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JP7091848B2 - アクリル変性ポリシロキサン化合物を含む組成物及びその製造方法、硬化物、基板、硬化物付基板、車両、並びに硬化物付車両 - Google Patents

アクリル変性ポリシロキサン化合物を含む組成物及びその製造方法、硬化物、基板、硬化物付基板、車両、並びに硬化物付車両 Download PDF

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JP7091848B2
JP7091848B2 JP2018104538A JP2018104538A JP7091848B2 JP 7091848 B2 JP7091848 B2 JP 7091848B2 JP 2018104538 A JP2018104538 A JP 2018104538A JP 2018104538 A JP2018104538 A JP 2018104538A JP 7091848 B2 JP7091848 B2 JP 7091848B2
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Description

本発明は、塗料として使用し得る、アクリル変性ポリシロキサン組成物を含む組成物及びその製造方法、該組成物が塗布された基板及び車両に関する。
通常、自動車、航空機、鉄道車両、家屋、建造物、橋梁等の屋外環境下で使用される構造物は、風雨、土砂、金属粉等に晒されて次第に美観が損なわれていくため、定期的に洗浄作業等のメンテナンスが必要となる。メンテナンス中は対象物が一時的に使用できなくなるため、作業自体の労力に加え、代替手段の用意等にも多大なコストが生じる。そのため、可能な限りメンテナンス頻度を少なくする方法が求められている。
こうした問題に対し、対象物の表面に防汚塗料を施す手法が提案されている。例えば、撥水撥油性官能基を導入した、ウレタン系やアクリル系等の樹脂を含む塗料を対象物の表面にコーティングすることで汚れを付着させない手法が知られている。しかし、これら有機樹脂は耐候性に乏しいため、紫外線による樹脂自体の劣化が問題となっていた。これに対し、塗料に紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安定剤を添加して樹脂の劣化を防ぐ例もあるが、添加剤のブリードや流れ出し等による外観不良が生じるという問題がある。
一方、ケイ素系樹脂を用いた塗料も提案されている。例えば、特許文献1では、コロイド状のシリカを用いることにより、塗料に耐候性を付与することができるが、折り曲げ耐性が決して十分ではなく、例えば曲面の外装部に塗装した際は、硬化時にクラックが生じるおそれがあり、使用用途が限定されていた。
また、有機成分及び無機成分のハイブリッド系の樹脂による防汚塗料も提案されている。例えば、特許文献2では、(メタ)アクリレート系樹脂をシロキサン骨格で変性することで防汚性を付与した塗料樹脂組成物が提案されている。しかし、その塗料樹脂組成物においては硬化方法が紫外線であるため、照射装置の構造上、建造物や車両用途に適用するには不向きであった。その他、ウレタン系やアルコキシシロキサンを用いた硬化系の塗料も散見されるが、いずれも2液硬化方式のためポッドライフの制約があり、塗装時はその都度施工者による調製が必要で、作業性の根本的な改善には至っていなかった。
特開2013-81941号公報 特開2003-165929号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものである。すなわち、本発明の目的は、耐汚染性、及び耐候性に優れ、かつ、容易に塗装及び硬化させることができる、ポリシロキサンアクリル変性化合物を含む組成物及びその製造方法、該組成物が塗布された基板並びに車両を提供することにある。
前記課題を解決する手段は以下の通りである。
[1]下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有するアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)を含む組成物。
Figure 0007091848000001

[mは1以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、Rは水素原子又はメチル基、Rは2価の結合基を示す。]
Figure 0007091848000002

[nは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
[2]下記一般式(1)で表される構造単位に少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物を重合させてなる構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを少なくとも有するアクリル変性ポリシロキサン化合物(B)を含む組成物。
Figure 0007091848000003

[mは1以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、Rは水素原子又はメチル基、Rは2価の結合基を示す。]
Figure 0007091848000004

[nは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
[3]下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有するアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)を準備する工程と、
Figure 0007091848000005

[mは1以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、Rは水素原子又はメチル基、Rは2価の結合基を示す。]
Figure 0007091848000006

