメータ及び麺線の模式図を図1に示し、図1をA方向から示した模式断面図を図2に示す。レオメータ(株式会社山電製クリープメータRE2-33005B)のロードセル1に、先端1mm幅平面仕上げのくさび型プランジャー(株式会社山電製No.49プランジャー)2をセットし、レオメータのテーブル5の上の試料台4に1本の麺線3を、切刃による切断面が側面方向になるように、かつ麺線の長手方向がプランジャー2の長手方向と直角に交わるように置き、湯戻し後60秒(湯戻し1分後)でレオメータによる一定速度での応力-ひずみ測定を行った。
レオメータの測定条件は、温度24℃(室温)、測定間隔0.03秒、測定歪率99%、測定速度0.5mm/秒とし、湯戻し1分後の微分最大値(N/%)を求めたところ(N=7)、0.86N/%であった。
(2)湯戻し3分後の破断試験は、以下の手順で行った。
蓋をして湯戻し(3分間静置)した後、素早く蓋を取ると同時に湯戻し後の時間の計測を開始し、湯戻し後0秒から20秒まで割り箸を用いて麺をほぐし、湯戻し後140秒でザルを用いて麺を素早く湯から取り出し、取り出した麺から長さ50mm程度の麺線を1本切り取り、上記と同様にして湯戻し後180秒(湯戻し3分後)でレオメータによる一定速度での応力-ひずみ測定を行い、湯戻し3分後の微分最大値(N/%)を求めたところ(N=7)、0.57N/%であった。
(3)微分最大値低下率の算出
上記(1)で得られた湯戻し1分後の微分最大値(N/%)、及び上記(2)で得られた湯戻し3分後の微分最大値(N/%)から、下記計算式1により微分最大値低下率を算出した。
計算式1:微分最大値低下率(%)=[(x-y)/x]×100
ここで、
x:湯戻し1分後の最大微分値(N/%)
y:湯戻し3分後の最大微分値(N/%)
その結果、実施例1で得られた即席油揚げ麺の微分最大値低下率は、33.7%であった。なお、湯戻し1分後の即席油揚げ麺を喫食した後に、湯戻し3分後の即席油揚げ麺を喫食したところ、食感の変化(悪化)は感じられたが、気にならない程度であった。
(4)破断歪率の測定
上記(1)の湯戻し1分後の破断試験を行う際に、レオメータ(株式会社山電製クリープメータRE2-33005B)を、あらかじめ厚さ計のゼロ補正を行っておき、麺線の厚みを測定した後、プランジャー2で麺線を圧縮して変形させ、圧縮に耐えきれなくなった麺線が破壊(破断)する状態となったときの麺線の変形率(元の麺線の厚みに対し、麺線が破壊(破断)した最の厚みを百分率で示したもの)を測定し、破断歪み率とした。
実施例1で得られた即席油揚げ麺の破断歪率は、94.9%であった。
実施例2
α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を60℃にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき19.8ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり27.9ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は48.9質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.64N/%、及び、3分後の微分最大値が0.40N/%であって、微分最大値低下率は、37.5%であった。また、破断歪率は、95.0%であった。
実施例3
α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を70℃にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき19.5ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり27.5ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は48.7質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.50N/%、及び、3分後の微分最大値が0.27N/%であって、微分最大値低下率は、46.0%であった。また、破断歪率は、94.0%であった。
実施例4
α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を40℃にし、浸漬時間を5秒間にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき19.2ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり27.0ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は48.5質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.64N/%、及び、3分後の微分最大値が0.37N/%であって、微分最大値低下率は、42.2%であった。また、破断歪率は、95.8%であった。
実施例5
α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を50℃にし、浸漬時間を5秒間にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき20.9ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり29.4ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は49.5質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.68N/%、及び、3分後の微分最大値が0.48N/%であって、微分最大値低下率は、29.4%であった。また、破断歪率は、93.2%であった。
実施例6
α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を60℃にし、浸漬時間を5秒間にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき23.0ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり32.4ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は50.6質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.71N/%、及び、3分後の微分最大値が0.55N/%であって、微分最大値低下率は、22.5%であった。また、破断歪率は、95.1%であった。
比較例1
原料を混合した後、真空押出機を用いた減圧下での押し出しを行わず、α化工程後に水分付与工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。なお、実施例1と同じ装置を用いて測定した、製麺工程後の麺線の水分量は34.6%であり、フライ乾燥前の麺線の水分量は36.0質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.62N/%、及び、3分後の微分最大値が0.24N/%であって、微分最大値低下率は、61.3%であった。また、破断歪率は、66.9%であった。
比較例2
