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JP7080416B1 - 回転子および回転電機 - Google Patents

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Abstract

高調波による鉄損を低減できる回転子を得る。V字状の一対の磁石スロット(22)と永久磁石(23)とで構成された磁極層(221、222、223)が3層以上に配置されて1つの磁極が構成されており、永久磁石の磁束出力面と平行な直線(51、52、53)とq軸とのなす角を磁極層角(θ1、θ2、θ3)としたときに、1つの磁極における磁極層角は回転軸(16)に近い磁極層ほど小さく、磁石スロットから回転子コア(21)の外周面までの最短距離をブリッジ幅とし、隣り合う磁極層の最短距離を磁極層間幅としたときに、磁極層間幅は隣り合う磁極層のブリッジ幅の和よりも小さく設定されている。

Description

本願は、回転子および回転電機に関する。
従来の永久磁石型の回転電機として、回転子の外周に沿って設けられた第1の磁石スロットと、第1の磁石スロットの内径側に多層に設けられたV字状の第2の磁石スロットおよび第3の磁石スロットとを有した回転電機が知られている。この回転電機においては、それぞれの磁石スロットに永久磁石が挿入されて1つの磁極が構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5353962号公報
従来の回転電機においては、リラクタンストルクを増大させるためにq軸を介して隣り合う磁極間の幅が1つの磁極内の磁石スロット間の幅よりも広く設定されていた。しかしながら、q軸を介して隣り合う磁極の間の幅が広くなると固定子と回転子とのギャップに発生する磁束密度の変動がq軸部分で急峻となり、高調波による鉄損が増大するという問題があった。また、従来の回転電機のように磁石スロットを単に多層化するだけでは、ギャップに発生する磁束密度の波形が高調波成分を多く含む矩形波に近い波形となり、d軸電流通電時に高調波による鉄損が増大するという問題があった。
本願は上述のような課題を解決するためになされたもので、高調波による鉄損を低減する回転子を得ることを目的とする。
本願の回転子は、回転子コアおよび複数の永久磁石を有し、回転軸を中心に回転する回転子であって、回転軸に直交する断面において、回転軸の中心から外径側に向かって開くV字状の一対の磁石スロットと磁石スロットにそれぞれ挿入された永久磁石とで構成された磁極層が3層以上に配置されて1つの磁極が構成されており、磁石スロットは、永久磁石が挿入される磁石挿入部と磁石挿入部の両端にそれぞれ形成されたフラックスバリアとを有しており、1つの磁極の磁極中心をd軸とし、d軸に電気的に直交する方向をq軸としたときに、1つの磁極層において磁石スロットに挿入された永久磁石の磁束出力面と平行な直線とq軸との回転軸側のなす角を磁極層角としたときに、1つの磁極における磁極層角は回転軸に近い磁極層ほど小さく、磁石スロットの外径側のフラックスバリアから回転子コアの外周面までの最短距離をブリッジ幅とし、隣り合う磁極層の最短距離を磁極層間幅としたときに、磁極層間幅は隣り合う磁極層のブリッジ幅の和よりも小さく、回転軸に最も近い磁極層の外径側のフラックスバリアとq軸との最短距離が磁極における磁極層間幅よりも小さく設定されている。
本願の回転子においては、1つの磁極における磁極層角が回転軸に近い磁極層ほど小さく、磁極層間幅が隣り合う磁極層のブリッジ幅の和よりも小さく、回転軸に最も近い磁極層の外径側のフラックスバリアとq軸との最短距離が磁極における磁極層間幅よりも小さく設定されているので、高調波による鉄損を低減することができる。
実施の形態1に係る回転電機の縦断面図である。 実施の形態1に係る回転電機の横断面図である。 実施の形態1に係る回転子の拡大断面図である。 実施の形態1に係る回転子の拡大断面図である。 実施の形態1に係る実施例1の回転電機の磁束密度のコンター図である。 実施の形態1に係る実施例1の回転電機の磁束線を示す図である。 実施の形態1に係る比較例1の回転電機の磁束密度のコンター図である。 実施の形態1に係る比較例1の回転電機の磁束線を示す図である。 実施の形態1に係る実施例1の回転電機の比透磁率のコンター図である。 実施の形態1に係る実施例1の回転電機の磁束線を示す図である。 実施の形態1に係る比較例2の回転電機の比透磁率のコンター図である。 実施の形態1に係る比較例2の回転電機の磁束線を示す図である。 実施の形態1に係る実施例1および比較例2の回転電機の回転子の外周面における透磁率分布を示す特性図である。 実施の形態1に係る実施例1および比較例2の回転電機におけるギャップに発生する磁束密度分布を示す特性図である。 