[nは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)と、少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物とを重合する工程と、を含む組成物の製造方法。
[4]前記 [1]又は前記 [2]に記載の組成物を硬化させて得られる、硬化物。
[5]前記[1]又は前記[2]に記載の組成物が塗布された基板。
[6]前記 [5]に記載の前記組成物を硬化させて得られる、硬化物付基板。
[7]前記[1]又は前記[2]に記載の組成物が塗布された車両。
[8]前記 [7]に記載の前記組成物を硬化させて得られる、硬化物付車両。
本発明によれば、耐汚染性、折り曲げ耐性、及び耐候性に優れ、かつ、容易に塗装及び硬化させることができる、ポリシロキサンアクリル変性化合物を含む組成物及びその製造方法、該組成物が塗布された基板並びに車両を提供することができる。
<組成物>
本実施形態の組成物としては、第1の実施形態及び第2の実施形態の2つの形態があり、いずれの組成物も塗料として好適に使用し得る。以下にまず、第1の実施形態の組成物について説明する。
(第1の実施形態)
第1実施形態の組成物は、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有するアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)を含む。
Figure 0007091848000007

[mは1以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、Rは水素原子又はメチル基、Rは2価の結合基を示す。]
Figure 0007091848000008

[nは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
第1の実施形態の組成物は、アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)がシロキサン骨格を有することで耐汚染性及び耐候性に優れる。さらに、アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)は、一般式(2)のシラノール基を有することで加熱により脱水縮合するため、加熱により硬化させることができる。さらに、本実施形態の組成物は当該組成物のみ、つまり1液で硬化することから、塗装時に他の液体と混合する等の調製を要しないため塗装が容易である。
一般式(1)中、mは1以上の自然数を示すが、1~10が好ましく、1~6がより好ましく、1~3がさらに好ましい。
はフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。Rが示す炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基が挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メチルブチル基、イソヘキシル基、2-メチルヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1-アダマンチル基、2-ノルボルニル基等の直鎖状、分枝状、又は環状のアルキル基が挙げられる。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1-プロペニル基、1-ブテニル基、1-メチル-1-プロペニル基、1-シクロペンテニル基、1-シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝状、又は環状のアルケニル基が挙げられる。アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1-プロピニル基、1-ブチニル基、1-オクチニル基等が挙げられる。
が示す炭化水素基としては、上記の中でも、メチル基又はフェニル基が好ましい。
が示す炭化水素基には任意の置換基を有していてもよく、当該置換基の例としては、エーテル基、フルオロ基、エポキシ基等が挙げられる。
は水素原子又はメチル基を示すが、一般式(1)のRに結合する原子団(Rの2つの結合手のうち、O原子と結合する側)が、Rが水素原子の場合はアクリロイル基を、Rがメチル基の場合はメタクリロイル基を示す。
は2価の結合基を示す。Rが示す2価の結合基としては、下記一般式(3)で示される結合基、炭素数1~20の2価の炭化水素基又はアルキレンエーテル基が挙げられる。なお、アルキレンエーテル基とは、1以上のアルキレン基と、1以上のエーテル結合とを有する2価の基である。炭化水素基及びアルキレン基はそれぞれ任意の置換基を有していてもよい。当該置換基の例としては、エーテル基、フルオロ基、エポキシ基等が挙げられる。
Figure 0007091848000009

[p及びqはそれぞれ独立に0~2の整数(ただし、p+q≦2)、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和又は不飽和の炭化水素基、Rはメチル基又はエチル基であり、Rは炭素数1~20の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。]
一般式(3)中、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。Rが示す炭化水素基としては、Rが示す炭化水素基と同様である。
一般式(3)中、O原子(ORと表されるO原子とは異なり、式中で一方の結合手がSi原子と結合し、もう一方の結合手は特定の原子と結合していないO原子)の結合手のうち、特定の原子と結合していない結合手は、一般式(1)中のSi原子と結合していてもよい。
は炭素数1~20の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。Rが示す2価の炭化水素基としては、既述のRが示す炭化水素基中のいずれかの水素原子を結合手に置き換えたものが該当する。
p及びqはそれぞれ独立に0~2の整数(ただし、p+q≦2)を示し、p+q≦1において、p=0、q=0に対応するR、ORの部分は水素原子となる。また、p=2、q=0である場合には、Rで示される置換基がそれぞれ独立して2つ存在し、ORで示される置換基は存在しないことを示す。p=0、q=2である場合には、ORで示される置換基がそれぞれ独立して2つ存在し、Rで示される置換基は存在しないことを示す。反応性向上の観点から、p=0、q=2の場合が好ましい。
一方、Rが示す炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、既述のRが示す炭化水素基中のいずれかの水素原子を結合手に置き換えたものが該当する。
一般式(2)中、nは3以上の自然数を示すが、10~90が好ましく、30~80が好ましい。
はフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。Rが示す炭化水素基としては、一般式(1)のRが示す炭化水素基と同様である。
本実施形態におけるアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)において、塗膜形成時の曲げ耐性の観点から、mとnの比は、0.5:100~10:100であることが好ましく、1:100~5:100であることがより好ましい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の組成物は、下記一般式(1)で表される構造単位に少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物を重合させてなる構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを少なくとも有するアクリル変性ポリシロキサン化合物(B)を含む。
Figure 0007091848000010

