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JP7098608B2 - Atpを利用した物質の製造方法 - Google Patents

Atpを利用した物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ATPを利用した新規の物質の製造方法に関する。
グルタチオンは、L-システイン、L-グルタミン酸、グリシンの3つのアミノ酸からなるペプチドであり、人体だけでなく、他の動物や植物、微生物など多くの生体内に存在する。グルタチオンはまた、活性酸素の消去作用、解毒作用、アミノ酸代謝などの機能を有し、生体にとって重要な化合物である。
グルタチオンは、生体内において、L-システイン残基のチオール基が還元されたSHの形態である還元型のグルタチオン(以下、「GSH」と称することもある。)、またはL-システイン残基のチオール基が酸化され、グルタチオン2分子間でジスルフィド結合を形成した形態である酸化型のグルタチオン(以下、「GSSG」と称することもある。)のいずれかの形態で存在する。
グルタチオンの製造方法としては、L-グルタミン酸、L-システイン、グリシン及び界面活性剤や有機溶媒の存在下、γ-グルタミルシステイン合成酵素やグルタチオン合成酵素を組換え生産させたエシェリヒア・コリやサッカロマイセス・セレビシエの菌体を酵素源として用いる酵素法等が知られている(特許文献1および2)。また、最近において、出願人は、L-グルタミン酸とL-シスチンとから酸化型γ-グルタミルシステインを製造し、続いて、酸化型γ-グルタミルシステインとグリシンとから酸化型グルタチオンを製造する工程を含む、酸化型グルタチオンの製造方法を公開している(特許文献3)。
グルタチオン合成に関わる酵素として、L-グルタミン酸とL-システインとを結合して、γ-グルタミルシステインを生成するγ-グルタミルシステイン合成酵素(以下、「GSHI」と称することもある。)と、γ-グルタミルシステインとグリシンとを結合して、還元型グルタチオンを生成するグルタチオン合成酵素(以下、「GSHII」と称することもある。)とが知られている。また、GSHIおよびGSHIIは、それぞれ、L-シスチン、酸化型γ-グルタミルシステインも基質として利用できることが知られており、この場合、各酵素反応の生成物として、それぞれ、酸化型γ-グルタミルシステイン、酸化型グルタチオンが合成される(特許文献3)。さらに、GSHIおよびGSHIIの両方の機能を併せ持つ二機能性グルタチオン合成酵素(以下、「GSHF」と称することもある。)も知られている(特許文献3)。
特開昭60-27396号公報 特開昭60-27397号公報 国際公開第2016/002884号公報
ところで、GSHI、GSHII、GSHF等は、その活性のためのエネルギー源としてアデノシン三リン酸(以下、「ATP」と称することもある。)を消費する。そのために、グルタチオン製造の反応を維持するためには、ATPを外部から与えるか、またはATPの消費産物であるアデノシンニリン酸(以下、「ADP」と称することもある。)をATPへ再変換する必要がある。
ここで、ATPを外部から与える場合には、高額な費用が発生するため、ADPをATPへ再変換するATP再生系の利用が検討されている。
ATP再生系においてADPをATPへ変換する酵素としては、2型ポリリン酸キナーゼが知られており、当該酵素は、メタリン酸等を基質として、ADPをATPへ変換する機能を有する。
しかしながら、ATP再生系を物質の製造の一工程として包含する製造方法、例えば、酸化型グルタチオンの製造方法では、原料から最終産物(例えば、酸化型グルタチオン)への高い変換率を得るために、ATP再生系のさらなる改良が求められていた。
上記の事情に鑑み、本発明の目的は、ATPを利用した新規の物質の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、高重合度のポリリン酸を含む混合物を2型ポリリン酸キナーゼの基質として用いることにより、酸化型グルタチオンへの高い変換率が得られることを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様は、ATPを利用して物質を製造する方法であって、当該製造方法においてATPから生成されたADPに、2型ポリリン酸キナーゼとポリリン酸とを反応させてATPを再生するATP再生反応と、当該製造方法とが共役しており、当該製造方法で利用されるATPは、当該製造方法と共役している当該ATP再生反応によって再生されたATPを含み、当該2型ポリリン酸キナーゼの基質として、重合度15以上のポリリン酸を48%以上含むポリリン酸混合物とを用いることを特徴とする物質の製造方法に関する。
本発明の一態様によれば、安価で、かつ、高い変換率で、ATPを利用した物質の製造を行うことができる。
ポリリン酸混合物の重合度の分析結果を示した図である。 ポリリン酸混合物について、調製後の放置期間の相違による重合度の変動を比較した図である。 酸化型グルタチオンの製造過程における、ポリリン酸混合物の消費の変動を示した図である。
本発明の実施の一形態について、以下に詳細に説明する。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子」は、「ポリヌクレオチド」、「核酸」または「核酸分子」と交換可能に使用され、ヌクレオチドの重合体が意図される。ここで、遺伝子は、DNAの形態(例えば、cDNAもしくはゲノムDNA)、またはRNA(例えば、mRNA)の形態にて存在し得る。DNAまたはRNAは、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。一本鎖DNAまたはRNAは、コード鎖(センス鎖)であっても、非コード鎖(アンチセンス鎖)であってもよい。また、遺伝子は化学的に合成してもよく、コードするタンパク質の発現が向上するように、コドンユーセージ(Codon usage)を変更してもよい。同じアミノ酸をコードするコドン同士であれば置換することも可能である。
また、用語「タンパク質」は、「ペプチド」または「ポリペプチド」と交換可能に使用される。本明細書において使用される場合、塩基およびアミノ酸の表記は、適宜IUPACおよびIUBの定める1文字表記または3文字表記を使用する。
〔物質の製造方法〕
本発明の一実施形態において、ATPを利用して物質を製造する方法であって、当該製造方法においてATPから生成されたADPに、2型ポリリン酸キナーゼとポリリン酸とを反応させてATPを再生するATP再生反応と、当該製造方法とが共役しており、当該製造方法で利用されるATPは、当該製造方法と共役している当該ATP再生反応によって再生されたATPを含み、当該2型ポリリン酸キナーゼの基質として、重合度15以上のポリリン酸を48%以上含むポリリン酸混合物とを用いることを特徴とする物質の製造方法を提供する。
本発明の一実施形態は、ATPを利用して物質を製造する方法において、2型ポリリン酸キナーゼの基質として、特定の重合度、とりわけ、高重合度のポリリン酸を一定量以上含むポリリン酸の混合物を用いてATPを再生することにより、高い変換率で、当該ATPを用いた物質の製造を行うことができることを初めて見出したことに基づく。したがって、本発明の一実施形態では、ATP再生反応において高重合度のポリリン酸を一定量以上含むポリリン酸混合物を用いることにより、安価で、かつ、高い変換率で、物質を製造することができる。
以下、本発明の各構成について、詳細に説明する。
<1.ポリリン酸混合物>
本発明の一実施形態において、2型ポリリン酸キナーゼと、当該2型ポリリン酸キナーゼの基質として、重合度15以上のポリリン酸を48%以上含むポリリン酸混合物とを用いることが好ましい。本発明の一実施形態において、上記のような高重合度のポリリン酸を一定量以上含むポリリン酸混合物を用いることにより、安価で、かつ、高い変換率で、物質を製造することができる。
本明細書において「ポリリン酸」は、リン酸が重合したリン酸のポリマーを意味し、例えば、下記の式1で表される化合物である。
Figure 0007098608000001
本明細書において「メタリン酸」は、リン酸の鎖状ポリマー構造および環状構造を有する化合物を意味する。「メタリン酸」は、例えば、上記式1で表される化合物(「リン酸の鎖状ポリマー構造」に相当)に加えて、下記の式2で表される化合物(「環状構造」に相当)を有する化合物である。
Figure 0007098608000002
本明細書において「ポリリン酸混合物」は、上記「ポリリン酸」および「メタリン酸」のいずれか一方、またはその両方が含まれる集合体を意味する。「ポリリン酸混合物」に含まれる「ポリリン酸」および/または「メタリン酸」の比率は、本願発明の効果を奏する限り、特に限定されない。
なお、「ポリリン酸」および「メタリン酸」は混在し得るため、厳密に区別することは難しい。よって、本明細書において「ポリリン酸」および「メタリン酸」は、厳密に区別することなく、「ポリリン酸」と記載したときには「メタリン酸」を含むものとし、「メタリン酸」と記載したときには「ポリリン酸」を含むものとする。
