以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
本実施形態の電子時計1は、図1に示すように、物理的な指針4によって時刻を表示するアナログ電子時計である。電子時計1は、外装ケース2、文字板3、指針4、日板5を備える。電子時計1は、この他、外装ケース2に組み付けられ、文字板3、指針4、日板5等を保護する透明保護部材等も含んで構成される。
外装ケース2は、電子時計1の最外郭を構成するものである。外装ケース2は、例えば、チタンやチタン合金などの材料によって形成される。ここでは、外装ケース2は、略円筒形状に形成されている。外装ケース2は、かん21を有する。かん21は、外装ケース2の外周面から突出して形成される。かん21は、複数設けられ、ベルト22が連結される。ベルト22は、腕等に巻き回されて装着される部分である。
文字板3は、外装ケース2の内部に配置される。文字板3は、インデックス31、及び、日窓32を有する。文字板3は、インデックス31、及び、日窓32が外装ケース2の外部に露出するような位置関係で外装ケース2に組み付けられる。ここでは、インデックス31は、文字板3の周縁部に形成され、指針4によって指し示される目盛りである。インデックス31は、文字板3の周方向に沿って等間隔で配置されている。日窓32は、文字板3を貫通して形成され、日板5上の文字を外装ケース2の外部に露出させる部分である。
指針4は、針状に形成され、文字板3の前面側(外装ケース2の外部側)に配置される。指針4は、秒針41、分針42、及び、時針43を含んで構成される。秒針41、分針42、及び、時針43は、同軸上に配置されており、中心軸線Xを回転中心として回転する。
日板5は、円板状に形成され、文字板3の背面側(外装ケース2の内部側)に配置される。日板5は、日窓32を介して文字板3の前面側に一部が露出する。日板5は、暦を識別する一連の文字群の複数の文字が周方向に等間隔でそれぞれ形成されている。日板5は、上述の中心軸線Xを回転中心として回転する。
そして、電子時計1は、外装ケース2内に内蔵される電子回路100を備え、この電子回路100によって指針4、日板5の回転が制御される。この結果、電子時計1は、文字板3に対する指針4、日板5の相対的な位置関係に応じて時刻を表示することができる。以下、図2を参照して電子回路100の各構成について詳細に説明する。なお、図2中、白抜き矢印は、電気エネルギ(電力)の流れを示しており、実線矢印は、信号の流れを示している。
電子回路100は、図2に示すように、電源部110と、時計動作部120と、計時部130と、制御部140とを備える。電源部110、時計動作部120、計時部130、及び、制御部140は、電子回路100において、それぞれ電源ブロック、時計動作ブロック、計時ブロック、制御ブロックと呼ばれる場合もある。
電源部110は、電子時計1の電力源である。電源部110は、時計動作部120、計時部130、制御部140等、電子時計1内の各部に対して電力を供給する。電源部110は、電池111と、発電部112と、電圧検出部113と、発電検出部114とを有する。電池111、発電部112、電圧検出部113、及び、発電検出部114は、電子回路100において、それぞれ電池ブロック、発電ブロック、電圧検出ブロック、発電検出ブロックと呼ばれる場合もある。
電池111は、充放電可能な二次電池である。電池111は、例えば、リチウムイオン電池等である。電池111は、発電部112が発電した電力によって充電可能である。電池111は、充電された電力を時計動作部120、計時部130、制御部140等に駆動電力として供給可能である。また、図示は省略するが、電池111は、電圧検出部113、発電検出部114等へも同様に電力を供給可能である。
発電部112は、電力を発電可能な回路である。ここでは、発電部112は、例えば、文字板3の下側に配置される光発電素子を含んで構成される。光発電素子は、複数が集合体となっていわゆるソーラーセルを構成し、受光した光を電気エネルギに変換する。発電部112は、例えば、当該光発電素子に対して太陽光等の外光が照射されることで発電可能である。発電部112は、発電した電力を電池111に供給し当該電池111を充電可能である。また、発電部112で発電した電力は、電池111を介さずに時計動作部120、計時部130、制御部140、発電検出部114等に駆動電力として供給可能である。
電圧検出部113は、電池111の電圧を検出する回路である。電圧検出部113による検出結果を示す信号(電池111の電圧を示す信号)は、制御部140等に送信される。
発電検出部114は、発電部112による発電の有無を検出する回路である。発電検出部114による検出結果を示す信号(発電部112による発電の有無を示す信号)は、制御部140等に送信される。
時計動作部120は、電池111を含む電源部110から供給される電力によって動作し時刻を表示するものである。上述した指針4、日板5も当該時計動作部120の一部を構成する。時計動作部120は、複数のモータ部121、122、123、124を有する。モータ部121、122、123、124は、電子回路100において、それぞれモータブロックと呼ばれる場合もある。モータ部121、122、123、124は、電池111を含む電源部110から供給される電力によって動作する回路である。モータ部121、122、123、124は、電源部110から供給される電力(電気エネルギ)を機械的な回転動力(回転エネルギ)に変換する。モータ部121、122、123、124は、例えば、それぞれステッピングモータを含んで構成される。モータ部121、122、123、124は、制御部140から受信する駆動信号に応じてステッピングモータが回転駆動する。時計動作部120は、モータ部121、122、123、124のステッピングモータの回転力が輪列等を介して指針4、日板5に伝達されることで当該指針4、日板5が回転する。この結果、時計動作部120は、秒針41、分針42、及び、時針43等の指針4が運針され、日板5が遷移する。ここでは、時計動作部120は、モータ部121により秒針41が回転され、モータ部122により分針42が回転され、モータ部123により時針43が回転され、モータ部124により日板5が回転される(以下、これらの動作を「時刻表示動作」という場合がある。)。
計時部130は、電池111を含む電源部110から供給される電力によって動作し、時計動作部120によって表示させる時刻(時計内部時刻)を計時する回路である。計時部130は、例えば、発振器、発振回路、補償回路、分周回路等を含んで構成され、電子時計1の内部での計時の基準となる所定の周波数を有するクロック信号を生成し、当該クロック信号に含まれるパルスをカウントすることで計時し(以下、この動作を「計時動作」という場合がある。)、当該計時結果を示す計時信号を制御部140に送信する。なお、この計時部130は、その全部、又は、一部が次に説明する制御部140の一部として構成されてもよい。
制御部140は、電子時計1の各部を統括的に制御する回路である。制御部140は、電子時計1における各種機能を実現するための種々の演算処理を実行する。制御部140は、電源部110、時計動作部120、計時部130等の各部と通信可能に接続され、各部との間で相互に各種信号を授受可能である。制御部140は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶部141、中央演算回路等の演算部142を含むマイクロコンピュータを主体とする集積回路によって構成される。記憶部141は、制御部140での各種処理に必要な条件や情報、制御部140で実行する各種プログラムやアプリケーション、制御データ等が格納されている。記憶部141は、例えば、電圧検出部113や発電検出部114で検出された各種情報を一時的に記憶することもでき、演算部142によってこれらの情報が必要に応じて読み出される。記憶部141は、演算部142のワークメモリとしても機能し、演算部142の処理対象となる情報が書き込まれ、例えば、演算部142による指針4、日板5の制御動作に基づく、それぞれの現在表示位置情報等も記憶する。演算部142は、各種入力信号等に基づいて、記憶部141に記憶されている各種プログラムを実行し、当該プログラムが動作することにより各部に出力信号を送信し各種機能を実現するための種々の処理を実行する。演算部142は、例えば、計時部130から受信する計時信号に基づいて時計動作部120によって表示させる時刻(時計内部時刻)を決定する処理を実行し、決定した時刻に基づいてモータ部121、122、123、124に駆動信号を送信し指針4、日板5の回転を制御し運針を行う処理を実行することによって、計時し、決定した時刻を、現在時刻として時計動作部120に表示させることができる。
なお、電子時計1は、さらにアンテナ、同調回路、受信回路などを備えていてもよい。同調回路は、アンテナと同調をとり、例えば、コンデンサの容量を切り替えるなどによって、所定の周波数にアンテナを同調する。受信回路は、アンテナによって受信された信号から標準電波を検出し、制御部140に対して送信して、時刻修正を行う電波時計としての機能を備えるようにしてもよい。
本実施形態の制御部140は、動作モードを使用状況や電源部110の状況に応じて複数のモードに切り替えることで、状況に応じたより適正な動作状態の確保を図っている。
具体的には、制御部140は、図2に示すように、機能概念的に、表示時刻決定部142aと、運針処理部142bと、モード切替部142cとを含んで構成される。
表示時刻決定部142aは、上述したように、計時部130から受信する計時信号に基づいて時計動作部120によって表示させる時刻(時計内部時刻)を決定する処理を実行する部分である。