[mは1以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、Rは水素原子又はメチル基、Rは2価の結合基を示す。]
Figure 0007091848000011

[nは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
第2の実施形態の組成物におけるアクリル変性ポリシロキサン化合物(B)においては、アクリル変性ポリシロキサン化合物(B)の一般式(1)で表される構造単位に、少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物を重合させてなる点で、第1の実施形態の組成物におけるアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)とは異なる。それ以外の構造は、第1の実施形態の組成物におけるアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)と同様であり、それぞれ同一の置換基、構造単位数等には同じ記号(アルファベット)で示すことで説明を省略する。
第2の実施形態の組成物は、アクリル変性ポリシロキサン化合物(B)がシロキサン骨格を有することで耐汚染性及び耐候性に優れる。また、アクリル変性ポリシロキサン化合物(B)は、一般式(1)で示される構造単位に少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物を重合させているため柔軟性に富み、折り曲げ耐性に優れる。さらに、アクリル変性ポリシロキサン化合物(B)は、一般式(2)のシラノール基を有することで加熱により脱水縮合するため、加熱により硬化させることができる。さらに、本実施形態の組成物は当該組成物のみ、つまり1液で硬化することから、塗装時に他の液体と混合する等の調製を要しないため塗装が容易である。
一般式(1)で示される構造単位に重合させるエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ターシャリーブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ターシャリーブチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベヘニル等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、メタクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有単量体、アクリロニトリル等ニトリル基を有するビニル単量体、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール) モノアクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール) モノアクリレート、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール) モノメタクリレート等の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ) アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール) モノメタクリレート等のアルキル基又はアリール基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する化合物の中でも、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。これらの単量体は単独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル変性ポリシロキサン化合物(B)の一般式(1)で表される構造単位にエチレン性不飽和結合を有する化合物を重合させた構造としては、例えば、下記一般式(4)で示される構造が挙げられる。下記一般式(4)で示される構造は、一般式(1)で表される構造単位に(メタ)アクリロイル基を有する化合物1種を重合させたものである。以下の構造は一例であり、第2の実施形態においては以下の構造に限定されるものではない。
Figure 0007091848000012