本発明の一実施形態において、ポリリン酸混合物は、重合度15以上のポリリン酸を48%以上含み、好ましくは、重合度15以上のポリリン酸を50%以上含む。
また、本発明の別の実施形態において、ポリリン酸混合物は、重合度20以上のポリリン酸を31%以上含み、好ましくは、重合度20以上のポリリン酸を32%以上含む。
さらに、本発明の別の実施形態において、ポリリン酸混合物は、重合度36以上のポリリン酸を4%以上含み、好ましくは、重合度36以上のポリリン酸を5%以上含む。
また、本発明の別の実施形態において、ポリリン酸混合物は、重合度43以上のポリリン酸を2%以上含み、さらに、本発明の別の実施形態において、ポリリン酸混合物は、重合度50以上のポリリン酸を2%以上含む。
本発明におけるポリリン酸の重合度は、後述の実施例に記載された方法にて測定される。また、上記のような高重合度のポリリン酸を一定量以上含むポリリン酸の混合物は、後述する実施例において、例示している(実施例1、4等参照)。
<2.2型ポリリン酸キナーゼ(PPK2)>
本発明の一実施形態において、2型ポリリン酸キナーゼが、Pseudomonas aeruginosa由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「PNDK」とも称する。)、Synechococcus sp. PCC6312株由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「Sy PPK2」とも称する。)、Corynebacterium efficiens由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「CE PPK2」とも称する。)、Kineococcus radiotolerans由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「KR PPK2」とも称する。)、Pannonibacter indicus由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「PI PPK2」とも称する。)、Deinococcus radiodurans K1株由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「DR PPK2」とも称する。)、Gulbenkiania indica由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「GI PPK2」とも称する。)、Arthrobactor aurescens TC1由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「AA PPK2」とも称する。)、Thiobacillus denitrificans ATCC25259株由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「TD PPK2」とも称する。)、およびPseudomonas fluorescens由来2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「PF PPK2」とも称する。)からなる群より選択される少なくとも一つであることを特徴とする、物質の製造方法を提供する。
ポリリン酸キナーゼ(以下、「PPK」と称することもある。)は、可逆反応を行う2種類の酵素(1型ポリリン酸キナーゼ(以下、「PPK1」と称することもある。)および2型ポリリン酸キナーゼ(以下、「PPK2」と称することもある。))に分類される。PPK1は、ATPをADPとポリリン酸(以下、「PolyP」と称することもある。)に分解する反応が優位であり、PPK2は、ADPとPolyPとを結合してATPを生成する反応が優位であることが知られている。
PPK2は、さらに、触媒反応の観点から、3つのクラスに分類される。クラスIのPPK2は、ADPとPolyPとを結合してATPを生成する反応を触媒するものであり、PNDK等が例示される。また、クラスIIのPPK2は、アデノシン一リン酸(以下、「AMP」と称することもある。)とPolyPとを結合してATPを生成する反応を触媒するものであり、ポリリン酸依存的AMPトランスフェラーゼ(PAP)等が例示される。さらに、クラスIIIのPPK2は、上記クラスIおよびクラスIIの2つの反応を触媒する二機能性を有する酵素であり、Meiothermus ruber由来PPK2等が例示される。
本願発明者らは、新規のPPK2を探索する目的で鋭意検討を行った結果、ADPとPolyPとを結合してATPに変換する活性を有する、クラスIまたはクラスIIIに分類される8種類の新規PPK2の同定に成功した。したがって、従来から知られているPPK2およびDR PPK2に加えて、これらの8種類のPPK2を適宜選択して、ATP再生反応を触媒することができる。
なお、本発明の一実施形態において、2型ポリリン酸キナーゼとして、従来から知られているPPK2を選択し得ることは言うまでもない。
上記のPPK2(すなわち、PNDK、DR PPK2および8種類の新規PPK2)について、以下で詳細に説明する。
PNDKは、Pseudomonas aeruginosa由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長357アミノ酸残基から構成される(配列番号1)。
Sy PPK2は、Synechococcus sp. PCC6312株由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長296アミノ酸残基から構成される(配列番号2)。
CE PPK2は、Corynebacterium efficiens由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長351アミノ酸残基から構成される(配列番号3)。
KR PPK2は、Kineococcus radiotolerans由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長296アミノ酸残基から構成される(配列番号4)。
PI PPK2は、Pannonibacter indicus由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長367アミノ酸残基から構成される(配列番号5)。
DR PPK2は、Deinococcus radiodurans K1株由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長266アミノ酸残基から構成される(配列番号6)。
GI PPK2は、Gulbenkiania indica由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長350アミノ酸残基から構成される(配列番号7)。
AA PPK2は、Arthrobactor aurescens TC1由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長314アミノ酸残基から構成される(配列番号8)。
TD PPK2は、Thiobacillus denitrificans ATCC25259株由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長269アミノ酸残基から構成される(配列番号9)。
PF PPK2は、Pseudomonas fluorescens由来の2型ポリリン酸キナーゼであり、全長362アミノ酸残基から構成される(配列番号10)。
上記10種類のPPK2について、大腸菌での発現のためにコドン最適化した塩基配列は、以下の通りである:PNDK(配列番号11)、Sy PPK2(配列番号12)、CE PPK2(配列番号13)、KR PPK2(配列番号14)、PI PPK2(配列番号15)、DR PPK2(配列番号16)、GI PPK2(配列番号17)、AA PPK2(配列番号18)、TD PPK2(配列番号19)、およびPF PPK2(配列番号20)。
PNDKは、37℃の至適温度を有するため(Motomura et al., Applied and Environmental Microbiology, volume 80, number 8, 2602-2608, 2014)、PNDKを用いると、比較的低い温度(すなわち、穏やかな条件下)で反応を行うことができる。したがって、この観点から、本発明の一実施形態におけるPPK2として、PNDKが好ましい。
また、上述のとおり、PNDKは、Pseudomonas aeruginosaに由来するPPK2である。したがって、Pseudomonas属に分類される微生物種由来のPPK2であれば、上述したPNDKと同様の利点を有し得る。したがって、本発明の一実施形態におけるPPK2として、Pseudomonas属に分類される微生物種由来のPPK2が好ましい。