実施の形態1に係る比較例3の回転電機の比透磁率のコンター図である。 実施の形態1に係る比較例3の回転電機の磁束線を示す図である。 実施の形態1に係る実施例1および比較例3の回転電機の回転子の外周面における透磁率分布を示す特性図である。 実施の形態1に係る実施例1および比較例3の回転電機におけるギャップに発生する磁束密度分布を示す特性図である。 実施の形態1に係る回転電機におけるギャップに発生する磁束密度波形を周波数分解したときの高調波次数に対する高調波振幅を示した特性図である。 実施の形態1に係る回転電機における無負荷時、d軸電流のみ通電時、q軸電流のみ通電時の損失を示す特性図である。 実施の形態2に係る回転子の拡大断面図である。 実施の形態2に係る回転子の拡大断面図である。
以下、本願を実施するための実施の形態に係る回転子および回転電機について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一符号は同一もしくは相当部分を示している。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る回転電機の縦断面図である。図2は、図1のI-Iの面での横断面図である。図1は、回転電機の回転軸と平行な面の断面図である。図2は、回転電機の回転軸と直交する面の断面図である。これ以降、回転軸と平行な方向を軸方向、回転軸と直交する方向を径方向、回転軸を中心として回転する方向を周方向と称する。
図1に示すように、本実施の形態の回転電機1は、円筒状のフレーム13と軸受14と一対のブラケット15と回転軸16とを有する。一対のブラケット15は、フレーム13の軸方向の両端に装着されフレーム13の軸方向の両端の開口を塞いでいる。軸受14は、一対のブラケット15に装着されている。回転軸16は、軸受14に支持されてフレーム13内に回転可能に設けられている。さらに、回転電機1は、回転軸16に固定された回転子コア21と、回転子コア21の外周側に回転子コア21と同軸に設けられた固定子コア11とを有する。固定子コア11は、フレーム13に固定されている。同軸に設けられた回転子コア21と固定子コア11との間には、ギャップが形成されている。
図2に示すように、固定子10は、円環状の固定子コア11と固定子コア11に装着された固定子コイル12とで構成されている。固定子コア11は、円環状のコアバック19とコアバック19の内周面から内径側に突出する複数のティース18とを有する。ティース18は、周方向に等角ピッチで48本配列されている。固定子コア11は、例えば電磁鋼板が回転軸方向に積層されて構成されている。固定子コイル12は、ティース18の間の空間を利用してティース18に巻かれた導体線である。本実施の形態において固定子コイル12は、複数のティース18に跨って巻かれた分布巻きで構成されている。
図2に示すように、回転子20は、回転軸16と円環状の回転子コア21と回転子コア21に形成された48個の磁石スロット22にそれぞれ挿入された48個の永久磁石23とで構成されている。回転子コア21は、例えば電磁鋼板が回転軸方向に積層されて構成されている。回転子コア21は、シャフト挿入孔に挿入された回転軸16に固定されている。回転子20は、回転軸16で軸受14に支持されてフレーム13内に回転可能に設けられている。なお、図2において、矢印は永久磁石のS極からN極へ向かう磁束の方向を示している。
図3は、本実施の形態に係る回転子の拡大断面図である。図3は、回転軸と直交する面の断面図である。本実施の形態の回転子コア21には、回転軸の中心から外径側に向かって開くV字状の一対の磁石スロット22がd軸に沿って3層形成されている。磁石スロット22は、永久磁石23が挿入される磁石挿入部と当該磁石挿入部の両端にそれぞれ形成されたフラックスバリアとを有している。フラックスバリアは、回転子コア21より透磁率が低い、例えば空孔で構成されている。各磁石スロットにおいて、外径側のフラックスバリアをギャップ側フラックスバリア、内径側のフラックスバリアをd軸側フラックスバリアと呼ぶ。ここで、一対の磁石スロット22とその磁石スロット22にそれぞれ挿入された2つの永久磁石23とを合わせて磁極層と呼ぶ。本実施の形態の回転子においては、回転軸から最も遠い位置の磁極層221と、この磁極層221より回転軸側に位置する磁極層222と、この磁極層222より回転軸側に位置する磁極層223との3層で1つの磁極が構成されている。なお、本実施の形態においては、磁極層221の一対の磁石スロット22は、開口角が180°のV字状となっている。ここで、1つの磁極を構成する永久磁石のN極の磁極中心をd軸と定義し、磁極間に位置してd軸に対して電気的に直交する方向をq軸と定義する。