運針処理部142bは、上述したように、表示時刻決定部142aが決定した時刻に基づいてモータ部121、122、123、124に駆動信号を送信し指針4、日板5の回転を制御し運針を行う処理を実行する部分である。
モード切替部142cは、電源部110、時計動作部120、計時部130等を含む電子時計1の各部を制御し、動作モードを複数のモードに切り替える処理を実行する部分である。本実施形態のモード切替部142cは、動作モードを、通常動作モード、節電モード、充電警告モード、又は、電源遮断モードの合計4つのモードに切り替え可能である。
通常動作モードとは、時計動作部120によって時刻を表示するモードであり、電池111を含む電源部110から時計動作部120、及び、計時部130に対して電力を供給し、時計動作部120、及び、計時部130を機能制限なく正常に動作させるモードである。言い換えれば、通常動作モードは、時計動作部120による時刻表示動作、及び、計時部130による計時動作に制限がないモードである。例えば、電子時計1は、通常動作モードでは、時計動作部120が1秒運針で動作する。ここで、1秒運針とは、1秒ごとに秒針41を運針する運針状態である。
節電モードとは、通常動作モードより消費電力が少ないモードであり、パワーセーブ(power save)モードと呼ばれる場合もある。節電モードは、電池111を含む電源部110から計時部130に対する電力の供給を維持しつつ時計動作部120に対して供給される電力の少なくとも一部を遮断し機能制限して、時計動作部120の動作部位を通常動作モードより減少させるモードである。言い換えれば、節電モードは、計時部130による計時動作に制限がない一方、時計動作部120による時刻表示動作の少なくとも一部に制限があるモードであり、通常動作モードより消費電力が少ないモードとなる。本実施形態の節電モードは、電池111を含む電源部110から時計動作部120に対する電力の供給を可能な限り遮断し、時計動作部120の指針4(秒針41、分針42、時針43)、日板5による全ての時刻表示動作を停止させるモードであるものとして説明する。電子時計1は、節電モードでは、時計動作部120による時刻表示動作を完全に停止することで消費電力を抑制することができる一方、計時部130による計時動作が継続されることで時計動作部120によって表示させるための正確な時刻(時計内部時刻)を把握した状態を維持することができる。
充電警告モードとは、充電警告を行うモードであり、充電警告を行うことでユーザーに充電を促すモードである。充電警告モードは、時計動作部120によって、通常動作モード、節電モード、電源遮断モード等での態様とは異なる態様で時刻を表示させることで充電警告を行うモードであり、電池111を含む電源部110から時計動作部120、及び、計時部130に対して電力を供給し、計時部130による計時動作に制限がない一方、時計動作部120が2秒運針で動作するモードであるものとして説明する。2秒運針とは、2秒ごとに秒針41を運針する運針状態であり、電子時計1は、充電警告モードでは、時計動作部120を2秒運針で動作させることで消費電力を抑制することができると共に時計動作部120によって他のモードとは異なる態様で時刻を表示させることで充電が必要である状態であることを表すことができる。また、電子時計1は、充電警告モードでは、計時部130による計時動作が継続されることで時計動作部120によって表示させるための正確な時刻(時計内部時刻)を把握した状態を維持することができる。
電源遮断モードとは、節電モードより消費電力が少ないモードであり、パワーブレーク(power break)モードと呼ばれる場合もある。電源遮断モードは、電池111を含む電源部110から時計動作部120、及び、計時部130に対する電力の供給を遮断し、機能制限するモードである。言い換えれば、電源遮断モードは、時計動作部120による時刻表示動作、及び、計時部130による計時動作に制限があるモードである。これにより、電源遮断モードは、節電モードより消費電力が少ないモードとなる。本実施形態の電源遮断モードは、電池111を含む電源部110から時計動作部120、計時部130に対する電力の供給を可能な限り遮断し、時計動作部120の指針4(秒針41、分針42、時針43)、日板5の全ての時刻表示動作、及び、計時部130の計時動作を停止させるモードであるものとして説明する。なお、電子時計1は、電源遮断モードでも、例えば、発電部112、電池111から電圧検出部113や発電検出部114に対する電力の供給を維持しており、電圧検出部113、発電検出部114による検出動作、モード切替部142cによるモード切替が可能な状態となっている。
モード切替部142cは、動作モードを、下記のようにして、通常動作モードと、節電モードと、充電警告モードと、電源遮断モードと、に切り替える。なお、各モードを切り替えるための条件に関する情報(例えば、後述する閾値に関する情報等)は、記憶部141に予め設定、記憶されている。
モード切替部142cは、通常動作モードで予め設定された節電条件を満たした場合に動作モードを通常動作モードから節電モードに切り替えて節電モードへと移行する。本実施形態の節電条件は、例えば、発電部112による発電がなされず電池111への充電が予め設定された所定期間(例えば、7日程度)得られないことであり、節電モードは、この場合に実行される。モード切替部142cは、発電部112による発電がなされず、電池111への充電が予め設定された所定期間得られなかった場合に節電条件を満たしたものと判定し、動作モードを通常動作モードから節電モードに切り替える。この場合、モード切替部142cは、電圧検出部113、発電検出部114による検出結果に基づいて発電部112による発電、及び、電池111への充電の有無を判定することができる。この結果、電子時計1は、例えば、長期間に渡る不使用時等、発電部112による発電、及び、電池111の充電がない状態が長期間に渡って続いた場合に、節電モードによって電力消費を抑制し電池111の電力の消耗を抑制することが可能となる。
そして、モード切替部142cは、例えば、節電モードで発電部112による発電がなされ電池111への充電が再開された場合に動作モードを節電モードから通常動作モードに切り替えて通常動作モードへと復帰する。なお、節電モードから通常動作モードへの節電復帰条件は、これに限らず他の条件であってもよい。
充電警告モードは、通常動作モード又は節電モードで予め設定された充電警告の条件を満たした場合に実行される。すなわち、モード切替部142cは、通常動作モード又は節電モードで予め設定された充電警告条件を満たした場合に動作モードを通常動作モード又は節電モードから充電警告モードに切り替えて充電警告モードへと移行する。本実施形態の充電警告条件は、電圧検出部113が検出した電池111の電圧である検出電池電圧Vdが予め設定される第1閾値としての充電警告判定電圧V1以下となることである。つまり、本実施形態の充電警告モードは、通常動作モード又は節電モードで検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1以下となった場合に実行される。モード切替部142cは、通常動作モード又は節電モードで検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1以下となった場合に充電警告条件を満たしたものと判定し、動作モードを通常動作モード又は節電モードから充電警告モードに切り替える。この結果、電子時計1は、例えば、電池111の電圧が時間経過等に伴って相対的に低下してきた場合に充電警告モードによって充電を促すことが可能となる。ここでは、本実施形態のモード切替部142cは、図3に示すように、通常動作モードの場合と節電モードの場合とで充電警告判定電圧V1を同じ値の電圧値V11に設定する。
さらに、モード切替部142cは、充電警告モードで発電部112による発電がなされ電池111への充電がなされることで検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1(電圧値V11)より大きくなった場合に動作モードを充電警告モードから通常動作モードに切り替えて通常動作モードへと復帰する。
なお、充電警告モードから通常動作モードへの充電警告復帰条件は、これに限らず他の条件であってもよい。例えば、モード切替部142cは、充電警告判定電圧V1を電圧値V11とは異なる電圧値V11hysに設定するようにしてもよい。電圧値V11hysは、電圧値V11に対してヒステリシスを設けた値であり当該電圧値V11よりやや大きな値に設定される。そして、モード切替部142cは、充電警告モードで検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1(電圧値V11hys)より大きくなった場合に充電警告復帰条件を満たしたものと判定し、動作モードを充電警告モードから通常動作モードに切り替える。この場合、言い換えれば、電圧値V11は、充電警告移行判定用の充電警告判定電圧に相当し、電圧値V11hysは、充電警告復帰判定用の充電警告判定電圧に相当する。これにより、モード切替部142cは、動作モードの切り替えが頻発することを抑制することができ、無駄な電力消費を抑制することが可能となる。