[mは1以上の自然数、oは5以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基、Rは2価の結合基、Rは、置換基を有してもよい炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。oは10以上であってもよい。]
一般式(4)中、R、R、Rについては、一般式(1)中におけるR、R、Rと同様である。Rは、Rで示される水素原子又はメチル基と同様である。
は、置換基を有してもよい炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示すが、当該炭化水素基としては、既述の一般式(1)のRが示す炭化水素基と同様である。また、当該炭化水素基が有する置換基としては、水酸基、エーテル基、エポキシ基、ニトリル基等、既述の一般式(1)で示される構造単位に重合させる(メタ)アクリロイル基を有する化合物(エチレン性不飽和結合を有する化合物)の(メタ)アクリロイル基に結合する基が挙げられる。
本実施形態において、アクリル変性ポリシロキサン化合物(B)に柔軟性を付与し、折り曲げ耐性を向上させる観点から、Rとしては、メチル基、エチル基、ブチル基、2-エチルヘキシル基が好ましい。
[他の添加剤]
本実施形態の組成物には、いずれの実施形態においても、その効果を損なわない範囲で、一般に使用されている表面改質材、消泡材、硬化剤、レオロジーコントロール剤、染料、顔料、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤を使用してもよい。
本実施形態の組成物を塗料として用いる場合、当該塗料を基材に塗布することにより、塗膜を形成することができる。塗膜とした組成物は、後述の方法で硬化することができる。当該基材としては、ガラス、セラミック、ステンレス、アルミ、銅等の無機材料や、エポキシ、ベークライト、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の有機樹脂材料から構成される成分のうち、少なくとも1種類以上含有する材質からなるものが挙げられる。基材は単一組成に限らず、シリコンウエハのような電子関連部材や、上記記載の成分を基材の表面に積層したものでもよい。また、基材の形状は湾曲部や段差部にも適用することができる。
本実施形態の組成物の塗布方法は特に限定されないが、スプレー塗布、バーコータ塗布、スピンコート塗布等が好ましい。塗布する際の膜厚は特に制限されないが、発泡や硬化不良を防ぐため100μm以下が好ましく、さらに好ましくは50μm以下である。製膜後に重ね塗りにすることで厚膜塗装を行うこともできる。また、塗膜を硬化した際の膜厚は特に制限されないが、100μm以下であってもよく、60μm以下であってもよく、40μm以下であってもよい。
本実施形態の組成物は、既述の通り、加熱により硬化することができる。組成物を加熱により硬化することで硬化物を得ることができる。加熱温度としては、作業の簡便性から40℃以上とすることが好ましく、シラノール基が効率よく反応する120℃以上が更に好ましい。反応時間は硬化方法や温度に応じて様々であるが、一般的には1~48時間程度が好ましい、また、硬化速度を速めるために酸触媒又はアルカリ触媒を添加してもよい。
上記の通り、本実施形態の組成物は、加熱により硬化することができるが、用途に応じて樹脂構造中に適宜官能基を導入することで、紫外線硬化や2液硬化を行うこともできる。
本実施形態の組成物は、曲面を含む幅広い構造物に対して容易に塗布及び硬化することができ、さらに十分な防汚性、折り曲げ耐性を付与することができる。また、耐候性に優れ、メンテナンスコストを減らすことができる。
<基板及び車両>
本実施形態の基板は、上記本実施形態の組成物が塗布されてなる。また、本実施形態の車両は、上記本実施形態の組成物が塗布されてなる。本実施形態の基板及び車両のいずれも、本実施形態の組成物を塗布することから、塗装が容易であり、かつ、容易に硬化することができる。本実施形態の組成物が塗布された基板において、組成物を硬化することで、硬化物付基板を得ることができる。本実施形態の組成物が塗布された車両において、組成物を硬化することで、硬化物付車両を得ることができる。また、本実施形態の組成物が塗布されているため、耐汚染性、折り曲げ耐性、及び耐候性に優れる。
本実施形態の組成物は、基板及び車両の他、航空機、船舶、建造物等種々の塗装に適用することができる。ここで、基板としては特に制限されず、既述の基材を基板として用いてもよい。また、車両としては特に制限されず、自動車、鉄道車両等が例として挙げられる。
<組成物の製造方法>
本実施形態の組成物の製造方法は、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有するアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)を準備する工程(以下、「工程A」とも呼ぶ。)と、
Figure 0007091848000013

[mは1以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、Rは水素原子又はメチル基、Rは2価の結合基を示す。]
Figure 0007091848000014

[nは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)と、少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物とを重合する工程(以下、「工程B」とも呼ぶ。)と、
を含む。
本実施形態の組成物の製造方法により、既述の第2の実施形態の組成物を製造することができる。また、本実施形態の組成物の製造方法の工程Aにより、既述の第1の実施形態の組成物を製造することができる。
[工程A]
工程Aは、前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位とを有するアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)を準備する工程である。アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、ケイ素-水素結合を有するシロキサン化合物を出発物質とし、当該シロキサン化合物と、ヒドロキシ基を有する化合物とを、溶媒下で触媒の金属錯体の存在下に反応させる。この反応により、ケイ素-水素結合部位の水素が水酸基に置き換わったヒドロキシシロキサン化合物が得られる。
工程Aで用いられる出発物質たるケイ素-水素結合を有するシロキサン化合物としては、例えば、下記一般式(5)で示される構造単位を有する化合物を使用することができる。
Figure 0007091848000015

