JP7062210B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
本発明の一の態様は以下の通りである。
〔1〕 二次電池であって、
正極と、負極と、前記正極と前記負極との間におけるセパレータと、電解質とを備えてなり、
前記負極が、負極用添加剤と、負極活物質と、導電剤と、バインダーとを含んでなり、
前記負極用添加剤が、ポリビニルピロリドンであり、又は、主成分としてポリビニルピロリドンを含んでなるものであり、
前記負極用添加剤が、親水剤、分散剤、及び電解質含浸(促進)剤又は電解質保液剤であり、
前記電解質が、フルオロエチレンカーボネートであり、又は、主成分としてフルオロエチレンカーボネートを含んでなるものである、二次電池。
〔2〕 前記負極添加剤の含有量は、前記負極の全質量を基準にして、0質量%超過5.0質量%以下であることを特徴とする、〔1〕に記載の二次電池。
〔3〕 前記ケイ素系物質は、ケイ素粉末、ケイ素合金、ケイ素酸化物(SiOx〔x=1~4〕)、アモルファスケイ素粉末、ケイ素ナノファイバー、ケイ素ナノワイヤー;前記ケイ素系物質と、黒鉛、カーボンナノチューブ(CNT)又はグラフェンから選択される炭素材料との複合体;リチウムをドープした前記ケイ素系物質からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物である、〔1〕又は〔2〕に記載の二次電池。
〔4〕 前記ケイ素系物質の含有量は、前記負極の全質量を基準にして、2質量%超過50質量%以下である、〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔5〕 前記ケイ素系物質の平均粒径(MV)は、0.1μm以上15μm以下である、〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔6〕 前記黒鉛は、天然黒鉛、人造黒鉛、又はこれらの混合物である、〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔7〕 前記黒鉛の含有量は、前記二次電池の全質量を基準にして、0質量%超過98質量%以下である、〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔8〕 前記黒鉛の平均粒径(MV)は、3μm以上30μm以下である、〔1〕~〔7〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔9〕 前記黒鉛と前記ケイ素系物質との平均粒径(MV)の比(黒鉛/ケイ素系物質)は、少なくとも2倍以上である、〔1〕~〔8〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔10〕 前記導電剤は、炭素繊維又は金属繊維である、〔1〕~〔9〕の何れか一項に記載の二次電池。
〔11〕 前記導電剤の含有量は、前記負極の全質量を基準にして、0質量%超過5質量%以下である、〔1〕~〔10〕の何れか一項に記載の二次電池。
本発明による二次電池は、負極において、特に、負極用添加剤と、負極活物質と、導電剤と、バインダーとを備えてなることに特徴を有する。
(負極用添加剤)
負極用添加剤は、負極の必須構成材である。好ましくは、負極用添加剤は、負極活物質(ケイ素系物質及び黒鉛)と、導電剤とを含んでなる負極に含有されるものである。そして、本発明にあっては、電解質(液)がフルオロエチレンカーボネート(FEC)を含んでなる二次電池において、負極用添加剤として好ましくは使用されるものである。
負極用添加剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)であり、又は、主成分としてポリビニルピロリドン(PVP)を含んでなるものである。PVPは、物質(材料)の表面を親水化する効果があり、また、樹脂等との相溶性が高いため、電池構成成分に対する分散剤として使用される。また、PVPは、粘度が高い電解液に対する負極の濡れ性、負極材料中のケイ素系物質、導電剤、バインダーの分散性を高めることが可能となる。また、PVPは、非イオン性の水溶性ポリマーであり、水溶性であり、低級溶剤溶解性、吸湿性、成膜性、及び耐塩性が高いものである。更に、PVPは、その水溶性及び溶剤溶解性により、水系バインダー及び溶剤系バインダーを用いる場合にも使用することが可能である。しかしながら、本発明にあっては、PVPは上記機能・作用を付与する負極用添加剤として使用するものであって、バインダー用途で使用されるものではなく、この意味において、バインダー用途とは峻別される。