電源遮断モードは、充電警告モードで予め設定された電源遮断条件を満たした場合に実行され、モード切替部142cは、充電警告モードで予め設定された電源遮断条件を満たした場合に動作モードを充電警告モードから電源遮断モードに切り替えて電源遮断モードへと移行する。本実施形態の電源遮断条件は、電圧検出部113が検出した電池111の電圧である検出電池電圧Vdが予め設定される閾値であって充電警告判定電圧V1とは異なる第2閾値としての電源遮断判定電圧V2以下となることである。つまり、本実施形態の電源遮断モードは、充電警告モードで検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2以下となった場合に実行される。ここで、第2閾値としての電源遮断判定電圧V2は、第1閾値としての充電警告判定電圧V1より小さな値として予め設定され、モード切替部142cは、充電警告モードで検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2以下となった場合に電源遮断条件を満たしたものと判定し、動作モードを充電警告モードから電源遮断モードに切り替える。この結果、電子時計1は、例えば、長期間に渡る不使用時等、発電部112による発電、及び、電池111の充電がない状態が長期間に渡って続いた場合に、電源遮断モードによって消費電力を最小限に抑制し電池111の電力の消耗を最小限に抑制することが可能となる。
そして、本実施形態のモード切替部142cは、図3に示すように、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合と節電モードから充電警告モードに移行した場合とで電源遮断判定電圧V2を異なる電圧値V21、V22に設定する。これにより、電子時計1は、例えば、通常動作モードと節電モードとでそれぞれに応じた適正なタイミングで、充電警告モードから電源遮断モードに移行することが可能となる。
具体的には、モード切替部142cは、節電モードから充電警告モードに移行した場合に通常動作モードから充電警告モードに移行した場合と比較して電源遮断判定電圧V2を相対的に大きな値に設定する。モード切替部142cは、図3に示すように、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合に電源遮断判定電圧V2を第1の電圧値V21に設定する。一方、モード切替部142cは、節電モードから充電警告モードに移行した場合に電源遮断判定電圧V2を電圧値V21より大きい第2の電圧値V22に設定する。これにより、電子時計1は、節電モードから充電警告モードに移行した場合、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合と比較して、電池111の電力量が相対的に多く残っている相対的に早いタイミングで、充電警告モードから電源遮断モードに移行することが可能となる。一方、電子時計1は、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合には、上記とは逆に、節電モードから充電警告モードに移行した場合と比較して相対的に遅いタイミングで、充電警告モードから電源遮断モードに移行することが可能となる。
また、モード切替部142cは、電源遮断モードで予め設定された電源遮断復帰条件を満たした場合に動作モードを電源遮断モードから他のモード、ここでは充電警告モードに切り替えて電源遮断モードから充電警告モードへと復帰する。本実施形態の電源遮断復帰条件は、電源遮断モードで発電部112による発電がなされ電池111の充電が行われ、検出電池電圧Vdが予め設定された第3閾値としての電源遮断復帰判定電圧V2hysより大きいことである。
ここで、第3閾値としての電源遮断復帰判定電圧V2ysは、図3に示すように、通常動作モード用の電源遮断判定電圧(電源遮断移行判定電圧)V2(電圧値V21)に対してヒステリシス(不感帯)を設けた値であり当該電圧値V21よりやや大きな値に設定される。本実施形態のモード切替部142cは、図3に示すように、電源遮断復帰判定電圧V2hysを、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合の電源遮断判定電圧V2である電圧値V21より大きく、節電モードから充電警告モードに移行した場合の電源遮断判定電圧V2である電圧値V21より小さい値に設定する。その上で、本実施形態のモード切替部142cは、電源遮断復帰判定電圧V2hysを、通常動作モードから充電警告モードを経て電源遮断モードに移行した場合と節電モードから充電警告モードを経て電源遮断モードに移行した場合とで同じ値の電圧値V2hysに設定する。この場合、言い換えれば、電圧値V21、V22は、電源遮断移行判定用の判定電圧に相当し、電圧値V2hysは、電源遮断復帰判定用の判定電圧に相当する。
モード切替部142cは、電源遮断モードで電池111の充電が行われ、検出電池電圧Vdが電源遮断復帰判定電圧V2hysより大きい場合に電源遮断復帰条件を満たしたものと判定し、動作モードを電源遮断モードから充電警告モードに復帰する。これにより、モード切替部142cは、動作モードの切り替えが頻発することを抑制することができ、無駄な電力消費を抑制することが可能となり、通常動作モードの場合と節電モードの場合とで電源遮断復帰判定電圧V2hysが共通の電圧値V2hysとされることで、節電モードから電源遮断モードに至った場合に電源遮断モードからの復帰を相対的に早めることが可能となる。
なお、モード切替部142cは、電源遮断モードから充電警告モードへと復帰する場合には、種々の公知の手法によって、計時部130による計時動作、及び、時計動作部120による時刻表示動作を再開し、針位置合わせを行えばよい。電子時計1は、例えば、電波修正機能を備えている場合には、受信した標準電波に基づいて計時部130による計時動作、及び、時計動作部120による時刻表示動作を再開させてもよい。
次に、図4、図5、図6、図7のフローチャート図を参照して電子時計1における制御の一例の概略を説明する。図4を参照して電源遮断モードまでの簡易的な制御の一例を説明した後、図5、図6、図7を参照してより詳細な制御の一例を説明する。
図4に示す例では、制御部140のモード切替部142cは、動作モードが通常動作モード又は節電モードである状態で、検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1としての電圧値V11より大きいか否かを判定する(ステップS1)。この場合、モード切替部142cは、例えば、電圧検出部113による複数回の検出結果に基づいた検出電池電圧Vdを用いることで電圧検出の確度を向上することができる(以下で説明する電圧検出でも同様である。)。モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1としての電圧値V11より大きいと判定した場合(ステップS1:Yes)、このステップS1の処理を繰り返し実行する。モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1としての電圧値V11以下であると判定した場合(ステップS1:No)、ステップS2の処理に移行する。
モード切替部142cは、ステップS2の処理では、動作モードを通常動作モード又は節電モードから充電警告モードに切り替えて、当該充電警告モードへと移行する(ステップS2)。
次に、モード切替部142cは、充電警告モードへの移行が節電モードからの移行であったか否かを判定する(ステップS3)。モード切替部142cは、節電モードからの移行でなかった、すなわち、通常動作モードからの移行であったと判定した場合(ステップS3:No)、ステップS4の処理に移行する。モード切替部142cは、節電モードからの移行であったと判定した場合(ステップS3:Yes)、ステップS5の処理に移行する。
モード切替部142cは、ステップS4の処理では、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2としての電圧値V21より大きいか否かを判定(ステップS4)し、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2としての電圧値V21より大きいと判定した場合(ステップS4:Yes)、ステップS4の処理を繰り返し実行する。また、モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2としての電圧値V21以下であると判定した場合(ステップS4:No)、ステップS6の処理に移行する。
モード切替部142cは、ステップS5の処理では、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2としての電圧値V22より大きいか否かを判定する(ステップS5)。ここで、電圧値V22は、電圧値V21より相対的に大きな値である。モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2としての電圧値V22より大きいと判定した場合(ステップS5:Yes)、このステップS5の処理を繰り返し実行する。また、モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2としての電圧値V22以下であると判定した場合(ステップS5:No)、ステップS6の処理に移行する。
モード切替部142cは、ステップS6の処理では、動作モードを充電警告モードから電源遮断モードに切り替えて、当該電源遮断モードへと移行する(ステップS6)。
