JP7058684B2

JP7058684B2 - シフト装置

Info

Publication number: JP7058684B2
Application number: JP2020061199A
Authority: JP
Inventors: 悟司河野; 文隆安部; 雅彦秋山
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 2020-03-30
Filing date: 2020-03-30
Publication date: 2022-04-22
Anticipated expiration: 2040-03-30
Also published as: CN113464647A; US20210301916A1; JP2021160391A; CN113464647B

Description

本発明は、自動車に搭載される変速機の走行レンジを切り替えるためのシフト装置に関し、特に、運転者の操作を制限するための反力を付与することができるシフト装置に関する。

従来より、自動車において運転者の前方の表示パネルや車両走行用操作ハンドル周辺に設けられ、回動操作部材の回動操作で走行レンジを切り替えて選択することができるシフト装置が知られている。そして、従来のシフト装置においては、回動操作部材によって選択された走行レンジの位置に応じて、現在のシフトレンジの位置が表示される。

特許文献１には、運転者が一回の操作で切り替えることができるシフトレンジの選択に制限を設け、運転者が意図しないシフトレンジの切り替えが回避できるシフト装置が記載されている。このように、運転者が意図するとおりのシフトレンジの切り替えがなされる工夫が施されている。

特開２０１３－４７０７４号公報

そして、回動操作式のシフト装置においては、運転者が意図する所定のレンジ以外のレンジに入ることを抑制するために、シフタ装置の回動操作に電気的に反力を与えることが考えられている。この電気的反力は、運転者がある程度継続して操作した後に反力を付与させることで、運転者は操作が制限されていることを認識できる。また、不必要な電力消費の抑制にもなる。

しかしながら、運転者がシフト装置の操作に反力を感じたときに、この反力が、運転者の操作に対する適正な反力なのか、シフト装置の反力を付与する機構の故障などによるものであるのかが判別できず、運転者がシフト装置の必要な操作を中止したり、逆に不必要な操作を継続してしまったりすることがある。よって、反力の付与が継続する場合には、運転者が意図するレンジの切り替えができなくなる可能性が生じる。

本発明は、このような従来技術に含まれる課題を解決するべく案出されたものであり、回動操作式のシフト装置においては、運転者が意図する所定のレンジ以外のレンジに入ることを抑制するために、シフタ装置の回動操作に電気的に反力を与えるときに、反力の付与が継続する場合において、運転者が意図するレンジの切り替えができなくなることがないシフト装置を提供するにことを目的とする。

このような課題を解決するため、本発明においては、ダイヤル式の操作部材を回動操作することによって、複数の特定レンジへ切り替えることが可能となるシフト部材を備えた車両のシフト装置において、前記シフト部材が回動操作された場合に反力を付与する反力付与手段及び反力付与を制御する反力付与制御手段を有し、前記反力付与手段による反力の付与が所定時間を超えて継続した場合に、反力付与制御手段は反力付与手段による反力の付与を抑制（停止、低減を含む）することを特徴とする。

反力の付与が所定時間継続された場合には、運転者は、反力が運転者の操作に対して適正に付与されているものなのか、反力付与手段の故障によるものなのかが判別できない。そして、反力付与手段が故障している場合において、運転者は意図的にレンジを切り替えたいという可能性も生じ、この場合には運転者の操作の意図が阻害されてしまうことになる。このような反力の付与が所定時間継続されたときに反力の付与を抑制すれば、運転者の操作を阻害することを回避することができる。

また、この場合に本発明においては、前記反力付与の制御は、前記所定時間経過後に作動される報知手段が一定時間継続して作動しても反力付与が継続される場合に反力の付与を抑制することを特徴とする。

反力付与が継続されている状況が運転者の誤操作のためである可能性もあるため、報知手段を作動させて運転者が適切なレンジに切り替えることを促す。そして、報知手段が一定時間継続して作動しても反力付与が継続される場合は、シフト装置における反力付与手段が故障している可能性が高いため、このときには反力を抑制することとする。

また、この場合に本発明においては、前記反力付与が抑制された後は、前記特定のレンジに切り替わるまで反力を抑制することを継続させることを特徴とする。

運転者の誤操作などによって、シフト装置の操作部材が所定のレンジの中間位置で保持されている可能性もあり、このような場合においては、適切な反力を付与することはできない。反力付与を抑制することによって、運転者がシフト装置の操作部材を所定のレンジに切り替える操作をすることができるようになるので、反力付与が抑制された後は、所定のレンジに切り替わるまで反力を抑制することを継続させる必要がある。