負極用添加剤は、PVPそのものであってもよい。また、負極の製造容易性を考慮して、水と混合溶解した水溶液として調製されてよい。また、水以外に、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、エタノール等の溶媒(溶剤)にも溶解可能であることから、溶媒に溶解させた溶液として調製されてよい。又は、PVPを溶剤に混合し、溶媒に分散させた分散液形態として調製されてもよい。或いは、PVPを粉末形態で混合し、カルボキシルメチルセルロース(CMC)等の増粘剤水溶液を加えて混練した添加剤として調製されてもよい。
よって、負極用添加剤(PVP)の含有量が上記数値範囲にあることにより、電池容量、電池間容量偏差、寿命特性、電極膨張率に対して最も優れた効果を発揮させることが可能となる。
二次電池は、負極活物質として、ケイ素系物質と、黒鉛とを少なくとも含んでなる。
ケイ素系物質(材料)は、例えば、ケイ素粉末、ケイ素合金、ケイ素酸化物(SiOx〔x=1~4〕)、アモルファスケイ素粉末、ケイ素ナノファイバー、ケイ素ナノワイヤー;前記ケイ素系物質と、黒鉛、カーボンナノチューブ(CNT)又はグラフェンから選択される炭素材料との複合体;リチウムを(予め)ドープした前記ケイ素系物質からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物であってよい。
黒鉛(グラファイト)は、天然黒鉛、人造黒鉛、又はこれらの混合物であってもよい。天然黒鉛は、一般的に、人造黒鉛及びケイ素系物質と比べて柔らかく、固練りによってケイ素系物質とよく馴染むと共に、一部の黒鉛が劈開して導電剤としての役割を担うことができる。人造黒鉛自体の膨張率は天然黒鉛よりも低いため、人造黒鉛を用いた電極は電極全体の膨張率も小さくなるとの効果を有する。
導電剤は、ケイ素系物質を用いる負極活物質において、黒鉛電極と同等の電池特性を付与することが可能となる。導電剤は、二次電池に化学的変化を誘発しないものが好ましく、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維;フロロカーボン、アルミニウム、ニッケル等の金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー、酸化チタン等の導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体等の導電性素材等からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物が挙げられ、好ましくは、導電性繊維である。導電性繊維は、ケイ素原子を含む粒子を負極活物質として用いた場合、充放電による膨張収縮によっても負極活物質間又は負極活物質と集電体との間における導電パスを維持し、負極活物質から脱落し難い構造を備えていることから、特に好ましい。
負極は、必須成分として、バインダーを含んでなる。バインダーは、負極活物質、導電剤を接着させ、或いは、電極集電体に対する結合を促進させる成分である。本発明にあっては、負極用添加剤としてポリビニルピロリドン(PVP)を必須成分として使用するものであるが、既に申し述べた通り、バインダーとして使用するものではない。
負極は、任意成分として、増粘剤を含んでもよい。増粘剤は、負極活物質、導電剤の分散性を維持し、並びに、電極集電体に対する結合を促進させる成分として有用である。特に、負極スラリー組成物を適正な粘度に調整し、固形分の沈降を予防する役割を担う。増粘剤の例には、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース化合物、上記セルロース化合物のアンモニウム塩およびアルカリ金属塩、ポリ(メタ)アクリル酸および改質ポリ(メタ)アクリル酸等のポリカルボン酸、上記ポリカルボン酸のアルカリ金属塩、ポリビニルアルコール、改質ポリビニルアルコールおよびエチレン-ビニルアルコールコポリマー等のポリビニルアルコールベースの(コ)ポリマー、(メタ)アクリル酸、マレイン酸またはフマル酸等の不飽和カルボン酸とビニルエステルとのコポリマーの鹸化生成物等の水溶性ポリマー、並びにアニオン性(メタ)アクリルポリマー増粘剤からなる群より選択される一種又は二種以上の混合物が好ましくは挙げられる。
負極は、任意成分として、充填剤を含んでもよい。充填剤は、負極の膨脹を抑制する成分であり、選択的に使用され、二次電池に化学的変化を誘発せず、繊維状の材料が好ましくは使用される。充填剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維等の繊維状物質からなる群より選択される一種又は二種以上の混合物が好ましくは挙げられる。
負極用組成物は、負極活物質として、ケイ素系物質及び黒鉛と、負極用添加剤として、ポリビニルピロリドン(PVP)と、導電剤と、バインダーとを必須成分として用意し、必要に応じて、増粘剤と、充填剤と、任意の添加剤と、水又は溶剤とを用意し、これらの物質を混合して、好ましくは、混錬して製造(調製)することができる。
