[go: up one dir, main page]

JP7049152B2 - 塗料用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

塗料用エポキシ樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7049152B2
JP7049152B2 JP2018064892A JP2018064892A JP7049152B2 JP 7049152 B2 JP7049152 B2 JP 7049152B2 JP 2018064892 A JP2018064892 A JP 2018064892A JP 2018064892 A JP2018064892 A JP 2018064892A JP 7049152 B2 JP7049152 B2 JP 7049152B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
epoxy resin
resin composition
shell polymer
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018064892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019172895A (ja
Inventor
信雄 宮武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2018064892A priority Critical patent/JP7049152B2/ja
Publication of JP2019172895A publication Critical patent/JP2019172895A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7049152B2 publication Critical patent/JP7049152B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、低粘度であり、硬度、耐衝撃性および耐熱衝撃性に優れた塗料用エポキシ樹脂組成物に関する。
フェナルカミンで硬化されるエポキシ樹脂組成物は、優れた機械特性、耐水性、耐薬品性などを有することから、船舶や一般構造物などのプライマー(下塗り)塗料として長年使用されてきた。しかし、近年、より高い特性が求められるようになり、たとえば、温度変化によって生じるクラックや運搬物と塗膜の衝突によって生じるクラックなどを防ぐために、耐熱衝撃性や耐衝撃性の向上が求められている。
クラックを低減させる手法として、エポキシ樹脂にさまざまなゴム成分を改質剤として添加する方法が知られている。ゴム成分としては、末端カルボン酸を有するブタジエン・アクリロニトリル液状ゴム(CTBN)のような反応性液状ゴムやニトリルゴム(たとえば、特許文献1)、コアシェルラバー(たとえば特許文献2)、ポリエーテルポリオール(たとえば特許文献3)、あるいはそれらの組み合わせ(たとえば、特許文献4)などが挙げられる。
上記の方法は、フィラー未充填の組成物では確実に高い強靭化効果を示すが、フィラー充填系ではその強靭化効果は小さい、あるいは見られなくなる場合もある。また、フィラー充填系ではゴム成分の添加で粘度も上昇しやすくなるため、ゴム成分の添加量も制限される。さらに、通常、耐衝撃性と耐熱衝撃性は相関しておらず、両特性を同時に改善することは難しい。さらにフェナルカミン硬化剤は、分子中に長鎖の炭化水素基を有するため、比較的疎水性が強く、ゴム成分によっては、その分散が悪くなり、強靭化するのが難しい場合もある。これらのことから、フェナルカミンで硬化される塗料用エポキシ樹脂組成物において組成物の粘度を低く維持して、その硬化物の硬度を低下させずに耐熱衝撃性や耐衝撃性を向上することは極めて難しい課題であった。
米国特許3208980 米国特許4778851 米国特許4497945 米国特許2015/0218299
本発明の目的は、低粘度であり、硬度、耐衝撃性および耐熱衝撃性を有する塗料用エポキシ樹脂組成物を提供することである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1)水酸基当量が350~1100g/Eqであるポリエーテルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、フェナルカミン硬化剤(C)、水酸基を0.055~0.140mmol/g含有するコアシェルポリマー(D)および硫酸バリウム、マイカ、タルク、酸化鉄、りん酸亜鉛、酸化チタンからなる群より選択される1種以上の無機充填剤(E)を含有する塗料用エポキシ樹脂組成物であって、
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の合計量を100重量%とした場合に、
(A)の含有量が0.5~5.0重量%、
(D)の含有量が1.5~5.0重量%、
(E)の含有量が30~75重量%、
である塗料用エポキシ樹脂組成物関する。
2)ポリエーテルポリオール(A)が、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシブチレンジオールおよびポリオキシブチレントリオールからなる群より選択された少なくとも一種である1)記載の塗料用エポキシ樹脂組成物に関する。
3)ポリエーテルポリオール(A)の水酸基当量が450~900g/Eqである1)または2)のいずれかに記載の塗料用エポキシ樹脂組成物に関する。
4)コアシェルポリマー(D)が、数平均粒子径が0.01~0.6μmのコアシェルポリマーである1)~3)のいずれかに記載の塗料用エポキシ樹脂組成物に関する。
5)コアシェルポリマー(D)のコア層がジエン系ゴム、(メタ)アクリレート系ゴム、オルガノシロキサン系ゴム、スチレン系ポリマーおよび(メタ)アクリレート系ポリマーからなる群より選択される1種以上の物質を含有する1)~4)のいずれかに記載の塗料用エポキシ樹脂組成物に関する。
6)コアシェルポリマー(D)のシェル層を構成するポリマーのガラス転移温度が-40~20℃である1)~5)いずれかに記載の塗料用エポキシ樹脂組成物関する。
7)コアシェルポリマー(D)の水酸基含有量が0.080~0.140mmol/gである1)~6)いずれかに記載の塗料用エポキシ樹脂組成物に関する。
8)1)~7)のいずれかに記載の塗料用エポキシ樹脂組成物の硬化物に関する。
9)鉛筆硬度が3H以上である、8)記載の塗料用エポキシ樹脂組成物の硬化物に関する。
10)塗膜厚みが100~500μmである請求項8または9のいずれかに記載の塗料用エポキシ樹脂組成物の硬化物に関する。
本発明の塗料用エポキシ樹脂組成物は、低粘度であり、かつその硬化物は、硬度、耐衝撃性と耐熱衝撃性に優れる。
本発明の塗料用エポキシ樹脂組成物は、水酸基当量が350~1100g/Eqであるポリエーテルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、フェナルカミン硬化剤(C)、水酸基を0.055~0.140mmol/g含有するコアシェルポリマー(D)および特定の無機充填剤(E)を含有し、成分(A)、(D)および(E)は特定量を有する。これにより、フェナルカミンによって硬化した高充填エポキシ樹脂組成物は高度な耐衝撃性および耐熱衝撃性を得ることができる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について詳述する。
<ポリエーテルポリオール(A)>
本発明で用いるポリエーテルポリオール(A)は、 ポリオキシプロピレンジオールやポリオキシブチレンジオール等のポリオキシアルキレンジオールのように主鎖に複数のエーテル結合を有し、かつ分子中に水酸基を2個以上有する化合物である。ポリエーテルポリオール(A)は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA等のジオール類;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類;ジグリセリン、ペンタエリスリトール等のテトラオール;単糖、オリゴ糖、多糖等の糖類;ソルビトール;アンモニア、エチレンジアミン、尿素、モノメチルジエタノールアミン、モノエチルジエタノールアミン等のアミン類;などの1種又は2種以上の活性水素を含有する開始剤の存在下、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等を開環重合して得られる化合物である。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどの重縮合により合成される重縮合体であってもよい。なお、合成時に複数の種類の成分を用いることで得られる、ランダムまたはブロック共重合体であってもよい。
ポリエーテルポリオール(A)としては、ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシブチレンジオールのようなポリオキシアルキレンジオールが好ましく;3官能以上のアルコール(例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類;ジグリセリン、ペンタエリスリトール等のテトラオールなど)の各ヒドロキシ基に前記ポリオキシアルキレンジオールの片端がエーテル結合によって結合し、他端がヒドロキシ基のまま存在している3官能以上の化合物(例えば、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルなど)、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、およびポリオキシ(プロピレン・エチレン)共重合型トリオールのようなポリオキシアルキレントリオールなども好ましい。
好ましいポリエーテルポリオール(A)は、ポリオキシアルキレン単位を有するポリオールであり、耐衝撃性の観点から、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシブチレンジオールおよびポリオキシブチレントリオール
がより好ましい。耐熱衝撃性および低粘度で取り扱いの観点から、ポリオキシプロピレンジオールおよびポリオキシプロピレントリオールが特に好ましい。 なお、本発明のポリオキシプロピレンポリオールには、ポリオキシプロピレンポリオール中にオキシエチレン単位が40重量%未満含むもの、たとえばポリオキシプロピレンポリオール末端にエチレンオキサイドを付加したポリオキシプロピレンポリオール-エチレンオキサイド付加体など含む。また、ポリオキシブチレンジオールには、オキシ-3-メチルブチレン単位が40重量%未満有するものも含む。