[lは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
一般式(5)で示される構造単位を有する化合物は環状であってもよく、必要に応じて官能基として、カルビノール基、アミノ基、ジアミノ基、カルボキシ基、酸無水物基、ビニル基、メルカプト基、エポキシ基、グリシジル基等を有していてもよい。官能基は末端部にあってもよい。製膜性を考慮すると、lが示す数値の平均値は10~90が好ましく、塗装作業性を考慮すると30~80がさらに好ましい。
一般式(5)中、Rが示す炭化水素基としては、既述の一般式(1)中のRが示す炭化水素基と同様である。
工程Aで用いられるヒドロキシ基を有する化合物としては、水を用いることが好ましい。また、水とともに、他のヒドロキシ基を有する化合物を併用してもよい。ここで、水以外のヒドロキシ基を有する化合物としてはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、フェノール、クレゾール等が好ましく、これらは単独又は混合で使用することができる。また、ヒドロキシ基の逆末端に官能基を有する化合物を用いてもよく、例えば(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、2,2,2-トリフルオロエタノール等を用いることができる。
工程Aで用いられる溶媒としては、アルコール系、エステル系、ラクトン系、エーテル系、ケトン系、アミド系、炭化水素系等の溶媒を用途に応じて使用することができる。このうち、シロキサン化合物およびヒドロキシ基を有する化合物のいずれとも相容可能なものとして、アルコール系、エステル系、エーテル系、ケトン系であれば、脱溶工程が不要になるため好ましく、更に好ましくはアルコール系、ラクトン系、環状エーテル系、ケトン系である。
工程Aで用いられる触媒としては、カルボニル配位子含有のスズ、鉄、ニッケル、ルテニウム錯体等を使用することができる。このうち、ルテニウム錯体を用いた場合特に副反応が少なくなるため、より好ましい。
ケイ素-水素結合を有するシロキサン化合物と、ヒドロキシ基を有する化合物とを反応させるに当たり、温度については、還流条件で溶媒の沸点以下であれば特に制限はない。例えば、温度は5~120℃、反応時間は1~120時間とすることができる。副反応によるゲル化を防ぐ観点から、温度は50~90℃、反応時間は4~24時間が好ましい。
次いで、得られたヒドロキシシロキサン化合物に(メタ)アクリル基を導入することで、(メタ)アクリル基を有するヒドロキシシロキサン化合物、すなわち、アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)が得られる。
ヒドロキシシロキサン化合物に(メタ)アクリル基を導入する方法としては、以下の方法が挙げられる。例えば、ヒドロキシシロキサン化合物のシラノール基に(メタ)アクリル変性アルコキシシランを反応させる方法が挙げられる。(メタ)アクリル変性アルコキシシランとして、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルジエトキシメチルシラン、3-メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルジエトキシメチルシラン、3-アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン等を使用することができる。なお、(メタ)アクリル変性アルコキシシランのアルコキシシラン部位が既述の一般式(1)で示される構造単位におけるR、すなわち一般式(3)で示される構造単位となる。
ヒドロキシシロキサン化合物に(メタ)アクリル基を導入する反応において、温度は20~120 ℃、反応時間は1~6時間 としてもよい。副反応によるゲル化を防ぐ観点から、温度は60~80℃、反応時間は1~4時間が好ましい。
以上は、ケイ素-水素結合を有するシロキサン化合物を出発物質とし、当該シロキサン化合物のケイ素-水素結合部位の水素を水酸基に置き換えたヒドロキシシロキサン化合物を経て(メタ)アクリル基を導入したが、ケイ素-水素結合を有するシロキサン化合物に対して直接(メタ)アクリル基を導入してもよい。例えば、シロキサン化合物のケイ素-水素結合に対し、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物として、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル等を用いて脱水縮合反応を行う。この場合、一般式(1)で示される構造単位におけるRは炭化水素基となる。
[工程B]
工程Bは、アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)と、少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物とを重合する工程である。工程Bにおける重合反応は、アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)と、少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物とを適切な重合開始剤を用いて行う。
工程Bにおいて用いられるエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、既述の一般式(1)で示される構造単位に重合させるエチレン性不飽和結合を有する化合物と同じである。
工程Bにおける重合反応に用いられる重合開始剤としては、例えば、30℃以上の加熱によりラジカルを発生する化合物(熱重合開始剤)が挙げられる。具体的には、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド;1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-2-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール;p-メンタンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;α、α’-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-2-エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ-3-メトキシブチルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート;t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウリレート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2’-ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
