JP7049154B2 - 使い捨て着用物品 - Google Patents
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<請求項1に記載の発明>
第1シートと、
前記第1シートの一方の面に重なる部分を有する第2シートと、
前記第1シート及び第2シートが接着された接着領域とを有する使い捨て着用物品において、
前記接着領域には、ホットメルト接着剤を介して接着された第1接着部分が間隔を空けて複数設けられるとともに、隣り合う前記第1接着部分の間に、セルロースナノファイバー層を介して接着された第2接着部分が設けられている、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。
本使い捨て着用物品における第1シート及び第2シートの接着構造は、ホットメルト接着剤からなる第1接着部分を基本とするものである。ここで、第1接着部分を間隔を空けて複数設けることにより接着を確実にしつつもホットメルト接着剤(つまり臭気発生源)の使用量を低減することができる。ただし、これだけでは、隣り合う第1接着部分の間の部分では第1シート及び第2シートが自由になり、全体としての一体性に欠けるものとなる。そこで、本接着構造では、隣り合う第1接着部分の間に、セルロースナノファイバー層を介して接着された第2接着部分を設けている。セルロースナノファイバー層はそれ自体で(つまり接着剤なしに)付着性を有するため、接着対象により接着力は異なるものの接着機能を担うことができる。しかも、セルロースナノファイバーは繊維状なので高アスペクト比を有し、比表面積が相対的に大きいため、臭気に対する物理吸着性に優れる。よって、第2接着部分の存在により、隣り合う第1接着部分の間が接着され、シート同士の接着力の低下が抑制されるだけでなく、ホットメルト接着剤の臭いを、使用量の減少以上に低減することも可能となる。
なお、特許文献1にはセルロースナノファイバーを着用物品に利用する発明について記載されているが、これは耐水性高通気性複合シートに関するものであり、ホットメルト接着剤を使用したシートの接着構造に関するものではない。
吸収体と、前記吸収体の外側を覆う液不透過性樹脂フィルムと、前記液不透過性樹脂フィルムの外側を覆う外装不織布とを有する着用物品であり、
前記第1シート及び第2シートのいずれか一方は、前記液不透過性樹脂フィルムであり、他方は、前記外装不織布であり、
前記第1接着部分は、前後方向に連続する線状接着部分が幅方向に間隔を空けて並ぶ縞状の部分を有しており、
前記第2接着部分は、前後方向に連続する線状接着部分が幅方向に間隔を空けて並ぶ縞状の部分を有しており、
前記第2接着部分の一部又は全部の線状接着部分が、前記第1接着部分における隣り合う前記線状接着部分の間に配されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の使い捨て着用物品。
着用物品においては、液不透過性樹脂フィルムと外装不織布との接着面積が比較的に大きく、かつ着用物品の外部に対する通気性が高い部分である。よって、この接着部分は、ホットメルト接着剤の臭いの主要因の一つである。よって、この接着部分に前述の第1接着部分及び第2接着部分からなる接着構造を採用することが望ましい。
なお、セルロースナノファイバー層は液不透過性樹脂フィルムに対して強く接着するのに対し、不織布に対してはホットメルト接着剤のようには強く接着しない。しかし、セルロースナノファイバー層による第2接着部分は、ホットメルト接着剤による第1接着部分の間に設けられるため、第2接着部分も剥がれにくいものとなる。
また、このような着用物品は、使用後に排泄物の付着面が内側となるように丸め若しくは折り畳み、サニタリーボックスやおむつ保管容器等の密閉性の高い保管容器に入れて一時保管し、容器内の貯留量がある程度に達したらゴミ袋に入れて廃棄するといった使用形態がとられている。この場合、使用後の着用物品からは排泄物の強い臭気が発生し、使用者に不快感をもたらすという問題点がある。しかし、前述のように、第2接着部分のセルロースナノファイバー層が臭気を物理吸着できるため、このような着用物品の外部の臭気を吸着し、低減することも可能となる。
前記第1接着部分の線状接着部分の幅は1~20mmであり、前記第1接着部分の線状接着部分の幅方向の間隔は1~20mmであり、前記第1接着部分の線状接着部分は1~20g/m2のホットメルト接着剤からなり、
前記第2接着部分の線状接着部分の幅は1~20mmであり、前記第2接着部分の線状接着部分の幅方向の間隔は1~20mmであり、前記第2接着部分の線状接着部分は0.3~15.0g/m2の前記セルロースナノファイバーからなるものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の使い捨て着用物品。