次に、上述したように、図5、図6、図7を参照してより詳細な制御の一例を説明する。なお、以下の説明では、「PSF」は、節電(パワーセーブ)の状態を表すフラグであり、「PSF=0」は、運針が行われる非節電状態であること表し、「PSF=1」は、運針が行われない節電状態であること表す。また、「VF」は、運針状態を表すフラグであり、「VF=0」は、1秒運針であることを表し、「VF=1」は、2秒運針であることを表す。また、「PScount」は、発電部112による発電、電池111への充電が行われていない期間をカウントするためのカウンタ値を表す。また、「V1」は、上述した充電警告判定電圧V1を表し、「V11」は、上述した電圧値V11を表す。また、「V2」は、上述した電源遮断判定電圧V2を表し、「V21」は、上述した通常動作モード用の電圧値V21を表し、「V22」は、上述した節電モード用の電圧値V22を表す。また、「V2hys」は、上述した「電源遮断復帰判定電圧V2hys(電圧値V2hys)」を表す。
図5に示す例では、まず、制御部140のモード切替部142cは、初期値として、「PSF=0」、「VF=0」、「PScount=0」、「V1=V11」、「V2=V21」に設定する(ステップS101)。この状態では、電子時計1は、動作モードが通常動作モードであり、電源遮断判定電圧V2が通常動作モード用の電圧値V21に設定されている。
次に、モード切替部142cは、電圧検出部113によって検出電池電圧Vdを検出する電圧検出処理を実行する(ステップS102)。この電圧検出処理については、図6で詳細に説明する。
次に、制御部140の運針処理部142bは、いわゆる正秒(運針タイミング)であるか否かを判定する(ステップS103)。運針処理部142bは、正秒でないと判定した場合(ステップS103:No)、このステップS103の処理を繰り返し実行する。運針処理部142bは、正秒であると判定した場合(ステップS103:Yes)、ステップS104の処理に移行する。
次に、モード切替部142cは、ステップS104の処理では、発電検出部114による検出結果等に基づいて発電部112による発電、電池111への充電があるか否かを判定する(ステップS104)。モード切替部142cは、発電部112による発電、電池111への充電があると判定した場合(ステップS104:Yes)、ステップS105の処理に移行する。モード切替部142cは、発電部112による発電、電池111への充電がないと判定した場合(ステップS104:No)、ステップS109の処理に移行する。
モード切替部142cは、ステップS105の処理では、「PSF=0」、「PScount=0」、「V2=V21」に設定する(ステップS105)。モード切替部142cは、例えば、「PSF」、「PScount」、「V2」がもともとこの値であった場合にはその値を維持する(以下同様。)。
次に、運針処理部142bは、時計動作部120によって表示する時刻が偶数秒であるか否かを判定する(ステップS106)。時計動作部120によって表示する時刻は、表示時刻決定部142aによって、計時部130から受信する計時信号に基づいて決定される。運針処理部142bは、時計動作部120によって表示する時刻が偶数秒であると判定した場合(ステップS106:Yes)、ステップS107の処理に移行する。運針処理部142bは、時計動作部120によって表示する時刻が偶数秒でない、すなわち、奇数秒であると判定した場合(ステップS106:No)、ステップS108の処理に移行する。
運針処理部142bは、ステップS107の処理では、表示時刻決定部142aが決定した時刻に基づいてモータ部121、122、123、124に駆動信号を送信し指針4、日板5の回転を制御し運針を行い、時計動作部120によって現在時刻を表示する(ステップS107)。その後、制御部140は、ステップS102の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
運針処理部142bは、ステップS108の処理では、「VF=0」であるか否か、すなわち、運針状態が1秒運針であるか否かを判定する(ステップS108)。
運針処理部142bは、「VF=0」である、すなわち、運針状態が1秒運針であると判定した場合(ステップS108:Yes)、ステップS107の処理に移行し、時計動作部120によって現在時刻を表示する(ステップS107)。これにより、電子時計1は、時計動作部120によって1秒運針で現在時刻を表示することとなる。その後、制御部140は、ステップS102の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
運針処理部142bは、「VF=0」でない、すなわち、「VF=1」であり運針状態が2秒運針であると判定した場合(ステップS108:No)、ステップS107の処理を行わずに、ステップS102の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。つまりこの場合、運針処理部142bは、運針を行わない。これにより、電子時計1は、時計動作部120によって2秒運針で現在時刻を表示することとなる。
モード切替部142cは、ステップS109の処理では、「PScount=PScount+1」とし、すなわち、「PScount」に「1」を加算しカウントアップ(インクリメント)する(ステップS109)。
次に、モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×7より大きいか否か、言い換えれば、発電部112による発電の停止(「PScount」のカウント開始)から所定期間としての7日が経過したか否かを判定する(ステップS110)。
モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×7以下である、言い換えれば、発電部112による発電の停止から7日が経過していないと判定した場合(ステップS110:No)、ステップS106の処理に移行する。すなわちこの場合、モード切替部142cは、動作モードを通常動作モードで維持する。
モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×7より大きい、言い換えれば、発電部112による発電の停止から7日が経過したと判定した場合(ステップS110:Yes)、「PSF=1」、「V2=V22」に設定する(ステップS111)。これにより、モード切替部142cは、動作モードを通常動作モードから節電モードに切り替えると共に電源遮断判定電圧V2を節電モード用の電圧値V22に設定する。その後、制御部140は、ステップS102の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
次に、図6を参照して、上述のステップS102の電圧検出処理についてより詳細に説明する。
図6に示す電圧検出処理では、まず、モード切替部142cは、電圧検出部113によって検出電池電圧Vdを検出する(ステップS201)。
次に、モード切替部142cは、ステップS201の処理で検出した検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1より大きいか否かを判定する(ステップS202)。この場合、充電警告判定電圧V1は、電圧値V11が設定されている。モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1より大きいと判定した場合(ステップS202:Yes)、ステップS203の処理に移行する。モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1以下であると判定した場合(ステップS202:No)、ステップS204の処理に移行する。
モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1より大きいと判定した場合(ステップS202:Yes)、「VF=0」に設定する(ステップS203)。すなわち、モード切替部142cは、運針状態を1秒運針とし、今回の電圧検出処理を終了する。これにより、モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが充電警告判定電圧V1以上である場合は、動作モードを通常動作モードとする。
モード切替部142cは、ステップS204の処理では、ステップS201の処理で検出した検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2より大きいか否かを判定する(ステップS204)。この場合、電源遮断判定電圧V2は、「PSF=0」、すなわち、運針が行われる通常動作モードであった場合には通常動作モード用の電圧値V21が設定されている。一方、電源遮断判定電圧V2は、「PSF=1」、すなわち、運針が行われない節電モードであった場合には節電モード用の電圧値V22が設定されている。モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2より大きいと判定した場合(ステップS204:Yes)、ステップS205の処理に移行する。モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2以下であると判定した場合(ステップS204:No)、ステップS206の処理に移行する。
モード切替部142cは、ステップS205の処理では、「VF=1」、「PSF=0」、「PScount=0」に設定する(ステップS205)。すなわち、モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2より大きく、充電警告判定電圧V1以下である場合は通常動作モード、節電モードにかかわらず、運針状態を2秒運針とし、今回の電圧検出処理を終了する。これにより、モード切替部142cは、動作モードを充電警告モードとする。