Pseudomonas属に分類される微生物種として、上述したPseudomonas aeruginosaおよびPseudomonas fluorescensの他に、例えば、以下の種が挙げられる:Pseudomonas oxalaticus、Pseudomonas stuzeri、Pseudomonas chloraphis、Pseudomonas riboflavina、Pseudomonas fragi、Pseudomonas mendocina、Pseudomonas sp. K-9、Pseudomonas diminuta、Pseudomonas vesicularis、Pseudomonas caryophylli、Pseudomonas cepacian、Pseudomonas antimicrobica、Pseudomonas plantarii、Pseudomonas marina、Pseudomonas testosterone、Pseudomonas lanceolate、Pseudomonas acidovorans、Pseudomonas rubrisubalbicans、Pseudomonas flava、Pseudomonas palleronii、Pseudomonas pseudoflava、Pseudomonas taeniospiralis、Pseudomonas nautica、Pseudomonas iners、Pseudomonas mesophilica、Pseudomonas radiora、Pseudomonas rhodos、Pseudomonas doudoroffii、Pelomonas saccharophila、Pseudomonas abietaniphila、Pseudomonas alcaligenes、Pseudomonas alcaliphila、Pseudomonas auricularis、Pseudomonas azotoformans、Pseudomonas balearica、Pseudomonas chlororaphis subsp. aureofaciens、Pseudomonas chlororaphis subsp. chlororaphis、Pseudomonas citronellolis、Pseudomonas cremoricolorata、Pseudomonas flavescens、Pseudomonas fragi、Pseudomonas fulva、Pseudomonas gessardii、Pseudomonas indica、Pseudomonas japonica、Pseudomonas jianii、Pseudomonas jinjuensis、Pseudomonas luteola、Pseudomonas mandelii、Pseudomonas mendocina、Pseudomonas migulae、Pseudomonas monteilii、Pseudomonas mucidolens、Pseudomonas nitroreducens、Pseudomonas nitroreducens subsp. thermotolerans、Pseudomonas oleovorans、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas parafulva、Pseudomonas pavonaceae、Pseudomonas pertucinogena、Pseudomonas plecoglossicida、Pseudomonas pseudoalcaligenes、Pseudomonas reptilivora、Pseudomonas resinovorans、Pseudomonas sp.、Pseudomonas straminea、Pseudomonas striafaciens、Pseudomonas syncyanea、Pseudomonas synxantha、Pseudomonas syringae、Pseudomonas taetrolens、Pseudomonas tolaasii、Pseudomonas toyotomiensis、Pseudomonas pickettii、Pseudomonas echinoides、Pseudomonas paucimobilis、Pseudomonas maltophilia、Pseudomonas butanovora。
本発明の一実施形態において、PPK2は、PPK2活性を有する生物の細胞を生細胞のまま用いても良いし、死滅しているが損傷していない前記細胞の形態で用いても良いし、前記細胞から分離され精製されたタンパク質の形態で用いても良い。ここでPPK2活性を有するタンパク質の精製の程度は特に限定されず、粗精製であっても良い。PPK2活性を有する細胞の凍結乾燥菌体、アセトン乾燥菌体、あるいはそれらの磨砕物であっても良く、さらにポリペプチド自体あるいは菌体のまま固定化されていても良い。
好ましくは、PPK2活性を有する生細胞を用いない。より好ましくはPPK2活性を有する生細胞および損傷していない死滅細胞を用いない。
本発明の一実施形態において、上記10種類のPPK2は、(a)配列番号1~10に記載されるアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質で、かつ、PPK2活性を有するタンパク質であってもよい。
上記(a)のタンパク質は、配列番号1~10で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質の、機能的に同等の変異体、誘導体、バリアント、アレル、ホモログ、オルソログ、部分ペプチド、または他のタンパク質・ペプチドとの融合タンパク質等であって、PPK2活性を有するタンパク質をコードする限り、その具体的な配列については限定されない。ここで欠失、置換または付加されてもよいアミノ酸の数は、上記機能を失わせない限り、限定されてないが、部位特異的突然変異誘発法等の公知の導入法によって欠失、置換または付加できる程度の数をいい、好ましくは5アミノ酸以内であり、より好ましくは3アミノ酸以内(例えば、3、2または1アミノ酸)である。また、明細書中において「変異」とは、部位特異的突然変異誘発法等によって人為的に導入された変異を主に意味するが、天然に存在する同様の変異であってもよい。
置換されるアミノ酸残基は、アミノ酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に置換されていることが好ましい。例えば、アミノ酸側鎖の性質としては、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸およびアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ酸(R、K、H)、芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)が挙げられる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字表記を表す)。あるアミノ酸配列に対する1または複数個のアミノ酸残基の欠失、付加および/または他のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチドがその生物学的活性を維持することはすでに知られている。さらに、変異後のアミノ酸残基は、共通した性質をできるだけ多く有するアミノ酸残基に変異していることがより好ましい。
本明細書において「機能的に同等」とは、対象となるタンパク質が、目的とするタンパク質と同等(同一および/または類似)の生物学的機能や生化学的機能を有することを意図する。生物学的な性質には発現する部位の特異性や、発現量等も含まれ得る。変異を導入したタンパク質が所望の機能を有するかどうかは、そのタンパク質をコードする遺伝子を導入発現させた形質転換体を取得し、この形質転換体が、ADPおよびPolyPからATPを生成し得るかどうかを調べることにより判断できる。
本発明の一実施形態において、上記10種類のPPK2は、(b)配列番号1~10に記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質で、かつ、PPK2活性を有するタンパク質であってもよい。
上記(b)のタンパク質も、配列番号1~10で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質の、機能的に同等の変異体、誘導体、バリアント、アレル、ホモログ、オルソログ、部分ペプチド、または他のタンパク質・ペプチドとの融合タンパク質等を意図しており、PPK2活性を有するタンパク質をコードする限り、その具体的な配列については限定されない。