また、この場合に本発明においては、前記所定時間は走行レンジ（Ｄ，Ｒ）から他のレンジに切り替える間に発生する反力抑制の継続時間よりも、駐車レンジ（Ｐ）から他のレンジに切り替える間に発生する反力抑制の継続時間を長く設定することを特徴とする。

駐車レンジから他のレンジに切り替える場合には車両が動き出す可能性があり、駐車レンジから他のレンジに切り替える際の反力の抑制は、他の場合の反力の抑制よりも長く設定することによって、安全性を向上できる。

また、この場合に本発明においては、前記反力が抑制された後に、前回の回動操作によってレンジが切り替わった場合には切り替わる前のレンジに設定されることを特徴とする。

運転者の誤操作によって反力が付与されている可能性もあり、反力が抑制されたことによって、誤操作が続いてレンジが切り替わったとしても、前回のレンジを維持するため不用意にレンジが切り替わることを防ぐことができる。

このように、本発明によれば、回動操作式のシフト装置に関し、運転者が意図する所定のレンジ以外のレンジに入ることを抑制するために、シフタ装置の回動操作に電気的に反力を与えるときに、反力の付与が継続する場合において、運転者が意図するレンジの切り替えができなくなることがないようにできる。

本発明のシフト装置の制御経路の系統の概観を車両上に示す図本発明の車両中の運転者前面における各操作部材・表示部材の配置を示す図本発明のシフト装置における制御経路の系統を示すブロック線図本発明のシフト装置の各操作部材・表示部材の概観構成図シフト部材への反力付与の抑制の制御のフロー図

以下、本発明の一実施態様について、図面を参照しながら、詳細に説明する。

車両Ｖのシフト装置Ｓは、シフト部材１、報知手段を兼ねる表示部２、反力付与制御手段３１を含む制御装置３、反力付与手段４、及び、時間計測のためのタイマー５を含む。シフト部材１は、運転者６が車両Ｖのトランスミッションのシフトレンジ位置を選択する操作部材である。図１および図２に示すように、シフト部材１は、運転者６の前面の表示パネル７上であって、車両走行用操作ハンドル８の左側の下方に配置される。シフト部材１の上方に報知手段を兼ねる表示部２が配置されている。また、車両Ｖ内に、シフト装置Ｓのシフト部材１に操作の反力を付与する反力付与手段４及び反力付与手段４を制御する反力付与制御手段３１を含む制御装置３が備えられる。報知手段を兼ねる表示部２は制御装置３によって制御される。

図３はシフト装置Ｓにおける制御経路の系統を示すブロック線図である。制御装置３（反力付与制御手段３１を含む）は、シフト部材１（操作部材）から回動操作がなされた信号を受けて反力付与手段４を制御してシフト部材１に操作の反力を与えるとともに、シフト装置Ｓの表示部２（報知手段）におけるレンジ位置の表示を制御する。また、制御装置３（反力付与制御手段３１を含む）は、タイマー５から反力付与手段４における反力付与の継続時間の情報や表示部２から報知時間の情報を受けて、反力付与手段４を制御し、反力の抑制など措置を行う。

図４に示すように、シフト部材１は、ダイヤル式の円柱状のつまみ部材有する回動操作部材からなるものである。表示部２は、シフト部材１の上方に配置され、シフト部材１の操作により選択されたレンジの位置を表示する。

車両レンジ切り替え装置４１により切り替えられるレンジ位置、及び、表示部２において表示されるレンジ位置には、駐車時のＰ（パーキング）レンジ、車両を後進走行させるＲ（リバース）レンジ、駆動力の伝達を遮断するＮ（ニュートラル）レンジ、車両を前進走行させるＤ（ドライブ）レンジの他、Ｌ（ロー（１速））レンジ、２（セカンド）レンジ、Ｓ（スポーツモード）レンジやＢ（回生制動）レンジなどがある。本実施形態のシフト装置Ｓは、Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，Ｓの各レンジを有するのであり、表示部２において、それぞれのレンジを示す表示位置が、左側から、Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｄ，Ｓの順に配置される。

また、表示部２には、図２及び図４に示されているように、レンジ位置を表示する箇所の右下側（本発明においてはＳレンジ位置を示す表示部の下方）に、異常状態などを表示する警報表示部２１が配置される。本発明においては、後述のように、反力の付与時間が所定時間以上継続した場合に、警報表示部２１の該当箇所が点滅する。

本発明の車両のシフト装置Ｓにおいて、運転者６がシフト部材１の回動操作において反力を感じる場合、運転者６は、制御装置３の反力付与制御手段３１が反力付与手段４を制御してシフト部材１に適正に反力が与えられたことによるのか、シフト装置Ｓにおける反力付与手段が故障したためであるのかを判別することは難しい。そして、運転者６が、反力付与手段４が故障しているために反力を受けている状況でシフト部材１を回動操作したい場合もあり得る。