モード切替部142cは、ステップS206の処理では、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2より小さい場合は動作モードを電源遮断モードへと移行する電源遮断モード処理を実行し(ステップS206)、今回の電圧検出処理を終了する。この電源遮断モード処理については、図7で詳細に説明する。
次に、図7を参照して、上述のステップS206の電源遮断モード処理についてより詳細に説明する。
図7に示す電源遮断モード処理では、モード切替部142cは、「V2=V2hys」に設定する(ステップS301)。電圧値V2hysは、上述の電源遮断復帰判定電圧V2hysに相当する値であり、上述したように電圧値V21より大きく電圧値V22より小さい電圧値である。つまり言い換えれば、モード切替部142cは、電源遮断判定電圧V2の値を電源遮断復帰判定電圧V2hysに相当する値に設定する。
次に、モード切替部142cは、発電検出部114以外の部分に対する電力の供給を、必要最低限(モード切替部142c、発電検出部114)を残し遮断しOFFとする(ステップS302)。これにより、モード切替部142cは、動作モードを電源遮断モードに移行する。
次に、モード切替部142cは、発電検出部114による検出結果等に基づいて発電部112による発電、電池111への充電があるか否かを判定する(ステップS303)。
モード切替部142cは、発電部112による発電、電池111への充電がないと判定した場合(ステップS303:No)、電圧検出部113、制御部140に対する電力の供給を、必要最低限(モード切替部142c、発電検出部114)を残して遮断しOFFとする(ステップS304)。モード切替部142cは、電圧検出部113、制御部140に対する電力の供給がすでに遮断されている場合にはその状態を維持する。その後、制御部140は、ステップS303の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
モード切替部142cは、発電部112による発電、電池111への充電があると判定した場合(ステップS303:Yes)、電圧検出部113、制御部140に対して電力を供給しONとする(ステップS305)。モード切替部142cは、電圧検出部113、制御部140に対して電力が供給されている場合にはその状態を維持する。
次に、モード切替部142cは、電圧検出部113によって検出電池電圧Vdを検出する(ステップS306)。
次に、モード切替部142cは、ステップS306の処理で検出した検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2より大きいか否かを判定する(ステップS307)。この場合、ステップS301の処理によって、電源遮断判定電圧V2は、第2閾値に相当する電圧値V21、V22にかえて第3閾値である電源遮断復帰判定電圧に相当する電圧値V2hysが設定されている。電子時計1は、通常動作モードから充電警告モードを経て電源遮断モードに移行した場合、電池111に対して電圧値V21から電圧値V2hys間の容量分充電が必要なため、発電部112により電池111が一定量充電されない限り、検出電池電圧Vdがここでの電源遮断復帰判定電圧V2(=電圧値V2hys)より大きいと判定されることはない(図3等参照)。一方、電子時計1は、節電モードから充電警告モードに移行した場合、電圧値V22から電圧値V2hys間の容量分消費が可能であるため、検出電池電圧Vdが電圧値V22以下であっても、余計な電力消費が抑制され電池111の電力量が相対的に多く残っている状態であれば、ステップS303で発電、電池111への充電があると判定されればすぐに検出電池電圧Vdが電源遮断復帰判定電圧V2(=電圧値V2hys)より大きいと判定されることとなる(図3等参照)。
モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2(ここでは電圧値V2hys)以下であると判定した場合(ステップS307:No)、ステップS304の処理に移行し、ステップS303の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。
モード切替部142cは、検出電池電圧Vdが電源遮断判定電圧V2(ここでは電圧値V2hys)より大きいと判定した場合(ステップS307:Yes)、電源遮断モード処理を解除するため、「V2=V21」に設定し、すぐに電源遮断モード処理に戻らないようにする。さらに、モード切替部142cは、「PSF=0」、「VF=1」、「PScount=0」、計時部130を0:00:00とし、電源遮断モード処理解除後、充電警告モードになるように設定する(ステップS308)。
次に、モード切替部142cは、各部に対して電力を供給しONとする(ステップS309)。これにより、モード切替部142cは、動作モードを通常動作モードに復帰し、今回の電源遮断モード処理を終了する。
以上で説明した電子時計1は、制御部140が時計動作部120を制御し、動作モードを、通常動作モード、節電モード、充電警告モード、又は、電源遮断モードに切り替えることができる。電子時計1は、例えば、長期間に渡る不使用時等、発電部112による発電、及び、電池111の充電がない状態が長期間に渡って続いた場合に、節電モードによって電力消費を抑制し電池111の電力の消耗を抑制することができる。これにより、電子時計1は、少なくとも計時部130による計時動作をより長期間に渡って継続することができる。そして、電子時計1は、例えば、電池111の電圧が時間経過等に伴って相対的に低下してきた場合に電源遮断モードに至る前に充電警告モードによって充電を促すことができる。そして、電子時計1は、例えば、長期間に渡る不使用時等、発電部112による発電、及び、電池111の充電がない状態がさらに長期間に渡って続いた場合に、電源遮断モードによって時計動作部120、及び、計時部130に対する電力の供給を遮断することができる。これにより、電子時計1は、消費電力を最小限に抑制し電池111の電力の消耗を最小限に抑制することができる。この結果、電子時計1は、電源遮断モードに至った状態から、再び他のモードに復帰する際に要する電池111の充電量を抑制することができ、再び他のモードに復帰するまでの期間を相対的に短くすることができるような動作状態を確保することができる。この場合に、電子時計1は、制御部140によって、充電警告モードから電源遮断モードへの移行を判定するための電源遮断判定電圧V2が通常動作モードから充電警告モードに移行した場合と節電モードから充電警告モードに移行した場合とで異なる値に設定されるため、通常動作モードと節電モードとでそれぞれに応じた適正なタイミングで、充電警告モードから電源遮断モードに移行することができるような動作状態を確保することができる。この結果、電子時計1は、状況に応じて適正な動作状態を確保することができる。
以上で説明した電子時計1は、制御部140によって、節電モードから充電警告モードに移行した場合に通常動作モードから充電警告モードに移行した場合と比較して電源遮断判定電圧V2が相対的に大きな値に設定される。この結果、電子時計1は、例えば、節電モードから充電警告モードを経て電源遮断モードに至った状態から、再び他のモードに復帰するまでの期間をより短くすることができるような動作状態を確保することができる。
すなわち、電子時計1は、節電モードから充電警告モードに移行した場合に、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合と比較して相対的に早いタイミングで、充電警告モードから電源遮断モードに移行することができる。この結果、電子時計1は、節電モードに移行した後に充電警告モードに移行した場合に、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合と比較して、余計な電力消費を抑制し電池111の電力量が相対的に多く残っている状態で電源遮断モードに移行することができる。これにより、電子時計1は、例えば、長期間に渡る不使用時等で節電モードに移行し充電警告モードを経て電源遮断モードに至った場合には、通常動作モードから電源遮断モードに至った場合と比較して、再び他のモードに復帰する際に要する電池111の充電量をさらに抑制することができる。この結果、電子時計1は、節電モードに移行し充電警告モードを経て電源遮断モードに至った場合には、通常動作モードから電源遮断モードに至った場合と比較して、再び他のモードに復帰するまでの期間をさらに短くすることができ、電子時計の使い勝手を向上できる。
なお、電子時計1は、節電モードから電源遮断モードに至る前に必ず充電警告モードを経ることで、節電モードから突然に電源遮断モードに移行し機能停止してしまうことを抑制し電池111の電力量低下、及び、充電の必要性を警告することができる。この結果、電子時計1は、必要最小限のユーザビリティを確保することができる。言い換えれば、電子時計1は、節電モードと電源遮断モードとの間に必ず充電警告モードを介在させることで、節電モードの場合に相対的に早いタイミングで電源遮断モードに移行することの背反を軽減することができる。