最初に、ケイ素系物質と、負極用添加剤(PVP、PVP水溶液、又はPVP溶剤溶液等)とを混合することが好ましい。これにより、負極中におけるケイ素系物質の分散と、ケイ素系物質の粒子表面にFECによるSEI皮膜を十分に形成させることが可能となる。
この際に、CMCなどの増粘剤水溶液又は極微量のバインダー溶液を添加することにより、ケイ素系物質表面にPVPをより効果的に付着させることが可能となる。
次に、導電剤を加えて、黒鉛に比べて導電性が低いケイ素系物質に導電剤が付着するように分散することが好ましい。
その後、黒鉛及び適量の増粘剤、必要に応じてバインダーを添加し、固形分(不揮発成分)が60%以上となるように十分固練りすることにより、さらにケイ素物質の分散性が増加し、黒鉛材料表面にもまた親水性を付与することができる。
最後に、必要に応じて、塗工しやすい粘度になるように水及び溶剤を加えて粘度を調整してもよい。
「混錬(固練り)」は、一般的な混合機又は剪断性を有する混合機を用いておこなうことが可能であり、回転数、温度又は圧力を調整して行うことが可能である。
本発明にあっては、負極は、負極集電体に、上記した負極構成成分(負極組成物)を付与して、構成することができる。
負極集電体は、二次電池に化学的変化を誘発せず、高い導電性を持つものであればよい。例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼結炭素、アルミニウムやステンレススチールの表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀からなる群より選択される一種又は二種以上の混合物などで表面処理したもの等が用いられる。負極集電体は、表面に微細な凹凸を形成して負極材料の接着力を高めることができ、フィルム、シート、ホイール、ネット、多孔質体、発泡体、及び不織布体からなる群より選択される一種又は二種以上の混合体等の多様な形態が可能である。負極集電体の厚さは3μm以上50μm以下程度でよい。
負極は、一般に、負極集電体に、負極構成成分を形成し、又は、本発明による負極用組成物を塗布し乾燥させて得ることができる。
〈フルオロエチレンカーボネート(FEC)〉
本発明の二次電池にあっては、(非水性)電解質は、フルオロエチレンカーボネートであり、又は、主成分としてフルオロエチレンカーボネートを含んでなるものである。フルオロエチレンカーボネート(FEC)を含有することにより、活物質中のケイ素系物質とリチウムが合金化する過程において、良好なSEI皮膜が形成され、安定した充放電が行われるため、良好な寿命特性が得られる。
よって、PVPは、負極に対して、フルオロエチレンカーボネート(FEC)含有電解質の含浸性(濡れ性)及び保液性を促進させる機能と、ケイ素系物質及び導電剤の分散を促進させる機能とを併せ持ったものである。
本発明にあっては、FECを主成分とし、その他の電解質を含有してもよい。その他の電解質としては、例えば、環状カーボネート及び/又は鎖状カーボネートを含むことができる。環状カーボネートの例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ-ブチロラクトン(GBL)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などが挙げられる。鎖状カーボネートの例としては、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びメチルプロピルカーボネート(MPC)からなる群より選択された一種又は二種以上の混合物が好ましいが、これに限定されるものではなく、γ-ブチルラクトン(γ-BL)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリルやその誘導体、およびイオン液体からなる群より選択された1種又は二種以上の混合物などを用いてもよい。
本発明にあっては、添加剤として、ビニリレンカーボネート、ビフェニル、プロパンスルトン、及びジフェニルジスルフィドからなる群より選択された1種又は二種以上の混合物などを加えてもよい。また、非水電解質は、カーボネート化合物と共にリチウム塩を含み、具体例としては、LiClO4、LiCF3SO3、LiPF6、LiBF4、LiAsF6及びLiN(CF3SO2)2からなる群より選択された1種又は二種以上の混合物が好ましいが、これに限定されるものではない。
正極は、正極集電体上に、正極活性物質、導電剤、バインダー又は増粘剤、及び充填剤をさらに添加した正極組成物を形成して形成することが可能である。正極集電体、導電剤、バインダー、充填剤等は、負極で説明した材料と同様であってよい。正極集電体の厚さは3μm以上50μm以下程度である。