アミノ酸配列の相同性とは、アミノ酸配列全体(または機能発現に必要な領域)で、少なくとも80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上(例えば、95%、96%、97%、98%、99%以上)の配列の同一性を有することを意味する。アミノ酸配列の相同性は、BLASTN(核酸レベル)やBLASTX(アミノ酸レベル)のプログラム(Altschul et al. J. Mol. Biol.、215: 403-410、1990)を利用して決定することができる。該プログラムは、KarlinおよびAltschulによるアルゴリズムBLAST(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87:2264-2268、1990、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90: 5873-5877、1993)に基づいている。BLASTNによって塩基配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=100、wordlength=12とする。また、BLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合には、パラメーターは例えばscore=50、wordlength=3とする。また、Gapped BLASTプログラムを用いて、アミノ酸配列を解析する場合は、Altschulら(Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402、1997)に記載されているように行うことができる。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である。比較対象の塩基配列またはアミノ酸配列を最適な状態にアラインメントするために、付加または欠失(例えば、ギャップ等)を許容してもよい。
本明細書において「相同性」とは、性質が類似のアミノ酸残基数の割合(homology、positive等)を意図しているが、より好ましくは、同一のアミノ酸残基数の割合、すなわち同一性(identity)である。なお、アミノ酸の性質については上述したとおりである。
本発明の一実施形態において、上記10種類のPPK2は、(c)配列番号11~20に記載される塩基配列からなる遺伝子にコードされるタンパク質であってもよい。
上記(c)のタンパク質について、配列番号11~20は、それぞれ配列番号1~10で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子の塩基配列(Open Reading Frame:ORF)を示す。
また、本発明の一実施形態において、上記10種類のPPK2は、(c)配列番号11~20に記載される塩基配列からなる遺伝子にコードされるタンパク質において、その塩基配列が宿主細胞内での発現向上等の目的のために、適宜改変されたものであってもよい。PPK2の宿主細胞内での発現を向上させる目的で、N末端側が切断されたものであってもよいし、あるいはそれ以外の任意の箇所で切断されたものであってもよい。また、同様の目的で、コドンを最適化したものであってもよい。
塩基配列の改変の一例としては、後述の実施例3に示されるように、野生型PNDKのN末端側81アミノ酸を切断し、82番目のアラニンを開始コドンであるメチオニンに置換する改変等が挙げられる。また、後述の実施例2に示されるように、天然のPF PPK2からアミノ酸のN末端側1~85を除去し、P86M変異を導入する改変や、N末端側1~86を除去し、G87M変異を導入する改変等が挙げられる。
上記遺伝子・タンパク質を得る方法としては、通常行われるポリヌクレオチド改変方法を用いてもよい。すなわち、タンパク質の遺伝情報を有するポリヌクレオチドの特定の塩基を置換、欠失、挿入および/または付加することで、所望の組換えタンパク質の遺伝情報を有するポリヌクレオチドを作製することができる。ポリヌクレオチドの塩基を変換する具体的な方法としては、例えば市販のキット(KOD-Plus Site-Directed Mutagenesis Kit(東洋紡)、Transformer Site-Directed Mutagenesis Kit(Clontech)、QuickChange Site Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)等)の使用、またはポリメラーゼ連鎖反応法(polymerase chain reaction:PCR)の利用が挙げられる。これらの方法は当業者に公知である。
また、上記遺伝子は、上記タンパク質をコードするポリヌクレオチドのみからなるものであってもよいが、その他の塩基配列が付加されていてもよい。付加される塩基配列としては、特に限定されないが、標識(例えば、ヒスチジンタグ、MycタグまたはFLAGタグなど)、融合タンパク質(例えば、ストレプトアビジン、シトクロム、GST、GFPまたはMBPなど)、プロモーター配列、およびシグナル配列(例えば、小胞体移行シグナル配列、および分泌配列など)をコードする塩基配列などが挙げられる。これらの塩基配列が付加される部位は特に限定されるものではなく、例えば、翻訳されるタンパク質のN末端であっても、C末端でもあってもよい。
<3.PPK2遺伝子>
本発明の一実施形態において、上記タンパク質をコードするPPK2遺伝子を提供する。
PPK2遺伝子は、天然の配列からなるヌクレオチドであっても、人工的に改変された配列からなるヌクレオチドであってもよいが、発現させる宿主(例えば、大腸菌)においてコドン最適化された配列からなるヌクレオチドであることが好ましい。
<4.ベクター>
本発明の一実施形態において、<3.PPK2遺伝子>の項に記載の遺伝子を含むベクターを提供する。本ベクターとしては、形質転換体作製のために宿主細胞内で、上記遺伝子を発現させるための発現ベクターのほか、組換えタンパク質の生産に用いるものも含まれる。
上記ベクターの母体となる基材ベクターとしては、一般的に使用される種々のベクターを用いることができる。例えば、プラスミド、ファージまたはコスミド等を用いることができ、導入される細胞または導入方法に応じて適宜選択できる。つまり、ベクターの具体的な種類は特に限定されるものではなく、宿主細胞中で発現可能なベクターを適宜選択すればよい。宿主細胞の種類に応じて、確実に上記遺伝子を発現させるために適宜プロモーター配列を選択し、これと上記遺伝子とを各種プラスミド等に組み込んだものを発現ベクターとして用いればよい。かかる発現ベクターは、例えば、ファージベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、染色体ベクター、エピソームベクターおよびウイルス由来ベクター(例えば、細菌プラスミド、バクテリオファージ、酵母エピソーム、酵母染色体エレメントおよびウイルス(例えば、バキュロウイルス、パポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、トリポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルスおよびレトロウイルス))ならびにそれらの組合せに由来するベクター(例えば、コスミドおよびファージミド)を利用可能である。
細菌における使用に好ましいベクターの中には、例えば、pQE30、pQE60、pQE70、pQE80およびpQE9(Qiagenから入手可能);pTipQC1(Qiagenまたは北海道システムサイエンスから入手可能)、pTipRT2(北海道システムサイエンスから入手可能);pBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH8A、pNH16A、pNH18AおよびpNH46A(Stratageneから入手可能);ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540およびpRIT5(Addgeneから入手可能);pRSF(MERCKから入手可能);ならびにpAC((株)ニッポンジーンから入手可能)が含まれる。特に、大腸菌の場合には、例えば、pUCN18(pUC18(株)タカラバイオから入手可能)を改変して作製可能)、pSTV28((株)タカラバイオから入手可能)、pUCNT(国際公開第94/03613号公報)などが挙げられる。
また、上記遺伝子のインサートは、適切なプロモーターに作動可能に連結されることが好ましい。他の適切なプロモーターとしては、当業者に知られたものを利用可能であり、特に限定されないが、例えば、lacUV5プロモーター、trpプロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、lppプロモーター、tufBプロモーター、recAプロモーター、pLプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T5プロモーター、T7プロモーター、gapプロモーター、OmpAプロモーター、SV40初期プロモーターおよび後期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーターが挙げられる。
上記ベクターは、さらに、転写開始、転写終結のための部位、および、転写領域中に翻訳のためのリボゾーム結合部位を含むことが好ましい。ベクター構築物によって発現される成熟転写物のコード部分は、翻訳されるべきポリペプチドの始めに転写開始AUGを含み、そして終わりに適切に位置される終止コドンを含むことになる。