一方、電子時計1は、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合には、上記とは逆に、節電モードから充電警告モードに移行した場合と比較して相対的に遅いタイミングで、充電警告モードから電源遮断モードに移行することができる。言い換えれば、電子時計1は、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合には、節電モードから充電警告モードに移行した場合と比較して、電源遮断モードに至る前の充電警告モードの期間を相対的に長く確保することができる。この結果、電子時計1は、例えば、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合にはすぐに電源遮断モードに移行してしまうことを抑制することができるので、ユーザビリティを向上することができる。
以上で説明した電子時計1は、制御部140によって、電源遮断モードからの復帰を判定するための電源遮断復帰判定電圧V2hysが通常動作モードから電源遮断モードに移行した場合と節電モードから電源遮断モードに移行した場合とで共通の同じ値に設定される。これにより、電子時計1は、節電モードから電源遮断モードに至った場合に電源遮断モードからの復帰を実際に早めることができる。すなわち、電子時計1は、節電モードから電源遮断モードに移行した後、検出電池電圧Vdが電圧値V22以下であっても電源遮断復帰判定電圧V2hysより大きければ電池111への充電が検出されればすぐに電源遮断モードから充電警告モードに復帰することができる。この結果、電子時計1は、例えば、机の引き出し等に収納されたままにされ、通常動作モードから節電モード、充電警告モード、電源遮断モードへと移行した状態で、引き出しから出され電池111への充電が開始されると、すぐに電源遮断モードから復帰することができる。
以上のように、電子時計1は、状況に応じて適正な動作状態を確保することができることで、例えば、電源遮断モードからの復帰期間の短縮とユーザビリティの確保とをバランスよく両立することができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る電子時計は、節電モードが複数の異なるモードを含む点等で実施形態1とは異なる。以下では、上述した実施形態と同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
図8、図9、図10、図11で説明する本実施形態に係る電子時計1A(図1、図2参照)は、節電モードが複数の異なるモードを含む点で上述の電子時計1と異なる。また、電子時計1Aは、第1閾値としての充電警告判定電圧V1、及び、第2閾値としての電源遮断判定電圧V2の設定値の点でも上述の電子時計1と異なる。電子時計1Aのその他の構成は、当該電子時計1と略同様の構成である。
本実施形態の節電モードは、図8に示すように、複数の異なるモードを含んで構成され、複数の異なるモードとして、第1節電モード、第2節電モード、及び、第3節電モードの合計3つの異なるモードを含んで構成される。第1節電モード、第2節電モード、及び、第3節電モードは、いずれも通常動作モードより消費電力が少ないモードであり、第1節電モード、第2節電モード、及び、第3節電モードは、いずれも電池111を含む電源部110から計時部130に対する電力の供給を維持する点では共通である。一方、第1節電モード、第2節電モード、及び、第3節電モードは、時計動作部120に対する機能制限、言い換えれば、動作部位の数の点で相互に異なる。ここでは、第1節電モード、第2節電モード、及び、第3節電モードは、時計動作部120による時刻表示動作の態様が相互に異なることで、各モードにおける消費電力が相互に異なる。第1節電モードは、時計動作部120の秒針41による時刻表示動作のみを停止させるモードである。第2節電モードは、時計動作部120の秒針41、及び、分針42による時刻表示動作を停止させるモードである。第3節電モードは、時計動作部120の秒針41、分針42、時針43、及び、日板5の全てによる時刻表示動作を停止させるモードである。これにより、第1節電モードは、消費電力が第2節電モード、第3節電モードより相対的に多いモードとなる。第2節電モードは、消費電力が第1節電モードより相対的に少なくかつ第3節電モードより相対的に多いモードとなる。第3節電モードは、消費電力が第1節電モード、第2節電モードより相対的に少ないモードとなる。
第1節電モードは、予め設定された第1節電条件を満たした場合に実行され、第2節電モードは、予め設定された節電条件であって第1節電条件とは異なる第2節電条件を満たした場合に実行され、第3節電モードは、予め設定された節電条件であって第1節電条件、第2節電条件とは異なる第3節電条件を満たした場合に実行される。本実施形態の第1節電条件は、例えば、発電部112による発電がなされず電池111への充電が予め設定された第1所定期間(例えば、7日程度)得られないことである。第2節電条件は、例えば、発電部112による発電がなされず電池111への充電が予め設定された所定期間であって第1所定期間より長い第2所定期間(例えば、14日程度)得られないことである。第3節電条件は、例えば、発電部112による発電がなされず電池111への充電が予め設定された所定期間であって第2所定期間より長い第3所定期間(例えば、30日程度)得られないことである。つまり、本実施形態のモード切替部142cは、通常動作モードで発電部112による発電がなされず電池111への充電が予め設定された第1所定期間得られなかった場合に第1節電条件を満たしたものと判定し、動作モードを通常動作モードから第1節電モードに切り替えて第1節電モードへと移行する。モード切替部142cは、第1節電モードで発電部112による発電がなされず電池111への充電が予め設定された第2所定期間得られなかった場合に第2節電条件を満たしたものと判定し、動作モードを第1節電モードから第2節電モードに切り替えて第2節電モードへと移行する。モード切替部142cは、第2節電モードで発電部112による発電がなされず電池111への充電が予め設定された第3所定期間得られなかった場合に第3節電条件を満たしたものと判定し、動作モードを第2節電モードから第3節電モードに切り替えて第3節電モードへと移行する。
本実施形態のモード切替部142cは、通常動作モードの場合と節電モードの場合とで充電警告判定電圧V1を異なる値に設定する。また、本実施形態のモード切替部142cは、節電モードの複数の異なるモード、すなわち、第1節電モード、第2節電モード、第3節電モードごとに充電警告判定電圧V1、及び、電源遮断判定電圧V2を異なる値に設定する。ここでは、モード切替部142cは、節電モードの複数の異なるモードにおいて、消費電力が相対的に多いモードでの充電警告判定電圧V1、及び、電源遮断判定電圧V2を相対的に小さな値に設定し、消費電力が相対的に少ないモードでの充電警告判定電圧V1、及び、電源遮断判定電圧V2を相対的に大きな値に設定する。つまり、モード切替部142cは、第1節電モードでの充電警告判定電圧V1、及び、電源遮断判定電圧V2を第2節電モードでの充電警告判定電圧V1、及び、電源遮断判定電圧V2より相対的に小さな値に設定する。モード切替部142cは、第2節電モードでの充電警告判定電圧V1、及び、電源遮断判定電圧V2を第3節電モードでの充電警告判定電圧V1、及び、電源遮断判定電圧V2より相対的に小さな値に設定する。モード切替部142cは、節電モードの複数の異なるモードにおいて、第1のモードの次に消費電力が少ない第2のモードでの電源遮断判定電圧V2での充電警告判定電圧V1以下に設定する。つまり、モード切替部142cは、第1節電モード(上記第1のモードに相当)の次に消費電力が少ない第2節電モード(上記第2のモードに相当)での電源遮断判定電圧V2を第1節電モードでの充電警告判定電圧V1以下に設定する。モード切替部142cは、第2節電モード(上記第1のモードに相当)の次に消費電力が少ない第3節電モード(上記第2のモードに相当)での電源遮断判定電圧V2を第1節電モードでの充電警告判定電圧V1以下に設定する。
図8の例では、モード切替部142cは、通常動作モードの場合には充電警告判定電圧V1を電圧値V111に設定する。また、モード切替部142cは、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合に電源遮断判定電圧V2を電圧値V210に設定する。モード切替部142cは、第1節電モードの場合には充電警告判定電圧V1を通常動作モードの場合と同じ値の電圧値V111に設定する。モード切替部142cは、第1節電モードから充電警告モードに移行した場合に電源遮断判定電圧V2を電圧値V210より大きい電圧値V221に設定する。モード切替部142cは、第2節電モードの場合には充電警告判定電圧V1を電圧値V111より大きい電圧値V112に設定する。モード切替部142cは、第2節電モードから充電警告モードに移行した場合に電源遮断判定電圧V2を電圧値V221より大きくかつ電圧値V111と同じ値の電圧値V222に設定する。モード切替部142cは、第3節電モードの場合には充電警告判定電圧V1を電圧値V112より大きい電圧値V113に設定する。モード切替部142cは、第3節電モードから充電警告モードに移行した場合に電源遮断判定電圧V2を電圧値V222より大きくかつ電圧値V112と同じ値の電圧値V223に設定する。また、モード切替部142cは、電源遮断復帰判定電圧V2hysを、通常動作モードから充電警告モードに移行した場合の電源遮断判定電圧V2である電圧値V210より大きく、第1節電モードから充電警告モードに移行した場合の電源遮断判定電圧V2である電圧値V221より小さい値に設定する。その上で、本実施形態のモード切替部142cも、当該電源遮断復帰判定電圧V2hysを、通常動作モードから充電警告モードを経て電源遮断モードに移行した場合と第1節電モード、第2節電モード、第3節電モードの各節電モードから充電警告モードを経て電源遮断モードに移行した場合とで同じ値の電圧値V2hysに設定する。