各部の寸法等は特に限定されるものではないが、通常の場合、本項記載の範囲内であることが好ましい。
前記第2接着部分は、前記吸収体と重なる範囲のみに設けられている、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の使い捨て着用物品。
セルロースナノファイバー層を有する部分は不可避的に硬くなる。装着者の肌側では、セルロースナノファイバー層の硬さは吸収体と重なる領域では吸収体のクッション性により隠蔽される。しかし、吸収体を有しない部分では、吸収体による硬さの隠蔽を期待できない。よって、セルロースナノファイバー層からなる第2接着部分は吸収体と重なる範囲のみに設けることが望ましい。
前記第2接着部分の一部又は全体がホットメルト接着剤により覆われていない、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品。
第2接着部分のセルロースナノファイバー層をホットメルト接着剤で覆うことは、セルロースナノファイバー層と臭気との接触効率を向上させる上では望ましくない。よって、第2接着部分の一部又は全体がホットメルト接着剤により覆われていない構造とし、セルロースナノファイバー層と臭気との接触効率の低下を抑制することが好ましい。
吸収体56は、排泄液を吸収し、保持する部分であり、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100~300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30~120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1~16dtex、好ましくは1~10dtex、さらに好ましくは1~5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5~75個、好ましくは10~50個、さらに好ましくは15~50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いることができる。
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の着用物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801-1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の抜け出しを防止するため、あるいは吸収体56の形状維持性を高めるために、吸収体56は包装シート58で包んでなる吸収要素50として内蔵させることができる。包装シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。繊維目付けは、5~40g/m2、特に10~30g/m2のものが望ましい。
トップシート30は液透過性を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高め、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
液不透過性樹脂フィルム11は、透湿性を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを好適に用いることができる。いうまでもないが、液不透過性樹脂フィルム11には、不織布を基材として防水性を高めたものは含まない。
外装不織布12は液不透過性樹脂フィルム11の外側全体を覆い、製品外面を布のような外観とするものである。外装不織布12としては特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10~50g/m2、特に15~30g/m2のものが望ましい。
トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を阻止し、いわゆる横漏れを防止するために、内面の幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60が設けられていると好ましい。もちろん、起き上がりギャザー60は省略することもできる。
図示例のテープタイプ使い捨ておむつは、吸収体56の前側及び後側にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のエンドフラップ部EFと、吸収体56の両側縁よりも側方にそれぞれ延出する、吸収体56を有しない一対のサイドフラップ部SFとを有している。