前記ポリエーテルポリオール(A)の水酸基当量は、350~1100g/Eqであり、好ましくは450~900g/Eqである。上記の水酸基価の範囲を有するポリエーテルポリオールを用いると、耐衝撃性および耐熱衝撃性の向上が大きくかつ、配合粘度への影響が小さい傾向がある。すなわち、水酸基当量が低すぎる場合も、高過ぎる場合も、いずれも耐衝撃性、耐熱衝撃性および配合粘度のバランスが悪くなる傾向にある。
ポリエーテルポリオール(A)の含有量(使用量)は、耐衝撃性および耐熱衝撃性の観点から、成分(A)、(B)、(C)、(D)および(E)の合計量を100重量%とした場合に、0.5~5.0重量%であり、好ましくは1.0~4.0重量%である。含有量が少なすぎると耐衝撃性および耐熱衝撃性を十分発揮できない傾向があり、含有量が多いと硬度が低下する傾向がある。
<エポキシ樹脂(B)>
本発明のエポキシ樹脂(B)としては、分子内に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、任意のものを使用することができる。
例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;3,4-エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル等の環状脂肪族型エポキシ樹脂;1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等の直鎖脂肪族型エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、キシレンジアミンのグリシジル化合物、トリグリシジルアミノフェノール、グリシジルアニリンなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ポリジメチルシロキサンの末端あるいは側鎖にエポキシ基を有するポリシロキサン型エポキシ樹脂あるいは、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルグリシジルエーテルメタン、テトラフェニルグリシジルエーテルメタン;ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は組み合わせて用いることができる。
また、エポキシ樹脂(B)に、分子内に1つのエポキシ基を有する反応性希釈剤や分子内にオキセタンを有する反応性希釈剤を添加してもよい。反応性希釈剤は、エポキシ樹脂組成物の粘度を下げる効果をもつ。反応性希釈剤は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して20重量部まで使用するのが好ましい。反応性希釈剤をあまりにも多く使用すると、硬化物の機械特性が低くなる。
前記分子内に1つのエポキシ基を有する反応性希釈剤としては、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、炭素数8~14のアルキルグリシジルエーテルなどのアルキルモノグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテルなどのフェノールモノグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらは2種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中で、ビスフェノールAジグリシジルエーテルおよび/またはビスフェノールFジグリシジルエーテルを70重量%以上含むエポキシ樹脂が、本発明の効果を得やすい点で好ましい。
<フェナルカミン硬化剤(C)>
フェナルカミン硬化剤は、通常、フェノール系化合物、アルデヒド化合物およびアミンのマンニッヒ塩基反応によって得られる。フェノール系化合物の例としては、カシューナッツ殻液から抽出されたカルダノールなど、アルデヒド化合物の例としては、ホルムアルデヒドなど、アミンの例としては、エチレンジアミンやジエチルトリアミンなどを挙げることができる。
フェナルカミン硬化剤は、商業的に入手可能である。たとえば、Aradur3440、Aradur3441、Aradur3442、Aradur3460、Aradur3462など(以上、いずれもHuntsman社製)、NC-541、NC-541LV、NC-558、NC-641、LTE-2001など(以上、いずれもCardolite社製)、PPA-7041-LV、PPA-7062、PPA-7088、PPA-7009,PPA-7090、PPA-7108、PPA-7115など(以上、いずれもPaladin Paints and Chemicals社製)、RAC951LV、RAC9095LCなど(Royce International社製)を具体例としてあげることができる。これら以外にも各社は品揃えしており、カタログなどに記載さられているものを使用できる。これらは単独で使用しても、2種以上併用して使用してもよい。
また、フェナルカミン硬化剤の20重量%までを他のアミン系硬化剤に置き換えて使用してもよい。その他のアミン系硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化に使用されているものであれば特に限定なく使用できる。例えば、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メチルペンタメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、グアニジン、オレイルアミン、等の脂肪族アミン類;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ピペリジン、N,N’-ジメチルピペラジン、N-アミノエチルピペラジン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ポリシクロヘキシルポリアミン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DBU)等の脂環族アミン類;3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(ATU)、モルホリン、N-メチルモルホリン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のエーテル結合を有するアミン類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の水酸基含有アミン類;ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のポリアミンを反応させて得られるポリアミド、ダイマー酸以外のポリカルボン酸を使ったポリアミド等のポリアミドアミン類;2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジシアンジアミド;上記アミン類にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ変性アミン、マイケル付加変性アミン、ケチミンといった変性アミン類等が挙げられる。
また、硬化促進剤を上記フェナルカミン硬化剤(および上記その他のアミン系硬化剤)と一緒に用いてもよい。硬化促進剤の例としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の3級アミン、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ノニルフェノール、ベンジルアルコールなどの水酸基含有芳香族化合物、トリフェニルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等の有機リン系化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトタフェニルホスフィンブロマイド、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロマイド、テトラn-ブチルホスホニウムo,o-ジエチルホスホロジチオネート等の4級ホスホニウム塩、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセンー7やその有機酸塩類等のジアザビシクロアルケン類、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫やアルミニウムアセチルアセトン錯体等の有機金属化合物類、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類、三フッ化ホウ素、トリフェニルボレート等のホウ素化合物、塩化亜鉛、塩化第二錫等の金属ハロゲン化合物が挙げられる。更には、高融点イミダゾール化合物、ジシアンジアミド、リン系、ホスフィン系促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩等の高温解離型熱カチオン重合型の潜在性硬化促進剤等に代表される代表される潜在性硬化促進剤も使用することができる。これらの硬化促進剤は単独又は2種類以上を混合して使用することができる。なお、前記その他のアミン系硬化剤および前記硬化促進剤を用い得る場合は、これらを含めて、フェナルカミン硬化剤(C)と見なす。
フェナルカミン硬化剤の使用量は、硬化剤の化学的性質、エポキシ樹脂組成物および硬化物の所望の特性に依存する。1エポキシ基当量当り、フェナルカミン硬化剤のアミンの活性水素当量が0.7~1.3になるようにフェナルカミン硬化剤を使用することが好ましい。
<コアシェルポリマー(D)>
コアシェルポリマー(D)は、少なくとも2層の構造からなる粒子状ポリマーであり、水酸基を0.055~0.140mmol/g、好ましくは0.080~0.140mmol/g含有する。少なすぎても、多すぎても、耐熱衝撃性が低下する傾向にある。
水酸基は、コア層に含有してもよいが、シェル層に含有することが良好な物性バランスを発現することから好ましい。
コアシェルポリマーにおける、コア層の比率としては、機械特性の観点から、70~95重量%が好ましく、80~93重量%がより好ましい。コア層の比率が小さいと、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなる傾向にある。コア層の比率があまりにも大きい場合、コアシェルポリマーの調製が難しくなる(合成自体は、可能であるが、反応液から実用的な形態で取り出すことが難しくなる)。なお、コアシェルポリマー中のコア層の比率は、赤外分光分析のスペクトルの吸光度比などから測定できる。