次に、図9、図10、図11を参照して実施形態2における電子時計1Aの制御の一例を説明する。ここでも、上述した図5、図6、図7等と重複する説明についてはできる限り省略する。なお、以下の説明では、「PSF=0」は、運針が行われる非節電状態であること表し、「PSF=1」は、運針が行われない節電状態のうち第1節電モードであること表し、「PSF=2」は、運針が行われない節電状態のうち第2節電モードであること表し、「PSF=3」は、運針が行われない節電状態のうち第3節電モードであること表す。また、「V111」、「V112」、「V113」、「V210」、「V221」、「V222」、「V223」は、それぞれ上述した電圧値V111、V112、V113、V210、V221、V222、V223を表す。また、「V2hys」は、上述した「電源遮断復帰判定電圧V2hys(電圧値V2hys)」を表し、実施形態1と同様に「電圧値V210」に対してヒステリシスを設けた値である。
図9に示す例では、まず、制御部140のモード切替部142cは、初期値として、「PSF=0」、「VF=0」、「PScount=0」、「V1=V111」、「V2=V210」に設定し(ステップS401)、上述したステップS102の処理に移行する。この状態では、電子時計1Aは、動作モードが通常動作モードであり、充電警告判定電圧V1が通常動作モード用の電圧値V111に設定され、電源遮断判定電圧V2が通常動作モード用の電圧値V210に設定されている。
モード切替部142cは、上述のステップS104の処理で、発電部112による発電、電池111への充電があると判定した場合(ステップS104:Yes)、ステップS405の処理に移行する。モード切替部142cは、ステップS405の処理では、「PSF=0」、「PScount=0」、「V1=V111」、「V2=V210」に設定し(ステップS405)、上述したステップS106の処理に移行する。
モード切替部142cは、上述のステップS106の処理で、時計動作部120によって表示する時刻が偶数秒であると判定された場合(ステップS106:Yes)、ステップS407の処理に移行する。運針処理部142bは、ステップS407の処理では、時計動作部120によって現在時刻を表示する時刻表示処理を実行する(ステップS407)。この時刻表示処理については、図11で詳細に説明する。
また、モード切替部142cは、上述のステップS109の処理を実行した後、節電モードを設置する節電モード設定処理を実行し(S410)、ステップS106の処理に移行する。この節電モード設定処理については、図10で詳細に説明する。
次に、図10を参照して、上述のステップS410の節電モード設定処理についてより詳細に説明する。
図10に示す節電モード設定処理では、まず、モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×7より大きいか否か、言い換えれば、発電部112による発電の停止(「PScount」のカウント開始)から第1所定期間としての7日が経過したか否かを判定する(ステップS501)。
モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×7以下である、言い換えれば、発電部112による発電の停止から7日が経過していないと判定した場合(ステップS501:No)、ステップS502の処理に移行する。モード切替部142cは、ステップS502の処理では、「PSF=0」、「V1=V111」、「V2=V210」に設定し(ステップS502)、今回の電圧検出処理を終了する。すなわちこの場合、モード切替部142cは、動作モードを通常動作モードとする。
モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×7より大きい、言い換えれば、発電部112による発電の停止から7日が経過したと判定した場合(ステップS501:Yes)、ステップS503の処理に移行する。モード切替部142cは、ステップS503の処理では、「PScount」が3600×24×14より大きいか否か、言い換えれば、発電部112による発電の停止(「PScount」のカウント開始)から第2所定期間としての14日が経過したか否かを判定する(ステップS503)。
モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×14以下である、言い換えれば、発電部112による発電の停止から14日が経過していないと判定した場合(ステップS503:No)、ステップS504の処理に移行する。モード切替部142cは、ステップS504の処理では、「PSF=1」、「V1=V111」、「V2=V221」に設定し(ステップS504)、今回の電圧検出処理を終了する。すなわちこの場合、モード切替部142cは、動作モードを第1節電モードとする。
モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×14より大きい、言い換えれば、発電部112による発電の停止から14日が経過したと判定した場合(ステップS503:Yes)、ステップS505の処理に移行する。モード切替部142cは、ステップS505の処理では、「PScount」が3600×24×30より大きいか否か、言い換えれば、発電部112による発電の停止(「PScount」のカウント開始)から第3所定期間としての30日が経過したか否かを判定する(ステップS505)。
モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×30以下である、言い換えれば、発電部112による発電の停止から30日が経過していないと判定した場合(ステップS505:No)、ステップS506の処理に移行する。モード切替部142cは、ステップS506の処理では、「PSF=2」、「V1=V112」、「V2=V222」に設定し(ステップS506)、今回の電圧検出処理を終了する。すなわちこの場合、モード切替部142cは、動作モードを第2節電モードとする。
モード切替部142cは、「PScount」が3600×24×30より大きい、言い換えれば、発電部112による発電の停止から30日が経過したと判定した場合(ステップS505:Yes)、ステップS507の処理に移行する。モード切替部142cは、ステップS507の処理では、「PSF=3」、「V1=V113」、「V2=V223」に設定し(ステップS507)、今回の電圧検出処理を終了する。すなわちこの場合、モード切替部142cは、動作モードを第3節電モードとする。
次に、図11を参照して、上述のステップS407の時刻表示処理についてより詳細に説明する。
図11に示す時刻表示処理では、まず、運針処理部142bは、「PSF=0」であるか否か、すなわち、動作モードが通常動作モード又は充電警告モードであるか否かを判定する(ステップS601)。
運針処理部142bは、「PSF=0」である、言い換えれば、動作モードが通常動作モード又は充電警告モードであると判定した場合(ステップS601:Yes)、ステップS602の処理に移行する。運針処理部142bは、ステップS602の処理では、時計動作部120の秒針41によって現在時刻の秒桁時刻を表示する(ステップS602)。
次に、運針処理部142bは、時計動作部120の分針42によって現在時刻の分桁時刻を表示する(ステップS603)。
次に、運針処理部142bは、時計動作部120の時針43によって現在時刻の時桁時刻を表示する(ステップS604)。この場合、運針処理部142bは、時計動作部120の日板5によって現在の暦も表示する。その後、運針処理部142bは、今回の時刻表示処理を終了する。
運針処理部142bは、「PSF=0」でない、言い換えれば、動作モードが通常動作モード、充電警告モードでないと判定した場合(ステップS601:No)、ステップS605の処理に移行する。運針処理部142bは、ステップS605の処理では、「PSF=1」であるか否か、言い換えれば、動作モードが第1節電モードであるか否かを判定する(ステップS605)。
運針処理部142bは、「PSF=1」である、言い換えれば、動作モードが第1節電モードであると判定した場合(ステップS605:Yes)、ステップS603の処理に移行する。すなわちこの場合、運針処理部142bは、時計動作部120の秒針41による時刻表示動作のみを停止させ、分針42、時針43、日板5によって現在時刻を表示する。
運針処理部142bは、「PSF=1」でない、言い換えれば、動作モードが第1節電モードでないと判定した場合(ステップS605:No)、ステップS606の処理に移行する。運針処理部142bは、ステップS606の処理では、「PSF=2」であるか否か、言い換えれば、動作モードが第2節電モードであるか否かを判定する(ステップS606)。
運針処理部142bは、「PSF=2」である、言い換えれば、動作モードが第2節電モードであると判定した場合(ステップS606:Yes)、ステップS604の処理に移行する。すなわちこの場合、運針処理部142bは、時計動作部120の秒針41、及び、分針42による時刻表示動作を停止させ、時針43、日板5によって現在時刻を表示する。
運針処理部142bは、「PSF=2」でない、言い換えれば、動作モードが第2節電モードでなく第3節電モードであると判定した場合(ステップS606)、このまま今回の時刻表示処理を終了する。すなわちこの場合、運針処理部142bは、時計動作部120の秒針41、分針42、時針43、及び、日板5の全てによる時刻表示動作を停止させる。