ベクターが導入される宿主としては、特に限定されないが、各種細胞を好適に用いることができる。適切な宿主の代表的な例としては、細菌、酵母、糸状菌、植物細胞、動物細胞等が挙げられ、特に大腸菌が好ましい。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は当分野で公知ものを利用可能である。
上記ベクターを宿主細胞に導入する方法、すなわち形質転換方法も特に限定されるものではなく、電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、マイクロインジェクション法、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入または感染等の従来公知の方法を好適に用いることができる。このような方法は、DavisらによるBasic Methods In Molecular Biology (1986)のような多くの標準的研究室マニュアルに記載されている。
<5.形質転換体>
本発明の一実施形態において、<3.遺伝子>の項に記載の遺伝子または<4.ベクター>の項に記載の組換えベクターを含む形質転換体を提供する。ここで、「遺伝子またはベクターを含む」とは、公知の遺伝子工学的手法(遺伝子操作技術)により、対象細胞(宿主細胞)内に発現可能に導入されていることを意味する。また、上記「形質転換体」とは、細胞・組織・器官のみならず、生物個体を含む意味である。
本形質転換体の作製方法(生産方法)としては、上述したベクターを形質転換する方法が挙げられる。また、形質転換の対象となる生物も特に限定されるものではなく、上記宿主細胞で例示した各種生物を挙げることができる。
本発明の一実施形態において使用される宿主細胞としては、導入した遺伝子またはベクターに含まれる遺伝子にコードされるタンパク質が発現可能な細胞であれば、特段限定されない。宿主細胞として利用可能な微生物としては、エシェリヒア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、セラチア(Serratia)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属等の細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属等の放線菌、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、クライベロマイセス(Kluyveromyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属、ヤロウイア(Yarrowia)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida)属等の酵母、ノイロスプラ(Neurospora)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、セファロスポリウム(Cephalosporium)属、トリコデルマ(Trichoderma)属等のカビが挙げられる。また、微生物以外でも、植物細胞、動物細胞等が宿主細胞として利用し得る。これらの中でも、導入および発現効率の観点から細菌が好ましく、大腸菌が特に好ましい。
〔ATPを利用した物質の製造〕
本発明の一実施形態において、ATPを利用した物質の製造は、ATP由来のエネルギーを消費して物質を製造する方法であれば特段限定されない。ATPを利用した物質の製造としては、例えば、酸化型グルタチオンの製造、還元型グルタチオンの製造、S-アデノシルメチオニンの製造、糖リン酸の製造、アセチルCoAの製造、プロパノイルCoAの製造、オキシルシフェリンの製造、グアノシン3’-二リン酸5’-三リン酸の製造、5-ホスホリボシル1-ピロリン酸の製造、アシル-CoAの製造、ビオチン-CoAの製造、アミノアシル-tRNAの製造、環状RNAの製造、L-アスパラギンの製造、L-アスパラギン酸の製造、糖ヌクレオチドの製造、3’-ホスホアデノシン-5’-ホスホ硫酸の製造等が挙げられる。当業者であれば、ATPを利用して物質を生成する酵素反応に関して、例えば、KEGG(http://www.genome.jp/kegg/)を検索することによって、上述した以外の反応も容易に理解することができる。
以下、ATPを利用した物質の製造の代表例として、<1.酸化型グルタチオンの製造方法>および<2.還元型グルタチオンの製造方法>について説明する。
<1.酸化型グルタチオンの製造方法>
本発明の一実施形態において、以下の(1)および(2)の工程を含むことを特徴とする、物質の製造方法を提供する。:
(1)L-グルタミン酸とL-シスチンとを反応させて、酸化型γ-グルタミルシステインを製造する工程、および
(2)上記(1)で得られた酸化型γ-グルタミルシステインとグリシンとを反応させて、酸化型グルタチオンを製造する工程。
本発明の一実施形態における酸化型グルタチオンの製造方法は、国際公開第2016/002884号公報に記載された方法であることが好ましい。
本発明の一実施形態において、上記工程(1)は、例えば、以下の式により表される。
Figure 0007098608000003
上記工程(1)では、GSHIとATPとの存在下で、L-シスチンとL-グルタミン酸とを反応させることにより酸化型γ-グルタミルシステインを生成することを特徴とする。
上記工程(1)で用いられるGSHIは、上記の活性を有する限り特に限定されない。GSHIの起源は、特に限定されず、微生物、動物、植物等に由来するものを用いることができる。微生物由来のGSHIが好ましく、特にエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等の腸内細菌や、コリネ型細菌、好熱菌・耐熱菌、好冷菌・耐冷菌、好酸菌・耐酸菌、好塩基菌・耐塩基菌、メチロトローフ、ハロゲン耐性菌、硫黄細菌、放射能耐性菌等の細菌、酵母等の真核微生物等に由来するGSHIが好ましい。
また、本発明の一実施形態において、上記工程(2)は、例えば、以下の式により表される。
Figure 0007098608000004
一方、上記工程(2)では、GSHIIとATPとの存在下で、酸化型γ-グルタミルシステインとグリシンとを反応させることにより酸化型グルタチオンを生成することを特徴とする。
上記工程(2)で用いられるGSHIIは、上記の活性を有する限り特に限定されない。GSHIIの起源は、特に限定されず、微生物、動物、植物等に由来するものを用いることができる。微生物由来のGSHIIが好ましく、特にエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等の腸内細菌や、コリネ型細菌、好熱菌・耐熱菌、好冷菌・耐冷菌、好酸菌・耐酸菌、好塩基菌・耐塩基菌、メチロトローフ、ハロゲン耐性菌、硫黄細菌、放射能耐性菌等の細菌、酵母等の真核微生物等に由来するGSHIIが好ましい。
本発明の一実施形態において、上記GSHIおよびGSHIIのどちらか一方、または両方の代わりに、GSHFを用いてもよい。GSHFは、GSHIおよびGSHIIの二つの酵素が有する機能を併せ持った二機能性のグルタチオン合成酵素であり、GSHIおよびGSHIIの代替として利用できる限り、特段限定されない。GSHFの起源は、特に限定されず、微生物、動物、植物等に由来するものを用いることができる。微生物由来のGSHFが好ましく、特にエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等の腸内細菌や、コリネ型細菌、好熱菌・耐熱菌、好冷菌・耐冷菌、好酸菌・耐酸菌、好塩基菌・耐塩基菌、メチロトローフ、ハロゲン耐性菌、硫黄細菌、放射能耐性菌、乳酸菌等の細菌、酵母等の真核微生物等に由来するGSHFが好ましい。