前記コアシェルポリマー(D)は、数平均粒子径が0.01~0.6μmであることが好ましく、より好ましくは0.03~0.5μm、さらに好ましくは0.05~0.4μmである。このような平均粒子径を有するコアシェルポリマー(D)を得るには、乳化重合法が好適であるが、あまりにも小さい場合、あまりにも大きい場合は、経済的かつ工業的な製造が難しくなる。なお、数平均粒子径は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)などを用いて測定することができる。
前記コアシェルポリマー(D)は、メチルエチルケトン(MEK)に対して不溶分を有することが好ましく、その不溶分量(MEK不溶分量)は、95重量%以上であることが好ましく、さらには97重量%以上がより好ましく、特には98重量%以上がより好ましい。95重量%未満の場合には、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなる傾向があり取り扱いにくくなる。なお、本明細書において、コアシェルポリマー(D)のMEK不溶分量を得る方法は下記の通りである。コアシェルポリマーのパウダーあるいはフィルム約2gを秤量してMEK100gに23℃で24時間浸漬する。その後、得られたMEK不溶分を分離し、乾燥して重量を計り、測定に使用したコアシェルポリマーの重量に対する重量分率(%)をMEK不溶分量として算出する。
前記コアシェルポリマー(D)は、架橋ポリマーからなるコア層と、これにグラフト重合されたポリマー成分からなるシェル層より構成されるポリマーであることが好ましい。すなわち、シェル層とコア層間に化学結合が存在していることが好ましい。シェル層は、グラフト成分を構成するモノマーをコア成分にグラフト重合することから、コア部の表面の一部もしくは全体を覆う。
前記コア層は、ジエン系ゴム、(メタ)アクリレート系ゴム、オルガノシロキサン系ゴム、スチレン系ポリマーおよび(メタ)アクリレート系ポリマーよりなる群から選択される1種以上である。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
前記コア層は、エポキシ樹脂の強靭化の点から、ゴム状の架橋ポリマーであることが好ましい。コア層が、ゴム状の性質を有するためには、コア層のガラス転移温度(以下、単に「Tg」と称する場合がある)は、0℃以下であることが好ましく、-20℃以下がより好ましく、-40℃以下であることが特に好ましい。
前記Tgは、たとえば、動的粘弾性測定法や示差走査熱量分析法により測定できる。
ゴムとしての性質を有する前記コア層を形成し得るポリマーとしては、天然ゴムや、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を50~100重量%、および他の共重合可能なビニル系モノマー(第2モノマー)を0~50重量%含んで構成されるゴムポリマーや、ポリシロキサンゴム、あるいはこれらを併用したものが挙げられる。より高い強靭化効果を得る場合、ジエン系モノマーを用いたジエン系ゴムが好ましい。強靭性、耐候性、経済性などのバランスが要求される場合、(メタ)アクリレート系ゴム(アクリルゴムともいう)が好ましい。また、低温での高い強靭性を得ようとする場合には、コア層はポリシロキサンゴムであることが好ましい。
前記コア層の形成に用いるジエン系ゴムを構成するモノマー(共役ジエン系モノマー)としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、2-クロロ-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエンなどが挙げられる。これらのジエン系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
強靭化効果が高い点から、1,3-ブタジエンを用いるブタジエンゴム、1,3-ブタジエンとスチレンの共重合体であるブタジエン-スチレンゴム、1,3-ブタジエンとブチルアクリレートあるいは2-エチルヘキシルアクリレートの共重合体であるブタジエン-アクリレートゴムが好ましく、ブタジエンゴムがより好ましい。また、ブタジエン-スチレンゴムは、屈折率の調整により得られるエポキシ樹脂組成物の透明性を高めることができ、良好な外観および強靭性のバランスに優れたものを得る場合には、より好ましい。また、ブタジエン-アクリレートゴムは、アクリレートの導入により、ゴム中でのブタジエンの二重結合濃度が低くなるため、耐候性が良好になり、そのような特性が必要な場合は、好ましい。
また、前記コア層の形成に用いる(メタ)アクリレート系ゴム(アクリルゴムともいう)を構成するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香環含有(メタ)アクリレート;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアルキル(メタ)アクリレートなどのグリシジル(メタ)アクリレート類;アルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレートなどのアリルアルキル(メタ)アクリレート類;モノエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくはエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
上記第1モノマーと共重合可能なビニル系モノマー(第2モノマー)としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレンなどのビニルアレーン類;アクリル酸、メタクリル酸などのビニルカルボン酸類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルシアン類;塩化ビニル、臭化ビニル、クロロプレンなどのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのアルケン類;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼンなどの多官能性モノマーなどが挙げられる。これらのビニル系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に好ましくはスチレンである。
また、前記コア層を構成し得るオルガノシロキサン系ゴムとしては、例えば、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、メチルフェニルシロキサン、ジフェニルシロキサン、ジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサンなどの、アルキル或いはアリール2置換シリルオキシ単位から構成されるオルガノシロキサン系ポリマーや、側鎖のアルキルの一部が水素原子に置換されたオルガノハイドロジェンシロキサンなどの、アルキル或いはアリール1置換シロキサン単位から構成されるオルガノシロキサン系ポリマーが挙げられる。これらのオルガノシロキサン系ポリマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらには、(メタ)アクリレート系ゴムと組み合わせた、(メタ)アクリレート系ゴム/オルガノシロキサン系ゴムからなる複合ゴムを用いてもよい。中でも、ジメチルシロキサンゴム、メチルフェニルシロキサンゴム、ジメチルシロキサン/ブチルアクリレート複合ゴムが耐候性、機械特性で好ましく、ジメチルシロキサンゴムおよびジメチルシロキサン/ブチルアクリレート複合ゴムが容易に入手できて経済的でもあることから最も好ましい。
前記コア層がオルガシロキサン系ゴムから形成される態様において、オルガノシロキサン系ポリマー部位は、低温での機械特性を損なわないために、コア層全体を100重量%としてすくなくとも10重量%以上含有していることが好ましい。
前記コアシェルポリマー(D)のエポキシ樹脂中での分散安定性を保持する観点から、コア層は、上記モノマーを重合してなるポリマー成分やオルガノシロキサン系ポリマー成分に架橋構造が導入されていることが好ましい。架橋構造の導入方法としては、一般的に用いられる手法を採用することができる。例えば、上記モノマーを重合してなるポリマー成分に架橋構造を導入する方法としては、ポリマー成分を構成するモノマーに多官能性モノマーやメルカプト基含有化合物等の架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法などが挙げられる。また、オルガノシロキサン系ポリマーに架橋構造を導入する方法としては、重合時に多官能性のアルコキシシラン化合物を一部併用する方法や、ビニル反応性基、メルカプト基、メタクリロイル基などの反応性基をオルガノシロキサン系ポリマーに導入し、その後ビニル重合性のモノマーあるいは有機過酸化物などを添加してラジカル反応させる方法、あるいは、オルガノシロキサン系ポリマーに多官能性モノマーやメルカプト基含有化合物などの架橋性モノマーを添加し、次いで重合する方法などが挙げられる。
前記多官能性モノマーとしては、ブタジエンは含まれず、アリル(メタ)アクリレート、アリルアルキル(メタ)アクリレート等のアリルアルキル(メタ)アクリレート類;アリルオキシアルキル(メタ)アクリレート類;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート類;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。特に好ましくはアリルメタアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、及びジビニルベンゼンである。
一方、エポキシ樹脂の強度と弾性率のバランスの良さが求められる場合には、コア層のTgは、0℃よりも大きくすることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることが更に好ましく、80℃以上であることが特に好ましく、120℃以上であることが最も好ましい。
Tgが0℃よりも大きく、エポキシ樹脂の弾性率を低下させないあるいは向上させる、コア層を形成し得るポリマーとしては、単独重合体のTgが0℃よりも大きい少なくとも1種のモノマーを50~100重量%(より好ましくは、65~99重量%)、および単独重合体のTgが0℃未満の少なくとも1種のモノマーを0~50重量%(より好ましくは、1~35重量%)含んで構成されるポリマーが挙げられる。