図3において、磁極層221の永久磁石23の磁束出力面と平行な直線を直線51とする。また、磁極層222の永久磁石23の磁束出力面と平行な直線を直線52とする。さらに、磁極層223の永久磁石23の磁束出力面と平行な直線を直線53とする。そして、q軸と直線51との回転軸側のなす角を磁極層角θ1、q軸と直線52との回転軸側のなす角を磁極層角θ2、q軸と直線53との回転軸側のなす角を磁極層角θ3とする。本実施の形態の回転子20においては、θ1>θ2>θ3の関係を満足するように構成されている。言い換えると、1つの磁極における磁極層角は、回転軸に近い磁極層ほど小さく設定されている。
図4は、本実施の形態に係る回転子の拡大断面図である。図4は、図3をより拡大した断面図である。図4において、各磁極層のギャップ側フラックスバリアと回転子コア21の外周面との間をブリッジと呼ぶ。そして、磁極層221のギャップ側フラックスバリア221aと回転子コア21の外周面との間の最短距離をブリッジ幅C、磁極層222のギャップ側フラックスバリア222aと回転子コア21の外周面との間の最短距離をブリッジ幅B、磁極層223のギャップ側フラックスバリア223aと回転子コア21の外周面との間の最短距離をブリッジ幅Aとする。また、磁極層221と磁極層222との間の最短距離を磁極層間幅W3、磁極層222と磁極層223との間の最短距離を磁極層間幅W2、磁極層223とq軸との間の最短距離を磁極層間幅W1とする。本実施の形態の回転子20においては、B+C>W3、A+B>W2および2×A>2×W1の関係を満足するように構成されている。詳細には、磁極層221と磁極層222との間の磁極層間幅W3は、磁極層221のブリッジ幅Cと磁極層222のブリッジ幅Bとの和よりも小さく設定されている。また、磁極層222と磁極層223との間の磁極層間幅W2は、磁極層222のブリッジ幅Bと磁極層223のブリッジ幅Aとの和よりも小さく設定されている。さらに、磁極層223と隣の磁極の磁極層223との間の磁極層間幅2×W1は、磁極層223のブリッジ幅Aと隣の磁極の磁極層223のブリッジ幅Aとの和よりも小さく設定されている。言い換えると、磁極層間幅は、隣り合う磁極層のブリッジ幅の和よりも小さく設定されている。
本実施の形態において、θ1>θ2>θ3の関係を条件1、B+C>W3、A+B>W2および2×A>2×W1の関係を条件2と表現する。
次に、本実施の形態の回転電機において、q軸電流を通電したときの効果について実施例1および比較例1を用いて説明する。
図5は、本実施の形態に係る実施例1の回転電機にq軸電流を通電したときの磁束密度のコンター図である。図6は、実施例1の回転電機の磁束線を示す図である。図6は、Frozen Permeability法を用いて図5に示した磁束密度から電機子磁束と磁石磁束との磁束分離を行って得られた電機子磁束の磁束線を示している。ここで、Frozen Permeability法とは、永久磁石同期回転電機のような電機子電流と永久磁石との2つの起磁力源で駆動される回転電機に対して用いられる磁界解析手法の1つである。この磁界解析手法は、非線形磁化特性を考慮して磁束密度分布を2つの起磁力源別に分解できる。
図5および図6は、磁界解析プログラムを用いたシミュレーションの結果である。シミュレーションに用いた実施例1のパラメータは次のとおりである。条件1に係る値として、θ1=67.5°、θ2=18.5°およびθ3=8.3°とした。条件2に係る値として、A=3.25mm、B=3.0mm、C=1.9mm、W1=2.0mm、W2=4.5mmおよびW3=4.6mmとした。したがって、実施例1においては、θ1>θ2>θ3となり条件1が満足されており、かつB+C>W3、A+B>W2および2×A>2×W1となり条件2も満足されている。
図7は、本実施の形態に係る比較例1の回転電機にq軸電流を通電したときの磁束密度のコンター図である。図8は、比較例1の回転電機の磁束線を示す図である。図8は、Frozen Permeability法を用いて図7に示した磁束密度から電機子磁束と磁石磁束との磁束分離を行って得られた電機子磁束の磁束線を示している。図7および図8も磁界解析プログラムを用いたシミュレーションの結果である。シミュレーションに用いた比較例1のパラメータは次のとおりである。条件1に係る値として、θ1=67.5°、θ2=18.5°およびθ3=22.5°とした。条件2に係る値として、A=3.25mm、B=3.0mm、C=1.9mm、W1=2.0mm、W2=4.5mmおよびW3=4.6mmとした。したがって、比較例1においては、θ1>θ2<θ3となり条件1は満足されていないが、B+C>W3、A+B>W2および2×A>2×W1となり条件2は満足されている。
図5~図8において、磁極層222のギャップ側フラックスバリア222aと磁極層223のギャップ側フラックスバリア223aと間の幅をW11、磁極層222のd軸側フラックスバリア222bと磁極層223のd軸側フラックスバリア223bと間の幅をW12とする。また、図5~図8において、磁極層222のd軸側フラックスバリア222bと磁極層223のd軸側フラックスバリア223bとに挟まれた領域を要部a、磁極層223の永久磁石23が配置された領域を要部bとする。