各サイドフラップ部SFには、糸ゴム等の細長状弾性部材からなるサイド弾性部材64が前後方向LDに沿って伸長された状態で固定されており、これにより各サイドフラップ部SFの脚周り部分が平面ギャザーとして構成されている。脚周り弾性部材64は、図示例のように、ギャザーシート62の接合部分のうち接合始端近傍の幅方向外側において、ギャザーシート62と液不透過性樹脂フィルム11との間に設けるほか、サイドフラップ部SFにおける液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12との間に設けることもできる。脚周り弾性部材64は、図示例のように各側で複数本設ける他、各側に1本のみ設けることもできる。
背側部分Bにおけるサイドフラップ部SFには、腹側部分Fの外面に対して着脱可能に連結される連結テープ13がそれぞれ設けられている。おむつ10の装着に際しては、連結テープ13を腰の両側から腹側部分Fの外面に回して、連結テープ13の連結部13Aを腹側部分F外面の適所に連結する。
腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所には、連結を容易にするためのターゲットを有するターゲットシート20を設けるのが好ましい。ターゲットシート20は、連結部13Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおける連結テープ13の連結箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態のように外装不織布12を有する場合には、ターゲットシート20を省略し、フック材を外装不織布12の繊維に絡ませて連結することもできる。この場合、目印としてのターゲットシート20を外装不織布12と液不透過性樹脂フィルム11との間に設けてもよい。
セルロースナノファイバーとは、パルプ繊維を解繊して得られる微細なセルロース繊維をいい、一般的に平均繊維幅がナノサイズ(1nm以上、1000nm以下)のセルロース微細繊維を含むセルロース繊維をいうが、平均繊維幅(メジアン径)が100nm以下ものもが好ましく、特に10~60nmのものが好ましい。また、セルロース繊維はβ-グルコースが主にβ―1,4グリコシド結合で無数に鎖状に結合したものである。β-グルコースは、―H基、―OH基等を有する。
でんぷんは、α-グルコースが主にα―1,4グリコシド結合で鎖状に無数に結合したものである。でんぷんは所定濃度で水に分散させると粘性を帯びる。セルロース繊維はα-グルコースに似たβ-グルコースが主にβ―1,4グリコシド結合で鎖状に無数に結合したものである。セルロースナノファイバーも、所定濃度で水に分散させることでセルロースナノファイバー分散液は粘性を帯びる。
セルロースナノファイバーは臭気を低減する効果がある。セルロースナノファイバーは一般的に繊維幅が4nm以上、1000nm以下であり、繊維長さが5μm以上であり、高アスペクト比(低いもので5以上、高いもので1250以上)で、比表面積が大きく物理吸着に優れる。臭気はファンデルワールス力によりセルロースナノファイバーの表面に物理吸着する。そして、一旦物理吸着した臭気はセルロースナノファイバーの表面に吸着したままとなり拡散しないので、低減される。
まず、固形分濃度0.01~0.1質量%のセルロースナノファイバーの水分散液100mlをテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過し、エタノール100mlで1回、t-ブタノール20mlで3回溶媒置換する。
ば、数平均径や、モード径(最頻径)を平均繊維径としてもよい。
従来の接着剤による各種構成部材の接着は、同構成部材の接着させる領域(接着領域82という。)にホットメルト接着剤81を塗布して特定の2つの構成部材を接着するものであった。例えば、特定の2つの構成部材を液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12とすると液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12を接着させる場合、接着領域82にホットメルト接着剤81を塗布して、同液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12を接着させる。
部分をいう。
第2実施形態は、図11に示すように接着領域82の両側端縁部(図11の幅方向WDの両側端縁部)に、ホットメルト接着剤81を線状に配した形態である。そして、幅方向WDにおいて両側端縁部に配される2つのホットメルト接着剤81の線状接着部分で挟まれた領域には、セルロースナノファイバー層15が設けられている。このような形態にすると、ホットメルト接着剤81の塗布量を大幅に低減できる。また、セルロースナノファイバー層15が比較的大きな面積に亘って設けられているので、ホットメルト接着剤81から発生する臭いを効果的に低減できる。