コア層のTgが0℃よりも大きい場合においても、コア層は架橋構造が導入されていることが好ましい。架橋構造が導入されることで、Tgが引き上げられる。架橋構造の導入方法としては、前記の方法が挙げられる。
前記単独重合体のTgが0℃よりも大きいモノマーは、以下のモノマーの一つ以上を含有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、スチレン、2-ビニルナフタレン等の無置換ビニル芳香族化合物類;α―メチルスチレン等のビニル置換芳香族化合物類;3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルスチレン、3,5-ジメチルスチレン、2,4,6―トリメチルスチレン等の環アルキル化ビニル芳香族化合物類;4-メトキシスチレン、4-エトキシスチレン等の環アルコキシル化ビニル芳香族化合物類;2-クロロスチレン、3―クロロスチレン等の環ハロゲン化ビニル芳香族化合物類;4-アセトキシスチレン等の環エステル置換ビニル芳香族化合物類;4-ヒトロキシスチレン等の環ヒドロキシル化ビニル芳香族化合物類;ビニルベンゾエート、ビニルシクロヘキサノエート等のビニルエステル類;塩化ビニル等のビニルハロゲン化物類;アセナフタレン、インデン等の芳香族モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類;フェニルメタクリレート等の芳香族メタクリレート;イソボルニルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート等のメタクリレート類;メタクリロニトリル等のメタクリル酸誘導体を含むメタクリルモノマー;イソボルニルアクリレート、tert-ブチルアクリレート等のある種のアクリル酸エステル;アクリロニトリル等のアクリル酸誘導体を含むアクリルモノマーを挙げることができる。更に、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、2-メチル-2-アダマンチルメタクリレート、1-アダマンチルアクリレート及び1-アダマンチルメタクリレート、等のモノマーが挙げられる。
本発明において、コア層は単層構造であることが多いが、多層構造であってもよい。コア層が多層構造の場合は、各層のポリマー組成が各々相違していてもよい。
すなわち、第1のコア層の外側にポリマー組成の異なる第2の層を有する2層からなるコアや、2層からなるコアにさらに、ポリマー組成の異なる第3の層を形成させて、3層からなるコア層であってもよい。2層コアの2層目や3層コアの3層目が、前記記載のトリアリルイソシアヌレートなどの多官能モノマーを主要成分として重合させて得られるポリマーからなる場合、後述するシェルポリマーがグラフトしやすくなるメリットがある。しかし、多層構造コアの形成は、製造工程が複雑になるという欠点がある。
前記コアシェルポリマー(D)の最も外側に存在するシェル層、すなわちシェルポリマーは、ポリエーテルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)やフェナルカミン硬化剤(C)などとの相溶性を制御し、コアシェルポリマーを効果的に分散させる役割をする。
このようなシェルポリマーは、好ましくは前記コア層にグラフトしている。より正確には、シェルポリマーの形成に用いるモノマー成分が、コア層を形成するコアポリマーにグラフト重合して、実質的にシェルポリマーとコアとが化学結合していることが好ましい。即ち、好ましくは、シェルポリマーは、コアポリマーの存在下に前記シェル形成用モノマーをグラフト重合させることで形成され、このようにすることで、このコアポリマーにグラフト重合されており、コアポリマーの一部又は全体を覆っている。この重合操作は、水性のポリマーラテックス状態で調製され存在するコアポリマーのラテックス対して、シェルポリマーの構成成分であるモノマーを加えて重合させることで実施できる。
また、シェル層形成用モノマーは、良好な物性バランスを有するエポキシ樹脂組成物が得られる点から、シェルポリマーのガラス転移温度(Tgともいう)が好ましくは-40~20℃であり、より好ましくは-35~15℃、さらに好ましくは-30~10℃になるように選択される必要がある。
選択したモノマーから得られるポリマーのTgは、ハンドブックや各種モノマーの供給者から得られる技術データやハンドブックなどから得ることができる。アルドリッチ(Aldrich社から提供されているリファレンス:ポリマープロパティズ(Reference:Polymer Properties)52-53ページは比較的多くのデータがまとまっており使いやすい。しかし、ポリアクリロニトリルのTgは85℃(358K)、ポリアリルメタクリレートのTgは、BASF社の技術資料から52℃(325K)、ポリ4-ヒドロキシルブチルアクリレートのTgは、日本化成(株)社の技術資料から、-40℃(233K)、ポリグリシジルメタクリレートのTgは、サンエステルズ社(SANESTERS CORPORATION)の技術資料から、46℃(319K)を使用するのが好ましい。単独重合体のTgを用いて共重合体のTgを算出することができる。具体的には、John Wiley&Son社出版「ENCYCLOPEDIA OF POLYMER SCIENCE AND ENGINEERING」1987年、7巻、539ページ記載のFoxの式により算出する。すなわち、共重合体のTgcは、m種類のモノマーからなる共重合体を構成する各モノマーの単独重合体のガラス転移温度Tgnとのその重量分率Wfn(重量%/100の値)とから次の数式(1)により算出した。なお、同式ではTgの単位は絶対温度(K)を用いているので、得られた絶対温度値から273を差し引くことでセルシウス温度(℃)に変換する。
数式(1)
Figure 0007049152000001
たとえば、スチレン50重量%、メチルメタクリレート25重量%、ブチルアクリレート25重量%からなる共重合体のTgは、ポリスチレンのTg373(K)(100℃)、ポリメチルメタクリレートのTg378(K)(105℃)、ポリブチルアクリレートのTg-54℃(219K)を用いて数式(1)に代入して、318(K)(45℃)の値が得られる。
本発明の特長である、配合粘度の低減、高い耐衝撃性および耐熱衝撃性を得るには、シェル層形成用モノマーの一部として、水酸基含有ビニルモノマーを使用することが好ましい。これによりコアシェルポリマーに水酸基を特定量含有させることができる。水酸基含有ビニルモノマーと共重合させるモノマーとしては、(メタ)アクリレートモノマー、芳香族ビニルモノマーを用いることが好ましい。
また、シェル層形成用モノマーとして、二重結合を2個以上有する多官能性モノマーを使用すると、シェル層に架橋構造が導入される。これにより、コアシェルポリマーとエポキシ樹脂(B)との相互作用が低下し、その結果、エポキシ樹脂組成物の粘度を下げることができる。このため、二重結合を2個以上有する多官能性モノマーの使用が好ましい場合がある。一方、エポキシ樹脂の硬化物の伸びが低下する傾向にあるので、伸びを最大限に改善したい場合は、シェル層形成用モノマーとして、二重結合を2個以上有する多官能性モノマーを使用しないことが好ましい。
多官能性モノマーは、使用する場合、シェル層形成用モノマー中に、0.5~10重量%含まれていることが好ましく、より好ましくは1~5重量%である。
前記(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等があげられる。
前記芳香族ビニルモノマーの具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記水酸基含有ビニルモノマーの具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記二重結合を2個以上有する多官能性モノマーの具体例としては、上述の多官能性モノマーと同じモノマーが例示されるが、好ましくはアリルメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートである。
シェル層は、上記モノマー成分の他に、他のモノマー成分を含んで形成されてもよい。
前記コアシェルポリマー(D)における、シェル層の割合は、コアシェルポリマー全体を100重量%として、5~30重量%であり、7~20重量%がより好ましい。シェル層の割合が多すぎる場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなりすぎる傾向がある。また、少なすぎる場合、コアシェルポリマーのエポキシ樹脂への分散が難しくなる。
≪コアシェルポリマー(D)の製造方法≫
(コア層の製造方法)
本発明で用いるコアシェルポリマー(D)を構成するコア層を形成するポリマーが、ジエン系モノマー(共役ジエン系モノマー)および(メタ)アクリレート系モノマーから選ばれる少なくとも1種のモノマー(第1モノマー)を含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばWO2005/028546号公報に記載の方法を用いることができる。
また、コア層を形成するポリマーがオルガノシロキサン系ポリマーを含んで構成される場合には、コア層の形成は、例えば、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などによって製造することができ、例えばEP1338625号公報に記載の方法を用いることができる。
(シェル層の形成方法)
シェル層は、シェル層形成用モノマーを、公知のラジカル重合により重合することによって形成することができる。コア層をコアシェルポリマー(D)前駆体のエマルジョンとして得た場合には、シェル層形成用モノマーの重合は乳化重合法により行うことが好ましく、例えば、WO2005/028546号公報に記載の方法に従って製造することができる。
乳化重合において用いることができる乳化剤(分散剤)としては、ジオクチルスルホコハク酸やドデシルベンゼンスルホン酸などに代表されるアルキルまたはアリールスルホン酸、アルキルまたはアリールエーテルスルホン酸、ドデシル硫酸に代表されるアルキルまたはアリール硫酸、アルキルまたはアリールエーテル硫酸、アルキルまたはアリール置換燐酸、アルキルまたはアリールエーテル置換燐酸、ドデシルザルコシン酸に代表されるN-アルキルまたはアリールザルコシン酸、オレイン酸やステアリン酸などに代表されるアルキルまたはアリールカルボン酸、アルキルまたはアリールエーテルカルボン酸などの各種の酸類、これら酸類のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩などのアニオン性乳化剤(分散剤);アルキルまたはアリール置換ポリエチレングリコールなどの非イオン性乳化剤(分散剤);ポリビニルアルコール、アルキル置換セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸誘導体などの分散剤が挙げられる。これらの乳化剤(分散剤)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