原料を混合した後、真空押出機を用いた減圧下での押し出しを行わず、α化工程後に、麺線に30℃の水を噴霧した以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この噴霧による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき3.2ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり4.5ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は37.5質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.66N/%、及び、3分後の微分最大値が0.21N/%であって、微分最大値低下率は、68.2%であった。また、破断歪率は、80.8%であった。
比較例3
原料を混合した後、真空押出機を用いた減圧下での押し出しを行わず、α化工程後に、麺線を50℃の水に5秒間浸漬させた以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき20.9ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり29.4ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は49.5質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.25N/%、及び、3分後の微分最大値が0.09N/%であって、微分最大値低下率は、64.0%であった。また、破断歪率は、90.9%であった。
比較例4
α化工程後に、水分付与工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。なお、実施例1と同じ装置を用いて測定した、製麺工程後の麺線の水分量は34.6質量%であり、フライ乾燥前の麺線の水分量は36.0質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.46N/%、及び、3分後の微分最大値が0.18N/%であって、微分最大値低下率は、60.9%であった。また、破断歪率は、93.3%であった。
比較例5
水分付与工程を、α化工程後ではなく、α化工程前に、麺線に30℃の水を噴霧して行った以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この噴霧による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき2.7ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり3.8ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は37.0質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.91N/%、及び、3分後の微分最大値が0.20N/%であって、微分最大値低下率は、78.0%であった。また、破断歪率は、92.0%であった。
比較例6
水分付与工程を、α化工程後ではなく、α化工程中に、麺線に100℃の水を噴霧して行った以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この噴霧による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき13.8ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり19.5ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は45.3質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.58N/%、及び、3分後の微分最大値が0.22N/%であって、微分最大値低下率は、62.1%であった。また、破断歪率は、94.4%であった。
比較例7
α化工程後に、麺線に30℃の水を噴霧して水分付与を行った以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この噴霧による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき3.2ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり4.5ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は37.5質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.75N/%、及び、3分後の微分最大値が0.24N/%であって、微分最大値低下率は、68.0%であった。また、破断歪率は、81.9%であった。
比較例8
α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を40℃にし、浸漬時間を1秒間にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき15.6ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり21.9ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は46.4質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.95N/%、及び、3分後の微分最大値が0.41N/%であって、微分最大値低下率は、56.8%であった。また、破断歪率は、82.1%であった。
比較例9
α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を40℃にし、浸漬時間を2秒間にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき18.5ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり26.1ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は48.2質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.84N/%、及び、3分後の微分最大値が0.35N/%であって、微分最大値低下率は、58.3%であった。また、破断歪率は、67.4%であった。
比較例10
α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を30℃にし、浸漬時間を5秒間にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき17.9ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり25.2ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は47.8質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.58N/%、及び、3分後の微分最大値が0.20N/%であって、微分最大値低下率は、65.5%であった。また、破断歪率は、80.8%であった。
比較例11