正極活性物質としては、リチウム含有遷移金属酸化物を望ましく使用でき、例えばLixCoO2(0.5<x<1.3)、LixNiO2(0.5<x<1.3)、LixMnO2(0.5<x<1.3)、LixMn2O4(0.5<x<1.3)、Lix(NiaCobMnc)O2(0.5<x<1.3、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LixNi1-yCoyO2(0.5<x<1.3、0<y<1)、LixCo1-yMnyO2(0.5<x<1.3、0≦y<1)、LixNi1-yMnyO2(0.5<x<1.3、0≦y<1)、Lix(NiaCobMnc)O4(0.5<x<1.3、0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LixMn2-zNizO4(0.5<x<1.3、0<z<2)、LixMn2-zCozO4(0.5<x<1.3、0<z<2)、LixCoPO4(0.5<x<1.3)、及びLixFePO4(0.5<x<1.3)からなる群より選択される一種又は二種以上の混合物を使用することができる。
セパレータは、正極及び負極間に介在され、高いイオン透過度及び機械的強度を持つ絶縁性の薄膜が用いられる。一般に、セパレータの気孔直径は0.01~10μmであり、厚さは5~300μmである。このようなセパレータとしては、例えば、耐化学性及び疎水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー、ポリイミド、ガラス繊維又はポリエチレンなどで作られたシートや不織布などが用いられ、さらに、安全性を高めるため、表面にアルミナ、チタニア、シリカなどの酸化物層があってもよい。電解質としてポリマーなどの固体電解質が用いられる場合には、固体電解質がセパレータを兼ねることができる。
本発明による二次電池は、通常の方法により正極及び負極間に多孔性のセパレータを挿入し、電解質を投入して製造することになる。本発明による二次電池は、円筒型、角型、パウチ型電池など、外形に関係なく用いられる。二次電池は、単一であっても、複数(直列又は並列)の二次電池として構成されてなるものであってよい。
以下の通り、二次電池を製造した。
(負極作成)
粒子表面に20nmの厚みの炭素被覆が施された平均粒径5μmのSiO粉末と、平均粒径15μmの天然黒鉛とを、重量比10:90になるように混合し負極活物質とした。
次に、負極活物質95重量%、導電剤としてカーボンブラック1.0重量%、負極添加剤としてPVPを1.0重量%混合した。バインダーとしてスチレンブタジエンラバー(SBR)を1.5重量%、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を1.5重量%混合し、純水を加えて十分混練してスラリー化し、塗工しやすい粘度になるように純水を加えて調整し、負極用(スラリー)組成物を得た。
そして、調製した負極用スラリー組成物を、厚さ20μmの銅箔に約100μmの厚さになるように塗布し、80℃で乾燥した。さらに、120℃で真空乾燥し、プレスした後、直径13mmの円形に打ち抜き、電極密度1.7g/ccの負極を調製した。
厚さ0.3mmの金属リチウムを正極とした。
フルオロエチレンカーボネート(FEC)と、ジエチルカーボネートを3:7の割合で混合し、LiPF61モルを溶解した、電解液を調製した。
上記二次電池構成材を組み立てて、2016型コイン電池を製造した。
実施例1の負極作成において、PVPの量を0.5重量%としたこと以外は実施例1と同様の方法でコイン電池を作成した。
実施例1の負極作成において、PVPの量を2.0重量%としたこと以外は実施例1と同様の方法でコイン電池を3個作成した。
実施例1において、PVPを負極に添加しないこと以外は、実施例1と同様の方法でコイン電池を作成した。
実施例1において、PVPを負極に添加せず、また、電解質の調整において、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を使用せず、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを3:7の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法でコイン電池を作成した。
実施例1において、PVPを1.0%添加し、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を使用せず、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を3:7の割合で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法でコイン電池を作成した。
実施例及び比較例におけるコイン電池について以下の評価試験を行った。その結果は、下記表1に示した通りであった。