なお、図8は第2実施形態を示す要部の断面図である。図示するように液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12は、幅方向WDの外側両端縁部21をホットメルト接着剤81で接着されている。そして、同両端縁部21よりも中央側はセルロースナノファイバー分散液が塗布されている。また、ホットメルト接着剤81の線状接着部分の幅81Aは、特に限定されないが1~20mmとするとよい。
第3実施形態は図12に示すようにホットメルト接着剤81とセルロースナノファイバー層15を市松模様の配置とする形態である。セルロースナノファイバー層15の四方(前後方向LD及び幅方向WD)隣りにホットメルト接着剤81が配置されるので、液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12は確実に接着される。それと同時にホットメルト接着剤81の四方隣りにセルロースナノファイバー層15が配置されるので、ホットメルト接着剤81の臭気がセルロースナノファイバー層15によって効果的に低減される。なお、接着領域82の両端縁部21(図12の幅方向WDの両端縁部)に、ホットメルト接着剤81を線状に配した形態とすることもできる(図示しない)。なお、接着領域82の両端縁部21に配されるホットメルト接着剤81の線状接着部分の幅81Aは、特に限定されないが1~20mmとするとよい。
第4実施形態は、図13に示すようにセルロースナノファイバー層15が格子状に配置される形態を有するものである。格子内の空間はホットメルト接着剤81が配置される。ホットメルト接着剤81が多数の格子内の空間に配置されているので、接着領域82全域は確実に接着される。
液不透過性樹脂フィルム11の接着領域82にホットメルト接着剤81を塗布し、その上にセルロースナノファイバー層15を塗布して、その塗布した液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12の接着領域82を接着させてシートを形成することができる。ホットメルト接着剤81の接着部分は前後方向LDに連続する線状接着部分が幅方向WDに間隔を空けて並ぶ縞状の部分を有している。また、セルロースナノファイバー層15の接着部分は前後方向LDに連続する線状接着部分が幅方向WDに間隔を空けて並ぶ縞状の部分を有している。そして、セルロースナノファイバー層15の接着部分の一部又は全部はホットメルト接着剤81により覆われていないものとすることができる(図19参照)。換言すると、接着対象のシートの間で、一部又は全部のホットメルト接着剤81がセルロースナノファイバー層15の一部と重なっていてもよいし、一部又は全部のホットメルト接着剤81がセルロースナノファイバー層15の全部と重なっていなくてもよい。
なお、ホットメルト接着剤81の線状接着部分の幅81Aは、特に限定されないが1~20mmとするとよく、ホットメルト接着剤81の線状接着部分の間隔81Bは1~20mmとするとよい。また、セルロースナノファイバー層15の線状接着部分の幅15Aは1~20mmとするとよく、セルロースナノファイバー層15の線状接着部分の間隔15Bは1~20mmとするとよい。各部の寸法は通常の場合、この範囲内において形成しやすい。
セルロースナノファイバー層15の接着部分をホットメルト接着剤81で覆うことは、セルロースナノファイバー層15と臭気との接触効率を向上させる上では望ましくない。よって、セルロースナノファイバー層15の接着部分の一部又は全体がホットメルト接着剤81により覆われていない構造とし、セルロースナノファイバー層15と臭気との接触効率の低下を抑制することが好ましい。
ホットメルト接着剤81の線状接着部分に対する目付けは特に限定されないが、通常の場合は1~20g/m2、セルロースナノファイバー層15の線状接着部分に対する目付けは特に限定されないが、通常の場合は0.3~15.0g/m2にするとよい。
液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12とを接着する方法の一例を図15を参照しつつ説明する。液不透過性樹脂フィルム11の接着領域82に対して、先ずホットメルト接着剤81を幅方向WDに間隔を空けて、前後方向LDに複数本配するように塗布する。そうすると、ホットメルト接着剤81の線状接着部分が複数本配される(図15(a))。その後、セルロースナノファイバー層15を同間隔を埋めるように並列に前後方向に配するように設ける(図15(b))。そうすると、セルロースナノファイバー層15の線状接着部分が複数本配される。次に、液不透過性樹脂フィルム11の接着領域82に外装不織布12をローラー83等で接着させ(図15(c))、乾燥させる。これにより液不透過性樹脂フィルム11の接着領域82においてホットメルト接着剤81とセルロースナノファイバー層15が交互に並んで配置された状態となる。