α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を70℃にし、浸漬時間を5秒間にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約71g)につき24.3ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり34.3ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は51.3質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.56N/%、及び、3分後の微分最大値が0.15N/%であって、微分最大値低下率は、73.2%であった。また、破断歪率は、94.8%であった。
比較例12
原料と混合する水の量を320gにし(加水率32質量%)、α化工程後に水分付与工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。なお、実施例1と同じ装置を用いて測定した、製麺工程後の麺線の水分量は30.1質量%であり、フライ乾燥前の麺線の水分量は31.4質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.19N/%、及び、3分後の微分最大値が0.07N/%であって、微分最大値低下率は、63.2%であった。また、破断歪率は、92.2%であった。
比較例13
原料と混合する水の量を320gにし(加水率32質量%)、α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を40℃にし、浸漬時間を5秒間にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約66g)につき17.9ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり27.0ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は45.0質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.22N/%、及び、3分後の微分最大値が0.06N/%であって、微分最大値低下率は、72.7%であった。また、破断歪率は、93.3%であった。
比較例14
原料と混合する水の量を420gにして(加水率42質量%)混合工程及び製麺工程を行い、α化工程後に水分付与工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。なお、実施例1と同じ装置を用いて測定した、製麺工程後の麺線の水分量は37.5質量%であり、フライ乾燥前の麺線の水分量は38.5質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.39N/%、及び、3分後の微分最大値が0.09N/%であって、微分最大値低下率は、76.9%であった。また、破断歪率は、94.4%であった。
比較例15
原料と混合する水の量を440gにして(加水率44質量%)混合工程及び製麺工程を行い、実施例1と同じ装置で測定した麺線の水分量を39.4質量%とし、α化工程後に麺線を浸漬する水の温度を40℃にし、浸漬時間を5秒間にした以外は、実施例1と同様にして即席油揚げ麺を製造した。この浸漬による麺線への水分付与量は1食分の麺線(約77g)につき25.1ml(製麺工程で得られた麺線100g当たり32.8ml)であり、実施例1と同じ装置で測定した水分付与後の麺線の水分量は54.4質量%であった。
得られた即席油揚げ麺(約58g)を、実施例1と同様に3分間湯戻しした後、1分後及び3分後にレオメータを用いて破断試験を行い、微分最大値を測定したところ、1分後の微分最大値が0.27N/%、及び、3分後の微分最大値が0.08N/%であって、微分最大値低下率は、70.4%であった。また、破断歪率は、91.8%であった。
実施例1~6の即席油揚げ麺は、3分間湯戻し調理して1分後に破断試験を行ったときの最大微分値が0.5~0.9N/%であり、かつ、当該湯戻し1分後の最大微分値に対する湯戻し3分後の最大微分値の低下率が50%未満であり、経時的な湯伸びが抑えられ、長時間食感が悪くなるのを防ぐことができた。実施例1~6の即席油揚げ麺は、破断歪率が93~96%であり、比較例1の油揚げ麺と比較して、もっちりとした食感であった。
1 ロードセル
2 プランジャー
3 麺線
4 試料台
5 テーブル

Claims (7)

  1. 混合工程、製麺工程、α化工程、水分付与工程、及びフライ乾燥工程をこの順に行う即席油揚げ麺の製造方法であって、
    前記製麺工程が、前記混合工程で得られた麺生地を、減圧下において押し出して小塊又は板状とした後に麺線化する工程であり、
    前記水分付与工程は、前記α化工程で得られた麺線に45~70℃の水を付与する工程であり、
    前記水分付与工程で麺線に与える水分量が、前記製麺工程で得られた麺線100g当たり26.8~33mlであり、
    前記水分付与工程後の麺線の水分値が48.4~51質量%であり、
    前記即席油揚げ麺を湯戻し調理して1分後に、即席油揚げ麺の破断試験を、くさび型プランジャーを取り付けたレオメータを用いて、20~25℃において0.5mm/秒の測定速度で行ったときの最大微分値が0.5~0.9N/%であり、かつ、当該湯戻し1分後の最大微分値に対する湯戻し3分後の最大微分値の低下率が50%未満である、
    即席油揚げ麺の製造方法。
  2. 前記製麺工程により得られた麺線の水分値が33~37質量%である、請求項1に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
  3. 前記水分付与工程で付与される水の温度が50~60℃である、請求項1又は2に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
  4. 前記即席油揚げ麺の湯戻し1分後の最大微分値に対する湯戻し3分後の最大微分値の低下率が37.5%未満である、請求項1~3のいずれか一項に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
  5. 前記即席油揚げ麺の湯戻し1分後の最大微分値が0.64~0.71N/%である、請求項1~4のいずれか一項に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
  6. 前記即席油揚げ麺の湯戻し1分後の破断歪率が、93~96%である、請求項1~5のいずれか一項に記載の即席油揚げ麺の製造方法。
  7. 混合工程、製麺工程、α化工程、水分付与工程、及びフライ乾燥工程をこの順に行って得られた即席油揚げ麺であって、
    前記製麺工程が、前記混合工程で得られた麺生地を、減圧下において押し出して小塊又は板状とした後に麺線化する工程であり、
    前記水分付与工程は、前記α化工程で得られた麺線に45~70℃の水を付与する工程であり、
    前記水分付与工程で麺線に与える水分量が、前記製麺工程で得られた麺線100g当たり26.8~33mlであり、
    前記水分付与工程後の麺線の水分値が48.4~51質量%であり、
    前記即席油揚げ麺を湯戻し調理して1分後に、即席油揚げ麺の破断試験を、くさび型プランジャーを取り付けたレオメータを用いて、20~25℃において0.5mm/秒の測定速度で行ったときの最大微分値が0.5~0.9N/%であり、かつ、当該湯戻し1分後の最大微分値に対する湯戻し3分後の最大微分値の低下率が50%未満である、
    即席油揚げ麺。
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