そこで、運転者６がシフト部材１の操作中に、シフト部材１が所定時間以上反力を付与した場合には、報知手段が作動し、すなわち、表示部２における警報表示部２１の該当箇所が点滅し、反力の付与が所定時間を超えて付与されていることを運転者に報知する。そして、報知手段が所定時間以上作動したとき、すなわち、警報表示部２１の該当箇所の点滅が所定時間持続されたとき、反力付与制御手段３１が反力付与手段４を制御して反力の付与を抑制することとする。

シフト部材１が所定時間以上反力を付与した場合に報知手段を作動させるのは、反力付与が続いている状況は運転者６の誤操作による可能性があるため、一旦は、報知手段を作動させて警報表示部２１の該当箇所を点滅表示し、運転者６が適切なレンジに切り替えることを促すためである。

なお、反力が付与され続けて報知手段が作動するまでの所定時間は、走行レンジ（Ｄ，Ｒ）から他のレンジに切り替える間に発生する反力の継続時間よりも、駐車レンジ（Ｐ）から他のレンジに切り替える間に発生する反力の継続時間よりも長い。

これは、駐車レンジ（Ｐ）から他のレンジに切り替える場合には車両が動き出す可能性があり、駐車レンジ（Ｐ）から他のレンジ切り替える際には反力の付与が抑制される前の時間を長くして、安全性を向上させようとするものである。

また、運転者６がシフト部材１によってレンジ位置を選択する操作をした際、誤操作などによってシフト部材１の操作がレンジ位置の中間位置で保持する操作となってしまう可能性もある。この場合には適切な反力を付与できず不必要な反力が付与されてしまっている。そのため、反力の付与が抑制された後においても、すぐに反力の付与の抑制を解除（終了）することなく、運転者６がシフト部材１の操作でレンジ位置を切り替えることができるまでは、反力付与の抑制を継続させるようにする必要がある。

そして、反力付与が抑制された後に、運転者６によるシフト部材１の操作でレンジ位置が切り替わった場合には、切り替わる前のレンジ位置に設定されるようにするのが好ましい。これによって、誤操作が続いてレンジが切り替わったような場合でも、前回のレンジ位置が維持されるため、不用意にレンジが切り替わることを防止できる。なお、駐車レンジ位置となっている状態で反力付与が抑制されて、誤操作などで駐車レンジから切り替わったとしても駐車レンジを維持することで車両が動き出すことを防止できる。

次に、図５のフロー図を参照して、シフト装置Ｓのシフト部材１の回動操作に反力を与える場合における反力の付与の抑制の制御について、その流れを説明する。

図５に示すように、まず、運転者６がレンジ位置を選択するためのシフト部材１の回動操作に反力を付与し（ステップＳＴ１）、そして、反力の付与が継続される時間（Ｔ１）をタイマー５で計測する（ステップＳＴ２）。

次に、ステップＳＴ２で計測された反力の付与が継続される時間（Ｔ１）が所定時間（Ｔ０１）より長いか否か（Ｔ１≧Ｔ０１？）が判定される（ステップＳＴ３）。判定の結果がＹＥＳの場合、すなわち、反力の付与が継続される時間（Ｔ１）が所定時間（Ｔ０１）より長い場合は次のステップＳＴ４に進む。判定結果がＮＯの場合、すなわち、反力の付与が継続される時間（Ｔ１）が所定時間（Ｔ０１）より短い場合は、ステップＳＴ２に戻る。この場合、ステップＳＴ２で再度反力付与時間（Ｔ１）が計測され、次にステップＳＴ３でＹＥＳの結果が得られる前は、すなわち、反力付与時間（Ｔ１）が所定時間（Ｔ０１）より短い間は、ステップＳＴ２、ステップＳＴ３、ステップＳＴ２の順に移行するループが繰り返され、同じ状態が維持される。

なお、図５のフローには表れていないが、ステップＳＴ３で反力付与時間（Ｔ１）と比較される所定時間（Ｔ０１）は、どのようなレンジの選択（切り替え）の操作においても常に同じ値を取るものではなく、例えば、駐車レンジ（Ｐ）から他のレンジに切り替える場合の所定時間Ｔ０２の方が、走行レンジ（Ｄ，Ｒ）から他のレンジに切り替える場合の所定時間Ｔ０２より長い。駐車レンジから他のレンジ（走行レンジＤ，Ｒなど）に切り替える場合には、車両が動き出す可能性があり、安全性向上のため、反力の付与を抑制するまでに長い時間を取って慎重を期すためである。