コアシェルポリマー(D)の水性ラテックスの分散安定性に支障を来さない限り、乳化剤(分散剤)の使用量は少なくすることが好ましい。また、乳化剤(分散剤)は、その水溶性が高いほど好ましい。水溶性が高いと、乳化剤(分散剤)の水洗除去が容易になり、最終的に得られるポリオール組成物への悪影響を容易に防止できる。
乳化重合法の開始剤として、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、有機化酸化物、過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの熱分解型開始剤が良く知られているが、本発明においては、有機過酸化物が特に好ましい。
好ましい有機過酸化物として、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、パラメンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-ヘキシルパーオキサイドなどを挙げることができる。なかでも、10時間半減期の熱分解温度(以下、T10ともいう)が120℃以上である、ジ-t-ブチルパーオキサイド(T10:124℃)パラメンタンハイドロパーオキサイド(T10:128℃)、クメンハイドロパーオキサイド(T10:158℃)、t-ブチルハイドロパーオキサイド(T10:167℃)などの有機過酸化物を使用することが、コアシェルポリマー(D)のMEK不溶分量を高くできる点で好ましい。
また有機過酸化物と、必要に応じてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、グルコースなどの還元剤、および必要に応じて硫酸鉄(II)などの遷移金属塩、さらに必要に応じてエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどのキレート剤、さらに必要に応じてピロリン酸ナトリウムなどのリン含有化合物などを併用したレドックス型開始剤を使用することが好ましい。
レドックス型開始剤系を用いた場合には、前記過酸化物が実質的に熱分解しない低い温度でも重合を行うことができ、重合温度を広い範囲で設定できるようになり好ましい。
前記開始剤の使用量、レドックス型開始剤を用いる場合には前記還元剤・遷移金属塩・キレート剤などの使用量は公知の範囲で用いることができる。
また、要すれば連鎖移動剤も使用できる。該連鎖移動剤は通常の乳化重合で用いられているものであればよく、とくに限定はされない。
前記連鎖移動剤の具体例としては、t-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-テトラデシルメルカプタン、n-ヘキシルメルカプタンなどがあげられる。
重合に際しての重合温度、圧力、脱酸素などの条件は、公知の範囲のものが適用できる。
<無機充填剤(E)>
本発明に使用される無機充填剤(E)は、基材との密着性や基材の腐食を防ぐとともに、ポリエーテルポリオール(A)とコアシェルポリマー(D)による耐衝撃性、耐熱衝撃性が発現しやすいものが選ばれる。具体例としては、硫酸バリウム、マイカ、タルク、酸化鉄、りん酸亜鉛、酸化チタンからなる群より選択される一種以上である。これらの中で特に好ましいのが硫酸バリウムであり、無機充填剤中に50重量%以上含むことが好ましい。炭酸カルシウムやシリカ粉などは、無機充填剤としてよく使用されるが、本発明では耐腐食性を含めた物性バランスが低下する傾向があることから好ましくない。
無機充填剤(E)の粒子径は、好ましくは0.01~30μm、より好ましくは0.1~15μmである。小さすぎるとエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなる傾向があり、大きすぎると耐衝撃性が低下する傾向がある。
無機充填剤(E)の配合量は、耐衝撃性および耐熱衝撃性が発現しやすいことから、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の合計量を100重量%とした場合に、30~75重量%、好ましくは35~70重量%である。少なすぎても多すぎてもエポキシ樹脂組成物の基材への密着性が低下して耐衝撃性が低下する傾向がある。
<その他の配合成分>
本発明では、必要に応じて、その他の配合成分を使用することができる。その他の配合成分としては、通常のエポキシ樹脂組成物に使用されるものであれば、特に限定されることなく使用できる。たとえば、溶剤、水、シランカップリング剤、消泡剤、沈降防止剤、チキソ性付与剤、顔料や染料等の着色剤、体質顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定化剤(ゲル化防止剤)、可塑剤、レベリング剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、減粘剤、低収縮剤、有機質充填剤、熱可塑性樹脂、乾燥剤、分散剤等が挙げられる。中でも、溶剤は配合粘度を大きく低下させ、スプレーによるコーティングを可能にすることから、溶剤の使用が好ましい場合がある。溶剤の好ましい具体例は、キシレン、n-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルブチルケトンなどを挙げることができる。溶剤を使用する場合、その使用量は、本発明のエポキシ樹脂組成物100重量部に対して、5~40重量部が好ましく、さらには10~30重量部含有するのがより好ましい。また、環境負荷の低減から溶剤の代わりに水を用いてもよい。水の使用量は、本発明のエポキシ樹脂組成物100重量部に対して、5~80重量部が好ましく、さらには20~70重量部含有するのがより好ましい。シランカップリング剤は、充填剤、接着基材、ガラス繊維や炭素繊維などと樹脂との接着性を改良することから、特に好ましい。具体例としては、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。使用量は、エポキシ樹脂組成物100重量部に対して0.1~2重量部が好ましい。また、エポキシ樹脂組成物は、気泡を極力減らす必要があるので、消泡剤を配合中に添加することが好ましい。消泡剤としては、例えば、シリコーン系、フッ素系、アクリル系、ポリオキシエチレン系、ポリオキシプロピレン系等の消泡剤より適宜選択すればよい。具体的な例としては、ビックケミー社のBYK-A500やBYK-1790などを挙げることができる。使用量は、エポキシ樹脂組成物100重量部に対して、0.01~5重量部を使用することが好ましい。また、エポキシ樹脂組成物に充填剤などを用いた場合、その貯蔵安定性を高めることから、沈降防止剤を配合することが好ましい。沈降防止剤としては、エポキシ樹脂組成物のチキソ性を高める添加剤、例えばヒュームドシリカや微粉末有機ベントナイトなどが好ましい。沈降防止剤の使用量は、エポキシ樹脂組成物100重量部に対して0.1~15重量部使用することが好ましい。難燃剤としては、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの無機難燃剤、テトラブロモビスフェノールAやその変性体、テトラブロモフタレードなどのハロゲン系難燃剤、トリフェニルホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェートおよび反応型ビスフェノールAビス(ジフェニル)ホスフェートなどのリン系難燃剤、シリコーン系難燃剤などを挙げることができる。難燃剤は、エポキシ樹脂(B)100重量部に対して1~200重量部使用することが好ましい。
<エポキシ樹脂組成物の製法>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、水酸基当量が350~1100g/Eqであるポリエーテルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、フェナルカミン硬化剤(C)、水酸基を0.055~0.140mmol/g含有するコアシェルポリマー(D)および硫酸バリウム、マイカ、タルク、酸化鉄、りん酸亜鉛、酸化チタンからなる群より選択される1種以上の無機充填剤(E)を含有する塗料用エポキシ樹脂組成物であって、
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の合計量を100重量%とした場合に、
(A)の含有量が0.5~5.0重量%、
(D)の含有量が1.5~5.0重量%、
(E)の含有量が30~75重量%、
であるものである。
前記配合において、コアシェルポリマー(D)を1次粒子の状態で前記ポリエーテルポリオール(A)あるいは前記エポキシ樹脂(B)に、一旦分散させた分散物を用いることが、前記エポキシ樹脂組成物の粘度を制御しやすい点で好ましい。特にコアシェルポリマーをポリエーテルポリオール(A)に分散させることが、高濃度に分散させることができ、また分散物の粘度も低くなることから好ましい。
コアシェルポリマー(D)を前記ポリエーテルポリオール(A)あるいは前記エポキシ樹脂(B)に1次粒子の状態で分散させた前記分散物を得る方法は、種々の方法が利用できるが、例えば水性ラテックス状態で得られたコアシェルポリマーをポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)と接触させた後、水等の不要な成分を除去する方法、コアシェルポリマーを一旦有機溶剤に抽出後にポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)と混合してから有機溶剤を除去する方法等が挙げられるが、国際公開WO2005/028546に記載の方法を利用することが好ましい。その具体的な製造方法は、順に、コアシェルポリマーを含有する水性ラテックス(詳細には、乳化重合によってコアシェルポリマーを製造した後の反応混合物)を、20℃における水に対する溶解度が5%以上40%以下の有機溶媒と混合した後、さらに過剰の水と混合して、コアシェルポリマーを凝集させる第1工程と、凝集したコアシェルポリマーを液相から分離・回収した後、再度有機溶媒と混合して、コアシェルポリマーの有機溶媒溶液を得る第2工程と、有機溶媒溶液をさらにポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)と混合した後、前記有機溶媒を留去する第3工程とを含んで調製されることが好ましい。
ポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)は、23℃で液状であると、前記第3工程が容易となる為、好ましい。「23℃で液状」とは、軟化点が23℃以下であることを意味し、23℃で流動性を示すものである。
上記の工程を経て得た、ポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)にコアシェルポリマーが1次粒子の状態で分散した組成物(以下、1次粒子分散組成物ともいう)を用いて、必要があれば、ポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)を加えて、更に、フェナルカミン硬化剤(C)および無機充填剤(E)を追加混合し、また必要があれば前記その他配合成分を混合する事により、本発明のエポキシ樹脂組成物が得られる。
一方、塩析等の方法により凝固させた後に乾燥させて得た、粉体状のコアシェルポリマーは、3本ペイントロールやロールミル、ニーダー等の高い機械的せん断力を有する分散機を用いて、ポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)中に再分散することが可能である。この際、ポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)とコアシェルポリマーの混合物に、高温で機械的せん断力を与えることで、コアシェルポリマーがポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)中に効率良く分散することを可能にする。分散させる際の温度は、50~200℃が好ましく、70~170℃がより好ましく、80~150℃が更に好ましく、90~120℃が特に好ましい。温度が50℃よりも小さいと、十分にコアシェルポリマーが分散しない場合があり、200℃よりも大きいと、ポリエーテルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)およびコアシェルポリマー(D)が熱劣化する場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ポリエーテルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、フェナルカミン硬化剤(C)、コアシェルポリマー(D)および無機充填剤(E)を主成分と硬化成分の2液として混合して調製してもよい。例えば、ポリエーテルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、コアシェルポリマー(D)および無機充填剤(E)の混合成分を主成分とし、フェナルカミン硬化剤(C)、必要あれば無機充填剤(E)を硬化成分に含めてから混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を調製してもよい、ポリエーテルポリオール(A)および/またはコアシェルポリマー(D)とフェナルカミン硬化剤(C)の混合成分を硬化剤成分としてから、エポキシ樹脂(B)および無機充填剤(E)からなる主成分と混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を調製してもよい。これらは一例であり、これら以外に可能な組み合わせで、主成分と硬化成分に分けて混合してもよい。
<硬化物>
本発明には、前記エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物が含まれる。前記エポキシ樹脂組成物は、通常のエポキシ硬化条件:-5~150℃、30分~10日の範囲で硬化できる。得られる硬化物の硬度はえんぴつ硬度で、好ましくは3H以上である。また、硬化して得られる塗膜厚みは100~500μmであることが好ましい。薄すぎても、厚すぎても硬化物の物性バランスが低下する傾向にある。
<用途>
本発明の組成物から得られる硬化物は、優れた、硬度、耐衝撃性および耐熱衝撃性を有することから、下塗り用の塗料などに好適である。
以下、実施例および比較例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更して実施することが可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお下記実施例および比較例において「部」および「%」とあるのは、重量部または重量%を意味する。
なお、以下の合成例、実施例および比較例における測定および試験はつぎのように行った。
[1]ポリマー粒子の平均粒子径の測定
水性ラテックスに分散しているポリマー粒子の数平均粒子径(Mn)は、マイクロトラックUPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。脱イオン水で希釈したものを測定試料として用いた。
[2]コアシェルポリマーのMEK不溶分量の測定
ラテックスから乾燥させて得られたコアシェルポリマーの2gを23℃にて、MEK100gに24時間浸漬した後にMEK不溶分を遠心分離した。得られた不溶分を乾燥させて重量を計り、コアシェルポリマーの重量に対するMEK不溶分の重量分率(%)を算出した。
[3]粘度測定
粘度は、BROOKFIELD社製コーンプレート型粘度計でコーンプレート3°/24mmを用いて、25℃で、5サイクル/秒のせん断速度の粘度値を測定した。
[4]耐衝撃性の評価
ASTM D2794に準じて、試験温度23℃で行った。まず、塗料用エポキシ樹脂組成物を冷間圧延鋼板(厚み0.8mm)にアプリケーターを用いて塗布し、室温で3日間以上置いて硬化し、その後60℃で3時間置くことで十分に硬化した。試験板は23℃で1日置いてから、塗膜厚みを測定した。その後、この塗膜上に、重さ1kgのおもりを異なる高さから落とし、クラックが入る高さを測定した。これを耐衝撃性指数(cm)とした。
[5]耐熱衝撃性の評価
塗料用エポキシ樹脂組成物をスプリングワッシャー(サイズ M10)が中心に埋め込まれるようにセットされた型枠に入れて硬化した(硬化条件は、[4]と同じ)。得られた直径26mm、厚み5mmを60℃/30分~-30℃/30分を1サイクルとするヒートサイクルテストを行った。硬化物にクラックが発生した時のサイクル数を記録し耐熱衝撃性指数とした。
[6]硬度の評価
前記[4]の方法で作製した試験板を用いて、塗膜のえんぴつ硬度を23℃で評価した。評価は、ASTM D3363に準じて行った。
実施例および比較例において用いたポリエーテルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、フェナルカミン系硬化剤(C)、コアシェルポリマー(D)および無機充填剤(E)を示す。なお、コアシェルポリマー(D)がポリエーテルポリオール(A)あるいはエポキシ樹脂(B)に分散したものを分散物(F)とした。
<ポリエーテルポリオール(A)>
A-1:PPD1000、数平均分子量1000のポリオキシプロピレンジオール(三井化学(株)製、アクトコールD-1000:水酸基当量510g/Eq)
A-2:PPD1500、数平均分子量1500のポリオキシプロピレンジオール(三井化学(株)製、アクトコールD-1500:水酸基当量748g/Eq)
A-3:PPT1500、数平均分子量1500のポリオキシプロピレントリオール(三井化学(株)製、アクトコールT-1500:水酸基当量510g/Eq)
A-4:PPD2000、数平均分子量2000のポリオキシプロピレンジオール(三井化学(株)製、アクトコールD-2000:水酸基当量1020g/Eq)
A-5:PPD700、数平均分子量700のポリオキシプロピレンジオール(三井化学(株)製、アクトコールD-700:水酸基当量351g/Eq)
A-6:PPD400、数平均分子量400のポリオキシプロピレンジオール(三井化学(株)製、アクトコールD-400:水酸基当量200g/Eq)
A-7:PPD2400、数平均分子量2400のポリオキシプロピレンジオール(三井化学(株)製、アクトコールD-2000とアクトコールD3000の等重量混合物:水酸基当量1200g/Eq)
<エポキシ樹脂(B)>
B-1:BPADGE、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(三菱化学(株)製jER828EL)
<フェナルカミン系硬化剤(C)>
C-1:NC-541LV フェナルカミン(カードライト製NC-541LV)。
<コアシェルポリマー(D)> 後述の合成例を参照
D-1~D-8:コアの主成分がブタジエンゴムコアであるコアシェルポリマー
<無機充填剤(E)>
E-1:硫酸バリウム(竹原化学工業(株)製W-1、平均粒径1.5μm)
E-2:タルク(和光純薬工業(株)製タルク、平均粒径10~15μm)
E-3:酸化鉄(ランクセス社製バイフェロックス(Bayferrox)180M、平均粒径1μm)
<分散物(F)>後述の合成例を参照
F-1:コアシェルポリマー(D-1)40重量%がポリエーテルポリオール(A-1)に分散した分散物
F-2:コアシェルポリマー(D-2)40重量%がポリエーテルポリオール(A-1)に分散した分散物
F-3:コアシェルポリマー(D-3)40重量%がポリエーテルポリオール(A-1)に分散した分散物
F-4:コアシェルポリマー(D-4)40重量%がポリエーテルポリオール(A-1)に分散した分散物
F-5:コアシェルポリマー(D-5)40重量%がポリエーテルポリオール(A-1)に分散した分散物
F-6:コアシェルポリマー(D-6)40重量%がポリエーテルポリオール(A-1)に分散した分散物
F-7:コアシェルポリマー(D-7)40重量%がポリエーテルポリオール(A-1)に分散した分散物
F-8:コアシェルポリマー(D-8)40重量%がポリエーテルポリオール(B-1)に分散した分散物
F-9:コアシェルポリマー(D-2)40重量%がポリエーテルポリオール(A-2)に分散した分散物
F-10:コアシェルポリマー(D-2)40重量%がポリエーテルポリオール(A-3)に分散した分散物
F-11:コアシェルポリマー(D-2)40重量%がポリエーテルポリオール(A-4)に分散した分散物
F-12:コアシェルポリマー(D-2)40重量%がポリエーテルポリオール(A-5)に分散した分散物
F-13:コアシェルポリマー(D-2)40重量%がポリエーテルポリオール(A-6)に分散した分散物
F-14:コアシェルポリマー(D-2)40重量%がポリエーテルポリオール(A-7)に分散した分散物
<その他の配合成分>