製造したコイン電池各々3個についての初期容量は、表1に示した通りであった。単位重量あたりの容量の計算は、電池容量を、SiO、黒鉛、及び導電剤の合計の重量で除して行った。
実施例1では、PVPを1.0重量%添加し、かつ、粘度の高いFECを30%含む電解液組成であっても、設計容量である485mAh/gが得られており、コイン電池3個の間の容量偏差はなかった。
実施例2では、PVPを0.5重量%添加したため、コイン電池3個の間の容量に若干の差(偏差)があり、容量自体も実施例1よりは少なかった。
実施例3では、実施例1と同程度の初期容量が得られ、電池間偏差も見られなかった。
製造したコイン電池各々3個について、初回放電容量に対する50サイクル時の放電容量の比率は、表1に示した通りであった。
実施例1~実施例3は、電解液にFECを30%添加しているため、ケイ素系物質が充放電により膨張収縮して、ケイ素系物質の形状、表面積及び体積が変化しても良好なSEI被膜が形成されると共に、PVP添加により、高い電解液の保液性と、複数の活物質及び導電剤が均一に分散され、充放電に伴う電極厚みの変化が電極内の部位に依らず均一になり、電池の歪み及び電流集中等が生じ難くなる為、高いサイクル容量維持率を示した。
また、比較例2と比較例3では、FECが含まれていない電解液組成であるため、著しい容量劣化を示した。
本発明によれば、二次電池の負極において、ケイ素系物質と黒鉛を負極活物質とし、さらに導電剤が含み、電解液にフルオロエチレンカーボネート(FEC)を含む二次電池の系において、負極製造時にポリビニルピロリドン(PVP)を添加することにより、PVPが活物質および導電剤表面を親水化することで、粘度の高いFECを含む電解液の含浸性と保液性を高め、かつ、活物質および導電剤の均一な分散を高めるため、理論的に計算される設計容量が初回放電時に発現され、複数の電池間の容量偏差を改善することができた。
また、複数の活物質および導電剤が均一に分散されることにより、充放電に伴う電極厚みの変化を電極内の部位に依らず均一にし、電池の歪みや電流集中などが起こり難くなり、良好な寿命特性の二次電池を得ることができた。
Claims (11)
- 二次電池であって、
正極と、負極と、前記正極と前記負極との間におけるセパレータと、電解質とを備えてなり、
前記負極が、負極用添加剤と、負極活物質と、導電剤と、バインダーとを含んでなり、
前記負極活物質はケイ素系物質及び黒鉛を含み、
前記負極用添加剤が、ポリビニルピロリドンであり、又は、主成分としてポリビニルピロリドンを含んでなるものであり、
前記負極用添加剤が、親水剤、分散剤、及び電解質含浸(促進)剤又は電解質保液剤であり、
前記負極はポリフッ化ビニリデンを含まず、
前記電解質が、フルオロエチレンカーボネートであり、又は、主成分としてフルオロエチレンカーボネートを含んでなるものである、二次電池。 - 前記負極用添加剤の含有量は、前記負極の全質量を基準にして、0質量%超過5.0質量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
- 前記ケイ素系物質は、ケイ素粉末、ケイ素合金、ケイ素酸化物(SiOx〔x=1~4〕)、アモルファスケイ素粉末、ケイ素ナノファイバー、ケイ素ナノワイヤー;前記ケイ素系物質と、黒鉛、カーボンナノチューブ(CNT)又はグラフェンから選択される炭素材料との複合体;リチウムをドープした前記ケイ素系物質からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物である、請求項1又は2に記載の二次電池。
- 前記ケイ素系物質の含有量は、前記負極の全質量を基準にして、2質量%超過50質量%以下である、請求項1~3の何れか一項に記載の二次電池。
- 前記ケイ素系物質の平均粒径(MV)は、0.1μm以上15μm以下である、請求項1~4の何れか一項に記載の二次電池。
- 前記黒鉛は、天然黒鉛、人造黒鉛、又はこれらの混合物である、請求項1~5の何れか一項に記載の二次電池。
- 前記黒鉛の含有量は、前記二次電池の全質量を基準にして、0質量%超過98質量%以下である、請求項1~6の何れか一項に記載の二次電池。
- 前記黒鉛の平均粒径(MV)は、3μm以上30μm以下である、請求項1~7の何れか一項に記載の二次電池。
- 前記黒鉛と前記ケイ素系物質との平均粒径(MV)の比(黒鉛/ケイ素系物質)は、少なくとも2倍以上である、請求項1~8の何れか一項に記載の二次電池。
- 前記導電剤は、炭素繊維又は金属繊維である、請求項1~9の何れか一項に記載の二次電池。
- 前記導電剤の含有量は、前記負極の全質量を基準にして、0質量%超過5質量%以下である、請求項1~10の何れか一項に記載の二次電池。
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