また、重合開始剤としては、光重合開始剤を用いてもよい。具体的には、ベンゾフェノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1,2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパノン-1、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(Irgacure 651(日本チバガイギー株式会社製))、2,4-ジエチルチオキサントン(KAYACURE DETX-S(日本化薬株式会社製))等の芳香族ケトン;アルキルアントラキノン等のキノン化合物;ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2-(2-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(2-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体;9-フェニルアクリジン、1,7-(9,9’-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体等が挙げられる。作業性及び重合反応制御の観点から、熱重合開始剤を用いることが好ましい。
これら重合開始剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することが可能である。また、重合開始剤の使用量は、例えば、アクリル樹脂を合成する際に用いられる(メタ)アクリル基を有する化合物100質量部に対し0.01~3.0質量部とすることができる。
工程Bにおける重合反応において、熱重合開始剤を用いる場合の温度については、重合開始剤の半減期温度に応じて設定することができる。例えば、温度は30~90℃、反応時間は1~12時間とすることができる。副反応によるゲル化を防ぐ観点から、温度は30~70℃、反応時間は1~12時間が好ましい。
本実施形態の組成物の製造方法においては、工程A及び工程Bの他に、アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)又は(B)の構造中にその他の官能基を導入する工程、減圧又は加熱等により溶剤を留去する脱溶工程、又は添加剤や希釈剤等を混合させる工程を設けてもよい。
以下、実施例により本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
まず、2000mlスケール3つ口フラスコ内を窒素で十分に満たした。次いで、3つ口フラスコ内にポリメチル水素シロキサン(KF-99、信越化学工業(株)製)500g、エタノール(和光純薬工業(株)製)500g、イオン交換水335g、ルテニウムドデカカルボニル((株)フルヤ金属製)0.2gを投入した。その後、還流操作を行いながら加熱攪拌を行った。6時間後にサンプリングを行い、FT-IRスペクトル測定にて2200cm-1のSi-H由来のピークが消失していることを確認した。すなわち、ポリヒドロキシシロキサン化合物が生成されていることを確認した。得られたポリヒドロキシシロキサン化合物を1000g分けとり、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM-503、信越化学工業(株)製)10gを加え、60℃で還流操作を行いながら加熱攪拌を行った。1時間後、75℃に加熱し、アクリル酸ブチル43.0g、メタクリル酸メチル43.0g、及びアゾビスイソブチロニトリル2.1gを混合した後、滴下漏斗を用いて30分かけて滴下した。以上のようにして、単黄色のワニスたるアクリル変性ポリシロキサン化合物を含む組成物を得た。
(塗膜の作製と評価)
得られたワニスを、クリアランスが50μmのアプリケータを用いて市販のアルミ基板に塗布し、135℃で1時間硬化させて塗膜(厚み:5μm)を得た。得られた塗膜に対して以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)防汚性
得られた塗膜に10質量%カーボン分散水溶液を1滴落とし、80℃で30分乾燥させた後水洗し、カーボンの残存の様子を目視にて確認した。外観に異常が見られない場合を「○」、着色又は膨れや割れ等の異常が見られた場合を「×」として評価した。
(2)耐候性
得られた塗膜に対してサンシャインウェザーメータ(サンシャインスーパーロングライフウェザーメータ、スガ試験機(株)製)にて、ブラックパネル温度63±2℃、60分間中に12分間イオン交換水スプレー噴霧の条件にて、360時間試験を行い、塗膜の外観を目視にて確認した。外観に異常が見られない場合を「○」、変色又は膨れや割れ等の異常が見られた場合を「×」として評価した。
(3)折り曲げ耐性
塗膜を外向きに10mmφのマンドレルを設置し、マンドレルを支点として5度折り曲げ、塗膜端面のクラックの発生具合を目視にて確認した。折り曲げた際にクラックが発生しなかった場合を「○」、発生した場合を「×」として評価した。
(4)密着性
得られた塗膜に対し、JIS K 5600-5-6に準じてクロスカット法により評価を行った。なお、切込みの間隔は1mmとし、10×10の100マスとなるように切込みをいれた。試験の結果、剥がれなきものを「0」とし、すべて剥がれたものを「5」とした。
(5)鉛筆硬度
JIS K 5600-5-4に準じて評価した。具体的には、鉛筆の先端が塗膜上に載った後、750gの荷重をかけ、1mm/sの速度で離れるように、10mmの距離を押した。キズ跡が生じなかったもっとも硬い鉛筆の硬度を鉛筆硬度とした。