図5に示す実施例1の要部aの磁束密度と図7に示す比較例1の要部aの磁束密度とを比較すると、実施例1の磁束密度が比較例1の磁束密度よりも低いことがわかる。この関係は、幅W11と幅W12との関係に起因する。図5に示す実施例1ではW11<W12であるが、図7に示す比較例1ではW11>W12である。実施例1においてW11<W12となるのは、θ1>θ2>θ3となる条件1が満足されているからである。これに対して比較例1においては、θ2<θ3となり条件1が満足されていないためW11>W12となる。
また、実施例1においては、W12が広くかつ要部aの磁束密度が低いので、W11の領域からW12の領域に向かって流れる電機子磁束は要部aに向かって流れやすくなる。これに対して、比較例1においては、W12が狭くかつ要部aの磁束密度が高いので、W11の領域からW12の領域に向かって流れる電機子磁束は要部aに向かって流れにくくなり、その一部が要部bに向かって流れる。要部bにおいて永久磁石と鎖交する磁束を図6と図8とで比較すると、実施例1よりも比較例1の方が多いことがわかる。永久磁石と鎖交する磁束は、効率の低下、永久磁石の温度上昇の原因となる。すなわち、永久磁石と鎖交する磁束を低減させるためには、条件1であるθ1>θ2>θ3を満足する必要がある。
回転電機において、固定子と回転子とのギャップに発生する磁束を正弦波にすることで高調波による損失を低減できることが知られている。ギャップに発生する磁束は、起磁力と透磁率との掛け算で求めることができ、起磁力と透磁率との両方を正弦波にすれば発生する磁束を正弦波にすることができる。ここで起磁力は固定子の電機子磁束と回転子の磁石磁束とで決まり、透磁率は固定子および回転子の透磁率分布で決まる。分布巻きの固定子の起磁力波形および透磁率分布については、スロットなどによる高調波成分は存在するが、その高調波成分は高次の成分でかつ値が小さいため高調波損失への影響は小さい。回転子の起磁力波形および透磁率分布については、一般の埋込型永久磁石同期回転電機(interior permanent magnet synchronous motor:これ以降IPMSMと記す)の場合、矩形波のような形となり低次でかつ値が大きい高調波成分を含む。したがって、回転子の起磁力波形と透磁率分布との低次の高調波成分を低減し、かつそれらを正弦波形状とすることができればギャップに発生する磁束を正弦波にすることができ、高調波による損失を減らすことができる。
次に、本実施の形態の回転電機において、無負荷時の効果について実施例1、比較例2および比較例3を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係る実施例1の回転電機の無負荷時の比透磁率のコンター図である。図10は、実施例1の回転電機の磁束線を示す図である。図10は、Frozen Permeability法を用いて図9に示した磁束密度から電機子磁束と磁石磁束との磁束分離を行って得られた電機子磁束の磁束線を示している。図9および図10は、磁界解析プログラムを用いたシミュレーションの結果であり、シミュレーションに用いた実施例1のパラメータは上述のとおりである。
図11は、本実施の形態に係る比較例2の回転電機の無負荷時の比透磁率のコンター図である。図12は、比較例2の回転電機の磁束線を示す図である。図12は、Frozen Permeability法を用いて図11に示した磁束密度から電機子磁束と磁石磁束との磁束分離を行って得られた電機子磁束の磁束線を示している。図11および図12も磁界解析プログラムを用いたシミュレーションの結果である。シミュレーションに用いた比較例2のパラメータは次のとおりである。条件1に係る値として、θ1=67.5°、θ2=18.5°およびθ3=8.3°とした。条件2に係る値として、A=0.3mm、B=0.3mm、C=0.3mm、W1=1.8mm、W2=4.0mmおよびW3=6.5mmとした。したがって、比較例2においては、θ1>θ2>θ3となり条件1は満足されているが、B+C<W3、A+B<W2および2×A<2×W1となり条件2は満足されていない。
図13は、本実施の形態に係る実施例1および比較例2の回転電機の回転子の外周面における透磁率分布を示す特性図である。また、図14は、本実施の形態に係る実施例1および比較例2の回転電機における固定子と回転子とのギャップに発生する径方向の磁束密度分布を示す特性図である。