上記のように、上述した電圧検出処理のステップS202の処理では、充電警告判定電圧V1は、「PSF=0」、すなわち、運針が行われる通常動作モードであった場合、及び、「PSF=1」、すなわち、第1節電モードであった場合には電圧値V111が設定されている。充電警告判定電圧V1は、「PSF=2」、すなわち、第2節電モードであった場合には電圧値V112が設定されている。充電警告判定電圧V1は、「PSF=3」、すなわち、第3節電モードであった場合には電圧値V113が設定されている。電源遮断判定電圧V2は、上述した電圧検出処理のステップS204の処理では、「PSF=0」、すなわち、運針が行われる通常動作モードであった場合には通常動作モード用の電圧値V210が設定されている。電源遮断判定電圧V2は、「PSF=1」、すなわち、第1節電モードであった場合には第1節電モード用の電圧値V221が設定されている。電源遮断判定電圧V2は、「PSF=2」、すなわち、第2節電モードであった場合には第2節電モード用の電圧値V222が設定されている。電源遮断判定電圧V2は、「PSF=3」、すなわち、第3節電モードであった場合には第3節電モード用の電圧値V223が設定されている。モード切替部142cは、これらの値に基づいて動作モードの切り替え判定を行うこととなる。
以上で説明した電子時計1Aは、上述した電子時計1と同様に、状況に応じて適正な動作状態を確保することができる。
その上で、以上で説明した電子時計1Aは、制御部140によって、充電警告モードへの移行を判定するための充電警告判定電圧V1が通常動作モードの場合と節電モードの場合とで異なる値に設定される。この構成により、電子時計1Aは、通常動作モードと節電モードとでそれぞれに応じた適正なタイミングで、充電警告モードに移行することができるような動作状態を確保することができる。この結果、電子時計1Aは、例えば、通常動作モードの場合、節電モードの場合の双方で、より適切なタイミングで充電警告を行うことができる。
また、以上で説明した電子時計1Aは、節電モードが複数の異なるモード、ここでは、第1節電モード、第2節電モード、及び、第3節電モードを含み、制御部140によって、電源遮断判定電圧V2が第1節電モード、第2節電モード、第3節電モードごとに異なる値に設定される。この構成により、電子時計1Aは、例えば、節電モードにおける時計動作部120による時刻表示動作等を段階的に変更することができる。その上で、電子時計1Aは、第1節電モード、第2節電モード、第3節電モードでそれぞれに応じた適正なタイミングで、充電警告モードから電源遮断モードに移行することができるような動作状態を確保することができる。
同様に、以上で説明した電子時計1Aは、制御部140によって、充電警告判定電圧V1が第1節電モード、第2節電モード、第3節電モードごとに異なる値に設定される。この構成により、電子時計1Aは、第1節電モード、第2節電モード、第3節電モードでそれぞれに応じた適正なタイミングで、充電警告モードに移行することができるような動作状態を確保することができる。
ここでは、以上で説明した電子時計1Aは、制御部140によって、節電モードの第1節電モード、第2節電モード、第3節電モードにおいて、消費電力が相対的に多いモードでの充電警告判定電圧V1、及び、電源遮断判定電圧V2を相対的に小さな値に設定し、消費電力が相対的に少ないモードでの充電警告判定電圧V1、及び、電源遮断判定電圧V2を相対的に大きな値に設定する。この構成により、電子時計1Aは、消費電力が相対的に少ない節電モード、例えば、機能制限がより多い節電モードほど、より早いタイミングで充電警告モード、電源遮断モードに移行し易い動作状態を確保することができる。これにより、電子時計1Aは、電源遮断モードに至った場合に再び他のモードに復帰するまでの期間をさらに短くすることができる。一方、電子時計1Aは、消費電力が相対的に多い節電モード、例えば、機能制限がより少ない節電モードほど、早いタイミングで充電警告モード、電源遮断モードに移行し難い動作状態を確保することができる。この結果、電子時計1Aは、電源遮断モードからの復帰期間の短縮とユーザビリティの確保とをより好適にバランスよく両立することができる。
さらに、以上で説明した電子時計1Aは、制御部140によって、節電モードの第1節電モード、第2節電モード、第3節電モードにおいて、第1のモードの次に消費電力が少ない第2のモードでの電源遮断判定電圧V2が第1モードでの充電警告判定電圧V1以下に設定される。この構成により、電子時計1Aは、節電モードの第1節電モード、第2節電モード、第3節電モードのいずれにおいても、電源遮断モードに至る前に必ず充電警告モードを経ることができる。例えば、電子時計1Aは、時間経過に伴って節電モードが第1節電モードから第2節電モードに切り替わった際でも、突然に電源遮断モードに移行することなく、電源遮断モードに至る前に必ず充電警告モードを経ることができる。この結果、電子時計1Aは、少なくとも必要最小限のユーザビリティを確保することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る電子時計は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係る電子時計は、以上で説明した実施形態、変形例の構成要素を適宜組み合わせることで構成してもよい。
以上の説明では、電子時計1、1Aは、アナログ電子時計であるものとして説明したがこれに限らない。電子時計1、1Aは、例えば、時計動作部120が指針4によらずにデジタル式で時刻を表示するデジタル電子時計であってもよい。また、電子時計1、1Aは、ベルト22を介して腕に装着される腕時計であるものとして説明したがこれに限らない。電子時計1、1Aは、例えば、置き時計、掛け時計、懐中時計等であってもよい。また、電子時計1、1Aは、例えば、各種カメラ、ゲーム機器、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯可能な情報端末装置、家庭電化製品や自動車を含む電子機器に適用されるものであってもよい。
以上の説明では、時計動作部120は、秒針41、分針42、時針43、日板5のそれぞれに対応してモータ部121、122、123、124が設けられるものとして説明したがこれに限らない。時計動作部120は、例えば、輪列等を介して分針42と時針43とを連動させて回転、運針させることでモータ部122とモータ部123とを1つで兼用してもよい。
以上の説明では、発電部112は、光発電素子を含んで構成されるものとして説明したがこれに限らない。発電部112は、例えば、圧電素子を含んで構成され、振動により振動面に発生する圧力を当該圧電素子によって電力に変換する、いわゆる振動発電方式であってもよい。また、発電部112は、熱電変換素子を含んで構成され、熱エネルギを電気エネルギに変換することで発電する熱発電方式であってもよい。
以上で説明した通常動作モード、節電モード (第1節電モード、第2節電モード、第3節電モード)、充電警告モード、電源遮断モードの内容は、上記に限られない。少なくとも節電モードは、通常動作モードより消費電力が少なければよく、電源遮断モードは、節電モードより消費電力が少なければよい。例えば、以上の説明では、電子時計1、1Aは、秒針41、分針42、時針43、日板5の動作を変更することによって通常動作モードと節電モードとを切り替えていたが、他の付加機能(例えば、アラーム、照明、電波送受信機能)の動作の制限を変更して通常動作モードと節電モードとを切り替えるようにしてもよい。また、節電条件(第1節電条件、第2節電条件、第3節電条件)についても上記の条件に限られない。
また、実施形態2で説明した制御部140は、節電モードの複数の異なるモードにおいて、消費電力が相対的に多いモードでの第1閾値、及び、第2閾値を相対的に小さな値に設定し、消費電力が相対的に少ないモードでの第1閾値、及び、第2閾値を相対的に大きな値に設定するものとして説明したがこれに限らず、例えば、この逆であってもよいし、個別に大小関係を変えてもよい。
以上の説明では、電源遮断復帰判定電圧V2ysは、通常動作モード用の電源遮断判定電圧V2(電圧値V21、電圧値V210)に対してヒステリシスを設けた値であるものとして説明したがこれに限らず、通常動作モード用の電源遮断判定電圧V2と同等の値であってもよい。電源遮断復帰判定電圧V2ysは、通常動作モードから充電警告モードを経て電源遮断モードに移行した場合と節電モードから充電警告モードを経て電源遮断モードに移行した場合とで同じ値であるものとして説明したがこれに限らず、異なる値に設定されてもよい。
なお、参考例として、電子時計は、上述した充電警告モードを有さない構成とされる場合がある。この場合、参考例に係る電子時計は、充放電可能である電池と、前記電池から供給される電力によって動作し時刻を表示する時計動作部と、前記電池の電圧を検出する電圧検出部と、前記時計動作部を制御し、動作モードを、前記時計動作部によって時刻を表示する通常動作モードと、予め設定された節電条件を満たした場合に実行され前記通常動作モードより消費電力が少ない節電モードと、前記電圧検出部が検出した前記電池の電圧である検出電池電圧が、前記通常動作モード、又は、前記節電モードから電源遮断モードへの移行を判定するための閾値(電源遮断判定電圧)以下となった場合に実行され、前記節電モードより消費電力が少ない電源遮断モードと、に切り替える制御部とを備え、前記制御部は、前記通常動作モードの場合と前記節電モードの場合とで前記閾値を異なる値に設定するように構成されてもよい。この場合であっても、参考例に係る電子時計は、状況に応じて適正な動作状態を確保することができる場合がある。