[実施例2~5]
原料成分を表1に記載の配合量となるように変更したこと以外は実施例1と同様にしてアクリル変性ポリシロキサン化合物を含む組成物を得た。得られた組成物を用い、実施例1と同様にしてアルミ基板に塗布し、硬化させて塗膜を得た。次いで、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランによるアクリル変性をしていないポリヒドロキシシロキサン化合物を含む組成物を用い、実施例1と同様にしてアルミ基板に塗布し、硬化させて塗膜を得た。次いで、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
市販のアクリルウレタン(ファインウレタンU-100、日本ペイント(株)製)を用い、実施例1と同様にしてアルミ基板に塗布し、25℃で24時間硬化させて塗膜を得た。次いで、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
市販のオルトテトラメチルシロキサン(和光純薬工業(株)製)を用いて、塩酸にてpHを3に調整の上、実施例1と同様にしてアルミ基板に塗布し、80℃で3時間硬化させて塗膜を得た。次いで、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 0007091848000016
表1より、実施例1~5の組成物を用いた塗膜は、防汚性、耐候性、折り曲げ耐性が良好であった。
これに対して、アクリル変性していないポリヒドロキシシロキサン化合物を用いた比較例1の組成物を用いた塗膜はクラックが発生して評価すらできなかった。また、アクリルウレタンを用いた比較例2では防汚性及び耐候性に劣り、オルトテトラメチルシロキサンを用いた比較例3では折り曲げ耐性に劣っていた。
以上の結果より、本実施形態の組成物は、防汚性、耐候性、折り曲げ耐性に優れることが分かる。このことから、本実施形態の組成物は、自動車や建築物を始めとする様々な産業分野に大いに有益であるのは明らかである。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有するアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)を含む組成物。
    Figure 0007091848000017
    [mは1以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、Rは水素原子又はメチル基、R下記一般式(3)で示される結合基を示す。]
    Figure 0007091848000018
    [nは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
    Figure 0007091848000019
    [p及びqはそれぞれ独立に0~2の整数(ただし、p+q≦2)、R はフェニル基又は炭素数1~20の飽和又は不飽和の炭化水素基、R はメチル基又はエチル基であり、R は炭素数1~20の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。]
  2. 下記一般式(1)で表される構造単位に少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物を重合させてなる構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを少なくとも有するアクリル変性ポリシロキサン化合物(B)を含む組成物。
    Figure 0007091848000020
    [mは1以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、Rは水素原子又はメチル基、R下記一般式(3)で示される結合基を示す。]
    Figure 0007091848000021
    [nは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
    Figure 0007091848000022
    [p及びqはそれぞれ独立に0~2の整数(ただし、p+q≦2)、R はフェニル基又は炭素数1~20の飽和又は不飽和の炭化水素基、R はメチル基又はエチル基であり、R は炭素数1~20の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。]
  3. 下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを有
    するアクリル変性ポリシロキサン化合物(A)を準備する工程と、
    Figure 0007091848000023
    [mは1以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、Rは水素原子又はメチル基、R下記一般式(3)で示される結合基を示す。]
    Figure 0007091848000024
    [nは3以上の自然数、Rはフェニル基又は炭素数1~20の飽和若しくは不飽和の炭化水素基を示す。]
    Figure 0007091848000025
    [p及びqはそれぞれ独立に0~2の整数(ただし、p+q≦2)、R はフェニル基又は炭素数1~20の飽和又は不飽和の炭化水素基、R はメチル基又はエチル基であり、R は炭素数1~20の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を示す。]
    前記アクリル変性ポリシロキサン化合物(A)と、少なくとも1種のエチレン性不飽和結合を有する化合物とを重合する工程と、
    を含む組成物の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の組成物を硬化させて得られる、硬化物。
  5. 請求項1又は2に記載の組成物が塗布された基板。
  6. 請求項5に記載の前記組成物を硬化させて得られる、硬化物付基板。
  7. 請求項1又は2に記載の組成物が塗布された車両。
  8. 請求項7に記載の前記組成物を硬化させて得られる、硬化物付車両。
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