図9の要部cに示すように、実施例1においては回転子コア21の表面に透磁率が低い領域が存在するが、図11の要部cに示すように、比較例2においてはその透磁率が低い領域がなくなり、回転子コア21の表面の透磁率が高くなっている。そのため、図10と図12とを比較すると、実施例1においてギャップ側の回転子コア21の表面に流れていた磁石磁束が、比較例2ではその磁石磁束が少なくなっていることがわかる。これは比較例2の回転子コアにおいては、ブリッジ幅が狭くなったことで磁石磁束の流れが制限されたためである。比較例2のようなブリッジ幅が狭い構造は、従来のIPMSMで採用されている構造である。その結果、図13に示すように、電気角度が0~90°の間に存在する透磁率が高い3つのピークの幅(t1、t2、t3)が比較例2の方が実施例1よりも広くなっている。また、その3つのピークの高さも比較例2の方が実施例1よりも高くなっている。例えば、ピーク幅t1で示した1つ目のピークの高さは、比較例2の方が実施例1よりもt11だけ高く、ピーク幅t2で示した2つ目のピークの高さは、比較例2の方が実施例1よりもt12だけ高く、ピーク幅t3で示した3つ目のピークの高さは、比較例2の方が実施例1よりもt13だけ高くなっている。さらに、図14の要部dに示すように、電気角度が0~90°の範囲に存在する磁束密度が階段状に変化する箇所の波形が、実施例1の方が比較例2よりもなだらかになっている。つまり、実施例1の磁束密度の方が、比較例2の磁束密度よりもより正弦波に近い波形となっている。
実施例1において、図14の要部dの磁束密度波形がなだらかになっている箇所に着目する。この磁束密度波形がなだらかとなっている位置に対応する回転子コア21表面の図10の要部cにおいて、永久磁石の磁束線には一度ブリッジを通過してから固定子コア11に鎖交している磁束線と回転子コア21内部で短絡している磁束線とがあることがわかる。また、図9の要部cにおいて、回転子コア21の表面の透磁率が低いことがわかる。このことから、図10の要部cの回転子コア21は磁気飽和していることがわかる。そのため、磁束密度波形をなだらかにするためには、回転子コア21の表面の要部cの領域において一度ブリッジを通過してから固定子コア11に鎖交する磁石磁束と回転子コア21内部を短絡している磁石磁束とによって磁気飽和が発生している必要がある。
回転子20の永久磁石23が出力する最大の磁束量は、磁極層間幅W1、W2およびW3によって決まる。この永久磁石23から出力された磁石磁束は、磁極層間幅とブリッジ幅との関係によって回転子コア21から固定子コア11へと流れる経路が変化する。比較例2のようにブリッジ幅が狭く条件2が満足されていない回転子コアにおいて、図12の要部cの磁石磁束に着目する。図12に示すように、比較例2においてはブリッジを通過する磁束と回転子コア21内を短絡する磁束とは各磁極層において1本程度と少なく、固定子コア11に直接鎖交する磁束が大半である。そのため、比較例2においては、図11の要部cに示すように回転子コア21の透磁率が高く、ブリッジに近い領域のみが磁気飽和している。
これに対して条件2を満足している実施例1では、図10に示すように各磁極層の永久磁石の磁石磁束が他の磁極層のブリッジを通過してから固定子コア11に鎖交していることがわかる。これにより、図9の要部cにおいて各磁極層のギャップ側のフラックスバリアからギャップ方向に向かって放射状に透磁率が低下しており、これによって回転子コア21の要部cで示す領域が磁気飽和している。
これらのことから、回転子コア21の表面の要部cの領域において磁気飽和を発生させるためには、関係式B+C>W3、A+B>W2、2A>2W1の条件2を満足していることが必要である。条件2を満足する実施例1の回転子においては、回転子コア21の表面が磁気飽和することで、ギャップに発生する磁束密度波形がなだらかになる。そしてその磁束密度波形がなだらかになる箇所に対応する位置において、図13に示すように透磁率分布の高さと幅とが比較例2に比べて小さくなる。そのため、図14に示すように、実施例1の回転子においては磁束密度波形が比較例2と比べて正弦波に近くなることがわかる。その結果、条件2を満足する実施例1の回転子を用いた回転電機は、高調波を減らすことができる。
実施例1および比較例2の回転電機においては、W1<W2<W3となっていた。比較例3の回転電機においては、W1<W2<W3の条件を満足していないものである。
図15は、本実施の形態に係る比較例3の回転電機の無負荷時の比透磁率のコンター図である。図16は、比較例3の回転電機の磁束線を示す図である。図16は、Frozen Permeability法を用いて図15に示した磁束密度から電機子磁束と磁石磁束との磁束分離を行って得られた電機子磁束の磁束線を示している。図15および図16も磁界解析プログラムを用いたシミュレーションの結果である。シミュレーションに用いた比較例3のパラメータは次のとおりである。条件1に係る値として、θ1=67.5°、θ2=18.5°およびθ3=8.3°とした。条件2に係る値として、A=0.3mm、B=0.3mm、C=0.3mm、W1=5.5mm、W2=3.8mmおよびW3=3.5mmとした。したがって、比較例3においては、θ1>θ2>θ3となり条件1は満足されているが、B+C<W3、A+B<W2および2×A<2×W1となり条件2は満足されていない。また、W1>W2>W3となり、W1<W2<W3の条件も満足されていない。