さらに、例えば、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス・サングイニス(Streptococcus sanguinis)、ストレプトコッカス・ゴルドニ(Streptococcus gordonii)、ストレプトコッカス・ウベリス(Streptococcus uberis)等のストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌;ラクトバシルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバシルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバシルス・パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバシルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバシルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)等のラクトバシルス(Lactobacillus)属細菌;デスルフォタレア・サイクロフィラ(Desulfotalea psychrophila)等のデスルフォタレア(Desulfotalea)属細菌;クロストリジウム・パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)等のクロストリジウム(Clostridium)属細菌;リステリア・イノキュア(Listeria innocua)、リステリア・モノサイトジェネス(Listeria monocytogenes)等のリステリア(Listeria)属細菌;エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・イタリカス(Enterococcus italicus)等のエンテロコッカス(Enterococcus)属細菌;パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)等のパスツレラ(Pasteurella)属細菌;マンハイミア・スクシニシプロデュセンス(Mannheimia succiniciprodecens)等のマンハイミア(Mannheimia)属細菌;及び、ヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)等のヘモフィルス(Haemophilus)属細菌;アクチノバチルス・スクシノジェネス(Actinobacillus succinogenes)、アクチノバチルス・リュウロニュウモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)等のアクチノバチルス(Actinobacillus)属細菌;バチルス・セレウス(Bacillus cereus)等のバチルス(Bacillus)属細菌からなる群から選択される少なくとも1種に由来するGSHFが好ましい。
本発明の一実施形態において、上記10種類のPPK2は、γ-グルタミルシステイン合成酵素(GSHI)、グルタチオン合成酵素(GSHII)および二機能性グルタチオン合成酵素(GSHF)からなる群より選択される少なくとも一つと共役して機能することを特徴とする。
上記10種類のPPK2と、GSHI、GSHIIおよびGSHFからなる群より選択される少なくとも一つとの組み合わせは、高変換率で酸化型グルタチオンが製造できる限り特に限定されず、任意の組み合わせを用いることができる。また、GSHI、GSHIIおよびGSHFのそれぞれと組み合わせるPPK2は、異なった種類のものであってもよく、同じ種類のものであってもよい。
本発明の一実施形態において、PPK2、GSHI、GSHIIおよびGSHFは、それぞれの酵素活性を有する生物の細胞を生細胞のまま用いてもよいし、死滅しているが損傷していない前記細胞の形態で用いてもよいし、上記それぞれの酵素が細胞外に存在する形態、具体的には、前記生物の細胞の粉砕物の形態で用いてもよいし、前記細胞から分離され精製されたタンパク質の形態で用いてもよい。好ましくは、PPK2活性を有する生細胞を用いない。より好ましくはPPK2活性を有する生細胞および損傷していない死滅細胞を用いない。
本発明の一実施形態において、ポリリン酸混合物は、酸化型グルタチオンへの変換率の観点から、工程(1)および(2)の両方の工程において用いられる(すなわち、添加される)ことが好ましいが、工程(1)および(2)のいずれか一方の工程のみで用いられてもよい。
<2.還元型グルタチオンの製造方法>
本発明の一実施形態において、以下の(1)および(2)の工程を含むことを特徴とする、物質の製造方法を提供する。:
(1)L-グルタミン酸とL-システインとを反応させて、γ-グルタミルシステインを製造する工程、および
(2)上記(1)で得られたγ-グルタミルシステインとグリシンとを反応させて、還元型グルタチオンを製造する工程。
本発明の一実施形態における還元型グルタチオンの製造方法は、WO2016/017631に記載された方法であることが好ましい。WO2016/017631には、還元型グルタチオンの酸化を防ぐために窒素雰囲気下で反応することが記載されているが、還元型グルタチオンの製造は、窒素雰囲気下の反応に限定されない。
本発明の一実施形態において、上記工程(1)は、例えば、以下の式により表される。
Figure 0007098608000005
上記工程(1)では、GSHIとATPとの存在下で、L-システインとL-グルタミン酸とを反応させることによりγ-グルタミルシステインを生成することを特徴とする。
上記工程(1)で用いられるGSHIは、上記の活性を有する限り特に限定されない。GSHIの起源は、特に限定されず、微生物、動物、植物等に由来するものを用いることができる。微生物由来のGSHIが好ましく、特にエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等の腸内細菌や、コリネ型細菌等の細菌、酵母等の真核微生物等に由来するGSHIが好ましい。
また、本発明の一実施形態において、上記工程(2)は、例えば、以下の式により表される。
Figure 0007098608000006
一方、上記工程(2)では、GSHIIとATPとの存在下で、γ-グルタミルシステインとグリシンとを反応させることにより還元型グルタチオンを生成することを特徴とする。
上記工程(2)で用いられるGSHIIは、上記の活性を有する限り特に限定されない。GSHIIの起源は、特に限定されず、微生物、動物、植物等に由来するものを用いることができる。微生物由来のGSHIIが好ましく、特にエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等の腸内細菌や、コリネ型細菌等の細菌、酵母等の真核微生物等に由来するGSHIIが好ましい。
本発明の一実施形態において、上記GSHIおよびGSHIIのどちらか一方、または両方の代わりに、GSHFを用いてもよい。GSHFの機能、由来等については、<1.酸化型グルタチオンの製造方法>で記載したものと同様である。
本発明の一実施形態において、上記10種類のPPK2は、γ-グルタミルシステイン合成酵素(GSHI)、グルタチオン合成酵素(GSHII)および二機能性グルタチオン合成酵素(GSHF)からなる群より選択される少なくとも一つと共役して機能することを特徴とする。
上記10種類のPPK2と、GSHI、GSHIIおよびGSHFからなる群より選択される少なくとも一つとの組み合わせは、高変換率で還元型グルタチオンが製造できる限り特に限定されず、任意の組み合わせを用いることができる。また、GSHI、GSHIIおよびGSHFのそれぞれと組み合わせるPPK2は、異なった種類のものであってもよく、同じ種類のものであってもよい。
本発明の一実施形態において、PPK2、GSHI、GSHIIおよびGSHFは、それぞれの酵素活性を有する生物の細胞を生細胞のまま用いてもよいし、死滅しているが損傷していない前記細胞の形態で用いてもよいし、上記それぞれの酵素が細胞外に存在する形態、具体的には、前記生物の細胞の粉砕物の形態で用いてもよいし、前記細胞から分離され精製されたタンパク質の形態で用いてもよい。好ましくは、PPK2活性を有する生細胞を用いない。より好ましくはPPK2活性を有する生細胞および損傷していない死滅細胞を用いない。
本発明の一実施形態において、ポリリン酸混合物は、還元型グルタチオンへの変換率の観点から、工程(1)および(2)の両方の工程において用いられる(すなわち、添加される)ことが好ましいが、工程(1)および(2)のいずれか一方の工程のみで用いられてもよい。
すなわち、本発明の一態様は、以下の発明を包含する。
〔1〕ATPを利用して物質を製造する方法であって、当該製造方法においてATPから生成されたADPに、2型ポリリン酸キナーゼとポリリン酸とを反応させてATPを再生するATP再生反応と、当該製造方法とが共役しており、当該製造方法で利用されるATPは、当該製造方法と共役している当該ATP再生反応によって再生されたATPを含み、当該2型ポリリン酸キナーゼの基質として、重合度15以上のポリリン酸を48%以上含むポリリン酸混合物とを用いることを特徴とする物質の製造方法。
〔2〕上記ポリリン酸混合物が、重合度15以上のポリリン酸を50%以上含むことを特徴とする、〔1〕に記載の物質の製造方法。
〔3〕上記2型ポリリン酸キナーゼが、Pseudomonas aeruginosa由来2型ポリリン酸キナーゼ、Synechococcus sp. PCC6312株由来2型ポリリン酸キナーゼ、Corynebacterium efficiens由来2型ポリリン酸キナーゼ、Kineococcus radiotolerans由来2型ポリリン酸キナーゼ、Pannonibacter indicus由来2型ポリリン酸キナーゼ、Deinococcus radiodurans K1株由来2型ポリリン酸キナーゼ、Gulbenkiania indica由来2型ポリリン酸キナーゼ、Arthrobactor aurescens TC1由来2型ポリリン酸キナーゼ、Thiobacillus denitrificans ATCC25259株由来2型ポリリン酸キナーゼ、およびPseudomonas fluorescens由来2型ポリリン酸キナーゼからなる群より選択される少なくとも一つであることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の物質の製造方法。