G-1:チキソ付与剤、有機ベントナイト(エレメンティス社製ベントンSD-2)
H-1:分散剤、U100(BYK社製、Anti-Terra-U100)
I-1:溶媒混合物、キシレン(X)とn-ブタノール(B)を重量比で2:1で混合した溶媒混合物
(合成例 コアシェルポリマー(D-1)~(D-6))
1-1.コア層の形成
合成例1-1-1;ポリブタジエンゴムラテックス(R-1)の調製
耐圧重合機中に、脱イオン水200部、リン酸三カリウム0.03部、リン酸二水素カリウム0.25部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)0.002部、硫酸第一鉄・7水和塩(Fe)0.001部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDS)0.2部を投入し、撹拌しつつ十分に窒素置換を行なって酸素を除いた後、ブタジエン(BD)100部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド(PHP)0.015部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(SFS)0.04部を投入し重合を開始した。重合開始から4時間目に、SDS0.3部、PHP0.01部、EDTA0.0015部およびFe0.001部を投入した。さらに重合から7時間目に、SDS0.4部を投入した。重合10時間目に減圧下残存モノマーを脱揮除去して重合を終了し、ポリブタジエンゴム粒子を含むラテックス(R-1)を得た。重合反応率は99%以上であった。得られたラテックスに含まれるポリブタジエンゴム粒子の数平均粒子径は0.14μmであった。
1-2.コアシェルポリマーの調製(シェル層の形成)
合成例1-2-1;コアシェルポリマー(D-1)を含有するラテックス(D-1LX)の調製
還流冷却器、窒素吹込口、モノマーと乳化剤の追加口、温度計を備えた5口ガラス容器に、合成例1-1で得たラテックス(R-1)1575部(ポリブタジエンゴム粒子518部相当)および脱イオン水315部を仕込み、窒素置換を行いながら60℃で撹拌した。EDTA0.024部、Fe0.006部、SFS1.2部を加えた後、グラフトモノマー(ブチルアクリレート(BA)42部、メチルメタクリレート(MMA)42部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4-HBA)6部)およびCHP0.4部の混合物を2時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間撹拌して反応を終了させ、コアシェルポリマー(D-1)のラテックス(D-1LX)を得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(D-1)のゴム成分量は、仕込み量と反応率から85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(D-1)の数平均粒子径は0.15μmであり、MEK不溶分量は98%であった。なお、シェルポリマーのTgは組成比から1℃と算出された。
合成例1-2-2;コアシェルポリマー(D-2)を含有するラテックス(D-2LX)の調製
合成例1-2-1において、グラフトモノマーとして<BA42部、MMA42部、4-HBA6部>の代わりに<BA41.4部、MMA41.4部、4-HBA7.2部>を用いたこと以外は合成例1-2-1と同様にして、コアシェルポリマー(D-2)のラテックス(D-2LX)を得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(D-2)のゴム成分量は、仕込み量と反応率からから85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(D-2)の数平均粒子径は0.15μmであり、MEK不溶分量は98%であった。なお、シェルポリマーのTgは組成比から0℃と算出された。
合成例1-2-3;コアシェルポリマー(D-3)を含有するラテックス(D-3LX)の調製
合成例1-2-1において、グラフトモノマーとして<BA42部、MMA42部、4-HBA6部>の代わりに<BA39.6部、MMA39.6部、4-HBA10.8部>を用いたこと以外は合成例1-2-1と同様にして、コアシェルポリマー(D-3)のラテックス(D-3LX)を得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(D-3)のゴム成分量は、仕込み量と反応率からから85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(D-3)の数平均粒子径は0.15μmであり、MEK不溶分量は98%であった。なお、シェルポリマーのTgは組成比から-2℃と算出された。
合成例1-2-4;コアシェルポリマー(D-4)を含有するラテックス(D-4LX)の調製
合成例1-2-1において、グラフトモノマーとして<BA42部、MMA42部、4-HBA6部>の代わりに<BA39部、MMA39部、4-HBA12部>を用いたこと以外は合成例1-2-1と同様にして、コアシェルポリマー(D-4)のラテックス(D-4LX)を得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(D-4)のゴム成分量は、仕込み量と反応率からから85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(D-4)の数平均粒子径は0.15μmであり、MEK不溶分量は98%であった。なお、シェルポリマーのTgは組成比から-3℃と算出された。
合成例1-2-5;コアシェルポリマー(D-5)を含有するラテックス(D-5LX)の調製
合成例1-2-1において、グラフトモノマーとして<BA42部、MMA42部、4-HBA6部>の代わりに<BA38.1部、MMA38.1部、4-HBA13.8部>を用いたこと以外は合成例1-2-1と同様にして、コアシェルポリマー(D-5)のラテックス(D-5LX)を得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(D-5)のゴム成分量は、仕込み量と反応率からから85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(D-5)の数平均粒子径は0.15μmであり、MEK不溶分量は98%であった。なお、シェルポリマーのTgは組成比から-4℃と算出された。
合成例1-2-6;コアシェルポリマー(D-6)を含有するラテックス(D-6LX)の調製
合成例1-2-1において、グラフトモノマーとして<BA42部、MMA42部、4-HBA6部>の代わりに<BA26.8部、MMA56部、4-HBA7.2部>を用いたこと以外は合成例1-2-1と同様にして、コアシェルポリマー(D-6)のラテックス(D-6LX)を得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(D-6)のゴム成分量は、仕込み量と反応率からから85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(D-6)の数平均粒子径は0.15μmであり、MEK不溶分量は98%であった。なお、シェルポリマーのTgは組成比から26℃と算出された。
合成例1-2-7;コアシェルポリマー(D-7)を含有するラテックス(D-7LX)の調製
合成例1-2-1において、グラフトモノマーとして<BA42部、MMA42部、4-HBA6部>の代わりに<BA45部、MMA45部>を用いたこと以外は合成例1-2-1と同様にして、コアシェルポリマー(D-7)のラテックス(D-7LX)を得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(D-7)のゴム成分量は、仕込み量と反応率からから85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(D-7)の数平均粒子径は0.15μmであり、MEK不溶分量は98%であった。なお、シェルポリマーのTgは組成比から4℃と算出された。
合成例1-2-8;コアシェルポリマー(D-8)を含有するラテックス(D-8LX)の調製
合成例1-2-1において、グラフトモノマーとして<BA42部、MMA42部、4-HBA6部>の代わりに<BA42部、MMA42部、グリシジルメタクリレート(GMA)6部>を用いたこと以外は合成例1-2-1と同様にして、コアシェルポリマー(D-8)のラテックス(D-8LX)を得た。重合反応率は99%以上であった。コアシェルポリマー(D-8)のゴム成分量は、仕込み量と反応率からから85%であった。得られたラテックスに含まれるコアシェルポリマー(D-8)の数平均粒子径は0.15μmであり、MEK不溶分量は98%であった。なお、シェルポリマーのTgは組成比から7℃と算出された。
上記の合成例のコアシェルポリマーについて、表1にまとめた。
Figure 0007049152000002
1-3.(コアシェルポリマー(D-1~D-8)がポリエーテルポリオール(A-1~A-7)またはエポキシ樹脂(B-1)に分散した分散物(F-1~F-14)の調製)
25℃の1L混合槽にMEK100部を導入し、撹拌しながら、それぞれ前記合成例で得られたコアシェルポリマー(D)のラテックス:コアシェルポリマー30部相当分を投入した。均一に混合後、水150部を60部/分の供給速度で投入した。供給終了後、速やかに撹拌を停止したところ、浮上性の凝集体および有機溶媒を一部含む水相からなるスラリー液を得た。次に、水相を槽下部の払い出し口より排出させた。得られた凝集体にMEK70部を追加して均一に混合し、コアシェルポリマーが均一に分散した分散体を得た。この分散体を500mlのガラス容器に入れ、ポリエーテルポリオール(A)45部と混合した。ただし、分散物(F-8)に関しては、ポリエーテルポリオール(A)の代わりにエポキシ樹脂(B)と混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、ポリエーテルポリオール(A)またはエポキシ樹脂(B)中にコアシェルポリマー(D)が40重量%分散した分散物(F)を得た。表2に、配合量をまとめた。
Figure 0007049152000003
(実施例1~11、比較例1~7)