図17は、本実施の形態に係る実施例1および比較例3の回転電機の回転子の外周面における透磁率分布を示す特性図である。また、図18は、本実施の形態に係る実施例1および比較例3の回転電機における固定子と回転子とのギャップに発生する径方向の磁束密度分布を示す特性図である。
図9の要部cに示すように、実施例1においては回転子コア21の表面の透磁率が低い領域が存在するが、図15の要部cに示すように、比較例3においてはその透磁率が低い領域がなくなり、回転子コア21の表面の透磁率が高くなっている。そのため、図10と図16を比較すると、実施例1においてギャップ側の回転子コア21の表面に流れていた磁石磁束が、比較例3ではその磁石磁束が少なくなっていることがわかる。また、図10の要部eに示すように、実施例1においては固定子コア11のティースに鎖交していた磁束線が、図16の要部eに示すように、比較例3においてはその磁束線がなくなっている。比較例3のようなW1が広い構造は、従来のIPMSMでトルク特性向上のために採用されている構造である。
図17に示すように、電気角度が0~90°の範囲に存在する透磁率が高い3つのピークの幅(t1、t2、t3)が比較例3の方が実施例1よりも広くなっている。また、その3つのピークの高さも比較例3の方が実施例1よりも高くなっている。さらに、実施例1においてはt1>t2>t3であったのが、比較例3ではt3が最も大きくなっている。そのため、透磁率分布において、q軸部分の透磁率の高い領域の幅がd軸部分の透磁率の高い領域の幅の次に広くなっていることがわかる。さらに、図18の要部fに示すように、比較例3においては、磁極の切り替わりすなわち電気角度が0~20°および160~180°の範囲で磁束密度がほぼゼロとなっている。これはW1が広くなったことで、この領域に磁石磁束が通らなくなったためである。これに対して、W1<W2<W3を満足する実施例1の回転電機においては、要部fに示すように、正弦波に近い磁束密度分布となっている。したがって、W1<W2<W3であることが好ましいことがわかる。
図19は、本実施の形態に係る実施例1、比較例2および比較例3の回転電機における固定子と回転子とのギャップに発生する磁束密度波形を周波数分解したときの高調波次数に対する高調波振幅を示した特性図である。
図19に示すように、実施例1の回転電機においては、高調波次数の全てにおいて、比較例2および比較例3よりも高調波成分が同等かそれ以下に低減されている。したがって、条件2のB+C>W3、A+B>W2および2×A>2×W1を満足することで、図13に示すように透磁率の幅と高さとを制御できることがわかる。また、W1<W2<W3の関係を満足することで、図17に示すように透磁率の幅を調整できることがわかる。これらの条件を満足することで、回転子コア表面の透磁率分布の形状を正弦波に近づけることができる。さらに、磁石磁束による起磁力波形も正弦波に近づけることができる。
図20は、本実施の形態に係る実施例1、比較例2および比較例3の回転電機における無負荷時、d軸電流のみ通電時、q軸電流のみ通電時の損失を示す特性図である。図20は、実施例1の回転電機における損失を1としたときの相対値で示している。図20に示すように、実施例1の回転電機においては、すべての条件で損失が低いことがわかる。とくにd軸電流のみ通電時では、比較例2および比較例3に比べて損失が大幅に低くなっていることがわかる。これは実施例1の回転電機において、透磁率分布が正弦波に近くなったこと、およびギャップに発生する回転子の磁束密度波形が正弦波に近くなったことによる効果である。
上述のように、本実施の回転電機においては、条件1のθ1>θ2>θ3の関係と、条件2のB+C>W3、A+B>W2および2×A>2×W1の関係を同時に満足することで、高調波による鉄損を低減することができる。
なお、本実施の形態の回転電機において、回転軸から最も遠い位置の磁極層221の一対の磁石スロットは、開口角が180°のV字状となっている。つまり、磁極層221の磁石スロット22に挿入された永久磁石23の磁束出力面と平行な直線とd軸とのなす角が直角となっている。条件1の関係が満足されるのであれば、磁極層221の一対の磁石スロットは、開口角が180°より小さくてもよい。
本実施の回転電機においては、比較例3で説明したように、W1<W2<W3であることが好ましい。このような条件を満足することで、q軸部分を磁石磁束が通り易くなる。