〔4〕上記2型ポリリン酸キナーゼが、γ-グルタミルシステイン合成酵素、グルタチオン合成酵素および二機能性グルタチオン合成酵素からなる群より選択される少なくとも一つと共役して機能することを特徴とする、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の物質の製造方法。
〔5〕上記物質の製造方法が、酸化型グルタチオンの製造方法または還元型グルタチオンの製造方法であることを特徴とする、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の物質の製造方法。
〔6〕上記物質の製造方法が、酸化型グルタチオンの製造方法であり、以下の(1)および(2)の工程を含むことを特徴とする、〔5〕に記載の物質の製造方法:
(1)L-グルタミン酸とL-シスチンとを反応させて、酸化型γ-グルタミルシステインを製造する工程、および
(2)上記(1)で得られた酸化型γ-グルタミルシステインとグリシンとを反応させて、酸化型グルタチオンを製造する工程。
その他、上記の各項目で記載した内容は、他の項目においても適宜援用できることを付言する。また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
〔参考例1〕ポリリン酸キナーゼ用発現ベクターの構築
国際公開第2006/080313号公報に記載の情報に基づき、Pseudomonas aeruginosa由来ポリリン酸キナーゼ(NCBI Reference Sequence:WP_023109529)(アミノ酸配列:配列番号1、塩基配列:配列番号11)のN末端側81アミノ酸を切断し、82番目のアラニンを開始コドンであるメチオニンに置換したポリペプチドをコードする遺伝子を大腸菌宿主に対応するようコドン最適化した遺伝子配列の5’端にNdeIサイト、3’端にEcoRIサイトを付加した配列をユーロフィンジェノミクス社にて化学合成した。この遺伝子をNdeI及びEcoRIで消化し、プラスミドpUCN18(PCR法によりpUC18(タカラバイオ社製)の185番目のTをAに改変してNdeIサイトを破壊し、更に471-472番目のGCをTGに改変することにより新たにNdeIサイトを導入したプラスミド)のlacプロモーターの下流のNdeI認識部位とEcoRI認識部位の間に挿入し、組換えベクターpPPKを構築した。
〔参考例2〕ポリリン酸キナーゼを発現する組換え生物の作製
参考例1で構築した組換えベクターpPPKを用いて、E.coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を形質転換し、組換え生物E.coli HB101(pPPK)を得た。また、pUCN18を用いて、E.coli HB101コンピテントセル(タカラバイオ社製)を形質転換し、組換え生物E.coli HB101(pUCN18)を得た。
〔参考例3〕組換え生物におけるポリリン酸キナーゼ遺伝子の発現
参考例2で得た2種類の組換え生物(E.coli HB101(pUCN18)、E.coli HB101(pPPK)を、200μg/mlのアンピシリンを含む、5mlの2×YT培地(1.6% トリプトン、1.0% イーストエキス、0.5% 塩化ナトリウム、pH7.0)に接種し、37℃で24時間振盪培養した。上記の培養で得られたそれぞれの培養液について、遠心分離により菌体を集め、1mlの50mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0)に懸濁した。これを、UH-50型超音波ホモゲナイザー(SMT社製)を用いて破砕した後、遠心分離により菌体残渣を除去し、無細胞抽出液を得た。
これらの無細胞抽出液を用いて、ポリリン酸キナーゼ活性を測定した。ポリリン酸キナーゼ活性は、50mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0)に、5mM メタリン酸ナトリウム(和光純薬社製)、10mM ADP二ナトリウム塩(オリエンタル酵母社製)、70mM 硫酸マグネシウム(和光純薬社製)、および無細胞抽出液を添加して、30℃で5分間反応を行い、生成したATPをHPLC分析により定量した。この反応条件において、1分間に1μmolのATPを生成する酵素活性を1Uと定義した。その結果、E.coliHB101(pUCN18)については、ATP生成活性は、5U/mL以下であった。
〔参考例4〕ポリリン酸キナーゼの調製
参考例2で取得したE.coli HB101(pPPK)を200μg/mlのアンピシリンを含む、50mlの2×YT培地(1.6% トリプトン、1.0% イーストエキス、0.5% NaCl、pH7.0)に接種し、37℃で24時間振とう培養した。参考例3に記載の方法で酵素活性を測定すると、酵素活性は、120U/mLであった。続いて、遠心分離により菌体を集め、2.5mlの50mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0)に懸濁し、超音波破砕したものを酵素液とした。
〔製造例1〕酸化型グルタチオンの製造
(A)L-グルタミン酸とL-シスチンとから酸化型γ-グルタミルシステインを製造する工程、および(B)酸化型γ-グルタミルシステインとグリシンとから酸化型グルタチオンを製造する工程の2段階の工程により、酸化型グルタチオンの製造を行った(国際公開第2016/002884号公報の<実施例1>に記載された方法を一部改変した方法により、酸化型γ-グルタミルシステインの製造を行った。)。
<工程(A)>
0.3629gのL-グルタミン酸Na1水和物(2.15mmol)、0.3113gのL-シスチン2塩酸塩(0.99mmol)、0.7079gの硫酸マグネシウム7水和物、0.0583gのATP(0.11mmol)、0.8gのメタリン酸Na、12gの蒸留水を混合し、0.8gの15重量% 水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.5に調整した。その溶液に、2gの大腸菌K12株由来γ-グルタミルシステイン合成酵素(GSHI)酵素液、および反応液中の総PPK2活性が20U/mLとなるようにポリリン酸キナーゼ酵素液を添加し、反応を開始した。反応温度は30℃で、6~8時間の反応を行なった。
なお、上記GSHI酵素液の調製は、それぞれ、国際公開第2016/002884号公報の実験1および実験4に基づいて行った。
また、上記ポリリン酸キナーゼ酵素液は、参考例1~4と同様の方法により調製した。
<工程(B)>
続いて、上記反応液に、0.19gのグリシン(2.53mmol)、2gのグルタチオン合成酵素液、既定量のポリリン酸キナーゼ酵素液、0.21gの硫酸マグネシウム7水和物、0.04gのATP、0.92gのメタリン酸Na水溶液(36.2wt%)を添加し、反応を開始した。この際、1.1gの15重量% 水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.5に調整した。反応温度は30℃で、8時間の反応を行なった。その後、反応を停止させ、反応液を分析した。
なお、上記GSHIIは、特願2016-214073に記載の改変型グルタチオン合成酵素(V260A)を用いた。
また、上記ポリリン酸キナーゼ酵素液は、参考例1~4と同様の方法により調製した。
〔実施例1〕ポリリン酸混合物を用いた酸化型グルタチオンの製造
ATP再生系において2型ポリリン酸キナーゼの基質となるポリリン酸混合物を複数調製して、酸化型グルタチオンの製造を行った。ポリリン酸混合物の調製は、当該技術分野における通常の方法に基づいてポリリン酸の合成を行い、それを混合することによって行った。また、酸化型グルタチオンの製造は、製造例1の方法に基づいて行った。
その結果、特定のポリリン酸混合物を用いた場合に、酸化型グルタチオンの変換率が高まることが見出された。
そこで、酸化型グルタチオンへの変換効率が高かったポリリン酸混合物について、ポリリン酸の重合度の分析を行った。分析条件は、以下に示す。
<分析条件>
・イオンクロマトグラフ
・機種:サーモフィッシャーサイエンティフィック製ICS-2100
・カラム:IonPac AG11,AS11(4mm×250mm)
・溶離液:KOHグラジエント
・溶離液流量:1.0mL/分
・試料注入量:25μL
・カラム温度:35℃
・検出器:電気伝導度検出器
各重合度の含量の算出は、全ピークの面積の和を100%とし、各ピークの面積の割合を算出することにより行った。
その結果、ポリリン酸混合物内の高重合度のポリリン酸の分布は、以下の通りであった(図1参照)。
・重合度15以上のポリリン酸が48%以上。
・重合度20以上のポリリン酸が31%以上。
・重合度36以上のポリリン酸が4%以上。
・重合度43以上のポリリン酸が2%以上。