次のステップＳＴ４では、シフト装置Ｓの表示部２における警報表示部２１において、反力付与時間が所定時間継続されたことを報知するための表示がなされ（ステップＳＴ４）、そして、報知時間（Ｔ２）がタイマー５で計測される（ステップＳＴ５）。

次に、ステップＳＴ５で計測された報知時間（Ｔ２）が所定時間（Ｔ０２）より長いか否か（Ｔ２≧Ｔ０２？）が判定される（ステップＳＴ６）。判定の結果がＹＥＳの場合、すなわち、報知時間（Ｔ２）が所定時間（Ｔ０２）より長い場合は次のステップＳＴ７に進む。判定結果がＮＯの場合、すなわち、報知時間（Ｔ２）が所定時間（Ｔ０２）より短い場合は、ステップＳＴ５に戻る。この場合、ステップＳＴ５で再度反力付与時間（Ｔ２）が計測され、次にステップＳＴ６でＹＥＳの結果が得られる前は、すなわち、報知時間（Ｔ２）が所定時間（Ｔ０２）より短い間は、ステップＳＴ５、ステップＳＴ６、ステップＳＴ５順に移行するループが繰り返され、報知がされている状態が継続され、運転者６に適切なレンジの切り替えをすることを促す。

次のステップＳＴ７では、報知時間（Ｔ２）が所定時間（Ｔ０２）継続されたことを受けて、反力付与手段４を制御して反力を抑制する措置が取られる（ステップＳＴ７）。そして、その後、反力の付与が抑制された状態でシフト部材１によるレンジの切り替え（選択）が終了したか否かを判定する（ステップＳＴ８）。判定の結果がＹＥＳの場合、すなわち、レンジの切り替えが終了した場合は次のステップＳＴ９に進む。判定結果がＮＯの場合、すなわち、レンジの切り替えが終了していない場合は、ステップＳＴ７に戻る。この場合、ステップＳＴ７で反力の付与が抑制された後、次にステップＳＴ８でレンジの切り替えの終了が判定されない限りは、ステップＳＴ７、ステップＳＴ８、ステップＳＴ７順に移行するループが繰り返され、反力の抑制の状態が継続され、その間に運転者６がシフト部材１の操作でレンジの切り替えの操作ができるようにする。

次のステップＳＴ９では、運転者６がシフト部材１を操作してレンジの切り替えが終了したことを受けて、反力付与の抑制を終了する（ステップＳＴ９）。そして、運転者６の誤操作が続いてレンジ位置が切り替わったような場合もあり得るため、不用意なレンジの切り替えを避けるため、運転者６によるレンジの切り替えが終了したことを受けて、反力付与の抑制が終了した場合には、反力抑制後に切り替った前のレンジ位置に維持して（ステップＳＴ１０）、このフローを終了する。

以上、本発明を実施する態様について、実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施できるものであることは勿論である。

Ｖ … 車両
Ｓ … シフト装置
１ … シフト部材（操作部材）
２ … シフト装置の表示部
２１… 警報表示部
３ … 制御装置
３１… 反力付与制御手段
４ … 反力付与手段
５ … タイマー
６ … 運転者
７ … 表示パネル
８ … 車両走行用操作ハンドル

Claims

ダイヤル式の操作部材を回動操作することによって、複数の特定のレンジへ切り替えることが可能となるシフト部材を備えた車両のシフト装置において、
前記シフト部材が回動操作された場合に反力を付与する反力付与手段及び反力付与を制御する反力付与制御手段を有し、
前記反力付与手段の前記反力付与が所定時間を超えて継続した場合に、前記反力付与制御手段は前記反力付与手段による反力の付与を抑制することを特徴とするシフト装置。
前記反力付与の制御は、前記所定時間の経過後に作動される報知手段が一定時間継続して作動しても前記反力付与が継続される場合に反力の付与を抑制することを特徴とする請求項１に記載のシフト装置。
前記反力付与が抑制された後は、前記特定のレンジに切り替わるまで反力を抑制することを継続させることを特徴とする請求項１または２に記載のシフト装置。
前記所定時間は走行レンジから他のレンジに切り替える間に発生する反力抑制の継続時間よりも、駐車レンジから他のレンジに切り替える間に発生する反力抑制の継続時間を長く設定することを特徴とする請求項１～３のいずれかに記載のシフト装置。
前記反力が抑制された後に、前回の回動操作によってレンジが切り替わった場合には切り替わる前のレンジに設定されることを特徴とする請求項１～４のいずれかに記載のシフト装置。