本実施の形態の回転電機の回転軸に直交する断面図において、永久磁石23の磁束出力面の長さを磁石幅とし、永久磁石23の磁束出力面に直角な方向の長さを磁石厚さとしたときに、1つの磁極において、ギャップに近いつまり回転軸から遠い磁極層の永久磁石23ほど磁石幅が小さくかつ磁石厚さが大きいことが好ましい。ギャップの近傍に位置する磁極層の永久磁石23が最も反磁界の影響を受ける。永久磁石の減磁力は磁石厚さに比例する。ギャップの近傍に位置する磁極層の永久磁石23の厚さを最も厚くすることで弱め界磁時に流れるd軸電流による反磁界を受けたときの減磁耐性を高くすることができる。
また、本実施の形態の回転電機におけるフラックスバリアの形状について説明する。図4に示すように、磁極層223における磁石スロットのd軸側フラックスバリア223bを当該磁石スロットに挿入された永久磁石23の磁束出力面を延長した延長面で2つの領域に分割する。2つに分割されたフラックスバリアのd軸に遠い方のフラックスバリアの領域の延長面に直角な方向の幅をd軸外径側幅H1とし、d軸に近い方のフラックスバリアの領域の延長面に直角な方向の幅をd軸内径側幅H2とする。本実施の形態の回転電機においては、H1<H2であることが好ましい。このように構成された回転電機においては、永久磁石23から発生した磁束がその永久磁石23で短絡される成分が低減し、外径側へと向かう成分が増大する。また、d軸インダクタンスを低下させることができるので、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスとの差に比例して大きくなるリラクタンストルクを増加させることができる。さらに、d軸側フラックスバリア223bを大きく形成することで、回転子コア21の空孔領域が増大して回転子コア21の軽量化が図れ、耐遠心力強度も向上する。なお、d軸側フラックスバリアの形状は、磁極層223だけでなく、他の磁極層においても同様な形状であることが好ましい。
実施の形態2.
図21は、実施の形態2に係る回転子の拡大断面図である。図21は、回転軸と直交する面の断面図である。本実施の形態の回転子20においては、1つの磁極が4層の磁極層221、222、223、224で構成されている。各磁極層の構造は、実施の形態1で説明した磁極層と同様な構造である。
図21に示すように、磁極層221の永久磁石23の磁束出力面と平行な直線を直線51とする。また、磁極層222の永久磁石23の磁束出力面と平行な直線を直線52とする。また、磁極層223の永久磁石23の磁束出力面と平行な直線を直線53とする。さらに、磁極層224の永久磁石23の磁束出力面と平行な直線を直線54とする。そして、q軸と直線51との回転軸側のなす角を磁極層角θ1、q軸と直線52との回転軸側のなす角を磁極層角θ2、q軸と直線53との回転軸側のなす角を磁極層角θ3、q軸と直線54との回転軸側のなす角を磁極層角θ4とする。本実施の形態の回転子20においては、θ1>θ2>θ3>θ4の関係を満足するように構成されている。言い換えると、1つの磁極における磁極層角は、回転軸に近い磁極層ほど小さく設定されている。
図22は、本実施の形態に係る回転子の拡大断面図である。図22は、図21をより拡大した断面図である。図22において、磁極層221のギャップ側フラックスバリア221aと回転子コア21の外周面との間の最短距離をブリッジ幅D、磁極層222のギャップ側フラックスバリア222aと回転子コア21の外周面との間の最短距離をブリッジ幅C、磁極層223のギャップ側フラックスバリア223aと回転子コア21の外周面との間の最短距離をブリッジ幅B、磁極層224のギャップ側フラックスバリア224aと回転子コア21の外周面との間の最短距離をブリッジ幅Aとする。また、磁極層221と磁極層222との間の最短距離を磁極層間幅W4、磁極層222と磁極層223との間の最短距離を磁極層間幅W3、磁極層223と磁極層224との間の最短距離を磁極層間幅W2、磁極層224とq軸との間の最短距離を磁極層間幅W1とする。本実施の形態の回転子20においては、C+D>W4、B+C>W3、A+B>W2および2×A>2×W1の関係を満足するように構成されている。言い換えると、磁極層間幅は、隣り合う磁極層のブリッジ幅の和よりも小さく設定されている。
このように構成された回転子を備えた回転電機においては、実施の形態1と同様に、高調波による鉄損を低減することができる。
なお、本実施の形態において、W4>W3>W2>W1であることが好ましい。このような条件を満足することで、q軸部分を磁石磁束が通り易くなる。