・重合度50以上のポリリン酸が2%以上。
したがって、このような高重合度のポリリン酸を一定量以上含むポリリン酸の混合物をPPK2によるATP再生系の基質として使用した場合に、高い変換率で、酸化型グルタチオンを製造できることが明らかとなった。
〔実施例2〕新規ポリリン酸キナーゼの酵素活性
データベース検索の結果、ポリリン酸キナーゼ活性を有すると推定される以下の8種類のポリリン酸キナーゼおよび既知のDR PPK2について、参考例1~4と同様の方法によりポリリン酸キナーゼ酵素液を調製し、参考例3と同様の方法により酵素活性を測定した。
・Synechococcus sp. PCC6312由来PPK2(Sy PPK2):配列番号2
・Corynebacterium efficiens由来PPK2(CE PPK2):配列番号3
・Kineococcus radiotolerans由来PPK2(KR PPK2):配列番号4
・Pannonibacter indicus由来PPK2(PI PPK2):配列番号5
・Deinococcus radiodurans K1株由来PPK2(DR PPK2):配列番号6
・Gulbenkiania indica由来PPK2(GI PPK2):配列番号7
・Arthrobactor aurescens TC1由来PPK2(AA PPK2):配列番号8
・Thiobacillus denitrificans ATCC25259株由来PPK2(TD PPK2):配列番号9
・Pseudomonas fluorescens由来PPK2(PF PPK2)(天然のPF PPK2(配列番号10)からアミノ酸のN末端側1~85を除去し、P86M変異を導入したもの、および、N末端側1~86を除去し、G87M変異を導入したものを使用。)
その結果、上記8種類の新規ポリリン酸キナーゼのすべてが、酵素活性を有することが明らかとなった。また、既知のDR PPK2についても酵素活性を有することが確認された。
PI PPK2の酵素活性は、138U/mLであり、PNDK(120U/mL(参考例4参照))と比較して、高いことが明らかとなった。
なお、上記と同様の実験を、調製後13日間室温で放置したポリリン酸混合物溶液を用いて行った場合、調製後すぐのポリリン酸混合物溶液を用いて行った場合(これを100%とすると)と比較して、73%のPI PPK2酵素活性を示した。
〔実施例3〕種々のポリリン酸混合物を用いた酸化型グルタチオンの製造
製造例1の方法に基づいて、酸化型グルタチオンの製造を行った。
ポリリン酸キナーゼは、以下の3種類のポリリン酸キナーゼを使用した(工程(A)および工程(B)間で同種類の酵素を使用)。
・Pseudomonas aeruginosa由来PPK2(PNDK)(野生型PNDK(配列番号1)のN末端側81アミノ酸を切断し、82番目のアラニンを開始コドンであるメチオニンに置換したタンパク質を使用)
・Pannonibacter indicus由来PPK2(PI PPK2)
・Synechococcus sp. PCC6312株由来PPK2(Sy PPK2)
また、PNDK、PI PPK2およびSy PPK2の各々について、以下の表1に示す条件で、実験を行った。反応液中の酵素活性は、培養液あたりの酵素活性に基づいて、培養液(菌体)を一定量添加することにより調整した。
Figure 0007098608000007
工程(B)におけるポリリン酸キナーゼ酵素液の添加量は、反応液中のPPK2活性が表2に記載したものとなる量とした。
Figure 0007098608000008
上記に基づいて、酸化型グルタチオンの製造を行った結果を、以下の表3に示す。
Figure 0007098608000009
上記結果より、いずれのポリリン酸キナーゼを用いた場合も、保存期間が長いメタリン酸水溶液を用いると、酸化型グルタチオンへの変換率が低減することが分かった(PNDK:実験Aと実験Bとの比較、PI PPK2:実験C~Fと実験G~Hとの比較、Sy PPK2:実験Iと実験Jとの比較)。
すなわち、保存期間が短いメタリン酸水溶液を用いた場合に比べて、保存期間が長いメタリン酸水溶液を用いた場合は、反応液中のPPK2酵素活性が高かったにもかかわらず、酸化型グルタチオンへの変換率は低い結果となった(PNDK:実験Aと実験Bとの比較、PI PPK2:実験Fと実験Gとの比較、Sy PPK2:実験Iと実験Jとの比較)。これは、実験B、G、Jにおいて、反応系中のPPK2活性は十分であったが、ポリリン酸キナーゼの基質となるメタリン酸が、保存期間中に分解され不足したためであると推察される。
〔実施例4〕ポリリン酸混合物の組成(重合度)の変動(1)
実施例3の結果を受けて、保存期間によりポリリン酸混合物の組成が変化していることを調べるために、以下の実験を行った。
具体的には、メタリン酸Naに水を添加して、50w/v%のメタリン酸Naをサンプル1として調製した。サンプル1を調製してから13日後に、別途、50w/v%のメタリン酸Naを調製した(サンプル2)。サンプル2を調製した日に、サンプル1およびサンプル2に含まれるメタリン酸の重合度について分析を行った。分析条件は以下の通りである。
<分析条件>
・イオンクロマトグラフ
・機種:サーモフィッシャーサイエンティフィック製ICS-2100
・カラム:IonPac AG11,AS11(4mm×250mm)
・溶離液:KOHグラジエント
・溶離液流量:1.0mL/分
・試料注入量:25μL
・カラム温度:35℃
・検出器:電気伝導度検出器
結果を図2に示す。図2から明らかなように、調製後に13日間放置したサンプル1は、調製後すぐに分析を行ったサンプル2に比べて、高重合度のメタリン酸が減少していた。この結果から、メタリン酸の水溶液を常温で放置しておくと、高重合度のものから分解されることが明らかとなった。
また、本結果および実施例3の結果を併せると、ポリリン酸キナーゼによって効率的にADPからATPへの変換反応を行うためには、ポリリン酸キナーゼの酵素活性が十分であることだけでなく、その基質となるメタリン酸が適切な状態である(すなわち、高重合度のメタリン酸が存在する)ことが必要であることが示唆される。
〔実施例5〕ポリリン酸混合物の組成(重合度)の変動(2)
酸化型グルタチオンの製造過程において、ポリリン酸混合物の組成(重合度)が変動していることを調べるために、以下の実験を行った。
具体的には、実施例3の実験Gと同様の実験を行い、工程(a)および工程(b)のそれぞれの工程の完了直後の反応液を回収し、含まれるポリリン酸の組成(重合度)を調べた。組成(重合度)の分析は、実施例4に記載の方法に基づいて行った。
また、PPK2による消費前の(使用前の)ポリリン酸混合物として、実施例4のサンプル2(調製後すぐのポリリン酸混合物)を使用した。
結果を図3に示す。図3において、(a)は調製後すぐのポリリン酸混合物組成(重合度)を、(b)は工程(A)の完了後のポリリン酸混合物の組成(重合度)を、(c)は工程(B)の完了後のポリリン酸混合物の組成(重合度)を示す。
この結果より、PPK2によるATP再生反応には、高重合度のポリリン酸が優先的に使用されることが明らかとなった。
本発明は、安価で、かつ、高い変換率で、ATPを利用した物質の製造を行うことができるため、酸化型グルタチオンの製造や還元型グルタチオンの製造等の分野において利用することができる。

Claims (4)

  1. ATPを利用して物質を製造する方法であって、当該製造方法においてATPから生成されたADPに、2型ポリリン酸キナーゼとポリリン酸とを反応させてATPを再生するATP再生反応と、当該製造方法とが共役しており、当該製造方法で利用されるATPは、当該製造方法と共役している当該ATP再生反応によって再生されたATPを含み、当該2型ポリリン酸キナーゼの基質として、重合度15以上のポリリン酸を50%以上含むポリリン酸混合物を用い、上記2型ポリリン酸キナーゼが、配列番号5で示されるアミノ酸配列からなるPannonibacter indicus由来2型ポリリン酸キナーゼと配列同一性が90%以上であり、かつ、2型ポリリン酸キナーゼ活性を有する2型ポリリン酸キナーゼであることを特徴とする物質の製造方法。
  2. 上記2型ポリリン酸キナーゼが、γ-グルタミルシステイン合成酵素、グルタチオン合成酵素および二機能性グルタチオン合成酵素からなる群より選択される少なくとも一つと共役して機能することを特徴とする、請求項1に記載の物質の製造方法。
  3. 上記物質の製造方法が、酸化型グルタチオンの製造方法または還元型グルタチオンの製造方法であることを特徴とする、請求項1または2に記載の物質の製造方法。
  4. 上記物質の製造方法が、酸化型グルタチオンの製造方法であり、以下の(1)および(2)の工程を含むことを特徴とする、請求項に記載の物質の製造方法:
    (1)L-グルタミン酸とL-シスチンとを反応させて、酸化型γ-グルタミルシステインを製造する工程、および
    (2)上記(1)で得られた酸化型γ-グルタミルシステインとグリシンとを反応させて、酸化型グルタチオンを製造する工程。
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