表3~4に示す処方にしたがってい、まず成分(A)、(B)、(E)、(F)、(G)および(H)をそれぞれ計量し、撹拌装置(自転公転ミキサー、あわとり練太郎、株式会社シンキー製)を用いて均一に混合した。得られた混合物に、成分(C)および(I)をそれぞれ計量して加え、撹拌装置を用いて均一に混合してエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を冷間圧延鋼板(厚み0.8mm)にアプリケーターを用いて塗布し、室温で3日間以上置いて硬化し、その後60℃で3時間置くことで十分に硬化した。試験板は23℃で1日置いてから、塗膜厚みを測定して、えんぴつ硬度、耐衝撃性および耐熱衝撃性の評価を行った。
結果を表3および表4に示す。
Figure 0007049152000004
Figure 0007049152000005
表3~4から、本発明の塗料用エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、硬度、耐衝撃性および耐熱性に優れることがわかる。

Claims (10)

  1. 水酸基当量が350~00g/Eqであるポリエーテルポリオール(A)、エポキシ樹脂(B)、フェナルカミン硬化剤(C)、水酸基を0.055~0.140mmol/g含有するコアシェルポリマー(D)および硫酸バリウム、マイカ、タルク、酸化鉄、りん酸亜鉛、酸化チタンからなる群より選択される1種以上の無機充填剤(E)を含有する塗料用エポキシ樹脂組成物であって、
    (A)、(B)、(C)、(D)、(E)の合計量を100重量%とした場合に、
    (A)の含有量が0.5~5.0重量%、
    (D)の含有量が1.5~5.0重量%、
    (E)の含有量が30~75重量%、
    である塗料用エポキシ樹脂組成物。
  2. ポリエーテルポリオール(A)が、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシブチレンジオールおよびポリオキシブチレントリオールからなる群より選択された少なくとも一種である請求項1記載の塗料用エポキシ樹脂組成物。
  3. ポリエーテルポリオール(A)の水酸基当量が450~900g/Eqである請求項1または2記載の塗料用エポキシ樹脂組成物。
  4. コアシェルポリマー(D)が、数平均粒子径が0.01~0.6μmのコアシェルポリマーである請求項1~3のいずれか一項に記載の塗料用エポキシ樹脂組成物
  5. コアシェルポリマー(D)のコア層がジエン系ゴム、(メタ)アクリレート系ゴム、オルガノシロキサン系ゴム、スチレン系ポリマーおよび(メタ)アクリレート系ポリマーからなる群より選択される1種以上の物質を含有する請求項1~4のいずれか一項に記載の塗料用エポキシ樹脂組成物。
  6. コアシェルポリマー(D)のシェル層を構成するポリマーのガラス転移温度が-40~20℃である請求項1~5いずれか一項に記載の塗料用エポキシ樹脂組成物。
  7. コアシェルポリマー(D)の水酸基含有量が0.080~0.140mmol/gである請求項1~6いずれか一項に記載の塗料用エポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の塗料用エポキシ樹脂組成物の硬化物。
  9. 鉛筆硬度が3H以上である、請求項8記載の塗料用エポキシ樹脂組成物の硬化物。
  10. 塗膜厚みが100~500μmである請求項8または9記載の塗料用エポキシ樹脂組成物の硬化物。
JP2018064892A 2018-03-29 2018-03-29 塗料用エポキシ樹脂組成物 Active JP7049152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018064892A JP7049152B2 (ja) 2018-03-29 2018-03-29 塗料用エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018064892A JP7049152B2 (ja) 2018-03-29 2018-03-29 塗料用エポキシ樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019172895A JP2019172895A (ja) 2019-10-10
JP7049152B2 true JP7049152B2 (ja) 2022-04-06

Family

ID=68169483

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018064892A Active JP7049152B2 (ja) 2018-03-29 2018-03-29 塗料用エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7049152B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021261071A1 (ja) * 2020-06-22 2021-12-30
JP7555423B2 (ja) 2020-11-17 2024-09-24 株式会社日本触媒 結合剤、固化体、及び固化体の製造方法
JP7432645B2 (ja) * 2022-03-31 2024-02-16 大日本塗料株式会社 塗料組成物、金属塗装物の製造方法および金属塗装物
CN115286984B (zh) * 2022-04-08 2023-08-11 水乐涂新材料(广州)有限公司 一种用于水下环境的装饰涂料及其制备方法
CN115894808B (zh) * 2022-11-17 2024-07-05 北方华锦化学工业股份有限公司 一种低晶点板材级abs材料及制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002519480A (ja) 1998-07-01 2002-07-02 バンティコ アクチエンゲゼルシャフト フェナルキルアミン誘導体、エポキシ樹脂組成物における硬化剤としてのそれらの使用およびそれらを含む硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2010006884A (ja) 2008-06-25 2010-01-14 Nkm Coatings Co Ltd エポキシ系塗料組成物
JP2016518469A (ja) 2013-03-15 2016-06-23 ブルー キューブ アイピー エルエルシー コアシェルゴム及びポリオールを含有する強化エポキシ熱硬化性物質
JP2016169390A (ja) 2011-07-15 2016-09-23 シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト エポキシ樹脂用の低排出性硬化剤
WO2017145953A1 (ja) 2016-02-22 2017-08-31 株式会社カネカ ポリオール組成物および熱硬化性樹脂

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002519480A (ja) 1998-07-01 2002-07-02 バンティコ アクチエンゲゼルシャフト フェナルキルアミン誘導体、エポキシ樹脂組成物における硬化剤としてのそれらの使用およびそれらを含む硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2010006884A (ja) 2008-06-25 2010-01-14 Nkm Coatings Co Ltd エポキシ系塗料組成物
JP2016169390A (ja) 2011-07-15 2016-09-23 シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト エポキシ樹脂用の低排出性硬化剤
JP2016518469A (ja) 2013-03-15 2016-06-23 ブルー キューブ アイピー エルエルシー コアシェルゴム及びポリオールを含有する強化エポキシ熱硬化性物質
WO2017145953A1 (ja) 2016-02-22 2017-08-31 株式会社カネカ ポリオール組成物および熱硬化性樹脂

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019172895A (ja) 2019-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7049152B2 (ja) 塗料用エポキシ樹脂組成物
JP7199354B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
US10947337B2 (en) Toughened epoxy resin composition
US10017673B2 (en) Polymer fine particle-containing curable resin composition having improved bonding strength against impact peeling
US10370531B2 (en) Core-shell polymer-containing epoxy resin composition, cured product thereof and method for preparing the same
JP6694425B2 (ja) チキソトロピー性に優れる硬化性エポキシ樹脂組成物
EP3192835B1 (en) Epoxy resin composition for casting
JP6767758B2 (ja) 貯蔵安定性および接着性の改善されたポリマー微粒子含有硬化性樹脂組成物
JP6966154B2 (ja) 硬化性組成物及び接着剤
CN112771095B (zh) 固化性环氧树脂组合物、及使用了该固化性环氧树脂组合物的层叠体
WO2022138807A1 (ja) 硬化性樹脂組成物及び接着剤
JP7198775B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP6523611B2 (ja) 異種部材を硬化性樹脂組成物で接合した積層体、および車両用構造パネル
CN116635229A (zh) 固化性树脂组合物及粘接剂

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211124

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20211124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7049152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250