また、本実施の形態において、磁極層224における磁石スロットのd軸側フラックスバリア224bを当該磁石スロットに挿入された永久磁石23の磁束出力面を延長した延長面で2つの領域に分割する。2つに分割されたフラックスバリアのd軸に遠い方のフラックスバリアの領域の延長面に直角な方向の幅をd軸外径側幅H1とし、d軸に近い方のフラックスバリアの領域の延長面に直角な方向の幅をd軸内径側幅H2とする。本実施の形態の回転電機においては、H1<H2であることが好ましい。また、他の磁極層においても同様な形状であることが好ましい。このように構成された回転電機においては、永久磁石23から発生した磁束がその永久磁石23で短絡される成分が低減し、外径側へと向かう成分が増大する。また、d軸インダクタンスを低下させることができるので、q軸インダクタンスとd軸インダクタンスとの差に比例して大きくなるリラクタンストルクを増加させることができる。
本願は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
したがって、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 回転電機、10 固定子、11 固定子コア、12 固定子コイル、13 フレーム、14 軸受、15 ブラケット、16 回転軸、18 ティース、19 コアバック、20 回転子、21 回転子コア、22 磁石スロット、23 永久磁石、51、52、53、54 直線、221、222、223、224 磁極層、221a、222a、223a、224a ギャップ側フラックスバリア、222b、223b、224b d軸側フラックスバリア。

Claims (7)

  1. 回転子コアおよび複数の永久磁石を有し、回転軸を中心に回転する回転子であって、
    前記回転軸に直交する断面において、
    前記回転軸の中心から外径側に向かって開くV字状の一対の磁石スロットと当該磁石スロットにそれぞれ挿入された前記永久磁石とで構成された磁極層が3層以上に配置されて1つの磁極が構成されており、
    前記磁石スロットは、前記永久磁石が挿入される磁石挿入部と当該磁石挿入部の両端にそれぞれ形成されたフラックスバリアとを有しており、
    1つの前記磁極の磁極中心をd軸とし、前記d軸に電気的に直交する方向をq軸としたときに、1つの前記磁極層において前記磁石スロットに挿入された前記永久磁石の磁束出力面と平行な直線と前記q軸との前記回転軸側のなす角を磁極層角としたときに、1つの前記磁極における前記磁極層角は前記回転軸に近い前記磁極層ほど小さく、
    前記磁石スロットの外径側の前記フラックスバリアから前記回転子コアの外周面までの最短距離をブリッジ幅とし、隣り合う前記磁極層の最短距離を磁極層間幅としたときに、前記磁極層間幅は隣り合う前記磁極層の前記ブリッジ幅の和よりも小さく、
    前記回転軸に最も近い前記磁極層の外径側の前記フラックスバリアと前記q軸との最短距離が前記磁極における前記磁極層間幅よりも小さいことを特徴とする回転子。
  2. 1つの前記磁極における前記磁極層間幅は、前記回転軸に近いほど小さいことを特徴とする請求項に記載の回転子。
  3. 1つの前記磁極における前記ブリッジ幅は、前記回転軸に近い前記磁極層ほど大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の回転子。
  4. 前記回転軸から最も遠い前記磁極層における前記磁石スロットに挿入された前記永久磁石の磁束出力面と平行な直線とd軸とのなす角が直角であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の回転子。
  5. 前記永久磁石の磁束出力面の長さを磁石幅とし、前記永久磁石の磁束出力面に直角な方向の長さを磁石厚さとしたときに、1つの磁極において、前記回転軸に遠い前記磁極層の前記永久磁石ほど前記磁石幅が小さくかつ前記磁石厚さが大きいことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の回転子。
  6. 少なくとも1つの前記磁極層における前記磁石スロットの内径側の前記フラックスバリアにおいて、
    当該磁石スロットに挿入された前記永久磁石の磁束出力面を延長した延長面で前記フラックスバリアを2つの領域に分割し、前記延長面で分割された前記d軸に遠い方の前記フラックスバリアの領域の前記延長面に直角な方向の幅をd軸外径側幅とし、前記延長面で分割された前記d軸に近い方の前記フラックスバリアの領域の前記延長面に直角な方向の幅をd軸内径側幅としたときに、前記d軸外径側幅は前記d軸内径側幅よりも小さいことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の回転子。
  7. 固定子コアおよび固定子コイルを有する固定子と、この固定子にギャップを挟んで回転可能に配置された請求項1からのいずれか1項に記載の回転子とを備えたことを特徴とする回転電機。
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