さらに、上記工程では、液不透過性樹脂フィルム11の接着領域82に、ホットメルト接着剤81及びセルロースナノファイバー層15を設けて、その後、同液不透過性樹脂フィルム11と外装不織布12を接着させる工程とした。しかしながら、別の工程として、外装不織布12の接着領域82に、ホットメルト接着剤81及びセルロースナノファイバー層15を設けて、その後、同外装不織布12と液不透過性樹脂フィルム11を接着させる工程とすることもできる。
セルロースナノファイバー層15の効果確認試験を行った。この効果確認試験に使用した吸収体56、液不透過性樹脂フィルム11、外装不織布12、及びセルロースナノファイバーの仕様は以下の通りである。
本試験に使用したおむつの検体は、以下のとおりである。
検体はS1~S9までの9検体ある。表1に示す通り、検体S1~S6は、透湿度が9000g/m2・24h、検体S7~S9は、透湿度が10000g/m2・24hである。セルロースナノファイバー層15の目付けは、0.3~4.5g/m2の間で調整した。セルロースナノファイバー層15は液不透過性樹脂フィルム11に塗布幅5mm、塗布間隔5mmの縞状に設け、セルロースナノファイバー層15の非塗布部分にのみホットメルト接着剤81を塗布した。セルロースナノファイバーはNBKP100%、平均繊維幅(メジアン径)が49nmである。
メチルメルカプタンの濃度(質量/容量)が0.5%となるように水に溶かしたものを臭気液体とした。この臭気液体50mLをおむつ内面の吸収体56の中央に注入した。このおむつを気体を通さない袋に投入し、密閉して静置した。臭気液体を注入して0時間経過後、4時間経過後及び24時間後に、同袋内のメチルメルカプタン濃度(ppm)を検知管法(JIS K 0804:2014 検知管式ガス測定器)により測定した。検知管法とは、試験対象の気体500mlを検知管により吸い込んで、対象の気体の濃度(ppm)を測定するものである。使用した検知管は、ガステック社製 検知管 メチルメルカプタンNo.71及び71Hである。
試験結果を表1に示す。表中、目付けとは、セルロースナノファイバーを液不透過性樹脂フィルム11に塗布したときの目付け(g/m2)をいう。
検体Smのt時間後の濃度とは、検体Smについてt時間経過後に測定したメチルメルカプタンの濃度をいう。mは1~9のいずれかであり、tは0、4及び24のいずれかである。
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
Claims (5)
- 第1シートと、
前記第1シートの一方の面に重なる部分を有する第2シートと、
前記第1シート及び第2シートが接着された接着領域とを有する使い捨て着用物品において、
前記接着領域には、ホットメルト接着剤を介して接着された第1接着部分が間隔を空けて複数設けられるとともに、隣り合う前記第1接着部分の間に、セルロースナノファイバー層を介して接着された第2接着部分が設けられている、
ことを特徴とする使い捨て着用物品。 - 吸収体と、前記吸収体の外側を覆う液不透過性樹脂フィルムと、前記液不透過性樹脂フィルムの外側を覆う外装不織布とを有する着用物品であり、
前記第1シート及び第2シートのいずれか一方は、前記液不透過性樹脂フィルムであり、他方は、前記外装不織布であり、
前記第1接着部分は、前後方向に連続する線状接着部分が幅方向に間隔を空けて並ぶ縞状の部分を有しており、
前記第2接着部分は、前後方向に連続する線状接着部分が幅方向に間隔を空けて並ぶ縞状の部分を有しており、
前記第2接着部分の一部又は全部の線状接着部分が、前記第1接着部分における隣り合う前記線状接着部分の間に配されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の使い捨て着用物品。 - 前記第1接着部分の線状接着部分の幅は1~20mmであり、前記第1接着部分の線状接着部分の幅方向の間隔は1~20mmであり、前記第1接着部分の線状接着部分は1~20g/m2のホットメルト接着剤からなり、
前記第2接着部分の線状接着部分の幅は1~20mmであり、前記第2接着部分の線状接着部分の幅方向の間隔は1~20mmであり、前記第2接着部分の線状接着部分は0.3~15.0g/m2の前記セルロースナノファイバーからなるものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の使い捨て着用物品。 - 前記第2接着部分は、前記吸収体と重なる範囲のみに設けられている、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の使い捨て着用物品。 - 前記第2接着部分の一部又は全体がホットメルト接着剤により覆われていない、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の使い捨て着用物品。
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